(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】小さいノズル距離を備えるアプリケータ
(51)【国際特許分類】
B05C 5/00 20060101AFI20250327BHJP
B05B 1/30 20060101ALI20250327BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20250327BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05B1/30
B05C11/10
(21)【出願番号】P 2020518041
(86)(22)【出願日】2018-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2018076219
(87)【国際公開番号】W WO2019063668
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-08-23
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】102017122495.5
(32)【優先日】2017-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Durr Systems AG
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ、ハンス-ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーア、ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】クライナー、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ブベック、モーリッツ
(72)【発明者】
【氏名】ベイル、ティモ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルレ、フランク
(72)【発明者】
【氏名】ゾツニー、シュテッフェン
(72)【発明者】
【氏名】タンドラー、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ベルント、トビアス
【合議体】
【審判長】加藤 友也
【審判官】植前 充司
【審判官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-514234号公報(JP,A)
【文献】特開平05-293959号公報(JP,A)
【文献】特開昭63-165147号公報(JP,A)
【文献】特開2001-146010号公報(JP,A)
【文献】特開2009-78398(JP,A)
【文献】特開2013-107256号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00
B05C 11/10
B05B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング
剤を部品
に塗布するためのアプリケー
タであって、
a)前記コーティング剤をコーティング剤ジェット(54;61;77)の形態で吐出するための複数のノズル
(22~28;60;78)を有する少なくとも1つのノズル列
(21)
であって、前記ノズル(22~28;60;78)は、前記ノズル列(21)に沿って特定のノズル距離(d)で、ノズル平面において互いに前後に配置され、及び、
b)個々の前記ノズル
(22~28;60;78)を通る前記コーティング剤の放出を制御するための複数のアクチュエータ
(a.1.1~b.3.2)、
を備え、
b1)前記アクチュエータ
(a.1.1~b.3.2)は、前記ノズル列
(21)に沿った外形寸法(b)をそれぞれ有し、
b2)前記アクチュエータ(a.1.1~b.3.2)は、複数のアクチュエータ平面において配置され、個々の前記アクチュエータ平面は、前記ノズル平面から異なる距離で前記ノズル平面に対して平行に延び、
c)前記ノズル列
(21)の隣接する前記ノズル
(22~28;60;78)間の前記ノズル距離(d)は、
それぞれの前記ノズル列
(21)に沿う個々の前記アクチュエータ
(a.1.1~b.3.2)の外形寸法(b)より小さ
く、
d)個々の前記アクチュエータ平面における前記アクチュエータ(a.1.1~b.3.2)は、前記ノズル列(21)に対して平行な複数のアクチュエータ列にそれぞれ配置され、
e)互いに上下に垂直に配置された前記アクチュエータは、前記ノズル列における隣接する前記ノズル間のノズル距離(d)と実質的に同じ値で、又は前記ノズル距離の整数倍に対応して、互いに対して水平方向にオフセットされる、
ことを特徴とするアプリケータ。
【請求項2】
a)前記アプリケータは、前記ノズルを通る前記コーティング剤の前記放出を制御するための複数のコントロールバルブ(31~34、39~41)を有し、前記コントロールバルブ(31~34、39~41)は前記アクチュエータ
(a.1.1~b.3.2)によって駆動される、
b)一方で前記ノズル(22~28)を、他方で前記コントロールバルブを空間的に引き離すことを可能とするために、前記コントロールバルブ(31~34、39~41)は、それぞれ関連する前記ノズル(22~28)から空間的に分離され、及び、流路(45~51)を介して関連する前記ノズル(22~28)にそれぞれ接続される、及び、
c)前記ノズル距離(d)を減らすため、前記コントロールバルブ(31~34、39~41)は、前記ノズル列(
21)に対して横方向にオフセットしたシャットオフ位置で配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項3】
a)前記コントロールバルブ(31~34、39~41)は、前記ノズル列(21)に対して互いに対向する2つの前記バルブ列(29、30)における前記ノズル列(21)のいずれかの側に配置される、及び、
b)前記ノズル(22~28)は、前記ノズル列(21)に沿って、対向する前記バルブ列(29、30)のコントロールバルブ(31~34、39~41)に前記流路(45~51)を介して交互に接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載のアプリケータ。
【請求項4】
a)前記流路(80~84)は、前記ノズル列に対して直角な引き離し平面におけるノズル列から、2つより多い異なる方向に出発する、及び/又は、
b)前記引き離し平面における前記流路(80~84)の前記異なる方向は、20°~70°、30°~60°、40°~50°、又は45°の角度をそれぞれ含む、及び、
c)前記ノズル(78)は、前記ノズル列に沿って、前記異なる流路(80~84)の1つに交互に接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載のアプリケータ。
【請求項5】
a)前記アクチュエータ(a.1.1~b.3.2)は、複数のアクチュエータ平面に配置され、個々の前記アクチュエータ平面は、前記ノズル平面及び/又は前記バルブシート列に平行に延びる、及び、
b)2つのアクチュエータ列は、個々の前記アクチュエータ平面のそれぞれにおいて、前記ノズル列及び/又は前記バルブシート列のいずかの側に配置され、前記アクチュエータ列は、それぞれ複数のアクチュエータ(a.1.1~b.3.2)を含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載のアプリケータ。
【請求項6】
a
)前記アクチュエータ列における前記アクチュエータは、実質的に等距離で配置される、
ことを特徴とする請求項
1に記載のアプリケータ。
【請求項7】
a
)コントロールバルブと関連する前記ノズルとの距離が部分的に異なり、その結果、前記流路(57、58)が部分的に異なる距離で設けられる、及び/又は、
b)前記流路(57、58)は、異なる前記距離を補償するための圧力補償手段(59)を有し、前記圧力補償手段(59)は、異なる長さの前記流路(57、58)に沿う異なる圧力損失を少なくとも部分的に補償する、及び/又は、
c)前記圧力補償手段(59)は
、以下の:
c1)蛇行経路、
c2)ジグザグの流路形状、
c3)らせん流路形状、及び/又は、
c4)流路の狭窄、
を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項8】
a)個々の前記コントロールバルブは、選択的に閉じる又は開放することが可能なバルブシート(31~34、39~41;64)をそれぞれ有する、及び/又は、
b)個々の前記バルブシート(31~34、39~41;64)は、50μm~1500μmの明確な直径をそれぞれ有する、
ことを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項9】
a)可撓性のバルブ部材(67
)が設けられ、前記バルブ部材(67)は、その撓みに応じて、前記バルブシート(64)を選択的に開放する又は閉じる、及び/又は、
b)前記バルブ部材(67)の前記撓みのため、
b1)閉位置では、前記バルブ部材(67)を前記バルブシート(64)に対して押し、それにより後者を封じる変位可能なプランジャ(6)が設けられる、又は、
b2)圧力チャンバ(72)が設けられ、前記圧力チャンバ(72)は、調節可能な圧力を前記バルブ部材(67)に適用し、選択的に前記バルブ部材(67)を前記バルブシート(64)に対して押し、それにより前記バルブシート(64)を封じる又は前記バルブシート(64)を開放する、及び/又は、
c)前記バルブ部材(67)は、複数の前記バルブシート(64)上に延び、個々の前記バルブシート(64)のために、個々に撓むことができる、及び/又は、
d)前記バルブ部材(67)は、アクチュエータチャンバをコーティング剤で満たされた供給ラインチャンバから分け、それにより、前記アクチュエータチャンバにおける前記アクチュエータ
(a.1.1~b.3.2)が前記コーティング剤により汚染されることを防ぐ、及び/又は、
e)個々の前記コントロールバルブは、戻しばね(71)をそれぞれ有し、前記戻しばね(71)は、前記プランジャ(69)を閉位置又は開位置内に付勢する、
ことを特徴とする請求項
8に記載のアプリケータ。
【請求項10】
a)変位可能なバルブニードル(73)が設けられ、前記バルブニードル(73)は、その位置に応じて、選択的に前記バルブシート(64)を開放する、又は閉じる、及び/又は、
b)前記バルブニードル(73)は、封止部材(67
)を通過し、前記封止部材(67)は、コーティング剤で満たされた供給ラインチャンバから、アクチュエータチャンバを分け、それによって前記アクチュエータチャンバ内の前記アクチュエータが、コーティング剤によって汚染されることを防ぐ、及び/又は、
c)前記バルブニードル(73)は、その先端に個別の封止部材(74)を有する、
ことを特徴する請求項
9に記載のアプリケータ。
【請求項11】
前記バルブニードル(73)又は前記プランジャ(69)は、前記アクチュエータ
(a.1.1~b.3.2)の1つによって
、それぞれ変位される、
ことを特徴とする請求項
9又は1
0に記載のアプリケータ。
【請求項12】
a)前記アクチュエータ
(a.1.1~b.3.2)は、それぞれ単動式であり、前記バルブニードル(73)又は前記プランジャ(69)を1つの方向だけにアクティブに動かす、一方、前記バルブニードル(73)又は前記プランジャ(69)は、戻しばね(71)によって反対の方向に動く、又は、
b)前記アクチュエータ
(a.1.1~b.3.2)は、それぞれ複動式であり、前記バルブニードル(73)又は前記プランジャ(69)を両方向にアクティブに動かす、
ことを特徴とする請求項1
1に記載のアプリケータ。
【請求項13】
前記コントロールバルブは、前記アプリケータの外に配置され、流体ライン(75)によって
、前記アプリケータに接続される、
ことを特徴とする請求項1乃至1
2のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項14】
a)流路(45~51;63;80~84)は、供給チャネル(66、53)から前記コーティング剤が供給される、及び/又は、
b)前記供給チャネル(66、53)は、100μm~2000μmのチャネル高さを有する、及び/又は、
c)前記供給チャネル(66、53)は、1mm~5mmのチャネル幅を有する、及び/又は、
d)前記供給チャネル(66、53)は、1mm~100mmのチャネル長さを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至1
3のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項15】
a)前記コントロールバルブの隣接する前記バルブシート(31~34、39~41;64)は、第1の間隔(a)で、前記ノズル列
(21)に対して平行に配置される、
b)隣接する前記ノズル
(22~28;60;78)は、第2の間隔(d)で、前記ノズル列
(21)に沿って配置される、及び、
c)隣接する前記バルブシート間の前記第1の間隔(a)は、隣接する前記ノズル
(22~28;60;78)間の前記第2の間隔(d)の少なくとも2倍の大きさである、
ことを特徴とする請求項1乃至1
4のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項16】
前記流路(45~51;63;80~84)及び/又は前記供給チャネル(66)は、以下の:
a)リソグラフィプロセ
ス、
b)3D印刷、
c)犠牲層法、
d)エスカルゴ(Escargot)プロセス、
e)LIGAプロセス、
f)熱接着、
g)拡散溶接、
h)レーザーアブレーション、
i)レーザーカッティング、
j)ボンディング、ホットスタンピング、
k)エッチングプロセス、
l)射出成形、
m)選択的レーザー焼結、
n)選択的レーザー溶融、
o)機械的プロセス、
p)上記の方法の組み合わせ、
の製造方法の1つによって形成される、
ことを特徴とする請求項1乃至1
5のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項17】
前記流路(45~51;63;80~84)及び/又は前記供給チャネル(66)は、前記コーティング剤に対して不活性な材料から形成された基板(65)内に延
びる、
ことを特徴とする請求項1乃至1
6のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項18】
a)前記流路(45~51;63;80~84)は、少なくともその長さの一部にわたって、前記コーティング剤ジェット(54;61;77)に対して、0°~90°、20°~85°、45°~80°の角度(α)を有する、及び/又は、
b)前記流路(45~51;63;80~84)は、少なくともその長さの一部にわたって、前記ノズル列
(21)に対して0°~90°又は45°~90°の角度(α)で、又は横方向
に延びる、及び/又は、
c)前記流路(45~51;63;80~84)は、少なくともその長さの一部にわたって、前記コーティング剤ジェット(54;61;77)に対して0°~90°又は45°~90°の角度(α)
で延び、及び前記ノズル列
(21)に対して直交して延びる、及び/又は、
d)前記流路(45~51;63;80~84)は、50μm~1000μm又は100μm~500μmのチャネル高さを備えるチャネル断面をそれぞれ有する、及び/又は、
e)前記流路は、50μm~1000μm又は100μm~500μmのチャネル幅を備えるチャネル断面をそれぞれ有する、及び/又は、
f)前記流路(45~51;63;80~84)は、0.1mm~50mm又は0.5mm~25mmのチャネル長さをそれぞれ有する、及び/又は、
g)前記流路(45~51;63;80~84)は
、円形のチャネル断面を有する、及び/又は、
h)前記コントロールバルブの前記シャットオフ位置と前記ノズル
(22~28;60;78)との間の前記流路(45~51;63;80~84)は、それぞれ、1mL、0.5mL、0.1mL、0.01mL、0.001mL未満の小容量である、及び/又は、
i)前記ノズル列
(21)に沿う前記ノズル距離(d)は、3mm、2mm、1mm又は0.5mmより小さい、及び/又は、
j)前記コントロールバルブは、前記ノズル列
(21)から少なくとも1mm、2mm、3mm、4mm、5mm又は6mmの距離で配置される、及び/又は、
k)前記ノズル
(22~28;60;78)は、前記ノズル列
(21)に沿って等間隔に配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至1
7のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項19】
コーティングロボッ
トであって、
請求項1乃至1
8のいずれか1項に記載のアプリケータを有する、
ことを特徴とするコーティングロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品(例えば、車体部品)にコーティング剤(例えば、塗料)を塗布するためのアプリケータ(例えば、プリントヘッド)に関連する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる、ドロップオンデマンド型のプリントヘッドが、最新技術から知られており(例えば、特許文献1)、該プリントヘッドは液滴ジェット又は連続するコーティング剤ジェットを放出し、これらのプリントヘッドの操作原理は、電磁バルブの使用に基づいている。磁気的に駆動されるアーマチュアは、コイル内でスライド可能なようにガイドされる。スライディングアーマチュアは、バルブニードルを直接形成することができ、又は個別のバルブニードルに作用することができ、バルブニードルは、位置に応じてバルブシートを選択的に閉じる又はコーティング剤を放出するためにバルブシートを開放する。コーティング剤を吐出するためのノズルと、関連する電磁アクチュエータとは、ノズル列に沿って前後に配置される。そのようなプリントヘッドは、特許文献2でも説明されている。これらの周知のプリントヘッドは、電気アクチュエータによって動かされるバルブピストンを用いても動作し、それによってバルブピストンはコイル内の内部ガイドチューブ(内部コイルチューブ)内を動く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9108424号明細書
【文献】国際公開第2012/058373号
【文献】欧州特許出願公開第0426473号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0127955号明細書
【文献】国際公開第2012/058373号
【文献】独国特許出願公開第102014013158号明細書
【文献】国際公開第2010/046064号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1~4を参照して以下に説明するように、周知のドロップオンデマンド型のプリントヘッドの問題は、隣接するノズル間の距離である。例えば、周知のドロップオンデマンド型プリントヘッドは、ノズルプレート1を通常有しており、ノズルプレート1内には線形ノズル列5に沿って配置された多数のノズル2~4を備える。個々のノズル2~4は、
図1及び2において矢印で示すように、コーティング剤ジェットを部品6の表面上にそれぞれ放出することができる。ノズル2~4を通るコーティング剤の送達の制御は、アクチュエータ7~9によって個別に実施され、アクチュエータ7~9は、バルブニードル10~12を電磁的に操作する、及びバルブニードル10~12を
図3の両矢印の方向にそれぞれ動かす。
図3では、バルブニードル11は下げられた位置で示されており、バルブニードル11は、この位置で、コーティング剤を放出するための対応するノズル3を閉じる。一方で、
図3では、バルブニードル10及び12は
図3の上げられた位置で示されており、2つのバルブニードル10及び12は、コーティング剤を放出するための対応するノズル2、4を開放する。
【0005】
加えて、
図3は、プリントヘッドにおいて、コーティングで満たされたノズルチャンバ14をアクチュエータチャンバ15から流体的に分離する封止膜13を示す。それによって、封止膜13は、ノズルチャンバ14からのコーティング剤によってアクチュエータチャンバ15内のアクチュエータ7~9を汚染されることを防ぐ。封止膜13は、膜分離部16に懸架されており、それにより膜分離部16は、バルブニードル10~12の1つの変位が隣接するバルブニードル10~12の対応する変位を引き起こすことを防ぐ。従って、膜分離部16は、隣接するバルブニードル10~12間の機械的な分離を引き起こし、その結果、それらが個別に且つ互いに独立したノズル2~4を通したコーティング剤の放出を制御することができる。
【0006】
図4も、隣接するアクチュエータ7~9がノズル列5に沿って特定の距離dで配置されることを示す。個別のアクチュエータ7~9は直径bをそれぞれ有しており、達成可能な最小のノズル距離dを下方に限定する。ノズル2~4をノズル列5に沿って互いに近づけて配置することができない。これは、ノズル2~4からのコーティング剤液滴17~19が部品6の表面上に放出され、液滴は
図1に示すように離れすぎているために、塗布後に、凝集したコーティングフィルムには到達できないという事実につながり得る。
【0007】
ノズル距離dが大きすぎるというこの問題を解決するため、最新の技術から、操作中にプリントヘッドを、部品6の表面に対して垂直であり且つ描画平面に対して垂直である塗装経路に対して垂直な回転軸20の周りを回転させることが知られている。結果として、有効なノズル距離dが描画平面において、つまり塗装経路に対して直角に減少する。ドロップオンデマンド型プリントヘッドのこの回転によって、部品6の表面上のコーティング剤液滴17~19が共に非常に近くなり、塗布後に、それらが連続するコーティングフィルムを形成することが可能となる。従って、ドロップオンデマンド型プリントヘッドの回転は、最小のノズル距離dがアクチュエータ7~9の直径bによって限定されるという問題を解決する。しかし、そのような回転をさせることなく、解決可能とすることが望まれている。特に、プリントヘッドにおいてノズル距離dを減少することが望まれている。
【0008】
本発明の技術的背景に関して、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6及び特許文献7も引用されるべきである。
【0009】
従って、本発明は、対応して改善されたアプリケータ(例えば、プリントヘッド)を作成するという課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、主請求項に係る発明に係るアプリケータによって解決される。
【0011】
本発明に係るアプリケータ(例えば、プリントヘッド)は、コーティング剤の塗布のために一般に好適である。従って、本発明は、塗布されるコーティング剤の種類に関して、特定のコーティング剤に限定されない。しかし、好ましくは、プリントヘッドは塗料の塗布のために設計される。しかし、代わりに、コーティング剤は、接着剤又は封止材又は絶縁材であることもできる。それゆえ、本発明に係るアプリケータは、接着剤アプリケータ又は封止材アプリケータとして設計することもできる。
【0012】
本発明に係るプリントヘッドは、コーティング剤(例えば、塗料)を特定の部品に塗布するために一般に適していることにも言及すべきである。コーティングされる部品の種類に関して、本発明も限定されない。しかしながら、好ましくは、本発明に係るアプリケータは、コーティング剤(例えば、塗料)を、自動車車体部品又は自動車車体部品の追加部品に塗布するために設計される。
【0013】
本発明に係るアプリケータ(例えば、プリントヘッド)は、ジェット形状のコーティング剤をその都度塗布するために、最新技術に従って、複数のノズルを備えるノズル列を最初に有し、ノズルは好ましくは共通のノズル平面においてノズル列に沿って配置される。
【0014】
ここで、本発明に係るプリントヘッドは、ノズルからコーティング剤のスプレーコーンを放出するのではなく、むしろ、より小さなジェットの広がりだけを伴う空間的に限定されたコーティング剤ジェット(本質的に連続するジェット又は液滴ジェット)を放出することに言及すべきである。従って、空間的に限られたコーティング剤のジェットを放出するのではなく、コーティング剤のスプレーコーンを放出するアトマイザ(例えばロータリーアトマイザ、エアアトマイザ等)と、本発明に係るプリントヘッドとは異なる。
【0015】
本発明に係るアプリケータ(例えば、プリントヘッド)が、ノズルが好ましくは等距離に配置されている単一のノズル列を有し得ることも言及すべきである。しかしながら、本発明の範囲内において、プリントヘッドが、好ましくは互いに平行に配置された複数のノズル列を有することも可能である。
【0016】
加えて、本発明に係るプリントヘッドは、最新の技術に従い、既に最新の技術について冒頭で説明したように、ノズルを開放する又は閉じるための複数のアクチュエータを有する。
【0017】
アクチュエータは、冒頭で既に説明したように、例えば電磁アクチュエータであることができる。代わりに、アクチュエータは、ピエゾアクチュエータ又は空気圧アクチュエータであることもでき、これらはごく一例である。それゆえ、本発明は、アクチュエータの動作の技術的な物理的原理に関して特定のアクチュエータの種類に限定されない。
【0018】
ここで、ノズル列の隣接するノズル間のノズル距離が、ノズル列に沿う個々のアクチュエータの外形寸法(例えば外径)より小さいため、本発明は卓越している。従って、本発明は、個々のアクチュエータの外形寸法によって予め与えられていた上述のノズル距離についての下限を克服する。これまで、アクチュエータのために利用可能な設置スペースが十分ではなかったため、ノズル列の隣接するノズル間のノズル距離を個々のアクチュエータの外径寸法より小さくすることができなかった。ここで、ノズル距離はノズルの中心間で測定されることに言及すべきである。
【0019】
個々のアクチュエータの外径寸法を変えることなくノズル距離を減少させることは、アプリケータの流体的な引き離しによって、本発明の範囲内で達成され、アプリケータ内では、コントロールバルブ及び/又はアクチュエータをもはや厳密にノズル列に配置せず、オフセットして配置させる。従って、本発明に係るアプリケータは、ノズルを通るコーティング剤の放出を制御するための複数のコントロールバルブを有することができ、それにより、コントロールバルブは、アクチュエータによって制御される。次に、流体的な等化は、好ましくはコントロールバルブが関連するノズルから空間的に分離され、且つ流路を介して関連するノズルとそれぞれ接続されることを提供し、一方でノズルの、他方でバルブの空間的な等化を可能とする。個々のコントロールバルブは、ノズル距離を減らすことができるよう、ノズル列の側に対してオフセットされたシャットオフ位置で配置される。コントロールバルブのこのオフセット配置により、アクチュエータの横方向のオフセット配置も可能となり、結果としてノズル距離は、個々のアクチュエータの外形寸法によって、もはや制限されない。
【0020】
本発明の1つの実施形態において、ノズル列の両側のコントロールバルブは、ノズル列の反対側の2つのバルブ列において前後に配置される。次に、ノズル列に沿うノズルは、対向するバルブ列のコントロールバルブを備える流路を介して交互に接続されることができる。例えば、ノズル列の第1のノズルは、左バルブ列のコントロールバルブに接続されることができ、他方、ノズル列の第2のノズルは、右バルブ列のコントロールバルブに接続される。次に、ノズル列の第3のノズルは、左バルブ列のバルブに再び接続され、以下同様である。これにより、ノズル列に沿って隣接するノズルのノズル距離を、個々のアクチュエータの外形寸法の半分にまで減少させることができる。
【0021】
本発明の異なる構成において、流路は、2つより多い異なる方向におけるノズル列に対して直角な引き離し平面におけるノズル列から出発し、つまり異なる角度でノズル列から始まり、これにより、引き離し平面における流路の異なる方向は、0°~90°、20°~70°、30°~60°、40°~50°又は特に0°若しくは45°の角度をそれぞれ含むことができる。次に、ノズル列に沿うノズルは、様々な流路の1つに代わりに接続される。従って、アクチュエータは、引き離し平面において異なる角度の位置に配置され、これにより空間的にも引き離され、より大きな充填密度及び対応するより小さなノズル距離を可能とする。
【0022】
本発明の更なる実施形態において、アクチュエータが複数のアクチュエータ平面に配置され、それにより、アクチュエータ平面は、ノズル平面に対して及び/又はバルブシート平面に対して、ノズル平面又はバルブシート平面から異なる距離で平行に延びる。個々のアクチュエータ平面におけるアクチュエータは、特にノズル列及び/又はバルブシート列の両側で、ノズル列に対して及び/又はバルブシート列に対して平行な複数のアクチュエータ列に配置されることができる。それゆえ、アクチュエータは、垂直に引き離されて、つまりノズル平面に対して垂直に異なる角度で配置されることができる。加えて、アクチュエータは、水平に引き離されて配置される、つまり、ノズル平面に対して平行に分散させることもできる。異なる方向(水平及び垂直)でのアクチュエータのこの空間的な引き離しにより、ノズル距離を減少させることも可能となる。
【0023】
本発明の1つの実施形態において、アクチュエータが複数のアクチュエータ平面において配置され、アクチュエータ平面は、ノズル平面に対して及び/又はバルブシート列に対して平行に延びる個々のアクチュエータ平面を備える。2つのアクチュエータ列は、個々のアクチュエータ平面におけるノズル列の両側に配置され、それによりアクチュエータ列は、複数のアクチュエータをそれぞれ含む。
【0024】
ここで、上下に垂直(つまり、ノズル平面に対して及び/又はバルブシート平面に対して直角)に配置されるアクチュエータ平面は、互いに水平なオフセットを好ましくは有し、該オフセットは、ノズル距離と又はノズル列において隣接するノズル間のノズル距離の整数倍と実質的に同じサイズである。しかしながら、オフセットはノズル距離の整数倍でもあり得る。加えて、個々のアクチュエータ列におけるアクチュエータは、好ましくは本質的に等距離に配置される。
【0025】
また、コントロールバルブは、関連するノズルから異なる距離で配置されることができることにも言及すべきである。結果として、コントロールバルブと関連するノズルとの間の関連する流路は、異なる長さを有する。流路の長さが異なると、次に、異なる流動挙動につながることがあり、結果として、個々のノズルからのコーティング剤放出が異なる。しかしながら、個々のノズルを通じたコーティング剤の送達は、流路の長さに関わらず均一であることが望ましい。それゆえ、本発明の範囲内で圧力補償手段を用いて異なる長さの流路を補償することが可能であり、結果として、異なるノズルは関連する流路の長さによらず均一な放出挙動を有する。
【0026】
例えば、圧力補償手段は、蛇行形状の経路、ジグザグ状の経路、らせん状の経路、又は狭窄する流路からなることができ、それにより、これらの圧力補償手段は、好ましくは、より短い流路に配置され、そうでない場合は、流路の長さが短いため流動抵抗が低くなる。
【0027】
個々のコントロールバルブは、閉じられる又は開放されることができるバルブシートをそれぞれ有し得ることにも言及すべきである。個々のバルブシートは、開いた時に50μm~1500μmの明確な直径を有することができる。
【0028】
加えて、個々のコントロールバルブが、可撓性のバルブ部材を有することができ、該部材は、例えば可撓性のバルブ膜であることができる。次に、可撓性のバルブ部材(例えば、バルブ膜)は、その撓みによりバルブシートを開放する又は閉じることができる。
【0029】
本発明は、バルブ部材(例えば、バルブ膜)を撓ませるための様々な選択肢を提供し、それらを以下に簡単に説明する。
【0030】
本発明の1つの実施形態において、関連するアクチュエータによって動かされ、閉位置でバルブシートに対してバルブ部材(例えば、バルブ膜)を押し、それによりバルブシートを密封するスライドプランジャが提供される。
【0031】
しかしながら、本発明の別の実施形態において、可変圧力を受けることができる圧力チャンバが提供され、それにより、圧力チャンバにおける圧力は、可撓性のバルブ部材(例えば、バルブ膜)に作用する。圧力チャンバに十分な圧力をかけることによって、バルブ部材(例えば、バルブ膜)は、バルブシートに対して押されることができ、これによりバルブシートを封止する。例えば、圧力チャンバは、圧縮空気によって押されることができる。
【0032】
ここで、バルブ部材(例えば、バルブ膜)は、複数のバルブシートを覆って延びることができ、それにより共通バルブ部材を、個々のバルブシートのために個別に撓ませることができ、その結果、個々のノズルを通じたコーティング剤の放出を、個別に制御できることにも言及すべきである。
【0033】
ここで、バルブ部材(例えば、バルブ膜)は、最新技術に関して冒頭で言及した、アクチュエータチャンバをコーティング剤で満たされた供給ラインチャンバから分離し、それによりアクチュエータチャンバ内のアクチュエータがコーティング剤によって汚染されることを防ぐ封止膜と同じ機能を果たすことも可能である。従って、バルブ部材(例えば、バルブ膜)は2つの機能、つまり、一方でノズルを開閉する機能を、及び他方で供給ラインチャンバからアクチュエータチャンバを流体的に分離するという機能を有する。
【0034】
個々のコントロールバルブは、戻しばねをそれぞれ有することができ、それにより、戻しばねがプランジャに閉位置内、又は開位置内へ予荷重をかけることができることにも言及すべきである。しかしながら、好ましくは、戻しばねはプランジャに閉位置内へ予荷重をかける、つまり、関連するコントロールバルブは、アクティブな作動なしに閉じられる。
【0035】
加えて、スライドバルブニードルを、バルブ膜の代わりに設けることができ、それにより、バルブニードルが、その位置に応じてバルブシートを開放する又は閉じる。バルブニードルは、封止部材(例えば、封止膜)を通じて押されることができ、それにより、封止部材は、アクチュエータチャンバをコーティング剤で満たされた供給ラインチャンバから分離し、その結果、アクチュエータチャンバ内のアクチュエータが、コーティング剤によって汚染されることを防ぐ。このバルブニードルは、個別の封止部材を、その先端に有してもよい。
【0036】
バルブニードル又はプランジャは、例えば電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ又は空気圧アクチュエータであり得るアクチュエータによってそれぞれ動かされることにも言及すべきである。従って、本発明は、アクチュエータの技術的な物理的動作原理に関して、特定の動作原理に限定されない。
【0037】
個々のアクチュエータは、単動又は複動であり得ることにも言及すべきである。単動アクチュエータの場合、バルブニードル又はタペットは、関連するアクチュエータによって一方向にのみアクティブに動き、他方、戻り動作は、戻しばねによって行われる。これに対し、複動アクチュエータの場合、反対方向の両方の動作が関連するアクチュエータによって行われ、結果として、戻しばねを省略することができる。
【0038】
個々のコントロールバルブがアプリケータの外に配置されることも可能であり、それにより、コントロールバルブは、流体ライン(例えば、ホース)によってアプリケータに接続される。
【0039】
本発明に係るアプリケータは、個々のバルブのための個々の流路にコーティング剤を供給するための共通の供給チャネルを有することもできる。例えば、この供給チャネルは、100μm~2000μmのチャネル高さ、1mm~5mmのチャネル幅及び/又は1mm~100mmのチャネル長さを有することができる。
【0040】
本発明に従いノズル距離が減少することで、隣接するバルブシート間の距離を、隣接するノズル間のノズル距離の少なくも2倍とすることが可能となる。
【0041】
アプリケータ内の流路及び/又は供給チャネルは、異なる製造プロセスによって製造することができる。以下の製造プロセス:
-リソグラフィプロセス、特にソフトリソグラフィプロセス、
-3D印刷、
-犠牲層法、
-エスカルゴ(Escargot)プロセス、
-LIGAプロセス、
-熱接着、
-拡散溶接、
-レーザーアブレーション、
-レーザーカッティング、
-ボンディング、ホットスタンピング、
-エッチングプロセス、
-射出成形、
-選択的レーザー焼結、
-選択的レーザー溶融、
-機械的プロセス、
-上記の方法の組み合わせ、
を例として言及すべきである。
【0042】
流路及び/又は供給チャネルは、コーティング剤に対して不活性な材料から形成された基板(つまり、ハウジングボディ)内に延びることができる。例えば、基板は、ステンレス鋼、プラスチック、シリコン又はガラスであってもよい。例えば、以下のプラスチック:
-ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、
-ポリエーテルケトン(PEKK)、
-ポリオキシメチレン(POM)、
-ポリメチルメタクリレート(PMMA)、
-ポリアミド(PA)、
-ポリエチレン(PE)、
-ポリプロピレン(PP)、
-ポリスチレン(PS)、
-ポリカーボネート(PC)、
-シクロオレフィンコポリマー、特にTopas(登録商標)、Zeonor(登録商標)、又はZeonex(登録商標)
を、プラスチックとして使用することができる。
【0043】
流路に関して、これらはコーティング剤ジェットが、それらの長さの少なくとも一部にわたって0~90°、20°~85°、45°~80°の角度を含むことに言及すべきである。
【0044】
更には、流路は、その長さの少なくとも一部にわたってノズル列に対して0~90°又は45°~90°の角度で、または横方向に、特に垂直であることができる。
【0045】
個々の流路は、50μm~1000μm又は100μm~500μmのチャネル高さを備えるチャネル断面をそれぞれ有することができる。
【0046】
他方、個々の流路のチャネル幅は、好ましくは50μm~1000μm、又は100μm~500μmの範囲である。
【0047】
個々の流路のチャネル長さは、好ましくは、0.1mm~50mm又は0.5mm~25mmの範囲である。一方のコントロールバルブのシャットオフ位置と他方のノズルとの間の流路が可能な限り小さい体積となるよう、ダクトの長さは短いことが望ましく、その結果、滴下を防ぎ、良好な動的応答挙動が得られる。それゆえ、コントロールバルブのシャットオフ位置とノズルとの間の流路の体積は、好ましくは1mL、0.5mL、0.1mL、0.01mL又は0.001mLより小さい。
【0048】
流路は、特に50μm~1000μmのチャネル直径を備える、円形のチャネル断面も有することができることにも言及すべきである。
【0049】
本発明によって、ノズル列に沿う隣接するノズル間の非常に小さなノズル距離が可能となり、それにより、ノズル距離を、3mm、2mm、1mmより小さく、又は更に0.5mmより小さくすることができる。
【0050】
一方、シャットオフ位置でのコントロールバルブは、好ましくは、ノズル列から少なくとも1mm、2mm、3mm、4mm、5mm又は6mmの距離で配置され、一方ではコントロールバルブを他方ではノズルを空間的に引き離すことができる。
【0051】
好ましくは、ノズルはノズル列に沿って等距離で配置されることにも言及すべきである。
【0052】
加えて、本発明は上述したアプリケータについての保護を請求するだけではない。むしろ、本発明は、そのようなアプリケータを備えるコーティングロボット(例えば、塗装ロボット)についての保護も請求する。
【0053】
本発明の更なる有利な展開は、従属項に示されている、又は図を用いた本発明の好適な例の説明と共に、以下に更に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】コーティング剤の液滴が連続するコーティングフィルムとして集まらない場合の本発明に係るプリントヘッドの概略図を示す。
【
図2】コーティング剤の液滴が連続するコーティングフィルムとして集まるように回転するプリントヘッドを用いた
図1の変形例を示す。
【
図4】ノズル距離を説明するための本発明に係るプリントヘッドの概略断面図である。
【
図5】本発明に係るプリントヘッドの概略図を示す。
【
図6】横方向におけるコントロールバルブの空間的な引き離しの概略図を示す。
【
図7】個々の流路における圧力補償手段の概略図を示す。
【
図8】コントロールバルブの横方向の引き離しの概略図を示す。
【
図9A】開状態のタペット作動バルブ膜を備えるコントロールバルブを備える本発明に係るプリントヘッドの実施形態の概要図である。
【
図10A】バルブ膜を撓ませるための圧力チャンバを有する
図9Aの変形例であり、開状態のバルブ膜を示す。
【
図11A】封止膜を通ってスライドする別個のバルブタペットを備える
図9Aの変形例であり、開いている状態が示される。
【
図12】プリントヘッドの外に位置するコントロールバルブを備える
図9Aの変形例を示す。
【
図13】異なる方向でのコントロールバルブの空間的な引き離しの概略図を示す。
【
図14】垂直及び水平方向におけるアクチュエータの空間的な引き離しの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下に、
図5及び8を引用し、本発明に係るプリントヘッドの実施形態を説明し、該プリントヘッドは、例えば自動車車体部品の塗装のために使用することができる。
【0056】
多数のノズル22~28が、線形のノズル列21に等距離に配置される。
【0057】
平行なバルブシート列29、30が、ノズル列21の両側にある。
【0058】
バルブシート列29において、多数のバルブシート31~34が距離aで等距離に配置される。バルブシート31~34は、アクチュエータによってそれぞれ開閉され、それにより、アクチュエータ35~38は、バルブシート31~34を個別に開閉するために、図示しないバルブニードルをそれぞれ閉じる。
【0059】
反対側のバルブシート列30において、複数のバルブシート39~41も距離aで等距離に配置される。これらのバルブシート39~41も、アクチュエータ42~44を介して開閉され、それにより、アクチュエータ42~44は、バルブシート39~41を開閉するために、図示しないバルブニードルをそれぞれ動かす。
【0060】
図における上側バルブシート列29のバルブシート31~34は、流路45~48によって対応するノズル22、24、26、28にそれぞれ接続される。
【0061】
図の下方におけるバルブシート列30のバルブシート39~41は、それに応じて、流路49~51を介して、対応するノズル23、25、27に接続される。
【0062】
この配置において、アクチュエータ35~38は、図中、ノズル列21に対して上方向にオフセットされ、一方で、アクチュエータ42~44は、図中、ノズル列21に対して下方向にオフセットされる。一方の側のアクチュエータ35~38又は42~44と、他方の側のノズル列21とのこの空間的な引き離しにより、ノズル距離dを、隣接するアクチュエータ35~38又は42~44間の距離aより減らすことができる。特に、隣接するノズル22~28のノズル距離dは、個々のアクチュエータ35~38又は42~44の直径bよりも小さくすることもできる。
【0063】
図8の断面図は、基材52の上側に埋設され、バルブシート31~34にコーティング剤を供給する供給チャネル53を備え、他の流路のように基板52内に延びる流路45も示す。
【0064】
図8は、流路45が、ノズル22から放出されるコーティング剤ジェット54に対して角度αでその長さの一部の上に延びることを更に示す。角度αは、0°~90°、特に0°又は45°の範囲であることができる。
【0065】
図6は、横方向にオフセットされたバルブシートを備えるプリントヘッドの配置の概略図を示し、該バルブシートは、2つのバルブシート列29、30において、ノズル列21に対向して配置される。
【0066】
部分的に、前の図と説明が一致するため、対応する詳細には同じ参照記号を使用し、重複を避けるために上述の説明を引用する。
【0067】
全てが同じ長さである流路55、56が設けられる。これは、流路55、56の流動抵抗が均一であるという利点を提供し、その結果、個々のノズルの塗布挙動も均一となる。
【0068】
図7は、
図6に係る概略図の変形例を示すので、繰り返しを避けるため、対応する詳細には同じ参照符号を使用して、上述の説明を引用する。
【0069】
この例の特別な特徴は、プリントヘッドが長い流路57と短い流路58とを有することである。これは、短い流路58の流動抵抗が、長い流路57の流動抵抗よりも通常低いため、対応する異なる塗布挙動につながるため問題である。それゆえ、短い流路58では、圧力補償手段59が配置され、該手段は、この実施形態では、蛇行状の経路である短い流路58からなる。
【0070】
以下では、
図9A及び9Bに係る実施形態を説明し、
図9Aはコントロールバルブの開位置を示し、一方、
図9Bはコントロールバルブの閉位置を示す。
【0071】
図は、ノズル60の領域におけるプリントヘッドの概略的な詳細を示し、それにより、コーティング剤ジェット61は、ノズル60を通って部品62へと送達されることができる。
【0072】
ノズル60は、流路63を介して、ノズル60に対して横方向にオフセットされたバルブシート64に接続され、流路63は基板65内に延びる。供給チャネル66は、基板65の表面に埋設されており、バルブシート64につながる。
【0073】
加えて、バルブ膜67は、膜クランプ68によって基板65の上に固定され、それによってバルブ膜67は、
図9Aに係る開位置と
図9Bに係る閉位置との間で撓み可能である。
【0074】
バルブ膜67は、プランジャガイド70においてガイドされるバルブステム69によって撓まされ、アクチュエータによって両矢印の方向に移動されることができる。
【0075】
バルブステム69は、戻しばね71によって下方向に閉位置内まで押される。
図9Bに示す閉位置において、バルブステム69は、バルブ膜67をバルブシート64上に押し、それを密閉する。
【0076】
ノズル60とバルブシート64との間の横方向のオフセットによって、隣接するノズル間のノズル距離(つまり、描画平面に垂直)が減少する。
【0077】
図10A及び10Bは、
図9A及び9Bの実施形態の変形例を示すため、繰り返しを避けるため、適切な詳細には同じ参照符号を使用し、上述の説明を引用する。
【0078】
この実施形態の特別な特徴は、バルブ膜67が、プランジャ69によっては撓まないが、圧縮空気を用いて圧力をかけられ得る圧力チャンバ72内の圧力によって撓むことである。
【0079】
図11A及び11Bは、
図9A及び9Bに示す実施形態の更なる変形例を示すので、繰り返しを避けるため、関連する詳細には同じ参照符号を使用し、上述の説明を引用する。
【0080】
この例の特別な特徴は、バルブシート64が、バルブ膜67によって閉じないことである。むしろ、バルブニードル73は、バルブ膜67を通過し、両矢印の方向に移動可能であり、その先端にある別個の封止部材74を運ぶ。次に、
図11Bに係る閉位置において、封止部材74は、バルブシート64を封止する。
図11Aに係る開位置において、封止部材74を備えるバルブニードル73は、バルブシート64から持ち上げられ、そしてそれを開放する。
【0081】
バルブ膜67は、コーティング剤で満たされた供給チャネル66をアクチュエータチャンバから分離する機能を有するだけであるので、アクチュエータチャンバは、供給チャネル66内のコーティング剤によって汚染されない。
【0082】
図12は、
図9A及び9Bに係る実施形態の更なる変形例を示すので、繰り返しを避けるため、対応する詳細には同じ参照符号を使用し、上述の説明を引用する。
【0083】
この実施形態の特別な特徴は、コントロールバルブがプリントヘッドから分離されており、ホース75を介してプリントヘッドに接続されることである。
【0084】
図13は、ノズル78からコーティング剤77のスプレーを部品79へ塗布するためのプリントヘッド76の別の可能な実施形態を示す。
【0085】
ここで、ノズル78は流路80~84を介して、ノズル列に沿って交互にバルブシートに異なる角度方向で(つまり、描画平面に垂直に)バルブシートに接続される。従って、描画平面は、引き離し平面を形成し、それによって流路80~84は、異なる方向を指し、従って空間的な引き離しが可能となり、次にノズル距離dの減少が可能となる。
【0086】
最後に、
図14は、垂直方向(つまり、ノズル平面に垂直)と水平方向(つまり、ノズル平面に平行)との両方での、アクチュエータの空間的な引き離しの概略図を示す。
【0087】
ここで、2つのアクチュエータ列は、例示するように互いに平行に、且つ3つのアクチュエータ平面においてノズル列に平行に配置される。
【0088】
上側アクチュエータ平面において、右アクチュエータ列は、例として2つのアクチュエータa.1.1及びa.1.2を含み、一方で他のアクチュエータ列は、例として2つのアクチュエータb.1.1及びb.1.2を含む。
【0089】
中間アクチュエータ平面にも同じことが適用され、2つのアクチュエータ列は、例として、それぞれ2つのアクチュエータa.2.1、a.2.2且つb.2.1及びb.2.2をそれぞれ有する。
【0090】
最後に、下部アクチュエータ平面は、例として、それぞれ2つのアクチュエータa.3.1、a.3.2及びb.3.1、b.3.2を備える2つのアクチュエータ列も含む。
【0091】
ここで、個々のアクチュエータ列におけるアクチュエータの数は、例示の目的で上に示し説明した物よりも、実際にはかなり多いことに言及すべきである。
【0092】
本発明は上述した好適な実施形態に限られない。むしろ、本発明のアイディアを利用し、それゆえ本発明の範囲内に入る多くの数の変形及び変更が可能である。特に、本発明は、それぞれの場合に引用される請求項とは独立して、特に主請求項の特徴的な特徴なしに、従属項の主題及び特徴についての保護も請求する。従って、本発明は、互いに独立して、特に主請求項の技術的な教示もなく、保護を享受する非常に多くの異なる発明の態様を包含する。
【0093】
[付記]
[付記1]
コーティング剤、特に塗料を部品に、特に自動車車体部品又は自動車車体部品の追加部品に塗布するためのアプリケータ、特にプリントヘッドであって、
a)前記コーティング剤をコーティング剤ジェット(54;61;77)の形態で吐出するための複数のノズル(2~4;22~28;60;78)を有する少なくとも1つのノズル列(5;21)、及び、
b)個々の前記ノズル(2~4;22~28;60;78)を通る前記コーティング剤の放出を制御するための複数のアクチュエータ(7~9;35~38、42~44;a.1.1~b.3.2)、
を備え、
前記ノズル(2~4;22~28;60;78)は、前記ノズル列(5;21)に沿って特定のノズル距離(d)で、ノズル平面において互いに前後に配置され、
前記アクチュエータ(7~9;35~38、42~44;a.1.1~b.3.2)は、前記ノズル列(5;21)に沿った外形寸法(b)をそれぞれ有し、
c)前記ノズル列(5;21)の隣接する前記ノズル(2~4;22~28;60;78)間の前記ノズル距離(d)は、前記ノズル列(5;21)に沿う個々の前記アクチュエータ(7~9;35~38、42~44;a.1.1~b.3.2)の外形寸法(b)より小さい、
ことを特徴とするアプリケータ。
【0094】
[付記2]
a)前記アプリケータは、前記ノズルを通る前記コーティング剤の前記放出を制御するための複数のコントロールバルブ(31~34、39~41)を有し、前記コントロールバルブ(31~34、39~41)は前記アクチュエータ(7~9;35~38、42~44;a.1.1~b.3.2)によって駆動される、
b)一方で前記ノズル(22~28)を、他方で前記コントロールバルブを空間的に引き離すことを可能とするために、前記コントロールバルブ(31~34、39~41)は、それぞれ関連する前記ノズル(22~28)から空間的に分離され、及び、流路(45~51)を介して関連する前記ノズル(22~28)にそれぞれ接続される、及び、
c)前記ノズル距離(d)を減らすため、前記コントロールバルブ(31~34、39~41)は、前記ノズル列(5)に対して横方向にオフセットしたシャットオフ位置で配置される、
ことを特徴とする付記1に記載のアプリケータ。
【0095】
[付記3]
a)前記コントロールバルブ(31~34、39~41)は、前記ノズル列(21)に対して互いに対向する2つの前記バルブ列(29、30)における前記ノズル列(21)のいずれかの側に配置される、及び、
b)前記ノズル(22~28)は、前記ノズル列(21)に沿って、対向する前記バルブ列(29、30)のコントロールバルブ(31~34、39~41)に前記流路(45~51)を介して交互に接続される、
ことを特徴とする付記2に記載のアプリケータ。
【0096】
[付記4]
a)前記流路(80~84)は、前記ノズル列に対して直角な引き離し平面におけるノズル列から、2つより多い異なる方向に出発する、及び/又は、
b)前記引き離し平面における前記流路(80~84)の前記異なる方向は、20°~70°、30°~60°、40°~50°、又は45°の角度をそれぞれ含む、及び、
c)前記ノズル(78)は、前記ノズル列に沿って、前記異なる流路(80~84)の1つに交互に接続される、
ことを特徴とする付記2に記載のアプリケータ。
【0097】
[付記5]
a)前記アクチュエータ(a.1.1~b.3.2)は、複数のアクチュエータ平面において配置され、前記アクチュエータ平面は、前記ノズル平面及び/又は前記バルブシート平面から異なる距離で、前記ノズル平面に及び/又は前記バルブシート平面に平行に延びる、及び/又は、
b)個々の前記アクチュエータ平面における前記アクチュエータ(a.1.1~b.3.2)は、前記ノズル列(5;21)に対して平行な複数のアクチュエータ列に、特に前記ノズル列(5;21)及び/又は前記バルブシート列の両側に、それぞれ配置される、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【0098】
[付記6]
a)前記アクチュエータ(a.1.1~b.3.2)は、複数のアクチュエータ平面に配置され、個々の前記アクチュエータ平面は、前記ノズル平面及び/又は前記バルブシート列に平行に延びる、及び、
b)2つのアクチュエータ列は、個々の前記アクチュエータ平面のそれぞれにおいて、前記ノズル列及び/又は前記バルブシート列のいずかの側に配置され、前記アクチュエータ列は、それぞれ複数のアクチュエータ(a.1.1~b.3.2)を含む、
ことを特徴とする付記5に記載のアプリケータ。
【0099】
[付記7]
a)互いに上下に垂直に配置された前記アクチュエータ平面は、前記ノズル列における隣接する前記ノズル間のノズル距離(d)と実質的に同じ値で、又は前記ノズル距離の整数倍に対応して、互いに対して水平方向にオフセットされる、及び/又は、
b)前記アクチュエータ列における前記アクチュエータは、実質的に等距離で配置される、
ことを特徴とする付記6に記載のアプリケータ。
【0100】
[付記8]
a)前記コントロールバルブと関連する前記ノズルとの距離が部分的に異なり、その結果、前記流路(57、58)が部分的に異なる距離で設けられる、及び/又は、
b)前記流路(57、58)は、異なる前記距離を補償するための圧力補償手段(59)を有し、前記圧力補償手段(59)は、異なる長さの前記流路(57、58)に沿う異なる圧力損失を少なくとも部分的に補償する、及び/又は、
c)前記圧力補償手段(59)は、特に、前記ノズルから前記バルブシートへの前記距離がより短い前記流路内に、以下の:
c1)蛇行経路、
c2)ジグザグの流路形状、
c3)らせん流路形状、及び/又は、
c4)流路の狭窄、
を備える、
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【0101】
[付記9]
a)個々の前記コントロールバルブは、選択的に閉じる又は開放することが可能なバルブシート(31~34、39~41;64)をそれぞれ有する、及び/又は、
b)個々の前記バルブシート(31~34、39~41;64)は、50μm~1500μmの明確な直径をそれぞれ有する、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【0102】
[付記10]
a)可撓性のバルブ部材(67)、特にバルブ膜(67)が設けられ、前記バルブ部材(67)は、その撓みに応じて、前記バルブシート(64)を選択的に開放する又は閉じる、及び/又は、
b)前記バルブ部材(67)の前記撓みのため、
b1)閉位置では、前記バルブ部材(67)を前記バルブシート(64)に対して押し、それにより後者を封じる変位可能なプランジャ(6)が設けられる、又は、
b2)圧力チャンバ(72)が設けられ、前記圧力チャンバ(72)は、調節可能な圧力を前記バルブ部材(67)に適用し、選択的に前記バルブ部材(67)を前記バルブシート(64)に対して押し、それにより前記バルブシート(64)を封じる又は前記バルブシート(64)を開放する、及び/又は、
c)前記バルブ部材(67)は、複数の前記バルブシート(64)上に延び、個々の前記バルブシート(64)のために、個々に撓むことができる、及び/又は、
d)前記バルブ部材(67)は、アクチュエータチャンバをコーティング剤で満たされた供給ラインチャンバから分け、それにより、前記アクチュエータチャンバにおける前記アクチュエータ(7~9;35~38、42~44;a.1.1~b.3.2)が前記コーティング剤により汚染されることを防ぐ、及び/又は、
e)個々の前記コントロールバルブは、戻しばね(71)をそれぞれ有し、前記戻しばね(71)は、前記プランジャ(69)を閉位置又は開位置内に付勢する、
ことを特徴とする付記9に記載のアプリケータ。
【0103】
[付記11]
a)変位可能なバルブニードル(73)が設けられ、前記バルブニードル(73)は、その位置に応じて、選択的に前記バルブシート(64)を開放する、又は閉じる、及び/又は、
b)前記バルブニードル(73)は、封止部材(67)を、特に封止膜(67)を通過し、前記封止部材(67)は、コーティング剤で満たされた供給ラインチャンバから、アクチュエータチャンバを分け、それによって前記アクチュエータチャンバ内の前記アクチュエータが、コーティング剤によって汚染されることを防ぐ、及び/又は、
c)前記バルブニードル(73)は、その先端に個別の封止部材(74)を有する、
ことを特徴する付記10に記載のアプリケータ。
【0104】
[付記12]
前記バルブニードル(73)又は前記プランジャ(69)は、前記アクチュエータ(7~9;35~38、42~44;a.1.1~b.3.2)の1つによって、特に、
a)電磁アクチュエータ、
b)圧電アクチュエータ;又は、
c)空気圧アクチュエータ、
によって、それぞれ変位される、
ことを特徴とする付記10又は11に記載のアプリケータ。
【0105】
[付記13]
a)前記アクチュエータ(7~9;35~38、42~44;a.1.1~b.3.2)は、それぞれ単動式であり、前記バルブニードル(73)又は前記プランジャ(69)を1つの方向だけにアクティブに動かす、一方、前記バルブニードル(73)又は前記プランジャ(69)は、戻しばね(71)によって反対の方向に動く、又は、
b)前記アクチュエータ(7~9;35~38、42~44;a.1.1~b.3.2)は、それぞれ複動式であり、前記バルブニードル(73)又は前記プランジャ(69)を両方向にアクティブに動かす、
ことを特徴とする付記12に記載のアプリケータ。
【0106】
[付記14]
前記コントロールバルブは、前記アプリケータの外に配置され、流体ライン(75)によって、特にホース(75)によって、前記アプリケータに接続される、
ことを特徴とする付記1乃至13のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【0107】
[付記15]
a)流路(45~51;63;80~84)は、供給チャネル(66、53)から前記コーティング剤が供給される、及び/又は、
b)前記供給チャネル(66、53)は、100μm~2000μmのチャネル高さを有する、及び/又は、
c)前記供給チャネル(66、53)は、1mm~5mmのチャネル幅を有する、及び/又は、
d)前記供給チャネル(66、53)は、1mm~100mmのチャネル長さを有する、
ことを特徴とする付記1乃至14のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【0108】
[付記16]
a)前記コントロールバルブの隣接する前記バルブシート(31~34、39~41;64)は、第1の間隔(a)で、前記ノズル列(5;21)に対して平行に配置される、
b)隣接する前記ノズル(2~4;22~28;60;78)は、第2の間隔(d)で、前記ノズル列(5;21)に沿って配置される、及び、
c)隣接する前記バルブシート間の前記第1の間隔(a)は、隣接する前記ノズル(2~4;22~28;60;78)間の前記第2の間隔(d)の少なくとも2倍の大きさである、
ことを特徴とする付記1乃至15のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【0109】
[付記17]
前記流路(45~51;63;80~84)及び/又は前記供給チャネル(66)は、以下の:
a)リソグラフィプロセス、特にソフトリソグラフィプロセス、
b)3D印刷、
c)犠牲層法、
d)エスカルゴ(Escargot)プロセス、
e)LIGAプロセス、
f)熱接着、
g)拡散溶接、
h)レーザーアブレーション、
i)レーザーカッティング、
j)ボンディング、ホットスタンピング、
k)エッチングプロセス、
l)射出成形、
m)選択的レーザー焼結、
n)選択的レーザー溶融、
o)機械的プロセス、
p)上記の方法の組み合わせ、
の製造方法の1つによって形成される、
ことを特徴とする付記1乃至16のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【0110】
[付記18]
前記流路(45~51;63;80~84)及び/又は前記供給チャネル(66)は、前記コーティング剤に対して不活性な材料から形成された基板(65)内に延び、特に以下の材料:
a)ステンレス鋼、
b)プラスチック、特に、
b1)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、
b2)ポリエーテルケトン(PEKK)、
b3)ポリオキシメチレン(POM)、
b4)ポリメチルメタクリレート(PMMA)、
b5)ポリアミド(PA)、
b6)ポリエチレン(PE)、
b7)ポリプロピレン(PP)、
b8)ポリスチレン(PS)、
b9)ポリカーボネート(PC)、
b10)シクロオレフィンコポリマー、特にTopas(登録商標)、Zeonor(登録商標)、又はZeonex(登録商標)、
c)シリコン、
d)ガラス
の1つから形成される、
ことを特徴とする付記1乃至17のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【0111】
[付記19]
a)前記流路(45~51;63;80~84)は、少なくともその長さの一部にわたって、前記コーティング剤ジェット(54;61;77)に対して、0°~90°、20°~85°、45°~80°の角度(α)を有する、及び/又は、
b)前記流路(45~51;63;80~84)は、少なくともその長さの一部にわたって、前記ノズル列(5;21)に対して0°~90°又は45°~90°の角度(α)で、又は横方向に、特に直角に延びる、及び/又は、
c)前記流路(45~51;63;80~84)は、少なくともその長さの一部にわたって、前記コーティング剤ジェット(54;61;77)に対して0°~90°又は45°~90°の角度(α)で、特に直角で延び、及び前記ノズル列(5;21)に対して直交して延びる、及び/又は、
d)前記流路(45~51;63;80~84)は、50μm~1000μm又は100μm~500μmのチャネル高さを備えるチャネル断面をそれぞれ有する、及び/又は、
e)前記流路は、50μm~1000μm又は100μm~500μmのチャネル幅を備えるチャネル断面をそれぞれ有する、及び/又は、
f)前記流路(45~51;63;80~84)は、0.1mm~50mm又は0.5mm~25mmのチャネル長さをそれぞれ有する、及び/又は、
g)前記流路(45~51;63;80~84)は、特に50μm~1000μmのチャネル直径を備える円形のチャネル断面を有する、及び/又は、
h)前記コントロールバルブの前記シャットオフ位置と前記ノズル(2~4;22~28;60;78)との間の前記流路(45~51;63;80~84)は、それぞれ、1mL、0.5mL、0.1mL、0.01mL、0.001mL未満の小容量である、及び/又は、
i)前記ノズル列(5;21)に沿う前記ノズル距離(d)は、3mm、2mm、1mm又は0.5mmより小さい、及び/又は、
j)前記コントロールバルブは、前記ノズル列(5;21)から少なくとも1mm、2mm、3mm、4mm、5mm又は6mmの距離で配置される、及び/又は、
k)前記ノズル(2~4;22~28;60;78)は、前記ノズル列(5;21)に沿って等間隔に配置される、
ことを特徴とする付記1乃至18のいずれか1つに記載のアプリケータ。
【0112】
[付記20]
コーティングロボット、特に塗装ロボットであって、
付記1乃至19のいずれか1つに記載のアプリケータを有する、
ことを特徴とするコーティングロボット。
【符号の説明】
【0113】
1 ノズルプレート
2~4 ノズル
5 ノズル列
6 部品
7~9 アクチュエータ
10~12 バルブニードル
13 封止膜
14 ノズルチャンバ
15 アクチュエータチャンバ
16 膜分離部
17~19 コーティング剤液滴
20 回転軸
21 ノズル列
22~28 ノズル
29、30 バルブシート列
31~34 バルブシート
35~38 アクチュエータ
39~41 バルブシート
42~44 アクチュエータ
45~48 流路
49~51 流路
52 基板
53 供給チャネル
54 コーティング剤ジェット
55、56 流路
57 長い流路
58 短い流路
59 圧力補償手段
60 ノズル
61 コーティング剤ジェット
62 部品
63 流路
64 バルブシート
65 基板
66 供給チャネル
67 バルブ膜
68 膜クランプ
69 バルブタペット
70 プランジャガイド
71 戻しばね
72 圧力チャンバ
73 バルブニードル
74 バルブニードルの封止部材
75 ホース
76 プリントヘッド
77 コーティング剤ジェット
78 ノズル
79 部品
80~84 流路
a.1.1 上側アクチュエータ平面の右アクチュエータ列のアクチュエータ
a.1.2 上側アクチュエータ平面の右アクチュエータ列のアクチュエータ
b.1.1 上側アクチュエータ平面の左アクチュエータ列のアクチュエータ
b.1.2 上側アクチュエータ平面の左アクチュエータ列のアクチュエータ
a.2.1 中間アクチュエータ平面の右アクチュエータ列のアクチュエータ
a.2.2 中間アクチュエータ平面の右アクチュエータ列のアクチュエータ
b.2.1 中間アクチュエータ平面の左アクチュエータ列のアクチュエータ
b.2.2 中間アクチュエータ平面の左アクチュエータ列のアクチュエータ
a.3.1 下側アクチュエータ平面の右アクチュエータ列のアクチュエータ
a.3.2 下側アクチュエータ平面の右アクチュエータ列のアクチュエータ
b.3.1 下側アクチュエータ平面の左アクチュエータ列のアクチュエータ
b.3.2 下側アクチュエータ平面の左アクチュエータ列のアクチュエータ
α 流路とコーティング剤ジェットとの角度
β 流路とノズル列との角度
a 隣接するアクチュエータ間の距離
b アクチュエータの直径
d ノズル距離