(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】分離膜カッティング装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20250326BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20250326BHJP
H01M 50/403 20210101ALI20250326BHJP
H01M 50/406 20210101ALI20250326BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/058
H01M50/403 F
H01M50/406
(21)【出願番号】P 2023547686
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 KR2022015756
(87)【国際公開番号】W WO2023085625
(87)【国際公開日】2023-05-19
【審査請求日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】10-2021-0153806
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ヒュン・カン
(72)【発明者】
【氏名】スン・ドン・キム
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2006-0027257(KR,A)
【文献】特表2015-513195(JP,A)
【文献】実開昭61-036737(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2020/0406074(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0040504(KR,A)
【文献】特開2020-183786(JP,A)
【文献】実開昭61-032631(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/00-10/39
H01M 4/00- 4/62
H01M 50/40-50/497
B26D 1/00- 1/24
F16F 1/00- 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体を積層するラミネーション工程における分離膜カッティング装置であって、
移送される前記電極組立体を
上側面上に一時的に固定する固定部と、
前記固定部の上側に配置されるカッター支持部と、
前記カッター支持部の下側に配置され、前記固定部に一時的に固定された前記電極組立体中の分離膜をカッティングするカッター部と、
前記カッター支持部と前記カッター部とを相互弾力的に連結し、前記分離膜をカッティングした後の前記カッター部を最初の位置に復帰させるスプリング部と、を含み、
前記スプリング部は、前記カッター支持部と前記カッター部にそれぞれ備えられた支持軸に結合するスプリングブッシュと、前記スプリングブッシュに一体に結合したスプリングホルダーと、前記スプリングホルダー内に両端が結束され、前記カッター部の昇降に応じて伸縮されるスプリングと、を含み、
前記スプリングホルダーおよび前記スプリングブッシュは非金属材料を含
み、
前記スプリングホルダー内の前記スプリングの前記両端がねじ結合しており、
前記カッター部及び前記カッター支持部が前記固定部の前記上側面上に位置しており、
前記スプリングが伸張されて前記カッター部が前記固定部の前記上側面に向かって下降し、前記固定部の前記上側面に接触しながら前記電極組立体の前記分離膜をカッティングする、分離膜カッティング装置。
【請求項2】
前記スプリングホルダーおよび前記スプリングブッシュは、一体に形成される、請求項1に記載の分離膜カッティング装置。
【請求項3】
前記スプリングホルダーおよび前記スプリングブッシュは、エンジニアリングプラスチックである、請求項1に記載の分離膜カッティング装置。
【請求項4】
前記スプリングホルダーおよび前記スプリングブッシュは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む、請求項3に記載の分離膜カッティング装置。
【請求項5】
前記スプリングホルダーは、
コイルタイプの螺旋ホルダーである、請求項1に記載の分離膜カッティング装置。
【請求項6】
前記スプリングの両端は、前記
コイルタイプの前記螺旋ホルダーに直接ねじ結合される、請求項5に記載の分離膜カッティング装置。
【請求項7】
前記スプリングホルダーは、前記スプリングブッシュと一体に連結形成された中空円筒形の部材であり、前記中空円筒形の前記スプリングホルダーの内側面に前記スプリングの端部が密着固定される、請求項1~6の何れか一項に記載の分離膜カッティング装置。
【請求項8】
前記中空円筒形の前記スプリングホルダーの内側面には、前記スプリングの螺旋に対応するねじ山が形成される、請求項7に記載の分離膜カッティング装置。
【請求項9】
前記ねじ山に対して前記スプリングの端部が直接ねじ結合する、請求項8に記載の分離膜カッティング装置。
【請求項10】
前記スプリングホルダーは、前記スプリングブッシュと一体に連結形成された中空円筒形の部材であり、前記中空円筒形の前記スプリングホルダーの中心には円筒形の突出部が備えられ、
前記突出部によって前記中空円筒形の前記スプリングホルダーの内部空間に形成された環状結合溝に前記スプリングの端部が挿入されて加圧固定される、請求項1~6の何れか一項に記載の分離膜カッティング装置。
【請求項11】
前記環状結合溝が形成する対向する2つの内側面には、それぞれ前記スプリングの螺旋に対応するねじ山が形成されることを特徴とする、請求項10に記載の分離膜カッティング装置。
【請求項12】
前記スプリングの端部が
2つの隣接する前記ねじ山にねじ結合する、請求項11に記載の分離膜カッティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月10日付の韓国特許出願第10-2021-0153806号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、分離膜カッティング装置に関するものである。
【0003】
より詳細には、ラミネーション工程で分離膜をカッティングしたカッターを弾性によって復帰させるスプリング部の構造を改善して周囲金属との摩擦を抑制し得る分離膜カッティング装置に関するものである。
【0004】
また、本発明は、スプリング部を非金属材料に改善して周囲金属との摩擦による異物質の発生を防止し得る分離膜カッティング装置に関するものである。
【背景技術】
【0005】
近年、充放電が可能な二次電池は、ワイヤレスモバイル機器のエネルギー源として広く使用されている。
【0006】
また、二次電池は、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダなどのような携帯用機器のみならず、化石燃料を使用する既存のガソリン車、ディーゼル車などに起因する大気汚染などを解決するための対策として提示されている電気自動車、ハイブリッド電気自動車などのエネルギー源としても注目されている。
【0007】
したがって、二次電池を使用するアプリケーションの種類は、二次電池の長所により非常に多様化しており、今後は今より多くの分野と製品に二次電池が適用されると予想される。
【0008】
このような二次電池は、電極と電解液の構成によってリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウムポリマー電池などに分類され、電解液の漏液の可能性が少なく、製造が容易なリチウムイオンポリマー電池の使用量が増加している。
【0009】
一般的に、二次電池は、電池ケースの形状に応じて、電極組立体が円筒形または角型の金属缶に内蔵されている円筒形電池および角型電池と、電極組立体がアルミニウムラミネーションシートのパウチ型ケースに内蔵されているパウチ型電池に分類される。
【0010】
そして、電池ケースに内蔵される電極組立体は、正極、負極、および正極と負極との間に介在された分離膜の構造からなる充放電が可能な発電素子であって、活物質が塗布された長いシート状の正極と負極との間に分離膜を介在して巻取したジェリーロール形態、および所定のサイズで形成される多数の正極と負極を分離膜が介在された状態で順次に積層するスタック型に分類される。
【0011】
ここで、電気自動車などは、高出力の電気エネルギーが使用されるため、多数のバッテリーモジュールが要求され、そのようなバッテリーモジュールは、内部に多数の電池セルが直列または並列に連結される。
【0012】
このような電池セルは、電極をノッチングするノッチング工程と、ノッチングされた電極をラミネーションするラミネーション工程と、ラミネーションされた電極組立体から分離膜をカッティングする分離膜カッティング工程と、スタック工程および圧着工程、包装工程およびデガス工程を通じて製造される。
【0013】
ここで、
図1に図示しているように、正極供給ロール201と負極供給ロール203とを介して正極と負極が供給され、このとき正極と負極はそれぞれのカッティング装置201a、203aを介して分離されて供給される。
【0014】
そして、分離膜供給ロール205を介して供給される分離膜が正極と負極との間に介在され、上記正極と負極および分離膜はラミネーション装置200を介してラミネーションされ、上記ラミネーション装置200の後端に備えられる分離膜カッティング装置100を介してラミネーションされた電極組立体101から分離膜をカッティングする。
【0015】
このような、上記分離膜カッティング装置100は、
図2に図示されているが、電極組立体が固定される固定部(図示せず)とカッター支持部103および分離膜をカッティングするカッター部105、そして分離膜をカッティングしたカッター部を最初の位置に復帰させるスプリング部107を含む。
【0016】
ここで、スプリング部107は、カッター支持部103とカッター部105に両端部が連結され、スプリング部107の弾性により固定部上の分離膜をカッティングしたカッター部105が最初の位置に復帰される構造からなる。
【0017】
上述したように、スプリング部は固定部上の分離膜をカッティングした後、カッター部を最初の位置に復帰時に振動が発生され、フレームを含む金属構造物と接触されて摩擦が発生する。
【0018】
このとき、スプリング部はSUS材料からなるため、フレームを含む金属構造物との接触により細かく砕かれたり、研がれたりする研ぎ現象が発生され、これにより当該異物質が電極組立体上に流入されてショート不良および低電圧不良などを発生させるという問題点があった。
【0019】
したがって、固定部上の分離膜をカッティングした後、カッター部を最初の位置に復帰するスプリング部を介して異物質の発生を最小化し、これを通じて製品品質を向上させ得る改善されたスプリング部の構造が要求されているのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記したような問題点を解決するために作られたものであって、ラミネーション工程で分離膜をカッティングしたカッターを弾性により復帰させるスプリング部の構造を改善し、周囲金属との摩擦を抑制し得る分離膜カッティング装置を提供することを目的とする。
【0022】
そして、本発明は、スプリング部を非金属材料に改善して周囲金属との摩擦による異物質の発生を防止し得る分離膜カッティング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記したような課題を実現するために、本発明は、電極組立体を積層するラミネーション工程における分離膜カッティング装置であって、移送される上記電極組立体を一時的に固定する固定部と、固定部の上側に配置されるカッター支持部と、カッター支持部の下側に配置され、固定部に一時的に固定された電極組立体中の分離膜をカッティングするカッター部と、カッター支持部とカッター部とを相互弾力的に連結し、分離膜をカッティングした後のカッター部を最初の位置に復帰させるスプリング部と、を含み、スプリング部は、カッター支持部とカッター部にそれぞれ備えられた支持軸に結合するスプリングブッシュと、スプリングブッシュに一体に結合したスプリングホルダーと、スプリングホルダーに両端が結束され、カッター部の昇降に応じて伸縮されるスプリングと、を含み、スプリングホルダーおよびスプリングブッシュは非金属材料を含むことを特徴とする。
【0024】
一例として、スプリングホルダーおよびスプリングブッシュは一体に形成される。
【0025】
他の一例として、スプリングホルダーおよびスプリングブッシュはエンジニアリングプラスチックである。
【0026】
具体例として、スプリングホルダーおよびスプリングブッシュはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。
【0027】
一例として、スプリングホルダーはヘリコイルタイプの螺旋ホルダーである。
【0028】
具体例として、スプリングの両端はヘリコイルタイプの螺旋ホルダーに直接ねじ結合される。
【0029】
他の一例として、スプリングホルダーは、スプリングブッシュと一体に連結形成された中空円筒形の部材であり、中空円筒形のスプリングホルダーの内側面にスプリングの端部が密着固定される。
【0030】
具体例として、中空円筒形のスプリングホルダーの内側面には、スプリングの螺旋に対応するねじ山が形成される。
【0031】
他の具体例として、ねじ山に対してスプリングの端部が直接ねじ結合する。
【0032】
別の一例として、スプリングホルダーは、スプリングブッシュと一体に連結形成された中空円筒形の部材であり、中空円筒形のスプリングホルダーの中心には円筒形の突出部が備えられ、突出部によって中空円筒形のスプリングホルダーの内部空間に形成された環状結合溝にスプリングの端部が挿入されて加圧固定される。
【0033】
具体例として、環状結合溝が形成する対向する2つの内側面には、それぞれ上記スプリングの螺旋に対応するねじ山が形成される。
【0034】
他の具体例として、ねじ山に対してスプリングの端部が直接二重にねじ結合する。
【発明の効果】
【0035】
本発明によると、分離膜カッティング装置のスプリング部構造を改善して周辺金属との摩擦を抑制し、またスプリング部を非金属材料に改善して周囲金属との摩擦による異物質の発生を防止し得る。
【0036】
したがって、本発明は、異物質が電極組立体に流入されてショート不良および低電圧不良の発生を防止し、スプリング部を介して異物質の発生を最小化して製品品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】電池セル製造工程においてラミネーション工程および分離膜カッティング工程を概略的に示す工程図である。
【
図2】従来技術に係る分離膜カッティング装置のスプリング部を概略的に示す図面である。
【
図3】本発明による分離膜カッティング装置を概略的に示す図面である。
【
図4】本発明による分離膜カッティング装置の一実施形態に係るスプリング部を概略的に示す斜視図である。
【
図5】本実施形態によるスプリング部を分解して示す正面図である。
【
図6】本実施形態によるスプリング部が分離膜カッティング装置に適用された様子を概略的に示す図面である。
【
図7】本発明による分離膜カッティング装置の他の実施形態に係るスプリング部を分解して示す正面図である。
【
図8】本実施形態によるスプリング部のスプリングブッシュおよびスプリングホルダーを概略的に示す正断面図である。
【
図9】本実施形態によるスプリング部のスプリングホルダーにスプリングが結合された様子を概略的に示す正断面図である。
【
図10】本実施形態によるスプリング部が分離膜カッティング装置に適用された様子を概略的に示す図面である。
【
図11】本発明による分離膜カッティング装置の別の実施形態によるスプリング部のスプリングブッシュおよびスプリングホルダーを概略的に示す正断面図である。
【
図12】本実施形態によるスプリング部のスプリングホルダーにスプリングが結合された様子を概略的に示す正断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、電極組立体を積層するラミネーション工程における分離膜カッティング装置であって、移送される上記電極組立体を一時的に固定する固定部と、固定部の上側に配置されるカッター支持部と、カッター支持部の下側に配置され、固定部に一時的に固定された電極組立体中の分離膜をカッティングするカッター部と、カッター支持部とカッター部とを相互弾力的に連結し、分離膜をカッティングした後のカッター部を最初の位置に復帰させるスプリング部と、を含み、スプリング部は、カッター支持部とカッター部にそれぞれ備えられた支持軸に結合するスプリングブッシュと、スプリングブッシュに一体に結合したスプリングホルダーと、スプリングホルダーに両端が結束され、カッター部の昇降に応じて伸縮されるスプリングと、を含み、スプリングホルダーおよびスプリングブッシュは、非金属材料からなる分離膜カッティング装置を提供する。
【0039】
以下、本発明について詳細に説明する。その前に、本明細書および特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は彼自身の発明を最善の方法により説明するために、用語の概念を適切に定義し得るという原則に基づいて本発明の技術的な思想に符合する意味と概念として解釈されるべきである。
【0040】
本発明の明細書全体で使用される「含む」や「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。
【0041】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする場合、これは他の部分の「真上に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あるとする場合、それは他の部分の「真下に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。また、本発明の明細書において「上に」配置されるということは、上側のみならず下側に配置される場合も含むものであり得る。
【0042】
(第1実施形態)
図3は、本発明による分離膜カッティング装置を概略的に示す図面である。
図4は、本発明による分離膜カッティング装置の一実施形態によるスプリング部を概略的に示す斜視図である。
図5は、本実施形態によるスプリング部を分解して示す正面図である。
図6は、本実施形態によるスプリング部が分離膜カッティング装置に適用された様子を概略的に示す図面である。
【0043】
図3で図示しているように、本発明による分離膜カッティング装置1は、電極組立体3が移送される固定部10と、上記固定部10の上側に配置されるカッター支持部20と、上記カッター支持部20の下側に配置されて分離膜3bをカッティングするカッター部30および分離膜3bをカッティングしたカッター部30を最初の位置に復帰させるスプリング部40と、を含む。
【0044】
上記固定部10は、移送される上記電極組立体3を一時的に固定するためのものであって、正極3aと負極3cおよび分離膜3bがスタッキングされた電極組立体3から分離膜3bのカッティングが進行される区間である。
【0045】
上記カッター支持部20は、上記固定部10の上側に配置され、分離膜3bをカッティングするカッター部30を支持する。
【0046】
上記カッター部30は、上記カッター支持部20の下側に配置され、垂直方向に昇降可能になされて、上記固定部10の上側面に移送された電極組立体3中の分離膜3bをカッティングする。
【0047】
上記スプリング部40は、上位カッター支持部20とカッター部30とを相互弾力的に連結し、上記分離膜3bをカッティングした後、カッター部30を最初に位置に復帰させる。
【0048】
このために、上記カッター支持部20とカッター部30には支持軸21、31がそれぞれ形成され、上記各支持軸21、31にスプリング48の両端が結合されて分離膜3bのカッティング後、カッター部30を最初の位置に復帰させる。
【0049】
一方、上記スプリング部40は、
図4および
図5に図示されたように、上記カッター支持部20とカッター部30にそれぞれ備えられた支持軸21、31に結合するスプリングブッシュ41と上記スプリングブッシュ41に一体に結合したスプリングホルダー43および上記スプリングホルダー43に両端が結束され、上記カッター部30の昇降に応じて伸縮されるコイル(Coil)形態のスプリング48を含む。
【0050】
上記スプリングブッシュ41は、バーの形態であって、上記カッター支持部20とカッター部30にそれぞれ備えられる支持軸21、31に結合されるように結合ホール41aがそれぞれ貫通形成される。
【0051】
上記スプリングホルダー43は、上記スプリングブッシュ41の端部に結合され、かつヘリコイルタイプ(Heli-coil Type)の螺旋ホルダーからなる。
【0052】
上記スプリング48は、両端部がスプリングホルダー43に結合され、上記カッター部30が固定部10上の分離膜3bのカッティング時には伸長され、分離膜3bのカッティング後には弾性により収縮され、上記カッター部30を最初の位置に復帰させるようになされる。
【0053】
上記したように、上記スプリング48の両端が各スプリングホルダー43に結合され、上記各スプリングホルダー43は、スプリングブッシュ41によってカッター支持部20およびカッター部30の支持軸21、31に設けられることにより分離膜3bをカッティングした後、最初の位置に復帰するカッター部30の振動およびカッター部30の周辺に備えられる周辺金属構造物とスプリング48の接触による摩擦発生を最小化し得る。
【0054】
一方、上記スプリング48の両端は、上記ヘリコイルタイプのスプリングホルダー43に直接ねじ結合される。すなわち、上記スプリング48をなす螺旋でねじれたスプリング線材が、ヘリコイルタイプのスプリングホルダー43の連続される螺旋空間に沿って回転しながらねじ結合される。
【0055】
このために、上記スプリング48の螺旋方向とスプリングホルダー43の螺旋方向は同一に形成され、上記スプリング48の両端のスプリング線材が上記スプリングホルダー48の螺旋空間にねじ結合されて両側に固定される。
【0056】
ここで、上記スプリングホルダー43およびスプリングブッシュ41は非金属材料からなる。このように、上記スプリングホルダー43およびスプリングブッシュ41が非金属材料からなることにより、カッター部30と上記カッター部30の周辺に備えられる金属構造物との接触時に金属異物質の発生を防止し得る。
【0057】
このとき、上記スプリングホルダー43とスプリングブッシュ41とは一体に形成されることが好ましいが、上記スプリングホルダー43とスプリングブッシュ41とが分離可能になされるのも可能であり、その他に多様に変更可能である。
【0058】
一方、上記スプリングホルダー43およびスプリングブッシュ41はエンジニアリングプラスチックからなる。
【0059】
好ましくは、上記スプリングホルダー43およびスプリングブッシュ41はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなる。
【0060】
本発明の一実施形態においては、上記スプリングホルダー43およびスプリングブッシュ41が、エンジニアリングプラスチック材料またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなっているが、これに限定せず、その他多様に変更実施可能である。
【0061】
以下、本発明の一実施形態による分離膜カッティング装置へのスプリング部の設置過程を
図5および
図6を参照して簡略に説明する。
【0062】
まず、上記スプリングブッシュ41に一体に形成されるスプリングホルダー43をスプリング48の両端に設ける。
【0063】
このとき、ヘリコイルタイプのスプリングホルダー43がなす内側の連続された螺旋空間に沿ってスプリング48が回転しながら螺旋にねじれたスプリング線材が結合されることにより両者が相互ねじ結合される。
【0064】
このように、上記スプリング48の両端にスプリングホルダー43をねじ結合した後、上記各スプリングホルダー43に一体に結合されたスプリングブッシュ41をカッター支持部20とカッター部30にそれぞれ形成される支持軸21、31に締結する。
【0065】
ここで、上記カッター支持部20とカッター部30に形成される各支持軸21、31にスプリングブッシュ41の締結時、上記スプリングブッシュ41の結合ホール41aに支持軸21、31を挿入した後、上記支持軸21、31にナットなどの締結部材(図示せず)を締結して固定させる。
【0066】
以下、
図6を参照して本発明の一実施形態による分離膜カッティング装置の動作過程を簡略に説明する。
【0067】
まず、ラミネーション装置を介してラミネーションされた電極組立体3が分離膜カッティング装置1の固定部10の上側面に移送される。
【0068】
上記分離膜カッティング装置1は、正極3aと分離膜3bおよび負極3cがスタックされた電極組立体3から分離膜3bをカッティングする。
【0069】
すなわち、上記電極組立体3が固定部10上に移送されると、油圧または電気的な信号によりカッター支持部20の下側に備えられるカッター部30が固定部10の上側面に向かって下降し、上記カッター部30のカッティングナイフ33が固定部10の上側面に接触しながら電極組立体3の分離膜3bをカッティングする。
【0070】
ここで、上記カッター支持部20とカッター部30との各支持軸21、31にスプリングブッシュ41で結合され、上記スプリングブッシュ41に一体に結合されたスプリングホルダー43内に両端が結束されたスプリング48が伸張されてカッター部30が固定部10の上側面に向かって下降し、分離膜3bのカッティング後にスプリング48が収縮されてカッター部30を最初の位置に復帰させる。
【0071】
このとき、上記スプリングホルダー43内にねじ結合されたスプリング48の両端部は、カッター部30の駆動時に伸縮されず、上記スプリングホルダー43の外部に配置されるスプリング48の残りの部分がカッターの駆動時に伸縮されるようになされる。
【0072】
したがって、上記スプリングホルダー43内にスプリング48の両端部がねじ結合されることにより、カッター部30の反復的な駆動および振動によってスプリング48の弾性範囲を制限し、スプリング48と周辺金属構造物との接触を最小化し得る。
【0073】
また、金属材料からなるスプリング48の両端が非金属材料からなる各スプリングホルダー43内にねじ結合されることにより、カッター部30の反復的な駆動および振動などによりスプリングホルダー43が周辺金属構造物に接触されることによって、スプリング48が周囲金属構造物に直接的に接触されないため、金属間の摩擦による金属異物質の発生をゼロ化し得る。
【0074】
(第2実施形態)
図7は、本発明による分離膜カッティング装置の他の実施形態によるスプリング部を分解して示す正面図である。
図8は、本実施形態によるスプリング部のスプリングブッシュおよびスプリングホルダーを概略的に示す正断面図である。
図9は、本実施形態によるスプリング部のスプリングホルダーにスプリングが結合された様子を概略的に示す正断面図である。
図10は、本実施形態によるスプリング部が分離膜カッティング装置に適用された様子を概略的に示す図面である。
【0075】
図7~
図10に図示しているように、本実施形態によるスプリング部40’は、スプリングホルダー43’がスプリングブッシュ41と一体に連結形成された中空円筒形の部材であり、上記中空円筒形のスプリングホルダー43’の内側面に、上記スプリングの端部が密着固定される。
【0076】
すなわち、本実施形態によるスプリング部40’のスプリングホルダー43’はスプリングブッシュ41と一体に連結形成され、かつ内部に中空を有する円筒形の部材であり、上記スプリングホルダー43’の中空の内側面に上記スプリング48の端部が挿入されて密着固定される。
【0077】
このために、上記中空円筒形のスプリングホルダー43’の内側面には、上記スプリング48の螺旋に対応するねじ山44aが形成され、上記スプリング48の螺旋方向と上記スプリングホルダー43’に形成されるねじ方向は同一に形成される。
【0078】
上記したような構成により、上記スプリング48の両端をスプリングホルダー43’の中空に結合時に、上記スプリング48の両端がスプリングホルダー43’の中空の内側面に形成されるねじ山44aに対して直接ねじ結合されて固定される。
【0079】
(第3実施形態)
図11は、本発明による分離膜カッティング装置の別の実施形態によるスプリング部のスプリングブッシュおよびスプリングホルダーを概略的に示す正断面図である。
図12は、本実施形態によるスプリング部のスプリングホルダーにスプリングが結合された様子を概略的に示す正断面図である。
【0080】
図11に図示しているように、本実施形態によるスプリング部40”は、スプリングホルダー43”が上記スプリングブッシュ41と一体に連結形成された中空円筒形の部材であり、上記中空円筒形のスプリングホルダー43”の中心には円筒形の突出部45が備えられ、上記突出部45によって上記円筒形のスプリングホルダー43”の内部空間に形成される環状の結合溝46に上記スプリング48の端部が挿入されて加圧固定される。
【0081】
すなわち、本実施形態によるスプリングホルダー43”は、内部に中空を有する円筒形の部材であり、スプリングブッシュ41と一体に連結形成され、上記スプリングホルダー43”の中空の中心には円筒形の突出部45が突出成形される。
【0082】
そして、上記突出部45により、突出部45の周面と上記周面に対向する中空の内側面との間の内部空間に環状の結合溝46が形成され、上記環状の結合溝46にスプリング48の端部が挿入されて加圧固定される。
【0083】
一方、上記環状の結合溝46が形成し、かつ相互対向する2つの内側面には、上記スプリング48の螺旋に対応されるねじ山44bがそれぞれ形成される。すなわち、上記スプリングホルダー43”の突出部45の周面にねじ山44bが形成され、上記突出部45の周面に対向するスプリングホルダー43”の中空の内側面にねじ山44bが形成される。
【0084】
このときも、上記スプリングホルダー43”に形成される環状の結合溝46に形成されるねじ山44bの螺旋方向とスプリング48の螺旋方向は同一に形成される。
【0085】
上記したような構成により、
図12に図示しているように、上記スプリング48の端部が環状の結合溝46に形成されるねじ山44bに対して直接二重にねじ結合される。
【0086】
一変形例として、上記スプリングホルダー43”の環状の結合溝46を形成する相互対向する2つの内側面のうち、突出部45の周面に上記スプリング48の螺旋に対応されるねじ山44bが形成され、上記スプリング48の端部が結合溝46にねじ結合されることも可能である。
【0087】
また、他の変形例として、上記スプリングホルダー43”の環状の結合溝46を形成する相互対向される2つの内側面のうち、中空の内側面に上記スプリング48の螺旋に対応されるねじ山44bが形成され、上記スプリング48の端部が結合溝46にねじ結合されることも可能である。
【0088】
以上、本発明は特定の実施形態と関連して図示および説明するが、添付特許請求の範囲に示された発明の思想および領域から逸脱しない限度内で、多様な改造および変化が可能であることは、当業界において通常の知識を有する者であれば誰もが容易に分かるだろう。
【符号の説明】
【0089】
1:分離膜カッティング装置
3:電極組立体
3a:正極
3b:分離膜
3c:負極
10:固定部
20:カッター支持部
21:支持軸
30:カッター部
31:支持軸
33:カッティングナイフ
40、40’、40”:スプリング部
41:スプリングブッシュ
41a:結合ホール
43、43’、43”:スプリングホルダー
44a、44b:ねじ山
45:突出部
46:結合溝
48:スプリング