(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60S 1/02 20060101AFI20250326BHJP
【FI】
B60S1/02 400
(21)【出願番号】P 2021048108
(22)【出願日】2021-03-23
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154380
【氏名又は名称】西村 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100081972
【氏名又は名称】吉田 豊
(72)【発明者】
【氏名】野田 周作
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-188133(JP,A)
【文献】実開平01-154486(JP,U)
【文献】国際公開第2017/188415(WO,A1)
【文献】特表2011-502090(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0105139(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車外に面した第1面と車内に面した第2面とを有するウインドガラスと、
前記ウインドガラスの延長面上に設けられた透光性を有する板状部材と、
前記板状部材に対向して車内に設置され、前記板状部材を介して車外の対象物を検出する検出器と、
前記ウインドガラスの前記第1面を払拭するワイパと、
前記ウインドガラスと前記板状部材との境界部に設けられ、前記ウインドガラスおよび前記板状部材の少なくとも一方が支持されるフレームと、を備え、
前記板状部材は、前記ウインドガラスよりも赤外線の透過率が高いガラスによって形成され、前記ワイパの払拭領域の内側に前記ウインドガラスの幅方向全域にわたって配置されて
おり、
前記検出器は、前記板状部材を介して前記対象物に赤外線レーザ光を照射するレーザ検出器であり、ルーフの内装材によって覆われる空間に配置されることを特徴とする車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両において、
前記ウインドガラスはフロントガラスであり、
前記板状部材は、前記フロントガラスの上端部に連なり、外側の表面が前記第1面と同一面上に位置するように配置されることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の周囲の障害物を検出するライダなどの検出器が搭載された車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運転支援機能や自動運転機能を有する車両の普及に伴い、自車両から対象物までの距離を検出するライダ等の検出器を有する車両が増加している。このような検出器による検出精度を高めるためには、検出器に面して設置される窓部のカバーなどを清掃する必要がある。この点に関し、従来、窓部の前面(光学面)に流体を噴射するノズルを、検出器に隣接して設けるようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の装置では、ノズルやノズルに流体を供給するポンプなどを別途設ける必要があるため、部品点数が増加してコストの上昇を招くとともに、装置全体が大型化する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様である車両は、車外に面した第1面と車内に面した第2面とを有するウインドガラスと、ウインドガラスの延長面上に設けられた透光性を有する板状部材と、板状部材に対向して車内に設置され、板状部材を介して車外の対象物を検出する検出器と、ウインドガラスの第1面を払拭するワイパと、ウインドガラスと板状部材との境界部に設けられ、ウインドガラスおよび板状部材の少なくとも一方が支持されるフレームと、を備える。板状部材は、ウインドガラスよりも赤外線の透過率が高いガラスによって形成され、ワイパの払拭領域の内側にウインドガラスの幅方向全域にわたって配置される。検出器は、板状部材を介して対象物に赤外線レーザ光を照射するレーザ検出器であり、ルーフの内装材によって覆われる空間に配置される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、コストを抑えた構成により、検出器の前面に付着した雨滴などを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両の全体構成を概略的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1~
図7Bを参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両100の全体構成を概略的に示す斜視図である。なお、
図1には、車両100の前後方向(長さ方向)、左右方向(幅方向)および上下方向(高さ方向)を矢印で示す。車両100の前面、後面、左右側面にはそれぞれウインドガラスが設けられる。前側のウインドガラス、すなわちフロントガラス1の前方には、ワイパ2が配置される。フロントガラス1は、赤外線透過率を低減して赤外線の車内への入射を抑えるような断熱ガラスにより構成される。これにより、夏場等における乗員の快適性が高まる。
【0009】
詳細な図示は省略するが、ワイパ2は、アームと、アームの先端部に回動可能に取り付けられたワイパブレードと、ワイパブレードに着脱可能に取り付けられたワイパゴムとを有する。アームの一端部は、フロントガラス1の下端部の前方に設けられたアーム支持部に軸支される。アーム支持部にはモータが連結され、アームは、モータの駆動によりアーム支持部を支点にして矢印に示すように、ワイパブレードおよびワイパゴムと一体に回動する。これによりフロントガラス1の前面から雨滴や泥、埃等の異物が払拭され、フロントガラス1の前面を清掃することができる。
【0010】
車両100は、例えば自動運転機能を有する自動運転車両あるいは運転支援機能を有する車両として構成される。このため、車両100には、他の車両や歩行者、自転車、ガードレール、中央分離帯等、車両100の周囲の動的および静的な障害物を検出するセンサが設けられる。センサには、パルス状の赤外線レーザ光を照射するとともに対象物(障害物)にて反射した反射光を検出することにより、対象物までの距離や方向を測定するライダ(LiDAR)10が含まれる。なお、電磁波を照射し反射波を検出することで対象物までの距離や方向を検出するレーダ(Radar)、CCDやCMOS等の撮像素子を有し、車両100の周囲を撮像するカメラなどもセンサに含まれる。
【0011】
ライダ10は、例えば車両100の前方の障害物を検出するようにレーザ光が照射される照射口を前方に向けて車室内の上部に設けられる。これに対し、車両100の屋根などにライダ10を搭載すると、車外の飛散物によってライダ10が損傷するおそれがあり、雨滴などがライダ10の近傍に付着して検出精度を悪化するおそれもある。この点、ライダ10を車内に設けることで、車外の飛散物からライダ10を保護することができるとともに、雨滴などがライダ10の近傍に付着することを防止できる。
【0012】
しかし、フロントガラス1は、赤外線透過率が低減される断熱ガラスによって構成されるため、フロントガラス1に対向してライダ10を設置すると、赤外線レーザ光がフロントガラス1によって減衰され、検出精度が悪化するおそれがある。この点を解消するために、フロントガラス1とは異なる部材(赤外線透過率が低減されない部材)に対向してライダ10を設けると、その部材の表面を別途清掃する必要が生じ、コストの上昇を招くおそれがある。そこで、検出精度が悪化することなく、コストの上昇を抑えることができるよう、本実施形態は、以下のように車両100を構成する。
【0013】
図2は、本発明の実施形態に係る車両100の要部構成を示す正面図、すなわちフロントガラス1を前方から見た正面図(
図1の矢視II図)であり、
図3は、
図2のIII-III線に沿って切断した断面図である。なお、
図2,3では、ワイパ2の図示を省略する。
図2,3に示すように、正面視略矩形状のフロントガラス1の周縁部は、略矩形枠状の金属製のフレーム3によって支持される。特に、フロントガラス1の前面1aおよび後面1bのうち、後面1bと周面がフレーム3によって支持される。より詳しくは、左右方向に延在する上下一対のフレーム部31,32と、上下方向に延在する左右一対のフレーム部33,34とを有するフレーム3によって支持される。
【0014】
フロントガラス1の上方には、フロントガラス1に連なって樹脂製のカバー11が配置される。すなわち、フロントガラス1の上端部と車両100の金属製のルーフ部材4の前端部との間には、境界面がフロントガラス1とルーフ部材4とに密着して正面視略矩形のカバー11が配置される。フロントガラス1は、透明に形成されるのに対し、カバー11は、車内への赤外線の入射を抑えるように半透明ないし非透明に形成される。なお、カバー11を透明に形成してもよい。カバー11は、フロントガラス1に段差なく滑らかに接続されるように、フロントガラス1と同一の板厚に形成され、その前面11aおよび後面11bはフロントガラス1の前面1aおよび後面1bと同一面上に位置する。
【0015】
カバー11の左右方向中央部には、略矩形の開口部12が設けられる。開口部12は、照射口を介してライダ10から照射されるレーザ光が通過する窓部を構成し、ライダ10の照射口の大きさに応じてその大きさが決定される。開口部12には、略矩形の板部材13が隙間なく嵌合され、これにより開口部12が閉塞された状態で、板部材13がカバー11に接合される。
【0016】
板部材13の厚さはカバー11の厚さと等しく、板部材13の前面および後面はカバー11の前面11aおよび後面11bと同一面上に位置する。板部材13は、透光性を有する樹脂材(例えばポリカーボネート)により構成される。より詳しくは、板部材13には、赤外線レーザ光以外を吸収する添加物が含まれ、フロントガラス1よりも赤外線の透過率が高い。赤外線の透過率を高めるように、板部材13の表面(例えば前面)が反射防止膜(ARコート)でコーティングが施されてもよい。板部材13はライダ10の照射口の大きさに応じた寸法を有し、比較的小型に形成されるため、ARコーティングが容易である。
【0017】
板部材13の後方には、ルーフ部材4とフレーム部31とに上端部および下端部が支持された隔壁5が設けられる。隔壁5は、高強度の樹脂材または金属によって構成され、カバー11とルーフ部材4と隔壁5との間に、略ボックス状の空間SPが形成される。なお、図示は省略するが、隔壁5は、空間SPの左右側面を区画するように形成される。隔壁55は、ルーフ部材4の下面を覆う内装材6によって全体が覆われる。空間SPには、板部材13の後面に対向してライダ10が配置される。
【0018】
ライダ10は、レーザダイオードなどの光源部と、反射光を受光する受光部と、レーザ光を走査する走査部と、信号処理部とがユニット化して構成されたライダユニットであり、ポリゴンミラー式やMEMSミラー式などの走査用のミラーを有するライダを用いることができる。なお、走査用のミラーを有しないライダを用いることもできる。ライダ10は、赤外線レーザ光が照射および反射光が入射する照射口を有する。ライダ10は、照射口が板部材13の後面に対向した状態で、隔壁5等に固定して配置される。
【0019】
図2は、左右のワイパ2の払拭領域AR1,AR2(二点鎖線)を併せて示す。
図2に示すように、ワイパ2は、その払拭領域AR1,AR2がフロントガラス1の前面1aのほぼ全体を覆うように構成されるとともに、カバー11の前面11aを覆うように構成される。これにより、フロントガラス1の前面1aがワイパ2により払拭されたとき、板部材13の前面も同時に払拭される。このため、板部材13の前面に付着した雨滴や異物を除去することができ、ライダ10の検出精度を高めることができる。また、ワイパ2を用いて板部材13の前面を払拭するため、板部材13の前面を清掃するための装置などを別途設ける必要がなく、コストの増加が抑えられる。
【0020】
図4Aは、
図2の第1変形例を示す図である。
図2では、側のフレーム部31とルーフ部材4との間において、樹脂製のカバー11が左右一対のフレーム部33,34間の全域にわたって設けられたが、
図4Aでは、カバー11がフレーム部33,34間の全域にわたって設けられるのではなく左右方向中央部に設けられる。そのカバー11に、
図2と同様、開口部12を介して板部材13が取り付けられる。カバー11とフレーム部33,34との間には、金属製のカバー14が設けられる。ワイパ2はカバー14の前面には移動しないように構成される。これによりワイパ2の払拭領域(例えばAR1)が
図2のものよりも狭くなり、ワイパ2を小型化できる。
【0021】
図4Bは、
図2の第2変形例を示す図である。
図4Bでは、上側のフレーム部31とルーフ部材4との間において、樹脂製のカバー11が左右方向一方(例えば左側)にずれて設けられる。すなわち、左側のフレーム部33に隣接してカバー11が設けられ、カバー11に開口部12を介して板部材13が取り付けられる。カバー11とフレーム部34との間には、金属製のカバー14が設けられる。この構成によっても、ワイパ2の払拭領域(例えばAR2)が狭くなる。
【0022】
図5Aは、
図2の第3変形例を示す図であり、
図5Bは、
図5AのV-V線に沿った断面図である。なお、
図5Bでは内装材6の図示を省略する。
図5A,
図5Bに示すように、フレーム部31とルーフ部材4との間には、樹脂製のカバー11の代わりに透光性を有するガラス15が左右のフレーム部33,34間の全域にわたって設けられる。ガラス15は、板部材13(
図2)と同様、フロントガラス1よりも赤外線の透過率が高くなるように構成される。これにより、車室内の前面は、赤外線を吸収する(赤外線が透過しにくい)フロントガラス1と赤外線が透過しやすいガラス15とによって覆われる。ガラス15の前面15aおよび後面15bは、カバー11と同様、フロントガラス1の前面1aおよび後面1bと同一面上に形成される。これにより、フロントガラス1の前面1aと同時にガラス15の前面15aが、ワイパ2により払拭される。
【0023】
ガラス15は板状部材として機能し、その後方における、隔壁5によって形成された空間SPには、ガラス15の後面15bに対向してライダ10が配置される。すなわち、ガラス15は板部材13(
図2)と同様の機能を有するため、ガラス15に面してライダ10が配置される。これにより、カバー11と板部材13などの複数の部品を設ける必要がないため、構成を簡素化できる。赤外線の透過率が高くなるようにガラス15を構成するので、ライダ10から照射されるレーザ光の減衰の程度が抑えられ、ライダ10を用いた対象物までの良好な距離測定を行うことができる。
【0024】
図6は、
図2の第4変形例を示す図である。なお、
図6の断面形状(V-V線に沿った断面図)は、
図5Bと同一である。
図5Aでは、赤外線を透過するガラス15をフレーム部33,34間の左右方向全域にわたって設けたが、
図6では、左右方向一方(例えば左側)に設けられる。このため、
図6に示すように、フレーム部31は、正面視略L字状に構成され、その一端部および他端部は、それぞれフレーム部33およびルーフ部材4に接続される。フレーム部31とルーフ部材4とフレーム部33とによって囲まれた矩形状の領域にガラス15が配置され、ガラス15の後方にライダ10が配置される。この構成によれば、
図5Aのものよりも、赤外線の透過する領域(ガラス15の面積)が縮小され、車内への赤外線の入射を抑えることができる。
【0025】
図7Aは、
図2の第5変形例を示す図であり、
図7Bは、
図7AのVII-VII線に沿った断面図である。
図7Aに示すように、第5変形例でも第4変形例と同様、フレーム部31が略L状に形成される。但し、
図7Bに示すように、第5変形例では、ライダ10の照射口を塞ぐ板部材16の前面16aが、フロントガラス1の前面1aと同一面上となるように設けられる。板部材16は、板部材13(
図2)と同様、フロントガラス1よりも赤外線の透過率が高い材質によって構成される。これによりレーザ光の減衰を抑えて対象物までの良好な距離測定を行うことができる。
【0026】
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態に係る車両100は、車外に面した前面1aと車内に面した後面1bとを有するフロントガラス1と、フロントガラス1に連なって設けられた透光性を有する板部材13,16およびガラス15(これらをまとめて板状部材と呼ぶ)と、板状部材13,15,16に面して車内に設置され、板状部材13,15,16を介して車外の対象物を検出、より詳しくは対象物までの距離を測定するライダ10と、フロントガラス1の前面1aを払拭するワイパ2と、を備える(
図1~
図3等)。板状部材13,15,16は、ワイパ2の払拭領域AR1,AR2に含まれる位置に配置される(
図2,
図4A等)。
【0027】
これにより、ワイパ2によってライダ10の前面を清掃することができ、ライダ10の検出精度を高めつつ、コストを抑えることができる。すなわち、ライダ10の前面に付着した雨滴等を除去するための構成を別途設けると、部品点数が増加してコストが上昇するおそれがあるが、そのような構成を追加する必要がないため、コストを抑えることができる。また、装置全体を小型化して構成することができる。
【0028】
(2)ライダ10は、板状部材13,15,16を介して対象物に赤外線レーザを照射する。これにより、ライダ10の照射口に対向する面が清掃されるため、ライダ10の検出精度を高めることができる。
【0029】
(3)板状部材13,15,16は、フロントガラス1よりも赤外線の透過率が高い材質によって形成される。これにより、車内への赤外線の入射を抑えつつ、ライダ10を効果的に用いることができる。
【0030】
(4)フロントガラス1とガラス15(板状部材)との境界部に設けられ、フロントガラス1が固定されるとともにガラス15が固定されるフレーム3をさらに備える(
図5A~
図6)。これにより、フロントガラス1とガラス15とを容易かつ安定的に支持することができ、ライダ10による距離測定を精度よく行うことができる。
【0031】
(5)板状部材13,15,16は、フロントガラス1の上端部に連なり、外側の表面がフロントガラス1の前面1aと同一面上に位置するように配置される(
図3,
図5B,
図7B)。これにより板状部材13,15,16の前面をワイパ2により容易かつきれいに払拭することができる。
【0032】
なお、上記実施形態では、前面1a(第1面)と後面1b(第2面)とを有するフロントガラス1の上方にライダ10を配置したが、ライダを他の位置に配置してもよい。すなわち、ワイパにより払拭される他のウインドガラス(例えばリアガラス)の上方に配置してもよく、第1面と第2面とを有するウインドガラスはフロントガラス1に限らない。上記実施形態では、ライダ10の噴射口に面して配置される板部材13,16およびガラス15を板状部材として用いたが、ウインドガラスの延長面上に設けられる透光性を有する板状部材の構成は上述したものに限らない。
【0033】
上記実施形態では、車内の前方に単一のライダ10を配置するようにしたが、複数のライダを配置してもよい。例えば左右一対のライダを配置し、その噴射口に面した板状部材がワイパ2により払拭されるようにしてもよい。本発明は、赤外線レーザ光を照射するレーザ検出器としてのライダ以外の検出器にも適用することができる。例えばカメラやレーダを検出器として用いる場合に、その前面にワイパにより払拭可能な板状部材を配置すればよい。検出器としてライダ10だけでなくライダ10の側方にカメラを配置するとともに、ライダ10とカメラの双方に対向する板状部材を設け、板状部材の表面をワイパにより払拭するようにしてもよい。
【0034】
上記実施形態では、フロントガラス1の前方下部に設けられたアーム支持部を介してワイパ2を回転可能に支持するようにしたが、ワイパの支持部を他の位置、例えばウインドガラスの上方に設けてもよい。ワイパ2の払拭領域AR1,AR2の内側に配置されるのであれば、板状部材の配置は上述したものに限らない。上記実施形態では、フロントガラス1とガラス15(板状部材)との境界部にフレーム部31を設けたが、ウインドガラスおよび板部材の少なくとも一方が支持されるように設けられるのであれば、フレームの構成はいかなるものでもよい。
【0035】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 フロントガラス、1a 前面、1b 後面、2 ワイパ、3 フレーム、10 ライダ、13 板部材、15 ガラス、16 板部材、31 フレーム部、100 車両、AR1,AR2 払拭領域