(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】情報コードを含む、エアロゾル生成デバイスのための物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20250327BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20250327BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20250327BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20250327BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20250327BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/02
A24F40/53
A24F40/20
G06K19/06 037
(21)【出願番号】P 2022523524
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 EP2020087096
(87)【国際公開番号】W WO2021123220
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-10-18
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニ, プラナフ
(72)【発明者】
【氏名】ボルネ, パトリス
(72)【発明者】
【氏名】コンタレヴ, アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ブーフィギル, レイス スリマン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/129378(WO,A1)
【文献】特開2017-182108(JP,A)
【文献】特開2006-064585(JP,A)
【文献】特開平10-326331(JP,A)
【文献】特開平07-110847(JP,A)
【文献】特表2019-528053(JP,A)
【文献】特表2016-540329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A24D 1/00-3/18
G06K 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成デバイスのための物品(1)であって、エアロゾルを生成するように構成されたタバコ材料(10)と、前記物品についての情報を記憶するための光学的に認識可能な情報コード(20)を含む包材(50)とを含み、前記情報コードは、前記情報をコード化するパターン(30)を有するコード単位(25)を含み、前記コード単位は、前記物品上で繰り返される、
前記物品(1)において、前記コード単位は、前記パターンの光学読み取りデバイスに前記パターン(30)の存在及び位置を示すための基準要素(35)を含
み、
前記基準要素(35)は、(a)前記コード単位の境界(32)の一部を形成する少なくとも2つの線、および前記境界(32)上の位置から延びる線を含む複数の線(37)、又は、(b)前記境界(32)上に配置された少なくとも2つの点、および前記境界(32)の中に配置された点を含む複数の点(36)を含む、ことを特徴とする物品(1)。
【請求項2】
前記基準要素(35)は、少なくとも部分的に前記パターン(30)が重ねられる、請求項
1に記載の物品。
【請求項3】
前記情報コードの前記コード単位は、モザイク式形状で配置される、請求項1
又は2に記載の物品。
【請求項4】
第1の部分及び第2の部分を含み、前記第1の部分は、前記タバコ材料(10)を含まず、前記情報コードは、前記第1の部分上に位置する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
少なくとも1つの円周領域を含み、前記コード単位は、前記円周に沿って繰り返され
る、請求項1~
4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記パターンは、バイナリコードを表し、前記パターンは、個別の要素を含み、要素は、特に、前記パターンの所定の位置に配置される点(33)及び/又は線(34)であり、所定の位置における個別の要素の存在又は不在は、バイナリ情報を表す、請求項
5に記載の物品。
【請求項7】
前記個別の要素の前記所定の位置は、格子(36)、特に規則的な格子に従って配置される、請求項
6に記載の物品。
【請求項8】
前記個別の要素は、格子線の交点間に配置された線及び/又は格子線の交点に配置された点を含む、請求項
7に記載の物品。
【請求項9】
前記格子は、90°で交差する横座標線及び縦座標線から形成されるか、又は複数の放射状線によって交差される円から形成される、請求項
7又は
8に記載の物品。
【請求項10】
前記個別の要素の前記所定の位置は、円又はいくつかの同心円状に配置された円に沿って配置される、請求項
9に記載の物品。
【請求項11】
前記個別の要素の前記所定の位置は、帯に沿って配置される、請求項
6又は7に記載の物品。
【請求項12】
前記パターン(30)は、アナログコード(26)を含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載の物品。
【請求項13】
前記パターンは、1つ又は複数の個別の要素を含み、要素は、特に、点及び/又は線であり、前記1つ又は複数の個別の要素は、所定の範囲(27)、特に距離に沿って又は所定の領域内に配置され、前記範囲に沿った又は前記領域内の個別の要素の位置は、情報を表す、請求項1~
12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
前記個別の要素の前記所定の範囲又は領域は、格子(36)、特に規則的な格子に従って配置される、請求項
13に記載の物品。
【請求項15】
前記個別の要素は、格子線の交点間に配置された線及び/又は格子線の交点に配置された点を含む、請求項
14に記載の物品。
【請求項16】
前記格子は、90°で交差する横座標線及び縦座標線から形成されるか、又は複数の放射状線によって交差される円から形成される、請求項
14又は
15に記載の物品。
【請求項17】
前記個別の要素の前記所定の範囲又は領域は、少なくとも1つの円又はいくつかの同心円状に配置された円に沿って配置される、請求項
16に記載の物品。
【請求項18】
前記個別の要素の前記所定の範囲又は領域は、帯に沿って配置される、請求項13に記載の物品。
【請求項19】
前記基準要素は、第1の色を有し、及び前記パターンは、第2の色を有し、前記第2の色は、前記第1の色と異なる、請求項1~
18のいずれか一項に記載の物品。
【請求項20】
前記情報コード(20)を少なくとも部分的に有する前記包材を覆う外側包材を含み、前記外側包材は、前記情報コードが可視光で検出され得るように少なくとも部分的に透明又は半透明である、請求項1~
19のいずれか一項に記載の物品。
【請求項21】
前記パターン及び/又は前記基準要素は、個別の要素を含み、前記個別の要素のいくつかは、100μm未満の長さ及び/又は幅を有する、請求項1~
20のいずれか一項に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾルを生成するように構成されたタバコ材料を含む、エアロゾル生成デバイスのための物品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
そのようなエアロゾル生成デバイスは、先行技術において既知である。エアロゾル生成デバイスの1つのタイプは、加熱非燃焼式製品である。加熱非燃焼式(「HNB」と略称されることもある)製品は、150~350℃の温度にタバコを加熱し、それによってエアロゾルが生成される。特に、これらの温度は、タバコが燃焼する温度よりも低い。加熱されるタバコ部分及びタバコ部分を加熱するためのデバイスは、ヒータ、コントローラ及びバッテリのような電子部品を含むデバイスが再使用され得る一方、消費後のタバコが交換可能であるように別々に提供されることが多い。交換可能なタバコ部分は、「物品」と呼ばれ得る。紙巻きタバコにおいて見られるように、加熱非燃焼式デバイスと併せて使用され得る喫煙物品には、多様なブレンド及びフレーバーが存在する。ブレンド及びフレーバーによっては、異なるパラメータ又は動作設定が好ましい場合がある。例えば、ブレンドにより、異なる温度又は異なる加熱プロファイルが適切である場合がある。したがって、デバイスが動作パラメータを読み出し得るように、エアロゾル生成のための物品上に印を設けることが提案されている。
【0003】
国際公開第2019/185747A1号パンフレットは、そのような印の例を提供している。この文献は、物品に関連して提供される光学的に検出可能な印及び印を感知するように構成される光学センサを開示している。印は、QRコード又はバーコードとして実現される。いくつかの実施形態では、物品の円周の周り全体に広がる印は、装置内の物品の特定の向きに関わらず、センサ構成による印の感知を容易にする。
【0004】
国際公開第2019/129378A1号パンフレットは、そのような印のさらなる例を示している。国際公開第2019/129378A1号パンフレットにおいて、印は、コードであり、コードは、光学的に読み取り可能であり、1次元バーコード又は2次元バーコードの形態を有する。印は、パターンであり得、パターンは、キャビティ内の消耗品の向きに関わらず、光学式リーダが印を読み取ることができるように消耗品の円周の周りで繰り返される。
【0005】
最後に、米国特許出願公開第2018/0049469号明細書は、印のさらなる変形形態を示している。米国特許出願公開第2018/0049469号明細書において、静電容量センサを含む喫煙装置が開示されている。静電容量センサは、喫煙可能材料の物品が挿入されるときの静電容量の変化を検出する。一実施形態では、追加で光学センシングが用いられる。提案された光学センシング技術は、1つ又は複数のLED又はレーザと組み合わせた線形又は2次元のバーコードの検出の使用を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、提案されたパターン及び光学センシング技術は、それらが特にコンパクトではなく、低いコード密度(即ち表面単位当たりの制限された情報コード化)をもたらし、エアロゾル生成物品の特定の幾何形状及び小さいサイズに適合されないという欠点を有する。エアロゾル生成物品は、物品上の印を歪ませることがある円筒若しくは他の湾曲した形状又は角度のある形状を有する場合がある。したがって、先行技術において既知の印(即ちバーコード又はQRコード)の読み出しは、不正確である場合がある。さらに、コードを受けるように適合される表面領域が限定される一方、例えばパラメータ設定及び/又は認証のために、広範囲の値などの十分な情報を符号化する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、エアロゾルを生成するように構成されたタバコ材料を含む、エアロゾル生成デバイスのための物品を対象とする。物品は、包材を含む。包材は、物品についての情報を記憶するための光学的に認識可能な情報コードを含む。情報コードは、情報をコード化するパターンを有するコード単位を含む。コード単位は、物品上で繰り返される。コード単位は、コードパターンを検出し、且つ読み取るように構成された光学読み取りデバイスにパターンの存在及び位置を示すための基準要素を含み得る。
【0008】
コード単位は、物品の包材の円周に沿って繰り返され得る。
【0009】
情報コードは、温度プロファイル、ベイピング回数、パフの数、製品データ、ベイピング周期の期間/頻度、タバコブレンド、賞味期限、デバイス上に記憶されたルックアップテーブルを対象とし得る識別子又はメタデータなどのパラメータを符号化し得る。さらに、情報は、トレーシング、認証、日付及び/又は製品情報(例えば、エアロゾル生成デバイス又はスマートフォン若しくはタブレットなどの関連デバイスのユーザインターフェース上の表示のためのブランド、名称、警告メッセージなど)を有効にし得る。
【0010】
基準要素は、光学読み取りデバイスが単一のコード単位の境界線を推測することを可能にし得る。これは、コード単位が始まる場所又は終わる場所の検出をさらに可能にし得る。例えば、基準要素は、コード単位の中心位置及び/又はコード単位の境界に配置され得る。基準要素は、開始セクション及び/又は停止セクションを含み得る。これにより、隣接コード単位の分離が可能となる。読み出しデバイスは、基準要素をスキャンするのみでよいため、基準要素の使用により、コード単位を読み出すために必要な計算能力の低減が可能となる。好ましい実施形態では、パターンは、2次元である。これにより、よりコンパクトな形態が可能となる。
【0011】
基準要素により、上記エアロゾル生成デバイスの加熱チャンバに挿入されるときの物品の回転位置とは無関係に、その読み取りが可能となり、したがってデバイスに対してスティックにインデックスを付ける必要性が実際的に意味のないものとなる。
【0012】
基準要素は、パターンの幾何学的(即ち2次元)位置を示し得る。基準要素は、二方向性であり得る。例えば、基準要素は、2つ以上の線(即ち互いに平行でない線)又は少なくとも3つの点を含み得、点は、単一の直線に沿って配置されない。パターンの位置は、このようにして、いくつかのコード単位の繰り返しパターンにおいてより効率的に決定され得、必要とする計算能力がより少なくなる。
【0013】
ある実施形態では、基準要素は、任意選択であり得る。
【0014】
コード単位は、互いに直接隣接して配置されるか又は離隔され得る。2つのコード単位間の距離は、コード単位の幅の半分以下、好ましくはコード単位の幅(即ち円周方向の伸長)の3分の1であり得る。
【0015】
好ましくは、コード単位は、4mm未満、好ましくは3mm未満、さらに好ましくは2mm未満、1mm又は0.3mmの最大寸法(例えば、長さ又は直径)を有する。最大寸法は、0.3mm又は0.2mm未満であり得る。最大寸法は、約0.3~4mm、好ましくは約0.5~2mmでもあり得る。減少したサイズの利点は、それにより、制限された利用可能空間内に十分な繰り返しを設けられ得ることである。別の利点は、コードの画像が、小型化された検出デバイス、例えば数ミリメートルの画像センサを用いてキャプチャされ得ることである。
【0016】
コード単位は、間隙なしに配置され得、且つ/又は隣接コード単位間が重なり合い得る。情報コードのコード単位は、モザイク式形状で配置され得る。これにより、包材上での複数のコード単位のコンパクトな配置が可能となり、例えば読み取りエラーチェックのために、例えば円周方向に沿ってより多くのコード単位の繰り返しが可能となる。さらに、同一情報を符号化するいくつかのコードを用いてコード読み取りエラー及び/又は復号エラーを訂正可能であるロバストなコード復号アルゴリズムの設計が可能となる。このようにして、コード読み取り失敗率が最小化される。
【0017】
エアロゾル生成は、本発明に関連して、加熱非燃焼式物品の加熱、液体前駆体の気化又はエアロゾルの任意の他の生成から生成されたエアロゾルを指し得る。好ましい実施形態では、基準要素は、画像、点、線又はそれらの任意の組み合わせを含む。基準要素として点を用いることにより、それらが比較的小さくて消費者にとってほとんど視認できないことがあるという利点がもたらされる。可能な基準は、コードの向きを示すことを可能にするように非線形様式で配置された複数の点によって形成され得る。
【0018】
点のマトリクス又は他の二方向配置(例えば、対極配置)など、コード化情報として点を用いることにより、制限された利用可能空間上で高いコード化密度が得られ、それにより多数のパラメータ及び値を符号化し、且つ/又は読み取り信頼性を向上させるための多くの繰り返しパターンをコード化する可能性がもたらされる。
【0019】
コードを形成する点は、他の形態と比較してより単純な技術を用いて包材上に配置され得る。さらに、点は、喫煙物品の湾曲した表面に起因する歪みが生じにくい。点は、250μm未満、好ましくは150μm未満、より好ましくは80μm未満又は60μm未満、最も好ましくは40μm未満の長さ及び/又は幅を有し得る。点は、好ましくは、30μmより大きく、より好ましくは40μmより大きい。点は、紙(即ち包材)上に印刷されたインクとして実現され得る。点は、好ましくは、円形であるが、任意の形状、即ち長方形、正方形又は三角形を有し得る。同様に、線及び画像は、前述した技術によって実現され得る。基準要素にそのような点を用いることは、結果となるコード単位(1つのマトリクス)が非常に小さいという利点を有する。これにより、円周の周りの包材上にコード単位のさらなる繰り返しが可能となる。特に、これにより、コード単位が複数回(例えば、22~24mmの円周を有する物品上に6回以上)繰り返され得るように、コード単位が4mm、3mm、2mm以下の幅を有することが可能となり得る。同様に、上記寸法を有する線のような他の幾何学要素が使用され得る。コード単位が十分小さいままであることを保証するために、基準として使用される点及び情報を符号化するために使用される点は、サイズの小さい範囲内に維持され得る。しかしながら、それらは、検出ユニットにより異なるサイズ又は形状にピクセル化されることが可能であるように、場合により異なるサイズ又は形状のものであり得る。
【0020】
一方、基準要素として画像を使用することにより、製造業者が、例えば、品質制御においてコード単位の存在を迅速に検証し得るという利点がもたらされる。複雑な画像も、画像認識、機械学習又は他のAI技術を用いた認証のためのデバイスによって確実に認識され得る。2つ以上の線を使用することは、コード単位の領域の境界を定め、且つ手動の読み出しも可能にするために特に有利であり得る。画像は、部分的に透明であり得、即ち約50%以下の透明度を有し得る。画像は、ロゴ及び図画を含み得る。
【0021】
好ましい実施形態では、基準要素は、2つ以上の線を含む。2つ以上の線は、コード単位のための境界の少なくとも一部を形成する。それにより、読み出しで消費する消費電力がより少なくなり得る。
【0022】
好ましい実施形態では、基準要素は、少なくとも部分的にコード単位が重ねられる。基準要素は、コード単位の範囲内にあり得、即ち完全に重ねられ得る。特に、コード単位のパターンは、基準要素となる幾何学要素から構成され得る。例えば、基準要素は、線によって形成され得、及び情報を含むパターンは、点によって形成され得るか、又はその逆であり得る。それにより、基準要素及びパターンが分離され得ると同時に、空間消費が減少される。
【0023】
ある実施形態では、略棒状の物品又は略ポッド形状の物品を考えると、コード単位は、物品の円周方向に沿って繰り返される。円周方向に沿った繰り返しにより、配置された光学読み取りデバイスは、上記光学読み取りデバイスを含むエアロゾル生成デバイス内に挿入されるときの円筒形物品の回転位置に関わらず、パターン内の情報を読み出すことが可能となる。さらに、物品は、異なるエアロゾル生成チャンバ、特に加熱チャンバを有するエアロゾル生成デバイスに適し得、チャンバ内又はチャンバにおいて、光学読み取りデバイスは、コードパターンを検出し、且つ読み取るように配置され得る。
【0024】
略棒状の物品又は略ポッド形状の物品は、50mm、40mm、30mm、25mm、24mm、23mm、22mm、21mm、20mm、19mm、18mm、17mm、16mm以下の円周を有し得る。
【0025】
好ましい実施形態では、パターンは、バイナリコードを表す。さらに好ましい実施形態では、パターンは、個別の要素を含み、要素は、特に、パターンの所定の位置に配置される点及び/又は線であり、所定の位置における個別の要素の存在又は不在は、バイナリ情報を表す。それにより、バイナリ(デジタル)符号化がもたらされる。例えば、所定の位置は、格子に沿って、特に格子線の交点に配置され得る。点が格子の交点に配置される場合、情報「1」(代替的に「0」)が伝達され、角に点が配置されない場合、情報「0」(代替的に「1」)が伝達され得る。
【0026】
格子線と交差する格子線に沿った隣接交点は、1mm、0.8mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.25mm、0.15mm以下だけ分離され得る。これは、高い情報密度を有するコンパクトなパターンにつながり、読み取りデバイスの読み取り領域の範囲内に配置され得るコード単位の数を増加させる。
【0027】
パターンは、アナログコードを含み得る。アナログコードは、連続する変数を表し得る。好ましい実施形態では、パターンは、1つ又は複数の個別の要素を含み、要素は、特に、点及び/又は線であり、1つ又は複数の個別の要素は、所定の範囲に沿って又は所定の領域内に配置され、範囲に沿った又は領域内の個別の要素の位置は、情報を表す。より詳細には、1つ又は複数の個別の要素と基準との間の距離が所定の範囲又は領域内で判定され得る。それにより、アナログ情報が伝達され得る。例えば、点と線との間の距離は、ヒータについての適切な温度を示し得る。したがって、多数の値は、減少された表面領域上で符号化され得る。アナログ値は、線形、対数、指数又は任意の他の数学関数を用いて別の値にも変換され得る。
【0028】
好ましい実施形態では、個別の要素は、格子に従って配置される。格子は、好ましくは、規則的な格子である。例えば、格子は、正方形格子、例えば4つの平行な水平格子線及び4つの平行な垂直格子線を有する3×3格子であり得る。他の格子サイズ、即ち4×4、5×5、6×6が適切であり得る。格子は、長方形(例えば、3×4、6×3など)でもあり得る。格子は、3角形、5角形、8角形、6角形、菱形などの内部交線によって幾何学的に分割される任意の多角形状も有し得る。線は、格子線の交点間に配置され得、及び/又は点は、格子線の交点に配置され得る。格子は、包材上で実現され得るが、格子は、物品上に明示的に印刷されるか又は他の方法で示される必要がないことに留意されたい。むしろ、格子は、要素がそれに従って包材上に配置される構造であり得る。格子は、90°で交差する横座標線及び縦座標線から形成され得るか、又は複数の放射状線によって交差される複数の同心円状に配置された円から形成される格子などの任意の他の形状を有し得る。さらなる実施形態では、個別の要素の所定の位置は、帯に沿って配置される。
【0029】
ある実施形態では、基準要素は、第1の色を有し、及びパターンは、第2の色を有する。第2の色は、第1の色と異なる。それにより、読み出し中、基準要素がより簡単に検出され得る。さらに、パターン及び基準要素は、干渉することなく重なり合うことができるため、コード単位は、よりコンパクトであるか、又はより多くの情報を含み得る。
【0030】
好ましい実施形態では、点及び/又は線の所定の位置は、円又はいくつかの同心円状に配置された円の円周に沿って配置される。1つ又は複数の円と放射状線との交点における要素の存在は、バイナリ値(「0」又は「1」)を示す。代替的に又は加えて、放射状線、点又はその他などの基準からの円上の1つ又は複数の要素の角度距離が、パラメータ値を表し得るアナログコードを提供するように、1つ又は複数の円は、1つ又は複数の要素の位置決めのための極座標系を基準と共に形成し得る。
【0031】
好ましい実施形態では、コード単位は、円周に沿って繰り返される。物品は、対応する円周方向に沿って繰り返される複数のコード単位を含む少なくとも1つの円周領域を含み得、少なくとも1つのコード単位は、90度未満、好ましくは60度未満、より好ましくは45度未満、最も好ましくは40度未満の角度セグメント毎に存在し得る。それにより、少なくとも4、6、8又は9つのコード単位が円周上に配置され得る。好ましくは、角度セグメントは、36度、22.5度以下である。これにより、円の円周上に10個、16個以上のコード単位が可能となる。
【0032】
より小さい円周領域を有することにより、より小さい検出領域を有する読み取りデバイスが可能となり、それにより、より小さい読み取りデバイスが可能となる。例えば、数ミリメートルの大きさの寸法を有するカメラが使用され得る。このサイズにより、エアロゾル生成デバイスへの容易な且つ信頼性の高い統合がもたらされる。
【0033】
好ましい実施形態では、情報コードを含む包材は、物品の外表面に配置される。
【0034】
好ましい実施形態では、物品は、情報コードを少なくとも部分的に有する包材を覆う外側包材を含み、外側包材は、情報コードが読み取られ得るように少なくとも部分的に透明又は半透明である。それにより、情報コードは、例えば、製造、輸送又は保管中、物品の取り扱い中の摩滅から保護される。
【0035】
好ましい実施形態では、情報コードの個別の要素(即ちパターン又は基準の要素)は、100μm未満、特に1~60μmのサイズを有する。好ましい実施形態では、個別の要素は、インクによって形成される。
【0036】
好ましい実施形態では、物品は、棒状であり、好ましくは軸方向に沿って第1の部分及び第2の部分を含む。第1の部分は、タバコ材料を含まなくてもよく、及び情報コードは、第1の部分上に位置する。代替的に、情報コードは、第2の部分上に位置する。第1の部分は、第2の部分に含まれるタバコ材料の加熱時に生成されるエアロゾルを吸入するためのマウスピース、フィルタ又は中空管を含み得る。
【0037】
情報コードを第1の部分上に配置することは、情報コードが視認でき、デバイスのエアロゾル生成チャンバに挿入される物品の使用中に光学読み取りデバイスによって読み取り可能であり得るという利点を有する。さらに、加熱ゾーンから離れたコードの位置は、読み取り中の熱摂動からコード単位を保護し、デバイス内に配置された専用の光学読み取りデバイスの寿命を向上させる。加えて、コードは、エアロゾル生成チャンバ内への挿入中に損傷を受けない場合がある。
【0038】
光学読み取りシステムは、デバイスの内側部分にあり得るため、情報コードを第2の部分上に配置することにより、よりコンパクトな形態を有するデバイスが可能となり得る。
【0039】
本発明の第2の態様は、上述のような物品に含まれる情報コードのコード単位に含まれるパターンを読み取る方法に関する。方法は、光学読み取りデバイスを用いてコード単位の基準要素を検出するステップと、基準要素を用いてパターンの存在を判定するステップと、パターンを読み取るステップとを含む。
【0040】
方法は、光学読み取りシステムにより、2つ以上のコード単位を検出するステップと、処理手段により、コード単位を比較するステップとを含み得る。繰り返しパターン内でコード単位を比較することの利点は、単一のコード単位の部分的検出の読み取りエラーが回避され得ることである。さらに、方法は、比較の結果に対して読み取りを検証するステップを含み得る。例えば、比較ステップは、コード単位のキャプチャ画像又は受信信号の比較を含む画像又は信号処理を必要とし得る。比較は、AIアルゴリズムがデバイスに記憶されることを必要とし得る。例えば、検証ステップは、キャプチャ画像又は受信信号の類似度の閾値を設定し得る。
【0041】
本発明の第3の態様は、上述のような方法を実行するように構成される光学読み取りデバイスを含むエアロゾル生成デバイスに関する。
【0042】
デバイスは、物品を受け入れるように構成され得る。デバイスは、加熱チャンバ内で物品を加熱することによってタバコ材料を蒸発させ得る。光学読み取りデバイスは、CCDカメラ又はフォトエミッタ/検出器であり得る。読み取りデバイスは、加熱チャンバに対して固定の基準位置に配置され得る。読み取りデバイスは、光学手段、場合によりミラー透過を通して、画像を形成するか又はコードの読み取りを可能にするために、エアロゾル生成デバイス内でコードから十分離れた位置に配置され得る。読み取りデバイスは、幅及び高さを有し得る領域をキャプチャする2次元フォトダイオードを有し得る。高さは、物品の第1の方向、例えば軸方向に延び得、及び幅は、物品の第2の方向、例えば円周方向に沿って延び得る。
【0043】
コードの2次元点を読み取り可能である適切な読み取りデバイスの一例は、SN9S102画像センサ(CMOS)モジュール及びSN9p701などの画像復号器を含むSonix光学識別システムを含む。ドライバオペレーティングシステムのサポートを有するカメラモジュールは、コードをキャプチャし、復号器は、信号を、対応するデジタルコードに変換する。
【0044】
好ましくは、読み取りシステムは、情報コードをキャプチャするように構成され、デバイスの加熱チャンバ内の物品の回転位置及び軸位置に関わらず、少なくとも1つのコード単位が完全にキャプチャされるように配置される。
【0045】
好ましくは、読み取りシステムは、カメラを含み、カメラは、1つのコード単位の2倍の幅及び2倍の高さ、好ましくは3倍の幅及び3倍の高さを有する領域を少なくともキャプチャするように構成される。それにより、物品の回転位置及び/又は軸位置に関わらず、コード単位が読み出され得ることが保証され得る。
【0046】
読み取りデバイスは、発光素子又は光源、好ましくは広帯域LED及び情報コードによって反射光を検出するための光検出器を含み得る。単純なシステムでは、光強度の変化が検出器によって検出され得る。放射光は、表面から反射され、検出器に返される。露出した表面からの反射光は、反射した光からの異なる強度(散乱が少なく、したがって強度が高い)を示す。発光器は、検出器又は受光器から分離され得る。発光器は、コードの彫刻面の縁又は底から反射する非常に単純な光源であり得る。それは、指向性光でなくてもよい。発光器は、環境光、UV、赤外光又は指向性光を放射し得る。例えば、発光素子は、赤外光及びより具体的には例えば380~900nmの波長を有する光を放射する発光ダイオード又はレーザダイオードであり得る。
【0047】
一例では、フォトダイオードは、受信した光ビームを電流信号又は電圧信号に変換するように適合され得る。読み取り構成は、プロセッサを埋め込んだプリント回路基板を含む処理手段、センサ信号増幅器、信号フィルタ並びに処理手段を発光素子、受光器及びエアロゾル生成デバイスの制御ユニットに結合するための回路を含み得る。出力信号は、反射したビームの強度を経時的に測定することによって計算され得る。出力信号は、反射した光ビームの強度の経時的変化を判定することによって計算又は生成され得る。
【0048】
一例では、読み取りデバイスは、カメラ又は画像センサ(例えば、CMOS)及び画像復号器を含む。
【0049】
本発明の第4の態様は、本明細書で説明したエアロゾル生成物品及び本明細書で説明したエアロゾル生成デバイスを含むエアロゾル生成システムに関する。
【0050】
本発明の非限定的な実施形態が添付図面に関して例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本発明によるエアロゾル生成用物品の概略図を示す。
【
図3A-3C】コード単位を含む情報コードの第1の実施形態を示す。
【
図4】
図3に示された情報コードを有する
図1の物品の概略図を示す。
【
図5】エアロゾル生成デバイスと組み合わせた物品の概略図を示す。
【
図6A-6C】パターン及び基準要素を含むコード単位の第1の実施形態を示す。
【
図7A-11C】パターン及び基準要素を含むコード単位の第2、第3、第4、第5及び第6の実施形態を示す。
【
図12A-12B】アナログパターンを含むコード単位を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成物品1の概略図を示す。物品1は、円筒形状を有するエアロゾル形成スティックであり得る。物品1は、軸方向A及び円周方向Cを有する。物品1は、3つの区画を含む。
【0053】
物品1は、
- タバコロッドなどのタバコ基材を含む第1の区画2、
- 紙管及び/又はフィルタ要素、例えば中空セルロースアセテート管を含む、エアロゾルを冷却する第2の冷却区画3、
- 高分子フィラメントフィルタなどの1つ又は複数のフィルタセグメントを含む第3のフィルタ区画4、5
を含み得る。
【0054】
第3のフィルタ区画は、例えば、口側端において中心穴フィルタセグメント又はキャビティセグメント4及びアセテートフィルタセグメント5などの2つのセグメントから形成され得る。口側端から始まるフィルタ又はキャビティセグメントの順序は、フィルタ選択によって異なり得る。フィルタ区画は、セルロースモノアセテートフィルタセグメントなどの単一フィルタセグメントからも形成され得る。第3のフィルタ区画4、5は、任意選択である。代替実施形態では、物品1は、追加の1つ又は複数のフィルタセグメントなしで第1の区画2及び第2の区画3を含み得る。
【0055】
区画2~5は、区画の構成要素が単一片に結合されるように、外側包材50(通常、「チップペーパ」と呼ばれる)によって少なくとも部分的に包装され得る。
【0056】
図2は、区画2~5を有する
図1に示された物品1の断面を示す。
図2から分かるように、各区画は、個別の内側包材(フィルタセグメントのための「プラグラップ」及びタバコセグメントのための「タバコ紙」とも呼ばれる)を含む。例えば、タバコ基材は、タバコカットフィラー及び/又は再構成タバコシートを含み得る。タバコ基材は、グリセリン、及び/又はプロピレングリコール、及び/又は1.3プロパンジオールなどのエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル形成体は、基材が、タバコ粒子を含むタバコベース製品から構成されるとき、タバコ基材の水分の望ましいレベルを維持することを促進する湿潤剤タイプの特性を有し得る。特に、いくつかのエアロゾル形成体は、湿潤剤として機能する吸湿性材料、即ち湿潤剤を含有する基材の湿性の維持を促進する材料である。
【0057】
タバコ基材部分は、第1の内側包材52(「タバコ紙」)に包装される。内側包材52は、紙材からできているか又は紙材を含み得、タバコ材料を所望の形状に保持する。
【0058】
第2の区画3は、冷却管要素53を含む。冷却管要素は、紙を含み得る。代替的に、それは、セルロースアセテート及び/又は天然繊維などの従来のフィルタ材料を典型的に含む中空フィルタ要素であり得る。繊維は、第2の内側包材(図示せず)によっても結合される。第3の区画4は、物品1に存在するとき、第3の内側包材54内に保持される、例えば天然高分子(例えば、セルロース繊維)又は合成高分子(例えば、セルロースアセテート)材料の波形シート材又は中空フィルタであり得る。最後に、口側端の第4の区画5は、セルロースアセテート又は天然フィルタ材料(例えば、セルロース繊維)などでできており、従来の紙巻きタバコで知られているようなフィルタセグメントを含み得る。口側端フィルタは、第4の包材55に包装される。全ての内側包材52~55は、紙材又はセルロースアセテート材料でできていてもよい。区画3~5は、外側包材50によって結合され、好ましくは紙材でできている。フィルタ区画は、フレーバー付け成分をさらに含み得る。フレーバー付け成分は、小粒子、粉粒体、圧粉又は液体フレーバー付け成分を含む1つ若しくは複数のオンデマンド式フレーバー(例えば、破砕性の)カプセルによって形成され得る。既知の通り、カプセルは、フィルタ区画上に外力を加えてシェルを壊すなどすると、要求に応じてフレーバーを放出する保護シェル及びフレーバー付けコアで構成され得る。
【0059】
加えて、物品1は、チップペーパ51を含む。チップペーパ51は、フィルタ区画3~5の全体にわたって且つ部分的にタバコ区画2にわたって位置して、タバコ区画2をフィルタ区画3~5と結合する。使用中、第1の区画2が加熱される。ユーザは、口側端56から吸入し、ユーザの唇は、チップペーパ51に接触している。チップペーパ51は、換気孔で貫通され、着色され得る。換気孔は、冷却管要素53を通してさらに延び得る。使用中、ユーザは、第4の区画5(アセテートフィルタ)の端を吸入し、それにより軸方向に沿って物品1を通る気流Fが生じる。典型的には、第1の区画2内のタバコ基材が加熱され、それによりタバコ基材の成分、特にタバコ材料及びエアロゾル形成体の揮発性化合物が揮発する。揮発した成分は、気流Fに同伴し、エアロゾルが形成される。揮発した成分の追加の空気のさらなる希薄化は、換気孔が存在する場合に換気孔から生じ得る。エアロゾルは、その後、物品1を通して口側端56を吸入するユーザに移送される。
【0060】
内側包材52~55、外側包材50又はチップペーパ51のいずれも本明細書において「包材」と呼ばれ得る。本発明によれば、包材のいずれか1つは、
図3A~
図12Bに関して説明される1つ又は複数のコード単位を含む情報コードを含み得る。さらなる代替手段では、物品1は、前述した包材50~55の上面上又はそれらの間に追加の帯を含み得る。情報コードが、内側包材2~5又はチップペーパ51によって覆われる外側包材50の一部の1つの上に配置される場合、コード読み取り照明波長において少なくとも部分的に透明である外側包材、即ちチップペーパ51及び/又は外側包材50を提供することが好ましい場合がある。
【0061】
図3A~
図12Bは、前述した物品1上に配置され得る情報コード20の実施形態を開示する。
図3A~
図3Cは、3つのコード単位25を有する情報コード20を開示する。
図3Aに示されるコード単位25は、格子31に沿って配置される点33を有するパターン30を含む。パターンは、特定の種類の消耗品、例えば特定のタバコブレンド及び/又はタバコフレーバーを表し得る。格子31は、平行線の3×3行列によって形成される(任意の他のn×nサイズ、即ち4×4、5×5などが適切であり得る)。格子は、互いに平行に配置され得る第1の線のセットによって形成され得、隣接する平行な格子線39に等距離に配置され得る。さらに、例えば
図3A~
図3Cに示されるように、格子は、互いに平行に配置され得る平行な格子線40の第2のセットを含み、次の平行な格子線41に等距離に配置され得る。線の第1のセット及び第2のセットは、互いに直交し得る。
【0062】
点33は、格子の各交点39に配置され得る。したがって、点についての16個の潜在的な位置が存在する。この実施形態では、情報は、格子線の交点39上の点33のパターン30を通して記憶される。各交点39は、点33を含み得る(「1」若しくは代替的に「0」)か、又は点を含まなくてもよい(「0」若しくは代替的に「1」)。したがって、
図3Aに示される最上部の垂直格子線のパターンは、コード「1000」を含む。第2の線は、コード「0100」を含み、第3の線は、コード0001を含み、及び第4の線は、コード「0100」を含む。このようなパターンは、2
16(65,536)の組み合わせを可能にする。格子(
図3A及び
図3Bにおいて破線として示される)は、包材上に配置されても又は配置されなくてもよいことに留意されたい。好ましくは、格子36は、
図3Cに示されるように包材上に配置されない。それにより、読み取りが単純であるが、容易且つ迅速であるバイナリコードが提供される。
【0063】
点(及び任意選択で格子)は、包材50~55の1つの上に例えばインクで印刷され得る。情報コード25は、即ち、物品1をデバイス内に挿入する前に、ユーザが物品1についての情報を読み出し得るように、光学的に認識可能であり得ることに留意されたい。例えば、第1の線のコード(「1000」)は、タバコがアメリカンブレンドであることを示し得る。
【0064】
物品1がエアロゾル生成デバイス100内に挿入されると、情報コード20が読み出される。しかしながら、物品が取り付け回転位置に挿入されていない場合、単一のコード単位25のみを含むコード20は、読み取りデバイスと整列されないことがある。したがって、コード単位25は、物品1の円周方向Cの周りに1回又は複数回繰り返され得る。このようにして、物品は、例えば、
図3A~
図3Cに示されるように、互いの隣に3つのコード単位25を含み得る。特に、円周の周りに少なくとも4つのコード単位25(即ち3回の繰り返し)が存在する。さらなる実施形態では、4回以上の繰り返しがあり得る。繰り返しは、同一であり得ることに留意されたい。
【0065】
5回の繰り返し(6つのコード単位)を有する例が
図4A及び4Bに示されている。
図4Aは、(例示のために)格子31及び点33を示している。
図4Bには、点33のみが示されている。読み取りデバイスが、少なくとも120°を含む扇形(即ち単一のコード単位の2倍の幅)を読み取ることが可能である場合、コードは、物品1がエアロゾル生成デバイス100の加熱チャンバ102に挿入されるとき(
図5を参照されたい)、物品1の回転位置に関わりなく読み出し可能である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成デバイス100の読み取りデバイス103(
図5を参照されたい)は、コード単位25の円周方向幅の3倍を含む扇形を読み出すことが可能であり得る。この場合、読み出し可能な扇形は、2つのコード単位を含む。さらに、読み取りデバイス103(
図5を参照されたい)は、コード単位25の軸高さの少なくとも2倍、好ましくは3倍を含む高さを読み出すことが可能であり得る。
【0066】
しかしながら、特に、コード単位が読み取りデバイスの読み取り可能な扇形の境界に配置されている回転位置の場合、エラーが発生することがある。物品1は、高い曲率を有する場合があり、その結果、提供されたコードの読み違いが生じる。したがって、コード20が、円周方向に沿って少なくとも3、4、6、8、10個以上のコード単位25を含むことが好ましい。それにより、読み取り可能な扇形は、90°(8つのコード単位)以下に減少され得、その結果、読み取りユニットがより単純になり、画像再構築エラーが減少する。
【0067】
エアロゾル生成デバイス100の例が
図5に示されている。エアロゾル生成デバイス100は、物品1が挿入され、加熱されてエアロゾルを生成し得る、加熱チャンバ102を含む。加えて、デバイス100は、物品1上のコード20を読み取るように配置される読み取りデバイス103を含む。図示される実施形態では、読み取りデバイス103は、加熱チャンバ102の開口部の端に配置される。エアロゾル生成デバイス100は、ケースを有し、ケースは、情報コード20が光学的認識され得るように、読み取りデバイスのための開口部を含む。
図5では、物品1は、完全に挿入されている。完全に挿入された位置では、コード20は、加熱チャンバ102の外側にあり、読み取りデバイス103によって読み取られ得る。
【0068】
例示のために、
図4A~
図5においてパターン30が拡大されていることに留意されたい。コード単位25は、10mm、8mm、5mm、2mm、1mm、0.5mm、0.3mm以下の高さ(即ち物品の軸方向Aに沿った伸長)を有し得る。コード単位の幅(即ち円周方向Cに沿った伸長)は、10mm、8mm、5mm、2mm、1mm、0.5mm、0.3mm以下であり得る。
【0069】
図3A~
図3Cに示される点33のパターン30に加えて、情報コード25は、基準要素35を含み得る。基準要素35は、格子31の交点に配置される一連の点36を含み得る。そのような基準要素の一例が
図6A~
図6Cに示されている。基準要素35の点は、空の円として示され、パターン30の点33は、塗り潰し円として示されている。パターン30及び基準要素35の点は、例えば、塗り潰し円及び空の円として印刷されていることによって識別可能であり得る。しかしながら、好ましくは、パターン及び基準要素は、異なる色を有し得る。例えば、パターン30は、黒で印刷され得、基準要素35は、青、又は緑、又は赤で印刷される。
【0070】
エアロゾル生成デバイス100は、それがパターン30に含まれるという情報を予め知らない。したがって、パターン30の存在/位置を識別すること及び互いに直接隣に配置されたパターンを区別することは、困難であり得る。基準要素35は、読み取りデバイスがパターン30の位置を識別することを補助する。各コード単位は、それ自体の基準要素を含み得る。基準要素35は、いずれのパターンについても同じ位置に印刷される。
【0071】
これは、例えば、
図6A及び
図6Bに示されている。
図6Aでは、パターンは、格子の各線にコード(「001、110、010、100」)及び基準要素を含む。
図6Bには、異なるコード(「100、010、001、010」)が示されているが、基準要素35は、同一である。基準要素は、このように、パターンの正確な位置を読み取りデバイスに提供し、読み取りデバイスが基準要素の位置との関係においてパターンを読み出すことを可能にする。
【0072】
代替の基準要素が
図7A~
図7Cに示されている。点36の代わりに、基準要素35は、線37によって表される。線37は、パターン30、即ち点33を形作り得る。しかしながら、基準要素35は、全てのパターンに対して変化しないため、基準要素は、パターン30に対して比較的任意の位置にあり得る。
図7A~
図7Cは、格子31に沿って配置された線を示しているが、基準要素35は、パターン33に対する基準要素35の位置が各コード単位について一致する限り、任意の位置を有し得る。基準要素35及びパターン30は、部分的に重なり合うことが好ましいか、又はパターンは、基準要素と少なくとも同一のサイズを有することが特に好ましい。それにより、より多くの情報が単一のコード単位25に記憶され得る。さらに、基準要素35及びパターン30は、例えば、
図6A~
図6Cと比較して、
図7A~
図7Cに示されるように異なる幾何学要素及び/又は色でできていることが好ましい。それにより、パターンに記憶され得る情報の量は、基準要素によって減少しない。線33の代わりに、基準は、中心点と、例えば互いから90°に向けられた異なる放射状線上の2つの点とを含む3つの点などの点からも形成され得る。中心点の代わりに、全ての点は、異なる放射状線上にあり得る。
【0073】
図7A~
図7Cに示される実施形態では、基準要素35は、格子31の境界を定める3つの線によって形成される。3つの線は、格子31の4つの境界のうちの3つに沿って配置されている。加えて、第4の境界は、格子の左下隅の線の端点から決定され得る。したがって、特にパターンが円周方向に沿って繰り返される場合、ユーザは、いかなる困難もなくパターンを識別し得る。それにより、符号化されたパターンは、読み取りデバイスがなくても識別され得る。他の例では、基準要素35の線37は、パターン30の周りを完全に囲み得る(即ち閉じた長方形を形成し得る)。しかしながら、基準要素35は、代替実施形態において、パターンの中心に置かれ得る。
【0074】
さらなる基準要素が
図8A~
図8Cに示されている。基準要素35は、画像38、ここでは花の画像によって形成されている。画像は、各コード単位25の中心、即ち格子31の中心に配置されている。この例では、基準要素又は画像は、包材の透かしであり得る。パターン又は点は、包材の(例えば、外側)表面上に印刷されたインクであり得る。
【0075】
図9A~
図9Cは、情報コード20のさらなる変形形態を開示する。
図9A~
図9Cの実施形態では、基準要素35は、点36によって形成され、符号化されたパターン30は、線33によって形成される。
【0076】
図10A~10Cは、情報コードの別の変形形態を開示する。この実施形態では、基準要素及びパターン30の両方が線によって形成される。基準要素35は、破線37によって形成され、パターン30は、実線34によって形成される。
【0077】
図11A~
図11Cは、異なるコード単位25を有する情報コード20のさらなる実施形態を示す。ここで、一連の点33を含むパターン30は、円42の円周に沿って配置される。円は、好ましくは、等しい長さの扇形に分割され、それぞれの扇形は、点を含んでも又は含まなくてもよい。それにより、情報が符号化され得る。例えば、
図11Aのコードは、(12時から開始して時計回り方向に)「11101000」と読み取られる。パターン30は、複数の円に沿って配置され得る。
図11B及び
図11Cに一例が示されている。外側の円に加えて、
図11Bは、第2の内側の円43を示し、それに沿ってさらなる点33が配置され得る。ここで、内側の円は、「00000010」と読み取られる。
【0078】
さらに、
図11A~
図11Cに示される実施形態も基準要素35を含む。基準要素35は、2つの線37を含む。線は、パターン30の円の中心に配置される。それにより、読み取りデバイスは、円の中心位置を識別し得る。さらに、線37の向きは、コードの開始位置を示し得る。
図11A~
図11Cに見られるように、基準要素35の水平線は、12時の位置を示し、そこからコードが開始し得る。例えば、点は、線37の1つと整列されて、開始点を形成し得、コードは、時計回り方向(又は反時計回り方向)に読み取られ得る。
【0079】
図12A及び
図12Bは、アナログ情報のための符号化技術をさらに開示する。アナログ情報は、特に温度及び/又は時間などの連続変数に関係し得る。例えば、温度は、加熱温度であり得、時間は、識別された物品について最適化された加熱プロファイルの特定イベントを制御するためのものであり得る。
図11A~
図11Cの実施形態と同様に、パターン30は、円の円周に沿って配置される。しかしながら、パターン30の点33は、所定の位置に配置されない。むしろ、点33は、円周に沿った任意の点に配置され得る。基準点(例えば、12時)に対するそれらの正確な角度位置27は、アナログ値を示す。基準点は、基準要素により、特に
図12Aに示される矢印などの標識によって示され得る。例えば、点33によって示される角度60°は、310°の温度を示し得る。
【0080】
さらに、パターン30は、単一の円で複数の変数を表す。ここで、円は、第2の点33’(空の円)を含み、第2の点33’は、例えば、加熱スティックが設定温度まで加熱される間の時間(例えば、1分)を表し得る。
【0081】
アナログ情報の代替表現が
図12Bに示されている。ここで、点33は、例えば、
図3A~
図3Cに示される格子31の水平(又は垂直)線に沿って配置される。基準要素、例えば基準要素35又は基準要素に対する所定の位置までの距離28がアナログ値を決定する。共通基準33を有するいくつかの同心円状に配置された円は、異なるパラメータを符号化するための点を受けるために設けられ得る。例えば、最も外側の円は、ヒータ温度を符号化し得、内側の円は、時間値を符号化し得る。