(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-24
(45)【発行日】2025-04-01
(54)【発明の名称】電子デバイスおよびカメラアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G03B 17/04 20210101AFI20250325BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20250325BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20250325BHJP
【FI】
G03B17/04
H04N23/50
G03B17/02
(21)【出願番号】P 2023561851
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 CN2022083537
(87)【国際公開番号】W WO2022213842
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-10-27
(31)【優先権主張番号】202110379750.4
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110528687.6
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】グオ,チャオファン
(72)【発明者】
【氏名】シェン,ホワーン
【審査官】池田 博一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2022/0053075(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111131674(CN,A)
【文献】中国実用新案第210274229(CN,U)
【文献】中国実用新案第210246878(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/04
H04N 23/50
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラアセンブリを備える電子デバイスであって、前記カメラアセンブリは、
カメラキャリアであって、前記カメラキャリアの本体上にカメラモジュールが配置され、第1の方向に沿って前記カメラモジュールを駆動して変位を発生させ、電子デバイス本体に対して後退作業位置と突出作業位置との間で切り替えられるように、前記カメラキャリアと電子デバイスハウジングとの間に摺動適応対が設けられ
、前記摺動適応対は、互いに平行であり第1の方向に沿って摺動可能に互いに嵌合する摺動レールおよび摺動スロットの2つのグループを含む、カメラキャリアと、
前記カメラキャリアと伝動接続している伝動プッシュロッドを含む伝動機構と
を備え、
前記伝動プッシュロッドの本体は第2の方向に沿って配置され、前記伝動プッシュロッドの第1の端部は作動構成要素の動力出力端部と伝動接続することが可能であり、前記伝動プッシュロッドの第2の端部には前記本体から延在して形成された伝動部が設けられており、
前記伝動部は、前記本体から延在して形成された弾性アームであり、前記カメラキャリア上に伝動面が配置され、前記伝動面は、前記第1の方向において前記伝動部の伝動端部と当接し、前記第1の方向および前記第2の方向により形成される平面上で、前記伝動部は、前記伝動プッシュロッドの
前記本体に対して
前記弾性アームの変形により前記弾性アームの作業姿勢を変更することが可能であり、前記伝動端部は前記伝動面と線接触を維持する、
電子デバイス。
【請求項2】
前記弾性アームの可動端は前記伝動端部を形成し、前記弾性アームは、作業姿勢を変化させるために、前記伝動面の押圧下で前記伝動プッシュロッドの前記本体に対して前記平面上で変形することができるように構成される、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記カメラキャリア上に逆駆動伝動面が配置され、前記伝動プッシュロッドの前記本体の中間セクションに逆駆動適合部が配置され、前記逆駆動適合部は、前記第1の方向において前記逆駆動伝動面に対向して配置され、通常状態では、前記逆駆動伝動面と前記逆駆動適合部との間に所定の距離があるように構成され、逆駆動力の作用下では、前記弾性アームが前記伝動面によって押圧されて変形した後、前記逆駆動伝動面が前記逆駆動適合部を押圧し、前記伝動プッシュロッドを押して変位を発生させる、請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記伝動プッシュロッドの前記第2の端部には
前記第2の端部を前記カメラキャリアに接続する接続部がさらに設けられており、
前記接続部は、前記カメラキャリアとともに、前記接続部と前記カメラキャリアとの間
の第3の方向の
相対的な位置関係を維持する制限対
を構成
し、前記接続部は、前記第1の方向および前記第2の方向において前記カメラキャリアに弾性的に接続され、前記第3の方向は、前記第1の方向および前記第2の方向に垂直である、請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記接続部および前記カメラキャリアのうちの一方には凸柱が設けられており、他方には凹部が設けられており、前記凸柱は、前記第3の方向に沿って延在して形成され、前記凹部内に配置され、前記凸柱と前記凹部との間には第1の弾性スリーブが配置されて、前記第1の方向および前記第2の方向において前記接続部と前記カメラキャリアとの間に弾性接続を構築する、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記伝動部の前記伝動端部は、前記伝動面の中間位置に当接し、前記中間位置は、前記第1の方向に沿って前記カメラキャリアの対称中心線と重なる、請求項3から5のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記伝動部および
前記伝動面の2つのグループが対応して設けられており、前記第1の方向において、第1の伝動部および第2の伝動部は、前記伝動プッシュロッドの前記本体に対して対称に配置され、これに対応して、前記第1の方向における前記第1の伝動部の一方の側には第1の伝動面が位置し、前記伝動プッシュロッドを使用することによって、前記カメラモジュールを駆動して前記突出作業位置に切り替え、前記第1の方向における前記第2の伝動部の他方の側には第2の伝動面が位置し、前記伝動プッシュロッドを使用することによって、前記カメラモジュールを駆動して前記後退作業位置に切り替える、請求項6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記逆駆動適合部および
前記逆駆動伝動面の2つのグループが対応して設けられており、前記第1の方向において、前記伝動プッシュロッドの前記本体に対して対称に第1の逆駆動適合部および第2の逆駆動適合部が配置され、これに対応して、前記第1の方向における前記第1の逆駆動適合部の一方の側には第1の逆駆動伝動面が位置し、前記後退作業位置に位置する前記カメラキャリアを使用することによって前記伝動プッシュロッドを押し、前記第1の方向における前記第2の逆駆動適合部の他方の側には第2の逆駆動伝動面が位置し、前記突出作業位置に位置する前記カメラキャリアを使用することによって前記伝動プッシュロッドを押す、請求項7に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記カメラキャリアには、前記第2の方向に沿って配置された伝動溝が設けられており、前記第1の伝動面および前記第2の伝動面は、それぞれ、前記伝動溝の両側の溝壁の中間領域に形成され、前記第1の逆駆動伝動面および前記第2の逆駆動伝動面は、それぞれ、前記伝動溝の両側の前記溝壁の、前記作動構成要素に近い側部領域に形成される、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記第3の方向に沿って形成された投影面上で、前記伝動端部は凸円弧状に構成される、
請求項4又は5に従属する請求項6に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記カメラキャリアと前記電子デバイスハウジングとの間に緩衝適応対が設けられており、前記緩衝適応対は、前記カメラキャリアが変位を発生させ、前記突出作業位置の臨界位置に切り替えられたときに緩衝減衰を発生させるように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記電子デバイスハウジングには、前記第3の方向に沿って延在して形成された第1の取付柱が設けられており、前記第1の取付柱には、第2の弾性スリーブがスリーブされ、これに対応して、前記カメラキャリアには、側方に延在して形成された適合体が設けられており、前記適合体には、前記緩衝適応対を構築するために前記第2の弾性スリーブを押圧して嵌合する傾斜が設けられており、前記第2の弾性スリーブの変形は徐々に増加する、
請求項4又は5に従属する請求項11に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記第2の弾性スリーブの内壁には、周方向に均一に分布した複数の弾性歯が配置され、隣接する弾性歯の間には歯間隙が存在する、請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記カメラキャリアには、前記第1の方向に沿って延在して形成された第2の取付柱が設けられており、前記第2の取付柱には、第3の弾性スリーブがスリーブされ、これに対応して、前記電子デバイスハウジング上に適合穴が配置され、前記適合穴の穴縁部には、前記緩衝適応対を構築するために、前記第3の弾性スリーブを押圧して嵌合する面取りが設けられている、請求項11に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記第3の弾性スリーブの押圧側には、面取りが設けられている、請求項14に記載の電子デバイス。
【請求項16】
前記カメラモジュールは、前記カメラキャリアに埋め込まれて固定され、前記カメラモジュールの視野は、前方に傾けられる、請求項11に記載の電子デバイス。
【請求項17】
前記カメラキャリアの貫通開口内にガラスカバーが密封固定され、前記貫通開口の内側には取付凹部が設けられており、前記取付凹部に前記カメラモジュールの一部がクランプされ、前記取付凹部の底面と前記第1の方向および前記第2の方向が位置する平面との間に夾角が存在し、前記取付凹部と前記ガラスカバーとの間の前記カメラモジュールの外周の一部にプロファイル成形可能な封止シリコーンがスリーブされ、前記プロファイル成形可能な封止シリコーンの第1の端部と前記ガラスカバーとの間に第1のリングシールが形成され、前記プロファイル成形可能な封止シリコーンの第2の端部と前記取付凹部との間に第2のリングシールが形成される、請求項16に記載の電子デバイス。
【請求項18】
前記電子デバイスハウジングに前記摺動レールが配置され、前記カメラキャリアに前記摺動スロットが配置されるか、または、前記カメラキャリアに前記摺動レールが配置され、前記電子デバイスハウジングに前記摺動スロットが配置される、請求項
1に記載の電子デバイス。
【請求項19】
電子デバイスで使用されるカメラアセンブリであって、
カメラキャリアであって、前記カメラキャリアの本体上にカメラモジュールが配置され、第1の方向に沿って前記カメラモジュールを駆動して変位を発生させ、カメラアセンブリハウジングに対して後退作業位置と突出作業位置との間で切り替えられるように、前記カメラキャリアと前記カメラアセンブリハウジングとの間に摺動適応対が設けられ
、前記摺動適応対は、互いに平行であり第1の方向に沿って摺動可能に互いに嵌合する摺動レールおよび摺動スロットの2つのグループを含む、カメラキャリアと、
前記カメラキャリアと伝動接続している伝動プッシュロッドを含む伝動機構と
を備え、
前記伝動プッシュロッドの本体は第2の方向に沿って配置され、前記伝動プッシュロッドの第1の端部は作動構成要素の動力出力端部と伝動接続することが可能であり、前記伝動プッシュロッドの第2の端部には前記本体から延在して形成された伝動部が設けられており、
前記伝動部は、前記本体から延在して形成された弾性アームであり、前記カメラキャリア上に伝動面が配置され、前記伝動面は、前記第1の方向において前記伝動部の伝動端部と当接し、前記第1の方向および前記第2の方向により形成される平面上で、前記伝動部は、前記伝動プッシュロッドの
前記本体に対して
前記弾性アームの変形により前記弾性アームの作業姿勢を変更することが可能であり、前記伝動端部は前記伝動面と線接触を維持する、
カメラアセンブリ。
【請求項20】
前記弾性アームの可動端は前記伝動端部を形成し、前記弾性アームは、作業姿勢を変化させるために、前記伝動面の押圧下で前記伝動プッシュロッドの前記本体に対して前記平面上で変形することができるように構成される、請求項
19に記載のカメラアセンブリ。
【請求項21】
前記カメラキャリア上に逆駆動伝動面が配置され、前記伝動プッシュロッドの前記本体の中間セクションに逆駆動適合部が配置され、前記逆駆動適合部は、前記第1の方向において前記逆駆動伝動面に対向して配置され、通常状態では、前記逆駆動伝動面と前記逆駆動適合部との間に所定の距離があるように構成され、逆駆動力の作用下では、前記弾性アームが前記伝動面によって押圧されて変形した後、前記逆駆動伝動面が前記逆駆動適合部を押圧し、前記伝動プッシュロッドを押して変位を発生させる、請求項
20に記載のカメラアセンブリ。
【請求項22】
前記伝動プッシュロッドの前記第2の端部には
前記第2の端部を前記カメラキャリアに接続する接続部がさらに設けられており、
前記接続部は、前記カメラキャリアとともに、前記接続部と前記カメラキャリアとの間
の第3の方向の
相対的な位置関係を維持する制限対
を構成
し、前記接続部は、前記第1の方向および前記第2の方向において前記カメラキャリアに弾性的に接続され、前記第3の方向は、前記第1の方向および前記第2の方向に垂直である、請求項
21に記載のカメラアセンブリ。
【請求項23】
前記接続部および前記カメラキャリアのうちの一方には凸柱が設けられており、他方には凹部が設けられており、前記凸柱は、前記第3の方向に沿って延在して形成され、前記凹部内に配置され、前記凸柱と前記凹部との間には第1の弾性スリーブが配置されて、前記第1の方向および前記第2の方向において前記接続部と前記カメラキャリアとの間に弾性接続を構築する、請求項
22に記載のカメラアセンブリ。
【請求項24】
前記伝動部および
前記伝動面の2つのグループが対応して設けられており、前記第1の方向において、第1の伝動部および第2の伝動部は、前記伝動プッシュロッドの前記本体に対して対称に配置され、これに対応して、前記第1の方向における前記第1の伝動部の一方の側には第1の伝動面が位置し、前記伝動プッシュロッドを使用することによって、前記カメラモジュールを駆動して前記突出作業位置に切り替え、前記第1の方向における前記第2の伝動部の他方の側には第2の伝動面が位置し、前記伝動プッシュロッドを使用することによって、前記カメラモジュールを駆動して前記後退作業位置に切り替える、請求項
21から
23のいずれか一項に記載のカメラアセンブリ。
【請求項25】
前記逆駆動適合部および
前記逆駆動伝動面の2つのグループが対応して設けられており、前記第1の方向において、前記伝動プッシュロッドの前記本体に対して対称に第1の逆駆動適合部および第2の逆駆動適合部が配置され、これに対応して、前記第1の方向における前記第1の逆駆動適合部の一方の側には第1の逆駆動伝動面が位置し、前記後退作業位置に位置する前記カメラキャリアを使用することによって前記伝動プッシュロッドを押し、前記第1の方向における前記第2の逆駆動適合部の他方の側には第2の逆駆動伝動面が位置し、前記突出作業位置に位置する前記カメラキャリアを使用することによって前記伝動プッシュロッドを押す、請求項
24に記載のカメラアセンブリ。
【請求項26】
前記カメラキャリアには、前記第2の方向に沿って配置された伝動溝が設けられており、前記第1の伝動面および前記第2の伝動面は、それぞれ、前記伝動溝の両側の溝壁の中間領域に形成され、前記第1の逆駆動伝動面および前記第2の逆駆動伝動面は、それぞれ、前記伝動溝の両側の前記溝壁の、前記作動構成要素に近い側部領域に形成される、請求項
25に記載のカメラアセンブリ。
【請求項27】
前記カメラモジュールは、前記カメラキャリアに埋め込まれて固定され、前記カメラモジュールの視野は、前方に傾けられる、請求項
19から
26のいずれか一項に記載のカメラアセンブリ。
【請求項28】
カメラアセンブリを備える電子デバイスであって、前記カメラアセンブリは、請求項
19から
27のいずれか一項に記載のカメラアセンブリである、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年4月8日に中国国家知識産権局に出願された「POP-UP CAMERA AND ELECTRONIC DEVICE」と題する中国特許出願第202110379750.4号、および2021年5月14日に中国国家知識産権局に出願された「ELECTRONIC DEVICE AND CAMERA ASSEMBLY」と題する中国特許出願第202110528687.6号の優先権を主張するものであり、これらの両方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本出願の実施形態は、端末の分野に関し、特に、電子デバイスおよびカメラアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
端末技術の発展に伴い、市販されているポップアップカメラを使用した大画面の電子デバイスが設計のトレンドとなっている。ポップアップカメラは、例えば、限定されないが、スマートテレビ、ノートパソコン、ディスプレイなどの電子デバイスで使用される。
【0004】
従来の技術では、ポップアップカメラには通常、一方向駆動設計が使用される。一方向駆動設計の力特性の制限により、カメラは、偏荷重(unbalanced load)の作用下では傾きやすく、上昇/下降動作においてスタックするリスクがある。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、構造最適化を通して、カメラを上昇/下降させるプロセスにおいてスタックする問題を効果的に回避するために、電子デバイスおよびカメラアセンブリを提供する。
【0006】
本出願の実施形態の第1の態様は、電子デバイスを提供する。電子デバイスのカメラアセンブリは、カメラキャリアと伝動機構とを含む。カメラキャリアの本体上にカメラモジュールが配置され、第1の方向に沿ってカメラモジュールを駆動して変位を発生させ、電子デバイス本体に対して後退作業位置と突出作業位置との間で切り替えられるように、カメラキャリアと電子デバイスハウジングとの間に摺動適応対(sliding adaptation pair)が設けられる。伝動機構は、カメラキャリアと伝動接続している伝動プッシュロッドを含む。伝動プッシュロッドの本体は第2の方向に沿って配置され、伝動プッシュロッドの第1の端部は作動構成要素の動力出力端部と伝動接続することが可能であり、伝動プッシュロッドの第2の端部には、カメラモジュールの上昇/下降動作のための動力を提供するために、本体から延在して形成された伝動部が設けられる。第1の方向および第2の方向によって形成された平面上で、伝動部は、伝動プッシュロッドの本体に対する作業姿勢を調整し得る。第1の方向において伝動部の伝動端部に当接する伝動面は、カメラキャリア上に配置され、以下のように構成される:伝動プッシュロッドがカメラキャリアに対して傾斜傾向を発生させたとき、伝動端部を使用することによって伝動面を押圧する伝動部は、伝動プッシュロッドの本体に対して作業姿勢を変化させることができ、伝動部の伝動端部は、伝動面と線接触を維持する。このようにして、カメラキャリア上の摺動適応対の制約に基づいて、例えば、加工誤差、組立誤差、および適合付属品の摩耗によって引き起こされた傾斜に限定されないが、伝動プッシュロッドがカメラキャリアに対する所望の設計位置から逸脱した場合、伝動面は、伝動プッシュロッドの本体に対する作業姿勢を変化させ、傾斜現象に対する自己適応能力を提供するように、伝動部を押圧し得、伝動端部は伝動面と線接触を維持し、その結果、自己適合プロセスにおいてカメラキャリアによって生まれる力が効果的に制御され、それによって、伝動プッシュロッドにより発生するカメラキャリアの傾斜傾向を回避し、第1の方向に沿って作業位置を円滑に切り替えるためのカメラキャリアの動作性能(action performance)を確保し、スタックするのを回避する。
【0007】
第1の態様に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第1の実装形態をさらに提供する。伝動部は、具体的には、本体から延在して形成された弾性アームであり得、弾性アームの可動端は、伝動面に嵌合する伝動端部を形成し、弾性アームは、作業姿勢を変化させるために、伝動面の押圧下で伝動プッシュロッドの本体に対して平面上で変形することができるように構成される。弾性アームは、構造が簡単で信頼性が高いという特徴を有する。
【0008】
例えば、弾性アームの押圧変形領域は、弾性アームが伝動プッシュロッドの本体に接続される位置に形成されてもよいし、弾性アームの延長端部領域に形成されてもよいし、押圧変形され得る弾性アーム全体であってもよい。
【0009】
第1の態様に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第2の実装形態をさらに提供する。カメラキャリア上に逆駆動伝動面が配置され、これに対応して、第1の方向において逆駆動伝動面に対向して配置された逆駆動適合部は、伝動プッシュロッドの本体の中間セクションに配置され、通常状態では、逆駆動伝動面と逆駆動適合部との間に所定の距離があるように構成される。このようにして、伝動プッシュロッドがカメラキャリアを押して突出または後退させる動作プロセスにおいて、所定の距離の設定に基づいて、逆駆動伝動面と逆駆動適合部とが互いから分離され、動作干渉が発生しない。逆駆動力の作用下では、弾性アームが伝動面によって押圧されて変形した後、逆駆動伝動面が逆駆動適合部を押圧し、伝動プッシュロッドを押して変位を発生させる。具体的には、カメラキャリアに対して逆駆動操作が行われると、伝動部は、まず、逆駆動伝動面が伝動プッシュロッド上の逆駆動適合部を押圧するまで、伝動面の押圧下で作業姿勢を変化させ、逆駆動適合部を使用することによって伝動プッシュロッドをさらに押す。ここで、伝動プッシュロッドに加えられる逆駆動力は、伝動プッシュロッドの本体の中間位置に加えられ、すなわち、逆駆動適合部は作動構成要素に比較的近く、逆駆動トルクは比較的小さい。対応する動作は、比較的小さい逆駆動力を加えることによって完了され得る。これは、より良いユーザ経験を提供する。
【0010】
例えば、逆駆動適合部は、間隔を置いて伝動プッシュロッド上に配置された少なくとも2つの凸状リブとして構成され、逆駆動力は、2つの力支持点を使用することによって伝動されるので、伝動プッシュロッドに不均衡な力が加わるのを防止し得る。
【0011】
第1の態様、第1の態様の第1の実装形態、または第1の態様の第2の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第3の実装形態をさらに提供する。伝動プッシュロッドの第2の端部には接続部がさらに設けられ得、接続部とカメラキャリアとの間には第3の方向の制限対が構成される。部材が組み立てられた後、伝動プッシュロッドとカメラキャリアとの間の相対的な位置関係が維持されて、弾性アームの可動端とカメラキャリアの伝動面との間で押圧および適合関係が常に維持され、それによって、対応する動作の動作性能が確保される。加えて、接続部は、第1の方向および第2の方向においてカメラキャリアに弾性的に接続され、第3の方向は、第1の方向および第2の方向に垂直である。このようにして、逆駆動力が加えられるとき、接続部が位置する位置は逆駆動力の影響を受けないので、過大な逆駆動力によって伝動プッシュロッドおよび関連部材が損傷する事態を回避することができる。
【0012】
第1の態様、第1の態様の第1の実装形態、第1の態様の第2の実装形態、または第1の態様の第3の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第4の実装形態をさらに提供する。接続部およびカメラキャリアのうちの一方には凸柱が設けられており、他方には凹部が設けられている。凸柱は、第3の方向に沿って延在して形成され、凹部内に配置され、凸柱と凹部との間には第1の弾性スリーブが配置されて、第1の方向および第2の方向において接続部とカメラキャリアとの間に弾性接続を構築する。弾性接続を満たすことに基づいて、構造は合理的で信頼性が高く、分解および組立作業を迅速に実施することができる。
【0013】
実際の適用では、第1の弾性スリーブの外周面と凹部の側壁との間に半径方向の間隙が存在し得る。このようにして、逆駆動力の作用下では、半径方向の間隙が冗長な変位空間を提供し、すなわち、第1の弾性スリーブは、凸柱と凹部との間に半径方向の相対変位を発生させる初期段階で力を負担しないので、過大な逆駆動力により部材が損傷する事態を効果的に回避することができる。
【0014】
例えば、接続部上に段付き穴を設け得る。段付き穴の大きいサイズの穴セグメントは、凸柱に嵌合する凹部を形成し、凸柱は、カメラキャリア上に形成され、ねじ付き締結具が、段付き穴の小さいサイズの穴セグメントを通過するために使用され、凸柱に接続され、それによって、第3の方向において接続部とカメラキャリアとの間に制限対を構築する。
【0015】
第1の態様、第1の態様の第1の実装形態、第1の態様の第2の実装形態、第1の態様の第3の実装形態、または第1の態様の第4の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第5の実装形態をさらに提供する。伝動部の伝動端部は、伝動面の中間位置に当接し、中間位置は、第1の方向に沿ってカメラキャリアの対称中心線と重なる。具体的には、伝動プッシュロッドがカメラキャリアを上下に押すプロセスにおいて、伝動端部が伝動面と線接触を維持する領域は、第1の方向に沿ってカメラキャリアの対称中心と重なるので、偏荷重が動作性能に与える影響を最大限回避することができる。
【0016】
実際の適用では、第3の方向に沿って形成された投影面上で、伝動面と線接触を維持する伝動端部は凸円弧状に構成され得る。
【0017】
第1の態様、第1の態様の第1の実装形態、第1の態様の第2の実装形態、第1の態様の第3の実装形態、第1の態様の第4の実装形態、または第1の態様の第5の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第6の実装形態をさらに提供する。伝動部および伝動面の2つのグループが対応して設けられている。第1の方向において、第1の伝動部および第2の伝動部は、伝動プッシュロッドの本体に対して対称に配置される。これに対応して、第1の方向における第1の伝動部の一方の側には第1の伝動面が位置し、伝動プッシュロッドを使用することによって、カメラモジュールを駆動して突出作業位置に切り替え、第1の方向における第2の伝動部の他方の側には第2の伝動面が位置し、伝動プッシュロッドを使用することによって、カメラモジュールを駆動して後退作業位置に切り替える。このようにして、作業位置の双方向切り替えを制御することができる。
【0018】
第1の態様、第1の態様の第1の実装形態、第1の態様の第2の実装形態、第1の態様の第3の実装形態、第1の態様の第4の実装形態、第1の態様の第5の実装形態、または第1の態様の第6の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第7の実装形態をさらに提供する。逆駆動適合部および逆駆動伝動面の2つのグループが対応して設けられている。第1の方向において、伝動プッシュロッドの本体に対して対称に第1の逆駆動適合部および第2の逆駆動適合部が配置される。これに対応して、第1の方向における第1の逆駆動適合部の一方の側には第1の逆駆動伝動面が位置し、後退作業位置に位置するカメラキャリアを使用することによって伝動プッシュロッドを押し、第1の方向における第2の逆駆動適合部の他方の側には第2の逆駆動伝動面が位置し、突出作業位置に位置するカメラキャリアを使用することによって伝動プッシュロッドを押す。このようにして、双方向逆駆動操作の機能を達成することができる。
【0019】
第1の態様の第7の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第8の実装形態をさらに提供する。カメラキャリアには、第2の方向に沿って配置された伝動溝が設けられており、第1の伝動面および第2の伝動面は、それぞれ、伝動溝の両側の溝壁の中間領域に形成され、第1の逆駆動伝動面および第2の逆駆動伝動面は、それぞれ、伝動溝の両側の溝壁の、作動構成要素に近い側部領域に形成される。このように、正駆動操作および逆駆動操作のための作業面は両方とも伝動溝の溝壁上に位置し、伝動プッシュロッドの第2の端部の本体の一部は、伝動溝内に配置される。全体的な構造は、比較的高い集積度であり、製造および組立コストを合理的に制御することに基づいて、製品の小型化および薄型化という設計のトレンドを満たす。
【0020】
第1の態様、第1の態様の第1の実装形態、第1の態様の第2の実装形態、第1の態様の第3の実装形態、第1の態様の第4の実装形態、第1の態様の第5の実装形態、第1の態様の第6の実装形態、第1の態様の第7の実装形態、または第1の態様の第8の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第9の実装形態をさらに提供する。カメラキャリアと電子デバイスハウジングとの間に緩衝適応対(buffer adaptation pair)が設けられており、緩衝適応対は、カメラキャリアが変位を発生させ、突出作業位置の臨界位置に切り替えられたときに緩衝減衰(buffer damping)を発生させるように構成される。このようにして、カメラキャリアが第1の方向に沿って駆動されて突出作業位置に接近する場合、緩衝減衰の作用に基づいて、カメラキャリアがその位置に到達する際に発生する瞬間的な衝撃を回避することができ、それによって、カメラがその位置に到達する際に発生するジッタを回避する。加えて、緩衝適応対に基づいて、カメラキャリアは、突出作業状態において常に緩衝減衰の影響を受け、これは、カメラキャリアと電子デバイスハウジングとの間の柔軟な接続関係を構築することに相当する。これにより、使用状態における振動によって引き起こされるビデオ画像ジッタの問題、例えば、限定されないが、電子デバイスが低音インタラクションシナリオで使用される際の共振によって引き起こされる衝撃をさらに回避することができる。
【0021】
第1の態様の第9の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第10の実装形態をさらに提供する。電子デバイスハウジングには、第3の方向に沿って延在して形成された第1の取付柱が設けられており、第1の取付柱には、第2の弾性スリーブがスリーブされる。これに対応して、カメラキャリアには、側方に延在して形成された適合体が設けられており、適合体には、緩衝適応対を構築するために第2の弾性スリーブを押圧して嵌合する傾斜が設けられており、次のように構成される:カメラキャリアが臨界位置から突出作業位置に切り替えられるプロセスにおいて、第2の弾性スリーブの押圧変形が徐々に増加する。このようにして、カメラモジュールが突出作業位置に徐々に到達するプロセスにおいて、押圧変形が徐々に増加し、その結果、緩衝減衰が徐々に改善される。これは、より良いユーザ経験を提供する。
【0022】
第1の態様の第10の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第11の実装形態をさらに提供する。第2の弾性スリーブの内壁には、周方向に均一に分布した複数の弾性歯が配置され、隣接する弾性歯の間には歯間隙が存在する。このようにして、カメラキャリア側の適合体の傾斜が第2の弾性スリーブを押圧するプロセスにおいて、第2の弾性スリーブの内側の歯間隙は、余分な変形空間を提供する。これにより、緩衝減衰をさらに改善することができる。
【0023】
例えば、第2の弾性スリーブおよび適合体の2つのグループが対応して設けられ、カメラキャリアの両側に対称に配置され得る。これにより、緩衝および位置決めプロセスにおけるカメラキャリアへの偏荷重を回避することができる。
【0024】
第1の態様の第9の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第12の実装形態をさらに提供する。カメラキャリアには、第1の方向に沿って延在して形成された第2の取付柱が設けられており、第2の取付柱には、第3の弾性スリーブがスリーブされる。これに対応して、電子デバイスハウジング上に適合穴が配置され、適合穴の穴縁部には、緩衝適応対を構築するために、第3の弾性スリーブを押圧して嵌合する面取りが設けられている。同様に、カメラモジュールが突出作業位置に徐々に到達するプロセスにおいて、緩衝減衰は徐々に改善される。これは、より良いユーザ経験を提供する。
【0025】
第1の態様の第12の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第13の実装形態をさらに提供する。第3の弾性スリーブの押圧側には、面取りが設けられている。同様に、第3の弾性スリーブが適合穴を押圧する場合、第3の弾性スリーブの押圧側の面取りは、余分な変形空間を提供する。これにより、緩衝減衰をさらに改善することができる。
【0026】
例えば、第3の弾性スリーブおよび適合穴の2つのグループが対応して設けられ、カメラキャリアの両側に対称に配置される。これにより、緩衝および位置決めプロセスにおけるカメラキャリアへの偏荷重を回避することができる。
【0027】
第1の態様、第1の態様の第1の実装形態、第1の態様の第2の実装形態、第1の態様の第3の実装形態、第1の態様の第4の実装形態、第1の態様の第5の実装形態、第1の態様の第6の実装形態、第1の態様の第7の実装形態、第1の態様の第8の実装形態、第1の態様の第9の実装形態、第1の態様の第10の実装形態、第1の態様の第11の実装形態、第1の態様の第12の実装形態、または第1の態様の第13の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第14の実装形態をさらに提供する。カメラモジュールは、カメラキャリアに埋め込まれて固定され、カメラモジュールの視野は、前方に傾けられる。このようにして、カメラがヘッドアップ方式で構成される従来の解決策と比較して、本実装形態では、上部の可視視野範囲を完全に使用し、視野の上半分の領域の無駄を減らし、それによって、視野利用率を向上させる。カメラモジュール構成が変更されないことに基づいて、カメラの大視野機能が実装され、カメラ構成コストを増加させることなく、近距離で全身をカバーするアプリケーションインタラクションおよび交換を満たすことができる。加えて、カメラの広い視野は、使用中に手動で調整する必要がない。これは、より良いユーザ経験を提供する。
【0028】
第1の態様の第14の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第15の実装形態をさらに提供する。カメラキャリアの貫通開口内にガラスカバーが密封固定され、貫通開口の内側には取付凹部が設けられており、取付凹部にカメラモジュールの一部がクランプされ、取付凹部の底面と第1の方向および第2の方向が位置する平面との間に夾角が存在し、取付凹部とガラスカバーとの間のカメラモジュールの外周の一部は、プロファイル成形可能な封止シリコーンでスリーブされる。このようにして、カメラモジュールは、取付凹部およびプロファイル成形可能な封止シリコーンによって一緒に制限および制約される。プロファイル成形可能な封止シリコーンの第1の端部とガラスカバーとの間に第1のリングシールが形成され、プロファイル成形可能な封止シリコーンの第2の端部と取付凹部との間に第2のリングシールが形成され、それによって、カメラモジュールのシールを構築し、全体的に良好な封止および信頼性の高い制限を提供する。
【0029】
第1の態様、第1の態様の第1の実装形態、第1の態様の第2の実装形態、第1の態様の第3の実装形態、第1の態様の第4の実装形態、第1の態様の第5の実装形態、第1の態様の第6の実装形態、第1の態様の第7の実装形態、第1の態様の第8の実装形態、第1の態様の第9の実装形態、第1の態様の第10の実装形態、第1の態様の第11の実装形態、第1の態様の第12の実装形態、第1の態様の第13の実装形態、第1の態様の第14の実装形態、または第1の態様の第15の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第16の実装形態をさらに提供する。カメラキャリアと電子デバイスハウジングとの間の摺動適応対は、互いに平行であり、第1の方向に沿って摺動可能に互いに嵌合する摺動レールおよび摺動スロットの2つのグループを含む。このようにして、作業位置切替えのプロセスにおいて、第1の方向に沿ったカメラキャリアの変位精度を保つことができ、それによって、スタック現象を回避することができる。
【0030】
いくつかの実際の適用では、摺動レールが電子デバイスハウジング上に配置され得、これに対応して、摺動スロットがカメラキャリア上に配置されるか、または、摺動レールがカメラキャリア上に配置され得、これに対応して、摺動スロットが電子デバイスハウジング上に配置される。
【0031】
例えば、摺動レールが電子デバイスハウジング上に配置される場合、摺動レールは、POM材料で作製され得、摺動可能に適合するための良好な自己潤滑能力を有する。
【0032】
例えば、摺動レールがカメラキャリア上に配置される場合、カメラキャリアは、製品機能の要件に基づく分割構造を有し、固定接続されたカメラ固定ベースと、摺動レールが配置される摺動レールマトリックスとを含み得る。摺動レールマトリックスは、POM材料で作製され得、カメラモジュールを取り付けるように構成されたカメラ固定ベースは、金属などの材料で作製され得る。
【0033】
第1の態様、第1の態様の第1の実装形態、第1の態様の第2の実装形態、第1の態様の第3の実装形態、第1の態様の第4の実装形態、第1の態様の第5の実装形態、第1の態様の第6の実装形態、第1の態様の第7の実装形態、第1の態様の第8の実装形態、第1の態様の第9の実装形態、第1の態様の第10の実装形態、第1の態様の第11の実装形態、第1の態様の第12の実装形態、第1の態様の第13の実装形態、第1の態様の第14の実装形態、第1の態様の第15の実装形態、または第1の態様の第16の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第1の態様の第17の実装形態をさらに提供する。伝動機構は、ねじロッドおよびナット伝動対をさらに含み、ねじロッドおよびナット伝動対のねじナットは、伝動プッシュロッドの第1の端部に固定配置され、ねじロッドおよびナット伝動対のねじロッドの両端部は、固定支持体に枢動可能に接続される。作動構成要素はモータであり得、モータの出力軸はねじロッドと伝動接続している。この構造は簡単で信頼性が高く、作業位置切換えの制御精度を得ることができる。
【0034】
本出願のこの実施形態の第2の態様は、電子デバイスで使用されるカメラアセンブリを提供する。カメラアセンブリは、カメラキャリアと伝動機構とを含む。カメラアセンブリのカメラキャリアの本体上にカメラモジュールが配置され、第1の方向に沿ってカメラモジュールを駆動して変位を発生させ、カメラアセンブリハウジングに対して後退作業位置と突出作業位置との間で切り替えられるように、カメラキャリアとカメラアセンブリハウジングとの間に摺動適応対が設けられている。カメラアセンブリの伝動機構は、カメラキャリアと伝動接続している伝動プッシュロッドを含む。伝動プッシュロッドの本体は第2の方向に沿って配置され、伝動プッシュロッドの第1の端部は作動構成要素の動力出力端部と伝動接続することが可能であり、伝動プッシュロッドの第2の端部には本体から延在して形成された伝動部が設けられている。カメラキャリア上に伝動面が配置され、伝動面は、第1の方向において伝動部の伝動端部と当接する。第1の方向および第2の方向により形成される平面上で、伝動部は、伝動プッシュロッドの本体に対して作業姿勢を変更することが可能であり、伝動端部は伝動面と線接触を維持する。このようにして、カメラキャリア上の摺動適応対の制約に基づいて、伝動プッシュロッドがカメラキャリアに対する所望の設計位置から逸脱した場合、伝動面は、伝動プッシュロッドの本体に対する作業姿勢を変化させ、傾斜現象に対する自己適応能力を提供するように、伝動部を押圧し得、伝動端部は伝動面と線接触を維持し、その結果、自己適合プロセスにおいてカメラキャリアによって生まれる力が効果的に制御され、それによって、伝動プッシュロッドにより発生するカメラキャリアの傾斜傾向を回避し、第1の方向に沿って作業位置を円滑に切り替えるためのカメラキャリアの動作性能を確保し、スタックするのを回避する。
【0035】
第2の態様に基づいて、本出願のこの実施形態は、第2の態様の第1の実装形態をさらに提供する。伝動部は、具体的には、本体から延在して形成された弾性アームであり得、弾性アームの可動端は、伝動面に嵌合する伝動端部を形成し、弾性アームは、作業姿勢を変化させるために、伝動面の押圧下で伝動プッシュロッドの本体に対して平面上で変形することができるように構成される。簡単で信頼性が高い構造が提供される。
【0036】
第2の態様または第2の態様の第1の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第2の態様の第2の実装形態をさらに提供する。カメラキャリア上に逆駆動伝動面が配置され、これに対応して、第1の方向において逆駆動伝動面に対向して配置された逆駆動適合部は、伝動プッシュロッドの本体の中間セクションに配置され、通常状態では、逆駆動伝動面と逆駆動適合部との間に所定の距離があるように構成される。このようにして、伝動プッシュロッドがカメラキャリアを押して突出または後退させる動作プロセスにおいて、所定の距離の設定に基づいて、逆駆動伝動面と逆駆動適合部とが互いから分離され、動作干渉が発生しない。逆駆動力の作用下では、弾性アームが伝動面によって押圧されて変形した後、逆駆動伝動面が逆駆動適合部を押圧し、伝動プッシュロッドを押して変位を発生させる。具体的には、カメラキャリアに対して逆駆動操作が行われると、伝動部は、まず、逆駆動伝動面が伝動プッシュロッド上の逆駆動適合部を押圧するまで、伝動面の押圧下で作業姿勢を変化させ、逆駆動適合部を使用することによって伝動プッシュロッドをさらに押す。ここで、伝動プッシュロッドに加えられる逆駆動力は、伝動プッシュロッドの本体の中間位置に加えられ、すなわち、逆駆動適合部は作動構成要素に比較的近く、逆駆動トルクは比較的小さい。対応する動作は、比較的小さい逆駆動力を加えることによって完了され得る。これは、より良いユーザ経験を提供する。
【0037】
第2の態様、第2の態様の第1の実装形態、または第2の態様の第2の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第2の態様の第3の実装形態をさらに提供する。伝動プッシュロッドの第2の端部には接続部がさらに設けられ得、接続部とカメラキャリアとの間には第3の方向の制限対が構成される。部材が組み立てられた後、伝動プッシュロッドとカメラキャリアとの間の相対的な位置関係が維持されて、弾性アームの可動端とカメラキャリアの伝動面との間で押圧および適合関係が常に維持され、それによって、対応する動作の動作性能が確保される。加えて、接続部は、第1の方向および第2の方向においてカメラキャリアに弾性的に接続され、第3の方向は、第1の方向および第2の方向に垂直である。このようにして、逆駆動力が加えられるとき、接続部が位置する位置は逆駆動力の影響を受けないので、過大な逆駆動力によって伝動プッシュロッドおよび関連部材が損傷する事態を回避することができる。
【0038】
第2の態様、第2の態様の第1の実装形態、第2の態様の第2の実装形態、または第2の態様の第3の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第2の態様の第4の実装形態をさらに提供する。接続部およびカメラキャリアのうちの一方には凸柱が設けられており、他方には凹部が設けられている。凸柱は、第3の方向に沿って延在して形成され、凹部内に配置され、凸柱と凹部との間には第1の弾性スリーブが配置されて、第1の方向および第2の方向において接続部とカメラキャリアとの間に弾性接続を構築する。弾性接続を満たすことに基づいて、構造は合理的で信頼性が高く、分解および組立作業を迅速に実施することができる。
【0039】
第2の態様、第2の態様の第1の実装形態、第2の態様の第2の実装形態、第2の態様の第3の実装形態、または第2の態様の第4の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第2の態様の第5の実装形態をさらに提供する。伝動部および伝動面の2つのグループが対応して設けられている。第1の方向において、第1の伝動部および第2の伝動部は、伝動プッシュロッドの本体に対して対称に配置される。これに対応して、第1の方向における第1の伝動部の一方の側には第1の伝動面が位置し、伝動プッシュロッドを使用することによって、カメラモジュールを駆動して突出作業位置に切り替え、第1の方向における第2の伝動部の他方の側には第2の伝動面が位置し、伝動プッシュロッドを使用することによって、カメラモジュールを駆動して後退作業位置に切り替える。このようにして、作業位置の双方向切り替えを制御することができる。
【0040】
第2の態様、第2の態様の第1の実装形態、第2の態様の第2の実装形態、第2の態様の第3の実装形態、第2の態様の第4の実装形態、または第2の態様の第5の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第2の態様の第6の実装形態をさらに提供する。逆駆動適合部および逆駆動伝動面の2つのグループが対応して設けられている。第1の方向において、伝動プッシュロッドの本体に対して対称に第1の逆駆動適合部および第2の逆駆動適合部が配置される。これに対応して、第1の方向における第1の逆駆動適合部の一方の側には第1の逆駆動伝動面が位置し、後退作業位置に位置するカメラキャリアを使用することによって伝動プッシュロッドを押し、第1の方向における第2の逆駆動適合部の他方の側には第2の逆駆動伝動面が位置し、突出作業位置に位置するカメラキャリアを使用することによって伝動プッシュロッドを押す。このようにして、双方向逆駆動操作の機能を達成することができる。
【0041】
第2の態様の第6の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第2の態様の第7の実装形態をさらに提供する。カメラキャリアには、第2の方向に沿って配置された伝動溝が設けられており、第1の伝動面および第2の伝動面は、それぞれ、伝動溝の両側の溝壁の中間領域に形成され、第1の逆駆動伝動面および第2の逆駆動伝動面は、それぞれ、伝動溝の両側の溝壁の、作動構成要素に近い側部領域に形成される。このように、正駆動操作および逆駆動操作のための作業面は両方とも伝動溝の溝壁上に位置し、伝動プッシュロッドの第2の端部の本体の一部は、伝動溝内に配置される。全体的な構造は、比較的高い集積度であり、製造および組立コストを合理的に制御することに基づいて、製品の小型化および薄型化という設計のトレンドを満たす。
【0042】
第2の態様、第2の態様の第1の実装形態、第2の態様の第2の実装形態、第2の態様の第3の実装形態、第2の態様の第4の実装形態、第2の態様の第5の実装形態、第2の態様の第6の実装形態、または第2の態様の第7の実装形態に基づいて、本出願のこの実施形態は、第2の態様の第8の実装形態をさらに提供する。カメラモジュールは、カメラキャリアに埋め込まれて固定され、カメラモジュールの視野は、前方に傾けられる。このようにして、カメラがヘッドアップ方式で構成される従来の解決策と比較して、本実装形態では、上部の可視視野範囲を完全に使用し、視野の上半分の領域の無駄を減らし、それによって、視野利用率を向上させる。カメラモジュール構成が変更されないことに基づいて、カメラの大視野機能が実装され、カメラ構成コストを増加させることなく、近距離で全身をカバーするアプリケーションインタラクションおよび交換を満たすことができる。加えて、カメラの広い視野は、使用中に手動で調整する必要がない。これは、より良いユーザ経験を提供する。
【0043】
本出願のこの実施形態の第3の態様は、第2の態様によるカメラアセンブリを含む電子デバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本発明の実施形態1による、後退作業位置にある電子デバイスのカメラの全体的な構造の概略図である。
【
図2】
図1に示されるカメラアセンブリの部分的な組立関係の概略図である。
【
図3】本発明の実施形態1による、突出作業位置にある電子デバイスのカメラの全体的な構造の概略図である。
【
図4】
図3に示されるカメラアセンブリの部分的な組立関係の概略図である。
【
図5】本発明の実施形態1による、伝動プッシュロッドの作業姿勢を変化させる原理の概略図である。
【
図6】本発明の実施形態1による、逆駆動力の作用下でのカメラアセンブリの原理の概略図である。
【
図7】本発明の実施形態1による、電子デバイスの組立分解図である。
【
図8】
図7に示されるカメラアセンブリの拡大概略図である。
【
図9】
図1のA-A断面位置に形成される断面図である。
【
図11】
図10に示される摺動レールと摺動スロットとの間の適合関係の拡大図である。
【
図13】本発明の実施形態1による、カメラモジュールの組立関係を示す正面図である。
【
図14】
図13に示されるカメラモジュールの組立の分解図である。
【
図16】本発明の実施形態1による、カメラモジュールの視野利用原理の概略図である。
【
図17】本発明の実施形態2による、後退作業位置にある電子デバイスのカメラの全体的な構造の概略図である。
【
図18】本発明の実施形態2による、突出作業位置にある電子デバイスのカメラの全体的な構造の概略図である。
【
図19】本発明の実施形態2による、電子デバイスの組立分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本出願の実施形態は、カメラの作業位置間の円滑な切り替えを確実にするために、新規のポップアップカメラ解決策を提供する。スマートテレビ、ノートブックコンピュータ、およびディスプレイなどの電子デバイスの特定の適用例では、カメラが有効にされると、カメラは、突出作業位置に切り替えられ、非作業状態では、電子デバイスの本体側に隠れるように後退作業位置に切り替えられ、それによって、ユーザのプライバシーを保護する。
【0046】
一般性を失うことなく、実施形態では、ポップアップ方式でカメラモジュールの作業位置を切り替えるための電子デバイス1が、カメラアセンブリの構成および機能原理を詳細に説明するための説明体として使用される。異なるタイプの製品の全体的な設計に基づいて、カメラモジュールの作業位置は、代替的に、横方向変位方式で切り替えられてもよく、すなわち、カメラモジュールは、横方向変位方式で突出作業位置または後退作業位置に切り替えられることを理解されたい。
【0047】
本明細書では、説明を容易にするため、電子デバイスに対して3つの方向を定義する。第1の方向Xは、カメラキャリアのポップアップ変位方向であり、第2の方向Yは、カメラキャリアを駆動して変位を発生させる伝動プッシュロッドの本体の配列方向であり、第3の方向Zは、第1の方向Xおよび第2の方向Yによって形成される平面に垂直な方向である。
実施形態1
【0048】
図1を参照されたい。この実施形態では、カメラモジュール3を駆動して上下に移動させるために、カメラキャリア2上にカメラモジュール3が配置され、カメラキャリア2と電子デバイス1のハウジング11との間に摺動適応対5が配置される。具体的には、第1の方向Xに沿って、カメラモジュール3の作業位置が電子デバイス1の本体に対して切り替えられ得る。カメラが
図1および
図2に示される後退作業位置にある場合、カメラは隠され、カメラが
図3および
図4に示される突出作業位置に配置される場合、カメラは有効にされる。
【0049】
電子デバイスハウジング11の既存の機能に加えて、電子デバイスハウジング11は、摺動適応対5の締結および取り付け構造、すなわち、カメラアセンブリを取り付けおよび締結するための非作用部分を構築する機能をさらに有することが理解され得る。
【0050】
確かに、それ自体のハウジングを有するカメラアセンブリの場合、カメラアセンブリの非作用部分は、それ自体のハウジング(図示せず)に取り付けられて、集積度が比較的高い組立部品を形成し、その結果、組立部品を電子デバイス1の本体に迅速に取り付けることができる。実際の適用では、対応する電子デバイスの全体的な設計要件に基づいて選択がなされ得る。
【0051】
伝動機構4は、作動構成要素6によって出力された動力をカメラキャリア2に伝動するように構成される。この実施形態では、伝動機構4は、動力伝動経路上の末端部材としての伝動プッシュロッド41を使用することによってカメラキャリア2と伝動接続している。具体的には、
図2に示すように、伝動プッシュロッド41の本体は、第2の方向Yに沿って配置され、伝動プッシュロッド41の第1の端部は、作動構成要素6の動力出力端部と伝動接続することが可能性であり、伝動プッシュロッド41の第2の端部には、本体から延在して形成された伝動部(411)が設けられている。カメラキャリア2には、第1の方向Xにおいて伝動部(411)の伝動端部4111に当接する伝動面(211)が設けられている。第1の方向Xおよび第2の方向Yによって形成される平面上で、伝動部(411)の作業姿勢が伝動プッシュロッド41の本体に対して調整され得る。それに応じて、すなわち、伝動プッシュロッド41がカメラキャリア2に対して傾斜傾向を発生させる場合、伝動端部4111を使用することによって伝動面211を押圧する伝動部(411)は、伝動プッシュロッド41の本体に対して作業姿勢を変化させることができる。作業姿勢を変化させるプロセスにおいて、伝動端部4111は伝動面211と線接触を維持する。
【0052】
本明細書において「作業姿勢(working attitude)」とは、使用状態における伝動プッシュロッド41に対する伝動部の形状および伝動部によって提示される作業状態を意味する。カメラキャリア2上の摺動適応対5の制約により、伝動プッシュロッド41がカメラキャリア2に対して所望の設計位置から逸脱した場合、伝動面211の押圧下で、伝動プッシュロッド41の伝動部の作業姿勢を変化させ、その結果、カメラアセンブリは自己適応能力を有し、カメラキャリア2は伝動プッシュロッド41と共に傾斜しない。加えて、伝動端部4111は、伝動面211と線接触を維持するので、カメラキャリア2は、自己適合プロセスにおいて比較的小さい力を負担する。
【0053】
本明細書において「伝動端部(transmission end)」とは、作業位置を切り替えるための力を伝動面211に伝動し、使用状態において線接触によって伝動面211に常に嵌合する部分的な領域を意味する。
図2および
図4に示すように、伝動端部4111は、凸円弧状である。伝動端部および伝動部の具体的な構造形態は、実際の機能要件およびプロセスに基づいて決定され得ることに留意されたい。一例として、これに限定されないが、伝動面211の押圧下で、伝動部の本体構造は、作業姿勢の適応的な変化を実現するために格納可能であるか、または伝動プッシュロッド41の本体に対して変形可能な弾性アーム411の形態が使用される。
【0054】
この実施形態では、伝動部は、具体的には、伝動プッシュロッド41の本体から延在して形成された弾性アーム411であり、伝動面211に嵌合する伝動端部4111は、弾性アーム411の可動端に形成される。伝動面211の押圧下で、弾性アーム411は、伝動プッシュロッド41の本体に対して第1の方向Xおよび第2の方向Yによって形成される平面上で変形されて、作業姿勢を変化させ得る。
図5も参照されたい。この図は、伝動プッシュロッド41の第2の端部が上方に移動し、角度αで傾斜する場合の変形前後の弾性アーム411の作業姿勢を示す。
【0055】
具体的には、弾性アーム411の押圧変形領域は、弾性アーム411が伝動プッシュロッド41の本体に接続される位置に形成され得るか、または弾性アーム411の延在端部領域に形成され得る。実際には、弾性アーム411の押圧変形領域は、代替的に、押圧変形され得る弾性アーム41全体であってもよい。
【0056】
この実施形態では、第1の弾性アーム411aおよび第2の弾性アーム411bが伝動プッシュロッド41に配置される。具体的には、第1の弾性アーム411aおよび第2の弾性アーム411bは、伝動プッシュロッド41の本体に対して対称に配置される。これに対応して、第1の方向Xにおける第1の弾性アーム411aの一方の側には第1の伝動面211aが位置し、伝動プッシュロッド41を使用することによって、カメラモジュール3を駆動して突出作業位置に切り替える。第1の方向Xにおける第2の弾性アーム411bの他方の側には第2の伝動面211bが位置し、伝動プッシュロッド41を使用することによって、カメラモジュール3を駆動して後退作業位置に切り替える。このようにして、作動構成要素6が順方向または逆方向に駆動力を与える場合、伝動機構4の伝動プッシュロッド41を使用することによって双方向制御が実現され得る。
【0057】
図2および
図4を参照すると、弾性アーム411の伝動端部4111は、伝動面211の中間位置に当接し、中間位置は、第1の方向Xに沿ってカメラキャリア2の対称中心線Lと重なり、偏荷重が動作性能に影響を与えるのを防止する。
【0058】
弾性アーム411の変形に基づいて、弾性アーム411の伝動端部4111が伝動面211と線接触を維持する位置は、非固定点であることが理解され得る。「重なる(overlap)」とは、伝動プッシュロッド41がカメラキャリア2を押し上げる/押し下げるプロセスにおいて、伝動プッシュロッド41の伝動端部4111が伝動面211と線接触を維持する領域が、第1の方向に沿ってカメラキャリア2の対称中心と重なることを意味する。
【0059】
実際の適用では、逆駆動によりユーザが手動でカメラキャリア2を操作する場合がある。過大な逆駆動力を回避するために、この解決策では、逆駆動伝動構造が最適化される。
図2、
図4および
図5を参照すると、カメラキャリア2には、逆駆動伝動面212が設けられている。これに対応して、伝動プッシュロッド41には、第1の方向Xにおいて逆駆動伝動面212に対向して配置される逆駆動適合部412が配置され、逆駆動適合部412は、伝動プッシュロッド41の本体の中間セクションに配置され、
図2に示す通常状態では、逆駆動伝動面212と逆駆動適合部412との間に所定の距離Tがあるように構成される。このようにして、伝動プッシュロッド41がカメラキャリア2を押して突出または後退させる動作プロセスにおいて、所定の距離Tの設定に基づいて、逆駆動伝動面212と逆駆動適合部412とが互いから分離され、動作干渉が発生しない。逆駆動力の作用下では、弾性アーム411が伝動面211によって押圧されて変形した後、逆駆動伝動面が逆駆動適合部を押圧し、伝動プッシュロッドを押して変位を発生させる。
【0060】
図6を参照されたい。カメラキャリアに対して逆駆動操作が行われると、弾性アーム411は、まず、逆駆動伝動面211が伝動プッシュロッド41上の逆駆動適合部412を押圧するまで、伝動面212の押圧下で変形され、逆駆動適合部412を使用することによって、逆駆動力Fの作用下で伝動プッシュロッド41をさらに押す。伝動プッシュロッドに加えられる逆駆動力Fは、伝動プッシュロッドの本体の中間位置に加えられ、すなわち、逆駆動適合部412は、作動構成要素6に比較的近い。したがって、逆駆動トルクは比較的小さく、対応する動作は、比較的小さい逆駆動力を加えることによって完了され得る。
【0061】
逆駆動適合部412と逆駆動伝動面212との間の動的な適合関係の信頼性を確保し、良好な加工プロセスを考慮するために、図に示すように、逆駆動適合部412は、間隔を置いて伝動プッシュロッド41上に配置される2つの凸状リブとして構成され、逆駆動力は、線接触が行われる2つの力支持位置を使用することによって伝動されるので、加工および組立精度が容易に制御され、伝動プッシュロッドに不均衡な力が加わるのを防止し得る。
【0062】
この実施形態では、逆駆動適合部412および逆駆動伝動面212の2つのグループが対応して設けられている。第1の方向Xにおいて、第1の逆駆動適合部412aおよび第2の逆駆動適合部412bは、伝動プッシュロッド41の本体に対して対称に配置される。これに対応して、第1の方向Xにおける第1の逆駆動適合部412aの一方の側には第1の逆駆動伝動面212aが位置し、後退作業位置にあるカメラキャリア2を使用することによって伝動プッシュロッド41を押し、第1の方向Xにおける第2の逆駆動適合部412bの他方の側には第2の逆駆動伝動面212bが配置され、突出作業位置にあるカメラキャリア2を使用することによって伝動プッシュロッド41を押す。このようにして、双方向逆駆動操作の機能を達成することができる。
【0063】
伝動面211および逆駆動伝動面212を配置する方法は、実際の要件に基づいて選択され得ることに留意されたい。電子デバイスの厚さを適切に制御するために、
図2に示すように、カメラキャリア2には、第2の方向Yに沿って配置された伝動溝21が設けられている。
図5を参照すると、第1の伝動面211aおよび第2の伝動面211bは、それぞれ、伝動溝21の両側の溝壁の中間領域に形成され、第1の逆駆動伝動面212aおよび第2の逆駆動伝動面212bは、それぞれ、作動構成要素6に近い伝動溝21の両側の溝壁の側部領域に形成される。このように、正駆動操作および逆駆動操作のための作業面は両方とも伝動溝21の両側の溝壁上に位置し、伝動プッシュロッド41の第2の端部の本体の一部は、伝動溝21内に配置される。第1の方向Xおよび第2の方向Yにおけるカメラキャリア2の空間は完全に使用され、全体的な構造は比較的高い集積度である。
【0064】
組み立てが完了した後、伝動プッシュロッド41の第2の端部における第1の弾性アーム411aおよび第2の弾性アーム411bは、伝動溝21内に配置され、対応する第1の伝動面211aおよび第2の伝動面211bにそれぞれ当接する。伝動プッシュロッド41が非法線力によって伝動溝21から外れるのを防止するために、第3の方向Zにおける制限が、伝動プッシュロッド41の第2の端部に追加され得る。
【0065】
図7および
図8を参照されたい。伝動プッシュロッド41の第2の端部には、接続部413がさらに設けられ得、第3の方向Zにおける制限対が、接続部413とカメラキャリア2との間に構成され、接続部413は、第1の方向Xおよび第2の方向Yにおいてカメラキャリア2に弾性的に接続される。組み立ての後、弾性アーム411の可動端とカメラキャリア2の伝動面211との間には、常に押圧および適合関係が維持され、それによって、対応する操作の動作性能が確保される。加えて、接続部413は、第1の方向Xおよび第2の方向Yにおいてカメラキャリア2に弾性的に接続される。このようにして、逆駆動力が加えられるとき、弾性接続関係を有する接続部413が位置する位置は逆駆動力の影響を受けないので、過大な逆駆動力によって伝動プッシュロッド41および関連部材が損傷する事態を回避することができる。
【0066】
例えば、限定されないが、
図8に示すように、接続部413は、ねじ付き締結具47を使用することによって、カメラキャリアの伝動溝21の溝底面に固定される。図に示すように、第1の弾性アーム411aおよび第2の弾性アーム411bは、接続部413の両側に対称に配置され、変形に必要な空間が、第1の弾性アーム411aおよび第2の弾性アーム411bと接続部413との間に確保される。
【0067】
例えば、限定されないが、第1の弾性スリーブ42は、第1の方向Xおよび第2の方向Yにおける接続部413とカメラキャリア2との間の弾性接続を構築するために使用される。
図9および
図10を参照されたい。接続部413には凹部414が設けられており、カメラキャリア2には凸柱22が設けられている。凸柱22は、第3の方向Zに沿って延在して形成され、凹部414内に配置され、凸柱22と凹部414との間には第1の弾性スリーブ42が配置される。
【0068】
確かに、第1の弾性スリーブ42に嵌合する凸柱および凹部は、逆に構成され得(図示せず)、すなわち、凸柱は接続部上に配置され、凹部はカメラキャリア2上に配置される。第1の弾性スリーブ42が凸柱と凹部との間に埋め込まれた後、前述の弾性接続関係も確立され得る。
【0069】
さらに、
図10に示すように、第1の弾性スリーブ42の外周面と凹部の側壁との間に半径方向の間隙Hが存在し得る。このようにして、逆駆動力の作用下では、半径方向の間隙が冗長な変位空間を提供し、すなわち、第1の弾性スリーブは、凸柱と凹部との間に半径方向の相対変位を発生させる初期段階で力を負担しないので、過大な逆駆動力により部材が損傷する事態を効果的に回避することができる。
【0070】
例えば、接続部413上に段付き穴を設け得る。段付き穴の大きいサイズの穴セグメントは、凸柱22に嵌合する凹部414を形成し、ねじ付き締結具が、段付き穴の小さいサイズの穴セグメントを通過するために使用され、凸柱22に接続され、大きいサイズの穴セグメントと小さいサイズの穴セグメントとの間の段差面は、第1の弾性スリーブ42を押圧し、凸柱は、第1の弾性スリーブ42および段付き穴の小さいサイズの穴セグメントを順に通って延在し、それによって、コネクタを形成し、第3の方向Zにおいて接続部413とカメラキャリア2との間に制限対を構築する。
【0071】
さらに、
図8に示すように、接続部413は、伝動プッシュロッド41の本体から伝動溝21の溝底に向かって屈曲して延びている。このようにして、第3の方向Zにおいて、ねじ付き締結具のねじキャップ部分が伝動プッシュロッド41を超えず、デバイスの小型化および薄型化の設計に寄与する。
【0072】
位置が切り替えられるときに発生する衝撃または振動によってカメラが影響を受けることを回避するために、この実施形態では、カメラキャリア2と電子デバイス1のハウジング11との間に緩衝適応対(7、23)がさらに設けられている。具体的な構成は以下の通りである:カメラキャリア2が変位を発生させ、突出作業位置の臨界位置に切り替えられる場合、緩衝適応対は緩衝減衰を発生させる。本明細書において「臨界位置(critical position)」とは、カメラが突出作業位置に到達しようとする突出動作の動作距離の終了動作距離区間を意味し、緩衝適応対は、カメラの突出プロセス全体において構成される必要はなく、すなわち、緩衝減衰は、カメラが突出作業位置に到達しようとする動作距離区間においてのみ発生する。
【0073】
このようにして、カメラキャリア2が第1の方向Xに沿って駆動されて
図3に示す突出作業位置に接近する場合、緩衝減衰が臨界位置で事前に効果を発揮し、カメラキャリア2の瞬間的な上昇速度が減速され、それによって、カメラキャリアがその位置に到達する際に発生する瞬間的な衝撃を回避することができ、カメラが突出作業位置に到達する際にジッタが発生しない。
【0074】
加えて、緩衝適応対に基づいて、カメラキャリア2は、突出作業状態において常に緩衝減衰の影響を受け、これは、カメラキャリア2とハウジング11との間の柔軟な接続関係を構築することに相当する。このようにして、共振が発生する低音インタラクションシナリオにおいて緩衝適応対が使用される場合、緩衝減衰によって提供されるエネルギー吸収および衝撃緩和機能により、ビデオ画像ジッタを回避することができる。
【0075】
図4に示すように、この実施形態において、ハウジング11には、第3の方向Zに沿って延在して形成された第1の取付柱12が設けられており、第1の取付柱12には第2の弾性スリーブ7がスリーブされている。これに対応して、カメラキャリア2には、側方に延在して形成された適合体23が設けられている。
図4および
図12を参照すると、適合体23には、緩衝適応対を構築するために、第2の弾性スリーブ7を押圧して嵌合する傾斜231が設けられており、次のように構成される:カメラキャリア2が臨界位置から突出作業位置に切り替えられるプロセスにおいて、第2の弾性スリーブ7の押圧変形が徐々に増加する。このようにして、カメラモジュール
3が突出作業位置に徐々に到達するプロセスにおいて、緩衝減衰が徐々に改善される。これは、より良いユーザ経験を提供する。
【0076】
さらに、
図12も参照されたい。第2の弾性スリーブ7の内壁上には、周方向に均一に分布した複数の弾性歯71が配置され、好ましくは均一に分布した隣接する弾性歯71の間に歯間隙が存在する。このようにして、第2の弾性スリーブ7の内側の歯間隙は、余分な変形空間を提供する。カメラキャリア2側の適合体23の傾斜231が第2の弾性スリーブ7を押圧する場合、緩衝減衰をさらに改善することができる。
【0077】
内部組立空間の実際の状況に基づいて、第2の弾性スリーブ7および適合体23の2つのグループが対応して設けられ、カメラキャリア2の両側に対称に配置され得る。これにより、緩衝および位置決めプロセスにおけるカメラキャリア2への偏荷重を回避することができる。
【0078】
図3、
図4、
図7、および
図8を参照すると、電子デバイスのハウジング11上に摺動レール51が配置され、これに対応して、カメラキャリア2上に、摺動レール51に嵌合する摺動スロット52が配置される。この実施形態では、前述の構造は、第2の方向Yにおいて占有される空間を低減するために、第1の方向Xにおいてカメラキャリア2およびハウジング11の隣接する側に構成される。
【0079】
加えて、カメラキャリア2とハウジング11との間の摺動適応対5に対して、この実施形態は、偏荷重防止設計を提供する。
図8および
図10を参照すると、摺動適応対は、第1の方向Xに沿って摺動可能な方式で互いに嵌合する摺動レール51および摺動スロット52の2つのグループを含み、2つのグループは、平行に配置されて、作業位置切替えのプロセスにおいて同期適合を実行し、それによって、第1の方向Xに沿ったカメラキャリア2の変位精度が保たれ得ることを保証し、スタック現象を回避する。具体的には、
図11に示すように、各摺動レール51は、摺動摩擦抵抗を低減するために、凸状円弧面511および摺動スロット52の対応するスロット壁521を使用することによって、線接触摺動適応対を構築する。
【0080】
加えて、この実施形態における摺動レールは、好ましくは、POM(Polyoxymethylene、polyoxymethylene)材料、またはPTFE(Poly tetra fluoroethylene、polytetrafluoroethylene)材料で作製され得、摺動可能に適合するための良好な自己潤滑能力を有する。
【0081】
図8に示すように、2つの摺動レール51は、取付板53に一体化されて一体的に形成されている。これは、摺動レール51とハウジング11との間の迅速な組み立てを容易にする。良好な変位精度を得ることに基づいて、プロセスは比較的良好である。
【0082】
変位駆動力を与える作動構成要素6は、モータであり得、伝動機構4のねじロッドおよびナット伝動対を使用することによって、モータによって出力される回転トルクを、伝動プッシュロッド41を駆動して直線変位を発生させるための駆動力に変換する。
図8を参照すると、ねじナット43は、伝動プッシュロッド41の第1の端部に配置され、ねじナット43に嵌合するねじロッド44の両端部は、固定支持体45に枢動可能に接続され、モータの出力シャフトは、ねじロッド44と伝動接続している。この構造は簡単で信頼性が高く、作業位置切換えの制御精度を得ることができる。
【0083】
特定の適用では、伝動プッシュロッド41の第1の端部の駆動偏荷重を効果的に低減するために、ねじロッド44の両側にガイド柱46が平行に配置され得る。これに対応して、伝動プッシュロッド41は、第1の方向Xに沿った伝動プッシュロッド41の変位精度を保証するために、2つのガイド柱46に摺動可能に嵌合する。
【0084】
カメラと共に構成されたほとんどの電子デバイスは、比較的高い人間-コンピュータ対話経験を満たす必要がある。例えば、限定されないが、ゲーム、学習、およびAIフィットネスなどのアプリケーションシナリオでは、対応するアプリケーションシナリオにおいて広い視野に対する比較的高い要件がある。
【0085】
この実施形態では、カメラモジュール3は、カメラキャリア2に埋め込まれて固定され、カメラモジュール3の視野は、前方に傾けられる。
図13および
図14を参照されたい。カメラキャリア2の貫通開口25にはガラスカバー26が封止固定されており、貫通開口25の内側には取付凹部27が設けられている。
図15に示すように、カメラモジュール3の一部は、取付凹部27内にクランプされ、取付凹部27の底面271と、第1の方向Xおよび第2の方向Yが位置する平面との間に夾角があり、取付凹部27は、カメラモジュール3が予め設定された位置に前方に傾斜するように傾斜して配置される。取付凹部27とガラスカバー26との間のカメラモジュール3の外周の一部は、プロファイル成形可能な封止シリコーン28でスリーブされている。このようにして、カメラモジュール3は、取付凹部27およびプロファイル成形可能な封止シリコーン28によって一緒に制限および制約され、それによって、カメラモジュール3の確実な位置決めを構築する。加えて、
図15を参照すると、プロファイル成形可能な封止シリコーン28の第1の端部とガラスカバー26との間に第1のリングシールが形成され、プロファイル成形可能な封止シリコーン28の第2の端部と取付凹部27との間に第2のリングシールが形成される。ここで、第1の端部および第2の端部は、プロファイル成形可能な封止シリコーン28上に互いに対向して配置された2つの端部側である。このようにして、カメラモジュール3の封止が構築される。
【0086】
実際の組立時には、カメラモジュール3は、接着性の下地(adhesive backing)を使用することによって取付凹部27に取り付けられる。プロファイル成形可能な封止シリコーン28は、カメラモジュール3内にクランプされ、取付凹部27を押圧して第2のリングシールを確立する。ガラスカバー26は、接着性の下地を使用することによってカメラキャリア2の貫通開口25に取り付けられ、プロファイル成形可能な封止シリコーン28を押圧して第1のリングシールを確立する。
【0087】
図16を参照すると、ヘッドアップカメラ3Aが構成される従来の解決策と比較して、この実施形態では、従来の構成方式における可視天井の視野の一部が使用され、それによって、視野の上半分の領域の無駄を減らし、前方視野を有するカメラ3Bを使用することによって視野の前方カバーを実現する。
図16では、ヘッドアップカメラ3Aと比較して、前方カメラ3Bの視野の前方への到達距離を示すために、サイズマークWが使用される。ユーザは、使用中に手動で調整することなく、カメラの広い視野を実現することができる。このようにして、カメラ構成コストを増大させることなくカメラの広い視野を得ることができ、アプリケーションインタラクションおよび近距離で全身をカバーするインタラクションに対応することができる。
実施形態2
【0088】
図17および
図18を参照されたい。この実施形態と実施形態1との間の違いおよび関係を明確に示すために、図中の同じ機能構成および構造は、同じ番号を使用して示される。
【0089】
この実施形態では、カメラモジュール3を上下に駆動するために、カメラキャリア2’上にカメラモジュール3が配置され、カメラキャリア2’とハウジング11との間に摺動適応対5’が配置される。実施形態1と同様に、伝動機構4は、作動構成要素6によって出力された動力をカメラキャリア2’に伝動ように構成され、動力伝動経路上の末端部材として伝動プッシュロッド41’を使用することによってカメラキャリア2’と伝動接続している。
【0090】
図19も参照されたい。伝動プッシュロッド41の本体は、第2の方向Yに沿って配置され、伝動プッシュロッド41の第1の端部は、作動構成要素6の動力出力端部と伝動接続することが可能であり、伝動プッシュロッド41の第2の端部には、本体から延在して形成された弾性アーム411が設けられている。これに対応して、カメラキャリア2’上に伝動面211が配置され、伝動面211は、第1の方向Xにおいて弾性アーム411の伝動端部に当接し得、以下のように構成される:伝動プッシュロッド41がカメラキャリア2’に対して傾斜傾向を発生させたとき、伝動端部を使用することによって伝動面211を押圧する弾性アーム411は、伝動プッシュロッド41の本体に対して作業姿勢を変化させることができる。作業姿勢を変化させるプロセスにおいて、伝動プッシュロッド41の伝動端部は伝動面211と線接触を維持する。同様に、カメラアセンブリは、スタック現象を回避するための自己適応能力を有する。
【0091】
加えて、カメラキャリア2’上に逆駆動伝動面212が配置される。これに対応して、第1の方向Xにおいて逆駆動伝動面212に対向して配置された逆駆動適合部412は、伝動プッシュロッド41に配置され、逆駆動適合部412は、伝動プッシュロッド41の本体の中間セクションに配置され、通常状態では、逆駆動伝動面212と逆駆動適合部414との間に所定の距離Tがあるように構成され、逆駆動動作性能を考慮する。
【0092】
実施形態1と比較して、この解決策では、同じ機能原理を有する伝動機構4および作動構成要素6が、カメラの上昇/下降駆動および逆駆動を実装するために使用されることに留意されたい。加えて、カメラモジュール3の視野を前方に傾斜させることで、カメラの構成コストを増大させることなく、カメラの広い視野を得ることができる。詳細はここでは再び説明されない。
【0093】
この実施形態では、摺動適応対5’は、実施形態1のものとは異なる逆構成方式を使用する。図に示すように、電子デバイス1’のハウジング11に摺動レール51’が設けられており、これに対応して、カメラキャリア2’に摺動スロット52’が設けられている。ここでは、摺動適応対5’は、第1の方向Xに沿って摺動可能に互いに嵌合する摺動レール51’および摺動スロット52’の2つのグループを含み、2つのグループは、平行に配置されて、作業位置切り替えのプロセスにおいて同期適合を実行し、それによって、偏荷重を回避する。
【0094】
さらに、カメラキャリア2’は、製品機能の要件に基づいて分割構造を有し得る。
図19に示すように、カメラ固定ベース21’は、摺動レール51’が配置される摺動レールマトリックス22’に固定接続される。このように、2つの分割部分は、異なる材料で作製され得る。
【0095】
例えば、限定されないが、カメラ固定ベース21’は、金属材料で作製され、摺動レールマトリックス22’は、POM(Polyoxymethylene、polyformaldehyde)材料、またはPTFE(Poly tetra fluoroethylene、polytetrafluoroethylene)材料で作製され得、摺動レールマトリックス22’の自己潤滑能力を使用することによって、摺動適応対の動作性能が改善される。
【0096】
この実施形態では、位置が切り替わる際に発生する衝撃および使用プロセスにおける振動によってカメラが影響を受けるのを防止するために、別の緩衝適応対が設けられている。
図20および
図21を併せて参照する。摺動レールマトリックス22’には、第1の方向Xに沿って延在して形成された第2の取付柱221’が設けられており、第2の取付柱221’には、第3の弾性スリーブ222’がスリーブされる。これに対応して、ハウジング11’上に適合穴12’が配置され、適合穴12’の穴縁部には、緩衝適応対を構築するために、第3の弾性スリーブ222’を押圧して嵌合する面取り121’が設けられている。このようにして、カメラキャリア2’が変位を発生させ、突出作業位置の臨界位置に切り替えられると、緩衝適応対が緩衝減衰を発生させ、押圧変形が徐々に増加する。緩衝減衰は徐々に増加し、カメラがその位置に到達したときにジッタは発生しない。加えて、緩衝適応対に基づいて、摺動レールマトリックス22’とハウジング11’との間に柔軟な接続関係が構築され、提供されるエネルギー吸収および衝撃緩和機能により、使用プロセスにおいて発生するビデオ画像ジッタを回避することができる。
【0097】
緩衝適応対の能力をさらに高めるために、
図21に示すように、第3の弾性スリーブ222’の押圧側には、面取り223’が設けられている。具体的には、面取り223’は、穴縁部および外周の両方に配置され得る。したがって、第3の弾性スリーブ222’が適合穴を押圧して嵌合する場合、押圧側の面取り223’は、余分な変形空間を提供する。
【0098】
例えば、第3の弾性スリーブ222’および適合穴12’の2つのグループが対応して設けられており、カメラキャリア2’の両側に対称に配置される。これにより、緩衝および位置決めプロセスにおける偏荷重を回避することができる。
【0099】
デバイスの内部組立空間の実際の状況に基づいて、前述の実施形態1および実施形態2におけるカメラアセンブリの非作用部分は、電子デバイスのハウジング11またはカメラアセンブリの自己所有ハウジングに直接取り付けられ固定されてもよいし、移行部材または構造を使用することによって対応するハウジングに間接的に取り付けられ固定されてもよいことに留意されたい。
【0100】
本出願の実施形態は、電子デバイスをさらに提供する。この電子デバイスは、
図1~
図21で説明したカメラアセンブリを含む。電子デバイスは、スマートテレビ、ノートブックコンピュータ、またはディスプレイなどの製品であり得る。電子デバイスの他の機能は、本出願の主要な発明ポイントではないと決定され得る。したがって、本明細書では詳細が説明されていない。