(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】送風装置、取込口ダクトフランジ、及び、梱包方法
(51)【国際特許分類】
F04D 29/62 20060101AFI20250326BHJP
F04D 29/44 20060101ALI20250326BHJP
【FI】
F04D29/62 C
F04D29/44 X
(21)【出願番号】P 2022042339
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2024-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 逸平
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/148905(WO,A1)
【文献】特開平10-197044(JP,A)
【文献】実開昭59-139599(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/62
F04D 29/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流ダクトから空気を取り込む取込口、及び、下流ダクトに空気を吐き出す吐出口が形成された外側ケーシングと、
前記外側ケーシングの内部に収容され、前記上流ダクトから取り込んだ空気を、前記吐出口から吐き出す空気流を発生させる遠心送風機と、
前記外側ケーシングから取り外し可能に設けられ、前記吐出口に連通する吐出側開口が形成された吐出側端部、並びに、前記下流ダクトに連通する下流ダクト側開口、及び、前記外側ケーシングから取り外したときに、前記取込口に挿入可能に形成された下流ダクト側端部を有する吐出口ダクトフランジと、
を備えた送風装置の取込口ダクトフランジであって、
前記外側ケーシングから取り外し可能に設けられ、前記取込口に連通する取込側開口が形成された取込側端部、並びに、前記上流ダクトに連通する上流ダクト側開口、及び、前記外側ケーシングから取り外したときに、前記吐出口ダクトフランジの前記吐出側開口に挿入可能に形成された上流ダクト側端部を有する筒部と、
前記筒部の内部に設けられ、前記上流ダクト側端部側が凸となるように形成され
、前記筒部を前記外側ケーシングから取り外したときに、前記筒部の外部に突出しない分流板と
を備えることを特徴とする取込口ダクトフランジ。
【請求項2】
前記分流板は、
前記筒部の内部に設けられた軸を中心に回動し、前記外側ケーシングから取り外したときに、前記筒部の内部に収納可能に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の取込口ダクトフランジ。
【請求項3】
前記分流板は、
前記筒部の内部に設けられた軸を中心に回動し、前記筒部に内接可能に形成されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の取込口ダクトフランジ。
【請求項4】
上流ダクトから空気を取り込む取込口、及び、下流ダクトに空気を吐き出す吐出口が形成された外側ケーシングと、
前記外側ケーシングの内部に収容され、前記上流ダクトから取り込んだ空気を、前記吐出口から吐き出す空気流を発生させる遠心送風機と、
前記外側ケーシングから取り外し可能に設けられ、前記吐出口に連通する吐出側開口が形成された吐出側端部、並びに、前記下流ダクトに連通する下流ダクト側開口、及び、前記外側ケーシングから取り外したときに、前記取込口に挿入可能に形成された下流ダクト側端部を有する吐出口ダクトフランジと、
前記外側ケーシングから取り外し可能に設けられ、前記取込口に連通する取込側開口が形成された取込側端部、並びに、前記上流ダクトに連通する上流ダクト側開口、及び、前記外側ケーシングから取り外したときに、前記吐出口ダクトフランジの前記吐出側開口に挿入可能に形成された上流ダクト側端部を有する筒部と、前記筒部の内部に設けられ、前記上流ダクト側端部側が凸となるように形成され
、前記筒部を前記外側ケーシングから取り外したときに、前記筒部の外部に突出しない分流板とを有する取込口ダクトフランジと
を備えることを特徴とする送風装置。
【請求項5】
上流ダクトから空気を取り込む取込口、及び、下流ダクトに空気を吐き出す吐出口が形成された外側ケーシングと、
前記外側ケーシングの内部に収容され、前記上流ダクトから取り込んだ空気を、前記吐出口から吐き出す空気流を発生させる遠心送風機と、
前記吐出口に連通する吐出側開口が形成された吐出側端部、並びに、前記下流ダクトに連通する下流ダクト側開口、及び、前記外側ケーシングから取り外したときに、前記取込口に挿入可能に形成された下流ダクト側端部を有する吐出口ダクトフランジと、
前記取込口に連通する取込側開口が形成された取込側端部、並びに、前記上流ダクトに連通する上流ダクト側開口、及び、前記外側ケーシングから取り外したときに、前記吐出口ダクトフランジの前記吐出側開口に挿入可能に形成された上流ダクト側端部を有する筒部と、前記筒部の内部に設けられ、前記上流ダクト側端部側が凸となるように形成された分流板とを有する取込口ダクトフランジとを備える送風装置を梱包する梱包方法であって、
前記吐出口ダクトフランジの前記下流ダクト側端部を前記取込口に挿入する吐出口ダク
トフランジ挿入ステップと、
前記取込口ダクトフランジの前記上流ダクト側端部を前記吐出口ダクトフランジの前記
吐出側開口に挿入する取込口ダクトフランジ挿入ステップと
を含むことを特徴とする送風装置の梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取込口ダクトフランジ、送風装置、及び、梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ダクトにダクトフランジを介して接続される取込口及び吐出口を有する外側ケーシングと、外側ケーシングの内部に収容され、取込口から吸い込んだ空気を吐出口から吹き出す空気流を発生させる遠心送風機とを備えた送風装置がある。この送風装置においては、外側ケーシングの内部に生じた気流の乱れによって圧力の損失が発生し、吐出口から吹き出す風量が低下することがある。
【0003】
特許文献1には、外側ケーシング内部に分流板を設けることで、外側ケーシング内部の気流の乱れ、及び、吐出口から吹き出す風量の低下を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、送風装置の保管や輸送時においては、送風装置の梱包箱などの外装の高さ、幅及び奥行きを合計した値(以降、梱包寸法と称する。)をより小さくすることが望まれる。梱包寸法をより小さくする方法として、例えば、吐出口及び吸込口から取り外したダクトフランジを重ね合わせ、ダクトフランジの取り付け方向とは反対方向から取込口に挿入することが考えられる。しかしながら、この場合、外側ケーシング内部に設けた分流板とダクトフランジが干渉して、取込口にダクトフランジを挿入することができなかった。
【0006】
本開示は、前述のような問題点を解決するためになされたものであり、分流板を有する送風装置であっても、分流板を有さない送風装置と比較して、梱包寸法が大きくなることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の取込口ダクトフランジは、上流ダクトから空気を取り込む取込口、及び、下流ダクトに空気を吐き出す吐出口が形成された外側ケーシングと、外側ケーシングの内部に収容され、上流ダクトから取り込んだ空気を、吐出口から吐き出す空気流を発生させる遠心送風機と、外側ケーシングから取り外し可能に設けられ、吐出口に連通する吐出側開口が形成された吐出側端部、並びに、下流ダクトに連通する下流ダクト側開口、及び、外側ケーシングから取り外したときに、取込口に挿入可能に形成された下流ダクト側端部を有する吐出口ダクトフランジとを備えた送風装置の取込口ダクトフランジであって、外側ケーシングから取り外し可能に設けられ、取込口に連通する取込側開口が形成された取込側端部、並びに、上流ダクトに連通する上流ダクト側開口、及び、外側ケーシングから取り外したときに、吐出口ダクトフランジの吐出側開口に挿入可能に形成された上流ダクト側端部を有する筒部と、筒部の内部に設けられ、上流ダクト側端部側が凸となるように形成された分流板とを備え、筒部を外側ケーシングから取り外したときに、筒部の外部に突出しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、分流板を有する送風装置であっても、分流板を有さない送風装置と比較して、梱包寸法が大きくなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図1に示す送風装置を矢印A1で示す方向から見た断面図である。
【
図3】取込口ダクトフランジ及び吐出口ダクトフランジの構成を示す図である。
【
図4】送風装置の梱包の手順を示すフロー図である。
【
図5】送風装置と送風装置の梱包寸法を比較する図である。
【
図6】実施形態2に係る送風装置の構成を示す図である。
【
図7】実施形態3に係る送風装置1の構成を示す図である。
【
図8】実施形態4に係る送風装置1の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施の形態に係る送風装置を図面を参照して詳細に説明する。なお、本開示は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施形態1に係る送風装置1の斜視図である。
実施の形態1に係る送風装置1は、取込口ダクトフランジ31を介して、送風装置1からみて風路の上流側に設けられたダクト(上流側ダクトD1)に接続される。また、送風装置1は、吐出口ダクトフランジ32を介して、送風装置1からみて風路の下流側に設けられたダクト(下流側ダクトD2)に接続される。送風装置1は、上流側ダクトD1及び下流側ダクトD2に接続された状態で建物の天井裏などの空間に設置される。送風装置1は、例えば、上流側ダクトD1から室内の空気を外側ケーシング20の内部に取り込み、下流側ダクトD2に空気を吐き出す気流を発生させる。
【0012】
次に、送風装置1の構成について説明する。
図2は、
図1に示す送風装置1を矢印A1で示す方向から見た断面図である。
送風装置1は、外側ケーシング20、吐出口ダクトフランジ32、取込口ダクトフランジ31、及び、遠心送風機40を備える。
【0013】
外側ケーシング20は、筐体であり、対向する側面に筐体内に空気を取り込む取込口20a、及び、筐体外に空気を吐き出す吐出口20bが形成されている。外側ケーシング20は、遠心送風機40を収容する。
【0014】
遠心送風機40は、外側ケーシング20の内部に収容され、外側ケーシング20の取込口20aから吸い込んだ空気を、吐出口20bから吐き出す空気流を発生させる。遠心送風機40は、ファン41、モータ42、及び、スクロールケーシング43を有する。ファン41は、例えば、シロッコファンであり、モータ42の駆動力によって回転軸Xを中心に回転する。モータ42は、ファン41の回転軸Xの軸方向に設けられる。スクロールケーシング43は、モータ42、及び、ファン41を収容する。なお、スクロールケーシング43は、モータ42の一部のみを収容してもよい。スクロールケーシング43は、ファン41を囲むように形成されており、ファン41を回転軸Xの軸方向から覆う一対の側壁431,432と、ファン41を回転軸Xの径方向から覆う周壁433とを備える。側壁431には、吸気口431aが形成されている。また、側壁432には、吸気口432aが形成されている。そして、周壁433には、外側ケーシング20の吐出口20bと連通する吹出口433aが形成されている。
【0015】
遠心送風機40は、ファン41の回転により、ファン41の回転軸Xの軸方向に設けられた側壁431の吸気口431a、及び、側壁432の吸気口432aから空気を吸込む。また、遠心送風機40は、吸い込んだ空気をファン41の回転軸Xの径方向に設けられた周壁433の吹出口433a(外側ケーシング20の吐出口20b)から吐き出す。
【0016】
吐出口ダクトフランジ32は、中空に形成された筒部321を有する。筒部321は、吐出側端部322、及び、下流ダクト側端部323を有する。吐出側端部322には、設置されたときに、吐出口20bに連通する吐出側開口322aが形成されている。また、下流ダクト側端部323には、設置されたときに、下流ダクトD2に連通する下流ダクト側開口323aが形成されている。
【0017】
取込口ダクトフランジ31は、中空に形成された筒部311、及び、分流板314を有する。筒部311は、取込側端部312、及び、上流ダクト側端部313を有する。取込側端部312には、設置されたときに、取込口20aに連通する取込側開口312aが形成されている。また、上流ダクト側端部313には、設置されたときに、上流ダクトD1に連通する上流ダクト側開口313aが形成されている。
【0018】
分流板314は、筒部311の内部に設けられ、上流ダクト側端部313側が凸となるように形成されている。分流板314は、上流側ダクトD1から取込口ダクトフランジ31内に流入した気流AC1を、その凸部を頂点とした傾斜に沿って、側壁431の吸気口431aに向かう気流AC11、及び、側壁432の吸気口432aに向かう気流AC12へと分流する。
【0019】
送風装置1は、分流板314を備えることで、分流板314を備えない場合と比較して、外側ケーシング20内部の気流を整流することができる。分流板314の整流作用は、気流が分流板314を通過して、側壁431の吸気口431a又は側壁432の吸気口432aに吸い込まれるまで維持される。これにより、送風装置1は、外側ケーシング20内部の気流の剥離及び渦の発生が抑制(圧力損失が低減)され、結果、吐出口20bから吹き出す風量の低下を抑制することができる。
【0020】
図3は、取込口ダクトフランジ31、及び、吐出口ダクトフランジ32の構成を示す図である。
吐出口ダクトフランジ32の下流ダクト側端部323は、取込口20aよりも細くなるように形成されている。これにより、吐出口ダクトフランジ32の下流ダクト側端部323は、外側ケーシング20から取り外したときに、取込口20aに挿入可能に形成されている。
【0021】
また、取込口ダクトフランジ31の上流ダクト側端部313は、取込口20a、及び、吐出口ダクトフランジ32の吐出側開口322aよりも細くなるように形成されている。これにより、取込口ダクトフランジ31の上流ダクト側端部313は、外側ケーシング20から取り外したときに、取込口20a、及び、吐出口ダクトフランジ32の吐出側開口322aに挿入可能に形成されている。
【0022】
図4は、送風装置1の梱包の手順を示すフロー図である。
作業者は、吐出口ダクトフランジ32の下流ダクト側端部323を、外側ケーシング20の取込口20aに挿入する(ステップST1)。また、作業者は、取込口ダクトフランジ31の上流ダクト側端部313を、吐出口ダクトフランジ32の吐出側開口322aに挿入する(ステップST2)。本実施の形態において、ステップST1、ステップST2の順に作業を実施したが、ステップST2、ステップST1の順に作業を実施してもよい。
【0023】
図5は、送風装置1と送風装置1の梱包寸法を比較する図である。
図5(1)は、送風装置1が梱包されたときの梱包寸法W1を示す。
図5(2)は、送風装置1が設置されたときの梱包寸法W2を示す。梱包されたとき、送風装置1は、外側ケーシング20の内部に分流板が設けられていない為、吐出口ダクトフランジ32の下流ダクト側端部323、及び、取込口ダクトフランジ31の上流ダクト側端部313を、外側ケーシング20の取込口20aに挿入することができる。これにより、送風装置1は、外側ケーシング20の取込口20aに挿入しない場合(
図5(2))と比較して、送風装置1の梱包寸法を小さくすることができる。
【0024】
以上のように、送風装置1は、取込口ダクトフランジ31の内部に分流板314を設ける構成とすることで、吐出口ダクトフランジ32の下流ダクト側端部323、及び、取込口ダクトフランジ31の上流ダクト側端部313を、外側ケーシング20の取込口20aに挿入可能となり、結果、分流板314を有する送風装置1であっても、分流板314を有さない送風装置1と比較して梱包寸法が大きくなることを抑制することができる。更に、送風装置1は、取込口ダクトフランジ31の外部に分流板314が突出していない。これにより、送風装置1は、外側ケーシング20の取込口20aに取込口ダクトフランジ31を挿入した場合であっても、取込口ダクトフランジ31の外部に分流板314が突出しないから、送風装置1の梱包寸法を小さくすることができる。
【0025】
実施の形態2.
実施の形態1において分流板314は、取込口ダクトフランジ31の内部に設けられていた。しかしながら、分流板314は、梱包されたときに、取込口ダクトフランジ31の内部に移動可能であればよく、設置されたときに、取込口ダクトフランジ31の外部に移動可能に設けられてもよい。
【0026】
図6は、実施形態2に係る送風装置1の構成を示す図である。
図6(1)は、送風装置1が設置されたときの取込口ダクトフランジ31を示す図である。
取込口ダクトフランジ31の分流板314は、軸315を中心に回動可能に設けられている。軸315は、筒部311の内部の上流ダクト側端部313よりも取込側端部312に近い位置に設けられている。送風装置1が設置されたとき、分流板314は、気流の上流側、即ち、上流ダクト側端部313側が凸となるように移動して設けられる。また、分流板314は、筒部311の外部にその一部が位置するように移動して設けられる。これにより、送風装置1は、筒部311の内部を通過する気流の抵抗を抑制すること(圧力損失を低減すること)が可能となり、結果、吐出口20bから吹き出す風量の低下を抑制することができる。
【0027】
図6(2)は、送風装置1が梱包されたときの取込口ダクトフランジ31を示す図である。
送風装置1が収納されたとき、分流板314は、筒部311の内部にその全部が位置するように移動して設けられる。これにより、送風装置1は、分流板を有する送風装置であっても、分流板を有さない送風装置と比較して、梱包寸法が大きくなることを抑制することができる。
【0028】
実施の形態3.
実施の形態2において、分流板314は、取込口ダクトフランジ31の筒部311の内部に設けられた軸315を中心に回動可能な1つの部材から構成されていたが、2つの部材(例えば、板)で構成されていてもよい。
【0029】
図7は、実施形態3に係る送風装置1の構成を示す図である。
分流板314は、軸315を中心に、それぞれ独立して回動可能な第1の板314a及び第2の板314bで構成されている。設置されたとき、第1の板314aは、第1の板314aの延長上に、側壁431と周壁433の交点K1が位置するように設けられる。また、第2の板314bは、第2の板314bの延長上に、側壁432と周壁433の交点K2が位置するように設けられる。この構成を備えることにより、取込口ダクトフランジ31は、軸315と吸気口431aの位置関係、及び、軸315と吸気口432aの位置関係が異なる送風装置1に採用された場合であっても、圧力損失を低減し、結果、吐出口20bから吹き出す風量の低下を抑制することができる。
【0030】
実施の形態4.
実施の形態1において取込口ダクトフランジ31は、上流側ダクトD1から流入した気流を分流板314で分流する機能を有していたが、更に、外側ケーシング20から流入する気流、即ち、逆流を抑制する機能を有してもよい。
【0031】
図8は、実施形態4に係る送風装置1の構成を示す図である。
取込口ダクトフランジ31は、筒部311の内壁に内接可能な大きさで形成された分流板314、及び、軸315を有する。分流板314は、軸315を中心に、それぞれ独立して回動可能な第1の板314a、及び、第2の板314bで構成されている。
【0032】
空気の逆流が発生したとき、
図8(2)に示すように、分流板314(第1の板314a及び第2の板314b)は、逆流した空気の力で軸315を中心に回動し、筒部311の内壁に押し付けられる。取込口ダクトフランジ31は、第1の板314a及び第2の板314bを筒部311の内壁に内接することで、空気の逆流を抑制することができる。
【0033】
一方、送風装置1が運転しているとき、
図8(1)に示すように、分流板314(第1の板314a及び第2の板314b)は、気流の力で軸315を中心に回動し、気流の上流側、即ち、上流ダクト側端部313が凸となる位置に移動する。取込口ダクトフランジ31は、第1の板314a及び第2の板314bで気流を整流することで、圧力損失を低減し、結果、吐出口20bから吹き出す風量の低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 送風装置、20 外側ケーシング、20a 取込口、20b 吐出口、31 取込口ダクトフランジ、311 筒部、312 取込側端部、312a 取込側開口、313 上流ダクト側端部、313a 上流ダクト側開口、314 分流板、314a 第1の板、314b 第2の板、315 軸、32 吐出口ダクトフランジ、321 筒部、322 吐出側端部、322a 吐出側開口、323 下流ダクト側端部、323a 下流ダクト側開口、40 遠心送風機、41 ファン、42 モータ、43 スクロールケーシング、431 側壁、431a 吸気口、432 側壁、432a 吸気口、433 周壁、433a 吹出口。