(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】判定システム、及び判定方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/617 20240101AFI20250327BHJP
G05D 1/46 20240101ALI20250327BHJP
G05D 1/223 20240101ALI20250327BHJP
G05D 1/224 20240101ALI20250327BHJP
【FI】
G05D1/617
G05D1/46
G05D1/223
G05D1/224
(21)【出願番号】P 2024510584
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 JP2022014970
(87)【国際公開番号】W WO2023187891
(87)【国際公開日】2023-10-05
【審査請求日】2024-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】520036042
【氏名又は名称】株式会社RedDotDroneJapan
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 望
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/168080(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/241411(WO,A1)
【文献】特開2017-142850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得部と、
前記対象フィールドに対する飛行体の設置位置を含む設定情報を取得する設置情報取得部と、
前記飛行体を前記対象フィールドに配置して前記飛行体の位置測位により取得した測定位置を含む測定情報と、前記設定情報とを比較することにより、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に設置されているか否かを判定する比較照合部と、を備える、判定システム。
【請求項2】
前記設置情報取得部は、前記設置位置に加えて、前記対象フィールドに対する飛行体の設置機首方向を含む前記設定情報を取得し、
前記飛行体を前記対象フィールドに配置して前記飛行体の位置測位及び方位測定によりそれぞれ取得した測定機体位置及び測定機首方向を含む測定情報と、前記設定情報とを比較することにより、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に前記
設置機首方向で設置されているか否かを判定する比較照合部と、を備える、請求項1に記載の判定システム。
【請求項3】
前記測定情報と前記設定情報とが一致しない場合に、前記飛行
体の離陸を制限する飛行制限部、比較結果に関する情報をユーザに通知する照合結果通知部の少なくともいずれかを備える、ことを特徴とする、請求項
2に記載の判定システム。
【請求項4】
前記照合結果通知部は、前記測定情報と前記設定情報とが一致しない場合に、飛行体を操縦するための操縦装置の表示部に前記測定機体位置と前記設置位置を共に表示する、あるいは前記測定機体位置から前記設置位置への移動方向と移動距離をベクトル又は数値で通知する、請求項3に記載の判定システム。
【請求項5】
前記比較照合部は、前記測定情報と前記設定情報とが一致しない場合に、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に設置されていないと判定する、請求項1に記載の判定システム。
【請求項6】
前記設置情報取得部は、ユーザの要求に基づいて、前記対象フィールドにおける前記設置位置及び設置機首方向の少なくとも一方を決定する、請求項1に記載の判定システム。
【請求項7】
前記フィールド情報取得部は、前記記憶部に登録された前記フィールドのうち、ユーザの要求に基づいて、前記対象フィールドを決定する、請求項1に記載の判定システム。
【請求項8】
前記測定情報と、前記設定情報とを比較することにより、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に設置されていると前記比較照合部が判定した場合に前記飛行体を離陸させ、前記飛行体により上空で撮影された前記対象フィールドの撮影画像により推定した前記対象フィールドの位置座標と、前記登録情報とを比較する、請求項1に記載の判定システム。
【請求項9】
前記飛行体を離陸させた後、前記設置位置から垂直に上昇した位置でホバリングした状態で前記対象フィールドを撮影する、または前記設置位置から垂直に上昇した位置でヨー回転しながら前記対象フィールドを撮影する、請求項8に記載の判定システム。
【請求項10】
前記撮影画像により推定した前記対象フィールドの位置座標と前記登録情報が一致しない場合に、前記飛行体を前記設置位置に着陸させる、又はその場でホバリングさせる、又は自動操縦から手動操縦に制御モードを切り替える、又は前記対象フィールドの位置座標の測量指示あるいは前記飛行体の設置位置の変更指示を通知する、
請求項8又は9に記載の判定システム。
【請求項11】
前記対象フィールドの形状情報と、前記登録情報に含まれる位置座標の情報との比較により、前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出する座標診断部をさらに備え、
前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出した場合に、前記飛行体の離陸を禁止する制御を行う、またはユーザに通知する、請求項1に記載の判定システム。
【請求項12】
前記登録情報に含まれる位置座標の情報により、前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出する座標診断部をさらに備え、
前記座標診断部は、前記登録情報に含まれる前記対象フィールド端点間の距離、前記対象フィールドの長辺と短辺の長さの比率、前記対象フィールドのコーナーの角度、前記対象フィールドの相対する辺の長さ、前記対象フィールドの複数点の高さ方向の座標の差、の少なくともいずれかにより、前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出する請求項1に記載の判定システム。
【請求項13】
前記座標診断部により前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出した場合に、ユーザに再測量の提案を通知する、請求項11又は12に記載の判定システム。
【請求項14】
判定システムのフィールド情報取得部が、1つ又は複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得ステップと、
前記判定システムの設置情報取得部が、前記対象フィールドに対する飛行体の設置位置を含む設定情報を取得する設置情報取得ステップと、
前記判定システムの比較照合部が、前記飛行体を前記対象フィールドに配置して前記飛行体の位置測位により取得した測定位置を含む測定情報と、前記設定情報とを比較することにより、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に設置されているか否かを判定する比較照合ステップと、を備える、判定方法。
【請求項15】
1つ又は複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得部と、
前記対象フィールドに対する飛行体の設置位置を含む設定情報を取得する設置情報取得部と、
前記対象フィールドの形状に関するフィールド形状情報を取得するフィールド形状取得部と、
前記飛行体を前記対象フィールドに配置して前記飛行体の位置測位により取得した測定位置を含む測定情報と前記フィールド形状情報とから前記対象フィールドの位置座標を推定し、
推定した前記対象フィールドの位置座標の推定情報と、前記フィールド情報取得部で取得した前記対象フィールドの位置座標の登録情報とを比較することにより、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に設置されているか否かを判定する比較照合部と、を備える、判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、判定システム、及び判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無人航空機やドローンに関して、例えば特許文献1には、測量機等により予め飛行エリアの端点の位置座標を測量することにより、飛行エリアを定義することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ドローンを飛行させようとする対象フィールドをユーザが誤って選択してしまうと、ドローンがユーザの意図しない方向へ飛行することになるため、より高い安全性を確保するためには指定された対象フィールドとユーザが飛行させようとしているフィールドとが一致していることを確認することが望ましい。また、ドローンの離陸時は人と接触する可能性があるため、予め決められた離陸位置からドローンを離陸させることが望ましい。また、事前に登録された対象フィールドの位置座標の情報と実際の対象フィールド位置に差異がある場合には、対象フィールドの外側に飛行体がはみ出して飛行するリスクが有る。
【0005】
そこで、本開示は上記3点の課題の少なくともいずれかに鑑みてなされたものであり、その目的は、ドローンの飛行時の安全性を高めることが可能な判定システム、及び判定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得部と、前記対象フィールドにおいて飛行体を設置するための設置位置及び設置方位を含む設定情報を取得する設置情報取得部と、前記飛行体を前記対象フィールドの所定位置に所定向きで配置して前記飛行体の位置測位及び方位測定によりそれぞれ取得した測定位置及び測定方位を含む測定情報と、前記設定情報とを比較することにより、前記飛行体が適切な位置に設置されているか否かを判定する比較照合部と、を備える判定システムが提供される。
【0007】
また、本開示によれば、複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得ステップと、前記対象フィールドにおいて飛行体を設置するための設置位置及び設置方位を含む設定情報を取得する設置情報取得ステップと、前記飛行体を前記対象フィールドの所定位置に所定向きで配置して前記飛行体の位置測位及び方位測定によりそれぞれ取得した測定位置及び測定方位を含む測定情報と、前記設定情報とを比較することにより、前記飛行体が適切な位置に設置されているか否かを判定する比較照合ステップと、を備える、判定方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ドローンの飛行時の安全性を高めることが可能な判定システム、及び判定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの構成例を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係るシステムの他の構成例を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係るシステムの他の構成例を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係るシステムの他の構成例を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係るドローンの機能ブロックを示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る操縦装置の機能ブロックを示す図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係るサーバの機能ブロックを示す図である。
【
図8】本開示の一実施形態に係るシステムの動作フローを示すフローチャート図である。
【
図9】本開示の一実施形態に係る表示部で表示される複数のフィールドの表示例を示す図である。
【
図10】本開示の一実施形態に係る表示部で表示される対象フィールド、設置位置及び設置方位の表示例を示す図である。
【
図11】本開示の一実施形態に係るシステムの測定フローを示すフローチャート図である。
【
図12】本開示の一実施形態に係るシステムの比較・照合フローを示すフローチャート図である。
【
図13】本開示の一実施形態に係る表示部で表示される照合結果の表示例を示す図である。
【
図14】本開示の一実施形態に係る登録情報と測定情報との比較・照合の一例を示す図である。
【
図15】本開示の一実施形態に係る登録情報と測定情報との比較・照合の他の例を示す図である。
【
図16】本開示の一実施形態に係る登録情報と測定情報との比較・照合の他の例を示す図である。
【
図17】本開示の一実施形態に係るシステムの測定フローの他の例を示すフローチャート図である。
【
図18】本開示の一実施形態に係るシステムの比較・照合フローの他の例を示すフローチャート図である。
【
図19】本開示の一実施形態に係る登録情報と測定情報との比較・照合の一例を示す図である。
【
図20】本開示の一実施形態に係る登録情報と測定情報との比較・照合の一例を示す図である。
【
図21】本開示の一実施形態に係る登録情報と測定情報との比較・照合の一例を示す図である。
【
図22】本開示の一実施形態に係るシステムの測定フローの他の例を示すフローチャート図である。
【
図23】本開示の一実施形態に係るシステムの比較・照合フローの他の例を示すフローチャート図である。
【
図24】本開示の一実施形態に係る登録情報と測定情報との比較・照合の一例を示す図である。
【
図25】本開示の一実施形態に係る登録情報と測定情報との比較・照合の一例を示す図である。
【
図26】本開示の一実施形態に係る表示部で表示される対象フィールドと飛行ジオフェンスの一例を示す図である。
【
図27】本開示の一実施形態に係る登録情報に含まれる誤りの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、以下に示す実施の形態は、一例を表すにすぎず、その用途、目的又は規模等に応じて、他の既知の要素や代替手段を採用できる。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態としての移動体の一例としてドローンを用いたシステム1の全体構成の概要を示す。システム1は、撮影機能を有するドローン100と、操縦者がドローン100を操作するための操縦装置200と、インターネット回線等のネットワーク400を介して操縦装置200に接続されるサーバ300(例えばクラウドサーバ)と、を備えることができる。ドローン100は衛星500から衛星信号を受信することが可能であり、受信した衛星信号に基づいて、GNSSを用いて自機の位置などを推定することができる。また、RTK(Real Time Kinematic)などの相対測位に用いる固定局の基準点の情報を提供する基地局600を更に備え、基地局がドローン及び操縦装置と無線通信可能に接続されることで、ドローンの位置をより高い精度で計測することが可能となる。ここで、VRS(Virtual Reference Station)による仮想基準点方式を用いたRTK計測を行う場合には、基地局600を省略、もしくは、基地局やドローンの位置座標推定の精度をさらに向上することができる。
【0012】
ここで、操縦装置200は、ドローンやサーバから取得したドローンのステータス情報などを操縦者に表示する表示部210と、操縦者がドローンを操縦する際に飛行方向や離陸/着陸などの動作指令を入力する入力部220と、を備えており、表示部210と入力部220は、互いに有線又は無線で通信可能に接続されている。また、表示部210と入力部220の少なくともいずれかは、Wi-Fi、2.4GH、5.6~5.8GHの周波数帯域を用いた無線通信によりドローンと無線通信を行う通信機能を備えている。更に、表示部210と入力部220の少なくともいずれかは、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格を利用してインターネット回線を介してサーバと通信を行うことができる無線通信機能を備えている。
図1に示す構成例では、ドローンは操縦装置200を介してサーバと通信を行うため、ドローンと操縦装置が直接無線通信を行うことが可能な距離に存在する場合(例えば、操縦者による有視界飛行など)に適したシステム構成であるが、これに限られない。
【0013】
図2~
図4は、本システムの全体構成の変形例である。
図2に示すシステム2の例では、インターネット回線等のネットワーク400を介して、ドローンと操縦装置とサーバと基地局とがそれぞれ相互に通信可能に接続されている。ここで、
図1に示す構成例とは異なり、ドローンは操縦装置を介さずにLTEなどの通信方法によって直接インターネット回線400と無線通信を行うため、ドローンと操縦装置及び基地局は、直接無線通信を行う必要がなく、遠隔地においてそれぞれインターネット回線に接続できれば良い。そのため、ドローンと操縦装置が遠隔地に存在する場合(例えば、操縦者が遠隔操作を行う場合など)に適したシステム構成であるが、これに限られない。
【0014】
次に、
図3に示すシステム3の例では、インターネット回線等のネットワーク400を介して、ドローンと操縦装置と基地局とサーバとがそれぞれ相互に通信可能に接続され、かつドローン及び基地局は衛星500を介した衛星通信によりインターネット回線と通信接続される例を示している。また、
図4に示すシステム4の例では、1台のドローンに対して、複数のサーバが複数のインターネット回線を介して接続されるシステム冗長化の例を示している。この場合、サーバ、又はインターネット回線に異常が生じた場合であっても、冗長化された他のサーバやインターネット回線によりシステムの動作を継続することができるため、システムの信頼性を向上させることができる。なお、
図3,4においても、ドローンと操縦装置は遠隔地にあっても操縦可能であるため、遠隔操作に適した構成ではあるが、これに限られず、操縦者がドローンを見ながら手動制御する有視界飛行にも適用可能である。
【0015】
<ドローンの構成>
本願明細書において、ドローンとは、動力手段(電力、原動機等)、操縦方式(無線であるか有線であるか、および、完全自律飛行型であるか部分手動操縦型であるか等)を問わず、また有人か無人かを問わず、複数の回転翼を有し、自律的に姿勢制御を行う機能を有する飛行体全般を指すこととする。またドローンは、無人航空機(Unmanned aerial vehicle:UAV)、飛行体、マルチコプター(Multi Copter)、RPAS(remote piloted aircraft systems)、又はUAS(Unmanned Aircraft Systems)等と称呼されることがある。また、本願明細書において、ジオフェンスとは、仮想的な境界線を示すものであり、特に、ドローンなどの移動体が飛行又は移動が許可される飛行許可エリアと飛行禁止エリアの境界線のフェンスを示すものとする。そのため、ドローンなどの移動体がジオフェンスに接触した場合には、飛行許可エリアの外側に機体が飛び出さないように飛行又は移動が制限される。
【0016】
図5に示すように、本例のドローン100は、測定部110、飛行機能部120、画像取得部130を備える。なお、図示例の機能ブロックは参考構成であり、適宜変更が可能である。ドローン100は情報処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置を備える。
【0017】
測定部110は、機体の位置(絶対位置)を測定するための位置測定部111と、機首の方向(ヘディング方向)を測定するための方位測定部112を備える。位置測定部は、特に限定されないが、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)、GPS(Global Positioning System)等を用いて、現時点での自己位置を測定する。自己位置の測定方法として、例えば、RTK-GNSS(Real Time Kinematic - Global Navigation Satellite System)を用いることもできる。位置情報は、少なくとも平面視での2次元での座標情報(例えば緯度、経度)を含み、好ましくは高度情報を含む3次元での座標情報を含む。位置測定部は、GPS衛星等の衛星からの信号を受信し、それに基づいて測位(位置の特定)を行う。方位測定部は、例えば地磁気の測定によりドローンの機体の機首方向(ヘディング方向)を測定する地磁気センサ、あるいはコンパス、GNSSコンパス等で構成される。なお、測定部は他にも、温度、気圧、風速、加速度、角速度、速度(GNSSドップラー、GPSドップラーなど)等の情報を取得する種々のセンサ(IMU、6軸GYRO)等を含んでもよい。
【0018】
飛行機能部120は、浮上し、所望の方向に移動するための推力を機体に発生させるための推力発生部121と、離陸から飛行中、着陸までの機体の姿勢角制御及び飛行動作を制御するための飛行制御部122とを備える。
【0019】
推力発生部は、回転翼と、回転翼を回転させる動力源となるモータ及びバッテリー、あるいはエンジン等を備える。また、回転翼には、障害物に対するプロペラの干渉を防ぐためのプロペラガードを設けてもよい。推力発生部を構成する回転翼の数は特に限定されないが、例えば1機、2機、4機、6機、8機の回転翼を備えることができる。回転翼は単独のプロペラで構成されていてもよいし、同軸配置された複数のプロペラで構成されていてもよい。各プロペラの羽根(ブレード)枚数、形状は特に限定されない。
【0020】
飛行制御部は、フライトコントローラとも呼ばれる処理ユニットを有する。処理ユニットは、プログラマブルプロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)、MPU又はDSP)などの1つ以上のプロセッサを有することができる。処理ユニットは、メモリ(記憶部)にアクセス可能である。メモリは、1つ以上のステップを行うために処理ユニットが実行可能であるロジック、コード、および/またはプログラム命令を記憶している。メモリは、例えば、SDカードやランダムアクセスメモリ(RAM)などの分離可能な媒体または外部の記憶装置を含んでいてもよい。カメラやセンサ類から取得した各種データは、メモリに直接に伝達されかつ記憶されてもよい。例えば、カメラ131で撮影した静止画または動画のデータを内蔵メモリ又は外部メモリに記録することができる。
【0021】
処理ユニットは、ドローン100の機体の状態を制御するように構成された制御モジュールを含んでいる。例えば、制御モジュールは、6自由度(並進運動x、y及びz、並びに回転運動θx、θy及びθz)を有するドローン100の空間的配置、姿勢角角度、角速度、角加速度、角躍度速度、および/または加速度を調整するためにドローン100の推力発生部を制御する。制御モジュールは、カメラ保持部、センサ類のうちの1つ以上を制御することができる。飛行制御部は、操縦装置200からの操縦信号に基づいて、あるいは予め設定された自律飛行プログラムに基づいて、ドローン100の飛行を制御することができる。また飛行制御部は、撮影対象のフィールドエリア、これに対応する飛行ジオフェンスの情報、2次元又は3次元の地図データを含む地図情報、ドローン100の現在の位置情報、姿勢情報(機首方向情報)、速度情報、及び加速度情報等の各種情報及びこれらの任意の組み合わせに基づいて推力発生部を制御することにより、ドローン100の飛行を制御することができる。
【0022】
画像取得部130は、カメラ131(撮像装置)と、カメラ保持部132とを備える。カメラ131は、静止画及び動画の少なくとも何れかを取得し、(更に、必要に応じてマイクにより音声を取得し)ドローン100自体の記憶部、操縦装置200、サーバ300等にデータを送信することができる。カメラ保持部132は、カメラ131を機体に保持する。カメラ保持部132は、機体に対するカメラ131の位置及び姿勢(方向)の少なくとも何れかを変更可能なものであってもよいし、そうでなくてもよい。カメラ保持部132は、機体の揺れ、振動がカメラ131に伝わるのを抑制する機構を有していてもよい。
【0023】
<操縦装置の構成>
操縦装置200は、例えば
図6に示すように、表示部210及び入力部220を備える。また操縦装置200は、情報処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置を備える。
【0024】
表示部210は、操縦装置に一体に組み込まれたタッチパネルまたは液晶モニタ等で構成されていてもよいし、操縦装置に有線接続又は無線接続された液晶モニタ、タブレット端末、スマートフォン等の表示装置で構成されていてもよい。表示部は、複数のフィールド、対象フィールド、撮影対象フィールドエリア、これに対応する飛行ジオフェンス、地図情報、ドローン100の現在の位置情報、姿勢情報(方向情報)、速度情報、及び加速度情報、ドローンのバッテリ残量、撮影対象フィールドエリアを測量する際のドローンの設置位置等の各種情報に関する画像を表示することができる。
【0025】
入力部220は、操縦者等のユーザによる各種の入力、あるいは、ドローン100もしくはサーバ300から送信される信号に基づく入力を受け付ける。本例の入力部220は、操縦入力部221、フィールド形状入力部228、測定地点入力部223、測定実行入力部224、再測定要否入力部225、フィールドエリア修正入力部226、及びジオフェンス修正入力部227を備える。
【0026】
操縦入力部221は、離陸、着陸、上昇、下降、旋回、前進、後退、左右の移動等を含めた3次元のドローン100の飛行動作を指示する入力操作を受け付ける。操縦入力部221は、前後左右等に倒して操作する操縦スティック、上下左右に位置する押しボタン(十字キーボタン等を含む)、または、回転式のダイヤル、タッチパネル等で構成されるが、特に限定されるものではない。操縦入力部221は、自動的な離陸、着陸を指示する離陸ボタン、着陸ボタンを有していてもよいし、所定の位置まで自動的に飛行してその位置でホバリングするように指示する飛行開始ボタン、スタートした位置まで戻る帰還動作を行うホームボタン、飛行モード切替を行うモード切替ボタン、緊急時にプロペラを停止させる緊急停止ボタン、緊急時にその場に軟着陸させる緊急着陸ボタン、緊急時にその場でホバリングさせて空中静止させるホバリングボタン等を有していてもよい。
【0027】
フィールド選択受付部222は、複数のフィールドの中から、撮影等の対象フィールドの選択を受け付ける。フィールド選択受付部222は、例えば、操縦装置200のタッチパネルに表示される複数のフィールドを示す選択肢(画像、テキスト等)の中から、ユーザが選択入力したフィールドを対象フィールドとして受け付ける。なお、ユーザが手動で対象フィールドを選択入力する場合に限られず、複数のフィールドの中からサーバ300が対象フィールドを選択するようにしてもよい。
【0028】
測定地点入力部223(設置地点入力部)は、例えばドローンの測定部を用いて撮影対象フィールドを測定するために設置する前に、フィールドに設置するドローンの位置と機首方向をユーザが予め指定するための入力部である。例えば、表示部210に表示された対象フィールド上に、設置するドローンの位置と機首方向を指定入力する。
【0029】
測定実行入力部224は、ユーザが指定した測定位置(設置位置)と機首方向(設置方位)に従ってフィールド上にドローンが設置された状態で、ドローンの測定部を用いて撮影対象フィールドの測定を実行する際にユーザが測定指示を入力することができる。ここで、測定位置が1地点の場合は測定位置と機首方向の両方の指定が必要だが、測定位置が2地点以上の場合は位置のみで機首方向の情報が無くてもよい。測定実行入力部224により測定指示が入力されると、ドローンの測定部により、ドローンの位置と機首方向が測定され、測定結果がサーバに送信される。ここで、本実施形態では、ドローンの測定部を用いて、フィールドの所定位置の位置座標を取得する例を示しているが、ドローンに替えて、測定部と同様の位置測位(及び方位測位)の機能を有する測量機を用いて、ユーザが指定した測定位置と機首方向に従ってフィールド上に当該測量機が設置された状態で、測量機による測定を実施するようにしても良い。
【0030】
再測定要否入力部225は、例えば、一度登録された撮影対象フィールドの位置、方向が誤っていると判明した場合等において、再度測定する必要があるか否かの入力を受け付ける。再測定要否入力部225は、操縦者等のユーザの入力によって再測定要否に関する入力を受け付けてもよいし、ドローン100またはサーバ300から送信される信号によって当該入力を受け付けてもよい。
【0031】
フィールドエリア修正入力部226は、一度登録された撮影対象フィールドの形状、位置、方向等を修正する際に、修正内容に関する入力を受け付ける。フィールドエリア修正入力部226は、操縦者等のユーザの入力によって修正内容に関する入力を受け付けてもよいし、ドローン100またはサーバ300から送信される信号によって当該入力を受け付けてもよい。操縦者等のユーザがフィールドエリア修正入力部226によって推定された撮影対象フィールドの修正を受け付ける一例として、ドローンによるフィールド測定の結果として推定されたフィールドエリアの位置、形状及び方向が、操縦装置200の表示部210に周辺マップ情報とともに表示され、操縦者等のユーザは、表示されたフィールドエリアを確認して、必要に応じて、フィールドエリア修正入力部226によりフィールドエリアの位置、形状、方向の少なくともいずれかを修正することができる。
【0032】
ジオフェンス修正入力部227は、一度登録されたジオフェンスの形状、位置、方向等を修正する際に、修正内容に関する入力を受け付ける。ジオフェンス修正入力部227は、操縦者等のユーザの入力によって修正内容に関する入力を受け付けてもよいし、ドローン100またはサーバ300から送信される信号によって当該入力を受け付けてもよい。
【0033】
フィールド形状入力部228は、例えばスポーツのコートエリア等の撮影対象フィールドの形状情報を受け付ける。フィールド形状入力部228は、例えば、操縦装置200のタッチパネル等から入力されるフィールドの形状情報、または、ドローン100もしくはサーバ300から送信されるフィールドの形状情報を受け付けることができる。撮影対象フィールドの形状は、長方形、正方形、他の多角形、円形、楕円形等、特に限定されない。フィールドの形状情報は、フィールドの外形(外枠)の形状と、フィールドの内外に設けられる各種の線(ハーフライン、ペナルティーライン等)、点(中心点、ペナルティーキックの位置となる点等)の位置、形状の情報を含み得る。フィールドの形状情報は、例えば撮影対象フィールドがサッカーコートである場合、長方形のフィールドの4辺(エンドライン(ゴールライン)、サイドライン(タッチライン))の長さ、交差角度、縦横比、ハーフライン(センターライン)の位置、センターサークルの半径、中心点(センタースポット)の位置、ペナルティーエリアの位置、サイドラインとハーフラインの交点の位置、サッカーゴールの位置、大きさ等の2次元形状、あるいは3次元形状に関する情報を含んでもよい。なお、サッカーコートは、公式規格、国際基準の規格、W杯やオリンピックでの規格等によって規格化されており、予め形状、サイズが規定されている。当該規格化されたコート形状、及び練習場用などの独自のサイズ、および縦横比のコート形状(縦横比が一定でサイズが異なる形状、縦又は横の長さが独自の長さとなっているコート形状などを含む)は、複数のパターンに分けられてサーバ300等の記憶部に予め記憶することができる。
【0034】
<サーバの構成>
サーバ300は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。サーバ300は、例えば、情報処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置を備え、これによりソフトウェア資源として、フィールド情報取得部310、座標診断部312、設置情報取得部320、位置方位認識部330、比較照合部340、照合結果通知部350、及び記憶部360を備える(
図7参照)。サーバ300は、ドローン100や操縦装置200と通信するための送受信部、及び、上記の各種情報を入力したり、出力(画像出力、音声出力)したりするための入出力部を備える。
【0035】
フィールド情報取得部310は、1つ又は複数のフィールドの位置情報などが予め登録された記憶部360から、選択された対象フィールドの登録情報を取得する。フィールド情報取得部310は、記憶部360に予め記録された複数パターンのコート形状の情報に基づいて、操縦装置200にフィールドの選択肢を送信すると共に、操縦装置200を介したユーザのフィールド指定入力(フィールド選択受付部222が受け付けた情報を含む)に基づいて、対象フィールドの位置を特定する。対象フィールドは、例えば、ユーザがドローンにより撮影又は作業を行おうとしているフィールドとすることができる。フィールド情報取得部310は、予め設定された条件に基づいて対象フィールドを自動的に決定するようにしてもよい。本出願におけるフィールドとは、地表面にラインなどで定義された所定エリアを意味し、ラインの内側(コート内)のエリア、又は、ラインの内側と外側(コート外)の所定範囲(例えば数メートル範囲)を含むエリアであるものとする。
【0036】
フィールド情報取得部310は、例えば、座標取得部311を備える。座標取得部311は、選択された対象フィールドの座標情報(三次元座標または水平面の二次元座標)を記憶部360から取得することで、対象フィールドを構成する各地点の位置座標を特定する。フィールド情報取得部310は、複数のフィールドの形状情報が予め登録された記憶部360から、選択された対象フィールドの登録情報を取得することにより、選択された対象フィールドを構成する線の方位、対象フィールドの形状等を特定することも可能である。すなわち、フィールド情報取得部310は、座標情報以外のフィールドに関連する情報も記憶部から取得することができる。
【0037】
座標診断部312は、例えば記憶部に登録されている各フィールドの形状と、それぞれのフィールドの4隅の登録座標情報から、登録されたフィールドの座標情報に誤りが無いかを診断(判定)する。すなわち、座標診断部312は、フィールドの4隅の登録座標を結んだ形状が、フィールドの形状情報に一致しない場合、登録されたフィールドの座標情報に誤りがあると判定する。そして、登録されたフィールドの座標情報に誤りがあると判定した場合、例えば、飛行体の離陸を禁止したり、誤登録であることをユーザ等に通知したり、再測量(位置測定)を指示したり、あるいは正しい座標を推定して自動的に座標情報を修正したり、操縦装置を介したユーザの入力に基づいて座標情報を修正したり、することができる。なお、座標診断部312は、対象フィールドの形状情報及び測定情報の少なくとも一方の情報と、前記登録情報との比較により、対象フィールドの登録情報の誤りを検出することができる。
【0038】
図27は、登録されたフィールドの座標情報に誤りがあると判定する判定方法バレーションを説明する図である。GPSなどの衛星信号を利用した座標測位を行う場合に、稀に測位地点とは異なる誤った位置座標(正しい位置から数十メートル以上離れた座標)を測位結果として算出されることがある。このように、測位結果として誤った位置座標を算出した場合には、
図27に示す例のように、登録された4つの登録座標A,B,C,Dのうち、登録座標Dが実際の測位位置とは誤った座標として登録される。このような場合、下記のような方法で誤登録を判定することができる。
【0039】
(1)フィールドの4隅の登録座標の間の距離が所定範囲を逸脱している場合:サッカーコートのサイズは、おおよそ縦90―120m、幅45―90m、であるため、最長の座標間距離は、対角線の150m以下となる。そのため、例えば座標間距離が150mよりも長い所定のしきい値を設定し、当該しきい値よりも長い座標間距離が存在する場合に、誤登録有と判断できる。
図27に示す例では、ADの距離、およびCDの距離が上記しきい値よりもが無くなっている。
(2)フィールドの長辺と短辺の比率が所定範囲を逸脱している場合:サッカーなどのコートは、予め長辺と短辺の比率が所定範囲(例えば、[長辺/短辺]が1.5倍~1.2倍程度)となるため、上記比率が所定範囲を逸脱した場合(例えば、[長辺/短辺]が1.5倍よりも大きな所定しきい値よりも大きい場合には)には、誤登録有と判断できる。
(3)フィールドのコーナーの角度が90度を含む所定範囲から逸脱している場合:サッカーなどの多くの競技コートは、各コーナーの角度が90度の長方形であるため、各コーナーの角度が誤差を考慮した所定角度範囲(例えば85度~95度)の範囲外である場合には、誤登録有と判断できる。
図27に示す例では、頂点Cと頂点Aの角度は95度よりも大きく、頂点Dの角度は85度よりも小さくなっている。
(4)対向する辺(両サイドライン、両ゴールライン)の長さの差が所定範囲を逸脱する場合:実際のコートでは、辺ADと辺BCがサイドラインを構成し、互いに同じ長さとなり、辺ABと辺CDがゴールラインを構成し、互いに同じ長さとなっているが、
図27に示す登録座標は、上記関係が成立していない。そのため、対向する辺の長さの差が誤差の範囲(例えば、±2m)を超えている場合には、誤登録有と判断できる。
(5)登録座標A-Dで囲まれた領域の図心位置と各登録座標との距離が所定範囲を逸脱している場合:サッカーなどの多くの競技コートは長方形であるため、図心位置から各頂点(登録座標)までの距離はほぼ同一となる。しかし、
図27に示す例では、図心から登録座標Dまでの距離は著しく長く、所定距離よりも長くなるため、誤登録有と判断できる。
(6)各点の高さ方向の座標の差が所定範囲を逸脱する場合:一般的に、競技用コートは斜面ではなく、平坦な場所に設けられるため、特定の登録座標が他の登録座標よりも高さ方向の座標が相違する場合には、誤登録有と判断できる。
【0040】
設置情報取得部320は、対象フィールドにおける飛行体の設置位置及び設置方向(機首方向)を含む設定情報を取得する。設置位置(例えば三次元座標または水平面の二次元座標)及び設置方向は、対象フィールドにおいて飛行体を離陸させる際(あるいは飛行体の位置と方向を計測する際)の飛行体の位置及び飛行体の機首の方向とすることができる。設置位置及び設置方向は、それぞれのフィールドに対して特定の位置及び特定の方向が予め一意に設定され、記憶部に記憶されていてもよいし、操縦装置200等を介してユーザが指定した位置及び方向であってもよい。ユーザが選択する場合、例えば、記憶部360に予め記録された複数パターンの設置位置及び設置方向の情報に基づいて、操縦装置200に複数パターンの設置位置及び設置方向の候補の選択肢を送信すると共に、操縦装置200を介してユーザが指定した位置及び方向に応じて、設置位置及び設置方向を決定するようにしてもよい。あるいは、操縦装置200のタッチパネルに表示される対象フィールド画像上でユーザがタップ、スライド操作等により指定入力した任意の位置及び方位を、設置位置及び設置方向として受け付けるようにしてもよい。ここで、上述した設置位置は、対象フィールドに対応付けて設定される位置であり、例えば、
図10に示すように、ラインで定義されたコート内側の位置(パターン1)、又はライン上の位置(パターン2)、ライン近傍のコート外側の位置(パターン3)、あるいはコーナーの位置(パターン3)を設定することができる。また、上述した設置方向は、飛行体の機首方位(東西南北のグローバル方位)であっても良いし、選択した対象コートに対する相対的な飛行体の向き(例えば機首の方向)として設定されても良い。対象コートに対する飛行体の向きとして定義される場合、設置方向は、例えば
図10のパターン2,3のように、「機首が対象コートのセンタースポットを向く機首方向」などのように設定することができる。
【0041】
位置方位認識部330は、位置認識部331、方位認識部332、及び画像取得部333を備える。位置認識部331は、例えば、ドローンの位置測定部111で測定した測定位置の情報を取得することで、ドローンの現在の位置を認識する。方位認識部332は、例えば、ドローンの方位測定部112で測定した測定方位の情報を取得することで、ドローンの現在の方位を認識する。画像取得部333は、ドローンのカメラ131で撮影した画像を取得する。
【0042】
位置方位認識部330は、設置情報取得部320により指定された設置地点と設置方向にドローンが設置された状態で計測されたドローンの位置と方位の情報を取得する。具体的には、操縦装置200の測定実行入力部224を介したユーザの入力に基づいて、ドローンが指定された計測位置と機首方向にドローンが設置されている状態でドローンの測定部で計測される位置と機首方位の情報を取得する(あるいは、ドローンのカメラで取得された画像に映るライン、ゴール、コーナーフラッグ等に基づいて、ドローンの位置と機首方位を推定しても良いし、計測部による計測情報とカメラ画像による推定結果の両方を用いて位置と機首方位を推定しても良い)。また、測定実行入力部224からユーザが測定実行の指示を入力した場合であっても、ドローンに搭載された計測部で取得する加速度、速度等の情報がほぼゼロに安定していない場合、もしくは対地距離センサ(TOFセンサ、IRセンサ等)が地面設置距離を定常的に検知されない場合には、ドローンが地面に設置されていないと判定し、ドローンの位置と方位の計測情報を取得せずに、表示部210にユーザへドローンの設置位置の確認を促す設置位置確認の通知機能を備えることもできる。
【0043】
比較照合部340は、位置座標推定部341、方位推定部342、照合部343、及び飛行制限部344を備える。位置座標推定部341は、座標取得部311が取得した対象フィールドの登録座標情報(例えばサッカーコートの4隅の登録座標)と、選択されたフィールドに対するドローンの設置位置(例えばサッカーコートの4隅のうちの特定の1地点)の情報に基づき、ドローンの設置位置座標(例えばサッカーコートの4隅のうちの特定の1地点の座標)を推定する。方位推定部342は、座標取得部311が取得した対象フィールドの登録座標情報と、選択されたフィールドに対するドローンの設置方位の情報(及び必要に応じて設置位置の情報)に基づいて、ドローンの設置方位を推定する。
【0044】
照合部343は、位置座標推定部341で推定した設置位置座標と、ドローンの位置測定部111で測定した測定位置座標とを比較(照合)することにより、ドローンの設置予定位置に、ドローンが実際に設置されているか否かを判定することができる。照合部343は、推定した設置位置座標と、測定した測定位置座標とが一致、または、それらの差異(位置のずれ)の値が予め設定された閾値以下である場合(例えば、各位置座標間の直線距離が30cm以下の場合)には、ドローンの設置予定位置に、ドローンが実際に設置されていると判定し、閾値を超えている場合には、設置予定の位置とは異なる位置に誤ってドローンが設置されていると判定する。照合部343は、方位推定部342で推定した設置方位と、ドローンの方位測定部112で測定した測定方位とを比較(照合)することにより、ドローンの設置予定の方位でドローンが実際に設置されているか否かを判定することができる。照合部343は、推定した設置方位と測定した測定方位とが一致、または、それらの角度の差異(方位のずれ)の値が予め設定された閾値以下である場合(例えば、確度の差異が10度以下の場合)には、ドローンの設置予定方位に、ドローンが実際に設置されていると判定し、閾値を超えている場合には、設置予定の方位とは異なる向きで誤ってドローンが設置されていると判定する。照合部343が、ドローンが適切な設置位置及び設置方位で設置されていると判定した場合に、ドローンの離陸を許可し、ドローンが適切な設置位置及び設置方位で設置されていないと判定した場合に、ドローンの離陸を禁止する。飛行制限部344は、ドローンが適切な設置位置及び設置方位で設置されていないと照合部343が判定した場合に、ドローンの飛行を制限することを指示する信号を操縦装置200及びドローン100の少なくとも一方に送信する。
【0045】
照合結果通知部350は、照合部343の判定結果に関する情報を操縦装置200等のユーザが使用する情報処理端末に送信することにより、ユーザに通知する。具体的には、照合結果通知部350は、例えばドローンの設置位置(測定位置座標)が、設置予定の位置座標からずれていること、ずれている距離、ずれている方位に関する情報を送信し、操縦装置200等の表示部に表示させるよう制御することができる。照合結果通知部350は、ドローンの設置位置(測定位置座標)が、設置予定の位置座標に一致していること、または、それらの位置のずれが閾値以下であること、を通知することができる。上述した例では、照合部において推定した設置方位と測定した設置方位とを比較する例を説明したが、設置方位の比較処理に替えて、対象フィールドに対する機首方向の推定値と測定値を比較するようにしても良い。
【0046】
記憶部360は、各種情報を記憶する。記憶部360は、ドローン100及び操縦装置200から送信される情報、及びサーバ300での情報処理の結果により得られる情報、サーバ300の入出力部を介して入力された情報等を記憶することができる。記憶部360には、予め複数のフィールドおよびジオフェンスに関する情報を記憶することができる。記憶部360は、予め登録された複数のフィールドの位置情報を記憶する。フィールドの位置情報は、少なくともフィールドに関連する1以上の地点の座標情報を含む。例えば、フィールドがサッカーコートである場合、長方形のフィールドの4隅の点、中心点(センタースポット)、サイドラインとハーフラインの交点等の2本の線の交点の位置、ペナルティーエリアの4隅の位置、上記各位置近傍の位置等の2次元座標位置、あるいは高さを含んだ3次元の座標情報を含んでもよい。フィールドの位置座標は、事前に測量機などでフィールドの各地点の位置座標を測量した測量情報であっても良く、航空機や衛星に搭載されたカメラやレーザセンサにより測量した測量情報であっても良い。記憶部360は、それぞれのフィールドを構成する線の方位の情報、及び、フィールドの形状情報を含んでもよい。
【0047】
ここで、記憶部360に登録される複数のフィールドは、
図9に示すように、互いにフィールドのエリアが重なる複数のフィールドを含んでいても良い。練習用コートなどでは、練習内容や試合形式に応じて、フルコートやフルコートの約半分のサイズのハーフコートを使い分けることがあるため、利用するコート形状に応じて、対象フィールドを選択できることが望ましい。
図9に示す例では、フルコートであるフィールド3と、フィールド3の内側に設定されたハーフコートであるフィールド1,2が登録されている。このように、エリアが重複する複数のフィールド(フルコートとハーフコートなど)から対象フィールドを選択する場合には、ユーザが選択した対象フィールドの位置とドローンの測位位置との直線距離のしきい値判定だけでは、ユーザが意図しないフィールドを選択した誤選択を判定することができない。そのため、
図10に示すように、対象フィールドに対するドローンの設置位置を指定する機能がフィールド誤判定を検出するために重要となる。
【0048】
サーバ300は、対象フィールドのエリア(位置座標)を測量し、また対象フィールドに対応する飛行ジオフェンスを登録するために、フィールド形状指定部370、測定地点指定部380、エリア測定部390、及びエリア確定部1400を更に備えてもよい。
【0049】
フィールド形状指定部370は、記憶部に予め記録された複数パターンのコート形状の情報に基づいて、操縦装置200にコート形状の選択肢を送信すると共に、フィールド形状入力部228を介したユーザのコート形状の指定入力に基づいて、撮影対象フィールドの形状を特定する。
【0050】
測定地点指定部380は、撮影対象フィールドの形状に応じて計測地点の候補の選択肢を操縦装置200に送信する。計測地点の候補の選択肢とは、例えば、撮影対象フィールドの形状が長方形のコートの場合、コートの4つの角の点、ハーフラインとサイドラインが交わる点、中心点、等である。また、計測地点に加えて機首方位の選択肢を操縦装置200に送信するようにしても良い。測定地点指定部は、操縦装置200の測定地点入力部223を介して提示された計測地点と機首方位の選択肢からユーザが選択した入力情報に基づいて、計測地点や機首方位を指定する。あるいは、測定地点指定部は、フィールド形状指定部で指定されたフィールドの形状に応じて、予め計測地点や機首方位が一意に指定されるようにしても良い。
【0051】
エリア測定部390は、測定結果を確認する測定結果確認部391、撮影対象のフィールドエリアの位置と方位を推定するエリア推定部392、フィールドエリアの測定結果の適否を判定する測定適否判定部393、の各機能部を備えている。
【0052】
測定結果確認部391は、測定地点指定部により指定された計測地点と計測方向にドローンが設置された状態で計測されたドローンの位置と方位の情報を取得する。計測地点は、ユーザにより指定された1カ所であっても良く、フィールドエリアの4つの頂点の地点であっても良い。具体的には、操縦装置200の測定実行入力部224を介したユーザの入力に基づいて、ドローンが指定された計測位置と機首方向にドローンが設置されている状態でドローンの測定部で計測される位置と機首方位の情報を取得する(あるいは、ドローンのカメラで取得された画像に映るライン、ゴール、コーナーフラッグ等に基づいて、ドローンの位置と機首方位を推定しても良いし、計測部による計測情報とカメラ画像による推定結果の両方を用いて位置と機首方位を推定しても良い)。また、測定実行入力部224からユーザが測定実行の指示を入力した場合であっても、ドローンに搭載された計測部で取得する加速度、速度等の情報がほぼゼロに安定していない場合、もしくは対地距離センサ(TOFセンサ、IRセンサ等)が地面設置距離を定常的に検知されない場合には、ドローンが地面に設置されていないと判定し、ドローンの位置と方位の計測情報を取得せずに、表示部210にユーザへドローンの設置位置の確認を促す設置位置確認の通知機能を備えることもできる。
【0053】
エリア推定部392は、フィールド形状指定部で指定されたフィールド形状、及び測定地点指定部で指定された測定地点と方位の情報、及びエリア測定部で取得されたドローンの位置と機首方位の情報に基づいて、フィールドエリアの位置と方位、またはこれに対応する飛行ジオフェンスの位置と方位を推定する。
【0054】
測定適否判定部393は、フィールド形状指定部で指定されたフィールド形状、及び測定地点指定部で指定された測定地点と機首方位の情報、及び測定結果確認部で取得されたドローンの位置と機首方位の情報に基づいて、測定地点指定部で指定された測定地点と機首方位と、実際にドローンが設置された位置と機首方位とが一致しているか否かを判定する機能を有する。上記判定が不一致となる場合には、測定結果が適切でない可能性が高いため、判定結果と共にユーザに再測定を促す通知を行う。
【0055】
エリア確定部1400は、撮影対象フィールドとジオフェンスの少なくともいずれかの推定エリアを操縦装置の表示部210に表示させる表示制御部1401と、ユーザから表示した推定エリアの修正入力を受け付けた場合に、修正入力に応じて推定エリアの修正を行い、修正後の推定エリアを記憶部360に記憶するエリア修正部1402を有する。
図26は、表示部210で表示される対象フィールド(実線)と、飛行ジオフェンス(点線)の一例を示している。例えば、飛行ジオフェンスは対象フィールドの水平面におけるエリアよりも広いエリアの外縁に設定されても良いし、サイドライン(又はゴールライン)に沿った細長いエリアの外縁に設定されても良い。また飛行ジオフェンスで設定した飛行エリアの内側又は近傍に障害物がある場合には、エリア修正部1402を介してユーザがジオフェンスを修正することができる。
【0056】
図8は、本システムを用いて、飛行体の離陸可否判定を行う場合の動作フローの一例を示している。ユーザは、操縦装置200のフィールド選択受付部222を介した入力操作により、事前に登録された複数のフィールド情報から対象のフィールドを選択する(S101)。例えば、
図9に示すように、操縦装置200の表示部に表示された複数のフィールド(本例ではサッカーコート)の選択肢の中から、今回の対象フィールドを1つ選択し、フィールド選択受付部222を介して選択入力(タップ操作等)することにより、対象フィールドを指定することができる。なお、操縦装置200の表示部に表示される複数のフィールドの情報は、フィールドの名称、住所、観客収容人数、各フィールドに予め設定された識別情報、フィールド形状、位置座標(例えば、サッカーコートの4隅の3次元位置座標)、面積、体積、外観、内観等の画像、過去の使用履歴データ等の情報を含んでもよい。また、対象フィールドが選択されると、選択された対象フィールドの位置座標に誤りが無いかを、座標診断部312により診断される。
【0057】
次いで、ユーザは、対象フィールドにおいてドローンを設置する位置(設置位置)及び機首方位(設置方向)を指定する(S102)。例えば操縦装置200の表示部の画面に表示されたサッカーコートのセンターラインとサイドラインの交点の1地点をタップすること等により、そのコーナーを設置位置(測定地点)として指定することができる。また、設置方位の指定は、例えば、サッカーコートの何れかの線に沿う方向の選択肢を表示し、そのいずれかの選択肢をタップ操作等でユーザが選択するようにしてもよいし、スライド操作、フリック操作等の方向を認識可能な操作に基づいて、設置方位を指定できるようにしてもよい。あるいは、方位を数値で入力できるようにしてもよく、その場合、指定した設置位置からサイドラインの右側に延びる直線を基準(0°)として、0°以上360°未満の範囲で方位を指定するなど、基準線からの角度を入力するようにしてもよい。または、
図10に示す通り、サッカーコートと共に設置位置と機首方位の複数選択肢(パターン1,2,3)を予め提示して、ユーザがいずれかをタップすること等により、設置位置と設置方向を指定するようにしても良い。なお、選択されたフィールド(対象フィールド)毎に、ドローンの設置位置と設置方位が自動的に一意に設定されるようにしてもよい。その場合、フィールドごとに予め設定位置及び設定方位が予め記憶部に登録されている。また、選択されたフィールド(対象フィールド)毎に、ドローンの設置位置と設置方位の何れか一方のみが自動的に一意に設定され、他方をユーザが上述の方法で指定するようにしてもよい。
【0058】
そして、ユーザは、S102で指定した設置位置及び設置方位となるように、現実の対象フィールドにドローンを設置した状態で、位置と方位を測定し、認識する(S103)。例えば、現実のサッカーコートのコーナー(測定地点)の地面にドローン100を設置し、測定実行入力部224を介して測定実行の指令を入力することで、ドローンによる測定を実施することができる。S103の処理は、例えば
図11に示すように、ドローンの位置測定部111で位置を測定するとともに(S201)、方位測定部112で方位を測定し(S202)、必要に応じてカメラ131を用いた撮影により画像情報を取得する(S203)。なお、方位測定部112で方位を測定する処理(S202)は、同じ位置においてドローンの設置方位を変えて複数回行ってもよい。これによれば、方位の精度を高めることができる。
【0059】
次いで、
図8に示すように、登録情報と測定情報との比較・照合を行う(S104)。S102で指定した設置位置及び設置方位の情報と、S103で測定、認識した位置及び方位の情報とを比較・照合することにより、ドローンが適切な位置及び方位で設置されているかを判定する。S104の処理は、例えば
図12に示すフローで行われる。選択されたフィールドの登録座標情報、及び選択されたフィールドに対するドローンの設置位置と方位の情報に基づき、ドローンの設置位置座標及び方位を推定する(S301)。S301で推定した設置位置とドローンの測定位置を比較する(S302)。S302において、位置情報の比較結果が一致した場合(S303のYes)、S304の処理を行い、一致しない場合(S303のNo)、適切な位置にドローンが設置されていないと判断して、ドローンの離陸を禁止する(S307)。S304において、S301で推定した設置方位とドローンの測定方位を比較する。S304において、位置情報の比較結果が一致した場合(S305のYes)、適切な位置及び方位でドローンが設置されていると判断して、ドローンの離陸を許可する(S306)。S304において、位置情報の比較結果が一致しない場合(S305のNo)、適切な位置及び方位でドローンが設置されていないと判断して、ドローンの離陸を禁止する(あるいは、一致しない旨を操縦機に通知する)(S307)。
【0060】
ここで、S104において、登録情報と、S203で取得した画像情報とを比較・照合することで、離陸の可否判定の精度を高めるようにしてもよい。つまり、
図11に示すS203で撮影したカメラ画像を利用する場合は、設定されたドローンの位置と方位から撮影されるであろうフィールドのラインまたはゴール等の画像テンプレート(予め記憶部に登録された登録情報)と照合を行う。照合の結果、画像情報と登録情報が一致する場合には離陸を許可し、一致しない場合には離陸を禁止する(あるいは、一致しない旨を操縦機に通知する)、といった処理が可能である。
【0061】
そして、
図8に示すように、S104での照合結果をサーバ300から操縦装置200に送信し、ユーザに通知する(S105)。ユーザは、操縦装置200の表示部に表示された照合結果の通知を確認することで、ドローンが適切な位置及び方位に設定されているか等を認識することができる。
【0062】
上述した例では、座標診断部312により実行される、フィールドの登録情報に含まれる位置座標の誤登録の診断は、S101において行われる例を説明したが、誤登録の診断は対象フィールドが選択された後であればいつ実行してもよく、必ずしもS101で行われる必要は無い。つまり、座標診断部312による誤登録の診断は、S101よりも前(対象フィールドを選択する前)、S101、S102、S103、S104のいずれかのタイミングで実行することができ、当該診断結果や座標修正に関する情報や再測量の指示は、S105においてユーザに通知することができる。S101よりも前、つまり、対象フィールドを選択する前に誤登録の診断を行う一例としては、一つまたは複数フィールドの情報を他のシステムから本発明の判定システムに取り込む場合などに、取り込んだフィールドの情報に対して誤登録の診断を行うことができる。
【0063】
図13は、操縦装置200の表示部に表示された照合結果の通知の一例である。
図13の例では、指定された設置位置及び設置方向の情報と、測定された位置及び方向の情報とが、対象フィールドの画像上で共に表示されている。また、測定された位置から設定された位置の方向をベクトル(矢印)で表示すると共に、移動距離を数値で表示する。また、照合結果の情報として、登録情報と測定情報とが一致していない旨のテキスト情報(「!エラー! ドローンの位置又は方向が一致しません。指定された位置と方向にドローンを設置してください」)が表示されている。
図13の表示を確認したユーザは、ドローンの設置位置を、修正し、再度、
図8のS103の処理を実行することができる。
図13の表示内容は音声でユーザへ通知するようにしても良い。また、上記した方法に限らず、操縦装置200の表示部や発光部を点滅、点灯、色の変更などの光でユーザへエラーを通知するようにしても良いし、飛行体に設けられた発光部の点滅、点灯、色の変更など、飛行体に設けられたスピーカーから音声によってエラーを通知するようにしても良い。
【0064】
なお、
図13に示すように、登録情報と測定情報とが一致しない場合には、複数の状況のパターンが想定される。
【0065】
例えば1つめのパターンとしては、
図14に示すように、フィールドエリアの登録情報(フィールドの位置座標)は正しく、ドローンのフィールドに対する設置位置が誤りである場合である。この場合、表示部に表示される登録された設置位置(センターラインとサイドラインの交点)に対して、ドローンの測位位置(コーナー地点)がずれており(不一致であり)、現実にもフィールドのコーナー地点にドローンが誤って設置されている。
【0066】
また、2つめのパターンとしては、
図15に示すように、フィールドエリアの登録座標(もしくは選択した対象フィールド)に誤りであって、ドローンの対象フィールドに対する設置位置は正しい場合も想定される。この場合、フィールドの登録座標を設定し直す(もしくは対象フィールドを選択し直す)必要がある。この場合、表示部に表示される登録された設置位置(センターラインとサイドラインの交点)に対して、ドローンの測位位置(コーナー地点)がずれており(不一致であり)、現実にはフィールドの正しい位置(センターラインとサイドラインの交点)にドローンが適切に設置されている。
【0067】
また、3つめのパターンとしては、
図16に示すように、フィールドエリアの登録座標(方位)に誤りであって、ドローンのフィールドに対する設置位置は正しい場合も想定される。この場合も、フィールドの登録座標を設定し直す必要がある。この場合、表示部に表示される登録された設置方位に対して、ドローンの測位方位がずれており、現実にはフィールドの正しい位置(センターラインとサイドラインの交点)に正しい方位でドローンが適切に設置されている。なお、
図16の例で設置位置と測定位置は一致している。
【0068】
本実施形態の判定システム1にあっては、複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得部と、前記対象フィールドにおいて飛行体を設置するための設置位置及び設置方位を含む設定情報を取得する設置情報取得部と、前記飛行体を前記対象フィールドの所定位置に所定向きで配置して前記飛行体の位置測位及び方位測定によりそれぞれ取得した測定位置及び測定方位を含む測定情報と、前記設定情報とを比較することにより、前記飛行体が適切な位置に設置されているか否かを判定する比較照合部と、を備える。このような構成により、適切な位置にドローンを設置して離陸させることができるので、飛行時の安全性を高めることができる。
【0069】
図17は、本システムの他の例(第2実施例)の処理フローを示している。本例では、
図8に示すS103の処理として、
図17に示すように、ドローンの位置測定部111で位置を測定するとともに(S401)、方位測定部112で方位を測定し(S402)、記憶部に登録されたフィールド形状の情報を記憶部から取得する(S403)。なお、方位測定部112で方位を測定する処理(S402)は、ドローンの設置方位を変えて複数回行ってもよい。これによれば、方位の精度を高めることができる。
【0070】
また、本例では、
図8に示すS104の処理として、
図18に示すように、測定部で測定されたドローンの位置座標、方位情報、及びフィールド形状の情報に基づき、ドローンが設置されたフィールドの位置座標を推定する(S501)。S501で推定したフィールドの位置座標と、事前登録された対象フィールドの位置座標とを比較する(S502)。S502において、位置情報の比較結果が一致した場合(S503のYes)、ドローンの離陸を許可する(S504)。S502の処理を行い、一致しない場合(S503のNo)、ドローンの離陸を禁止する(S505)。
【0071】
図19は、フィールドエリアの登録座標は正しく、ドローンのフィールドに対する設置位置が誤りの場合の例を示す。S501で推定したフィールドの位置座標と、事前登録された対象フィールドの位置座標とを比較した結果、一致しない場合に、このようにドローンの設置位置が誤りである(その結果、推定されたフィールドエリアも誤りとなる)と判断することができる。
【0072】
図20は、フィールドエリアの登録座標(もしくは選択した対象フィールド)に誤りであり、ドローンの対象フィールドに対する設置位置が正しい場合の例を示す。S501で推定したフィールドの位置座標と、事前登録された対象フィールドの位置座標とを比較した結果、一致しないものの、現実のドローンがフィールドエリアの適切な位置に設置されている場合(その結果、推定されたフィールドエリアも正しい)、このようにフィールドエリアの登録座標(もしくは対象フィールドの選択)に誤りであると判断することができる。
【0073】
図21は、フィールドエリアの登録座標(方位)が誤りであり、ドローンのフィールドに対する設置位置及び設置方位が正しい場合の例を示す。S501で推定したフィールドの位置座標と、事前登録された対象フィールドの位置座標とを比較した結果、一致しないものの、現実のドローンがフィールドエリアの適切な位置に設置されている場合(その結果、推定されたフィールドエリアも正しい)、このようにフィールドエリアの登録座標が誤りであると判断することができる。
【0074】
図22は、本システムの他の例(第3実施例)の処理フローを示している。本例では、
図8に示すS103の処理(コートの認識・測定)として、
図22に示すように、ドローンを設置位置から離陸させて垂直上昇させ設置位置の上空でホバリングさせ(S601)、ドローンの位置測定部111で位置を測定する(S602)。また上空からドローンのカメラ131を用いてフィールドを撮影することにより、画像情報を取得する(S603)。なお、S602において、方位測定部112で方位を測定してもよい。ここで、ドローンの方位測定部112の一例である地磁気センサは、地表の金属部材や地中の金属(配管・配電線)の影響を受けて方位測定値がずれてしまうため、地表か地中の金属から近い位置では正しく機体の方位を計測することができない。そのため、地表から数メートル上昇した位置において地磁気センサによる方位計測を行うことで、方位計測の信頼性を向上させることができるため、離陸後に上空でホバリングを行っている状態において、方位測定を行うことは有効である。これによれば、S104における比較・照合の精度を高めることができる。S602においてフィールドを撮影する際に、
図24に示すように、飛行体を離陸位置から鉛直上方のホバリング位置1においてホバリング状態で静止させて撮影を行っても良いし、ホバリング位置1よりも高度が高く、水平方向にコートから離れたホバリング位置2のようにフィールド全体がカメラの画角に入る位置に移動して撮影を行っても良い。また、ホバリング位置1又はホバリング位置2において、フィールド全体を撮影するためにホバリング状態でヨー回転させながら撮影を行っても良い。
【0075】
また、本例では、
図8に示すS104の処理として、
図23に示すように、測定部で測定されたドローンの位置座標、方位情報、及びカメラで撮影されたフィールド画像に基づいて、フィールドの位置座標を推定する(S701)。S701で推定したフィールドの位置座標と、事前登録された対象フィールドの位置座標とを比較する(S702)。S702において、位置情報の比較結果が一致した場合(S703のYes)、ドローンの飛行を許可する(S704)。S502の処理を行い、一致しない場合(S703のNo)、ドローンの飛行を禁止する(S705)。ここで、S705において飛行が禁止された場合、ドローンは離陸した地点(設置位置)へ自動で着陸させる、またはその場でホバリングさせる、または自動飛行モードから手動飛行モードに制御モードを切り替えるなど、ドローンが対象フィールド上空での飛行を開始することを禁止する動作を行う。また、ドローンの飛行が禁止されて着陸した場合に、対象フィールドの位置座標の再測量の指示、もしくはドローンの設置位置の変更指示を、操縦装置を介してユーザへ通知する。
【0076】
ここで、ホバリング時に撮影したフィールド画像から当該フィールドの座標を推定し、登録コート座標と照合する実施例3の方法は、実施例1、2のそれぞれの方法に組み合わせることで、安全性を高めることができる。具体的には、実施例1又は2の方法により、離陸前の離陸許可の判断を行い、離陸許可となった後に離陸位置から上空へ離陸を行い、実施例3の方法により飛行許可の判断を行う。
【0077】
図24は、選択したフィールドが誤りであり、ドローンのフィールドに対する設置位置は正しい場合の例を示す。S701で推定したフィールドの位置座標と、事前登録された対象フィールドの位置座標とを比較した結果、一致しないものの、撮影されたフィールド画像からドローンが適切な位置でホバリングしていると判断される場合に、このように選択したフィールドが誤りであると判断することができる。
【0078】
図25は、選択したフィールドは正しく、ドローンのフィールドに対する設置方位が誤りである場合の例を示す。S701で推定したフィールドの位置座標と、事前登録された対象フィールドの位置座標とを比較した結果、一致せず、撮影されたフィールド画像からドローンが適切でない方位でホバリングしていると判断される場合に、このようにドローンの設置方位が誤りであったと判断することができる。
【0079】
ここで、本システム1にあっては、事前に飛行対象となるフィールドの位置座標の情報を記憶部に登録する機能を有するようにしてもよい。フィールドの位置座標を記憶部に登録する方法は特に限定されないが、ドローンの測定部を用いて、フィールドの4隅等の各位置の位置座標を取得して記憶部に記憶させるようにしてもよいし、測量機を用いて同様に位置座標を取得して記憶部に記憶させるようにしてもよい。
【0080】
また、本システム1にあっては、事前にフィールド形状の情報を記憶部に登録する機能を有するようにしてもよい。フィールド形状を記憶部に登録する方法は特に限定されないが、フィールド形状入力部228を介したユーザのコート形状の指定入力に基づいて、撮影対象フィールドの形状を特定するようにしてもよい。
【0081】
また、本システム1にあっては、離陸するための対象のフィールドを判定する手段を有し、対象フィールドの座標の誤登録、又は測定忘れ(測定不足)を検出した場合に、離陸を禁止するよう制御したり、又はその旨をユーザに通知したりすることも可能である。この場合、対フィールドの座標誤登録は、同一フィールドの他の点からの距離が所定値(予め設定される閾値)以上の場合、又は予め登録されたコート形状との比較に基づいて誤登録と判定するようにしてもよい。また、対象フィールドの座標の誤登録を検出した場合に、登録座標の修正を促す通知(修正アナウンス)を出力するようにしてもよい。
【0082】
また、本システム1にあっては、測定されたフィールドエリアの座標と、予め設定されたフィールド形状を比較して、フィールド形状の制約から逸脱した場合(予め設定される閾値を超えた場合)に、座標の測定誤り又は測定忘れの可能性があることを検出して、離陸を禁止するよう制御したり、又はその旨をユーザに通知したりすることも可能である。また、測定誤り又は測定忘れの点(測定位置)があることを検出した場合に、ユーザへの通知等で再測量を提案するように制御してもよい。
【0083】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。上述した実施形態では、移動体の一例としてドローンによりスポーツコートを空撮する場合の例を説明したが、本発明の適用用途はドローンに限定されず、例えば、ワイヤーで固定されたコート上空を移動可能なカメラシステムにも適用可能である。更には、エリア設定を行う対象フィールドは、空撮を行うフィールド以外にも、芝刈りなどの移動体が行う作業の対象フィールドであっても良い。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0084】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ、ドローン、操縦装置)等により実現されてもよい。例えば、サーバ300の各機能部(フィールド形状指令部、測定地点指定部、測定結果確認部、エリア推定部、測定適否判定部、推定エリア表示部)および記憶部は、互いにネットワークで接続された異なるサーバ、ドローン、操縦装置に実装されることにより実現されてもよい。
【0085】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係るサーバ300の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0086】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0087】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0088】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
1つ又は複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得部と、
前記対象フィールドに対する飛行体の設置位置を含む設定情報を取得する設置情報取得部と、
前記飛行体を前記対象フィールドに配置して前記飛行体の位置測位により取得した測定位置を含む測定情報と、前記設定情報とを比較することにより、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に設置されているか否かを判定する比較照合部と、を備える、判定システム。
(項目2)
前記設置情報取得部は、前記設置位置に加えて、前記対象フィールドに対する飛行体の設置機首方向を含む前記設定情報を取得し、
前記飛行体を前記対象フィールドに配置して前記飛行体の位置測位及び方位測定によりそれぞれ取得した測定機体位置及び測定機首方向を含む測定情報と、前記設定情報とを比較することにより、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に前記機首方向で設置されているか否かを判定する比較照合部と、を備える、判定システム。
(項目3)
前記測定情報と前記設定情報とが一致しない場合に、前記飛行隊の離陸を制限する飛行制限部、比較結果に関する情報をユーザに通知する照合結果通知部の少なくともいずれかを備える、ことを特徴とする、項目1または2に記載の判定システム。
(項目4)
前記照合結果通知部は、前記測定情報と前記設定情報とが一致しない場合に、飛行体を操縦するための操縦装置の表示部に前記測定機体位置と前記設置位置を共に表示する、あるいは前記測定機体位置から前記設置位置への移動方向と移動距離をベクトル又は数値で通知する、項目3に記載の判定システム。
(項目5)
前記比較照合部は、前記測定情報と前記設定情報とが一致しない場合に、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に設置されていないと判定する、項目1に記載の判定システム。
(項目6)
前記設置情報取得部は、ユーザの要求に基づいて、前記対象フィールドにおける前記設置位置及び設置機首方向の少なくとも一方を決定する、項目1に記載の判定システム。
(項目7)
前記フィールド情報取得部は、前記記憶部に登録された前記フィールドのうち、ユーザの要求に基づいて、前記対象フィールドを決定する、項目1に記載の判定システム。
(項目8)
前記測定情報と、前記設定情報とを比較することにより、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に設置されていると前記比較照合部が判定した場合に前記飛行体を離陸させ、前記飛行体により上空で撮影された前記対象フィールドの撮影画像により推定した前記対象フィールドの位置座標と、前記登録情報とを比較する、項目1に記載の判定システム。
(項目9)
前記飛行体を離陸させた後、前記設置位置から垂直に上昇した位置でホバリングした状態で前記対象フィールドを撮影する、または前記設置位置から垂直に上昇した位置でヨー回転しながら前記対象フィールドを撮影する、項目8に記載の判定システム。
(項目10)
前記撮影画像により推定した前記対象フィールドの位置座標と前記登録情報が一致しない場合に、前記飛行体を前記設置位置に着陸させる、又はその場でホバリングさせる、又は自動操縦から手動操縦に制御モードを切り替える、又は前記対象フィールドの位置座標の測量指示あるいは前記飛行体の設置位置の変更指示を通知する、
項目8又は9に記載の判定システム。
(項目11)
前記対象フィールドの形状情報と、前記登録情報に含まれる位置座標の情報との比較により、前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出する座標診断部をさらに備え、
前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出した場合に、前記飛行体の離陸を禁止する制御を行う、またはユーザに通知する、項目1に記載の判定システム。
(項目12)
前記登録情報に含まれる位置座標の情報により、前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出する座標診断部をさらに備え、
前記座標診断部は、前記登録情報に含まれる前記対象フィールド端点間の距離、前記対象フィールドの長辺と短辺の長さの比率、前記対象フィールドのコーナーの角度、前記対象フィールドの相対する辺の長さ、前記対象フィールドの複数点の高さ方向の座標の差、の少なくともいずれかにより、前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出する項目1に記載の判定システム。
(項目13)
前記座標診断部により前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出した場合に、ユーザに再測量の提案を通知する、項目11又は12に記載の判定システム。
(項目14)
1つ又は複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得ステップと、
前記対象フィールドに対する飛行体の設置位置を含む設定情報を取得する設置情報取得ステップと、
前記飛行体を前記対象フィールドに配置して前記飛行体の位置測位により取得した測定位置を含む測定情報と、前記設定情報とを比較することにより、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に設置されているか否かを判定する比較照合ステップと、を備える、判定方法。
(項目15)
1つ又は複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得部と、
前記対象フィールドに対する飛行体の設置位置を含む設定情報を取得する設置情報取得部と、
前記対象フィールドの形状に関するフィールド形状情報を取得するフィールド形状取得部と、
前記飛行体を前記対象フィールドに配置して前記飛行体の位置測位により取得した測定位置を含む測定情報と前記フィールド形状情報とから前記対象フィールドの位置座標を推定し、
推定した前記対象フィールドの位置座標の推定情報と、前記フィールド情報取得部で取得した前記対象フィールドの位置座標の登録情報とを比較することにより、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に設置されているか否かを判定する比較照合部と、を備える、判定システム。
(項目16)
1つ又は複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得部と、
前記対象フィールドに対する飛行体の設置位置及び設置機首方向を含む設定情報を取得する設置情報取得部と、
前記飛行体による上空からの前記対象フィールドの撮影画像を取得する画像取得部と、
前記撮影画像から推定した前記対象フィールドの位置座標の推定情報と、前記フィールド情報取得部で取得した前記対象フィールドの位置座標の登録情報とを比較することにより、前記飛行体が前記設定情報として設定された前記設置位置に設置されているか否かを判定する比較照合部と、を備える、判定システム。
(項目17)
1つ又は複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得部と、
前記対象フィールドの形状情報と、前記登録情報に含まれる位置座標の情報との比較により、前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出する座標診断部と、を備え、
前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出した場合に、前記飛行体の離陸を禁止する制御を行う、またはユーザに通知する、判定システム。
(項目18)
1つ又は複数のフィールドの位置情報が予め登録された記憶部から選択された対象フィールドの登録情報を取得するフィールド情報取得部と、
前記登録情報に含まれる位置座標の情報により、前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出する座標診断部と、を備え、
前記座標診断部は、前記登録情報に含まれる前記対象フィールド端点間の距離、前記対象フィールドの長辺と短辺の長さの比率、前記対象フィールドのコーナーの角度、前記対象フィールドの相対する辺の長さ、前記対象フィールドの図心と端点間の距離、前記対象フィールドの複数点の高さ方向の座標の差、の少なくともいずれかにより、前記対象フィールドの登録情報の誤りを検出する判定システム。
【符号の説明】
【0089】
1 システム
100 ドローン(移動体)
200 操縦装置
300 サーバ
400 ネットワーク
500 衛星
600 基地局