(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】電源システム、処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20250326BHJP
【FI】
H02M3/155 W
(21)【出願番号】P 2024030452
(22)【出願日】2024-02-29
【審査請求日】2024-02-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】保坂 勝
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-112879(JP,A)
【文献】国際公開第2018/025598(WO,A1)
【文献】特開2014-176242(JP,A)
【文献】特開2017-085771(JP,A)
【文献】特開2021-100321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源である2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムであって、
前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、
自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、
を
出力端に備え、
前記制御部は、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定
し、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第2電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路が正常状態であると判定する、
電源システム。
【請求項2】
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源である2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムであって、
前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、
自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、
を出力端に備え、
前記制御部は、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定し、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第1電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路がオープン故障であると判定する
、
電源システム。
【請求項3】
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源である2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムであって、
前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、
自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、
を出力端に備え、
前記制御部は、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定し、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記検出電流が逆流電流である場合に、前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定する
、
電源システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定した場合、前記第1同期整流方式電源の出力を停止させる、
請求項
3に記載の電源システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記検出電圧を特定する、
請求項1
から請求項3の何れか一項に記載の電源システム。
【請求項6】
出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムが実行する処理方法であって、
前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、
自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、
を出力端に備え、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定すること
と、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第2電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路が正常状態であると判定することと、
を含む処理方法。
【請求項7】
出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムのコンピュータ
であって、
前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、
自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、
を出力端に備える、コンピュータに、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定すること
と、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第2電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路が正常状態であると判定することと、
を実行させるプログラム。
【請求項8】
出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムが実行する処理方法であって、
前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、
自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、
を出力端に備え、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定することと、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第1電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路がオープン故障であると判定することと、
を含む処理方法。
【請求項9】
出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムのコンピュータであって、
前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、
自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、
を出力端に備える、コンピュータに、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定することと、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第1電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路がオープン故障であると判定することと、
を実行させるプログラム。
【請求項10】
出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムが実行する処理方法であって、
前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、
自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、
を出力端に備え、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定することと、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記検出電流が逆流電流である場合に、前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定することと、
を含む処理方法。
【請求項11】
出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムのコンピュータであって、
前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、
自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、
を出力端に備える、コンピュータに、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定することと、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記検出電流が逆流電流である場合に、前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源システム、処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな分野で電源が用いられている。特許文献1には、関連する技術として、並列運転される電源装置における逆電流を防止する電源システムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に関連するシステムでは、利便性を向上させることのできる技術が求められている。
【0005】
本開示の各態様は、上記の課題を解決することのできる電源システム、処理方法、およびプログラムを提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様によれば、電源システムは、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源である2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムであって、前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、を出力端に備え、前記制御部は、前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定し、前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第2電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路が正常状態であると判定する。
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、電源システムは、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源である2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムであって、前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、を出力端に備え、前記制御部は、前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定し、前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第1電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路がオープン故障であると判定する。
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、電源システムは、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源である2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムであって、前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、を出力端に備え、前記制御部は、前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定し、前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記検出電流が逆流電流である場合に、前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定する。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、処理方法は、出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムが実行する処理方法であって、前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、を出力端に備え、前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定することと、前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第2電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路が正常状態であると判定することと、を含む。
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、処理方法は、出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムが実行する処理方法であって、前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、を出力端に備え、前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定することと、前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第1電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路がオープン故障であると判定することと、を含む。
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、処理方法は、出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムが実行する処理方法であって、前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、を出力端に備え、前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定することと、前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記検出電流が逆流電流である場合に、前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定することと、を含む。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、プログラムは、出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムのコンピュータであって、前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、を出力端に備える、コンピュータに、前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定することと、前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第2電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路が正常状態であると判定することと、を実行させる。
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、プログラムは、出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムのコンピュータであって、前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、を出力端に備える、コンピュータに、前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定することと、前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第1電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路がオープン故障であると判定することと、を実行させる。
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、プログラムは、出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムのコンピュータであって、前記2つの同期整流方式電源は、第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、自身が備える同期整流回路の出力および自身の負荷の間に設けられるMOS-FETと、前記MOS-FETが備えるダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得し、取得した前記ダイオードのアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、前記MOS-FETをオン状態またはオフ状態に制御する制御回路と、を有するオアリング回路、を出力端に備える、コンピュータに、前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定することと、前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記検出電流が逆流電流である場合に、前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の各態様によれば、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態にかかる電源システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態にかかる電源システムの処理フローの一例を示す図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる制御部が行うオアリング回路の状態の判定の一例を示す図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる電源システムの構成の一例を示す図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる電源システムの処理フローの一例を示す図である。
【
図6】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
<実施形態>
(電源システムの構成)
本開示の一実施形態にかかる電源システム1について図面を参照して説明する。電源システム1は、後述するオアリング回路102の状態を判定することのできるシステムである。
【0012】
図1は、本開示のいくつかの実施形態にかかる電源システム1の構成の一例を示す図である。本開示の一実施形態にかかる電源システム1は、
図1に示すように、同期整流方式電源10a、10b、電源制御部20、および負荷30を備える。同期整流方式電源10aは、
図1に示すように、配線L1を介して電源制御部20に接続される。同期整流方式電源10bは、
図1に示すように、配線L2を介して電源制御部20に接続される。同期整流方式電源10a、10bそれぞれの出力は、負荷30に接続される。電源制御部20は、配線L3を介して負荷30に接続される。配線L1は、同期整流方式電源10aの制御および異常検出のための配線である。配線L2は、同期整流方式電源10bの制御および異常検出のための配線である。配線L3は、負荷30における電圧の値を検出するための配線である。以下、同期整流方式電源10a、10bを総称して同期整流方式電源10と呼ぶことがある。
【0013】
同期整流方式電源10のそれぞれは、
図1に示すように、同期整流回路101、およびオアリング回路102を備える。同期整流方式電源10のそれぞれの出力は、
図1に示すように、ワイヤードオア接続される。
【0014】
同期整流回路101は、MOS-FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)1011、1012、電流検出回路1013、インダクタL、およびキャパシタCを備える。
【0015】
MOS-FET1011は、電源制御部20による制御の下、オン状態またはオフ状態になる。MOS-FET1012は、電源制御部20による制御の下、オン状態またはオフ状態になる。電源制御部20による制御の下、MOS-FET1011、1012のそれぞれがオン状態またはオフ状態になる(すなわち、スイッチングする)ことにより、同期整流回路101に入力された電圧は整流される。
【0016】
電流検出回路1013は、同期整流回路101において、出力側から入力側に流れる電流(すなわち、逆流する異常電流)を検出する。インダクタLおよびキャパシタCは、LCフィルタを構成する。このLCフィルタにより、キャパシタCのみで同期整流回路101の出力電圧を平滑化する場合に比べて、同期整流回路101の出力電圧におけるリップルの発生を抑制することができる。
【0017】
オアリング回路102は、同期整流回路101の出力に接続される。オアリング回路102は、MOS-FET1021、および制御回路1022を備える。
【0018】
MOS-FET1021は、同期整流回路101の出力と、負荷30との間に設けられる。MOS-FET1021は、制御回路1022による制御の下、オン状態またはオフ状態になる。
【0019】
制御回路1022は、MOS-FET1021のアノードおよびカソードそれぞれの電圧値を取得する。そして、制御回路1022は、取得したMOS-FET1021のアノードおよびカソードそれぞれの電圧値に基づいて、MOS-FET1021をオン状態またはオフ状態に制御する。具体的には、MOS-FET1021のアノードの電圧値がカソードの電圧値よりも高い場合、制御回路1022は、MOS-FET1021をオン状態にする。また、MOS-FET1021のアノードの電圧値がカソードの電圧値よりも低い場合、制御回路1022は、MOS-FET1021をオフ状態にする。なお、制御回路1022がMOS-FET1021をオフ状態にした場合、同期整流方式電源10の出力側から入力側へ逆流する異常電流の発生が抑制される。
【0020】
電源制御部20は、
図1に示すように、制御部201、および記憶部202を備える。制御部201は、同期整流回路101のそれぞれを制御する。具体的には、制御部201は、MOS-FET1011をオン状態にした場合、MOS-FET1012をオフ状態にする。また、制御部201は、MOS-FET1011をオフ状態にした場合、MOS-FET1012をオン状態にする。なお、デッドタイムを設ける場合、デッドタイムでは、制御部201は、MOS-FET1011、1012のそれぞれをオフ状態にする。また、デッドタイム以外では、制御部201は、MOS-FET1011をオン状態にする場合、MOS-FET1012をオフ状態にし、MOS-FET1011をオフ状態にした場合、MOS-FET1012をオン状態にする。記憶部202は、電源制御部20が行う種々の処理に必要な情報を記憶する。
【0021】
負荷30は、同期整流方式電源10の駆動対象である。すなわち、負荷30は、同期整流方式電源10から給電される。
【0022】
なお、本開示の一実施形態にかかる電源システム1が行う上述の処理は、一例であって、上述の処理に限定されない。例えば、電源システム1は、以下で説明する処理を行うものであってもよい。
【0023】
(本開示の電源システムが行う処理)
図2は、本開示のいくつかの実施形態にかかる電源システム1の処理フローの一例を示す図である。ここでは、
図2に示す電源システム1が行う故障を検出する処理について説明する。
【0024】
電源制御部20の制御部201は、配線L1を介して通常時の電圧値(電圧Normal)から上昇させる指示である電圧High指示を同期整流方式電源10aの同期整流回路101に送信することにより、同期整流方式電源10aの同期整流回路101の出力電圧を上昇させる(ステップS1)。この時上昇させる電圧値は、同期整流方式電源10aの同期整流回路101の動作範囲である+3%程度(すなわち、通常時の電圧値(電圧Normal)に対する+3%程度)が想定される。この指示により、同期整流方式電源10aの同期整流回路101の出力電圧は、同期整流方式電源10bの同期整流回路101の出力電圧よりも高くなる。このことから、同期整流方式電源10aのオアリング回路102内のMOS-FET1021では、アノード(A)の電位がカソード(C)の電位よりも高くなる。その結果、同期整流方式電源10aのオアリング回路102がオン状態となる(ステップS2)。
【0025】
また、同期整流方式電源10bのオアリング回路102内のMOS-FET1021では、カソード(C)の電位は、アノード(A)の電位よりも高くなる。その結果、同期整流方式電源10bのオアリング回路102がオフ状態となる(ステップS3)。これにより、電源制御部20の制御部201が配線L1を介して電圧High指示を送信することにより同期整流方式電源10aの同期整流回路101の出力電圧を上昇させた電圧値が、負荷30に印可される(ステップS4)。
【0026】
電源制御部20の制御部201は、配線L3を介して負荷30に印加された電圧値を検出する(ステップS5)。制御部201は、検出した電圧値を、電源制御部20の記憶部202に予め記憶しておいた電圧High指示時の負荷30における電圧値と比較する。制御部201は、この比較により、以下に示すように、オアリング回路102の状態を判定する(ステップS6)ことができる。
【0027】
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかる制御部201が行うオアリング回路102の状態の判定の一例を示す図である。次に、制御部201が行うオアリング回路102の状態を判定する処理について説明する。なお、同期整流方式電源10aの同期整流回路101の出力電圧は、電圧High指示により通常時の電圧値(電圧Normal)よりも高い電圧値(電圧High)となっているものとする。また、同期整流方式電源10bの同期整流回路101の出力電圧は、通常時の電圧値(電圧Normal)となっているものとする。
【0028】
制御部201は、負荷30の電圧値が電圧Highの電圧値と同じであるか(「電圧High」)、負荷30の電圧値が通常時の電圧値(電圧Normal)と同じであるか「電圧Normal」)、同期整流方式電源10bの電流検出回路1013が逆流方向の電流値を検出したか(「逆流方向の電流値を検出」)を判定する(ステップS11)。
【0029】
制御部201は、負荷30の電圧値が電圧High時の電圧値と同じであると判定した場合(ステップS11において「電圧High」)、同期整流方式電源10aのオアリング回路102が正常状態であると判定する(ステップS12)。また、制御部201は、同期整流方式電源10aの同期整流回路101に電圧High指示を送信しているにもかかわらず、負荷30の電圧値が通常時の電圧値(電圧Normal)と同じであると判定した場合(ステップS11において「電圧Normal」)、同期整流方式電源10aのオアリング回路102がオープン故障であると判定する(ステップS13)。また、制御部201は、配線L2を介して、同期整流方式電源10bの同期整流回路101が備える電流検出回路1013が逆流方向の電流値を検出したと判定した場合(ステップS11において「逆流方向の電流値を検出」)、同期整流方式電源10bのオアリング回路102の異常により逆流電流が発生していると判定する。この場合、電圧を上昇させた同期整流方式電源10a側から同期整流方式電源10b側への逆流防止ができていないことになる。そのため、制御部201は、同期整流方式電源10bの同期整流回路101の動作を停止させるとともに、同期整流方式電源10bのオアリング回路102がショート故障であると判定する(ステップS14)。
【0030】
また、電源制御部20の制御部201が配線L2を介して電圧High指示を送信することにより同期整流方式電源10bの同期整流回路101の出力電圧を上昇させた場合にも上記の考えと同様の考えにより、同期整流方式電源10bのオアリング回路102のオープン故障の検出と、同期整流方式電源10aのオアリング回路102のショート故障の検出を行うことができる。
【0031】
そこで、ステップS12の状態において、制御部201は、配線L2を介して電圧High指示を同期整流方式電源10bの同期整流回路101に送信する(ステップS15)。これにより、同期整流方式電源10bの同期整流回路101の出力電圧を通常時の電圧値(電圧Normal)よりも高い電圧値(電圧High)となっているものとする。また、同期整流方式電源10bの同期整流回路101の出力電圧は、通常時の電圧値(電圧Normal)となっているものとする。
【0032】
制御部201は、負荷30の電圧値が電圧Highの電圧値と同じであるか(「電圧High」)、負荷30の電圧値が通常時の電圧値(電圧Normal)と同じであるか「電圧Normal」)、同期整流方式電源10aの電流検出回路1013が逆流方向の電流値を検出したか(「逆流方向の電流値を検出」)を判定する(ステップS16)。
【0033】
制御部201は、負荷30の電圧値が電圧High時の電圧値と同じであると判定した場合(ステップS16において「電圧High」)、同期整流方式電源10bのオアリング回路102が正常状態であると判定する(ステップS17)。また、制御部201は、同期整流方式電源10bの同期整流回路101に電圧High指示を送信しているにもかかわらず、負荷30の電圧値が通常時の電圧値(電圧Normal)と同じであると判定した場合(ステップS16において「電圧Normal」)、同期整流方式電源10bのオアリング回路102がオープン故障であると判定する(ステップS18)。また、制御部201は、配線L1を介して、同期整流方式電源10aの同期整流回路101が備える電流検出回路1013が逆流方向の電流値を検出したと判定した場合(ステップS16において「逆流方向の電流値を検出」)、同期整流方式電源10aのオアリング回路102の異常により逆流電流が発生していると判定する。この場合、電圧を上昇させた同期整流方式電源10b側から同期整流方式電源10a側への逆流防止ができていないことになる。そのため、制御部201は、同期整流方式電源10aの同期整流回路101の動作を停止させるとともに、同期整流方式電源10aのオアリング回路102がショート故障であると判定する(ステップS19)。
【0034】
なお、同期整流方式電源10aの同期整流回路101が備える電流検出回路1013、および同期整流方式電源10bの同期整流回路101が備える電流検出回路1013が逆流電流の発生を直接検出する場合、逆流電流発生による異常検出および異常検出による同期整流回路101の動作の停止を短時間に行うことが可能である。更に、短時間に異常検出が可能となることで、逆流電流を最小限に抑え同期整流回路101の故障を抑止するとともに、出力電圧を上昇させた同期整流回路101の出力における過電流による異常状態を回避することが可能となる。これにより他の正常動作中の同期整流方式電源の運用に影響を与えることなく、オアリング回路102がショート故障した同期整流方式電源10を速やかに停止させることができ、故障が発生したオアリング回路102を備える同期整流方式電源10を安全に交換することが可能となる。
【0035】
(利点)
以上、本開示の一実施形態にかかる電源システム1について説明した。電源システム1は、2つの同期整流方式電源10と、制御部201とを備える電源システムである。前記2つの同期整流方式電源10のそれぞれは、出力端にオアリング回路102、を備える。前記制御部201は、前記2つの同期整流方式電源10の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路102に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路102の状態を判定する。
【0036】
この電源システム1により、オアリング回路102の状態を判定することができる。つまり、電源システム1は、利便性を向上させることができる。
【0037】
なお、本開示の別の実施形態では、電源システム1は、3つ以上の同期整流方式電源10を備えるものであってもよい。また、オアリング回路102は、MOS-FETの代わりにダイオードを使用するものであってもよい。
【0038】
(利点)
電源システム1は、3つ以上の同期整流方式電源10を備えるものであっても、制御部201は、オアリング回路102の状態を判定することができる。また、オアリング回路102は、MOS-FETの代わりにダイオードを使用した場合であっても、MOS-FETと使用する場合と同様に、他の同期整流方式電源に影響を与えることなく、故障が発生したオアリング回路を備える同期整流方式電源を速やかに停止させることができる。
【0039】
図4は、本開示のいくつかの実施形態にかかる電源システム1の構成の一例を示す図である。電源システム1は、
図4に示すように、2つの同期整流方式電源301と、制御部302とを備える電源システムである。電源システム1において、前記2つの同期整流方式電源301のそれぞれは、出力端にオアリング回路を備える。前記制御部302は、前記2つの同期整流方式電源301の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定する。
【0040】
2つの同期整流方式電源301は、例えば、
図1に例示されている同期整流方式電源10a、10bが有する機能を用いて実現することができる。制御部302は、例えば、
図1に例示されている制御部201が有する機能を用いて実現することができる。
【0041】
次に、本開示のいくつかの実施形態にかかる電源システム1が行う処理について説明する。
図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかる電源システム1の処理フローの一例を示す図である。ここでは、
図5を参照して電源システム1の処理について説明する。
【0042】
出力端にオアリング回路を有する2つの同期整流方式電源301のそれぞれを備える電源システム1において、制御部302は、前記2つの同期整流方式電源301の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定する(ステップS101)。
【0043】
以上、本開示のいくつかの実施形態にかかる電源システム1について説明した。この電源システム1により、利便性を向上させることができる。
【0044】
なお、本開示の各実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0045】
本開示の各実施形態について説明したが、上述の電源システム1、同期整流方式電源10、電源制御部20、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
【0046】
図6は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ5は、
図6に示すように、CPU(Central Processing Unit)6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
【0047】
例えば、上述の電源システム1、同期整流方式電源10、電源制御部20、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0048】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0049】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0050】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【0051】
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0052】
(付記1)
2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムであって、
前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、
出力端にオアリング回路、
を備え、
前記制御部は、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定する、
電源システム。
【0053】
(付記2)
前記2つの同期整流方式電源は、
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記制御部は、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第2電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路が正常状態であると判定する、
付記1に記載の電源システム。
【0054】
(付記3)
前記2つの同期整流方式電源は、
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記制御部は、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第1電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路がオープン故障であると判定する、
付記1または付記2に記載の電源システム。
【0055】
(付記4)
前記2つの同期整流方式電源は、
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記制御部は、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記検出電流が逆流電流である場合に、前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定する、
付記1から付記3の何れか1つに記載の電源システム。
【0056】
(付記5)
前記制御部は、
前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定した場合、前記第1同期整流方式電源の出力を停止させる、
付記4に記載の電源システム。
【0057】
(付記6)
前記制御部は、
前記検出電圧を特定する、
付記1から付記5の何れか1つに記載の電源システム。
【0058】
(付記7)
前記オアリング回路は、
MOS-FETを備える、
付記1から付記6の何れか1つに記載の電源システム。
【0059】
(付記8)
前記オアリング回路は、
ダイオードを備える、
付記1から付記6の何れか1つに記載の電源システム。
【0060】
(付記9)
出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムが実行する処理方法であって、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定すること、
を含む処理方法。
【0061】
(付記10)
前記2つの同期整流方式電源は、
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第2電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路が正常状態であると判定すること、
を含む付記9に記載の処理方法。
【0062】
(付記11)
前記2つの同期整流方式電源は、
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第1電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路がオープン故障であると判定すること、
を含む付記9または付記10に記載の処理方法。
【0063】
(付記12)
前記2つの同期整流方式電源は、
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記検出電流が逆流電流である場合に、前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定すること、
を含む付記9から付記11の何れか1つに記載の処理方法。
【0064】
(付記13)
前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定した場合、前記第1同期整流方式電源の出力を停止させること、
を含む付記12に記載の処理方法。
【0065】
(付記14)
前記検出電圧を特定すること、
を含む付記9から付記13の何れか1つに記載の処理方法。
【0066】
(付記15)
前記オアリング回路は、
MOS-FETを備える、
付記9から付記14の何れか1つに記載の処理方法。
【0067】
(付記16)
前記オアリング回路は、
ダイオードを備える、
付記9から付記14の何れか1つに記載の処理方法。
【0068】
(付記17)
出力端にオアリング回路を備える2つの同期整流方式電源と、制御部とを備える電源システムのコンピュータに、
前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定すること、
を実行させるプログラム。
【0069】
(付記18)
前記2つの同期整流方式電源は、
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第2電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路が正常状態であると判定すること、
を前記コンピュータに実行させる付記17に記載のプログラム。
【0070】
(付記19)
前記2つの同期整流方式電源は、
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記負荷における電圧値が前記第1電圧値である場合に、前記第1同期整流方式電源の前記オアリング回路がオープン故障であると判定すること、
を前記コンピュータに実行させる付記17または付記18に記載のプログラム。
【0071】
(付記20)
前記2つの同期整流方式電源は、
第1同期整流方式電源と第2同期整流方式電源であり、
前記第1同期整流方式電源に通常時の電圧値である第1電圧値よりも高い第2電圧値となるよう指示し、前記検出電流が逆流電流である場合に、前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定すること、
を前記コンピュータに実行させる付記17から付記19の何れか1つに記載のプログラム。
【0072】
(付記21)
前記第2同期整流方式電源の前記オアリング回路がショート故障であると判定した場合、前記第1同期整流方式電源の出力を停止させること、
を前記コンピュータに実行させる付記20に記載のプログラム。
【0073】
(付記22)
前記検出電圧を特定すること、
を前記コンピュータに実行させる付記17から付記21の何れか1つに記載のプログラム。
【0074】
(付記23)
前記オアリング回路は、
MOS-FETを備える、
付記17から付記22の何れか1つに記載のプログラム。
【0075】
(付記24)
前記オアリング回路は、
ダイオードを備える、
付記17から付記22の何れか1つに記載のプログラム。
【符号の説明】
【0076】
1・・・電源システム
5・・・コンピュータ
6、205・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・同期整流方式電源
20・・・電源制御部
30・・・負荷
101・・・同期整流回路
102・・・オアリング回路
1011、1012・・・MOS-FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)
1013・・・電流検出回路
L・・・インダクタ
C・・・キャパシタ
【要約】 (修正有)
【課題】利便性を向上させることのできる電源システムを提供する。
【解決手段】電源システム1は、2つの同期整流方式電源10a、10bと、制御部20とを備える電源システムであって、前記2つの同期整流方式電源のそれぞれは、出力端にオアリング回路102、を備え、前記制御部は、前記2つの同期整流方式電源の出力電圧値を制御し、前記出力端における検出電圧、前記出力端における検出電流、および前記オアリング回路に接続される負荷における電圧値に基づいて、前記オアリング回路の状態を判定する。
【選択図】
図1