(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】航空機ターンアラウンドモニタリングシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20250326BHJP
B64D 47/08 20060101ALI20250326BHJP
B64D 45/00 20060101ALI20250326BHJP
B64F 1/36 20240101ALI20250326BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20250326BHJP
【FI】
G06Q50/40
B64D47/08
B64D45/00 Z
B64F1/36
G06Q10/06
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020092804
(22)【出願日】2020-05-28
【審査請求日】2023-05-23
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゴンサレス パラ, ガロー
(72)【発明者】
【氏名】スターリング, ミリー アイリーン
(72)【発明者】
【氏名】メイサー, ダレン
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0229856(US,A1)
【文献】特開2019-049963(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0351061(US,A1)
【文献】特表2017-525607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B64D 47/08
B64D 45/00
B64F 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港(104)で航空機(102)のターンアラウンドをモニタするように構成されたターンアラウンドモニタリングシステムであって、
前記空港(104)で前記航空機(102)に関するターンアラウンドデータを受け取り、前記ターンアラウンドデータに基づいて、前記航空機(102)のターンアラウンドステータスを特定する、ターンアラウンド解析制御ユニット(130)
、
履歴ターンアラウンドデータを記憶するターンアラウンドデータベース(136)、及び
前記ターンアラウンドデータと前記履歴ターンアラウンドデータの比較に基づいて、前記ターンアラウンドの完了の時刻を予測するターンアラウンド予測制御ユニット(134)を備え、
前記ターンアラウンドステータスは、前記航空機の1以上の荷物エリアに近接した1以上の荷物ビークルの存在を検出することに基づく、前記航空機から取り出される荷物及び前記航空機上に載せられる荷物の一方又は両方に関する情報、又は乗務員のステータスに関する情報を含
み、
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)は、前記航空機(102)の荷物エリアに近接する荷物ビークルの画像を検出し、画像解析を通じて荷物の取り出し及び積み込みを判断するように構成され、
前記ターンアラウンド予測制御ユニット(134)は、荷物に関するターンアラウンドステータスデータを、前記ターンアラウンドデータベース(136)内に記憶された取り出し及び積み込みに関する履歴荷物データと比較して、荷物の取り出し及び積み込みのための残り時間を予測するように構成されている、ターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項2】
1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、並びに
1以上のセンサ(114)を更に備え、
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)及び前記1以上のセンサ(114)が、前記航空機(102)に関する前記ターンアラウンドデータを出力し、
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)及び前記1以上のセンサ(114)と通信し、前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)及び前記1以上のセンサ(114)から前記ターンアラウンドデータを受け取る、請求項1に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項3】
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)が、前記航空機(102)上又は前記航空機(102)内に少なくとも1つのカメラを備える、請求項2に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項4】
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)が、前記空港(104)に少なくとも1つのカメラを備える、請求項2又は3に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項5】
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)が、
内部キャビン(106)内の画像を撮像して出力するように構成された1以上のキャビンカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、
前記航空機(102)の外側の画像を撮像して出力するように構成された前記航空機(102)のテールに取り付けられた1以上のテールカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、
前記航空機(102)の外側の画像を撮像して出力するように構成された前記航空機(102)の1以上の安定板に取り付けられた1以上の安定板カメラ(112、112a~112e、112b~112e)、
前記航空機(102)の外側の画像を撮像して出力するように構成された前記航空機(102)の胴体(418)の下部又は下側に取り付けられた1以上の下部カメラ(112、112a~112e、112b~112e)(112d)、又は
前記航空機(102)の外側の画像を撮像して出力するように構成された前記航空機(102)の1以上の翼(416)に取り付けられた1以上の翼カメラ(112、112a~112e、112b~112e)のうちの1以上を備える、請求項2から4のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項6】
前記1以上のセンサ(114)が、前記航空機(102)の1以上の燃料タンク内の燃料の量を検出するように構成された、1以上の燃料センサ(114)、又は、前記航空機(102)の1以上のドアの位置を検出するように構成された、1以上のドアセンサ(114、114b)、を備える少なくとも1以上のセンサ(114)を備える、請求項2から5のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項7】
前記ターンアラウンドデータが、乗客情報、荷物(304)、ケータリング(310)、燃料補給(306)、清掃(308)、又は乗務員(312)のうちの少なくとも1つを示す情報を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項8】
前記ターンアラウンドステータスが、前記航空機(102)から降りる乗客(302)及び前記航空機(102)に搭乗する乗客(302)、前記航空機(102)から取り出される荷物(304)及び前記航空機(102)上に載せられる荷物(304)、ケータリング(310)、前記航空機(102)の燃料補給(306)、前記航空機(102)の内部キャビン(106)の清掃(308)、又は乗務員(312)のステータスのうちの少なくとも1つに関する情報を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項9】
前記空港(104)のゲート(116)にゲート(116)コンピュータを更に備え、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、前記ゲート(116)コンピュータと通信し、前記ゲート(116)コンピュータが、前記ターンアラウンドデータを前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)に出力する、請求項1から
8のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項10】
前記航空機(102)の飛行コンピュータ(110)を更に備え、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、前記飛行コンピュータ(110)と通信し、前記飛行コンピュータ(110)が、前記ターンアラウンドデータを前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)に出力する、請求項1から
9のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項11】
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)と通信するディスプレイ(132)を更に備え、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、前記ディスプレイ(132)に前記ターンアラウンドステータスを表示する、請求項1から
10のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項12】
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、
乗客解析モジュール(138、144)、
荷物(304)解析モジュール(144)、
ケータリング(310)解析モジュール(144)、
燃料補給(306)解析モジュール(144)、
清掃(308)解析モジュール(144)、及び
乗務員(312)解析モジュール(144)を備える、請求項1から
11のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
【請求項13】
空港(104)で航空機(102)のターンアラウンドをモニタするように構成されたターンアラウンドモニタリング方法であって、
ターンアラウンド解析制御ユニット(130)によって、前記空港(104)で前記航空機(102)に関するターンアラウンドデータを受け取ること(500)
、
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)によって、前記ターンアラウンドデータに基づいて前記航空機(102)のターンアラウンドステータスを特定すること(502)
、
履歴ターンアラウンドデータをターンアラウンドデータベース(136)内に記憶すること(504)、及び
ターンアラウンド予測制御ユニット(134)によって、前記ターンアラウンドデータと前記履歴ターンアラウンドデータの比較に基づいて、前記ターンアラウンドの完了の時刻を予測すること(506)を含み、
前記ターンアラウンドステータスは、前記航空機の1以上の荷物エリアに対する1以上の荷物ビークルの近接性を検出することに基づく、前記航空機から取り出される荷物及び前記航空機上に載せられる荷物の一方又は両方に関する情報、又は乗務員のステータスに関する情報を含
み、
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)は、前記航空機(102)の荷物エリアに近接する荷物ビークルの画像を検出し、画像解析を通じて荷物の取り出し及び積み込みを判断し、
前記ターンアラウンド予測制御ユニット(134)は、荷物に関するターンアラウンドステータスデータを、前記ターンアラウンドデータベース(136)内に記憶された取り出し及び積み込みに関する履歴荷物データと比較して、荷物の取り出し及び積み込みのための残り時間を予測する、方法。
【請求項14】
1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)を、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)と通信可能に接続すること、
1以上のセンサ(114)を、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)と通信可能に接続すること、並びに
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)及び前記1以上のセンサ(114)によって、前記ターンアラウンドデータを出力することを更に含み、
前記受け取ること(500)が、前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)及び前記1以上のセンサ(114)によって出力された前記ターンアラウンドデータを受け取ること(500)を含む、請求項
13に記載のターンアラウンドモニタリング方法。
【請求項15】
前記ターンアラウンドデータが、乗客情報、荷物(304)、ケータリング(310)、燃料補給(306)、清掃(308)、及び乗務員(312)を含む情報を含む、請求項
13又は
14に記載のターンアラウンドモニタリング方法。
【請求項16】
ゲート(116)コンピュータを前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)と通信可能に接続すること、及び
前記ゲート(116)コンピュータから前記ターンアラウンドデータを出力することを更に含み、
前記受け取ること(500)が、前記ゲート(116)コンピュータによって出力された前記ターンアラウンドデータを受け取ること(500)を含む、請求項
13から
15のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリング方法。
【請求項17】
前記航空機(102)の飛行コンピュータ(110)を前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)と通信可能に接続すること、及び
前記飛行コンピュータ(110)から前記ターンアラウンドデータを出力することを更に含み、
前記受け取ること(500)が、前記飛行コンピュータ(110)によって出力された前記ターンアラウンドデータを受け取ること(500)を含む、請求項
13から
16のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリング方法。
【請求項18】
空港(104)で航空機(102)のターンアラウンドをモニタするように構成されたターンアラウンドモニタリングシステムであって、
1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、
1以上のセンサ(114)、
前記空港(104)のゲート(116)にあるゲート(116)コンピュータ、
前記航空機(102)の飛行コンピュータ(110)であって、前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、前記1以上のセンサ(114)、前記ゲート(116)コンピュータ、及び前記飛行コンピュータ(110)が、前記航空機(102)に関するターンアラウンドデータを出力する、飛行コンピュータ(110)、
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、前記1以上のセンサ(114)、前記ゲート(116)コンピュータ、及び前記飛行コンピュータ(110)と通信する、ターンアラウンド解析制御ユニット(130)であって、前記空港(104)で前記航空機(102)に関する前記ターンアラウンドデータを受け取り、前記ターンアラウンドデータに基づいて前記航空機(102)のターンアラウンドステータスを特定し、前記ターンアラウンドステータスが、前記航空機(102)から降りる乗客(302)及び前記航空機(102)に搭乗する乗客(302)、前記航空機(102)から取り出される荷物(304)及び前記航空機(102)上に載せられる荷物(304)、ケータリング(310)、前記航空機(102)の燃料補給(306)、前記航空機(102)の内部キャビン(106)の清掃(308)、及び乗務員(312)のステータスに関する情報を含む、ターンアラウンド解析制御ユニット(130)、
履歴ターンアラウンドデータを記憶するターンアラウンドデータベース(136)、
前記ターンアラウンドデータと前記履歴ターンアラウンドデータの比較に基づいて、前記ターンアラウンドの完了の時刻を予測するターンアラウンド予測制御ユニット(134)、並びに
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)及び前記ターンアラウンド予測制御ユニット(134)と通信するディスプレイ(132)であって、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、前記ターンアラウンドステータス及び前記ターンアラウンドの予測された完了の時刻を前記ディスプレイ(132)に表示する、ディスプレイ(132)を備える、ターンアラウンドモニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題開示の実施形態は、広くは、航空機ターンアラウンドモニタリングシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の航空機が、数多くの場所の間で乗客及び貨物を移送するために使用されている。各航空機は、典型的には、規定された飛行計画又は飛行経路に従って種々の場所の間で飛行する。例えば、航空機は、出発空港から出発して、到着空港まで飛行する。
【0003】
航空機は、種々の空港の間で複数回のフライトを飛行し得る。例えば、航空機は、第1の空港から出発して、第2の空港に到着し得る。第2の空港では、航空機が、第3の空港への又は第1の空港に戻るための別の飛行の準備をし得る。航空機の予定された飛行の間のターンアラウンドは、航空機が空港に着陸してからその航空機が空港を離陸するまでの時間である。
【0004】
ターンアラウンド中、航空機の次の飛行のための準備を確実にするために、様々な作業が実行される。例えば、航空機に搭乗して目的地の空港に到着した第1の組の乗客は、航空機から降りる。乗客が航空機を離れる際に及び/又は離れた後で、航空機の内部キャビンは、清掃スタッフなどによって清掃される。更に、到着した乗客の荷物が、航空機の荷物エリアから取り出される。航空機は、次の飛行のために燃料を補給される。ケータリングサービスは、使用された台所用具などを除去し、航空機に次の飛行のための飲食物も再供給する。到着便の飛行乗務員が、その航空機の出発便に乗ることもある。次の出発便向けに新しい飛行乗務員が、その航空機に乗ることもある。更に、その航空機に搭乗してその空港から出発する予定の第2の組の乗客が、その航空機に搭乗する。
【0005】
通常は、航空機のオペレータが、ターンアラウンドプロセスの進行の詳細の全てを把握しているわけではない。特に、航空機のオペレータは、特定のターンアラウンドサービスのステータスを特定するために、航空機がゲートに到着するとき及び航空機がゲートを離れるときを把握している一方で、オペレータは、地上オペレーションセンター、航空会社の派遣員、パイロット、ランプエージェント(ramp agent)、保守会社、空港管制事務所などとの間で一連の電話での通話を行う。理解され得るように、ターンアラウンドプロセスの状況認識を得るプロセスは、面倒で時間がかかる。
【発明の概要】
【0006】
航空機ターンアラウンドプロセスの状況認識を効率的に特定するためのシステム及び方法が必要とされている。更に、ターンアラウンドプロセスを自動的に解析するためのシステム及び方法が必要とされている。更に、空港の範囲内及び/又は航空機上で個人が他の個人と一連の電話での通話を行う必要なしに、ターンアラウンドプロセスの状況認識を得るためのシステム及び方法が必要とされている。
【0007】
これらの必要性を考慮して、本主題開示の特定の実施形態は、空港で航空機のターンアラウンドをモニタするように構成された、ターンアラウンドモニタリングシステムを提供する。ターンアラウンドモニタリングシステムは、空港で航空機に関するターンアラウンドデータを受け取り、ターンアラウンドデータに基づいて航空機のターンアラウンドステータスを特定する、ターンアラウンド解析制御ユニットを含む。
【0008】
少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンドモニタリングシステムが、1以上のカメラ及び1以上のセンサを含む。(1以上の)カメラ及び(1以上の)センサは、航空機に関するターンアラウンドデータを出力する。ターンアラウンド解析制御ユニットは、(1以上の)カメラ及び(1以上の)センサと通信する。ターンアラウンド解析制御ユニットは、(1以上の)カメラ及び(1以上の)センサからターンアラウンドデータを受け取る。
【0009】
(1以上の)カメラは、航空機上又は航空機内に少なくとも1つのカメラを含んでよい。(1以上の)カメラは、空港にある少なくとも1つのカメラを含んでよい。少なくとも1つの実施形態では、(1以上の)カメラが、内部キャビン内の画像を撮像して出力するように構成された1以上のキャビンカメラ、航空機の外側の画像を撮像して出力するように構成された航空機のテールに取り付けられた1以上のテールカメラ、航空機の外側の画像を撮像して出力するように構成された航空機の1以上の安定板に取り付けられた1以上の安定板カメラ、航空機の外側の画像を撮像して出力するように構成された航空機の胴体の下部又は下側に取り付けられた1以上の下部カメラ、及び/又は航空機の外側の画像を撮像して出力するように構成された航空機の1以上の翼に取り付けられた1以上の翼カメラを含む。
【0010】
(1以上の)センサは、航空機の1以上の燃料タンク内の燃料の量を検出するように構成された1以上の燃料センサを含んでよい。(1以上)のセンサは、航空機の1以上のドアの位置を検出するように構成された1以上のドアセンサを含んでよい。
【0011】
少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンドデータが、乗客情報、荷物、ケータリング、燃料補給、清掃、及び乗務員を含む情報を含む。少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンドステータスが、航空機を降りる乗客及び航空機に搭乗する乗客、航空機から取り出される荷物及び航空機上に乗せられる荷物、ケータリング、航空機の燃料補給、航空機の内部キャビンの清掃、並びに乗務員のステータスに関する情報を含む。
【0012】
少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンドモニタリングシステムが、履歴ターンアラウンドデータを記憶するターンアラウンドデータベース、及び、ターンアラウンドデータと履歴ターンアラウンドデータの比較に基づいて、ターンアラウンドの完了の時刻を予測するターンアラウンド予測制御ユニットも含む。
【0013】
ターンアラウンドモニタリングシステムは、空港のゲートにあるゲートコンピュータも含んでよい。ターンアラウンド解析制御ユニットは、ゲートコンピュータと通信する。ゲートコンピュータは、ターンアラウンドデータをターンアラウンド解析制御ユニットに出力する。
【0014】
ターンアラウンドモニタリングシステムは、航空機の飛行コンピュータを含んでよい。ターンアラウンド解析制御ユニットは、飛行コンピュータと通信する。飛行コンピュータは、ターンアラウンドデータをターンアラウンド解析制御ユニットに出力する。
【0015】
少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンドモニタリングシステムが、ターンアラウンド解析制御ユニット(及び任意選択的にターンアラウンド予測制御ユニット)と通信するディスプレイも含む。ターンアラウンド解析制御ユニットは、ターンアラウンドステータスをディスプレイに表示する。
【0016】
少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニットが、乗客解析モジュール、荷物解析モジュール、ケータリング解析モジュール、燃料補給解析モジュール、清掃解析モジュール、及び乗務員解析モジュールを含む。
【0017】
本主題開示の特定の実施形態は、空港で航空機のターンアラウンドをモニタするように構成された、ターンアラウンドモニタリング方法を提供する。該ターンアラウンドモニタリング方法は、ターンアラウンド解析制御ユニットによって、空港で航空機に関するターンアラウンドデータを受け取ること、及び、ターンアラウンド解析制御ユニットによって、ターンアラウンドデータに基づいて航空機のターンアラウンドステータスを特定することを含む。
【0018】
少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンドモニタリング方法が、1以上のカメラをターンアラウンド解析制御ユニットと通信可能に接続すること、1以上のセンサをターンアラウンド解析制御ユニットと通信可能に接続すること、並びに、(1以上の)カメラ及び(1以上の)センサによってターンアラウンドデータを出力することも含む。該受け取ることは、(1以上の)のカメラ及び(1以上の)センサによって出力されたターンアラウンドデータを受け取ることを含む。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンドモニタリング方法が、履歴ターンアラウンドデータをターンアラウンドデータベース内に記憶すること、及び、ターンアラウンド予測制御ユニットによって、ターンアラウンドデータと履歴ターンアラウンドデータの比較に基づいて、ターンアラウンドの完了の時刻を予測することも含む。
【0020】
該ターンアラウンドモニタリング方法は、ゲートコンピュータをターンアラウンド解析制御ユニットと通信可能に接続すること、及びターンアラウンドデータをゲートコンピュータから出力することも含んでよい。該受け取ることは、ゲートコンピュータによって出力されたターンアラウンドデータを受け取ることを含む。
【0021】
該ターンアラウンドモニタリング方法は、航空機の飛行コンピュータをターンアラウンド解析制御ユニットと通信可能に接続すること、及びターンアラウンドデータを飛行コンピュータから出力することも含んでよい。該受け取ることは、飛行コンピュータによって出力されたターンアラウンドデータを受け取ることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本主題開示の一実施形態による、航空機ターンアラウンドモニタリングシステムの概略ブロック図である。
【
図2】本主題開示の一実施形態による、航空機に近接したケータリングビークルの図表示である。
【
図3】本主題開示の一実施形態による、ディスプレイの図表示である。
【
図4】本主題開示の一実施形態による、テールカメラによって撮像された航空機の図表示である。
【
図5】本主題開示の一実施形態による、航空機のカメラによって撮像された航空機の図表示である。
【
図6】本主題開示の一実施形態による、キャビンカメラによって撮像された航空機の内部キャビンの図表示である。
【
図7】本主題開示の一実施形態による、ターンアラウンドステータスの態様を示すディスプレイの図表示である。
【
図8】本主題開示の例示的な一実施形態による、航空機の正面を斜めから見た図表示である。
【
図9】本主題開示の一実施形態による、空港での航空機ターンアラウンドをモニタするように構成された、ターンアラウンドモニタリング方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
上記の概要、及び幾つかの実施形態の下記の詳細説明は、添付の図面を参照して読むことにより、より深く理解される。本明細書で使用される「一(a)」又は「1つの(an)」に続く単数形の要素又はステップは、複数の当該要素又はステップを必ずしも除外しないと理解されたい。更に、「一実施形態」への言及は、本明細書に記載の特徴を組み込む追加の実施形態の存在を除外すると解釈すべきでない。更に、そうではないと明示的に述べられていない限り、特定の条件を有する1以上の要素を「含む」又は「有する」実施形態は、その条件を有しない追加の要素を含み得る。
【0024】
本主題開示の特定の実施形態は、航空機ターンアラウンドプロセスを自動的にモニタして報告するように構成された、航空機ターンアラウンドモニタリングシステム及び方法を提供する。少なくとも1つの実施形態では、航空機に取り付けられたカメラからの(ビデオフィードなどの)1以上の画像、並びに種々の航空機センサ及び地上装備センサからのステータス情報が、ターンアラウンド解析制御ユニットで受け取られる。それらの画像は、ターンアラウンドプロセスに関連した要素(例えば、燃料、ケータリング又はバッグトラック(bag truck)、ゲートブリッジの位置、電力、ガス圧又は空調機の補助的な接続、個別のバッグ又はケータリングカート、降りる乗客及び搭乗する乗客など)を検出し追跡するために画像認識技法が適用されて処理される。そのような情報は、航空機や地上装備のセンサ情報(例えば、駐機ブレーキのステータス、ドアの開/閉位置、燃料レベルなど)と集約することができる。航空機ターンアラウンドモニタリングシステム及び方法は、そのような情報を解析し、パイロット、航空会社のコントロールセンター、空港、航空管制、及び/又は任意の他の関心がある者たちに対して、ターンアラウンドマイルストーン(turnaround milestone)を報告し予測する。
【0025】
本明細書で説明されるように、本主題開示の実施形態は、1以上のカメラ及び1以上のセンサからターンアラウンドデータを受け取り、ターンアラウンドデータに基づいて航空機のターンアラウンドステータスを特定する、ターンアラウンド解析制御ユニットを含む、ターンアラウンドモニタリングシステムを提供する。少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンドモニタリングシステムが、ターンアラウンドデータと履歴ターンアラウンドデータの比較に基づいて、ターンアラウンドの完了の時刻を予測するターンアラウンド予測制御ユニットも含む。ターンアラウンドデータは、乗客情報(例えば、最初の飛行から降りる乗客、及び引き続いて次の飛行に搭乗する乗客)、荷物、ケータリング、燃料補給、清掃、乗務員などの、様々なターンアラウンドの態様に関する情報を含む。
【0026】
図1は、本主題開示の一実施形態による、航空機ターンアラウンドモニタリングシステム100の概略ブロック図である。航空機ターンアラウンドモニタリングシステム100は、空港104に着陸する及び空港104から離陸する航空機102のターンアラウンドをモニタするように構成されている。航空機のターンアラウンドは、最初の飛行の航空機102が空港104に着陸する時間、及び次の飛行の航空機102が空港104から引き続いて離陸する時間に関連する。
【0027】
航空機102は、内部キャビン106を含む。内部キャビン106は、制御部108及び飛行コンピュータ110が位置付けられている操縦室を含む。制御部108及び飛行コンピュータ110は、飛行中に及び地上で航空機102を制御するために使用される。飛行コンピュータ110は、乗客が降りたとき、ドアが開閉されたときなどに、データを入出力するためにも使用されてもよい。
【0028】
航空機102は、(静止画像及びビデオフィードなどの)画像を撮像して出力するように構成された複数のカメラ112も含む。カメラ112は、内部キャビン内の画像を撮像して出力するように構成された1以上のキャビンカメラ112a、航空機102の外側の画像を撮像して出力するように構成された航空機102のテールに取り付けられた1以上のテールカメラ112b、航空機102の外側の画像を撮像して出力するように構成された航空機102の1以上の安定板に取り付けられた1以上の安定板カメラ112c、航空機102の外側の画像を撮像して出力するように構成された航空機102の胴体の下部又は下側に取り付けられた1以上の下部カメラ112d、航空機102の外側の画像を撮像して出力するように構成された航空機102の1以上の翼に取り付けられた1以上の翼カメラ112eなどを含む。少なくとも1つの実施形態では、航空機102が、図示されているより多い又は少ないカメラ112を含む。例えば、航空機102は、安定板カメラを含まなくてよい。別の一実施例として、航空機102は、航空機102内の荷物及び/又は貨物エリア内にカメラを含んでよい。
【0029】
航空機102は、種々の態様を検知するように構成された複数のセンサ114も含む。センサ114は、航空機102の1以上の燃料タンク内の燃料の量を検出するように構成された1以上の燃料センサ114a、航空機102の(開位置と閉位置の間などの)1以上のドアの位置を検出するように構成された1以上のドアセンサ114bなどを含む。少なくとも1つの実施形態では、航空機102が、図示されているより多い又は少ないセンサ114を含む。例えば、航空機は、重量センサ、荷物検出センサなどを含んでよい。
【0030】
航空機102が、空港104に着陸した後で、航空機102は、空港104のゲート116までタクシングする。航空機102に搭乗していた乗客は、航空機102を降り、ゲート116を介して空港104の中に移動して入る。ゲート116は、ゲートコンピュータ118を含む。それは、例えばランプエージェントによって操作されてよい。ゲートコンピュータ118を使用して、飛行及び乗客の情報、ゲートのステータス、航空機の(ドアの開閉などの)ステータスなどを入力する。更に、ゲート116は、1以上のゲートカメラ120を含んでよい。それらを使用して、ゲート116、航空機102などの画像を撮像して出力する。また、空港104は、ゲート116に位置付けられていない更なるカメラを含んでよい。
【0031】
航空機ターンアラウンドモニタリングシステム100は、1以上の無線(又は有線)接続を通じるなどして、飛行コンピュータ110、カメラ112、センサ114、ゲートコンピュータ118、(1以上の)ゲートカメラ120などと通信可能に接続された、ターンアラウンド解析制御ユニット130を含む。少なくとも1つの他の実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、飛行コンピュータ110、カメラ112、センサ114、ゲートコンピュータ118、及び(1以上の)ゲートカメラ120のうちの全てとは通信可能に接続されていない。例えば、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、ゲートコンピュータ118及び/又は(1以上の)ゲートカメラ120とは、通信可能に接続されていなくてよい。
【0032】
少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、航空機102及びゲート116から遠隔に位置付けられている。例えば、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、空港104に位置付けられてよい又は位置付けられなくてよい、中央モニタリングステーションにあってよい。少なくとも1つの他の実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、航空機102(内部キャビン106内など)に搭載されている。少なくとも1つの他の実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、ゲート116にある。
【0033】
ターンアラウンド解析制御ユニット130は、1以上の有線又は無線接続を通じるなどして、ディスプレイ132(テレビ、コンピュータモニタ、タッチスクリーンインターフェース、スマートフォンやタブレットなどの手で握ることができるデバイスなど)と通信可能に接続されている。少なくとも1つの実施形態では、ディスプレイ132が、共通のワークステーションなどにおいて、ターンアラウンド解析制御ユニット130と同じ場所に位置付けられている。任意選択的に、ディスプレイ132は、ターンアラウンド解析制御ユニット130から遠隔に位置付けられている。例えば、ディスプレイ132は、航空機102に搭載されてよく、一方で、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、航空機102から遠隔に位置付けられている。
【0034】
ターンアラウンド解析制御ユニット130は、1以上の有線又は無線接続を通じるなどして、ターンアラウンド予測制御ユニット134とも通信可能に接続されている。少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド予測制御ユニット134が、共通のワークステーションなどにおいて、ターンアラウンド解析制御ユニット130と同じ場所に位置付けられている。ターンアラウンド解析制御ユニット130とターンアラウンド予測制御ユニット134は、一体化された共通の処理システム又は制御ユニットの部分であってよい。少なくとも1つの他の実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130とターンアラウンド予測制御ユニット134は、分離しており、別々の処理システム又は制御ユニットである。少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130とターンアラウンド予測制御ユニット134が、互いから遠隔に位置付けられている。
【0035】
ターンアラウンド予測制御ユニット134は、1以上の有線又は無線接続を通じるなどして、ターンアラウンドデータベース136と通信可能に接続されている。ターンアラウンド予測制御ユニット134とターンアラウンドデータベース136は、共通の場所にあってよい。任意選択的に、ターンアラウンドデータベース136は、ターンアラウンド予測制御ユニット134から遠隔に位置付けられてよい。ターンアラウンドデータベース136は、過去の飛行からのターンアラウンドデータなどの、履歴ターンアラウンドデータを記憶している。
【0036】
図示されているように、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、乗客解析モジュール138、荷物解析モジュール140、ケータリング解析モジュール142、燃料補給解析モジュール144、清掃解析モジュール146、乗務員解析モジュール148などを含む。種々のモジュールが、ターンアラウンド解析制御ユニット130の分離した部分であってよい。任意選択的に、種々のモジュールは、単一の一体化された処理システムを形成してよい。
【0037】
動作では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、飛行コンピュータ110、カメラ112、センサ114、ゲートコンピュータ118、及び/又はゲートカメラ120のうちの1以上からターンアラウンドデータを受け取る。ターンアラウンド解析制御ユニット130は、ターンアラウンドデータを解析して、航空機102から降りる乗客及び航空機102に搭乗する乗客、航空機102から取り出される荷物及び航空機102上に乗せられる荷物、ケータリング、航空機102の燃料補給、内部キャビン106の清掃、乗務員のステータスなどに関する情報などの、飛行の間の航空機102のターンアラウンドステータスを特定する。少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、(ターンアラウンドステータスを示す)ターンアラウンドステータスデータをディスプレイ132に出力する。ディスプレイ132は、ターンアラウンドステータスを個々人に向けて表示する。
【0038】
少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド予測制御ユニット134が、ターンアラウンド解析制御ユニット130からターンアラウンドステータスデータを受け取り、ターンアラウンドステータスデータをターンアラウンドデータベース136内に記憶された履歴ターンアラウンドデータと比較する。ターンアラウンドステータスデータを履歴ターンアラウンドデータと比較することによって、ターンアラウンド予測制御ユニット134は、様々なターンアラウンドの態様についての残りの時間を予測することができる。次いで、ターンアラウンド予測制御ユニット134は、(1以上の有線若しくは無線接続を通じて及び/又はターンアラウンド解析制御ユニット130を介するなどして)1以上のターンアラウンドの態様の予測を示すターンアラウンドの態様の予測データを、ディスプレイ132に出力し、次いで、それらの態様の予測がディスプレイ132で表示される。
【0039】
少なくとも1つの実施形態では、飛行コンピュータ110が、様々なターンアラウンドの態様を受け取り、それらの態様は、パイロット又は他の乗務員メンバーによって入力されてよい。例えば、航空機102に搭乗する乗客の数、最初の飛行からの乗客が航空機102から降りたかどうか、引き続いて次の飛行の乗客が航空機102に搭乗したかどうか、乗客用のドアが開いているか若しくは閉じているかなどに関連したターンアラウンドの態様は、飛行コンピュータ110に入力されてよく、ターンアラウンドデータとしてターンアラウンド解析制御ユニット130に出力されてよい。ターンアラウンドデータは、ターンアラウンド解析制御ユニット130によって受け取られ、次いで、ユニット130は、受け取ったターンアラウンドデータを解析して、そのようなターンアラウンドデータに関連するターンアラウンドステータスを特定する。例えば、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、飛行コンピュータ110から受け取ったターンアラウンドデータを通じて、航空機102を降りる最初の飛行からの乗客、及び航空機102に搭乗する次の飛行の乗客に関連する、ターンアラウンドステータスを(乗客解析モジュール138を介するなどして)特定することができる。少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、飛行コンピュータ110から受け取ったターンアラウンドデータを通じて、最初の飛行からの乗客が航空機102を降りたかどうか、及び次の飛行の乗客が航空機102に搭乗したかどうかを判定し、関連付けられたターンアラウンドステータスデータをディスプレイ132に出力し、次いで、ディスプレイ132はそのようなターンアラウンドステータスを表示することができる。
【0040】
ターンアラウンド予測制御ユニット134は、乗客に関するターンアラウンドステータスデータを比較し、それをターンアラウンドデータベース136内に記憶された降機及び搭乗に関する履歴乗客データと比較して、降機及び/又は搭乗のための残っている時間を予測することができる。降りる乗客及び/又は搭乗する乗客に関するターンアラウンドの態様の予測データは、ディスプレイ132によって受け取られ、次いで、ディスプレイ132は、そのような降機及び/又は搭乗に関する関連付けられたターンアラウンドの態様の予測を表示することができる。例えば、ターンアラウンドデータベース136は、最初の飛行からの全ての乗客が着陸後に特定の時間内に降りるべきであること、及び/又は、次の飛行の全ての乗客が最初の飛行が着陸した後で特定の時間内に搭乗するべきであることを示す、履歴データを記憶することができる。ターンアラウンド予測制御ユニット134は、最初の飛行からの乗客が降りることなしに及び/又は次の飛行の乗客が搭乗することなしに、ターンアラウンドデータベース136内に記憶された指定時間が経過した場合に、警告信号を出力することができる。警告信号は、グラフィックメッセージ及び/又はビデオメッセージとしてディスプレイ132に表示され得る。別の一実施例として、警告信号は、スピーカを通じて放送される音響信号であってよい。
【0041】
少なくとも1つの実施形態では、カメラが、航空機を降りる乗客及び航空機に搭乗する乗客、航空機から取り出される荷物及び航空機に乗せられる荷物、ケータリング、燃料補給、乗務員などに関連するものなどの、様々なターンアラウンドの態様に関連する画像を撮像する。ターンアラウンド解析制御ユニット130は、受け取った画像データを解析して、様々なターンアラウンドの態様のステータスを特定する。
【0042】
カメラ112のうちの1以上は、(キャビンカメラ112aを介するなどして)航空機102から降りる乗客及び航空機102に搭乗する乗客、(カメラ112b~112eのうちの1以上を介するなどして)荷物カート又はビークルの存在、(カメラ112a~112eのうちの1以上を介するなどして)航空機102のケータリングドアにおけるケータリングビークルの存在、(カメラ112a~112eのうちの1以上を介するなどして)航空機102に近接した燃料補給トラックの存在、(カメラ112a~112eのうちの1以上を介するなどして)航空機102に近接した清掃員及び/又は清掃ビークルの存在、(キャビンカメラ112(a)を介するなどして)航空機102から降りる乗務員及び/又は航空機102に搭乗する乗務員などに関連した画像を撮像する。カメラ112からの画像データは、ターンアラウンド解析制御ユニット130によって、ターンアラウンドデータとして受け取られる。
【0043】
例えば、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、乗客解析モジュール138を介するなどして、航空機102を離れる乗客の画像を検出し、画像解析を通じて、降りる乗客及び/又は搭乗する乗客を特定する。ターンアラウンド解析制御ユニット130は、メモリ内に記憶された最初の飛行の乗客数を知っていてよく、その乗客数に関連する降りる乗客の数をカウントして、最初の飛行からの乗客の全てが降りたかどうかを判定することができる。同様に、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、メモリ内に記憶された次の飛行の乗客数を知っていてよく、その乗客数に関連する搭乗する乗客の数をカウントして、次の飛行の乗客の全てが搭乗したかどうかを判定することができる。別の一実施例として、乗客解析モジュール138は、乗客の流れの方向(航空機102から出るか又は航空機102に乗るかの何れか)をモニタリングすることによって、乗客が降りた及び/又は搭乗したと判断してよく、航空機から出る及び/又は航空機に搭乗する追加の動きがない閾値時間が経過した後で、乗客が降りた及び/又は搭乗したと判断してよい。少なくとも1つの他の実施形態では、上述されたように、(1以上の)キャビンカメラ112aから受け取った画像データ、及び飛行コンピュータ110へ入力されたデータを通じて、乗客解析モジュール138によって、乗客の降機及び/又は搭乗のステータスが特定される。また、上述されたように、ターンアラウンド予測制御ユニット134は、乗客に関するターンアラウンドステータスデータを比較し、それをターンアラウンドデータベース136内に記憶された降機及び搭乗に関する履歴乗客データと比較して、降機及び/又は搭乗のために残っている時間を予測することができる。
【0044】
別の一実施例として、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、乗客解析モジュール138を介して、ドアセンサ114bを介して開閉される乗客用ドアを通じて乗客の降機及び搭乗の時間を検出する。例えば、乗客解析モジュール138は、(1以上の)ドアセンサ114bを介して、ドアの開閉のシーケンスをモニタして、最初の飛行からの乗客が降りたかどうか、及び引き続いて次の飛行の乗客が搭乗したかどうかを判定する。
【0045】
ターンアラウンド解析制御ユニット130は、乗務員解析モジュール148を介するなどして、乗客と類似したやり方で、航空機102から降りる乗務員及び/又は航空機102に搭乗する乗務員をモニタすることができる。少なくとも1つの実施形態では、乗務員情報が、飛行コンピュータ110及び/又はゲートコンピュータ118に入力されてよく、ターンアラウンド解析制御ユニット130によって受け取られ解析されてよい。
【0046】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、荷物解析モジュール140を介するなどして、航空機102の荷物エリアに近接した荷物ビークルの画像を検出し、画像解析を通じて荷物の取り出し及び積み込みを判断する。少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、(1以上の)荷物ビークルの特有の態様を介して、それらの兆候を区別するなどして、画像解析を通じて(1以上の)荷物ビークルの存在を検出する。例えば、荷物解析モジュール140は、第1の組の荷物ビークルが第1の時間フレームにわたり航空機102に接近し引き続いて航空機102から離れたことを検出することによって、最初の飛行からの荷物が航空機102から取り出されたと判断してよい。同様に、荷物解析モジュール140は、第2の組の荷物ビークルが第2の時間フレームにわたり航空機102に接近し引き続いて航空機102から離れたことを検出することによって、次の飛行の荷物が航空機102上に乗せられたと判断してよい。
【0047】
ターンアラウンド予測制御ユニット134は、荷物に関するターンアラウンドステータスデータ比較し、それをターンアラウンドデータベース136内に記憶された取り出し及び積み込みに関する履歴荷物データと比較して、取り出し及び積み込みのために残っている時間を予測することができる。ターンアラウンド予測制御ユニット134は、最初の飛行からの荷物が取り出されることなしに及び/又は次の飛行の荷物が乗せられることなしに、ターンアラウンドデータベース136内に記憶された指定された荷物時間が経過した場合に、警告信号を出力することができる。警告信号は、グラフィックメッセージ及び/又はビデオメッセージとしてディスプレイ132に表示され得る。別の一実施例として、警告信号は、スピーカを介して放送される音響信号であってよい。
【0048】
別の一実施例として、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、ケータリング解析モジュール142を介するなどして、航空機102に(ケータリングドアなどにおいて)近接したケータリングビークルの画像を検出し、画像解析を通じてケータリングサービス時間を特定する。少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、(1以上の)ケータリングビークルの特有の態様を介して、それらの兆候を区別するなどして、画像解析を通じてケータリングビークルの存在を検出する。例えば、ケータリング解析モジュール142は、ケータリングビークルが航空機102に接近し引き続いて航空機102を離れたことを検出することによって、ケータリングサービス時間が完了したと判断することができる。
【0049】
ターンアラウンド予測制御ユニット134は、ケータリングサービス時間に関するターンアラウンドステータスデータを比較し、それをターンアラウンドデータベース136内に記憶された履歴ケータリングサービスデータと比較して、ケータリングサービス時間のために残っている時間を予測することができる。ターンアラウンド予測制御ユニット134は、現在のケータリングサービスが完了することなしに、ターンアラウンドデータベース136内に記憶された指定されたケータリングサービス時間が経過した場合に、警告信号を出力することができる。警告信号は、グラフィックメッセージ及び/又はビデオメッセージとしてディスプレイ132に表示され得る。別の一実施例として、警告信号は、スピーカを介して放送される音響信号であってよい。
【0050】
更なる一実施例として、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、燃料補給解析モジュール144を介するなどして、航空機102(燃料補給位置の近くなど)に近接した燃料補給ビークルの画像を検出して、画像解析を通じて燃料補給時間を特定する。少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、(1以上の)燃料補給ビークルの特有の態様を介して、それらの兆候を区別するなどして、画像解析を通じて燃料補給ビークルの存在を検出する。例えば、燃料補給解析モジュール144は、燃料補給ビークルが航空機102に接近し引き続いて航空機102を離れたことを検出することによって、燃料補給時間が完了したと判断することができる。
【0051】
別の一実施例として、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、燃料解析モジュール144を介して、航空機102の(1以上の)燃料センサ114aによって出力された燃料補給データを通じて、燃料補給時間を検出する。例えば、燃料解析モジュール144は、(1以上の)燃料センサ114aによって燃料データとして出力されたターンアラウンドデータを通じて、航空機102に供給されるべき最終的な燃料の量に関連する燃料レベルをモニタする。
【0052】
ターンアラウンド予測制御ユニット134は、燃料補給時間に関するターンアラウンドステータスデータを比較し、それをターンアラウンドデータベース136内に記憶された履歴燃料補給データと比較して、燃料補給のために残っている時間を予測することができる。ターンアラウンド予測制御ユニット134は、現在の燃料補給が完了することなしに、ターンアラウンドデータベース136内に記憶された指定された燃料補給時間が経過した場合に、警告信号を出力することができる。警告信号は、グラフィックメッセージ及び/又はビデオメッセージとしてディスプレイ132に表示され得る。別の一実施例として、警告信号は、スピーカを通じて放送される音響信号であってよい。
【0053】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、清掃解析モジュール146を介するなどして、航空機102内の清掃カートの画像を検出し、画像解析を通じて清掃時間を特定する。少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、(1以上の)清掃カートの特有の態様を介して、それらの兆候を区別するなどして、画像解析を通じて清掃カートの存在を検出する。例えば、清掃解析モジュール146は、(1以上の)清掃カートが航空機102の中に入り引き続いて航空機102を離れたことを検出することによって、清掃時間が完了したと判断することができる。別の一実施例として、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、清掃解析モジュール146を介して、飛行コンピュータ110(乗務員によって入力される場合など)及び/又はゲートコンピュータ118(ランプエージェントによって入力される場合など)から出力された清掃データを通じて、清掃時間を検出する。
【0054】
ターンアラウンド予測制御ユニット134は、清掃時間に関するターンアラウンドステータスデータを、ターンアラウンドデータベース136内に記憶された履歴清掃データと比較して、清掃のために残っている時間を予測することができる。ターンアラウンド予測制御ユニット134は、現在の清掃が完了することなしに、ターンアラウンドデータベース136内に記憶された指定された清掃時間が経過した場合に、警告信号を出力することができる。警告信号は、グラフィックメッセージ及び/又はビデオメッセージとしてディスプレイ132に表示され得る。別の一実施例として、警告信号は、スピーカを通じて放送される音響信号であってよい。
【0055】
(1以上の)ゲートカメラ120又は他の空港のカメラも、航空機102のカメラ112と同様に、乗客、荷物ビークル、ケータリングビークル、燃料補給ビークル、清掃カート、乗務員などの画像を撮像するために使用されてよい。上述のように、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、(1以上の)ゲートカメラ120又は他の空港のカメラからの画像データを受け取って、様々なターンアラウンドの態様を解析することができる。にもかかわらず、航空機102のカメラ112、センサ114、及び/又は飛行コンピュータ110を使用して、ターンアラウンドデータをターンアラウンド解析制御ユニット130に出力することによって、航空機102の外側の分離した別個の構成要素データ撮像デバイスに頼る代わりに、ターンアラウンドの態様の航空機ごとに独立した解析が可能になる。
【0056】
本明細書で使用される際に、「制御ユニット(control unit)」、「中央処理装置(central processing unit)」、「CPU」、「コンピュータ(computer)」などの用語は、マイクロコントローラ、縮小指令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び、本明細書に記載の機能を実行可能なハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを含む他の任意の回路又はプロセッサを使用するシステムを含む、プロセッサベース又はマイクロプロセッサベースの任意のシステムを含み得る。上記の実施例は例示的なものにすぎず、従って、上記の用語の定義及び/又は意味を如何なる形でも限定することを意図していない。例えば、ターンアラウンド解析制御ユニット130とターンアラウンド予測制御ユニット134は、本明細書で説明されるように、それらの動作を制御するように構成された1以上のプロセッサであってよく又はそれらを含んでよい。
【0057】
ターンアラウンド解析制御ユニット130とターンアラウンド予測制御ユニット134は、データを処理するために、(1以上のメモリなどの)1以上のデータ記憶装置又はデータ記憶要素内に記憶された、一組の指示命令を実行するように構成されている。例えば、ターンアラウンド解析制御ユニット130とターンアラウンド予測制御ユニット134は、1以上のメモリを含んでよく又は1以上のメモリに接続されてよい。データ記憶装置は、所望又は必要に応じてデータ又は他の情報も記憶してよい。データ記憶装置は、処理マシン内の情報源又は物理的なメモリ素子という形態を採り得る。
【0058】
一組の指示命令は、ターンアラウンド解析制御ユニット130とターンアラウンド予測制御ユニット134に指示命令し、処理マシンとして、本明細書で説明される主題の様々な実施形態の方法及びプロセスなどの特定の動作を実行させる、様々な命令を含んでよい。一組の指示命令は、ソフトウェアプログラムの形態を採り得る。ソフトウェアは、システムソフトウェア又はアプリケーションソフトウェアなどの様々な形態を採り得る。更に、ソフトウェアは、別々のプログラムの集合体、より大きなプログラム内のプログラムサブセット、又はプログラムの一部分という形態を採り得る。ソフトウェアはまた、オブジェクト指向プログラミングの形態のモジュラープログラミングを含み得る。処理マシンによる入力データの処理は、ユーザのコマンドに応答したものか、前の処理の結果に応答したものか、又は別の処理マシンによってなされた要求に応答したものであってよい。
【0059】
本明細書の実施形態の図面は、ターンアラウンド解析制御ユニット130とターンアラウンド予測制御ユニット134などの、1以上の制御又は処理ユニットを示してよい。処理ユニット又は制御ユニットが、本明細書で説明される動作を実行する、(例えば、コンピュータハードドライブ、ROM、RAMなどの、有形且つ非一過性のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアなどの)関連付けられた指示命令を有するハードウェアとして実装され得る回路、電気回路、又はそれらの部分を表していてよいことは、理解されるべきである。ハードウェアは、本明細書で説明される機能を実行するように配線接続された(hardwired)ステートマシン回路を含み得る。任意選択的に、ハードウェアは、マイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラなどの1以上の論理ベースのデバイスを含み且つ/又はそれらに接続された電子回路を含んでよい。任意選択的に、ターンアラウンド解析制御ユニット130とターンアラウンド予測制御ユニット134は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、(1以上の)マイクロプロセッサなどのうちの1以上などの、処理回路を表してよい。様々な実施形態における回路は、本明細書で説明される機能を実施するために1以上のアルゴリズムを実行するように構成され得る。1以上のアルゴリズムは、フローチャート又は方法に明示的に特定されているか否かに関わらず、本明細書で開示されている実施形態の諸態様を含み得る。
【0060】
本明細書では、「ソフトウェア(software)」及び「ファームウェア(firmware)」という用語は入れ替え可能であり、かつ、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び、非揮発性RAM(NVRAM)メモリを含むデータ記憶ユニット(例えば1以上のメモリ)に格納された、コンピュータにより実行するための任意のコンピュータプログラムを含む。上記のデータ記憶ユニットの種類は、ただの例示であり、したがって、コンピュータプログラムの記憶のために使用可能なメモリの種類について限定するものではない。
【0061】
図2は、本主題開示の一実施形態による、航空機102に近接したケータリングビークル200の図表示である。
図1及び
図2を参照すると、ケータリングビークル200は、(
図1で示されているように)航空機102のカメラ112又はゲートカメラ120によって撮像されてよい。少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンド解析制御ユニット130が、機械学習画像認識を使用して、ケータリングビークル200、荷物ビークル、燃料補給ビークル、清掃カートなどの存在を検出する。例えば、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、そのようなビークルやカートなどの特徴、形状、兆候などを検出して区別するようにプログラムされてよい。
【0062】
図3は、本主題開示の一実施形態による、ディスプレイ132の図表示である。
図1及び
図3を参照すると、少なくとも1つの実施形態では、ディスプレイ132が、航空機102の操縦室内などの内部キャビン106内にあってよい。
【0063】
図4は、本主題開示の一実施形態による、(
図1で示された)テールカメラ112bによって撮像された航空機の図表示である。
図5は、本主題開示の一実施形態による、航空機102のカメラ112によって撮像された航空機102の図表示である。
図1、
図4、及び
図5を参照すると、航空機102は、航空機102の周りのエリアの撮像を可能にする、(
図1で示された)多数のカメラ112を含む。
【0064】
図6は、本主題開示の一実施形態による、キャビンカメラ112aによって撮像された航空機102の内部キャビン106の図表示である。例えば、
図1及び
図6を参照すると、内部キャビン106は、キャビンカメラ112aを介して撮像されてよく、操縦室の入口及び搭乗用ドアが開いていることを示している。
【0065】
図7は、本主題開示の一実施形態による、ターンアラウンドステータスの態様300を示すディスプレイ132の図表示である。ターンアラウンドステータスの態様300は、乗客302、荷物304、燃料補給306、清掃308、ケータリング310、及び乗務員312を含む。
図1及び
図7を参照すると、ターンアラウンド解析制御ユニット130は、上述されたように態様300のそれぞれのステータスを特定し、完了した作業のバー331や完了していない作業のバー333を含む、そのようなステータス330をディスプレイ132に表示する。ターンアラウンド解析制御ユニット130は、着陸352と予定された離陸354との間の時間を表示する現在のターンアラウンド時間グラフィック350も示してよい。
【0066】
図8は、本主題開示の例示的な実施形態による、航空機102の正面を斜めから見た図表示である。航空機102は、例えば、2つのターボファンエンジン414を含み得る推進システム412を含む。任意選択的に、推進システム412は、示されているより多いエンジン414を含んでよい。エンジン414は、航空機102の翼416によって坦持されている。他の実施形態では、エンジン414が、胴体418及び/又は尾部420によって担持されてよい。尾部420は、水平安定板422と垂直安定板424も支持してよい。航空機102の胴体418は、操縦室430を含み得る内部キャビンを画定する。
【0067】
カメラ112は、航空機102の様々な部分に取り付けられている。航空機102は、図示されているのとは異なる場所において、図示されているより多い又は少ないカメラ112を含んでよい。
【0068】
航空機102は、
図8で示されているものとは異なるように、サイズ決定、形成、及び構成されてよい。例えば、航空機102は、ヘリコプターなどの非固定翼航空機であってよい。
【0069】
図9は、本主題開示の一実施形態による、空港での航空機ターンアラウンドをモニタするように構成された、ターンアラウンドモニタリング方法のフローチャートを示す。
図1及び
図9を参照すると、ターンアラウンドモニタリング方法は、ターンアラウンド解析制御ユニット130によって、空港104で航空機102に関するターンアラウンドデータを受け取ること(500)を含む。該方法は、ターンアラウンド解析制御ユニット130によって、ターンアラウンドデータに基づいて航空機102のターンアラウンドステータスを特定すること(502)も含む。
【0070】
少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンドモニタリング方法が、(1以上の)カメラ112をターンアラウンド解析制御ユニット130と通信可能に接続すること、(1以上)のセンサ114をターンアラウンド解析制御ユニット130と通信可能に接続すること、並びに、(1以上の)カメラ112及び(1以上の)センサ114によってターンアラウンドデータを出力すること含む。少なくとも1つの実施形態では、受け取ること(500)が、(1以上の)のカメラ112及び(1以上の)センサ114によって出力されたターンアラウンドデータを受け取ることを含む。
【0071】
少なくとも1つの実施形態では、ターンアラウンドモニタリング方法が、履歴ターンアラウンドデータをターンアラウンドデータベース136内に記憶すること(504)、及び、ターンアラウンド予測制御ユニット134によって、ターンアラウンドデータと履歴ターンアラウンドデータの比較に基づいて、航空機の現在のターンアラウンドの完了の時刻を予測すること(506)も含む。
【0072】
該ターンアラウンドモニタリング方法は、ゲートコンピュータ118をターンアラウンド解析制御ユニット130と通信可能に接続すること、及びターンアラウンドデータをゲートコンピュータ118から出力することも含んでよい。少なくとも1つの実施形態では、受け取ること(500)が、ゲートコンピュータ118によって出力されたターンアラウンドデータを受け取ることを含む。
【0073】
該ターンアラウンドモニタリング方法は、航空機102の飛行コンピュータ110をターンアラウンド解析制御ユニット130と通信可能に接続すること、及びターンアラウンドデータを飛行コンピュータ110から出力することも含んでよい。少なくとも1つの実施形態では、受け取ること(500)が、飛行コンピュータ110によって出力されたターンアラウンドデータを受け取ることを含む。
【0074】
本主題開示の実施形態は、大量のデータを迅速かつ効率良く計算デバイスによって解析することを可能とするシステム及び方法を提供する。大量のデータは、追跡され解析されている。本明細書で説明されるように、膨大な量のデータが、ターンアラウンド解析制御ユニット130とターンアラウンド予測制御ユニット134によって、効率的に体系化され及び/又は解析される。ターンアラウンド解析制御ユニット130とターンアラウンド予測制御ユニット134は、ターンアラウンドの解析及び予測を迅速且つ効率的に出力するために、比較的短い時間でデータを解析する。人間は、このような短時間で、このように膨大な量のデータを効率良く解析することは出来ないであろう。したがって、本主題開示の実施形態は、従来の計算システムと比べて向上した且つ効率的な機能性、及び膨大な量のデータを解析する人間と比べて圧倒的に優れた性能を提供する。要するに、本主題開示の実施形態は、人間が効率良く効果的に且つ正確に管理することができない、数百万とは言わないまでも数千の計算及び演算を解析するシステム及び方法を提供する。
【0075】
本明細書で説明されるように、本主題開示の実施形態は、航空機ターンアラウンドプロセスの状況認識を効率的に特定するためのシステム及び方法を提供する。更に、本主題開示の実施形態は、ターンアラウンドプロセスを自動的に解析するためのシステム及び方法を提供する。更に、本主題開示の実施形態は、空港の範囲内及び/又は航空機上で個人が他の個人と一連の電話での通話を行う必要なしに、ターンアラウンドプロセスの状況認識を得るためのシステム及び方法を提供する。
【0076】
本主題開示の実施形態の説明のために、上部、底部、下方、中央、横方向、水平、垂直、前方などの空間及び方向に関する様々な語が用いられる場合があるが、そのような語は図面で示す方向に対するものとして用いられているにすぎないことを理解されたい。向きを、反転させる、回転させる、又はそうでなければ、上部が下部に、また下部が上部になるように、また水平が垂直になる等のように変化させることができる。
【0077】
本明細書で使用する、タスク又は動作を実施する「ように構成される」構造、限定事項、又は要素は、特にタスク又は動作に対応するように、構造的に形成、構成、又は適合されている。明確さのため、及び誤解を避けるために、タスク又は動作を実施するために変更可能であるに過ぎない対象物は、本明細書で使用するタスク又は動作を実施する「ように構成」されてはいない。
【0078】
上記の説明は、限定ではなく、例示を意図するものであることを理解するべきである。例えば、上述の実施形態(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。加えて、本開示の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料に適応させるために、本開示の様々な実施形態の教示に多数の改変を加えることが可能である。本明細書に記載の材料の形状寸法及びタイプは、本開示の様々な実施形態のパラメータを規定することを意図しているが、これらの実施形態は限定的なものではなく例示的な実施形態である。本発明を精査することにより、当業者には他の多くの実施形態が明らかであろう。本開示の様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲、並びに、かかる特許請求の範囲が認められる均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「そこにおいて(in which)」という語は、それぞれ、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という語の明白な同義語として使用される。また、「第1」「第2」及び「第3」等の語は単に符号として使用され、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で記述されておらず、こうした特許請求の範囲の限定が、「のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用せず、さらなる構造を持たない機能の記述がそれに続かない限り、米国特許法第112条段落(f)(35 U.S.C. § 112(f))に基づいて解釈されることを意図していない。
【0079】
更に、本開示は下記の条項による実施形態を含む。
条項1.
空港(104)で航空機(102)のターンアラウンドをモニタするように構成されたターンアラウンドモニタリングシステムであって、
前記空港(104)で前記航空機(102)に関するターンアラウンドデータを受け取り、前記ターンアラウンドデータに基づいて、前記航空機(102)のターンアラウンドステータスを特定する、ターンアラウンド解析制御ユニット(130)を備える、ターンアラウンドモニタリングシステム。
条項2.
1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、並びに
1以上のセンサ(114)を更に備え、
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)及び前記1以上のセンサ(114)が、前記航空機(102)に関する前記ターンアラウンドデータを出力し、
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)及び前記1以上のセンサ(114)と通信し、前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)及び前記1以上のセンサ(114)から前記ターンアラウンドデータを受け取る、条項1に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項3.
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)が、前記航空機(102)上又は前記航空機(102)内に少なくとも1つのカメラを備える、条項2に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項4.
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)が、前記空港(104)に少なくとも1つのカメラを備える、条項2又は3に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項5.
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)が、
内部キャビン(106)内の画像を撮像して出力するように構成された1以上のキャビンカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、
前記航空機(102)の外側の画像を撮像して出力するように構成された前記航空機(102)のテールに取り付けられた1以上のテールカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、
前記航空機(102)の外側の画像を撮像して出力するように構成された前記航空機(102)の1以上の安定板に取り付けられた1以上の安定板カメラ(112、112a~112e、112b~112e)、
前記航空機(102)の外側の画像を撮像して出力するように構成された前記航空機(102)の胴体(418)の下部又は下側に取り付けられた1以上の下部カメラ(112、112a~112e、112b~112e)(112d)、又は
前記航空機(102)の外側の画像を撮像して出力するように構成された前記航空機(102)の1以上の翼(416)に取り付けられた1以上の翼カメラ(112、112a~112e、112b~112e)のうちの1以上を備える、条項2から4のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項6.
前記1以上のセンサ(114)が、前記航空機(102)の1以上の燃料タンク内の燃料の量を検出するように構成された、1以上の燃料センサ(114)を備える、条項2から5のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項7.
前記1以上のセンサ(114)が、前記航空機(102)の1以上のドアの位置を検出するように構成された、1以上のドアセンサ(114、114b)を備える、条項2から6のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項8.
前記ターンアラウンドデータが、乗客情報、荷物(304)、ケータリング(310)、燃料補給(306)、清掃(308)、及び乗務員(312)を含む情報を含む、条項1から7のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項9.
前記ターンアラウンドステータスが、前記航空機(102)から降りる乗客(302)及び前記航空機(102)に搭乗する乗客(302)、前記航空機(102)から取り出される荷物(304)及び前記航空機(102)上に乗せられる荷物(304)、ケータリング(310)、前記航空機(102)の燃料補給(306)、前記航空機(102)の内部キャビン(106)の清掃(308)、並びに乗務員(312)のステータスに関する情報を含む、条項1から8のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項10.
履歴ターンアラウンドデータを記憶するターンアラウンドデータベース(136)、及び
前記ターンアラウンドデータと前記履歴ターンアラウンドデータの比較に基づいて、前記ターンアラウンドの完了の時刻を予測するターンアラウンド予測制御ユニット(134)を更に備える、条項1から9のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項11.
前記空港(104)のゲート(116)にゲート(116)コンピュータを更に備え、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、前記ゲート(116)コンピュータと通信し、前記ゲート(116)コンピュータが、前記ターンアラウンドデータを前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)に出力する、条項1から10のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項12.
前記航空機(102)の飛行コンピュータ(110)を更に備え、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、前記飛行コンピュータ(110)と通信し、前記飛行コンピュータ(110)が、前記ターンアラウンドデータを前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)に出力する、条項1から11のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項13.
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)と通信するディスプレイ(132)を更に備え、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、前記ディスプレイ(132)に前記ターンアラウンドステータスを表示する、条項1から12のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項14.
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、
乗客解析モジュール(138、144)、
荷物(304)解析モジュール(144)、
ケータリング(310)解析モジュール(144)、
燃料補給(306)解析モジュール(144)、
清掃(308)解析モジュール(144)、及び
乗務員(312)解析モジュール(144)を備える、条項1から13のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリングシステム。
条項15.
空港(104)で航空機(102)のターンアラウンドをモニタするように構成されたターンアラウンドモニタリング方法であって、
ターンアラウンド解析制御ユニット(130)によって、前記空港(104)で前記航空機(102)に関するターンアラウンドデータを受け取ること(500)、及び
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)によって、前記ターンアラウンドデータに基づいて前記航空機(102)のターンアラウンドステータスを特定すること(502)を含む、方法。
条項16.
1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)を、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)と通信可能に接続すること、
1以上のセンサ(114)を、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)と通信可能に接続すること、並びに
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)及び前記1以上のセンサ(114)によって、前記ターンアラウンドデータを出力することを更に含み、
前記受け取ること(500)が、前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)及び前記1以上のセンサ(114)によって出力された前記ターンアラウンドデータを受け取ること(500)を含む、条項15に記載のターンアラウンドモニタリング方法。
条項17.
前記ターンアラウンドデータが、乗客情報、荷物(304)、ケータリング(310)、燃料補給(306)、清掃(308)、及び乗務員(312)を含む情報を含む、条項15又は16に記載のターンアラウンドモニタリング方法。
条項18.
履歴ターンアラウンドデータをターンアラウンドデータベース(136)内に記憶すること(504)、及び
ターンアラウンド予測制御ユニット(134)によって、前記ターンアラウンドデータと前記履歴ターンアラウンドデータの比較に基づいて、前記ターンアラウンドの完了の時刻を予測すること(506)を更に含む、条項15から17のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリング方法。
条項19.
ゲート(116)コンピュータを前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)と通信可能に接続すること、及び
前記ゲート(116)コンピュータから前記ターンアラウンドデータを出力することを更に含み、
前記受け取ること(500)が、前記ゲート(116)コンピュータによって出力された前記ターンアラウンドデータを受け取ること(500)を含む、条項15から18のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリング方法。
条項20.
前記航空機(102)の飛行コンピュータ(110)を前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)と通信可能に接続すること、及び
前記飛行コンピュータ(110)から前記ターンアラウンドデータを出力することを更に含み、
前記受け取ること(500)が、前記飛行コンピュータ(110)によって出力された前記ターンアラウンドデータを受け取ること(500)を含む、条項15から19のいずれか一項に記載のターンアラウンドモニタリング方法。
条項21.
空港(104)で航空機(102)のターンアラウンドをモニタするように構成されたターンアラウンドモニタリングシステムであって、
1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、
1以上のセンサ(114)、
前記空港(104)のゲート(116)にあるゲート(116)コンピュータ、
前記航空機(102)の飛行コンピュータ(110)であって、前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、前記1以上のセンサ(114)、前記ゲート(116)コンピュータ、及び前記飛行コンピュータ(110)が、前記航空機(102)に関するターンアラウンドデータを出力する、飛行コンピュータ(110)、
前記1以上のカメラ(112、112a~112e、112b~112e)、前記1以上のセンサ(114)、前記ゲート(116)コンピュータ、及び前記飛行コンピュータ(110)と通信する、ターンアラウンド解析制御ユニット(130)であって、前記空港(104)で前記航空機(102)に関する前記ターンアラウンドデータを受け取り、前記ターンアラウンドデータに基づいて前記航空機(102)のターンアラウンドステータスを特定し、前記ターンアラウンドステータスが、前記航空機(102)から降りる乗客(302)及び前記航空機(102)に搭乗する乗客(302)、前記航空機(102)から取り出される荷物(304)及び前記航空機(102)上に乗せられる荷物、ケータリング(310)、前記航空機(102)の燃料補給(306)、前記航空機(102)の内部キャビン(106)の清掃(308)、及び乗務員(312)のステータスに関する情報を含む、ターンアラウンド解析制御ユニット(130)、
履歴ターンアラウンドデータを記憶するターンアラウンドデータベース(136)、
前記ターンアラウンドデータと前記履歴ターンアラウンドデータの比較に基づいて、前記ターンアラウンドの完了の時刻を予測するターンアラウンド予測制御ユニット(134)、並びに
前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)及び前記ターンアラウンド予測制御ユニット(134)と通信するディスプレイ(132)であって、前記ターンアラウンド解析制御ユニット(130)が、前記ターンアラウンドステータス及び前記ターンアラウンドの予測された完了の時刻を前記ディスプレイ(132)に表示する、ディスプレイ(132)を備える、ターンアラウンドモニタリングシステム。
【0080】
ここに記載した説明では、ベストモードを含む本開示の様々な実施形態を開示し、且つ当業者が任意のデバイス又はシステムの作成及び使用、並びに組込まれた任意の方法の実行を含め、本開示の様々な実施形態を実施することを可能にするために実施例を使用している。本開示の様々な実施形態の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想起する他の実施例を含み得る。かかる他の実施例は、実施例が特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又は、実施例が、特許請求の範囲の文言とごくわずかな相違しかない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。