(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】双安定油圧電磁弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/06 20060101AFI20250327BHJP
F16K 31/08 20060101ALI20250327BHJP
F16K 37/00 20060101ALI20250327BHJP
F16K 51/00 20060101ALI20250327BHJP
【FI】
F16K31/06 360
F16K31/08
F16K37/00 D
F16K51/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021018175
(22)【出願日】2021-02-08
【審査請求日】2024-02-07
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・エム・リンダール
【審査官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-525194(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0095917(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00
F16K 37/00
F16K 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁本体(56)と、
前記弁本体(56)内に配置され、弁スプール(30)の第1のスプール端部(32)に取り付けられた第1の永久磁石(36)、および前記弁スプール(30)の第2のスプール端部(34)に取り付けられた第2の永久磁石(46)を含む双安定弁スプール(30)と、
前記第1のスプール端部(32)に隣接して配置された第1のソレノイド(12)と、
前記第2のスプール端部(34)に隣接して配置された第2のソレノイド(22)
と、
前記第1のソレノイド(12)に設けられた第1のプランジャ(242)および第1のセンサ(244)と、
前記第2のソレノイド(22)に設けられた第2のプランジャ(252)および第2のセンサ(254)と
を備える油圧弁(10)であって、
第1の動作モードでは、前記第1のソレノイド(12)および前記第2のソレノイド(22)が前記弁スプール(30)を第1の位置と第2の位置との間で同時に押し引きすることを可能にするために、前記第1のソレノイド(12)が、前記第1の永久磁石(36)を引き付ける第1の極性を有するように励磁され、前記第2のソレノイド(22)が、前記第2の永久磁石(46)に反発する反対の極性を有するように励磁され
、
前記第1の位置では、前記第2の永久磁石(46)の第2の磁気面(248)が、前記第2のセンサ(254)に前記弁スプール(30)の前記第1の位置を検出させるために、前記第2のソレノイド(22)の第2のソレノイド面(226)で前記第2のプランジャ(252)を押し、
前記第2の位置では、前記第1の永久磁石(36)の第1の磁気面(238)が、前記第1のセンサ(244)に前記弁スプール(30)の前記第2の位置を検出させるために、前記第1のソレノイド(12)の第1のソレノイド面(216)で前記第1のプランジャ(242)を押す、油圧弁(10)。
【請求項2】
第2の動作モードでは、前記第1のソレノイド(12)および前記第2のソレノイド(22)が前記弁スプール(30)を前記第2の位置と前記第1の位置との間で同時に引き押しすることを可能にするために、前記第2のソレノイド(22)が、前記第2の永久磁石(46)を引き付ける前記第1の極性を有するように励磁され、前記第1のソレノイド(12)が、前記第1の永久磁石(36)に反発する反対の極性を有するように励磁される、請求項1に記載の油圧弁(10)。
【請求項3】
前記第1のソレノイド(12)および前記第2のソレノイド(22)が無励磁にされると、前記第1の永久磁石(36)は、前記弁スプール(30)を前記第2の位置に維持するように動作可能であり、前記第2の永久磁石(46)は、前記弁スプール(30)を前記第1の位置に維持するように動作可能である、請求項1または2に記載の油圧弁(10)。
【請求項4】
前記第1のソレノイド(12)が前記第1の永久磁石(36)に面する第1の鉄心(14)を含み、
前記第2のソレノイド(22)が前記第2の永久磁石(46)に面する第2の鉄心(24)を含み、
前記第1の位置では、前記第1のソレノイド(12)が前記第1の永久磁石(36)から離間され、前記第2のソレノイド(22)が前記第2の永久磁石(46)と接触しており、
前記第2の位置では、前記第2のソレノイド(22)が前記第2の永久磁石(46)から離間され、前記の第1のソレノイド(12)が前記第1の永久磁石(36)と接触している、
請求項1から3のいずれか一項に記載の油圧弁(10)。
【請求項5】
前記弁本体(56)が、第1のポート(R)、第2のポート(P)、および第3のポート(C)を画定し、
前記第1の位置では、前記弁スプール(30)が、前記第2のポート(P)と前記第3のポート(C)との間に第1の流路(F1)を提供し、
前記第2の位置では、前記弁スプール(30)が、前記第1のポート(R)と前記第3のポート(C)との間に第2の流路(F2)を提供する、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の油圧弁(10)。
【請求項6】
第3の磁石(264)が、前記弁本体(256)内の少なくとも流路に隣接して設けられ、前記流路内の油圧流体中の鉄粒子を磁気的に引き付けるように構成されている、
請求項1から
5のいずれか一項に記載の油圧弁(10,210)。
【請求項7】
油圧弁(10)の双安定弁スプール(30)を操作する方法(500)であって、前記弁スプール(30)が、弁本体(56)内に配置され、前記弁スプール(30)の第1のスプール端部(32)に取り付けられた第1の永久磁石(36)、および前記弁スプール(30)の第2のスプール端部(34)に取り付けられた第2の永久磁石(46)を含み、前記油圧弁(10)が、前記弁スプール(30)の前記第1のスプール端部(32)に隣接して配置された第1のソレノイド(12)と、
前記第1のソレノイド(12)に設けられた第1のプランジャ(242)および第1のセンサ(244)と、前記弁スプール(30)の前記第2のスプール端部(34)に隣接して配置された第2のソレノイド(22)と
、前記第2のソレノイド(22)に設けられた第2のプランジャ(252)および第2のセンサ(254)と、を含み、前記第1のソレノイド(12)および前記第2のソレノイド(22)は、前記弁スプール(30)を動かして第1の位置と第2の位置との間で移行するように協調的に駆動可能であり、前記第1のソレノイド(12)および前記第2のソレノイド(22)が無励磁にされると、前記第1の永久磁石(36)は前記弁スプール(30)を前記第2の位置に維持するように動作可能であり、前記第2の永久磁石(46)は前記弁スプール(30)を前記第1の位置に維持するように動作可能であり、前記方法(500)は、
前記弁スプール(30)を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させる第1の命令を受け取るのに応答して、前記弁スプール(30)を前記第1の位置に移動させるために前記第1のソレノイド(12)および前記第2のソレノイド(22)を励磁する
ステップであって、前記第1の位置では、前記第2の永久磁石(46)の第2の磁気面(248)が、前記第2のセンサ(254)に前記弁スプール(30)の前記第1の位置を検出させるために、前記第2のソレノイド(22)の第2のソレノイド面(226)で前記第2のプランジャ(252)を押すステップと、
前記弁スプール(30)を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる第2の命令を受け取るのに応答して、前記弁スプール(30)を前記第2の位置に移動させるために前記第1のソレノイド(12)および前記第2のソレノイド(22)を励磁する
ステップであって、前記第2の位置では、前記第1の永久磁石(36)の第1の磁気面(238)が、前記第1のセンサ(244)に前記弁スプール(30)の前記第2の位置を検出させるために、前記第1のソレノイド(12)の第1のソレノイド面(216)で前記第1のプランジャ(242)を押すステップと
を含む、方法(500)。
【請求項8】
前記弁スプール(30)を前記第1の位置に配置するために、前記第2のソレノイド(22)が、前記第2の永久磁石(46)を前記第2のソレノイド(22)に引き付ける第2の磁束を生成するように励磁され、前記第1のソレノイド(12)が、前記第1の永久磁石(36)を前記第1のソレノイド(12)から反発させる第1の磁束を生成するように励磁され、前記弁スプール(30)が、前記第2のソレノイド(22)と前記第2の永久磁石(46)との間に生成される第1の磁力によって前記第1の位置に維持され、
前記弁スプール(30)を第2の位置に配置するために、前記第2のソレノイド(22)が、前記第2のソレノイド(22)から前記第2の永久磁石(46)を反発させる前記第2の磁束を生成するように励磁され、前記第1のソレノイド(12)が、前記第1の永久磁石(36)を前記第1のソレノイド(12)に引き付けさせる前記第1の磁束を生成するように励磁され、前記弁スプール(30)が、前記第1のソレノイド(12)と前記第1の永久磁石(36)との間に生成される第2の磁力によって前記第2の位置に維持される、
請求項
7に記載の方法(500)。
【請求項9】
前記第1の位置では、前記弁本体(56)の第1のポート(R)を通る油圧流体の流れが前記弁スプール(30)によって止められ、前記弁本体(56)の第2のポート(P)と第3のポート(C)との間の第1の流路(F1)が前記弁スプール(30)によって有効にされ、
前記第2の位置では、前記弁本体(56)の前記第2のポート(P)を通る油圧流体の流れが前記弁スプール(30)によって止められ、前記弁本体(56)の前記第1のポート(R)と前記第3のポート(C)との間の第2の流路(F2)が前記弁スプール(30)によって有効にされる、請求項
7または
8に記載の方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、油圧システムの分野に関し、詳細には、かかるシステムに使用される弁に関する。
【背景技術】
【0002】
モーター作動式油圧弁は、航空機を含むマシンにおいて様々な目的で利用される。かかる弁内のモーターは、弁を所望の位置または程度まで開閉するように作動され、それによって弁を通る所望の流路を実現することができる。これらのモーターは、そのような目的に有効ではあるが、重く、かさばり、高価であり、製造が複雑であり、かつエネルギーを消費し得る。航空機内に取り付けられるそのような弁の場合、これらのモーターのサイズおよび重量は、燃費に悪影響を及ぼし得る。かかる航空機上のすべての油圧システム全体にわたるかかる弁内のモーターのそのような追加のサイズおよび重量の累積的影響は重要であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
上記の問題に対処するために、主題の開示の一態様によれば、弁本体および双安定弁スプールを備える油圧弁が提供される。弁スプールは、弁本体内に配置され、弁スプールの第1のスプール端部に取り付けられた第1の永久磁石と弁スプールの第2のスプール端部に取り付けられた第2の永久磁石とを含む。油圧弁はまた、第1のスプール端部に隣接して配置された第1のソレノイドと、第2のスプール端部に隣接して配置された第2のソレノイドとを含む。第1の動作モードでは、第1のソレノイドおよび第2のソレノイドが弁スプールを第1の位置と第2の位置との間で同時に押し引きすることを可能するために、第1のソレノイドは、第1の永久磁石を引き付ける第1の極性を有するように励磁され、第2のソレノイドは、第2の永久磁石に反発する反対の極性を有するように励磁される。
【0004】
本開示の別の態様によれば、油圧弁の弁スプールを操作する方法が提供され、弁スプールは、弁本体内に配置され、弁スプールの第1のスプール端部に取り付けられた第1の永久磁石と弁スプールの第2のスプール端部に取り付けられた第2の永久磁石とを含む。油圧弁はまた、弁スプールの第1のスプール端部に隣接して配置された第1のソレノイドと弁スプールの第2のスプール端部に隣接して配置された第2のソレノイドとを含む。第1のソレノイドおよび第2のソレノイドは、弁本体内の弁スプールを動かして第1の位置と第2の位置との間で移行するように協調して駆動可能である。第1のソレノイドおよび第2のソレノイドが無励磁にされると、第1の永久磁石は、弁スプールを第2の位置に維持するように動作可能であり、第2の永久磁石は、弁スプールを第1の位置に維持するように動作可能である。この方法は、弁スプールを第2の位置から第1の位置に移動させる第1の命令を受け取るのに応答して、弁スプールを第1の位置に移動させるために第1のソレノイドおよび第2のソレノイドを励磁するステップを含む。この方法はまた、弁スプールを第1の位置から第2の位置に移動させる第2の命令を受け取るのに応答して、弁スプールを第2の位置に移動させるために第1のソレノイドおよび第2のソレノイドを励磁するステップも含む。
【0005】
本開示の別の態様によれば、航空機システムが、ポンプと、油圧流体リザーバと、被制御構成要素を制御するアクチュエータと、ポンプおよび油圧流体リザーバに流体的に結合され、アクチュエータに動作可能に結合された油圧弁とを備える。油圧弁は、弁本体および双安定弁スプールを備える。弁スプールは、弁本体内に配置され、弁スプールの第1のスプール端部に取り付けられた第1の永久磁石と弁スプールの第2のスプール端部に取り付けられた第2の永久磁石とを含む。油圧弁はまた、弁スプールの第1のスプール端部に隣接して配置された第1のソレノイドと弁スプールの第2のスプール端部に隣接して配置された第2のソレノイドとを含む。第1のソレノイドおよび第2のソレノイドは、弁本体内の弁スプールを動かして第1の位置と第2の位置との間で移行するように協調して駆動可能である。第1のソレノイドおよび第2のソレノイドが励磁されないと、第1の永久磁石は、弁スプールを第2の位置に維持するように動作可能であり、第2の永久磁石は、弁スプールを第1の位置に維持するように動作可能である。
【0006】
論じられている形態、機能、および利点は、様々な実施形態で独立に実現することができる、あるいは他の実施形態では組み合わされてもよく、かかる形態、機能、および利点のさらなる詳細は、下記の説明および図面を参照して理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】主題の開示の第1の実施形態による第1の位置にある油圧弁の断面図である。
【
図2A】主題の開示の第2の実施形態による第1の位置にある油圧弁の断面図である。
【
図3】主題の開示の第3の実施形態による第2の位置にある油圧弁の断面図である。
【
図4A】主題の開示の第1の実施形態および第2の実施形態による第1のソレノイドのソレノイド面および第2のソレノイドのソレノイド面の例示的な軸線方向図である。
【
図4B】題の開示の第3の実施形態による、第1のソレノイドのソレノイド面および第2のソレノイドのソレノイド面の例示的な軸線方向図である。
【
図5】題の開示による第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態の油圧弁の使用の一実施形態例を示す図である。
【
図6】主題の開示による第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態による例示的な航空機の概略図である。
【
図7】主題の開示の一実施形態例に従って実行される方法の動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上述した検討事項を考慮して、
図1Aおよび
図1Bを参照すると、本開示の第1の実施形態による、弁スプール30、第1のソレノイド12、第2のソレノイド22、および第1の弁本体56を備える三方油圧弁10が提供される。弁スプール30は、長手方向軸線に沿って形成されたスプール本体31を含む。弁スプール30は、スプール本体31の第1のスプール端部32に取り付けられた第1の永久磁石36を含む。第1の永久磁石36は第1の磁気面38を含む。弁スプールは、スプール本体31の第2のスプール端部34に取り付けられた第2の永久磁石46をさらに含む。第2の永久磁石46は第2の磁気面48を含む。第1のスプール端部32および第2のスプール端部34は、スプール本体31の両端に配置される。第1のソレノイド12は、弁スプール30の第1のスプール端部32に隣接して配置され、第2のソレノイド22は、弁スプール30の第2のスプール端部34に隣接して配置される。
【0009】
第1のソレノイド12は、第1の永久磁石36の第1の磁気面38に面する第1のソレノイド面16を含む第1の鉄心14と、第1の鉄心14の周りに巻かれ、励磁されると第1の磁束を生成するように構成されている第1のコイル18とを含む。第1の鉄心14は、第1の鉄心14の周辺に非磁性部分14bを含む。第2のソレノイド22は、第2の永久磁石46の第2の磁気面48に面する第2のソレノイド面26を含む第2の鉄心24と、第2の鉄心24の周りに巻かれ、励磁されると第2の磁束を生成するように構成されている第2のコイル28とを含む。第2の鉄心24は、第2の鉄心24の周辺に非磁性部分24bを含む。第1のソレノイド12の鉄心14および第2のソレノイド22の鉄心24はそれぞれ、その鉄心の少なくとも一部に鋼を含み得る。鋼は、1018冷間圧延鋼など、比較的高いマンガン含有量をもつ低炭素鋼であり得る。第1のコイル18および第2のコイル28は、マグネットワイヤを備え得る。
【0010】
弁スプール30は、弁本体56内の第1のソレノイド12と第2のソレノイド22との間に配置される。弁スプール30は、長手方向軸線A1に沿って第1の位置(
図1Aに示される)と第2の位置(
図1Bに示される)との間で移動可能である。言い換えれば、第1の動作モードでは、第1のソレノイド12は、第1の永久磁石36を引き付ける第1の極性を有するように励磁され、第2のソレノイド22は、第2の永久磁石46に反発する反対の極性を有するように励磁されて、第1のソレノイド12および第2のソレノイド22は、弁本体56内の弁スプール30を第1の位置と第2の位置との間で同時に押し引きすることが可能になる。したがって、第1のソレノイド12および第2のソレノイド22は、弁スプール30を動かして第1の位置と第2の位置との間で移行するように協調的に駆動可能である。第2の動作モードでは、第2のソレノイド22は、第2の永久磁石46を引き付ける第1の極性を有するように励磁され、第1のソレノイド12は、第1の永久磁石36に反発する逆極性を有するように励磁されて、第1のソレノイド12および第2のソレノイド22は、弁スプール30を第2の位置と第1の位置との間で同時に引き押しすることが可能になる。第1のソレノイド12および第2のソレノイド22は、第1のソレノイド12によって生成される第1の磁束および第2のソレノイド22によって生成される第2の磁束が反対の極性を有するように励磁され、これにより、弁スプール30の一端が一方のソレノイドに引き付けられ、同時に弁スプール30の他端が他方のソレノイドから反発される。弁スプール30は、第2の鉄心24と第2の永久磁石46との間に生成される第1の磁力によって第1の位置に維持されるか、第1の鉄心14と第1の永久磁石36との間に生成される第2の磁力によって第2の位置に維持されるかのどちらかになるように双安定である。第1のソレノイド12および第2のソレノイド22が無励磁にされると、第1の永久磁石36は、弁スプール30を第2の位置に維持するように動作可能であり、第2の永久磁石46は、弁スプール30を第1の位置に維持するように動作可能である。
【0011】
第1の永久磁石36および第2の永久磁石46はそれぞれ、ネオジムを含み得る希土類磁石を備える。第1の磁気面38および第2の磁気面48はそれぞれ、0.25~1インチの直径を有し得る。第1の永久磁石36の厚さは、第2の永久磁石46の厚さに等しくてもよい。第1の永久磁石36の直径は、第2の永久磁石46の直径に等しくてもよい。第1の永久磁石36および第2の永久磁石46の厚さ対直径の比は、それぞれ1.5:1~3:1であり得る。弁本体56は鋼を含む。鋼は、440C鋼などの硬鋼であってもよい。
【0012】
第1の永久磁石36および第2の永久磁石46は、それぞれ第1の円筒形カップ39および第2の円筒形カップ49によって弁スプール30に固定される。特に、第1の永久磁石36および第2の永久磁石46は、それぞれスプール本体31の第1のスプール端部32および第2のスプール端部34に固定される。図示の実施形態では、第1の円筒形カップ39は、第1の締め具60によって弁スプール30に固定され、第2の円筒形カップ49は、第2の締め具62によって弁スプール30に固定される。しかしながら、他の実施形態では、第1の円筒形カップ39は、接着剤で弁スプール30に追加的にまたは代替的に固定されてもよく、第2の円筒形カップ49は、接着剤で弁スプール30に追加的にまたは代替的に固定されてもよいことが理解されよう。
【0013】
図1Aを参照すると、第1の位置では、弁本体56および弁スプール30を通る第1の流路F1が確立され、それによって油圧流体が第1の流路F1を通って流れることが可能になる。第1の位置では、第1のソレノイド面16は第1の磁気面38から離間されて、第1のソレノイド面16と第1の磁気面38との間に流体ギャップを画定し、第2のソレノイド面26は第2の磁気面48と接触している。弁本体56は、油圧流体用の第1のポートR、第2のポートP、および第3のポートCを画定する。第1の位置では、弁スプール30の内面は、第1のポートRを通る油圧流体の流れが止められるように弁本体56に当接し、弁スプール30は、弁スプール30が第1の位置にあるときに第2のポートPと第3のポートCとの間に第1の流路F1を提供する。
【0014】
図1Bを参照すると、第2の位置では、弁本体56および弁スプール30を通る第2の流路F2が確立され、それによって油圧流体が第2の流路F2を通って流れることが可能になる。第2の位置では、第2のソレノイド面26は第2の磁気面48から離間されて、第2のソレノイド面26と第2の磁気面48との間に流体ギャップを画定し、第1のソレノイド面16は第1の磁気面38と接触している。第2の位置では、弁スプール30の内面は、第2のポートを通る油圧流体の流れが止められるように弁本体56に当接し、弁スプール30は、弁スプール30が第2の位置にあるときに第1のポートRと第3のポートCとの間に第2の流路F2を提供する。
【0015】
油圧弁10は、第1のコイル18および第2のコイル28に動作可能に結合されたコントローラーおよび/またはプロセッサ40により、第1のソレノイド12と第2のソレノイド22の両方の動作を制御して弁スプール30を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように制御される。弁スプール30を第1の位置に配置するには、プロセッサ40は、第2のコイル28を励磁して第2の磁束を生成し、それによって第2の磁気面48を第2のソレノイド面26に引き付け、プロセッサ40は、第1のコイル18に第2の磁束とは反対の極性を有する第1の磁束を生成させて、第1の磁気面38を第1のソレノイド面16から反発させる。弁スプール30が第1の位置に配置されると、第1のソレノイド12と第2のソレノイド22の両方が無励磁にされ、弁スプール30は、第2の鉄心24と第2の永久磁石46との間に生成される第1の磁力によって第1の位置に維持される。弁スプール30を第2の位置に配置するには、プロセッサ40は、第2のコイル28を励磁して第2の磁束を生成し、それによって第2のソレノイド面26から第2の磁気面48を反発させ、プロセッサ40は、第1のコイル18に第2の磁束とは反対の極性を有する第1の磁束を生成させて、第1の磁気面38を第1のソレノイド面16に引き付けさせる。弁スプール30が第2の位置に配置されると、第1のソレノイド12と第2のソレノイド22の両方が無励磁にされ、弁スプール30は、第1の鉄心14と第1の永久磁石36との間に生成される第2の磁力によって第2の位置に維持される。したがって、弁スプール30は、第1の位置と第2の位置との間で前後に押し引きされる。
【0016】
プロセッサ40は、第1のコイル18に電力を供給することにより第1のコイル18に第1の磁束を生成させ、プロセッサ40はまた、第2のコイル28に電力を供給することにより第2のコイル28に第2の磁束を生成させる。この電力は、例えば28ボルトの直流(DC)電力であり得る。動作中、第1のコイル18によって生成される磁束の極性は、第2のコイル28によって生成される磁束の極性とは反対であることが理解されるべきである。さらに、第1のコイル18および第2のコイル28の極性は、弁スプール30が第1の位置と第2の位置との間で移行できるようにするために逆にされ得ることが理解されるべきである。一例として、第1の動作モードでは、第1のコイル18は、弁スプール30を引くように動作してもよく、第2のコイル28は、弁スプール30を押すように逆極性で同時に動作される。第2の動作モードでは、第1のコイル18は、弁スプール30を押すように動作してもよく、第2のコイル28は、弁スプール30を引くように逆極性で同時に動作される。本明細書で使用される「逆極性」という用語は、電流が第1のコイル18を通って第1の方向に流れており、電流が第2のコイル28を通って第2の反対方向に流れていることを意味する。したがって、第1のコイル18および第2のコイル28のそれぞれを通る電流の方向は、弁スプール30の所望の位置に基づいて逆にされ得る。
【0017】
図2Aおよび
図2Bを参照すると、本開示の第2の実施形態による、弁スプール130、第1のソレノイド112、第2のソレノイド122、および弁本体156を備える四方油圧弁110が提供される。弁スプール130は、長手方向軸線A2に沿って形成されたスプール本体131と、スプール本体131の第1のスプール端部132に取り付けられ、第1の磁気面138を含む第1の永久磁石136と、スプール本体131の第2のスプール端部134に取り付けられ、第2の磁気面148を含む第2の永久磁石146とを含む。第1のスプール端部132および第2のスプール端部134は、スプール本体131の両端に配置される。第1のソレノイド112は、弁スプール130の第1のスプール端部132に隣接して配置され、第2のソレノイド122は、弁スプール130の第2のスプール端部134に隣接して配置される。
【0018】
第1のソレノイド112は、第1の永久磁石136の第1の磁気面138に面する第1のソレノイド面116を含む第1の鉄心114と、第1の鉄心114の周りに巻かれ、励磁されると第1の磁束を生成するように構成されている第1のコイル118とを含む。第1の鉄心114は、第1の鉄心114の周辺に非磁性部分114bを含む。第2のソレノイド122は、第2の永久磁石146の第2の磁気面148に面する第2のソレノイド面126を含む第2の鉄心124と、第2の鉄心124の周りに巻かれ、励磁されると第2の磁束を生成するように構成されている第2のコイル128とを含む。第2の鉄心124は、第2の鉄心124の周辺に非磁性部分124bを含む。第1のソレノイド112の鉄心114および第2のソレノイド122の鉄心124はそれぞれ、その鉄心の少なくとも一部に鋼を含み得る。鋼は、1018冷間圧延鋼など、比較的高いマンガン含有量をもつ低炭素鋼であり得る。第1のコイル118および第2のコイル128は、マグネットワイヤを備え得る。
【0019】
弁スプール130は、弁本体156内の第1のソレノイド112と第2のソレノイド122との間に配置される。弁スプール130は、長手方向軸線A2に沿って第1の位置(
図2Aに示される)と第2の位置(
図2Bに示される)との間で移動可能である。言い換えれば、第1の動作モードでは、第1のソレノイド112は、第1の永久磁石136を引き付ける第1の極性を有するように励磁され、第2のソレノイド122は、第2の永久磁石146に反発する反対の極性を有するように励磁されて、第1のソレノイド112および第2のソレノイド122は、弁本体156内の弁スプール130を第1の位置と第2の位置との間で同時に押し引きすることが可能になる。したがって、第1のソレノイド112および第2のソレノイド122は、弁スプール130を動かして第1の位置と第2の位置との間で移行するように協調的に駆動可能である。第2の動作モードでは、第2のソレノイド122は、第2の永久磁石146を引き付ける第1の極性を有するように励磁され、第1のソレノイド112は、第1の永久磁石136に反発する反対の極性を有するように励磁されて、第1のソレノイド112および第2のソレノイド122は、弁スプール130を第2の位置と第1の位置との間で同時に引き押しすることが可能になる。第1のソレノイド112および第2のソレノイド122は、第1のソレノイド112によって生成される第1の磁束および第2のソレノイド122によって生成される第2の磁束が反対の極性を有するように励磁され、これにより、弁スプール130の一端が一方のソレノイドに引き付けられ、同時に弁スプール130の他端が他方のソレノイドから反発される。弁スプール130は、第2の鉄心124と第2の永久磁石146との間に生成される第1の磁力によって第1の位置に維持されるか、第1の鉄心114と第1の永久磁石136との間に生成される第2の磁力によって第2の位置に維持されるかのどちらかになるように双安定である。第1のソレノイド112および第2のソレノイド122が無励磁にされると、第1の永久磁石136は、弁スプール130を第2の位置に維持するように動作可能であり、第2の永久磁石146は、弁スプール130を第1の位置に維持するように動作可能である。
【0020】
第1の永久磁石136および第2の永久磁石146はそれぞれ、ネオジムまたは他の材料を含み得る希土類磁石を備え得る第1の磁気面138および第2の磁気面148はそれぞれ、0.25~1インチの直径を有し得る。第1の永久磁石136の厚さは、第2の永久磁石146の厚さに等しくてもよい。第1の永久磁石136の直径は、第2の永久磁石146の直径に等しくてもよい。第1の永久磁石136および第2の永久磁石146の厚さ対直径の比は、それぞれ1.5:1~3:1であり得る。弁本体156は鋼を含む。鋼は、440C鋼などの硬鋼であってもよい。
【0021】
第1の永久磁石136および第2の永久磁石146は、それぞれ第1の円筒形カップ139および第2の円筒形カップ149によって弁スプール130に固定される。特に、第1の永久磁石136および第2の永久磁石146は、それぞれスプール本体131の第1のスプール端部132および第2のスプール端部134に固定される。図示の実施形態では、第1の円筒形カップ139は、第1の締め具160によって弁スプール130に固定され、第2の円筒形カップ149は、第2の締め具162によって弁スプール130に固定される。しかしながら、他の実施形態では、第1の円筒形カップ139は、接着剤で弁スプール130に追加的にまたは代替的に固定されてもよく、第2の円筒形カップ149は、接着剤で弁スプール130に追加的にまたは代替的に固定されてもよいことが理解されよう。
【0022】
弁本体156は、油圧流体用の第1のポートR1、第2のポートP、第3のポートR2、第4のポートC1、および第5のポートC2を画定する。
【0023】
図2Aを参照すると、第1の位置では、第1のソレノイド面116は第1の磁気面138から離間されて、第1のソレノイド面116と第1の磁気面138との間に流体ギャップを画定し、第2のソレノイド面126は第2の磁気面148と接触している。弁スプール130の内面は、第1のポートR1を通る油圧流体の流れが止められるように弁本体156に当接し、弁スプール130は、弁スプール130が第1の位置にあるときに第2のポートPと第4のポートC1との間の第1の流体流路G1、および第3のポートR2と第5のポートC2との間の第3の流体流路G3を提供する。したがって、油圧流体は、弁スプール130および弁本体156を通る第1の流体流路G1および第3の流体流路G3を確立することにより、第1の位置で第1の流体流路G1および第3の流体流路G3を通って流れることが可能になる。
【0024】
図2Bを参照すると、第2の位置では、第2のソレノイド面126は第2の磁気面148から離間されて、第2のソレノイド面126と第2の磁気面148との間に流体ギャップを画定し、第1のソレノイド面116は第1の磁気面138と接触している。弁スプール130の内面は、第3のポートR2を通る油圧流体の流れが止められるように弁本体156に当接し、弁スプール130は、弁スプール130が第2の位置にあるときに第1のポートR1と第4のポートC1との間の第2の流体流路G2、および第2のポートPと第5のポートC2との間の第4の流体流路G4を提供する。したがって、油圧流体は、弁スプール130および弁本体156を通る第2の流体流路G2および第4の流体流路G4を確立することにより、第2の位置で第2の流体流路G2および第4の流体流路G4を通って流れることが可能になる。
【0025】
油圧弁110は、第1のコイル118および第2のコイル128に動作可能に結合されたコントローラーおよび/またはプロセッサ140により、第1のソレノイド112と第2のソレノイド122の両方の動作を制御して弁スプール130を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように制御される。弁スプール130を第1の位置に配置するには、プロセッサ140は、第2のコイル128に励磁して第2の磁束を生成し、それによって第2の磁気面148を第2のソレノイド面126に引き付け、プロセッサ140は、第1のコイル118に第2の磁束とは反対の極性を有する第1の磁束を生成させて、第1の磁気面138を第1のソレノイド面116から反発させる。弁スプール130が第1の位置に配置されると、第1のソレノイド112と第2のソレノイド122の両方が無励磁にされ、弁スプール130は、第2の鉄心124と第2の永久磁石146との間に生成される第1の磁力によって第1の位置に維持される。弁スプール130を第2の位置に配置するには、プロセッサ140は、第2のコイル128を励磁して第2の磁束を生成し、それによって第2のソレノイド面126から第2の磁気面148を反発させ、プロセッサ140は、第1のコイル118に第2の磁束とは反対の極性を有する第1の磁束を生成させて、第1の磁気面138を第1のソレノイド面116に引き付けさせる。弁スプール130が第2の位置に配置されると、第1のソレノイド112と第2のソレノイド122の両方が無励磁にされ、弁スプール130は、第1の鉄心114と第1の永久磁石136との間に生成される第2の磁力によって第2の位置に維持される。したがって、弁スプール130は、第1の位置と第2の位置との間で前後に押し引きされる。
【0026】
プロセッサ140は、第1のコイル118に電力を供給することにより第1のコイル118に第1の磁束を生成させ、プロセッサ140はまた、第2のコイル128に電力を供給することにより第2のコイル128に第2の磁束を生成させる。この電力は、例えば28ボルトの直流(DC)電力であり得る。第1の実施形態と同様に、動作中、第1のコイル118によって生成される磁束の極性は、第2のコイル128によって生成される磁束の極性とは反対であることが理解されるべきである。さらに、第1のコイル118および第2のコイル128の極性は、弁スプール130が第1の位置と第2の位置との間で移行できるようにするために逆にされ得ることが理解されるべきである。
【0027】
図3を参照すると、本開示の第3の実施形態による、弁スプール230、第1のソレノイド212、第2のソレノイド222、および弁本体256を備える油圧弁210が提供される。弁スプール230は、長手方向軸線に沿って形成されたスプール本体231と、スプール本体231の第1のスプール端部232に取り付けられ、第1の磁気面238を含む第1の永久磁石236と、スプール本体231の第2のスプール端部234に取り付けられ、第2の磁気面248を含む第2の永久磁石246とを含む。第1のスプール端部232および第2のスプール端部234は、スプール本体231の両端に配置される。第1のソレノイド212は、弁スプール230の第1のスプール端部232に隣接して配置され、第2のソレノイド222は、弁スプール230の第2のスプール端部234に隣接して配置される。
【0028】
第1のソレノイド212は、第1の永久磁石236の第1の磁気面238に面する第1のソレノイド面216を含む第1の鉄心214と、第1の鉄心214の周りに巻かれ、励磁されると第1の磁束を生成するように構成されている第1のコイル218とを含む。第1のコイル218は、第1のコイルカバー213で覆われる。第1のコイルカバー213は、第1のコイル218の円筒形側面全体を覆うことができる。第1のコイル218の端部は、第1のコイルプレート215で覆われる。第1の非磁性支持体272が、弁本体256に取り付けられ、第1のスプール端部232、第1の円筒形カップ239、第1の永久磁石236、および第1のソレノイド212の第1のソレノイド面216を覆う。
【0029】
第2のソレノイド222は、第2の永久磁石246の第2の磁気面248に面する第2のソレノイド面226を含む第2の鉄心224と、第2の鉄心224の周りに巻かれ、励磁されると第2の磁束を生成するように構成されている第2のコイル228とを含む。第2のコイル228は、第2のコイルカバー223で覆われる。第2のコイルカバー223は、第2のコイル228の円筒形側面全体を覆うことができる。第2のコイル228の端部は、第2のコイルプレート225で覆われる。第2の非磁性支持体274が、弁本体256に取り付けられ、第2のスプール端部234、第2の円筒形カップ249、第2の永久磁石246、および第2のソレノイド222の第2のソレノイド面226を覆う。
【0030】
第1のソレノイド212の鉄心214および第2のソレノイド222の鉄心224はそれぞれ、その鉄心の少なくとも一部に鋼を含み得る。鋼は、1018冷間圧延鋼など、比較的高いマンガン含有量をもつ低炭素鋼であり得る。第1のコイル218および第2のコイル228は、マグネットワイヤを含み得る。
【0031】
弁スプール230は、弁本体256内の第1のソレノイド212と第2のソレノイド222との間に配置される。弁スプール230は、長手方向軸線に沿って第1の位置(図示せず)と第2の位置(
図3に示される)との間で移動可能である。言い換えれば、第1の動作モードでは、第1のソレノイド212は、第1の永久磁石236を引き付ける第1の極性を有するように励磁され、第2のソレノイド222は、第2の永久磁石246に反発する反対の極性を有するように励磁されて、第1のソレノイド212および第2のソレノイド222は、弁本体256内の弁スプール230を第1の位置と第2の位置との間で同時に押し引きすることが可能になる。したがって、第1のソレノイド212および第2のソレノイド222は、弁スプール230を動かして第1の位置と第2の位置との間で移行するように協調的に駆動可能である。第2の動作モードでは、第2のソレノイド222は、第2の永久磁石246を引き付ける第1の極性を有するように励磁され、第1のソレノイド212は、第1の永久磁石236に反発する反対の極性を有するように励磁されて、第1のソレノイド212および第2のソレノイド222は、弁スプール230を第2の位置と第1の位置との間で同時に引き押しすることが可能になる。第1のソレノイド212および第2のソレノイド222は、第1のソレノイド212によって生成される第1の磁束および第2のソレノイド222によって生成される第2の磁束が反対の極性を有するように励磁され、これにより、弁スプール230の一端が一方のソレノイドに引き付けられ、同時に弁スプール230の他端が他方のソレノイドから反発される。弁スプール230は、第2の鉄心224と第2の永久磁石246との間に生成される第1の磁力によって第1の位置に維持されるか、第1の鉄心214と第1の永久磁石236との間に生成される第2の磁力によって第2の位置に維持されるかのどちらかになるように双安定である。第1のソレノイド212および第2のソレノイド222が無励磁にされると、第1の永久磁石236は、弁スプール230を第2の位置に維持するように動作可能であり、第2の永久磁石246は、弁スプール230を第1の位置に維持するように動作可能である。
【0032】
第1の永久磁石236および第2の永久磁石246はそれぞれ、ネオジムを含み得る希土類磁石を備える。第1の磁気面238および第2の磁気面248はそれぞれ、0.25~1インチの直径を有し得る。第1の永久磁石236の厚さは、第2の永久磁石246の厚さに等しくてもよい。第1の永久磁石236の直径は、第2の永久磁石246の直径に等しくてもよい。第1の永久磁石236および第2の永久磁石246の厚さ対直径の比は、それぞれ1.5:1~3:1であり得る。弁本体256は鋼を含む。鋼は、440C鋼などの硬鋼であってもよい。
【0033】
第1の永久磁石236および第2の永久磁石246は、それぞれ第1の円筒形カップ239および第2の円筒形カップ249によって弁スプール230に固定される。特に、第1の永久磁石236および第2の永久磁石246は、それぞれスプール本体231の第1のスプール端部232および第2のスプール端部234に固定される。図示の実施形態では、第1の円筒形カップ239は、第1の締め具260によって弁スプール230に固定され、第2の円筒形カップ249は、第2の締め具262によって弁スプール230に固定される。しかしながら、他の実施形態では、第1の円筒形カップ239は、接着剤で弁スプール230に追加的にまたは代替的に固定されてもよく、第2の円筒形カップ249は、接着剤で弁スプール230に追加的にまたは代替的に固定されてもよいことが理解されよう。
【0034】
弁本体256は、油圧流体用の第1のポートR1、第2のポートP、第3のポートR2、第4のポートC1、および第5のポートC2を画定する。
【0035】
第2の位置(
図3に示される)では、第2のソレノイド面226は第2の磁気面248から離間されて、第2のソレノイド面226と第2の磁気面248との間に流体ギャップを画定し、第1のソレノイド面216は第1の磁気面238と接触している。弁スプール230の内面は、第3のポートR2を通る油圧流体の流れが止められるように弁本体256に当接し、弁スプール230は、弁スプール230が第2の位置にあるときに第4のポートC1と第1のポートR1との間の第1の流路H1、および第5のポートC2と第2のポートPとの間の第2の流路H2を提供する。したがって、油圧流体は、弁スプール230および弁本体256を通る第1の流路H1および第2の流路H2を確立することにより、第2の位置で第1の流路H1および第2の流路H2を通って流れることが可能になる。
【0036】
第1の位置(図示せず)では、第1のソレノイド面216は第1の磁気面238から離間されて、第1のソレノイド面216と第1の磁気面238との間に流体ギャップを画定し、第2のソレノイド面226は第2の磁気面248と接触している。弁スプール230の内面は、第1のポートR1を通る油圧流体の流れが止められるように弁本体256に当接し、弁スプール230は、弁スプール230が第1の位置にあるときに第4のポートC1と第2のポートPとの間の第3の流路、および第5のポートC2と第3のポートR2との間の第4の流路を提供する。したがって、油圧流体は、弁スプール230および弁本体256を通る第3の流路および第4の流路を確立することにより、第1の位置で第3の流路および第4の流路を通って流れることが可能になる。
【0037】
油圧弁210は、第1のソレノイド212に近接して設けられた第1のプランジャ242および第1のセンサ244と第2のソレノイド222に近接して設けられた第2のプランジャ252および第2のセンサ254とをさらに備える。第1のセンサ244は、第1のセンサプレート244aおよび第1のリミットスイッチ244bを備え、第2のセンサ254は、第2のセンサプレート254aおよび第2のリミットスイッチ254bを備える。
【0038】
第1の位置(図示せず)では、第2の磁気面248は、第2のソレノイド面226で第2のプランジャ252を押して、第2のセンサ254に弁スプール230の第1の位置を検出させる。第2のセンサ254は、第2のプランジャ252が第2のセンサプレート254aを押し下げて第2のリミットスイッチ254bを第2のセンサ254の本体内に押し込むようにすることにより第1の位置を検出する。
【0039】
第2の位置(
図3に示される)では、第1の磁気面238は、第1のソレノイド面216で第1のプランジャ242を押して、第1のセンサ244に弁スプール230の第2の位置を検出させる。第1のセンサ244は、第1のプランジャ242が第1のセンサプレート244aを押し下げて第1のリミットスイッチ244bを第1のセンサ244の本体内に押し込むようにすることにより第2の位置を検出する。
【0040】
第1のリミットスイッチ244bは、第1のプランジャ242を弁スプール230の中心に向かって内方に押すように弾性的に偏倚させられてもよく、第2のリミットスイッチ254bは、同様に、第2のプランジャ252を弁スプール230の中心に向かって内方に押すように弾性的に偏倚させられてもよい。第1のプランジャ242および第2のプランジャ252は非磁性であり得る。
【0041】
油圧弁210は、第1のコイル218および第2のコイル228に動作可能に結合されたコントローラーおよび/またはプロセッサ240により、第1のソレノイド212と第2のソレノイド222の両方の動作を制御して弁スプール230を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように制御される。弁スプール230を第1の位置に配置するには、プロセッサ240は、第2のコイル228を励磁して第2の磁束を生成し、それによって第2の磁気面248を第2のソレノイド面226に引き付け、プロセッサ240は、第1のコイル218に第2の磁束とは反対の極性を有する第1の磁束を生成させて、第1の磁気面238を第1のソレノイド面216から反発させる。弁スプール230が第1の位置に配置されると、第1のソレノイド212と第2のソレノイド222の両方が無励磁にされ、弁スプール230は、第2の鉄心224と第2の永久磁石246との間に生成される第1の磁力によって第1の位置に維持される。弁スプール230を第2の位置に配置するには、プロセッサ240は、第2のコイル228を励磁して第2の磁束を生成し、それによって第2のソレノイド面226から第2の磁気面248を反発させ、プロセッサ240は、第1のコイル218に第2の磁束とは反対の極性を有する第1の磁束を生成させて、第1の磁気面238を第1のソレノイド面216に引き付けさせる。弁スプール230が第2の位置に配置されると、第1のソレノイド212と第2のソレノイド222の両方が無励磁にされ、弁スプール230は、第1の鉄心214と第1の永久磁石236との間に生成される第2の磁力によって第2の位置に維持される。したがって、弁スプール230は、第1の位置と第2の位置との間で前後に押される。
【0042】
プロセッサ240は、第1のセンサ244が、第1のプランジャ242が第1のセンサプレート244aを押し下げて第1のリミットスイッチ244bを第1のセンサ244の本体内に押し込むようにすることにより第2の位置を検出すると、第1のセンサ244から検出信号を受け取るように第1のセンサ244に動作可能に結合される。プロセッサ240はまた、第2のセンサ254が、第2のプランジャ252が第2のセンサプレート254aを押し下げて第2のリミットスイッチ254bを第2のセンサ254の本体内に押し込むようにすることにより第1の位置を検出すると、第2のセンサ254から検出信号を受け取るように第2のセンサ254に動作可能に結合される。したがって、プロセッサ240は、油圧弁210が第1の位置または第2の位置にあるときを特定する。
【0043】
プロセッサ240は、第1のコイル218に電力を供給することにより第1のコイル218に第1の磁束を生成させ、プロセッサ240は、第2のコイル228に電力を供給することにより第2のコイル228に第2の磁束を生成させる。この電力は、例えば28ボルトの直流(DC)電力であり得る。第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、動作中、第1のコイル218によって生成される磁束の極性は、第2のコイル228によって生成される磁束の極性とは反対であることが理解されるべきである。さらに、第1のコイル218および第2のコイル228の極性は、弁スプール230が第1の位置と第2の位置との間で移行できるようにするために逆にされ得ることが理解されるべきである。
【0044】
流路を流れる流体中の鉄汚染を捕捉するために、弁本体256内の流路に沿って他の磁石が設けられてもよい。例えば、第3の磁石264が、第2のポートPに接続する流路に隣接して設けられてもよく、第4の磁石266が、第5のポートC2に接続する流路に隣接して設けられてもよく、第5の磁石268が、第4のポートC1に接続する流路に隣接して設けられてもよい。第3の磁石264、第4の磁石266、および第5の磁石268は、油圧流体中の鉄粒子を磁気的に引き付けるように構成されている。したがって、鉄汚染が弁スプール230の各ポートを詰まらせるのを防ぐことができる。
【0045】
この実施形態では、第1の油圧室276と第2の油圧室278との間を油圧流体が自由に流れる。第1の油圧室276は、第1の非磁性支持体272が油圧流体用の密閉された空間を作り出すように弁本体256を覆うことによって形成される。第1の非磁性支持体272は、第1の鉄心214が収容される穴を有する。第1の非磁性支持体272に設けられた第1のシール270aおよび第2のシール270bは、油圧流体が第1の油圧室276から漏出して第1のコイル218を汚染しないようにする。第1の非磁性支持体272と弁本体256との間に設けられた第3のシール270cは、油圧流体が第1の油圧室276から第1の非磁性支持体272と弁本体256との間の空間中に漏出しないようにする。第1のシール270a、第2のシール270b、および第3のシール270cは、油圧流体が最大で600 psiとなり得る高い戻り圧力で漏れるのを阻止するように構成されている。
【0046】
同様に、第2の油圧室278は、第2の非磁性支持体274が油圧流体用の密閉された空間を作り出すように弁本体256を覆うことによって形成される。第2の非磁性支持体274は、第2の鉄心224が収容される穴を有する。第2の非磁性支持体274に設けられた第5のシール270eおよび第6のシール270fは、油圧流体が第2の油圧室278から漏出して第2のコイル228を汚染しないようにする。第2の非磁性支持体274と弁本体256との間に設けられた第4のシール270dは、油圧流体が第2の油圧室278から第2の非磁性支持体274と弁本体256との間の空間中に漏出しないようにする。第4のシール270d、第5のシール270e、および第6のシール270fは、油圧流体が最大で600 psiとなり得る高い戻り圧力で漏れるのを阻止するように構成されている。
【0047】
したがって、油圧弁210が第1の位置から第2の位置に移行し、第2のソレノイド面226が第2の磁気面248から離間されて、第2のソレノイド面226と第2の磁気面248との間に流体ギャップを画定すると、油圧流体は、第1の油圧室276から第1の戻り流路280および第2の戻り流路282を通って第2の油圧室278へ流れ、その結果、第2の油圧室278内の流体の体積は流体ギャップに対応するように膨張される。同様に、油圧弁210が第2の位置から第1の位置に移行し、第1のソレノイド面216が第1の磁気面238から離間されて、第1のソレノイド面216と第1の磁気面238との間に流体ギャップを画定すると、油圧流体は、第2の油圧室278から第2の戻り流路282および第1の戻り流路280を通って第1の油圧室276へ流れ、その結果、第1の油圧室276内の流体の体積は、流体ギャップに対応するように膨張される。したがって、第1の戻り流路280および第2の戻り流路282は、第1の油圧室276および第2の油圧室278内の流体圧力が急上昇するのを防ぎ、それによって、弁スプール230の両端部をぬらしておきかつ戻り圧力を比較的低く保つ。
【0048】
図4Aを参照すると、本開示の第1の実施形態の第1のソレノイド面16および第2のソレノイド面26の例示的な軸線方向図が示されている。図示されていないが、第2の実施形態の第1のソレノイド面116および第2のソレノイド面126の例示的な軸線方向図は、
図4Aと同様に描かれるはずであることが理解されよう。第1のソレノイド面16は、第1のソレノイド面16の周囲16aに沿った非磁性材料と第1のソレノイド面16の中央部分16bにある鋼とを備える。中央部分16bの面積は、第1の磁気面38の面積以下であり得る。同様に、第2のソレノイド面26は、第2のソレノイド面26の周囲26aに沿った非磁性材料と第2のソレノイド面26の中央部分26bにある鋼とを備える。中央部分26bの面積は、第2の磁気面48の面積以下であり得る。
【0049】
図4Bを参照すると、本開示の第3の実施形態の第1のソレノイド面216および第2のソレノイド面226の例示的な軸線方向図が示されている。第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、第1のソレノイド面216は、第1のソレノイド面216の周囲216aに沿った非磁性材料と第1のソレノイド面216の中央部分216bにある鋼とを備える。中央部分216bの面積は、第1の磁気面238の面積以下であり得る。同様に、第2のソレノイド面226は、第2のソレノイド面226の周囲226aに沿った非磁性材料と第2のソレノイド面226の中央部分226bにある鋼とを備える。中央部分226bの面積は、第2の磁気面248の面積以下であり得る。第1のプランジャ242が、第1のソレノイド面216の中央部分216bの中心に設けられ、したがって、第1のプランジャ242は、第1の磁気面238によって押し下げられていないときに第1のソレノイド面216から外方に突出する。同様に、第2のプランジャ252が、第2のソレノイド面226の中央部分226bの中心に設けられ、したがって、第2のプランジャ252は、第2の磁気面248によって押し下げられていないときに第2のソレノイド面226から外方に突出する。
【0050】
図5は、主題の開示の第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態による油圧弁を組み込んだ例示的なシステム300を示す。システム300は、ポンプ320と、油圧流体を含んでいる油圧流体リザーバ330と、被制御構成要素360を制御するアクチュエータ350と、ポンプ320、油圧流体リザーバ330、およびアクチュエータ350に流体的に結合された油圧弁310とを備える。油圧弁310は、パイロット弁、遮断弁、カットオフ弁、および制御弁からなる群から選択され得る。これらの弁タイプは、弁自体の構造ではなく、弁の使用シナリオを参照していることが理解されよう。被制御構成要素360は、油圧アクチュエータ350に機械的に結合されるものであり、エアブレーキ、着陸装置、フラップ、および補助翼からなる群から選択され得る。プロセッサ342、不揮発性メモリ344、および揮発性メモリ346を備えるコントローラー340は、油圧弁310に動作可能に結合され、油圧弁310を制御して第1の位置と第2の位置との間で移行するように構成されている。プロセッサ342は、不揮発性メモリ344に保存された命令を実行して、例えば
図7に記載の方法に従って油圧弁310を制御して第1の位置と第2の位置との間で移行する。例えば、油圧弁310が第1の位置にあるとき、第1の油圧流体経路が確立されて、油圧アクチュエータ350に被制御構成要素360を動作させて第1の状態に移行させ、油圧弁310が第2の位置にあるとき、第2の油圧流体経路が確立されて、油圧アクチュエータ350に被制御構成要素360を動作させて第2の状態に移行させる。システム300の油圧弁310は、5つのポートおよび4つの可能な流体流路を有する四方油圧弁として示されているが、システム300は、このポートと流体経路の構成に特に限定されるものではなく、代わりに、システム300は、例えば第1の実施形態に記述されているように、3つのポートおよび2つの可能な流体流路を有する油圧弁を含み得ることが理解されよう。
【0051】
プロセッサ342は、命令を実行する1つまたは複数の物理デバイスを含む。例えば、プロセッサ342は、1つまたは複数のアプリケーション、プログラム、ルーチン、ライブラリ、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、または他の論理構造の一部である命令を実行するように構成され得る。このような命令は、タスクを実行するか、データ型を実装するか、1つまたは複数のコンポーネントの状態を変換するか、技術的効果を達成するか、またはその他の方法で所望の結果に到達するために実装され得る。
【0052】
プロセッサ342は、ソフトウェア命令を実行する1つまたは複数の物理プロセッサ(ハードウェア)を含み得る。追加的にまたは代替的に、プロセッサ342は、ハードウェア実装論理またはファームウェア命令を実行する1つまたは複数のハードウェア論理回路またはファームウェアデバイスを含み得る。プロセッサ342は、シングルコアまたはマルチコアであり得る複数のプロセッサを含んでいてもよく、プロセッサ上で実行される命令は、順次処理、並列処理、および/または分散処理のために構成され得る。プロセッサの個々のコンポーネントは、任意選択で、2つ以上の別々のデバイスに分散されてもよく、これらのデバイスは、遠隔に配置されかつ/または協調処理のために構成され得る。プロセッサの諸態様が、クラウドコンピューティング構成で構成されたリモートアクセス可能なネットワークコンピューティングデバイスによって仮想化され実行され得る。このような場合、これらの仮想化された態様は、様々な異なるマシンの異なる物理ロジックプロセッサ上で実行されることが理解されよう。
【0053】
不揮発性メモリ344は、本明細書に記載の方法およびプロセスを実装するために論理プロセッサによって実行可能な命令を保持する1つまたは複数の物理デバイスを含む。そのような方法およびプロセスが実装されると、不揮発性メモリ344の状態は、例えば異なるデータを保持するために変換され得る。
【0054】
不揮発性メモリ344は、取り外し可能でありかつ/または内蔵される物理デバイスを含み得る。不揮発性メモリ344は、光メモリ(例えば、CD、DVD、HD-DVD、Blu-Rayディスクなど)、半導体メモリ(例えば、ROM、EPROM、EEPROM、FLASH(登録商標)メモリなど)、および/または磁気メモリ(例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、MRAMなど)、あるいはその他の大容量記憶装置技術を含み得る。不揮発性メモリ344は、不揮発性デバイス、動的デバイス、静的デバイス、読出し/書込みデバイス、読出し専用デバイス、順次アクセスデバイス、位置アドレス可能デバイス、ファイルアドレス可能デバイス、および/または内容アドレス可能デバイスを含み得る。不揮発性メモリ344は、不揮発性メモリ344への電力が遮断されときでも命令を保持するように構成されていることが理解されよう。
【0055】
プロセッサ342、不揮発性メモリ344、および揮発性メモリ346の諸態様は、1つまたは複数のハードウェア論理コンポーネント内に互いに一体化され得る。このようなハードウェア論理コンポーネントには、例えば、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラム固有および特定用途向け集積回路(PASIC/ASIC)、プログラム固有および特定用途向け標準製品(PSSP/ASSP)、システムオンチップ(SOC)、および複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)が含まれ得る。
【0056】
図6は、主題の開示による第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態による例示的な航空機400の概略図である。第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態の油圧弁は、
図5を参照して説明したように、例示的な航空機400の例示的なシステム300に組み込まれ得ることが理解されよう。
【0057】
図7は、主題の開示の一態様による方法500の例示的な一構成の流れ図を示す。方法500の以下の記述は、上述した、
図1A、
図1B、
図2A、
図2B、
図3、
図4A、
図4B、および
図5に示されるソフトウェアおよびハードウェアコンポーネントを参照して提供される。方法500はまた、他の状況では他の適切なハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントを使用して実行され得ることが理解されよう。方法500は、油圧弁の弁スプールを操作するためのものであり、弁スプールは、弁本体内に配置され、弁スプールの第1のスプール端部に取り付けられた第1の永久磁石と弁スプールの第2のスプール端部に取り付けられた第2の永久磁石とを含む。第1のソレノイドが、弁スプールの第1のスプール端部に隣接して配置され、第2のソレノイドが、弁スプールの第2のスプール端部に隣接して配置される。第1のソレノイドおよび第2のソレノイドは、弁本体内の弁スプールを動かして第1の位置と第2の位置との間で移行するように協調して駆動可能である。主題の開示によれば、第1のソレノイドおよび第2のソレノイドが無励磁にされると、第1の永久磁石は、弁スプールを第2の位置に維持するように動作可能であり、第2の永久磁石は、弁スプールを第1の位置に維持するように動作可能である。
【0058】
ステップ502で、方法500は開始する。ステップ504で、コントローラーは第1の命令を受け取る。ステップ508で、弁スプールを第2の位置から第1の位置に移動させる第1の命令を受け取るのに応答して、コントローラーは、弁スプールが第1の位置にあるかどうかを決定し得る。この決定は、第1のソレノイド面と第1の磁気面との間の接触を検出する第1のセンサから検出信号を受け取ることにより、かつ/または第2のソレノイド面と第2の磁気面との間の接触を検出する第2のセンサから検出信号を受け取ることにより、コントローラーによって実行され得る。しかしながら、この決定ステップ508は、代替実施形態では省略され得ることが理解されよう。弁スプールが第1の位置にないと決定されると、ステップ512で、コントローラーは、第1のソレノイドおよび第2のソレノイドを励磁して弁スプールを第1の位置に移動させ、それにより、弁本体および弁スプール内に第1の流路を確立して油圧流体が第1の流路に流れることが可能になる。第1の流路は、第2のコイルを励磁して第2の磁束を生成し、それによって第2の磁気面を第2のソレノイド面に引き付け、第1のコイルを励磁して第1の磁束を生成し、それによって第1の磁気面を第1の磁気面から反発させることによって確立され得る。弁スプールが第1の位置にあると決定されると、ステップ514で、コントローラーは、第1の磁力で弁スプールを第1の位置に維持する。
【0059】
ステップ506で、コントローラーは第2の命令を受け取る。ステップ510で、弁スプールを第1の位置から第2の位置に移動させる第2の命令を受け取るのに応答して、コントローラーは、弁スプールが第2の位置にあるかどうかを決定し得る。この決定は、第1のソレノイド面と第1の磁気面との間の接触を検出する第1のセンサから検出信号を受け取ることにより、かつ/または第2のソレノイド面と第2の磁気面との間の接触を検出する第2のセンサから検出信号を受け取ることにより、コントローラーによって実行され得る。しかしながら、この決定ステップ510は、代替の実施形態では省略され得ることが理解されよう。弁スプールが第2の位置にないと決定されると、ステップ518で、コントローラーは、第1のソレノイドおよび第2のソレノイドに励磁して弁スプールを第2の位置に移動させ、それにより、弁本体および弁スプールを通る第2の流路を確立して油圧流体が第2の流路に流れることが可能になる。第2の流路は、第2のコイルに電力を供給して第2の磁束を生成し、それによって第2の磁気面を第2のソレノイド面から反発させ、第1のコイルに電力を供給して第1の磁束を生成し、それによって第1の磁気面を第1のソレノイド面に引き付けることによって確立され得る。弁スプールが既に第2の位置にあると決定されると、ステップ516で、コントローラーは、第2の磁力で弁スプールを第2の位置に維持する。ステップ520で、方法500は第1のステップ502に戻る。
【0060】
本明細書に記載のシステムおよびプロセスには、信頼性を高め、重量を軽減し、エネルギー消費を低減し、かつ材料コストおよび製造コストの下げるという潜在的な利点がある。断続的な電力は、弁スプールの所望の位置を維持するために、磁石を所望の磁気配向に偏倚させる。主題の開示の油圧電磁弁は双安定であるので、油圧弁を一方の位置に保つために常に電力が供給される油圧弁と比較すると、エネルギー消費が大幅に削減される。さらに、油圧弁の機械的構成は、モーター作動式油圧弁と比較して簡素化され、それにより、材料コストおよび製造コストが節減されるとともに、信頼性が高められかつ重量が軽減される。
【0061】
さらに、本開示は、以下の例による構成を含む。
【0062】
例1.弁本体と、弁本体内に配置され、弁スプールの第1のスプール端部に取り付けられた第1の永久磁石、および弁スプールの第2のスプール端部に取り付けられた第2の永久磁石を含む双安定弁スプールと、第1のスプール端部に隣接して配置された第1のソレノイドと、第2のスプール端部に隣接して配置された第2のソレノイドとを備える油圧弁であって、第1の動作モードでは、第1のソレノイドおよび第2のソレノイドが弁スプールを第1の位置と第2の位置との間で同時に押し引きすることを可能にするために、第1のソレノイドが、第1の永久磁石を引き付ける第1の極性を有するように励磁され、第2のソレノイドが、第2の永久磁石に反発する反対の極性を有するように励磁される、油圧弁。
【0063】
例2.第2の動作モードでは、第1のソレノイドおよび第2のソレノイドが弁スプールを第2の位置と第1の位置との間で同時に引き押しすることを可能にするために、第2のソレノイドが、第2の永久磁石を引き付ける第1の極性を有するように励磁され、第1のソレノイドが、第1の永久磁石に反発する反対の極性を有するように励磁される、例1に記載の油圧弁。
【0064】
例3.第1のソレノイドおよび第2のソレノイドが無励磁にされると、第1の永久磁石が弁スプールを第2の位置に維持するように動作可能であり、第2の永久磁石が弁スプールを第1の位置に維持するように動作可能である、例1または2に記載の油圧弁。
【0065】
例4.第1のソレノイドが第1の永久磁石に面する第1の鉄心を含み、第2のソレノイドが第2の永久磁石に面する第2の鉄心を含み、第1の位置では、第1のソレノイドが第1の永久磁石から離間され、第2のソレノイドが第2の永久磁石と接触しており、第2の位置では、第2のソレノイドが第2の永久磁石から離間され、第1のソレノイドが第1の永久磁石と接触している、例1から3のいずれか一例に記載の油圧弁。
【0066】
例5.第1のソレノイドに設けられた第1のプランジャおよび第1のセンサと、第2のソレノイドに設けられた第2のプランジャおよび第2のセンサとをさらに備え、第1の位置では、第2の永久磁石の第2の磁気面が、第2のセンサに弁スプールの第1の位置を検出させるために、第2のソレノイドの第2のソレノイド面で第2のプランジャを押し、第2の位置では、第1の永久磁石の第1の磁気面が、第1のセンサに弁スプールの第2の位置を検出させるために、第1のソレノイドの第1のソレノイド面で第1のプランジャを押す、例1から4のいずれか一例に記載の油圧弁。
【0067】
例6.弁本体が、第1のポート、第2のポート、および第3のポートを画定し、第1の位置では、弁スプールが、第2のポートと第3のポートとの間に第1の流路を提供し、第2の位置では、弁スプールが、第1のポートと第3のポートとの間に第2の流路を提供する、例1から5のいずれか一例に記載の油圧弁。
【0068】
例7.第3の磁石が、弁本体内の少なくとも流路に隣接して設けられ、流路内の油圧流体中の鉄粒子を磁気的に引き付けるように構成されている、例1から6のいずれか一例に記載の油圧弁。
【0069】
例8.第1の永久磁石の第1の磁気面および第2の永久磁石の第2の磁気面がそれぞれ、0.25~1インチの直径を有する、例1から7のいずれか一例に記載の油圧弁。
【0070】
例9.第1の永久磁石および第2の永久磁石の厚さ対直径の比が、それぞれ1.5:1~3:1である、例1から8のいずれか一例に記載の油圧弁。
【0071】
例10.第1のソレノイドおよび第2のソレノイドの鉄心がそれぞれ、その鉄心の少なくとも一部に鋼を含む、例1から9のいずれか一例に記載の油圧弁。
【0072】
例11.第1のソレノイドの第1のソレノイド面が、第1のソレノイド面の周囲に沿った非磁性材料と第1のソレノイド面の中央部分にある鋼とを備え、第2のソレノイドの第2のソレノイド面が、第2のソレノイド面の周囲に沿った非磁性材料と第2のソレノイド面の中央部分にある鋼とを備える、例1から10のいずれか一例に記載の油圧弁。
【0073】
例12.中央部分の面積が、第1の永久磁石の第1の磁気面の面積および第2の永久磁石の第2の磁気面の面積以下である、例1から11のいずれか一例に記載の油圧弁。
【0074】
例13.第1の永久磁石が第1の非磁性カップによって第1のスプール端部にしっかりと結合され、第2の永久磁石が第2の非磁性カップによって第2のスプール端部にしっかりと結合される、例1から12のいずれか一例に記載の油圧弁。
【0075】
例14.油圧弁の双安定弁スプールを操作する方法であって、弁スプールが、弁本体内に配置され、弁スプールの第1のスプール端部に取り付けられた第1の永久磁石、および弁スプールの第2のスプール端部に取り付けられた第2の永久磁石を含み、油圧弁が、弁スプールの第1のスプール端部に隣接して配置された第1のソレノイドと、弁スプールの第2のスプール端部に隣接して配置された第2のソレノイドとを含み、第1のソレノイドおよび第2のソレノイドは、弁スプールを動かして第1の位置と第2の位置との間で移行するように協調的に駆動可能であり、第1のソレノイドおよび第2のソレノイドが無励磁にされると、第1の永久磁石は、弁スプールを第2の位置に維持するように動作可能であり、第2の永久磁石は、弁スプールを第1の位置に維持するように動作可能であり、方法は、弁スプールを第2の位置から第1の位置に移動させる第1の命令を受け取るのに応答して、弁スプールを第1の位置に移動させるために第1のソレノイドおよび第2のソレノイドを励磁するステップと、弁スプールを第1の位置から第2の位置に移動させる第2の命令を受け取るのに応答して、弁スプールを第2の位置に移動させるために第1のソレノイドおよび第2のソレノイドを励磁するステップとを含む、方法。
【0076】
例15.弁スプールを第1の位置に配置するために、第2のソレノイドが、第2の永久磁石を第2のソレノイドに引き付ける第2の磁束を生成するように励磁され、第1のソレノイドが、第1の永久磁石を第1のソレノイドから反発させる第1の磁束を生成するように励磁され、弁スプールが、第2のソレノイドと第2の永久磁石との間に生成される第1の磁力によって第1の位置に維持され、弁スプールを第2の位置に配置するために、第2のソレノイドが、第2のソレノイドから第2の永久磁石を反発させる第2の磁束を生成するように励磁され、第1のソレノイドが、第1の永久磁石を第1のソレノイドに引き付けさせる第1の磁束を生成するように励磁され、弁スプールが、第1のソレノイドと第1の永久磁石との間に生成される第2の磁力によって第2の位置に維持される、例14に記載の方法。
【0077】
例16.第1の位置では、弁本体の第1のポートを通る油圧流体の流れが弁スプールによって止められ、弁本体の第2のポートと第3のポートとの間の第1の流路が弁スプールによって有効にされ、第2の位置では、弁本体の第2のポートを通る油圧流体の流れが弁スプールによって止められ、弁本体の第1のポートと第3のポートとの間の第2の流路が弁スプールによって有効にされる、例14または15に記載の方法。
【0078】
例17.第1の位置では、弁本体の第1のポートを通る油圧流体の流れが止められ、弁スプールが、弁本体の第2のポートと第4のポートとの間の第1の流路、および弁本体の第3のポートと第5のポートとの間の第3の流路を有効にし、第2の位置では、第3のポートを通る油圧流体の流れが止められ、弁スプールが、第1のポートと第4のポートとの間の第2の流路、および第2のポートと第5のポートとの間の第4の流路を有効にする、例14から16のいずれか一例に記載の方法。
【0079】
例18.ポンプと、油圧流体リザーバと、被制御構成要素を制御するアクチュエータと、ポンプ、油圧流体リザーバ、およびアクチュエータに流体的に結合された油圧弁とを備える航空機システムであって、油圧弁が、弁本体と、弁本体内に配置され、弁スプールの第1のスプール端部に取り付けられた第1の永久磁石および弁スプールの第2のスプール端部に取り付けられた第2の永久磁石を含む双安定弁スプールと、弁スプールの第1のスプール端部に隣接して配置された第1のソレノイドと、弁スプールの第2のスプール端部に隣接して配置された第2のソレノイドとを備え、第1のソレノイドおよび第2のソレノイドは、弁スプールを動かして第1の位置と第2の位置との間で移行するように協調的に駆動可能であり、第1のソレノイドおよび第2のソレノイドが無励磁にされると、第1の永久磁石は、弁スプールを第2の位置に維持するように動作可能であり、第2の永久磁石は、弁スプールを第1の位置に維持するように動作可能である、航空機システム。
【0080】
例19.油圧弁が、パイロット弁、遮断弁、カットオフ弁、および制御弁からなる群から選択される、例18に記載の航空機システム。
【0081】
例20.被制御構成要素が、ブレーキ、着陸装置、フラップ、および補助翼からなる群から選択される、例18または19に記載の航空機システム。
【0082】
主題の開示は、本明細書に開示される様々な形態および技術のすべての新規で非自明な組合せおよびサブコンビネーションを含む。本明細書に開示される様々な形態および技術は、主題の開示のすべての例に必ずしも必要とされるわけではない。さらに、本明細書に開示される様々な形態および技術は、開示された例とは別に特許性のある主題を定義することができ、本明細書に明示的に開示されていない他の実施において有用性を見出すことができる。
【0083】
本明細書で使用される「および/または(and/or)」とは論理和演算を指し、したがって、Aおよび/またはBは以下の真理値表を有することが理解されよう。
【0084】
【0085】
「含む」、「含んでいる」、「有する」、「包含する」という用語、およびそれらの変形が本明細書で使用される限り、そのような用語は、追加または他の要素を排除することなく開放移行語としての「備える」という用語と同様の方法で包括的であることが意図されている。
【符号の説明】
【0086】
10 三方油圧弁
12 第1のソレノイド
14 第1の鉄心
14b 非磁性部分
16 第1のソレノイド面
16a 周囲
16b 中央部分
18 第1のコイル
22 第2のソレノイド
24 第2の鉄心
24b 非磁性部分
26 第2のソレノイド面
26a 周囲
26b 中央部分
28 第2のコイル
30 弁スプール
31 スプール本体
32 第1のスプール端部
34 第2のスプール端部
36 第1の永久磁石
38 第1の磁気面
39 第1の円筒形カップ
40 プロセッサ
46 第2の永久磁石
48 第2の磁気面
49 第2の円筒形カップ
56 弁本体
60 第1の締め具
62 第2の締め具
110 四方油圧弁
112 第1のソレノイド
114 第1の鉄心
114b 非磁性部分
116 第1のソレノイド面
118 第1のコイル
122 第2のソレノイド
124 第2の鉄心
124b 非磁性部分
126 第2のソレノイド面
128 第2のコイル
130 弁スプール
131 スプール本体
132 第1のスプール端部
134 第2のスプール端部
136 第1の永久磁石
138 第1の磁性面
139 第1の円筒形カップ
140 プロセッサ
146 第2の永久磁石
148 第2の磁性面
149 第2の円筒形カップ
156 弁本体
160 第1の締め具
162 第2の締め具
210 油圧弁
212 第1のソレノイド
213 第1のコイルカバー
214 第1の鉄心
215 第1のコイルプレート
216 第1のソレノイド面
216a 周囲
216b 中央部分
218 第1のコイル
222 第2のソレノイド
223 第2のコイルカバー
224 第2の鉄心
225 第2のコイルプレート
226 第2のソレノイド面
226a 周囲
226b 中央部分
228 第2のコイル
230 弁スプール
231 スプール本体
232 第1のスプール端部
234 第2のスプール端部
236 第1の永久磁石
238 第1の磁気面
239 第1の円筒形カップ
240 プロセッサ
242 第1のプランジャ
244 第1のセンサ
244a 第1のセンサプレート
244b 第1のリミットスイッチ
246 第2の永久磁石
248 第2の磁気面
249 第2の円筒形カップ
252 第2のプランジャ
254 第2のセンサ
254a 第2のセンサプレート
254b 第2のリミットスイッチ
256 弁本体
260 第1の締め具
262 第2の締め具
264 第3の磁石
266 第4の磁石
268 第5の磁石
270a 第1のシール
270b 第2のシール
270c 第3のシール
270d 第4のシール
270e 第5のシール
270f 第6のシール
272 第1の非磁性支持体
274 第2の非磁性支持体
276 第1の油圧室
278 第2の油圧室
280 第1の戻り流路
282 第2の戻り流路
300 システム
310 油圧弁
320 ポンプ
330 油圧流体リザーバ
340 コントローラー
342 プロセッサ
344 不揮発性メモリ
346 揮発性メモリ
350 アクチュエータ、油圧アクチュエータ
360 被制御構成要素
400 航空機
500 方法
A1 長手方向軸線
A2 長手方向軸線
C 第3のポート
C1 第4のポート
C2 第5のポート
F1 第1の流路
F2 第2の流路
G1 第1の流体流路
G2 第2の流体流路
G3 第3の流体流路
G4 第4の流体流路
H1 第1の流路
H2 第2の流路
P 第2のポート
R 第1のポート
R1 第1のポート
R2 第3のポート