IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックセミコンダクターソリューションズ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-25
(45)【発行日】2025-04-02
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20250326BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20250326BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20250326BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H01L23/14 M
H01L21/60 311Q
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024559092
(86)(22)【出願日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 JP2024000297
(87)【国際公開番号】W WO2024157764
(87)【国際公開日】2024-08-02
【審査請求日】2024-10-03
(31)【優先権主張番号】63/440,617
(32)【優先日】2023-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520133916
【氏名又は名称】ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大橋 卓史
(72)【発明者】
【氏名】今村 武司
(72)【発明者】
【氏名】勝田 浩人
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-043164(JP,A)
【文献】国際公開第2018/123799(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/14
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイスダウン実装が可能な半導体装置であって、
半導体基板と、
前記半導体基板の表面側に形成された低濃度不純物層と、
前記半導体基板と前記低濃度不純物層とを合わせて半導体層とすると、
前記半導体層の第1の領域に形成された第1の縦型MOSトランジスタと、
前記半導体層の平面視において、前記第1の領域に隣接した第2の領域に形成された第2の縦型MOSトランジスタと、
前記半導体基板の裏面側全面に、接触接続する金属層と、
前記金属層の裏面側に、接着剤を介して接合された支持体と、を備え、
前記平面視において、前記支持体は前記半導体層よりも面積が大きく、かつ前記半導体層を内包し、
前記支持体の厚さは前記半導体層の厚さよりも大きく、
前記平面視において前記半導体層の中心と前記半導体層の外周とを含む、前記半導体装置の断面視において、前記半導体層の側面に沿った前記接着剤の高さは、前記半導体層の上面未満であり、
前記断面視において前記半導体装置のうち、前記支持体および前記接着剤を除いた半導体チップを見たとき、前記半導体チップは前記支持体に近付く方向に凸となる湾曲形状である
半導体装置。
【請求項2】
前記平面視において、前記半導体層は矩形状であり、
前記平面視における前記半導体層の外周において、前記半導体層の直下の前記接着剤の厚さは、前記平面視における前記半導体層の中心において、前記半導体層の直下における前記接着剤の厚さよりも大きい
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体チップの湾曲量をw[μm]、前記平面視において、前記半導体層の外周から前記支持体の外周までの最近接距離のうち、最小の長さをM[μm]とするとき、
-0.75×w+135.3≦M≦-1.5×w+270.6の関係が成り立つ
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記平面視において、前記半導体層の第1の方向に沿った辺の長さをL1[μm]、前記半導体層の前記第1の方向と直交する第2の方向に沿った辺の長さをL2[μm]、前記接着剤が前記半導体チップの外周からはみ出す長さをb[μm]とし、
前記平面視における、前記半導体チップの中心において、前記半導体チップの厚さをH[μm]、前記接着剤の厚さをT[μm]とするとき、
P×L1×L2/{b×(L1+L2)}<H+T+w(5[μm]≦P≦10[μm])の関係が成り立つ
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記断面視において、前記支持体は前記半導体チップに向かう方向に凸となる湾曲形状であり、
前記支持体の湾曲量は、前記半導体チップの湾曲量よりも小さい
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記断面視において、前記支持体は前記半導体チップから離れる方向に凸となる湾曲形状であり、
前記支持体の湾曲量は、前記半導体チップの湾曲量よりも小さい
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記平面視において、前記金属層の外周には前記接着剤の側に突き出る突起が備わり、
前記突起の前記断面視において、前記突起の高さは5[μm]以上となる箇所が備わる
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記金属層は多層構成であり、前記接着剤と接合する面はニッケルを含まない
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記接着剤は、導電性粒子を含有する導電性接着剤であって、200[℃]以下で熱硬化する樹脂からなる
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記支持体は金属から成り、
前支持体の導電率は、前記金属層と同等の導電率を備える
請求項3に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池を過充電、または/および、過放電から保護する目的で、1チップで双方向の導通を制御できるデュアル構成の縦型MOSトランジスタが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第4616413号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デュアル構成の縦型MOSトランジスタのオン抵抗を低くするには、デュアル構成の縦型MOSトランジスタ(以下、デュアル構成の縦型MOSトランジスタのことを「半導体チップ」とも称する)は、平面視における面積が大きく、半導体基板の薄い構造が好ましい。しかし、そのような構造では半導体チップの反りが大きくなり、また半導体チップの強度が低下する。特許文献1には、プリント回路基板を、導電性接着剤を介して剛性の金属板に貼り付ける構造が開示されている。
【0005】
そこで本開示は、導電性接着剤を介して剛性の金属板を貼り付ける構造において、平面視での剛性の金属板の面積をなるべく小さくすることのできるデュアル構成の縦型MOSトランジスタを備える半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、フェイスダウン実装が可能な半導体装置であって、半導体基板と、前記半導体基板の表面側に形成された低濃度不純物層と、前記半導体基板と前記低濃度不純物層とを合わせて半導体層とすると、前記半導体層の第1の領域に形成された第1の縦型MOSトランジスタと、前記半導体層の平面視において、前記第1の領域に隣接した第2の領域に形成された第2の縦型MOSトランジスタと、前記半導体基板の裏面側全面に、接触接続する金属層と、前記金属層の裏面側に、接着剤を介して接合された支持体と、を備え、前記平面視において、前記支持体は前記半導体層よりも面積が大きく、かつ前記半導体層を内包し、前記支持体の厚さは前記半導体層の厚さよりも大きく、前記平面視において前記半導体層の中心と前記半導体層の外周とを含む、前記半導体装置の断面視において、前記半導体層の側面に沿った前記接着剤の高さは、前記半導体層の上面未満であり、前記断面視において前記半導体装置のうち、前記支持体および前記接着剤を除いた半導体チップを見たとき、前記半導体チップは前記支持体に近付く方向に凸となる湾曲形状である半導体装置であることを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、デュアル構成の縦型MOSトランジスタにおいて、オン抵抗を低減しつつ、半導体チップの反りを軽減し、また半導体チップの強度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、半導体チップのオン抵抗を低減しつつ、半導体チップの反りを軽減し、さらに半導体チップの強度を向上した、デュアル構成の縦型MOSトランジスタを備える半導体装置を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す断面模式図である。
図2A図2Aは、実施形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す平面模式図である。
図2B図2Bは、実施形態1に係る半導体装置に流れる主電流を示す断面模式図である。
図3A図3Aは、実施形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す平面模式図である。
図3B図3Bは、実施形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す斜視模式図である。
図4A図4Aは、実施形態1に係る半導体装置の製造工程の一部を示すフロー図である。
図4B図4Bは、実施形態1に係る半導体装置をフェイスダウン実装する工程を示す断面模式図である。
図5A図5Aは、実施形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す断面SEM像である。
図5B図5Bは、実施形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す断面SEM像である。
図5C図5Cは、実施形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す断面SEM像である。
図6A図6Aは、実施形態1の比較例1に係る半導体装置の構造の一例を示す断面SEM像である。
図6B図6Bは、実施形態1の比較例1に係る半導体装置の構造の一例を示す断面SEM像である。
図7図7は、実施形態1に係る半導体チップの反り量と導電性接着剤のフィレットの底辺の長さの関係を示したグラフである。
図8A図8Aは、実施形態1の比較例2に係る半導体装置の構造の一例を示す断面SEM像である。
図8B図8Bは、実施形態1の比較例2に係る半導体装置の構造の一例を示す断面SEM像である。
図9図9は、実施形態1に係る半導体装置の構造の一例を示す断面SEM像である。
図10A図10Aは、実施形態1に係る変形例1の半導体装置の構造の一例を示す断面模式図である。
図10B図10Bは、実施形態1に係る変形例2の半導体装置の構造の一例を示す断面模式図である。
図11図11は、実施形態2に係る半導体装置の構造の一例を示す断面模式図である。
図12図12は、実施形態2に係る半導体装置の製造工程の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一態様に係る半導体装置の具体例について、図面を参照しながら説明する。ここで示す実施形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。従って、以下の実施形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置および接続形態は一例であって本開示を限定する趣旨ではない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0011】
(実施形態1)
[1.半導体装置の構造]
図1は半導体装置の構造の一例を示す断面図である。図2Aはその平面図であり、半導体装置は矩形状(正方形あるいは長方形)であることを除いて、大きさおよび形状は一例である。またパッドの大きさおよび形状ならびに配置も一例である。図2Bは、半導体装置に流れる主電流を模式的に示す断面図である。図1および図2Bは、図2AのI-Iに沿って切断したときの切断面である。
【0012】
図1および図2Bに示すように、半導体装置1は、半導体基板32と、金属層30と、半導体基板32上に形成された低濃度不純物層33と、を有する。本開示では半導体基板32と低濃度不純物層33とを合わせて半導体層40と称する。
【0013】
半導体基板32は、半導体層40の裏面側に配置され、第1導電型の不純物を含む第1導電型のシリコンからなる。低濃度不純物層33は、半導体層40の表面側に配置され、半導体基板32に接触して形成され、半導体基板32の第1導電型の不純物の濃度より低い濃度の第1導電型の不純物を含んで、第1導電型である。低濃度不純物層33は、例えば、エピタキシャル成長により半導体基板32上に形成されてもよい。
【0014】
図1および図2Aに示すように、半導体装置1は、半導体層40内の第1の領域A1に形成された第1の縦型MOSトランジスタ10(以下、「トランジスタ10」とも称する)と、半導体層40内の第2の領域A2に形成された第2の縦型MOSトランジスタ20(以下、「トランジスタ20」とも称する)と、を有する。
【0015】
ここで、図2Aに示すように、第1の領域A1と第2の領域A2とは、半導体層40の平面視において互いに隣接し、面積で半導体層40を二等分する一方と他方である。図2Aでは第1の領域A1と第2の領域A2の仮想的な境界線90を破線で示している(分かりやすさのために、境界線90を示す破線は半導体層40および半導体装置1の外部まで延長して示している)。なお、図2Aにおいて、第1の領域A1と第2の領域A2とを示す破線は分かりやすさのため半導体層40および境界線90とは厳密に一致させず、若干の余白を置いて内側に示しているが、実質的に第1の領域A1の外周と第2の領域A2の外周は半導体層40の外周および境界線90と一致するものである。
【0016】
金属層30は、半導体層40(半導体基板32)の裏面側に接触して形成され、例えば銀(Ag)もしくは銅(Cu)からなる。なお、金属層30には、金属材料の製造工程において不純物として混入する金属以外の元素が微量に含まれていてもよい。また、金属層30は半導体層40(半導体基板32)の裏面側全面に形成されており、金属層30の厚さは10[μm]以上であることが望ましい。
【0017】
支持体42は接着剤41を介して、金属層30の裏面側に間接的に接触して形成される。支持体42は、典型的には半導体層40の厚さの2倍以上の厚さであり、例えば面内で一様な200[μm]の厚さの平板金属板である。以降では支持体42を厚膜金属板42と称することもある。厚膜金属板42は、金属層30と同程度の導電率を有することが望ましく、例えば20[℃]における導電率が30×10[S/m]以上あり、典型的には銅(Cu)を主とする金属材料からなる。また接着剤41は、導電性であり、典型的には銀ペーストであり、以降では接着剤41を導電性接着剤41と称することもある。
【0018】
図1に示すように、本開示において、半導体装置1から支持体42と接着剤41とを除いた構造を半導体チップ2と称する。半導体チップ2は図1に示すように、支持体42に近付く方向に凸となる湾曲形状を成している。湾曲形状とは、例えば、反りに起因して生じる形状のことである。半導体チップ2の反り量とは、半導体チップ2を断面視したときの、半導体層40の上面または下面、あるいは金属層30の下面の中での、Z方向における最も高い位置と、最も低い位置との差異である。半導体チップ2に生じる反りが、支持体42に近付く方向に凸となる反りである場合、最も高い位置は平面視における半導体層40の外周、特に角部であり、最も低い位置は平面視における半導体層40の中心である。
【0019】
なお、平面視における半導体層40の中心とは、平面視における半導体層40の対角線の交点をいうものとする。また、本開示でいう半導体装置1の断面視とは、平面視で半導体チップ2における半導体層40の中心と、平面視で半導体チップ2における半導体層40の外周とを共に含んだ面で半導体装置1の断面を見るときのことをいうものとする。このときの半導体層40の外周は、半導体層40の外周における任意の位置でよい。
【0020】
図1および図2Aに示すように、半導体層40(低濃度不純物層33)の第1の領域A1には、第1導電型と異なる第2導電型の不純物を含む第1のボディ領域18が形成されている。第1のボディ領域18には、第1導電型の不純物を含む第1のソース領域14と、第1のゲート導体15、および第1のゲート絶縁膜16が形成されている。
【0021】
第1のゲート絶縁膜16は、半導体層40の上面から第1のソース領域14および第1のボディ領域18を貫通して低濃度不純物層33の一部までの深さに形成された複数の第1のゲートトレンチ17の内部に形成され、第1のゲート導体15は第1のゲートトレンチ17の内部で、第1のゲート絶縁膜16上に形成されている。第1のゲート導体15は半導体層40の内部に埋め込まれた、埋め込みゲート電極であり、第1のゲートパッド119に電気的に接続される。
【0022】
第1のソース電極11は部分12と部分13とからなり、部分12は、部分13を介して第1のソース領域14および第1のボディ領域18に接続されている。第1のソース電極11の部分12は、フェイスダウン実装におけるリフロー時にはんだと接合される層であり、限定されない一例として、ニッケル、チタン、タングステン、パラジウムのうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。部分12の表面には、金などのめっきが施されてもよい。
【0023】
第1のソース電極11の部分13は、部分12と半導体層40とを接続する層であり、限定されない一例として、アルミニウム、銅、金、銀のうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。
【0024】
第1のソース電極11の厚さは部分12および部分13を合わせて、例えば2[μm]以上8[μm]以下である。
【0025】
低濃度不純物層33の第2の領域A2には、第2導電型の不純物を含む第2のボディ領域28が形成されている。第2のボディ領域28には、第1導電型の不純物を含む第2のソース領域24と、第2のゲート導体25、および第2のゲート絶縁膜26が形成されている。
【0026】
第2のゲート絶縁膜26は、半導体層40の上面から第2のソース領域24および第2のボディ領域28を貫通して低濃度不純物層33の一部までの深さに形成された複数の第2のゲートトレンチ27の内部に形成され、第2のゲート導体25は第2のゲートトレンチ27の内部で、第2のゲート絶縁膜26上に形成されている。第2のゲート導体25は半導体層40の内部に埋め込まれた、埋め込みゲート電極であり、第2のゲートパッド129に電気的に接続される。
【0027】
第2のソース電極21は部分22と部分23とからなり、部分22は、部分23を介して第2のソース領域24および第2のボディ領域28に接続されている。第2のソース電極21の部分22は、フェイスダウン実装におけるリフロー時にはんだと接合される層であり、限定されない一例として、ニッケル、チタン、タングステン、パラジウムのうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。部分22の表面には、金などのめっきが施されてもよい。
【0028】
第2のソース電極21の部分23は、部分22と半導体層40とを接続する層であり、限定されない一例として、アルミニウム、銅、金、銀のうちのいずれか1つ以上を含む金属材料で構成されてもよい。
【0029】
第2のソース電極21の厚さは部分22および部分23を合わせて、例えば2[μm]以上8[μm]以下である。
【0030】
トランジスタ10およびトランジスタ20の上記構成により、半導体基板32は、トランジスタ10の第1のドレイン領域およびトランジスタ20の第2のドレイン領域が共通化された、共通ドレイン領域として機能する。低濃度不純物層33の、半導体基板32に接する側の一部も、共通ドレイン領域として機能する場合がある。なお、低濃度不純物層33はトランジスタ10およびトランジスタ20に共通するドリフト層でもあり、本明細書中ではドリフト層33とよぶこともある。
【0031】
また金属層30はトランジスタ10のドレイン電極およびトランジスタ20のドレイン電極が共通化された、共通ドレイン電極として機能する。接着剤41が銀ペーストであり、支持体42が厚膜金属板である場合、金属層30だけでなく、導電性接着剤41と厚膜金属板42も共通ドレイン電極として機能する。
【0032】
図1に示すように、第1のボディ領域18および第1のソース領域14は、開口を有する層間絶縁層34で覆われ、層間絶縁層34の開口を通して、第1のボディ領域18および第1のソース領域14に接続される第1のソース電極11の部分13に接続されている。層間絶縁層34および第1のソース電極11の部分13は、開口を有するパッシベーション層35で覆われ、パッシベーション層35の開口を通して第1のソース電極11の部分13に接続される部分12に接続されている。
【0033】
第2のボディ領域28および第2のソース領域24は、開口を有する層間絶縁層34で覆われ、層間絶縁層34の開口を通して、第2のボディ領域28および第2のソース領域24に接続される第2のソース電極21の部分23に接続されている。層間絶縁層34および第2のソース電極21の部分23は、開口を有するパッシベーション層35で覆われ、パッシベーション層35の開口を通して第2のソース電極21の部分23に接続される部分22に接続されている。
【0034】
したがって複数の第1のソースパッド111および複数の第2のソースパッド121は、それぞれ第1のソース電極11および第2のソース電極21が半導体装置1の表面に部分的に露出した領域、いわゆる端子の部分を指す。同様に、1以上の第1のゲートパッド119および1以上の第2のゲートパッド129は、それぞれ第1のゲート電極19(図1図2A図2Bには図示せず)および第2のゲート電極29(図1図2A図2Bには図示せず)が半導体装置1の表面に部分的に露出した領域、いわゆる端子の部分を指す。
【0035】
ところで本開示では、平面視で、第1の領域A1には第1の縦型MOSトランジスタ10を構成するものだけが備わり、第2の領域A2には第2の縦型MOSトランジスタ20を構成するものだけが備わるとする。また境界線90とは、第1のソース電極11の部分13と、第2のソース電極21の部分23との間隔の中央位置をたどる仮想線と捉えてよい。また、有限の幅となるが当該間隔そのものと捉えてもよい(当該間隔の場合であっても、肉眼あるいは低倍率での外観では線として認識することができる)。
【0036】
半導体装置1において、例えば、第1導電型をN型、第2導電型をP型として、第1のソース領域14、第2のソース領域24、半導体基板32、および、低濃度不純物層33はN型半導体であり、かつ、第1のボディ領域18および第2のボディ領域28はP型半導体であってもよい。
【0037】
また、半導体装置1において、例えば、第1導電型をP型、第2導電型をN型として、第1のソース領域14、第2のソース領域24、半導体基板32、および、低濃度不純物層33はP型半導体であり、かつ、第1のボディ領域18および第2のボディ領域28はN型半導体であってもよい。
【0038】
[2.デュアル構成の縦型MOSトランジスタの動作]
以下の説明では、トランジスタ10とトランジスタ20とが、第1導電型をN型、第2導電型をP型とした、いわゆるNチャネル型トランジスタの場合として、半導体装置1の導通動作について説明する。
【0039】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ、半導体装置1のX方向およびY方向に繰り返し形成される、トランジスタ10(またはトランジスタ20)の略単位構成の、平面図および斜視図である。図3Aおよび図3Bでは、分かりやすさのために半導体基板32と金属層30、導電性接着剤41、厚膜金属板42、さらにパッシベーション層35と第1のソース電極11(または第2のソース電極21)、層間絶縁層34は図示していない。
【0040】
トランジスタ10の構造とトランジスタ20の構造とは同様である。このため、以下では、略単位構成について、トランジスタ10の符号を用いて説明する。
【0041】
Y方向とは、半導体層40の上面と平行し、第1のゲートトレンチ17が延在する方向である。またX方向とは、半導体層40の上面と平行し、Y方向に直交する方向のことをいう。Z方向とはX方向にもY方向にも直交し、半導体装置の高さ方向を示す方向のことをいう。本開示ではY方向のことを第1の方向、X方向のことを第2の方向、Z方向のことを第3の方向と表すこともある。
【0042】
図3Aおよび図3Bに示すように、トランジスタ10には、第1のボディ領域18と第1のソース電極11とを電気的に接続する第1の接続部18aが備わる。第1の接続部18aは、第1のボディ領域18のうち、第1のソース領域14が形成されていない領域であり、第1のボディ領域18と同じ第2導電型の不純物を含む。第1のソース領域14と第1の接続部18aとは、Y方向に沿って交互に、かつ周期的に繰り返し配置される。トランジスタ20についても同様である。
【0043】
半導体装置1において、第1のソース電極11に高電圧および第2のソース電極21に低電圧を印加し、第2のソース電極21を基準として第2のゲート電極29(第2のゲート導体25)にしきい値以上の電圧を印加すると、第2のボディ領域28中の第2のゲート絶縁膜26の近傍に導通チャネルが形成される。その結果、第1のソース電極11-第1の接続部18a-第1のボディ領域18-低濃度不純物層33-半導体基板32-金属層30-導電性接着剤41-厚膜金属板42-導電性接着剤41-金属層30-半導体基板32-低濃度不純物層33-第2のボディ領域28に形成された導通チャネル-第2のソース領域24-第2のソース電極21という経路で主電流が流れて半導体装置1が導通状態となる。この導通経路における、第2のボディ領域28と低濃度不純物層33との接触面にはPNジャンクションがあり、ボディダイオードとして機能している。
【0044】
同様に、半導体装置1において、第2のソース電極21に高電圧および第1のソース電極11に低電圧を印加し、第1のソース電極11を基準として第1のゲート電極19(第1のゲート導体15)にしきい値以上の電圧を印加すると、第1のボディ領域18中の第1のゲート絶縁膜16の近傍に導通チャネルが形成される。その結果、第2のソース電極21-第2の接続部28a-第2のボディ領域28-低濃度不純物層33-半導体基板32-金属層30-導電性接着剤41-厚膜金属板42-導電性接着剤41-金属層30-半導体基板32-低濃度不純物層33-第1のボディ領域18に形成された導通チャネル-第1のソース領域14-第1のソース電極11という経路で主電流が流れて半導体装置1が導通状態となる。この導通経路における、第1のボディ領域18と低濃度不純物層33との接触面にはPNジャンクションがあり、ボディダイオードとして機能している。
【0045】
図2Bに双方向の主電流の流れを模式的に矢印で示した。水平方向(X方向)の主電流の流れは、金属層30、導電性接着剤41、厚膜金属板42および半導体基板32の各層でそれぞれ生じる。金属層30と厚膜金属板42の抵抗率は他の層に比べて低いので、金属層30あるいは厚膜金属板42を厚くすることで、主電流経路の断面積が拡大し、半導体装置1のオン抵抗を低減することができる。
【0046】
[3.半導体装置の製造方法]
半導体装置1の製造方法について説明する。
【0047】
図4Aは、本実施形態1における半導体装置1の製造工程の一部を簡易に示したものである。後に個片化される各々のデュアル構成の縦型MOSトランジスタの構造は、工程501までにシリコンウェーハ上にグリッド状に形成される。
【0048】
次に工程502において、シリコンウェーハ(後に個片化される各々のデュアル構成の縦型MOSトランジスタで見れば半導体基板32に相当する)の裏面側が薄化加工される。工程502における薄化加工では、半導体層40の厚さが15[μm]以上100[μm]以下となるように制御されることが望ましく、さらに望ましくは15[μm]以上75[μm]以下となるように制御されることが望ましい。
【0049】
次に工程503において、シリコンウェーハの薄化加工された裏面側全面に金属層30が形成される。金属層30は、例えば複数の金属層が含まれる多層構成であってもよいが、次の工程504において、導電性接着剤41と接触接続する面は、銀(Ag)もしくは銅(Cu)を主材料とすることが望ましい。複数の金属層は、蒸着、スパッタ、めっき、いずれの方法で個別に形成されてもよい。工程503における金属層形成では、金属層30の厚さは10[μm]以上あることが望ましい。
【0050】
次に工程504でシリコンウェーハにブレードを用いたダイシングをおこない、各々のデュアル構成の縦型MOSトランジスタが個片化される。個片化されたデュアル構成の縦型MOSトランジスタは、まだ厚膜金属板42が接合されていない状態にあるため、先に説明した、半導体チップ2と呼ぶことのできる状態にある。
【0051】
工程504ではシリコンウェーハと共に、工程503でシリコンウェーハの裏面側に形成された金属層30も切断されるが、物理的にブレードで押し出される金属層30は、半導体チップ2の側面に沿って延伸する。このため個片化された半導体チップ2の金属層30の外周には、半導体チップ2の裏面側下方(-Z方向)に向かって延伸した突起(いわゆるバリ)が形成される。
【0052】
なおブレードによるダイシングは一例であり、デュアル構成の縦型MOSトランジスタの個片化はブレードダイシング以外の方法、例えば、レーザーを用いたダイシングでもよい。ただしレーザーを用いたダイシングでは、突起は形成されにくい。
【0053】
次に工程505では、あらかじめ銀ペースト等の導電性接着剤41が塗布された厚膜金属板42を準備し、半導体チップ2の金属層30の裏面側を接合する。通常は、導電性接着剤41が押し込まれる量が、例えば5[μm]~10[μm]で設定され、さらに硬化を経た接合後の導電性接着剤41の厚さが狙いの値(例えば20[μm]~60[μm])になるように計算して、導電性接着剤41を厚膜金属板42の表面に塗布しておく。
【0054】
導電性接着剤41は、金属層30の裏面側と厚膜金属板42を接合するための接着剤である。導電性接着剤41は、硬化を経て厚膜金属板42が接合された後の状態で見るとき、金属層30の裏面側全面が導電性接着剤41で満遍なく被覆されることが望ましい。
【0055】
厚膜金属板42は、平面視で、半導体基板32の面積を上回る面積のものを選択し、接合においては、平面視で、金属層30の外周から、最近接する厚膜金属板42の外周まで、概ね等しい幅で余白を設けるように位置合わせをおこなう。一例としては図2Aに示すように、厚膜金属板42は半導体層40の相似形状である。半導体層40と厚膜金属板42とが相似形状であるとは、平面視で半導体層40と厚膜金属板42とが同じ形状で面積だけが異なることを指す。
【0056】
また厚膜金属板42は、巨視的には厚さが面内で一様であり、段差や凹凸形状を持たない、いわゆる平板であると、半導体層40を接合するのに都合がよい。本実施形態1では厚膜金属板42は平板であるとして説明する。
【0057】
接合時は、相対的に面積の大きい厚膜金属板42を受け側として、相対的に面積の小さい半導体チップ2を合わせるようにすることが一般的である。平面視で金属層30の裏面から、導電性接着剤41がはみ出ていてもよい。導電性接着剤41がはみ出る量は、平面視で、半導体層40の外周に沿って一様であっても、そうでなくてもよい。図2Aでは一例として、導電性接着剤41のはみ出しが一様である場合を示している。またはみ出した導電性接着剤41は、図1に示すように半導体チップ2の側面に沿って一部這い上がり、概ね三角形状のフィレットを形成する。
【0058】
工程505においては、銀ペースト等の導電性接着剤41を硬化させるために、半導体チップ2を合わせた状態で、厚膜金属板42を高温下で熱処理する。熱処理の温度は200[℃]以下であることが望ましく、例えば170[℃]である。導電性接着剤41は170[℃]付近から硬化し、金属層30と厚膜金属板42が接合して半導体装置1となる。
【0059】
なお厚膜金属板42を170[℃]へ高温化する熱処理時に、半導体チップ2は反りを生じる。上述したように、半導体層40の厚さは望ましくは15[μm]以上75[μm]以下であり、第1のソース電極11および第2のソース電極21の厚さは2[μm]以上8[μm]以下である。金属層30の厚さは望ましくは10[μm]以上であり、この厚さの構成において、170[℃]における半導体チップ2は、厚膜金属板42に近付く方向(図1における断面視で-Z方向)に凸となる反りを生じる。
【0060】
図4Bは半導体装置1をフェイスダウン実装する際の模式図である。
【0061】
[4.考察]
以降は本実施形態1における半導体装置1が奏する効果について説明する。
【0062】
デュアル構成の縦型MOSトランジスタでは、導通時のオン抵抗を低減するために、半導体基板32(半導体層40)を薄くし、金属層30を厚くすることが求められる。そのような構成の半導体チップ2は、高温で-Z方向に凸となる反りを生じやすくなる。半導体層40を薄くするほど、金属層30を厚くするほど高温時に生じる反りは大きくなる。
【0063】
特に、オン抵抗の低いデュアル構成の縦型MOSトランジスタが求められる場合、チャネルの総ゲート幅を増大させる目的で、半導体チップ2の平面視での面積を大きくすることが有効である。しかし面積が大きいと、半導体チップ2に生じる反りは顕著に増大してしまう。
【0064】
半導体チップ2を実装基板にフェイスダウン実装する際は、はんだ接合材を用いて240[℃]程度まで高温化するリフロー処理をおこなう必要がある。半導体チップ2の240[℃]における反り量が40[μm]を超えると、反りの向きに依らず実装不具合が生じやすくなることが分かっており、半導体チップ2の反り量は40[μm]を下回るように抑制することが求められる。
【0065】
本実施形態1に係る半導体装置1において、半導体チップ2を厚膜金属板42へ接合するのは、240[℃]よりも低い170[℃]付近であるため、半導体チップ2の反り量を170[℃]付近で生じる程度の反り量で固定することができる。導電性接着剤41として、例えば銀ペーストのように再溶融しない材料を選択すれば、図4Bに示すように、半導体装置1を実装基板にフェイスダウン実装するときのリフロー処理(240[℃])で、厚膜金属板42に既に接合された半導体チップ2の反りが増大することはない。
【0066】
したがって本実施形態1に係る半導体装置1の構成は、半導体チップ2としての反り量が大きくなる構造、すなわち半導体層40の厚さが薄く、かつ半導体チップ2の平面視での面積が大きく、さらに金属層30の厚さが厚い半導体チップ2に対して特に有効である。また、厚膜金属板42が十分に厚ければ、厚膜金属板42が半導体チップ2に対する支持体の役割を果たすので、半導体層40を薄くすることによる半導体チップ2の強度低下を補うことができる。
【0067】
ただし本実施形態1に係る半導体装置1では、導電性接着剤41を介して半導体チップ2を厚膜金属板42に貼り合わせる際、図1で模式的に示すように、半導体チップ2からはみ出した導電性接着剤41は半導体チップ2の側面に一部這い上がり、断面視で概ね三角形状のフィレットを形成する。そのため平面視において、厚膜金属板42の面積が半導体層40の面積に比べて十分に大きくないと、導電性接着剤41のはみ出しが厚膜金属板42の内部に収まらない懸念がある。
【0068】
また断面視において、はみ出した導電性接着剤41が半導体チップ2の上面まで這い上がると、半導体装置1が短絡する可能性があるため、導電性接着剤41が厚膜金属板42の表面から半導体チップ2の側面に沿って這い上がる高さ(導電性接着剤41のフィレットの高さ)は、半導体層40の上面未満でなければならない。
【0069】
したがって、本実施形態1に係る半導体装置1では、(1)導電性接着剤41のフィレットの底辺の長さの分だけ、導電性接着剤41のはみ出しがあることを考慮して平面視での厚膜金属板42の面積を準備し、(2)導電性接着剤41のフィレットの高さ分だけ、導電性接着剤41の這い上がりがあることを考慮して半導体チップ2の厚さを調整する必要がある。
【0070】
本実施形態1に係る半導体装置1は、半導体チップ2の湾曲を制御することで、上記(1)に対しては平面視での厚膜金属板42の適切な大きさを規定し、上記(2)に対しては導電性接着剤41のはみだし出し(フィレット)に起因する半導体チップ2の短絡を防ぐことができる。
【0071】
まず上記(1)について説明する。
【0072】
上述したように、本実施形態1に係る半導体装置1において、厚膜金属板42は平面視で半導体チップ2、ならびに半導体チップ2からはみ出る導電性接着剤41を内包するサイズである必要がある。そのため、半導体チップ2を厚膜金属板42に接合させることにより、平面視において、半導体装置1の面積は半導体チップ2の面積よりも大きくならざるを得ない。
【0073】
平面視において、半導体装置1の面積がなるべく半導体チップ2の面積から大きくならないようにするためには、厚膜金属板42の面積をできるだけ小さくする必要があり、そのためには、導電性接着剤41がはみ出す長さを抑制することが重要となる。
【0074】
そこで本実施形態1に係る半導体装置1は、金属層30の厚さを10[μm]以上となるように設定して、170[℃]における半導体チップ2の反りが支持体42に近付く方向(-Z方向)に凸となるように制御されている。
【0075】
図1に示すように、厚膜金属板42から見て金属層30の裏面が近付く方向(-Z方向)に凸となるように反ると、半導体チップ2の外周は反りによって、支持体42から相対的に離れる方向(+Z方向)に湾曲することとなる。半導体チップ2がこのような湾曲形状となると、半導体チップ2の外周では導電性接着剤41の押さえつけが軽減するため、導電性接着剤41が半導体チップ2からはみ出す長さを抑制する効果を享受できる。
【0076】
したがって半導体装置1は、半導体装置1の断面視において、半導体装置1のうち、厚膜金属板42および導電性接着剤41を除いた半導体チップ2を見たとき、半導体チップ2は厚膜金属板42に近付く方向に凸となる湾曲形状であることが望ましい。言い換えると、平面視における半導体層40の外周において、半導体層40の直下の導電性接着剤41の厚さは、平面視における半導体層40の中心において、半導体層40の直下における導電性接着剤41の厚さよりも厚くなることが望ましい。
【0077】
図5A図5B図5Cに、本実施形態1に係る半導体装置1を実装基板にフェイスダウン実装したときの断面SEM像を示す。図5Bは、図5Aの破線で囲まれた部分の拡大断面SEM像であり、図5Cは、図5Bの破線で囲まれた部分の拡大断面SEM像である。図5A図5B図5Cに示す半導体装置1において、半導体層40の厚さは53[μm]、第1のソース電極11および第2のソース電極21の厚さは4[μm]、金属層30の厚さは10[μm]であり、厚膜金属板42の厚さは200[μm]である。
【0078】
図5Bおよび図5Cにおける水平線Aは、平面視での半導体層40の中心における半導体層40と金属層30との界面位置を、平面視での半導体層40の外周まで延長して示したものである。また図5Cにおける水平線Bは、平面視での半導体層40の外周における半導体層40と金属層30との界面位置を示したものである。
【0079】
図5Cにおいて、水平線Aは水平線Bよりも厚膜金属板42に近い側(-Z方向)にあり、水平線Aと水平線BとのZ方向の間隔は10[μm]である。したがって、半導体チップ2は厚膜金属板42に近付く方向(-Z方向)を凸として反った形状を成しており、その反り量は10[μm]である。
【0080】
図5Cに示すよう、半導体チップ2の反り量が10[μm]のとき、導電性接着剤41のはみ出し長さ(導電性接着剤41のフィレットの底辺の長さ)は128[μm]であり、厚膜金属板42は半導体チップ2の外周から128[μm]以上の余白を持つ必要がある。
【0081】
ここで、図6A図6Bに本実施形態1に係る比較例1の断面SEM像を示す。図6Bは、図6Aの破線で囲まれた部分の拡大断面SEM像である。図6A図6Bに示す半導体装置1において、半導体層40の厚さは53[μm]、第1のソース電極11および第2のソース電極21の厚さは4[μm]、金属層30の厚さは3[μm]であり、厚膜金属板42の厚さは200[μm]である。この厚さの構成において、半導体チップ2は厚膜金属板42から離れる方向(+Z方向)を凸として反った形状を成しており、その反り量は2[μm]である。
【0082】
図6Bに示すよう、半導体チップ2が+Z方向に2[μm]反った場合、導電性接着剤41がはみ出す長さ(導電性接着剤41のフィレットの底辺の長さ)は150[μm]であり、本実施形態1に係る半導体装置1において、半導体チップ2が-Z方向に10[μm]反った際に形成される導電性接着剤41のフィレットの底辺の長さ128[μm]よりも大きいことが分かる。
【0083】
すなわち半導体チップ2が-Z方向に凸となるように反ることで、半導体チップ2の外周では導電性接着剤41の押さえつけが軽減し、平面視で半導体チップ2から導電性接着剤41がはみ出す長さを軽減する効果が得られる。そこで発明者らは、厚膜金属板42の適切な大きさを規定する目的で、本実施形態1に係る半導体装置1における、半導体チップ2の反り量と導電性接着剤41のはみ出し長さ(導電性接着剤41のフィレットの底辺の長さ)との関係について検討した。
【0084】
図7に導電性接着剤41のフィレットの底辺の長さと、半導体チップ2の反り量の関係を表したグラフを示す。横軸は半導体チップ2の反り量w[μm]であり、縦軸ははみ出した導電性接着剤41が形成するフィレットの底辺の長さb[μm]である。半導体層40の厚さは53[μm]とし、金属層30の厚さを調整することで反り量の異なる半導体チップ2を作製し、各反り量のときの導電性接着剤41のフィレットの底辺の長さをプロットしている。
【0085】
〇印のプロットは、導電性接着剤41の押込み量が5[μm]のときの、導電性接着剤41のフィレットの底辺の長さbと半導体チップ2の反り量wとの関係であり、bとwはb=-0.75×w+135.3の関係にある。また□印のプロットは、導電性接着剤41の押込み量が10[μm]のときの、導電性接着剤41のフィレットの底辺の長さbと半導体チップ2の反り量wとの関係であり、bとwはb=-1.5×w+270.6の関係にある。
【0086】
導電性接着剤41の押込み量とは、工程505における接合の際に金属層30と導電性接着剤41との密着性を担保するため、金属層30の裏面側全面が導電性接着剤41で満遍なく被覆されてから、さらに半導体チップ2が厚膜金属板42側に押込まれる量のことである。
【0087】
平面視での半導体層40の面積をS[μm]、導電性接着剤41の押込み量をP[μm]としたとき、導電性接着剤41のはみ出し量はS×P[μm]となるため、導電性接着剤41の押込み量が大きくなるにともない、導電性接着剤41のはみ出し量は多くなる。導電性接着剤41がはみ出す量をなるべく抑制し、かつ金属層30と導電性接着剤41の密着性を安定して確保するためには、導電性接着剤41の押込み量は5[μm]~10[μm]の範囲であることが望ましい。
【0088】
本実施形態1に係る半導体装置1において、平面視で厚膜金属板42が導電性接着剤41のはみ出し分を内包するためには、導電性接着剤41の押込み量が5[μm]~10[μm]の範囲のときの、導電性接着剤41のフィレットの底辺の長さ分だけ余白を確保したらよい。したがって、平面視において、半導体層40の外周から厚膜金属板42の外周までの最近接距離のうち最小の長さをM[μm]とすると、-0.75×w135.3(〇印のプロット線)≦M≦-1.5×w+270.6(□印のプロット線)の関係が成立していればよく、この範囲を上回って厚膜金属板42の面積を拡大する必要はない。半導体チップ2の反りの方向と反り量wを調整することで、厚膜金属板42の面積を小さくすることが可能となるのである。
【0089】
なお、平面視において、半導体層40の外周から厚膜金属板42の外周までの最近接距離のうち最小の長さをMというのは、工程504の説明において述べた余白のことである。すなわち、一例として、平面視で金属層30の外周から、最近接する厚膜金属板42の外周まで、概ね等しい幅で設ける余白のうち、最小の長さをいう。
【0090】
ただし発明者らが検討した結果、半導体チップ2の170[℃]における反り量が30[μm]を上回ると、半導体チップ2の外周で、金属層30と導電性接着剤41の物理的な密着性が悪化し、導電性接着剤41と金属層30とが剥がれてしまうことがある。
【0091】
図8A図8Bに、本実施形態1に係る比較例2の断面SEM像を示す。図8Bは、図8Aの破線で囲まれた部分の拡大断面SEM像である。図8A図8Bに示す半導体装置1において、半導体層40の厚さは40[μm]、第1のソース電極11および第2のソース電極21の厚さは4[μm]、金属層30の厚さは25[μm]であり、厚膜金属板42の厚さは200[μm]である。この厚さの構成において、半導体チップ2は厚膜金属板42に近付く方向(-Z方向)を凸として反った形状を成しており、その反り量は35[μm]である。
【0092】
図8Bに示すよう、半導体チップ2の反り量が35[μm]のとき、半導体チップ2の外周で金属層30と導電性接着剤41との間に空間が生じ、金属層30と導電性接着剤41が密着していないことが分かる。このように反り量が大きすぎると、平面視における金属層30の外周付近で導電性接着剤41が剥がれてしまう懸念がある。したがって、金属層30と厚膜金属板42との接合の密着性を安定して確保しながら、導電性接着剤41のはみ出し量を軽減するためには、半導体チップ2の170[℃]における反り量は、30[μm]以下であることが好ましい。
【0093】
半導体チップ2の高温時の反りの方向(湾曲の方向ともいう)と反り量(湾曲量ともいう)は、半導体層40、第1のソース電極11および第2のソース電極21、金属層30の、それぞれの線膨張係数やヤング率などの物性値と、それぞれの厚さとの関係で決まる。
【0094】
第1のソース電極11および第2のソース電極21を構成する金属種と、金属層30を構成する金属種とは、線膨張係数が近い値であることが多いため、半導体チップ2の反りの方向は、金属層30と、第1のソース電極11および第2のソース電極21の厚さとの関係だけで決まることが多い。
【0095】
第1のソース電極11の厚さおよび第2のソース電極21の厚さは、典型的にはそれぞれ2[μm]以上8[μm]以下であるため、-Z方向に凸となる反りへ制御するためには金属層30の厚さは、10[μm]以上にすることが望ましい。金属層30の厚さを、第1のソース電極11の厚さおよび第2のソース電極21の厚さよりも厚くすることで、高温時には金属層30でより大きな熱応力が発生し、半導体チップ2は金属層30が備わる方向(-Z方向)を凸とする湾曲形状になるためである。
【0096】
なお反り量に関しては、半導体層40と、金属層30の厚さとの相対的な関係で決まり、半導体層40が薄いほど、また金属層30が厚いほど大きくなる。したがって、半導体層40と金属層30の厚さとを調整することで、半導体チップ2の170[℃]における反り量を、30[μm]以下に制御することが可能となる。
【0097】
ところで本実施形態1に係る半導体装置1では、導電性接着剤41が厚膜金属板42の表面に塗布される量、および導電性接着剤41の押込み量が一定、かつ導電性接着剤41を介した金属層30と厚膜金属板42との接合の密着性が安定して確保できているとき、導電性接着剤41が半導体チップ2からはみ出す体積(導電性接着剤41のフィレットの体積)は一定となる。導電性接着剤41のフィレットの体積が一定の間、導電性接着剤41のフィレットの高さ(導電性接着剤41が厚膜金属板42の表面から半導体チップ2の側面に沿って這い上がる量)は、導電性接着剤41のフィレットの底辺の長さに依存して変化する。
【0098】
次に、上記(2)について説明する。
【0099】
本実施形態1に係る半導体装置1において、平面視での半導体層40の長辺の長さをL1[μm]、短辺の長さをL2[μm](半導体層40が正方形の場合L1=L2)としたとき、導電性接着剤41が半導体チップ2からはみ出る量は、L1×L2×P[μm]となる。また、半導体チップ2からはみ出した導電性接着剤41は、断面視で概ね三角形状のフィレットを形成するので、導電性接着剤41のフィレットの高さをht[μm]とすると、導電性接着剤41のフィレットの体積は、(b×ht/2)×2×(L1+L2)[μm]となる。ただし、平面視で導電性接着剤41のはみ出る量は半導体層40の外周に沿って一様であると仮定している。
【0100】
導電性接着剤41が半導体チップ2からはみ出る量L1×L2×P[μm]と、導電性接着剤41のフィレットの体積b×ht/2)×2×(L1+L2)[μm]とは等しいため、導電性接着剤41のフィレットの高さは、ht=P×L1×L2/{b×(L1+L2)}となる。なお半導体チップ2の反り量は30[μm]以下であり、金属層30と厚膜金属板42との間で導電性接着剤41が剥がれていないことを前提としている。
【0101】
導電性接着剤41が半導体チップ2の上面まで這い上がると、半導体装置1が短絡する可能性があるため、導電性接着剤41が厚膜金属板42の表面から半導体チップ2の側面に沿って這い上がる量(導電性接着剤41のフィレットの高さ)は、半導体層40の上面未満でなければならない。
【0102】
本実施形態1に係る半導体装置1では、半導体チップ2が支持体42に近付く方向(-Z方向)に凸となるように制御されており、半導体チップ2の外周は反りによって、支持体42から相対的に離れる方向(+Z方向)に湾曲している。半導体チップ2がこのような湾曲形状となると、平面視での半導体チップ2の外周において、厚膜金属板42の表面から半導体チップ2の上面までの距離は長くなるため、半導体チップ2からはみ出した導電性接着剤41が半導体チップ2の上面まで這い上がることを防止する効果を享受できる。
【0103】
本実施形態1に係る半導体装置1において、平面視で半導体チップ2の中心における、半導体チップ2の厚さをH[μm]、導電性接着剤41の厚さをT[μm]としたとき、ht<H+T+wの関係が成立すると、導電性接着剤41が半導体層40の上面まで這い上がることはない。
【0104】
すなわち、半導体チップ2の反りの向きと量を制御することで、平面視で半導体チップ2からはみ出す導電性接着剤41の長さを抑制することができ、かつ断面視で半導体チップ2からはみ出した導電性接着剤41が半導体チップ2の上面まで這い上がることを防止することが可能となる。
【0105】
ところで図9は、本実施形態1に係る半導体装置1の外周の断面SEM像である。図9に示すように、金属層30は導電性接着剤41と接合する面において、厚膜金属板42に向かう方向(-Z方向)に突起物を有することがある。一例として、この突起物は、半導体チップ2をウェーハ状態からブレードを用いて個片化する際に、金属層30が物理的に押し伸ばされて形成されるバリであり、バリである場合、平面視において、金属層30の外周に沿って連続的に形成されることが多い。
【0106】
本実施形態1に係る半導体装置1では、半導体チップ2の外周でバリの高さが金属層30の裏面から5[μm]以上となる箇所が部分的にでも備わると、金属層30と導電性接着剤41の接合に対して、アンカー効果としての役割を果たし、導電性接着剤41との密着性を向上させる効果がある。
【0107】
さらに発明者らが検討した結果、金属層30と導電性接着剤41との密着性において、導電性接着剤41と接合する金属層30の面は、ニッケル(Ni)以外の金属種であることが望ましく、典型的には銀(Ag)もしくは銅(Cu)を主材料とすると、金属層30と導電性接着剤41との接合の密着性を安定して確保できることが分かった。
【0108】
以下では本実施形態1に係る半導体装置1の変形例について説明する。
【0109】
図10Aに、実施形態1に係る半導体装置1の変形例1の断面模式図を示す。変形例1に係る半導体装置1では、支持体42が、半導体チップ2に向かう方向に凸となる湾曲形状を有している。支持体42の湾曲形状とは、例えば、導電性接着剤41を介して金属層30と支持体42を接合する際の熱処理時に支持体42の反りに起因して生じる形状のことである。支持体42の反り量とは、支持体42を断面視したときの、支持体42の上面または下面の中で、Z方向における最も高い位置と、最も低い位置との差異である。支持体42に生じる反りが、半導体チップ2に向かう方向に凸となる反りである場合、最も高い位置は平面視における支持体42の中心であり、最も低い位置は平面視における支持体42の外周、特に外周にある角部である。
【0110】
支持体42の反りの方向や反り量は、170[℃]で生じる半導体チップ2の反り量と、支持体42の厚さまたは/および材質、さらに導電性接着剤41の厚さまたは/および材質、あるいは接合の条件を調整して制御することができる。最も容易な調整の仕方は、支持体42の厚さを薄くすることである。支持体42の厚さを薄くすると、半導体装置1が完成した時点での支持体42の反り量を増大させることができるが、半導体装置1としての剛性が低減する。このため目安として、支持体42の厚さは、支持体42の反り量が、半導体チップ2の反り量よりも小さくなるように設計されることが好ましい。
【0111】
図10Aに示すように、半導体装置1において、支持体42の湾曲量が半導体チップ2の湾曲量よりも小さいうえで、支持体42が半導体チップ2に向かう方向に凸となる湾曲形状を有する場合、支持体42が湾曲形状でない場合に比べて導電性接着剤41の押さえつけが軽減するので、平面視で導電性接着剤41が半導体層40からはみ出す長さを抑制することができる。
【0112】
図10Bに、実施形態1に係る半導体装置1の変形例2の断面模式図を示す。変形例2に係る半導体装置1では、支持体42が、半導体チップ2から離れる方向に凸となる湾曲形状を有している。図10Bに示すように、半導体装置1において、支持体42の湾曲量が半導体チップ2の湾曲量よりも小さいうえで、支持体42が半導体チップ2から離れる方向に凸となる湾曲形状を有する場合、支持体42が湾曲形状でない場合に比べて、平面視で半導体層40の中心付近において半導体チップ2と導電性接着剤41との間にボイドが生じることを防止することができる。
【0113】
(実施形態2)
以下、実施形態1に係る半導体装置1から、一部の構成が変更されて成る実施形態2に係る半導体装置100について説明する。
【0114】
実施形態2に係る半導体装置100は、実施形態1に係る厚膜金属板であった支持体42が、絶縁性支持体420へ変更される例となっている。
【0115】
ここでは、実施形態2に係る半導体装置100について、実施形態1に係る半導体装置1と同様の構成要素については、既に説明済みであるとして同じ符号を振ってその詳細な説明を省略し、半導体装置1との相違点を中心に説明する。
【0116】
[1.半導体装置の構成]
図11に、実施形態2に係る半導体装置100の断面模式図を示す。実施形態1に係る半導体装置1から、支持体42が絶縁性支持体420へ変更されるところが異なる。
【0117】
[2.半導体装置の製造方法]
図12に実施形態2に係る半導体装置100の製造過程の一部を簡易に示した。工程501~504は実施形態1に係る半導体装置1の製造過程と同様である。工程506は実施形態1における工程505に相当する工程である。
【0118】
本実施形態2では、工程506において半導体チップ2が絶縁性支持体420へ接合される。工程506では、あらかじめ絶縁性支持体420の上面に導電性接着剤41を塗布する。導電性接着剤41は、例えば銀ペーストであり、170[℃]への高温化で硬化し、半導体チップ2と絶縁性支持体420とを接合する。
【0119】
[3.考察]
本実施形態に係る半導体装置100では、絶縁性支持体420を用いるため、実施形態1に係る厚膜金属板よりも剛性を向上させることができる。剛性の良好な素材として、例えばシリコン基板がある。シリコン基板を絶縁性支持体420として使用する場合、実施形態1に係る半導体装置1において、厚膜金属板を用いたのと同じ効果を、より薄い寸法で実現することができる。
【0120】
また本開示に係る半導体装置は、金属層30を備えているため、これを導通経路として十分に低いオン抵抗を実現することができる。したがって本実施形態2の半導体装置100が有用となるのは、半導体層40の裏面側に金属層30を備えている半導体チップ2の場合である。
【0121】
実施形態1に係る半導体装置1と同様、本実施形態2に係る半導体装置100でも、半導体チップ2における金属層30の存在により、170[℃]において半導体チップ2に生じる反りの向きを、支持体42に近付く方向に凸とすることができる。
【0122】
以上、本開示の一態様に係る半導体装置について、実施形態1~2および変形例1~2に基づいて説明したが、本開示は、これら実施形態および変形例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形をこれら実施の形態に施したものや、異なる実施形態および変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本願発明に係る縦型MOSトランジスタを備える半導体装置は、電流経路の導通状態を制御する装置として広く利用できる。
【符号の説明】
【0124】
1、100 半導体装置
2 半導体チップ
10 トランジスタ(第1の縦型MOSトランジスタ)
11 第1のソース電極
12、13 部分
14 第1のソース領域
15 第1のゲート導体
16 第1のゲート絶縁膜
17 第1のゲートトレンチ
18 第1のボディ領域
18a 第1の接続領域
19 第1のゲート電極
20 トランジスタ(第2の縦型MOSトランジスタ)
21 第2のソース電極
22、23 部分
24 第2のソース領域
25 第2のゲート導体
26 第2のゲート絶縁膜
27 第2のゲートトレンチ
28 第2のボディ領域
28a 第2の接続領域
29 第2のゲート電極
30 金属層
32 半導体基板
33 低濃度不純物層(ドリフト層)
34 層間絶縁層
35 パッシベーション層
40 半導体層
41 接着剤(導電性接着剤)
42 支持体(厚膜金属板)
90 境界線
111 第1のソースパッド
119 第1のゲートパッド
121 第2のソースパッド
129 第2のゲートパッド
420 絶縁性支持体
A1 第1の領域
A2 第2の領域
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12