(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】情報収集システム、サーバ、車両、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20250326BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20250326BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20250326BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20250326BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G16Y40/20
G16Y20/20
G16Y10/40
(21)【出願番号】P 2022564926
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(86)【国際出願番号】 JP2020044197
(87)【国際公開番号】W WO2022113261
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】島村 祥平
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-136754(JP,A)
【文献】特開2020-003934(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0265712(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/01
G16Y 40/20
G16Y 20/20
G16Y 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、
前記サーバとネットワークを介して接続される車両とを有し、
前記サーバは、
センサ情報に基づいて前記車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択する認識モデル選択手段と、
前記認識モデルを前記車両に送信する送信手段と、
前記車両から送信される情報を収集するデータ収集手段とを有し、
前記車両は、
前記サーバから受信した認識モデルと、センサ情報とに基づいて、車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定するシーン判定手段と、
前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報を前記サーバに送信するデータ送信手段とを有
し、
前記認識モデル選択手段は、地理的な位置と、特定の事象が多発する地点とを対応付けた地域特性情報から、前記車両の位置に対応付けられる特定の事象に関連するシーンを示す情報を取得し、該取得した情報が示す特定の事象に関連するシーンを識別するための認識モデルを前記車両に送信する認識モデルとして選択する、情報収集システム。
【請求項2】
前記センサ情報は、少なくとも周辺監視センサを用いて取得される情報を含み、
前記サーバは、前記選択された認識モデルに基づいて、前記車両から取得する情報を指定するパラメータを決定するパラメータ決定手段を更に有し、
前記送信手段は、前記決定されたパラメータを前記車両に更に送信し、
データ送信手段は、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、前記サーバから受信したパラメータにおいて指定された情報を前記サーバに送信する請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項3】
前記認識モデル選択手段は、前記車両が走行している道路の種別に応じて、前記認識モデルを選択する請求項1
又は2に記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記車両は、前記サーバから前記認識モデルを受信し、前記シーン判定手段が使用する認識モデルを、前記受信した認識モデルで更新する認識モデル更新手段を更に有する請求項1から
3何れか1項に記載の情報収集システム。
【請求項5】
センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択する認識モデル選択手段と、
前記認識モデルを、ネットワークを介して前記車両に送信する送信手段と、
前記車両において前記認識モデルとセンサ情報とに基づいて前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合に、前記車両から情報を収集するデータ収集手段とを備え
、
前記認識モデル選択手段は、地理的な位置と、特定の事象が多発する地点とを対応付けた地域特性情報から、前記車両の位置に対応付けられる特定の事象に関連するシーンを示す情報を取得し、該取得した情報が示す特定の事象に関連するシーンを識別するための認識モデルを前記車両に送信する認識モデルとして選択する、サーバ。
【請求項6】
車両であって、
サーバからネットワークを介して受信した、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデル
であって、地理的な位置と特定の事象が多発する地点とを対応付けた地域特性情報を用いて選択された、前記車両の位置に対応付けられる特定の事象に関連するシーンを識別するための認識モデルと、センサ情報とに基づいて、前記車両が特定の
事象に関連するシーンに対応した状況にあるか否かを判定するシーン判定手段と、
前記車両が特定の
事象に関連するシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報を、ネットワークを介して前記サーバに送信するデータ送信手段とを備える車両。
【請求項7】
地理的な位置と特定の事象が多発する地点とを対応付けた地域特性情報から、車両の位置に対応付けられる特定の事象に関連するシーンを示す情報を取得し、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデル
であって、前記取得した情報が示す特定の事象に関連するシーンを識別するための認識モデルを選択し、
前記
選択した認識モデルを、ネットワークを介して前記車両に送信し、
前記車両において前記認識モデルとセンサ情報とに基づいて前記車両が特定の
事象に関連するシーンに対応した状況にあると判定された場合に、前記車両から情報を収集する情報収集方法。
【請求項8】
サーバからネットワークを介して受信した、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデル
であって、地理的な位置と特定の事象が多発する地点とを対応付けた地域特性情報を用いて選択された、前記車両の位置に対応付けられる特定の事象に関連するシーンを識別するための認識モデルと、センサ情報とに基づいて、前記車両が特定の
事象に関連するシーンに対応した状況にあるか否かを判定し、
前記車両が特定の
事象に関連するシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報を、ネットワークを介して前記サーバに送信する情報送信方法。
【請求項9】
地理的な位置と特定の事象が多発する地点とを対応付けた地域特性情報から、車両の位置に対応付けられる特定の事象に関連するシーンを示す情報を取得し、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデル
であって、前記取得した情報が示す特定の事象に関連するシーンを識別するための認識モデルを選択し、
前記
選択した認識モデルを、ネットワークを介して前記車両に送信し、
前記車両において前記認識モデルとセンサ情報とに基づいて前記車両が特定の
事象に関連するシーンに対応した状況にあると判定された場合に、前記車両から情報を収集する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報収集システム、サーバ、車両、情報収集方法、情報送信方法、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置を搭載し、外部のサーバなどとの間で通信が可能なコネクテッドカーの普及が進んでいる。関連技術として、特許文献1は、各車両に搭載された車載装置から道路情報を収集するデータ収集システムを開示する。特許文献1に記載の車載装置は、車両の各種センサと接続されており、各種センサから入力される信号に基づいて異常を検出する。車載装置は、異常を検出した場合、検出した異常に関するデータの収集条件を生成する。収集条件は、対象車両条件、記録トリガ、及び収集内容を含む。
【0003】
車載装置は、生成した収集条件と、収集条件を満たすデータ収集依頼を、データ収集装置に送信する。データ収集装置は、データ収集依頼を受け付けた場合、受信した収集条件に基づいてデータ収集を行う。データ収集装置は、データ収集では、データ収集依頼を送信した車載装置が生成した収集条件を含む収集条件ファイルを、各車両の車載装置に送信する。各車両の車載装置は、収集条件を満たすデータを、データ収集装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、データ収集装置は、収集条件を満たすデータを収集する。このため、全てのデータを車載装置から収集する場合に比べて、効率的にデータを収集することができる。しかしながら、特許文献1では、車載装置は、センサ値がしきい値を超えたことをなどの条件をトリガに、データ収集依頼を送信する。このため、データ収集装置は、車両が特定のシーンに対応した状況にある場合に、データを収集することはできない。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑み、車両が特定のシーンに対応した状況にある場合に、サーバにデータを収集させることができる情報収集システム、サーバ、車両、情報収集方法、情報送信方法、及びコンピュータ可読媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示は、第1の態様として、情報収集システムを提供する。情報収集システムは、サーバと、サーバとネットワークを介して接続される車両とを有する。情報収集システムにおいて、サーバは、センサ情報に基づいて前記車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択する認識モデル選択手段と、前記認識モデルを前記車両に送信する送信手段と、前記車両から送信される情報を収集するデータ収集手段とを有する。車両は、前記サーバから受信した認識モデルと、センサ情報とに基づいて、車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定するシーン判定手段と、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報を前記サーバに送信するデータ送信手段とを有する。
【0008】
本開示は、第2の態様として、サーバを提供する。サーバは、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択する認識モデル選択手段と、前記認識モデルを、ネットワークを介して前記車両に送信する送信手段と、前記車両において前記認識モデルとセンサ情報とに基づいて前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合に、前記車両から情報を収集するデータ収集手段とを有する。
【0009】
本開示は、第3の態様として、車両を提供する。車両は、サーバからネットワークを介して受信した、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルと、センサ情報とに基づいて、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定するシーン判定手段と、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報を、ネットワークを介して前記サーバに送信するデータ送信手段とを有する。
【0010】
本開示は、第4の態様として、情報収集方法を提供する。情報収集方法は、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択し、前記認識モデルを、ネットワークを介して前記車両に送信し、前記車両において前記認識モデルとセンサ情報とに基づいて前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合に、前記車両から情報を収集することを含む。
【0011】
本開示は、第5の態様として、情報送信方法を提供する。情報送信方法は、サーバからネットワークを介して受信した、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルと、センサ情報とに基づいて、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定し、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報を、ネットワークを介して前記サーバに送信することを含む。
【0012】
本開示は、第6の態様として、コンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択し、前記認識モデルを、ネットワークを介して前記車両に送信し、前記車両において前記認識モデルとセンサ情報とに基づいて前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合に、前記車両から情報を収集する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納する。
【0013】
本開示は、第7の態様として、コンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、サーバからネットワークを介して受信した、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルと、センサ情報とに基づいて、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定し、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報を、ネットワークを介して前記サーバに送信する処理をプロセッサに実行させるためのプログラムを格納する。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る情報収集システム、サーバ、車両、情報収集方法、情報送信方法、及びコンピュータ可読媒体は、車両が特定のシーンに対応した状況にある場合に、サーバにデータを収集させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示に係る情報収集システムを概略的に示すブロック図。
【
図2】本開示の第1実施形態に係るデータ収集システムを示すブロック図。
【
図5】サーバにおける動作手順を示すフローチャート。
【
図6】車両における動作手順を示すフローチャート。
【
図7】本開示の第2実施形態に係るデータ収集システムを示すブロック図。
【
図8】コンピュータ装置の構成例を示すブロック図。
【
図9】電子制御装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の実施の形態の説明に先立って、本開示の概要を説明する。
図1は、本開示に係る情報収集システムを概略的に示す。情報収集システム10は、サーバ20と、車両30とを有する。情報収集システム10において、サーバ20と車両30とは、ネットワークを介して相互に接続される。サーバ20は、認識モデル選択手段21、送信手段22、及びデータ収集手段23を有する。車両30は、シーン判定手段31、及びデータ送信手段32を有する。
【0017】
サーバ20の認識モデル選択手段21は、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択する。送信手段22は、認識モデル選択手段21で選択された認識モデルを車両30に送信する。
【0018】
車両30のシーン判定手段31は、サーバ20から受信した認識モデルと、センサ情報とに基づいて、車両30が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定する。データ送信手段32は、車両30が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報をサーバ20に送信する。サーバ20のデータ収集手段23は、車両30から送信される情報を収集する。
【0019】
本開示では、サーバ20は、認識モデルを車両30に送信する。車両30は、受信した認識モデルと、センサ情報とに基づいて、車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定する。車両30は、特定のシーンに対応した状況にあると判定した場合、情報をサーバ20に送信する。本開示では、サーバ20は、車両30に送信する認識モデルを通じて、車両30に情報を送信させるシーンを指定できる。従って、サーバ20は、車両30が特定のシーンに対応した状況にある場合に、データを収集することができる。
【0020】
以下、本開示の実施の形態を詳細に説明する。
図2は、本開示の第1実施形態に係るデータ収集システムを示す。データ収集システム100は、サーバ110と、1以上の車両200を有する。データ収集システム100において、サーバ110は、ネットワーク150を介して車両200と接続される。ネットワーク150は、例えば、LTE(Long Term Evolution)などの通信回線規格を用いた無線通信網を含む。ネットワーク150は、WiFi(登録商標)又は第5世代移動通信システムなどの無線通信網を含んでいてもよい。データ収集システム100は、
図1に示される情報収集システム10に対応する。サーバ110は、
図1に示されるサーバ20に対応する。車両200は、
図1に示される車両30に対応する。
【0021】
図3は、サーバ110の構成例を示す。サーバ110は、認識モデル選択部111、パラメータ決定部112、送信部113、データ収集部114、及び分析装置115を有する。サーバ110は、例えば、コネクテッドサービス基盤に配置される。
【0022】
認識モデル選択部111は、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択する。認識モデルは、例えばあおり運転のシーンを判別するための認識モデル、信号無視のシーンを判別する認識モデル、及び居眠りのシーンを判別するための認識モデルの少なくとも1つを含む。認識モデルは、例えば人工知能(AI:artificial intelligence)モデルとして構成される。認識モデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)を含む。
【0023】
認識モデル選択部111は、例えば、車両200の位置情報に基づいて、車両200に送信する認識モデルを選択する。認識モデル選択部111は、例えば、地理的な位置と、特定のシーンとを対応付けた地域特性情報を用いて、認識モデルを選択する。地域特性情報は、例えば所定の距離ごとにメッシュ状に区切られた区画ごとに、認識したい特定のシーンを示す情報を記憶する。認識モデル選択部111は、地域特性情報から、車両200の位置に対応付けられる特定のシーンを示す情報を取得する。認識モデル選択部111は、取得した情報が示す特定のシーンを識別するための認識モデルを、車両200に送信する認識モデルとして選択する。
【0024】
認識モデル選択部111は、車両200が走行している道路の種別に応じて、認識モデルを選択してもよい。道路の種別は、例えば高速道路などの自動車専用道路、幹線道路、市街地の道路、及び郊外の道路などを含む。認識モデル選択部111は、例えば、車両200が、高速道路などの交差点のない単路が続く道を走行中の場合、追突事故シーン判別モデルを選択してもよい。
【0025】
あるいは、認識モデル選択部111は、例えば国道1号や県道55号などの、車両が走行している路線(路線名)に応じて、認識モデルを選択してもよい。さらに、認識モデル選択部111は、車両200が走行している都道府県などの地域と、道路種別、又は路線名との組み合わせに応じて、認識モデルを選択してもよい。認識モデル選択部111は、オペレータが指定した認識モデルを、車両200に送信する認識モデルとして選択してもよい。
【0026】
認識モデル選択部111は、車両ごとに認識モデルを選択してもよい。例えば、認識モデル選択部111は、ある車両200と、別の車両200とで、相互に異なる認識モデルを選択することができる。認識モデル選択部111は、1台の車両200に対して、複数の認識モデルを、車両200に送信する認識モデルとして選択してもよい。例えば、認識モデル選択部111は、あおり運転のシーンを判別するための認識モデルと、居眠りのシーンを判別するための認識モデルとを、1台の車両200に送信する認識モデルとして選択してもよい。認識モデル選択部111は、
図1に示される認識モデル選択手段21に対応する。
【0027】
パラメータ決定部(パラメータ決定手段)112は、認識モデル選択部111で選択された認識モデルに基づいて、車両200から取得する情報を指定するパラメータを決定する。パラメータ決定部112は、例えば、識別モデル、又は識別モデルを用いて識別される状況と、取得する情報の種類とが対応付けられたテーブルを保持する。パラメータ決定部112は、そのテーブルを参照して、選択された認識モデルに応じてパラメータを決定する。
【0028】
送信部113は、認識モデル選択部111が選択した認識モデルを車両200に送信する。また、送信部113は、パラメータ決定部112が決定したパラメータ(情報の種別)を記述したパラメータシートを、車両200に送信する。送信部113は、例えばOTA(Over The Air)技術を用いて、認識モデル及びパラメータシートを車両200に配置する。送信部113は、
図1に示される送信手段22に対応する。
【0029】
データ収集部114は、各車両200から送信された情報を各車両200から収集する。データ収集部114は、
図1に示されるデータ収集手段23に対応する。分析装置115は、データ収集部114が収集した情報を用いて分析を行う。分析装置115は、例えば、認識モデルを用いて識別される状況ごとに、車両200から収集された情報を用いて分析を行う。分析装置115は、必ずしもサーバ110の内部に構成されている必要はなく、サーバ110とは物理的異なる装置として構成されていてもよい。
【0030】
図4は、車両200の構成例を示す。車両200は、周辺監視センサ201、車両センサ202、車両制御ECU(Electric Control Unit)203、シーン認識ユニット204、及び通信装置205を有する。車両200において、これら構成要素は車内LAN(Local Area Network)やCAN(Controller Area Network)などを介して相互に通信可能に構成される。
【0031】
周辺監視センサ201は、車両200の周辺状況を監視するセンサである。周辺監視センサ201は、例えばカメラ、レーダ、及びLiDAR(Light Detection and Ranging)などを含む。周辺監視センサ201は、例えば車両の前方、後方、右側方、及び左側方を撮影する複数のカメラを含んでいてもよい。周辺監視センサ201は、車両200の内部を撮影するカメラを含んでいてもよい。
【0032】
車両センサ202は、車両200の各種状態を検出するためのセンサである。車両センサ202は、例えば、車速を検出する車速センサ、操舵角を検出する操舵センサ、アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ、及びブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキ踏力センサなどのセンサを含む。
【0033】
車両制御ECU203は、車両200の走行制御などを行う電子制御装置である。一般に、電子制御装置は、プロセッサ、メモリ、I/O(Input / Output)、及びこれらを接続するバスを有する。車両制御ECU203は、車両センサ202が出力するセンサ情報に基づいて、例えば、燃料噴射量の制御、エンジン点火時期の制御、及びパワーステアリングのアシスト量の制御などの各種制御を実施する。
【0034】
通信装置205は、車両200とネットワーク150(
図2を参照)との間で無線通信を行う装置として構成される。通信装置205は、無線通信用アンテナ、送信機、及び受信機を含む。
【0035】
シーン認識ユニット204は、車両200が認識モデルを用いて識別される特定のシーンに対応した状況にある場合、パラメータシートで指定される情報をサーバ110に送信する機能部である。シーン認識ユニット204は、通信装置205を通じて、サーバ20から認識モデル及びパラメータシートを受信する。また、シーン認識ユニット204は、通信装置205を通じて、サーバ20にパラメータシートで指定された情報(データ)を送信する。
【0036】
シーン認識ユニット204は、認識モデル記憶部241、シーン判定部242、データ送信部243、及び認識モデル更新部244を有する。認識モデル記憶部241は、サーバ110から受信した1以上の認識モデルを記憶する。シーン判定部242は、認識モデル記憶部241から認識モデルを取得する。また、シーン判定部242は、周辺監視センサ201及び車両センサ202からセンサ情報を取得する。シーン判定部242は、認識モデルとセンサ情報とに基づいて、車両200が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定する。
【0037】
シーン判定部242は、例えば、周辺監視センサ201に含まれるカメラ、並びに車両センサ202に含まれる速度センサ及び加速度センサの少なくとも1つを用いて取得される情報をセンサ情報として取得する。シーン判定部242は、例えば認識モデルを構成するCNNにセンサ情報を入力する。認識モデルは、車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを示す判定結果を出力する。シーン判定部242は、判定結果が、車両が特定のシーンに対応した状況にあることを示す場合、その旨をデータ送信部243に通知する。シーン判定部242は、
図1に示されるシーン判定手段31に対応する。
【0038】
データ送信部243は、シーン判定部242で車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、パラメータシートで指定されているデータをサーバ110に送信する。データ送信部243は、例えば周辺監視センサ201、車両センサ202、及び車両制御ECU203から取得可能なデータのうち、パラメータシートで指定されているデータをサーバ110に送信する。データ送信部243は、例えばパラメータシートにおいて車外映像データが指定されている場合、周辺監視センサ201に含まれるカメラの映像をサーバ110に送信する。データ送信部243は、シーン判定部242で車両が特定のシーンに対応した状況にないと判定された場合、パラメータシートで指定されているデータの送信は行わない。データ送信部243は、例えば車両の位置情報などの特定の情報は、常にサーバ110に送信してもよい。
【0039】
データ送信部243は、例えばシーン判定部242の判定結果とは無関係に、周辺監視センサ201、車両センサ202、及び車両制御ECU203から、パラメータシートで指定されたデータを取得する。データ送信部243は、シーン判定部242で車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、取得したデータをサーバ110に送信する。データ送信部243は、シーン判定部242で車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定されていない場合、取得したデータを破棄する。データ送信部243は、
図1に示されるデータ送信手段32に対応する。
【0040】
なお、本実施形態において、サーバ110から車両200へのパラメータシートの送信は省略されてもよい。その場合、データ送信部243は、例えば所定の情報をサーバ110に送信してもよい。例えば、データ送信部243において、認識モデルと、その認識モデルが使用される場合に送信する情報とが対応付けられている。データ送信部243は、シーン判定部242において用いられている認識モデルに対応する情報を、サーバ110に送信してもよい。
【0041】
認識モデル更新部(認識モデル更新手段)244は、サーバ110から認識モデルを受信する。認識モデル更新部244は、サーバ110から認識モデルを受信した場合、受信した認識モデルを認識モデル記憶部241に記憶する。認識モデル更新部244は、認識モデル記憶部241が既に認識モデルを記憶している場合、認識モデル記憶部241に記憶される認識モデルを、サーバ110から受信した認識モデルで更新してもよい。認識モデル記憶部241が記憶する認識モデルが更新された場合、シーン判定部242は、更新後の認識モデルを用いて、車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定する。
【0042】
続いて、データ収集システムにおける動作手順を説明する。
図5は、サーバ110における動作手順(情報収集方法)を示す。サーバ110の認識モデル選択部111(
図3を参照)は、車両200に送信する認識モデルを選択する(ステップA1)。認識モデル選択部111は、ステップA1では、例えば、車両200の位置情報に基づいて車両200において認識したいシーンを選択し、選択したシーンに対応する認識モデルを選択する。
【0043】
パラメータ決定部112は、ステップA1で決定された認識モデルに対応したパラメータを、車両200に送信するパラメータとして決定する(ステップA2)。送信部113は、ステップA1で選択された認識モデル、及びステップA2で決定されたパラメータが記述されたパラメータシートを、ネットワーク150(
図2を参照)を介して車両200に送信する(ステップA3)。
【0044】
図6は、車両200における動作手順(情報送信方法)を示す。車両200のシーン認識ユニット204(
図4を参照)は、ネットワーク150を介して、サーバ110から認識モデル及びパラメータシートを受信する(ステップB1)。シーン認識ユニット204は、車両が走行している間に認識モデル及びパラメータを受信してもよい。
【0045】
認識モデル更新部244は、ステップB1で受信された認識モデルを、認識モデル記憶部241に記憶する(ステップB2)。認識モデル更新部244は、認識モデル記憶部241に認識モデルが既に記憶されている場合は、ステップB1で受信された認識モデルで、認識モデル記憶部241に記憶される認識モデルを更新する。
【0046】
シーン判定部242は、車両200の周辺監視センサ201、及び車両センサ202からセンサ情報を取得する。シーン判定部242は、取得したセンサ情報を認識モデルに適用し、車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定する(ステップB3)。データ送信部243は、ステップB3で車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、パラメータシートで指定されたデータを、ネットワーク150を介してサーバ110に送信する(ステップB4)。
【0047】
図5に戻り、サーバ110のデータ収集部114は、車両200から送信されたデータを受信する(ステップA4)。データ収集部114は、複数の車両200から、特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合のデータを収集する。データ収集部114は、例えば、収集したデータを、車両200に送信された認識モデルと対応付けて、分析装置115に出力する。分析装置115は、例えば、認識モデルを用いて認識されるシーンごとに、車両200から受信したデータを蓄積する。分析装置115は、蓄積したデータに対して分析を行う。
【0048】
本実施形態では、サーバ110は、認識モデル及びパラメータを車両200に送信する。車両200は、受信した認識モデルと、センサ情報とに基づいて、車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定する。車両200は、特定のシーンに対応した状況にあると判定した場合、パラメータにおいて指定された情報をサーバ110に送信する。本開示では、サーバ110は、車両200に送信する認識モデル及びパラメータを通じて、車両200に情報を送信させるシーンと、送信される情報とを指定できる。従って、サーバ110は、車両200が特定のシーンに対応した状況にある場合に、収集したいデータを収集することができる。
【0049】
本実施形態において、サーバ110は、取得したいデータに応じて、認識モデル及びパラメータを選択することができる。仮に、サーバ110が車両200から全てのデータを取得したとすると、サーバ110は、多数の車両200から多数のデータを受信し、大量のデータを処理する必要がある。本実施形態では、サーバ110は、認識モデル及びパラメータを用いて、データを送信する状況、及び取得するデータを指定できる。このため、本実施形態は、車両200から収集するデータを絞り込むことができ、サーバ110におけるストレージコストを抑えることができる。また、本実施形態は、サーバ110と車両200との間のデータ転送量を削減することができ、通信コストを抑えることができる。
【0050】
続いて、本開示の第2実施形態を説明する。
図7は、本開示の第2実施形態に係るデータ収集システムを示す。本実施形態に係るデータ収集システム100aは、交通情報システム300を更に有する点で、
図2に示される第1実施形態に係るデータ収集システム100と相違する。本実施形態において、サーバ110の構成は、
図3に示される第1実施形態におけるサーバ110の構成と同様でよい。また、車両200の構成は、
図4に示される第1実施形態における車両200の構成と同様でよい。
【0051】
交通情報システム300は、交通に関する地域特性情報を提供するシステムである。交通情報システム300は、交通に関連した特定の事象と、その事象が多発する地点とを対応付けた情報を保持する。交通情報システム300は、例えば、追突事故が多発する地点を示す情報を含む追突事故多発地点情報310を保持する。交通情報システム300は、例えばあおり運転が多発している地点を示す情報を更に保持していてもよい。交通情報システム300は、保持する追突事故多発地点情報310をサーバ110に提供する。
【0052】
サーバ110の認識モデル選択部111は、交通情報システム300が保持する情報を参照し、認識モデルを選択する。認識モデル選択部111は、例えば、追突事故多発地点情報310を参照し、車両200が追突事故が多発する地点に存在するか否かを判断する。サーバ110は、車両200の現在地付近で追突事故が多発していると判断した場合、追突事故のシーンを識別するための認識モデルを、車両200に送信する認識モデルとして選択する。
【0053】
本実施形態では、サーバ110は、交通情報システム300と連携し、交通情報システム300が保持する情報を用いて認識モデルを選択する。サーバ110は、例えば追突事故多発地点情報310を用いて認識モデルを選択することで、車両200の現在地付近で追突事故が多発する場合に、追突事故のシーンを識別する認識モデルを車両200に送信することができる。このように、本実施形態では、車両200の現在地付近で多発する事故などの事象を判別する認識モデルを車両200に配置することができる。他の効果は、第1実施形態において説明した効果と同様である。
【0054】
なお、上記各実施形態において、パラメータシートは、データの優先度を示す情報を含んでいてもよい。優先度は、例えば「高」、「中」、及び「低」を含む。データ送信部243(
図4を参照)は、ネットワーク150(
図2を参照)における通信帯域を監視し、通信帯域に応じて優先度が高いデータを優先的にサーバ110に送信してもよい。例えば、データ送信部243は、例えば通信帯域が第1のしきい値より大きい場合、全ての優先度のデータをサーバ110に送信する。データ送信部243は、通信帯域が第1のしきい値以下の場合、優先度が「高」又は「中」に設定されたデータをサーバ110に送信し、優先度が「低」に設定されたデータを破棄してもよい。データ送信部243は、通信帯域が第1のしきい値より小さい第2のしきい値以下の場合、優先度が「高」に設定されたデータをサーバ110に送信し、優先度が「中」又は「低」に設定されたデータを破棄してもよい。パラメータシートは、シーン判定部242の判定結果とは関係なく、常にサーバ110に送信されるデータを指定する情報を含んでいてもよい。
【0055】
上記各実施形態において、データ送信部243は、分析装置115(
図3を参照)において行われる分析の目的やシーンに基づいて分析において重要なデータを判断し、重要ではないデータは破棄してもよい。例えば、シーン判定部242が追従シーンを判定する場合、動画像データから得られる情報は少ない。分析において、センサデータがあれば十分である場合、データ送信部243は、動画像データをサーバ110に送信せずに、車両側で破棄してもよい。
【0056】
続いて、物理的構成を説明する。本開示において、サーバ110は、コンピュータ装置として構成され得る。
図8は、サーバ110として用いられ得るコンピュータ装置の構成例を示す。コンピュータ装置500は、制御部(CPU:Central Processing Unit)510、記憶部520、ROM(Read Only Memory)530、RAM(Random Access Memory)540、通信インタフェース(IF:Interface)550、及びユーザインタフェース560を有する。
【0057】
通信インタフェース550は、有線通信手段又は無線通信手段などを介して、コンピュータ装置500と通信ネットワークとを接続するためのインタフェースである。ユーザインタフェース560は、例えばディスプレイなどの表示部を含む。また、ユーザインタフェース560は、キーボード、マウス、及びタッチパネルなどの入力部を含む。
【0058】
記憶部520は、各種のデータを保持できる補助記憶装置である。記憶部520は、必ずしもコンピュータ装置500の一部である必要はなく、外部記憶装置であってもよいし、ネットワークを介してコンピュータ装置500に接続されたクラウドストレージであってもよい。
【0059】
ROM530は、不揮発性の記憶装置である。ROM530には、例えば比較的容量が少ないフラッシュメモリなどの半導体記憶装置が用いられる。CPU510が実行するプログラムは、記憶部520又はROM530に格納され得る。記憶部520又はROM530は、例えばサーバ110内の各部の機能を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0060】
RAM540は、揮発性の記憶装置である。RAM540には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)などの各種半導体メモリデバイスが用いられる。RAM540は、データなどを一時的に格納する内部バッファとして用いられ得る。CPU510は、記憶部520又はROM530に格納されたプログラムをRAM540に展開し、実行する。CPU510がプログラムを実行することで、サーバ110内の各部の機能が実現され得る。CPU510は、データなどを一時的に格納できる内部バッファを有してもよい。
【0061】
また、本開示において、シーン認識ユニット204(
図4を参照)は電子制御ユニット(電子制御装置)として構成され得る。
図9は、シーン認識ユニット204に使用され得る電子制御装置のハードウェア構成例を示す。電子制御装置600は、プロセッサ601、ROM602、及びRAM603を有する。電子制御装置600において、プロセッサ601、ROM602、及びRAM603は、バス604を介して相互に接続される。電子制御装置600は、図示は省略するが、周辺回路、通信回路、及びインタフェース回路などの他の回路を含み得る。
【0062】
ROM602は、不揮発性の記憶装置である。ROM602には、例えば比較的容量が少ないフラッシュメモリなどの半導体記憶装置が用いられる。ROM602は、プロセッサ501が実行するプログラムを格納する。RAM603は、揮発性の記憶装置である。RAM603には、DRAM又はSRAMなどの各種半導体メモリデバイスが用いられる。RAM640は、データなどを一時的に格納する内部バッファとして用いられ得る。
【0063】
プロセッサ601は、ROM602に格納されたプログラムをRAM603に展開し、実行する。CPU601がプログラムを実行することで、シーン認識ユニット204の各部の機能が実現され得る。
【0064】
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータ装置500又は電子制御装置600に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、又はハードディスクなどの磁気記録媒体、例えば光磁気ディスクなどの光磁気記録媒体、CD(compact disc)、又はDVD(digital versatile disk)などの光ディスク媒体、及び、マスクROM、PROM(programmable ROM)、EPROM(erasable PROM)、フラッシュROM、又はRAMなどの半導体メモリを含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体を用いてコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバなどの有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0065】
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に対して変更や修正を加えたものも、本開示に含まれる。
【0066】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0067】
[付記1]
サーバと、
前記サーバとネットワークを介して接続される車両とを有し、
前記サーバは、
センサ情報に基づいて前記車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択する認識モデル選択手段と、
前記認識モデルを前記車両に送信する送信手段と、
前記車両から送信される情報を収集するデータ収集手段とを有し、
前記車両は、
前記サーバから受信した認識モデルと、センサ情報とに基づいて、車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定するシーン判定手段と、
前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報を前記サーバに送信するデータ送信手段とを有する、情報収集システム。
【0068】
[付記2]
前記サーバは、前記選択された認識モデルに基づいて、前記車両から取得する情報を指定するパラメータを決定するパラメータ決定手段を更に有し、
前記送信手段は、前記決定されたパラメータを前記車両に更に送信し、
データ送信手段は、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、前記サーバから受信したパラメータにおいて指定された情報を前記サーバに送信する付記1に記載の情報収集システム。
【0069】
[付記3]
前記認識モデル選択手段は、前記車両の位置情報に基づいて、前記車両に送信する認識モデルを選択する付記1又は2に記載の情報収集システム。
【0070】
[付記4]
前記認識モデル選択手段は、地理的な位置と、前記特定のシーンとを対応付けた地域特性情報から、前記車両の位置に対応付けられる特定のシーンを示す情報を取得し、該取得した情報が示す特定のシーンを識別するための認識モデルを前記車両に送信する認識モデルとして選択する付記3に記載の情報収集システム。
【0071】
[付記5]
前記認識モデル選択手段は、前記車両が走行している道路の種別に応じて、前記認識モデルを選択する付記1から4何れか1つに記載の情報収集システム。
【0072】
[付記6]
前記センサ情報は、前記車両に搭載されるカメラを用いて取得される情報、速度センサを用いて取得される情報、及び加速度センサを用いて取得される情報の少なくとも1つを含む付記1から5何れか1つに記載の情報収集システム。
【0073】
[付記7]
前記認識モデルはCNN(Convolutional Neural Network)を含む付記1から6何れか1つに記載の情報収集システム。
【0074】
[付記8]
前記車両は、前記サーバから前記認識モデルを受信し、前記シーン判定手段が使用する認識モデルを、前記受信した認識モデルで更新する認識モデル更新手段を更に有する付記1から7何れか1つに記載の情報収集システム。
【0075】
[付記9]
前記サーバは、前記データ収集手段が収集した情報を用いて分析を行う分析装置を更に有する付記1から8何れか1つに記載の情報収集システム。
【0076】
[付記10]
センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択する認識モデル選択手段と、
前記認識モデルを、ネットワークを介して前記車両に送信する送信手段と、
前記車両において前記認識モデルとセンサ情報とに基づいて前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合に、前記車両から情報を収集するデータ収集手段とを備えるサーバ。
【0077】
[付記11]
前記選択された認識モデルに基づいて、前記車両において前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合に前記車両に送信させる情報を指定するパラメータを決定するパラメータ決定手段を更に有する付記10に記載のサーバ。
【0078】
[付記12]
前記認識モデル選択手段は、前記車両の位置情報に基づいて、前記車両に送信する認識モデルを選択する付記10又は11に記載のサーバ。
【0079】
[付記13]
前記認識モデル選択手段は、地理的な位置と、前記特定のシーンとを対応付けた地域特性情報から、前記車両の位置に対応付けられる特定のシーンを示す情報を取得し、該取得した情報が示す特定のシーンを識別するための認識モデルを前記車両に送信する認識モデルとして選択する付記12に記載のサーバ。
【0080】
[付記14]
前記認識モデル選択手段は、前記車両が走行している道路の種別に応じて、前記認識モデルを選択する付記10から13何れか1つに記載のサーバ。
【0081】
[付記15]
前記データ収集手段が収集した情報を用いて分析を行う分析装置を更に有する付記10から14何れか1つに記載のサーバ。
【0082】
[付記16]
車両であって、
サーバからネットワークを介して受信した、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルと、センサ情報とに基づいて、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定するシーン判定手段と、
前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報を、ネットワークを介して前記サーバに送信するデータ送信手段とを備える車両。
【0083】
[付記17]
前記データ送信手段は、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、前記サーバから受信した、前記サーバに送信する情報を指定するパラメータにおいて指定された情報を前記サーバに送信する付記16に記載の車両。
【0084】
[付記18]
前記センサ情報は、前記車両に搭載されるカメラを用いて取得される情報、速度センサを用いて取得される情報、及び加速度センサを用いて取得される情報の少なくとも1つを含む付記16又は17に記載の車両。
【0085】
[付記19]
前記車両は、前記サーバから前記認識モデルを受信し、前記シーン判定手段が使用する認識モデルを、前記受信した認識モデルで更新する認識モデル更新手段を更に有する付記16から18何れか1つに記載の車両。
【0086】
[付記20]
センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択し、
前記認識モデルを、ネットワークを介して前記車両に送信し、
前記車両において前記認識モデルとセンサ情報とに基づいて前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合に、前記車両から情報を収集する情報収集方法。
【0087】
[付記21]
サーバからネットワークを介して受信した、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルと、センサ情報とに基づいて、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定し、
前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報を、ネットワークを介して前記サーバに送信する情報送信方法。
【0088】
[付記22]
センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルを選択し、
前記認識モデルを、ネットワークを介して前記車両に送信し、
前記車両において前記認識モデルとセンサ情報とに基づいて前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合に、前記車両から情報を収集する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0089】
[付記23]
サーバからネットワークを介して受信した、センサ情報に基づいて車両が特定のシーンに対応した状況にあることを識別するための認識モデルと、センサ情報とに基づいて、前記車両が特定のシーンに対応した状況にあるか否かを判定し、
前記車両が特定のシーンに対応した状況にあると判定された場合、情報を、ネットワークを介して前記サーバに送信する処理をプロセッサに実行させるためのプログラムを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0090】
10:情報収集システム
20:サーバ
21:認識モデル選択手段
22:送信手段
23:データ収集手段
30:車両
31:シーン判定手段
32:データ送信手段
100:データ収集システム
110:サーバ
111:認識モデル選択部
112:パラメータ決定部
113:送信部
114:データ収集部
115:分析装置
150:ネットワーク
200:車両
201:周辺監視センサ
202:車両センサ
203:車両制御ECU
204:シーン認識ユニット
205:通信装置
241:認識モデル記憶部
242:シーン判定部
243:データ送信部
244:認識モデル更新部
300:交通情報システム
310:追突事故多発地点情報