IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】単位セルおよびこれを含む電池セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20250326BHJP
   C09J 133/08 20060101ALI20250326BHJP
   C09J 133/10 20060101ALI20250326BHJP
   H01M 10/0583 20100101ALI20250326BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20250326BHJP
   H01M 50/42 20210101ALI20250326BHJP
   H01M 50/449 20210101ALI20250326BHJP
   H01M 4/02 20060101ALN20250326BHJP
   H01M 4/13 20100101ALN20250326BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
C09J133/08
C09J133/10
H01M10/0583
H01M50/403 D
H01M50/42
H01M50/449
H01M4/02 Z
H01M4/13
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023545871
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 KR2022006011
(87)【国際公開番号】W WO2022260277
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0076219
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0076220
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0048385
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ヒェオク
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、セオン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヨン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ス タエク
(72)【発明者】
【氏名】クウォン、スーン クワン
(72)【発明者】
【氏名】バエ、サンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミンウーク
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-108968(JP,A)
【文献】特表2010-514112(JP,A)
【文献】特表2009-508298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/058
H01M 4/02
H01M 50/403
H01M 50/42
H01M 50/429
H01M 50/449
H01M 50/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離膜と電極が交互に積層された単位セルにおいて、
前記単位セルは下部分離膜、第1電極、上部分離膜、および第2電極の順に積層され、
前記電極および前記分離膜のうちの少なくとも一つの一面には接着剤が塗布されて前記電極と前記分離膜または前記下部分離膜と前記上部分離膜が接着され、
前記接着剤は共重合体およびロジンエステル(rosin ester)系の添加剤を含む接着剤組成物を含み、
前記共重合体は60.1~79.9重量%の2種以上のアルキル(メタ)アクリレート系繰り返し単位(A)と、20.1~39.9重量%の末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位(B)を含み、
前記接着剤組成物は30重量%~70重量%の前記共重合体と30重量%~70重量%の前記添加剤を含む、単位セル。
【請求項2】
前記接着剤は、前記上部分離膜または前記下部分離膜の一面に塗布されることによって前記上部分離膜と前記下部分離膜を接着する、請求項1に記載の単位セル。
【請求項3】
前記接着剤は、前記分離膜または前記電極の一面に塗布されることによって互いに対向する前記分離膜と前記電極を接着する、請求項1に記載の単位セル。
【請求項4】
前記アルキル(メタ)アクリレート繰り返し単位(A)は下記化学式1で表され、
前記末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位(B)は下記化学式2で表される、請求項1に記載の単位セル:
[化学式1]
【化10】
上記化学式1中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは炭素数1~12の直鎖または側鎖アルキル基であり、nは繰り返し単位(A)の繰り返し数であって450~850の整数であり、
[化学式2]
【化11】
上記化学式2中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rはヒドロキシ基が結合された炭素数1~9の直鎖または側鎖アルキル基であり、mは繰り返し単位(B)の繰り返し数であって200~350の整数である。
【請求項5】
前記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、120000~140000である、請求項1に記載の単位セル。
【請求項6】
前記2種以上の繰り返し単位(A)は少なくとも一つのアクリレート系繰り返し単位と、少なくとも他の一つはメタクリレート系繰り返し単位を含み、
前記アクリレート系繰り返し単位末端には前記メタクリレート系繰り返し単位末端より大きい炭素数を有するアルキル基が結合された、請求項1に記載の単位セル。
【請求項7】
前記アクリレート系繰り返し単位末端には炭素数4~12の直鎖または側鎖アルキル基が結合され、
前記メタクリレート系繰り返し単位末端には炭素数1~3のアルキル基が結合された、請求項6に記載の単位セル。
【請求項8】
前記2種以上の繰り返し単位(A)は全てアクリレート系繰り返し単位であり、
前記繰り返し単位(A)のうちの少なくとも一つはイソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate)系繰り返し単位である、請求項1に記載の単位セル。
【請求項9】
前記2種以上の繰り返し単位(A)は、メチルメタクリレート(Methyl Methacrylate)系繰り返し単位および2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)系繰り返し単位を含む、請求項1に記載の単位セル。
【請求項10】
前記末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位(B)は、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)系繰り返し単位を含む、請求項1に記載の単位セル。
【請求項11】
前記添加剤のガラス転移温度(Glass Transition Temperature、Tg)は摂氏-10度以下である、請求項1に記載の単位セル。
【請求項12】
前記添加剤のHSP(hilderbrand solubility)は19~22(MPa)0.5の値を有する、請求項1に記載の単位セル。
【請求項13】
前記接着剤組成物は、30重量%~50重量%の前記共重合体と50重量%~70重量%の前記添加剤を含む、請求項1に記載の単位セル。
【請求項14】
前記接着剤組成物のガラス転移温度は摂氏-40度以下である、請求項1に記載の単位セル。
【請求項15】
前記接着剤組成物のガラス転移温度は摂氏-50度以下である、請求項1に記載の単位セル。
【請求項16】
前記接着剤組成物は、80℃で2200cPs~2500cPsの粘度を有する、請求項1に記載の単位セル。
【請求項17】
前記接着剤組成物は、80℃で2200cPs~2400cPsの粘度を有する、請求項1に記載の単位セル。
【請求項18】
前記接着剤組成物の接着力は40gf/mm以上である、請求項1に記載の単位セル。
【請求項19】
前記接着剤組成物の接着力は85~92gf/mmである、請求項1に記載の単位セル。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の単位セルを交互に積層して形成された電極組立体において、
前記電極と前記分離膜を接着させる接着剤は前記電極と前記分離膜の間ごとに同一な位置に配置される接着パターンを含む、電極組立体。
【請求項21】
請求項1から19のいずれか一項に記載の単位セルを交互に積層して形成された電極組立体において、
前記電極と前記分離膜を接着させる接着剤は前記電極と前記分離膜の間ごとに互いに交互の形態に配置される接着パターンを含む、電極組立体。
【請求項22】
請求項1から19のいずれか一項に記載の単位セルを含む電池セル。
【請求項23】
前記分離膜がフォールディングされてジグザグ形態を有する、請求項22に記載の電池セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は2021年6月11日付韓国特許出願第10-2021-0076219号、2021年6月11日付韓国特許出願第10-2021-0076220号、および2022年4月19日付韓国特許出願第10-2022-0048385号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は単位セルおよびこれを含む電池セルに関するものであって、より具体的に、二次電池の電極組立体製造時使用可能な接着剤組成物を含む単位セルおよびこれを含む電池セルに関するものである。
【背景技術】
【0003】
現代社会では携帯電話機、ノートパソコン、キャムコーダー、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化するにつれて、前記のようなモバイル機器関連分野の技術に対する開発が活発になっている。また、充放電の可能な二次電池は化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案であって、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として用いられているところ、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在商用化された二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうちのリチウム二次電池は充放電が自由であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという長所があり脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に密封収納する外装材、即ち、電池ケースを備える。
【0006】
二次電池は、電池ケースの形状によって、電極組立体が円筒型または角型の金属缶に内装されている円筒型電池および角型電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに内蔵されているパウチ型電池に分類される。
【0007】
一方、電極組立体は多様な方式で製造されるが、単位セル4を予め製造した後、前記単位セル4を複数個積層して製造される方式が一般的である。
【0008】
図1は、従来の方式によって単位セルが製造される様子が単純化されて示された図である。
【0009】
図1を参照すれば、単位セル4を製造するための従来の製造方式は、上から正極1、相対的に上に積層される分離膜3、負極2、相対的に下に積層される分離膜3それぞれがロール形態に巻取られた状態で連続的に巻き出されて供給されるように構成される。
【0010】
この時、前記分離膜3は途切れなく連続的に供給され、前記負極2は分離膜3の間に供給され、前記正極1は上側分離膜3の上に供給され予め定められた大きさで切断されて一定の間隔をおいて投入が行われる。この時、負極2と正極1は互いに対応して上下に積層されるように投入時点が制御される。したがって、分離膜3は継続的につながり、負極2と正極1は隣接の負極2および正極1と一定距離をおいた状態でラミネーティング装置を連続的に通過するようになる。
【0011】
前記ラミネーティング装置を過ぎる間、正極1、分離膜3、負極2それぞれの間は加熱が行われ、ニップローラ5によって加圧される。即ち、加熱と加圧によってラミネーティング(接着)が行われた後、分離膜3の切断が行われて個別単位セル4として製造される。
【0012】
しかし、前記のような従来の方式は、熱と圧力が加えられる間、電極(負極と正極)が元の定位置から押し出されるか破損が発生することがあり、加熱が均一に行われなければ電極(正極1、負極2)と分離膜3の間の接着力に差が発生することがある問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、電極組立体に含まれている電極および分離膜の間の接着力を解消して最終電池セルの不良率を減らすことができる接着剤組成物を含む単位セルおよびこれを含む電池セルを提供することである。
【0014】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態による単位セルは、分離膜と電極が交互に積層された単位セルで、下部分離膜、第1電極、上部分離膜、および第2電極の順に積層され、前記電極および前記分離膜のうちの少なくとも一つの一面には接着剤が塗布されて前記電極と前記分離膜または前記下部分離膜と前記上部分離膜が接着され、前記接着剤は共重合体およびロジンエステル(rosin ester)系の添加剤を含む接着剤組成物を含み、前記共重合体は60.1~79.9重量%の2種以上のアルキル(メタ)アクリレート系繰り返し単位(A)と、20.1~39.9重量%の末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位(B)を含み、前記接着剤組成物は30重量%~70重量%の前記共重合体と30重量%~70重量%の前記添加剤を含む。
【0016】
前記接着剤は、前記上部分離膜または前記下部分離膜の一面に塗布されることによって前記上部分離膜と前記下部分離膜を接着することができる。
【0017】
前記接着剤は、前記分離膜または前記電極の一面に塗布されることによって互いに対向する前記分離膜と前記電極を接着することができる。
【0018】
前記繰り返し単位(A)は下記化学式1で表され、前記繰り返し単位(B)は下記化学式2で表すことができる。
[化学式1]
【化1】
上記化学式1中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは炭素数1~12の直鎖または側鎖アルキル基であり、nは繰り返し単位(A)の繰り返し数であって450~850の整数である。
[化学式2]
【化2】
上記化学式2中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rはヒドロキシ基が結合された炭素数1~9の直鎖または側鎖アルキル基であり、mは繰り返し単位(B)の繰り返し数であって200~350の整数である。
【0019】
前記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、120000~140000であってもよい。
【0020】
前記2種以上の繰り返し単位(A)は少なくとも一つのアクリレート系繰り返し単位と、少なくとも他の一つのメタクリレート系繰り返し単位を含み、前記アクリレート系繰り返し単位末端には前記メタクリレート系繰り返し単位末端より大きい炭素数を有するアルキル基が結合できる。
【0021】
前記アクリレート系繰り返し単位末端には炭素数4~12の直鎖または側鎖アルキル基が結合され、前記メタクリレート系繰り返し単位末端には炭素数1~3のアルキル基が結合できる。
【0022】
前記2種以上の繰り返し単位(A)は全てアクリレート系繰り返し単位であり、前記繰り返し単位(A)のうちの少なくとも一つはイソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate)系繰り返し単位であってもよい。
【0023】
前記2種以上の繰り返し単位(A)は、メチルメタクリレート(Methyl Methacrylate)系繰り返し単位および2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)系繰り返し単位を含むことができる。
【0024】
前記繰り返し単位(B)は、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)系繰り返し単位を含むことができる。
【0025】
前記添加剤のガラス転移温度(Glass Transition Temperature、Tg)は摂氏-10度以下であってもよい。
【0026】
前記添加剤のHSP(hilderbrand solubility)は19~22(MPa)0.5の値を有することができる。
【0027】
前記接着剤組成物は、30重量%~50重量%の前記共重合体と50重量%~70重量%の前記添加剤を含むことができる。
【0028】
前記接着剤組成物のガラス転移温度は摂氏-40度以下であってもよい。
【0029】
前記接着剤組成物のガラス転移温度は摂氏-50度以下であってもよい。
【0030】
前記接着剤組成物は、80℃で2200cPs~2500cPsの粘度を有することができる。
【0031】
前記接着剤組成物は、80℃で2200cPs~2400cPsの粘度を有することができる。
【0032】
前記接着剤組成物が第1時点にディスペンサーから吐出されて形成されたドットが第1直径の値を有し、前記第1時点から30分以上経過した第2時点に前記ディスペンサーから吐出されて形成されたドットが第2直径の値を有する時、前記第1直径および前記第2直径の間の偏差は5%以内であり、前記ディスペンサーの温度は120℃であってもよい。
【0033】
前記接着剤組成物の接着力は40gf/mm以上であってもよい。
【0034】
前記接着剤組成物の接着力は85~92gf/mmであってもよい。
【0035】
本発明の他の実施形態による電極組立体は、前記単位セルを交互に積層して形成された電極組立体において、前記電極と前記分離膜を接着させる接着剤は前記電極と前記分離膜の間ごとに同一な位置に配置される接着パターンを含む。
【0036】
本発明のまた他の一実施形態による電極組立体は、前記単位セルを交互に積層して形成された電極組立体において、前記電極と前記分離膜を接着させる接着剤は前記電極と前記分離膜の間ごとに互いに交互の形態に配置される接着パターンを含む。
【0037】
本発明のまた他の一実施形態による電池セルは前述の単位セルを含む。
【0038】
前記電池セルは、前記分離膜がフォールディングされてジグザグ形態を有することができる。
【発明の効果】
【0039】
実施形態によれば、電極組立体製造工程中に電極と分離膜または二つの分離膜の間に接着剤組成物が提供されることによって、電極と分離膜の間にラミネーションが行われる時に加えられる熱と圧力が最少化でき、分離膜と電極の間のずれを防止することによって電極と分離膜の変形および破損などを防止することができる
【0040】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は請求範囲の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】従来の方式によって単位セルが製造される様子が単純化されて示された図である。
図2】本発明の一実施形態による接着剤組成物の接着力を測定するための方法を説明するための図である。
図3】本発明の一実施形態による接着剤組成物のLSV(Linear Sweep Voltammetry)を示した図である。
図4】本発明の一実施形態による接着剤組成物が電極組立体製造工程に使用される一例を示した図である。
図5】本発明の一実施形態による接着剤組成物が電極組立体製造工程に使用される他の例を示した図である。
図6】本発明の一実施形態による接着剤組成物を含む単位セルを示した図である。
図7】本発明の一実施形態による接着剤組成物を含む単位セルにおいて接着剤が塗布される領域を例示した図である。
図8図5の電極または分離膜に接着剤が塗布されたことを示した図である。
図9図5の電極または分離膜に接着剤が塗布されたことを示した図である。
図10図5の電極または分離膜に接着剤が塗布されたことを示した図である。
図11】本発明の一実施形態による電池セルで測定した容量(capacity)を示すグラフである。
図12】本発明の一実施形態による電池セルで測定した抵抗値を示すグラフである。
図13】本発明の一実施形態による電池セルで測定した容量維持率(capacity retention)を示すグラフである。
図14】本発明の他の一実施形態による電極組立体を示す断面図である。
図15】本発明のまた他の一実施形態による電極組立体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下では添付した図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は以下で説明したもの以外に様々の異なる形態に実現でき、本発明の範囲はここで説明する実施形態によって限定されない。
【0043】
本発明は接着剤組成物に関するものである。
【0044】
本出願で、'接着剤組成物'は、架橋または硬化前またはその後に接着剤として作用できる組成物を意味することができる。前記で、接着剤の定義は、業界で知られた定義による。
【0045】
本出願で、'接着(共)重合体'は、そのガラス転移温度などの物性が架橋または硬化前および/または後に粘着性能が発現されるように調節された重合体を意味する。前記重合体の構成は当該分野ではよく知られている。
【0046】
前記接着剤組成物は、接着(共)重合体を含むことができる。前記組成物が水または有機溶媒などを含む溶液状態である場合、前記接着(共)重合体の比率は前記溶媒などを除いた固形分の重量を基準にしたものであってもよい。
【0047】
本出願で、"アクリル(共)重合体"は、一つ以上のアクリル単量体に由来した重合単位または繰り返し単位を主成分として含む(共)重合体である。本出願で、ある単量体の重合単位または繰り返し単位は、当該単量体に由来して重合反応を経た後の(共)重合体に含まれる単位構造を意味する。
【0048】
本出願で、ある成分Bが他の成分Aを主成分として含むということは、前記成分Aの前記成分B内での比率がBの全体重量を基準にして、約55重量%以上、60重量%以上、65重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上または90重量%以上である場合を意味することができる。前記比率の上限は特に制限されず、例えば、約98重量%以下または95重量%以下であってもよい。
【0049】
本出願で、"アクリル単量体"はアクリル酸またはメタクリル酸や、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルなどの前記アクリル酸やメタクリル酸の誘導体を意味する。また、"(メタ)アクリル"はアクリルまたはメタクリルを意味する。
【0050】
アクリル重合体は、粘着性能を有する接着重合体であってもよい。
【0051】
アクリル重合体は、アルキル(メタ)アクリレート単量体の重合単位を含むことができる。アクリル重合体はアルキル(メタ)アクリレート単量体に由来した繰り返し単位(A)を含むことができる。
【0052】
一つの例示で、前記繰り返し単位(A)は下記化学式1の化合物であってもよい。
[化学式1]
【化3】
上記化学式1中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは炭素数1~12の直鎖または側鎖アルキル基であり、nは繰り返し単位(A)の繰り返し数であって450~850の整数である。
【0053】
アクリル重合体に含まれている繰り返し単位(A)は、炭素数が1~12であるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単量体に由来したものであってもよい。ここで、アルキル基は線状または分枝状であってもよい。具体的に、アルキル(メタ)アクリレート単量体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートおよび/またはラウリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート単量体は、最終接着剤組成物の凝集力、ガラス転移温度、および粘着性などを勘案して選択できる。
【0054】
アクリル重合体は追加的な重合単位として、凝集力などの改善のために極性官能基を有する共重合性単量体の繰り返し単位を追加的に含むことができる。前記で極性官能基を有する共重合性単量体は、前述のアルキル(メタ)アクリレート単量体などのようにアクリル重合体を形成する化合物と共重合可能な単量体を意味することができる。また、極性官能基を有する共重合性単量体は、共重合されてアクリル重合体を形成した後にはその重合体の側鎖または末端に極性官能基を提供することができる単量体を意味することができる。前記で極性官能基は、例えば、熱の印加によって後述の架橋剤と反応して架橋構造を実現するか、あるいは接着剤層のぬれ性を改善する役割を果たすことができる官能基であってもよい。極性官能基の例としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基またはその無水物基、スルホン酸基またはリン酸基などの酸基、グリシジル基、アミノ基またはイソシアネート基などが挙げられる。
【0055】
アクリル重合体は、ヒドロキシ基を有するアルキル(メタ)アクリレート単量体の重合単位を含むことができる。アクリル重合体はヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート単量体に由来した繰り返し単位(B)を含むことができる。
【0056】
一つの例示で、前記繰り返し単位(B)は下記化学式2の化合物であってもよい。
[化学式2]
【化4】
上記化学式2中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rはヒドロキシ基が結合された炭素数1~9の直鎖または側鎖アルキル基であり、mは繰り返し単位(B)の繰り返し数であって200~350の整数である。
【0057】
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート単量体は、アクリル重合体を形成する他の単量体と共重合が可能な部位とヒドロキシ基を同時に含んで、重合後にアクリル重合体にヒドロキシ基を提供することができる単量体であってもよい。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート単量体は、炭素数が1~9であるヒドロキシアルキル基を含むことができる。このような単量体の例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、7-ヒドロキシへプチル(メタ)アクリレートまたは8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0058】
アクリル重合体は、3種のアクリル単量体の共重合を通じて形成される三元共重合体であってもよい。ここで、3種の単量体のうちの二つはアルキル(メタ)アクリレートであってもよく、他の一つはヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートであってもよい。三元共重合体は2種の(メタ)アクリレート系繰り返し単位(A)を含むことができ、1種のヒドロキシ基を含む(メタ)アクリレート系繰り返し単位(B)を含むことができる。ここで、(メタ)アクリレート系とは、(メタ)アクリレート単量体に由来したのを意味することができる。
【0059】
一つの例示で、前記三元共重合体は下記化学式3の化合物であってもよい。
[化学式3]
【化5】
上記化学式3中、各繰り返し単位は、前述の繰り返し単位(A)または繰り返し単位(B)であってもよい。R1a、R1b、およびRは水素原子またはメチル基であり、R2aおよびR2bは炭素数1~12の直鎖または側鎖アルキル基であり、Rはヒドロキシが結合された炭素数1~9の直鎖または側鎖アルキル基である。nおよびnは繰り返し数であって、nおよびnはそれぞれ450~850の整数であり、mは繰り返し数であって、200~350の整数である。
【0060】
また、2種以上の繰り返し単位(A)および繰り返し単位(B)を含む三元共重合体において、繰り返し単位(A)および繰り返し単位(B)の係数比は多様に提供できる。例えば、2種以上の繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)の係数比は80/20~70/30であってもよい。
【0061】
アクリル重合体が含む繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)は前述の例示のうちのいずれが選択されても関係ないが、最終重合体の剛性または接着性能を考慮して適切に選択されなければならないのであり得る。
【0062】
具体的に、アクリル重合体は接着重合体であってもよく、接着重合体は単量体によって接着力または強度などが異なって示されることがある。単量体のガラス転移温度は単量体が含むアルキル基の炭素数または構造によって異なって示されることがあり、これによって重合体の接着性能が異なって示されることがある。また、アルキル鎖の長さまたは構造によって重合体の流動性が減少/増加できるので、重合体の剥離およびせん断強さが単量体に含まれているアルキル基の影響を受けることもある。
【0063】
通常、接着重合体に強度を付与するためにはアクリレート単量体よりはメタクリレート単量体が選好され、その具体的な例としてはメチルメタクリレート(MMA)が挙げられる。また、接着重合体の柔軟性を付与するためには、鎖長さが短いメチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)または2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)などの使用が考慮できる。一方、ヒドロキシ基を含む(メタ)アクリレートは接着重合体の架橋性またはぬれ性を向上させることができるので、重合体がヒドロキシ(メタ)アクリレート系を含むことによって粘性が増加できる。
【0064】
例えば、アクリル重合体に含まれている2種の繰り返し単位(A)のうちの一つはアルキルアクリレート系であり、他の一つはアルキルメタクリレート系であってもよい。この時、アクリレート系繰り返し単位末端には前記メタクリレート系繰り返し単位末端より大きい炭素数を有するアルキル基が結合できる。具体的な例を挙げれば、アクリレート系繰り返し単位末端には炭素数4~12の直鎖または側鎖アルキル基が結合され、メタクリレート系繰り返し単位末端には炭素数1~3のアルキル基が結合できる。これはメタクリレートがアクリレートより強度が高く固いためであり得る。これは、強度が高いメタクリレート系の繰り返し単位に鎖長さが長いアルキル基が結合されると、流動性の減少によって剥離およびせん断強さのような外部応力に対する抵抗力を弱化させることができるためであり得る。
【0065】
他の例を挙げれば、アクリル重合体に含まれている2種の繰り返し単位(A)全てがアクリレート系である場合、少なくとも一つの繰り返し単位(A)は炭素数が6以上であるアルキル基または10以上であるアルキル基を含むことができる。より具体的に、2種の繰り返し単位(A)全てがアクリレート系である場合、少なくとも一つの繰り返し単位(A)はイソボルニルアセテート(IBoA)に由来したものであってもよい。これは、最終重合体の剛性を確保するためであり得る。
【0066】
アクリル重合体は、重合体100重量部に対して前述の2種の繰り返し単位(A)を40~90重量部で含み、前記繰り返し単位(B)を10~60重量部で含むことができる。また、前記アクリル重合体は重合体100重量部に対して前記繰り返し単位(A)を50~80重量部で含み、前記繰り返し単位(B)を20~50重量部で含むことができる。前記比率は、目的とする凝集力やぬれ性などを考慮して変更できる。この時、前記比率はアクリル重合体において前述の繰り返し単位のみを含む時を基準にしたものであってもよく、溶媒またはその他物質などを除いたものであってもよい。即ち、前記繰り返し単位の合計は100重量部であってもよい。
【0067】
アクリル重合体としては、例えば、重量平均分子量(Mw、Weight Average Molecular Weight)が9万~15万または11万~14万または12万~13万である重合体が使用できる。アクリル重合体の分子量が9万以下であれば接着力(adhesive force;接着剤と界面間の接着力)低下が発生することがあり、分子量が15万以上であれば接着重合体の耐久性(cohesive force)低下および粘度上昇によるディスペンサー吐出時安定性低下の問題がある。
【0068】
一方、本明細書で、接着剤組成物の分子量測定は当業界で知られた通常の方法を用いることができる。通常の分子量測定は、分子連鎖末端にある官能基を定量分析して分子量を求める末端基定量法、浸透圧、蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下などのような物性を用いた総括性利用法(分離膜浸透法、蒸気圧浸透圧法など)、光の散乱を用いた光散乱法、高分子溶液を遠心分離した後に沈降速度または濃度分布を分析することによって分子量を測定する超遠心法、高分子溶液の粘度を用いた粘度法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用いたゲル透過クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)またはその他の方法を通じて行うことができる。本明細書で、"分子量"は"重量平均分子量"を意味することができる。
【0069】
アクリル重合体が有する接着力は15~20gf/mmまたは25gf/mm以上であることが好ましいのであり得る。これは、接着力が前述の範囲以下である場合、被接着物の間が簡単に剥離されるためであり得る。後述のようにアクリル重合体が電極組立体製造工程に使用される場合、アクリル重合体が少なくとも前記範囲を満足してこそ、電極と分離膜の間が十分に固定できる。
【0070】
アクリル重合体が有する粘度は80℃下で4000cPs以下または3500cPs以下であることが好ましいのであり得る。これは、アクリル重合体を含む接着剤組成物が噴射装置を通じて噴射される場合、均一な大きさで吐出されるようにするためであり得る。この時、吐出時噴射装置の温度は100℃~150℃であってもよく、好ましくは120℃であってもよい。
【0071】
アクリル重合体は公知された重合方法で製造できる。例えば、前述のアルキル(メタ)アクリレート単量体および極性基含有共重合性単量体および/またはその他共単量体などを目的とする重量比率によって適切に配合した単量体混合物を溶液重合(solution polymerization)、光重合(photo polymerization)、塊状重合(bulk polymerization)、懸濁重合(suspension polymerization)または乳化重合(emulsion polymerization)のような通常の重合方式に適用してアクリル重合体を製造することができる。この時、重合温度および重合時間は重合法や使用する重合開始剤の種類などによって任意に選択することができ、一例として通常重合温度は約30~100℃、重合時間は0.5~20時間であってもよい。
【0072】
アクリル重合体の重合過程には重合開始剤などが共に使用できる。前記重合開始剤 は各組成物を重合反応させる媒介体であって、その含量が0.1重量部未満である場合、未反応単量体が組成物内に残留する恐れがあり、5.0重量部を超過する場合、未反応開始剤が存在して粘着力を低下させる恐れがある。
【0073】
重合開始剤としてはラジカル生成を引き起こすことができるいずれの化合物も使用することができ、主にペルオキシド(peroxide)系またはアゾ化合物(azo compound)系などが使用できる。具体的に、アゾ系重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutyronitrile)、アゾニトリル(azo nitrile)、アゾエステル(azo ester)、アゾアミド(azo amide)、アゾアミジン(azo amidine)、アゾイミダゾリン(azo imidazoline)またはこれらの混合物を例として挙げることができる。ペルオキシド系重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド(benzoyl peroxide)、アセチルペルオキシド(acetyl peroxide)、ジラウリルペルオキシド(dilauryl peroxide)、ジ-tert-ブチルペルオキシド(di-tert-butyl peroxide)、クミルヒドロペルオキシド(cumyl hydroperoxide)、ヒドロゲンペルオキシド(hydrogen peroxide)、またはこれらの混合物を例として挙げることができる。さらに、前記重合開始剤以外にも既に公知されたアセタール(acetal)系、ヘミアセタール(hemiacetal)系、レドックス(redox)系重合開始剤が使用でき、重合開始剤が前述の例示によって限定されるのではないので、言及されていない多様な重合開始剤がアクリル重合体の製造に使用できる。
【0074】
本出願の接着剤組成物は、前記接着重合体であるアクリル重合体以外に、添加剤を含むことができる。添加剤は、接着剤表面の粘着性を増加させるために接着剤配合に使用される化合物であってもよい。添加剤は一般に3,000以下の低分子量を有し、高いガラス転移温度(Glass Transition Temperature、Tg)を有する物質であり得る。添加剤は常温では重合体の接着力を増進させ、高温では重合体に対して可塑剤の役割を果たすことができる。接着剤組成物において添加剤の含量が増加するほど接着剤組成物の靭性(toughness)と、粘着性(Tackiness)が増加し、粘度は減少することがある。添加剤の含量増加は接着剤の熱的安定性の低下と色および臭いが悪化する結果を招くこともあるので、要求する品質によって適正な添加剤の選定と使用含量の最適化が考慮されなければならないのであり得る。
【0075】
添加剤としては、例えば、テルペン系またはロジン系が主に使用でき、ポリテルペン(polyterpene)系、テルペンフェノール(terpene phenolics)系、ロジンエステル(rosin ester)系などが挙げられる。ロジンエステル系の場合、非常に狭い分子分布を有し、親油性(lipophilic)と親水性(hydrophilic)構造を共に有していて多様な重合体に幅広く使用できる長所がある。
【0076】
接着剤組成物に使用される添加剤は、接着重合体の溶解度指数(solubility parameter)を考慮して選択できる。溶解および分散が容易なように、接着剤組成物の製造には接着重合体の溶解度指数と類似の溶解度指数を有する添加剤が使用できる。ここで、溶解度指数としては、ヒルデブラント溶解度パラメータ(HSP、hildebrand solubility parameter、単位(MPa)0.5)が使用できる。二つの物質間のHSP値が類似するほど溶解、分散などがよく起こることで説明できる。
【0077】
具体的に、HSP値は下記のような式を通じて計算できる。
【数1】
ここで、ΔHは気化熱エンタルピー(Enthalpy of vaporization)であり、Vはモル体積(molar volume)であってもよい。また、Rは気体定数、Tは温度値であってもよい。HSPはCohesive energy densityの自乗根と定義され、cohesive energy densityは分子の単位が完璧に分離される地点までの値を意味するものであり得る。したがって、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート系を含む物質はアルキル(メタ)アクリレート系を含む物質よりHSP値が大きくてもよい。また、前述の二つの物質を全て含む共重合体において、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位の比率がさらに高いほどHSP値がより大きく示される。
【0078】
例えば、前記のような単量体成分および組成比で重合される一実施形態の接着重合体は、18~25、20~25または21~23のHSPを有することができる。この時、使用可能な添加剤の例示としては、19~22のHSPを有するテルペンフェノール系またはロジンエステル系が挙げられる。接着剤に主に使用される添加剤の一つであるポリテルペン系は16のHSPを有するので、前述の接着重合体に適用されることには適切でないことがある。このように接着重合体に溶解度指数差が大きい添加剤を適用する場合、接着重合体との分散および溶解が容易ではないので、混合溶液上でぼやけて示されるヘイズ(haze)現象が発生することがある。
【0079】
接着剤組成物は、接着重合体を30重量%~70重量%で含み、添加剤を30重量%~70重量%で含むことができる。また、接着剤組成物は、接着重合体を50重量%~70重量%で含み、添加剤を30重量%~50重量%で含むことができる。前記比率は、目的とする靭性、粘着性または粘度などを考慮して変更できる。この時、前記比率は接着剤組成物において接着重合体と添加剤のみを含む時を基準にしたのであってもよく、接着剤組成物に溶媒などが含まれる場合にも、溶媒またはその他の物質などを除いた接着重合体と添加剤のみを基準にしたものであってもよい。
【0080】
接着剤組成物の接着力は接着重合体のみを含む場合より、接着重合体に添加剤を追加することによってさらに向上できる。添加剤を含むことによって、接着剤組成物の接着力は25gf/mm以上に向上でき、これによって電池の長寿命特性が保障できる。具体的に、接着剤組成物の接着力は40以上、80以上、85以上、90以上であってもよく、添加剤の比率によって40~45、80~95または85~92gf/mmであってもよい。
【0081】
接着剤組成物の粘度は80℃下で4000cPs以下、または3500cPs以下であることが好ましく、これは前述のように噴射装置を通じて均一な大きさで吐出されるようにするためであり得る。この時、吐出される接着剤組成物の直径は1mm以下であってもよい。一例で、接着剤組成物の粘度は80℃下で2200~2500cPsまたは2200~2400cPsの値を有することができる。
【0082】
接着剤組成物のガラス転移温度は接着重合体および添加剤の比率によって異なって示される。添加剤の比率が増加すれば、接着剤組成物のガラス転移温度は低まる。例えば、組成物100重量部に対して接着重合体を50重量部で含み、添加剤を50重量部で含む場合、接着剤組成物のガラス転移温度は-50Tg(℃)以下であり得る。他の例を挙げれば、組成物100重量部に対して接着重合体を30重量部で含み、添加剤を70重量部で含む場合、ガラス転移温度は-60Tg(℃)水準の値を有することができる。ここで、組成物100重量部は添加剤および接着重合体のみを含むものであってもよい。
【0083】
一方、接着剤組成物の長期使用性および安全性を考慮する時、接着剤組成物は電圧印加時酸化反応が起こらないことが好ましい。具体的に、接着剤組成物は4.0V以上の電圧印加時酸化反応が起こらないことが好ましい。
【0084】
一方、本発明の接着剤組成物はゲル形態として提供でき、それ自体が接着剤として使用可能なものであってもよい。したがって、本発明の一実施形態による接着剤組成物は別途の溶媒に溶解されるか分散媒に分散させた形態で提供されなくてもよい。本発明の一実施形態による接着剤組成物は、アクリル重合体および添加剤それ自体またはアクリル重合体および添加剤に一部添加物を含むものとして提供できる。
【0085】
以下では本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記実施例に限定されるのではない。
【0086】
以下ではアクリル重合体に対する実施例および比較例を通じて適切なアクリル重合体を選択し、選択されたアクリル重合体と添加剤を含む接着剤組成物の実施例および比較例について説明する。
【0087】
1.アクリル重合体の製造
メチルメタクリレート(MMA)、ブチルアクリレート(BA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)および/または2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)を下記表の単量体比率(wt%)で混合して単量体混合物を製造した。メチルメタクリレート(MMA)、ブチルアクリレート(BA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)、および2-ヒドロキシエチルアクリレート(2-HEA)はそれぞれ下記化学式4~7で表すことができる。
[化学式4]
【化6】
[化学式5]
【化7】
[化学式6]
【化8】
[化学式7]
【化9】
【0088】
前記単量体混合物に重合開始剤であるベンゾイルペルオキシドを前記単量体混合物100重量部に対して2重量部~2.5重量部で混合し、丸底フラスコに蒸留水を入れて懸濁剤であるPVA(poly vinyl alcohol)を完全に溶かして懸濁液を準備した。ここで、PVAは前記単量体混合物100重量部に対して0.2重量部水準が使用できる。丸底フラスコの下部に位置したHeating mantleを用いて90℃雰囲気の重合条件を造成した後、重合開始剤が含まれている単量体混合物を丸底フラスコに投入して3時間以上攪拌した。攪拌後、混合溶液に含まれているアクリル重合体はフィルターペーパーでろ過され、洗浄後、真空オーブンで一日以上乾燥された。
【0089】
前述の製造方法を通じて製造されたアクリル重合体は下記の通りである。アクリル重合体の分子量、粘度、接着力、およびディスペンサージェッティング安定性に対する評価を行った。下記の接着力およびディスペンサージェッティング安定性に対する具体的な評価方法は後述することにする。
【0090】
[表1]
【表1】
【0091】
上記表1を参照する時、製造例1によるアクリル重合体は90000~150000の分子量、具体的には120000~140000値を有し、80℃下で3000cPs以下の粘度を有する。
【0092】
比較製造例1は製造例1と比較して、接着力以外には大体同一な水準の物性を示す。しかし、本比較製造例1の接着力は製造例1の半分水準であって、接着剤組成物としての性能は多少劣ることが確認された。これは、ヒドロキシ基を含む単量体の比率が多少低いことが原因であり得る。
【0093】
比較製造例2および比較製造例3は製造例1と比較して、ヒドロキシ基を含む単量体である2-HEAの含量が40%以上であって多少高く、これによって粘度などが増加してディスペンサージェッティング安定性が多少低く示されるのを確認することができる。また、比較製造例2および比較製造例3はMMAより2-EHAを高い比率で含んでいるので、前述の粘度の上昇およびそれによるディスペンサージェッティング安定性の低下は2-EHAの含量のためであり得る。
【0094】
比較製造例4は製造例1と比較して、ヒドロキシ基を含む単量体である2-HEAの含量が10%であって多少低く、接着力が大きく低下したのを確認することができる。
【0095】
比較製造例5は製造例1と比較して、ヒドロキシ基を含む単量体である2-HEAの含量が60%であって多少高く、これによって粘度などが増加してディスペンサージェッティング安定性が多少低く示されるのを確認することができる。
【0096】
製造例1-1によるアクリル重合体は80000~140000の分子量、具体的には110000~130000値を有し、80℃下で3000cPs以下の粘度を有する。
【0097】
製造例1-2によるアクリル重合体は100000~160000の分子量、具体的には120000~140000値を有し、80℃下で3000cPs以下の粘度を有する。
【0098】
製造例1-1の場合、製造例1に対比して接着力が少し減るが、製造例1-2の場合、製造例1-1に対比してMMAの量を減らし、BA(ブチルアクリレート)の量を増やすことによって接着力を補完することができる。
【0099】
比較製造例1-1は製造例1-1と比較して、接着力以外には大体同一な水準の物性を示す。しかし、本比較例の接着力は製造例1-1の半分未満水準であって、接着剤組成物としての性能は劣ることが確認された。これは、ヒドロキシ基を含む単量体の比率が多少低いことが原因であり得る。
【0100】
比較製造例1-2は製造例1-1と比較して、ヒドロキシ基を含む単量体である2-HEAの含量が20%であって多少低く、接着力が大きく低下したのを確認することができる。
【0101】
このような測定結果を参照する時、ディスペンサージェッティング安定性および接着力が相対的に優れた製造例1、製造例1-1、および製造例1-2の物性が他の実施例および比較例より接着剤組成物に使用されるのに適切であると判断される。これはヒドロキシ基を含む単量体の比率が40%以上であれば、粘度が大きく上昇することによってディスペンサージェッティング安定性が多少劣ることがあり、20%以下であれば接着剤組成物に要求される基本的な接着力が大きく低下するためであり得る。
【0102】
前記表1に示された単量体間の比率を参照する時、アクリル重合体は単量体混合物100重量部に対して、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート単量体を20重量部よりは多く、40重量部よりは少なく含むことが適切であり得る。アクリル重合体は単量体混合物100重量部に対して、アルキル(メタ)アクリレート単量体を60.1~79.9重量部で含み、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート単量体を20.1~39.9重量部で含むのが好ましいのであり得る。
【0103】
好ましい実施例において、アクリル重合体の重量平均分子量は120000~140000であってもよい。好ましい実施例において、アクリル重合体の粘度は80℃で2750cPs~3500cPsまたは2800cPs~3000cPsであってもよく、アクリル重合体の接着力は20gf/mm以上または、25gf/mm以上または、27gf/mm以上であってもよい。
【0104】
2.添加剤を含む接着剤組成物の製造
実施例1
アクリル重合体の製造
本実施例には'1.アクリル重合体の製造'で評価されたアクリル重合体のうちの製造例1のアクリル重合体が使用された。
【0105】
添加剤の準備
本実施例の添加剤としては、ロジンエステル系の物質であって、KRATON社で販売されるSYLVALITETM RE 10Lが使用された。以下でSYLVALITETM RE 10Lは第1添加剤と称される。
【0106】
接着剤組成物の製造
得られたアクリル重合体と第1添加剤を添加して接着剤組成物を製造した。ここで、その他添加物などが除外されたことを基準にして、アクリル重合体と第1添加剤はそれぞれ30重量%および70重量%の比率で混合された。
【0107】
実施例2
本実施例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第1添加剤がそれぞれ50重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例1と同一に製造した。
【0108】
実施例3
本実施例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第1添加剤がそれぞれ70重量%および30重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例1と同一に製造した。
【0109】
実施例4
本実施例は第1添加剤でない第4添加剤が使用された点、前記アクリル重合体と第4添加剤がそれぞれ30重量%および70重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例1と同一に製造した。前記第4添加剤はロジンエステル系の物質であって、KRATON社で販売されるSYLVALITETM RE 25が使用された。以下でSYLVALITETM RE 25は第4添加剤と称される。
【0110】
実施例5
本実施例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第4添加剤がそれぞれ50重量%および50重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例4と同一に製造した。
【0111】
実施例6
本実施例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第4添加剤がそれぞれ70重量%および30重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例4と同一に製造した。
【0112】
比較例1
本比較例は第1添加剤でない第2添加剤が使用された点、前記アクリル重合体と第2添加剤がそれぞれ50重量%の比率で混合される点以外には実施例1と同一に製造した。ここで、第2添加剤はテルペンフェノール系の添加剤であって、KRATON社で販売されるSYLVARESTM TP 300である。
【0113】
比較例2
本比較例は第1添加剤でない第3添加剤が使用された点、前記アクリル重合体と第3添加剤がそれぞれ50重量%の比率で混合される点以外には実施例1と同一に説明される。ここで、第3添加剤はポリテルペン系の添加剤であって、KRATON社で販売されるSYLVARESTM TR M1115である。
【0114】
比較例3
本比較例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第1添加剤がそれぞれ75重量%および25重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例1と同一に説明できる。
【0115】
比較例4
本比較例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第1添加剤がそれぞれ20重量%および80重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例1と同一に説明できる。
【0116】
比較例5
本比較例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第1添加剤がそれぞれ25重量%および75重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例1と同一に説明できる。
【0117】
比較例6
本比較例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第1添加剤がそれぞれ80重量%および20重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例1と同一に説明できる。
【0118】
比較例7
本比較例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第5添加剤がそれぞれ20重量%および80重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例4と同一に説明できる。
【0119】
比較例8
本比較例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第4添加剤がそれぞれ25重量%および75重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例4と同一に説明できる。
【0120】
比較例9
本比較例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第4添加剤がそれぞれ75重量%および25重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例4と同一に製造した。
【0121】
比較例10
本比較例は前記接着剤組成物の製造時に前記アクリル重合体と第4添加剤がそれぞれ80重量%および20重量%の比率で混合されるように変更したこと以外には実施例4と同一に説明できる。
【0122】
接着剤組成物の評価
下記表2は、実施例1~6および比較例1~10の接着剤組成物の粘度、ガラス転移温度、ディスペンサージェッティング安定性および接着力などを評価した表である。
【0123】
接着剤組成物の分子量測定は、当業界で知られた通常の方法を用いることができる。本実施例および比較例の分子量はGPC(Gel Permeation Chromatograph)で測定された値を標準ポリスチレンに対する換算数値で示した重量平均分子量であり、実施例の値は70000~85000(PDI>2.5)範囲と示された。
【0124】
接着剤組成物の粘度測定は当業界で知られた通常の方法を用いることができる。通常の粘度測定は、毛細管粘度計、回転粘度計、落球粘度計、圧力を用いた粘度計(Pressure driven methods)またはその他の装置および方法を通じて行うことができる。本実施例および比較例の粘度はAnton Paar社のMCR-302 Rheometer(Cone plate:25mmφ∠=2゜、1Hz、d=0.105mm)を用いて測定し、その値は80℃下で4000cPs以下、または3500cPs以下、または2200cPs~2500cPsまたは2200cPs~2400cPs範囲で示された。
【0125】
接着剤組成物のガラス転移温度測定は、当業界で知られた通常の方法を用いることができる。例えば、ガラス転移温度は、DSC(Differential Scanning Calorimetry)を用いて測定できる。
【0126】
接着剤組成物の接着力測定は、当業界で知られた通常の方法を用いることができる。具体的な例を挙げれば、図2のように二つの被接着物310の間に接着剤組成物320を3mm間隔で15ドット塗布した後、二つの引張治具の間に接着剤組成物320が塗布された被接着物310を配置し、引張治具を被接着物310の一面と垂直な方向に移動させることによって測定できる。
【0127】
ディスペンサージェッティング安定性の評価は、Nordson社のディスペンサーを用いて30分間連続ジェッティングした後、ドットの直径を比較する方法で行われた。具体的に、第1時点に吐出されたドットの直径と第1時点から30分後の第2時点に吐出されたドットの直径を比較し、ドットの直径偏差が5%未満である時、ジェッティング安定性を満足すること(OK)と評価した。Piezo駆動方式のVulcanディスペンサーを用いて実験し、吐出し時、ディスペンサーの温度は120℃であった。
【0128】
[表2]
【表2】
【0129】
本実施例1~6および比較例1~10が含む接着重合体は前述の製造例1によるものであって、18~25HSPまたは20~25HSP、好ましくは21~23のHSPの溶解度指数を有することができる。ここで、実施例1~6に使用される第1添加剤および/または第4添加剤はロジンエステル系の物質であってもよく、19~22のHSPの溶解度指数を有することができる。また、本実施例1~6および比較例2~8が含む接着重合体は、-100~-90℃、または-95℃と近い値のガラス転移温度を有することができる。
【0130】
実施例1~3に使用される第1添加剤および実施例4~6に使用される第4添加剤は、0℃以下のガラス転移温度値を有することができる。第1添加剤は-25℃以下、-35℃以上または-30℃と近い値のガラス転移温度値を有することができ、第4添加剤は-13℃と近い値のガラス転移温度値を有することができる。比較例1および比較例2で使用される第2添加剤および第3添加剤のガラス転移温度値は、第1添加剤および第4添加剤のガラス転移温度値より高くてもよい。
【0131】
実施例1~6には製造例1の接着重合体と類似の溶解度指数を有する第1添加剤が使用され、第1添加剤の比率が増加するほど、接着剤組成物の粘度およびガラス転移温度は低まり、接着力は改善される様相が示された。具体的に、実施例1~6による接着剤組成物は80℃下で2200cPs~2500cPsの粘度を有し、-40Tg(℃)以下のガラス転移温度を有する。
【0132】
通常の接着重合体が有する接着力(27~30gf/mm)より実施例1~6の接着剤組成物が有する接着力がさらに大きいことから、接着重合体と第1添加剤または接着重合体と第4添加剤が互いによく混ざったのを推測することができる。ここで、実施例2および実施例3は粘度値では大きい差を示さない反面、接着力ではほとんど二倍近くの差を示すので、接着剤として使用されるのには実施例3よりは実施例2または実施例1がさらに好ましいのであり得る。具体的に、実施例2および3による接着剤組成物は80℃下で2300~2500cPsの粘度を有し、-55Tg(℃)以下のガラス転移温度を有する。
【0133】
接着重合体を同一な比率で含む実施例2と比較例1および比較例2を比較する時、添加剤の種類によって粘度およびガラス転移温度が大きく上昇し、接着力が多少下落することが確認された。
【0134】
一方、テルペンフェノール系の第2添加剤が使用された比較例1の場合、比較例1の接着力は接着重合体および実施例2より低く示され、粘度およびガラス転移温度はさらに高く示された。これは、第2添加剤のガラス転移温度から推定されるように、物質自体の接着特性が劣るためであり得る。また、テルペンフェノール系の第2添加剤が有する溶解度指数が接着重合体と溶解度指数と大きい差を有することによって接着重合体と添加剤が互いによく混ざらなかったためであり得る。
【0135】
比較例2の場合には16のHSPを有するポリテルペン系の第3添加剤が使用され、肉眼でヘイズが確認されて別途の接着力は測定しなかったが、接着重合体との分散性が非常に低い点を考慮する時、比較例1と類似するかさらに低い接着力を有することと予測される。
【0136】
前記表2に示された添加剤と共重合体間の比率を参照する時、接着剤組成物100重量部に対して、前記共重合体は30~70重量部および前記添加剤は30~70重量部で含まれることが好ましいのであり得る。また、接着剤組成物100重量部に対して、前記共重合体は30~50重量部および前記添加剤は50~70重量部で含まれることが好ましいのであり得る。この時、接着剤組成物100重量部は、前記共重合体と前記添加剤のみを含むことができる。即ち、前記添加剤と前記共重合体の合計は100重量部であり得る。
【0137】
比較例3および比較例6の場合には接着力が実施例1~3に対比して多く減少し、比較例4および比較例5の場合にはディスペンサー末端に一定時間以後接着剤が溜まって接着剤のドットサイズ偏差が発生するためディスペンサージェッティング安定性に問題が発生する。
【0138】
比較例7および比較例8の場合には接着力が実施例4、5に対比して若干減少する水準であるが、ディスペンサー末端に一定時間以後接着剤が溜まって接着剤のドットサイズ偏差が発生するためディスペンサージェッティング安定性に問題が発生する。
【0139】
比較例9および比較例10の場合には実施例4~5に対比して接着力が多く減少する。
【0140】
好ましい実施例において、接着剤組成物のガラス転移温度(Glass Transition Temperature、Tg(℃))は-40以下または-50以下であってもよい。好ましい実施例において、接着剤組成物の粘度は80℃で2200cPs~2500cPsまたは2200cPs~2400cPsであってもよい。好ましい実施例において、接着剤組成物の接着力は40gf/mm以上、85gf/mm以上または、85~92gf/mm以上であってもよい。
【0141】
一方、図3は、本発明の一実施形態による接着剤組成物のLSV(Linear Sweep Voltammetry)を示した図である。
【0142】
図3を参照する時、第1添加剤が含まれている接着剤組成物は4.0V以上でも酸化反応を示さないが、第2添加剤および第3添加剤が含まれている接着剤組成物は4.0V以上、具体的に4.0V~4.5Vで酸化反応を示した。このような点から推察する時、ロジンエステル系添加剤の化学的安定性はテルペンフェノール系またはポリテルペン系の添加剤の化学的安定性よりさらに優れるのであり得る。
【0143】
以下、本発明の理解を助けるために接着剤組成物の好ましい使用例を提示する。しかし、下記使用例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記実施例に限定されるのではない。
【0144】
図4は本発明の一実施形態による接着剤組成物が電極組立体製造工程に使用される一例を示した図であり、図5は本発明の一実施形態による接着剤組成物が電極組立体製造工程に使用される他の例を示した図である。
【0145】
図4および図5を参照すれば、本実施形態の接着剤組成物は電極組立体製造工程で分離膜または電極の間を固定するために提供できる。本実施形態の接着剤組成物は負極と正極が投入される前に、分離膜に提供できる。本実施形態の接着剤組成物はそのまま使用されてもよく、その他物質を追加的に含んでいわゆる接着剤として提供されてもよい。
【0146】
具体的に、電極組立体製造工程で分離膜30a、30bは少なくとも二個所からそれぞれ提供されて連続的に投入でき、これに正極10または負極20が投入されることによって正極10/上部分離膜30b/負極20/下部分離膜30aまたは負極20/上部分離膜30b/正極10/下部分離膜30aの順序を有する単位セル40が製造できる。正極10または負極20は分離膜30a、30b上に積層される前にそれぞれのカッター60a、60を通じて予め定められた大きさに切断できる。
【0147】
この時、接着剤組成物は分離膜30a、30bに電極(正極10、負極20)を直接的に接着させる位置または分離膜30a、30b同士が接着される位置に塗布でき、電極(正極10、負極20)が定位置から逸脱するのを制限することができる。
【0148】
接着剤組成物は噴射装置70を通じて提供でき、その方式に制限はないが、例えば、スプレー噴射、インクジェット噴射などの方式で提供できる。
【0149】
ここで、接着剤組成物の噴射方向は図4のように分離膜30a、30bの提供位置によってそれぞれ異なってもよいが、図5のように重力による影響を最少化するために垂直方向(上から下に)提供されてもよい。ここで、噴射方向は図5で示されたように固定されてもよいが、必ずしもそうであるのではなく、使用環境によって噴射方向が調節されてもよい。
【0150】
図5のように提供される場合、噴射装置70は、分離膜30a、30bの一面に接着剤を噴射する第1ノズル70a、第2ノズル70b、および第3ノズル70cを含むことができる。ここで、第1ノズル70aは下部分離膜30aに接着剤を噴射することができ、第2ノズル70bおよび第3ノズル70cは上部分離膜30bの二つの面にそれぞれ接着剤を噴射することができる。この時、分離膜30a、30bはガイドローラ51を通じてその進行方向が転換できる。より具体的に、第1ノズル70aは負極20が下部分離膜30aに提供される前に下部分離膜30aに接着剤を噴射し、第2ノズル70bは負極20が下部分離膜30aに提供された後に上部分離膜30bに接着剤を噴射し、第3ノズル70cは正極10が上部分離膜30bに提供される前に上部分離膜30bに接着剤を噴射することができる。
【0151】
ここで、各ノズル70a、70b、70cは間隔をおいて離隔配置される複数のニップル(α、β、γ)を含むことができ、これらの噴射速度、噴射量、噴射面積などは個別的に調節できる。これによって、接着剤はその必要によって狭い間隔でまたは広い間隔で塗布できる。
【0152】
図5のように提供される場合、電極(正極10、負極20)は予め切断された状態で保管されて第1グリッパ100aおよび第2グリッパ100bによって分離膜30a、30bに移動できる。この時、電極(正極10、負極20)はテーブル110a、110bによって移動することもある。
【0153】
接着剤が塗布された後、積層された分離膜30a、30bと電極(正極10、負極20)はニップローラ50a、50bの間を通過でき、ニップローラ50a、50bを通じて分離膜30a、30bと電極(正極10、負極20)の間の結合力は向上できる。この時、ニップローラ50a、50bによって加えられる圧力または温度は従来に加えられた圧力または温度より低くてもよい。
【0154】
このように、本発明の接着剤組成物が電極組立体製造工程に提供されていることによって電極(正極10、負極20)と分離膜30a、30bの間にラミネーションが行われる時、熱と圧力が加えられないか、従来より弱い熱と圧力が加えられることになるので、製造工程上で分離膜30a、30bと電極(正極10、負極20)の間のずれが防止でき、分離膜30a、30bと電極(正極10、負極20)の破損および変形が防止できる。
【0155】
以上では接着剤組成物が使用できる多様な使用例の中で、電極組立体に使用されるいくつかの場合を説明したのであって、図4および図5は接着剤組成物が使用できる電極組立体製造工程の理解を助けるためのものに過ぎず、接着剤組成物の使用例が前述の説明によって制限されてはならないはずである。したがって、本発明の一実施形態による接着剤組成物は前述の例示以外に多様に使用でき、本実施形態による接着剤組成物が電極組立体の製造工程だけでなく他の産業分野にも幅広く使用できるのは自明である。
【0156】
以下、本明細書の一実施形態による接着剤組成物を含む単位セルに関して説明する。以下で説明される単位セルは前述の電極組立体の製造工程を通じて形成されたものであってもよいが、必ずしもそうであるのではなく、前述の使用例と異なる方式で形成されたものであってもよいのを予め明らかにしておく。
【0157】
図6は、本発明の一実施形態による接着剤組成物を含む単位セルを示した図である。
【0158】
図6を参照すれば、本実施形態の単位セルは下から上に下部分離膜30a、負極または正極のうちのいずれか一つの電極(正極10、負極20)、上部分離膜30b、負極または正極のうちの他の一つの電極(正極10、負極20)の順に積層されて製造できる。ここで、前記電極(正極10、負極20)および前記分離膜30a、30bのうちの少なくとも一つの一面に接着剤aが塗布でき、これによって前記電極(正極10、負極20)および前記分離膜30a、30bが互いに対して固定できる。またここで、図6では下から上に下部分離膜30a、負極20、上部分離膜30b、正極10が積層された構造として示されたが、必ずしもそうであるのではなく、下部分離膜30a、正極10、上部分離膜30b、負極20の順に積層されてもよい。ここで、接着剤aは前述の接着剤組成物を含むものであり得る。
【0159】
接着剤aは、分離膜30a、30bの間を接着するためのものであってもよい。接着剤aは、上部分離膜30bまたは前記下部分離膜30aの一面に塗布されることによって上部分離膜30bと下部分離膜30aを接着することができる。上部分離膜30bと下部分離膜30aが接着されることによって、その間に位置した電極(正極10、負極20)の動きが制限され、電極(正極10、負極20)の位置が固定できる。この時、接着剤aは上部分離膜30bまたは下部分離膜30aの一面において電極(正極10、負極20)が積層されない領域に塗布できる。
【0160】
接着剤aは、分離膜30a、30bと電極(正極10、負極20)の間を接着するためのものであってもよい。接着剤aは、分離膜30a、30bまたは電極(正極10、負極20)の一面に塗布されることによって互いに対向する分離膜30a、30bと電極(正極10、負極20)を接着することができる。例えば、接着剤aは、下部分離膜30aと負極20の間に提供されることによって下部分離膜30aと負極20を固定することができる。接着剤aは、上部分離膜30bと正極10の間に提供されることによって上部分離膜30bと正極10を固定することができる。この時、接着剤aは、電極(正極10、負極20)に塗布されるか、上部分離膜30bまたは前記下部分離膜30aの一面において電極(正極10、負極20)が積層される領域に塗布できる。
【0161】
一方、前記電極(正極10、負極20)および前記分離膜30a、30b上に塗布された接着剤aは、互いに間隔をおいて位置した複数個の地点から特定方向に沿って複数個の列を成すように塗布できる。具体的な例を挙げれば、図4および図5で示されたように、噴射装置70は間隔をおいて配置された多数のニップル(α、β、γ)を含むことができ、これらそれぞれが連続的に接着剤aを噴射することによって、塗布された接着剤aが複数個の列を成すことができる。
【0162】
ここで、特定列を成す接着剤aは、他の列を成す接着剤aより狭いまたは広い間隔をおいて塗布できる。また、特定列において塗布された接着剤aの面積は、他の列に塗布された接着剤aの面より大きく形成できる。例えば、さらに大きい接着力が必要な負極タップ20aと正極タップ10aの接触地点には接着剤がさらに狭い間隔をおいて塗布できる。これは、図5の噴射装置70が含むニップル(α、β、γ)間の噴射速度、噴射量、噴射面積などが調節されることによって形成されたのであり得る。
【0163】
図7は、本発明の一実施形態による接着剤組成物を含む単位セルにおいて接着剤が塗布される領域を例示した図である。図7で点で表された部分は接着剤が塗布される位置を示すことができる。
【0164】
図7を参照すれば、電極(正極10、負極20)は相対的に短い二つの短辺と相対的にさらに長い二つの長辺を有する長方形の形状を有することができる。電極(正極10、負極20)が分離膜30a、30bに積層される時、電極(正極10、負極20)はその長辺が分離膜の幅方向上平行に位置するように配置できる。
【0165】
接着剤は、図7の(a)のように互いに対向する二つの分離膜30a、30bが接触する面に提供できる。接着剤は、電極(正極10、負極20)が積層されない分離膜30a、30bの周縁に提供できる。接着剤を通じて分離膜30a、30bの間が接着されることによって、二つの分離膜30a、30bの間に位置した電極(正極10、負極20)の動きが制限できる。
【0166】
接着剤は、図7の(b)のように電極(正極10、負極20)と分離膜30a、30bが接触する接触面に提供できる。接着剤が電極(正極10、負極20)と分離膜30a、30bの接触面に提供されることによって電極(正極10、負極20)と分離膜30a、30bの間の相対的な動きは制限できる。具体的な例を挙げれば、接着剤は、電極(正極10、負極20)の短辺のみで電極(正極10、負極20)と分離膜30a、30bが接着されるように電極(正極10、負極20)の両側短辺が置かれる位置に提供できる。
【0167】
接着剤は、図7の(c)のように電極(正極10、負極20)と分離膜30a、30bが接触する面だけでなく、分離膜30a、30b同士が接触する面の全てに提供されてもよい。また、接着剤は、図7の(d)および図7の(e)のように電極(正極10、負極20)の四つの頂点と対応する位置に提供されてもよく、図7の(f)のように電極(正極10、負極20)の短辺および長辺が対応する領域および中央領域に提供されてもよい。図7で示される接着剤の塗布位置は例示を挙げたものに過ぎず、接着剤または接着剤組成物が提供される位置は前述の図面以外にも多様であり得るので、その提供位置が図7の図面によって限定されてはならないはずである。
【0168】
図8図10は、図6の電極または分離膜に接着剤が塗布されたことを示した図である。
【0169】
図8は、下部分離膜30aと負極20の間に提供される接着剤aの塗布パターンを示した図である。図8のような形態は、負極20が下部分離膜30aに積層される前、下部分離膜30aに噴射された接着剤aの塗布パターンであり得る。ここで、接着剤aは、負極20の両側短辺を基準にして負極タップ20aが位置した部分でさらに緻密に形成できる。例えば、これは、ニップル(α、β、γ)のうちの中間のニップルβは接着剤aを塗布せず、両端のニップルα、γのうちの負極タップ20aに近く位置したニップルαの噴射速度を速くすることによって図8のような接着剤aのパターンが形成できる。
【0170】
図9は負極20と上部分離膜30bの間に提供される接着剤の塗布パターンを示した図であり、図10は上部分離膜30bと正極10の間に提供される接着剤の塗布パターンを示した図である。図9のような形態は負極20の上に上部分離膜30bが積層された後、上部分離膜30bに噴射された接着剤aの塗布パターンであり、図10のような形態は正極10が上部分離膜30bが積層される前、上部分離膜30bに噴射された接着剤aの塗布パターンであり得る。図8と同様に、図9および図10の接着剤aも正極タップ10aが位置する地点にさらに緻密に塗布できる。
【0171】
以下、前述の単位セルを含む電池セルに関して説明する。
【0172】
一方、単位セルは、セルケース内部に密封されて電池セルとして提供できる。具体的に、電池セルは、少なくとも一つの単位セルを含む電極組立体、電極組立体に含まれている電極の一端から延長される電極タップ、電極タップと結合された電極リード、および電極リードの一端が外部に引き出された状態で、前記電極組立体を収容するセルケースを含むことができる。
【0173】
電極組立体は少なくとも一つの単位セルを含むことができる。電極組立体は、少なくとも二つの単位セルが積層されたものであってもよい。単位セルは、充放電が可能な発電素子であってもよい。単位セルは電極および分離膜を含むことができ、電極は正極または負極で提供できる。各電極の間には分離膜が介され、単位セルは分離膜/負極/分離膜/正極が交互に積層された構造を有することができる。単位セルに関するより詳しい説明は、前述の内容を参照する。
【0174】
電極タップは、複数個の電極から延長され、電極活物質が塗布されていない部分であり得る。正極と連結された電極タップは正極タップと、負極と連結された電極タップは負極タップと称することができる。電極タップは、単位セルの正極または負極の末端から一方向または両方向に延長されてもよい。
【0175】
電極リードは、セルケース内の単位セルをセルケース外部の外部部材と電気的に連結させるものであり得る。電極リードの一端はセルケースの外部に引き出されており、電極リードの他端はセルケース内で電極タップと結合できる。電極リードと電極タップの結合は溶接を通じて形成できる。
【0176】
セルケースは、周縁を熱融着などでシーリングすることによって内部に位置した単位セルを密封するためのものであり得る。セルケースは、一般に樹脂層/金属薄膜層/樹脂層のラミネート構造として形成できる。また、セルケースは、電池セル積層体の形成時、その積層構造を安定的に維持するために、セルケースの外部表面に提供される両面テープなどの粘着式接着剤または接着時化学反応によって結合される化学接着剤などの接着部材を含んでもよい。
【0177】
図11は、本発明の一実施形態による電池セルで測定した容量(capacity)を示すグラフである。図12は、本発明の一実施形態による電池セルで測定した抵抗値を示すグラフである。図13は、本発明の一実施形態による電池セルで測定した容量維持率(capacity retention)を示すグラフである。
【0178】
図11および図12を参照すれば、接着剤を使用せず単位セルを組み立てるために、電極と分離膜をラミネーション方式で熱と圧力を加える参考例(Ref)と対比して、本実施形態によって電解液に対比して接着剤をそれぞれ0.02wt%と1wt%で使用する時、単位セルの容量と抵抗値は同等水準であるのを確認することができる。また、図13を参照すれば、充/放電テストを通じて単位セルの容量維持率も既存工法に対比して同等水準であるのを確認することができる。
【0179】
本明細書で説明する実施形態による分離膜は、CCS(Ceramic Coated Separator)であってもよい。一般に分離膜は、原反フィルムと前記原反フィルムの少なくとも一面にコーティング層が形成されており、前記コーティング層はアルミナ粉とこれらをかたまるようにするバインダーを含むことができる。SRS(Safety Reinforced Separator)は前記コーティング層表面にバインダーが多量コーティングされているが、CCSは前記コーティング層表面にバインダーがコーティングされていないか、SRSに対比して表面に分布するバインダー含量が非常に低くてもよい。たとえば、本実施形態によるCCS分離膜の場合、分離膜のコーティング層表面にコーティングされたバインダー含量が大略3wt%以下であってもよい。
【0180】
分離膜がCCSである場合には電極組立体に含まれている内部電極が固定されていない状態で移送するので、移送中に整列が乱れる可能性がある。もちろん、分離膜がCCSである場合に熱と圧力で固定させることもできるが、電極と分離膜の積層体を形成した後、熱と圧力の固定装置に移送する過程でも内部電極の整列が乱れることがある。また、熱と圧力で電極と分離膜を付けるためにはバインダー含量の高い高価の分離膜を使用しなければならない短所もある。これに反し、本実施形態によれば、移送中に内部電極の整列が乱れることを防止しながら固定力を高めることができる。
【0181】
図14は、本発明の他の一実施形態による電極組立体を示す断面図である。
【0182】
図14を参照すれば、本実施形態による電極組立体3000は、基本単位体32が複数回反復形成されて製造された電極積層体42を含むことができる。ここで、基本単位体32は、分離膜322がフォールディングされてジグザグ形状を有しながら、電極3112、3122をカバーし、電極3112、3122と分離膜322が積層されている単位体であってもよい。即ち、基本単位体32は、分離膜322の一側および他側が順次にフォールディングされて電極3112、3122をカバーしながら、電極3112、3122と分離膜322が順次に積層されていてもよい。
【0183】
電極組立体3000は固定テープが付着されていてもよいが、前記固定テープの代わりに分離膜322の一端部が電極積層体42の外面中の一部を囲んでいてもよい。本実施形態の基本単位体32は、電極3112、3122と分離膜322が接着剤34で互いに接着されている状態であってもよい。電極3112、3122と分離膜322が接着剤34によって接着されている部分が第1接着部であり得る。これにより、電極3112、3122と分離膜322は接着剤34の接着力によって整列度を維持することができる。
【0184】
本実施形態の電極積層体42は、分離膜322が電極3112、3122の上下部および一側面をカバーしていて、前記固定テープなくても、基本単位体32同士の積層整列状態を維持することができる。また、本実施形態の電極積層体42の外側に前記固定テープが付着されているか、分離膜322の一端部が囲んでいる場合には、基本単位体32同士の積層整列状態をより安定的に維持することができる。
【0185】
また、本実施形態で製造された電極組立体3000で、接着剤34は電極3112、3122と分離膜322の間ごとに同一な位置に配置されていてもよい。一例として、図14に示されているように、本実施形態の電極組立体3000で、第1電極3112の下部と分離膜322の間に位置する接着剤34と第1電極3112の上部と分離膜322の間に位置する接着剤34は第1電極3112または分離膜322の底面を基準にしてそれぞれ同一な垂直線上に配置されていてもよく、接着剤34が配置されている間隔は互いに同一であってもよい。これは、第2電極3122と分離膜322の間に位置した接着剤34の場合にも同様に説明できる。
【0186】
これにより、本実施形態で製造された電極組立体3000で、接着剤34は電極3112、3122と分離膜322の間ごとに同一な位置に配置されていて、工程時間および効率性が増大できる利点がある。
【0187】
図15は、本発明のまた他の一実施形態による電極組立体を示す断面図である。
【0188】
図15を参照すれば、本実施形態による電極組立体4000で、接着剤34は電極3112、3122と分離膜322の間ごとに配置されており、互いに隣接した層に配置された接着剤34は交互の形態に配置されていてもよい。一例として、図15に示されているように、本実施形態の電極組立体4000で、第2電極3122の上部と分離膜322の間に位置する第1接着剤34-1と第2電極3122の下部と分離膜322の間に位置する第2接着剤34-2は互いに交互に配置されていてもよい。この時、第1接着剤34-1と第2接着剤34-2は位置が互いに交互に配置されているだけであり、塗布されている間隔は互いに同一であってもよい。これは、第1電極3112と分離膜322の間に位置した接着剤34の場合にも同様に説明できる。
【0189】
但し、これに限定されるのではなく、第1接着剤34-1および第2接着剤34-2が互いに交互に配置される構造は多様な方式によって塗布されて製造できる。
【0190】
これにより、本実施形態の電極組立体4000で、接着剤34は電極3112、3122と分離膜322の間ごとに配置されており、互いに隣接した層に配置された接着剤34は交互の形態に配置されていて、接着剤34による電極組立体4000の厚さ増加を最少化することができる。これと共に、互いに隣接した層に配置された接着剤34が互いに交互に配置されていて、前述の電池セルに含まれている電解液に接着剤34がより容易に溶解できる。
【0191】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するのである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図7(c)】
図7(d)】
図7(e)】
図7(f)】
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15