(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-24
(45)【発行日】2025-04-01
(54)【発明の名称】補正処理システム、補正処理プログラム、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20250325BHJP
【FI】
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2024040021
(22)【出願日】2024-03-14
【審査請求日】2024-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】592048741
【氏名又は名称】鉄道情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】梶山 記央
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-175686(JP,A)
【文献】特開2013-015927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送手段の座席の予約販売を管理する予約管理システムの操作履歴に基づいて前記座席の販売実績を算出するために前記操作履歴を補正する補正処理システムであって、
前記予約管理システムから前記操作履歴を取得する操作履歴取得手段と、
前記操作履歴を座席単位に分割した座席単位履歴を作成する座席単位履歴作成手段と、
前記座席毎の前記座席単位履歴が特定の類型に該当するか否かを判定し、前記座席単位履歴が前記特定の類型に該当する場合に、前記特定の類型の前記座席単位履歴を補正するための補正データを生成し、この補正データを前記座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する補正後履歴出力手段と、を備え、
前記特定の類型は、前記座席単位履歴を集計した集計値が前記販売実績と矛盾する原因となる類型であり、
前記補正後履歴出力手段は、前記集計値を前記販売実績に一致させるための前記補正データを生成する、
ことを特徴とする補正処理システム。
【請求項2】
前記補正後履歴を記録する記録手段を備え、
前記補正後履歴出力手段は、前記記録手段によって記録された前記補正後履歴の中から前記座席単位履歴作成手段によって作成された前記座席単位履歴と同じ前記座席の前記補正後履歴である同一座席履歴を検索し、前記同一座席履歴がある場合に、前記座席毎の前記座席単位履歴に前記同一座席履歴を含めて前記特定の類型に該当するか否かを判定する同一座席履歴追加判定機能を有している、
ことを特徴とする請求項1に記載の補正処理システム。
【請求項3】
前記補正後履歴出力手段は、前記操作履歴に含まれる前記輸送手段の運行日、前記輸送手段の種別、及び、前記座席の位置に基づいて前記座席を特定する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の補正処理システム。
【請求項4】
前記操作履歴は、乗車区間を指定して前記座席を販売したことを示す販売履歴、及び、所定の区間を指定して前記座席の販売を取り消したことを示す取消履歴を含む、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の補正処理システム。
【請求項5】
前記特定の類型は、前記取消履歴のみで構成された第1の類型であり、
前記補正データは、前記第1の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴である、
ことを特徴とする請求項4に記載の補正処理システム。
【請求項6】
前記特定の類型は、同じ前記乗車区間が指定された複数の前記販売履歴のみで構成された第2の類型であり、
前記補正データは、前記第2の類型の前記販売履歴のうち、最新の前記販売履歴以外の前記販売履歴を相殺するための補正用の前記取消履歴である、
ことを特徴とする請求項4に記載の補正処理システム。
【請求項7】
前記特定の類型は、前記販売履歴と、この販売履歴の前記乗車区間内に前記所定の区間が含まれている前記取消履歴と、から構成された第3の類型であり、
前記補正データは、前記第3の類型の前記販売履歴を相殺するための補正用の前記取消履歴、前記第3の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴、及び、前記第3の類型の前記販売履歴のうち、前記乗車区間が前記所定の区間と重ならない部分を復元するための補正用の前記販売履歴である、
ことを特徴とする請求項4に記載の補正処理システム。
【請求項8】
前記特定の類型は、前記販売履歴と、この販売履歴の前記乗車区間の一部に前記所定の区間の一部が重なる前記取消履歴と、から構成された第4の類型であり、
前記補正データは、前記第4の類型の前記販売履歴を相殺するための補正用の前記取消履歴、前記第4の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴、及び、前記第4の類型の前記販売履歴のうち、前記乗車区間が前記所定の区間と重ならない部分を復元するための補正用の前記販売履歴である、
ことを特徴とする請求項4に記載の補正処理システム。
【請求項9】
前記特定の類型は、前記販売履歴と、この販売履歴の前記乗車区間が前記所定の区間内に含まれている前記取消履歴と、から構成された第5の類型であり、
前記補正データは、前記第5の類型の前記販売履歴を相殺するための補正用の前記取消履歴、及び、前記第5の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴である、
ことを特徴とする請求項4に記載の補正処理システム。
【請求項10】
前記特定の類型は、前記販売履歴と、この販売履歴の前記乗車区間に前記所定の区間が重ならない前記取消履歴と、から構成された第6の類型であり、
前記補正データは、前記第6の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴である、
ことを特徴とする請求項4に記載の補正処理システム。
【請求項11】
前記特定の類型は、複数の前記販売履歴と、これらの前記販売履歴のそれぞれの前記乗車区間のすべてが前記所定の区間内に含まれている前記取消履歴と、から構成された第7の類型であり、
前記補正データは、前記第7の類型の各前記販売履歴に対応して各前記販売履歴のそれぞれを相殺するための補正用の前記取消履歴、及び、前記第7の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴である、
ことを特徴とする請求項4に記載の補正処理システム。
【請求項12】
前記特定の類型は、複数の前記販売履歴と、これらの前記販売履歴における各前記乗車区間のうち、少なくとも一つを前記所定の区間内に含み、かつ、少なくとも一つの一部に前記所定の区間の一部が重なる前記取消履歴とから構成された第8の類型であり、
前記補正データは、前記第8の類型の各前記販売履歴に対応して各前記販売履歴のそれぞれを相殺するための補正用の前記取消履歴、前記第8の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴、及び、前記第8の類型の前記販売履歴のうち、前記乗車区間が前記所定の区間と重ならない部分を復元するための補正用の前記販売履歴である、
ことを特徴とする請求項4に記載の補正処理システム。
【請求項13】
輸送手段の座席の予約販売を管理する予約管理システムの操作履歴に基づいて前記座席の販売実績を算出するために前記操作履歴を補正する補正処理プログラムであって、
前記予約管理システムから前記操作履歴を取得する操作履歴取得手順と、
前記操作履歴を座席単位に分割した座席単位履歴を作成する座席単位履歴作成手順と、
前記座席毎の前記座席単位履歴が特定の類型に該当するか否かを判定し、前記座席単位履歴が前記特定の類型に該当する場合に、前記特定の類型の前記座席単位履歴を補正するための補正データを生成し、この補正データを前記座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する補正後履歴出力手順と、を含み、
前記特定の類型は、前記座席単位履歴を集計した集計値が前記販売実績と矛盾する原因となる類型であり、
前記補正後履歴出力手順は、前記集計値を前記販売実績に一致させるための前記補正データを生成する、
ことをコンピュータに実行させることを特徴とする補正処理プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の補正処理プログラムが記録された、
ことを特徴とするコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送手段の座席の予約販売を管理する予約管理システムの操作履歴を補正するための補正処理システム、補正処理プログラム、及び、この補正処理プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、鉄道などの輸送手段の座席の予約購入は、鉄道各社の窓口に設置された端末や購入希望者の端末などからインターネット等のネットワークを介して行われている。これらのネットワークを介して受け付けられた座席の予約購入に関する要求は、座席の予約販売を一括して管理する予約管理システムによって処理されている。
例えば、特許文献1には、ネットワークに接続された操作端末から列車の指定席予約に関する座席予約情報を受信して、停車駅毎の過去の空席数及び降車数の実績に基づいて、空席の照会ができる座席予約システムが記載されている。
【0003】
ところで、予約管理システムは、座席の予約販売以外にも、予約内容の変更や取消に関する要求を受け付けている。これらの各要求は、予約管理システムによる処理の後、予約管理システムの操作ログとして記録されている。この操作ログには、座席の予約販売、予約取消、及び、予約変更(以下、「予約販売、予約取消、及び、予約変更」を「予約販売等」という。)に関する種々の情報が含まれており、例えば、輸送手段が鉄道である場合には、列車を識別するための識別番号である列車番号や、列車の発車日、座席の位置、乗降車駅名等の情報が含まれている。そのため、蓄積された操作ログをいわゆるビッグデータとして活用することで、例えば、列車毎、発車日毎、又は、乗降車駅毎などの様々な切り口で販売実績の分析や需要の把握が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
操作ログは、予約管理システムが受け付けた要求単位、言い換えれば、予約管理システムの操作単位で蓄積されているため、座席の販売実績を分析するためには、一定の基準に従って集計しなければならない。そこで、従来は、例えば、列車の種別、発車日及び乗降車駅名が同一の操作ログにおいて、予約変更を考慮せず、予約販売に関する操作ログの数の合計から、予約内容の取消に関する操作ログの数を減算した集計値を販売実績とみなして帳票を作成したり、また、予約変更を考慮する場合には、予約内容の変更を新たな予約販売とみなして、予約内容の変更に関する操作ログの数の合計値を、上述の集計値と併記して、それらを販売実績とみなして帳票を作成したりしていた。
【0006】
しかし、上記のような帳票では、例えば、乗車駅及び降車駅のいずれか又は両方の変更によって乗車区間が変更された場合や、乗車区間の一部が取消された場合などには、集計値と販売実績との間に矛盾が生じていた。さらに、予約販売等に関する要求を一括して処理する予約管理システムでは、操作ログの数が膨大であるため、矛盾が生じた場合にその原因を特定して、その都度修正することは現実的に困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、輸送手段の座席の予約販売を管理する予約管理システムの操作履歴(操作ログ)に基づいて正確な販売実績の算出を可能にするために、予約管理システムの操作履歴を補正する補正処理システム、補正処理プログラム、及び、この補正処理プログラムが記録された記録媒体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明に係る補正処理システムは、輸送手段の座席の予約販売を管理する予約管理システムの操作履歴に基づいて前記座席の販売実績を算出するために前記操作履歴を補正する補正処理システムであって、前記予約管理システムから前記操作履歴を取得する操作履歴取得手段と、前記操作履歴を座席単位に分割した座席単位履歴を作成する座席単位履歴作成手段と、前記座席毎の前記座席単位履歴が特定の類型に該当するか否かを判定し、前記座席単位履歴が前記特定の類型に該当する場合に、前記特定の類型の前記座席単位履歴を補正するための補正データを生成し、この補正データを前記座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する補正後履歴出力手段と、を備え、前記特定の類型は、前記座席単位履歴を集計した集計値が前記販売実績と矛盾する原因となる類型であり、前記補正後履歴出力手段は、前記集計値を前記販売実績に一致させるための前記補正データを生成する、ことを特徴とする。
【0009】
前記発明において、前記補正後履歴を記録する記録手段を備え、前記補正後履歴出力手段は、前記記録手段によって記録された前記補正後履歴の中から前記座席単位履歴作成手段によって作成された前記座席単位履歴と同じ前記座席の前記補正後履歴である同一座席履歴を検索し、前記同一座席履歴がある場合に、前記座席毎の前記座席単位履歴に前記同一座席履歴を含めて前記特定の類型に該当するか否かを判定する同一座席履歴追加判定機能を有していてもよい。
【0010】
前記発明において、前記補正後履歴出力手段は、前記操作履歴に含まれる前記輸送手段の運行日、前記輸送手段の種別、及び、前記座席の位置に基づいて前記座席を特定してもよい。
【0011】
前記発明において、前記操作履歴は、乗車区間を指定して前記座席を販売したことを示す販売履歴、及び、所定の区間を指定して前記座席の販売を取り消したことを示す取消履歴を含んでいてもよい。
【0012】
前記発明において、前記特定の類型は、前記取消履歴のみで構成された第1の類型であり、前記補正データは、前記第1の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴でもよい。
【0013】
前記発明において、前記特定の類型は、同じ前記乗車区間が指定された複数の前記販売履歴のみで構成された第2の類型であり、前記補正データは、前記第2の類型の前記販売履歴のうち、最新の前記販売履歴以外の前記販売履歴を相殺するための補正用の前記取消履歴でもよい。
【0014】
前記発明において、前記特定の類型は、前記販売履歴と、この販売履歴の前記乗車区間内に前記所定の区間が含まれている前記取消履歴と、から構成された第3の類型であり、前記補正データは、前記第3の類型の前記販売履歴を相殺するための補正用の前記取消履歴、前記第3の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴、及び、前記第3の類型の前記販売履歴のうち、前記乗車区間が前記所定の区間と重ならない部分を復元するための補正用の前記販売履歴でもよい。
【0015】
前記発明において、前記特定の類型は、前記販売履歴と、この販売履歴の前記乗車区間の一部に前記所定の区間の一部が重なる前記取消履歴と、から構成された第4の類型であり、前記補正データは、前記第4の類型の前記販売履歴を相殺するための補正用の前記取消履歴、前記第4の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴、及び、前記第4の類型の前記販売履歴のうち、前記乗車区間が前記所定の区間と重ならない部分を復元するための補正用の前記販売履歴でもよい。
【0016】
前記発明において、前記特定の類型は、前記販売履歴と、この販売履歴の前記乗車区間が前記所定の区間内に含まれている前記取消履歴と、から構成された第5の類型であり、前記補正データは、前記第5の類型の前記販売履歴を相殺するための補正用の前記取消履歴、及び、前記第5の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴でもよい。
【0017】
前記発明において、前記特定の類型は、前記販売履歴と、この販売履歴の前記乗車区間に前記所定の区間が重ならない前記取消履歴と、から構成された第6の類型であり、前記補正データは、前記第6の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴でもよい。
【0018】
前記発明において、前記特定の類型は、複数の前記販売履歴と、これらの前記販売履歴のそれぞれの前記乗車区間のすべてが前記所定の区間内に含まれている前記取消履歴と、から構成された第7の類型であり、前記補正データは、前記第7の類型の各前記販売履歴に対応して各前記販売履歴のそれぞれを相殺するための補正用の前記取消履歴、及び、前記第7の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴でもよい。
【0019】
前記発明において、前記特定の類型は、複数の前記販売履歴と、これらの前記販売履歴における各前記乗車区間のうち、少なくとも一つを前記所定の区間内に含み、かつ、少なくとも一つの一部に前記所定の区間の一部が重なる前記取消履歴とから構成された第8の類型であり、前記補正データは、前記第8の類型の各前記販売履歴に対応して各前記販売履歴のそれぞれを相殺するための補正用の前記取消履歴、前記第8の類型の前記取消履歴を相殺するための補正用の前記販売履歴、及び、前記第8の類型の前記販売履歴のうち、前記乗車区間が前記所定の区間と重ならない部分を復元するための補正用の前記販売履歴でもよい。
【0020】
前記課題を解決するために、本発明に係る補正処理プログラムは、輸送手段の座席の予約販売を管理する予約管理システムの操作履歴に基づいて前記座席の販売実績を算出するために前記操作履歴を補正するものであって、前記予約管理システムから前記操作履歴を取得する操作履歴取得手順と、前記操作履歴を座席単位に分割した座席単位履歴を作成する座席単位履歴作成手順と、前記座席毎の前記座席単位履歴が特定の類型に該当するか否かを判定し、前記座席単位履歴が前記特定の類型に該当する場合に、前記特定の類型の前記座席単位履歴を補正するための補正データを生成し、この補正データを前記座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する補正後履歴出力手順と、を含み、前記特定の類型は、前記座席単位履歴を集計した集計値が前記販売実績と矛盾する原因となる類型であり、前記補正後履歴出力手順は、前記集計値を前記販売実績に一致させるための前記補正データを生成する、ことをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0021】
前記課題を解決するために、本発明に係るコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、前記補正処理プログラムが記録されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の補正処理システムによれば、座席毎の座席単位履歴が特定の類型(座席単位履歴を集計した集計値が座席の販売実績と矛盾する原因となる類型)である場合に、補正後履歴出力手段が、座席単位履歴の集計値を座席の販売実績に一致させるために、特定の類型の座席単位履歴を補正するための補正データを生成し、この補正データを座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する。そのため、補正データが反映された補正後履歴を集計することで、正確な座席の販売実績を算出できる。
【0023】
本発明の補正処理システムによれば、補正後履歴出力手段が同一座席履歴追加判定機能を有しており、記録手段によって記録された補正後履歴の中から同一座席履歴を検索して、同一座席履歴がある場合には、座席毎の座席単位履歴に同一座席履歴を含めて特定の類型に該当するか否かを判定する。そのため、補正処理システムによって処理済みの座席単位履歴がある場合でも、この処理済みの座席単位履歴の中から同一座席履歴を検索し、同一座席履歴を含めた座席単位履歴について特定の類型に該当するか否かを判定できる。したがって、座席毎の座席単位履歴を漏れなく判定することができる。
【0024】
本発明の補正処理システムによれば、補正後履歴出力手段が、操作履歴に含まれる輸送手段の運行日、輸送手段の種別、及び、座席の位置に基づいて座席を特定する。したがって、正確に座席の特定ができる。
【0025】
本発明の補正処理システムによれば、操作履歴が、乗車区間を指定して座席を販売したことを示す販売履歴、及び、所定の区間を指定して座席の販売を取り消したことを示す取消履歴を含んでいる。そのため、操作履歴のうち、販売履歴で指定された乗車区間と一致する区間を所定の区間として指定した取消履歴を、販売履歴のすべてを取り消す取消履歴として認識し、また、操作履歴のうち、販売履歴で指定された乗車区間と一部が一致する区間を所定の区間として指定した取消履歴を、販売履歴の乗車区間を変更するための変更履歴として認識することができる。したがって、操作履歴に販売履歴と取消履歴が含まれていることで、予約内容の変更に対応可能なシステムとなる。
【0026】
本発明の補正処理システムによれば、特定の類型が、取消履歴のみで構成された第1の類型であり、補正データが、第1の類型の取消履歴を相殺するための補正用の販売履歴である。
また、本発明の補正処理システムによれば、特定の類型が、同じ乗車区間が指定された複数の販売履歴のみで構成された第2の類型であり、補正データが、第2の類型の販売履歴のうち、最新の販売履歴以外の販売履歴を相殺するための補正用の取消履歴である。
さらに、本発明の補正処理システムによれば、特定の類型が、販売履歴と、この販売履歴の乗車区間内に所定の区間が含まれている取消履歴とから構成された第3の類型であり、補正データが、第3の類型の販売履歴を相殺するための補正用の取消履歴、第3の類型の取消履歴を相殺するための補正用の販売履歴、及び、第3の類型の販売履歴のうち、乗車区間が所定の区間と重ならない部分を復元するための補正用の販売履歴である。
【0027】
また、本発明の補正処理システムによれば、特定の類型が、販売履歴と、この販売履歴の乗車区間の一部に所定の区間の一部が重なる取消履歴とから構成された第4の類型であり、補正データが、第4の類型の販売履歴を相殺するための補正用の取消履歴、第4の類型の取消履歴を相殺するための補正用の販売履歴、及び、第4の類型の販売履歴のうち、乗車区間が所定の区間と重ならない部分を復元するための補正用の販売履歴である。
さらに、本発明の補正処理システムによれば、特定の類型が、販売履歴と、この販売履歴の乗車区間が所定の区間内に含まれている取消履歴とから構成された第5の類型であり、補正データが、第5の類型の販売履歴を相殺するための補正用の取消履歴、及び、前記第5の類型の取消履歴を相殺するための補正用の販売履歴である。
また、本発明の補正処理システムによれば、特定の類型が、販売履歴と、この販売履歴の乗車区間に所定の区間が重ならない取消履歴とから構成された第6の類型であり、補正データが、第6の類型の取消履歴を相殺するための補正用の販売履歴である。
【0028】
さらに、本発明の補正処理システムによれば、特定の類型が、複数の販売履歴と、これらの販売履歴のそれぞれの乗車区間のすべてが所定の区間内に含まれている取消履歴とから構成された第7の類型であり、補正データが、第7の類型の各販売履歴に対応して各販売履歴のそれぞれを相殺するための補正用の取消履歴、及び、第7の類型の取消履歴を相殺するための補正用の販売履歴である。
また、本発明の補正処理システムによれば、複数の販売履歴と、これらの販売履歴における各乗車区間のうち、少なくとも一つを所定の区間内に含み、かつ、少なくとも一つの一部に所定の区間の一部が重なる取消履歴とから構成された第8の類型であり、補正データは、第8の類型の各販売履歴に対応して各販売履歴のそれぞれを相殺するための補正用の取消履歴、第8の類型の取消履歴を相殺するための補正用の販売履歴、及び、第8の類型の販売履歴のうち、乗車区間が第8の類型の取消履歴の所定の区間と重ならない部分を復元するための補正用の販売履歴である。
【0029】
上述した特定の類型に対応して補正された補正後履歴であれば、その集計値が販売実績と一致したものとなるため、予約管理システムの操作履歴に基づいて正確な販売実績の算出が可能になる。
また、本発明の補正処理プログラム、又は、この補正処理プログラムが記録された記録媒体を用いることにより、上述した補正処理システムと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る補正処理システムと、予約管理システムの関係を示す説明図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る補正処理システムと、予約管理システムの概略機能を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る補正処理システムの操作履歴が集約された操作履歴管理テーブルを示す説明図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る補正処理システムの座席単位履歴が集約された座席単位履歴管理テーブルを示す説明図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る補正処理システムの補正後履歴出力手段による補正パターンを説明するための説明図(1)である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る補正処理システムの補正後履歴出力手段による補正パターンを説明するための説明図(2)である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る補正処理システムの補正後履歴出力手段による補正パターンを説明するための説明図(3)である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る補正処理システムにおける操作履歴の取得から座席単位履歴の作成までの処理の概略を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る補正処理システムにおける同一座席履歴の検索から補正後履歴の出力までの処理の概略を説明するためのフローチャートである。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る補正処理システムにおける補正後履歴出力手段による処理を説明するためのフローチャート(1)である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る補正処理システムにおける補正後履歴出力手段による処理を説明するためのフローチャート(2)である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係る補正処理システムにおける補正後履歴出力手段による処理を説明するためのフローチャート(3)である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係る補正処理システムにおける補正後履歴出力手段による処理を説明するためのフローチャート(4)である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、
図1から
図13を参照して、本発明に係る補正処理システムの実施形態について説明する。なお、本実施形態の補正処理システムの輸送手段には、在来線の列車や、列車以外のバス、船舶及び旅客機等の人や荷物を輸送するためのあらゆる輸送手段が含まれる。以下の説明では、輸送手段が、列車のうちの新幹線である場合を例に説明する。
【0032】
図1は、本実施形態の補正処理システム1と、予約管理システム10との関係を示す説明図である。
予約管理システム10は、新幹線の座席の予約販売等を受け付けて、予約販売等に関する処理を統括して管理している。予約管理システム10は、ネットワークNに接続され、鉄道各社に設置された予約端末20や購入希望者のスマートフォン等の携帯端末30等の外部機器から、ネットワークNを介して座席の予約購入、予約取消、及び、予約変更(以下、「予約購入、予約取消、及び、予約変更」を「予約購入等」という。)に関する要求を受け付けている。
ネットワークNは、インターネットや専用線で構築された企業内LAN(Local Area Network)の他、企業間LAN、WAN(Wide Area Network)等のあらゆるネットワークを含んでおり、また、ネットワークNには有線又は無線のいずれかの通信形態で接続される。
【0033】
外部機器から受け付けられる予約購入等に関する要求は、予約管理システム10において所定の操作を実行するための操作指示として受け付けられる。この操作指示は、予約管理システム10によって処理された後に、予約管理システム10における新幹線の座席の予約販売等に関する操作の履歴(操作履歴)として、予約管理システム10に記録される。累積して記録された操作履歴は、帳票として出力されることで、いわゆるビッグデータとして新幹線の座席の販売実績を算出するため等に活用できる。しかし、予約管理システム10に記録された操作履歴は、何ら加工せずにそのまま機械的に加減算して集計してしまうと、その集計値が実際の座席の販売実績との間に矛盾を生じたものとなる。そこで、補正処理システム1は、予約管理システム10から取得される操作履歴を所定の条件に基づいて補正することにより、操作履歴から算出される集計値を実際の販売実績と矛盾を生じないものとすることができる。
【0034】
図2は、補正処理システム1と、予約管理システム10の概略機能を示す機能ブロック図である。
予約管理システム10は、大容量の電子データ、例えば、座席の予約購入等に関する要求や予約販売等に関する操作履歴等の電子データの処理及び記録が可能なサーバであり、予約管理システム10の主要な機能を統括して制御する制御手段11と、ネットワークNに接続され、ネットワークNを介して外部機器との通信が可能な通信手段12と、新幹線の座席の予約販売等に関する処理を一括して管理する予約管理手段13と、予約管理システム10における操作の履歴を記録する記録手段14を備えている。
【0035】
制御手段11は、プログラムに従って各種処理を行うCPU(Central Processing Unit)や、CPUを動作させるためのプログラムなどの電子データが記録され、この電子データの読み出しが可能な記録装置であるROM(Read Only Memory)、電子データの読み出し及び書き込みの両方が可能な記録装置であるRAM(Random Access Memory)などを備えるマイクロコンピュータで構成される。通信手段12は、予約管理システム10以外の機器やシステム、例えば、予約端末20等の外部機器や補正処理システム1と通信を行う。予約管理手段13は、外部機器から受け付けた新幹線の座席の予約購入等に関する要求を、予約管理システム10に対する座席の予約販売等に関する操作指示として処理する。記録手段14は、予約管理手段13によって処理された操作の履歴を、予約管理システム10が備えるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記録装置に記録する。
【0036】
補正処理システム1は、補正処理システム1の主要な機能を統括して制御する制御手段2と、予約管理システム10との通信が可能な通信手段3と、予約管理システム10から操作履歴を取得する操作履歴取得手段4と、操作履歴を座席単位に分割した座席単位履歴を作成する座席単位履歴作成手段5と、座席毎の座席単位履歴が特定の類型に該当するか否かを判定し、この判定結果に基づいて、特定の類型の座席単位履歴を補正するための補正データを生成し、この補正データを座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する補正後履歴出力手段6と、補正後履歴を記録する記録手段7を備えている。
【0037】
制御手段2は、プログラムに従って各種処理を行うCPUや、CPUを動作させるためのプログラムなどの電子データが記録され、この電子データの読み出しが可能なROM、電子データの読み出し及び書き込みの両方が可能なRAMなどを備えるマイクロコンピュータで構成される。通信手段3は、有線又は無線のいずれかの通信形態で予約管理システム10に接続され、予約管理システム10との間で通信を行う。操作履歴取得手段4は、通信手段3を介して、記録手段14によって予約管理システム10の記録装置に記録された操作履歴を所定の期間毎に取得する。なお、所定の期間は、例えば、1日毎であり、任意の期間を設定できる。また、操作履歴取得手段4によって予約管理システム10の記録装置から操作履歴が取得される手順は、「操作履歴取得手順」に該当する。
【0038】
図3は、操作履歴取得手段4によって予約管理システム10から取得された操作履歴を集約した操作履歴管理テーブル40である。各操作履歴であるレコード40aからレコード40gには、それぞれ予約管理システム10において予約販売等がされた座席に関する種々の情報が格納されている。
操作履歴管理テーブル40の各操作履歴(レコード40aからレコード40g)に格納される情報には、新幹線の「発車日」や「発車時刻」の他、予約管理システム10が操作指示を受け付けて処理した日時を示す「操作日」及び「操作時刻」、新幹線の「列車名」、新幹線の「列車番号」、上り列車又は下り列車の別を示す「上下区分」、乗降車駅名を示す「乗車駅名」及び「降車駅名」、操作履歴の種別を示す「操作内容」、操作履歴の対象人数を示す「合計人数」、操作履歴の対象座席が設けられた車両を示す「号車」、操作履歴の対象座席が設けられた区画を示す「ブロック」、操作履歴の対象座席の位置を示す「座席位置」等に関する情報が含まれており、それぞれの情報が操作履歴管理テーブル40の「発車日」欄、「発車時刻」欄、「操作日」欄、「操作時刻」欄、「列車名」欄、「列車番号」欄、「上下区分」欄、「乗車駅名」欄、「降車駅名」欄、「操作内容」欄、「合計人数」欄、「号車」欄、「ブロック」欄及び「座席位置」欄に格納されている。
【0039】
また、上述した情報のうち、「操作内容」には、操作履歴の種別を示す情報、具体的には、新幹線の座席を予約販売したことを示す「販売履歴」、又は、新幹線の座席の予約販売を取り消したことを示す「取消履歴」の別が格納され、「販売履歴」が「販売」として、また、「取消履歴」が「取消」として表示されている。さらに、その操作履歴(販売履歴や取消履歴)で指定された「乗車駅名」及び「降車駅名」からは、販売履歴の乗車区間や取消履歴の所定の区間がわかる。そのため、これらの「操作内容」、「乗車駅名」及び「降車駅名」の情報に基づいて、その操作履歴が、何駅から何駅までの乗車区間を指定して座席を予約販売した販売履歴であるか、又は、何駅から何駅までの区間を指定して予約販売を取り消した取消履歴であるかを識別することができる。
【0040】
例えば、操作履歴管理テーブル40のレコードのうち、レコード40aについては、「操作内容」が「販売」であり、また、「乗車駅名」が「東京」で「降車駅名」が「名古屋」であることから、東京駅から名古屋駅までを乗車区間に指定した販売履歴であることがわかる。
一方、例えば、レコード40dについては、「操作内容」が「取消」であり、また、「乗車駅名」が「名古屋」で「降車駅名」が「新大阪」であることから、名古屋駅から新大阪駅までを指定した取消履歴であることがわかる。レコード40dは、販売履歴であるレコード40bに対応する取消履歴であり、また、レコード40bと同じ「乗車駅名」及び「降車駅名」(「乗車駅名」が「名古屋」で「降車駅名」が「新大阪」)を指定していることから、レコード40bの販売履歴における全乗車区間(名古屋駅から新大阪駅までの全乗車区間)を指定して、その予約販売を取り消す取消履歴であることがわかる。
なお、このとき、例えば、このレコード40dの「降車駅名」が「京都」である場合、レコード40bの販売履歴における全乗車区間(名古屋駅から新大阪駅までの全乗車区間)のうち、一部の区間(京都駅から新大阪駅までの区間)を指定して予約販売を取り消す取消履歴であり、このような取消履歴は予約販売の内容の一部を変更する変更履歴である。
【0041】
さらに、操作履歴管理テーブル40に集約された各操作履歴(各レコード)には、1座席に関する操作履歴だけではなく、複数の座席が指定された操作履歴が含まれている。例えば、レコード40aについては、「座席位置」に「ABC」が格納されており、この操作履歴が「A」席、「B」席及び「C」席の3座席ぶんの座席を予約販売した販売履歴であることを示している。そのため、レコード40aでは、「合計人数」においても当該販売履歴における対象人数が3名であることを示す「3」が格納されている。
また、各操作履歴(各レコード)に格納された情報のうち、「発車日」、「発車時刻」、「列車名」、「列車番号」、「上下区分」、「号車」、「ブロック」及び「座席位置」に関する情報は、座席の特定が可能な座席特定情報である。なお、座席特定情報は、必ずしもすべての情報を用いる必要はなく、例えば、「発車日」、「列車名」、「列車番号」、「号車」及び「座席位置」のみで座席の特定が可能である場合には、これらの情報のみを用いてもよいし、これらの情報以外にも、例えば、座席の特定が可能な固有の識別番号等を座席毎に付しておき、これらの識別番号を座席特定情報として用いてもよい。
また、新幹線の「種別」は、上述した情報のうちの「列車名」及び「列車番号」を用いて特定され、また、新幹線の「座席の位置」は、上述した情報のうちの「号車」、「ブロック」及び「座席位置」を用いて特定される。さらに、上述した情報のうちの「発車日」は、輸送手段の「運行日」に該当する。
【0042】
座席単位履歴作成手段5は、操作履歴管理テーブル40に集約された操作履歴を座席単位に分割して座席単位履歴を作成する。
図4は、座席単位履歴作成手段5によって作成された座席単位履歴を集約した座席単位履歴管理テーブル50である。座席単位履歴作成手段5は、操作履歴に複数の座席が指定されたものがある場合に、その操作履歴を座席単位に分割して座席単位履歴を作成する。ここで、操作履歴を座席単位に分割とは、操作履歴管理テーブル40における複数の座席が指定された操作履歴(レコード)を、当該レコードの「座席位置」に格納された座席の数に合わせて複製し、当該レコードと複製したレコードの「座席位置」の情報を変更することによって、新たなレコードを作成することを含む概念である。
【0043】
例えば、座席単位履歴作成手段5は、操作履歴管理テーブル40のレコードのうち、複数の座席が指定されたレコード40aを座席単位に分割して座席単位履歴を作成する。このとき、座席単位履歴作成手段5は、レコード40aの「座席位置」の座席の数(「A」席、「B」席及び「C」席の3座席)に合わせて、レコード40aから2つの新たなレコードを複製する。そして、レコード40aと複製された2つのレコードについて、それぞれの「座席位置」を「A」、「B」及び「C」に変更する。また、それぞれのレコードの「合計人数」を「1」に変更する。このようにしてレコード40aに対応して作成された座席単位履歴が、レコード50aからレコード50cである(
図4)。
【0044】
なお、座席単位履歴管理テーブル50には、操作履歴管理テーブル40と同様に「発車日」欄、「発車時刻」欄、「操作日」欄、「操作時刻」欄、「列車名」欄、「列車番号」欄、「上下区分」欄、「乗車駅名」欄、「降車駅名」欄、「操作内容」欄、「合計人数」欄、「号車」欄、「ブロック」欄、及び、「座席位置」欄が設けられており、それぞれに操作履歴管理テーブル40に集約された各操作履歴と同様の情報が格納されている。そのため、例えば、座席単位履歴管理テーブル50に集約された各座席単位履歴(レコード50aからレコード50n)のうち、レコード50a、レコード50b及びレコード50cは、それぞれの「発車日」、「列車名」、「列車番号」、「号車」、「ブロック」及び「座席位置」に関する情報が、レコード40aの「発車日」、「列車名」、「列車番号」、「号車」、「ブロック」及び「座席位置」に関する情報と一致していることからも、レコード50aからレコード50cがレコード40aに対応して作成された座席単位履歴であることがわかる。
【0045】
また、例えば、座席単位履歴作成手段5は、操作履歴管理テーブル40のレコードのうち、複数の座席が指定されたレコード40dを座席単位に分割して座席単位履歴を作成する。このとき、座席単位履歴作成手段5は、レコード40dの「座席位置」の座席の数(「D」席及び「E」席の2座席)に合わせて、レコード40dから1つの新たなレコードを複製する。そして、レコード40dと複製された1つのレコードについて、それぞれの「座席位置」を「D」及び「E」に変更する。また、それぞれのレコードの「合計人数」を「1」に変更する。このようにしてレコード40dに対応して作成された座席単位履歴が、レコード50g及びレコード50hである(
図4)。この場合にも、レコード50g及びレコード50hの「発車日」、「列車名」、「列車番号」、「号車」、「ブロック」及び「座席位置」に関する情報が、レコード40dの「発車日」、「列車名」、「列車番号」、「号車」、「ブロック」及び「座席位置」に関する情報と一致していることからも、レコード50g及びレコード50hがレコード40dに対応して作成された座席単位履歴であることがわかる。
なお、座席単位履歴作成手段5は、操作履歴管理テーブル40における1つの座席のみが指定されたレコードについては、当該レコードをそのまま座席単位履歴とする。
また、上述した座席単位履歴作成手段5によって座席単位履歴が作成される手順が「座席単位履歴作成手順」に該当する。
【0046】
補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴管理テーブル50に集約された座席単位履歴を座席毎に確認し、座席毎の座席単位履歴が特定の類型に該当するか否かを判定する。このとき、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴に含まれる各種情報に基づいて、処理対象となる座席単位履歴の座席を特定する。具体的には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴に含まれる「新幹線の運行日(発車日)」、「新幹線の種別(列車名及び列車番号)」及び「新幹線の座席の位置(号車、ブロック及び座席位置)」に基づいて座席を特定する。そして、特定された座席毎に座席単位履歴を確認し、その座席の座席単位履歴が特定の類型であるか否かを判定する。
ここで、特定の類型とは、座席単位履歴を集計したときの集計値が、新幹線の座席の販売実績と矛盾する原因となる類型のことであり、例えば、ある座席の座席単位履歴を集約して時系列に沿ってみたときに、販売履歴の後に、この販売履歴の乗車区間の一部を指定して取り消す取消履歴(販売履歴における乗車区間の一部を変更する変更履歴)が存在する場合などの類型のことである。
【0047】
より具体的には、例えば、ある座席において、乗車区間を東京駅から新大阪駅までとする予約販売の後に、その乗車区間が品川駅から名古屋駅までに変更されたとする。このとき、その座席の座席単位履歴を集約して確認すると、乗車駅名が「東京」で降車駅名が「新大阪」である販売履歴(乗車区間に東京駅から新大阪駅までが指定された販売履歴)の後に、乗車駅名が「東京」で降車駅名が「品川」である取消履歴(東京駅から品川駅までの区間を指定して予約販売を取り消す取消履歴)と、乗車駅名が「名古屋」で降車駅名が「新大阪」である取消履歴(名古屋駅から新大阪駅までの区間を指定して予約販売を取り消す取消履歴)が存在することとなる。なお、この東京駅から品川駅までの区間を指定した取消履歴と、名古屋駅から新大阪駅までの区間を指定した取消履歴は、販売履歴の乗車区間を品川駅から名古屋駅までに変更する変更履歴として扱われる。
【0048】
ここで、その座席の販売実績を把握するために、その座席の座席単位履歴(上述した1件の販売履歴と2件の取消履歴)を単純に加減算して集計すると、乗車区間を東京駅から新大阪駅までとする1件の販売履歴と、取消区間を東京駅から品川駅までとする1件の取消履歴と、取消区間を名古屋駅から新大阪駅までとする1件の取消履歴が集計されることになる。そうすると、本来は品川駅から名古屋駅までの乗車区間で販売された座席が1座席のみ集計されればよいところ、機械的な集計では、東京駅から新大阪駅までの乗車区間で販売された座席が1座席、東京駅から品川駅までの区間で販売が取り消された座席が1座席、そして、名古屋駅から新大阪駅までの区間で販売が取り消された座席が1座席であると集計され、販売実績とは矛盾した集計値となってしまう。このような座席単位履歴の集計値と実際の販売実績との間のずれは、上述したような特定の類型の座席単位履歴の件数が多くなればなるほど大きいものとなる。
【0049】
そこで、補正後履歴出力手段6は、座席毎の座席単位履歴を確認し、その座席の座席単位履歴が特定の類型に該当するか否かを判定する。そして、座席単位履歴が特定の類型(座席単位履歴の集計値と実際の販売実績とが矛盾する原因となる類型)に該当する場合に、特定の類型の座席単位履歴を補正するための補正データを生成し、この補正データを座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する。
補正後履歴出力手段6によって生成される補正データは、例えば、不要な取消履歴を相殺するための補正用の販売履歴や、不要な販売履歴を相殺するための補正用の取消履歴、相殺される販売履歴の一部を復元するための補正用の販売履歴であり、座席単位履歴の集計値を実際の販売実績に一致させるためのものである。なお、相殺される販売履歴の一部を復元するための補正用の販売履歴とは、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当する場合に、その特定の類型における座席単位履歴をすべて相殺する補正データと、相殺される販売履歴のうち、必要な部分の販売履歴を復元させるための補正データを生成することがあるため、そのような場合に用いられるものである。具体的には、例えば、座席単位履歴が、販売履歴と、この販売履歴の後に当該販売履歴の乗車区間の一部を取り消す取消履歴とから構成された特定の類型である場合に、補正後履歴出力手段6は、これらの販売履歴及び取消履歴のそれぞれを相殺するための補正用の販売履歴及び補正用の取消履歴を生成すると共に、相殺される販売履歴のうち、乗車区間が取消履歴で指定された区間と重ならない部分を復元するための補正データを生成する。このような場合に、販売履歴の一部を復元するための補正用の販売履歴が用いられる。
なお、特定の類型や補正後履歴出力手段6による補正パターンについては後述する。また、上述した補正後履歴出力手段6による座席毎の座席単位履歴が特定の類型に該当するか否かの判定や、特定の類型の座席単位履歴を補正するための補正データの生成、補正データを座席単位履歴に加えた補正後履歴の出力までの一連の手順が、「補正後履歴出力手順」に該当する。
【0050】
記録手段7は、補正後履歴出力手段6から出力された補正後履歴を取得して、HDDやSSD等の記録装置に記録する。補正後履歴が記録される記録装置は、補正処理システム1に備えられたものでもよいし、補正処理システム1に接続された外部の記録装置でもよいが、補正後履歴出力手段6から出力された補正後履歴を累積的に記録するため、比較的大容量の電子データの記録が可能な記録装置であることが好ましい。
なお、上述した記録手段7によって補正後履歴が記録される手順が「記録手順」に該当する。
【0051】
また、補正処理システム1では、補正後履歴出力手段6が、同一座席履歴追加判定機能を有している。この同一座席履歴追加判定機能を有する補正後履歴出力手段6は、記録手段7によって記録装置に記録された補正後履歴の中から、座席単位履歴作成手段5によって作成された座席単位履歴と同じ座席の補正後履歴を検索する。そして、検索の結果、補正後履歴の中に座席単位履歴作成手段5によって作成された座席単位履歴と同じ座席の補正後履歴があった場合には、その補正後履歴を同一座席履歴として、座席単位履歴作成手段5によって作成された座席単位履歴に含めて、特定の類型に該当するか否かを判定する。言い換えれば、同一座席履歴追加判定機能を有する補正後履歴出力手段6では、同じ座席について、過去に補正後履歴出力手段6によって処理された同一座席履歴(座席単位履歴及び補正データ)がある場合には、当該同一座席履歴を含めて座席単位履歴の判定を行う。したがって、例えば、座席単位履歴作成手段5によって作成されたある座席の座席単位履歴が販売履歴のみであった場合に、同一座席履歴として、当該販売履歴で指定された乗車区間と同じ乗車区間を指定した販売履歴が存在するとしたとき、同一座席履歴追加判定機能を有する補正後履歴出力手段6では、座席単位履歴作成手段5によって作成された販売履歴と同一座席履歴の販売履歴と併せて、処理対象の座席単位履歴として特定の類型に該当するか否かの判定を行う。なお、上述した例の場合には、座席単位履歴が、座席単位履歴作成手段5によって作成された販売履歴と、同一座席履歴の販売履歴とから構成され、特定の類型に該当するため、補正後履歴出力手段6は、同一座席履歴の販売履歴を相殺するための補正用の取消履歴(補正データ)を生成し、座席単位履歴作成手段5によって作成された販売履歴と、同一座席履歴の販売履歴と、同一座席履歴の販売履歴を相殺するための補正用の取消履歴を、補正後履歴として出力する。
なお、上述した補正後履歴出力手段6による同一座席履歴を座席単位履歴に含めた判定手順が「同一座席履歴追加判定手順」に該当する。
【0052】
なお、本実施形態では、上述したように、補正処理システム1がCPU、ROM、RAM及びHDD等のハードウェアを備えたものとして構成したが、補正処理システム1は、ソフトウェアとして実現されるように構成されてもよい。補正処理システム1がソフトウェアとして実現される場合には、例えば、CPU、ROM、RAM及びHDD等のハードウェアを備えるコンピュータにおいて、ROM及びRAMに記憶されて動作する補正処理プログラムとして構成される。この補正処理プログラムは、例えば、操作履歴取得手段4、座席単位履歴作成手段5、補正後履歴出力手段6、及び、記録手段7の各機能を、操作履歴取得手順、座席単位履歴作成手順、補正後履歴出力手順、及び、記録手順のようにしてコンピュータが果たすように動作させる。したがって、例えば、補正処理システム1は、補正処理プログラムをCD-ROM等の記録媒体に記録し、この記録媒体をコンピュータに読み込ませることによって実現することもできる。なお、その場合の記録媒体には、例えば、CD-ROM、フレキシブルディスク又は光ディスクの他、HDD又はSSD等のあらゆる記憶装置を用いることができる。
【0053】
さらに、補正処理システム1は、記録媒体から補正処理プログラムを読み込ませるもの以外に、補正処理プログラムをインターネット等のネットワークNを介してコンピュータにダウンロードさせることによっても実現できる。さらに、補正処理プログラムをコンピュータにダウンロードさせることなく、ASP(Application Service Provider)によるSaaS(Software as a Service)として実現されるように構成されてもよい。この場合には、ネットワークNを介して、上述したプログラムにアクセス可能に構成されたクラウドサービスとして提供される。
【0054】
図5から
図7は、補正後履歴出力手段6による補正パターンを説明するための説明図である。図中の各補正パターンでは、販売履歴を白抜きの四角形状(「□」)で示し、取消履歴を白抜きの三角形状(「△」)で示している。また、補正後履歴出力手段6によって生成される補正データについては、補正用の販売履歴(補正用販売履歴)を黒塗りの四角形状(「■」)で示し、補正用の取消履歴(補正用取消履歴)を黒塗りの三角形状(「▲」)で示している。なお、以下の説明では、図中の表記と同様に、補正用の販売履歴を「補正用販売履歴」とし、補正用の取消履歴を「補正用取消履歴」とする。
また、図中の各補正パターンにおいて、「出力されるデータ」は「補正後履歴」に該当し、販売履歴、取消履歴、補正用販売履歴、及び、補正用取消履歴のそれぞれは、最新のものが下にくるようにして時系列に沿って表示されている。
なお、
図5に示す第1補正パターン及び第2補正パターンは特定の類型に該当しない場合であり、
図5に示す第3補正パターン以降と、
図6及び
図7に示す補正パターンは、すべて特定の類型に該当する場合であるが、これらの補正パターンは例示であり、補正後履歴出力手段6が座席単位履歴を特定の類型に該当すると判定する場合については、後述する補正処理の説明の中で詳説する。
【0055】
第1補正パターンは、座席単位履歴が、乗車駅名が「A」で降車駅名が「B」である1つの販売履歴(乗車区間にA駅からB駅までが指定された販売履歴)のみで構成されている場合である。この場合には、当該販売履歴以外に同じ座席に関する座席単位履歴が存在しないことから、座席単位履歴の集計値と実際の販売実績とが矛盾しないため、座席単位履歴は特定の類型に該当しない。そのため、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当しないと判定し、補正データを生成することなく、当該販売履歴のみを補正後履歴として出力する。
第2補正パターンは、座席単位履歴が、乗車駅名が「A」で降車駅名が「B」である1つの販売履歴(乗車区間にA駅からB駅までが指定された販売履歴)と、この販売履歴の操作後に操作され、当該販売履歴の乗車区間と同じ区間(A駅からB駅までの区間)が指定された1つの取消履歴のみで構成されている場合である。この場合には、販売履歴の乗車区間と取消履歴で指定された区間とが一致し、販売履歴及び取消履歴のそれぞれが互いに相殺し合うことから、座席単位履歴の集計値と実際の販売実績とが矛盾しないため、座席単位履歴は特定の類型に該当しない。そのため、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当しないと判定し、補正データを生成することなく、当該販売履歴と当該取消履歴を補正後履歴として出力する。
【0056】
一方、第3補正パターンから第12補正パターンは、座席単位履歴の集計値と実際の販売実績とが矛盾する原因となる類型であり、特定の類型に該当する。
第3補正パターンは、座席単位履歴が、取消履歴のみで構成されている場合であり、特定の類型のうち、第1の類型に該当する。
例えば、第3補正パターンでは、座席単位履歴が、乗車駅名が「A」で降車駅名が「B」である1つの取消履歴(A駅からB駅までの区間が指定された取消履歴)のみで構成されている。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、この判定結果に基づいて、当該取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。具体的には、補正後履歴出力手段6は、当該取消履歴で指定された区間と同じ乗車区間を指定した補正用販売履歴を生成する。その後、補正後履歴出力手段6は、補正用販売履歴を座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する。これにより、補正後履歴を集計すると、補正用販売履歴によって不要な取消履歴が相殺されるため、その集計値は実際の販売実績と矛盾しないものとなる。
【0057】
第4補正パターンは、座席単位履歴が、同じ乗車区間が指定された複数の販売履歴のみで構成されている場合であり、特定の類型のうち、第2の類型に該当する。
例えば、第4補正パターンでは、座席単位履歴が、乗車駅名が「A」で降車駅名が「B」である2つの販売履歴(乗車区間にA駅からB駅までが指定された販売履歴)のみで構成されている。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、この判定結果に基づいて、複数の販売履歴のうち、操作日時が最新の販売履歴以外を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)を生成する。具体的には、補正後履歴出力手段6は、操作日時が最新の販売履歴以外の販売履歴(第4補正パターンでは操作日時が古い方の販売履歴)の乗車区間(A駅からB駅まで)と同じ区間を指定して、操作日時が古い方の販売履歴を相殺するための補正用取消履歴を生成する。その後、補正後履歴出力手段6は、補正用取消履歴を座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する。これにより、補正後履歴を集計すると、補正用取消履歴によって不要な販売履歴が相殺されるため、その集計値は実際の販売実績と矛盾しないものとなる。
なお、座席単位履歴の操作日時は、座席単位履歴に含まれる「操作日」及び「操作時間」を用いて特定される。
【0058】
第5補正パターン及び第6補正パターンは、座席単位履歴が、販売履歴と、この販売履歴よりも操作日時が新しい取消履歴とから構成され、さらに、販売履歴の乗車区間内に、取消履歴で指定された所定の区間が含まれている場合である。言い換えれば、第5補正パターン及び第6補正パターンは、販売履歴の乗車区間に取消履歴で指定された区間が内包されている場合であり、特定の類型のうち、第3の類型に該当する。
例えば、第5補正パターンでは、座席単位履歴が、乗車駅名が「A」で降車駅名が「C」である1つの販売履歴(乗車区間にA駅からC駅までが指定された販売履歴)と、この販売履歴の操作後に操作され、乗車駅名が「A」で降車駅名が「B」である1つの取消履歴(A駅からB駅までの区間が指定された取消履歴)とから構成されている。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、この判定結果に基づいて、販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)と、取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)と、相殺される販売履歴のうち、乗車区間が取消履歴で指定された区間と重ならない部分を復元するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。具体的には、補正後履歴出力手段6は、販売履歴の乗車区間と同じ区間(A駅からC駅)を指定した補正用取消履歴と、取消履歴で指定された区間と同じ乗車区間(A駅からB駅)を指定した補正用販売履歴と、販売履歴の乗車区間(A駅からC駅)のうち、取消履歴で指定された区間(A駅からB駅)と重ならない部分(B駅からC駅)を乗車区間に指定した、販売履歴の一部を復元するための補正用販売履歴を生成する。
その後、補正後履歴出力手段6は、補正用取消履歴及び補正用販売履歴を座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する。これにより、補正後履歴を集計すると、補正用取消履歴及び補正用取消履歴によって不要な販売履歴及び取消履歴が相殺されて、必要な部分の販売履歴のみが残るため、その集計値は実際の販売実績と矛盾しないものとなる。
【0059】
また、例えば、第6補正パターンでは、座席単位履歴が、乗車駅名が「A」で降車駅名が「D」である1つの販売履歴(乗車区間にA駅からD駅までが指定された販売履歴)と、この販売履歴の操作後に操作され、乗車駅名が「B」で降車駅名が「C」である1つの取消履歴(B駅からC駅までの区間が指定された取消履歴)とから構成されている。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、この判定結果に基づいて、販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)と、取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)と、販売履歴のうち、乗車区間が取消履歴で指定された区間と重ならない部分を復元するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。具体的には、補正後履歴出力手段6は、販売履歴の乗車区間と同じ区間(A駅からD駅)を指定した補正用取消履歴と、取消履歴で指定された区間と同じ乗車区間(B駅からC駅)を指定した補正用販売履歴と、販売履歴の乗車区間(A駅からD駅)のうち、取消履歴で指定された区間(B駅からC駅)と重ならない部分(A駅からB駅、及び、C駅からD駅)を乗車区間に指定した、販売履歴の一部を復元するための補正用販売履歴を生成する。
その後、補正後履歴出力手段6は、補正用取消履歴及び補正用販売履歴を座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する。これにより、補正後履歴を集計すると、補正用取消履歴及び補正用取消履歴によって不要な販売履歴及び取消履歴が相殺されて、必要な部分の販売履歴のみが残るため、その集計値は実際の販売実績と矛盾しないものとなる。
【0060】
第7補正パターンは、座席単位履歴が、販売履歴と、この販売履歴よりも操作日時が新しい取消履歴とから構成され、さらに、販売履歴の乗車区間の一部と、取消履歴で指定された所定の区間の一部とが重なっている場合であり、特定の類型のうち、第4の類型に該当する。
例えば、第7補正パターンでは、座席単位履歴が、乗車駅名が「B」で降車駅名が「D」である1つの販売履歴(乗車区間にB駅からD駅までが指定された販売履歴)と、この販売履歴の操作後に操作され、乗車駅名が「A」で降車駅名が「C」である1つの取消履歴(A駅からC駅までの区間が指定された取消履歴)とから構成されている。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、この判定結果に基づいて、販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)と、取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)と、販売履歴のうち、取消履歴で指定された区間と重ならない部分を復元するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。具体的には、補正後履歴出力手段6は、販売履歴の乗車区間と同じ区間(B駅からD駅)を指定した補正用取消履歴と、取消履歴で指定された区間と同じ乗車区間(A駅からC駅)を指定した補正用販売履歴と、販売履歴の乗車区間(B駅からD駅)のうち、取消履歴で指定された区間(A駅からC駅)と重ならない部分(C駅からD駅)を乗車区間に指定した、販売履歴の一部を復元するための補正用販売履歴を生成する。
その後、補正後履歴出力手段6は、補正用取消履歴及び補正用販売履歴を座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する。これにより、補正後履歴を集計すると、補正用取消履歴及び補正用取消履歴によって不要な販売履歴及び取消履歴が相殺されて、必要な部分の販売履歴のみが残るため、その集計値は実際の販売実績と矛盾しないものとなる。
【0061】
第8補正パターンは、座席単位履歴が、販売履歴と、この販売履歴よりも操作日時が新しい取消履歴とから構成され、さらに、販売履歴の乗車区間が、取消履歴で指定された所定の区間内に含まれている場合である。言い換えれば、第8補正パターンは、販売履歴の乗車区間が取消履歴で指定された区間に内包されている場合であり、特定の類型のうち、第5の類型に該当する。
例えば、第8補正パターンでは、座席単位履歴が、乗車駅名が「B」で降車駅名が「C」である1つの販売履歴(乗車区間にB駅からC駅までが指定された販売履歴)と、この販売履歴の操作後に操作され、乗車駅名が「A」で降車駅名が「D」である1つの取消履歴(A駅からD駅までの区間が指定された取消履歴)とから構成されている。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、この判定結果に基づいて、販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)と、取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。具体的には、補正後履歴出力手段6は、販売履歴の乗車区間と同じ区間(B駅からC駅)を指定した補正用取消履歴と、取消履歴で指定された区間と同じ乗車区間(A駅からD駅)を指定した補正用販売履歴を生成する。
その後、補正後履歴出力手段6は、補正用取消履歴及び補正用販売履歴を座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する。これにより、補正後履歴を集計すると、補正用取消履歴及び補正用取消履歴によって不要な販売履歴及び取消履歴が相殺されるため、その集計値は実際の販売実績と矛盾しないものとなる。
【0062】
第9補正パターンは、座席単位履歴が、販売履歴と、この販売履歴よりも操作日時が新しい取消履歴とから構成され、さらに、販売履歴の乗車区間と取消履歴で指定された所定の区間とが重なっていない場合であり、特定の類型のうち、第6の類型に該当する。
例えば、第9補正パターンでは、座席単位履歴が、乗車駅名が「C」で降車駅名が「D」である1つの販売履歴(乗車区間にC駅からD駅までが指定された販売履歴)と、この販売履歴の操作後に操作され、乗車駅名が「A」で降車駅名が「B」である1つの取消履歴(A駅からD駅までの区間が指定された取消履歴)とから構成されている。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、この判定結果に基づいて、取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。このとき、補正後履歴出力手段6は、取消履歴で指定された区間と同じ乗車区間(A駅からB駅)を指定した補正用販売履歴を生成する。
その後、補正後履歴出力手段6は、補正用販売履歴を座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する。これにより、補正後履歴を集計すると、補正用販売履歴によって不要な取消履歴が相殺されるため、その集計値は実際の販売実績と矛盾しないものとなる。
【0063】
第10補正パターン及び第11補正パターンは、座席単位履歴が、複数の販売履歴と、これらの販売履歴よりも操作日時が新しい1つの取消履歴とから構成され、さらに、複数の販売履歴のそれぞれの乗車区間のすべてを含む区間が、取消履歴の所定の区間として指定されている場合である。言い換えれば、複数の販売履歴のそれぞれの乗車区間のすべてが取消履歴で指定された区間に内包されている場合であり、特定の類型のうち、第7の類型に該当する。
例えば、第10補正パターンでは、座席単位履歴が、操作日時が古い方から順番に、乗車駅名が「A」で降車駅名が「B」の販売履歴(乗車区間にA駅からB駅までが指定された販売履歴)と、乗車駅名が「B」で降車駅名が「C」の販売履歴(乗車区間にB駅からC駅までが指定された販売履歴)と、乗車駅名が「C」で降車駅名が「D」の販売履歴(乗車区間にC駅からD駅までが指定された販売履歴)があり、その後に、乗車駅名が「A」で降車駅名が「D」である取消履歴(A駅からD駅までの区間が指定された取消履歴)が存在している。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、この判定結果に基づいて、各販売履歴に対応し、それぞれの販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)と、取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。具体的には、補正後履歴出力手段6は、各販売履歴のそれぞれの乗車区間に対応して、A駅からB駅を指定した補正用取消履歴と、B駅からC駅を指定した補正用取消履歴と、C駅からD駅を指定した補正用取消履歴と、取消履歴で指定された区間と同じ乗車区間(A駅からD駅)を指定した補正用販売履歴を生成する。
その後、補正後履歴出力手段6は、補正用取消履歴及び補正用販売履歴を座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する。これにより、補正後履歴を集計すると、補正用取消履歴及び補正用販売履歴によって不要な販売履歴及び取消履歴が相殺されるため、その集計値は実際の販売実績と矛盾しないものとなる。
【0064】
また、例えば、第11補正パターンでは、座席単位履歴が、操作日時が古い方から順番に、乗車駅名が「A」で降車駅名が「B」の販売履歴(乗車区間にA駅からB駅までが指定された販売履歴)と、乗車駅名が「C」で降車駅名が「D」の販売履歴(乗車区間にC駅からD駅までが指定された販売履歴)があり、その後に、乗車駅名が「A」で降車駅名が「D」である取消履歴(A駅からD駅までの区間が指定された取消履歴)が存在している。この場合にも、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、この判定結果に基づいて、各販売履歴に対応して、それぞれの販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)と、取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。具体的には、補正後履歴出力手段6は、各販売履歴のそれぞれの乗車区間に対応して、A駅からB駅を指定した補正用取消履歴と、C駅からD駅を指定した補正用取消履歴と、取消履歴で指定された区間と同じ乗車区間(A駅からD駅)を指定した補正用販売履歴を生成する。
その後、補正後履歴出力手段6は、補正用取消履歴及び補正用販売履歴を座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する。これにより、補正後履歴を集計すると、補正用取消履歴及び補正用販売履歴によって不要な販売履歴及び取消履歴が相殺されるため、その集計値は実際の販売実績と矛盾しないものとなる。
【0065】
第12補正パターンは、座席単位履歴は、複数の販売履歴と、これらの販売履歴よりも操作日時が新しい1つの取消履歴とから構成され、各販売履歴におけるそれぞれの乗車区間のうち、少なくとも一つが取消履歴で指定された所定の区間に含まれ、かつ、各販売履歴におけるそれぞれの乗車区間のうち、少なくとも一つの一部に取消履歴で指定された所定の区間の一部が重なっている場合であり、特定の類型のうち、第8の類型に該当する。
例えば、第12補正パターンでは、操作日時が古い方から順番に、乗車駅名が「A」で降車駅名が「C」の販売履歴(乗車区間にA駅からB駅を経由してC駅までが指定された販売履歴)と、乗車駅名が「C」で降車駅名が「D」の販売履歴(乗車区間にC駅からD駅までが指定された販売履歴)と、乗車駅名が「D」で降車駅名が「F」の販売履歴(乗車区間にD駅からE駅を経由してF駅までが指定された販売履歴)があり、その後に、乗車駅名が「B」で降車駅名が「E」である取消履歴(B駅からE駅までの区間が指定された取消履歴)が存在している。そうすると、B駅を経由するA駅からC駅までの販売履歴の乗車区間の一部(B駅からC駅)は、取消履歴で指定された区間(B駅からE駅)の一部と重なり、また、E駅を経由するD駅からF駅までの販売履歴の乗車区間の一部(D駅からE駅)は、取消履歴で指定された区間(B駅からE駅)の一部と重なっている。また、C駅からD駅までを乗車区間とする販売履歴は、そのすべての乗車区間が取消履歴で指定された区間(B駅からE駅)に内包されている。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、この判定結果に基づいて、各販売履歴に対応して、それぞれの販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)と、取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)と、各販売履歴のうち、乗車区間が取消履歴で指定された区間と重ならない部分を復元するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。具体的には、補正後履歴出力手段6は、各販売履歴のそれぞれの乗車区間に対応して、A駅からC駅を指定した補正用取消履歴と、C駅からD駅を指定した補正用取消履歴と、D駅からF駅を指定した補正用取消履歴と、取消履歴で指定された区間と同じ乗車区間(B駅からE駅)を指定した補正用販売履歴と、複数の販売履歴の全乗車区間(A駅からF駅)のうち、取消履歴で指定された区間(B駅からE駅)と重ならない部分であるA駅からB駅、及び、E駅からF駅のそれぞれを乗車区間に指定した、販売履歴の一部を復元するための補正用販売履歴を生成する。
【0066】
以上、座席単位履歴が、新幹線の座席を販売したことを示す販売履歴、及び、新幹線の座席の販売を取り消したことを示す取消履歴から構成されている場合の補正パターンについて説明した。
ここで、新幹線の座席の予約販売には、販売履歴として履歴が残る通常の予約販売以外に、すでに予約販売済みである座席についてさらに予約販売を重ねて行う「席番入力販売」と呼ばれるものが存在する。この「席番入力販売」は、主に鉄道各社に設置された予約端末20において、ある特定の座席を指定した予約販売を行った後に、その座席を確保したまま、予約販売の内容を変更する場合などに用いられている。具体的には、例えば、予約販売済みである特定の座席について、座席を確保したまま乗車区間を短縮する場合や、まずは利用者の求めに応じて特定の座席の指定のみ(座席指定)を行い、後日、駅窓口等において利用者が乗車券を購入する際に、座席を確保したまま改めて予約販売を行う場合などに「席番入力販売」が用いられている。そのため、操作履歴や座席単位履歴には、販売履歴及び取消履歴に加えて、席番入力販売を行ったことを示す席番入力販売履歴が用いられることも想定される。
【0067】
そのため、以下においては、座席単位履歴に席番入力販売履歴が含まれる場合の補正後履歴出力手段6による補正パターンについて説明する。なお、以下に示す補正パターンも例示であり、いずれの座席単位履歴も特定の類型に該当する。また、補正パターンの図示は省略する。さらに、席番入力販売履歴については、操作履歴管理テーブル40や座席単位履歴管理テーブル50において、操作履歴の種別を示す「操作内容」が「席入」として表示されている以外には、販売履歴や取消履歴と同様の情報を含んでいる。そのため、販売履歴や取消履歴と同様に、乗降車駅名から席番入力販売履歴で指定された乗車区間の特定などが可能であり、席番入力販売履歴を含む操作履歴から席番入力販売履歴に対応した座席単位履歴の作成も可能である。
【0068】
例えば、第13補正パターンは、座席単位履歴が、同じ乗車区間を指定した複数の席番入力販売履歴で構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、最新の席番入力販売履歴以外の席番入力販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)を生成する。なお、この場合の補正用取消履歴は、販売履歴を相殺するための補正用取消履歴と同様であり、この補正用取消履歴によって不要な席番入力販売履歴を相殺することが可能に構成されている。
また、第14補正パターンは、座席単位履歴が、販売履歴と、この販売履歴の後に、その販売履歴の乗車区間と同じ乗車区間を指定した席番入力販売履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、当該販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)を生成する。
さらに、第15補正パターンは、座席単位履歴が、席番入力販売履歴と、この席番入力販売履歴の後に、その席番入力販売履歴の乗車区間と同じ乗車区間を指定した販売履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、当該席番入力販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)を生成する。
【0069】
また、例えば、第16補正パターンは、座席単位履歴が、席番入力販売履歴と、この席番入力販売履歴の後に、その席番入力販売履歴の乗車区間に内包される区間を所定の区間に指定した取消履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、当該席番入力販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)、及び、当該取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)を生成し、さらに、当該席番入力販売履歴のうち、乗車区間が取消履歴で指定された区間と重ならない部分を復元するための補正用席番入力販売履歴(補正データ)を生成する。
なお、補正用席番入力販売履歴とは、相殺される席番入力販売履歴の一部を復元するために用いられる補正用の席番入力販売履歴(補正データ)のことである。
さらに、第17補正パターンは、座席単位履歴が、販売履歴と、この販売履歴の後に、その販売履歴の乗車区間に内包される区間を乗車区間に指定した席番入力販売履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、当該販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)を生成し、さらに、当該販売履歴のうち、乗車区間が席番入力販売履歴の乗車区間と重ならない部分を復元するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。
また、第18補正パターンは、座席単位履歴が、席番入力販売履歴と、この席番入力販売履歴の後に、その席番入力販売履歴の乗車区間に内包される区間を乗車区間に指定した席番入力販売履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、最新の席番入力販売履歴以外の席番入力販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)を生成し、さらに、相殺される席番入力販売履歴のうち、乗車区間が最新の席番入力販売履歴の乗車区間と重ならない部分を復元するための補正用席番入力販売履歴(補正データ)を生成する。
【0070】
さらに、例えば、第19補正パターンは、座席単位履歴が、席番入力販売履歴と、この席番入力販売履歴の後に、その席番入力販売履歴の乗車区間の一部に重複する区間を所定の区間の一部に指定した取消履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、当該席番入力販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)、及び、当該取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)を生成し、さらに、当該席番入力販売履歴のうち、乗車区間が取消履歴で指定された区間と重ならない部分を復元するための補正用席番入力販売履歴(補正データ)を生成する。
また、第20補正パターンは、座席単位履歴が、席番入力販売履歴と、この席番入力販売履歴の後に、その席番入力販売履歴の乗車区間を内包する区間を所定の区間に指定した取消履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、当該席番入力販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)、及び、当該取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。
さらに、第21補正パターンは、座席単位履歴が、販売履歴と、この販売履歴の後に、その販売履歴の乗車区間の一部に重複する区間を乗車区間の一部に指定した席番入力販売履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、当該販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)を生成し、さらに、当該販売履歴のうち、乗車区間が席番入力販売履歴の乗車区間と重ならない部分を復元するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。
【0071】
また、例えば、第22補正パターンは、座席単位履歴が、販売履歴と、この販売履歴の後に、その販売履歴の乗車区間を内包する区間を乗車区間に指定した席番入力販売履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、当該販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)を生成する。
さらに、第23補正パターンは、座席単位履歴が、席番入力販売履歴と、この席番入力販売履歴の後に、その席番入力販売履歴の乗車区間の一部に重複する区間を乗車区間の一部に指定した席番入力販売履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、最新の席番入力販売履歴以外の席番入力販売履歴を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)を生成し、さらに、相殺される席番入力販売履歴のうち、乗車区間が最新の席番入力販売履歴の乗車区間と重ならない部分を復元するための補正用席番入力販売履歴(補正データ)を生成する。
また、第24補正パターンは、座席単位履歴が、席番入力販売履歴と、この席番入力販売履歴の後に、その席番入力販売履歴の乗車区間を内包する区間を乗車区間に指定した席番入力販売履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、最新の席番入力販売履歴以外を相殺するための補正用取消履歴(補正データ)を生成する。
【0072】
さらに、例えば、第25補正パターンは、座席単位履歴が、複数の販売履歴と、これらの販売履歴の後に、各販売履歴のそれぞれの乗車区間をすべて含む区間を乗車区間に指定した席番入力販売履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、各販売履歴に対応して、それぞれの販売履歴を相殺するための複数の補正用取消履歴(補正データ)を生成する。
また、第26補正パターンは、座席単位履歴が、複数の席番入力販売履歴と、これらの席番入力販売履歴の後に、各席番入力販売履歴のそれぞれの乗車区間をすべて含む区間を所定の区間に指定した取消履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、各席番入力販売履歴に対応して、それぞれの席番入力販売履歴を相殺するための複数の補正用取消履歴(補正データ)と、取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。
さらに、第27補正パターンは、座席単位履歴が、複数の席番入力販売履歴と、これらの席番入力販売履歴の後に、各席番入力販売履歴のそれぞれの乗車区間をすべて含む区間を乗車区間に指定した席番入力販売履歴とから構成されている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、最新の席番入力販売履歴以外の各席番入力販売履歴に対応して、それぞれの席番入力販売履歴を相殺するための複数の補正用取消履歴(補正データ)を生成する。
【0073】
また、例えば、第28補正パターンは、座席単位履歴が、乗車区間が連続する複数の販売履歴と、これらの販売履歴の後の席番入力販売履歴とから構成され、各販売履歴におけるそれぞれの乗車区間のうち、少なくとも一つが席番入力販売履歴の乗車区間に含まれ、かつ、各販売履歴におけるそれぞれの乗車区間のうち、席番入力販売履歴の乗車区間に含まれている乗車区間以外の一部に、席番入力販売履歴の乗車区間の一部が重なっている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、乗車区間が連続する各販売履歴に対応して、それぞれの販売履歴を相殺するための複数の補正用取消履歴(補正データ)を生成し、さらに、相殺される販売履歴のうち、乗車区間が席番入力販売履歴の乗車区間と重ならない部分を復元するための補正用販売履歴(補正データ)を生成する。
さらに、第29補正パターンは、座席単位履歴が、乗車区間が連続する複数の席番入力販売履歴と、これらの席番入力販売履歴の後の取消履歴とから構成され、各販売履歴におけるそれぞれの乗車区間のうち、少なくとも一つが取消履歴で指定された区間に含まれ、かつ、各販売履歴におけるそれぞれの乗車区間のうち、取消履歴で指定された区間に含まれている乗車区間以外の一部に、取消履歴で指定された区間の一部が重なっている場合である。この場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定し、各席番入力販売履歴に対応して、それぞれの席番入力販売履歴を相殺するための複数の補正用取消履歴(補正データ)を生成すると共に、当該取消履歴を相殺するための補正用販売履歴(補正データ)を生成し、さらに、相殺される席番入力販売履歴のうち、乗車区間が取消履歴で指定された区間と重ならない部分を復元するための補正用席番入力販売履歴(補正データ)を生成する。
また、第30補正パターンは、座席単位履歴が、乗車区間が連続する複数の席番入力販売履歴と、これらの席番入力販売履歴の後の最新の席番入力販売履歴とから構成され、乗車区間が連続する各席番入力販売履歴におけるそれぞれの乗車区間のうち、少なくとも一つが最新の席番入力販売履歴の乗車区間に含まれ、かつ、乗車区間が連続する各席番入力販売履歴におけるそれぞれの乗車区間のうち、最新の席番入力販売履歴の乗車区間に含まれている乗車区間以外の一部に、最新の席番入力販売履歴の乗車区間の一部が重なっている場合である。この場合には、乗車区間が連続する各席番入力販売履歴に対応して、それぞれの席番入力販売履歴を相殺するための複数の補正用取消履歴(補正データ)を生成し、さらに、相殺される席番入力販売履歴のうち、乗車区間が最新の席番入力販売履歴の乗車区間と重ならない部分を復元するための補正用席番入力販売履歴(補正データ)を生成する。
【0074】
続けて、
図8から
図13を参照して、補正処理システム1における処理について説明する。
図8は、操作履歴取得手段4による操作履歴の取得から、座席単位履歴作成手段5による座席単位履歴の作成までの処理の概略を説明するためのフローチャートである。
まず始めに、操作履歴取得手段4によって予約管理システム10から操作履歴が取得される(S001)。次に、座席単位履歴作成手段5が操作履歴取得手段4によって取得された操作履歴から座席単位履歴を作成する(S002)。このとき、座席単位履歴作成手段5は、操作履歴をレコード毎に確認し、複数の座席が対象にされたレコードがある場合には、当該レコードの「座席位置」欄に格納された情報に基づいて、当該レコードを座席単位に分割する。その後、座席単位履歴作成手段5によって作成された座席単位履歴が出力される(S003)。
【0075】
図9は、同一座席履歴の検索から補正後履歴の出力までの処理の概略を説明するためのフローチャートである。
始めに、座席単位履歴作成手段5によって作成された座席単位履歴がファイルとして補正後履歴出力手段6に入力される(S101)。次に、補正後履歴出力手段6では、座席単位履歴をレコード毎に確認するため、処理対象となる最初のレコードの座席単位履歴がワークエリアに格納される(S102)。続けて、座席特定情報(補正処理システム1では、新幹線の「発車日」、新幹線の「種別」、及び、新幹線の「座席の位置」)に基づいて、ワークエリアに格納された座席単位履歴のレコードの座席が特定され、特定された座席に基づいて、記録手段7によって記録されている補正後履歴の中から、特定された座席と同じ座席の補正後履歴である同一座席履歴の検索(同一座席履歴検索処理)が実行される(S103)。その後、検索の結果が同一座席履歴ありの場合(S104)には、その同一座席履歴のレコードが補正後履歴出力手段6によってワークエリアに格納される(S105)。そうすると、ワークエリアには、処理対象となる座席単位履歴のレコードと、このレコードの座席に対応する同一座席履歴のレコードとが格納されることになる。次に、補正後履歴出力手段6によって、ワークエリアに格納された座席単位履歴(同一座席履歴を含む)について、特定の類型に該当するか否かの判定や補正データの生成の処理(補正処理)が実行される(S106)。なお、補正後履歴出力手段6による補正処理の詳細については後述する。
補正後履歴出力手段6による補正処理の実行が終了すると、次に処理対象となる座席単位履歴のレコードがワークエリアに格納される(S107)。続けて、新たにワークエリアに格納された座席単位履歴のレコードが、それよりも前にワークエリアに格納されていた座席単位履歴のレコードと同一の座席のものであるか否かが判定され(S108)、判定結果が同一の座席のものである場合には、新たにワークエリアに格納されたレコードを含む座席単位履歴(同一座席履歴を含む)について補正処理が実行される(S106)。その後、ワークエリアに座席が異なる座席単位履歴のレコードが格納されるまでステップS106からステップS108の処理が繰り返され、座席が異なる座席単位履歴のレコードがワークエリアに格納されたときに、それまでに処理された補正処理済みの座席単位履歴(同一座席履歴を含む)が補正データと共に補正後履歴として出力される(S109)。また、図示は省略しているが、出力された補正後履歴は、その後、記録手段7によって記録媒体に記録される。
【0076】
一方、検索の結果が同一座席履歴なしの場合(S104)には、次に処理対象となる座席単位履歴のレコードがワークエリアに格納される(S107)。そうすると、ワークエリアには、新たにワークエリアに格納された座席単位履歴のレコードと、それよりも前にワークエリアに格納されていた座席単位履歴のレコードが格納されることになる。続けて、新たにワークエリアに格納された座席単位履歴のレコードが、それよりも前にワークエリアに格納されている座席単位履歴のレコードと同一の座席のものであるか否かが判定され(S108)、判定結果が同一の座席のものである場合には、新たにワークエリアに格納されたレコードを含む座席単位履歴について補正処理が実行される(S106)。その後、ワークエリアに座席が異なる座席単位履歴のレコードが格納されるまでステップS106からステップS108の処理が繰り返され、座席が異なる座席単位履歴のレコードがワークエリアに格納されたときに、それまでに処理された補正処理済みの座席単位履歴(同一座席履歴を含む)が補正データと共に補正後履歴として出力される(S109)。
【0077】
他方、新たにワークエリアに格納された座席単位履歴のレコードが、それよりも前にワークエリアに格納されている座席単位履歴のレコードと同一の座席のものであるか否かが判定され(S108)、判定結果が同一の座席のものでない場合、言い換えれば、ワークエリアに座席が異なる座席単位履歴のレコードが格納されたときには、新たにワークエリアに格納された座席が異なる座席単位履歴のレコードについて、ステップS102からステップS109までの処理が行われる。
その後は、処理対象となる座席単位履歴のレコードが終了するまで、上述した処理(S102からS109)が実行される。
【0078】
図10から
図13は、補正後履歴出力手段6における補正処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下では、ワークエリアに格納される処理対象の座席単位履歴(入力レコード)が販売履歴又は取消履歴であることを想定した場合の補正処理の例について説明し、座席単位履歴(入力レコード)に席番入力販売履歴が含まれることを想定した場合の補正処理については後述する。
始めに、補正後履歴出力手段6によって、ワークエリアに格納された処理対象の座席単位履歴(入力レコード)の座席に基づいて、補正後履歴(以下、「補正後履歴」を「累積データ」ともいう。)の中の同一座席履歴が検索される(S201)。この検索結果において、累積データの中に同一座席履歴に該当するレコードがあるか否かが判定され(S202)、同一座席履歴に該当するレコードがない場合には、処理対象の座席単位履歴(入力レコード)の操作内容が予約販売の取消であるか、言い換えれば、座席単位履歴が取消履歴であるか否かが判定される(S204)。そして、座席単位履歴(入力レコード)が取消履歴である場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該取消履歴(入力レコード)を相殺するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成され(S205)、この補正レコードと当該取消履歴(入力レコード)がワークエリアに格納される(S206)。その後、補正処理は終了する(
図13)。なお、この場合の補正パターンは、例えば、第3補正パターンである。
一方、座席単位履歴の操作内容が予約販売の取り消しでない場合、言い換えれば、座席単位履歴が販売履歴である場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当しないと判定される。そのため、補正データは生成されずに、当該販売履歴(入力レコード)がワークエリアに格納されたまま(S206)、その後、補正処理が終了する(
図13)。なお、この場合の補正パターンは、例えば、第1補正パターンである。
【0079】
他方、同一座席履歴の検索結果において、累積データの中に同一座席履歴に該当するレコードがあるか否かが判定され(S202)、同一座席履歴として該当するレコードがある場合には、当該同一座席履歴のうちの最新レコードが比較対象レコードとされる(S203)。
続けて、処理対象の座席単位履歴(入力レコード)について、その操作内容が予約販売であるか否か、言い換えれば、座席単位履歴が販売履歴であるか否かが判定される(S207)。ここで、座席単位履歴が販売履歴である場合には、この販売履歴の乗車区間と、当該販売履歴に対応する同一座席履歴の比較対象レコードの乗車区間が同一であるか否かが判定される(S208)。ここで、当該販売履歴の乗車区間と、当該比較対象レコードの乗車区間が同一である場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該比較対象レコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成され(S209)、この補正レコードと当該販売履歴(入力レコード)がワークエリアに格納される(S210)。その後、補正処理が終了する(
図13)。なお、この場合の補正パターンは、例えば、第4補正パターン、又は、第15補正パターンである。
【0080】
乗車区間が同一であるか否かの判定(S208)において、当該販売履歴(入力レコード)の乗車区間と、当該比較対象レコードの乗車区間が同一でない場合には、当該販売履歴の乗車区間が当該比較対象レコードの乗車区間を内包するものであるか否かが判定される(S211)。ここで、当該販売履歴の乗車区間が当該比較対象レコードの乗車区間を内包している場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該比較対象レコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S212)。さらに、当該販売履歴に対応する同一座席履歴における比較対象レコード以外の他のレコードにおいて、当該販売履歴の乗車区間と重複する乗車区間があるか否かが確認される(S213)。ここで、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分があるか否かが判定され(S214)、乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分がある他のレコードがある場合には、当該他のレコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S215)。また、当該他のレコードの乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複しない部分がある場合には、当該他のレコードのうち、乗車区間が当該販売履歴の乗車区間と重複しない部分を復元するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S216)。そして、これらの補正レコードと当該販売履歴(入力レコード)がワークエリアに格納される(S217)。その後、補正処理が終了する(
図13)。
一方、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分があるか否かの判定(S214)において、乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分がある他のレコードがない場合には、ステップS212で生成された補正レコードと当該販売履歴(入力レコード)がワークエリアに格納される(S217)。その後、補正処理が終了する(
図13)。
【0081】
当該販売履歴の乗車区間が当該比較対象レコードの乗車区間を内包するものであるか否かの判定(S211)において、当該販売履歴の乗車区間が当該比較対象レコードの乗車区間を内包していない場合には、当該販売履歴の乗車区間が当該比較対象レコードの乗車区間に内包されるものであるか否かが判定される(S218)。ここで、当該販売履歴の乗車区間が比較対象レコードの乗車区間に内包されている場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該比較対象レコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成され(S219)、また、当該比較対象レコードのうち、乗車区間が当該販売履歴の乗車区間と重複しない部分を復元するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S220)。そして、これらの補正レコードと当該販売履歴(入力レコード)がワークエリアに格納される(S221)。その後、補正処理が終了する(
図13)。
【0082】
当該販売履歴の乗車区間が当該比較対象レコードの乗車区間を内包するものでなく、また、当該販売履歴の乗車区間が当該比較対象レコードの乗車区間に内包されるものでもない場合には、当該販売履歴の乗車区間の一部が当該比較対象レコードの乗車区間の一部に重複するか否かが判定される(S222)。ここで、当該販売履歴の乗車区間の一部が当該比較対象レコードの乗車区間の一部に重複する場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該比較対象レコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S223)。また、当該比較対象レコードのうち、乗車区間が当該販売履歴の乗車区間と重複しない部分を復元するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S224)。さらに、当該販売履歴に対応する同一座席履歴における比較対象レコード以外の他のレコードにおいて、当該販売履歴の乗車区間と重複する乗車区間があるか否かが確認される(S225)。ここで、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分があるか否かが判定され(S226)、乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分がある他のレコードがある場合には、当該他のレコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S227)。また、当該他のレコードの乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複しない部分がある場合には、当該他のレコードのうち、乗車区間が当該販売履歴の乗車区間と重複しない部分を復元するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S228)。そして、これらの補正レコードと当該販売履歴(入力レコード)がワークエリアに格納される(S229)。その後、補正処理が終了する(
図13)。
他方、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分があるか否かの判定(S226)において、乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分がある他のレコードがない場合には、ステップS223及びS224で生成された補正レコードと当該販売履歴(入力レコード)がワークエリアに格納され(S229)、その後、補正処理が終了する(
図13)。
【0083】
続けて、当該販売履歴の乗車区間の一部が当該比較対象レコードの乗車区間の一部に重複するか否かの判定(S222)において、当該販売履歴の乗車区間が当該比較対象レコードの乗車区間の一部に重複しない場合には、当該販売履歴に対応する同一座席履歴における比較対象レコード以外の他のレコードにおいて、当該販売履歴の乗車区間と重複する乗車区間があるか否かが確認される(S230)。ここで、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分があるか否かが判定され(S231)、乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分がある他のレコードがある場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該他のレコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S232)。また、当該他のレコードの乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複しない部分がある場合には、当該他のレコードのうち、乗車区間が当該販売履歴の乗車区間と重複しない部分を復元するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S233)。そして、これらの補正レコードと当該販売履歴(入力レコード)がワークエリアに格納される(S234)。その後、補正処理が終了する(
図13)。
他方、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分があるか否かの判定(S231)において、乗車区間に当該販売履歴の乗車区間と重複する部分がある他のレコードがない場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当しないと判定される。そして、当該販売履歴(入力レコード)がワークエリアに格納され(S234)、その後、補正処理が終了する(
図13)。
【0084】
処理対象の座席単位履歴(入力レコード)について、その操作内容が予約販売であるか否か(座席単位履歴が販売履歴であるか否か)の判定(S207)において、座席単位履歴が販売履歴でない場合には、座席単位履歴の操作内容が予約販売の取り消しであるか否か、言い換えれば、座席単位履歴が取消履歴であるか否かが判定される(S235)。ここで、座席単位履歴が取消履歴でない場合には、アラームを出力して(S236)、その後、補正処理が終了する(
図13)。
座席単位履歴が取消履歴であるか否かの判定(S235)において、座席単位履歴が取消履歴である場合には、この取消履歴で指定された区間と、当該取消履歴に対応する同一座席履歴の比較対象レコードの乗車区間が同一であるか否かが判定される(S237)。ここで、当該取消履歴で指定された区間と、当該比較対象レコードの乗車区間が同一である場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該比較対象レコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S238)。さらに、当該取消履歴(入力レコード)を相殺するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S239)。そして、これらの補正レコード及び当該補正用販売履歴(入力レコード)がワークエリアに格納される(S240)。その後、補正処理が終了する(
図13)。
なお、上記した場合に、比較対象レコードが販売履歴であるときは、その販売履歴が取消履歴によって相殺されることになるため、補正データを生成することなく補正処理を終了するように構成してもよい。そのように構成する場合には、補正後履歴出力手段6は、座席単位履歴が特定の類型に該当しないと判定し、第2補正パターンとなる。
【0085】
一方、取消履歴で指定された区間と、当該比較対象レコードの乗車区間が同一であるか否かの判定(S237)において、当該取消履歴で指定された区間と、当該比較対象レコードの乗車区間が同一でない場合には、当該取消履歴で指定された区間が当該比較対象レコードの乗車区間を内包するものであるか否かが判定される(S241)。ここで、当該取消履歴で指定された区間が当該比較対象レコードの乗車区間を内包している場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該比較対象レコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S242)。さらに、当該取消履歴に対応する同一座席履歴における比較対象レコード以外の他のレコードにおいて、当該取消履歴で指定された区間と重複する乗車区間があるか否かが確認される(S243)。ここで、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分があるか否かが判定され(S244)、乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分がある他のレコードがある場合には、当該他のレコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S245)。また、当該他のレコードの乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複しない部分がある場合には、当該他のレコードのうち、乗車区間が当該取消履歴で指定された区間と重複しない部分を復元するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S246)。さらに、当該取消履歴を相殺するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S247)。そして、これらの補正レコードと当該取消履歴(入力レコード)がワークエリアに格納され(S248)、その後、補正処理が終了する(
図13)。なお、この場合の補正パターンは、例えば、第10補正パターン、第11補正パターン、又は、第26補正パターンである。
他方、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分があるか否かの判定(S244)において、乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分がある他のレコードがない場合には、当該取消履歴を相殺するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S247)。そして、ステップS242及びS247で生成された補正レコードと当該取消履歴(入力レコード)がワークエリアに格納され(S248)、その後、補正処理が終了する(
図13)。なお、この場合の補正パターンは、例えば、第8補正パターン、又は、第20補正パターンである。
【0086】
当該取消履歴で指定された区間が当該比較対象レコードの乗車区間を内包するものであるか否かの判定(S241)において、当該取消履歴で指定された区間が当該比較対象レコードの乗車区間を内包していない場合には、当該取消履歴で指定された区間が当該比較対象レコードの乗車区間に内包されるものであるか否かが判定される(S249)。ここで、当該取消履歴で指定された区間が当該比較対象レコードの乗車区間に内包されている場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該比較対象レコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S250)。また、当該比較対象レコードのうち、乗車区間が当該取消履歴で指定された区間と重複しない部分を復元するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S251)。さらに、当該取消履歴を相殺するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S252)。そして、これらの補正レコードと当該取消履歴(入力レコード)がワークエリアに格納され(S253)、その後、補正処理が終了する(
図13)。なお、この場合の補正パターンは、例えば、第5補正パターン、第6補正パターン、又は、第16補正パターンである。
【0087】
当該取消履歴で指定された区間が当該比較対象レコードの乗車区間を内包するものでなく、また、当該取消履歴で指定された区間が当該比較対象レコードの乗車区間に内包されるものでもない場合には、当該取消履歴で指定された区間の一部が当該比較対象レコードの乗車区間の一部に重複するか否かが判定される(S254)。ここで、当該取消履歴で指定された区間の一部が当該比較対象レコードの乗車区間の一部に重複する場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該比較対象レコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S255)。また、当該比較対象レコードのうち、乗車区間が当該取消履歴で指定された区間と重複しない部分を復元するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S256)。さらに、当該取消履歴に対応する同一座席履歴における比較対象レコード以外の他のレコードにおいて、当該取消履歴で指定された区間と重複する乗車区間があるか否かが確認される(S257)。ここで、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分があるか否かが判定され(S258)、乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分がある他のレコードがある場合には、当該他のレコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S259)。また、当該他のレコードの乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複しない部分がある場合には、当該他のレコードのうち、乗車区間が当該取消履歴で指定された区間と重複しない部分を復元するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S260)。さらに、当該取消履歴を相殺するための補正レコード(補正データ)である補正用販売履歴が生成される(S261)。そして、これらの補正レコードと当該取消履歴(入力レコード)がワークエリアに格納され(S262)、その後、補正処理が終了する(
図13)。なお、この場合の補正パターンは、例えば、第12補正パターン、又は、第29補正パターンである。
他方、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分があるか否かの判定(S258)において、乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分がある他のレコードがない場合には、当該取消履歴を相殺するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S261)。そして、ステップS255、S256及びS261で生成された補正レコードと当該取消履歴(入力レコード)がワークエリアに格納され(S262)、その後、補正処理が終了する(
図13)。なお、この場合の補正パターンは、例えば、第7補正パターン、又は、第19補正パターンである。
【0088】
当該取消履歴で指定された区間が当該比較対象レコードの乗車区間の一部に重複するか否かの判定(S254)において、当該取消履歴で指定された区間が当該比較対象レコードの乗車区間の一部に重複しない場合には、当該取消履歴に対応する同一座席履歴における比較対象レコード以外の他のレコードにおいて、当該取消履歴で指定された区間と重複する乗車区間があるか否かが確認される(S263)。ここで、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分があるか否かが判定され(S264)、乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分がある他のレコードがある場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該他のレコードを相殺するための補正データである補正用取消履歴(補正レコード)が生成される(S265)。また、当該他のレコードの乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複しない部分がある場合には、当該他のレコードのうち、乗車区間が当該取消履歴で指定された区間と重複しない部分を復元するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S266)。さらに、当該取消履歴を相殺するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S267)。そして、これらの補正レコードと当該取消履歴(入力レコード)がワークエリアに格納され(S268)、その後、補正処理が終了する(
図13)。なお、この場合の補正パターンは、例えば、第7補正パターン、又は、第19補正パターンである。
他方、同一座席履歴の他のレコードの乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分があるか否かの判定(S264)において、乗車区間に当該取消履歴で指定された区間と重複する部分がある他のレコードがない場合には、補正後履歴出力手段6によって座席単位履歴が特定の類型に該当すると判定される。そして、当該取消履歴を相殺するための補正データである補正用販売履歴(補正レコード)が生成される(S267)。そして、この補正レコードと当該取消履歴(入力レコード)がワークエリアに格納され(S268)、その後、補正処理が終了する(
図13)。なお、この場合の補正パターンは、例えば、第9補正パターンである。
【0089】
以上、ワークエリアに格納される処理対象の座席単位履歴(入力レコード)が販売履歴又は取消履歴であることを想定した場合の補正処理について説明した。続けて、ワークエリアに格納される処理対象の座席単位履歴(入力レコード)に席番入力販売履歴が含まれることを想定した場合について説明する。
座席単位履歴(入力レコード)に席番入力販売が含まれる場合には、
図10から
図13に示すフローチャートにおいて、座席単位履歴(入力レコード)が販売履歴であるか否かの判定(S207)と、座席単位履歴(入力レコード)が取消履歴であるか否かの判定(S235)との間に、座席単位履歴(入力レコード)が席番入力販売履歴であるか否かを判定するステップを設ける。そして、座席単位履歴(入力レコード)が席番入力販売履歴であるか否かの判定において、座席単位履歴が席番入力販売履歴である場合には、座席単位履歴が販売履歴である場合と同様の処理、具体的には、ステップS208からステップS234に対応する処理を席番入力販売履歴についても行う。一方、座席単位履歴(入力レコード)が席番入力販売履歴であるか否かを判定するステップにおいて、座席単位履歴(入力レコード)が席番入力販売履歴でない場合には、座席単位履歴が取消履歴であるか否かの判定(S235)に進むようにする。このようにして、座席単位履歴が販売履歴であるか否かの判定(S207)と座席単位履歴が取消履歴であるか否かの判定(S235)の間に、座席単位履歴が席番入力販売履歴であるか否かの判定や、ステップS208からステップS234に対応する処理を備えた構成とすることで、補正後履歴出力手段6による補正処理を席番入力販売に対応したものとすることができる。なお、この場合には、上述した第13補正パターン、第14補正パターン、第17補正パターン、第18補正パターン、第21補正パターンから第25補正パターン、第27補正パターン27、第28補正パターン、及び、第30補正パターンに例示したものが補正パターンに追加される。
【0090】
以上の通り、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【0091】
例えば、本発明の実施形態では、補正後履歴を記録する記録手段7を備え、補正後履歴出力手段6が、同一座席履歴を含めた座席単位履歴について判定を行う同一座席履歴追加判定機能を有する例を示したが、記録手段7を備えることなく、補正後履歴出力手段6が座席単位履歴作成手段5によって作成された座席単位履歴のみについて判定を行うものとして構成してもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 補正処理システム
2 制御手段
3 通信手段
4 操作履歴取得手段
5 座席単位履歴作成手段
6 補正後履歴出力手段
7 記録手段
10 予約管理システム
11 制御手段
12 通信手段
13 予約管理手段
14 記録手段
20 予約端末
30 携帯端末
40 操作履歴管理テーブル
40a~40g レコード
50 座席単位履歴管理テーブル
50a~50n レコード
N ネットワーク
【要約】
【課題】輸送手段の座席の予約販売を管理する予約管理システムの操作履歴(操作ログ)に基づいて正確な販売実績の算出を可能にするために、予約管理システムの操作履歴を補正する補正処理システムを提供する。
【解決手段】補正処理システム1は、補正処理システム1の主要な機能を統括して制御する制御手段2と、予約管理システム10との通信が可能な通信手段3と、予約管理システム10から操作履歴を取得する操作履歴取得手段4と、操作履歴を座席単位に分割した座席単位履歴を作成する座席単位履歴作成手段5と、座席毎の座席単位履歴が特定の類型に該当するか否かを判定し、この判定結果に基づいて、特定の類型の座席単位履歴を補正するための補正データを生成し、この補正データを座席単位履歴に加えた補正後履歴を出力する補正後履歴出力手段6と、補正後履歴を記録する記録手段7を備えている。
【選択図】
図2