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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】ゴミ廃棄支援装置及びゴミ廃棄支援方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20250326BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20250326BHJP
   B65F 5/00 20060101ALI20250326BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250326BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G01C21/34
B65F5/00
G06Q50/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021042272
(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公開番号】P2022142194
(43)【公開日】2022-09-30
【審査請求日】2023-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】三原 真哉
(72)【発明者】
【氏名】村田 聡隆
(72)【発明者】
【氏名】小林 敏秀
(72)【発明者】
【氏名】吉川 浩
(72)【発明者】
【氏名】須永 領平
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-164574(JP,A)
【文献】登録実用新案第3193127(JP,U)
【文献】特開2009-125689(JP,A)
【文献】特開2009-104491(JP,A)
【文献】特開2008-296120(JP,A)
【文献】特開2008-264715(JP,A)
【文献】特開2002-288321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-25/00
G06Q 50/10
B65F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された環境内の携帯端末のID情報及び前記携帯端末の位置情報を取得する端末情報取得部と、
前記環境内の画像情報を取得する画像取得部と、
前記環境内の画像情報に基づいて、ゴミを検出し、前記ゴミの位置情報を取得するゴミ検出部と、
前記ゴミの位置情報と、データベースに格納された廃棄場所情報と、に基づいて、前記ゴミの廃棄場所を特定する廃棄場所特定部と、
前記携帯端末に前記ゴミの位置情報及び廃棄場所情報を送信する送信部と、
前記環境内の画像情報と、前記携帯端末の位置情報と、に基づいて、前記廃棄場所に前記ゴミを廃棄した人が所有する前記携帯端末を確認する廃棄確認部と、
前記ゴミを廃棄した人が所有する前記携帯端末に対して報酬を付与する報酬付与部と、
を備える、ゴミ廃棄支援装置。
【請求項2】
前記ゴミの廃棄作業の参加希望者を募集するための募集情報を生成して、前記送信部を介して前記募集情報を前記携帯端末に送信し、応募してきた前記参加希望者の中から前記ゴミを廃棄する人を選定する参加募集部を備え、
前記送信部は、選定された前記ゴミを廃棄する人が所有する携帯端末に、前記ゴミの位置情報及び前記廃棄場所情報を送信する、請求項1に記載のゴミ廃棄支援装置。
【請求項3】
前記ゴミ検出部は、前記ゴミの画像情報と、前記データベースに格納された種別毎のゴミ画像情報と、を照合して、前記ゴミの種別を判定し、
前記廃棄場所特定部は、前記ゴミの位置情報と、前記ゴミの種別情報と、前記データベースに格納されたゴミの種別毎の廃棄場所情報と、に基づいて、前記廃棄場所を特定する、請求項1または2に記載のゴミ廃棄支援装置。
【請求項4】
前記携帯端末の位置情報と、前記ゴミの位置情報と、前記データベースに格納された廃棄場所情報と、に基づいて、前記廃棄場所までの経路情報を生成する経路生成部を備え、
前記送信部は、前記経路情報を前記環境内に配置された表示装置又は前記携帯端末の表示装置に送信する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゴミ廃棄支援装置。
【請求項5】
予め設定された環境内の携帯端末のID情報及び位置情報を取得する工程と、
前記環境内の画像情報を取得する工程と、
前記環境内の画像情報に基づいて、ゴミを検出し、前記ゴミの位置情報を取得する工程と、
前記ゴミの位置情報と、データベースに格納された廃棄場所情報と、に基づいて、前記ゴミの廃棄場所を特定する工程と、
前記携帯端末に前記ゴミの位置情報及び廃棄場所情報を送信する工程と、
前記環境内の画像情報と、前記携帯端末の位置情報と、に基づいて、前記廃棄場所に前記ゴミを廃棄した人が所有する前記携帯端末を確認する工程と、
前記ゴミを廃棄した人が所有する前記携帯端末に対して報酬を付与する工程と、
を備える、ゴミ廃棄支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゴミ廃棄支援装置及びゴミ廃棄支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴミの不法廃棄を減少させるために、人にゴミを廃棄するための誘因があると好ましい。例えば、特許文献1のゴミ回収装置は、廃棄されたゴミの重さや数量に応じて、ゴミを廃棄した人にポイントを付与する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-18290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゴミ回収装置は、ゴミを廃棄した人にポイントを付与することで、人にゴミを廃棄するための誘因を与えているが、ゴミを廃棄する人がゴミ回収装置(即ち、廃棄場所)の位置が解らず、ゴミを廃棄する人の負担が大きい課題を有する。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ゴミを廃棄する人の負担を軽減可能な、ゴミ廃棄支援装置及びゴミ廃棄支援方法を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係るゴミ廃棄支援装置は、
予め設定された環境内の携帯端末のID情報及び前記携帯端末の位置情報を取得する端末情報取得部と、
前記環境内の画像情報を取得する画像取得部と、
前記環境内の画像情報に基づいて、ゴミを検出し、前記ゴミの位置情報を取得するゴミ検出部と、
前記ゴミの位置情報と、データベースに格納された廃棄場所情報と、に基づいて、前記ゴミの廃棄場所を特定する廃棄場所特定部と、
前記携帯端末に前記ゴミの位置情報及び廃棄場所情報を送信する送信部と、
前記環境内の画像情報と、前記携帯端末の位置情報と、に基づいて、前記廃棄場所に前記ゴミを廃棄した人が所有する前記携帯端末を確認する廃棄確認部と、
前記ゴミを廃棄した人が所有する前記携帯端末に対して報酬を付与する報酬付与部と、
を備える。
【0007】
本開示の一形態に係るゴミ廃棄支援方法は、
予め設定された環境内の携帯端末のID情報及び位置情報を取得する工程と、
前記環境内の画像情報を取得する工程と、
前記環境内の画像情報に基づいて、ゴミを検出し、前記ゴミの位置情報を取得する工程と、
前記ゴミの位置情報と、データベースに格納された廃棄場所情報と、に基づいて、前記ゴミの廃棄場所を特定する工程と、
前記携帯端末に前記ゴミの位置情報及び廃棄場所情報を送信する工程と、
前記環境内の画像情報と、前記携帯端末の位置情報と、に基づいて、前記廃棄場所に前記ゴミを廃棄した人が所有する前記携帯端末を確認する工程と、
前記ゴミを廃棄した人が所有する前記携帯端末に対して報酬を付与する工程と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ゴミを廃棄する人の負担を軽減可能な、ゴミ廃棄支援装置及びゴミ廃棄支援方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態のゴミ廃棄支援装置を用いたゴミ廃棄支援システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態のゴミ廃棄支援システムを用いてゴミを廃棄する流れを示すフローチャート図である。
図3】実施の形態のゴミ廃棄支援システムを用いてゴミを廃棄する流れを示すフローチャート図である。
図4】人が携帯端末の支援アプリを起動した状態を概念的に示す図である。
図5】施設内の画像情報からゴミを検出した様子を概念的に示す図である。
図6】ゴミの画像情報と種別毎のゴミ画像情報とを照合して、ゴミの種別を判定する様子を概念的に示す図である。
図7】ゴミの種別情報とゴミの種別毎の廃棄場所情報とに基づいて、廃棄場所を特定する様子を概念的に示す図である。
図8】参加希望者を選定する様子を概念的に示す図である。
図9】経路案内が必要か否かの入力を促した際の携帯端末を概念的に示す図である。
図10】表示装置に表示される経路情報を概念的に示す図である。
図11】廃棄場所周辺の画像情報を概念的に示す図である。
図12】ポイントが付与された際の携帯端末を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0011】
図1は、本実施の形態のゴミ廃棄支援装置を用いたゴミ廃棄支援システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態のゴミ廃棄支援システム1は、例えば、予め設定された環境の一種である施設内に配置された廃棄場所にゴミを廃棄させるための誘因を人に与え、その際にゴミを廃棄する人に廃棄場所の位置を認識させるために用いることができる。
【0012】
ゴミ廃棄支援システム1は、例えば、図1に示すように、撮像装置2、表示装置3、ゴミ廃棄支援装置4及びデータベース5を備えており、相互がネットワーク6によって接続されている。
【0013】
ここで、ネットワーク6は、例えば、インターネットであり、電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築されている。但し、撮像装置2と、表示装置3と、ゴミ廃棄支援装置4と、データベース5と、は相互に有線又は無線によって接続されていればよい。
【0014】
撮像装置2は、カメラなどを備えており、施設内を撮像する。撮像装置2は、例えば、施設の通路を撮像可能に当該通路に沿って配置されると共に、施設の内部に配置されたゴミの廃棄場所周辺を撮像可能に当該廃棄場所周辺に配置されている。そのため、複数の撮像装置2が施設内に設けられていることになる。
【0015】
表示装置3は、後述するゴミの廃棄場所情報(即ち、廃棄場所の位置情報)又は経路情報を表示する。表示装置3は、例えば、プロジェクターなどの投影装置を備えており、施設の通路を歩行する人に廃棄場所情報又は経路情報を当該通路又は壁などに表示可能に、通路に沿って配置されている。
【0016】
ゴミ廃棄支援装置4は、例えば、図1に示すように、端末情報取得部41、画像取得部42、ゴミ検出部43、廃棄場所特定部44、参加募集部45、経路生成部46、送受信部47、廃棄確認部48及び報酬付与部49を備えている。
【0017】
端末情報取得部41は、施設内の携帯端末7から当該携帯端末7のID情報及び位置情報を取得する。ここで、携帯端末7は、ネットワーク6に接続された、スマートフォン又はタブレットPC(Personal Computer)などである。そして、携帯端末7の位置情報は、例えば、携帯端末7に搭載されているGPS(Global Positioning System)受信機などの位置情報に基づいて取得することができ、携帯端末7のID情報と紐付けられる。
【0018】
画像取得部42は、撮像装置2が撮像した施設内の画像情報を取得する。但し、画像取得部42は、施設内の画像情報を取得できればよく、例えば、撮像装置2を備えていてもよい。ゴミ検出部43は、施設内の画像情報と、データベース5に格納されたゴミ画像情報と、を照合して、施設内のゴミを検出すると共に当該ゴミの位置情報を取得する。
【0019】
例えば、ゴミ検出部43は、複数の撮像装置2で撮像された施設内の画像情報に画像処理を施してゴミを検出し、ゴミを検出した画像情報を撮像した撮像装置2の位置情報と、当該画像情報内のゴミの位置情報と、に基づいて、施設内のゴミの位置情報を取得するとよい。
【0020】
ここで、ゴミ検出部43は、施設内の画像情報から抽出したゴミの画像情報と、データベース5に格納された種別毎のゴミ画像情報と、を照合して、ゴミの種別を判定するとよい。
【0021】
廃棄場所特定部44は、施設内のゴミの位置情報と、データベース5に格納された廃棄場所情報と、に基づいて、ゴミの廃棄場所を特定する。このとき、廃棄場所特定部44は、データベース5に格納された施設内の経路情報を加味して、ゴミに対して最も近い廃棄場所を特定するとよい。また、廃棄場所特定部44は、ゴミの種別情報と、データベース5に格納されたゴミの種別毎の廃棄場所情報と、を加味して、ゴミの廃棄場所を特定するとよい。
【0022】
参加募集部45は、ゴミの廃棄作業の参加希望者を募集するための募集情報を生成して、送受信部47を介して募集情報を施設内の携帯端末7に送信する。そして、参加募集部45は、応募してきた参加希望者の中からゴミを廃棄する人を選定する。例えば、参加募集部45は、携帯端末7の位置情報と、ゴミの位置情報と、に基づいて、ゴミに対して予め設定された範囲内に存在する携帯端末7に募集情報を送信するとよい。
【0023】
また、参加募集部45は、携帯端末7の位置情報と、施設内のゴミの位置情報と、に基づいて、参加希望者の中からゴミに対して最も近くに存在する携帯端末7を所有する人を、ゴミを廃棄する人に選定するとよい。
【0024】
このとき、携帯端末7にインストールされている支援アプリによって表示装置71に募集情報が表示され、ゴミの廃棄作業の参加希望者が携帯端末7を介して参加を希望する旨の回答を入力することで、参加希望情報をゴミ廃棄支援装置4に送信するとよい。
【0025】
経路生成部46は、選定した人が所有する携帯端末7の位置情報と、データベース5に格納された経路情報と、特定した廃棄場所情報と、に基づいて、ゴミを廃棄するための経路情報を生成する。このとき、経路生成部46は、例えば、選定した人の要求に応じて、経路情報を生成してもよい。
【0026】
送受信部47は、ネットワーク6とのインターフェイスである。送受信部47は、携帯端末7からID情報並びに位置情報、撮像装置2から施設内の画像情報、及び携帯端末7から参加希望情報を受信する。また、送受信部47は、廃棄場所情報又は経路情報を表示装置3又は携帯端末7に送信したり、募集情報を携帯端末7に送信したり、する。
【0027】
廃棄確認部48は、施設内の画像情報と、選定した人が所有する携帯端末7の位置情報と、に基づいて、廃棄場所にゴミを廃棄した人が所有する携帯端末7を確認する。例えば、廃棄確認部48は、選定した人が所有する携帯端末7の位置情報と、ゴミの画像情報と、施設内の廃棄場所周辺の画像情報と、に基づいて、携帯端末7の位置情報が廃棄場所周辺を示し、且つ、廃棄場所周辺の画像からゴミを廃棄場所に廃棄した人が所有する携帯端末7を確認するとよい。
【0028】
報酬付与部49は、選定した人が廃棄場所にゴミを廃棄した場合、当該人が所有する携帯端末7に対して報酬を付与する。報酬付与部49は、例えば、送受信部47を介して携帯端末7の支援アプリにポイントなどを加算する報酬情報を送信する。
【0029】
このとき、報酬付与部49は、例えば、ゴミの大きさ、ゴミがリサイクル可能か否か、廃棄場所までの距離、選定した人の手荷物の量、天候、又はゴミの位置情報を送信してから当該ゴミが廃棄されるまでの時間などに基づいて、報酬の量を増減するとよい。なお、報酬付与部49は、一般的なポイントサイトが運営するサーバーなどに報酬情報を送信してもよい。
【0030】
データベース5は、ゴミ画像情報、廃棄場所情報、及び施設の通路情報を格納する。このとき、データベース5は、上述のように、種別毎のゴミ画像情報及びゴミの種別毎の廃棄場所情報を格納しているとよい。ここで、ゴミ画像情報は、例えば、ゴミの形状、色、材質、リサイクル可能か否か、などに基づいて、教師あり機械学習することによって生成することができる。
【0031】
次に、本実施の形態のゴミ廃棄支援システム1を用いてゴミを廃棄する流れを説明する。図2及び図3は、本実施の形態のゴミ廃棄支援システムを用いてゴミを廃棄する流れを示すフローチャート図である。図4図12は、各工程での様子を概念的に示す図である。
【0032】
先ず、図4に示すように、携帯端末7を所有する人Pが当該携帯端末7の支援アプリを起動させる(S1)。ここで、図4では、左側に携帯端末7を所有する人Pの様子を示し、右側に当該携帯端末7の支援アプリが起動されている様子を示している。そして、携帯端末7を所有する人Pが施設内に侵入すると、ゴミ廃棄支援装置4の端末情報取得部41は、当該携帯端末7のID情報及び位置情報を取得する。
【0033】
次に、撮像装置2は、施設内の画像を撮像し、施設内の画像情報をゴミ廃棄支援装置4に送信する。これにより、ゴミ廃棄支援装置4の画像取得部42は、施設内の画像情報を取得する(S2)。ここで、施設内の画像の取得は、例えば、施設が開放されている間、継続される。
【0034】
次に、ゴミ廃棄支援装置4のゴミ検出部43は、施設内の画像情報と、データベース5に格納されたゴミ画像情報と、を照合して、施設内のゴミを検出したか否かを判定する(S3)。ゴミを検出しなかった場合(S3のNO)、ゴミ廃棄支援装置4は、S3の工程に戻る。
【0035】
一方、図5に示すようにゴミDを検出した場合(S3のYES)、ゴミ検出部43は、ゴミDの位置情報を取得する。このとき、上述のように、ゴミ検出部43は、施設内の画像情報から抽出したゴミDの画像情報と、データベース5に格納された種別毎のゴミ画像情報と、を照合して、図6に示すように、ゴミDの種別を判定するとよい。
【0036】
ちなみに、図6では、データベース5に格納されている第1の種類(例えば、燃えるゴミ)のゴミd1の画像情報と、第2の種類(例えば、ペットボトル)のゴミd2の画像情報と、第3の種類(例えば、燃えないゴミ)のゴミd3の画像情報と、ゴミDの画像情報と、の照合結果として、ゴミDが第1の種類のゴミd1であると判定している様子を示している。
【0037】
次に、ゴミ廃棄支援装置4の廃棄場所特定部44は、施設内のゴミDの位置情報と、データベース5に格納された廃棄場所情報と、に基づいて、ゴミDの廃棄場所を特定する(S4)。このとき、廃棄場所特定部44は、上述のように、ゴミDの種別情報と、データベース5に格納されたゴミの種別毎の廃棄場所情報と、を加味して、図7に示すように、ゴミDの廃棄場所Sを特定するとよい。
【0038】
次に、ゴミ廃棄支援装置4の参加募集部45は、ゴミDの廃棄作業の参加希望者を募集するための募集情報を生成して、送受信部47を介して募集情報を施設内の携帯端末7に送信する(S5)。そして、参加募集部45は、参加希望者の応募が有ったか否かを判定する(S6)。
【0039】
参加希望者の応募が無かった場合(S6のNO)、ゴミ廃棄支援装置4は、支援処理を終了する。但し、参加希望者の応募が無かった場合、参加募集部45は、参加希望者を再度、募集してもよい。一方、参加希望者の応募があった場合(S6のYES)、参加募集部45は、図8に示すように、応募してきた参加希望者の中からゴミDを廃棄する人Pを選定する(S7)。
【0040】
次に、ゴミ廃棄支援装置4の送受信部47は、ゴミDの廃棄場所情報を選定した人Pが所有する携帯端末7に送信する(S8)。そして、携帯端末7は、表示装置71にゴミDの廃棄場所情報を表示し、人Pに廃棄場所までの経路案内が必要か否かの入力を促す(S9)。但し、ゴミ廃棄支援装置4は、廃棄場所情報を表示装置3に送信すると共に、携帯端末7に廃棄場所Sまでの経路案内が必要か否かの入力を促す情報を送信してもよい。
【0041】
図9に示すように、人Pが携帯端末7の支援アプリを介して経路案内が必要との回答を入力(図9では、携帯端末7の表示装置71に表示されたRoute部分に接触)した場合(S9のYES)、ゴミ廃棄支援装置4の経路生成部46は、人Pの現在位置から廃棄場所Sまでの経路情報Mを生成し、送受信部47を介して表示装置3に経路情報Mを送信する(S10)。
【0042】
ここで、図9では、左側に携帯端末7を所有する人Pの様子を示し、右側に経路案内が必要か否かの入力を促した際の携帯端末7を示している。表示装置3は、図10に示すように、経路情報Mを表示する。これにより、人Pは、廃棄場所Sの位置及び経路を認識することができる。ここで、図10に示すように、経路情報Mには、経路案内を開始した地点と廃棄場所Sとを結んだ案内経路の他に、当該案内経路上での人Pの現在位置などを示すとよい。
【0043】
このとき、送受信部47は、人Pの施設内の位置情報に基づいて、複数の表示装置3のうち、人Pの進行方向の側で当該人Pの直近に配置された表示装置3に経路情報Mを送信し、人Pの移動に伴って経路情報Mを表示装置3に表示させるとよい。これにより、人Pの移動に応じて、表示装置3に廃棄場所情報及び経路情報を表示することができる。
【0044】
また、送受信部47は、携帯端末7に経路情報Mを送信し、図9に示すように、当該携帯端末7の表示装置71に経路情報Mを表示させてもよい。なお、送受信部47は、表示装置3又は携帯端末7の表示装置71の何れか一方に廃棄場所情報又は経路情報Mを送信すればよい。
【0045】
次に、ゴミ廃棄支援装置4の画像取得部42は、廃棄場所S周辺を撮像可能に当該廃棄場所Sに配置された撮像装置2から廃棄場所S周辺の画像情報を取得する(S11)。ここで、人Pが携帯端末7の支援アプリを介して経路案内が必要ないとの回答を入力した場合(S9のNO)、ゴミ廃棄支援装置4は、S11の工程に移行する。
【0046】
次に、ゴミ廃棄支援装置4の廃棄確認部48は、取得した廃棄場所S周辺の画像情報に基づいて、廃棄場所SにゴミDを廃棄した人Pが所有する携帯端末7を確認する(S12)。そして、送受信部47が経路情報Mを表示装置3に送信してから予め設定された第1の時間が経過するまでの間に、ゴミDを廃棄場所Sに廃棄した人Pが所有する携帯端末7を確認できない場合(S12のNO)、ゴミ廃棄支援装置4は、支援処理を終了する。
【0047】
このとき、廃棄確認部48は、送受信部47が経路情報Mを表示装置3に送信してから予め設定された第2の時間が経過するまでの間に、ゴミDを廃棄場所Sに廃棄した人Pが所有する携帯端末7を確認できない場合、送受信部47を介してゴミDの廃棄を督促する督促情報を携帯端末7に送信するとよい。ここで、第2の時間は、第1の時間に対して短い時間であるとよい。
【0048】
一方、図11に示すように、ゴミDを廃棄場所Sに廃棄した人Pが所有する携帯端末7を確認できた場合(S12のYES)、ゴミ廃棄支援装置4の報酬付与部49は、人Pが所有する携帯端末7に対して報酬を付与する(S13)。
【0049】
報酬付与部49は、例えば、図12に示すように、送受信部47を介して携帯端末7の支援アプリにポイントなどを加算する報酬情報を送信する。このとき、報酬付与部49は、ゴミDの種別情報、施設内の画像情報又は外部から取得した天気情報などに基づいて、付与する報酬情報を生成するとよい。ここで、図12では、左側に携帯端末7を所有する人Pの様子を示し、右側にポイントが付与された際の携帯端末7を示している。
【0050】
このように本実施の形態のゴミ廃棄支援装置4及びゴミ廃棄支援方法は、ゴミDを廃棄した人Pに報酬を付与することで、人PにゴミDを廃棄するための誘因を与えると共に、人PがゴミDを廃棄する際に、当該人PにゴミDの廃棄場所Sの位置を認識させることができ、ゴミDを廃棄する人Pの負担を軽減することができる。
【0051】
しかも、本実施の形態のゴミ廃棄支援装置4及びゴミ廃棄支援方法は、ゴミDの廃棄作業の参加希望者を募集するので、参加希望者は、報酬を得るためのゲーム感覚でゴミDの廃棄作業に応募することができる。このとき、ゴミに対して最も近くに存在する携帯端末7を所有する人Pを、ゴミDを廃棄する人に選定する場合、効率良くゴミDを廃棄することができる。
【0052】
また、本実施の形態のゴミ廃棄支援装置4及びゴミ廃棄支援方法は、ゴミDの種別を判定し、ゴミDの種別に応じた廃棄場所を特定するので、ゴミDを分別して廃棄させることができる。
【0053】
また、本実施の形態のゴミ廃棄支援装置4及びゴミ廃棄支援方法は、例えば、ゴミDを廃棄する人Pの要求に応じて、ゴミDの廃棄場所までの経路情報Mを生成し、表示装置3又は携帯端末7の表示装置71に表示させるので、ゴミDを廃棄する人Pの負担を更に軽減することができる。
【0054】
このとき、複数の表示装置3のうち、人Pの進行方向の側で当該人Pの直近に配置された表示装置3に経路情報Mを表示させると、同時に全ての表示装置3に経路情報Mを表示する場合に比べて、電力消費量の抑制に寄与することができる。
【0055】
また、本実施の形態のゴミ廃棄支援装置4及びゴミ廃棄支援方法は、ゴミDを廃棄する人Pが当該ゴミDを廃棄場所Sに廃棄しない場合、当該人Pが所有する携帯端末7にゴミDの廃棄を督促する督促情報を送信するので、ゴミDの不法投棄を抑制することができる。
【0056】
本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0057】
例えば、上記実施の形態のゴミ廃棄支援装置4は、参加募集部45及び経路生成部46を備えているが、参加募集部45及び経路生成部46の一方、または両方を省略してもよい。
【0058】
例えば、上記実施の形態では、経路案内が必要か否かの回答を人Pに促した後に、経路情報Mを生成しているが、経路案内が必要か否かの回答を人Pに促すことなく、経路情報Mを生成してもよい。
【0059】
例えば、上記実施の形態では、施設内のゴミを廃棄することを前提に説明しているが、施設内に限らず、屋外であっても、略同様に実施することができる。
【0060】
例えば、上記実施の形態では、本開示をハードウェアの構成として説明したが、本開示は、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0061】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0062】
1 ゴミ廃棄支援システム
2 撮像装置
3 表示装置
4 ゴミ廃棄支援装置、41 端末情報取得部、42 画像取得部、43 ゴミ検出部、44 廃棄場所特定部、45 参加募集部、46 経路生成部、47 送受信部、48 廃棄確認部、49 報酬付与部
5 データベース
6 ネットワーク
7 携帯端末、71 表示装置
D ゴミ
M 経路情報
P 人
S 廃棄場所
図1
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