(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】サイドエッジ型面発光装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20250326BHJP
G02B 5/02 20060101ALI20250326BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20250326BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20250326BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20250326BHJP
【FI】
F21S2/00 435
G02B5/02 C
F21S2/00 431
F21S2/00 433
G02F1/13357
G09F9/00 336J
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021116940
(22)【出願日】2021-07-15
【審査請求日】2024-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】ゴー リングウェイ
(72)【発明者】
【氏名】沖 庸次
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/067911(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02B 5/02
G02F 1/13357
G09F 9/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側に出射面、下側に配光制御面、前記出射面と前記配光制御面とを繋ぐ側面に入射面を有する導光板と、
前記導光板の前記入射面側に設けられた光源と、
前記導光板の前記出射面側に対向して前記導光板の前記入射面の平行方向に沿って下側に設けられた複数の第1のプリズム及び上側に出射面を有する上プリズムシートと、
前記導光板の前記配光制御面に対向して前記導光板の前記入射面の直角方向に沿って上側に設けられた複数の第2のプリズム及び下側に設けられた第1の平坦面を有する第1の下プリズムシートと、
前記第1の下プリズムシートの前記第1の平坦面に対向かつ離間して設けられた光吸収シート
と
を具備するサイドエッジ型面発光装置。
【請求項2】
上側に出射面、下側に配光制御面、前記出射面と前記配光制御面とを繋ぐ側面に入射面を有する導光板と、
前記導光板の前記入射面側に設けられた光源と、
前記導光板の前記出射面側に対向して前記導光板の前記入射面の平行方向に沿って下側に設けられた複数の第1のプリズム及び上側に出射面を有する上プリズムシートと、
前記導光板の前記配光制御面に対向して前記導光板の前記入射面の直角方向に沿って上側に設けられた複数の第2のプリズム及び下側に設けられた第1の平坦面を有する第1の下プリズムシートと、
前記第1の下プリズムシートの前記第1の平坦面に対向かつ接触して前記導光板の前記入射面の直角方向に沿って上側に設けられた複数の第3のプリズム及び下側に設けられた第2の平坦面を有する第2の下プリズムシート
と
を具備するサイドエッジ型面発光装置。
【請求項3】
さらに、前記第2の下プリズムシートの前記第2の平坦面に対向かつ離間して設けられた光吸収シートを具備する請求項
2に記載のサイドエッジ型面発光装置。
【請求項4】
さらに、前記第2の下プリズムシートの前記第2の平坦面に対向かつ接触して設けられた光吸収層を具備する請求項
2に記載のサイドエッジ型面発光装置。
【請求項5】
さらに、前記第1の下プリズムシートの前記第1の平坦面に設けられた光透過性接着層を具備し、
前記第2の下プリズムシートの前記各第3のプリズムの先端部が前記光透過性接着層を貫入して前記第1の下プリズムシートの前記第1の平坦面に接触している請求項
2に記載のサイドエッジ型面発光装置。
【請求項6】
前記各第1のプリズムは頂角が85°~95°の三角プリズムである請求項1に記載のサイドエッジ型面発光装置。
【請求項7】
前記各第2のプリズムは頂角が85°~95°の三角プリズムである請求項
2に記載のサイドエッジ型面発光装置。
【請求項8】
請求項1乃至
7のいずれかに記載のサイドエッジ型面発光装置を備えることを特徴とする、液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサイドエッジ型面発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サイドエッジ型面発光装置は、導光板及びその一方側に設けられた光源たとえば発光ダイオード(LED)素子よりなり、薄型化及び軽量化の点で優れているので、表示装置たとえば液晶表示(LCD)装置のバックライトとして用いられている。このような表示装置が公共の場所で使用されると、他者による覗き見を防止するために狭配光特性つまり狭視角特性が要求される。これはバックライトのプライバシ特性(効果)と呼ばれる。
【0003】
図48は従来のサイドエッジ型面発光装置を示す斜視図である(参照:特許文献1、2)。
【0004】
図48において、サイドエッジ型面発光装置は、上側に出射面S
e、下側に配光制御面S
d、出射面S
e及び配光制御面S
dの一方側の入射面S
inを有する導光板1と、導光板1の入射面S
in側に設けられた光源たとえば複数の発光ダイオード(LED)素子2と、導光板1の出射面S
e側に対向して入射面S
inの平行方向(Y方向)に沿って下側に設けられた複数のプリズム及び上側に出射面を有する上プリズムシート3と、導光板1の配光制御面S
dに対向して上側に平坦面42及び導光板1の入射面S
inの直角方向(X方向)に沿って下側に設けられた複数の三角プリズム41を有する下プリズムシート4と、下プリズムシート4の三角プリズム41に対向して設けられた漏れ光を吸収するための光吸収シート5とを備えている。導光板1は、後述の
図2に示す導光板1と同一の構造を有する。すなわち、
図2に示すごとく、導光板1は、両面プリズム構造であって、入射面S
inの直角方向(X方向)に沿って出射面S
e上に設けられた複数の上側プリズム11及び入射面S
inの平行方向(Y方向)に沿って配光制御面S
d上に設けられた複数の下側プリズム12よりなる。下プリズムシート4と光吸収シート5との間は下プリズムシート4の三角プリズム41の全反射を確保するために空気層となっている。つまり、光吸収シート5と下プリズムシート4とは離間している。また、上プリズムシート3の外側には図示しないLCDパネルが設けられる。尚、I
1、I
2は視野角θ=±35°、±45°における絶対輝度を示す。
【0005】
図49は
図48の下プリズムシート4の横方向(Y方向)断面図である。
【0006】
図49に示すように、各三角プリズム41は等間隔で配置され、
図48の光吸収シート5に対向してX方向に沿った対称な直線状傾斜面41-1、41-2を有し、この場合、直線状傾斜面41-1、41-2がなす頂角αはたとえば90°である。
【0007】
図50は
図49の下プリズムシート4の動作を説明するための横方向(Y方向)断面図である。
【0008】
図50において、導光板1の配光制御面S
dから漏れた光L2は下プリズムシート4の平坦面42に入射する。
【0009】
光L2のうち下プリズムシート4の平坦面42に対して小さな入射角を有する光L21は三角プリズム41の直線状傾斜面41-1、41-2によって全反射されて導光板1に戻る。この場合、直線状傾斜面41-1、41-2に対する光L21の入射角は下プリズムシート4の臨界角より大きい。この結果、光
L2の90%以上は上プリズムシート3において視野角θ=-35°~35°で出射され、
図51の(A)に示す絶対輝度Iによる横方向(Y方向)配光分布における視野角θ=0°の絶対輝度I
0を大きくできる。
【0010】
他方、光L2のうち下プリズムシート4の平坦面42に対して大きな入射角を有する光L22は三角プリズム41の直線状傾斜面41-1、41-2から屈折出射し、光吸収シート5によって吸収される。この場合、直線状傾斜面41-1、41-2に対する光L22の入射角は下プリズムシート4の臨界角より小さい。この結果、視野角θ=±35°での輝度I
1及び視野角θ=±45°での絶対輝度I
2を小さくでき、従って、
図51の(B)に示す相対輝度I/I
0による横方向(Y方向)配光分布において小さい輝度率(プライバシ効果)I
1/I
0、I
2/I
0を実現できる。つまり、プライバシ効果を良好にできる。
【0011】
さらに、光L2のうち下プリズムシート4の平坦面42に対して中間の入射角を有する光L23は三角プリズム41の直線状傾斜面41-1、41-2において下プリズムシート4の臨界角をぎりぎりで超える入射角となる。この場合には、直線状傾斜面41-1又は41-2の全反射光で視野角θ=-35°~35°より広い配光を発生する。この配光の光線は輝度率(プライバシ効果)I1/I0、I2/I0を悪化させる。尚、プライバシ効果は輝度率I1/I0、I2/I0が共に0に近い程大きい。
【0012】
図52は
図49、
図50の下プリズムシート4のプリズム41の頂角αと全光束(%)及び輝度率(プライバシ効果)I
1/I
0との関係を示すグラフである。
図52においては、プリズム41の頂角αが90°のときの全光束を100%とする。
【0013】
図52に示すように、頂角αが70°~110°のときに、全光束は88%以上であり、頂角αが85°~100°のときに、全光束は90%以上である。輝度率(プライバシ効果)I
1/I
0はやや悪くなるが、許容できる。すなわち、輝度率(プライバシ効果)は頂角αによって調整できるが、好ましくは、頂角αは90°である。
【0014】
上述において、プライバシ特性(効果)を横方向(Y方向)配光分布を用いて説明したが、縦方向(X方向)配光分布においても同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】特開2019-212387号公報
【文献】US10684405B2
【文献】特開2012-8600号公報(特許5346066号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上述の
図48に示す従来のサイドエッジ型面発光装置においては、下プリズムシート4と光吸収シート5との間には空気層が存在し、しかも下プリズムシート4の三角プリズム41の頂角が光吸収シート5に対向しているので、製造工程において、ハンドリングがしにくく、下プリズムシート4と光吸収シート5との間に異物が混入したり、また、部材運搬作業等において、外力、振動等によって下プリズムシート4の三角プリズム41及び/又は光吸収シート5が接触して削られて微細な欠陥が発生したりする。特に、光吸収シート5が黒色であるので、上述の異物又は欠陥が白点又は輝点の反射部材として作用してサイドエッジ型面発光装置の不良原因となって歩留まりが低下し、従って、製造コストが高くなるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述の課題を解決するために、本発明に係るサイドエッジ型面発光装置は、上側に出射面、下側に配光制御面、出射面と配光制御面とを繋ぐ側面に入射面を有する導光板と、導光板の入射側に設けられた光源と、導光板の出射面側に対向して導光板の入射面の平行方向に沿って下側に設けられた複数の第1のプリズム及び上側に出射面を有する上プリズムシートと、導光板の配光制御面に対向して導光板の入射面の直角方向に沿って上側に設けられた複数の第2のプリズム及び下側に設けられた平坦面を有する下プリズムシートと、第1の下プリズムシートの第1の平坦面に対向かつ離間して設けられた光吸収シートとを具備するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、下プリズムシートの下面は平坦面であるので、異物又は欠陥が発生して白点又は輝点として作用することがなく、従って、サイドエッジ型面発光装置の不良を防止して歩留まりを向上させ、製造コストを低くできる。また、たとえ下プリズムシートの下面平坦面に対向して光吸収シートを設けても、下プリズムシートと光吸収シートとの平坦面同志が対向しているので、製造工程において、ハンドリングし易く下プリズムシートと光吸収シートとの間に異物が混入しにくく、また、部材運搬作業等において、外力、振動等によって下プリズムシート及び/又は光吸収シートが削られて微細な欠陥も発生しにくい。この結果、サイドエッジ型面発光装置の歩留まりが向上し、従って、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係るサイドエッジ型面発光装置の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【
図4】
図2の下側プリズムを示し、(A)は底面図、(B)は(A)の部分断面図である。
【
図5】
図2の導光板の動作を説明するための断面図である。
【
図6】
図1の上プリズムシートの詳細を示す断面図である。
【
図7】
図1の下プリズムシートの詳細を示す断面図である。
【
図8】
図1のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【
図9】
図8の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。
【
図10】
図8の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図11】
図8の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【
図12】
図8の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図13】本発明に係るサイドエッジ型面発光装置の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【
図14】
図13のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【
図15】
図14の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。
【
図16】
図14の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図17】
図14の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【
図18】
図14の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図19】比較例としてのサイドエッジ型面発光装置を示す斜視図である。
【
図20】
図19のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【
図21】
図20の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。
【
図22】
図20の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図23】
図20の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【
図24】
図20の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図25】本発明に係るサイドエッジ型面発光装置の第3の実施の形態を示す斜視図である。
【
図26】
図25の追加された下プリズムシートを示し、(A)は断面図、(B)は下プリズムシート間の接触部分を示す断面図である。
【
図27】
図25のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【
図28】
図27の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。
【
図29】
図27の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図30】
図27の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【
図31】
図27の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図32】本発明に係るサイドエッジ型面発光装置の第4の実施の形態を示す斜視図である。
【
図33】
図32のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【
図34】
図33の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。
【
図35】
図33の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図36】
図33の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【
図37】
図33の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図38】本発明に係るサイドエッジ型面発光装置の第5の実施の形態を示す斜視図である。
【
図39】
図38のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【
図40】
図39の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。
【
図41】
図39の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図42】
図39の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【
図43】
図39の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果によるサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果を示すグラフである。
【
図44】
図25、
図32及び
図38のサイドエッジ型面発光装置の変更例を示し、下プリズムシート間の接触部分を示す断面図である。
【
図45】
図44の一体化された下プリズムシートを採用した
図38のサイドエッジ型面発光装置の変更例の平均輝度及びプライバシ効果を説明するための表である。
【
図46】
図38のサイドエッジ型面発光装置において下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの頂角αBを90°に固定し、下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの頂角αAを90°、80°、85°、95°、100°、110°、120°、125°に変化させた場合の全光束、視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【
図47】
図38のサイドエッジ型面発光装置において下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの頂角αAを90°に固定し、下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの頂角αBを90°、95°、100°、85°、80°、110°、120°に変化させた場合の全光束、視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【
図48】従来のサイドエッジ型面発光装置を示す斜視図である。
【
図49】
図48の下プリズムシートの横方向(Y方向)断面図である。
【
図50】
図49の下プリズムシートの動作を説明するための横方向(Y方向)断面図である。
【
図51】
図48のサイドエッジ型面発光装置の横方向(Y方向)配光分布を示し、(A)は絶対輝度によるグラフ、(B)は相対輝度(輝度比)によるグラフである。
【
図52】
図49、
図50の下プリズムシートのプリズムの頂角と全光束(%)、輝度率(プライバシ効果)との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明に係るサイドエッジ型面発光装置の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【0021】
図1においては、
図48の下プリズムシート4の代りに、下プリズムシート4Aを設ける。又、光吸収シート5は設けていない。
【0022】
下プリズムシート4Aは、導光板1の配光制御面Sdに対向して導光板1の入射面Sinの直角方向(X方向)に沿って上側に設けられた複数の三角プリズム41A及び下側に設けられた平坦面42Aを有する。下プリズムシート4Aの下側を平坦面にすることにより、つまり、サイドエッジ型面発光装置の出射面と反対側の面が平坦であることにより、製造工程におけるハンドリングがし易くなり、歩留まりが向上し、製造コストを低下させることができる。
【0023】
以下、
図1のサイドエッジ型面発光装置の各部を詳細に説明する。
【0024】
【0025】
図2において、導光板1は、ベース部10と、ベース部10以外の上側プリズム11及び下側プリズム12とで構成されている。導光板1のベース部10は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透光性材料よりなり、上側プリズム11及び下側プリズム12はUV樹脂の透光性材料よりなる。本願発明の実施の形態の導光板1は、ベース部10にポリカーボネート、上側プリズム11及び下側プリズム12は、UV硬化されたポリマー型アクリレートを用いている。本願発明の実施の形態では、導光板1のベース部10はポリカーボネート樹脂である。導光板1は両面プリズム構造であって、入射面S
inの直角方向(X方向)に沿って出射面S
e上に設けられた複数の上側プリズム11及び入射面S
inの平行方向(Y方向)に沿って配光制御面S
d上に設けられた複数の下側プリズム12よりなる。
図1のLED素子2から入射面S
inに光が入射すると、光は導光板1内部を伝播し、下側プリズム12によって反射されて上側プリズム11に向い、出射面S
eから出射される。
【0026】
図3は
図2の上側プリズム11の1つの断面図である。
【0027】
図3に示すように、上側プリズム11はZ方向に突出しており、従って、凸状をなしている。すなわち、上側プリズム11の各プリズムは、頂角βが80~110°かつ曲率半径Rが0~25μmの丸み先端11aを有する。
【0028】
尚、上側プリズム11の各プリズムの断面形状は、他の形状たとえば半円状、台形形状、二等辺三角形状でもよい。また、半球状の突起、半球状の凹部をX方向、Y方向に配列してもよく、さらに、半円柱状の凹部をX方向に延在させてもよく、四角錘状の凸部をX方向、Y方向に配列してもよい。
【0029】
図4は
図2の下側プリズム12の詳細を示し、(A)は底面図、(B)は(A)の部分断面図である。
【0030】
図4の(A)の底面図に示すように、複数の平坦鏡面部13が配光制御面S
d上にX方向に沿って配置されている。平坦鏡面部13は光を奥まで均一にするためのものであり、平坦鏡面部13のY方向幅は入射面S
inから遠ざかるにつれて小さくされている。他方、下側プリズム12の各プリズムは入射面S
inから遠ざかるにつれて大きくなっている。これにより、奥に行く光をより多く均一に面発光させるようにする。また、
図4の(B)の部分断面図に示すように、下側プリズム12の各プリズムは非対称の傾斜角度γ1の上り傾斜面12-1及び傾斜角度γ2(<γ1)の下り傾斜面12-2よりなる。この場合、配光制御は主に下り傾斜面12-2によって行われる。
【0031】
図5は
図2の導光板1の動作を説明するための断面図である。
【0032】
図5において、ある光は出射面S
eと配光制御面S
dとの間で全反射を繰返し、次いで、出射面S
e又は下側プリズム12の下り傾斜面12-2を屈折出射する。この場合、平坦鏡面部13及び下側プリズム12の各プリズムのY方向幅はX方向に沿って変化しているので、出射面S
eから出射される光L1は出射面S
e内で均一にできる。このようにして、出射面S
eから出射される光L1は出射面S
eの法線に対して一定角度で出射し、他方、配光制御面S
dから漏れる光L2は
図1の下プリズムシート4Aに漏れることになる。
【0033】
図6は
図1の上プリズムシート3の詳細を示す断面図である。
【0034】
図6において、上プリズムシート3は、ベース部30と、変形三角プリズム31とで構成され、入射面S
in(
図1)に平行に等距離に下側に配置された複数の変形三角プリズム31及び上側に平坦面S
e3を有する。各変形三角プリズム31は入射面S
in側に直線状傾斜面31-1及び入射面S
inの反対側に曲線状傾斜面31-2を有する。上プリズムシート3は、ベース部30がポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートの透光性樹脂からなる。変形三角プリズム31は、UV硬化性樹脂たとえばポリマー型アクリレートからなる。本願発明の実施の形態の上プリズムシート3では、ベース部30にポリエチレンテレフタレート、三角プリズム31にUV硬化されたポリマー型アクリレートを用いている。各変形三角プリズム31は導光板1の出射面S
e(
図1)に対向している。各変形三角プリズム31においては、幅W
Uはたとえば18~25μmであり、高さH
Uはたとえば15~18μmである。各変形三角プリズム31の幅W
U又は高さH
Uは、バックライトと液晶を組み合わせた時に発生するモアレを解消するために、必要に応じて変更しても良い。この場合、各変形三角プリズム31は、直線状傾斜面31-1の角δ1、曲線状傾斜面31-2の角δ2及び曲線状傾斜面31-2の半径によって決定される。但し、曲線状傾斜面31-2は直線状、スプライン曲線、放物線等の任意の曲線でもよい。導光板1の出射面S
eからの傾斜した光L1が上プリズムシート3の変形三角プリズム31に入射すると、光L1は直線状傾斜面31-1で屈折入射し、次いで、曲線状傾斜面31-2で全反射する。この結果、上プリズムシート3の平坦面S
e3から該平坦面S
e3の法線方向の光L3が出射される。
【0035】
【0036】
図7において、下プリズムシート4Aは、ベース部40Aと、三角プリズム41Aとで構成されている。下プリズムシート4Aは、等間隔で配置され、入射面S
inに直角方向(X方向)に沿って上側に設けられた複数の三角プリズム41A-1及び下側に設けられた平坦面42Aを有する。下プリズムシート4Aは、ベース部40Aがポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートの透光性樹脂からなる。ベース部40A以外の三角プリズム41Aは、UV硬化性樹脂たとえばポリマー型アクリレートからなる。本願発明の実施の形態の下プリズムシート4Aは、ベース部40Aにポリエチレンテレフタレート、三角プリズム41AにUV硬化されたポリマー型アクリレートを用いている。各三角プリズム41Aは導光板1の配光制御面S
dに対向してX方向に沿った対称な直線状傾斜面41A-1、41A-2を有し、この場合、直線状傾斜面41A-1、41A-2がなす頂角αAは範囲85°~95°であり、たとえば90°である。下プリズムシート4Aの各三角プリズム41Aは幅W
Dが25~30μmであり、高さH
Dがたとえば10~16μmであり、変形三角プリズム31の高さH
Uより小さい高さのものを用いている。下プリズムシート4Aの幅W
D又は高さH
Dは、バックライトと液晶を組み合わせた時に発生するモアレを解消するために、必要に応じて変更しても良い。
【0037】
図8は
図1のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【0038】
図8の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して大きな入射角を有する光L21は下プリズムシート4Aの平坦面42Aで全反射し、上プリズムシート3の平坦面S
eの法線方向の光となる。つまり、光L21は視野角θ=-35°~35°の輝度Iを大きくできる。
【0039】
他方、
図8の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して小さな入射角を有する光L22は下プリズムシート4Aの平坦面42Aを屈折出射し、上プリズムシート3に戻らない。つまり、光L22は視野角θ=-35°~35°の外側の輝度Iつまり相対輝度(プライバシ効果)I
1/I
0を小さくできる。但し、下プリズムシート4Aの平坦面42Aを屈折出射した光の一部は装置の筐体(反射板)より反射され、戻り光となる。この戻り光は装置の全光束を増大させるが、プライバシ効果を悪化させる。
【0040】
さらに、
図8の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して中間の入射角を有する光L23は下プリズムシート4Aの平坦面42Aの臨界角をぎりぎりで超える入射角となる。この場合には、上プリズムシート3の平坦面S
eの法線方向より傾いた光となり、視野角θ=-35°~35°より広い配光を発生する。この配光の光線は輝度率(プライバシ効果)I
1/I
0を悪化させる。
【0041】
図9は
図8の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。以後の説明において、シミュレーションソフトは、OPTISWORKS(現ANSYS社)のSolid Work Light Simulation SREOSを使用した。また、特に断りのない限り、上プリズムシート3は、各変形三角プリズム31の幅W
Uを21μm、高さH
Uを17μmとし、下プリズムシート4Aは、各三角プリズム41Aの幅W
Dを27μm、高さH
Dを14μmとして検討した。導光板1は、全て
図5に示した導光板1を用いて検討している。
【0042】
図9は
図8の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果が示されており、
図1に示すサイドエッジ型面発光装置と
図48に示すサイドエッジ型面発光装置とが比較され、導光板1と上プリズムシート3の変形三角プリズム31が下向きである構造は同一である。他方、
図1の下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aは上向きであるが、
図48の下プリズムシート4の三角プリズム41は下向きである点で相違し、また、
図48は下プリズムシート4の導光板1と対向する方向に光吸収シート5を含む点で相違する。
図9の(A)に示す
図1のサイドエッジ型面発光装置によって得られた横方向(Y方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる横方向(Y方向)絶対輝度配光分布とほとんど同一であるが、横方向及び縦方向の全光束が若干増加する。これは下プリズムシート4Aの下側平坦面42Aを出射した光が周辺の筐体等から反射して下プリズムシート4Aに再入射した戻り光のためである。他方、
図9の(A)の部分拡大図である
図9の(B)の相対輝度配光分布及び
図9の(C)の横方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干大きく、従って、プライバシ効果は若干悪くなるが、許容できる範囲である。
【0043】
図10は
図8の(A)の横方向シミュレーション動作結果による
図1のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
図10において、全光束は黒点で表し、プライバシ効果は白点で表している。このグラフでは、全光束(lm)が大きい値を取るほど発光装置の輝度が高く、I
1/I
0、I
2/I
0が小さい値を取るほどプライバシ効果が高くなる。換言すると、グラフの上方にプロットされるほど、全光束が高く、且つプライバシ効果も高い。
【0044】
図10に示すように、
図1のサイドエッジ型面発光装置においては、装置内の戻り光のために全光束は
図48のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干増加するも、プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は若干低下することが分かる。但し、このプライバシ効果の悪化は許容範囲である。
【0045】
図11は
図8の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【0046】
図11の(A)に示す
図1のサイドエッジ型面発光装置によって得られた縦方向(X方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる縦方向(X方向)絶対輝度配光分布とほとんど同一であるが、横方向及び縦方向の全光束が若干増加する。これも下プリズムシート4Aの下側平坦面42Aを出射した光が周辺の筐体等から反射して下プリズムシート4Aに再入射したためである。他方、
図11の(A)の部分拡大図である
図11の(B)の相対輝度配光分布及び
図11の(C)の縦方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干大きく、従って、プライバシ効果は若干悪くなるが、許容できる範囲である。
【0047】
図12は
図8の(B)の縦方向シミュレーション動作結果による
図1のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
【0048】
図12に示すように、
図1のサイドエッジ型面発光装置においては、全光束は
図48のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干増加するも、プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は若干悪化することが分かる。但し、縦方向プライバシ効果は横方向プライバシ効果より高い傾向にあり、やはり許容範囲である。
【0049】
このように、
図1に示す第1の実施の形態によれば、外側の下プリズムシート4Aの下面は平坦面であるので、製造工程において、ハンドリングし易く、異物の混入が少なく、また、部材運搬作業等においても、微細な欠陥の発生も少ない。
【0050】
図13は本発明に係るサイドエッジ型面発光装置の第2の実施の形態を示す斜視図である。
図13においては、
図1のサイドエッジ型面発光装置において、下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aに対向して光吸収シート5を付加してある。この場合、下プリズムシート4Aと光吸収シート5との間に空気層を設ける。つまり、下プリズムシート4Aと光吸収シート5とは離間している。光吸収シート5はたとえば黒色インクを塗装したポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる。
【0051】
図14は
図13のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【0052】
図14の(A)、(B)に示すごとく、
図8の(A)、(B)と同様に、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して大きな入射角を有する光L21は下プリズムシート4Aの平坦面42Aで全反射し、上プリズムシート3の平坦面S
eの法線方向の光となる。つまり、光L21は視野角θ=-35°~35°の輝度Iを大きくできる。
【0053】
他方、
図14の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して小さな入射角を有する光L22は下プリズムシート4Aの平坦面42Aを屈折出射し、光吸収シート5に吸収される。従って、光L22は上プリズムシート3に一切戻らない。つまり、光L22は視野角θ=-35°~35°の外側の輝度Iつまり相対輝度(プライバシ効果)I
1/I
0を良好にできるが、装置の全光束は減少する。
【0054】
さらに、
図14の(A)、(B)に示すごとく、
図8の(A)、(B)と同様に、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して中間の入射角を有する光L23は下プリズムシート4Aの平坦面42Aの臨界角をぎりぎりで超える入射角となる。この場合には、上プリズムシート3の平坦面S
eの法線方向より傾いた光となり、視野角θ=-35°~35°より広い配光を発生する。この配光の光線は輝度率(プライバシ効果)I
1/I
0を悪化させる。
【0055】
図15は
図14の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。
【0056】
図15の(A)に示す
図13のサイドエッジ型面発光装置によって得られた横方向(Y方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる横方向(Y方向)絶対輝度配光分布とほとんど同一であるが、横方向及び縦方向の全光束が若干減少する。これは下プリズムシート4Aの下側平坦面42Aを出射した光が光吸収シート5に吸収されたためである。他方、
図15の(A)の部分拡大図である
図15の(B)の相対輝度配光分布及び
図15の(C)の横方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干大きく、従って、プライバシ効果は若干悪くなるが、
図1のサイドエッジ型面発光装置に比較すれば良好となる。これも下プリズムシート4Aの下側平坦面42Aから出射した光が光吸収シート5によって吸収されたためである。
【0057】
図16は
図14の(A)の横方向シミュレーション動作結果による
図13のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
【0058】
図16に示すように、
図13のサイドエッジ型面発光装置においては、全光束は
図1のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干減少するも、プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は良好であることが分かる。
【0059】
図17は
図14の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【0060】
図17の(A)に示す
図13のサイドエッジ型面発光装置によって得られた縦方向(X方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる縦方向(X方向)絶対輝度配光分布とほとんど同一であるが、横方向及び縦方向の全光束が若干増加する。他方、
図17の(A)の部分拡大図である
図17の(B)の相対輝度配光分布及び
図17の(C)の縦方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干小さく、従って、プライバシ効果は良好となる。
【0061】
図18は
図14の(B)の縦方向シミュレーション動作結果による
図13のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
【0062】
図18に示すように、
図13のサイドエッジ型面発光装置においては、全光束は
図48のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干減少するも、縦方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は若干良好となることが分かる。但し、縦方向プライバシ効果は横方向プライバシ効果より高い傾向にある。
【0063】
図19は比較例としてのサイドエッジ型面発光装置を示す斜視図である。
図19においては、
図13のサイドエッジ型面発光装置において、光吸収シート5の代りに光吸収層5’を設けてある。この場合、つまり、下プリズムシート4Aと光吸収層5’とは接触している。光吸収層5’はたとえば黒色インクを含む樹脂を塗装することによって実現できる。
【0064】
図20は
図19のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【0065】
図20の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して大きな入射角を有する光L21は下プリズムシート4Aの平坦面42Aで反射せずに光吸収層5’に吸収される。つまり、光L21は視野角θ=-35°~35°の輝度Iを減少させる。
【0066】
他方、
図20の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して小さな入射角を有する光L22は下プリズムシート4Aの平坦面42Aを屈折出射するが、やはり、光吸収層5’に吸収される。従って、光L22も上プリズムシート3に一切戻らない。つまり、光L22は視野角θ=-35°~35°の外側の輝度Iつまり相対輝度(プライバシ効果)I
1/I
0を良好にできるが、装置の全光束は大幅に減少する。
【0067】
さらに、
図20の(A)、(B)に示すごとく、
図14の(A)、(B)と同様に、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して中間の入射角を有する光L23は下プリズムシート4Aの平坦面42Aの臨界角をぎりぎりで超える入射角となる。この場合にも、光L23は光吸収層5’によって吸収されるので、輝度率(プライバシ効果)I
1/I
0を良好にさせる。
【0068】
図21は
図20の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。
【0069】
図21の(A)に示す
図14のサイドエッジ型面発光装置によって得られた横方向(Y方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる横方向(Y方向)絶対輝度配光分布に比較して、横方向及び縦方向の全光束が大幅に減少する。これは下プリズムシート4Aの下側平坦面42Aを出射した光が光吸収層5’に吸収されたためである。他方、
図21の(A)の部分拡大図である
図21の(B)の相対輝度配光分布及び
図21の(C)の横方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干小さく、従って、プライバシ効果は若干良好となり、
図13のサイドエッジ型面発光装置よりも良好となる。これも下プリズムシート4Bの下側平坦面42Bから出射した光が光吸収層5’によって吸収されたためである。
【0070】
図22は
図20の(A)の横方向シミュレーション動作結果による
図19のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
【0071】
図22に示すように、
図19のサイドエッジ型面発光装置においては、全光束は
図13のサイドエッジ型面発光装置よりも大幅に減少するも、プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は良好であることが分かる。
【0072】
図23は
図20の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【0073】
図23の(A)に示す
図19のサイドエッジ型面発光装置によって得られた縦方向(X方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる縦方向(X方向)絶対輝度配光分布に比較して、横方向及び縦方向の全光束が大幅に低下する。他方、
図23の(A)の部分拡大図である
図23の(B)の相対輝度配光分布及び
図23の(C)の縦方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干小さく、従って、プライバシ効果は良好となる。
【0074】
図24は
図20の(B)の縦方向シミュレーション動作結果による
図19のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
【0075】
図24に示すように、
図19のサイドエッジ型面発光装置においては、全光束は
図48のサイドエッジ型面発光装置に比較して大幅に減少するも、縦方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は若干良好となることが分かる。
【0076】
このように、比較例としての
図19のサイドエッジ型面発光装置は、プライバシ効果を許容できるが、光吸収層5’によって全光束が大幅に減少するので、面発光装置としては好ましくない。
【0077】
図25は本発明に係るサイドエッジ型面発光装置の第3の実施の形態を示す斜視図である。
【0078】
図25においては、
図1の下プリズムシート4Aの下に、下プリズムシート4Bを追加する。
【0079】
下プリズムシート4Bは下プリズムシート4Aと同一構造を有している。すなわち、
図26の(A)に示すように、下プリズムシート4Bは、下プリズムシート4Aの平坦面42Aに対向して導光板1の入射面S
inの直角方向(X方向)に沿って上側に設けられた複数の三角プリズム41B及び下側に設けられた平坦面42Bを有する。各三角プリズム41BはX方向に沿った対称な直線状傾斜面41B-1、41B-2を有し、この場合、直線状傾斜面41B-1、41B-2がなす頂角αBは範囲85°~95°であり、たとえば90°である。また、下プリズムシート4A、4Bは中硬度程度の透明樹脂によって構成されているので、
図26の(B)に示すように、下プリズムシート4Aの平坦面42Aと下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bとは、重みで接触状態となる。このとき、下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの先端部は少し丸くなる。この結果、プライバシ効果を悪化させる下プリズムシート4Aの平坦面42Aで全反射すべき光を下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの丸み先端部に屈折入射させることによりプライバシ効果を良好にすることが期待できる。
【0080】
図27は
図25のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【0081】
図27の(A)、(B)に示すごとく、
図8の(A)、(B)と同様に、導光板1の配光制御面S
dからの光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して大きな入射角を有する光L21は下プリズムシート4Aの平坦面42Aで全反射し、上プリズムシート3の平坦面S
eの法線方向の光となる。つまり、光L21は視野角θ=-35°~35°の輝度Iを大きくできる。
【0082】
他方、
図27の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して小さな入射角を有する光L22は下プリズムシート4Aの平坦面42Aを屈折出射し、下プリズムシート4Bに入射し、上プリズムシート3に戻らない。つまり、光L22は視野角θ=-35°~35°の外側の輝度Iつまり相対輝度(プライバシ効果)I
1/I
0を小さくできる。但し、下プリズムシート4Bの平坦面42Bを屈折出射した光の一部は装置の筐体(反射板)より反射され、戻り光となる。この戻り光は装置の全光束を増大させるが、プライバシ効果を悪化させる。
【0083】
さらに、
図27の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して中間の入射角を有する光L23は下プリズムシート4Aの平坦面42Aの臨界角をぎりぎりで超える入射角となる。この場合にも、一部が下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの先端部であれば、下プリズムシート4Bに入射し、上プリズムシート3に戻らない。従って、プライバシ効果を良好にする。但し、この場合も、下プリズムシート4Bの平坦面42Bを屈折出射した光の一部は装置の筐体(反射板)より反射され、戻り光となり、この戻り光は装置の全光束を増大させつつプライバシ効果を悪化させる。
【0084】
図28は
図27の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。
【0085】
図28の(A)に示す
図25のサイドエッジ型面発光装置によって得られた横方向(Y方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる横方向(Y方向)絶対輝度配光分布とほとんど同一であるが、横方向及び縦方向の全光束が若干増加する。これは下プリズムシート4Bの下側平坦面42Bを出射した光が周辺の筐体等から反射して下プリズムシート4B、4Aに再入射した戻り光のためである。他方、
図28の(A)の部分拡大図である
図28の(B)の相対輝度配光分布及び
図28の(C)の横方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干大きく、従って、プライバシ効果は悪くなるが、許容できる範囲である。
【0086】
図29は
図27の(A)の横方向シミュレーション動作結果による
図25のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
【0087】
図29に示すように、
図25のサイドエッジ型面発光装置においては、装置内の戻り光のために全光束は
図48のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干増加するも、プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は低下することが分かる。但し、このプライバシ効果の悪化は許容範囲である。
【0088】
図30は
図27の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【0089】
図30の(A)に示す図
25のサイドエッジ型面発光装置によって得られた縦方向(X方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる縦方向(X方向)絶対輝度配光分布とほとんど同一であるが、横方向及び縦方向の全光束が若干増加する。これも下プリズムシート4Bの下側平坦面42Bを出射した光が周辺の筐体等から反射して下プリズムシート4B、4Aに再入射したためである。他方、
図30の(A)の部分拡大図である
図30の(B)の相対輝度配光分布及び
図30の(C)の縦方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置に比較して大きく、従って、プライバシ効果は悪くなるが、許容できる範囲である。
【0090】
図31は
図27の(B)の縦方向シミュレーション動作結果による
図25のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
【0091】
図31に示すように、
図25のサイドエッジ型面発光装置においては、全光束は
図48のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干増加するも、プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は悪化することが分かる。但し、縦方向プライバシ効果は横方向プライバシ効果より高い傾向にあり、やはり許容範囲である。
【0092】
このように、
図25に示す第3の実施の形態によれば、外側の下プリズムシート4Bの下面は平坦面であるので、製造工程において、ハンドリングし易く、異物の混入が少なく、また、部材運搬作業等においても、微細な欠陥の発生も少ない。
【0093】
図32は本発明に係るサイドエッジ型面発光装置の第4の実施の形態を示す斜視図である。
図32においては、
図25のサイドエッジ型面発光装置において、下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bに対向して光吸収シート5を付加してある。この場合、下プリズムシート4Bと光吸収シート5との間に空気層を設ける。つまり、下プリズムシート4Bと光吸収シート5とは離間している。光吸収シート5はたとえば黒色インクを塗装したポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる。
【0094】
図33は
図32のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【0095】
図33の(A)、(B)に示すごとく、図
27の(A)、(B)と同様に、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して大きな入射角を有する光L21は下プリズムシート4Aの平坦面42Aで全反射し、上プリズムシート3の平坦面S
eの法線方向の光となる。つまり、光L21は視野角θ=-35°~35°の輝度Iを大きくできる。
【0096】
他方、
図33の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して小さな入射角を有する光L22は下プリズムシート4Aの平坦面42Aを屈折出射し、下プリズムシート4Bに入射し、さらに屈折出射し、最終的に、光吸収シート5に吸収される。従って、光L22は上プリズムシート3に一切戻らない。つまり、光L22は視野角θ=-35°~35°の外側の輝度Iつまり相対輝度(プライバシ効果)I
1/I
0を良好にできるが、装置の全光束は減少する。
【0097】
さらに、
図33の(A)、(B)に示すごとく、図
27の(A)、(B)と同様に、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して中間の入射角を有する光L23は下プリズムシート4Aの平坦面42Aの臨界角をぎりぎりで超える入射角となる。この場合も、一部が下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの先端部であれば、下プリズムシート4Bに入射し、上プリズムシート3に戻らない。従って、プライバシ効果が悪化する原因となる下プリズムシート4Aから下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの先端に接触せずに空気層で全反射してしまう光が比較的減り、プライバシ効果を良好にする。但し、この場合も、下プリズムシート4Bの平坦面42Bを屈折出射した光の一部は装置の筐体(反射板)より反射され、戻り光となるが、その光量は少ない。上プリズムシート3の平坦面Seの法線方向より傾いた光となり、視野角θ=-35°~35°より広い配光を発生する。この配光の光線は輝度率(プライバシ効果)I1/I0を悪化させる。しかし、
図32では、光吸収シート5が存在することにより、視野角θ=-35°~35°より広い配光を生じる原因となる光が光吸収シート5に吸収される。従って、視野角θ=-35°~35°より狭い配光は黒シートの吸収の影響を比較的受けないため、正面輝度を維持しつつプライバシ効果が良好になる。
【0098】
図34は
図33の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。
【0099】
図34の(A)に示す
図32のサイドエッジ型面発光装置によって得られた横方向(Y方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる横方向(Y方向)絶対輝度配光分布とほとんど同一であり、横方向及び縦方向の全光束もほとんど変わらない。これは下プリズムシート4Bの下側平坦面42Bを出射した光が光吸収シート5に吸収されるが、その量は少ないためである。他方、
図34の(A)の部分拡大図である
図34の(B)の相対輝度配光分布及び
図34の(C)の横方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干大きく、従って、プライバシ効果は若干悪くなるが、
図25のサイドエッジ型面発光装置に比較すれば良好となる。これは下プリズムシート4Bの下側平坦面42Bから出射した光が光吸収シート5によって吸収されたためである。
【0100】
図35は
図33の(A)の横方向シミュレーション動作結果による
図32のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
【0101】
図35に示すように、
図32のサイドエッジ型面発光装置においては、全光束は
図25のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干減少するも、プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は良好であることが分かる。
【0102】
図36は
図33の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【0103】
図36の(A)に示す
図32のサイドエッジ型面発光装置によって得られた縦方向(X方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる縦方向(X方向)絶対輝度配光分布とほとんど同一であるが、横方向及び縦方向の全光束が若干増加する。他方、
図36の(A)の部分拡大図である
図36の(B)の相対輝度配光分布及び
図36の(C)の縦方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置と同程度であり、従って、プライバシ効果も同程度となる。
【0104】
図37は
図33の(B)の縦方向シミュレーション動作結果による
図32のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
【0105】
図37に示すように、
図32のサイドエッジ型面発光装置においては、全光束は
図48のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干減少するも、縦方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は同程度、
図25のサイドエッジ型面発光装置より若干良好となることが分かる。但し、縦方向プライバシ効果は横方向プライバシ効果より高い傾向にある。
【0106】
図38は本発明に係るサイドエッジ型面発光装置の第5の実施の形態を示す斜視図である。
図38においては、
図25のサイドエッジ型面発光装置において、光吸収シート5の代りに光吸収層5’を設けてある。この場合、つまり、下プリズムシート4Aと光吸収層5’とは接触している。光吸収層5’はたとえば黒色インクを含む樹脂を塗装することによって実現できる。
【0107】
図39は
図38のサイドエッジ型面発光装置の動作を説明するための断面図であって、(A)は横方向(Y方向)動作を示す断面図、(B)は縦方向(X方向)動作を示す断面図である。
【0108】
図39の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して大きな入射角を有する光L21は下プリズムシート4Aの平坦面42Aで全反射し、上プリズムシート3の平坦面S
eの法線方向の光となる。つまり、光L21は視野角θ=-35°~35°の輝度Iを増加させる。
【0109】
他方、
図39の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して小さな入射角を有する光L22は下プリズムシート4Aの平坦面42Aを屈折出射し、下プリズムシート4Bに入射し、さらに、最終的に、光吸収層5’に吸収される。従って、光L22も上プリズムシート3に一切戻らない。つまり、光L22は視野角θ=-35°~35°の外側の輝度Iつまり相対輝度(プライバシ効果)I
1/I
0を良好にできるが、装置の全光束は若干減少する。
【0110】
さらに、
図39の(A)、(B)に示すごとく、光L2のうち下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの直線状傾斜面41A-1、41A-2に対して中間の入射角を有する光L23は下プリズムシート4Aの平坦面42Aの臨界角をぎりぎりで超える入射角となる。この場合も、一部が下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの先端部であれば、下プリズムシート4Bに入射し、上プリズムシート3に戻らない。従って、プライバシ効果が悪化する原因となる下プリズムシート4Aから下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの先端に接触せずに空気層で全反射してしまう光が比較的減り、輝度率(プライバシ効果)I
1/I
0を良好にさせる。また、
図39のサイドエッジ型面発光装置では、光吸収層5’が存在することにより、視野角θ=-35°~35°より広い配光を生じる原因となる光が光吸収層5’に吸収される。従って、視野角θ=-35°~35°より狭い配光は光吸収層5’の吸収の影響を比較的受けないため、正面輝度を維持しつつ、プライバシ効果が良好になる。ここで、
図38のサイドエッジ型面発光装置は、
図32のサイドエッジ型面発光装置と比較すると、下プリズムシート4Bと光吸収層5’との間に空気層が介在していない。この構造により、下プリズムシート4Bから光吸収層5’へ進む光について、下プリズムシート4Bと光吸収層5’の界面での反射する光が比較的減少し、光吸収層5’で吸収される。従って、正面輝度を維持しつつ、
図32のサイドエッジ型面発光装置よりもさらにプライバシ効果が良好になる。
【0111】
図40は
図39の(A)の横方向(Y方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は横方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である横方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は横方向プライバシ効果を示す表である。
【0112】
図40の(A)に示す
図38のサイドエッジ型面発光装置によって得られた横方向(Y方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる横方向(Y方向)絶対輝度配光分布に比較して、横方向及び縦方向の全光束が若干減少する。これは下プリズムシート4Aの下側平坦面42Aを出射した光が光吸収層5’に吸収されたためである。他方、
図40の(A)の部分拡大図である
図40の(B)の相対輝度配光分布及び
図40の(C)の横方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置に比較して同程度であり、従って、プライバシ効果は同程度であり、
図32のサイドエッジ型面発光装置よりも良好となる。これも下プリズムシート4Bの下側平坦面42Bから出射した光が光吸収層5’によって吸収されたためである。
【0113】
図41は
図39の(A)の横方向シミュレーション動作結果による
図38のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び横方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
【0114】
図41に示すように、
図38のサイドエッジ型面発光装置においては、全光束は
図32のサイドエッジ型面発光装置よりも若干減少するも、プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は良好であることが分かる。
【0115】
図42は
図39の(B)の縦方向(X方向)シミュレーション動作結果を示し、(A)は縦方向絶対輝度配光分布を示すグラフ、(B)は(A)の部分拡大である縦方向相対輝度配光分布を示すグラフ、(C)は縦方向プライバシ効果を示す表である。
【0116】
図42の(A)に示す
図38のサイドエッジ型面発光装置によって得られた縦方向(X方向)絶対輝度配光分布によれば、
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置によって得られる縦方向(X方向)絶対輝度配光分布に比較して、横方向及び縦方向の全光束が若干低下する。他方、
図42の(A)の部分拡大図である
図42の(B)の相対輝度配光分布及び
図42の(C)の縦方向プライバシ効果表を参照すると、視野角θ=-35°~35°の外側では、θ=±35°での相対輝度I
1/I
0、θ=±45°での相対輝度I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干小さく、従って、プライバシ効果は良好となる。
【0117】
図43は
図39の(B)の縦方向シミュレーション動作結果による
図38のサイドエッジ型面発光装置の全光束及び縦方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0をグラフにしたものである。
【0118】
図43に示すように、
図38のサイドエッジ型面発光装置においては、全光束は
図48のサイドエッジ型面発光装置に比較して若干減少するも、縦方向プライバシ効果I
1/I
0、I
2/I
0は大幅に良好となることが分かる。
【0119】
このように、第5の実施の形態である
図38のサイドエッジ型面発光装置によれば、光吸収層5’によって全光束が若干減少するも、プライバシ効果を大幅に向上できる。
【0120】
図25、
図32及び
図38のサイドエッジ型面発光装置においては、下プリズムシート4Aの平坦面42Aと下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの先端部とは重みで接触状態となっているが、下プリズムシート4Aの平坦面42Aと下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの先端部とを光透過性接着層を用いて接合して下プリズムシート4Aと下プリズムシート4Bとを一体化することもできる。これを
図44を用いて説明する。
【0121】
図44は
図25、
図32及び
図38のサイドエッジ型面発光装置の変更例を示し、下プリズムシート4A、4B間の接触部分を示す断面図である。
【0122】
図44に示すように、下プリズムシート4Aの平坦面42Aに下プリズムシート4A、4Bに対する接着力を有する光透過性接着層6を設け、光透過性接着層6に下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの先端部を貫入させる。下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの高さH
Dはたとえば14μm程度であり、ウィキング量6aを含む光透過性接着層6の厚さは三角プリズム41Bの高さの20%程度以下たとえば2μm程度である。光透過性接着層6の材料としてはたとえば接着前に部分的に架橋し接着後に完全に架橋し得るUV硬化性樹脂のウレタン又はエポキシを用いる(参照:特許文献3)。
【0123】
図44に示す
図25、
図32、
図38の変更例によれば、製造工程において、予め一体化された下プリズムシート4A、4Bを用いることによってハンドリングし易くなると共に、異物の混入及び欠陥の発生も少なくなる。
【0124】
このように、
図38のサイドエッジ型面発光装置に
図44の一体化された下プリズムシート4A、4Bを採用すると、全光束(又は平均輝度)の低下はほとんどなく、プライバシ効果を向上できる。同様に、
図25、
図32のサイドエッジ型面発光装置に
図44の一体化された下プリズムシート4A、4Bを採用した場合にも、全光束(又は平均輝度)の低下はほとんどなく、プライバシ効果を向上できる。
【0125】
図38のサイドエッジ型面発光装置に
図44の下プリズムシート4A、4Bを採用した変更例の全光束(又は平均輝度)及びプライバシ効果について説明する。この場合、下プリズムシート4Aと下プリズムシート4Bとの接触面積を光透過性接着層6によって大きくしているので、光学的特性をシミュレーションすることは困難であった。そこで、
図44の一体化した下プリズムシート4A、4Bを採用した
図38のサイドエッジ型面発光装置の変更例の平均輝度(全光束に相当する)及びプライバシ効果を
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置の平均輝度(全光束に相当する)及びプライバシ効果を実験的に得た結果を
図45に示す。
【0126】
図45の(A)に示すごとく、
図44の一体化された下プリズムシート4A、4Bを用いた
図38のサイトエッジ型面発光装置の変更例における81箇所の絶対輝度の平均輝度は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置の81箇所の絶対輝度の平均輝度(全光束に相当する)の97.7%でほとんど同一であった。尚、
図38のサイドエッジ型面発光装置のシミュレーション全光束は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置のシミュレーション全光束の99.9%でやはりほとんど同一であった。
【0127】
図45の(B)に示すごとく、
図44の一体化された下プリズムシート4A、4Bを用いた
図38のサイドエッジ型面発光装置の変更例における横方向(Y方向)の視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0の平均値は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置における横方向(Y方向)の視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0の平均値に比べて16.19%、12.135%の改善率を得ることができた。尚、
図38のサイドエッジ型面発光装置におけるシミュレーション横方向(Y方向)の視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置におけるシミュレーション横方向(Y方向)の視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0に比べて0%、-21.15%の改善率であった。この結果、
図44の一体化された下プリズムシート4A、4Bを用いた
図38のサイドエッジ型面発光装置の変更例は
図38のサイドエッジ型面発光装置に比べても横方向(Y方向)プライバシ効果の点で非常に優れていることが分かる。尚、改善率は、
{(
図48の従来の値)-(実施例の値)}
÷(
図48の従来の値)×100%
で計算する。以下、同様である。
【0128】
図45の(C)に示すごとく、
図44の一体化された下プリズムシート4A、4Bを用いた
図38のサイドエッジ型面発光装置の変更例における縦方向(X方向)の視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0の平均値は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置における縦方向(X方向)の視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0の平均値に比べて28.19%、31.715%の改善率を得ることができた。尚、
図38のサイドエッジ型面発光装置におけるシミュレーション縦方向(X方向)の視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0は
図48の従来のサイドエッジ型面発光装置におけるシミュレーション縦方向(X方向)の視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0に比べて27.42%、26.09%の改善率であった。この結果、
図44の一体化された下プリズムシート4A、4Bを用いた
図38のサイドエッジ型面発光装置の変更例は
図38のサイドエッジ型面発光装置に比べても縦方向(X方向)プライバシ効果の点で優れていることが分かる。従って、第5の実施の形態のサイドエッジ型面発光装置に示すように、下プリズムシート4Aと下プリズムシート4Bとを光透過性接着層6により一体化させた場合でも
図48に示す従来のサイドエッジ型面発光装置とほぼ同じ正面輝度を維持しつつ、プライバシ効果を大幅に向上させることが出来る。
【0129】
次に、
図38のサイドエッジ型面発光装置における下プリズムシート4A、4Bの三角プリズム41A、41Bの頂角αA、αBの設定について説明する。
【0130】
図46は
図38のサイドエッジ型面発光装置において下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの頂角αBを90°に固定し、下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの幅W
Dを一定にしつつ、頂角αAを90°、80°、85°、95°、100°、110°、120°、125°に変化させた場合の全光束、視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0をシミュレーションした結果を示す。また、三角プリズム41Aの幅W
Dが一定であることにより三角プリズム41Aの高さH
Dは、頂角が鋭角になるほど高くなり鈍角になるほど低くなる。
図46のシミュレーションの設定は、
図38のサイドエッジ型面発光装置のシミュレーションにおいて、幅W
Dを一定にしつつ、頂角αAのみを変化させたものである。
図46において、全光束は相対的に上方にプロットされており、プライバシ効果は相対的に下方にプロットして表されている。また、相対的に上方にプロットされている全光束についてはプロット同士が線で繋げられるよう表現されており、相対的に下方にプロットされているプライバシ効果についても同様に線で繋げて表現されている。このグラフでは、全光束(lm)が大きい値を取るほど発光装置の輝度が高く、相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0が小さい値を取るほどプライバシ効果が高くなる。換言すると、グラフの上方にプロットされるほど、全光束が高く、且つプライバシ効果も高い。
【0131】
まず、バックライト出光効率に大きく影響するので、
図46の(A)、(B)、(C)、(D)において、
αA=90°のときの全光束の90%レベルL90%以下の全光束を有する三角プリズム41Aの頂角αAを対象外とする。従って、L90%を超えるバックライト出光効率が大きい
αA=90°、80°、85°、95°、120°
を対象とする。
【0132】
次に、
図46の(A)の視野角θ=±35°の横方向相対輝度I
1/I
0を観察し、三角プリズムαAの頂角αA=90°の場合のレベルIRAより大きい視野角θ=±35°の横方向相対輝度I
1/I
0を有する頂角αAをプライバシ効果が低いとして、対象外とする。従って、プライバシ効果が高い
αA=90°、80°、100°、110°、120°、125°
を対象とする。この場合、全光束も考慮してαA=90°、120°が優位と判断する。この場合、特に、αA=120°が優位であると判断する。
【0133】
次に、
図46の(B)の視野角θ=±45°の横方向相対輝度I
2/I
0を観察し、三角プリズムαAの頂角αA=90°の場合のレベルIRBより大きい視野角θ=±45°の横方向相対輝度I
2/I
0を有する頂角αAをプライバシ効果が低いとして、対象外とする。従って、プライバシ効果が高い
αA=90°、80°、110°、120°
を対象とする。この場合、全光束も考慮してαA=90°が優位と判断する。
【0134】
次に、
図46の(C)の視野角θ=±35°の縦方向相対輝度I
1/I
0を観察し、三角プリズムαAの頂角αA=90°の場合のレベルIRCより大きい視野角θ=±35°の縦方向相対輝度I
1/I
0を有する頂角αAをプライバシ効果が低いとして、対象外とする。従って、プライバシ効果が高い
αA=90°、110°、120°、125°
を対象とする。この場合、全光束も考慮してαA=90°が優位と判断する。
【0135】
次に、
図46の(D)の視野角θ=±45°の縦方向相対輝度I
2/I
0を観察し、三角プリズムαAの頂角αA=90°の場合のレベルIRDより大きい視野角θ=±45°の縦方向相対輝度I
2/I
0を有する頂角αAをプライバシ効果が低いとして、対象外とする。従って、プライバシ効果が高い
αA=90°、85°
を対象とする。この場合、全光束も考慮してαA=90°、85°が優位と判断する。この場合、特に、αA=85°が優位と判断する。
【0136】
このように、三角プリズム4Bの頂角αBを90°に固定した場合、三角プリズム4Aの頂角αAは90°、85°、120°で優位であるが、総合的に、αA=90°が一番良い。従って、αA=90°を中心としたαA=85°~95°とするのが良い。
【0137】
図47は
図38のサイドエッジ型面発光装置において下プリズムシート4Aの三角プリズム41Aの頂角αAを90°に固定し、下プリズムシート4Bの三角プリズム41Bの幅W
Dを一定にしつつ、頂角αBを90°、95°、100°、85°、80°、110°、120°に変化させた場合の全光束、視野角θ=±35°、±45°における相対輝度I
1/I
0、I
2/I
0をシミュレーションした結果を示す。また、三角プリズム41Bの幅W
Dが一定であることにより三角プリズム41Bの高さH
Dは、頂角が鋭角になるほど高くなり鈍角になるほど低くなる。
図47のシミュレーションの設定は、
図38のサイドエッジ型面発光装置のシミュレーションにおいて、幅W
Dを一定にしつつ、頂角αBのみを変化させたものである。
図47において、全光束は相対的に上方にプロットされており、プライバシ効果は相対的に下方にプロットして表されている。また、相対的に上方にプロットされている全光束についてはプロット同士が線で繋げられるよう表現されており、相対的に下方にプロットされているプライバシ効果についても同様に線で繋げて表現されている。このグラフでは、全光束(lm)が大きい値を取るほど発光装置の輝度が高く、I
1/I
0、I
2/I
0が小さい値を取るほどプライバシ効果が高くなる。換言すると、グラフの上方にプロットされるほど、全光束が高く、且つプライバシ効果も高い。
【0138】
まず、バックライト出光効率に大きく影響するので、
図47の(A)、(B)、(C)、(D)において、全光束がαB=90°のときの全光束の90%レベルL90%以下の全光束を有する三角プリズム41Bの頂角αBを対象外とするが、この場合、全光束はαA=90°の場合の99.9%~100.4%とあり、全てを対象とする。
【0139】
次に、
図47の(A)の視野角θ=±35°の横方向相対輝度I
1/I
0を観察し、三角プリズムαAの頂角αB=90°の場合のレベルIRAより大きい視野角θ=±35°の横方向相対輝度I
1/I
0を有する頂角αBをプライバシ効果が低いとして、対象外とする。従って、プライバシ効果が高い
αB=90°
を対象とする。
【0140】
次に、
図47の(B)の視野角θ=±45°の横方向相対輝度I
2/I
0を観察し、三角プリズムαAの頂角αB=90°の場合のレベルIRBより大きい視野角θ=±45°における横方向相対輝度I
2/I
0を有する頂角αAをプライバシ効果が低いとして、対象外とする。従って、プライバシ効果が高い
αB=90°、95°
を対象とする。この場合、特に、αB=95°が優位と判断する。
【0141】
次に、
図47の(C)の視野角θ=±35°の縦方向相対輝度I
1/I
0を観察し、三角プリズムα4Bの頂角αB=90°の場合のレベルIRCより大きい視野角θ=±35°の縦方向相対輝度I
1/I
0を有する頂角αBをプライバシ効果が低いとして、対象外とする。従って、プライバシ効果が高い
αA=90°、95°
を対象とする。
【0142】
次に、
図47の(D)の視野角θ=±45°の縦方向相対輝度I
2/I
0を観察し、三角プリズムαBの頂角αB=90°の場合のレベルIRDより大きい視野角θ=±45°の縦方向相対輝度I
2/I
0を有する頂角αBをプライバシ効果が低いとして、対象外とする。従って、プライバシ効果が高い
αA=90°、100°、85°、120°
を対象とする。この場合、全光束も考慮してαA=90°、85°が優位と判断する。この場合、特に、αB=85°が優位と判断する。
【0143】
このように、三角プリズム4Aの頂角αAを90°に固定した場合、三角プリズム4Aの頂角αBは90°、95°、85°で優位であるが、総合的に、αB=90°が一番良い。従って、αB=90°を中心としたαB=85°~95°とするのが良い。
【0144】
尚、
図25、
図32のサイドエッジ型面発光装置においても、下プリズムシート4A、4Bの三角プリズム41A、41Bの頂角αA、αBは、好ましくは、85°~95°である。この場合、プリズム41A、41Bの頂角αA、頂角αBは同一でもよく異なってもよい。また、三角プリズム41A、41Bの各辺は直線状でなくとも放物線等の何点の曲線状としてもよい。さらに、下プリズムシート4Aの材料と下プリズムシート4Bの材料とは同一でも異なってもよい。
【0145】
尚、上述の実施の形態における三角プリズム41A、41Bの稜線は直線状となっているが、直線状でなくともよい。
【0146】
また、本発明は、上述の実施の形態の自明の範囲内でいかなる変更にも適用し得る。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明に係るサイドエッジ型面発光装置は、ノートパソコン用のLCDパネル、ATMや公共機関で使用するモニターディスプレイ装置、配光特性を切り替えることが可能な照明装置、カーナビ用LCDパネル、車インテリアディスプレイ装置等に利用できる。
【符号の説明】
【0148】
1:導光板
11:上側プリズム
12:下側プリズム
Sin:入射面
Se:出射面
Sd:配光制御面
13:平坦鏡面部
2:LED素子
3:上プリズムシート
4、4A、4B:下プリズムシート
41、41A、41B:三角プリズム
41-1、41-2、41A-1、41A-2、41B-1、41B-2:直線状傾斜面
42、42A、42B:平坦面
5:光吸収シート
5':光吸収層
6:光透過性接着層