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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 54/02 20060101AFI20250326BHJP
【FI】
B65G54/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023544811
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 JP2021031761
(87)【国際公開番号】W WO2023032006
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】林 好典
(72)【発明者】
【氏名】古宇田 秀明
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特許第5783410(JP,B2)
【文献】特許第5170045(JP,B2)
【文献】特許第4151417(JP,B2)
【文献】特開平01-313766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 54/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線方向および曲線方向に沿って移動可能なスライダと、
前記スライダを前記直線方向または前記曲線方向に沿って移動させる駆動モジュールと、
前記直線方向に沿って直線状に形成された直線移動用磁気目盛と、前記曲線方向に沿って曲線状に形成された曲線移動用磁気目盛とを含み、前記スライダまたは前記駆動モジュールの一方に設けられる磁気スケールと、
前記スライダまたは前記駆動モジュールの他方に設けられ、前記直線移動用磁気目盛および前記曲線移動用磁気目盛の各々の磁気を検出する磁気センサとを備え、
前記直線移動用磁気目盛および前記曲線移動用磁気目盛は、互いに離間した状態で設けられている、搬送装置。
【請求項2】
前記直線移動用磁気目盛と、前記曲線移動用磁気目盛とは、同一面または異なる面に互いに離間した状態で設けられている、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記磁気スケールは、前記スライダに設けられており、
前記磁気センサは、前記駆動モジュールに設けられている、請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記スライダは、前記磁気センサに対して上下方向、または、前記上下方向および前記スライダの移動方向に直交する幅方向に前記直線移動用磁気目盛および前記曲線移動用磁気目盛が対向する状態で、前記磁気スケールが内側に配置されるスライダフレームを含む、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記磁気スケールは、前記直線移動用磁気目盛および前記曲線移動用磁気目盛が一体的に設けられたベース部をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記ベース部は、
前記直線移動用磁気目盛が設けられる第1面と、
前記曲線移動用磁気目盛が設けられ、前記第1面とは異なる面である第2面とを含む、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記第2面は、前記ベース部において前記第1面の裏側に配置されている、請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記ベース部は、前記直線移動用磁気目盛と、前記曲線移動用磁気目盛との間に配置され、前記直線移動用磁気目盛および前記曲線移動用磁気目盛の各々から発せられる磁気を遮断する磁気遮断板を有する、請求項7に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記第2面と、前記第1面とは、互いに略直交している、請求項6に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記第2面と、前記第1面とは、略直交しており、
前記第2面は、前記曲線移動用磁気目盛の曲率に対応した湾曲面である、請求項9に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記直線移動用磁気目盛および前記曲線移動用磁気目盛は、前記直線移動用磁気目盛および前記曲線移動用磁気目盛の並ぶ方向において、互いに離間した状態で前記ベース部の同一面に設けられている、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記磁気スケールは、前記直線移動用磁気目盛および前記曲線移動用磁気目盛が設けられる基材部をさらに含み、
前記曲線移動用磁気目盛は、
前記曲線方向としての第1曲線方向に合わせて形成された第1曲線目盛部と、
前記第1曲線方向とは異なる第2曲線方向に合わせて形成された第2曲線目盛部とを含み、
前記基材部は、
前記基材部の上面または下面を構成するとともに、前記直線移動用磁気目盛が設けられた直線用位置検出面と、
前記直線用位置検出面から突出し、前記第1曲線目盛部が設けられた第1曲線用位置検出面と、
前記第1曲線用位置検出面と対向し、前記第2曲線目盛部が設けられた第2曲線用位置検出面とを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項13】
前記磁気スケールは、前記スライダに設けられており、
前記スライダの移動方向において、前記直線移動用磁気目盛の一方側端部と、前記曲線移動用磁気目盛の一方側端部とは、略同じ位置に配置されているとともに、前記直線移動用磁気目盛の他方側端部と、前記曲線移動用磁気目盛の他方側端部とは、略同じ位置に配置されている、請求項1~12のいずれか1項に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送装置に関し、特に、スライダと、駆動モジュールとを備える搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スライダと、駆動モジュールとを備える搬送装置が知られている。このような搬送装置は、たとえば、国際公開第2019/007199号に開示されている。
【0003】
上記国際公開第2019/007199号には、移動体(スライダ)と、固定子モジュール(駆動モジュール)とを備えるリニア搬送装置が開示されている。移動体は、固定子モジュールにおいて発生する磁場により、直線移動または曲線移動するように構成されている。
【0004】
上記国際公開第2019/007199号の移動体は、ベースと、第1磁気発生部と、第2磁気発生部とを含んでいる。ベースには、互いに接触して隣り合った状態で、第1磁気発生部および第2磁気発生部が取り付けられている。第1磁気発生部は、移動体の直線移動の際の位置を検出するための磁気を発生させる。第2磁気発生部は、移動体の曲線移動の際の位置を検出するための磁気を発生させる。
【0005】
上記国際公開第2019/007199号の固定子モジュールは、第1磁気発生部および第2磁気発生部の各々の磁気を読み取る磁気読取部を含んでいる。リニア搬送装置では、磁気読取部により読み取られた第1磁気発生部および第2磁気発生部の各々の磁気に基づいて、移動体の位置が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2019/007199号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記国際公開第2019/007199号のリニア搬送装置では、第1磁気発生部および第2磁気発生部が、互いに接触して隣り合った状態でベースに取り付けられている。このため、上記国際公開第2019/007199号のリニア搬送装置では、第1磁気発生部と第2磁気発生部との間で磁気干渉が発生しやすいと考えられる。これにより、上記国際公開第2019/007199号のリニア搬送装置では、第1磁気発生部(直線移動用磁気目盛)および第2磁気発生部(曲線移動用磁気目盛)同士の磁気干渉をより確実に抑制することが望まれている。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛同士の磁気干渉をより確実に抑制することが可能な搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の一の局面による搬送装置は、直線方向および曲線方向に沿って移動可能なスライダと、スライダを直線方向または曲線方向に沿って移動させる駆動モジュールと、直線方向に沿って直線状に形成された直線移動用磁気目盛と、曲線方向に沿って曲線状に形成された曲線移動用磁気目盛とを含み、スライダまたは駆動モジュールの一方に設けられる磁気スケールと、スライダまたは駆動モジュールの他方に設けられ、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛の各々の磁気を検出する磁気センサとを備え、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛は、互いに離間した状態で設けられている。
【0010】
この発明の一の局面による搬送装置では、上記のように、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛は、互いに離間した状態で設けられている。これにより、直線移動用磁気目盛と、曲線移動用磁気目盛との距離を確保することができるので、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛同士の磁気干渉をより確実に抑制することができる。
【0011】
上記一の局面による搬送装置において、好ましくは、直線移動用磁気目盛と、曲線移動用磁気目盛とは、同一面または異なる面に互いに離間した状態で設けられている。このように構成すれば、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛を同一部材の同一面または異なる面に設けることができるので、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛の各々を異なる部材の面に設ける場合と比較して、搬送装置の部品点数の増加を抑制することができる。
【0012】
上記一の局面による搬送装置において、好ましくは、磁気スケールは、スライダに設けられており、磁気センサは、駆動モジュールに設けられている。このように構成すれば、駆動モジュールは所定の場所に固定されるので、スライダのように移動する構成に磁気センサを設ける場合と異なり、磁気センサに電力を供給するための給電設備と磁気センサとの接続を容易に行うことができる。
【0013】
この場合、好ましくは、スライダは、磁気センサに対して上下方向、または、上下方向およびスライダの移動方向に直交する幅方向に直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛が対向する状態で、磁気スケールが内側に配置されるスライダフレームを含む。このように構成すれば、磁気スケールをスライダフレームの内側に収めることができるので、スライダフレームの大きさが同じであり、かつ、磁気スケールをスライダフレームの外側に配置した場合と比較して、スライダの大型化を抑制することができる。
【0014】
上記一の局面による搬送装置において、好ましくは、磁気スケールは、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛が一体的に設けられたベース部をさらに含む。このように構成すれば、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛が同一のベース部に一体的に設けられるので、ベース部が温度変化に起因して伸縮した場合でも、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛に対して上記ベース部の伸縮に応じたスライダの位置計測の誤差が生じるようにすることができる。したがって、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛の各々の位置計測の誤差を略等しくすることができる。その結果、スライダの直線移動の際の位置計測の誤差に対する補正と、スライダの曲線移動の際の位置計測の誤差に対する補正とを、同じ補正値を用いて行うことができるので、位置取得のための制御を容易にすることができる。
【0015】
この場合、好ましくは、ベース部は、直線移動用磁気目盛が設けられる第1面と、曲線移動用磁気目盛が設けられ、第1面とは異なる面である第2面とを含む。このように構成すれば、直線移動用磁気目盛と曲線移動用磁気目盛とが同一面において並んで配置される場合と比較して、直線移動用磁気目盛と曲線移動用磁気目盛とが並ぶ方向におけるベース部の寸法の増大を抑制することができるので、搬送装置の上記並ぶ方向における大型化を抑制することができる。
【0016】
上記第1面とは異なる第2面を備える搬送装置において、好ましくは、第2面は、ベース部において第1面の裏側に配置されている。このように構成すれば、第1面がベース部の表側の面を構成するとともに、第2面がベース部の裏側の面を構成することにより、平面視において、直線移動用磁気目盛と曲線移動用磁気目盛とが重なるように配置することができるので、ベース部のスライダの移動方向における寸法が増大するのを抑制することができる。
【0017】
上記第2面がベース部の第1面の裏側に配置された搬送装置において、好ましくは、磁気スケールは、直線移動用磁気目盛と、曲線移動用磁気目盛との間に配置され、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛の各々から発せられる磁気を遮断する磁気遮断板を有する。このように構成すれば、磁気遮断板により直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛同士の磁気干渉を抑制することができるので、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛同士を離間する距離を減少させることができる。これにより、直線移動用磁気目盛と、曲線移動用磁気目盛との間に配置されるベース部に必要とされる厚みを減少させることができるので、直線移動用磁気目盛、曲線移動用磁気目盛およびベース部を含む磁気スケールの大型化を抑制することができる。
【0018】
上記第1面および第2面を備える搬送装置において、好ましくは、第2面と、第1面とは、互いに略直交している。このように構成すれば、第1面に直線移動用磁気目盛を設けるとともに、第1面に略直交している第2面に曲線移動用磁気目盛を設けるので、直線移動用磁気目盛の磁気を検出する磁気センサを曲線移動用磁気目盛の磁気を検出する磁気センサの近傍に配置することができる。その結果、直線移動用磁気目盛の磁気を検出する磁気センサと、曲線移動用磁気目盛の磁気を検出する磁気センサとを配置するために必要な空間をコンパクトにすることができる。
【0019】
上記第2面が第1面に直交する搬送装置において、好ましくは、第2面と、第1面とは、互いに略直交しており、第2面は、曲線移動用磁気目盛の曲率に対応した湾曲面である。このように構成すれば、第2面の湾曲面がスライダの曲線方向に沿って形成されるので、第2面に設けられた曲線移動用磁気目盛によりスライダの曲線移動の際の位置を適切に検出することができる。
【0020】
上記ベース部を備える搬送装置において、好ましくは、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛は、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛の並ぶ方向において、互いに離間した状態でベース部の同一面に設けられている。このように構成すれば、上記同一面に垂直な方向に直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛を並べて配置する場合と比較して、上記同一面に垂直な方向において直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛を設置するためのスペースが増大することを抑制することができる。
【0021】
上記一の局面による搬送装置において、好ましくは、磁気スケールは、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛が設けられる基材部をさらに含み、曲線移動用磁気目盛は、曲線方向としての第1曲線方向に合わせて形成された第1曲線目盛部と、第1曲線方向とは異なる第2曲線方向に合わせて形成された第2曲線目盛部とを含み、基材部は、基材部の上面または下面を構成するとともに、直線移動用磁気目盛が設けられた直線用位置検出面と、直線用位置検出面から突出し、第1曲線目盛部が設けられた第1曲線用位置検出面と、第1曲線用位置検出面と対向し、第2曲線目盛部が設けられた第2曲線用位置検出面とを含む。このように構成すれば、第1曲線目盛部および第2曲線目盛部により、スライダの第1曲線方向、および、第2曲線方向の複数の曲線移動の際の位置計測を行うことができるので、互いに逆方向の曲線方向に曲線移動する場合にも位置計測を行うことができる。これにより、スライダが移動する経路の自由度を向上させることができる。
【0022】
上記一の局面による搬送装置において、好ましくは、磁気スケールは、スライダに設けられており、スライダの移動方向において、直線移動用磁気目盛の一方側端部と、曲線移動用磁気目盛の一方側端部とは、略同じ位置に配置されているとともに、直線移動用磁気目盛の他方側端部と、曲線移動用磁気目盛の他方側端部とは、略同じ位置に配置されている。このように構成すれば、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛のスライダの移動方向における長さを略同じにすることができるので、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛のいずれか一方を設置スペースに合わせた最大の長さにした場合に、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛のいずれか他方も同じ最大の長さにすることができる。その結果、磁気センサ同士の間隔を最大の長さに合わせて配置することにより、磁気センサ同士の間隔を最大限にして磁気センサを並べることができるので、スライダの位置計測を行うために必要な磁気センサの数を最小限の数にすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、上記のように、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛同士の磁気干渉をより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施形態による搬送装置を示した平面図である。
図2図1の111-111線に沿った断面図である。
図3図1の112-112線に沿った断面図である。
図4】第1実施形態による搬送装置の磁気スケールの上面図である。
図5】第1実施形態による搬送装置の磁気スケールの下面図である。
図6図3のD部分を拡大した拡大図である。
図7】第1実施形態による搬送装置のスライダが直線部分を移動している状態を示した模式図である。
図8】第1実施形態による搬送装置のスライダが曲線部分を移動している状態を示した模式図である。
図9】第2実施形態による搬送装置の図3のD部分に相当する部分を拡大した拡大図である。
図10】第3実施形態による搬送装置の磁気スケールの上面図である。
図11】第4実施形態による搬送装置の磁気スケールを示した斜視図である。
図12】第5実施形態による搬送装置の磁気スケールを示した斜視図である。
図13】第1実施形態の第1変形例による搬送装置のバックヨークおよび磁気スケールを示した斜視図である。
図14】第2実施形態の第2変形例による搬送装置の磁気スケールおよび磁気遮断板を示した断面図である。
図15】第2実施形態の第3変形例による搬送装置の磁気スケールおよび磁気遮断板を示した断面図である。
図16】第2実施形態の第3変形例による搬送装置の磁気スケールおよび磁気遮断板を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
[第1実施形態]
図1図8を参照して、本発明の第1実施形態による搬送装置100の構成について説明する。
【0027】
(搬送装置の構成)
図1および図2に示すように、搬送装置100は、架台101の上面101aに敷設されている。また、図示はしないが、架台101には、基板などのワークの移載、電子部品などの基板への実装作業などを実行する各種ロボットが設置されている。各種ロボットは、後述するスライダ3の周回経路102に沿って配置されている。搬送装置100は、リニアモータによりスライダ3を周回経路102に沿って移動させるリニアコンベアである。
【0028】
搬送装置100は、各種ロボットの作業位置に向けてスライダ3を移動させるように構成されている。具体的には、搬送装置100は、複数の直線移動用駆動モジュール1と、複数の曲線移動用駆動モジュール2と、複数のスライダ3と、磁気スケール4と、磁気センサ5と、磁気センサ6とを備えている。複数の直線移動用駆動モジュール1および複数の曲線移動用駆動モジュール2は、スライダ3の周回経路102を形成している。なお、直線移動用駆動モジュール1および曲線移動用駆動モジュール2の各々は、請求の範囲の「駆動モジュール」の一例である。
【0029】
ここで、水平方向のうち直線移動用駆動モジュール1の延びる方向をX方向とし、X方向のうち一方をX1方向とし、X方向のうちの他方をX2方向とする。水平方向のうちX方向に直交する方向をY方向とし、Y方向のうち一方をY1方向とし、Y方向のうちの他方をY2方向とする。X方向およびY方向に直交する方向をZ方向(上下方向)とし、Z方向のうち一方をZ1方向(上方向)とし、Z方向のうちの他方をZ2方向(下方向)とする。また、スライダ3の移動方向をM方向とし、M方向の一方向をM1方向とし、M方向の他方向をM2方向とする。また、M方向およびZ方向に直交する幅方向をW方向とし、W方向の一方向をW1方向とし、W方向の他方向をW2方向とする。
【0030】
複数の直線移動用駆動モジュール1の各々は、リニアコンベアモジュールである。複数の直線移動用駆動モジュール1は、架台101上に配置されている。複数の直線移動用駆動モジュール1は、X方向に直線状に連結されている。複数の直線移動用駆動モジュール1は、Y1方向側およびY2方向側の各々に配置されている。複数の直線移動用駆動モジュール1の各々の構造は、同じであるので、Y2方向側でありかつX1方向側に配置された1つの直線移動用駆動モジュール1について説明する。
【0031】
直線移動用駆動モジュール1は、スライダ3をX1方向またはX2方向の直線方向に沿って移動させる装置である。直線移動用駆動モジュール1は、ロボットの作業位置でスライダ3を停止させるとともに、作業後に次のロボットの作業位置へ向けてスライダ3を移動させるように構成されている。また、直線移動用駆動モジュール1では、作業中に位置速度制御しながらスライダ3を移動させつつ、作業後に次のロボットの作業位置へ向けてスライダ3を移動させることも可能である。
【0032】
具体的には、図2に示すように、直線移動用駆動モジュール1は、支持部材11と、ガイドレール12と、リニアモータ固定子13とを含んでいる。
【0033】
支持部材11は、ガイドレール12およびリニアモータ固定子13を支持している。支持部材11は、アルミニウムなどの金属により形成されている。このように、支持部材11は、金属製のフレームである。なお、本実施形態の支持部材11は金属製である例を示したが、支持部材11は樹脂製であってもよい。
【0034】
ガイドレール12は、スライダ3をガイドする機能を有している。ガイドレール12は、支持部材11の上面のY方向の中央部分に配置されている。ガイドレール12は、X方向に延びている。リニアモータ固定子13は、複数の電磁石により構成されている。なお、本実施形態のガイドレール12は、支持部材11の上面のY方向の中央部分に配置されている例を示したが、ガイドレール12は、支持部材11の上面のY方向の中央部分からオフセットした位置に配置されてもよい。また、ガイドレール12は、支持部材11の上面ではなく、支持部材11の側面に設けられてもよい。
【0035】
図1に示すように、複数の曲線移動用駆動モジュール2の各々は、リニアコンベアモジュールである。複数の曲線移動用駆動モジュール2は、架台101上に配置されている。複数の曲線移動用駆動モジュール2は、曲線方向に沿って連結されている。複数の曲線移動用駆動モジュール2は、架台101上のX1方向側およびX2方向側の各々に配置されている。複数の曲線移動用駆動モジュール2の各々の構造は、同じであるので、X1方向側に配置された1つの曲線移動用駆動モジュール2について説明する。なお、曲線方向とは、Z方向に延びる中心軸線C1(またはC2)周りのR方向(周方向)に沿った方向である。
【0036】
曲線移動用駆動モジュール2は、スライダ3をR1方向またはR2方向(曲線方向)に沿って移動させる装置である。曲線移動用駆動モジュール2は、ロボットの作業位置でスライダ3を停止させるとともに、作業後に次のロボットの作業位置へ向けてスライダ3を移動させるように構成されている。また、曲線移動用駆動モジュール2では、作業中に位置速度制御しながらスライダ3を移動させつつ、作業後に次のロボットの作業位置へ向けてスライダ3を移動させることも可能である。
【0037】
具体的には、図3に示すように、曲線移動用駆動モジュール2は、支持部材21と、ガイドレール22と、リニアモータ固定子23とを含んでいる。
【0038】
支持部材21は、ガイドレール22およびリニアモータ固定子23を支持している。支持部材21は、アルミニウムなどの金属により形成されている。このように、支持部材21は、金属製のフレームである。なお、本実施形態の支持部材21は金属製である例を示したが、支持部材21は樹脂製であってもよい。
【0039】
ガイドレール22は、スライダ3をガイドする機能を有している。ガイドレール22は、支持部材21の上面の中心軸線C1に直交する方向の中央部分に配置されている。ガイドレール22は、R方向に沿って延びている。リニアモータ固定子23は、複数の電磁石により構成されている。なお、本実施形態のガイドレール22は、支持部材21の上面の中心軸線C1に直交する方向の中央部分に配置されている例を示したが、ガイドレール22は、支持部材21の上面の中心軸線C1に直交する方向の中央部分からオフセットした位置に配置されてもよい。また、ガイドレール22は、支持部材21の上面ではなく、支持部材21の側面に設けられてもよい。
【0040】
図1に示すように、スライダ3は、周回経路102上に複数配置されている。複数のスライダ3はいずれも同じ構成を有しているので、複数のスライダ3のうちの1つについて説明する。
【0041】
スライダ3は、直線方向および曲線方向に沿って移動可能に構成されている。ここで、スライダ3は、ガイドレール12にガイドされることにより、直線方向に移動する。スライダ3は、ガイドレール22にガイドされることにより、曲線方向に移動する。ここで、直線方向とは、X方向に沿った移動方向である。また、曲線方向とは、R方向に沿った移動方向である。
【0042】
このように、スライダ3は、周回経路102上を直線的および曲線的にスライド移動するように構成されている。具体的には、図2および図3に示すように、スライダ3は、スライダフレーム31と、リニアモータ可動子32と、ブラケット33とを含んでいる。
【0043】
スライダフレーム31は、アルミニウムなどの金属材料により形成されている。リニアモータ可動子32は、スライダフレーム31のW方向において対向する一対の内側面34および内側面35の間に設けられた内上面36のW1方向側に設けられている。リニアモータ可動子32は、バックヨーク(図示せず)と、永久磁石(図示せず)とを有している。バックヨークは、永久磁石を保持するとともに磁路を形成する部材であり、鉄または鋼などの磁性体の鉄系材料で形成されている。永久磁石は、M方向においてN極およびS極が交互にZ2方向を向くように配置されている。永久磁石は、リニアモータ固定子13とZ方向において対向するように配置されている。ブラケット33は、磁気スケール4をスライダフレーム31に固定するための部材である。ブラケット33は、一対の内側面34および内側面35のうちのW2方向側の内側面34に設けられている。ブラケット33は、締結部材により、スライダフレーム31に固定されている。
【0044】
スライダ3では、互いに位相が異なる電流がリニアモータ固定子13(23)に供給されることによりコイルに生じる磁束と、リニアモータ可動子32の永久磁石の磁束との磁気的な相互作用によって、推進力が生成されている。すなわち、スライダ3は、上記推進力により、X方向またはR方向に移動可能である。
【0045】
(磁気スケール)
図2および図3に示すように、磁気スケール4は、直線的および曲線的にスライド移動するスライダ3の位置を測定するためのスケールである。磁気スケール4は、スライダ3に設けられている。ここで、磁気スケール4は、ブラケット33を介してスライダフレーム31に設けられている。磁気スケール4は、直線移動用磁気目盛41を磁気センサ5とZ方向に対向させるとともに、曲線移動用磁気目盛42を磁気センサ6とZ方向に対向させた状態で、スライダフレーム31の内側に配置されている。
【0046】
磁気スケール4は、ベース部40と、直線移動用磁気目盛41と、曲線移動用磁気目盛42とを含んでいる。
【0047】
〈ベース部〉
ベース部40は、フェライト素材等を用いた磁性体により形成された板状部材である。すなわち、ベース部40は、Z1方向側から見て、X方向を長手方向とする矩形形状を有している。ベース部40は、直方体形状を有している。ベース部40のZ方向の厚みは、ベース部40のY方向の幅よりも小さい。ベース部40には、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42が着磁されることにより記録されている。
【0048】
〈直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛〉
図2および図4に示すように、直線移動用磁気目盛41は、スライダ3が直線移動用駆動モジュール1上を移動している際に、スライダ3の位置を測定するためにベース部40に記録されている。直線移動用磁気目盛41は、ベース部40に一体的に設けられている。なお、図2および図4において、直線移動用磁気目盛41を図中に破線で示しているが、あくまで図中に直線移動用磁気目盛41を視覚化するためのイメージである。
【0049】
直線移動用磁気目盛41は、直線方向(X方向)に沿って直線状に形成されている。直線移動用磁気目盛41は、X方向(スライダ3の移動方向(M方向))において長さL1を有している。直線移動用磁気目盛41は、ベース部40に複数(3つ)設けられている。複数の直線移動用磁気目盛41の各々は、異なる着磁パターンを有している。すなわち、複数の直線移動用磁気目盛41の各々では、着磁パターンの周期および位相が異なっている。なお、直線移動用磁気目盛41は、ベース部40に3つではなく、ベース部40に2つ、または、4つ以上設けられてもよい。
【0050】
複数の直線移動用磁気目盛41は、複数のスライダ3の各々の識別および位置検出のために用いられている。ここで、スライダ3の位置は、着磁パターンの周期および位相が異なる複数の直線移動用磁気目盛41の各々の磁気の検出値の差分に対応して設定されている。
【0051】
図3および図5に示すように、曲線移動用磁気目盛42は、スライダ3が曲線移動用駆動モジュール2上を移動している際に、スライダ3の位置を測定するためにベース部40に記録されている。曲線移動用磁気目盛42は、ベース部40に一体的に設けられている。なお、図3および図5において、曲線移動用磁気目盛42を図中に破線で示しているが、あくまで図中に曲線移動用磁気目盛42を視覚化するためのイメージである。
【0052】
曲線移動用磁気目盛42は、曲線方向(R方向)に沿って曲線状に形成されている。曲線移動用磁気目盛42は、M方向において長さL2を有している。曲線移動用磁気目盛42は、ベース部40に複数(3つ)設けられている。複数の曲線移動用磁気目盛42の各々は、異なる着磁パターンを有している。すなわち、複数の曲線移動用磁気目盛42の各々では、着磁パターンの周期および位相が異なっている。なお、曲線移動用磁気目盛42は、ベース部40に3つではなく、ベース部40に2つ、または、4つ以上設けられてもよい。
【0053】
複数の曲線移動用磁気目盛42は、複数のスライダ3の各々の識別および位置検出のために用いられている。ここで、スライダ3の位置は、着磁パターンの周期および位相が異なる複数の曲線移動用磁気目盛42の各々の磁気の検出値の差分に対応して設定されている。
【0054】
(直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛の位置関係)
本実施形態では、図6に示すように、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42は、互いに離間した状態でベース部40に一体的に設けられている。直線移動用磁気目盛41と、曲線移動用磁気目盛42とは、ベース部40の異なる面に互いに離間した状態で一体的に設けられている。図6において、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を図中に破線で示しているが、あくまで図中に直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を視覚化するためのイメージである。
【0055】
具体的には、直線移動用磁気目盛41は、ベース部40の第1面40aに一体的に設けられている。第1面40aは、ベース部40のZ1方向側の上面である。直線移動用磁気目盛41は、磁気センサ5とZ方向に対向している(図2参照)。曲線移動用磁気目盛42は、ベース部40の第2面40bに一体的に設けられている。第2面40bは、ベース部40のZ2方向側の下面である。このように、第2面40bは、ベース部40において第1面40aの裏側に配置されている。曲線移動用磁気目盛42は、磁気センサ6とZ方向に対向している(図3参照)。
【0056】
また、図7および図8に示すように、スライダ3の移動方向(M方向)において、直線移動用磁気目盛41の一方側端部41aと、曲線移動用磁気目盛42の一方側端部42aとは、略同じ位置に配置されている。ここで、直線移動用磁気目盛41の一方側端部41aは、直線移動用磁気目盛41のM1方向側の端部である。曲線移動用磁気目盛42の一方側端部42aは、曲線移動用磁気目盛42のM1方向側の端部である。
【0057】
直線移動用磁気目盛41の他方側端部41bと、曲線移動用磁気目盛42の他方側端部42bとは、略同じ位置に配置されている。ここで、直線移動用磁気目盛41の他方側端部41bは、直線移動用磁気目盛41のM2方向側の端部である。曲線移動用磁気目盛42の他方側端部42bは、曲線移動用磁気目盛42のM2方向側の端部である。
【0058】
(磁気センサ)
図7に示すように、磁気センサ5は、直線移動用駆動モジュール1に設けられている。磁気センサ5は、直線移動用磁気目盛41の磁気を検出するように構成されている。磁気センサ5は、直線移動用磁気目盛41のX方向の長さL1(図4参照)に合わせて、M方向において所定ピッチで複数配置されている。所定ピッチは、長さL1よりも小さい間隔である。磁気センサ5は、複数の直線移動用磁気目盛41と対向するように、W方向において、所定ピッチで複数(3つ)配置されている。
【0059】
図8に示すように、磁気センサ6は、曲線移動用駆動モジュール2に設けられている。磁気センサ6は、曲線移動用磁気目盛42の磁気を検出するように構成されている。磁気センサ6は、曲線移動用磁気目盛42のM方向の長さL2(図5参照)に合わせて、R方向において所定ピッチで複数配置されている。所定ピッチは、長さL2よりも小さい間隔である。磁気センサ6は、複数の曲線移動用磁気目盛42と対向するように、中心軸線C1(C2)に直交する方向において所定ピッチで複数(3つ)配置されている。
【0060】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0061】
第1実施形態では、上記のように、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42は、互いに離間した状態で設けられている。これにより、直線移動用磁気目盛41と、曲線移動用磁気目盛42との距離を確保することができるので、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42同士の磁気干渉をより確実に抑制することができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、直線移動用磁気目盛41と、曲線移動用磁気目盛42とは、異なる面に互いに離間した状態で設けられている。これにより、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を同一部材の異なる面に設けることができるので、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の各々を異なる部材の面に設ける場合と比較して、搬送装置100の部品点数の増加を抑制することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、磁気スケール4は、スライダ3に設けられている。また、磁気センサ5および磁気センサ6は、それぞれ、直線移動用駆動モジュール1および曲線移動用駆動モジュール2に設けられている。これにより、直線移動用駆動モジュール1および曲線移動用駆動モジュール2は所定の場所に固定されるので、スライダ3のように移動する構成に磁気センサ5(8)を設ける場合と異なり、磁気センサ5(8)に電力を供給するための給電設備と磁気センサ5(8)との接続を容易に行うことができる。
【0064】
また、第1実施形態では、上記のように、スライダ3は、磁気センサ5および磁気センサ8のそれぞれに対して上下方向に直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42が対向する状態で、磁気スケール4が内側に配置されるスライダフレーム31を含む。これにより、磁気スケール4をスライダフレーム31の内側に収めることができるので、スライダフレーム31の大きさが同じであり、かつ、磁気スケール4をスライダフレーム31の外側に配置した場合と比較して、スライダ3の大型化を抑制することができる。
【0065】
また、第1実施形態では、上記のように、磁気スケール4は、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42が一体的に設けられたベース部40を含んでいる。これにより、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42が同一のベース部40に一体的に設けられるので、ベース部40が温度変化に起因して伸縮した場合でも、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42に対してベース部40の伸縮に応じたスライダ3の位置計測の誤差が生じるようにすることができる。したがって、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の各々の位置計測の誤差を略等しくすることができる。この結果、スライダ3の直線移動の際の位置計測の誤差に対する補正と、スライダ3の曲線移動の際の位置計測の誤差に対する補正とを、同じ補正値を用いて行うことができるので、位置取得のための制御を容易にすることができる。
【0066】
また、第1実施形態では、上記のように、ベース部40は、直線移動用磁気目盛41が設けられる第1面40aと、曲線移動用磁気目盛42が設けられ、第1面40aとは異なる面である第2面40bとを含んでいる。これにより、直線移動用磁気目盛41と曲線移動用磁気目盛42とが同一面において並んで配置される場合と比較して、直線移動用磁気目盛41と曲線移動用磁気目盛42とが並ぶ方向におけるベース部40の寸法の増大を抑制することができるので、搬送装置100の上記並ぶ方向における大型化を抑制することができる。
【0067】
また、第1実施形態では、上記のように、第2面40bは、ベース部40において第1面40aの裏側に配置されている。これにより、第1面40aがベース部40の表側の面を構成するとともに、第2面40bがベース部40の裏側の面を構成することにより、平面視において、直線移動用磁気目盛41と曲線移動用磁気目盛42とが重なるように配置することができるので、ベース部40のM方向における寸法が増大することを抑制することができる。
【0068】
また、第1実施形態では、上記のように、スライダ3の移動方向において、直線移動用磁気目盛41の一方側端部41aと、曲線移動用磁気目盛42の一方側端部42aとは、略同じ位置に配置されているとともに、直線移動用磁気目盛41の他方側端部41bと、曲線移動用磁気目盛42の他方側端部42bとは、略同じ位置に配置されている。これにより、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42のそれぞれのM方向(スライダ3の移動方向)における長さL1およびL2を略同じにすることができるので、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42のいずれか一方を設置スペースに合わせた最大の長さにした場合に、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42のいずれか他方も同じ最大の長さにすることができる。この結果、磁気センサ5(8)同士の間隔を最大の長さに合わせて配置することにより、磁気センサ5(8)同士の間隔を最大限にして磁気センサ5(8)を並べることができるので、スライダ3の位置計測を行うために必要な磁気センサ5および磁気センサ6の数を最小限の数にすることができる。
【0069】
[第2実施形態]
図9を参照して、第2実施形態による搬送装置200の磁気スケール204の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、磁気スケール204が、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の各々の磁気を遮断する磁気遮断板243を含んでいる。なお、第2実施形態では、第1実施形態の同じ構成については、詳細な説明を省略する。
【0070】
(ベース部)
図9に示すように、第2実施形態の磁気スケール204は、直線移動用磁気目盛41と、曲線移動用磁気目盛42との間に配置され、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の各々から発せられる磁気を遮断する磁気遮断板243を含んでいる。磁気遮断板243は、鉄などの強磁性体の金属により形成されている。図9において、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を図中に破線で示しているが、あくまで図中に直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を視覚化するためのイメージである。
【0071】
磁気遮断板243は、Z1方向側から見て、M方向を長手方向とする矩形形状を有している。磁気遮断板243は、直方体形状を有している。磁気遮断板243のZ方向の厚みは、磁気遮断板243のW方向の幅よりも小さい。磁気遮断板243の第1面243aには、複数(3つ)の直線移動用磁気目盛41が記録されたベース部240が取り付けられている。第1面243aは、磁気遮断板243のZ1方向側の上面である。磁気遮断板243の第2面243bには、複数(3つ)の曲線移動用磁気目盛42が記録されたベース部240が取り付けられている。第2面243bは、磁気遮断板243のZ2方向側の下面である。なお、直線移動用磁気目盛41は、2つ、または、4つ以上ベース部240に記録されていてもよい。また、曲線移動用磁気目盛42は、2つ、または、4つ以上ベース部240に記録されていてもよい。また、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同じであるので、説明を省略する。
【0072】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42は、互いに離間した状態で設けられている。これらにより、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42同士の磁気干渉をより確実に抑制することができる。
【0073】
また、第2実施形態では、上記のように、磁気スケール204は、直線移動用磁気目盛41と、曲線移動用磁気目盛42との間に配置され、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の各々から発せられる磁気を遮断する磁気遮断板243を有する。これにより、磁気遮断板243により直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42同士の磁気干渉を抑制することができるので、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42同士を離間する距離を減少させることができる。この結果、直線移動用磁気目盛41と、曲線移動用磁気目盛42との間に配置されるベース部240に必要とされる厚みを減少させることができるので、直線移動用磁気目盛41、曲線移動用磁気目盛42およびベース部240を含む磁気スケール204の大型化を抑制することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
【0074】
[第3実施形態]
図10を参照して、第3実施形態による搬送装置300の磁気スケール304の構成について説明する。第3実施形態では、第1実施形態とは異なり、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の両方が、ベース部340の同じ面に設けられている。なお、第3実施形態では、第1実施形態の構成と同じ構成については、説明を省略する。
【0075】
(ベース部)
図10に示すように、ベース部340は、フェライト素材等を用いた磁性体により形成された板状部材である。ベース部340は、Z1方向側から見て、M方向を長手方向とする矩形形状を有している。ベース部340は、直方体形状を有している。ベース部340のZ方向の厚みは、ベース部340のW方向の幅よりも小さい。ここで、図10において、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を図中に破線で示しているが、あくまで図中に直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を視覚化するためのイメージである。
【0076】
ここで、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の両方が、ベース部340の同一面340aに並んで設けられている。同一面340aは、ベース部340の上面である。直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42は、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の並ぶ方向において、互いに離間した状態でベース部340の同一面340aに設けられている。具体的には、複数の直線移動用磁気目盛41の一群と、複数の曲線移動用磁気目盛42の一群との間には、隔離スペースSが設けられている。
【0077】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0078】
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42は、互いに離間した状態で設けられている。これらにより、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42同士の磁気干渉をより確実に抑制することができる。
【0079】
また、第3実施形態では、上記のように、直線移動用磁気目盛41と、曲線移動用磁気目盛42とは、同一面340aに互いに離間した状態で設けられている。これにより、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を同一部材の同一面340aに設けることができるので、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の各々を異なる部材の面に設ける場合と比較して、搬送装置300の部品点数の増加を抑制することができる。
【0080】
また、第3実施形態では、上記のように、搬送装置100は、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42は、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の並ぶ方向において、互いに離間した状態でベース部340の同一面340aに設けられている。これにより、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42がベース部340の同一面340aに設けられることにより、上記同一面340aに垂直な方向に直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を並べて配置する場合と比較して、上記同一面340aに垂直な方向において直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を設置するためのスペースが増大することを抑制することができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
【0081】
[第4実施形態]
図11を参照して、第4実施形態による搬送装置400の磁気スケール404の構成について説明する。第4実施形態では、第1実施形態とは異なり、ベース部440において、第1面440aと、第2面440bとは、互いに略直交している。なお、第4実施形態では、第1実施形態の構成と同じ構成については、説明を省略する。
【0082】
(ベース部)
図11に示すように、ベース部440は、フェライト素材等を用いた磁性体により形成されている。ベース部440は、Z方向に沿った断面において略L字形状を有するアングル材である。なお、図11において、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を図中に破線で示しているが、あくまで図中に直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を視覚化するためのイメージである。
【0083】
ここで、直線移動用磁気目盛41は、ベース部440の第1面440aに記録されている。第1面440aは、ベース部440の内側面である。曲線移動用磁気目盛42は、ベース部440の第2面440bに記録されている。第2面440bは、ベース部440の内底面である。第2面440bと、第1面440aとは、互いに略直交している。
【0084】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0085】
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42は、互いに離間した状態で設けられている。これらにより、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42同士の磁気干渉をより確実に抑制することができる。
【0086】
また、第4実施形態では、上記のように、第2面440bと、第1面440aとは、互いに略直交している。これにより、第1面440aに直線移動用磁気目盛41を設けるとともに、第1面440aに略直交している第2面440bに曲線移動用磁気目盛42を設けるので、直線移動用磁気目盛41の磁気を検出する磁気センサ5を曲線移動用磁気目盛42の磁気を検出する磁気センサ6の近傍に配置することができる。この結果、磁気センサ5と、磁気センサ6とを配置するために必要な空間をコンパクトにすることができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
【0087】
[第5実施形態]
図12を参照して、第5実施形態による搬送装置500の磁気スケール504の構成について説明する。第5実施形態では、第1実施形態とは異なり、第2面540bと、第1面540aとは、互いに略直交している。なお、第5実施形態では、第1実施形態の構成と同じ構成については、説明を省略する。
【0088】
(ベース部)
図12に示すように、ベース部540は、フェライト素材等を用いた磁性体により形成されている。なお、図12において、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を図中に破線で示しているが、あくまで図中に直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を視覚化するためのイメージである。
【0089】
ここで、直線移動用磁気目盛41は、ベース部540の第1面540aに記録されている。第1面540aは、ベース部540の上面である。曲線移動用磁気目盛42は、ベース部540の第2面540bに記録されている。第2面540bは、ベース部540の外側面である。第2面540bと、第1面540aとは、互いに略直交している。第2面540bは、曲線移動用磁気目盛42の曲率に対応した湾曲面である。
【0090】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0091】
第5実施形態では、上記第1実施形態と同様に、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42は、互いに離間した状態で設けられている。これらにより、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42同士の磁気干渉をより確実に抑制することができる。
【0092】
また、第5実施形態では、上記のように、第2面540bと、第1面540aとは、互いに略直交している。第2面540bは、曲線移動用磁気目盛42の曲率に対応した湾曲面である。これにより、第2面540bの湾曲面がスライダ3の曲線方向に沿って形成されるので、第2面540bに設けられた曲線移動用磁気目盛42によりスライダ3の曲線移動の際の位置を適切に検出することができる。なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
【0093】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0094】
たとえば、上記第1~第5実施形態では、磁気スケール4(204、304、404および504)には、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42がベース部40(240、340、440および540)一体的に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図13に示す第1変形例のように、ベース部40ではなく、基材部640に1組の直線移動用磁気目盛41および2組の曲線移動用磁気目盛42が一体的に設けられてもよい。具体的には、搬送装置600は、磁気スケール604と、バックヨーク607とを備えている。磁気スケール604は、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42が設けられた基材部640を含んでいる。曲線移動用磁気目盛42は、曲線方向としての第1曲線方向に合わせて形成された第1曲線目盛部642aと、第1曲線方向とは異なる第2曲線方向に合わせて形成された第2曲線目盛部642bとを含んでいる。基材部640は、基材部640の下面を構成するとともに、直線移動用磁気目盛41が設けられた直線用位置検出面640aを含んでいる。基材部640は、直線用位置検出面640aから突出し、第1曲線目盛部642aが設けられた第1曲線用位置検出面640bを含んでいる。基材部640は、第1曲線用位置検出面640bと対向し、第2曲線目盛部642bが設けられた第2曲線用位置検出面640cを含んでいる。これにより、第1曲線目盛部642aおよび第2曲線目盛部642bにより、スライダ3の第1曲線方向、および、第2曲線方向の複数の曲線移動の際の位置計測を行うことができるので、互いに逆方向の曲線方向に曲線移動する場合にも位置計測を行うことができる。これにより、スライダ3が移動する経路の自由度を向上させることができる。ここで、磁気スケール604は、直線移動用磁気目盛41、第1曲線目盛部642aおよび第2曲線目盛部642bの各々を磁性体に着磁した後に基材部640に接着することにより形成されてもよい。また、磁気スケール604は、直線移動用磁気目盛41、第1曲線目盛部642aおよび第2曲線目盛部642bの各々を基材部640に接着した磁性体に着磁することにより形成されてもよい。また、磁気スケール604は、直線移動用磁気目盛41、第1曲線目盛部642aおよび第2曲線目盛部642bの各々を着磁した複数の磁性体を基材部640にインサート成形することにより形成されてもよい。
【0095】
また、上記第1~第5実施形態では、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の各々は、ベース部40(240、340、440および540)に一体的に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛の各々を着磁した磁性体が、ベース部に接着されてもよい。
【0096】
また、上記第1~第5実施形態では、磁気スケール4(204、304、404および504)は、スライダ3に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、磁気スケールは、駆動モジュールに設けられてもよい。この場合、磁気センサは、駆動モジュールではなくスライダに設けられる。
【0097】
また、上記第1実施形態では、磁気スケール4(204、304、404および504)は、スライダフレーム31の内側に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、磁気スケールは、スライダフレームの外側に配置されてもよい。
【0098】
また、上記第1~第3実施形態では、ベース部40(240、340、440および540)は、Z方向の厚みがY方向の幅よりも小さい薄板である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ベース部は、Y方向の厚みがZ方向の幅よりも小さい薄板であってもよい。
【0099】
また、上記第3実施形態では、同一面340aは、ベース部40(240、340、440および540)の上面である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、同一面は、上面以外の下面、側面などであってもよい。
【0100】
また、上記第1~第5実施形態では、搬送装置100(200、300、400、500)は、リニアモータによりスライダ3を周回経路102に沿って移動させるリニアコンベアである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、搬送装置は、ベルトコンベア駆動によりスライダを駆動させてもよい。また、搬送装置は、スライダの直線移動方向に直交する方向にスライダごと搬送する搬送機構を組み合わせた装置であってもよい。
【0101】
また、上記第1~第5実施形態では、スライダ3が移動する経路は、水平面内に設けられた環状の周回経路102である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スライダが移動する経路は、水平面に対して傾斜した坂を有する経路であってもよい。
【0102】
また、上記第1~第5実施形態では、スライダ3が移動する経路は、平面視において環状の周回経路102である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スライダが移動する経路は、周回経路ではなく、平面視においてJ字状の経路などであってもよい。
【0103】
また、上記第1~第5実施形態では、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42の各々は、3つずつ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、直線移動用磁気目盛および曲線移動用磁気目盛は、2または4つ以上設けられていてもよい。
【0104】
また、上記4実施形態では、ベース部440は、Z方向(上下方向)に沿った断面において略L字形状を有するアングル材である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ベース部は、上下方向において対向する第1面および第2面と、第1面と第2面とを接続する接続面とを有する略C字形状を有する部材であってもよい。
【0105】
また、上記第4および第5実施形態では、第2面440b(562)と、第1面440a(561)とは、互いに略直交している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2面と、第1面とは、鋭角または鈍角により交差してもよい。
【0106】
また、上記第1実施形態では、磁気スケール4は、直線移動用磁気目盛41を磁気センサ5とZ方向に対向させるとともに、曲線移動用磁気目盛42を磁気センサ6とZ方向に対向させた状態で、スライダフレーム31の内側に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。磁気スケールは、直線移動用磁気目盛を磁気センサと幅方向に対向させるとともに、曲線移動用磁気目盛を磁気センサと幅方向に対向させた状態で、スライダフレームの内側に配置されていてもよい。
【0107】
また、上記第2実施形態では、複数(3つ)の直線移動用磁気目盛41が記録されたベース部240が、磁気遮断板243の第1面243aに取り付けられているとともに、複数(3つ)の曲線移動用磁気目盛42が記録されたベース部240が、磁気遮断板243の第2面243bに取り付けられている例を示したが本発明はこれに限られない。本発明では、図14に示す第2変形例のように、直線移動用磁気目盛41が記録されたベース部740が、複数(3つ)磁気遮断板243の第1面243aに取り付けられていてもよい。また、曲線移動用磁気目盛42が記録されたベース部740が、複数(3つ)磁気遮断板243の第2面243bに取り付けられていてもよい。なお、直線移動用磁気目盛41が記録されたベース部740は、2つ、または、4つ以上、磁気遮断板243の第1面243aに取り付けられてもよい。また、曲線移動用磁気目盛42が記録されたベース部740が、2つ、または、4つ以上、磁気遮断板243の第2面243bに取り付けられていてもよい。また、図14において、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を図中に破線で示しているが、あくまで図中に直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を視覚化するためのイメージである。
【0108】
また、上記第2実施形態では、複数(3つ)の直線移動用磁気目盛41が記録されたベース部240が、磁気遮断板243の第1面243aに取り付けられているとともに、複数(3つ)の曲線移動用磁気目盛42が記録されたベース部240が、磁気遮断板243の第2面243bに取り付けられている例を示したが本発明はこれに限られない。本発明では、図15および図16に示す第3変形例のように、複数(3つ)の直線移動用磁気目盛41および複数(3つ)の曲線移動用磁気目盛42が記録されたベース部840が、磁気遮断板243にインサート成形されてもよい。なお、直線移動用磁気目盛41は、2つ、または、4つ以上ベース部840に記録されていてもよい。また、曲線移動用磁気目盛42は、2つ、または、4つ以上ベース部840に記録されていてもよい。また、図15および図16において、直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を図中に破線で示しているが、あくまで図中に直線移動用磁気目盛41および曲線移動用磁気目盛42を視覚化するためのイメージである。
【符号の説明】
【0109】
1 直線移動用駆動モジュール(駆動モジュール)
2 曲線移動用駆動モジュール(駆動モジュール)
3 スライダ
4、204、304、404、504 磁気スケール
5 磁気センサ
6 磁気センサ
31 スライダフレーム
40、240、340、440、540、740、840 ベース部
40a、440a、540a 第1面
40b、440b、540b 第2面
41 直線移動用磁気目盛
41a 一方側端部
41b 他方側端部
42 曲線移動用磁気目盛
42a 一方側端部
42b 他方側端部
100、200、300、400、500、600 搬送装置
243 磁気遮断板
340a 同一面
640 基材部
640a 直線用位置検出面
640b 第1曲線用位置検出面
640c 第2曲線用位置検出面
642a 第1曲線目盛部
642b 第2曲線目盛部
図1
図2
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図5
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