(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20250327BHJP
【FI】
H01L21/304 648L
H01L21/304 643A
(21)【出願番号】P 2021137779
(22)【出願日】2021-08-26
【審査請求日】2024-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153969
【氏名又は名称】松澤 寿昭
(72)【発明者】
【氏名】玉田 純
(72)【発明者】
【氏名】南田 純也
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-92144(JP,A)
【文献】特開平1-281138(JP,A)
【文献】特開2020-47897(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0019506(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/31
C23C 16/00
H01L 21/306
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の処理液及び前記第1の処理液とは種類の異なる第2の処理液を含む複数の処理液を基板の表面にそれぞれ供給するように構成された液処理部と、
前記液処理部から排出される排出ガスを外部に排出するように構成された排気部であって、前記排出ガスは、前記第1の処理液による前記基板の処理に伴い前記液処理部から排出される第1の排出ガスと、前記第2の処理液による前記基板の処理に伴い前記液処理部から排出される第2の排出ガスとを含む、排気部とを備え、
前記排気部は、
前記排出ガスが流通するように構成されており、上流側に位置する第1の部分と、前記第1の部分よりも下流側に位置する第2の部分とを含む主排気管と、
前記第1の排出ガスが流通するように構成された第1の個別排気管と、
前記第2の排出ガスが流通するように構成された第2の個別排気管と、
前記主排気管と、前記第1の個別排気管及び前記第2の個別排気管の一方とを選択的に連通するように構成された切替部とを含み、
前記切替部は、
前記第1の部分と前記第1の個別排気管との間に配置され、前記液処理部から前記第1の排出ガスが排出された場合に前記第1の部分と前記第1の個別排気管とが連通した連通状態と、前記液処理部から前記第1の排出ガス以外の前記排出ガスが排出された場合に前記第1の部分と前記第1の個別排気管とが連通していない非連通状態とを切り替えるように構成された第1の切替機構と、
前記第2の部分と前記第2の個別排気管との間に配置され、前記液処理部から前記第2の排出ガスが排出された場合に前記第2の部分と前記第2の個別排気管とが連通した連通状態と、前記液処理部から前記第2の排出ガス以外の前記排出ガスが排出された場合に前記第2の部分と前記第2の個別排気管とが連通していない非連通状態とを切り替えるように構成された第2の切替機構と、
前記主排気管のうち前記第1の部分と第2の部分との間に配置され、前記液処理部から前記第1の排出ガスが排出された場合に前記第2の部分への前記第1の排出ガスの流通を制止する閉鎖状態と、前記液処理部から前記第1の排出ガス以外の前記排出ガスが排出された場合に前記第2の部分への前記第1の排出ガス以外の前記排出ガスの流通を許容する開放状態とを切り替えるように構成された第3の切替機構と、
外気を前記第2の部分に導入するように前記第2の部分に接続された外気導入管と、
前記外気導入管に配置され、前記液処理部から前記第1の排出ガスが排出された場合に前記第2の部分への外気の導入を許容する開放状態と、前記液処理部から前記第1の排出ガス以外の前記排出ガスが排出された場合に前記第2の部分への外気の導入を制止する閉鎖状態とを切り替えるように構成された第4の切替機構とを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記複数の処理液は、前記第1の処理液及び前記第2の処理液とは種類の異なる第3の処理液をさらに含み、
前記排出ガスは、前記第3の処理液による前記基板の処理に伴い前記液処理部から排出される第3の排出ガスをさらに含み、
前記排気部は、前記第3の排出ガスが流通するように構成された第3の個別排気管をさらに含み、
前記主排気管は、前記第3の切替機構よりも下流側に位置する第3の部分をさらに含み、
前記切替部は、前記第3の部分と前記第3の個別排気管との間に配置され、前記液処理部から前記第3の排出ガスが排出された場合に前記第3の部分と前記第3の個別排気管とが連通した連通状態と、前記液処理部から前記第3の排出ガス以外の前記排出ガスが排出された場合に前記第3の部分と前記第3の個別排気管とが連通していない非連通状態とを切り替えるように構成された第5の切替機構をさらに含み、前記主排気管と、前記第1の個別排気管、前記第2の個別排気管及び前記第3の個別排気管のいずれか一つとを選択的に連通するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の処理液は有機系処理液であり、
前記第2の処理液は、酸系処理液又はアルカリ系処理液である、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記液処理部から前記第1の排出ガスが排出された場合に、前記第3の切替機構が前記閉鎖状態となり且つ前記第4の切替機構が前記開放状態となることにより、前記第2の部分における圧力が前記第1の部分における圧力よりも高くなるように設定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記切替部は、
前記第1の部分の圧力を測定するように構成された第1のセンサと、
前記第2の部分の圧力を測定するように構成された第2のセンサと、
前記外気導入管のうち前記第4の切替機構よりも上流側に設けられた調節部とをさらに含み、
前記調節部は、前記第2のセンサによって測定された圧力の大きさが前記第1のセンサによって測定された圧力の大きさよりも大きくなるように、前記第2の部分への外気の導入量を調節するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記切替部は前記液処理部よりも上方に配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記切替部は、前記第1の部分と前記第1の切替機構との間に配置され、前記液処理部から前記第1の排出ガスが排出された場合に前記第1の部分と前記第1の切替機構とが連通した連通状態と、前記液処理部から前記第1の排出ガス以外の前記排出ガスが排出された場合に前記第1の部分と前記第1の切替機構とが連通していない非連通状態とを切り替えるように構成された第6の切替機構をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の装置を用いて前記基板を処理する方法であって、
前記第1の切替機構を前記連通状態とし、前記第2の切替機構を前記非連通状態とし、前記第3の切替機構を前記閉鎖状態とし、且つ、前記第4の切替機構を前記開放状態とする第1の工程と、
前記第1の工程の後に、前記液処理部において前記第1の処理液により前記基板を処理する第2の工程と、
前記第1の切替機構を前記非連通状態とし、前記第2の切替機構を前記連通状態とし、前記第3の切替機構を前記開放状態とし、且つ、前記第4の切替機構を前記閉鎖状態とする第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記液処理部において前記第2の処理液により前記基板を処理する第4の工程とを含む、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数種類の処理液を基板に個別に供給して基板を処理するように構成された液処理部と、液処理部内の雰囲気を外部に排出するように構成された排気部とを備える基板処理装置を開示している。排気部は、処理液の種類に対応する複数の個別排気管と、液処理部から排出されたガスをいずれかの個別排気管に導くように構成された切替部とを含んでいる。例えば、液処理部において基板に所定の処理液が供給されることに伴ってガスやミスト等が発生した場合、切替部は、液処理部と、当該所定の処理液の種類に対応する個別排気管とを接続するように流路を切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、複数種類の処理液を利用した液処理部において基板処理する際に、液処理部から排出される排出ガスが、当該排出ガスに対応する個別排気管とは異なる個別排気管に流入するのを抑制することが可能な基板処理装置及び基板処理方法を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
基板処理装置の一例は、第1の処理液及び第1の処理液とは種類の異なる第2の処理液を含む複数の処理液を基板の表面にそれぞれ供給するように構成された液処理部と、液処理部から排出される排出ガスを外部に排出するように構成された排気部であって、排出ガスは、第1の処理液による基板の処理に伴い液処理部から排出される第1の排出ガスと、第2の処理液による基板の処理に伴い液処理部から排出される第2の排出ガスとを含む、排気部とを備える。排気部は、排出ガスが流通するように構成されており、上流側に位置する第1の部分と、第1の部分よりも下流側に位置する第2の部分とを含む主排気管と、第1の排出ガスが流通するように構成された第1の個別排気管と、第2の排出ガスが流通するように構成された第2の個別排気管と、主排気管と、第1の個別排気管及び第2の個別排気管の一方とを選択的に連通するように構成された切替部とを含む。切替部は、第1の部分と第1の個別排気管との間に配置され、液処理部から第1の排出ガスが排出された場合に第1の部分と第1の個別排気管とが連通した連通状態と、液処理部から第1の排出ガス以外の排出ガスが排出された場合に第1の部分と第1の個別排気管とが連通していない非連通状態とを切り替えるように構成された第1の切替機構と、第2の部分と第2の個別排気管との間に配置され、液処理部から第2の排出ガスが排出された場合に第2の部分と第2の個別排気管とが連通した連通状態と、液処理部から第2の排出ガス以外の排出ガスが排出された場合に第2の部分と第2の個別排気管とが連通していない非連通状態とを切り替えるように構成された第2の切替機構と、主排気管のうち第1の部分と第2の部分との間に配置され、液処理部から第1の排出ガスが排出された場合に第2の部分への第1の排出ガスの流通を制止する閉鎖状態と、液処理部から第1の排出ガス以外の排出ガスが排出された場合に第2の部分への第1の排出ガス以外の排出ガスの流通を許容する開放状態とを切り替えるように構成された第3の切替機構と、外気を第2の部分に導入するように第2の部分に接続された外気導入管と、外気導入管に配置され、液処理部から第1の排出ガスが排出された場合に第2の部分への外気の導入を許容する開放状態と、液処理部から第1の排出ガス以外の排出ガスが排出された場合に第2の部分への外気の導入を制止する閉鎖状態とを切り替えるように構成された第4の切替機構とを含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る基板処理装置及び基板処理方法によれば、複数種類の処理液を利用した液処理部において基板処理する際に、液処理部から排出される排出ガスが、当該排出ガスに対応する個別排気管とは異なる個別排気管に流入するのを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、基板処理システムの一例を模式的に示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の基板処理システムを模式的に示す側面図である。
【
図3】
図3は、液処理ユニットの一例を模式的に示す側面図である。
【
図4】
図4は、液処理ユニット及び排気ユニットの一例を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、
図4の排気ユニットを模式的に示す部分拡大図であり、主排気管と有機系排出ガスの個別排気管とが連通した状態を示す図である。
【
図6】
図6は、基板処理システムの主要部の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、コントローラのハードウェア構成の一例を示す概略図である。
【
図8】
図8は、
図4の排気ユニットを模式的に示す部分拡大図であり、主排気管とアルカリ系排出ガスの個別排気管とが連通した状態を示す図である。
【
図9】
図9は、
図4の排気ユニットを模式的に示す部分拡大図であり、主排気管と酸系排出ガスの個別排気管とが連通した状態を示す図である。
【
図10】
図10は、排気ユニットの他の例を模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、排気ユニットの他の例を模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、排気ユニットの他の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、図の上、下、右、左というときは、図中の符号の向きを基準とすることとする。
【0009】
[基板処理システム]
まず、
図1及び
図2を参照して、基板Wを処理するように構成された基板処理システム1(基板処理装置)について説明する。基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3と、コントローラCtr(制御部)とを備える。搬入出ステーション2及び処理ステーション3は、例えば水平方向に一列に並んでいてもよい。
【0010】
基板Wは、円板状を呈してもよいし、多角形など円形以外の板状を呈していてもよい。基板Wは、一部が切り欠かれた切欠部を有していてもよい。切欠部は、例えば、ノッチ(U字形、V字形等の溝)であってもよいし、直線状に延びる直線部(いわゆる、オリエンテーション・フラット)であってもよい。基板Wは、例えば、半導体基板(シリコンウエハ)、ガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)基板その他の各種基板であってもよい。基板Wの直径は、例えば200mm~450mm程度であってもよい。
【0011】
搬入出ステーション2は、載置部4と、搬入搬出部5と、棚ユニット6とを含む。載置部4は、幅方向(
図1の上下方向)において並ぶ複数の載置台(図示せず)を含んでいる。各載置台は、キャリア7(収容容器)を載置可能に構成されている。キャリア7は、少なくとも一つの基板Wを密封状態で収容するように構成されている。キャリア7は、基板Wを出し入れするための開閉扉(図示せず)を含む。
【0012】
搬入搬出部5は、搬入出ステーション2及び処理ステーション3が並ぶ方向(
図1の左右方向)において、載置部4に隣接して配置されている。搬入搬出部5は、載置部4に対して設けられた開閉扉(図示せず)を含む。載置部4上にキャリア7が載置された状態で、キャリア7の開閉扉と搬入搬出部5の開閉扉とが共に開放されることで、搬入搬出部5内とキャリア7内とが連通する。
【0013】
搬入搬出部5は、搬送アームA1及び棚ユニット6を内蔵している。搬送アームA1は、搬入搬出部5の幅方向(
図1の上下方向)における水平移動と、鉛直方向(
図2の上下方向)における上下動と、鉛直軸周りにおける旋回動作とが可能に構成されている。搬送アームA1は、キャリア7から基板Wを取り出して棚ユニット6に渡し、また、棚ユニット6から基板Wを受け取ってキャリア7内に戻すように構成されている。棚ユニット6は、処理ステーション3の近傍に位置しており、搬入搬出部5と処理ステーション3との間での基板Wの受け渡しを仲介するように構成されている。
【0014】
処理ステーション3は、搬送部8と、複数の液処理ユニット100(液処理部)と、排気ユニット200(排気部)とを含む。搬送部8は、例えば、搬入出ステーション2及び処理ステーション3が並ぶ方向(
図1の左右方向)において水平に延びている。搬送部8は、搬送アームA2を内蔵している。搬送アームA2は、搬送部8の長手方向(
図1の左右方向)における水平移動と、鉛直方向における上下動と、鉛直軸周りにおける旋回動作とが可能に構成されている。搬送アームA2は、棚ユニット6から基板Wを取り出して液処理ユニット100に渡し、また、液処理ユニット100から基板Wを受け取って棚ユニット6内に戻すように構成されている。
【0015】
[液処理ユニット]
続いて、
図3及び
図4を参照して、液処理ユニット100について詳しく説明する。液処理ユニット100は、基板Wに所定の液処理(例えば、汚れや異物の除去処理、エッチング処理など)を行うように構成されている。液処理ユニット100は、例えば、スピン洗浄により基板Wを1枚ずつ洗浄する枚葉式の洗浄装置であってもよい。
【0016】
液処理ユニット100は、チャンバ110と、送風部120と、回転保持部130と、供給部140と、カップ体150とを含む。
【0017】
チャンバ110は、その内部に基板Wを搬入出することが可能に構成された筐体である。チャンバ110の側壁には、図示しない搬入搬出口が形成されている。基板Wは、搬送アームA2により、当該搬入搬出口を通じて、チャンバ110の内部に搬送され、また、チャンバ110から外部に搬出される。
【0018】
送風部120は、チャンバ110の天壁に取り付けられている。送風部120は、コントローラCtrからの信号に基づいて、下方に向かう下降流をチャンバ110内に形成するように構成されている。
【0019】
回転保持部130は、駆動部131と、シャフト132と、保持部133とを含む。駆動部131は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、シャフト132を回転させるように構成されている。駆動部131は、例えば電動モータ等の動力源であってもよい。
【0020】
保持部133は、シャフト132の先端部に設けられている。保持部133は、例えば吸着等により、基板Wの裏面を吸着保持するように構成されている。すなわち、回転保持部130は、基板Wの姿勢が略水平の状態で、基板Wの表面に対して垂直な中心軸(回転軸)周りで基板Wを回転させるように構成されていてもよい。
【0021】
供給部140は、種類の異なる複数の処理液をノズルNから基板Wの表面に供給するように構成されている。供給部140は、
図4に示されるように、液源141~144と、バルブ145~148と、配管D1~D5とを含む。
【0022】
液源141は、処理液L1(第2の処理液又は第3の処理液)の供給源として構成されていてもよい。処理液L1は、例えば、酸系処理液であってもよい。酸系処理液は、例えば、SC-2液(塩酸、過酸化水素及び純水の混合液)、SPM(硫酸及び過酸化水素水の混合液)、HF液(フッ酸)、DHF液(希フッ酸)、HNO3+HF液(硝酸及びフッ酸の混合液)などを含んでいてもよい。液源141は、配管D1,D5を介してノズルNに接続されている。
【0023】
液源142は、処理液L2(第2の処理液又は第3の処理液)の供給源として構成されていてもよい。処理液L2は、例えば、アルカリ系処理液であってもよい。アルカリ系処理液は、例えば、SC-1液(アンモニア、過酸化水素及び純水の混合液)、過酸化水素水などを含んでいてもよい。液源142は、配管D2,D5を介してノズルNに接続されている。
【0024】
液源143は、処理液L3(第1の処理液)の供給源として構成されていてもよい。処理液L3は、例えば、有機系処理液であってもよい。有機系処理液は、例えば、IPA(イソプロピルアルコール)などを含んでいてもよい。液源143は、配管D3,D5を介してノズルNに接続されている。
【0025】
液源144は、処理液L4の供給源として構成されていてもよい。処理液L4は、例えば、リンス液であってもよい。リンス液は、例えば、純水(DIW:deionized water)、オゾン水、炭酸水(CO2水)、アンモニア水などを含んでいてもよい。液源144は、配管D4,D5を介してノズルNに接続されている。
【0026】
バルブ145~148はそれぞれ、配管D1~D4に設けられている。バルブ145~148はそれぞれ、コントローラCtrからの動作信号に基づいて開閉するように構成されている。
【0027】
ノズルNは、吐出口が基板Wの表面に向かうように基板Wの上方に配置されていていもよい。ノズルNは、図示しない駆動源によって、基板Wの上方において水平移動又は上下動するように構成されていてもよい。
【0028】
図3に戻って、カップ体150は、保持部133の周囲を取り囲むように設けられている。カップ体150は、回転保持部130によって基板Wが保持及び回転されることで、基板Wの外周縁から周囲に飛散する処理液を捕集するように構成されている。カップ体150の底部には、排液口151と、排気口152とが設けられている。排液口151は、カップ体150によって捕集された処理液L1~L4を液処理ユニット100の外部に排出するように構成されている。
【0029】
排気口152は、送風部120によって基板Wの周囲に形成された下降流を液処理ユニット100の外部に排出するように構成されている。排気口152からは、液処理ユニット100において基板Wに処理液L1~L4が供給され、基板Wが処理液L1~L4によって処理されることに伴って基板Wの周囲に発生するガスが、排出ガスとして排出される。すなわち、排出ガスは、処理液L1による基板Wの処理に伴い液処理ユニット100の排気口152から排出される酸系の排出ガスG1(第2の排出ガス又は第3の排出ガス)と、処理液L2による基板Wの処理に伴い液処理ユニット100の排気口152から排出されるアルカリ系の排出ガスG2(第2の排出ガス又は第3の排出ガス)と、処理液L3による基板Wの処理に伴い液処理ユニット100の排気口152から排出される有機系の排出ガスG3(第1の排出ガス)とを含む。なお、液処理ユニット100の排気口152から排出される排出ガスG1~G3は、処理液L1~L3のミストを随伴していてもよい。
【0030】
[排気ユニット]
続いて、
図2、
図4及び
図5を参照して、排気ユニット200について詳しく説明する。排気ユニット200の主要部は、
図2に示されるように、搬入出ステーション2及び処理ステーション3の上方に配置されている。排気ユニット200は、
図2、
図4及び
図5に示されるように、個別排気管210,220,230と、複数の主排気管240と、複数の切替ユニット300(切替部)とを含む。
【0031】
個別排気管210,220,230は、
図2及び
図4に示されるように、搬入出ステーション2及び処理ステーション3の上方に配置されている。個別排気管210は、排出ガスG3を基板処理システム1の外部まで導く排気経路として構成されている。個別排気管220は、排出ガスG2を基板処理システム1の外部まで導く排気経路として構成されている。個別排気管230は、排出ガスG1を基板処理システム1の外部まで導く排気経路として構成されている。
図4に示されるように、個別排気管210,220,230にはそれぞれ、ポンプP1~P3が設けられている。すなわち、排出ガスG1~G3はそれぞれ、異なる個別排気管210,220,230を通じて送気され、基板処理システム1の外に排出される。
【0032】
複数の主排気管240は、処理ステーション3に設けられている複数の液処理ユニット100にそれぞれ対応している。複数の切替ユニット300は、処理ステーション3に設けられている複数の液処理ユニット100にそれぞれ対応している。すなわち、複数の主排気管240のうちの一の主排気管240は、複数の液処理ユニット100のうちの一の液処理ユニット100から排出される排出ガスを、複数の切替ユニット300のうちの一の切替ユニット300に流すように構成されている。各主排気管240の構成はいずれも同等であり、各切替ユニット300の構成はいずれも同等である。そのため、以下では、一の液処理ユニット100に対応する一の主排気管240及び一の切替ユニット300について説明し、他の主排気管240及び他の切替ユニット300についての説明は省略する。
【0033】
主排気管240は、
図2及び
図4に示されるように、液処理ユニット100と切替ユニット300との間を上下方向に沿って延びている。すなわち、主排気管240は、主排気管240の上流端部(下端部)は、排気口152に接続されている。主排気管240の下流端部(上端部)は、切替ユニット300に到達している。
【0034】
主排気管240の上流端部(下端部)は、図示しない排液部に接続されている。排出ガスG1~G3にミストが随伴している場合、ミストは気体よりも重いため、排出ガスG1~G3が主排気管240を上昇する一方で、ミストは主排気管240を上昇し難い。ミストは、排出ガスG1~G3が主排気管240を上昇する過程で冷却されて液滴となり、主排気管240を落下する。その結果、ミストに由来する液滴が排液部から基板処理システム1の外に排出される。すなわち、主排気管240において気液分離が行われる。
【0035】
主排気管240の下流端部は、
図5に示されるように、第1の部分241と、第2の部分242と、第3の部分243とを含む。第1の部分241、第2の部分242及び第3の部分243は、上流側から下流側に向けてこの順で直列に並んでいる。
【0036】
切替ユニット300は、
図2及び
図4に示されるように、搬入出ステーション2及び処理ステーション3の上方に配置されている。すなわち、切替ユニット300は、液処理ユニット100よりも上方に配置されている。切替ユニット300は、主排気管240と、個別排気管210,220,230のいずれか一つとを選択的に連通するように構成されている。切替ユニット300は、
図5に示されるように、バルブV1~V5と、流入管311~313と、流出管321~323と、外気導入管330~333と、外気導入管340と、調節部350と、センサSE1,SE2とを含む。
【0037】
バルブV1(第1の切替機構)は、流入口V1a,V1bと、流出口V1cとを含む。バルブV1は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作するように構成されている。バルブV1は、主排気管240の第1の部分241と、個別排気管210との間に配置されている。バルブV1は、流入口V1aと流出口V1cとが連通するが流入口V1bと流出口V1cとが連通しない状態(
図5参照)と、流入口V1bと流出口V1cとが連通するが流入口V1aと流出口V1cとが連通しない状態(
図8及び
図9参照)とを切替可能である。
【0038】
バルブV2(第2の切替機構)は、流入口V2a,V2bと、流出口V2cとを含む。バルブV2は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作するように構成されている。バルブV2は、主排気管240の第2の部分242と、個別排気管220との間に配置されている。バルブV2は、流入口V2aと流出口V2cとが連通するが流入口V2bと流出口V2cとが連通しない状態(
図8参照)と、流入口V2bと流出口V2cとが連通するが流入口V2aと流出口V2cとが連通しない状態(
図5及び
図9参照)とを切替可能である。
【0039】
バルブV3(第5の切替機構)は、流入口V3a,V3bと、流出口V3cとを含む。バルブV3は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作するように構成されている。バルブV3は、主排気管240の第3の部分243と、個別排気管230との間に配置されている。バルブV3は、流入口V3aと流出口V3cとが連通するが流入口V3bと流出口V3cとが連通しない状態(
図9参照)と、流入口V3bと流出口V3cとが連通するが流入口V3aと流出口V3cとが連通しない状態(
図5及び
図8参照)とを切替可能である。
【0040】
バルブV4(第3の切替機構)は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて開閉するように構成されている。バルブV4は、排出ガスが流通可能な開放状態と、排出ガスの流通が制止される閉鎖状態とを切替可能である。バルブV4は、主排気管240の第1の部分241と第2の部分242との間に配置されている。換言すれば、主排気管240の第2の部分242と第3の部分243とは、バルブV4よりも下流側に位置している。
【0041】
バルブV5(第4の切替機構)は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて開閉するように構成されている。バルブV5は、外気が流通可能な開放状態と、外気の流通が制止される閉鎖状態とを切替可能である。バルブV5は、外気導入管340に配置されている。
【0042】
流入管311は、主排気管240の第1の部分241と、バルブV1の流入口V1aとを接続するように延びている。流入管312は、主排気管240の第2の部分242と、バルブV2の流入口V2aとを接続するように延びている。流入管313は、主排気管240の第3の部分243と、バルブV3の流入口V3aとを接続するように延びている。
【0043】
流出管321は、個別排気管210と、バルブV1の流出口V1cとを接続するように延びている。流出管322は、個別排気管220と、バルブV2の流出口V2cとを接続するように延びている。流出管323は、個別排気管230と、バルブV3の流出口V3cとを接続するように延びている。
【0044】
外気導入管330~333は、個別排気管210,220,230に外気を供給するように構成されている。外気導入管330は、外気に流体的に接続された上端部を含む。外気導入管331は、外気導入管330と、バルブV1の流入口V1bとを接続するように延びている。外気導入管332は、外気導入管330と、バルブV2の流入口V2bとを接続するように延びている。外気導入管333は、外気導入管330と、バルブV3の流入口V3bとを接続するように延びている。
【0045】
外気導入管340は、主排気管240の第2の部分242に外気を供給するように構成されている。外気導入管340は、外気に流体的に接続された上端部と、主排気管240の第2の部分242とを接続するように延びている。
【0046】
調節部350は、外気導入管340のうちバルブV5よりも上流側に配置されている。調節部350は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作するように構成されている。調節部350は、例えば外気導入管340の開口面積を変化させることにより、外気導入管340を流れる外気の流量を調節し、外気導入管340に連通する主排気管240の第2の部分242の圧力を調節するように構成されている。
【0047】
センサSE1(第1のセンサ)は、主排気管240の第1の部分241の圧力を測定するように構成されている。センサSE1は、測定した圧力のデータをコントローラCtrに送信するように構成されている。センサSE2(第2のセンサ)は、主排気管240の第2の部分242の圧力を測定するように構成されている。センサSE2は、測定した圧力のデータをコントローラCtrに送信するように構成されている。
【0048】
[コントローラの詳細]
コントローラCtrは、基板処理システム1を部分的又は全体的に制御するように構成されている。コントローラCtrは、
図6に例示されるように、機能モジュールとして、読取部M1と、記憶部M2と、処理部M3と、指示部M4とを有する。これらの機能モジュールは、コントローラCtrの機能を便宜上複数のモジュールに区切ったものに過ぎず、コントローラCtrを構成するハードウェアがこのようなモジュールに分かれていることを必ずしも意味するものではない。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものに限られず、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC:ApplicationSpecific Integrated Circuit)により実現されるものであってもよい。
【0049】
読取部M1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体RMからプログラムを読み取るように構成されている。記録媒体RMは、基板処理システム1の各部を動作させるためのプログラムを記録している。記録媒体RMは、例えば、半導体メモリ、光記録ディスク、磁気記録ディスク、光磁気記録ディスクであってもよい。なお、以下では、基板処理システム1の各部は、送風部120、回転保持部130、供給部140、バルブV1~V5、ポンプP1~P3及び調節部350の各部を含みうる。
【0050】
記憶部M2は、種々のデータを記憶するように構成されている。記憶部M2は、例えば、読取部M1において記録媒体RMから読み出したプログラム、外部入力装置(図示せず)を介してオペレータから入力された設定データなどを記憶してもよい。記憶部M2は、例えば、基板Wの処理のための処理条件(処理レシピ)のデータを記憶してもよい。記憶部M2は、例えば、センサSE1,SE2によって取得された圧力のデータを記憶してもよい。
【0051】
処理部M3は、各種データを処理するように構成されている。処理部M3は、例えば、記憶部M2に記憶されている各種データに基づいて、基板処理システム1の各部を動作させるための信号を生成してもよい。処理部M3は、例えば、センサSE1,SE2によって取得された圧力のデータに基づいて、第2の部分242が第1の部分241の圧力よりも高くなるような外気導入管340の開口面積を算出してもよい。処理部M3は、算出した当該開口面積に基づいて調節部350を動作させるための信号を生成してもよい。
【0052】
指示部M4は、処理部M3において生成された動作信号を、基板処理システム1の各部に送信するように構成されている。
【0053】
コントローラCtrのハードウェアは、例えば一つ又は複数の制御用のコンピュータにより構成されていてもよい。コントローラCtrは、
図7に例示されるように、ハードウェア上の構成として回路C1を含んでいてもよい。回路C1は、電気回路要素(circuitry)で構成されていてもよい。回路C1は、例えば、プロセッサC2と、メモリC3と、ストレージC4と、ドライバC5と、入出力ポートC6とを含んでいてもよい。
【0054】
プロセッサC2は、メモリC3及びストレージC4の少なくとも一方と協働してプログラムを実行し、入出力ポートC6を介した信号の入出力を実行することで、上述した各機能モジュールを実現するように構成されていてもよい。メモリC3及びストレージC4は、記憶部M2として機能してもよい。ドライバC5は、基板処理システム1の各部をそれぞれ駆動するように構成された回路であってもよい。入出力ポートC6は、ドライバC5と基板処理システム1の各部との間で、信号の入出力を仲介するように構成されていてもよい。
【0055】
基板処理システム1は、一つのコントローラCtrを備えていてもよいし、複数のコントローラCtrで構成されるコントローラ群(制御部)を備えていてもよい。基板処理システム1がコントローラ群を備えている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコントローラCtrによって実現されていてもよいし、2個以上のコントローラCtrの組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラCtrが複数のコンピュータ(回路C1)で構成されている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコンピュータ(回路C1)によって実現されていてもよいし、2つ以上のコンピュータ(回路C1)の組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラCtrは、複数のプロセッサC2を有していてもよい。この場合、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのプロセッサC2によって実現されていてもよいし、2つ以上のプロセッサC2の組み合わせによって実現されていてもよい。
【0056】
[基板処理方法]
続いて、
図1~
図5、
図8及び
図9を参照して、基板Wの処理方法について説明する。ここでは、切替ユニット300の初期状態として、
図8に示されるように、バルブV1~V5が下記の状態とされている。
・バルブV1:流入口V1bと流出口V1cとが連通した状態(第1の部分241と個別排気管210とが連通していない状態)
・バルブV2:流入口V2aと流出口V2cとが連通した状態(第2の部分242と個別排気管220とが連通した状態)
・バルブV3:流入口V3bと流出口V3cとが連通した状態(第3の部分243と個別排気管230とが連通していない状態)
・バルブV4:開放状態
・バルブV5:閉鎖状態
【0057】
まず、コントローラCtrが搬送アームA1,A2を制御して、基板Wをキャリア7から液処理ユニット100に搬送する(
図1及び
図2参照)。次に、基板Wを液処理ユニット100の回転保持部130に保持させる(
図3参照)。次に、コントローラCtrが回転保持部130を制御して、回転保持部130によって基板Wを所定の回転数で回転させる。この状態で、コントローラCtrが供給部140を制御して、ノズルNから基板Wの表面の中央部に、例えばアルカリ系の処理液L2を供給させる(
図4参照)。
【0058】
基板Wの表面に供給された処理液L2は、基板Wの回転によって、基板Wの中央部から外周縁に向けて表面を全体的に流れた後、外周縁から外方に振り切られる。そのため、ノズルNからの処理液L2の供給が継続されている間、基板Wの表面に処理液L2の液膜が形成される。これにより、基板Wの表面が処理液L2によって処理される。
【0059】
基板Wの外周縁から外方に振り切られた処理液L2は、カップ体150に捕集される。処理液L2による基板Wの処理に伴い発生したガスは、液処理ユニット100の排気口152から排出される。液処理ユニット100から排出されたアルカリ系の排出ガスG2は、主排気管240を通じて、切替ユニット300に導入される(
図4参照)。
【0060】
切替ユニット300に導入された排出ガスG2は、主排気管240の第1の部分241及び第2の部分242と、流入管312と、バルブV2と、流出管322とを流れて、個別排気管220から基板処理システム1の外に排出される(
図8参照)。外気導入管330から導入された外気は、外気導入管331と、バルブV1と、流出管321とを流れて、個別排気管210から基板処理システム1の外に排出される(
図8参照)。外気導入管330から導入された外気は、外気導入管333と、バルブV3と、流出管323とを流れて、個別排気管230から基板処理システム1の外に排出される(
図8参照)。なお、バルブV5は閉鎖状態であるので、外気導入管340から主排気管240の第2の部分242には外気が導入されない
【0061】
次に、コントローラCtrが供給部140を制御して、ノズルNから基板Wの表面の中央部に、処理液L4(リンス液)を供給させる(
図4参照)。これにより、基板Wの表面に残存する処理液L2が、処理液L4によって洗い流される。
【0062】
次に、コントローラCtrが切替ユニット300を制御して、バルブV1~V5を下記の状態に変更する(
図9参照)。
・バルブV1:流入口V1bと流出口V1cとが連通した状態(第1の部分241と個別排気管210とが連通していない状態)
・バルブV2:流入口V2bと流出口V2cとが連通した状態(第2の部分242と個別排気管220とが連通していない状態)
・バルブV3:流入口V3aと流出口V3cとが連通した状態(第3の部分243と個別排気管230とが連通した状態)
・バルブV4:開放状態
・バルブV5:閉鎖状態
次に、回転保持部130によって基板Wが回転した状態で、コントローラCtrが供給部140を制御して、ノズルNから基板Wの表面の中央部に、例えば酸系の処理液L1を供給させる(
図4参照)。
【0063】
基板Wの表面に供給された処理液L1は、基板Wの回転によって、基板Wの中央部から外周縁に向けて表面を全体的に流れた後、外周縁から外方に振り切られる。そのため、ノズルNからの処理液L1の供給が継続されている間、基板Wの表面に処理液L1の液膜が形成される。これにより、基板Wの表面が処理液L1によって処理される。
【0064】
基板Wの外周縁から外方に振り切られた処理液L1は、カップ体150に捕集される。処理液L1による基板Wの処理に伴い発生したガスは、液処理ユニット100の排気口152から排出される。液処理ユニット100から排出された酸系の排出ガスG1は、主排気管240を通じて、切替ユニット300に導入される(
図4参照)。
【0065】
切替ユニット300に導入された排出ガスG1は、主排気管240の第1の部分241、第2の部分242及び第3の部分243と、流入管313と、バルブV3と、流出管323とを流れて、個別排気管230から基板処理システム1の外に排出される(
図9参照)。外気導入管330から導入された外気は、外気導入管331と、バルブV1と、流出管321とを流れて、個別排気管210から基板処理システム1の外に排出される(
図9参照)。外気導入管330から導入された外気は、外気導入管332と、バルブV2と、流出管322とを流れて、個別排気管220から基板処理システム1の外に排出される(
図9参照)。なお、バルブV5は閉鎖状態であるので、外気導入管340から主排気管240の第2の部分242には外気が導入されない
【0066】
次に、コントローラCtrが供給部140を制御して、ノズルNから基板Wの表面の中央部に、処理液L4(リンス液)を供給させる(
図4参照)。これにより、基板Wの表面に残存する処理液L1が、処理液L4によって洗い流される。
【0067】
次に、コントローラCtrが切替ユニット300を制御して、バルブV1~V5を下記の状態に変更する(
図5参照)。
・バルブV1:流入口V1aと流出口V1cとが連通した状態(第1の部分241と個別排気管210とが連通した状態)
・バルブV2:流入口V2bと流出口V2cとが連通した状態(第2の部分242と個別排気管220とが連通していない状態)
・バルブV3:流入口V3bと流出口V3cとが連通した状態(第3の部分243と個別排気管230とが連通していない状態)
・バルブV4:閉鎖状態
・バルブV5:開放状態
次に、回転保持部130によって基板Wが回転した状態で、コントローラCtrが供給部140を制御して、ノズルNから基板Wの表面の中央部に、例えば有機系の処理液L3を供給させる(
図4参照)。
【0068】
基板Wの表面に供給された処理液L3は、基板Wの回転によって、基板Wの中央部から外周縁に向けて表面を全体的に流れた後、外周縁から外方に振り切られる。そのため、ノズルNからの処理液L3の供給が継続されている間、基板Wの表面に処理液L3の液膜が形成される。これにより、基板Wの表面が処理液L3によって処理される。
【0069】
基板Wの外周縁から外方に振り切られた処理液L3は、カップ体150に捕集される。処理液L3による基板Wの処理に伴い発生したガスは、液処理ユニット100の排気口152から排出される。液処理ユニット100から排出された有機系の排出ガスG3は、主排気管240を通じて、切替ユニット300に導入される(
図4参照)。
【0070】
切替ユニット300に導入された排出ガスG3は、主排気管240の第1の部分241と、流入管311と、バルブV1と、流出管321とを流れて、個別排気管210から基板処理システム1の外に排出される(
図5参照)。外気導入管330から導入された外気は、外気導入管332と、バルブV2と、流出管322とを流れて、個別排気管220から基板処理システム1の外に排出される(
図5参照)。外気導入管330から導入された外気は、外気導入管333と、バルブV3と、流出管323とを流れて、個別排気管230から基板処理システム1の外に排出される(
図5参照)。
【0071】
ここで、バルブV4が閉鎖状態で且つバルブV5が開放状態であり、外気導入管340から主排気管240の第2の部分242に外気が導入される。これにより、第2の部分242の圧力が第1の部分241の圧力よりも高くなっていてもよい。あるいは、センサSE1,SE2による圧力の測定結果に基づいて、コントローラCtrが調節部350を制御することにより、第2の部分242の圧力が第1の部分241の圧力よりも高くなるように、外気導入管340の開口面積を変化させてもよい。
【0072】
その後、コントローラCtrが回転保持部130を制御して、基板Wを所定の回転数で回転させる。これにより、基板Wの表面が乾燥する。さらに、コントローラCtrが搬送アームA1,A2を制御して、乾燥済の基板Wを液処理ユニット100からキャリア7に搬送する(
図1及び
図2参照)。以上により、基板Wの処理が完了する。
【0073】
[作用]
以上の例によれば、主排気管240のうち第1の部分241と第2の部分242との間にバルブV4が配置されているので、液処理ユニット100から排出ガスG3が排出されたときにバルブV4が閉鎖状態とされることで、排出ガスG3がバルブV4よりも下流側の第2の部分242に流れ難くなる。また、以上の例によれば、液処理ユニット100から排出ガスG3が排出されたときに、バルブV5を介して外気導入管340から第2の部分242に外気が導入される。そのため、バルブV4の構造(例えば、寸法精度など)に起因して、バルブV4にわずかな隙間が存在するような場合であっても、当該隙間を通じて排出ガスG3が第2の部分242を流れることが、外気導入管340から導入される外気によって抑制される。したがって、排出ガスG3が個別排気管220,230に到達し難くなる。その結果、複数種類の処理液を利用した液処理ユニット100において基板処理する際に、液処理ユニット100から排出される排出ガスG3が、対応する個別排気管210とは異なる個別排気管220,230に流入するのを抑制することが可能となる。
【0074】
以上の例によれば、有機系の排出ガスG3が個別排気管220,230に流入し難くなる。そのため、酸系排出ガス又はアルカリ系排出ガスに揮発性有機化合物が混入することが抑制される。そのため、個別排気管220,230を通じて排出されるガスによる大気汚染を抑制することが可能となる。
【0075】
以上の例によれば、第2の部分242の圧力が第1の部分241の圧力よりも高く設定されうる。この場合、バルブV4にわずかな隙間が存在するような場合であっても、排出ガスG3が、当該隙間を通じて第2の部分242にほとんど流れなくなる。そのため、排出ガスG3が個別排気管220,230に極めて到達し難くなる。
【0076】
以上の例によれば、調節部350は、センサSE1,SE2による圧力の測定結果に基づいて、第2の部分242の圧力が第1の部分241の圧力よりも高くなるように、第2の部分242への外気の導入量を調節しうる。この場合、例えば、液処理ユニット100における処理条件の変更などによって第1の部分241の圧力が変化しても、第2の部分242の圧力が第1の部分241の圧力よりも大きくなるように第2の部分242及び第3の部分243の圧力が調節部350によって調節される。そのため、第1の部分241の圧力変動に影響されることなく、排出ガスG3の第2の部分242への流入を抑制することが可能となる。
【0077】
以上の例によれば、切替ユニット300は液処理ユニット100よりも上方に配置されている。そのため、液処理ユニット100からの排出ガスにミストが随伴している場合、ミストが分離された後の排出ガスが切替ユニット300に到達する。したがって、ミストに起因する汚れや不純物等が切替ユニット300に付着することを抑制することが可能となる。
【0078】
[変形例]
本明細書における開示はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特許請求の範囲及びその要旨を逸脱しない範囲において、以上の例に対して種々の省略、置換、変更などが行われてもよい。
【0079】
(1)基板Wを処理するための処理液の種類が2種類の場合(例えば、酸系の処理液L1、アルカリ系の処理液L2及び有機系の処理液L3のうちのいずれか2つ)、
図10に示されるように、排気ユニット200は、個別排気管230を含んでいなくてもよい。それに伴い、切替ユニット300は、第3の部分243、流入管313、外気導入管333、流出管323、バルブV3を含んでいなくてもよい。基板Wを処理するための処理液の種類が4種類以上の場合には、図示はしないが、排気ユニット200は、個別排気管及びそれに付随する部材を処理液の種類の数に応じて含んでいてもよい。
【0080】
(2)
図11に示されるように、切替ユニット300は、流入管313に配置されたバルブV6(第6の切替機構)をさらに含んでいてもよい。バルブV6は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて開閉するように構成されている。バルブV6は、排出ガスが流通可能な開放状態と、排出ガスの流通が制止される閉鎖状態とを切替可能である。この場合、第1の部分241とバルブV1との間にバルブV6が配置されるので、液処理ユニット100から排出ガスG1,G2が排出されたときにバルブV6が閉鎖状態とされることで、個別排気管210からバルブV1を介して排出ガスG3が逆流し難くなる。そのため、排出ガスG3が個別排気管220,230によりいっそう到達し難くなる。
【0081】
(3)
図12に示されるように、切替ユニット300は、第3の部分243に配置されたバルブV7をさらに含んでいてもよい。バルブV7は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて開閉するように構成されている。バルブV7は、排出ガスが流通可能な開放状態と、排出ガスの流通が制止される閉鎖状態とを切替可能である。この場合、液処理ユニット100から排出ガスG3が排出されたときにバルブV7が閉鎖状態とされることで、排出ガスG3が個別排気管230によりいっそう到達し難くなる。
【0082】
また、
図12に示されるように、切替ユニット300は、第3の部分243に接続された外気導入管360と、外気導入管360に配置されたバルブV8とをさらに含んでいてもよい。外気導入管360は、第3の部分243に外気を供給するように構成されている。バルブV8は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて開閉するように構成されている。バルブV8は、外気が流通可能な開放状態と、外気の流通が制止される閉鎖状態とを切替可能である。この場合、液処理ユニット100から排出ガスG3が排出されたときにバルブV8が開放状態とされることで、排出ガスG3が第3の部分243を流れることが、外気導入管360から導入される外気によって抑制される。
【0083】
さらに、
図12に示されるように、切替ユニット300は、外気導入管360のうちバルブV8よりも上流側に配置された調節部370をさらに含んでいてもよい。調節部370は、調節部350と同様に、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作するように構成されている。調節部370は、例えば外気導入管360の開口面積を変化させることにより、外気導入管360を流れる外気の流量を調節し、外気導入管360に連通する主排気管240の第3の部分243の圧力を調節するように構成されている。この場合、第3の部分243の圧力が第1の部分241の圧力よりも高くなるように、外気導入管360の開口面積が調節部370によって調節されうる。図示はしていないが、切替ユニット300は、主排気管240の第3の部分243の圧力を測定するように構成されたセンサをさらに含んでいてもよい。当該センサと、センサSE1とによる圧力の測定結果に基づいて、コントローラCtrが調節部370を制御することにより、第3の部分243の圧力が第1の部分241の圧力よりも高くなるように、外気導入管360の開口面積を変化させてもよい。
【0084】
(4)外気導入管340の開口面積が所定の大きさとなるように、調節部350がコントローラCtrによって制御された後は、調節部350による当該開口面積の調節が行われなくてもよい。あるいは、センサSE1,SE2による圧力の測定結果に基づいて、常にあるいは所定の時間間隔で、調節部350による外気導入管340の開口面積の調節が行われてもよい。
【0085】
[他の例]
例1.基板処理装置の一例は、第1の処理液及び第1の処理液とは種類の異なる第2の処理液を含む複数の処理液を基板の表面にそれぞれ供給するように構成された液処理部と、液処理部から排出される排出ガスを外部に排出するように構成された排気部であって、排出ガスは、第1の処理液による基板の処理に伴い液処理部から排出される第1の排出ガスと、第2の処理液による基板の処理に伴い液処理部から排出される第2の排出ガスとを含む、排気部とを備える。排気部は、排出ガスが流通するように構成されており、上流側に位置する第1の部分と、第1の部分よりも下流側に位置する第2の部分とを含む主排気管と、第1の排出ガスが流通するように構成された第1の個別排気管と、第2の排出ガスが流通するように構成された第2の個別排気管と、主排気管と、第1の個別排気管及び第2の個別排気管の一方とを選択的に接続するように構成された切替部とを含む。切替部は、第1の部分と第1の個別排気管との間に配置され、液処理部から第1の排出ガスが排出された場合に第1の部分と第1の個別排気管とが連通した連通状態と、液処理部から第1の排出ガス以外の排出ガスが排出された場合に第1の部分と第1の個別排気管とが連通していない非連通状態とを切り替えるように構成された第1の切替機構と、第2の部分と第2の個別排気管との間に配置され、液処理部から第2の排出ガスが排出された場合に第2の部分と第2の個別排気管とが連通した連通状態と、液処理部から第2の排出ガス以外の排出ガスが排出された場合に第2の部分と第2の個別排気管とが連通していない非連通状態とを切り替えるように構成された第2の切替機構と、主排気管のうち第1の部分と第2の部分との間に配置され、液処理部から第1の排出ガスが排出された場合に第2の部分への第1の排出ガスの流通を制止する閉鎖状態と、液処理部から第1の排出ガス以外の排出ガスが排出された場合に第2の部分への第1の排出ガス以外の排出ガスの流通を許容する開放状態とを切り替えるように構成された第3の切替機構と、外気を第2の部分に導入するように第2の部分に接続された外気導入管と、導入管に配置され、液処理部から第1の排出ガスが排出された場合に第2の部分への外気の導入を許容する開放状態と、液処理部から第1の排出ガス以外の排出ガスが排出された場合に第2の部分への外気の導入を制止する閉鎖状態とを切り替えるように構成された第4の切替機構とを含む。
【0086】
例1の場合、主排気管のうち第1の部分と第2の部分との間に第3の切替機構が配置されているので、液処理部から第1の排出ガスが排出されたときに第3の切替機構が閉鎖状態とされることで、第1の排出ガスが第3の切替機構よりも下流側の第2の部分に流れ難くなる。また、例1の場合、液処理部から第1の排出ガスが排出されたときに、第4の切替機構を介して外気導入管から第2の部分に外気が導入される。そのため、第3の切替機構の構造(例えば、寸法精度など)に起因して、第3の切替機構にわずかな隙間が存在するような場合であっても、当該隙間を通じて第1の排出ガスが第2の部分を流れることが、第2の部分に導入される外気によって抑制される。したがって、第1の排出ガスが第2の個別排気管に到達し難くなる。その結果、複数種類の処理液を利用した液処理部において基板処理する際に、液処理部から排出される排出ガスが、当該排出ガスに対応する個別排気管とは異なる個別排気管に流入するのを抑制することが可能となる。
【0087】
例2.例1の装置において、複数の処理液は、第1の処理液及び第2の処理液とは種類の異なる第3の処理液をさらに含み、排出ガスは、第3の処理液による基板の処理に伴い液処理部から排出される第3の排出ガスをさらに含み、排気部は、第3の排出ガスが流通するように構成された第3の個別排気管をさらに含み、主排気管は、第3の切替機構よりも下流側に位置する第3の部分をさらに含み、切替部は、第3の部分と第3の個別排気管との間に配置され、液処理部から第3の排出ガスが排出された場合に第3の部分と第3の個別排気管とが連通した連通状態と、液処理部から第3の排出ガス以外の排出ガスが排出された場合に第3の部分と第3の個別排気管とが連通していない非連通状態とを切り替えるように構成された第5の切替機構をさらに含み、主排気管と、第1の個別排気管、第2の個別排気管及び第3の個別排気管のいずれか一つとを選択的に連通するように構成されていてもよい。この場合、例1の装置と同様に、第1の排出ガスが第2の個別排気管及び第3の個別排気管に到達し難くなる。
【0088】
例3.例1又は例2の装置において、第1の処理液は有機系処理液であり、第2の処理液は、酸系処理液又はアルカリ系処理液であってもよい。この場合、酸系排出ガス又はアルカリ系排出ガスに揮発性有機化合物が混入することが抑制される。そのため、第2の個別排気管を通じて排出されるガスによる大気汚染を抑制することが可能となる。
【0089】
例4.例1~例3のいずれかの装置において、液処理部から第1の排出ガスが排出された場合に、第3の切替機構が閉鎖状態となり且つ第4の切替機構が開放状態となることにより、第2の部分における圧力が第1の部分における圧力よりも高くなるように設定されてもよい。この場合、第3の切替機構にわずかな隙間が存在するような場合であっても、第1の排出ガスが、当該隙間を通じて第2の部分にほとんど流れなくなる。そのため、第1の排出ガスが第2の個別排気管に極めて到達し難くなる。
【0090】
例5.例1~例4のいずれかの装置において、切替部は、第1の部分の圧力を測定するように構成された第1のセンサと、第2の部分の圧力を測定するように構成された第2のセンサと、外気導入管のうち第4の切替機構よりも上流側に設けられた調節部をとさらに含み、調節部は、第2のセンサによって測定された圧力の大きさが第1のセンサによって測定された圧力の大きさよりも大きくなるように、第2の部分への外気の導入量を調節するように構成されていてもよい。この場合、例4の装置と同様の作用効果が得られる。また、この場合、例えば、液処理部における処理条件の変更などによって第1の部分の圧力が変化しても、第2の部分の圧力が第1の部分の圧力よりも大きくなるように第2の部分の圧力が調節部によって調節される。そのため、第1の部分の圧力変動に影響されることなく、第1の排出ガスの第2の部分への流入を抑制することが可能となる。
【0091】
例6.例1~例5のいずれかの装置において、切替部は液処理部よりも上方に配置されていてもよい。ところで、排出ガスに処理液のミストが随伴していることがある。しかしながら、ミストは気体よりも重いため、排出ガスが上昇してもミストは上昇し難い。すなわち、例6の場合、液処理部から排出された直後の排出ガスに処理液のミストが随伴していたとしても、排出ガスが切替部に向けて流れる過程でミストが液化して落下する。そのため、ミストが分離された後の排出ガスが切替部に到達する。したがって、ミストに起因する汚れや不純物等が切替部に付着することを抑制することが可能となる。
【0092】
例7.例1~例6のいずれかの装置において、切替部は、第1の部分と第1の切替機構との間に配置され、液処理部から第1の排出ガスが排出された場合に第1の部分と第1の切替機構とが連通した連通状態と、液処理部から第1の排出ガス以外の排出ガスが排出された場合に第1の部分と第1の切替機構とが連通していない非連通状態とを切り替えるように構成された第6の切替機構をさらに含んでいてもよい。この場合、第1の部分と第1の切替機構との間に第6の切替機構が配置されているので、液処理部から第2の排出ガスが排出されたときに第6の切替機構が閉鎖状態とされることで、第1の個別排気管から第1の切替機構を介して第1の排出ガスが逆流し難くなる。そのため、第1の排出ガスが第2の個別排気管によりいっそう到達し難くなる。
【0093】
例8.基板処理方法の一例は、例1~例7のいずれかの装置を用いて基板を処理する方法であって、第1の切替機構を連通状態とし、第2の切替機構を非連通状態とし、第3の切替機構を閉鎖状態とし、且つ、第4の切替機構を開放状態とする第1の工程と、第1の工程の後に、液処理部において第1の処理液により基板を処理する第2の工程と、第1の切替機構を非連通状態とし、第2の切替機構を連通状態とし、第3の切替機構を開放状態とし、且つ、第4の切替機構を閉鎖状態とする第3の工程と、第3の工程の後に、液処理部において第2の処理液により基板を処理する第4の工程とを含む。この場合、例1の装置と同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0094】
1…基板処理システム(基板処理装置)、100…液処理ユニット(液処理部)、200…排気ユニット(排気部)、210,220,230…個別排気管、240…主排気管、241…第1の部分、242…第2の部分、243…第3の部分、300…切替ユニット(切替部)、340…外気導入管、350…調節部、Ctr…コントローラ(制御部)、G1…排出ガス(第2の排出ガス又は第3の排出ガス)、G2…排出ガス(第2の排出ガス又は第3の排出ガス)、G3…排出ガス(第1の排出ガス)、L1…処理液(第2の処理液又は第3の処理液)、L2…処理液(第2の処理液又は第3の処理液)、L3…処理液(第1の処理液)、SE1…センサ(第1のセンサ)、SE2…センサ(第2のセンサ)、V1…バルブ(第1の切替機構)、V2…バルブ(第2の切替機構)、V3…バルブ(第5の切替機構)、V4…バルブ(第3の切替機構)、V5…バルブ(第4の切替機構)、V6…バルブ(第6の切替機構)、W…基板。