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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20250327BHJP
   B60C 13/00 20060101ALI20250327BHJP
【FI】
B60C19/00 J
B60C13/00 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021109743
(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公開番号】P2023006896
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】清村 崇
(72)【発明者】
【氏名】大坂 岳史
(72)【発明者】
【氏名】大野 浩昭
(72)【発明者】
【氏名】橋本 雅之
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-533968(JP,A)
【文献】特開2006-056443(JP,A)
【文献】特開2004-148953(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0070597(US,A1)
【文献】特表2008-504164(JP,A)
【文献】特開2020-079041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 19/00
B60C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤサイド部のタイヤ外表面に設けられた、標章部と、
通信装置と、
を備えた、タイヤであって、
前記標章部は、1つ以上の標章を有し、
各前記標章は、それぞれ、文字、記号、又は図形をなすとともに、凸状に構成されており、
前記通信装置の全体が、いずれか1つの前記標章の内部に埋設されており、
各前記標章は、前記タイヤサイド部の前記タイヤ外表面のうち各前記標章の周囲の部分であるベース面よりも、タイヤ幅方向外側へ突出しており、
前記通信装置の全体が、前記ベース面よりも、タイヤ幅方向外側へ突出しており、
前記通信装置は、RFタグと、前記RFタグの全体を覆う被覆部と、を有しており、
前記被覆部は、ゴム(ただし、前記タイヤのサイドウォール部のサイドゴムと実質的に同一の組成を有するゴムを除く。)又は樹脂から形成される、タイヤ。
【請求項2】
前記通信装置が埋設された前記標章は、突出高さが、0.4mm以上である、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記通信装置が埋設された前記標章は、前記通信装置の短手方向の中心において前記通信装置の長手方向に沿って測ったときの長さL1が、40mm以上である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記通信装置が埋設された前記標章は、前記通信装置の長手方向の中心において前記通信装置の短手方向に沿って測ったときの長さL2が、10mm以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インナーライナーとカーカスとの間に通信装置(RFタグ等)を配置したタイヤがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-148953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のタイヤにおいては、通信距離につき、向上の余地があった。
【0005】
本発明は、通信距離を長くすることが可能になる、タイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のタイヤは、
タイヤサイド部のタイヤ外表面に設けられた、標章部と、
通信装置と、
を備えた、タイヤであって、
前記標章部は、1つ以上の標章を有し、
各前記標章は、それぞれ、文字、記号、又は図形をなすとともに、凸状に構成されており、
前記通信装置の少なくとも一部が、少なくとも1つの前記標章の内部に埋設されている。
本発明のタイヤによれば、通信距離を長くすることが可能になる。
【0007】
本発明のタイヤにおいて、
前記通信装置が埋設された前記標章は、突出高さが、0.4mm以上であると、好適である。
これにより、通信装置をさらに長くすることが可能になる。
【0008】
本発明のタイヤにおいて、
前記通信装置の全体が、いずれか1つの前記標章の内部に埋設されていてもよい。
【0009】
本発明のタイヤにおいて、
前記通信装置が埋設された前記標章は、前記通信装置の短手方向の中心において前記通信装置の長手方向に沿って測ったときの長さL1が、40mm以上であると、好適である。
これにより、タイヤの製造時において、タイヤ成形用金型における標章を形成するための凹部内に、通信装置を配置しやすくなる。
【0010】
本発明のタイヤにおいて、
前記通信装置が埋設された前記標章は、前記通信装置の長手方向の中心において前記通信装置の短手方向に沿って測ったときの長さL2が、10mm以上であると、好適である。
これにより、タイヤの製造時において、タイヤ成形用金型における標章を形成するための凹部内に、通信装置を配置しやすくなる。
【0011】
本発明のタイヤにおいて、
前記通信装置は、RFタグを有すると、好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通信距離を長くすることが可能になる、タイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係るタイヤのタイヤサイド部の一部を、タイヤ幅方向外側から見た様子を示す、側面図である。
図2図1の一部を拡大して示す、拡大図である。
図3図2のタイヤの一部を、図2のA-A線に沿う断面により示す、タイヤ幅方向断面図である。
図4】本発明の任意の実施形態に係るタイヤに用いることができる、通信装置の一例を示す、斜視図である。
図5図4の通信装置を分解した状態で示す、分解斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るタイヤのタイヤサイド部の一部を、タイヤ幅方向外側から見た様子を示す、側面図である。
図7図6のタイヤの一部を、図6のB-B線に沿う断面により示す、タイヤ幅方向断面図である。
図8図6のタイヤの一部を、図6のC-C線に沿う断面により示す、断面図である。
図9】本発明の第3実施形態に係るタイヤの一部を示す、タイヤ幅方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るタイヤは、任意の種類の空気入りタイヤに好適に利用でき、例えば、乗用車用空気入りタイヤ、トラック・バス用空気入りタイヤ等に好適に利用できる。
【0015】
以下、本発明に係るタイヤの実施形態について、図面を参照しつつ例示説明する。
各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。一部の図面では、タイヤ幅方向を符号「TW」で示し、タイヤ径方向を符号「RD」で示し、タイヤ周方向を符号「CD」で示している。本明細書において、タイヤ内腔に近い側を「タイヤ内側」といい、タイヤ内腔から遠い側を「タイヤ外側」という。
【0016】
図1図3は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ1を説明するための図面である。図1は、本発明の第1実施形態に係るタイヤのタイヤサイド部の一部を、タイヤ幅方向外側から見た様子を示す、側面図である。図2は、図1の一部を拡大して示す、拡大図である。図3は、図2のタイヤの一部(具体的には、タイヤ赤道面CLに対する一方側の部分)を、図2のA-A線に沿う断面により示す、タイヤ幅方向断面図である。図6図8は、本発明の第2実施形態に係るタイヤ1を説明するための図面である。図6は、本発明の第2実施形態に係るタイヤのタイヤサイド部の一部を、タイヤ幅方向外側から見た様子を示す、側面図である。図7は、図6のタイヤの一部(具体的には、タイヤ赤道面CLに対する一方側の部分)を、図6のB-B線に沿う断面により示す、タイヤ幅方向断面図である。図8は、図6のタイヤの一部を、図6のC-C線に沿う断面により示す、断面図である。図9は、本発明の第3実施形態に係るタイヤ1を説明するための図面である。図9は、本発明の第3実施形態に係るタイヤの一部(具体的には、タイヤ赤道面CLに対する一方側の部分)を示す、タイヤ幅方向断面図である。
図1図3図6図8の各実施形態のタイヤ1は、トラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている。図9の実施形態のタイヤ1は、乗用車用空気入りタイヤとして構成されている。以下では、説明の便宜上、これらの実施形態について併せて説明する。
なお、本発明の任意の実施形態のタイヤ1は、任意の種類のタイヤとして構成されてよい。
【0017】
タイヤ1は、タイヤ本体1Mと、通信装置10と、を備えている。タイヤ本体1Mは、タイヤ1のうち、通信装置10以外の部分に相当する。
【0018】
以下、特に断りのない限り、各要素の位置関係や寸法等は、タイヤ1を適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態で測定されるものとする。また、タイヤ1を適用リムに装着し、タイヤ1に規定内圧を充填し、最大荷重を負荷した状態で、路面と接する接地面のタイヤ幅方向の幅を、タイヤの接地幅といい、当該接地面のタイヤ幅方向の端部を接地端という。
【0019】
本明細書において、「適用リム」とは、空気入りタイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指すが、これらの産業規格に記載のないサイズの場合は、空気入りタイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。「適用リム」には、現行サイズに加えて将来的に前述の産業規格に記載されるサイズも含まれる。「将来的に記載されるサイズ」の例として、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズが挙げられ得る。
【0020】
本明細書において、「規定内圧」とは、前述したJATMA YEAR BOOK等の産業規格に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいい、前述した産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。また、本明細書において、「最大荷重」とは、前述した産業規格に記載されている適用サイズのタイヤにおける最大負荷能力に対応する荷重、又は、前述した産業規格に記載のないサイズの場合には、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する荷重を意味する。
【0021】
まず、タイヤ本体1Mについて説明する。
図3図7図9等に示すように、本明細書で説明する各実施形態において、タイヤ本体1Mは、トレッド部1aと、このトレッド部1aのタイヤ幅方向の両端部からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部1bと、各サイドウォール部1bのタイヤ径方向内側の端部に設けられた一対のビード部1cと、を備えている。トレッド部1aは、タイヤ本体1Mのうち、一対の接地端どうしの間のタイヤ幅方向部分である。ビード部1cは、タイヤ1をリムに装着したときに、タイヤ径方向内側及びタイヤ幅方向外側においてリムに接するように構成される。
タイヤ本体1Mは、トレッド部1aのタイヤ幅方向の両端部からタイヤ径方向内側に延びる一対のタイヤサイド部1dを有する。タイヤサイド部1dは、サイドウォール部1b及びビード部1cからなる。本明細書では、タイヤサイド部1dにおけるタイヤ外側の表面を、「タイヤサイド部1dのタイヤ外表面1ds」という。
また、タイヤ本体1Mは、一対のビードコア4aと、一対のビードフィラー4bと、カーカス5と、ベルト6と、トレッドゴム7と、サイドゴム8と、インナーライナー9と、を備えている。
【0022】
各ビードコア4aは、それぞれ、対応するビード部1cに埋設されている。ビードコア4aは、周囲をゴムにより被覆されている複数のビードワイヤを備えている。ビードワイヤは、金属(例えばスチール)から構成されると好適である。ビードワイヤは、例えば、モノフィラメント又は撚り線からなるものとすることができる。なお、ビードワイヤは、有機繊維やカーボン繊維から構成されてもよい。
【0023】
各ビードフィラー4bは、それぞれ、対応するビードコア4aに対してタイヤ径方向外側に位置する。ビードフィラー4bは、タイヤ径方向外側に向かって先細状に延びている。ビードフィラー4bは、例えばゴム製である。
ビードフィラーは、「スティフナー」と呼ばれることがある。
図3図7に示すように、タイヤ本体1M(ひいてはタイヤ1)がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成される場合、ビードフィラー4bは、複数(図3図7の各例では、2つ)のビードフィラー部4b1、4b2から構成されてもよい。これら複数のビードフィラー部4b1、4b2は、例えば、硬さが異なり得る。これら複数のビードフィラー部4b1、4b2は、例えば、タイヤ径方向に沿って配列(積層)される。
【0024】
カーカス5は、一対のビードコア4a間に跨っており、トロイダル状に延在している。カーカス5は、1枚以上のカーカスプライ5aから構成されている。各カーカスプライ5aは、1本又は複数本のカーカスコードと、カーカスコードを被覆する被覆ゴムと、を含んでいる。カーカスコードは、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。
カーカスコードは、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよいし、金属(例えばスチール)から構成されてもよい。タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成される場合、カーカスコードは、金属(例えばスチール)から構成されると好適である。タイヤ1が乗用車用空気入りタイヤとして構成される場合、カーカスコードは、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されると好適である。
カーカスプライ5aは、一対のビードコア4a間に位置するプライ本体部5Mを備えている。カーカスプライ5aは、さらに、プライ本体部5Mの両端からビードコア4aの廻りでタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返される、プライ折返し部5Tを、さらに備えていてもよい。ただし、カーカスプライ5aは、プライ折返し部5Tを備えていなくてもよい。カーカス5は、ラジアル構造であると好適であるが、バイアス構造でもよい。
【0025】
ベルト6は、カーカス5のクラウン部に対してタイヤ径方向外側に配置されている。ベルト6は、1層以上のベルト層6aを備えている。各ベルト層6aは、1本又は複数本のベルトコードと、ベルトコードを被覆する被覆ゴムと、を含んでいる。ベルトコードは、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。ベルトコードは、金属(例えばスチール)から構成されてもよいし、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよい。
【0026】
トレッドゴム7は、トレッド部1aにおいて、ベルト6のタイヤ径方向外側に位置している。トレッドゴム7は、トレッド部1aのタイヤ径方向外側の面であるトレッド踏面を構成している。トレッド踏面には、トレッドパターンが形成されている。
【0027】
サイドゴム8は、サイドウォール部1bにおいて、カーカス5のタイヤ幅方向外側に位置している。サイドゴム8は、サイドウォール部1bのタイヤ幅方向外側の面を構成している。サイドゴム8は、トレッドゴム7と一体で形成されている。
【0028】
インナーライナー9は、カーカス5のタイヤ内側に配置され、例えば、カーカス5のタイヤ内側に積層されてもよい。インナーライナー9は、例えば、空気透過性の低いブチル系ゴムで構成される。ブチル系ゴムには、例えばブチルゴム、及びその誘導体であるハロゲン化ブチルゴムが含まれる。インナーライナー9は、ブチル系ゴムに限られず、他のゴム組成物、樹脂、又はエラストマーで構成することができる。
【0029】
図3図7に示すように、タイヤ本体1M(ひいてはタイヤ1)がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成される場合、タイヤ本体1Mは、ビードコア4aの周りに、補強部材3を備えてもよい。補強部材3は、図3図7の各例のように、カーカス5に対してビードコア4aとは反対側に配置されてもよい。補強部材3は、1枚以上(図3図7の各例では、3枚)の補強プライ3aを備えている。各補強プライ3aは、補強コードを含んでいる。補強コードは、金属(例えばスチール)から構成されてもよいし、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよい。
【0030】
本明細書で説明する各実施形態において、タイヤ本体1Mは、タイヤサイド部1dのタイヤ外表面1dsに設けられた、標章部20を、1つ又は複数、備えている。標章部20は、サイドゴム8によって形成されている。図1図2図6に示すように、標章部20は、1つ以上の標章21を有している。各標章21は、それぞれ、文字、記号、又は図形をなしている。図形は、バーコードや模様を含む概念である。図1図2図6の各例において、標章部20は、それぞれ「T」、「I」、「R」、「E」の文字をなす4つの標章21を有している。標章部20は、例えば、社名、商品名、ロゴ、タイヤサイズ等を表し得る。各標章21は、それぞれ、凸状に構成されている。具体的に、各標章21は、タイヤサイド部1dのタイヤ外表面1dsにおけるベース面2abよりも、タイヤ幅方向外側へ突出している。ベース面2abは、標章部20における背景面に相当し、具体的には、図3図7図9に示すように、タイヤサイド部1dのタイヤ外表面1dsのうち、各標章21の周囲の部分を指す。ベース面2abは、凹凸の無い平滑面であってもよいし、あるいは、標章21よりも微細な凹凸を有する凹凸面であってもよい。図1図2図6の各例において、標章部20は、複数の標章21を有しており、これら複数の標章21は、タイヤ周方向に沿って配列されている。ただし、標章部20を構成する複数の標章21は、任意の方向に沿って配列されてよい。
【0031】
つぎに、通信装置10について説明する。
通信装置10は、タイヤ1の外部にある所定外部装置(例えば、リーダ、あるいは、リーダ/ライタ)と無線通信可能な構成であればよく、通信装置10の構成は特に限定されるものではない。
通信装置10は、RFタグを有すると好適である。RFタグは、「RFIDタグ」とも呼ばれる。RFタグは、パッシブ型に構成されると好適であるが、アクティブ型に構成されてもよい。
通信装置10は、RFタグに代えて又は加えて、タイヤ1の加速度を検出する加速度センサや、タイヤ1の内圧を検出する内圧センサ等を有してもよい。
【0032】
図4図5は、通信装置10の一例を示している。本例において、通信装置10は、RFタグを有している。本例において、通信装置10は、RFタグ10eと、被覆部10fと、を備えている。RFタグ10eは、ICチップ10cと、アンテナ部10bと、を備えている。RFタグ10eは、パッシブ型に構成されている。
【0033】
ICチップ10cは、例えば、アンテナ部10bで受信する電波により発生する誘電起電力により稼働する。ICチップ10cは、例えば、制御部と記憶部とを有する。
記憶部は、任意の情報を記憶してよい。例えば、記憶部は、タイヤ1の識別情報を記憶してもよい。タイヤ1の識別情報は、例えば、タイヤ1の製造メーカ、製造工場、製造年月日等の、各タイヤをタイヤ毎に特定できるタイヤ1の固有の識別情報である。また、記憶部は、タイヤの走行距離、急制動回数、急発信回数、急旋回回数等のタイヤ履歴情報を記憶してもよい。また、例えば、タイヤ内部温度、タイヤ内圧、タイヤ加速度等を検出するセンサがタイヤ内腔に設けられており、記憶部が、これらセンサにより検出された検出情報を記憶してもよい。この場合、RFタグ10eは、アンテナ部10bを通じて、センサと無線通信することで、センサの検出情報を取得することができる。
制御部は、記憶部からの情報の読み出しが可能に構成される。
【0034】
アンテナ部10bは、一対のアンテナ10b1、10b2を有している。一対のアンテナ10b1、10b2は、ICチップ10cにおいて互いに反対側に位置する端部にそれぞれ連結されている。アンテナ部10bは、タイヤ1の外部の上記所定外部装置と送受信可能に構成されている。図4図5の例において、各アンテナ10b1、10b2は、直線状に延在しているが、各アンテナ10b1、10b2は、例えば波型等、任意の形状をなすように延在していてもよい。
【0035】
被覆部10fは、RFタグ10eの全体を覆っている。被覆部10fは、例えばゴム又は樹脂から形成される。
本例において、被覆部10fは、一対のシート状の被覆部材10f1、10f2を有している。一対の被覆部材10f1、10f2は、両者間にRFタグ10eを挟んだ状態で、互いに重ねられている。一対の被覆部材10f1、10f2どうしは、接着等により互いに固着されていると、好適である。
ただし、被覆部10fは、1つの部材から構成されてもよい。
本例において、被覆部10fは、平面視において四角形状をなしているが、被覆部10fは、平面視において任意の形状をなしてよい。
なお、通信装置10は、被覆部10fを有していなくてもよく、すなわち、RFタグ10eのみから構成されてもよい。
【0036】
このように構成された通信装置10は、上記所定外部装置から、電波又は磁界に乗せて送信される情報を、アンテナ部10bにより受信可能に構成される。整流(電波の場合)または共振(磁界の場合)により、通信装置10のアンテナ部10bに電力が発生し、ICチップ10cの記憶部及び制御部が所定の動作を行う。例えば、制御部は、記憶部内の情報を読み出し、電波または磁界に乗せてアンテナ部10bから、上記所定外部装置に返信(送信)する。上記所定外部装置は、通信装置10からの電波又は磁界を受信する。上記所定外部装置は、受信した情報を取り出すことで、通信装置10のICチップ10cの記憶部に記憶されている情報を取得することができる。
【0037】
ただし、通信装置10は、本例とは異なる任意の構成を有してよい。
【0038】
通信装置10は、長手方向LDと、短手方向SDと、厚さ方向TDと、を有してもよい。長手方向LDと短手方向SDと厚さ方向TDとは、互いに垂直である。
図4図5に示すように、通信装置10がRFタグ10eを有する場合、通信装置10の長手方向LDは、アンテナ部10bの延在方向に平行である。アンテナ部10bの各アンテナ10b1、10b2が波型である場合、アンテナ部10bの延在方向は、各アンテナ10b1、10b2のなす波型の振幅中心線の延在方向を指す。通信装置10において、通信装置10の厚さ方向TDは、通信装置10が被覆部10fを有する場合、被覆部10fの厚さ方向を指し、通信装置10が被覆部10fを有さない場合、ICチップ10cの厚さ方向を指す。
【0039】
RFタグ10eの長手方向LDの長さは、例えば、20mm以上、又は、50mm以上が好適である。また、RFタグ10eの長手方向LDの長さは、例えば、100mm以下、又は、70mm以下が好適である。
RFタグ10eの短手方向SDの長さは、例えば、10mm以下、又は、8mm以下が好適である。
RFタグ10eの厚さ方向TDの長さは、例えば、5mm以下、又は、2mm以下が好適である。
通信装置10が被覆部10fを有する場合、通信装置10の長手方向LDの長さは、例えば、30mm以上、又は、60mm以上が好適である。また、RFタグ10eの長手方向LDの長さは、例えば、110mm以下、又は、80mm以下が好適である。
通信装置10が被覆部10fを有する場合、通信装置10の短手方向SDの長さは、例えば、20mm以下、又は、15mm以下が好適である。
通信装置10が被覆部10fを有する場合、通信装置10の厚さ方向TDの長さは、例えば、6mm以下、又は、3mm以下が好適である。
被覆部10fの被覆部材10f1、10f2のそれぞれの厚さは、例えば、0.5mm以上が好適である。また、被覆部10fの被覆部材10f1、10f2のそれぞれの厚さは、例えば、1mm以下が好適である。
【0040】
本明細書で説明する各実施形態においては、図1図3図6図9に示すように、通信装置10の全体が、タイヤ本体1Mの内部に埋設されている。通信装置10は、タイヤ本体1Mのタイヤサイド部1dのうち、カーカス5よりもタイヤ幅方向外側の部分に埋設されている。通信装置10の少なくとも一部は、少なくとも1つの標章21(21a)の内部に埋設されている。通信装置10は、通信装置10の厚さ方向TDが、標章21aの突出高さ方向にほぼ沿うように、指向される(図3図7)。
【0041】
タイヤ1の製造時においては、タイヤ本体1Mを構成する生タイヤと、通信装置10とが、タイヤ成形用金型の内部に収容されて、加硫成形される。
【0042】
ここで、本明細書で説明する各実施形態の効果を説明する。
まず、上述のように、本明細書で説明する各実施形態においては、図1図3図6図9に示すように、通信装置10の少なくとも一部が、タイヤサイド部1dのタイヤ外表面1dsに設けられた標章部20の少なくとも1つの標章21の内部に埋設されており、すなわち、通信装置10が、タイヤサイド部1dに配置されている。ここで、一般的に、金属は、通信装置10と上記所定外部装置(例えば、リーダ、あるいは、リーダ/ライタ)との間の電波を弱めて、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信性を低下させるおそれがあり、ひいては、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離が短くなるおそれがある。一方、タイヤ本体1Mにおいて、金属(例えば、スチール)は、カーカス5、ベルト6、ビードコア4a、補強部材3等に使用され得る。そして、一般的に、タイヤサイド部1dのほうが、トレッド部1aに比べて、金属の量が少ない傾向がある。したがって、通信装置10をタイヤサイド部1dに配置することにより、仮に通信装置10をトレッド部1aに配置する場合に比べて、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になる。
また、上述のように、本明細書で説明する各実施形態においては、図1図3図6図9に示すように、通信装置10の少なくとも一部が、少なくとも1つの標章21の内部に埋設されている。このような構成によれば、例えば仮に通信装置10の全体をタイヤ本体1Mのうち標章部20よりもタイヤ内側(ひいては、ベース面2abよりもタイヤ内側)の部分に埋設した場合に比べて、通信装置10とタイヤ本体1Mの内部に使用され得る金属との間の距離を長くすることができ、ひいては、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になる。
また、通信装置10の少なくとも一部が、少なくとも1つの標章21の内部に埋設されていることにより、外部から視認がし易い標章部20が、通信装置10の位置を表す表示機能を有するので、通信装置10の位置が把握しやすくなる。よって、上記所定外部装置(例えば、リーダ、あるいは、リーダ/ライタ)によって通信装置10の読み取りを行おうとする作業者は、上記所定外部装置を標章部20の近傍にかざすだけで、通信装置10を読み取ることが可能になり、読み取り作業がスムーズになる。また、標章部20が、通信装置10の位置を表す表示機能を有するので、タイヤサイド部1dに、通信装置10の位置を示す表示を別途加工する必要がない、という利点もある。
また、タイヤ1の製造時において、標章部20の各標章21は、ゴムの流動が比較的少ないため、通信装置10の少なくとも一部を少なくとも1つの標章21の内部に埋設しても、通信装置10に負担がかかりにくく、通信装置10の耐久性の低下を抑制できる。
【0043】
本明細書で説明する各実施形態において、標章部20を構成する各標章21のうち、通信装置10が埋設された標章21a(21)は、突出高さが、0.4mm以上であると好適であり、1.5mm以上であるとより好適である。これにより、通信装置をさらに長くすることが可能になる。
また、本明細書で説明する各実施形態において、標章部20を構成する各標章21のうち、通信装置10が埋設された標章21a(21)は、突出高さが、例えば、3.0mm以下でもよい。
なお、標章21aの突出高さを測定するにあたっては、ベース面2abを標章21aの内部へ滑らかに延長させてなる仮想面(図3図7図9において点線で示す)からの標章21aの高さを、当該仮想面に対する垂線に沿って測定する。
【0044】
本明細書で説明する各実施形態においては、図1図3図9の各例のように、通信装置10の全体が、標章部20を構成する各標章21のうち、いずれか1つの標章21(21a)の内部に埋設されていてもよい。この場合、通信装置10をさらにタイヤ外側に位置させることができるので、通信距離をさらに長くすることが可能になる。
【0045】
本明細書で説明する各実施形態においては、図1図3図9の各例のように、通信装置10の全体がいずれか1つの標章21(21a)の内部に埋設されている場合、通信装置10が埋設された標章21aは、通信装置10の短手方向SDの中心において通信装置10の長手方向LDに沿って測ったときの長さL1(図2)が、40mm以上であると好適であり、70mm以上であるとより好適である。これにより、タイヤの製造時において、タイヤ成形用金型における標章21aを形成するための凹部内に、通信装置10を配置しやすくなる。また、通信装置10の指向方向(向き)や形状の設計自由度を向上できる。
なお、通信装置10が埋設された標章21aは、通信装置10の短手方向SDの中心において通信装置10の長手方向LDに沿って測ったときの長さL1(図2)が、例えば、120mm以下でもよい。
なお、上記長さL1は、ベース面2abを標章21aの内部へ滑らかに延長させてなる仮想面(図3図7図9において点線で示す)に沿って測定するものとする。また、上記長さL1は、標章21aが、通信装置10の短手方向SDの中心において通信装置10の長手方向LDに沿って、互いから離間した複数の部分を有する場合、当該複数の部分のうち、通信装置10が埋設された部分のみの長さを指す。
【0046】
本明細書で説明する各実施形態においては、図1図3図9の各例のように、通信装置10の全体がいずれか1つの標章21(21a)の内部に埋設されている場合、通信装置10が埋設された標章21aは、通信装置10の長手方向LDの中心において通信装置10の短手方向SDに沿って測ったときの長さL2(図2)が、10mm以上であると好適であり、14mm以上であるとより好適である。これにより、タイヤの製造時において、タイヤ成形用金型における標章21aを形成するための凹部内に、通信装置10を配置しやすくなる。また、通信装置10の指向方向(向き)や形状の設計自由度を向上できる。
なお、通信装置10が埋設された標章21aは、通信装置10の長手方向LDの中心における通信装置10の短手方向SDに沿って測ったときの長さL2(図2)が、例えば、20mm以下でもよい。
なお、上記長さL2は、ベース面2abを標章21aの内部へ滑らかに延長させてなる仮想面(図3図7図9において点線で示す)に沿って測定するものとする。また、上記長さL2は、標章21aが、通信装置10の長手方向LDの中心における通信装置10の短手方向SDに沿って、互いから離間した複数の部分を有する場合、当該複数の部分のうち、通信装置10が埋設された部分のみの長さを指す。
【0047】
本明細書で説明する各実施形態においては、図6図8の例のように、通信装置10の一部のみが、標章部20を構成する各標章21のうち、少なくとも1つの標章21(21a)の内部に埋設されていてもよい。この場合、通信装置10の他の部分は、当該少なくとも1つの標章21(21a)よりもタイヤ内側に位置することとなる。例えば、図6図8の例のように、通信装置10がRFタグ10eを有する場合、RFタグ10eのうちICチップ10cの少なくとも一部が標章21aの内部に位置し、RFタグ10eのうちアンテナ部10bが標章21aよりもタイヤ内側に位置していてもよい。なお、図6図8の例では、通信装置10の一部のみが、標章部20を構成する各標章21のうち、いずれか1つの標章21(21a)の内部に埋設されている。
【0048】
本明細書で説明する各実施形態において、通信装置10の指向方向(向き)は任意であるが、通信装置10の耐久性等の観点から、通信装置10は、図6図8の例のように、通信装置10の長手方向LDがタイヤ周方向にほぼ沿うように指向されていると、好適である。ただし、通信装置10は、図1図3の例のように、通信装置10の短手方向LDがタイヤ周方向にほぼ沿うように指向されていてもよい。
【0049】
本明細書で説明する各実施形態においては、通信装置10は、図3図7図9の各実施形態のように、サイドウォール部1bに配置されていると、好適である。一般的に、サイドウォール部1bのほうが、ビード部1cに比べて、金属の量が少ない傾向がある。したがって、通信装置10をサイドウォール部1bに配置することにより、仮に通信装置10をビード部1cに配置する場合に比べて、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になる。
【0050】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図1図3図6図8)、通信装置10のタイヤ径方向中心10m(より好適には、通信装置10の全体)は、ビードコア4aのタイヤ径方向外端よりもタイヤ径方向外側にあると好適である。これにより、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になる。
【0051】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図1図3図6図8)、通信装置10のタイヤ径方向中心10m(より好適には、通信装置10の全体)は、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eよりもタイヤ径方向外側にあると好適である。これにより、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になるとともに、タイヤ本体1Mのうち、タイヤ1の転動時等において比較的歪の少ない部分に通信装置10を配置できるので、通信装置10ひいてはタイヤ1の耐久性を向上できる。
ここで、「カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5e」とは、カーカス5の各カーカスプライ5aのプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端のうち最もタイヤ径方向外側にあるタイヤ径方向外端を指す。
【0052】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図1図3図6図8)、通信装置10のタイヤ径方向中心10m(より好適には、通信装置10の全体)は、補強部材3のタイヤ径方向外端3uよりもタイヤ径方向外側にあると好適である。これにより、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になるとともに、タイヤ本体1Mのうち、タイヤ1の転動時等において比較的歪の少ない部分に通信装置10を配置できるので、通信装置10ひいてはタイヤ1の耐久性を向上できる。
ここで、「補強部材3のタイヤ径方向外端3u」とは、補強部材3の各補強プライ3aのタイヤ径方向外端のうち最もタイヤ径方向外側にあるタイヤ径方向外端を指す。
【0053】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図1図3図6図8)、通信装置10のタイヤ径方向中心10m(より好適には、通信装置10の全体)は、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buよりもタイヤ径方向内側にあると好適である。これにより、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になるとともに、タイヤ本体1Mのうち、タイヤ1の転動時等において比較的歪の少ない部分に通信装置10を配置できるので、通信装置10ひいてはタイヤ1の耐久性を向上できる。
通信装置10のタイヤ径方向中心10mとビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buとの間のタイヤ径方向距離は、1~30mmが好適であり、5~15mmがより好適である。
【0054】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図1図3図6図8)、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buよりもタイヤ径方向内側に位置していると好適であるが、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buと同じタイヤ径方向位置、あるいは、それよりもタイヤ径方向外側に位置していてもよい。
【0055】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図1図3図6図8)、補強部材3のタイヤ径方向外端3uは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buよりもタイヤ径方向内側に位置していると好適であるが、補強部材3のタイヤ径方向外端3uは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buと同じタイヤ径方向位置、あるいは、それよりもタイヤ径方向外側に位置していてもよい。
【0056】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図1図3図6図8)、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、図1図3図6図8の各例のように、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置と同じタイヤ径方向位置に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に位置していてもよい。
ここで、「タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置」とは、タイヤ本体1Mのタイヤ幅方向の寸法が最大となるタイヤ径方向位置である。
【0057】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図1図3図6図8)、補強部材3のタイヤ径方向外端3uは、図1図3図6図8の各例のように、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置と同じタイヤ径方向位置に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に位置していてもよい。
【0058】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1が乗用車用空気入りタイヤとして構成されている場合(図9)、通信装置10のタイヤ径方向外端10u(より好適には、通信装置10の全体)は、ビードコア4aのタイヤ径方向外端よりもタイヤ径方向外側にあると好適であり、ビードフィラー4bのタイヤ径方向中心よりもタイヤ径方向外側にあるとより好適であり、例えば、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buよりもタイヤ径方向外側にあると好適である。
【0059】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1が乗用車用空気入りタイヤとして構成されている場合(図9)、上述のように通信装置10がサイドウォール部1bに配置される場合、図9の例のように、通信装置10のタイヤ径方向外端10uは、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eよりもタイヤ径方向内側に位置していると、好適である。これにより、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になるとともに、タイヤ本体1Mのうち、タイヤ1の転動時等において比較的歪の少ない部分に通信装置10を配置できるので、通信装置10ひいてはタイヤ1の耐久性を向上できる。
通信装置10のタイヤ径方向外端10uとカーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eとの間のタイヤ径方向距離は、3~30mmが好適であり、5~15mmがより好適である。
【0060】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1が乗用車用空気入りタイヤとして構成されている場合(図9)、図9の例のように、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buよりもタイヤ径方向外側に位置していると好適である。ただし、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端と同じタイヤ径方向位置、あるいは、それよりもタイヤ径方向内側に、位置していてもよい。
【0061】
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1が乗用車用空気入りタイヤとして構成されている場合(図9)、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置と同じタイヤ径方向位置に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側に位置していてもよい。ここで、「タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置」とは、タイヤ本体1Mのタイヤ幅方向の寸法が最大となるタイヤ径方向位置である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係るタイヤは、任意の種類の空気入りタイヤに好適に利用でき、例えば、乗用車用空気入りタイヤ、トラック・バス用空気入りタイヤ等に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0063】
1:タイヤ
1M:タイヤ本体、 1a:トレッド部、 1b:サイドウォール部、 1c:ビード部、 1d:タイヤサイド部、 1ds:タイヤサイド部のタイヤ外表面、 2ab:ベース面、
3:補強部材、 3a:補強プライ、 3u:補強部材のタイヤ径方向外端、
4a:ビードコア、 4b:ビードフィラー、 4b1、4b2:ビードフィラー部、 4bu:ビードフィラーのタイヤ径方向外端、
5:カーカス、 5a:カーカスプライ、 5M:プライ本体部、 5T:プライ折返し部、 5e:カーカスのプライ折返し部のタイヤ径方向外端、
6:ベルト、 6a:ベルト層、
7:トレッドゴム、 8:サイドゴム、
9:インナーライナー、
10:通信装置、
10e:RFタグ、
10b:アンテナ部、 10b1、10b2:アンテナ、
10f:被覆部、 10f1、10f2:被覆部材、
10c:ICチップ、
10u:通信装置のタイヤ径方向外端、
10m:通信装置のタイヤ径方向中心、
20:標章部、 21、21a:標章、
CL:タイヤ赤道面、
WD:タイヤ幅方向、 RD:タイヤ径方向、 CD:タイヤ周方向、
LD:通信装置の長手方向、 SD:通信装置の短手方向、 TD:通信装置の厚さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9