(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】ユーザ適合したサービスをユーザに提供する技術
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250326BHJP
G10L 15/10 20060101ALN20250326BHJP
【FI】
G06Q50/10
G10L15/10 500N
(21)【出願番号】P 2022556171
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 EP2021057022
(87)【国際公開番号】W WO2021185998
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2023-06-26
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2020/057449
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2020/076436
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521435112
【氏名又は名称】2アーチェフトゥラ ソシエダ アノニマ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ギールシュ
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0005417(US,A1)
【文献】特開2019-219835(JP,A)
【文献】特開平11-259446(JP,A)
【文献】特開2015-191310(JP,A)
【文献】特開2016-162459(JP,A)
【文献】特開2007-269268(JP,A)
【文献】国際公開第2015/125329(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G10L 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ適合したサービスをユーザ(402)に提供する方法であって、前記方法は、
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を取得するステップ(S1002)であって、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記ユーザ(402)に関する入力に基づいて計算され、前記ユーザ(402)に関する前記入力は、前記ユーザ(402)に提示された少なくとも1つの質問に対する少なくとも1つの回答から得られる前記ユーザ(402)の実際のパーソナリティ情報を含み、前記少なくとも1つの質問は、前記ユーザ(402)に提供される車両(406)の運転サービスに特に関連しており、
(a)前記運転サービスを前記ユーザ(402)に提供する時点における前記ユーザ(402)の現在の気分に向けられた1つ以上の質問、
(b)前記ユーザ(402)に提供される
前記運転サービスに特に関連する前記ユーザ(402)の1つ以上の好みに向けられた1つ以上の質問、及び
(c)前記ユーザ(402)に提供される前記運転サービスに特に関連する前記ユーザ(402)の1つ以上の目標に向けられた1つ以上の質問、
のうちの少なくとも1つを含むステップと、
前記パーソナリティデータの前記デジタル表現を処理して、ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するステップ(S1004)であって、前記ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するステップは、
前記車両(406)の運転設定を前記ユーザ(402)に適合させること
であって、前記車両(406)の前記運転設定は、前記車両(406)の運転挙動に影響を与える車両設定に対応し、
前記車両(406)の客室内の環境条件を前記ユーザ(402)に適合させること、及び
前記車両(406)の客室に関するユーザ固有の設定を前記ユーザ(402)に適合させること、
のうちの少なくとも1つを有する、ステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記ユーザ(402)の現在の気分及び前記ユーザ(402)の1つ以上の好みのうちの少なくとも1つは、前記ユーザ(402)の身体の少なくとも一部をスキャンすることによって導出可能な前記ユーザ(402)の特性を示すボディスキャンデータから更に得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ(402)から得られた少なくとも2つの異なるタイプのボディスキャンデータを組み合わせて、前記ユーザ(402)の現在の気分及び前記ユーザ(402)の1つ以上の好みのうちの少なくとも1つを決定する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ(402)の1つ以上の好みのうちの少なくとも1つは、前記ユーザ(402)をアイトラッキング又はマウストラッキングすることによって得られる、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
複数のユーザ(402)が前記運転サービスを集合的に使用するとき、前記複数のユーザ(402)の全ての個々のユーザ(402)についてボディスキャンデータを取得して組み合わせて集合的ボディスキャンデータを決定し、前記運転サービスを前記集合的ボディスキャンデータに基づいて提供する、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記ユーザ(402)に関する入力に基づいてユーザ(402)のパーソナリティデータを計算するように訓練されたニューラルネットワーク(602)を使用して、前記ユーザ(402)に関する入力に基づいて計算される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ(402)に関する前記入力は、前記ユーザ(402)に提示された前記質問に対する前記回答を反映したデジタルスコアに対応し、前記ニューラルネットワーク(602)を使用して前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータを計算するときに、各デジタルスコアが前記ニューラルネットワークの別々の入力ノードへの入力として使用される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ(402)に関する前記入力は、前記ユーザ(402)のパーソナリティ、目標、及び動機のうちの少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映したデジタルスコアに更に対応し、各デジタルスコアは、前記ニューラルネットワーク(602)を使用して前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータを計算するときに、前記ニューラルネットワーク(602)の別個の入力ノードへの入力として使用される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記質問は、ユーザ(402)のパーソナリティデータを計算することを最適に達成可能な結果を表す質問セットから選択された質問に対応し、
前記選択された質問は、最適に達成可能な結果に関して最も影響力があると判定された前記質問セットの質問に対応し、
任意選択で、前記選択された質問の数は、
1つ以上かつ前記質問セットに含まれる質問の数の10%未満である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項10】
前記質問は、前記質問セットの単一の質問のそれぞれによって達成可能な結果を、最適に達成可能な結果と相関させることと、最適に達成可能な結果と最も高い相関を有する前記質問セットから質問を選択することと、に基づいて前記質問セットから選択されるか、又は、
前記質問は、前記質問セットから繰り返して選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問が前の質問に対する前記ユーザの回答に応じて選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、前記次の質問は、前記ユーザのパーソナリティデータを計算するために達成可能な結果に最も影響力があると判定された前記質問セットの一つの質問として選択され、
任意選択で、前記ニューラルネットワーク(602)は、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの結果の確率曲線(604)を表す複数の出力ノードを含み、前記質問セットの最も影響力のある質問を、前記繰り返しのそれぞれの前記次の質問として判定することは、前記ニューラルネットワーク(602)の入力ノードのそれぞれについて、前記ニューラルネットワーク(602)の前記入力ノードのそれぞれに入力されるデジタルスコアの変化が前記確率曲線(604)を変化させる程度を判定することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品が1つ以上のコンピューティングユニット上で実行されるときに、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムコード部分を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
1つ以上のコンピュータ可読記録媒体に保存された、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
ユーザ適合したサービスをユーザ(402)に提供するためのコンピューティングシステムであって、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを有し、前記少なくとも1つのメモリは、前記コンピューティングシステムが請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作可能となるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を含む、コンピューティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、データ取得(data retrieval)の分野に関し、特に、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現(digital representation)を、クライアントデバイスによってサーバから効率的に取得すること(efficient retrieval)を可能にするための技術が提示される。更に、ユーザ適合したサービスをクライアントデバイスのユーザに提供するための技術が提示される。この技術は、方法、コンピュータプログラム、装置、及びシステムとして実施され得る。
【背景技術】
【0002】
パーソナリティテストは、人間のパーソナリティ特性を評価するために何十年も使用されており、一般に、テスト対象者から得られるパーソナリティ調査データに基づいて行われ、調査データは、心理学者等の専門家によって評価されて、人間のパーソナリティについての結論が出される。いわゆる「OCEAN」モデルは、「Big Five」パーソナリティ特性としても知られるパーソナリティ特性の広く受け入れられている分類(taxonomy)であり、パーソナリティディメンジョン(personality dimensions)として、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向を含む。OCEANモデルを利用する広く知られているパーソナリティテストには、いわゆるInternational Personality Item Pool (IPIP)、HEXACO-60 inventory、及びBig-Five-Inventory-10(BFI-10)に基づくテストが含まれ、例えば、5つのパーソナリティディメンジョンのそれぞれについて人をテストするための質問セットを含む。従来のパーソナリティテストでは、一般に、人間のパーソナリティ特性の適格な評価を得るために、心理学者等の、人間の専門家によるレビューを必要とするが、パーソナリティテストの実行とその結果を技術システム上で実行されるプロセスに統合することは困難である。このような統合は、プロセスをユーザのパーソナリティに更に適合させるように調整することができ、例えば、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する等、ユーザエクスペリエンス(user experience)を向上させることができるため、有益であり得る。
【発明の概要】
【0003】
したがって、パーソナリティテストとその結果を、技術システム上で実行されるプロセスに統合することを実際に実行可能とする技術的実装が必要とされる。
【0004】
本開示の態様によれば、ユーザ適合したサービスをクライアントデバイスのユーザに提供するための方法、コンピュータプログラム製品、及びクライアントデバイスが独立請求項に従って提供される。好ましい実施形態は従属請求項に記載されている。
【0005】
第1の例示的な態様によれば、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスによってサーバから効率的に取得すること可能にする方法が提供され、パーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザ適合したサービスをユーザに提供するためにクライアントデバイスにおいて処理される。この方法は、サーバによって実行され、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを保存することと、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、クライアントデバイスから受信することと、ユーザのパーソナリティデータの要求されたデジタル表現を、クライアントデバイスに送信することを有し、ここで、ユーザのパーソナリティデータは、ユーザから得られた入力に基づいてニューラルネットワークを使用して計算される。
【0006】
トレーニングされたニューラルネットワークをサーバに保存してユーザのパーソナリティデータの計算に適用することによって、(従来の人間によるレビューが不要となり)ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を取得することが自動化されるため、ユーザのパーソナリティデータの取得と使用を、技術システム上で実行される(例えば自動化された)プロセスに統合することが可能となる。特に、ニューラルネットワークは、効率的な機能データ構造(functional data structure)と言うことができ、要求されたパーソナリティデータを単一の計算実行で計算すること、すなわち、ニューラルネットワークの入力ノードにおいてユーザから得られる入力を入力し、ニューラルネットワークの出力ノードからパーソナリティデータを表す結果の出力値を読み取ることによって計算することができる。このように、ニューラルネットワークは、クライアントデバイスにパーソナリティデータをデジタル表現の形で効率的に提供することを可能とし、ユーザの特定のパーソナリティに適合したサービスを提供するために使用することができ、それにより、クライアントデバイス側においてユーザエクスペリエンスを向上させる。データの効率的な提供によって、パーソナリティデータのデジタル表現が大幅に遅延することなしにクライアントデバイスに提供され、クライアントデバイスにおいて即座に処理されるため、パーソナリティデータの取得と使用の統合が特に実用的になる。これにより、パーソナリティデータの取得及び使用を、技術システム上で実行されるプロセスに一般に統合することが実際に実行可能な技術的実装が達成される。
【0007】
ユーザのパーソナリティデータは、ユーザの心理的特性、及び/又は好みを示し得るため、パーソナリティデータは、一般に、例えば、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症(上述のとおりビッグファイブとして知られる)のパーソナリティディメンジョンに基づく古典的なパーソナリティデータ、或いは従来の「16パーソナリティ」、「ビッグシックス」、又は他の確立された分類のパーソナリティディメンジョンを含む心理的データならびに医療データ(例えば、好奇心、不安、鬱病等の傾向を示すデータ)を含み得る。ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、例えば、ユーザについてニューラルネットワークによって計算される開放性、誠実性、外向性、協調性、及び神経症のパーソナリティディメンジョンの少なくとも1つのデジタル表現等の上述した特性のデジタル表現を含み得る。
【0008】
クライアントデバイスは、ユーザ適合したサービスをユーザへ提供することを可能にする目的のために、パーソナリティデータのデジタル表現を処理するように設定され得る(may be configured)。1つの変形例では、クライアントデバイス自体が、パーソナリティデータのデジタル表現に基づいて設定可能(configurable)であり得る。パーソナリティデータのデジタル表現によって設定可能であり得る例示的なデバイスは、例えば、車両とすることができ、この場合、車両はクライアントデバイスであり得る。車両は、ユーザ(例えば、車両の運転者)のパーソナリティデータの受信したデジタル表現を処理し、運転者のパーソナリティに車両の運転設定を適合させ、これにより、ユーザのパーソナリティに適合した運転サービスを提供できるように、それ自体(例えば、そのサブコンポーネントを含む)を設定し得る。パーソナリティデータが、運転者がリスクを回避する傾向がある又は心配性であることを示している場合、例えば、車両の運転設定は、より安全志向であるように設定され、他方、よりリスクを求めるパーソナリティを有する傾向がある運転者の場合、車両は、運転設定がよりスポーティになるように設定することができる。この目的のために、他の設定のうち、車両の燃料及びブレーキ反応挙動をそれに応じて適合させることができる。車両関連サービスを提供する車両のサブコンポーネント、例えば、サウンドとボリュームの設定を含む車両のサウンドシステム等が、ユーザのパーソナリティに更に適合させるために、パーソナリティデータに基づいて設定されてもよい。任意選択で、パーソナリティデータのデジタル表現をユーザに示して、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する前にパーソナリティデータのデジタル表現の少なくとも1つの値を修正する機会をユーザに与えてもよく、これにより、ユーザの現在の好みに応じてユーザ適合したサービスを(少なくともある程度まで)変化させてもよい。
【0009】
他の変形例では、クライアントデバイスは、例えば、それがユーザにサービスを提供する少なくとも1つの他のデバイスである場合に、パーソナリティデータのデジタル表現に基づいて少なくとも1つの他のデバイスを設定してもよい。そのような変形例では、クライアントデバイスは、例えば、モバイル端末(例えば、スマートフォン)とすることができ、車両(すなわち、この場合、車両は、少なくとも1つの他のデバイスに対応する)と(例えば、Bluetooth(登録商標)を使用して)相互作用することができ、サーバからパーソナリティデータのデジタル表現を受信すると、モバイル端末は、インターフェースを介して車両を設定することができる。したがって、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスを設定するために、クライアントデバイスにおいて処理され得ると言うことができる。少なくとも1つのデバイスを設定することは、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの設定(setting)を設定(configuring)すること、及び/又は少なくとも1つのデバイスによって提供されるサービスの少なくとも1つの設定を設定することを含み得る。車両は、パーソナリティデータに基づいて設定可能であるデバイスの単なる一例に過ぎず、クライアントデバイス、及び/又は少なくとも1つの他のデバイスは、他のタイプのデバイスにも対応し得ることが理解されるであろう。このような変形例におけるクライアントデバイスの他の例は、ウェブサービス又はウェブサイトを(少なくとも部分的に)通じて、ユーザ適合したサービスをユーザに提供するサーバであってもよく、その場合、少なくとも1つの他のデバイスは、ウェブサービス又はウェブサイトを利用して最終的にユーザ適合したサービスをユーザに提供する(コンピューティング)デバイスであってもよい。
【0010】
一実施形態では、サーバによって実行される方法は、ユーザを特徴付けるフィードバックを受信することと、フィードバックに基づいてニューラルネットワークを更新することと、ユーザの更新されたパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスに送信することを更に含むことができ、ここで、ユーザの更新されたパーソナリティデータは、更新されたニューラルネットワークを使用して計算される。ユーザの更新されたパーソナリティデータのデジタル表現は、クライアントデバイスにおいて処理されて、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスの設定(例えば、上述した車両の設定のうちの1つ)を改善することができる。フィードバックは、クライアントデバイス、及び/又はユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスで収集することができ、ユーザのパーソナリティを示し得る。フィードバックは、例えば、少なくとも1つのデバイスによって提供されるサービスを使用するときに少なくとも1つのデバイスで監視されるユーザの行動を反映した行動データを含むことができ、1つの変形例では、行動データは、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスによって、(例えば、センサベースの)測定を使用して監視することができる。車両の例では、監視されるユーザの行動は、例えば、ユーザの運転行動とすることができ、運転行動は、車両のセンサによって測定される。運転行動を測定するために、センサは、例えば、ユーザのブレーキ反応及び強度を検知することができ、そのような測定は、ユーザのパーソナリティ(例えば、運転への積極性)を示し得るため、この情報がフィードバックとしてサーバに送信されてニューラルネットワークを更新し、それによって、ユーザのパーソナリティデータを計算するニューラルネットワークの機能が改善される。
【0011】
ニューラルネットワークを更新することは、クライアントデバイスから受信したフィードバックに基づいてニューラルネットワークをトレーニングすることを含むことができ、フィードバックがニューラルネットワークにまだ入力されていない新しい入力値を表す場合、ニューラルネットワークをトレーニングするときに新しい入力ノードをニューラルネットワークに追加して、新しい入力値を新しい入力ノードに割り当てることができる。これにより、本明細書に提示される技術的実装で採用される効率的な機能データ構造としてのニューラルネットワークの能力が特に明白になる。すなわち、ニューラルネットワークは、効率的に更新可能なデータ構造を表し、クライアントデバイスから受信したユーザのパーソナリティに関する任意のフィードバックに基づいて更新されて、パーソナリティデータを計算する機能が改善される。フィードバックによって伝達される情報は、ニューラルネットワークに直接統合することができ、一度トレーニングされると、パーソナリティデータのデジタル表現を要求するサーバに送信する後の要求にすぐに反映される。従来のパーソナリティ評価手法はかなり固定されており、そのような更新可能性を全くサポートしていないことがある。
【0012】
サーバからクライアントデバイスに送信されるユーザのパーソナリティのデジタル表現は、ユーザのパーソナリティの計算の以前の要求に応じてサーバによって以前に計算されたユーザのパーソナリティのデジタル表現に対応し得る(例えば、ユーザが質問セットに回答することによってパーソナリティテストを実行するとき)。したがって、ユーザのパーソナリティデータは、クライアントデバイスから要求を受信する前に計算することができ、要求は、ユーザのパーソナリティデータを計算するときにサーバによってユーザに事前に提供されたアクセスコードを含むことができ、アクセスコードは、ユーザが他のクライアントデバイスからユーザのパーソナリティデータのデジタル表現にアクセスすることを可能にする。そのような実装は、その特定のユーザのパーソナリティデータのデジタル表現がクライアントデバイスから要求されるたびにユーザのパーソナリティのデジタル表現を新たに計算する必要がないため、サーバにおける計算リソースを節約することができ、事前に計算されたパーソナリティデータに基づいて返信することもできる。そして、ユーザは、アクセスコードを使用して、ユーザが運転することができる他の車両、例えば、車及びオートバイ、又は他のタイプのデバイス等の、複数の他のクライアントデバイスから、パーソナリティデータのデジタル表現にアクセスすることができる。
【0013】
ユーザから得られた入力は、ユーザのパーソナリティ(personality)、目標(goals)、及び動機(motivations)の少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映した(例えば、パーソナリティテスト手法における質問回答スキームにおいて取得された)デジタルスコアに対応することができ(任意選択で、質問は知能(「IQ」)テストの質問を含んでもよい)、各デジタルスコアは、ニューラルネットワークを使用してユーザのパーソナリティデータを計算するときに、ニューラルネットワークの別個の入力ノードへの入力として使用することができる。デジタルスコアは、例えば、1から5までの値を持つ5レベルのリッカートスケール(Likert scale)に対応することができる。ニューラルネットワークは、ニューラルネットワークの入力ノードを含む入力層と出力ノードを含む出力層との間に少なくとも2つの隠れ層を有するディープニューラルネットワークに対応し得る。パーソナリティに関する質問は、例えば、従来のIPIP、HEXACO-60、及び/又はBFI-10 poolsの質問に対応する(又は「含む」)ことができるが、ユーザの心理的特性、人口統計的特徴、及び/又は好みについての質問を含む、ユーザのパーソナリティに関する他の質問も同様に使用できることが理解されるであろう。特に、ユーザの目標と動機に関する質問は、従来のIPIP、HEXACO-60、及びBFI-10手法よりも、計算されるパーソナリティデータの精度を高める追加のディメンジョン(例えば、ビッグファイブに加えて)を定義することができる。ネットワークは、複数の試験者(例えば、1000人以上)に実施された基本調査で収集されたデータに基づいてトレーニングすることができ、基本調査は、上述の質問を使用して実施することができる。
【0014】
従来のIPIP、HEXACO-60、及びBFI-10の質問を超える例示的な質問が、後に提示する表に示される。表1は、ユーザの動機に特に関連する質問の例示的なリストを提供し、表2は、ユーザの目標に特に関連する質問の例示的なリストを提供し、表3は、ユーザの人口統計的態様に関する質問(例えば、表3の質問1~10)、ユーザの好みに関する質問(例えば、表3の質問11~15)、及びIQテストの質問(例えば、表3の質問16~18)等を含む、ユーザの他のパーソナリティ態様に関する例示的な質問のリストを提供している。後の表に記載された必ずしも全ての質問が、リッカートスケール(Likert scale)のように対応するデジタルスコアに直接マッピング可能な回答を必要とするわけではないことが理解されるであろう。なぜなら、期待される回答は、フリーテキストの回答であってもよいからである(例えば、表2の質問11~22と、表3の質問)。当業者であれば、例えば、フリーテキストの回答を事前に定義されたデジタルスコアに対応させる等して、そのような回答を、対応するデジタルスコアに容易に対応付けることができることも理解されるであろう。同様に、質問が従来のIPIP、HEXACO-60、及び/又はBFI-10の質問に「対応する」と記述されている場合、質問は、必ずしも事前に定義された従来の質問の正確な文言を文字通り使用する必要はなく、事前に定義された従来の質問との意味上の類似性又は対応関係が維持される限り言い換えてもよいことが理解されるであろう。同様のことが、後の表に記載された例示的な質問にも適用される。
【0015】
ニューラルネットワークを使用して計算されるユーザのパーソナリティデータは、ユーザのパーソナリティデータの「生の値(raw value)」として取得されてもよい。いくつかの変形例では、ユーザのパーソナリティデータの「比較値」(又は「相対値」)を得るために、ユーザのパーソナリティデータの生の値が、比較対象の人物グループのパーソナリティデータと関連付けられてもよい(例えば、比較対象のグループは、少なくとも1人の限られた数の人物を含み、比較対象のグループのパーソナリティデータが、グループ内の人物間で平均化されたパーソナリティデータとして計算される)。すなわち、ユーザのパーソナリティデータの比較値は、ユーザのパーソナリティデータの生の値と比較対象グループのパーソナリティデータとの距離(又は差)を(例えば、それぞれのパーソナリティデータディメンジョンごとに)測定することによって得られてもよい。距離(又は差)は、比較対象のグループと比較したユーザのパーソナリティを示すことができる。比較対象のグループは、ユースケースに応じて異なる方法で選択されてもよく(例示的な比較対象のグループは、「男性のみ」、「女性のみ」、特定の「年齢グループ」、「専門グループ」、「教育グループ」等とすることができる)、ユーザのパーソナリティデータの比較値は、ユースケースに応じて変化し得る。単なる一例として、外向性のディメンジョンにおいて一定の生の値を有するユーザが、ユーザの家族と比較して外向性のディメンジョンにおける比較値が高いとされてもよく、他方で、ユーザの仕事仲間と比較して外向性のディメンジョンにおける比較値が低いとされてもよい。
【0016】
ユーザのパーソナリティデータを計算するときの計算の複雑さを軽減するために、ニューラルネットワークは、特定のネットワーク構造を有するように設計され得る。上述の質問の文脈を考慮して、ニューラルネットワークの構造は、一般に、上述の質問の全てが使用されたときに利用可能な入力ノードの数と比較して入力ノードの数が減少するように設計され得る。したがって、質問は、ユーザのパーソナリティデータを計算することを最適に達成可能な結果を表す質問セットから選択された質問に対応することができ(すなわち、質問セットの全ての質問にユーザが回答した場合)、ここで、選択された質問は、最適に達成可能な結果に関して最も影響力があると判定された質問セットの質問に対応することができる。上述のように、質問に対する回答のそれぞれは、ニューラルネットワークの個別の入力ノードに入力されるため、質問セットのサブセットを選択すると、パーソナリティデータを計算するときの入力ノードの数が減少して計算の複雑さが軽減される。達成可能な結果に関して最も影響力のある質問が選択されるという事実により、ニューラルネットワークによって出力される結果の精度はほぼ維持される。
【0017】
実際、テストでは、結果の精度を大幅に犠牲にすることなく、質問の数を大幅に減らすことができることが示された。パーソナリティデータを計算することを最適に達成可能な結果を表す質問セットとして、標準のIPIP、HEXACO-60、及びBFI-10の質問(合計370の質問)を含み、任意選択で、ユーザの目標と動機に関する追加の質問(合計で370を超える質問の数になる)によって補足された質問セットを取り上げると、テストでは、最も影響力のある30の質問のみを使用した場合、最適に達成可能な結果の精度の約90%が達成されることが示された。したがって、選択される質問の数は、最適に達成可能な結果を表す質問セットに含まれる質問の数の10%未満(好ましくは5%未満)とすることができる。この場合、ニューラルネットワークの入力ノードの数を大幅に減らすことができるため、計算リソースが大幅に節約され、パーソナリティデータをより効率的に計算することができる。
【0018】
最適に達成可能な結果に関して最も影響力のある質問セットの質問を判定するために、1つの変形例では、質問セットの単一の質問のそれぞれによって達成可能な結果を、最適に達成可能な結果と相関させ、最適に達成可能な結果との相関が最も高い質問セットから質問を選択することに基づいて、質問セットから質問を選択することができる。したがって、最適に達成可能な結果を表す質問セットの固定サブセットを判定することができ、これを使用して、上述のように、入力ノードの数を減らしてニューラルネットワークをトレーニングすることができる。
【0019】
上述のように、最適に達成可能な結果は、標準のIPIP、HEXACO-60、及びBFI-10の質問を含む質問セット等に、任意選択で、上述のように、ユーザの目標と動機に関する追加の質問が補足された、全ての質問にユーザが回答した場合に達成される結果に対応することができる。一方、1つの変形例では、標準IPIPスコア(標準IPIPテストの全ての質問に回答することによって取得される)、標準HEXACO-60スコア(標準HEXACO-60テストの全ての質問に回答することによって取得される)、及び標準BFI-10のスコア(標準のBFI-10テストの全ての質問に回答することによって取得される)は、最適に達成可能な結果の参照として個別に取得でき、他の変形例では、これらの個々のスコアの組み合わされたスコアを、最適に達成可能な結果の参照として計算することによって改善を達成でき、ここで、組み合わされたスコアは、例えば、個々のスコアの(例えば、加重された)平均として計算される。組み合わされたスコアは、個々のスコアから導出可能な「真実」を表す「スーパースコア」として表すこともでき、一般に、判定されたスコアの意味を改善し、最適に達成可能な結果の参照を改善する。
【0020】
他の変形例では、質問は、質問セットから繰り返して選択することができ、繰り返しのそれぞれにおいて、前の質問に対するユーザの回答に応じて次の質問を選択することができ、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問は、ユーザのパーソナリティデータを計算するために達成可能な結果に最も影響を与えると判定された質問セットの一つの質問として選択することができる。これは、質問の適合選択(adaptive selection)と見なすことができ、質問は、ユーザの以前の質問に対する回答を考慮して、段階的な方法でユーザごとに判定される。1つの特定の変形例において、ニューラルネットワークは、ユーザのパーソナリティデータの結果の確率曲線(probability curve)を表す複数の出力ノードを含むことができ、ここで、質問セットの最も影響力のある質問を、繰り返しのそれぞれの次の質問として判定することは、ニューラルネットワークの入力ノードのそれぞれについて、ニューラルネットワークの入力ノードのそれぞれに入力されるデジタルスコアの変化が確率曲線を変化させる程度を判定することを含み得る。確率曲線の変化の程度が最も高いと判定された入力ノードに関連付けられた質問を、繰り返しのそれぞれにおいて最も影響力のある質問として選択することができる。
【0021】
計算の複雑さを更に軽減するために、上述の反復的かつ適合的な選択は、選択される質問の最大数、達成すべき最小結果精度(結果精度は、繰り返しごとに質問の回答とともに向上し、必要な最小結果精度に達したときに計算を停止することができる)、及び最大利用可能時間(最大利用可能時間が経過した時にテストを停止するか、質問のそれぞれをユーザの回答推定時間に関連付け、推定時間に基づいて選択される質問の数を判定することができる)等のような少なくとも1つの制約の下で実行され得る。これらの制約は、パーソナリティデータの計算ごとに個別に設定することができる。
【0022】
第2の例示的な態様によれば、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスによってサーバから効率的に取得すること可能にする方法が提供される。この方法は、クライアントデバイスによって実行され、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、サーバに送信することと、ユーザのパーソナリティデータの要求したデジタル表現を、サーバから受信することであって、ユーザのパーソナリティデータは、ユーザから得られた入力に基づいて、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを使用して計算されることと、パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザ適合したサービスをユーザに提供することを含み得る。
【0023】
第2の態様による方法は、第1の態様によるサーバによって実行される方法を補完することができるクライアントデバイスの観点からの方法を定義する。第2の態様のサーバ及びクライアントデバイスは、第1の態様に関連して上述したサーバ及びクライアントデバイスに対応し得る。したがって、第2の態様の方法に適用可能である第1の態様の方法に関して関連して述べたそれらの態様は、第2の態様の方法によっても含まれ、逆もまた同様である。したがって、以下では不必要な繰り返しを省略する。
【0024】
第1の態様の方法と同様に、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスを設定するために、クライアントデバイスにおいて処理されることができ、ここで、少なくとも1つのデバイスは、クライアントデバイスを含み得る。クライアントデバイスによって実行される方法は、ユーザを特徴付けるフィードバックをサーバに送信することと、ユーザの更新されたパーソナリティデータのデジタル表現をサーバから受信することを更に含むことができ、ここで、ユーザの更新されたパーソナリティデータは、フィードバックに基づいて更新されたニューラルネットワークを使用して計算され得る。ユーザの更新されたパーソナリティデータのデジタル表現は、クライアントデバイスにおいて処理されて、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスの設定を改善することができる。フィードバックは、少なくとも1つのデバイスによって提供されるサービスを使用するときに少なくとも1つのデバイスで監視されるユーザの行動を反映した行動データを含むことができ、ここで、行動データは、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスで実行される測定を使用して監視することができる。少なくとも1つのデバイスは、車両を含むことができ、行動データは、ユーザの運転行動を反映したデータを含み得る。ユーザのパーソナリティデータは、要求をサーバに送信する前に計算することができ、要求は、ユーザのパーソナリティデータを計算するときにサーバによってユーザに事前に提供されたアクセスコードを含むことができ、アクセスコードは、ユーザが他のクライアントデバイスからユーザのパーソナリティデータのデジタル表現にアクセスすることを可能にする。ユーザから得られた入力は、ユーザのパーソナリティ、目標、及び動機の少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映したデジタルスコアに対応し得る。
【0025】
第3の例示的な態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム製品が1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、プロセッサ又はプロセッサの分散セット)上で実行されるときに、上述した態様(第1の態様及び第2の態様を含む)のうちの少なくとも1つの方法を実行するためのプログラムコード部分を含む。コンピュータプログラム製品は、半導体メモリ、DVD、CD-ROM等のコンピュータ可読記録媒体に保存され得る。
【0026】
第4の例示的な態様によれば、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスによってサーバから効率的に取得すること可能にするサーバが提供され、ここで、パーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザ適合したサービスをユーザに提供するためにクライアントデバイスにおいて処理される。サーバは、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含み、少なくとも1つのメモリは、サーバが第1の態様に関して本明細書に提示される方法ステップのいずれかを実行するように動作可能であるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を含む。
【0027】
第5の例示的な態様によれば、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現をサーバから効率的に取得することを可能にするためのクライアントデバイスが提供される。クライアントデバイスは、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含み、少なくとも1つのメモリは、クライアントデバイスが第2の態様に関して本明細書に提示される方法ステップのいずれかを実行するように動作可能であるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を含む。
【0028】
第6の例示的な態様によれば、第4の態様によるサーバと、第5の態様による少なくとも1つのクライアントデバイスとを備えるシステムが提供される。
【0029】
本明細書に提示される技術の更なる詳細及び利点は、以下の図に示される例示的な実装を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1a】
図1aは、本開示によるサーバの例示的な構成を示す。
【
図1b】
図1bは、本開示によるクライアントデバイスの例示的な構成を示す。
【
図2】
図2は、本開示によるサーバによって実行される方法を示す。
【
図3】
図3は、本開示によるクライアントデバイスによって実行される方法を示す。
【
図4】
図4は、本開示によるユーザ、サーバ、及びクライアントデバイス(車両による例示)間の例示的な相互作用を示す。
【
図5】
図5は、本開示によるユーザのモバイル端末、車両、及びサーバ間の他の接続オプションを示す。
【
図6a】
図6aは、本開示によるニューラルネットワークの例示的な構造を示す。
【
図6b】
図6bは、本開示によるニューラルネットワークの例示的な構造を示す。
【
図7】
図7は、本開示による車両設定を適合させるために運転者の注意レベルを考慮することを含む例示的な実装を示す。
【
図8】
図8は、本開示によるユーザ適合したサービスをユーザに提供するために、ユーザのボディスキャンデータを考慮することを含む例示的な実装を示す。
【
図9】
図9は、本開示によるクライアントデバイスによって実行され得る代替方法を示す。
【
図10】
図10は、本開示によるコンピューティングシステムによって実行され得る代替方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、限定の目的ではなく説明の目的で、本開示の十分な理解を提供するために具体的な詳細が説明される。本開示は、これらの具体的な詳細から逸脱する他の実装によっても実施され得ることが当業者には明らかであろう。
【0032】
当業者は、本明細書において以下に説明されるステップ、サービス、及び機能が、個々のハードウェア回路、プログラムされたマイクロプロセッサ又は汎用コンピュータと組み合わせて機能するソフトウェア、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASICs)、及び/又は1つ以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を使用して実装され得ることを更に理解するであろう。本開示が方法に関して説明される場合、それもまた、1つ以上のプロセッサ、及び1つ以上のプロセッサに結合された1つ以上のメモリにおいて具体化され、ここで、1つ以上のメモリは、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに本明細書に提示されるステップ、サービス、及び機能を実行する1つ以上のプログラムでコード化され得ることが理解されるであろう。
【0033】
図1aは、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスによってサーバ100から効率的に取得できるようにするサーバ100の例示的な構成を概略的に示しており、パーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザ適合したサービスをユーザに提供するためにクライアントデバイスにおいて処理される。サーバ100は、少なくとも1つのプロセッサ102及び少なくとも1つのメモリ104を有し、少なくとも1つのメモリ104は、要求サーバ100が本明細書に「サーバ」という参照とともに記載される方法のステップを実行するように動作可能であるように、少なくとも1つのプロセッサ102によって実行可能な命令を含む。
【0034】
サーバ100は、物理コンピューティングユニット、又は例えば、仮想マシンのような、仮想化されたコンピューティングユニット上に実装され得ることが理解されるであろう。更に、サーバ100は、必ずしもスタンドアロンコンピューティングユニット上に実装されることに限定されず、ソフトウェア、及び/又はハードウェアで実現される、例えば、クラウドコンピューティング環境等の、複数の分散コンピューティングユニット上に存在するコンポーネントとして実装され得ることも理解されるであろう。
【0035】
図1bは、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス110によってサーバから効率的に取得できるようにするクライアントデバイス110の例示的な構成を概略的に示している。クライアントデバイス110は、少なくとも1つのプロセッサ112及び少なくとも1つのメモリ114を有し、少なくとも1つのメモリ114は、要求クライアントデバイス110が本明細書に「クライアントデバイス」という参照とともに記載される方法のステップを実行するように動作可能であるように、少なくとも1つのプロセッサ112によって実行可能な命令を含む。クライアントデバイスは、単に「クライアント」と表記されることもある。いくつかの変形例では、例えば、クライアント110及びサーバ100は、同じコンピューティングデバイス(又はコンピューティングシステム)上に実装されてもよく、クライアント110及びサーバ100は、同じコンピューティングデバイス装置/システム上で実行されるコンポーネントとして実装されてもよい。
【0036】
図2は、本開示によるサーバ100によって実行され得る方法を示している。この方法は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(例えば、クライアントデバイス110)によってサーバ100から効率的に取得できるようにすることに特化している。この方法では、サーバ100は、本明細書に「サーバ」という参照とともに記載されるステップを実行することができ、上述の説明に沿って、ステップS202において、サーバ100は、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを保存することができ、ステップS204において、サーバ100は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、クライアントデバイスから受信することができ、ステップS206において、サーバ100は、ユーザのパーソナリティデータの要求されたデジタル表現を、クライアントデバイスに送信することができ、ここで、ユーザのパーソナリティデータは、ユーザから得られた入力に基づいてニューラルネットワークを使用して計算される。
【0037】
図3は、本開示によるクライアントデバイス110によって実行され得る方法を示している。この方法は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス110によってサーバ(例えば、サーバ100)から効率的に取得できるようにすることに特化している。この方法では、クライアントデバイス110は、本明細書に「クライアントデバイス」という参照とともに記載されるステップを実行することができ、上述の説明に沿って、ステップS302において、クライアントデバイス110は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、サーバに送信することができ、ステップS304において、クライアントデバイス110は、ユーザのパーソナリティデータの要求したデジタル表現を、サーバから受信することができ、ここで、ユーザのパーソナリティデータは、ユーザから得られた入力に基づいて、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを使用して計算され、ステップS306において、クライアントデバイス110は、パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザ適合したサービスをユーザに提供することができる。
【0038】
図4は、ユーザ402と、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを保存するサーバ404と、ユーザ402のパーソナリティデータのデジタル表現を取得してユーザ適合したサービスをユーザ402に提供するクライアントデバイスと、の間の例示的な相互作用を示し、ここで示される例では、クライアントデバイスは、ユーザ402によって運転される車両406であり得る。図に示されるように、ユーザ402は、例えば、彼のラップトップ又はスマートフォン上のウェブインターフェース又はアプリを使用して質問に回答することによって自動パーソナリティテストを実行し、サーバ404に保存されたニューラルネットワークに入力を提供することができ、それに基づいて、ニューラルネットワークは、ユーザ402のパーソナリティデータを計算することができる。パーソナリティデータのデジタル表現をユーザ402に送信する代わりに、示された図において、サーバ404は、ユーザ402が車両406を含む他のクライアントデバイスを使用してパーソナリティデータにアクセスするために使用可能なアクセスコードを、ユーザ402に提供することができる。ユーザ402は、アクセスコードを使用して車両406(より具体的には、そのボードコンピュータ)に登録又はログインすることができ、車両406は、アクセスコードを使用して、サーバ404からユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を要求することができる(図では、ユーザのパーソナリティデータを、ユーザの「MindDNA」と表記している)。
【0039】
車両406から要求を受信すると、サーバ404は、ユーザのパーソナリティデータを車両406に返信することができ、車両406は、ユーザ402のパーソナリティデータに従って、その運転設定(及び、任意選択で、車両406のサブコンポーネント)を設定することができ、例えば、車両406の燃料及びブレーキ反応挙動を適合させて、ユーザのパーソナリティ(例えば、リスク回避、リスク追求等)に特に適合した運転エクスペリエンスを提供することができる。そして、ユーザ402が車両406を運転するとき、車両406は、例えば、ユーザのブレーキ反応及び強さを測定するセンサを使用して、ユーザの運転行動を監視することができ、車両406は、この情報をフィードバックとしてサーバ404に提供することができ、ここで、フィードバックは、ユーザ402のパーソナリティデータを計算する能力を改善するためにニューラルネットワークを(トレーニングによって)更新するように処理される。それに応答して、サーバ404は、対応して更新されたユーザ402のパーソナリティデータを、車両406に送信することができ、車両406は、更新されたパーソナリティデータのデジタル表現を使用して、ユーザ402の実際のパーソナリティと更に整合するように車両設定を改善することができる。要約すると、ユーザのパーソナリティデータの取得及び使用を自動化されたプロセスに統合し、ユーザのパーソナリティデータから得られたユーザの好みに従って、提供されるデバイス又はサービスの設定を適合させ、それによってユーザエクスペリエンスを改善することが可能なシステムが提供される。
【0040】
図5は、本開示による、ユーザ402のモバイル端末502(例えば、スマートフォン)、車両406、及びサーバ404、の間の他の接続オプションを示している。1つの変形例では、車両406は、インターネットを介してサーバ404と直接的に通信することができ、ユーザ402が車両406で(例えば、キー、スマートカード、NFC/RFID、NFCを備えたスマートフォン、指紋、手動で入力されたコード等を使用して)認証されると、車両406は、ユーザ402の運転エクスペリエンスを改善するために、ユーザのパーソナリティデータ(
図5では、再び、ユーザの「MindDNA」と表記している)を要求することができる。他の変形例では、ユーザ402がモバイル端末502を携帯しているとき、モバイル端末502は、(例えば、そこにインストールされた専用アプリを使用して)インターネットを介してサーバ404と通信し、ユーザ402のパーソナリティデータを要求することができる。この変形例では、車両406は、(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、又はUSBケーブルを使用して)モバイル端末502とローカル通信し、モバイル端末502からユーザのパーソナリティデータを取得することができる。車両406とモバイル端末502との間の直接接続は、モバイル端末502に設置されたセンサ(例えば、移動及び加速度検出のためのジャイロスコープ、移動及び加速度検出ならびに運転経路の検出のためのGPS、又はパルス、血圧等を測定するための医療センサ等)を利用するために更に使用することができ、車両406自体によって収集された(例えば、ユーザの運転行動に関連する)フィードバックを補足し、それによって、モバイル端末502によって検知された追加のフィードバックをサーバ404に提供し、上述のように、フィードバックに基づいてニューラルネットワークを更新することができる。
【0041】
図6aは、本開示によるニューラルネットワーク602の例示的な構造を示している。ニューラルネットワーク602は、入力層、出力層、及び2つの隠れ層を含む。
図6aに示されるニューラルネットワーク602は、一般的なディープニューラルネットワークの構造を示しているに過ぎず、サーバ404に保存されるニューラルネットワーク602の実際のノードの(少なくとも入力層及び隠れ層の)数は、図示されているよりも大幅に高くなり得る。上述のように、テストは、(標準のIPIP、HEXACO-60、及びBFI-10の質問から取得され、任意選択で、目標と動機に関する追加の質問によって補足される)合計370以上の質問の中で最も影響力のある30の質問を使用して実行され、ニューラルネットワーク602の入力層に30の入力ノードが生じる。この場合、例えば、各隠れ層は50ノードで構成することができる。更に、図示されるように、ニューラルネットワーク602は、出力層に単一の出力ノードを含み得る。この場合、出力層の出力ノードの結果の値は、ニューラルネットワーク602がトレーニングされた(ビッグファイブのうちの)1つのパーソナリティディメンジョンの値を表し得る。ニューラルネットワーク602のこのような構造は例示に過ぎず、他の構造が一般的に考えられることが理解されるであろう。
【0042】
ニューラルネットワーク602のより高度な構造は、利用可能な質問の完全なセットの数に応じた入力ノードを有し、質問は、標準のIPIP、HEXACO-60、及びBFI-10の質問から取得することができ、ユーザの目標及び動機に関する更なる質問、ならびに上述の質問ではカバーされていないようなユーザの他の心理的特性、及び/又は好みに関する質問を更に含むこともでき、潜在的には数百の質問、例えば、600以上の質問を更に追加し得る。したがって、そのようなニューラルネットワーク602は、利用可能な質問の完全なセットの単一の質問にそれぞれ対応する600以上の入力ノードを有することができ、隠れ層のノード数は、ニューラルネットワーク602の性能に応じて選択することができる。例えば、ニューラルネットワーク602は、それぞれ100のノードを有する2つの隠れ層で構成することができる。更に、入力層では、上述の600個以上の入力ノードを重複させ、重複された入力ノードのそれぞれを欠落質問インジケータ(missing-question-indicator)として使用することができる。欠落質問インジケータは、二分(dichotomous)され、すなわち、対応する(オリジナルの)入力ノードの質問に回答したかどうかを示す2つの値(例えば、0と1)を有することができる。入力ノードが重複しているため、入力層は合計1200を超える入力ノードを有し得る。
【0043】
より高度なニューラルネットワーク602の出力層は、1つのパーソナリティディメンジョンの確率曲線を共に表す複数の出力ノードを有することができる。例えば、このパーソナリティディメンジョンの出力に使用されるスケールが0~10の範囲で、出力ノードの数が50である場合、出力ノードのそれぞれはスケールの一部、すなわち、スケールの0-0.2、 0.2-0.4、 0.4-0.6、 ・・・ 9.8-10の部分に対応するスケール部分を表すことができる。そのような出力層は、単一の出力値の代わりに、このパーソナリティディメンジョンの出力値の確率曲線の全体を提供することができる。
図6bは、例示的な出力層を、対応する確率曲線604とともに示す。そのような曲線は、出力値の最頻値(すなわち、曲線のピークによって示される)がどこにあるかを判定可能とするとともに、ニューラルネットワーク602が結果を計算する精度(すなわち、曲線の幅によって示される)を判定可能とする。高度なニューラルネットワーク602を使用して、ニューラルネットワーク602がディメンジョンのそれぞれについて別々にトレーニングされることで、任意の数の回答された質問についてのいくつかの確率曲線(例えば、ビッグファイブに対応する5つの確率曲線)の形でユーザのパーソナリティデータを計算することができる。質問がまだ回答されていない初期状態では、全ての欠落質問インジケータは「欠落」の値(例えば、0)を有することができる。質問に回答する度に、出力値の更新が計算され、回答された質問の数が増えるにつれて、出力層の確率曲線の幅が小さくなり、ニューラルネットワーク602が結果を計算する精度が着実に向上する。
【0044】
ニューラルネットワーク602のそのような構造は、ユーザによって次に回答される質問を質問の完全なセットから繰り返して選択することを可能にするので、特に有利であり、ここで、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問は、前の質問に対するユーザの回答に応じて選択することができ、ここで、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問は、ユーザのパーソナリティデータを計算するために達成可能な結果に最も影響を与えると判定された質問の完全なセットの一つの質問として選択することができる。この目的のために、回答された質問ごとに、いくつかの(例えば5つの)確率曲線を再計算することができ、再計算された確率曲線の中で、最大の幅を有する(すなわち、現在最も低い精度を有する確率曲線を表す)ものを判定することができる。繰り返しの次の質問として、このディメンジョンの精度を向上させるために、このディメンジョンの質問を選択することができる。最も影響力のある質問を判定するために、入力ノードのそれぞれへのデジタルスコア入力の変化が確率曲線を変化させる程度(例えば、曲線の幅が変化する程度)を、ニューラルネットワーク602の入力ノードのそれぞれについて判定することができる。これに基づいて、確率曲線の変化の程度が最も高いと判定された入力ノードに関連付けられた質問を、繰り返しのそれぞれで最も影響力のある質問として選択することができる。
【0045】
ニューラルネットワーク602の高度な構造はまた、フィードバックを容易にニューラルネットワークに統合することを可能にするため、有利であり得る。上述のように、フィードバックがニューラルネットワーク602にまだ入力されていない新しい入力値を表す場合、ニューラルネットワーク602をトレーニングするときに、新しい入力ノードは、ニューラルネットワーク602に単純に追加することができ、新しい入力値が新しい入力ノードに割り当てられる。このようにして、任意の種類の新しいフィードバックを容易にネットワークに統合することができ、ニューラルネットワーク602は、パーソナリティデータを計算するその能力を改善することができる。新しい入力ノードを追加するときの計算の複雑さを軽減する実装として、ネットワークが新しい入力ノードをネットワークの他のノードと相関させるようにトレーニングされているとき、最適に達成可能な結果に関して最も影響力があると判定されたノードのみを計算に組み込むことが考えられ、これにより、全てのノードを計算に組み込むことを避けることができる。また、ネットワークが新しい入力ノードをネットワークの他のノードと相関させるようにトレーニングされるとき、例えば、事前に計算する層の数を(例えば、2又は3に)制限して、ノードの後続の全ての組み合わせを計算しないようにすることが考えられる。
【0046】
上述の説明では、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得するため技術が、車両の燃料及びブレーキ反応挙動等の車両の運転設定を、ユーザのパーソナリティに適合させるという文脈で例示された。この場合、本明細書で説明された方法は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含む車両の運転設定を適合させる方法としても示され得る。車両の燃料及びブレーキ反応挙動を適合させることは、車両の運転設定を適合させる一例に過ぎず、より一般的には、車両の運転設定を適合させることは、車両の運転挙動に影響を与える任意の車両設定を適合させることを含み得ることが理解されるであろう。車両の運転設定を適合させることは、ユーザのパーソナリティに、車両の燃料及びブレーキ反応挙動を適合させること、車両のシャーシ設定を適合させること、車両のドライブモードを適合させること、及び車両等のアダプティブクルーズコントロール(ACC)の設定を適合させること、のうちの少なくとも1つを含み得る。車両のドライブモードを適合させることは、運転者のパーソナリティに応じて、車両のアクセルペダル及び燃料消費行動に影響を与える、エコノミー、コンフォート、又はスポーツモードを設定することを含み得る。パーソナリティデータが、運転者がリスクを回避する傾向があることを示している場合、例えば、ドライブモードをエコノミー又はコンフォートに設定することができ、他方、リスクを求めるパーソナリティを有する傾向がある運転者の場合、ドライブモードをスポーツモードに設定することができる。車両のドライブモードを適合させることはまた、例えば、車両の自動四輪駆動(4WD)モードを有効化/無効化することを含み得る。ACCの設定を適合させることは、例えば、運転者のリスク回避性に応じて、前方車両までの距離、及び/又は目標走行速度を設定することを含み得る。例えば、電気自動車の場合、車両の運転設定を適合させることは、ユーザのパーソナリティに応じて、車両バッテリの充電/放電挙動(例えば、充電の遅/速、充電容量レベル、エネルギーの放電の遅/速/均一/不均一)を適合させること、又は外部の車両スピーカーによって生じるシミュレートしたモーター/排気音を適合させる(例えば、対応するサウンドシステムのサウンドタイプ及び/又はイコライザー設定を適合させる)ことを含んでもよい。車両バッテリの充放電挙動も同様に、充電ステーションの充放電挙動を適宜適合させることにより適合させてもよい。
【0047】
本明細書に提示される技術は、車両の客室内の環境条件を適合させる等、車両の文脈における他の目的にも使用され得る(又は、より一般的には、輸送手段の、客室内の環境条件を適合させる等、航空機、列車、スペースシャトル等の他の輸送手段にも同様に適用し得る)ことが理解されるであろう。この場合、本明細書に提示される方法は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含む輸送手段の客室内の環境条件を適合させる方法としても示し得る。輸送手段の客室内の環境条件を適合させることは、(例えば、客室のエアーコンディション設定を適合させることによって)客室の温度を適合させること、客室の内部照明を適合させることと、(例えば、スペースシャトルに搭乗する宇宙飛行士に関係する)客室内の酸素レベル等を調整すること等、の少なくとも1つをユーザのパーソナリティに適合させることを含み得る。客室内の環境条件を適合させることに加えて、又は替えて、本明細書に提示される技術を使用して、客室に関するユーザ固有の設定を適合させることもできる。輸送手段の客室に関するユーザ固有の設定を適合させることは、シート設定(例えば、シート高さ、シート位置、シートマッサージの設定、シートベルトの張力等)を、客室内のユーザに適合させることと、客室内のユーザに提供されるサウンドシステムのイコライザー設定(例えば、低音又は高音の増減)をユーザのパーソナリティに適合させること、のうちの少なくとも1つを含み得る。車両、列車、航空機のような多数の乗客のための複数の座席を有する輸送手段に関しても、本明細書に示される技術は、輸送手段における座席割り当てのために使用され得る。この場合、本明細書に記載される方法は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の効率的な取得を含む、輸送手段の客室内の座席割り当てを適合させるための方法と表記され得る。客室内の座席割り当てを適合させることは、ユーザのパーソナリティに特に適合した座席をユーザに割り当てることを含んでもよい(例えば、外向的でコミュニケーション能力の高いユーザには、例えば、他の乗客の隣の通路側又は中間席の座席を割り当て、内向的なユーザにはむしろ窓側の座席を割り当ててもよい)。座席を割り当てたときに、割り当てた座席を利用するためのチケット(例えば、印刷された電車や飛行機のチケット)を発行してユーザに提供してもよい。
【0048】
上述の適合、すなわち、車両の運転設定の適合、客室内の環境条件の適合、及び客室に関するユーザ固有の設定の適合のうちの少なくともいくつかは、互いに依存して適合的に実行されてもよく、すなわち、ある設定が手動で、又はユーザのパーソナリティデータを考慮して適合される場合、これに、ユーザのパーソナリティデータを考慮した一連の更なる設定の適合が自動的に伴ってもよいことが理解されるであろう。例えば、車両のアクセル及びブレーキ反応動作がユーザのパーソナリティに適合される場合、これに、シャーシ設定及びステアリングホイール設定をそれに応じて適合させるといった、更なる適合が自動的に伴ってもよい。他の例として、用心深い運転者のために車両のヘッドライトがオンにされる場合、4WD及び差動ギアも自動的に作動させてもよい。更に他の例では、ユーザが車両の暖房装置をオンにした場合、ステアリングホイール暖房及び/又はシート暖房もオンにして、ユーザに適した熱レベルに設定してもよい。
【0049】
車両/輸送手段の設定の上述の適合のいずれも、ユーザのパーソナリティに適合させることに加えて、客室内で得られるユーザの注意レベルを示すユーザのセンサデータを考慮して(又は「基づいて」/「従って」)実行することができる。言い換えれば、クライアントデバイスは、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を考慮するだけでなく、ユーザの注意レベルを示すセンサデータも考慮して、車両の運転設定、客室内の環境条件、及び客室に関するユーザ固有の設定のうちの少なくとも1つを適合させるように設定され得る。すなわち、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現とユーザの注意レベルを示すセンサデータとは、上述の適合を実行する前に組み合わせることができる。ユーザの注意レベルを示すセンサデータは、例えば、ユーザの心拍、呼吸、倦怠感、反応時間、及びアルコール/薬物レベルのうちの少なくとも1つに関するデータを含むことができる。センサデータは、例えば、客室又はユーザのモバイル端末に設置された少なくとも1つのセンサによって収集される。
【0050】
図7は、車両の運転設定、客室内の環境条件、及び/又は客室に関するユーザ固有の設定を適合させるために、運転者の注意レベルを運転者のパーソナリティデータと組み合わせて考慮することを含む例示的な実装を示す。運転者の注意レベルは、例えば、ユーザの反応時間、倦怠感、心拍、呼吸、アルコール/薬物レベル、又はユーザの異常な行動等に関して、対応するセンサによってチェックされる。図の左側部分では、収集されたセンサデータがユーザの通常の注意レベルを示しているため、例えば、速度、音量、温度、シート設定等を含む車両設定は、通常のレベルのままとすることができる(例えば、運転者のパーソナリティ、すなわち「MindDNA」に適合される)。図の中央部分では、センサデータが運転者の注意レベルの低下を示しているため、車両設定は、運転者の注意を再びリフレッシュさせるために、シートマッサージ機能をオンすることを含め、減速、音量を増加、温度設定を低下させる等の変更を行うことができる。任意選択で、例えば、質問/回答スキームにおいて音声ベースの応答を提供するように運転者に要求する等の注意テストを実行することができ、注意テストの結果は、上述の設定を適合させる際に考慮され得る。一方、図の右側部分では、センサデータが運転者の注意レベルが非常に低いことを示しているため、ユーザに警告を発し、それに応じて車両設定を適合させることができ、例えば、非常に遅い速度(そして、例えば、次の停止機会において車両を強制的に停止させる)、音声をミュートする、及び/又はナビゲーションシステムによって次のホテルへ案内する等することができる。
【0051】
上述の車両/輸送手段設定の適合もまた、車両又は輸送手段を用いて走行する予定経路に関する地理データ、天候データ及び時間データの少なくとも1つを考慮して(又は「基づいて」/「応じて」)実行されてもよい。すなわち、クライアントデバイスは、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を考慮するだけでなく、予定経路に関する地理データ、天候データ及び/又は時間データも考慮して、車両の運転設定、客室内の環境条件、及び客室に関するユーザ固有の設定のうちの少なくとも1つを適合させるように構成されてもよい。ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現と、予定経路に関する追加のデータとは、言い換えれば、適合を実行する前に組み合わされてもよい。地理データは、予定経路の地形に関するデータ、例えば、山道の上り勾配/下り勾配、曲がりくねった道路や海岸道路の情報、標高等を含んでもよい。天候データは、現在の天候条件(例えば、雨センサ、温度センサ等を用いて車両又は輸送手段自身が検知したもの)、又は、予定経路の予測天候条件(例えば、雨、曇り、晴れ等)の情報を含んでもよい。時間データは、例えば、日中の運転、光の移行時間帯(夕暮れ又は明け方)の運転、又は夜間の運転等の予定経路のタイムスケジュールに関する情報を含んでもよい。そのようなデータに応じて、車両の運転設定、客室内の環境条件、及び客室に関するユーザ固有の設定を、ユーザのパーソナリティにより適合するようにしてもよく、例えば、予定経路に困難な地形/天候/時間条件が発生した場合には、リスクを嫌う運転者に安全な運転を提供するために4WD等を作動させてもよい。
【0052】
上述のように(例えば、車両の運転設定、客室内の環境条件、及び客室に関するユーザ固有の設定のうちの少なくとも1つを適合させることによって)ユーザ適合したサービスをユーザに提供するために、クライアントデバイスは、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する前に(例えば、ユーザが車両を運転する前に)、ユーザの身体を(例えば、少なくとも一部を)スキャンすることによって導出可能(derivable)なユーザの(例えば、物理的な)特性を示すボディスキャンデータを更に考慮することができる。ユーザの身体をスキャンすることによって導出可能なユーザ特性は、例えば、ユーザのサイズ、体重、性別、年齢、身長、姿勢、及び感情状態のうちの少なくとも1つを含み得る。代替的又は追加的に、ボディスキャンによって導出可能なユーザ特性は、例えば、ユーザ又はユーザが携帯するアイテムの特定の動きを含むこともできる。ボディスキャンデータは、レーダーデバイス、(例えば、ユーザのモバイル端末の、又は車両/輸送手段に設置された、360度カメラ、赤外線(IR)カメラ等を含む)カメラ又はボイスレコーダーによって、ユーザの1つ以上の画像又は音声信号を取得することによって取得され、ここで、体/顔/音声認識技術を利用して、ユーザの身体をスキャンして上述のユーザ特性を導出することができる。したがって、クライアントデバイスは、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を考慮するだけでなく、ボディスキャンデータも考慮して(又は「基づいて」/「従って」)、ユーザ適合したサービスを提供するように構成される。すなわち、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現とボディスキャンデータとは、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する前に組み合わせることができる。
図8は、車両の運転設定、客室内の環境条件、及び/又は客室に関するユーザ固有の設定を適宜適合させるために、運転者のボディスキャンデータ(例えば、車両に入る前に、運転者のスマートフォン、スマートウォッチ、フィットネストラッカー等の、運転者のモバイル端末によって取得される)を、運転者のパーソナリティデータと組み合わせて考慮することを含む例示的な実装を示す。この図では、ボディスキャンデータを「BodyDNA」と表記しており、「MindDNA」と組み合わされて、いわゆる「LifeDNA」を形成している。取得されたボディスキャンデータはまた、上述のように、ニューラルネットワークを更新するためにユーザを特徴付けるフィードバックを提供するために使用され得ることも理解されるであろう。
【0053】
更に、他の実施形態において、クライアントデバイスが、ボディスキャンデータのみを考慮して、すなわち、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を考慮することなく、ユーザ適合したサービスを提供するように構成されることが考えられることも理解されるであろう。そのような例では、ボディスキャンは、(例えば、認証目的のための顔認識を用いて)ユーザを検出し、(ボディスキャンによって決定される)ユーザの動きが、ユーザが車両に近づいていることを示すときに、車両のドアを開けてもよい。同様に、ユーザがアイテム(例えば、バッグ又はスーツケース)を携帯していることが検出されたときに、例えば、車両のトランクを自動的に開いてもよい。そのような方法は、一般に、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する方法ということができ、この方法は、クライアントデバイスによって実行され、ユーザの身体の少なくとも一部をスキャンすることによって導出されるユーザの特徴を示すボディスキャンデータを得ることと、ユーザ適合したサービスを提供するためにボディスキャンデータを処理することと、を含んでもよい。上述の例示的なボディスキャンデータのいずれかがそのような目的のために使用されてもよく、例えば、クライアントデバイスが車両の場合、ボディスキャンデータは、車両の運転設計、客室内の環境条件、及び客室に関するユーザ固有の設定のうちの少なくとも1つを適合させるために(すなわち、上述の意味でのユーザのパーソナリティデータを更に考慮することなく)使用されてもよい。ボディスキャンデータの少なくとも一部がユーザのユーザプロファイルで既に利用可能である(例えば、予め記憶されている)場合、そのようなデータが、ユーザを認証するときにユーザプロファイルから取得されてもよく、その場合、対応するデータを決定するためのボディスキャンを必ずしもリアルタイムで実行する必要はないことが理解されるであろう。この段落で説明したこと、すなわち、クライアントデバイスは、ボディスキャンデータのみを考慮して、すなわち、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を考慮することなく、ユーザ適合したサービスを提供するように構成されてもよいことは、同様に、本明細書に記載した、ユーザの注意レベルを示すセンサデータを考慮するユースケース、上述の運転予定経路に関する地理データ、天候データ及び時間データの少なくとも1つを考慮するユースケース、監視され、ユーザの自殺の意図を潜在的に示す予め定められた条件を考慮するユースケース、及び後述の車両グループの集合的に向上した運転行動を実施するために近くで他の車両を運転しているユーザの目標及び/又は好みを考慮するユースケース等の、他の車両関連のユースケースにも適用可能であって、これらの全てについて、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を追加的に(又は「組み合わせて」)考慮することなく、同様に動作させることが一般に考えられる。
【0054】
他の車両関連のユースケースでは、本明細書に提示される技術を使用して、車両を製造する前に、ユーザのパーソナリティに適合した車両設定を判定することもでき、車両は、判定された車両設定に少なくとも部分的に基づいて(又は「従って」)製造され得る。車両は、それぞれが異なるモーター出力を有する異なるモーターオプション、駆動技術オプション(例えば、二輪駆動(2WD)又は4WD技術のサポート)、シャーシオプション、異なるドライブモードオプション、ACCのサポート等、異なる(例えば、車両メーカーによって提供される)設定オプションで製造可能であり、ユーザのために新しい車両が製造される場合、車両設定は、ユーザのパーソナリティに特別に適合するように判定される。例えば、パーソナリティデータが、ユーザがリスクを回避する傾向があることを示している場合、判定された車両設定は、パーソナリティデータがリスクを求めることを示しているユーザのために判定された車両設定と比較して、より低い出力を有するモーターの選択を含み得る。判定された車両設定に基づいて、車両は適宜製造され得る。したがって、上述の説明に沿って、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスによってサーバから効率的に取得することを含む車両製造の方法も想定することができ、ユーザのパーソナリティに適合した車両設定を提供するために、パーソナリティデータのデジタル表現がクライアントデバイスにおいて処理される。この方法は、クライアントデバイスからサーバに、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を送信することと、クライアントデバイスがサーバから、ユーザのパーソナリティデータの要求したデジタル表現を受信することであって、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザから得られた入力に基づいて、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを使用して計算されることと、パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザのパーソナリティに適合した車両設定を判定することと、判定された車両設定に少なくとも部分的に基づいて車両を製造することを含むことができる。例えば、決定された車両設定が破棄され、車両が最終的に製造されない場合等には、実際の製造ステップは任意選択であってよい。このように車両設定がユーザのパーソナリティデータのみに基づいて決定されることが考えられる一方で、車両設定の決定のために更なる要因が考慮されてもよいことが理解されるであろう。例えば、ユーザは、特定の車両設定オプションに関する少なくとも1つの事前選択(例えば、特定のモデル又は特定の車両色の選択)を行ってもよく、そして、車両設定の決定が、少なくとも1つの事前選択に依存して実行されてもよい。追加的に又は代替的に、オンラインアドバイザー(例えば、ヒューマンアドバイザー又はチャットボット等の仮想アドバイザー)からの推奨が、車両設計の決定のために考慮されてもよい。例えば、ユーザは、オンラインアドバイザーとオンラインディスカッションを行ってもよく、そして、車両設計の決定が、オンラインアドバイザーによってなされた1つ以上の推奨に依存して実行されてもよい。車両の製造プロセスにおいて、判定された車両設定は、車両の製造に必要な車両部品の製造にも影響を与え得ることが理解されるであろう。例えば、車両の製造は、車両の製造に使用される1つ以上の車両部品の製造を含むことができ、車両部品は、判定された車両設定に従って(例えば、3Dプリンタを使用して)製造される。
【0055】
上述のユースケースの一般化において、本明細書に提示された技術は、製品を製造する前に、ユーザのパーソナリティに適合した製品の構成を決定するために使用されてもよく、そして、決定された構成に少なくとも部分的に基づいて(又は「従って」)、製品が製造されてもよい。そのような製品は、前のユースケースで述べたような車両だけでなく、例えば、化学製品又は医薬品(例えば、スキンクリーム等を含むクリーム等の化粧品等)、繊維製品、又は食品であってもよい。製品は、(例えば、製造会社によって提供されるように)異なる構成オプションで製造可能であってもよい。例えば、化学製品、医薬品、又は食品は、異なる成分オプション又は成分組成オプションで製造可能であってよく、繊維製品は、異なる繊維材料、衣服スタイル、又はカットオプションで製造可能であってもよい。ユーザがそのような製品を注文しようとしたとき、その製品の構成が、ユーザのパーソナリティに特に適合するように決定されてもよい。例えば、化粧品の場合、水分レベル(例えば、しっとり/ドライ)、光沢レベル(例えば、光沢/マット)、フレーバータイプ(例えば、フレーバーあり/中性)、フレグランスタイプ(例えば、フレグランスあり/中性)、及び肌効果タイプ(例えば、肌を落ち着かせる(skin-soothing)/チクチクする(tingling))のうちの少なくとも1つが、ユーザのパーソナリティに適合するように決定されてもよい。そして、決定された構成に基づいて、それに応じた製品が製造されてもよい。このように、上述の説明に沿って、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現をクライアントデバイスによってサーバから効率的に取得することを含む、製品を製造する方法であって、パーソナリティデータのデジタル表現がクライアントデバイスで処理されて、ユーザのパーソナリティに適合した製品の構成を提供する方法が想定されてもよい。この方法は、クライアントデバイスからサーバに、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を送信することと、クライアントデバイスがサーバから、要求したユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を受信することであって、ユーザのパーソナリティデータが、ユーザから得た入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを使用して、ユーザから得た入力に基づいて計算されることと、パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザのパーソナリティに適合した製品の構成を決定することと、決定した構成に基づいて少なくとも部分的に製品を製造することとを含んでもよい。例えば、決定された構成が廃棄され、製品が最終的に製造されない場合等には、製造ステップは任意選択であってもよい。このように製品の構成がユーザのパーソナリティデータのみに基づいて決定されることが考えられる一方で、製品の決定のために更なる要因が考慮されてもよいことが理解されるであろう。例えば、ユーザは、特定の構成のオプションに関する少なくとも1つの事前選択(例えば、特定の成分の選択)を行ってもよく、そして、構成の決定が、少なくとも1つの事前選択に依存して実行されてもよい。追加的に又は代替的に、オンラインアドバイザー(例えば、ヒューマンアドバイザー又はチャットボット等の仮想アドバイザー)からの推奨が、構成の決定のために考慮されてもよい。例えば、ユーザは、オンラインアドバイザーとオンラインディスカッションを行ってもよく、そして、車両構成の決定が、オンラインアドバイザーによってなされた1つ以上の推奨に依存して実行されてもよい。
【0056】
更に他の車両関連のユースケースでは、ユーザ適合したサービスのユーザへの提供が、自殺の傾向を潜在的に有するユーザからの損害を防止するように向けられたセキュリティ機能に関連してもよい。この目的のために、クライアントデバイス(例えば、車両)は、ユーザの自殺の意図を潜在的に示す事前に定義された(例えば、センサの測定値に基づく)条件を監視してもよい。そのような条件に基づいて自殺の意図があると判断された場合、クライアントデバイスは、検出された条件をユーザのパーソナリティデータと比較し、検出された条件とユーザの(例えば、ユーザが強いうつ病に苦しんでいることを示す)パーソナリティデータとの組み合わせにより、実際に自殺のリスクが与えられるかもしれないという結論に達した場合、予防措置を講じてもよい。したがって、クライアントデバイスは、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を考慮するだけでなく、監視され、ユーザの自殺の意図を潜在的に示す事前に定義された条件も考慮して(又は「基づいて」/「応じて」)、ユーザ適合したサービスを提供するように構成されてもよく(ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現及び検出された事前に定義された条件は、言い換えれば、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する前に組み合わされてもよい)、ユーザ適合したサービスをユーザに提供することは、ユーザの自殺の意図に対抗する1つ以上の予防措置をトリガーすることを含んでもよい。例示的な条件は、車両のモーターがまだ動作しているが車両が少なくとも所定の時間動いていない間に、ユーザが車両内で座ったままでいるか、又は横になったことを検出したことを検出すること(排気ガスが客室へ侵入していることを潜在的に示す。任意選択で、これは客室内のセンサによって感知されてもよい)を含んでもよい。対応する対策は、アラームのトリガー、緊急コール(例えば、うつ病ホットライン、警察、友人、家族等)のトリガー、又は単にモーター停止のうちの少なくとも1つを含んでもよい。他の事前に定義された条件は、橋、急な崖、又は川や湖の脇等、自殺の危険がある場所にユーザが車両を駐車したことを検出することを含んでもよく、同様に、それによってアラーム又は緊急コールをトリガーしてもよい。更に他の条件として、ユーザが高速運転中に前の車の後ろにぴったりついて運転している(tailgates)ことを検出し、任意選択で、ユーザの怒りが爆発したことを示す車室内の叫びを検出したことと組み合わせて、同時に、ユーザが車両に一人で乗っていることを(例えば、座席占有検出を用いて)検出して、叫びが複数の乗客間の争いの結果である可能性を排除してもよい。対応する対策は、例えば、車両の走行速度を自動的に減速/制限し、自動的に安全距離を保ち、ユーザをリラックスさせるために自動会話を開始又は音楽を再生し、及び他の運転経路を提案する等のうちの少なくとも1つを含んでもよい。これらの条件及び対策は単に例示的なものであり、他の様々なユースケースが一般に考えられることが理解されるであろう。
【0057】
更に他の車両関連のユースケースでは、ユーザ適合したサービスのユーザへの提供が、ユーザの車両そのものに関連するだけでなく、車両のグループ全体に関連してもよい。(ユーザの車両を含む)車両グループが互いに近くを(例えば、視界内で)走行しており、他の車両のユーザ(例えば、運転者/乗客)のパーソナリティデータが(例えば、現在のユーザ自身について上述したのと同じ/類似の方法で)利用できる場合、現在のユーザのパーソナリティデータを、それぞれの他の運転者のパーソナリティデータと比較(又は「マッチング」)して、車両グループの集合的な運転行動が改善するように決定及び実施してもよく、すなわち、個々の運転者のパーソナリティを考慮して(又は「尊重して」)、任意選択で、追加のそれぞれの運転者の運転目標若しくは好み又は気分を更に考慮して、車両グループの運転行動(又は「構成」)によって交通が改善する(又は「最適化」される)ようにしてもよい。したがって、車両は、互いに近くを走行する複数の車両のうちの1つであってもよく、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、それぞれのユーザの個々のパーソナリティを考慮して、任意選択で、それぞれのユーザの運転目標、好み、又は気分を更に考慮して、複数の車両の集合的に改善された運転行動を実施するために、複数の車両のうちの他の車両のユーザのパーソナリティデータの1つ以上のデジタル表現と比較されてもよい。例えば、グループの車両が自動運転で走行する場合、ストレスを感じている運転者を有する車両が、そのような追い越し行為を受け入れることができるよりリラックスしたパーソナリティの運転者を有する他の車両を、追い越すことを許すことが考えられる。集合的に改善された運転行動は、例えば、車両グループの間で交通の流れ又はエネルギー消費を改善(又は「最適化」)することに向けられてもよい。したがって、車両の隊列(platoon)において、よりリラックスした運転手の車両が他の車両のスリップストリーム(slipstream)を走行したり、短い距離を走行する電気自動車であって十分な電気エネルギーを有する電気自動車が、より長い距離を走行する保守的な運転者が運転する他の車両に、エネルギーの一部を(例えば、誘導を使用して)転送したりすることが考えられる。ユーザの特定の運転目標、好み、又は気分を考慮するために、ユーザは、例えば、「急いでいる」、「リラックスしている」、「プレッシャーを受けている」等のステートメント(statements)によって、車両での移動の開始時又は移動中等に、対応する目標、好み、又は気分を入力してもよい。このような情報は、ユーザの運転目標、好み、又は気分を反映してユーザに提示された質問に対する回答に基づいても収集されてもよい。例示的な質問は、後の表4に記載されている。車両に複数の乗客が乗車している場合、車両の全ての乗客のパーソナリティデータが、車両の全ての乗客を代表する集合的パーソナリティデータを決定し、それを他の車両のパーソナリティデータと比較するために用いられてもよい。集合的パーソナリティデータの決定は、例えば、車両の個々の乗客のパーソナリティデータ及びその値の平均化又は重み付けを含んでもよい。同じことが、ユーザの運転目標及び好みに適用されてもよく、これらも同様に、他の車両と比較するための集合的な目標及び/又は好みと組み合わされてもよい。車両グループ間で集合的に改善された運転行動を実施するために、車両は、例えば、車両間(V2V)通信を使用して互いに通信し、それに応じて自分自身を調整してもよい。
【0058】
集合的パーソナリティデータを決定する上述の概念は、上述の複数の車両のユースケースとは独立して一般化され、採用され得ることが理解されるであろう。実際、集合的パーソナリティデータは、ユーザ適合したサービスを複数のユーザが一緒に使用する事実上あらゆるユースケースに対して定義可能である。したがって、ユーザ適合したサービスを複数のユーザが集合的に使用する場合、全てのユーザのパーソナリティデータを組み合わせて、サービスを集合的に使用する全てのユーザを表す集合的パーソナリティデータが決定されてもよい。集合的パーソナリティデータを決定することは、例えば、個々のユーザのパーソナリティデータ及びその値を平均化又は重み付けすることを含んでもよい。ユーザ適合したサービスを提供することは、その後、集合的パーソナリティデータに基づいてもよく、すなわち、パーソナリティデータのデジタル表現を処理することは、その後、集合的パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザ適合したサービスをユーザに提供することを含んでもよい。
【0059】
更に、複数の車両で走行するユーザの運転目標又は好みを定義する上述の概念は、上述の複数の車両のユースケースとは独立して一般化され、採用され得ることが理解されるであろう。そのようなユースケースに関連する目標や好みは、実質的にあらゆるユースケースに対して定義することができ、したがって、ユースケースに関連する目標や好みは、一般に、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する際に採用され得る。ユースケースに関連するユーザの目標及び好みは、ユーザに提供されるユーザ適合したサービスに特に関連していてもよい。このような目標及び好みは、ユーザに現在提供されている(又は提供されようとしている)「実際の」ユーザ適合したサービスに特に関連するため、本明細書では、ユーザの「実際のパーソナリティ情報」と表記されることがある。このように、ユースケースに関連する目標や好みは、「ユーザから得られる入力」に関連して上述した目標や好みと区別される。上述のように、ユーザから得られる入力は、ユーザのパーソナリティ、目標、動機のうちの少なくとも1つに関する質問に対する回答に対応してもよい(ここで、パーソナリティに関する質問は、ユーザの好みに関する質問に対応してもよい)。ユースケースに関連する目標及び好みは、同様にユーザに提示された質問に対する回答から得られてもよいが、そのような質問は、「実際の」ユースケース(すなわち、ユーザ適合したサービス)に特に向けられた質問に対応し、特定のユースケースに依存しているのに対し、「ユーザから得られた入力」に関連して上述した質問は、ユーザの「一般な」目標及び好みに関する一般的な質問、すなわち、現在のユースケースに特に向けられていない、言い換えれば、現在のユースケースから独立した質問に対応し得る。目標及び好みは、唯一の「実際のパーソナリティ情報」でなくてもよく、他のタイプの実際のパーソナリティ情報が一般に考えられることは理解されるであろう。そのような例の1つは、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する時点におけるユーザの現在の気分(mood)(例えば、現在の「感情(feeling)」又は「状態(condition)」の意味で理解される)であってよく、これは、ユーザにサービスを特別に適合させるために考慮されてもよい。ユーザの現在の気分に関する情報も同様に、ユーザに提示された質問に対する回答から得られてもよい。
【0060】
ユースケース関連する目標、好み、及び/又は気分に関する例示的な質問は、本明細書に後に提示される表に示されており、表4は、車両に乗車するユースケースに特に関連する質問の例示的なリストを提供し、表5は、車両を製造するユースケースに特に関連する質問の例示的なリストを提供し、表6は、輸送手段の座席を割り当てるユースケースに特に関連する質問の例示的なリストを提供し、表7は、電子商取引(e-commerce)のユースケース(購入可能な製品)に特に関連する質問の例示的なリストを提供する。ユースケースに関連するこれらの質問セットは単に例示的なものであり、質問が上述の意味でのユースケースに関連する目標、好み、及び/又は気分に向けられる限り、これら及び他のユースケースに対する様々な他のタイプの質問が一般に考えられることが理解されるであろう。表4から表7に提示される例示的な質問セットから、(特に「実際の」ユースケースに向けられた)これらのタイプの質問が、ユースケースに依存しない表2及び表3に提示されるユーザの「一般的な」目標及び好みに関する質問とどのように区別されるかが容易に理解されるであろう。
【0061】
いくつかの実施形態において、「実際のパーソナリティ情報」は、
図2及び
図3に関連して上述した方法における「ユーザから得られる入力」として、又は単独の「ユーザから得られる入力」として使用されてもよく、上述した他の「ユーザから得られる入力」と組み合わせて使用されてもよい。したがって、
図2及び
図3に関連して上述した方法に概ね対応するユーザ適合したサービスをユーザに提供する方法が想定され得るが、唯一の違いは、「実際のパーソナリティ情報」が(唯一の又は追加の)「ユーザから得られる入力」として使用されてもよく、これに基づいて、その後、ニューラルネットワークが、上述の説明に沿ったユーザのパーソナリティデータを計算してもよいことである。
【0062】
上述のように、ユーザの実際のパーソナリティ情報は、ユーザに提示された質問に対する回答から取得されてもよい。他の変形例では、ユーザの現在の気分やユースケース固有のユーザの好み等の実際のパーソナリティ情報は、質問/回答方式でユーザから得られるだけでなくてもよい。例えば、上述の説明の意味でのボディスキャンデータに基づいて、実際のパーソナリティ情報が取得されてもよい。このように、ユーザの現在の気分及びユーザの1つ以上の好みの少なくとも一方は、ユーザの身体の少なくとも一部をスキャンすることによって導出可能なユーザの特徴を示すボディスキャンデータから取得されてもよい。ボディスキャンデータは、ボディスキャンデータに関する上述の説明に対応するものであってもよく、また、ボディスキャンデータに関する上述の説明に従って取得されてもよい。ユーザの現在の気分を評価するために、ユーザの感情状態が、例えば、身体/顔/音声認識技術を使用してユーザの表情、ジェスチャー及び/又は音声を解釈すること等、上述の技術のうちの1つを使用することによって導出されてもよい。ボディスキャンデータのいくつかの項目を組み合わせて、ユーザの気分又は好みを決定してもよい。例えば、車両では、ユーザのストレスレベルを高い精度で判断するために、ステアリングホイールのセンサが手の圧力、血圧、脈拍を測定してもよい。他の例として、ドアの解錠、ドアの開閉、ステアリングホイール後ろへの着座、イグニッション、シフトチェンジ等の時間から(各動作は、車両内の異なるセンサで検知される)、ユーザが多忙(hectic)であることを検知してもよい。したがって、少なくとも2つの異なるタイプのボディスキャンデータを組み合わせて、ユーザの現在の気分及びユーザの1つ以上の好みのうちの少なくとも1つを決定してもよい。ボディスキャンデータの他の変形は、アイトラッキング(eye-tracking)に基づいて取得されてもよく、これは、例えば、ユーザが閾値時間を超えて注視したアイテムに基づいてユーザの好みを検出するために使用されてもよい。アイトラッキングデータは同様に、例えば、血圧/脈拍測定等の他のボディスキャンデータと組み合わされてもよく、これは、注視したアイテムがユーザの感情的変化を引き起こしたかどうかを示すものであってもよい。アイトラッキング以外に、例えば、ユーザがコンピュータを使用する場合、マウストラッキング(mouse-tracking)が代替技術として使用されてもよいことが理解されるであろう。したがって、ユーザの1つ以上の好みのうちの少なくとも1つは、ユーザをアイトラッキング又はマウストラッキングすることによって得られてもよい。
【0063】
ユーザ適合したサービスを複数のユーザが集団で利用する場合、全ての個々のユーザについて得られたボディスキャンデータを組み合わせて、集団でサービスを利用する全てのユーザ、すなわちユーザグループを表す集合的ボディスキャンデータを決定してもよいことが理解されるであろう。集合的ボディスキャンデータを決定することは、例えば、個々のユーザのボディスキャンデータ及びその値を平均化又は重み付けすることを含んでもよい。そして、ユーザグループの現在の集団的気分及びユーザグループの集団的好みが、集団的ボディスキャンデータから得られてもよい。そして、ユーザ適合したサービスを提供することが、集合的ボディスキャンデータに基づいて行われてもよく、すなわち、パーソナリティデータのデジタル表現を処理することは、集合的パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザ適合したサービスをユーザグループに提供することを含んでよく、ここで、集合的パーソナリティデータが、集合的ボディスキャンデータに基づいて計算されてもよい。単なる一例として、沿岸の曲がりくねった経路に沿って走行中に、車両の4人の乗客のうち3人が悪天候を考慮して不安であることが顔認識によって検出された場合、乗客のグループ全体の現在の集団的気分が不安であると判断され、その結果として、車両の運転設定がより安全機能に基づくように適合されてもよい。
【0064】
本明細書に提示される技術は、車両/輸送手段に関連するユースケースだけでなく、例えば、スマート家電又はロボットの設定をユーザのパーソナリティに適合させる等の他のユースケースにも利用可能であることが理解されるであろう。このように、上述の説明に沿って、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含むスマート家電(例えば、自動ローラーシャッター(roller shutters)、エアーコンディション、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、セットトップボックス等)の設定を適合させる方法も想定することができ、ここで、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、スマート家電の設定をユーザのパーソナリティに適合させるために(例えば、スマート家電が、例えば、シャッター(ローラーシャッター)、暖房/冷房(エアーコンディション)、冷蔵(冷蔵庫)、洗濯(洗濯機)又は記録/表示(テレビ/セットトップボックス)タスク)等の主要タスクを実行する方法を適合させるために、クライアントデバイスにおいて処理される。同様に、上述の説明に沿って、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含むロボット(例えば、1つ以上の家庭用タスクを実行するように設定されたヒューマノイドロボット、家庭用ロボット、車両を運転する仮想ドライバーとして機能するロボット、スーパーマーケットにおけるベンダーロボット、農業ロボット、ロボット外骨格等)の設定を適合させる方法を想定することができ、ここで、ユーザのパーソナリティのデジタル表現は、ロボットの設定をユーザのパーソナリティに適合させるために(例えば、ヒューマノイドロボットが顔の表情(例えば、唇又は目の動き)を模倣する方法を適合させるようなロボットの動き、作業手順の実行又は制御の実行の方法等のロボットの動作を適合させるために、又は、家庭用ロボットによる家事の実行方法を適合させるために、又は、農業ロボットが田植え作業を行う方法を適合させるために、又は、外骨格を保有するユーザの動きをロボット外骨格がサポートする方法を適合させるために)、クライアントデバイスにおいて処理される。
【0065】
他の様々なユースケースが一般的に考えられる。他のユースケースは、例えば、仮想ロボットの設定を適合させること、医療機器の設定を適合させること、又は脳を刺激することまでも含み得る。したがって、上述の説明に沿って、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含む仮想ロボット(例えば、チャットボット、仮想サービス員、仮想パーソナルアシスタント)の設定を適合させる方法も想定することができ、ここで、ユーザのパーソナリティのデジタル表現は、仮想ロボットの設定をユーザのパーソナリティに適合させるために(例えば、仮想ロボットがユーザをサポートするタスクを実行する方法を適合させるために)、クライアントデバイスにおいて処理される。いくつかの変形例では、仮想ロボットがホログラムの形態で表示されてもよい(例えば、自由空間に、又は車両のヘッドアップディスプレイの一部として表示される)。表示されるホログラムは、ユーザと会話する人物(例えば、アバター)を反映することが考えられるが、ユーザのパーソナリティに適合した他の画像又は映像が、ホログラムの表示に採用できることも理解されるであろう。更に、ホログラムの表示だけでなく、仮想ロボットの音声特性(例えば、音声周波数/音量、男性/女性等)又は仮想ロボットの話し方を適合させる等、仮想ロボットがユーザと相互作用(interacts)する(例えば、話す)方法を適合させてもよい。単なる一例として、車両のヘッドアップディスプレイに表示されるホログラムを、権威主義的な言葉で話す警察官として表示してもよい。仮想ロボットの構成を適合させることは、通知、指示、又は警告をユーザに提供する方法に関連してもよい。そのようなメッセージは、ユーザのパーソナリティに適合した方法で、例えば、行動障害の確率が低減されるように、及び/又は、ユーザがメッセージを受け入れ易いように(例えば、メッセージの提供を説明/正当化するユーザ適合したステートメントを提供して)、ユーザに提供されてもよい。車両の文脈(context)では、例えば、ユーザが好奇心の強いパーソナリティである場合、近くで事故が発生した場合にユーザが首を伸ばして見る(rubbernecking)ことを防止することに向けられた警告メッセージを提供することが考えられ、それによって更なる事故が回避される可能性がある。
【0066】
同様に、上述の説明に沿って、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含む、患者の治療計画を適合させるための方法、又は医療機器(例えば、ベッドサイドの医療機器)の設定を適合させる方法を想定することができ、ここで、ユーザのパーソナリティのデジタル表現は、医療機器の設定をユーザのパーソナリティに適合させるために、特に、ユーザの身体に物理的な力を加える治療及び/又はユーザに医療物質(例えば、薬物)を投与する治療等、ユーザ適合される医療治療の方法を変更するために(例えば、心臓ペースメーカーの設定を適合させ、電気機械的に調整可能な人工器官(prosthesis)の機械的構成を適合させ、薬剤の調剤プロセスを適応させ、鎮痛剤の投与量等の投与計画を適合させるために)、クライアントデバイスにおいて処理されてもよい。医療機器と同様に、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の効率的な取得を含むスポーツ機器(例えば、トレッドミル(treadmills)、フィットネスバイク(fitness bikes)、クロストレーナー(crosstrainers)等のトレーニング機器)の構成を適合させる方法が想定され、ここで、ユーザのパーソナリティのデジタル表現がクライアントデバイスで処理されて、スポーツ機器の構成がユーザのパーソナリティに適合されてもよい(例えば、ユーザによって加えられる力を増減させるためにスポーツ機器の抵抗を適合させる、スポーツ機器上でユーザによって採用される位置を適合させる、スポーツ機器に記憶されたトレーニングプログラムをユーザのパーソナリティに適合させる等)。仮想ロボットについて上述したように、医療機器又はスポーツ機器の構成を適合させることは同様に、通知、指示又は警告をユーザに提供する方法(例えば、薬物が適切な時間にユーザによって服用されるようにすること、又はトレーニング中のスポーツ機器のユーザをユーザに最も適した方法で動機付けること)に関連し得ることが理解されるであろう。
【0067】
更にこの文脈において、より一般的には、(本明細書に一般的に記載されているような)ユーザ適合したサービスの一部として、例えば広告メッセージを含む、ユーザに提供される任意のタイプのメッセージ又は情報が、ユーザのパーソナリティに適合されてもよいことが理解されるであろう。そのようなメッセージは、いくつかの変形例では、例えば、公共の場所(例えば、空港、路上等)に設置された電子広告パネル(又は「ビルボード(billboards)」)等、ユーザの近くにある(例えば、視線の先(line of sight)の)リモートスクリーンに表示されてもよい。クライアントデバイス(例えば、ユーザが携帯するスマートフォン又はタブレット)は、ユーザ適合したサービスを提供するサーバに(例えば、公共の場所で利用可能なWi-Fiネットワーク等、クライアントデバイスが登録されたローカルネットワークを介して)パーソナリティデータを送信してもよく、サーバが、リモート画面に表示されたメッセージ又は情報をユーザ適合させてもよい。パーソナリティデータは、Wi-Fiネットワークを介して以外に、他の技術的なチャネルを介してそのようなサーバに送信されてもよいことが理解されるであろう。1つの変形例では、パーソナリティデータは、クライアントデバイスを使用して実行される取引(transaction)(例えば、購入製品又はサービスに対する支払取引)と共にサーバに伝達されてもよく、例えば、パーソナリティデータは、取引と共にサーバに伝達されてもよい。そのような変形例では、パーソナリティデータを、処理される取引に対する一種の「支払手段」(又は「通貨」)として使用することが考えられる。すなわち、ユーザは、例えば、ユーザのパーソナリティデータの提供と引き換えに、ユーザのパーソナリティデータへのアクセスを許可することに対して、購入する製品又はサービスの料金(又は「価格」)の減額(又は無料提)等の一定の(例えば金銭的な)価値によって報酬を得ることが考えられる。
【0068】
ユーザ適合したサービスの一部としてメッセージ又は情報をユーザに提供することは、上述のように、広告メッセージに関連するだけでなく、ユーザに提供される任意の情報に関連してもよいことが理解されるであろう。例えば、電子商取引サービスにアクセスする(例えば、電子商取引ウェブサイトを訪問する、又は電子商取引アプリを使用する)ユーザに、ユーザのパーソナリティに特に適合したコンテンツ(例えば、購入可能な製品)が提示されてもよい。他の例として、輸送手段(例えば、車両、航空機、又は列車)においてインフォテインメント(infotainment)システムを使用するユーザに、ユーザのパーソナリティに特に適合したインフォテインメントオプション(例えば、選択可能な映画等)が提示されてもよい。ユーザ適合した情報をユーザに表示する他の様々なユースケースが一般に考えられることが理解されるであろう。これに関して、コンテンツがユーザ適合した方法で表示されるだけでなく、表示される情報のルック・アンド・フィール(look-and-feel)がユーザ適合された方法で表示されてもよいことに留意されたい。1つの変形例では、ユーザ適合した情報をユーザに表示することは、クライアントデバイス又はユーザにサービスを提供する少なくとも1つの他のデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット又はラップトップ等のエンドユーザデバイス)上で実行されるフィルタを使用して実装されてもよく、ここで、フィルタは、そのようなデバイスでローカルに実行されて、コンテンツがユーザに表示される前に、ユーザのパーソナリティ(例えば、好み等)に基づいてコンテンツをフィルタリング(filter out)してもよい。単なる一例として、コンテンツがウェブサイトの形態でユーザに提供される場合、フィルタは、エンドユーザデバイスでローカルに実行されて、デバイスでコンテンツがユーザに表示される前に、ユーザが関心を持たない可能性が高いコンテンツをウェブサイトから除去してもよい。
【0069】
ユーザ適合したサービスの一部としてユーザに情報を提供する他のユースケースは、通信アプリケーションに関連してもよい。テレビ電話又はチャットアプリケーション等の通信アプリケーションにおいては、通信相手が物理的(physically)に存在する場合には普通に認識できる一般的な非言語コミュニケーションの重要な要素(例えば、物理的存在/エネルギー、身体姿勢等の要素)が、デジタル通信では失われる可能性がある。このようなロス(loss)を軽減するために、例えば、通信相手のパーソナリティデータに関する情報に基づいて、通信アプリケーション(例えば、チャット又はビデオ会議アプリケーション)の表示を適合させることが考えられ、これにより、ユーザが通信相手のパーソナリティをより理解することができ、よって、ユーザが通信相手のパーソナリティにより適合するようにコミュニケーション方法を適合させることができる。言い換えれば、パーソナリティデータは、ユーザがより共感的な方法で通信相手に対処できるように、通信相手との間で共有されてもよく、よって、失われたパーソナルコンタクト(personal contact)が(少なくともある程度まで)補われる可能性がある。その結果、デジタルコミュニケーションの質及び有効性が向上する可能性がある。
【0070】
通信アプリケーションの表示を適合させるために使用されるパーソナリティデータは、(上述の意味で)ユーザのパーソナリティデータの「生の値」に対応し得ることは理解される一方で、通信のユースケースにおいて、表示を適合させるために使用されるパーソナリティデータが、(上述の意味で)ユーザのパーソナリティデータの「比較値」(又は「相対値」)に対応することがよい場合がある。より具体的には、表示を適合させるために使用されるパーソナリティデータは、それぞれの通信相手のパーソナリティデータと比較したユーザのパーソナリティデータの「比較値」に対応してもよい。1つの変形例では、通信相手のパーソナリティデータの情報に基づいて通信アプリケーションの表示を適合させることは、通信相手のパーソナリティデータの少なくとも一部(例えば、ユーザのパーソナリティディメンジョンの値、又はそれから得られるパーソナリティ特性の値)を表示して、ユーザが相手のパーソナリティ特性をより良く評価することを可能にすることを含んでもよい。また、他の変形例では、コミュニケーション相手のパーソナリティを考慮して使用すべきでない言葉や、積極的に使用されて通信相手の好感を得る可能性の高い言葉を表示することが考えられる。更に他の変形例では、通信アプリケーションの表示を適合させることは、ユーザに表示されるビデオ又は背景画像を適合させることを含んでもよく、ここで、ビデオ又は背景画像は、ユーザのパーソナリティに特に適合され、例えば、通信相手に対するユーザの態度/感情にポジティブな影響を与えるようにしてもよい(単なる一例として、ビデオ会議では、ビデオ画像における相手のネクタイの色が、ユーザが好む色に適合されることが考えられる)。視覚的な提示だけでなく、聴覚的な提示が、通信相手に対するユーザの態度/感情にポジティブな影響を与えるように適合されてもよく、例えば、ユーザの好みに応じて、相手が聞こえる音声設定(例えば、音声周波数/音量等)を適合させてもよい。このような視覚的又は聴覚的な適合は、同様に、通信相手の側で適用されてもよいことが理解されるであろう。
【0071】
特定の文脈において、ユーザのパーソナリティのデジタル表現は、一旦、ユーザから得られた入力に基づいてニューラルネットワーク等を使用して、本明細書に提示された技術の1つに従って計算されると、チップカード又は(NFC(近距離無線通信)を使用してチップカード機能をエミュレートするスマートフォンのような)チップカードをエミュレートするデバイスに保存されてよいことが理解されるであろう。ここで、ユーザのパーソナリティデータは、パーソナリティデータがクライアントデバイスで処理される前に、チップカード又はチップカードをエミュレートするデバイスから読み取られて、上述のように、ユーザ適合したサービスをユーザに提供してもよい。したがって、クライアントデバイスとサーバとの間の上述の送信及び受信ステップ(例えば、ステップS302及びS304)が省略され、代わりに、クライアントデバイスが、チップカード又はチップカードをエミュレートするデバイスからユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を読み取り、そして、パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する方法が想定され得る。パーソナリティデータのデジタル表現をチップカード又はチップカードをエミュレートするデバイスに保存する前に、パーソナリティデータのデジタル表現が、本明細書に一般的に記載されているように、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを使用して、ユーザから得られた入力に基づいて計算されてもよい。例えば、医療の文脈においては、ユーザのパーソナリティのデジタル表現が、例えば、デジタル健康記録が保存されているチップカードからパーソナリティデータを読み取ることによって、患者の治療前に自動的に取得できるように、デジタル健康記録(又は「デジタル患者ファイル」)の一部として保存されてもよい。そして、チップカードから取得されたパーソナリティデータは、上述のように、医療装置を構成するために、又は、例えばユーザのパーソナリティに適した病室をユーザに割り当てる等して他の任意の医療サービスをユーザに適合させるために処理されてもよい。そのようなチップカードを使用可能な他の様々な文脈が一般に考えられる。単なる一例として、パーソナリティデータは、(例えば、ユーザに支払関連サービスを適合させるために処理される)銀行カード、(例えば、ユーザに保険商品を適合させるために処理される)保険カード、(例えば、ユーザにペイバックオファーを適合させるために処理される)ペイバックカード(payback card)等に保存されてもよい。
【0072】
購入可能な製品については、製品の製造や配送等、バリューチェーン(value chain)における後続のステップをユーザのパーソナリティに適合させることも考えられる。ユーザ適合したサービスをユーザに提供することは、これらの場合、ユーザのパーソナリティに従って製品の製造を適合させること、及び/又は製品の配送を適合させることを含んでもよい。したがって、製品が購入後も製造される場合、製品の製造がユーザの好みに特に適合されてもよい(例えば、購入後に3Dプリンタを使用して印刷される製品は、ユーザのパーソナリティ/好みに特に適合した方法で印刷されてもよい)。同様に、いくつかの変形例では、ユーザ適合したサービスをユーザに提供することが、ユーザのパーソナリティに特に適合した物流(logistics)/配送サービスを提供することを含んでもよい。例えば、製品の包装(例えば、包装の色又は材料)が、ユーザのパーソナリティ/好みに特に適合されてもよい。追加的に又は代替的に、選択された配送技術(例えば、ドローン、配送トラック、自転車宅配便)が、ユーザのパーソナリティ/好みに特に適合されてもよい(例えば、高齢者は人間から配送物を受け取ることを好むかもしれないが、若い者はドローンから小包を受け取ることを好むかもしれない)。また、配送モダリティ(delivery modalities)(例えば、配送時間、配送場所、及び/又は配送の優先順位等)が、ユーザのパーソナリティに特に適合されてもよい。
【0073】
上述のように、本明細書に記載されたニューラルネットワークは、要求されたパーソナリティデータを計算し、計算されたパーソナリティデータをデジタル表現の形でクライアントデバイスに提供することを可能にする効率的な機能的データ構造と見ることができる。フィードバックに関して、ニューラルネットワークは、ユーザのパーソナリティに関する(任意の)フィードバックに基づいて更新され、パーソナリティデータを計算する能力を向上させることができる、効率的な更新可能データ構造を表すことが説明された。そのようなニューラルネットワークは、ユーザからの様々なフィードバックに基づいて継続的に学習することによって、ユーザのパーソナリティの反映を経時的に改善するように強化され得るデータ構造であると考えられる。このように、今後数年から数十年にわたって増加し続ける計算リソースの出現により、ニューラルネットワークは、フィードバックが多いほどユーザのパーソナリティの計算精度が着実に向上する能力を有するユーザの心のコピーとして進化すると考えることができる。長期的な視点では、あたかもユーザ自身に問いかけるかのように心の問い合わせを可能とする人間の心のコピーを構築することも考えられる。したがって、ユーザの心は(少なくともある程度)「保存」されているとも言える。上述のように、ニューラルネットワークを更新するフィードバックは、クライアントデバイス及び/又はユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスにおいて収集されてもよい。しかしながら、ユーザのパーソナリティに関するフィードバックを収集するために、更に他のデバイスが使用されてもよいことは理解されるであろう。そのような変形例の1つでは、(例えば、Neuralink Corporationによって開発されたような、http://neuralink.com/)埋め込み可能な脳-コンピュータ-インターフェース(brain-computer-interface)を使用して、ユーザのパーソナリティデータに関するフィードバックを脳から直接継続的に収集し、それに応じてニューラルネットワークを経時的に更新することが考えられる。
【0074】
いくつかの変形例では、マインドコピー(mind copy)は、その後、ロボット又は仮想ロボット(例えば、上述のロボット又は仮想ロボット)をマインドコピーに従って構成することによって、その挙動を適合させるために使用されてもよい。言い換えれば、脳の仮想表現は、ロボット又は他の形態のインテリジェントシステムに供給されて、ユーザのパーソナリティに基づいてそのようなシステムの動作に影響を与えてもよい。単なる一例として、ヒューマノイドロボット又は仮想ロボット(例えば、仮想パーソナルアシスタント又はホログラムの形態)は、実際の人間のコピーとして(可能な限りリアルに)行動するように、マインドコピーに基づいて構成されてもよい。そして、実際の人間のコピーは、実際の人間が通常行うであろうタスクを引き継ぐために使用されてもよい。単なる一例として、会話の相手が、実際の人間との対話が行われていないことに気づかないように、実際の人間のコピーが実際の人間の代わりとして電話で会話を行うことが考えられる。更に、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含む脳(例えば、生物又は脳の仮想表現)を刺激する方法を想定することができ、ここで、パーソナリティのデジタル表現は、ユーザのパーソナリティに基づいて脳の刺激手順を適合させるために、ユーザのクライアントデバイスで処理される。刺激手順は、例えば、生物の脳の電気的刺激、又は脳の仮想表現を適合させること/再設定することを含み得る。他のユースケースでは、既に示したように、マインドコピー、より具体的にはパーソナリティデータ全般を、一種の「支払手段」又は「通貨」として使用することが考えられ、ユーザは、例えば、支払い取引を行う場合等に、自分自身のパーソナリティデータを収益化(monetize)することができる。
【0075】
上述の全ての例及びユースケースにおいて、設定(configuration)又は設定(setting)を「ユーザのパーソナリティに」「適合させる」ことについて言及しているとき、そのような適合は、(ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現によって示される)ユーザのパーソナリティの所定の特性を、対応するデバイス/装置(例えば、上述のような、車両、輸送手段、スマート家電、ロボット、医療機器等)の特定の構成又は設定にマッピング(mapping)する、事前に定義されたマッピングを使用して実装され得ることが理解されるであろう。上述のように、例えば、パーソナリティデータが、運転者がリスクを回避する傾向があることを示している場合、車両のドライブモードをエコノミー又はコンフォートに設定することができ、他方、リスクを求めるパーソナリティを有する傾向がある運転者の場合、ドライブモードをスポーツモードに設定することができる。そのようなマッピングは、可能なパーソナリティ特性-構成/設定の組み合わせごとに事前に定義することができ、取得されたユーザのパーソナリティデータに応じて、デバイス/装置の構成又は設定を適宜適合させることができる。マッピングは、クライアントデバイスにおいて事前に定義されてもよく、例えば、クライアントデバイスが、上述のように、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つの他の装置を設定する場合、クライアントデバイスは、少なくとも1つの他のデバイスにマッピングが実装され、ユーザ適合したサービスがユーザに提供されるように、事前に定義されたマッピングを少なくとも1つの他の装置に提供してもよい。このようにして、少なくとも1つの他のデバイスにおける計算負荷が軽減され、言い換えれば、このデバイスは、「マッピング提供者(mapping provider)」として機能可能なクライアントデバイスからマッピングを受信する「マッピング受信者(mapping recipient)」として機能することができる。他の変形例では、事前に定義されたマッピングは、少なくとも1つの他のデバイスで事前に定義(又は「事前に保存」)されてもよく、この場合、少なくとも1つの他のデバイスは、ユーザのパーソナリティの所定の特性を受信して、それを少なくとも1つの他のデバイスの特定の構成又は設定にマッピングしてもよいことが理解されるであろう。ユーザのパーソナリティ特性は、例えば、上述のように、ニューラルネットワークによって出力されるパーソナリティディメンジョン(例えば、ビッグファイブから)の値に対応し得る。
【0076】
上述の説明では、本明細書で提示される技術が、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現をクライアントデバイスによってサーバから効率的に取得することを可能にする技術として説明されたが(これは様々なユースケースにおいて使用可能である)、計算されたユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、必ずしもサーバから直接クライアントデバイスへ送信される必要がないことが理解されるであろう。むしろ、ユーザのパーソナリティデータは、一旦ユーザに利用できるようになると、ユーザによってクライアントデバイスに手動で入力されてもよい。したがって、クライアントデバイスの側で、ユーザ適合したサービスをクライアントデバイスのユーザに提供する(この場合、直接的なクライアント-サーバ関係が存在しないことがあるので、この「クライアントデバイス」は必ずしもクライアント-サーバ関係にあるデバイスの意味で理解されない場合もあり、よって、クライアントデバイスが単に「デバイス」と表記されることがある)方法も想定され、ここで、この方法は、クライアントデバイスによって実行されてもよく、ユーザによる手動の入力を介して、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を取得するステップと、パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザ適合したサービスをユーザに提供するステップと、を有してもよい。そのような方法が
図9に例示されており、ステップS902において、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を取得する、対応するステップが示され、ステップS904において、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を処理する、対応するステップが示されている。ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現をクライアントデバイスに入力する方法が異なること(すなわち、サーバから直接取得する代わりに手動の入力を介して入力すること)を除いて、上述した全ての態様が、特にクライアントデバイス及びサーバに関して、
図9の方法に適用されてもよい。したがって、ユーザの手動の入力を介してクライアントデバイスによって取得されたユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するように訓練されたニューラルネットワークを使用して、ユーザから得られた入力に基づいて、サーバによって計算されてもよい(ただし、ユーザの手動入力が他の方法で決定されたユーザのパーソナリティデータに対応することも考えられるので、必ずしもこの方法で計算される必要はない)。1つの変形例では、上述の説明に従って、クライアントデバイスが車両であってよく、ユーザ適合したサービスをユーザに提供することが、車両の運転設定をユーザのパーソナリティに適合させることを含んでもよい。
【0077】
ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を手動で入力する代わりに、車両識別番号を使用して、選択された車両構成オプションを識別することも考えられ、ここで、(例えば、上述のように、車両メーカーによって提供される)車両構成オプションに基づいて車両が製造されてもよい。そして、このように識別された車両構成が、上述した意味での「ユーザから得られた入力」として、すなわち、入力に基づいてニューラルネットワークを使用してユーザのパーソナリティデータを計算するようにサーバに要求するために、使用されることが考えられる。このようにして得られたユーザのパーソナリティデータが、その後、ユーザ適合したサービスを車両のユーザに提供するために、上述したいずれかの方法で使用されてもよい。
【0078】
上述の実施形態は、クライアントデバイスとサーバとの間の相互作用を参照して主に説明され、例えば、クライアントデバイスの観点から、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、サーバに送信するステップ(S302)と、要求したユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、サーバから受信するステップ(S304)とを含んでいたが、本明細書に提示するパーソナリティデータのデジタル表現の効率的な取得は、必ずしもそのようなクライアント/サーバシナリオで実装される必要はなく、より一般的には、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することが可能で、パーソナリティデータのデジタル表現を処理してユーザ適合したサービスをユーザに提供する方法であって、この方法は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を取得し、ユーザのパーソナリティデータが、ユーザから取得した入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するように訓練されたニューラルネットワークを使用して、ユーザから取得した入力に基づいて計算されることと、パーソナリティデータのデジタル表現を処理してユーザ適合したサービスをユーザに提供することと、を含む方法として表現できることが理解されるであろう。そのような、より一般的な定式化が、クライアントデバイスとサーバとの間の正確な送信及び受信ステップの代わりに、上述のすべての実施形態に適用されてもよい。
【0079】
「実際のパーソナリティ情報」に関する上述の説明を参照すると、いくつかの実装では、ユーザのパーソナリティデータが、ニューラルネットワークを使用することなく、実際のパーソナリティ情報のみに基づいて計算されてもよいことに留意されたい。
図10に例示されるそのような実装では、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する方法が想定され、この方法は、コンピューティングシステムによって実行され、ステップS1002において、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を取得するステップであって、ユーザのパーソナリティデータがユーザに関する入力に基づいて計算され、ユーザに関する入力がユーザの実際のパーソナリティ情報を含み、ユーザの実際のパーソナリティ情報がユーザ適合したサービスに特に関連しており、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する時点におけるユーザの現在の気分、ユーザ適合したサービスに特に関連するユーザの1つ以上の好み、及びユーザ適合したサービスに特に関連するユーザの1つ以上の目標のうちの少なくとも1つを含むステップと、ステップS1004において、パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザ適合したサービスをユーザに提供するステップとを含んでもよい。コンピューティングシステムは、クライアントデバイス及びサーバによって形成されてもよく、よって、取得するステップS1002は同様に、対応する送信する及び受信するステップS302及びS304に沿ったクライアント/サーバシナリオで実現されてもよいことが理解されるであろう。上述のように、ユーザの実際のパーソナリティ情報は、ユーザに提示された質問に対する回答から取得されてもよい。ユーザのパーソナリティデータのそのような計算は、1つの変形例では、独自のアルゴリズム(例えば、実際のパーソナリティ情報からユーザのそれぞれのパーソナリティデータのデジタル表現へのマッピング等を含む)を用いて行われてもよいが、他の変形例では、ニューラルネットワークを使用して上述した方法に従って行われてもよいことが理解されるであろう。したがって、ユーザのパーソナリティデータは、ユーザに関する入力に基づいてユーザのパーソナリティを計算するように訓練されたニューラルネットワークを使用して、ユーザに関する入力に基づいて計算されてもよい。ユーザに関する入力は、ユーザに提示された質問に対する回答を反映したデジタルスコアに対応してもよく、各デジタルスコアは、ニューラルネットワークを使用してユーザのパーソナリティデータを計算するときに、ニューラルネットワークの別々の入力ノードへの入力として用いられてもよい。上述のように、「実際のパーソナリティ情報」を「ユーザから得られた入力」と組み合わせて追加の入力として用いる場合、ユーザに関する入力が、ユーザのパーソナリティ、目標、動機のうちの少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映したデジタルスコアに更に対応してもよく、同様に、各デジタルスコアが、例えば、ニューラルネットワークを使用してユーザのパーソナリティデータを計算するときに、ニューラルネットワークの別々の入力ノードへの入力として用いられてもよい。
【0080】
本明細書に提示される技術の利点は、上述の説明から十分に理解され、本開示の範囲から逸脱することなく、又はその有利な効果の全てを犠牲にすることなく、その例示的な態様の形態、構造、及び配置に様々な変更を行うことができることは明らかであろう。本明細書に提示される技術は多くの方法で変形することができるため、本開示は、以下の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきであることが理解されるであろう。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
本開示の有利な例は、次のように表現することができる。
[例1]
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(502、406)によってサーバ(404)から効率的に取得できるようにする方法であって、前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するために前記クライアントデバイス(406)において処理され、前記方法は前記サーバ(404)によって実行され、
前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいてユーザ(402)のパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワーク(602)を保存すること(S202)と、
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、前記クライアントデバイス(502、406)から受信すること(S204)と、
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記要求されたデジタル表現を、前記クライアントデバイス(502、406)に送信すること(S206)であって、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいて前記ニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことと、
を有する方法。
[例2]
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記ユーザ(402)にサービスを提供する少なくとも1つのデバイス(406)を設定するために前記クライアントデバイス(502、406)において処理され、
任意選択で、前記少なくとも1つのデバイス(406)は、前記クライアントデバイス(406)を含む、
例1に記載の方法。
[例3]
前記ユーザ(402)を特徴付けるフィードバックを受信することと、
前記フィードバックに基づいて前記ニューラルネットワーク(602)を更新することと、
前記ユーザ(402)の更新されたパーソナリティデータのデジタル表現を、前記クライアントデバイス(502、406)に送信することであって、前記ユーザ(402)の前記更新されたパーソナリティデータは、前記更新されたニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことを更に有し、
任意選択で、前記ユーザ(402)の前記更新されたパーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記ユーザ(402)に前記サービスを提供する前記少なくとも1つのデバイス(406)の設定を改善するために前記クライアントデバイス(502、406)において処理される、
例1又は2に記載の方法。
[例4]
前記フィードバックは、前記少なくとも1つのデバイス(406)によって提供される前記サービスを使用するときに前記少なくとも1つのデバイス(406)において監視される前記ユーザ(402)の行動を反映した行動データを含み、
任意選択で、前記行動データは、前記ユーザ(402)に前記サービスを提供する前記少なくとも1つのデバイス(406)によって実行される測定を使用して監視される、
例3に記載の方法。
[例5]
前記少なくとも1つのデバイス(406)は、車両を含み、前記行動データは、前記ユーザ(402)の運転行動を反映したデータを含む、
例4に記載の方法。
[例6]
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記クライアントデバイス(502、406)から前記要求を受信する前に計算され、前記要求は、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータを計算するときに前記サーバ(404)によって前記ユーザ(402)に事前に提供されたアクセスコードを含み、前記アクセスコードは、前記ユーザ(402)が他のクライアントデバイス(502、406)から前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記デジタル表現にアクセスすることを可能にする、
例1から5のいずれか一項に記載の方法。
[例7]
前記ユーザから得られた前記入力は、前記ユーザ(402)のパーソナリティ、目標、及び動機のうちの少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映したデジタルスコアに対応し、各デジタルスコアは、前記ニューラルネットワーク(602)を使用して前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータを計算するときに、前記ニューラルネットワーク(602)の別個の入力ノードへの入力として使用される。
例1から6のいずれか一項に記載の方法。
[例8]
前記質問は、ユーザ(402)のパーソナリティデータを計算することを最適に達成可能な結果を表す質問セットから選択された質問に対応し、
前記選択された質問は、最適に達成可能な結果に関して最も影響力があると判定された前記質問セットの質問に対応し、
任意選択で、前記選択された質問の数は、前記質問セットに含まれる質問の数の10%未満である、
例7に記載の方法。
[例9]
前記質問は、前記質問セットの単一の質問のそれぞれによって達成可能な結果を、最適に達成可能な結果と相関させることと、最適に達成可能な結果と最も高い相関を有する前記質問セットから質問を選択することと、に基づいて前記質問セットから選択されるか、又は、
前記質問は、前記質問セットから繰り返して選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問が前の質問に対する前記ユーザの回答に応じて選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、前記次の質問は、前記ユーザのパーソナリティデータを計算するために達成可能な結果に最も影響力があると判定された前記質問セットの一つの質問として選択され、
任意選択で、前記ニューラルネットワーク(602)は、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの結果の確率曲線(604)を表す複数の出力ノードを含み、前記質問セットの最も影響力のある質問を、前記繰り返しのそれぞれの前記次の質問として判定することは、前記ニューラルネットワーク(602)の入力ノードのそれぞれについて、前記ニューラルネットワーク(602)の前記入力ノードのそれぞれに入力される前記デジタルスコアの変化が前記確率曲線(604)を変化させる程度を判定することを含む、
例8に記載の方法。
[例10]
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(502、406)によってサーバ(404)から効率的に取得できるようにする方法であって、前記方法は前記クライアントデバイス(502、406)によって実行され、
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、前記サーバ(404)に送信すること(S302)と、
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記要求したデジタル表現を、前記サーバ(404)から受信すること(S304)であって、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいてユーザ(402)のパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワーク(602)を使用して、前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいて、計算される、ことと、
ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するために前記パーソナリティデータの前記デジタル表現を処理(S306)することと、
を有する方法。
[例11]
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品が1つ以上のコンピューティングユニット上で実行されるときに、例1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムコード部分を含む、コンピュータプログラム製品。
[例12]
1つ以上のコンピュータ可読記録媒体に保存された、例11に記載のコンピュータプログラム製品。
[例13]
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(502、406)によってサーバ(404)から効率的に取得できるようにする前記サーバ(100、404)であって、前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するために前記クライアントデバイス(502、406)において処理され、前記サーバ(404)は、少なくとも1つのプロセッサ(102)及び少なくとも1つのメモリ(104)を備え、前記少なくとも1つのメモリ(104)は、前記サーバ(404)が例1から9のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサ(102)によって実行可能な命令を含む、サーバ(100、404)。
[例14]
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現をサーバ(404)から効率的に取得できるようにするクライアントデバイス(110、502、406)であって、前記クライアントデバイス(110、502、406)は、少なくとも1つのプロセッサ(112)及び少なくとも1つのメモリ(114)を備え、前記少なくとも1つのメモリ(114)は、前記クライアントデバイス(110、502、406)が例10に記載の方法を実行するように動作可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサ(112)によって実行可能な命令を含む、クライアントデバイス(110、502、406)。
[例15]
例13に記載のサーバ(100、404)と、例14に記載の少なくとも1つのクライアントデバイス(110、502、406)とを備えるシステム。
[例16]
ユーザ適合したサービスを車両(406)のユーザ(402)に提供する方法であって、前記方法は、前記車両(406)によって実行され、
前記ユーザ(402)による手動の入力を介して、前記ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を取得するステップ(S902)と、
前記パーソナリティデータの前記デジタル表現を処理して、ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するステップ(S904)と、
を含み、前記ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供することは、前記車両(406)の運転設定を前記ユーザ(402)のパーソナリティに適合させることを含む方法。
[例17]
前記ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供することは、前記車両(406)の客室内の環境条件を適合させることと、前記車両(406)の客室に関するユーザ固有の設定を前記ユーザ(402)の前記パーソナリティに適合させることのうちの少なくとも1つを更に有する、例16に記載の方法。
[例18]
前記ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供することは、前記車両(406)の客室において取得された前記ユーザ(402)の注意レベルを示すセンサデータを考慮して更に実行される、例16又は17に記載の方法。
[例19]
前記ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供することは、前記車両を用いて移動する予定経路に関する地理データ、天候データ、及び時間データのうちの少なくとも1つを考慮して更に実行される、例16から18のいずれか一項に記載の方法。
[例20]
前記ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供することは、前記ユーザ(402)の身体の少なくとも一部をスキャンすることによって導出可能な前記ユーザ(402)の特性を示すボディスキャンデータを考慮して更に実行される、例16から19のいずれか一項に記載の方法。
[例21]
前記ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供することは、監視され、前記ユーザ(402)の自殺の意図を潜在的に示す事前に定義された条件を考慮して更に実行され、前記ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供することは、前記ユーザ(402)の自殺の意図に対抗する1つ以上の予防措置をトリガーすることを更に含む、例16から20のいずれか一項に記載の方法。
[例22]
前記車両(406)は、互いに近くを走行する複数の車両(406)のうちの1つであり、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、各ユーザ(402)の個々のパーソナリティを考慮して、任意選択で、各ユーザ(402)の運転目標又は好みを更に考慮して、前記複数の車両(406)の集合的に改善された運転行動を実施するために、複数の車両(406)のうちの他の車両のユーザ(402)のパーソナリティデータの1つ以上のデジタル表現と比較される、例16から21のいずれか一項に記載される方法。
[例23]
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいてユーザ(402)のパーソナリティデータを計算するように訓練されたニューラルネットワーク(602)を使用して、前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいて、サーバ(404)によって計算される、例16から22のいずれか一項に記載の方法。
[例24]
前記ユーザ(402)から得られた前記入力は、前記ユーザ(402)のパーソナリティ、目標、及び動機のうちの少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映したデジタルスコアに対応し、各デジタルスコアは、前記ニューラルネットワーク(602)を使用して前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータを計算するときに、前記ニューラルネットワーク(602)の別個の入力ノードへの入力として使用される、例23に記載の方法。
[例25]
前記質問は、ユーザ(402)のパーソナリティデータを計算することを最適に達成可能な結果を表す質問セットから選択された質問に対応し、
前記選択された質問は、最適に達成可能な結果に関して最も影響力があると判定された前記質問セットの質問に対応し、
任意選択で、前記選択された質問の数は、前記質問セットに含まれる質問の数の10%未満である、例24に記載の方法。
[例26]
前記質問は、前記質問セットの単一の質問のそれぞれによって達成可能な結果を、最適に達成可能な結果と相関させることと、最適に達成可能な結果と最も高い相関を有する前記質問セットから質問を選択することと、に基づいて前記質問セットから選択されるか、又は、
前記質問は、前記質問セットから繰り返して選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問が前の質問に対する前記ユーザの回答に応じて選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、前記次の質問は、前記ユーザのパーソナリティデータを計算するために達成可能な結果に最も影響力があると判定された前記質問セットの一つの質問として選択され、
任意選択で、前記ニューラルネットワーク(602)は、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの結果の確率曲線(604)を表す複数の出力ノードを含み、前記質問セットの最も影響力のある質問を、前記繰り返しのそれぞれの前記次の質問として判定することは、前記ニューラルネットワーク(602)の入力ノードのそれぞれについて、前記ニューラルネットワーク(602)の前記入力ノードのそれぞれに入力されるデジタルスコアの変化が前記確率曲線(604)を変化させる程度を判定することを含む、例25に記載の方法。
[例27]
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品が1つ以上のコンピューティングユニット上で実行されるときに、例16から26のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムコード部分を含む、コンピュータプログラム製品。
[例28]
1つ以上のコンピュータ可読記録媒体に保存された、例27に記載のコンピュータプログラム製品。
[例29]
ユーザ適合したサービスをユーザ(402)に提供するための車両(406)であって、少なくとも1つのプロセッサ(112)及び少なくとも1つのメモリ(114)を有し、前記少なくとも1つのメモリ(114)は、前記車両(406)が例16から26のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作可能となるように、前記少なくとも1つのプロセッサ(112)によって実行可能な命令を含む、車両(406)。