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特許7656420編んだ布を含むマットレスおよびマットレストッパー、ならびに関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】編んだ布を含むマットレスおよびマットレストッパー、ならびに関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/00 20060101AFI20250327BHJP
   A47C 27/22 20060101ALN20250327BHJP
【FI】
A47C27/00 Z
A47C27/00 A
A47C27/22 B
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020214505
(22)【出願日】2020-12-24
(62)【分割の表示】P 2018545846の分割
【原出願日】2017-03-03
(65)【公開番号】P2021058650
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-01-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】15/062,621
(32)【優先日】2016-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521542889
【氏名又は名称】パープル イノベーション,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】ピアース,トニー・エム
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】筑波 茂樹
【審判官】横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-514912(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0104604(US,A1)
【文献】特開2009-11665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中空柱(144)を画定する複数の交差する座屈壁部(142)を形成するエラストマー材料を備える緩衝要素(140)であって、エラストマー材料がエラストマー重合体と可塑剤とを含む、緩衝要素(140)と、
前記緩衝要素(140)の上面及び側面に対して自由に横方向に動作可能であり、且つ、当該上面及び側面を覆う1つの上面部及び4つの側面部を有する、編んだ布(100)と、を備え、
前記1つの上面部及び4つの側面部の各々が、
伸縮性材料の第1の層(102)、
伸縮性材料の第2の層(104)、ならびに
前記伸縮性材料の第1の層(102)と前記伸縮性材料の第2の層(104)との間の伸縮性充填材料の層(106)を備え、
前記伸縮性材料の第1の層(102)と前記伸縮性材料の第2の層(104)とが、互いに間隔を開けられた布の一体のシートの薄手の部分(112)を備える横方向に間隔を開けられた位置で互いに編まれて当該布の一体のシートの厚手の部分(110)を画定し、当該編んだ薄手の部分(112)が当該布の一体のシートの厚手の部分(110)の中で当該伸縮性材料の第1の層(102)と当該伸縮性材料の第2の層(104)との間に前記伸縮性充填材料の層(106)を封入し、
各薄手の部分(112)は、前記伸縮性材料の第1の層(102)の第1の糸が前記伸縮性材料の第2の層(104)へと延在して当該伸縮性材料の第2の層(104)の少なくとも部分を形成し、且つ、当該伸縮性材料の第2の層(104)の第2の糸が当該伸縮性材料の第1の層(102)へと延在して当該伸縮性材料の第1の層(102)の少なくとも部分を形成する位置を備え、
各厚手の部分(110)は、前記伸縮性充填材料の層(106)が前記伸縮性材料の第1の層(102)と前記伸縮性材料の第2の層(104)とを互いに離して配置する位置を備え、
前記布の一体のシートはその上に荷重が印加されると伸縮して荷重を吸収し、前記緩衝要素(140)に加わるピーク圧力を軽減する、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項2】
請求項1に記載のマットレスまたはマットレストッパーにおいて、前記編んだ布(100)が、少なくとも約250g/m2である単位面積当たりの重量を有する材料を含む、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項3】
請求項1に記載のマットレスまたはマットレストッパーにおいて、前記編んだ布(100)が、少なくとも約2.5mmである嵩の厚みを有する材料を含む、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパーにおいて、前記布が、互いに対して垂直な少なくとも2方向において伸縮性能を発揮する、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項5】
請求項4に記載のマットレスまたはマットレストッパーにおいて、前記編んだ布(100)が、互いに対して垂直な少なくとも2方向において伸縮性能を発揮する材料から実質的に構成される、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパーにおいて、前記編んだ布(100)が、少なくとも約3重量%のエラストマー繊維を含む、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパーにおいて、前記編んだ布(100)が、前記緩衝要素(140)と直接接触した状態である、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパーにおいて、前記編んだ布(100)が、前記座屈壁部(142)に結合されていない、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパーにおいて、前記編んだ布(100)と前記緩衝要素(140)との間に難燃性の布をさらに備える、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパーにおいて、前記編んだ布(100)が、前記緩衝要素(140)を囲む取外し可能カバーに一体化される、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項11】
請求項10に記載のマットレスまたはマットレストッパーにおいて、前記取外し可能カバーが、ジッパを備える、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項12】
請求項1から3のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパーにおいて、前記可塑剤の重量と前記エラストマー重合体の重量との比が、約0.1から約50である、マットレスまたはマットレストッパー。
【請求項13】
緩衝要素(140)の上面及び側面を覆う編んだ布(100)からなるカバーを設けるステップであって、当該編んだ布(100)が当該緩衝要素(140)の隣接する面に対して自由に横方向に動作可能であり、当該緩衝要素(140)は交差する座屈壁部(142)を備え、且つ当該編んだ布(100)を当該緩衝要素(140)の当該交差する座屈壁部(142)とは独立して動くように構成する、カバーを設けるステップを含み、
前記編んだ布(100)が、
伸縮性材料の第1の層(102)、
伸縮性材料の第2の層(104)、および
前記伸縮性材料の第1の層(102)と前記伸縮性材料の第2の層(104)との間であって当該伸縮性材料の第1の層(102)と当該伸縮性材料の第2の層(104)との間の薄手の部分(112)を編むことによって当該編んだ布(100)の厚手の部分(110)の中に封入され、布の一体のシートを画定する、伸縮性充填材料の層(106)を備え、当該編んだ布(100)は、前記カバーの上面部及び4つの側面部からなる少なくとも5つの面部を形成するのに使用され、
前記緩衝要素(140)が、前記交差する座屈壁部(142)を形成するエラストマー材料を備え、前記座屈壁部(142)が、複数の中空柱(144)を画定し、前記エラストマー材料が、エラストマー重合体と可塑剤とを含み、
各薄手の部分(112)は、前記伸縮性材料の第1の層(102)の第1の糸が前記伸縮性材料の第2の層(104)へと延在して当該伸縮性材料の第2の層(104)の少なくとも部分を形成し、且つ、当該伸縮性材料の第2の層(104)の第2の糸が当該伸縮性材料の第1の層(102)へと延在して当該伸縮性材料の第1の層(102)の少なくとも部分を形成する位置を備え、
各厚手の部分(110)は、前記伸縮性充填材料の層(106)が前記伸縮性材料の第1の層(102)と前記伸縮性材料の第2の層(104)とを互いに離して配置する位置を備え、
前記布の一体のシートはその上に荷重が印加されると伸縮して前記緩衝要素(140)に加わる荷重を吸収し、当該緩衝要素(140)の前記交差する座屈壁部(142)に加わるピーク圧力を軽減する、マットレスまたはマットレストッパーを形成する方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、前記伸縮性材料の第1の層(102)と前記伸縮性材料の第2の層(104)を互いに編んで、前記編んだ布(100)の当該伸縮性材料の第1の層(102)と当該伸縮性材料の第2の層(104)との間に前記伸縮性充填材料(106)を封入するステップをさらに含む、方法。
【請求項15】
請求項13または14に記載の方法において、前記緩衝要素(140)の少なくとも上面及び側面を覆って、カバーを設けるステップが、前記カバーを、前記緩衝要素(140)の上面及び側面を全体的に覆うように、位置決めするステップを含み、前記緩衝要素(140)が変形されていない状態であるとき、前記側面が、前記上面に対して垂直であり、前記編んだ布(100)は前記緩衝要素(140)の底面に対して該底面を覆うようにジッパ(184)により固着される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、「Mattresses and Mattress Toppers Including Knitted Fabric, and Related Methods」についての2016年3月7日出願の米国特許出願第15/062,621号の出願日の利益を主張する。
【0002】
本開示の実施形態は、一般に、マットレスやマットレストッパーなどの緩衝要素、緩衝要素と共に使用する布、緩衝要素を含む製品、ならびに布及び緩衝要素を製作および使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
緩衝材料には、マットレス、座面、靴のインサート、包装材料、医療装置などの種々の使途がある。緩衝材料は、緩衝される物体に加わるピーク圧力を低減するように配合および/または構成され得、これは人間または動物にとっての快適さを向上させ、物を損傷から守ることができる。緩衝材料は、ポリエチレン発泡体またはポリウレタン発泡体(たとえばコンボリュート発泡体)、ビニール、ゴム、スプリング、天然繊維または合成繊維、流体が充填されたフレキシブルコンテナなどの、荷重がかかるとたわむ、または変形する材料で形成され得る。異なる緩衝材料は、所与の圧力に対して異なる反応をもつ場合があり、材料には、様々な用途にうまく適合し得るものもある。緩衝材料は、互いに組み合わせて使用されて、選択される特性を実現することができる。
【0004】
その開示がこの参照によって本明細書に全体として援用される、2010年6月8日発行の米国特許第7,730,566号、「Multi-Walled Gelastic
Material」は、座屈する、相互連結される壁部を有する緩衝構造体を記述する。閾値力が印加されるとき、第1の壁部が座屈する。第1の壁部の座屈によって第2の壁部の座屈が生じ得、これは第1の壁部が「底を打つ」ことになる可能性を低減し得る。底打ちは、緩衝される物の、緩衝材の座屈部分を覆っている部分に加わる圧力を増加させることになる。緩衝材の一方の面は、比較的互いに近接した壁部を有し、反対の面は、より離して配置される壁部を有する。つまり、緩衝材の壁部には、緩衝材をほんの部分的にのみ通って延在するものもある。不規則な形状の物が壁を押圧するとき、壁部のうちのより広く間隔を空けられた部分は、壁部のうちのより狭く間隔を空けられた部分よりも容易に座屈し得る。
【0005】
その開示がこの参照によって本明細書に全体として援用される、2014年12月30日発行の米国特許第8,919,750号、「Cushioning Elements
Comprising Buckling Walls and Methods of Forming Such Cushioning Elements」は、上部緩衝表面と下部基部表面とを有する緩衝要素を記述し、これはエラストマー材料と安定化材料とを含む。エラストマー材料で形成される、相互連結される座屈壁部は、安定化材料に連結される。
【0006】
エラストマー材料で形成される座屈壁部の上表面(またはカバーの下にある、上記上表面近くの表面)を有するコアに横たわるとき、エラストマー材料の座屈部材に関連するある程度の不快感または望ましくない気付きがある場合がある。たとえば、座屈エラストマーが、(たとえば上述の米国特許第8,919,750号、またはその開示がこの参照に
よって本明細書に全体として援用される2000年2月22日発行の米国特許第6,026,527号「Gelatinous Cushions with Buckling
Columns」に示されるように)正方形の中空柱を有する場合、マットレスまたはマットレストッパーの使用者は、自身の肌に正方形の感覚を覚える、または所望せず座屈作用を感じ取る場合がある。一般に、上部発泡体が座屈エラストマーの上に配置される場合もあり、上部がキルトにされた布および/または発泡体のセットが座屈エラストマーの上に配置される場合もある。これは、完全にまたは少なくとも部分的に、上記望ましくない感覚を抑えることができる。しかし、座屈エラストマーの上に発泡体を入れるのは費用がかかる場合があり、これは、発泡体を切断し、結合可能な布を座屈エラストマーに熱融着し、結合可能な布を発泡体に糊付けするなどの、複数のステップを必要とする場合がある。上部のキルトも、キルトにされる材料の種々の層のコスト(たとえば、通常のキルトパッケージは、編んだ上面の布と、発泡体と、ポリの綿毛繊維(poly-fluff fiber)と、キルティング機にキルトを引き込むために一般に必要な場合がある、非伸縮性の布の下面部分とである場合がある)、ならびにキルティング機およびキルティング工程のコストおよび複雑さのために、望ましくない場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、マットレスまたはマットレストッパーは、複数の中空柱を画定する複数の交差する座屈壁部を形成するエラストマー材料を備える緩衝要素であって、エラストマー材料が、エラストマー重合体と可塑剤とを含む、緩衝要素と、緩衝要素を覆って設けられ、緩衝要素の座屈壁部とは独立して動くように構成される編んだ布とを含む。編んだ布は、伸縮性材料の第1の層、伸縮性材料の第2の層、および伸縮性材料の第1の層と伸縮性材料の第2の層との間の伸縮性充填材料の層を含む。伸縮性材料の第1の層は、伸縮性充填材料の層を含む布の一体のシートとして伸縮性材料の第2の層と互いに編まれる。
【0008】
マットレスまたはマットレストッパーを形成する方法は、交差する座屈壁部を含む緩衝要素を覆って、編んだ布を設けるステップと、編んだ布を緩衝要素の座屈壁部とは独立して動くように構成するステップとを含む。編んだ布は、伸縮性材料の第1の層、伸縮性材料の第2の層、および伸縮性材料の第1の層と伸縮性材料の第2の層との間の伸縮性充填材料の層を備える。伸縮性材料の第1の層は、伸縮性充填材料の層を含む布の一体のシートとして伸縮性材料の第2の層と互いに編まれる。緩衝要素は、交差する座屈壁部を形成するエラストマー材料を含み、座屈壁部は、複数の中空柱を画定する。エラストマー材料は、エラストマー重合体と可塑剤とを含む。
【0009】
本明細書は、何が本開示の実施形態と認められるかを具体的に指摘し、明確に主張する特許請求の範囲で結論付けられるが、本開示の実施形態の種々の特徴および利点は、添付図面と共に読めば、本開示の実施形態例の以下の説明から、より容易に把握され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示による編んだ布の一実施形態を示す、簡略化された断側面図である。
図2図1に示される編んだ布の簡略化された上面図である。
図3】他の緩衝要素に連結される図1の布を含む、マットレスまたはマットレストッパーの一部を示す簡略化された断面図である。
図4図3に示されるマットレスまたはマットレストッパーの一部である場合があるエラストマー緩衝要素の簡略化された上面図である
図5図3のマットレスまたはマットレストッパーを示す簡略化された図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において使用される、「緩衝要素」という用語は、ある物体(たとえば人、動物、または物)を別の物体に対して緩衝するのに使用するための、任意の変形可能な装置を意味し、かつ含む。非限定的な一例として、緩衝要素(たとえばマットレス、マットレストッパー、座席緩衝材など)は、人、動物または物を、普通なら上記人、動物または物に当接し得る別の物(たとえば椅子の座席)に対して緩衝するのに使用するための材料を含む。
【0012】
本明細書において使用される、「エラストマー重合体」という用語は、変形後、その元のサイズおよび形状に戻ることができる重合体を意味し、かつ含む。言い換えれば、エラストマー重合体は、弾性特性又は粘弾性特性を有する重合体である。エラストマー重合体は、当技術分野では「エラストマー」とも称される場合がある。エラストマー重合体には、単独重合体(繰り返される単一の化学的ユニットを有する重合体)および共重合体(2つ以上の化学的ユニットを有する重合体)が含まれるが、それらに限定はされない。
【0013】
本明細書において使用される、「エラストマーブロック共重合体」という用語は、AB型ジブロック共重合体やABA型トリブロック共重合体などの、互いにリンクされる単独重合体のグループまたはブロックを有するエラストマー重合体を意味し、かつ含む。AB型ジブロック共重合体は、単独重合体の2つの別個のブロックを有する。ABA型トリブロック共重合体は、異なる単独重合体(B)の単一のブロックにそれぞれリンクされる単一の単独重合体(A)の2つのブロックを有する。
【0014】
本明細書において使用される、「可塑剤」という用語は、別の材料(たとえばエラストマー重合体)に加えられて材料の加工性を向上させる物質を意味し、かつ含む。たとえば、可塑剤は、材料の可撓性、柔軟性、または伸張性を向上させることができる。可塑剤には、鉱油などの炭化水素流体が含まれるが、これに限定はされない。炭化水素可塑剤は、芳香族でも脂肪族でもよい。
【0015】
本明細書において使用される、「エラストマー材料」という用語は、エラストマー重合体、ならびにエラストマー重合体と可塑剤および/または他の材料との混合物を意味し、かつ含む。エラストマー材料は、弾性である(すなわち変形後、サイズおよび形状を戻すことができる)。エラストマー材料には、当技術分野では「エラストマーゲル」、「ゼリー状(gelatinous)エラストマー」、または単に「ゲル」と称される材料が含まれるが、これらに限定はされない。
【0016】
本明細書において使用される、「伸縮性」および「伸縮性材料」という用語は、引っ張られたとき、その変形されていない長さの少なくとも120%まで伸びる(すなわち、その長さを少なくとも20%伸ばすことができる)が、放されたとき、その元の形状に戻る能力をもつ布を意味し、かつ含む。「2方向」伸縮性材料は対向する2方向に伸びるが、一方「4方向」伸縮性材料は、2つの互いに対向する方向に加えて、上記2つの互いに対向する方向に対して垂直な2方向に(すなわち、互いに対して垂直な2方向、およびこれらの垂直な方向のそれぞれに対向する各方向に)伸びる。
【0017】
本明細書において使用される、「編まれた」および「編物」という用語は、糸またはヤーンのループを絡み合わせることによって形成される布を意味し、かつ含む。糸はループのマトリクスの中で偏移することができるので、編んだ布は、非伸縮性繊維で形成されたときでも通気性かつ伸縮性である。
【0018】
本明細書に提示される図は、任意特定の材料または装置の実際の図ではなく、本開示の実施形態を記述するために利用される、単なる理想的な表現である。各図間で共通の要素
は、同じ数字表示を保持し得る。
【0019】
本開示は、一体のシートとして互いに編まれる伸縮性材料の複数の層を含む、編んだ布を記述する。布は、マットレス、マットレストッパー、または座屈壁部を有する他の緩衝装置と共に使用されるとき、いくらかの緩衝効果を提供するのに適した嵩をもつ、比較的きついゲージのものでもよい。布は、座屈壁部を覆って発泡体層またはキルトにされた層を配置することに関連する問題を緩和し得る。具体的には、発泡体層およびキルトにされた層のそれぞれの伸縮性能は、たとえば接着剤、ステッチング、または非伸縮性の布に起因して、比較的低い場合がある。こうした十分な伸縮性能の欠如は、望ましい座屈作用、特に人間の臀部などの突出部の周りの局所的な座屈を妨げる場合があり、したがってこのような材料のマットレスまたはマットレストッパーは、快適性がより低く、使用者に加わるピーク圧力がより高く、使用者の背骨に位置を合わせる能力がより低い場合がある。本明細書に開示される編んだ布は、緩衝性を提供することができ、伸縮性であり得、その結果、座屈壁部は、より使用者に目立ちにくくなる。
【0020】
図1は、編んだ布100の簡略化された断面図であり、これは上部層102と、下部層104と、充填材料106とを含むことができる。話を簡単かつ明瞭にするために「上部」および「下部」と示され、記述されるが、上部層102および下部層104は、図に示す方向から逆にされる、90°回転される、などを含めて、任意の向きで形成および使用されてもよい。上部層102、下部層104のそれぞれ、および充填材料106は、伸縮性材料で形成されてもよく、その結果、布100の全体が伸縮性をとどめる。上部層102、下部層104および充填材料106は、単一で一体の布のシートとして互いに編まれてもよく、その結果、布100を編んだ後、上部層102、下部層104、および充填材料106を連結するために、接着剤、ステッチングまたは他の付加物は必要でない場合がある。布100には、実質的に非伸縮性材料がなくてもよい。
【0021】
編んだ布100を形成するために、糸を編んで上部層102および下部層104を同時に形成し、上部層102および下部層104が形成されるとき、充填材料106を封入してもよい。たとえば、(編んだ布100は、2つ以上のこのような糸を含んでもよいが、)繊維または糸を使用して上部層102の一部を形成し、次いで繊維または糸をつないで下部層104の一部を形成してもよい。充填材料106は、嵩または綿毛に関して選択される糸で形成されてもよい。上部層102が下部層104につながれるとき、充填材料106は、布の中に封入され得る。いくつかの実施形態では、丸編み機などの機械が、上部層102の一部(たとえば1ループまたは数ループ)を形成し、次いで下部層104の一部を形成してもよい。工程は繰り返し、一体のシートとして、編んだ布100の全体を形成することができる。
【0022】
布100は、少なくとも互いに対して垂直な2方向において伸縮性能を発揮することができ、これは当業界では「4方向ストレッチ」と称される場合がある。たとえば、布100は、布100の表面の平面内の、2つの垂直な方向のそれぞれに伸びることができ、その結果、上記表面の平面内の任意の方向において布100に作用する力は、その方向に布100を伸ばすことができる。このような特性を実現するために、布100は、(たとえば布100の表面に対して平行な方向において)少なくとも互いに対して垂直な2方向で伸縮性能を発揮する材料から実質的にまたは全面的に構成され得る。布100は、(たとえば布100の表面に対して垂直な)第3の垂直方向にも伸びることができる。
【0023】
布100の伸縮性材料は、たとえばエラストマー繊維を含んでもよい。エラストマー繊維(当技術分野では「軟繊維(soft fiber)」としても知られている場合がある)は、その元の形状に戻る能力を保持しながら、400%以上も伸びることができる。エラストマー繊維には、たとえばスパンデックス(すなわち「繊維形成物質が、少なくと
も85%のセグメント化ポリウレタンからなる長鎖合成重合体である、製造された繊維」(連邦規則集第16巻§303.7参照))、天然ゴムまたは合成ゴム、オレフィン、ポリエステル、ポリエーテルなど、およびこれらの組合せが含まれる。いくつかの実施形態では、布100は、約3重量%から約20重量%のエラストマー繊維、または約8重量%から約15重量%のエラストマー繊維など、少なくとも約1重量%のエラストマー繊維を含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、布100は、少なくとも約250g/m、少なくとも約400g/m、またさらには少なくとも約650g/mである、単位面積当たりの重量を有し得る。布100は、少なくとも約2.5mm、少なくとも約5.0mm、または少なくとも約25mmである嵩または最大非圧縮厚みTを有し得る。布100の重量および厚みは、いくらかの緩衝効果をもたらす能力を布100に与えることができる。
【0025】
布100は、圧縮されていないとき、まちまちである厚みを有し得る。たとえば、図1に示されるように、布100は、比較的厚手の部分110と比較的薄手の部分112とを有することができる。上部層102と下部層104は、布100の薄手の部分112において糸のループを絡み合わせることによって互いに編まれ得る。布100は、充填材料106は薄手の部分112より厚手の部分110において厚いが、一方上部層102および下部層104はそれぞれ概ね均一な厚みであり得るように編まれてもよい。布100は、厚手の部分110および薄手の部分112の形状を保って、所定の位置に充填材料106を保持するように編まれ得る。布100は、キルトにされた布の外見を有するが、単一の、一体のシートであり得るように形作られてもよい。したがって、布100の製造は、キルティングより単純かつ安価である可能性がある。
【0026】
図2は、布100が上または下からどのように見え得るかを示す。薄手の部分112は、布100の表面において全体的に線または曲線を形成することができ、これはキルティングステッチの外見を有することができる。薄手の部分112は、審美的な、または他の目的において選択される任意のパターンでもよい。
【0027】
布100は、布100が緩衝効果をもたらし得るように、荷重がかかると圧縮するように構成され得る。布100は、マットレスまたは他の緩衝材を覆って使用されて、マットレスまたは緩衝材の緩衝特性を改善することができる。
【0028】
図3は、布100および他の緩衝要素を含むマットレスまたはマットレストッパー130(これ以降「マットレス130」)の一部を示す、簡略化された断面図である。具体的には、布100は、発泡体基部160を覆うエラストマー緩衝要素140を覆って載っているのが示される。布100は、エラストマー緩衝要素140および発泡体基部160とは独立して動くように構成されてもよく、したがって布100とエラストマー緩衝要素140との間の境界面に沿ってエラストマー緩衝要素140に結合されなくてもよい。代わりに、布100は、エラストマー緩衝要素140、および任意選択で発泡体基部160用の取外し可能カバーに組み込まれてもよく、少なくとも部分的にエラストマー緩衝要素140を囲むことによってなど、エラストマー緩衝要素140の縁部でエラストマー緩衝要素140に連結されてもよい。したがって、布100は、下にあるエラストマー緩衝要素140に対し、少なくともそれらの間の境界面に沿って、自由に横に動くことができる。布100は、洗濯または交換のために取り外され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、編まれた難燃性の布などの別の伸縮性材料180が、布100とエラストマー緩衝要素140との間に設けられてもよい。伸縮性材料180は、布100とエラストマー緩衝要素140が互いに対して自由に動くことを可能にするように、布100とエラストマー緩衝要素140のどちらかに固着されるかまたはそれと一体であ
り得るが、通常はそれらの両方には固着されない。いくつかの実施形態では、伸縮性材料180(もしあれば)は、布100とエラストマー緩衝要素140のどちらとも別個でもよい。伸縮性材料180は、布100より比較的薄手でもよく、その結果、伸縮性材料180は、マットレス130に緩衝効果をほとんど、またはまったくもたらさない。たとえば、伸縮性材料180の厚みは、約1.5mm未満、約1.0mm未満、または約0.5mm未満であってもよい。他の実施形態では、布100は、布100とエラストマー緩衝要素140との間の任意の他の材料なしで、エラストマー緩衝要素140と直接物理的に接触した状態でもよい。
【0030】
布100は、従来の伸縮性マットレスカバーより大きい嵩の厚みTを有し得る。従来のマットレスカバーは、通常、マットレスを拘束することなく汚れおよび摩耗からマットレスを守るように設計されるが、それら自体に緩衝性を与えることは通常意図されていない。したがって、従来のマットレスカバーは、約0.5mmから約2mm厚など、通常は比較的薄い。このような薄手のカバーは、厚手のカバーよりも重量が軽く生産が安価であるために、通常選択される。しかし、少なくとも約2.5mm程度の厚みを有する柔軟な材料の編物構造を有する布100は緩衝効果をもたらし得ることが、期せずして判明した。エラストマー緩衝要素140を覆って、しかしそれに取り付けられずに配置されるとき、このような布100は、エラストマー緩衝要素140の中の個々の緩衝フィーチャの圧力を軽減することができる。さらに、布100は、単一の一体のシートとして形成されるので、キルトにされた多層の布より生産が安価である場合があり、キルティングには通常必要とされる非伸縮性材料層を使用することなく形成され得る。
【0031】
エラストマー緩衝要素140には、たとえば2006年7月18日発行の米国特許第7,076,822号「Stacked Cushions」、2010年6月8日発行の米国特許第7,730,566号「Multi-Walled Gelastic Material」、2011年12月13日発行の米国特許第8,075,981号「Alternating Pattern Gel Cushioning Elements and Related Methods」、2013年5月7日発行の米国特許第8,434,748号「Cushions Comprising Gel Springs」、2014年1月14日発行の米国特許第8,628,067号「Cushions Comprising Core Structures and Related
Methods」、および2014年12月30日発行の米国特許第8,919,750号「Cushioning Elements Comprising Buckling Walls and Methods of Forming Such Cushioning Elements」に記載されるエラストマー緩衝材料が含まれてもよく、これらの開示全体は、この参照によって本明細書に援用される。
【0032】
図4は、エラストマー緩衝要素140の簡略化された上面図である。エラストマー緩衝要素140は、相互連結され、中空柱144または空隙を画定する、交差する座屈壁部142を含む。座屈壁部142は、直角に交差するように示されているが、座屈壁部142は、選択される任意の構成でもよい。たとえば、座屈壁部142は、三角形の中空柱144、六角形の中空柱144、斜めにされた平行四辺形の中空柱144などを形成するように構成されてもよい。
【0033】
エラストマー緩衝要素140は、所期の使途に基づく、選択される任意の寸法を有してもよい。たとえば、マットレス130がクイーンサイズのベッド用のマットレスである場合、エラストマー緩衝要素140は、約152cm(60インチ)×203cm(80インチ)、厚み約5.08cm(2インチ)でもよい。いくつかの実施形態では、エラストマー緩衝要素140の厚みは、約5.08cm(2インチ)から約15.24cm(6インチ)など、約2.54cm(1インチ)から約25.4cm(10インチ)の間でもよ
い。エラストマー緩衝要素140の厚みは、マットレス130の他の部分の厚みに基づいて変化してもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、エラストマー緩衝要素140は、従来のマットレスのスプリングまたは硬い発泡体の支持コアの代わりに使用されるように構成されてもよい。容易に持ち上げられ、移動され得るマットレスを提供するために、エラストマー緩衝要素140は、布100より小さい全体密度を有するように構成され得る。本明細書において使用される、「全体密度」という用語は、エラストマー緩衝要素140の柱144の内側の体積を含めた、その外寸によって求められるエラストマー緩衝要素140の体積で割った、エラストマー緩衝要素140の質量を意味し、かつ含む。
【0035】
エラストマー緩衝要素140の全体密度を小さく保つために、柱144の内側の体積は大きくされ、座屈壁部142の体積は小さくされ得る。たとえば、座屈壁部142は、従来の緩衝要素と比べて比較的薄くてもよい。同様に、互いに隣り合う座屈壁部142同士の間の空間は、従来の緩衝要素と比べて比較的広くてもよい。たとえば、互いに隣り合う座屈壁部142同士の間の空間は、少なくとも約1.27cm(0.5インチ)、少なくとも約2.54cm(1.0インチ)、またはさらに大きくてもよい。いくつかの実施形態では、互いに隣り合う座屈壁部142同士の間の距離と座屈壁部142の厚みの比は、約20から約60、または約30から約50など、約10から約100でもよい。たとえば、エラストマー緩衝要素140は、厚みが約1.3mm(0.05インチ)であり、互いに隣り合う座屈壁部142同士の間の距離が約2.54cm(1.0インチ)である座屈壁部142を有してもよい。いくつかの実施形態では、エラストマー緩衝要素140は、約76.9kg/m(4.8lb/ft)から約158.6kg/m(9.9lb/ft)、または約96.1kg/m(6.0lb/ft)から約115.3kg/m(7.2lb/ft)など、約57.7kg/m(3.6lb/ft)から約192.2kg/m(12lb/ft)の全体密度を有し得る。座屈壁部142を形成するエラストマー材料は、約900kg/m(56lb/ft)未満、約850kg/m(53lb/ft)未満、またさらには約800kg/m(50lb/ft)未満である密度を有してもよい。
【0036】
座屈壁部142は、エラストマー材料で形成され、かつそれを含む。エラストマー材料は、たとえば、1999年11月30日発行の米国特許第5,994,450号「Gelatinous Elastomer and Methods of Making and Using the Same and Articles Made Therefrom」、2011年6月21日発行の米国特許第7,964,664号「Gel
with Wide Distribution of MW in Mid-Block」、および1983年1月18日発行の米国特許第4,369,284号「Thermoplastic Elastomer Gelatinous Compositions」に記述されており、これらの各開示は、この参照によって本明細書に全体として援用される。エラストマー材料は、エラストマー重合体と可塑剤とを含んでもよい。エラストマー材料は、(当技術分野ではゲル、エラストマーゲル、またはエラストマー系ゲルとも称される)ゼリー状エラストマー、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成エラストマー、天然エラストマーと合成エラストマーの混合物などでもよい。
【0037】
エラストマー重合体は、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン(SEPS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン(SEBS)、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレン(SEEPS)などのABA型トリブロック共重合体でもよい。たとえば、ABA型トリブロック共重合体は、Houston、TXのKuraray America,Inc.から商標名SEPTON(登録商標)4055で、Houston、TXのKraton Polymers,LLCから商標名KRATON(登録商標
)E1830、KRATON(登録商標)G1650およびKRATON(登録商標)G1651で、現在市販されている。これらの例では、「A」ブロックはスチレンである。「B」ブロックは、鉱油または他の炭化水素流体で可塑化され得る、ゴム(たとえばブタジエン、イソプレンなど)または水素化ゴム(たとえばエチレン/プロピレンもしくはエチレン/ブチレンもしくはエチレン/エチレン/プロピレン)でもよい。エラストマー材料は、本質的に熱可塑性である、または可塑剤によって溶媒和され得る、または多成分熱硬化性エラストマーもしくは架橋エラストマーである、非スチレン系エラストマー重合体などの、スチレンベースの共重合体以外のエラストマー重合体を含んでもよい。
【0038】
エラストマー材料は、炭化水素流体などの1つまたは複数の可塑剤を含んでもよい。たとえば、エラストマー材料は、Mahwah、NJのSonneborn,Inc.によって商標名BLANDOL(登録商標)およびCARNATION(登録商標)で販売されているものなど、芳香族フリーで食品グレードの白色パラフィン系鉱油を含んでもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、エラストマー材料は、重量比で約0.1:1から約50:1の可塑剤対重合体比を有してもよい。たとえば、エラストマー材料は、重量比で約1:1から約30:1、またさらには重量比で約1.5:1から約10:1の可塑剤対重合体比を有してもよい。別の実施形態では、エラストマー材料は、重量比で約4:1の可塑剤対重合体比を有してもよい。
【0040】
エラストマー材料は、1つまたは複数のフィラー(たとえば軽量微小球)を有してもよい。フィラーは、エラストマー材料の熱特性、密度、加工などに影響を及ぼす場合がある。たとえば、中空微小球(たとえば中空ガラス微小球や中空アクリル微小球)は、絶縁体として機能することによってエラストマー材料の熱伝導率を小さくすることができ、これはこのような中空微小球(たとえば中空ガラス微小球や中空アクリル微小球)が、可塑剤または重合体より低い熱伝導率を有し得るからである。別の例として、金属粒子(たとえばアルミニウム、銅など)は、その結果得られるエラストマー材料の熱伝導率を大きくすることができ、これはこのような粒子が、可塑剤または重合体より大きい熱伝導率を有し得るからである。ワックスまたは別の相変化材料(すなわち、緩衝要素が使用され得る温度付近で相変化を経るように配合される材料)で充填される微小球は、微小球の中のワックスまたは他の相変化材料の相変化温度かまたはその付近において(すなわち相変化の融解熱に起因して)、温度安定性を実現することができる。相変化材料は、約20℃から約45℃の融点を有し得る。
【0041】
エラストマー材料は、酸化防止剤も含んでもよい。酸化防止剤は、加工中の熱的劣化の効果を軽減することができ、または長期的安定性を改善することができる。酸化防止剤には、たとえばIselin、New JerseyのBASF Corp.からIRGANOX(登録商標)1010として、またはLos Angeles、CaliforniaのEverspring Corp.、USAからEVERNOX(登録商標)-10として市販されているペンタエリトリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート)、BASF Corp.からIRGANOX(登録商標)1076として、またはEverspring ChemicalからEVERNOX(登録商標)76として市販されているオクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、およびBASF
Corp.からIRGAFOS(登録商標)168として、またはEverspring Corp.、USAからEVERFOS(登録商標)168として市販されているトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトが含まれる。1つまたは複数の酸化防止剤が、エラストマー材料の単一配合物に組み合わせられてもよい。可塑剤と重合体の混合物に酸化防止剤を使用することは、参照によって先に援用されている米国特
許第5,994,450号の25段および26段に記述される。エラストマー材料は、最大約5wt%の酸化防止剤を含んでもよい。たとえば、エラストマー材料は、約0.10wt%から約1.0wt%の酸化防止剤を含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、エラストマー材料は、樹脂を含んでもよい。樹脂は、エラストマー材料を改質して、変形後、エラストマー緩衝要素140の反発を遅くするように選択され得る。樹脂(もしあれば)には、Kingsport、TNのEastman Chemical Companyから商標名REGALREZ(登録商標)で市販されているものなどの、水素化ピュアモノマー炭化水素樹脂が含まれ得る。樹脂(もしあれば)は、粘着付与剤として機能して、エラストマー材料の表面の粘着性を向上させることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、エラストマー材料は、顔料、または顔料の組合せを含むことができる。顔料は、審美的、または機能的、あるいはその両方であってもよい。つまり、顔料は、消費者に訴求する外見をエラストマー緩衝要素140に提供することができる。さらに、暗色を有するエラストマー緩衝要素140は、明色を有するエラストマー緩衝要素140とは異なるように放熱を吸収し得る。
【0044】
エラストマー材料は、任意のタイプのゼリー状エラストマーを含んでもよい。たとえば、エラストマー材料は、1重量部のスチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEEPS)エラストマートリブロック共重合体(たとえばSEPTON(登録商標)4055)に対し4重量部の70重量ストレートカット(70-weight straight-cut)白色パラフィン系鉱油(たとえばCARNATION(登録商標)白色鉱油)、ならびに任意選択で顔料、酸化防止剤、および/または他の添加物の、溶融ブレンドを含んでもよい。
【0045】
エラストマー材料は、変形後その元の形状に戻り、かつ弾性的に伸ばされ得る材料を含んでもよい。エラストマー材料は、ゴムのような感触である場合があるが、従来のゴム材料よりも変形圧力を印加する物の形状へとうまく変形することができ、従来のゴム材料より小さいデュロメータ硬さを有し得る。たとえば、エラストマー材料は、約50未満、約0.1から約50、または約5未満である、ショアAスケールでの硬さを有し得る。
【0046】
エラストマー材料は、荷重が取り除かれた後、エラストマー緩衝要素140がその元の形状に戻ることができるように、全体として非粘着性でもよい。つまり、エラストマー材料は、座屈壁部142が互いにくっつかない、または変形力が取り除かれた後、互いにくっついたままでないように、十分に非粘着性であり得る。いくつかの実施形態では、座屈壁部142は、エラストマー材料の表面を非粘着性にするために、コーティングを含んでもよい。したがって、互いに隣り合う座屈壁部142同士の間の任意の接触は、即座に、または力が取り除かれた後すぐに終了し得る。エラストマー材料は、選択される任意の粘着性または粘り気を有するように配合されて、荷重の除去に対する反応速度を制御することができる。
【0047】
座屈壁部142への力(たとえば緩衝される物の重量)の印加により、座屈壁部142への圧縮力が生じる。特定の座屈壁部142に印加される力がある一定の閾値を超えるとき、その座屈壁部142は座屈し、その特定の座屈壁部142によって支えられる力の量は、座屈しないようにされた場合に座屈壁部142が支えたはずの荷重と比較して小さくなる(たとえばその結果、座屈後、関連付けられる応力-ひずみ曲線または荷重-たわみ曲線の傾きが小さくなる)。座屈壁部142を通じて荷重が横方向に伝達するので、近くの座屈壁部142に加わる力は、大きくなるかまたは方向を変え得る。
【0048】
座屈壁部142の座屈は、座屈する座屈壁部142によって支えられる荷重の量を、それらの座屈する座屈壁部142が座屈しないようにされた場合に支えたはずの荷重と比較して小さくすることにより、上記座屈の場所において圧力を軽減し得る。すなわち、荷重は、エラストマー緩衝要素140の他の部分に伝達され得る。エラストマー緩衝要素140の他の部分に荷重のすべてまたは一部を伝達することにより、ピーク圧力を軽減することができ、これは人間または動物にとっての快適さを向上させ、緩衝される物を損傷から守ることができる。このような荷重の伝達は、不規則な形状の物が座屈壁部142に配置されるとき、特に有益である可能性がある。
【0049】
図5は、その一部が図3に示されるマットレス130を示す、簡略化された図面である。布100は、エラストマー緩衝要素140および発泡体基部160を部分的にまたは全面的に囲んでもよい。たとえば、布100は、エラストマー緩衝要素140と発泡体基部160の5つの面(たとえば上面に加えて4つの側面のそれぞれ)、または6つの面すべてを覆う、単一で一体の伸縮性材料でもよい。いくつかの実施形態では、布100の、エラストマー緩衝要素140の上面を覆う部分と、布100の、エラストマー緩衝要素140と発泡体基部160の側面を覆う部分との間に縫い付けられる縫い目が存在しない場合がある。布100は、マットレス130の側面の隅部でのみ、縫い目182で互いに縫い付けられてもよい。縫い目182の長さを限定することにより、布100がその伸縮性を保持することが可能になる場合がある。布100は、ジッパ184により、発泡体基部160の下部を覆う下部材料186に固着され得る。下部材料186は、伸縮性材料であっても、非伸縮性材料であってもよい。いくつかの実施形態では、下部材料186は、マットレス130の側面のうちの1つを覆っている部分と切れ目なくつながった布100の一部であってもよい。このような実施形態では、ジッパ184は、マットレス130の側面を覆っている布100の残りの3つの部分を下部材料186に連結することができる。
【0050】
マットレス130は、従来のマットレスと比較して、改善された衝撃吸収性と、緩衝される物を支持するより小さくより均一な圧力との組合せを提供することができる。この組合せは、(たとえば輸送での)壊れやすい装置の保護、または人間の快適さ(たとえば座席緩衝材、靴のインサートなど)などの、種々の用途において有益であり得る。ピーク圧力の軽減は、人間または動物が、(床擦れまたは褥瘡としても知られている)褥瘡性潰瘍を避ける助けとなり得る。
【0051】
人または動物がマットレス130に載っているとき、布100は、エラストマー緩衝要素140または発泡体基部160が圧縮される代わりに、またはそれに加えて圧縮され得、その結果、人はエラストマー緩衝要素140の座屈壁部142の存在に気付きにくくなる。つまり、座屈壁部142が座屈するとき、人は任意の特定の座屈壁部142を感じない可能性がある。別法として、座屈壁部142またはそれらの座屈作用は使用者に感じられる場合があるが、上記感覚は布100によって弱められる、または軽減され得る。したがって、布100は、座屈壁部142を有するエラストマー緩衝要素140を含むマットレス130を、布100なしの(たとえば従来のカバーを有する)エラストマー緩衝要素140よりも使用者にとって快適なものにすることができる。
【0052】
さらに、単一の一体のシートとして(すなわち材料の単一の層として)布100を構成することにより、キルトにされた材料と比較して生産コストを低減し、伸縮性能を保持することができる。
【0053】
本開示の追加的な非限定的な実施形態例は、以下に記述される。
実施形態1:複数の中空柱を画定する複数の交差する座屈壁部を形成するエラストマー材料を備える緩衝要素であって、エラストマー材料が、エラストマー重合体と可塑剤とを含む、緩衝要素と、緩衝要素を覆って設けられ、緩衝要素の座屈壁部とは独立して動くよ
うに構成される編んだ布とを備える、マットレスまたはマットレストッパー。編んだ布は、伸縮性材料の第1の層、伸縮性材料の第2の層、および伸縮性材料の第1の層と伸縮性材料の第2の層との間の伸縮性充填材料の層を備える。伸縮性材料の第1の層は、伸縮性充填材料の層を含む布の一体のシートとして伸縮性材料の第2の層と互いに編まれる。
【0054】
実施形態2:編んだ布が、少なくとも約250g/mである単位面積当たりの重量を有する材料を含む、実施形態1に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
実施形態3:編んだ布が、少なくとも約400g/mである単位面積当たりの重量を有する材料を含む、実施形態2に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0055】
実施形態4:編んだ布が、少なくとも約650g/mである単位面積当たりの重量を有する材料を含む、実施形態3に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
実施形態5:編んだ布が、少なくとも約2.5mmである嵩の厚みを有する材料を含む、実施形態1から4のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0056】
実施形態6:編んだ布が、少なくとも約5.0mmである嵩の厚みを有する材料を含む、実施形態5に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
実施形態7:編んだ布が、少なくとも約25mmである嵩の厚みを有する材料を含む、実施形態6に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0057】
実施形態8:布が、互いに対して垂直な少なくとも2方向において伸縮性能を発揮する、実施形態1から7のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
実施形態9:編んだ布が、互いに対して垂直な少なくとも2方向において伸縮性能を発揮する材料から実質的に構成される、実施形態1から8のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0058】
実施形態10:編んだ布が、少なくとも約3重量%のエラストマー繊維を含む、実施形態1から9のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
実施形態11:編んだ布が、約6重量%から約20重量%のエラストマー繊維を含む、実施形態10に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0059】
実施形態12:編んだ布が、上部層、下部層、および上部層と下部層との間の充填材料を備える、実施形態1から11のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0060】
実施形態13:上部層、下部層、および充填材料が、互いに編まれて一体の布のシートを形成する、実施形態12に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
実施形態14:編んだ布が、緩衝要素と直接接触した状態である、実施形態1から13のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0061】
実施形態15:編んだ布が、座屈壁部に結合されていない、実施形態1から14のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
実施形態16:編んだ布と緩衝要素との間に難燃性の布をさらに備える、実施形態1から15のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0062】
実施形態17:編んだ布が、緩衝要素を囲む取外し可能カバーに一体化される、実施形態1から16のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
実施形態18:取外し可能カバーが、ジッパを備える、実施形態17に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0063】
実施形態19:エラストマー材料が、エラストマー系ゲルを含む、実施形態1から18のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
実施形態20:可塑剤の重量とエラストマー重合体の重量との比が、約0.1から約50である、実施形態1から19のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0064】
実施形態21:可塑剤の重量とエラストマー重合体の重量との比が、約1.5から約10である、実施形態20に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
実施形態22:エラストマー材料が、複数の微小球をさらに含む、実施形態1から21のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0065】
実施形態23:複数の微小球が、複数の中空微小球を含む、実施形態22に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
実施形態24:エラストマー重合体が、ABA型トリブロック共重合体を含む、実施形態1から23のいずれかに記載のマットレスまたはマットレストッパー。
【0066】
実施形態25:交差する座屈壁部を備える緩衝要素を覆って、編んだ布を設けるステップと、編んだ布を緩衝要素の座屈壁部とは独立して動くように構成するステップとを含む、マットレスまたはマットレストッパーを形成する方法。編んだ布は、伸縮性材料の第1の層、伸縮性材料の第2の層、および伸縮性材料の第1の層と伸縮性材料の第2の層との間の伸縮性充填材料の層を備える。伸縮性材料の第1の層は、伸縮性充填材料の層を含む布の一体のシートとして伸縮性材料の第2の層と互いに編まれる。緩衝要素は、交差する座屈壁部を形成するエラストマー材料を備え、座屈壁部は、複数の中空柱を画定する。エラストマー材料は、エラストマー重合体と可塑剤とを含む。
【0067】
実施形態26:第1の層と第2の層を互いに編んで、編んだ布の上部層と下部層との間に充填材料を封入するステップをさらに含む、実施形態25に記載の方法。
実施形態27:緩衝要素を覆って、編んだ布を設けるステップが、互いに対して垂直な少なくとも2方向において伸縮性能を発揮する材料を含むように編んだ布を選択するステップを含む、実施形態25または26に記載の方法。
【0068】
実施形態28:緩衝要素を覆って、編んだ布を設けるステップが、緩衝要素の上表面を全面的に覆うように、かつ緩衝要素の側方表面を少なくとも部分的に覆うように、編んだ布を位置決めするステップを含む、実施形態25から27のいずれかに記載の方法。緩衝要素が変形されていない状態であるとき、側方表面は、上表面に対して垂直である。
【0069】
本開示は、例示されるいくつかの実施形態に関して本明細書に記述されてきたが、本開示がそれらに限定されないことは、当業者には認識および理解されよう。むしろ、その法的均等物を含め、これ以降請求される本開示の範囲から逸脱しない限り、例示される実施形態に対して多くの追加、削除、および変更がなされてもよい。さらに、依然として企図される本開示の範囲に含まれるとき、ある実施形態の中の特徴は、別の実施形態の特徴と組み合わせられてもよい。さらに、本開示の実施形態は、緩衝材、およびマットレスまたはマットレストッパーの様々な種々のタイプおよび構成に対して有用性をもつ。以下は、本願の出願当初の本発明の各種形態である。(形態1)
複数の中空柱を画定する複数の交差する座屈壁部を形成するエラストマー材料を備える緩衝要素であって、前記エラストマー材料が、エラストマー重合体と可塑剤とを含む、緩衝要素と、
前記緩衝要素を覆って設けられ、前記緩衝要素の前記座屈壁部とは独立して動くように構成される編んだ布であって、
伸縮性材料の第1の層、
伸縮性材料の第2の層、ならびに
前記伸縮性材料の第1の層と前記伸縮性材料の第2の層との間の伸縮性充填材料の層を備え、
前記伸縮性材料の第1の層が、前記伸縮性充填材料の層を含む布の一体のシートとして前記伸縮性材料の第2の層と互いに編まれる、編んだ布とを備える、
マットレスまたはマットレストッパー。
(形態2)
前記編んだ布が、少なくとも約250g/m2である単位面積当たりの重量を有する材料を含む、形態1に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態3)
前記編んだ布が、少なくとも約400g/m2である単位面積当たりの重量を有する材料を含む、形態2に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態4)
前記編んだ布が、少なくとも約2.5mmである嵩の厚みを有する材料を含む、形態1に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態5)
前記編んだ布が、少なくとも約5.0mmである嵩の厚みを有する材料を含む、形態4に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態6)
前記布が、互いに対して垂直な少なくとも2方向において伸縮性能を発揮する、形態1から5のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態7)
前記編んだ布が、互いに対して垂直な少なくとも2方向において伸縮性能を発揮する材料から実質的に構成される、形態6に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態8)
前記編んだ布が、少なくとも約3重量%のエラストマー繊維を含む、形態1から5のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態9)
前記編んだ布が、前記緩衝要素と直接接触した状態である、形態1から5のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態10)
前記編んだ布が、前記座屈壁部に結合されていない、形態1から5のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態11)
前記編んだ布と前記緩衝要素との間に難燃性の布をさらに備える、形態1から5のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態12)
前記編んだ布が、前記緩衝要素を囲む取外し可能カバーに一体化される、形態1から5のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態13)
前記取外し可能カバーが、ジッパを備える、形態12に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態14)
前記エラストマー材料が、エラストマー系ゲルを含む、形態1から5のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態15)
前記可塑剤の重量と前記エラストマー重合体の重量との比が、約0.1から約50である、形態1から5のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態16)
前記エラストマー重合体が、ABA型トリブロック共重合体を含む、形態1から5のいずれか一項に記載のマットレスまたはマットレストッパー。
(形態17)
交差する座屈壁部を備える緩衝要素を覆って、編んだ布を設けるステップと、前記編んだ布を前記緩衝要素の前記座屈壁部とは独立して動くように構成するステップとを含み、
前記編んだ布が、伸縮性材料の第1の層、伸縮性材料の第2の層、および前記伸縮性材料の第1の層と前記伸縮性材料の第2の層との間の伸縮性充填材料の層を備え、前記伸縮性材料の第1の層が、前記伸縮性充填材料の層を含む布の一体のシートとして前記伸縮性材料の第2の層と互いに編まれ、
前記緩衝要素が、前記交差する座屈壁部を形成するエラストマー材料を備え、前記座屈壁部が、複数の中空柱を画定し、前記エラストマー材料が、エラストマー重合体と可塑剤とを含む、
マットレスまたはマットレストッパーを形成する方法。
(形態18)
前記第1の層と前記第2の層を互いに編んで、前記編んだ布の前記上部層と前記下部層との間に前記充填材料を封入するステップをさらに含む、形態17に記載の方法。
(形態19)
前記緩衝要素を覆って、編んだ布を設けるステップが、互いに対して垂直な少なくとも2方向において伸縮性能を発揮する材料を含むように、前記編んだ布を選択するステップを含む、形態17または18に記載の方法。
(形態20)
前記緩衝要素を覆って、編んだ布を設けるステップが、前記緩衝要素の上表面を全面的に覆うように、かつ前記緩衝要素の側方表面を少なくとも部分的に覆うように、前記編んだ布を位置決めするステップを含み、前記緩衝要素が変形されていない状態であるとき、前記側方表面が、前記上表面に対して垂直である、形態17または18に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5