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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   B25C 1/06 20060101AFI20250326BHJP
   B25C 1/04 20060101ALI20250326BHJP
   B25C 7/00 20060101ALI20250326BHJP
【FI】
B25C1/06
B25C1/04
B25C7/00 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023545069
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2022014716
(87)【国際公開番号】W WO2023032331
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2021141735
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】安富 俊徳
(72)【発明者】
【氏名】田子 達寛
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/208102(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/042981(WO,A1)
【文献】特開2018-069389(JP,A)
【文献】国際公開第2021/192838(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体が充填される圧力室を内部に有する蓄圧容器と、
前記圧力室の気体の圧力により移動することで止具を打撃する打撃部と、
前記蓄圧容器に形成され、前記蓄圧容器の外部と内部とを連通する連通路と、
前記連通路に取付けられ、前記蓄圧容器の外部と内部との連通を遮断すると共に、前記蓄圧容器の外部と内部とを連通する連通状態に切替わるバルブと、
を備え、
前記バルブは、
前記連通路に取付けられ、前記圧力室の内部と連通された開口部を有するバルブコアと、
前記バルブコアに移動可能に設けられ、前記開口部を閉塞する閉位置に配置されると共に、前記バルブの作動時に閉位置から移動することで前記開口部を開口させて前記バルブを前記連通状態とする弁体と、
を含んで構成され、
前記蓄圧容器に設けられ、前記弁体を前記閉位置に保持することで前記バルブが前記連通状態に切替わることを抑制する切替抑制機構と、
を備えた作業機。
【請求項2】
前記連通路は、第1方向に沿って貫通しており、
前記バルブは、前記連通路に対して前記第1方向の一方側から挿入されて前記連通路に取付けられており、
前記弁体は、前記閉位置において前記バルブコアから前記第1方向の一方側へ突出しており、前記バルブコアに対して前記第1方向の他方側へ移動可能であり、
前記切替抑制機構は、前記バルブコアの前記第1方向の一方側への移動を規制するストッパとして構成されている請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記連通路の前記第1方向の一方側部分には、前記連通路を塞ぐキャップが取付けられており、
前記バルブは、前記連通路の前記第1方向の他方側部分に取付けられて、
前記ストッパが、前記キャップと前記バルブとの間に配置されている請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記キャップには、被嵌合部が設けられ、
前記ストッパには、前記被嵌合部に嵌合可能に構成された嵌合部が設けられており、
前記嵌合部が前記被嵌合部に嵌合されて前記ストッパが前記キャップに固定されている請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
記ストッパは、閉位置の前記弁体と嵌合して前記弁体を閉位置に保持する弁体保持部を有している請求項2~請求項4の何れか1項に記載の作業機。
【請求項6】
前記ストッパは、弾性を有する弾性材によって構成されると共に、前記バルブコアを前記第1方向の他方側へ押圧している請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記切替抑制機構は、
前記連通路と前記バルブとの間に設けられ、前記バルブに入力される振動を吸収する振動吸収部材を含んで構成されている請求項1に記載の作業機。
【請求項8】
前記切替抑制機構は、前記バルブが組付けられ、前記バルブと前記振動吸収部材との間に配置された組付部材を含んで構成されている請求項7に記載の作業機。
【請求項9】
前記連通路は、第1方向に沿って貫通しており、
前記振動吸収部材は、
前記第1方向に直交する方向の振動を吸収する第1振動吸収部材と、
前記第1方向の振動を吸収する第2振動吸収部材と、
を含んで構成されている請求項7または8に記載の作業機。
【請求項10】
気体が充填される圧力室を内部に有する蓄圧容器と、
前記圧力室の気体の圧力により移動することで止具を打撃する打撃部と、
前記蓄圧容器に形成され、前記蓄圧容器の外部と内部とを連通する連通路と、
前記連通路に取付けられ、前記蓄圧容器の外部と内部との連通を遮断すると共に、前記蓄圧容器の外部と内部とを連通する連通状態に切替わるバルブと、
前記連通路と前記バルブとの間に設けられ、前記バルブに入力される振動を吸収する振動吸収部材と、
を備えた作業機。
【請求項11】
前記バルブが組付けられ、前記バルブと前記振動吸収部材との間に配置された組付部材を備えた請求項10に記載の作業機。
【請求項12】
前記打撃部は、第1方向に移動することで前記止具を打撃し、
前記バルブは、前記第1方向に移動することで前記蓄圧容器の外部と内部とを遮断する状態から前記連通状態に切り替わる、請求10または11に記載の作業機。
【請求項13】
前記振動吸収部材は、少なくとも前記第1方向において前記連通路と前記バルブとの間に設けられる、請求項12に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の打込機(作業機)は、内部が圧力室として構成された蓄圧容器に、バルブが設けられており、バルブによって、蓄圧容器の内部と外部とを遮断して、圧力室の気密状態を維持している。一方、作業者の操作によって、バルブの弁体を移動させることで、バルブによる遮断状態が解除されて、蓄圧室の内部と外部とが連通される。これにより、圧力室内の気体をバルブから排出したり、気体を圧力室内に補充することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/042981号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記打込機では、以下に示す点において改善の余地がある。すなわち、上記打込機では、打込み作業時に生じる振動によって、バルブの弁体がバルブコアに対して相対移動して、圧力室内の気体がバルブから蓄圧容器の外部に漏れる可能性がある。また、打込み作業時に生じる振動によって、バルブコアの蓄圧容器に対する固定が緩んで、圧力室内の気体がバルブから蓄圧容器の外部に漏れる可能性がある。このため、圧力室内の気体の外部への漏れを防止するために、バルブ等に対するメンテナンス作業を定期的に行う必要があり、打込機の作業性が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、作業性を向上することができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、気体が充填される圧力室を内部に有する蓄圧容器と、前記圧力室の気体の圧力により移動することで止具を打撃する打撃部と、前記蓄圧容器に形成され、前記蓄圧容器の外部と内部とを連通する連通路と、前記連通路に取付けられ、前記蓄圧容器の外部と内部との連通を遮断すると共に、前記蓄圧容器の外部と内部とを連通する連通状態に切替わるバルブと、を備え、前記バルブは、前記連通路に取付けられ、前記圧力室の内部と連通された開口部を有するバルブコアと、前記バルブコアに移動可能に設けられ、前記開口部を閉塞する閉位置に配置されると共に、前記バルブの作動時に閉位置から移動することで前記開口部を開口させて前記バルブを前記連通状態とする弁体と、を含んで構成され、前記蓄圧容器に設けられ、前記弁体を前記閉位置に保持することで前記バルブが前記連通状態に切替わることを抑制する切替抑制機構と、を備えた作業機である。
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記連通路は、第1方向に沿って貫通しており、前記バルブは、前記連通路に対して前記第1方向の一方側から挿入されて前記連通路に取付けられており、前記弁体は、前記閉位置において前記バルブコアから前記第1方向の一方側へ突出しており、前記バルブコアに対して前記第1方向の他方側へ移動可能であり、前記切替抑制機構は、前記バルブコアの前記第1方向の一方側への移動を規制するストッパとして構成されている作業機である。
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記連通路の前記第1方向の一方側部分には、前記連通路を塞ぐキャップが取付けられており、前記バルブは、前記連通路の前記第1方向の他方側部分に取付けられて、前記ストッパが、前記キャップと前記バルブとの間に配置されている作業機である。
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記キャップには、被嵌合部が設けられ、前記ストッパには、前記被嵌合部に嵌合可能に構成された嵌合部が設けられており、前記嵌合部が前記被嵌合部に嵌合されて前記ストッパが前記キャップに固定されている作業機である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ストッパは、閉位置の前記弁体と嵌合して前記弁体を閉位置に保持する弁体保持部を有している作業機である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ストッパは、弾性を有する弾性材によって構成されると共に、前記バルブコアを前記第1方向の他方側へ押圧している作業機である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記切替抑制機構は、前記連通路と前記バルブとの間に設けられ、前記バルブに入力される振動を吸収する振動吸収部材を含んで構成されている作業機である。本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記切替抑制機構は、前記バルブが組付けられ、前記バルブと前記振動吸収部材との間に配置された組付部材を含んで構成されている作業機である。
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記連通路は、第1方向に沿って貫通しており、前記振動吸収部材は、前記第1方向に直交する方向の振動を吸収する第1振動吸収部材と、前記第1方向の振動を吸収する第2振動吸収部材と、を含んで構成されている作業機である。本発明の1又はそれ以上の実施形態は、気体が充填される圧力室を内部に有する蓄圧容器と、前記圧力室の気体の圧力により移動することで止具を打撃する打撃部と、前記蓄圧容器に形成され、前記蓄圧容器の外部と内部とを連通する連通路と、前記連通路に取付けられ、前記蓄圧容器の外部と内部との連通を遮断すると共に、前記蓄圧容器の外部と内部とを連通する連通状態に切替わるバルブと、前記連通路と前記バルブとの間に設けられ、前記バルブに入力される振動を吸収する振動吸収部材と、を備えた作業機である本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記バルブが組付けられ、前記バルブと前記振動吸収部材との間に配置された組付部材を備えた作業機である。本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記打撃部は、第1方向に移動することで前記止具を打撃し、前記バルブは、前記第1方向に移動することで前記蓄圧容器の外部と内部とを遮断する状態から前記連通状態に切り替わる作業機である。本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記振動吸収部材は、少なくとも前記第1方向において前記連通路と前記バルブとの間に設けられる作業機である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る打込機を示す左側から見た側面図である
図2図1に示される打込機の前側から見た正面図である。
図3図1に示される打込機のハウジング内を示す左側から見た側面図である。
図4図3に示されるノーズ、シリンダ、及び蓄圧容器の結合状態を示す左側から見た断面図である。
図5図1に示される打込機の下端部周辺を示す前側から見た断面図(図1の5-5線断面図)である。
図6図3に示される打込機の下端部周辺を示す斜視図である。
図7図6に示される打込機における打込深さ調整機構の右側から見た断面図である。
図8図7に示される打込深さ調整機構のプッシュレバーユニットが上側へ移動して許可位置に配置された状態を示す右側から見た断面図である。
図9図1に示される打込機の下端部周辺を示す上側から見た断面図(図1の9-9線断面図)である。
図10図4に示される蓄圧容器に設けられたバルブ機構を拡大して示す拡大断面図である。
図11図10に示されるバルブ機構のバルブキャップ及びバルブストッパの連通路からの取外しを説明するための断面図である。
図12】第2実施形態に係る打込機のバルブ機構を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態) 以下、図1図11を用いて、第1実施形態に係る作業機としての打込機10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印RHは、それぞれ打込機10の上側、前側、右側を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、打込機10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。そして、上下方向が本発明の第1方向に対応し、上側が、本発明の第1方向一方側に対応する。
【0017】
図1図3に示されるように、打込機10は、打込機本体12を有しており、打込機本体12には、マガジン60が組付けられている。そして、打込機10は、マガジン60に装填された止具としての釘Nを被打込材Wに打ち込む電動工具として構成されている。打込機本体12は、ハウジング14、ノーズ30、シリンダ40、蓄圧容器42、及び駆動機構50を含んで構成されている。また、打込機本体12は、打込深さ調整機構80、空打防止機構100、及びバルブ機構110を有している。以下、打込機10の各構成について説明する。
【0018】
(ハウジング14について) ハウジング14は、左側から見た側面視で、中空の略逆P字形状に形成されている。具体的には、ハウジング14は、上下方向に延在された本体ハウジング部14Aと、本体ハウジング部14Aの上下方向中間部から後斜め上方へ延出されたハンドル部14Bと、本体ハウジング部14Aの下端部から後側へ延出されたモータハウジング部14Cと、を有している。また、モータハウジング部14Cの後端部は、上側へ屈曲されて、ハンドル部14Bの後端部と接続されている。
【0019】
モータハウジング部14Cの後端部内には、後述するモータ52を制御して、後述する打撃部44の駆動を制御する制御部20が設けられている。また、ハンドル部14Bの後端部は、バッテリ装着部14Dとして構成されており、バッテリ装着部14Dには、バッテリ22が着脱可能に装着されている。バッテリ22は、制御部20と電気的に接続されており、バッテリ22から制御部20へ電力を供給する。
【0020】
ハンドル部14Bの前端部内には、トリガ24が設けられている。トリガ24は、ハンドル部14Bから下側へ突出すると共に、上側へ引き操作可能に構成されている。また、ハンドル部14Bの前端部内には、図示しないトリガスイッチが設けられている。トリガ24が引き操作されると、トリガスイッチが押圧されて、トリガスイッチから制御部20に検出信号が出力される構成になっている。
【0021】
(ノーズ30について) 図1図6に示されるように、ノーズ30は、金属製とされて、本体ハウジング部14Aの下端部内に配置されている。ノーズ30は、ノーズ30の上端部を構成するノーズ取付筒部30Aと、ノーズ取付筒部30Aから下側へ延出された射出部本体30Bと、を有している。ノーズ取付筒部30Aは、上側へ開放された略有底円筒状に形成されている。ノーズ取付筒部30Aの底壁の中央部には、射出孔30Cが貫通形成されている。ノーズ取付筒部30Aの内部には、略円筒状のバンパ36(図4及び図5参照)が収容されている。そして、後述する打撃部44の上死点から下死点への下降時に、打撃部44がバンパ36に衝突して、打撃部44の運動エネルギーをバンパ36によって吸収するようになっている。
【0022】
射出部本体30Bは、ノーズ取付筒部30Aから下側へ延出されている。射出部本体30Bには、ブレードガイド32が設けられている。ブレードガイド32は、上下方向に延在された略矩形筒状に形成されると共に、射出孔30Cの下側に配置されている。また、ブレードガイド32は、ブレードガイド32の前部を構成する前側ガイド部材32Aと、ブレードガイド32の後部を構成する後側ガイド部材32Bと、で構成されており、前側ガイド部材32A及び後側ガイド部材32Bが、射出部本体30Bに締結固定されている。
【0023】
図9に示されるように、ブレードガイド32の内部は射出路32Cとして構成されており、射出路32Cは、前述の射出孔30Cの下側に配置されている。また、後側ガイド部材32Bには、ガイドスリット32Dが形成されて、ガイドスリット32Dによって射出路32Cが後側へ開放されている。後側ガイド部材32Bには、ガイドスリット32Dの左側において、後述するフィーダ検知レバー101を収容するためのレバー収容部32Eが設けられており、レバー収容部32Eは、後側へ開放された略有底矩形筒状に形成されている。レバー収容部32Eの前壁には、円形状の挿通孔32Fが貫通形成されている。
【0024】
また、射出部本体30Bには、レバー収容部32Eの前側において、後述するセンサ基板95を収容するための基板収容部30Dが形成されている。基板収容部30Dは、後側へ開放された凹状に形成されて、基板収容部30D及びレバー収容部32Eが挿通孔32Fによって連通されている。さらに、射出部本体30Bの前面には、基板収容部30Dの前側において、前側へ突出したガイドレール30Eが形成されており、ガイドレール30Eは、上下方向に延在された矩形ブロック状に形成されている(図6参照)。ガイドレール30Eには、ガイド溝30E1が形成されており、ガイド溝30E1は、上下方向に延在され且つ前側へ開放されると共に、下側から見て略T字形溝に形成されている。さらに、射出部本体30Bには、基板収容部30Dとガイド溝30E1とを連通するセンサ孔30F(図7及び図8参照)が貫通形成されている。図5及び図6に示されるように、射出部本体30Bの上端部における右部には、後述する変換機を収容する変換部収容部30Gが形成されており、変換部収容部30Gは、前後方向を軸方向とする円筒状に形成されている。
【0025】
(シリンダ40について) 図3図5に示されるように、シリンダ40は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成され、ノーズ30の上側で且つ本体ハウジング部14A内に配置されている。シリンダ40の上端部の外周部には、雄ねじ40Aが形成されており、シリンダ40の下端部の外周部には、雄ねじ40Bが形成されている。そして、シリンダ40の下端部の雄ねじ40Bが、ノーズ取付筒部30Aの内周部に形成された雌ねじ30Hに螺合されて、シリンダ40がノーズ取付筒部30Aに締結固定されている。
【0026】
(蓄圧容器42について) 図3及び図4に示されるように、蓄圧容器42は、下側へ開放された有底円筒状に形成されている。蓄圧容器42の下部は、容器取付筒部42Aとして構成されており、容器取付筒部42Aは、上下方向を軸方向とする円筒状に形成されている。容器取付筒部42Aの内周面には、雌ねじ42Cが形成されており、雌ねじ42Cが、シリンダ40の雄ねじ40Aに螺合されて、蓄圧容器42がシリンダ40に締結固定されている。
【0027】
蓄圧容器42の上部は、容器取付筒部42Aよりも拡径に形成されており、蓄圧容器42の上部の外周部が、縦断面視で、蓄圧容器42の径方向外側へ凸となる略円弧状に湾曲している。また、蓄圧容器42の内部は、圧力室42Bとして構成されており、圧力室42Bは、シリンダ40の内部と連通している。圧力室42Bには、気体が充填されている。圧力室42B内に充填される気体は、空気、不活性ガス等であり、本実施の形態では、空気が圧力室42B内に充填されている。また、蓄圧容器42の頂壁における中央部には、バルブ機構110が設けられており、作業者がバルブ機構110を用いることで、圧力室42B内に空気を補充することができるようになっている。バルブ機構110については後述する。
【0028】
(打撃部44について) 図4及び図5に示されるように、打撃部44は、上下方向に延在された長尺状に形成されると共に、上下方向に移動可能にシリンダ40内に収容されている。具体的には、打撃部44は、上死点(図4において2点鎖線にて示される位置)と、上死点から下側へ移動した下死点(図4及び図5において実線にて示される位置)と、の間を移動可能に構成されている。打撃部44は、打撃部44の上端部を構成するピストン46と、ピストン46から下側へ延出されたドライバブレード48と、を含んで構成されている。
【0029】
ピストン46は、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されており、ピストン46の外径がシリンダ40の内径よりも僅かに小さく設定されている。ピストン46の中央部には、後述するドライバブレード48を取付けるためのブレード取付部46Aが形成されており、ブレード取付部46Aは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ピストン46から下側へ延出されている。
【0030】
ドライバブレード48は、上下方向に延在された略長尺状に形成されている。ドライバブレード48の上端部がブレード取付部46A内に嵌入されて、ドライバブレード48がピストン46から下側へ延出している。そして、ドライバブレード48は、ノーズ30の射出路32C内を移動可能に構成されており、打撃部44が上死点から下死点へ移動することで、射出路32C内の釘Nをドライバブレード48によって上側から打撃するように構成されている。
【0031】
(駆動機構50について) 図3及び図5に示されるように、駆動機構50は、モータ52、減速機構部53、及び変換部55を有している。モータ52は、ブラシレスモータとして構成されており、モータハウジング部14Cの後端側内に収容されると共に、制御部20に電気的に接続されている。モータ52は、前後方向を軸方向とする駆動軸52Aを有しており、駆動軸52Aの前端部が、モータ52の前側に配置された減速機構部53に連結されている。また、減速機構部53は、ノーズ30の変換部収容部30G内に設けられた回転軸54に連結されており、モータ52の回転力が減速機構部53を介して回転軸54に伝達される構成になっている。
【0032】
変換部55は、変換部収容部30G内に配置されている。変換部55は、回転軸54の回転力をドライバブレード48に伝達して、ドライバブレード48を上側へ移動させる機構部として構成されている。変換部55は、回転軸54に固定されたピンホイール56と、ピンホイール56に設けられた複数のピニオンピン57と、ドライバブレード48に形成された複数のラック部48Aと、を含んで構成されている。ピニオンピン57は、回転軸54の周方向に所定の間隔を空けて配置されており、ラック部48Aは、上下方向に所定の間隔を空けて配置されている。
【0033】
また、ピニオンピン57は、ラック部48Aに係合及び係合解除可能に構成されている。そして、ピンホイール56が回転して、ピニオンピン57がラック部48Aに係合することで、ドライバブレード48が上側へ移動するように構成されている。一方、ピニオンピン57とラック部48Aとの係合状態が解除されることで、打撃部44が圧力室42B内の圧力によって下降するように構成されている。
【0034】
(マガジン60について) 図1図2図4図6、及び図9に示されるように、マガジン60は、マガジンケース62と、フィーダ64と、を含んで構成されている。マガジンケース62は、左右方向を厚み方向とする略長尺偏平状に形成されており、左側から見て、後側へ向かうに従い上側へ傾斜する方向(以下、この方向を傾斜方向という)に延在されている。マガジンケース62は、モータハウジング部14Cの左側に隣接配置されており、マガジンケース62の前端部が、ノーズ30の射出部本体30Bに取付けられ、マガジン60の後端部が、モータハウジング部14Cに固定されている。なお、マガジンケース62は、上側から見て、後斜め左に若干傾斜している(図9参照)。
【0035】
マガジンケース62には、傾斜方向に沿って延在された第1ガイドレール62A及び第2ガイドレール62Bが形成されている。第1ガイドレール62Aの内部は、釘Nが装填される収容部として構成されると共に、ガイドスリット32Dを介して射出路32Cと連通されている(図9参照)。第2ガイドレール62Bには、釘Nを射出路32Cに供給するためのフィーダ64が相対移動可能に組付けられている。フィーダ64は、図示しない付勢バネによって前端側に付勢されている。これにより、釘Nが、フィーダ64によって射出部本体30Bの射出路32C内に供給される。また、フィーダ64の前端部には、後述するフィーダ検知レバー101を押圧するための押圧部64Aが形成されている。
【0036】
(打込深さ調整機構80について) 図6図8に示されるように、打込深さ調整機構80は、プッシュレバーユニット81と、検知スライダ92と、レバー用ポジションセンサ94と、を含んで構成されている。
【0037】
プッシュレバーユニット81は、ノーズ30の射出部本体30Bの前側において上下方向に延在されると共に、上下方向に相対移動可能に射出部本体30Bに連結されている。具体的には、プッシュレバーユニット81は、レバー初期位置(図3及び図7に示される位置)と、レバー初期位置から上側へ移動した許可位置(図8に示される位置)と、の間を移動可能に構成されている。プッシュレバーユニット81は、連結軸82と、アジャスタ86と、プッシュレバー90と、を含んで構成されている。
【0038】
連結軸82は、上下方向に延在された略矩形柱状に形成されて、射出部本体30Bの上端部の前側に配置されている。そして、連結軸82の上端部が、ノーズ30に固定された筒状の支持筒83内に、上下方向に相対移動可能に挿入されている。連結軸82の下端側部分には、略円環板状のバネ受け部材84が固定されており、バネ受け部材84は、連結軸82の径方向外側に配置されている。
【0039】
アジャスタ86は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、バネ受け部材84の下側に配置されている。そして、連結軸82の下端部がアジャスタ86の上端部内に挿入されて、アジャスタ86が連結軸82に回転可能に支持されている。なお、連結軸82の下端部に設けられた連結ピン87によって、アジャスタ86の連結軸82への連結状態が維持されている。アジャスタ86の外周部の下端側部分には、溝部86Aが形成されている。
【0040】
また、連結軸82の下端部には、バネ受け部材84とアジャスタ86との間において、ストッパプレート88が設けられており、ストッパプレート88は、後側へ延出された当接片88Aを有している。さらに、連結軸82には、圧縮コイルスプリングとして構成されたプッシュバネ89が装着されており、プッシュバネ89がプッシュレバーユニット81を下側へ付勢している。これにより、当接片88Aが、ノーズ30における射出部本体30Bのガイドレール30Eの上面に当接して、プッシュレバーユニット81がレバー初期位置に保持されている。
【0041】
プッシュレバー90は、前後方向を板厚方向とし、且つ上下方向に延在された略長尺板状に形成されている。プッシュレバー90の上端部は、屈曲されて、アジャスタ86の下側に配置されている。そして、プッシュレバー90の上端部に設けられた調整軸91が、アジャスタ86の内周面に形成されたネジ部に螺合されて、プッシュレバー90がアジャスタ86にねじ結合されている。よって、アジャスタ86を軸回りに回転させることで、プッシュレバー90がアジャスタ86に対して上下方向に相対移動して、プッシュレバーユニット81が上下方向に伸縮するように構成されている。
【0042】
そして、プッシュレバーユニット81のレバー初期位置では、プッシュレバー90の下端部が、ブレードガイド32よりも下側へ突出している。一方、プッシュバネ89の付勢力に抗して、プッシュレバー90を上側へ移動させることで、プッシュレバーユニット81が許可位置に配置される設定になっている。これにより、釘Nの被打込材Wへの打込み深さを調節するように構成されている。
【0043】
図9にも示されるように、検知スライダ92は、樹脂製とされ、上側から見て略T字形ブロック状に形成されており、検知スライダ92の後端部には、左右方向外側へ突出した左右一対のフランジ部92Aが設けられている。そして、検知スライダ92の後端部が、ガイドレール30Eのガイド溝30E1内に下側から挿入されて、上下方向に相対移動可能に射出部本体30Bに連結されている。
【0044】
検知スライダ92の前面の上下方向中間部には、連結溝92Bが形成されており、連結溝92Bは、左右方向に貫通している。そして、アジャスタ86の下端部が連結溝92Bに挿入されて、アジャスタ86と検知スライダ92とが上下方向に係合している。これにより、検知スライダ92とアジャスタ86とが上下方向に一体移動可能に連結されると共に、アジャスタ86が検知スライダ92に対して相対回転可能に構成されている。検知スライダ92の後部には、磁石93が埋設されている。磁石93は、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成されている。
【0045】
レバー用ポジションセンサ94は、基板収容部30Dに収容されたセンサ基板95に設けられている。センサ基板95は、樹脂製の基板ホルダ96を介して射出部本体30Bに取付けられている。レバー用ポジションセンサ94は、センサ基板95の前面の上部に設けられると共に、センサ孔30Fの後側に配置されている。レバー用ポジションセンサ94は、ホール素子として構成された磁気センサであり、制御部20に電気的に接続されている。そして、プッシュレバーユニット81の許可位置では、磁石93が、センサ孔30Fを介してレバー用ポジションセンサ94と前後方向に対向配置される構成になっている。これにより、レバー用ポジションセンサ94は、磁石93の磁束密度に応じた検出信号を制御部20へ出力して、制御部20がレバー用ポジションセンサ94の検出信号に基づいて、プッシュレバーユニット81の許可位置を検知する。
【0046】
(空打防止機構100について) 図7図9に示されるように、空打防止機構100は、フィーダ検知レバー101と、フィーダ用ポジションセンサ105と、を含んで構成されている。フィーダ検知レバー101は、略円柱状に形成されて、射出部本体30Bのレバー収容部32E内に相対移動可能に収容されている。フィーダ検知レバー101の前端側部分は、レバー収容部32Eの挿通孔32F内を挿通している。フィーダ検知レバー101の後端部には、径方向外側へ張り出されたフランジ部101Aが形成されている。また、フィーダ検知レバー101には、圧縮コイルバネとして構成されたリターンスプリング103が装着されて、リターンスプリング103がフィーダ検知レバー101を後側へ付勢している。そして、フランジ部101Aが、レバー収容部32Eの設けられた止め輪104に当接して、フィーダ検知レバー101が離間位置(図9において2点鎖線にて示される位置)に保持されている。
【0047】
フィーダ検知レバー101の前端部には、磁石102が埋設されており、磁石102の前面が、フィーダ検知レバー101の前面と面一に配置されている。そして、釘Nの残量が所定本数以下になったときには、マガジン60のフィーダ64の押圧部64Aが、フィーダ検知レバー101の後端部を前方側へ押圧して、フィーダ検知レバー101が、後述するフィーダ用ポジションセンサ105に接近する接近位置(図9に実線にて示される位置)に配置される構成になっている。
【0048】
フィーダ用ポジションセンサ105は、センサ基板95の後面の下部に設けられると共に、フィーダ検知レバー101の前側に配置されている。フィーダ用ポジションセンサ105は、レバー用ポジションセンサ94と同様に、ホール素子として構成された磁気センサであり、制御部20に電気的に接続されている。これにより、制御部20がフィーダ用ポジションセンサ105の検出信号に基づいて、フィーダ検知レバー101の接近位置への移動を検知すると共に、釘Nの残量が所定本数以下であることを検知する構成になっている。
【0049】
(バルブ機構110について) 図4に示されるように、バルブ機構110は、蓄圧容器42の頂壁に設けられている。図10に示されるように、バルブ機構110は、取付ベース部120と、バルブ130と、キャップとしてのバルブキャップ140と、切替抑制機構及びストッパとしてのバルブストッパ150と、を含んで構成されている。
【0050】
(取付ベース部120について) 取付ベース部120は、蓄圧容器42の頂壁における中央部に設けられている。取付ベース部120は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されており、蓄圧容器42の頂壁から下側(圧力室42B側)へ延出している。取付ベース部120の外径は、上側へ向かうに従い大きくなるように設定されており、取付ベース部120の外周部が、縦断面視で、上側へ向かうに従い径方向外側へ曲線状に湾曲している。取付ベース部120の内部は、連通路122として構成されている。連通路122は、上下方向に貫通しており、連通路122によって、蓄圧容器42の内部(圧力室42B)と外部とが連通している。
【0051】
連通路122の上部は、後述するバルブキャップ140を取付けるキャップ取付部123として構成されており、連通路122の下部は、後述するバルブ130を取付けるバルブ取付部124として構成されている。キャップ取付部123は、段付き孔状に形成されている。具体的には、キャップ取付部123の上部が上側キャップ取付部123Aとして構成され、キャップ取付部123の下部が下側キャップ取付部123Bとして構成されており、上側キャップ取付部123Aの内径が、下側キャップ取付部123Bの内径よりも大きく設定されている。上側キャップ取付部123Aの内周面には、雌ねじ123A1が形成されている。
【0052】
バルブ取付部124の内径は、下側キャップ取付部123Bの内径よりも小さく設定されている。バルブ取付部124の上部の内周部には、雌ねじ124Aが形成されている。バルブ取付部124の下部には、テーパ部124Bが形成されており、テーパ部124Bの内径が下側へ向かうに従い小さくなるように設定されている。これにより、テーパ部124Bは、縦断面視で、下側へ向かうに従い連通路122の径方向内側に直線状に傾斜している。
【0053】
(バルブ130について) バルブ130は、バルブコア132と、弁体としてのプランジャ134と、付勢部材としてのバルブスプリング136と、を含んで構成されている。
【0054】
バルブコア132は、バルブ130の外郭を構成している。バルブコア132は、全体として下側へ開放された略有底円筒状に形成されている。なお、バルブコア132は、上下に2分割されたコア部材によって構成されており、コア部材を互いに組付けることで、バルブコア132が形成されている。バルブコア132の上端部における外周部には、雄ねじ132Aが形成されている。そして、バルブコア132が上側から連通路122内に挿入され、雄ねじ132Aがバルブ取付部124の雌ねじ124Aに螺合されて、バルブコア132(バルブ130)がバルブ取付部124に取付けられている。バルブコア132の上下方向中間部における外周部には、バルブ取付部124のテーパ部124Bに対応するテーパ部132Bが形成されており、テーパ部132Bの外径が下側へ向かうに従い小さくなるように設定されている。そして、テーパ部132Bが、バルブ取付部124のテーパ部124Bに当接して、バルブ130の下側への移動が規制されている。
【0055】
バルブコア132のバルブ取付部124への取付状態では、バルブコア132の下端部が取付ベース部120から下側へ突出しており、バルブコア132の下側の開口部132Cが圧力室42Bの内部に配置されている。バルブコア132の下端側部分には、テーパ部132Bの下側において、後述するバルブスプリング136を係止するためのコア側係止部132Dが形成されている。コア側係止部132Dは、下側へ向かうに従い径方向内側へ傾斜する傾斜壁で構成されている。バルブコア132の頂壁には、中央部において、円形状の挿通孔132Eが貫通形成されている。
【0056】
プランジャ134は、バルブコア132の開口部132Cを開閉するための開閉部材として構成されている。プランジャ134は、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、バルブコア132の内部に上下方向に移動可能に収容されている。具体的には、プランジャ134は、後述するバルブスプリング136によって、図10に示される閉位置に保持されており、閉位置から下側へ移動可能に構成されている。プランジャ134の上端側部分は、バルブコア132内を挿通して、プランジャ134の上端部がバルブコア132から上側へ突出している。
【0057】
また、プランジャ134の下端側部分の外周部には、開閉弁部134Aが形成されており、開閉弁部134Aは、略リング状に形成されてプランジャ134の径方向外側へ突出している。そして、プランジャ134の閉位置では、開閉弁部134Aによってバルブコア132の開口部132Cが閉塞されており、プランジャ134が閉位置から下降することで、バルブコア132の開口部132Cが開口された状態(連通状態)に切替わる。プランジャ134の上端側部分には、後述するバルブスプリング136を係止するためのプランジャ側係止部134Bが形成されている。プランジャ側係止部134Bは、プランジャ134の径方向外側へ突出して、バルブコア132内に配置されている。また、プランジャ134の上端部には、径方向外側へ膨出したプランジャ頭部134C(広義には、係合部として把握される要素である)が形成されている。プランジャ頭部134Cの外周部は、縦断面視で、径方向外側へ凸となる略半円状に形成されている。
【0058】
バルブスプリング136は、圧縮コイルバネとして構成されて、プランジャ134の上下方向中間部に装着されている。バルブスプリング136の上端部は、プランジャ側係止部134Bに係止され、バルブスプリング136の下端部は、バルブコア132のコア側係止部132Dに係止されて、バルブスプリング136がプランジャ134を上側へ付勢している。このため、バルブ130の非作動状態では、バルブスプリング136によってプランジャ134が閉位置に保持されて、バルブコア132の開口部132Cが閉塞されている。これにより、バルブ130によって、蓄圧容器42の内部(圧力室42B)と外部とが遮断されて、圧力室42Bの気密状態が維持されている。一方、圧力室42Bに空気を補充するときなどは、図示しないエアコンプレッサ等のアタッチメントを連通路122に差し込んで、バルブ130を作動させて、空気を補充するようになっている。詳しくは、プランジャ134をバルブスプリング136の付勢力に抗して閉位置から下降させることで、バルブコア132の開口部132Cが開放され、この状態で、空気を補充する。
【0059】
(バルブキャップ140について) バルブキャップ140は、上下方向を軸方向とする略段付き円柱状に形成されている。具体的には、バルブキャップ140は、バルブキャップ140の上端部を構成する円板状のキャップ頭部141と、キャップ頭部141から下側へ延出された上側軸部142と、上側軸部142から下側へ延出した下側軸部143と、を含んで構成されている。上側軸部142の直径は、キャップ頭部141の直径よりも小さく設定され、下側軸部143の直径は、上側軸部142の直径及び連通路122における下側キャップ取付部123Bの内径よりも小さく設定されている。上側軸部142の外周部には、雄ねじ142Aが形成されている。
【0060】
そして、バルブキャップ140が連通路122のキャップ取付部123に上側から取付けられている。具体的には、バルブキャップ140の上側軸部142の雄ねじ142Aが、上側キャップ取付部123Aの雌ねじ123A1に螺合され、下側軸部143が、下側キャップ取付部123B内に配置されている。また、バルブキャップ140の蓄圧容器42への取付状態では、バルブキャップ140の下端が、バルブ130のプランジャ134の上側に離間して配置されている。
【0061】
下側軸部143の上下方向中間部における外周部には、シール溝143Aが形成されている。シール溝143Aは、下側軸部143の周方向に延在されると共に、周方向全体に亘って形成されている。シール溝143A内には、弾性を有するリング状のシール部材146が設けられており、取付ベース部120とバルブキャップ140との間がシール部材146によってシールされている。
【0062】
バルブキャップ140の下端部には、被嵌合部としてのキャップ被固定部144が設けられている。キャップ被固定部144は、下側軸部143よりも小径の略円柱状に形成されて、下側軸部143から下側へ突出している。キャップ被固定部144の外周部の上部には、キャップ溝144Aが形成されている。キャップ溝144Aは、キャップ被固定部144の周方向に延在されると共に、周方向全体に亘って形成されている。
【0063】
(バルブストッパ150について) バルブストッパ150は、ゴム等の弾性を有する材料で構成されている。バルブストッパ150は、上下方向を軸方向とする略段付き円筒状に形成されると共に、連通路122におけるバルブ130とバルブキャップ140との間に配置されている。
【0064】
バルブストッパ150の上端部は、嵌合部としてのストッパ固定部152として構成されており、ストッパ固定部152は、上側へ開放された略有底円筒状に形成されている。ストッパ固定部152の内周部の下部には、バルブキャップ140におけるキャップ被固定部144のキャップ溝144Aに対応したストッパ溝152Aが形成されており、ストッパ溝152Aは、ストッパ固定部152の周方向に沿って延在されると共に、周方向全体に亘って形成されている。そして、キャップ被固定部144がストッパ固定部152内に上側から嵌め込まれ、キャップ溝144Aとストッパ溝152Aとが上下方向に係合して、バルブストッパ150がバルブキャップ140に固定されている。また、バルブストッパ150のバルブキャップ140への固定状態では、ストッパ固定部152の上面がバルブキャップ140の下側軸部143の下面に当接している。さらに、ストッパ固定部152の外径は、連通路122の下側キャップ取付部123Bの内径よりも僅かに小さく設定されており、ストッパ固定部152が、下側キャップ取付部123Bの下端部内に配置されている。
【0065】
バルブストッパ150の下部は、弁体保持部としてのストッパ本体部154として構成されている。ストッパ本体部154は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ストッパ固定部152から下側へ延出している。ストッパ本体部154の下面は、バルブコア132の上面に当接しており、ストッパ本体部154が上下方向に圧縮変形している。これにより、バルブストッパ150が、バルブコア132を下側へ押圧する押圧部材として機能すると共に、バルブコア132の上側への移動を規制する規制部材としての機能するように構成されている。より詳しくは、バルブストッパ150が、バルブコア132を下側へ押圧することで、バルブコア132の取付ベース部120に対する相対回転を規制して、バルブ130の固定の緩みを抑制するようになっている。
【0066】
また、バルブストッパ150の下面の中央部には、下側へ開放されたザグリ部154Aが形成されており、ザグリ部154Aの直径は、プランジャ頭部134Cの直径よりも大きく設定されている。ザグリ部154Aの天面には、保持孔154Bが上下方向に貫通している。保持孔154Bの内径は、下側へ向かうに従い径方向外側へ若干傾斜している。具体的には、保持孔154Bの下端の直径が、プランジャ頭部134Cの直径と略一致している。そして、プランジャ頭部134Cが、保持孔154B内に下側から挿入され、保持孔154Bが径方向外側へ弾性変形して、閉位置のプランジャ134をストッパ本体部154によって保持している。すなわち、バルブストッパ150は、プランジャ134を閉位置に保持する保持部材としても機能するようになっている。
【0067】
なお、バルブキャップ140を蓄圧容器42のキャップ取付部123に取付けるときには、バルブストッパ150を固定した状態のバルブキャップ140を連通路122に上側から差し込むと共に、プランジャ134のプランジャ頭部134Cをバルブストッパ150の保持孔154B内に下側から差し込むようになっている。このため、プランジャ頭部134Cの保持孔154Bへの差し込み時に、プランジャ134が閉位置から下降しないように、バルブスプリング136の付勢力やバルブストッパ150の硬度等が設定されている。
【0068】
また、圧力室42Bへの空気補充時に、バルブキャップ140を連通路122から取外すときには、バルブストッパ150のバルブキャップ140への固定状態が維持される構成になっている(図11参照)。つまり、バルブキャップ140のキャップ被固定部144とバルブストッパ150のストッパ固定部152との嵌合状態が維持されたまま、プランジャ134の上端部が、バルブストッパ150の保持孔154Bから抜け出るように、キャップ溝144A及びストッパ溝152Aの溝深さやバルブストッパ150の硬度等が設定されている。
【0069】
(作用効果) 次に、打込機10の動作を説明しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0070】
打込機10の非作動状態では、プッシュレバーユニット81が、レバー初期位置に配置されており、プッシュレバー90の下端部が、ブレードガイド32よりも下側へ突出している。また、この状態では、打込深さ調整機構80の磁石93が、レバー用ポジションセンサ94よりも下側に配置されており、制御部20は、レバー用ポジションセンサ94の検出信号に基づいて、プッシュレバー90のレバー初期位置を検知する。また、制御部20は、トリガスイッチの出力信号に基づいて、トリガ24の非操作を検知する。
【0071】
さらに、制御部20は、プッシュレバー90のレバー初期位置又はトリガ24の非操作を検知すると、モータ52に対する駆動を停止(禁止)する。このため、打込機10の非作動状態では、モータ52の駆動が停止されている。また、この状態では、ピニオンピン57とラック部48Aとが係合して、打撃部44が下死点と上死点との間の待機位置に配置されている。また、この待機位置では、打撃部44の下端部が、釘Nの上下方向中間部に対応する位置に配置されて、射出路32C内に釘Nが供給されていない。
【0072】
そして、制御部20は、プッシュレバーユニット81の許可位置及びトリガ24に対する操作を検知すると、モータ52を駆動する。具体的には、打込機10を下側(被打込材W側)へ押込むと、プッシュレバーユニット81がプッシュバネ89の付勢力に抗してレバー初期位置から上側へ移動する。これにより、検知スライダ92がプッシュレバーユニット81と共に上側へ移動する。そして、プッシュレバーユニット81が許可位置に到達すると、磁石93とレバー用ポジションセンサ94とが前後方向に対向配置されて、制御部20がプッシュレバーユニット81の許可位置を検知する。また、制御部20は、トリガスイッチからの出力信号に基づいて、トリガ24の操作を検知する。
【0073】
モータ52が駆動すると、モータ52の駆動力によってピンホイール56が回転して、打撃部44が上死点に上昇する。そして、打撃部44の上死点では、ピニオンピン57とラック部48Aとの係合状態が解除される。また、この状態では、ドライバブレード48の下端が釘Nより上側に配置されて、釘Nが射出路32C内に供給される。そして、打撃部44は、圧力室42B内の圧力によって下死点に下降すると共に、釘Nを下側へ打撃する。これにより、釘Nが射出部34から下側へ射出して、被打込材Wに打ち込まれる。
【0074】
制御部20は、釘Nの被打込材Wへの打込み後もモータ52を駆動している。このため、ピニオンピン57がラック部48Aに再び係合して、打撃部44が、下死点から上昇して、待機位置に配置される。なお、制御部20には、打撃部44の上下位置を検出する位置センサ(図示省略)が接続されており、制御部20は、位置センサからの出力信号に基づいて、打撃部44の待機位置を検知する。そして、制御部20が、打撃部44の待機位置への到達を検知すると、モータ52を停止させる。
【0075】
また、打込機10では、バルブ機構110が蓄圧容器42の頂壁に設けられており、バルブ機構110は、圧力室42Bに空気を補充するためのバルブ130を有している、このバルブ130は、蓄圧容器42に形成された連通路122内に上側から挿入され、連通路122のバルブ取付部124に取付けられている。具体的には、蓄圧容器42におけるバルブ取付部124の雌ねじ124Aにバルブ130の雄ねじ132Aが螺合されている。
【0076】
ここで、バルブ機構110は、バルブストッパ150を有しており、バルブストッパ150が、バルブ130の上側に配置されて、バルブコア132を下側へ押圧している。すなわち、バルブストッパ150が、バルブコア132(バルブ130)の上側への移動を規制している。このため、バルブ130の取付状態を良好に維持することができると共に、打込機10の作業性を向上することができる。以下、この点について説明する。
【0077】
すなわち、打込機10では、蓄圧容器42の内部は圧力室42Bとして構成され、打込機10の作動時には、圧力室42B内の圧力によって、打撃部44が、上死点から下死点に下降して、バンパ36に衝突しつつ、釘Nを下側へ打撃する。このため、打撃部44がバンパ36に衝突することで、振動がノーズ30に発生する。これにより、打撃部44が下死点に下降する毎に、ノーズ30に生じる振動が、シリンダ40及び蓄圧容器42からバルブ130に伝達される。また、バルブ130には、圧力室42B内の空気圧が作用している。すなわち、バルブ130には、当該空気圧による上側への押圧力が作用している。
【0078】
このため、仮に、バルブ機構110においてバルブストッパ150を省略した場合には、バルブ130に入力される振動とバルブ130に作用する空気圧によって、バルブ130とバルブ取付部124とのねじ結合が解除されて(緩んで)、バルブ130が上側へ変位する可能性がある。そして、バルブ130の上側への変位により、プランジャ134が、バルブキャップ140に当接して閉位置から下側へ移動した場合には、バルブコア132の開口部132Cが開口して、圧力室42B内の空気がバルブ130から蓄圧容器42の外部に漏れる状態(連通状態)となる虞がある。したがって、圧力室42Bの空気漏れを防止するために、バルブ130を再度ネジ締めするなどのメンテナンス作業を定期的に行う必要があり、打込機10の作業性が低下する可能性がある。
【0079】
これに対して、第1実施形態の打込機10のバルブ機構110は、上述のように、バルブストッパ150を有しており、バルブストッパ150が、バルブコア132を上側から押圧して、バルブコア132(バルブ130)の上側への移動を規制している。このため、打込機10の作動時に生じる振動と圧力室42B内の空気圧とがバルブ130に作用しても、バルブ130の蓄圧容器42へのねじ結合状態を良好に維持することができる。すなわち、バルブストッパ150によって、バルブ130の取付状態を良好に維持して、バルブ130の非作動状態を良好に維持することができる。つまり、バルブ130とバルブ取付部124とのねじ結合が緩んで、バルブ130が連通状態になることを抑制できる。これにより、打込機10において、バルブ130に対する定期的なメンテナンス作業を行う必要がなくなる。したがって、打込機10の作業性を向上することができる。
【0080】
また、連通路122のキャップ取付部123には、バルブキャップ140が取付けられており、バルブキャップ140は、バルブ130に対して上側に配置され、バルブストッパ150が、バルブ130とバルブキャップ140との間に配置されている。これにより、バルブキャップ140によってバルブストッパ150の上側への移動を規制しつつ、バルブストッパ150によってバルブ130の上側への移動を規制することができる。すなわち、バルブキャップ140及びバルブストッパ150によってバルブ130の上側への移動を規制することができる。したがって、バルブ130の取付状態を一層良好に維持することができる。
【0081】
また、バルブキャップ140の下端部には、キャップ被固定部144が設けられており、キャップ被固定部144が、バルブストッパ150のストッパ固定部152内に嵌め込まれて、バルブストッパ150がバルブキャップ140に固定されている。具体的には、キャップ被固定部144のキャップ溝144Aとバルブストッパ150のストッパ溝152Aとが上下方向に係合して、バルブストッパ150がバルブキャップ140に固定されている。これにより、圧力室42Bに空気を補充するときにおいて、バルブキャップ140を蓄圧容器42から取外すことで、バルブストッパ150をバルブキャップ140と共に蓄圧容器42から取外すことができる。したがって、圧力室42Bへの空気補充時における作業性の低下を抑制しつつ、連通路122においてバルブ130とバルブキャップ140との間にバルブストッパ150を設けることができる。
【0082】
また、バルブストッパ150には、保持孔154Bが上下方向に貫通形成されており、プランジャ134のプランジャ頭部134Cが、保持孔154B内に挿入されている。そして、プランジャ134の保持孔154Bへの挿入状態では、プランジャ134のプランジャ頭部134Cによって保持孔154Bが径方向外側へ弾性変形して、バルブストッパ150のストッパ本体部154が閉位置のプランジャ134を保持している。これにより、打込機10の作動時に生じる振動がバルブ130に入力したときに、バルブスプリング136の付勢力に抗してプランジャ134が閉位置から下降した状態(連通状態)となることを、バルブストッパ150によって抑制することができる。したがって、バルブ130の非作動状態を効果的に維持することができる。
【0083】
また、バルブストッパ150は、弾性を有する弾性材によって構成されている。これにより、バルブストッパ150によってバルブコア132を上側から押付けて、バルブストッパ150を圧縮変形させることで、簡易な構成で、バルブコア132に上側からの押圧力を付与することができる。
【0084】
なお、第1実施形態では、バルブキャップ140とバルブストッパ150とが別部品で構成されているが、バルブキャップ140とバルブストッパ150とを一体成形して、一部品で構成してもよい。これにより、バルブストッパ150をバルブキャップ140に取付ける工程を省略することができる。
【0085】
(第2実施形態) 以下、図12を用いて、第2実施形態の作業機としての打込機200について説明する。第2実施形態の打込機200では、以下に示す点を除いて第1実施形態の打込機10と同様に構成されている。なお、図12では、第1実施形態の打込機10と同様に構成されている部材には、同一の符号を付している。
【0086】
図12に示されるように、第2実施形態では、バルブ機構110における連通路122のバルブ取付部124の内径が、第1実施形態よりも大きく設定されている。また、バルブ取付部124では、第1実施形態の雌ねじ124A及びテーパ部124Bが省略されている。
【0087】
また、第2実施形態のバルブ機構110では、バルブキャップ140において、キャップ被固定部144が省略されている。さらに、第2実施形態のバルブ機構110は、第1実施形態のバルブストッパ150の代わりに、切替抑制機構210を有している。切替抑制機構210は、バルブ130に組付けられた組付部材としてのバルブクミ212と、上下一対の振動吸収部材及び第1振動吸収部材としての第1ダンパ部材214と、振動吸収部材及び第2振動吸収部材としての第2ダンパ部材216と、を含んで構成されている。
【0088】
バルブクミ212は、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。バルブクミ212の外径は、バルブ取付部124の内径よりも僅かに小さく設定されており、バルブクミ212が、バルブ取付部124内に配置されている。なお、バルブクミ212は、バルブ取付部124の上面よりも下側に離間して配置されている。バルブクミ212の内周部の上部には、雌ねじ212Aが形成されている。バルブクミ212の内周部の下部には、テーパ部212Bが形成されており、テーパ部212Bは、第1実施形態のバルブ取付部124のテーパ部124Bと同様に形成されている。すなわち、テーパ部212Bが、縦断面視で、下側へ向かうに従い連通路122の径方向内側に直線状に傾斜している。そして、バルブ130のバルブコア132が、上側からバルブクミ212内に挿入され、バルブ130の雄ねじ132Aが雌ねじ212Aに螺合されて、バルブコア132(バルブ130)がバルブクミ212に組付けられている。また、バルブ130のテーパ部132Bが、バルブクミ212のテーパ部212Bに当接して、バルブ130の下側への移動が規制されている。
【0089】
バルブクミ212の外周部には、上下一対の溝部212Cが形成されている。溝部212Cは、バルブクミ212の周方向に沿って延在されると共に、バルブクミ212の周方向全体に亘って形成されている。
【0090】
第1ダンパ部材214は、弾性材によって構成されると共に、断面円形のリング状に形成されている。そして、第1ダンパ部材214がバルブクミ212の溝部212C内に配置されている。具体的には、第1ダンパ部材214が、バルブ取付部124の内周面と溝部212Cの底面とによってバルブクミ212の径方向に圧縮変形した状態で、バルブクミ212をバルブ取付部124に取付けている。すなわち、バルブクミ212及びバルブ130が、第1ダンパ部材214によってバルブ取付部124に取付けられている。これにより、蓄圧容器42からバルブ130に入力されるバルブ130の径方向の振動を第1ダンパ部材214によって吸収しつつ、第1ダンパ部材214及びバルブクミ212によってバルブ130をバルブ取付部124に間接的に取付けている。なお、第1ダンパ部材214は圧縮変形しているため、第1ダンパ部材214によってバルブクミ212とバルブ取付部124との間をシールしている。
【0091】
第2ダンパ部材216は、弾性材によって構成されると共に、上下方向を板厚方向とする略円環板状に形成されている。そして、第2ダンパ部材216がバルブ取付部124の上面とバルブクミ212の上端との間に配置されて、バルブ取付部124とバルブクミ212とによって上下方向に圧縮変形している。これにより、蓄圧容器42からバルブ130に入力される上下方向の振動を第ダンパ部材21によって吸収する構成になっている。なお、第2ダンパ部材216は圧縮変形しているため、第2ダンパ部材216によってバルブクミ212とバルブ取付部124との間をシールしている。
【0092】
そして、第2実施形態の打込機200のバルブ機構110では、上述のように、バルブ130がバルブクミ212に組付けられており、バルブクミ212が第1ダンパ部材214及び第2ダンパ部材216によってバルブ取付部124に取付けられている。すなわち、バルブ130が、切替抑制機構210を介してバルブ取付部124に間接的に取付けられている。そして、バルブ130に入力される、バルブ130の径方向の振動を第1ダンパ部材214によって吸収し、上下方向の振動を第2ダンパ部材216によって吸収する。このため、打込機200の作動時に生じる振動がバルブ130に入力され、バルブスプリング136の付勢力に抗してプランジャ134が閉位置から下降した状態(連通状態)となることを、第1ダンパ部材214及び第2ダンパ部材216によって抑制することができる。したがって、第2実施形態においても、バルブ130の非作動状態を良好に維持することができる。これにより、打込機200において、バルブ130に対する定期的なメンテナンス作業を行う必要がなくなる。したがって、第2実施形態においても、打込機200の作業性を向上することができる。
【0093】
なお、第2実施形態においてもバルブ取付部124の内周面に雌ねじを形成するとともに、バルブクミ212にも雄ねじを形成し、これらを螺合させることで、バルブ取付部124にバルブクミ212を取り付ける構成としてもよい。この構成においても、バルブ取付部124の雌ねじとバルブクミ212の雄ねじとの間に生じるガタ分だけ、バルブクミ212がバルブ取付部124に対して相対移動可能な状態で取り付けられる。このため、蓄圧容器42からバルブ130に入力される振動が、第1ダンパ部材214及び第2ダンパ部材216によって吸収できる。
【符号の説明】
【0094】
10…打込機(作業機)、42…蓄圧容器、42B 圧力室、44…打撃部、130…バルブ、132…バルブコア、134…プランジャ(弁体)、140…バルブキャップ(キャップ)、144…キャップ被固定部(被嵌合部)、150…バルブストッパ(切替抑制機構、ストッパ)、152…ストッパ固定部(嵌合部)、154…ストッパ本体部(弁体保持部)、200…打込機(作業機)、210…切替抑制機構、212…バルブクミ(組付部材)、214…第1ダンパ部材(振動吸収部材、第1振動吸収部材)、216…第2ダンパ部材(振動吸収部材、第2振動吸収部材)、N…釘(止具)
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