(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】交換可能なキーを備えるキーボードアセンブリ及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20250326BHJP
H04N 5/44 20110101ALI20250326BHJP
H04N 21/422 20110101ALI20250326BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20250326BHJP
【FI】
G06F3/02 450
G06F3/02 490
H04N5/44 003
H04N21/422
H04Q9/00 301E
(21)【出願番号】P 2024532683
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 SG2021050773
(87)【国際公開番号】W WO2023106998
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2024-11-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515166749
【氏名又は名称】ホーム コントロール シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,クォック フーン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ジョゼフ ポク ヤップ
(72)【発明者】
【氏名】テイ,チン グアン
(72)【発明者】
【氏名】チア,チェン ウィー
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-294188(JP,A)
【文献】特開2003-284172(JP,A)
【文献】特開2009-017086(JP,A)
【文献】特開2007-325019(JP,A)
【文献】特開平05-284577(JP,A)
【文献】国際公開第2017/170520(WO,A1)
【文献】米国特許第5729222(US,A)
【文献】米国特許第8058571(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02 - 3/027
H03M 11/00 -11/26
H04N 5/44
H04N 21/422
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルドデバイスのためのキーボードアセンブリであって、
第1の部分及び第2の部分を有するハウジングと;
前記第1の部分に形成された複数のスロットと;
前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置されたプリント回路基板(PCB)と;
前記第1の部分と前記PCBとの間に挟まれたキーマットであって、前記キーマットは、複数の固定キー及び複数の交換可能なキーを有し、各キーは前記第1の部分の対応するスロットから突出
し、前記交換可能なキーの各々は、キーカバー及びキーベースを有する、キーマットと;を有し、
前記複数の交換可能なキーはそれぞれ、各前記交換可能なキーが前記第1の部分の別のスロットに交換されたときに、一意の識別情報が前記交換可能なキーに残るように、各前記交換可能なキーに前記一意の識別情報を与えるように構成された、各前記交換可能なキーから前記PCBに向かって延びる複数のピンを有し、前記複数のピンは、導電性材料で選択的にコーティングされるように構成される、
キーボードアセンブリ。
【請求項2】
前記キーマットは、複数のアダプタを有し、各前記アダプタは、対応する交換可能なキーを受け入れるようにサイズ決めされるとともに形成される、
請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項3】
前記キーカバーは、前記キーカバーの下面から延びる複数のキーカバーピンを有する、
請求項
1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項4】
前記キーベースは、前記キーベースの下面から延びる複数のスリーブを有し、前記スリーブの各々は、中にスリーブ穴を有し、対応する前記キーカバーピンを受け入れるように構成される、
請求項
3に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項5】
前記スリーブは、各前記交換可能なキーを識別するために導電性プリントで選択的にコーティングされる、
請求項
4に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項6】
前記PCB上に配置され、各前記スリーブの基部の下に整列された複数の接点ノードをさらに有し、前記スリーブは、前記交換可能なキーが押されたときに、前記複数の接点ノードに接触するように構成される、
請求項5に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項7】
前記接点ノードの配置及びマイクロコントローラの入力ポートの配置は、前記複数の交換可能なキーの数と無関係である、
請求項6に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項8】
前記キーマットは、前記交換可能なキーの位置で前記キーマットの下側に形成された突起を有し、前記突起は、前記交換可能なキーがユーザによって作動されたときに、前記PCB上に配置されたドーム形状要素に当接するように構成される、
請求項
4に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項9】
前記PCB上に配置され、各前記スリーブの基部の下に整列された複数の接点ノードをさらに有し、各前記スリーブは、前記交換可能なキーが押されたときに、前記複数の接点ノードに接触するように構成され、前記複数の接点ノードは、前記ドーム形状要素の下にある、
請求項8に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項10】
各前記キーカバーピンは、
各前記キーカバーピンの先端と前記スリーブの基部との間にギャップがあるように配置される、
請求項
4に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項11】
前記キーカバーは、前記キーカバーの縁部にスリットを有する、
請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項12】
請求項
1に記載のキーボードアセンブリを有するハンドヘルドデバイス。
【請求項13】
請求項12に記載のハンドヘルドデバイスを操作する方法であって:
(i) 新たに組み立てられた交換可能なキーを形成するように
前記ハンドヘルドデバイス上で交換可能なキーを別の好ましい交換可能なキーと交換するステップと;
(ii) 前記交換可能なキーの一意の識別情報が複数の接点ノードとピンの組み合わせによって検出されるように、前記新たに組み立てられた交換可能なキーを押すステップと;
(iii) 相関データベースからのコードを前記新たに組み立てられた交換可能なキーに割り当てるステップと;
(iv) コマンドコードライブラリから対応するコマンドコードを各前記コードに割り当てるステップと;
(v) 前記コマンドコードをメディアデバイスに送信するステップと;を含む、
方法。
【請求項14】
前記新たに組み立てられた交換可能なキーは、一定時間押され、前記ハンドヘルドデバイスの出力インジケータによって促されるとき解放される、
請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換可能なキーを備えるキーボードアセンブリ、キーボードアセンブリを含むハンドヘルドデバイス及びその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の背景の説明は、本開示の理解を容易にすることのみを意図している。この説明は、言及されている資料のいずれかが、本発明の優先日の時点で、いずれかの管轄区域において公表されていたこと、知られていたこと、又は当業者の技術常識の一部であることを認めるものではないことが理解されるべきである。
【0003】
ブロードバンドインターネット接続の出現は、映画、テレビ番組、音楽、ゲームなどのオンデマンドコンテンツを消費者のメディアシステムに提供できる「ストリーミング」メディアサービスの発展につながった。近年、オンラインストリーミングサービス、例えば、Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、HBO Maxなどが、メディア消費者に人気となっている。消費者は、1つ以上のオンラインストリーミングサービスに同時に加入することが多い。最新のメディアシステム(例えば、スマートテレビ)は、メニューアイコンを含み得るメニューを提供し、このメニューアイコンは、ユーザがメディアシステムに含まれるリモコンデバイス(remote control device(リモートコントロールデバイス))でそれぞれのメニューアイコンを移動(navigating)及びクリックすることによって、Netflixなどのストリーミングサービスアプリケーションを起動することを可能にする。ストリーミングサービスに1より多いサブスクリプションがある場合、ユーザは、好みのストリーミングサービスアプリケーションを見つけるために、画面上のメニューを移動しなければならない。
【0004】
近年、それぞれがオンラインストリーミングサービスアプリケーションに対応する1つ以上の事前にラベル付けされたショートカットボタン又はキーを有するリモコンデバイスとともにストリーミングサービスを提供する、より多くの市販のメディアシステムがある。これらのショートカットボタンは、ユーザが画面上のメニューを移動することなく、ボタンをクリックして好みのストリーミングサービスを楽しむための柔軟性と利便性を提供する。しかし、フォームファクタのために、ボタンの配置が複雑になり、人間工学的でなくなる前に、リモコンデバイスに含めることができるショートカットボタンの数には制限がある。通常、リモコンデバイスのフォームファクタに応じて、2つ又は4つのショートカットボタンがある。ショートカットボタンは、一般に、メディアシステムプロバイダの好みに従って事前にラベル付けされている。多くの場合、これらの事前にラベル付けされたショートカットボタンには、ユーザの好みのストリーミングサービスのすべてが含まれていない可能性がある。ユーザは、画面上のメディアシステムのメニューを移動して、ショートカットボタンに含まれていないストリーミングサービスを見つけなければならない。さらに、ユーザは、自分の好みに応じてこれらのボタンを再配置する又はユーザの好みのストリーミングサービスへのショートカットを提供する別のボタンに交換する柔軟性を有していない。これは、ユーザのフラストレーションにつながる可能性がある。
【0005】
上記のように、ショートカットボタンは、メディアシステムプロバイダの好みに基づいて事前に割り当てられる又は事前にラベル付けされる。好みは、ユーザあたりの平均収益(ARPU)の増加につながる可能性が高いストリーミングサービスプロバイダ若しくはベンダー並びに/又はサービスとの交渉及び合意に基づくことがある。メディアシステムプロバイダは、リモコンデバイスのハウジング及びボタンアセンブリの型を作成する前に、ボタンの配置、機能、及び事前にラベル付けされたショートカットボタンの固定について、リモコンデバイスのベンダーと詳細を長々と議論することがある。その後に何らかの変更がある場合、メディアシステムプロバイダは、通常、ボタンラベルへの印刷のみを受け入れなければならない。理解されるように、ボタンの追加又は削除などのボタン配置の変更は、型の修正を伴う可能性があり、追加のコストを生じ、リモコンデバイスの生産を遅れさせる。これは、メディアシステムプロバイダにとって大きなビジネス上の不利益となる可能性がある。さらに、メディアシステムプロバイダは、古くなった、例えば、ストリーミングサービスがもはや好みではない又は廃業した事前にラベルが付けられたショートカットボタンを変更する柔軟性を有していない。
【0006】
ショートカットボタンはまた、複数のデバイスの制御機能を設定すること又はメディアシステムの複数のデバイスの電源を連続してオン若しくはオフにすることなどメディアシステムの多段階機能を実現することによってユーザに利便性を提供するために使用されることがある。
【0007】
上記の問題の1つ又は複数を軽減するデバイスに対する必要性が存在する。本発明のさらなる目的は、ユーザがボタンの配置を変更すること及び/又は予めラベルを付けたショートカットボタンを好みのストリーミングサービスに変更することを可能にする、より柔軟な手段を提供することである。さらに、リンコンデバイスが製造された後でさえ、ストリーミングサービスプロバイダ又はベンダーのためのショートカットボタンを変更すること、又は、ユーザの視聴体験を向上させるための新機能を導入したりなどのような、ボタンの配置を設定する柔軟性を有するビジネス上の利点をメディアシステムプロバイダに提供することも望ましい。
【0008】
リモコンデバイスに交換可能なボタン又はキーを提供する様々な方法が企図されている。ボタンの上又はボタンに隣接して配置されることになるラベルシールを利用し、ラベルシールに対応するようにボタンに異なる機能を割り当てるためにソフトウェアプログラミングを利用する方法が知られている。しかし、ソフトウェアプログラミングは、一部のユーザにとって複雑なプロセスであり、接着剤が摩耗するとラベルシールが剥がれる可能性がある。
【0009】
また、プログラム可能なショートカットボタンに、数字又は文字などの一般的又は非記述的なラベルを提供することを含む既知の方法もある。しかし、一般的なラベル又は非記述的なラベルは、各ボタンの機能に関する情報を提供しないため、ユーザは各プログラマブルボタンの機能を覚えておく必要がある。これは、特にリモコンデバイスが複数のユーザによって共有される場合に、より大きな問題となる可能性がある。
【0010】
また、設定可能なボタンを備えた既知のリモコンデバイスもある。各設定可能なボタンの内部には、ボタンラベルに対応するように構成されたRFIDチップ又は電気部品が埋め込まれている。各ボタンは、挿入されたボタンが押されたときにRFIDチップ又は電気素子からボタンを識別するための電気信号を伝えるレセプタクルを有する。しかし、レセプタクルが埃、酸化又はボタンを押すことによる摩耗によって劣化すると、電気信号が時間の経過とともに劣化又は破損する可能性がある。また、このようなリモコンデバイスでは、ボタンが押されたときのボタンの触覚がほとんどない可能性もある。さらに、各ボタンにRFIDチップを埋め込むことは経済的ではなく、各ボタンにRFIDチップ又は電気素子を埋め込む必要性は、高価で労力を要する可能性がある。
【発明の概要】
【0011】
本開示は、ユーザの好みに合わせてカスタマイズすることができる交換可能なキーを備えた、リモコンデバイスなどのハンドヘルドデバイスのためのキーボードアセンブリを提供するために概念化された。
【0012】
一態様では、ハンドヘルドデバイスのためのキーボードアセンブリは、第1の部分(section)及び第2の部分を有するハウジングと;第1の部分に形成された複数のスロットと;第1の部分と第2の部分との間に配置されたプリント回路基板(PCB)と;第1の部分とPCBとの間に挟まれたキーマットであって、キーマットは複数の固定キー及び複数の交換可能なキーを有し、各キーは第1の部分の対応するスロットから突出し、複数の交換可能なキーはそれぞれ、各交換可能なキーが第1の部分の別のスロットに交換されたときに、一意の識別情報(identity)が交換可能なキーに残るように、各交換可能なキーに一意の識別情報を与えるように構成された識別手段を有する、キーマットと、を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、識別手段は、各交換可能なキーからPCBに向かって延びる複数のピンである。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数のピンは、導電性材料で選択的にコーティングされるように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、キーマットは、複数のアダプタを有し、各アダプタは、対応する交換可能なキーを受け入れるようにサイズ決めされるとともに形成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、交換可能なキーの各々は、キーカバー及びキーベースを有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、キーカバーは、キーカバーの下面から延びる複数のキーカバーピンを有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、キーベースは、キーベースの下面から延びる複数のスリーブを有し、スリーブの各々は、その中にスリーブ穴を有し、対応するキーカバーピンを受け入れるように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、スリーブは、各交換可能なキーを識別するために導電性プリントで選択的にコーティングされる。
【0020】
いくつかの実施形態では、キーカバーは、キーカバーの縁部(edge)にスリットを有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、キーマットは、交換可能なキーの位置でキーマットの下側に形成された突起を有し、この突起は、交換可能なキーがユーザによって作動されたときに、PCB上に配置されたドーム形状要素に当接するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、キーボードアセンブリは、PCB上に配置され、各スリーブの基部の下に整列された複数の接点ノード(contact node)をさらに有し、スリーブは、交換可能なキーが押されたときに複数の接点ノードに接触するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、複数の接点ノードは、PCB上かつドーム形状要素の下に配置される。
【0024】
いくつかの実施形態では、キーカバーピンは、キーカバーピンの先端とスリーブの基部との間にギャップがあるように配置される。
【0025】
本開示の別の態様によれば、キーボードアセンブリを有するハンドヘルドデバイスがある。
【0026】
本開示の別の態様によれば、キーボードアセンブリを有するハンドヘルドデバイスを操作する方法がある。本方法は:新たに組み立てられた交換可能なキーを形成するようにハンドヘルドデバイス上で交換可能なキーを別の好ましい交換可能なキーと交換するステップと;交換可能なキーの一意の識別情報が、複数の接点ノード及びピンの組み合わせによって検出されるように、新たに組み立てられた交換可能なキーを押すステップと;相関データベースからのコードを新たに組み立てられた交換可能なキーに割り当てるステップと;コマンドコードライブラリからの対応するコマンドコードを各コードに割り当てるステップと;コマンドコードをメディアデバイスに送信するステップと;を含む。
【0027】
本発明の他の態様及び特徴は、本発明の特定の実施形態の以下の説明を添付の図面と共に検討することにより、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図面では、本開示の実施形態を例示のみを目的として示す。
【0029】
【
図1】本発明の実施形態が実装され得る例示的なマルチメディア環境の図である。
【0030】
【
図2】キーボードアセンブリを有するリモコンデバイスなどのハンドヘルドデバイスの上面図である。
【0031】
【
図3】本発明の例示的な実施形態による
図2のリモコンデバイスの主要な構成部品を示す分解斜視図である。
【0032】
【
図4】交換可能なキーの分解斜視図を含む交換可能なキー群の拡大図である。
【0033】
【
図5A】キーカバー及びキーベースを上から見た分解斜視図である。
【0034】
【
図5B】キーカバー及びキーベースを下から見た分解斜視図である。
【0035】
【
図6】交換可能なキーの長手方向中心軸に沿った図を示す
図2のA-A線に沿って取られた例示的な交換可能なキーの2つの断面図である。
【0036】
【
図7】交換可能なキーの長手方向中心軸からオフセットした
図2のB-B線に沿って取られた断面図である。
【0037】
【
図8A】従来技術による接点ノード及びGPIOの配置を示す概略図である。
【0038】
【
図8B】従来技術による接点ノード及びGPIOの配置を示す概略図である。
【0039】
【
図8C】本発明による接点ノード及びGPIOの配置を示す概略図である。
【0040】
【
図9】制御機能及び交換可能なキーを備えた例示的なユーザインタフェースを有するデバイスのプラットフォームの概略ブロック図である。
【0041】
【
図10】本実施形態による交換可能なキーを備えたハンドヘルドデバイスの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本開示は、ユーザ又はメディアシステムプロバイダが、好みに応じて事前にラベル付けされたキーを変更する又はそれらを完全に異なるものに交換することによって、リモコンデバイスのキーの配置をカスタマイズすることを可能にするデバイスを提供するために概念化された。
【0043】
本開示の実施形態に対する技術的解決策(複数可)を説明するために、本開示の実施形態を、図面を参照して説明する。参照される図面は、本開示のいくつかの例又は実施形態であることが理解できる。当業者は、さらなる創造的努力なしに、これらの図面に従った他のシナリオに本開示を適用することができる。例えば、実施形態は、ストリーミングメディア環境におけるリモコンデバイスなどのハンドヘルドデバイスの例に関して説明されているが、これらの実施形態は、任意の環境における任意の電子デバイス、任意のタイプの環境における、例えば、情報、マルチメディア、又は娯楽システムにおける、例えば、データ処理システムへのユーザ入力用のキーボード、ビデオゲームコントローラ、キーパッド、又はデバイス上の統合制御ボタンの制御に適用可能である。
【0044】
図1は、本発明の実施形態が実装され得る例示的なマルチメディア環境の図である。非限定的な例では、マルチメディア環境100は、オンデマンドストリーミングメディアコンテンツ環境である。マルチメディア環境100は、1つ以上のメディアシステム110を含み得る。メディアシステム110は、ディスプレイデバイス120、メディアデバイス130、及び制御装置140を含み得る。ディスプレイデバイス120は、例えば、テレビ、モニタ、又はプロジェクタであり得る。メディアデバイス130は、例えば、ストリーミングメディアプレーヤ、ストリーミングスティック、ケーブル又は衛星セットトップボックスであり得る。メディアデバイス130は、異なるストリーミングサービスプロバイダ又はベンダー、例えば、HBO Max、Netflix、及びAmazon Prime Videoからのストリーミングコンテンツサービスアプリケーションをプリロードされ得る。メディアデバイス130及びディスプレイデバイス120は、単一のデバイス(例えば、スマートテレビ)に組み込まれ得る。
【0045】
メディアデバイス130は、それぞれのディスプレイデバイス120、制御装置140、及び/又はネットワーク160と統合され得る又はそれらに動作可能に接続され得る。メディアデバイス130は、ユーザインタフェース(UI)ビュー、UI要素(例えば、メニュー及びアイコン)、及び/又はコンテンツをディスプレイデバイスに聴覚的及び/又はグラフィカルに提示し得る。メディアデバイス130上で実行されるストリーミングサービスアプリケーションは、ディスプレイデバイス120に表示されることになるストリーミングサービス又はコンテンツを要求及び受信するために、ネットワーク160を介して1つ又は複数のコンテンツサーバ170と通信し得る。ネットワーク160は、例えば、有線及び/又は無線イントラネット、エクストラネット、インターネット、セルラー、ファイバ、同軸、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及び/又は任意の他の短距離、長距離、ローカル、地域グローバル通信ネットワーク、ならびにそれらの任意の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
【0046】
コンテンツサーバ170はそれぞれ、例えば、コンテンツ172、メタデータ174、及びユーザデータ176を格納するデータベースを含み得るが、これらに限定されない。コンテンツ172は、ビデオ、映画、プログラム、音楽、画像、マルチメディア、ゲームアプリケーション、広告、ソフトウェアアプリケーションなどの任意の組み合わせを含み得る。メタデータ174は、コンテンツ172に関する情報を含み得る。例えば、メタデータ174は、コンテンツ172に関連する監督、俳優、アーティスト、概要、予告編、ジャンルなどに関する関連情報を含み得る。ユーザデータ176は、ユーザプロファイル情報、サブスクリプション、ユーザログイン、好み、使用履歴などのような顧客一意の情報を含み得る。
【0047】
ユーザ150は、コンテンツを楽しむために、制御装置140を使用してメディアシステム110と対話し得る。例えば、ユーザは、制御装置140を使用してディスプレイデバイス120に表示されたそれぞれのメニューアイコンを移動及びクリックすることによって、Netflixなどの加入しているストリーミングサービスを起動し得る。メディアデバイス130は、制御装置140から信号を受信すると、ネットワーク160にコマンドを送信して、コンテンツサーバ170からのコンテンツがユーザによって消費されるメディアシステム110に配信されるように要求し得る。好ましい実施形態では、制御装置140は、それぞれがオンラインストリーミングサービス(例えば、Netflix)に対応するいくつかの事前にラベル付けされたショートカットキーを含み得る。これらのショートカットキーは、ユーザがボタンのクリックで好みのストリーミングサービスを楽しむための柔軟性と利便性の両方を提供する。
【0048】
図2は、キーボードアセンブリを含むリモコンデバイスなどのハンドヘルドデバイスの上面図である。いくつかの実施形態では、デバイス200は、
図1のメディアシステム110の制御装置140の実装である。リモコンデバイス220などの制御装置は、概して、いくつかの例を挙げると、4つの方向キー及び「OK」キー、「BACK(バック)」キー、「HOME(ホーム)」キー及び「MENU(メニュー)」キーなどの複数の標準ナビゲーションキー230を含み得る。リモコンデバイス220はまた、概して、電源キー240を備え得る。いくつかの実施形態では、メディアシステムプロバイダの設計選択に応じて、追加のキーがリモコンデバイス220に含まれ得る。例えば、ケーブルテレビ/インターネットプロバイダは、ボリュームキー250、チャンネルキー260、及び、必要に応じてクエリーへの直接入力及び数値応答のための数字キー270などの追加のキーを有することを好むことがある。
【0049】
ユーザが異なる画面ページ、機能及びアクティビティに迅速に直接アクセスすることを可能にする複数のショートカットキーを備えたリモコンデバイス220を提供することが望ましい。好ましくは、リモコンデバイス220は、ユーザが好ましいストリーミングコンテンツサービスアプリケーションに直接アクセスすることを可能にする「ストリーミングコンテンツサービス」キー群(key cluster)280を備える。群内のこれらのショートカットキーは、通常、デバイス200のフォームファクタに応じて、2又は4の数である。非限定的な例では、リモコンデバイス220は、6つのストリーミングコンテンツサービスキー281,282,283,284,285,286の群を含み、これらは、メディアシステムプロバイダの好みに応じて、Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、HBO Max、Hulu、及びYouTube(登録商標) Premium、並びにその他などのサービスが事前にラベル付けされ得る。いくつかの実施形態では、ショートカットキーは、ESPN、FOX、NBC、CNN、及びその他などのテレビチャンネルが事前にラベル付けされていてもよい。
【0050】
好ましい実施形態では、事前にラベル付けされたストリーミングコンテンツサービスキー群280は、ストリーミングコンテンツサービスの変化する状況に適応するために交換可能かつカスタマイズ可能である。例えば、新しいストリーミングコンテンツサービスがベンダーによって導入されることがあり、その一方で、いくつかは人気が低下若しくは廃業することがあり、又は、ユーザは、好みを変更する又はサービスサブスクリプションを変更することがある。交換可能なストリーミングコンテンツサービスキー群280は、
図3-5を参照して以下に詳細に説明される。
【0051】
図3は、本発明の例示的な実施形態による
図2のリモコンデバイスの主要な構成部品を示す分解斜視図である。交換可能なストリーミングコンテンツサービスキー群280の各々は、ユーザに固い感触のある上部接触面を提供する硬質プラスチックのキーキャップアセンブリを有する。図面を不明瞭にしないために、コンテンツサービスキー281及び282のキーカバーアセンブリ381及び382の分解斜視図のみが示されている。
【0052】
リモコンデバイス220は、第1の部分310及び第2の部分320を備えるハウジングを有し、
これは、組み立てられると、内部部品を収容するための空洞を形成する。内部部品は、プリント回路基板(PCB)360を含み得る。PCB360は、電子回路(図示せず)及び1つ以上の導電層(図示せず)を有し得る。電子回路は、リモコンデバイス220の動作(
図9により詳細に説明される)を制御するために、メモリシステムに結合されたプロセッサ、無線トランシーバ、電源レギュレータなどを含み得る。
【0053】
第1の部分310は、リモコンデバイス220のユーザインタフェースを収容するように構成される。ユーザインタフェースは、リモコンデバイス220の操作上の使用においてユーザが押すことができる複数の個別に操作可能なキー370のためのキーマット330(
図6に詳細)を有する。
図3に示す実施形態では、操作可能なキー370は、固定されるように構成されている(すなわち、交換可能でない)。用語「キーマット」は、
図2に示すように、リモコンデバイス220のユーザインタフェースにおける押下可能なキーのセット、例えばナビゲーションキー230、ボリュームキー250、チャンネルキー260及び数字キー270の可視部分であるように
図3に示されている。キーマット330は、好ましくは、シリコーンゴムのような軟質エラストマー材料で作られる。
【0054】
図4は、交換可能なキーの分解斜視図を含む、交換可能なキーの群の拡大図である。交換可能なストリーミングコンテンツサービスキー群280は、好ましくは、キーマット330(
図6に詳細)上に配置された複数のキーキャップアダプタ440を有する。キーキャップアダプタ440は、キーマット330上に支持及び接合され得る。キーキャップアダプタ440のキーマット330への接合は、接着剤で行われ得る又はツーショット射出成形プロセスで行われ得る。ツーショット射出成形プロセスは、当技術分野で知られている。ツーショット射出成形プロセスは、2つの異なる熱可塑性樹脂、この場合は、プラスチックキーキャップアダプタとゴムキーマットの融点の差に基づいている。
代替的には、キーキャップアダプタ440はオプションであってもよく、キーマット330は、図7に示すように、キーキャップトップ421を収容するために凹部及び穴とともに成形されてもよい。
【0055】
キーキャップアセンブリ381は、キーキャップトップ421及びキーキャップアダプタ440を有し、組み立てられると、交換可能なストリーミングコンテンツサービスキー281を形成する。同様に、キーキャップアセンブリ382は、キーキャップトップ422及びキーキャップアダプタ440を有し、組み立てられると、交換可能なストリーミングコンテンツサービスキー282を形成する。
【0056】
キーキャップアダプタ440とキーキャップトップ421は、同様の大きさの縁部を有し得、これらは、組み立てられると、互いに接触する。同様に、キートップ422及びストリーミングキー283,284,285から286のための他のキートップについても同様である。キーキャップアダプタ440は、キーキャップトップ421を収容するための凹部及び孔を有する形状とされ得る。キーキャップアダプタ440の上面430は、キーキャップトップ421の下面から突出するピン580のアレイ(array(配列))を収容するように構成された複数の貫通孔460を有し得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、キーキャップトップ421及びキーキャップアダプタ440は、キーキャップトップ421が子供によって容易に取り除かれることができない又は容易に取り外されることができないように、1つ以上の留め具、例えばロックフックによってさらに固定され得る。好ましくは、キーキャップトップ421は、キーキャップアセンブリ381をリモコンデバイス220から取り外すために、ドライバーなどの適切な工具を挿入するためのスリット590をキーカバーの側部に有する。
【0058】
図5A及び5Bは、キーカバー及びキーベースをそれぞれ上及び下から見た分解斜視図である。キーキャップトップ421は、キーキャップカバー510及びキーキャップベース520を有し、組み立てられると、キーキャップトップ421を形成する。キーキャップトップ421の一部としてのキーキャップカバー510は、好ましくは、使用者に固い感触のある上部接触面を提供する硬質プラスチックで作られる。キーキャップベース520は、好ましくは、シリコーンゴムのような軟質エラストマー材料で作られる。キーキャップトップ421は、好ましくは、オンラインストリーミングコンテンツサービス又はベンダーの名前、画像又はロゴが事前にラベル付けされた上面530を有する。いくつかの実施形態では、設定、再生、一時停止、早送りなどの機能又はコマンドを示す画像が事前にラベル付けされてもよい。
【0059】
キーキャップカバー510の下面は、PCBに向かって下方に延びる1つ以上のキーキャップピン540を有し得る。好ましい実施形態では、各キーキャップカバー510は、4つのキーキャップピン540を有し得る。キーキャップベース520の下面は、キーキャップピン540を収容するためにキーキャップベース520の上面に配置されたスリーブ穴560を備える1つ以上のスリーブ550を有し得る。各キーキャップピン540は、キーキャップベース520の対応するスリーブ穴560に挿入されるように構成され得る。キーキャップピン540は、好ましくは円筒形に形成され得る。ピン540の自由端又は先端は、好ましくは、スリーブ穴560へのピン540の挿入を容易にするために、わずかに丸みを帯び得る又は斜角縁を備え得る。スリーブ550の先端又は自由端は、一意に事前にラベルが付けられたキーキャップトップを識別するために導電性プリント570で選択的にコーティング又は印刷され得る。キーキャップピン540及びスリーブ550の先端に選択的導電性プリント570を備えたスリーブ550は、組み立てられると、事前にラベルが付けられたキーキャップトップ421を一意に識別する順列ピン(permutation pins)580のアレイを形成する。
【0060】
図6は、交換可能なキーの長手方向中心軸に沿った図を示す
図2のA-A線に沿って取られた例示的な交換可能なキーのうちの2つの断面図である。異なるキーが図面を不明瞭にしないために本発明の例示的な実施形態を説明するために使用され得るが、開示は、それに限定されず、他の交換可能なストリーミングコンテンツサービスキー群280に適用可能であることを理解されるべきである。
【0061】
リモコンデバイス220のハウジングは、第1の部分310及び第2の部分(図示せず)を有する。ハウジングは、PCB360及びキーマット330を収容するように構成される。キーマット330は、PCB360の上面に配置され得る。キーマット330は、好ましくは、シリコーンゴムのような軟質エラストマー材料から製造され得る。キーマット330は、
図2に示すように、リモコンデバイス220の操作使用中にユーザが押すことができる複数の個別に操作可能なキー370、例えば、ナビゲーションキー230、ボリュームキー250、チャンネルキー260及び数字キー270を形成するように成形され得る。交換可能なストリーミングコンテンツサービスキー群280は、好ましくは、キーマット330の上面に配置された複数のプラスチックキーキャップアダプタ440を有する。キーキャップアダプタ440は、適切な接着剤を用いてキーマット330の上面に支持及び接着され得る又はツーショット射出成形プロセスで一緒に成形され得る。
【0062】
交換可能なキー285及び286はそれぞれ、その上面に一意に事前にラベル付けされたキーキャップトップ425及び426を有する。キーキャップトップは、キーキャップカバー510及びキーキャップベース520を有し、組み立てられると、上述したように、
図5A及び
図5Bに示すようなキーキャップトップを形成する。キーキャップトップは、好ましくは、リモコンデバイス220の表面輪郭に従う僅かに丸みを帯びた上面を持つ略矩形形状を有し得る。
【0063】
キーマット330は、キーが押されたときに所望の量のキーの触覚感触を提供するために必要な所定の必要な量の弾性を提供するように構成され得る。複数のプランジャ620は、各個々に交換可能なストリーミングコンテンツサービスキー群280において、キーマット330の下側に形成される。PCB360は、好ましくは、その中に配置され、プランジャ620の各々の真下に中心を置かれた複数のドーム形状構造640を有し得る。ドーム形状構造640は、導電性であり、好ましくは、ステンレス鋼で作られる。プランジャ620は、好ましくは、ほぼ円筒形又は先端に平坦な表面を備える円錐形であり得、各ドーム形状構造640の上に小さなギャップを有して配置されるように構成される。したがって、キーが押されると、プランジャ620は、下方に移動し、ドーム形状構造640を撓ませ、それによって触覚を与える。
【0064】
図7は、交換可能なキーの長手方向中心軸からオフセットされている、
図2のB-B線に沿った断面図である。キーキャップピン540及びスリーブ550(
図5も参照)のアセンブリを含む順列ピン580は、キーキャップトップ421及び422の下面からPCBに向かって下方に延びる。アレイ内のピンの数は、ピンを収容するための交換可能なキー上の利用可能な領域及びキーの設計の複雑さに依存し得る。好ましい実施形態では、各キーは、好ましくは、4つの順列ピン580のアレイを有し得る。順列ピン580の先端は、一意に事前にラベル付けされたキーキャップトップを識別するために、導電性プリント570で選択的にコーティング又は印刷され得る。例えば、順列ピン580A、580B及び580Cの先端は、導電性プリントでコーティング又は印刷され得る。順列ピン580Dの先端は、導電性プリント570でコーティングされていない。したがって、1つ以上の順列ピン580は、キーキャップトップごとに異なる。この非限定的な例では、全部で16個の一意に事前にラベル付けされたキーキャップトップが可能であり、ユーザがリモコンデバイス220上の任意の場所に適切な適合表面を有する任意のキーを設置又は交換するために不変である。
【0065】
PCB360は、好ましくは、その中に配置され、順列ピン580の各々の真下に中心を置かれた複数の導電性接点ノード780を有し得る。交換可能なストリーミングコンテンツサービスキーが押されると、順列ピン580は下方に移動し、接点ノード780と接触する。したがって、導電性プリント570を有する選択的順列ピンがその中の接点ノード780によって形成される接点の「オン/オフ」の制御を操作するような配置で電気接点が形成される。
【0066】
図6及び
図7に示すように、キーが押されたとき、電気接点が選択的な接点ノードに形成される一方で、ドーム形状構造640はプランジャ620によって撓み、触覚をもたらすことが留意されるべきである。
【0067】
接点ノード680が交換可能なキーキャップトップの各一意の識別の検出を強化するために、プランジャ620の各々のドーム形状構造640の真下に中心をおかれたPCB360上に配置され得る。キーキャップピン540の長さは、
図7に示すように、クリック感をさらに高めるために、キーキャップピン540の先端とスリーブ550との間にギャップを残すように設計される。
【0068】
図7に示すこの非限定的な例では、導電性プリント570により、閉回路が接点ノードに形成され、780A、780B及び780Cにおいて「ON(オン)」状態をもたらす。接点ノード780Dにおいて、順列ピン580Dの先端は導電性プリント570でコーティングされていないため、開回路が形成され、「OFF(オフ)」状態をもたらす。
【0069】
一例として、交換可能なキー281のキーキャップトップ421はNetflixが事前にラベル付けされ得、交換可能なキー282のキーキャップトップ422はDisney+が事前にラベル付けされ得、上述のように「オン/オフ」状態をもたらす。キーキャップトップ421及び422が交換可能なキー282及び281それぞれの場所に入れ替えられると、「オン」状態が780A、780C及び780Dで確立され、一方、「オフ」状態は現在780Bである。状態の変化は、プロセッサ(図示せず)によって検出され、このプロセッサは、交換可能なキー281は今Disney+がラベル付けされ、キー282は今Netflixがラベル付けされたと解釈し、適切な遠隔制御コマンドを送信することを伴う。
【0070】
従って、選択的導電性プリント570を備える順列ピン580及び接点ノード780は、交換可能なキーキャップの識別を提供する。この非限定的な例では、4つの異なる「オン/オフ」状態が、一意に事前ラベル付けされたキーキャップトップを持つ各交換可能なキーによって、4つのバイナリ状態としてプロセッサに通信される。より具体的には、一意のコードが、各一意に事前ラベル付けされたキーキャップトップを表すために割り当てられることができる。この例では、16の一意のコードが利用可能である。一意に事前にラベル付けされたキーキャップトップの対応する情報及び機能を有する各コードは、相関データテーブル又はデータベースに格納され得る。例えば、コード01はNetflixサービス及びアプリケーションを起動するための対応するIR又はRFキーコードを表し得、コード02はHuluなどを表し得る。好ましくは、相関データベースは、リモコンデバイス220のメモリシステム内に提供され得る。いくつかの実施形態では、相関データベースは、
図1に示すようにメディアデバイス130内に提供され得る。
【0071】
上記の方法で実施され得る本発明は、いくつかの利点をもたらす。より柔軟な手段が提供され、ユーザがキーの配置を変更すること及び/又は事前にラベル付けされたショートカットキーを好みのストリーミングサービスに変更することを可能にする。さらに、メディアシステムプロバイダは、製造された後であっても、リモコンデバイス上の、より人気となり得る又は時代遅れになり得る、ストリーミングサービスプロバイダ又はベンダーのためのショートカットキーを変更することを含む、キーの配置を設定するビジネス上の利点及び柔軟性を有する。さらに、Spectrum、Cox Communicationsなどのようなケーブルテレビ/インターネットプロバイダは、ユーザがボタンのクリックでこれらのプログラムに直接アクセスすることを可能にする交換可能なショートカットキーを提供することによって、ESPN、FOX、NBCなどのようなチャンネルでオリンピック、FIFAワールドカップなどの特別又は記念イベントを宣伝し得る。
【0072】
本発明の別の利点は、プラスチックキーキャップから形成されたキーキャップピン540と軟質エラストマー材料から形成されたスリーブ550とのアセンブリである順列ピン580が、キーキャップアダプタ440の貫通孔460内に収まるように寸法決めされることである。これは、交換可能なキー群280の長手方向中心軸に沿った「シーソー」効果又は「揺動」を防止する。キーキャップピンは、疲労を軽減し、クリック感を向上させるためのスリーブの設計とともに、特定の高使用用途において望ましい順列ピンの構造的補強を提供する。
【0073】
図8A及び8Bは、従来技術による接点ノード及び汎用入出力(GPIO)の配置を示す概略図であり、
図8Cは、本発明による接点ノード及びGPIOの配置を示す概略図である。
【0074】
図8Aは、PCB上に配置された4つの接点ノード802をそれぞれ有するキー810及び820を示す。上述のように、接点ノード802上のオン/オフ状態は、選択的導電性プリントを有する順列ピンに依存する。この検出メカニズム(detection mechanism)は、各接点ノードと交換可能なキーの数の乗算積を必要とするため、不利である。本開示における6つの交換可能なキーによる非限定的な例では、24個のGPIOが必要となる。
【0075】
図8Bは、PCB上に配置された4つの接点ノード804をそれぞれ有するキー830及び840を示す。この機構で必要とされるGPIOの数は、
図8Aの機構と比較して少なく、すなわち、合計10個である。しかしながら、この検出機構は、3つの接点ノードが閉回路である場合に第4の接点ノードの状態が確定できない「ゴーストキー」になりやすいという欠点がある。
【0076】
図8Cは、プロセッサに必要とされる入力ポート又は一般にGPIOとして知られるポートの数が、交換可能なキーの数から独立しているという点で、本発明の別の利点を示す。
図8Cは、本発明に開示されるように、PCB上に配置された4つの接点ノード806をそれぞれ有するキー850及び860を示す。各キーは、検出メカニズムに4つのGPIOのみを必要とし、交換可能なキーの数とは無関係である。したがって、この検出メカニズムは、必要とされるGPIOの数に関してプロセッサに課される制約を大幅に低減する。
【0077】
図9は、制御機能及び交換可能なキーを備える例示的なユーザインタフェースを有するデバイスのためのプラットフォームの概略ブロック図である。プラットフォーム900が、例えば、
図1の制御装置140又は
図10の方法1000(以下を参照)を実装するために使用され得る。様々な実施形態は、例えば、プラットフォーム900内の1つ以上のコンポーネントを使用して、デバイス200を実装することができる。
【0078】
プラットフォーム900は、好ましくは、メモリシステム920、トランシーバ930、入力デバイス940、出力デバイス950及び電源960に結合されたプロセッサ910を含む。プロセッサ910、例えば、CPU、ASIC、FPGA、マイクロコントローラなどは、電力の監視、キー押下などのユーザ入力の解釈、及び視覚的表示、可聴アラートなどのユーザ出力の提供、及び制御信号の送受信などを生じさせることなど、プラットフォーム900内の様々な電子コンポーネントを制御するようにプログラムされ得る。
【0079】
入力デバイス940は、ユーザからの入力を受信するための、触覚ボタン、タッチセンシティブボタン、又はそれらの組み合わせの形態のキーマトリクス、マイクロフォン、圧力センサなどの1つ以上のセンサを含み得る。この例示的なプラットフォームでは、1つ以上の触覚ボタンはカスタマイズ可能であり得る。好ましくは、入力デバイス940は、カスタマイズ可能なボタンの識別を検出する接点パッド(contact pad)のマトリクスを含み得る。出力デバイス950は、1つ以上のインジケータライト、ブザー、スピーカ、テキスト情報を表示する小型ディスプレイを含み得る。電源960は、バッテリ、又は
図1のメディアデバイス130によって適切な有線手段を介して電力供給されるDCアダプタなどの外部電源を含み得る。
【0080】
プラットフォーム900は、他のデバイス、システム、又はネットワークに直接又は間接的に通信可能に結合されるように構成されたトランシーバ930を含む。トランシーバ930は、リモート制御機能を提供し、情報を交換する及び/又はアップグレードデータを受信するために、
図1のメディアデバイス110及び/又はディスプレイデバイス120と通信するように構成され得る。トランシーバ930は、任意の適切な有線プロトコル、又は様々なカスタム又は標準無線プロトコル、例えば、赤外線(IR)及び、IEEE 802.15.4、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low Energyなどの無線周波数(RF)など、又は本発明の出願日の時点でまだ開発されていない通信プロトコルを含む任意の他の適切な通信プロトコルを使用して、データ通信を行うことができる。
【0081】
プロセッサ910は、ソフトウェア又は制御ロジックによって制御可能であり得る。ソフトウェアは、特定のタスク又はアプリケーションを実行するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、及び/又はデータ構造などを含み得る。メモリシステム920は、プロセッサ910によって実行されることを意図した実行可能命令及びソフトウェアを含み得る。メモリシステム920は、メディアデバイス130、ディスプレイデバイス120、又は異なる製造元、モデル、及びタイプの機器(appliances)などの機器の動作を制御することを目的とするコマンドコードライブラリを含み得る。さらに、メモリシステム920は、カスタマイズ可能なキーの対応する機能とともに、すべての識別値の相関データテーブル又はデータベースを含み得る。好ましくは、コマンドコードライブラリ及び相関データベースは、メモリシステム920の不揮発性読み取り/書き込みメモリに格納され得る。コマンドコードライブラリ及び/又は相関データベースは、アップグレードデータがトランシーバ930によって受信されるときにアップグレードされ得る。相関データベースは、製品ライフサイクルの途中でメディアシステムプロバイダによって追加される新しい機能又は特徴、新しいストリーミングコンテンツサービスの導入又は廃止されたコンテンツサービスの削除、ユーザの非常に小さなサブセットのみにとって重要なほとんど使用されていない特徴の存在などを含むようにアップグレードされ得る。
【0082】
図10は、本実施形態による交換可能なキーを備えるハンドヘルドデバイスの動作のフローチャートである。好ましい実施形態では、デバイスは、固定キー及び複数の交換可能なキーを特徴とするメディアシステムプロバイダによって提供されるリモコンデバイスである。これらの交換可能なキーは、メディアシステム上で直接ストリーミングコンテンツサービスアプリケーションを起動するために、事前にラベル付けされ得る。(
図1も参照)。
【0083】
ユーザは、交換可能なキーの配置を変更すること又は新しいキーキャップトップと交換することを望むことがある。ユーザは、メディアシステムプロバイダから最初に提供されなかった1つ以上の新しい交換可能なキーキャップトップを取得し得る。例えば、キーキャップトップは、ユーザがメディアシステムを取得したときに提供されてもよく、キーキャップトップは、ユーザが新しいコンテンツサービスに加入したときにユーザに届けられてもよく、ユーザは第三者から購入してもよく、又は、メディアシステムプロバイダは、ユーザに新しいコンテンツサービス又は新しい機能を使用することを奨励するために、オリンピックやFIFAワールドカップなどのような特別なイベント若しくは記念イベントを推進するためにユーザに届けてもよい。
【0084】
ステップ1010において、ユーザは、リモコンデバイスに元々提供された1つ以上のキーキャップトップを、任意の時間に任意の順序で好ましいキーキャップトップと交換する。
【0085】
ステップ1020において、新たに組み立てられた交換可能なキーがユーザによって押されると、キーの識別は、接点ノード及び順列ピンのマトリクスによって検出されるように構成される。接点ノードのオン/オフ状態は、
図7の例を参照すると、順列ピンによって操作され、次いで、リモコンデバイスに伝達される。したがって、パネル上の各キーの機能及び特徴は、ユーザが交換可能なキーを押すたびに識別される。
好ましくは、新たに組み立てられた交換可能なキーは、一定時間押され、リモコンデバイスの出力インジケータ、例えばインジケータライト又はブザーによって促されたときに解放されてもよい。これは、リモコンデバイスが、交換可能なキーが将来のインスタンスにおいて押されたときに識別処理が繰り返される必要がないように、新たに組み立てられた交換可能なキーの識別を最初のインスタンスで認識するためのセットアップを実行することを可能にする。
【0086】
ステップ1030において、一意のコードが、各交換可能なキーを表すために割り当てられるように構成される。各コードは、
図10の例を参照して、一意のキーキャップトップの対応する情報及び機能を含み得、リモコンデバイス内の相関データベースに格納されるように構成される。コマンドコードライブラリもまた、リモコンデバイス内に提供され得、機器の動作を制御する目的で、対応するコマンドコードが各一意のコードに割り当てられ得る。例えば、対応するストリーミングコンテンツサービスアプリケーションを起動するため又は
図1のメディアデバイス130上の新しい機能をアクティブにするためのコマンドコードである。いくつかの実施形態では、相関データベースをメディアデバイス130内に提供され得る。
【0087】
ステップ1040において、リモコンデバイスは、メディアデバイスにアクションを実行させる、例えば、メディアデバイスにストリーミングコンテンツサービスアプリケーションを起動させるために、メディアデバイスによって認識可能な信号で対応するコマンドコードを送信する。いくつかの実施形態では、リモコンデバイスは、メディアデバイスによって認識可能な信号でキーに対応する一意のコードを送信し得る。次に、メディアデバイスは、受信したコードと、メディアデバイスに格納された相関データベースから対応する機能及び特徴とを識別し得る。
【0088】
ステップ1050において、メディアデバイスは、受信した信号に基づいて指示されたアクション、例えば、対応するコンテンツサービスプロバイダのコンテンツサーバからコンテンツを要求するコマンドをネットワークに送信することを実行する。
【0089】
交換可能なキーを備えるキーボードアセンブリが、当業者によって理解されるのに十分な詳細をもって明細書に記載されていることは明らかである。さらに、当業者には、本発明の範囲から実質的に逸脱しないデバイスの特徴に対して、様々な変更、変形、置換、及び均等物が存在することが明らかである。
【0090】
上記の特徴の変形及び組み合わせは、代替又は置換ではなく、本発明の意図された範囲内にあるさらに別の実施形態を形成するために組み合わせることができることは、当業者にはさらに理解されるべきである。