(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】無線通信ノード
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20250327BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20250327BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20250327BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W72/0446
H04W92/20 110
(21)【出願番号】P 2022544984
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 JP2020032305
(87)【国際公開番号】W WO2022044185
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】栗田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】スン ウェイチー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】チン ラン
【審査官】倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】VIVO,On Guard Symbol MAC CE Design,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #110 electronic R2-2004494,2020年05月22日,pp.1-7
【文献】LG ELECTRONICS,Discussions on IAB resource multiplexing enhancements,3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2006382,2020年08月08日,pp.1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ノードであって、
上位ノードと
前記無線通信ノードとの間の下りリンクの送信タイミングを調整する第1調整方法と、前記下りリンクの送信タイミングに加え、上りリンクの送信タイミングまたは受信タイミングを調整する第2調整方法とにおいて、互いに異なる数の
ガードシンボル数を設定する制御部と、
設定された前記
ガードシンボル数を
前記上位ノードまたは下位ノードへ通知する送信部と、
を備える無線通信ノード。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信ノードであって、
前記制御部は、前記上位ノードと接続するための第1機能と、前記下位ノードと接続するための第2機能との間の遷移における前記ガードシンボル数を設定する。
【請求項3】
請求項1に記載の無線通信ノードであって、
前記送信部は、Medium Access Control(MAC)の制御要素を用いて前記ガードシンボル数を通知する。
【請求項4】
無線通信ノードにおける無線通信方法であって、
上位ノードと前記無線通信ノードとの間の下りリンクの送信タイミングを調整する第1調整方法と、前記下りリンクの送信タイミングに加え、上りリンクの送信タイミングまたは受信タイミングを調整する第2調整方法とにおいて、互いに異なる数のガードシンボル数を設定するステップと、
設定された前記ガードシンボル数を前記上位ノードまたは下位ノードへ通知するステップと、
を含む無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線アクセスと無線バックホールとを設定する無線通信ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)は、Long Term Evolution(LTE)を仕様化し、LTEのさらなる高速化を目的としてLTE-Advanced(以下、LTE-Advancedを含めてLTEという)、さらに、5G New Radio(NR)、或いはNext Generation(NG)などと呼ばれるLTEの後継システムが仕様化されている。
【0003】
例えば、NRの無線アクセスネットワーク(RAN)では、端末(User Equipment, UE)への無線アクセスと、無線基地局(gNB)などの無線通信ノード間の無線バックホールとが統合されたIntegrated Access and Backhaul(IAB)が検討されている(非特許文献1参照)。
【0004】
IABでは、IABノードは、親ノード(IABドナーと呼ばれてもよい)と接続するための機能であるMobile Termination(MT)と、子ノードまたはUEと接続するための機能であるDistributed Unit(DU)とを有する。
【0005】
3GPPのRelease 16においては、無線アクセスと無線バックホールとは、半二重通信(Half-duplex)及び時分割多重(TDM)が前提となっている。また、3GPPのRelease 17においては、周波数分割多重(FDM)、空間分割多重(SDM)及び全二重通信(Full-duplex)の適用が検討されている。つまり、3GPPのRelease 17においては、MTとDUとの同時動作が検討されている。
【0006】
非特許文献1においては、親ノードとIABノードとの送信タイミングの調整(alignment)に関して、7つのケースが規定されている。具体的には、非特許文献1においては、例えば、IABノードとIABドナーとの下りリンク(DL)の送信タイミングの調整(Case #1)、DL及び上りリンク(UL)の送信タイミングのIABノード内での調整(Case #2)、DL及び上りリンク(UL)の受信タイミングのIABノード内での調整(Case #3)、Case #1のDLとCase #2のULとの送信タイミングの調整の組み合わせ(Case #6)、及び、Case #1のDLの送信タイミングとCase #3のULとの受信タイミングの調整の組み合わせ(Case #7)等が規定されている。
【0007】
3GPPのRelease 16においては、IABノードのMTの送信タイミング及び受信タイミングと、当該IABノードのDUの送信タイミング及び受信タイミングと、の間のズレに起因する競合を避けるための提案が行われている。具体的には、3GPPのRelease 16においては、IABノードのMTの送信タイミング及び受信タイミングと、当該IABノードのDUの送信タイミング及び受信タイミングと、の遷移部分にガードシンボルを導入する、という提案が行われている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】3GPP TR 38.874 V16.0.0, 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Study on Integrated Access and Backhaul; (Release 16)、3GPP、2018年12月
【発明の概要】
【0009】
ここで、IABノードにおけるMTとDUとの同時動作を実現するための方法として、例えば、上記の7つのケースのうちの複数のケースを動的に切り替える構成が検討されている。
【0010】
そして、上記のような構成においては、上記のような競合を避けるために、例えば、上記の複数のケースに応じて設定したガードシンボル数を通知する必要があると考えられる。
【0011】
そこで、以下の開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、MTとDUとの同時動作の実現に必要なタイミング調整を確実に行うことが可能な無線通信ノードの提供を目的とする。
【0012】
本開示の一態様は、上位ノードと接続する第1の無線リンクにおける上り方向の送信を行う際の送信タイミングを動的に調整するために用いられる第1のシンボル数を設定する制御部(制御部190)と、前記第1のシンボル数を前記上位ノードへ通知する送信部(無線送信部161)と、を備える無線通信ノード(無線通信ノード100B)である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、無線通信システム10の全体概略構成図である。
【
図2】
図2は、IABの基本的な構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、無線通信ノード100Aの機能ブロック構成図である。
【
図4】
図4は、無線通信ノード100Bの機能ブロック構成図である。
【
図5】
図5は、3GPPのRelease 16において規定されているMAC-CEの構成を示す図である。
【
図6】
図6は、動作例1-3-1におけるEnhanced MAC-CEの構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、動作例1-3-1におけるEnhanced MAC-CEの構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、動作例1-3-1におけるEnhanced MAC-CEの構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、動作例1-3-2におけるEnhanced MAC-CEの構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、動作例1-3-2におけるEnhanced MAC-CEの構成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、動作例1-3-2におけるEnhanced MAC-CEの構成の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、動作例1-3-3におけるEnhanced MAC-CEの構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、CU50、無線通信ノード100A~100C及びUE200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0015】
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、5G New Radio(NR)に従った無線通信システムであり、複数の無線通信ノード及び端末によって構成される。
【0016】
具体的には、無線通信システム10は、無線通信ノード100A, 100B, 100C、及びユーザ端末200(以下、UE200)を含む。
【0017】
無線通信ノード100A, 100B, 100Cは、UE200との無線アクセス、及び当該無線通信ノード間における無線バックホール(BH)を設定できる。具体的には、無線通信ノード100Aと無線通信ノード100B、及び無線通信ノード100Aと無線通信ノード100Cとの間には、無線リンクによるバックホール(伝送路)が設定される。
【0018】
このように、UE200との無線アクセスと、当該無線通信ノード間における無線バックホールとが統合された構成は、Integrated Access and Backhaul(IAB)と呼ばれている。
【0019】
IABは、無線アクセスのために定義された既存の機能及びインターフェースを再利用する。特に、Mobile-Termination (MT), gNB-DU (Distributed Unit), gNB-CU (Central Unit), User Plane Function (UPF), Access and Mobility Management Function (AMF) and Session Management Function (SMF)、ならびに対応するインターフェース、例えば、NR Uu(MT~gNB/DU間)、F1, NG, X2及びN4がベースラインとして使用される。
【0020】
無線通信ノード100Aは、ファイバートランスポートなどの有線伝送路を介して、NRの無線アクセスネットワーク(NG-RAN)及びコアネットワーク(Next Generation Core (NGC)または5GC)と接続される。NG-RAN/NGCには、通信ノードであるCentral Unit 50(以下、CU50)が含まれる。なお、NG-RAN及びNGCを含めて、単に「ネットワーク」と表現されてもよい。
【0021】
なお、CU50は、上述したUPF, AMF, SMFの何れかまたは組み合わせによって構成されてもよい。或いは、CU50は、上述したようなgNB-CUであってもよい。
【0022】
図2は、IABの基本的な構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態では、無線通信ノード100Aは、IABにおける親ノード(Parent node)を構成し、無線通信ノード100B(及び無線通信ノード100C)は、IABにおけるIABノードを構成する。
【0023】
なお、親ノードは、IABノードとの関係において、上位ノードと呼ばれてもよい。さらに、親ノードは、IABドナーと呼ばれてもよい。また、IABノードは、親ノードとの関係において、下位ノードとよばれてもよい。
【0024】
IABにおける子ノード(Child node)は、
図1に図示されていない他の無線通信ノードによって構成される。或いは、UE200が子ノードを構成してもよい。IABノードは、子ノードとの関係において、上位ノードと呼ばれ、子ノードは、IABノードとの関係において、下位ノードと呼ばれてもよい。
【0025】
親ノードとIABノードとの間には、無線リンクが設定される。具体的には、Link_parentと呼ばれる無線リンクが設定される。
【0026】
IABノードと子ノードとの間には、無線リンクが設定される。具体的には、Link_childと呼ばれる無線リンクが設定される。
【0027】
このような無線通信ノード間に設定される無線リンクは、無線バックホールリンクと呼ばれる。Link_parentは、下り方向のDL Parent BHと、上り方向のUL Parent BHとによって構成される。Link_childは、下り方向のDL Child BHと、上り方向のUL Child BHとによって構成される。
【0028】
なお、UE200と、IABノードまたは親ノードとの間に設定される無線リンクは、無線アクセスリンクと呼ばれる。具体的には、当該無線リンクは、下り方向のDL Accessと、上り方向のUL Accessとによって構成される。
【0029】
IABノードは、親ノードと接続するための機能であるMobile Termination(MT)と、子ノード(またはUE200)と接続するための機能であるDistributed Unit(DU)とを有する。なお、
図2では省略されているが、親ノード及び子ノードもMT及びDUを有する。
【0030】
DUが利用する無線リソースには、DUの観点では、下りリンク(DL)、上りリンク(UL)及びFlexible time-resource(D/U/F)は、ハード、ソフトまたはNot Available(H/S/NA)の何れかのタイプに分類される。また、ソフト(S)内でも、利用可(available)または利用不可(not available)が規定されている。
【0031】
なお、
図2に示すIABの構成例は、CU/DU分割を利用しているが、IABの構成は必ずしもこのような構成に限定されない。例えば、無線バックホールには、GPRS Tunneling Protocol(GTP)-U/User Datagram Protocol (UDP)/Internet Protocol (IP)を用いたトンネリングによってIABが構成されてもよい。
【0032】
このようなIABの主な利点としては、トランスポートネットワークを高密度化することなく、NRのセルを柔軟かつ高密度に配置できることが挙げられる。IABは、屋外でのスモールセルの配置、屋内、さらにはモバイルリレー(例えば、バス及び電車内)のサポートなど、様々なシナリオに適用し得る。
【0033】
また、IABは、
図1及び
図2に示したように、NRのみのスタンドアロン(SA)による展開、或いは他のRAT(LTEなど)を含む非スタンドアロン(NSA)による展開をサポートしてもよい。
【0034】
本実施形態では、無線アクセス及び無線バックホールは、半二重通信(Half-duplex)を前提として動作する。但し、必ずしも半二重通信に限定されるものではなく、要件が満たされれば、全二重通信(Full-duplex)でも構わない。
【0035】
また、多重化方式は、時分割多重(TDM)、空間分割多重(SDM)及び周波数分割多重(FDM)が利用可能である。
【0036】
IABノードは、半二重通信(Half-duplex)で動作する場合、DL Parent BHが受信(RX)側、UL Parent BHが送信(TX)側となり、DL Child BHが送信(TX)側、UL Child BHが受信(RX)側となる。また、Time Division Duplex(TDD)の場合、IABノードにおけるDL/ULの設定パターンは、DL-F-ULのみに限られず、無線バックホール(BH)のみ、UL-F-DLなどの設定パターンが適用されてもよい。
【0037】
また、本実施形態では、SDM/FDMを用い、IABノードのDUとMTとの同時動作が実現される。
【0038】
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10を構成する無線通信ノード100A及び無線通信ノード100Bの機能ブロック構成について説明する。なお、本開示においては、3GPP TR 38.874において規定されている7つのケース(Case #1~Case #7)各々を、タイミングモードまたはタイミング調整方法と呼称する場合があるものとする。
【0039】
(2.1)無線通信ノード100A
図3は、親ノードを構成する無線通信ノード100Aの機能ブロック構成図である。
図3に示すように、無線通信ノード100Aは、無線送信部110、無線受信部120、NW IF部130、IABノード接続部140及び制御部150を備える。
【0040】
無線送信部110は、5Gの仕様に従った無線信号を送信する。また、無線受信部120は、5Gの仕様に従った無線信号を受信する。本実施形態では、無線送信部110及び無線受信部120は、IABノードを構成する無線通信ノード100Bとの無線通信を実行する。
【0041】
本実施形態では、無線通信ノード100Aは、MTとDUとの機能を有しており、無線送信部110及び無線受信部120も、MT/DUに対応して無線信号を送受信する。
【0042】
NW IF部130は、NGC側などとの接続を実現する通信インターフェースを提供する。例えば、NW IF部130は、X2, Xn, N2, N3などのインターフェースを含み得る。
【0043】
IABノード接続部140は、IABノード(またはUEを含む子ノードであってもよい)との接続を実現するインターフェースなどを提供する。具体的には、IABノード接続部140は、Distributed Unit(DU)の機能を提供する。つまり、IABノード接続部140は、IABノード(または子ノード)との接続に用いられる。
【0044】
なお、IABノードとは、UE200に対する無線アクセスをサポートし、アクセストラフィックを無線によってバックホールするRANノードと表現されてもよい。また、親ノード、つまり、IABドナーは、コアネットワークへのUEのインターフェースと、IABノードへの無線バックホール機能を提供するRANノードと表現されてもよい。
【0045】
制御部150は、無線通信ノード100Aを構成する各機能ブロックの制御を実行する。特に、本実施形態では、制御部150は、DL及びULの送信タイミング、及びULの受信タイミングを制御する。具体的には、制御部150は、DLの送信タイミング、及び下位ノード、例えば、無線通信ノード100B(IABノード)におけるULの送信タイミングを調整できる。また、制御部150は、無線通信ノード100B(IABノード)におけるULの受信タイミングを調整できる。
【0046】
無線通信ノード100Aを含む各無線通信ノードのDL送信タイミングの調整とは、3GPP TR 38.874において規定されるCase #1に相当してよい。
【0047】
また、IABノードにおけるDL及びULの送信タイミングの調整とは、同Case #2に相当してよい。さらに、IABノードにおけるDL及びULの受信タイミングの調整とは、同Case #3に相当してよい。
【0048】
なお、IABノードにおける当該調整には、IABノードにおけるDLの送信タイミングの調整が含まれてもよく、DL及びULの送信タイミングがIABノード内において調整されてもよい。
【0049】
つまり、制御部150は、Case #1のDLとCase #2のULとの送信タイミングの調整の組み合わせである同Case #6をサポートできる。
【0050】
さらに、IABノードにおける当該調整には、IABノードにおけるDLの送信タイミングの調整が含まれてもよく、DL及びULの受信タイミングがIABノード内において調整されてもよい。
【0051】
つまり、制御部150は、Case #1のDLの送信タイミングの調整と、Case #3のULの受信タイミングの調整の組み合わせである同Case #7をサポートできる。
【0052】
制御部150は、無線通信ノード100B から通知されるガードシンボル数に基づき、Case #1、Case #6及びCase #7の3つのタイミングモードを動的に切り替えることができる。
【0053】
(2.2)無線通信ノード100B
図4は、IABノードを構成する無線通信ノード100Bの機能ブロック構成図である。
図4に示すように、無線通信ノード100Bは、無線送信部161、無線受信部162、上位ノード接続部170、下位ノード接続部180及び制御部190を備える。
【0054】
このように、無線通信ノード100Bは、上述した無線通信ノード100A(親ノード)と類似した機能ブロックを備えるが、上位ノード接続部170及び下位ノード接続部180を備える点、及び制御部190の機能が異なる。
【0055】
無線送信部161は、5Gの仕様に従った無線信号を送信する。また、無線受信部162は、5Gの仕様に従った無線信号を受信する。本実施形態では、無線送信部161及び無線受信部162は、親ノードを構成する無線通信ノード100Aとの無線通信、及び子ノード(UE200の場合を含む)との無線通信を実行する。
【0056】
無線送信部161は、上位ノード(親ノード)に向けて、上位ノード接続部170と下位ノード接続部180との同時動作を行うために制御部190により設定されたガードシンボル数(第1のシンボル数)を通知することができる。
【0057】
無線送信部161は、下位ノード(子ノード)に向けて、上位ノード接続部170と下位ノード接続部180との同時動作を行うために制御部190により設定されたガードシンボル数(第2のシンボル数)を通知することができる。
【0058】
ガードシンボル数の通知においては、Release 16のMAC-CE(MAC-Control Element)が用いられてもよく、または、当該MAC-CEを拡張したEnhanced MAC-CE(具体例については後述)が用いられてもよい。
【0059】
Release 16のMAC-CEは、例えば、
図5に示すような構成を有している。なお、
図5において、「R」は予約ビットを表し、「SCS」はサブキャリア間隔を表し、「NmbGS
i」(i=1~8)は3GPP TR 38.821 V16.0.0において規定されている8種のスイッチングシナリオ各々に対応するガードシンボル数を表している。なお、ガードシンボル数は、例えば、0から4までの範囲内で設定されればよい。
【0060】
ガードシンボルは、IABノードのMTの送信タイミング及び受信タイミングと、当該IABノードのDUの送信タイミング及び受信タイミングと、の間のズレに起因する競合を避けるために設けられる。そのため、ガードシンボル数は、例えば、無線バックホールリンク並びに無線アクセスリンクの伝搬遅延、IABノードの能力、及び、タイミングモード等に応じて設定されればよい。また、IABノードは、上記の競合を回避する必要がある。
【0061】
上記の8種のスイッチングシナリオには、IABを構成する各無線通信ノード(上位ノード、IABノード及び下位ノード)間における、MT動作からDU動作への切り替えを示す4つのシナリオと、DU動作からMT動作への切り替えを示す4つのシナリオと、が含まれている。
【0062】
MT動作からDU動作への切り替えには、DLのRXからDLのTXへの切り替え、DLのRXからULのRXへの切り替え、ULのTXからDLのTXへの切り替え、及び、ULのTXからULのRXへの切り替えが含まれている。
【0063】
MT動作からDU動作への切り替えを示す4つのシナリオにおいては、DLのRXからDLのTXへの切り替えの際に「NmbGS1」に示されたガードシンボル数が設定され、DLのRXからULのRXへの切り替えの際に「NmbGS2」に示されたガードシンボル数が設定され、ULのTXからDLのTXへの切り替えの際に「NmbGS3」に示されたガードシンボル数が設定され、ULのTXからULのRXへの切り替えの際に「NmbGS4」に示されたガードシンボル数が設定される。
【0064】
DU動作からMT動作への切り替えには、DLのTXからDLのRXへの切り替え、ULのRXからDLのRXへの切り替え、DLのTXからULのTXへの切り替え、及び、ULのRXからULのTXへの切り替えが含まれている。
【0065】
DU動作からMT動作への切り替えを示す4つのシナリオにおいては、DLのTXからDLのRXへの切り替えの際に「NmbGS5」に示されたガードシンボル数が設定され、ULのRXからDLのRXへの切り替えの際に「NmbGS6」に示されたガードシンボル数が設定され、DLのTXからULのTXへの切り替えの際に「NmbGS7」に示されたガードシンボル数が設定され、ULのRXからULのTXへの切り替えの際に「NmbGS8」に示されたガードシンボル数が設定される。
【0066】
無線受信部162は、上位ノードから下りリンク制御情報(DCI)を受信する。具体的には、無線受信部162は、上位ノードにおいてCase #1、Case #6及びCase #7のうちのどのタイミングモードによるタイミング調整が行われたかを示すDCIを受信できる。
【0067】
無線受信部162は、下位ノードから上りリンク制御情報(UCI)を受信する。具体的には、無線受信部162は、下位ノードにおいてCase #1、Case #6及びCase #7のうちのどのタイミングモードによるタイミング調整が行われたかを示すUCIを受信できる。
【0068】
上位ノード接続部170は、IABノードよりも上位のノードとの接続を実現するインターフェースなどを提供する。なお、上位ノードとは、IABノードよりもネットワーク、具体的には、コアネットワーク側(上流側或いは上り側と呼んでもよい)に位置する無線通信ノードを意味する。
【0069】
具体的には、上位ノード接続部170は、Mobile Termination(MT)の機能を提供する。つまり、上位ノード接続部170は、本実施形態では、上位ノードを構成する親ノードとの接続に用いられる。
【0070】
下位ノード接続部180は、IABノードよりも下位のノードとの接続を実現するインターフェースなどを提供する。なお、下位ノードとは、IABノードよりもエンドユーザ側(下流側或いは下り側と呼んでもよい)に位置する無線通信ノードを意味する。
【0071】
具体的には、下位ノード接続部180は、Distributed Unit(DU)の機能を提供する。つまり、下位ノード接続部180は、本実施形態では、下位ノードを構成する子ノード(UE200であってもよい)との接続に用いられる。
【0072】
制御部190は、無線通信ノード100Bを構成する各機能ブロックの制御を実行する。特に、本実施形態では、制御部190は、DL及びULの送信タイミングと、及びULの受信タイミングを制御する。具体的には、制御部190は、DLの送信タイミング、及び下位ノード、例えば、UEを含む子ノードにおけるULの送信タイミングを調整できる。また、制御部190は、子ノードにおけるULの受信タイミングを調整できる。
【0073】
無線通信ノード100Bを含む各無線通信ノードのDL送信タイミングの調整とは、3GPP TR 38.874において規定されるCase #1に相当してよい。
【0074】
また、下位ノードにおけるDL及びULの送信タイミングの調整とは、同Case #2に相当してよい。さらに、下位ノードにおけるDL及びULの受信タイミングの調整とは、同Case #3に相当してよい。
【0075】
なお、下位ノードにおける当該調整には、下位ノードにおけるDLの送信タイミングの調整が含まれてもよく、DL及びULの送信タイミングが下位ノード内において調整されてもよい。
【0076】
つまり、制御部190は、Case #1のDLとCase #2のULとの送信タイミングの調整の組み合わせである同Case #6をサポートできる。
【0077】
さらに、下位ノードにおける当該調整には、下位ノードにおけるDLの送信タイミングの調整が含まれてもよく、DL及びULの受信タイミングが下位ノード内において調整されてもよい。
【0078】
つまり、制御部190は、Case #1のDLの送信タイミングの調整と、Case #3のULの受信タイミングの調整の組み合わせである同Case #7をサポートできる。
【0079】
制御部190は、無線受信部162が受信したDCIに含まれる情報に基づき、上位ノードにおいてCase #7によるタイミング調整が行われた場合に、当該タイミング調整に応じてULのTXの送信タイミングを調整するCase #7aのタイミングモードに係る動作を行うことができる。
【0080】
制御部190は、無線受信部162が受信したUCIに含まれる情報に基づき、下位ノードにおいてCase #6によるタイミング調整が行われた場合に、当該タイミング調整に応じてULのRXの受信タイミングを調整するCase #6aのタイミングモードに係る動作を行うことができる。
【0081】
制御部190は、無線受信部162が受信したDCIに含まれる情報に基づき、Case #1、Case #6及びCase #7aの3つのタイミングモードを動的に切り替えつつ、ULのTXの送信タイミングを調整することができる。
【0082】
制御部190は、無線受信部162が受信したUCIに含まれる情報に基づき、Case #1、Case #6a及びCase #7の3つのタイミングモードを動的に切り替えつつ、ULのRXの受信タイミングを調整することができる。
【0083】
制御部190は、タイミングモードを切り替える毎にガードシンボル数を設定することができる。
【0084】
すなわち、IABノード(無線通信ノード100B)は、上位ノード(無線通信ノード100A)と接続する第1の無線リンク(Link_parent)における上り方向の送信(ULのTX)を行う際の送信タイミングを動的に調整するために用いられるガードシンボル数(第1のシンボル数)を設定し、当該ガードシンボル数を当該上位ノードへ通知することができる。また、IABノード(無線通信ノード100B)は、下位ノード(子ノード)と接続する第2の無線リンク(Link_child)における上り方向の受信(ULのRX)を行う際の受信タイミングを動的に調整するために用いられるガードシンボル数(第2のシンボル数)を設定し、当該ガードシンボル数を当該下位ノードへ通知することができる。
【0085】
なお、本実施形態においては、無線通信ノード100B(IABノード)よりも下位のノード(子ノード)においても、Case #1、Case #6及びCase #7の3つのタイミングモードがサポートされているとともに、当該3つのタイミングモードを動的に切り替えることができるものとする。
【0086】
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、IABノードのDU及びMTの同時動作(同時Tx/Rx)を実現する場合における、DL及びULの送信タイミングと受信タイミングとの調整に関する動作について説明する。
【0087】
より具体的には、IABを構成する親ノード及び子ノードが3GPP TR 38.874において規定されているCase #1、Case #6及びCase #7の3つのタイミングモードをサポートする場合に、IABノードのDU及びMTを同時に動作可能とするためのDL及びULの送信タイミングと受信タイミングとの調整に関する動作について説明する。
【0088】
なお、本実施形態においては、IABを構成する各無線通信ノード間におけるDLの送信タイミング調整を保証する必要があるため、ULのRXの受信タイミング及びDLのTXの送信タイミングが、異なるタイミングモードにおいても変化しないものとする。
【0089】
(3.1)概略動作
無線通信ノード100B (IABノード)は、無線通信ノード100Aから送信されるDCIに含まれる情報に基づき、Case #1、Case #6及びCase #7aの3つのタイミングモードのうちの1つのタイミングモードを選択し、当該選択したタイミングモードに応じた送信タイミング及び受信タイミングの調整を行う。
【0090】
無線通信ノード100B(IABノード)は、DCIに含まれる情報に基づいて選択した1つのタイミングモードに応じたガードシンボル数を設定し、当該設定したガードシンボル数をMAC-CEにより無線通信ノード100A(親ノード)に通知する。
【0091】
無線通信ノード100B(IABノード)は、下位ノードから送信されるUCIに含まれる情報に基づき、Case #1、Case #6a及びCase #7の3つのタイミングモードのうちの1つのタイミングモードを選択し、当該選択したタイミングモードに応じた送信タイミング及び受信タイミングの調整を行う。
【0092】
無線通信ノード100Bは、UCIに含まれる情報に基づいて選択した1つのタイミングモードに応じたガードシンボル数を設定し、当該設定したガードシンボル数をMAC-CEにより下位ノードに通知する。
【0093】
(3.2)動作例
次に、IABノードによるガードシンボル数の設定及び通知に関する動作について説明する。
【0094】
(3.2.2)動作例1
本動作例では、Link_parentにおいて異なるタイミングモード(例えばCase #1、Case #6及びCase #7)が設定される事を想定して、MTとDUとの切り替え時のガードシンボル数を設定すればよい。
【0095】
(3.2.2.1)動作例1-1
本動作例では、Release 16のMAC-CEを流用しつつ、無線通信ノード100Aへガードシンボル数を通知すればよい。また、本動作例では、複数のタイミングモードにおいて、互いに同じ数のガードシンボル数が使用されればよい。また、本動作例では、以下のいずれかに応じたガードシンボル数がMAC-CEにより通知されればよい。
【0096】
・(Alt.1)Case #1、Case #6及びCase #7aの3つのタイミングモードの実装状態に依存したガードシンボル数。
【0097】
・(Alt.2)Case #1、Case #6及びCase #7aの3つのタイミングモードにおいて設定される各ガードシンボル数のうちの最小の数。
【0098】
・(Alt.3)Case #1、Case #6及びCase #7aの3つのタイミングモードにおいて設定される各ガードシンボル数のうちの最大の数。
【0099】
(3.2.2.2)動作例1-2
本動作例では、Release 16のMAC-CEを流用しつつ、無線通信ノード100Aへガードシンボル数を通知すればよい。また、本動作例では、複数のタイミングモードにおいて、互いに異なる数のガードシンボル数が使用されればよい。また、本動作例では、無線通信ノード100Aは、MAC-CEの通知を用い、各タイミングモードにおけるガードシンボル数を算出することができる。なお、本動作例のガードシンボル数の算出においては、例えば、各タイミングモードにおけるTA(Timing Advance)の値を用いることができる。
【0100】
(3.2.2.2.1)動作例1-2-1
Case #1におけるULのTXのガードシンボル数は、Case #1におけるULのTXの送信タイミングに応じた数に設定され、MAC-CEにより無線通信ノード100Aへ通知されればよい。
【0101】
Case #6におけるガードシンボル数は、Case #1におけるULのTXの送信タイミングに応じて設定されたガードシンボル数、及び、Case #6におけるULのTXのTA(Timing Advance)とCase #1におけるULのTXのTA(Timing Advance)との差に基づいて設定(算出)され、MAC-CEにより無線通信ノード100Aへ通知されればよい。
【0102】
Case #7aにおけるガードシンボル数は、Case #1におけるULのTXの送信タイミングに応じて設定されたガードシンボル数、及び、Case #7aにおけるULのTXのTA(Timing Advance)とCase #1におけるULのTXのTA(Timing Advance)との差に基づいて設定(算出)され、MAC-CEにより無線通信ノード100Aへ通知されればよい。
【0103】
(3.2.2.2.2)動作例1-2-2
Case #6におけるULのTXのガードシンボル数は、Case #6におけるULのTXの送信タイミングに応じた数に設定され、MAC-CEにより無線通信ノード100Aへ通知されればよい。
【0104】
Case #1におけるガードシンボル数は、Case #6におけるULのTXの送信タイミングに応じて設定されたガードシンボル数、及び、Case #1におけるULのTXのTA(Timing Advance)とCase #6におけるULのTXのTA(Timing Advance)との差に基づいて設定(算出)され、MAC-CEにより無線通信ノード100Aへ通知されればよい。
【0105】
Case #7aにおけるガードシンボル数は、Case #6におけるULのTXの送信タイミングに応じて設定されたガードシンボル数、及び、Case #7aにおけるULのTXのTA(Timing Advance)とCase #6におけるULのTXのTA(Timing Advance)との差に基づいて設定(算出)され、MAC-CEにより無線通信ノード100Aへ通知されればよい。
【0106】
(3.2.2.2.3)動作例1-2-3
Case #7aにおけるULのTXのガードシンボル数は、Case #7aにおけるULのTXの送信タイミングに応じた数に設定され、MAC-CEにより無線通信ノード100Aへ通知されればよい。
【0107】
Case #1におけるガードシンボル数は、Case #7aにおけるULのTXの送信タイミングに応じて設定されたガードシンボル数、及び、Case #1におけるULのTXのTA(Timing Advance)とCase #7aにおけるULのTXのTA(Timing Advance)との差に基づいて設定(算出)され、MAC-CEにより無線通信ノード100Aへ通知されればよい。
【0108】
Case #6におけるガードシンボル数は、Case #7aにおけるULのTXの送信タイミングに応じて設定されたガードシンボル数、及び、Case #6におけるULのTXのTA(Timing Advance)とCase #7aにおけるULのTXのTA(Timing Advance)との差に基づいて設定(算出)され、MAC-CEにより無線通信ノード100Aへ通知されればよい。
【0109】
(3.2.2.3)動作例1-3
本動作例では、Release 16のMAC-CEを拡張したEnhanced MAC-CEを用いつつ、無線通信ノード100Aへガードシンボル数を通知すればよい。また、本動作例では、複数のタイミングモードにおいて、互いに異なる数のガードシンボル数が使用されればよい。また、本動作例では、無線通信ノード100Aは、Enhanced MAC-CEの通知を用い、各タイミングモードにおけるガードシンボル数を算出することができる。なお、本動作例のガードシンボル数の算出においては、例えば、各タイミングモードにおけるTA(Timing Advance)の値を用いることができる。
【0110】
(3.2.2.3.1)動作例1-3-1
本動作例のEnhanced MAC-CEには、特定のスイッチングシナリオに対応する1つのインデックスと、1つまたは複数のタイミングモードの指示と、当該1つまたは複数のタイミングモードに対応するガードシンボル数を示す1つまたは複数のフィールドと、が含まれていればよい。
【0111】
具体的には、本動作例のEnhanced MAC-CEは、例えば、
図6または
図7のような構成を有していればよい。
【0112】
図6に示すEnhanced MAC-CEは、1つのタイミングモードの指示を含む場合の構成例を示している。また、
図6において、「R」は予約ビットを表し、「SCS」はサブキャリア間隔を表し、「Switching scenario」は特定のスイッチングシナリオに対応する1つのインデックスを表し、「Timing mode」は1つのタイミングモードの指示を表し、「NmbGS」は当該1つのタイミングモードに対応するガードシンボル数を示す1つのフィールドを表している。
【0113】
図6の「Switching scenario」は、3ビットで表されるものに限らず、他のビット数で表されるものであってもよい。また、
図6の「Timing mode」は、2ビットで表されるものに限らず、他のビット数で表されるものであってもよい。
【0114】
図7に示すEnhanced MAC-CEは、1つまたは複数のタイミングモードの指示を含む場合の構成例を示している。また、
図7において、「SCS」はサブキャリア間隔を表し、「Switching scenario」は特定のスイッチングシナリオに対応する1つのインデックスを表し、「T0」はCase #1のタイミングモードの指示の有無を表し、「T1」はCase #6のタイミングモードの指示の有無を表し、「T2」はCase #7aのタイミングモードの指示の有無を表し、「NmbGS」は1つまたは複数のタイミングモードに対応するガードシンボル数を示す1つまたは複数のフィールドを表している。
【0115】
図7に示すEnhanced MAC-CEによれば、例えば、DLのRXからULのRXへ切り替えに相当するスイッチングシナリオが設定され、かつ、「T0」が「1」に設定された場合には、Case #1のタイミングモードに対応するULのRXの受信タイミングを調整するために使用されたガードシンボル数が1フィールド分の「NmbGS」により表される。
【0116】
図7に示すEnhanced MAC-CEによれば、例えば、DLのRXからULのRXへ切り替えに相当するスイッチングシナリオが設定され、かつ、「T1」が「1」に設定された場合には、Case #6のタイミングモードに対応するULのTXの送信タイミングを調整するために使用されたガードシンボル数が1フィールド分の「NmbGS」により表される。
【0117】
図7に示すEnhanced MAC-CEにおいては、「T0」、「T1」及び「T2」のうちの「0」に設定されたタイミングモードに対応する「NmbGS」が含まれないようにしている。
【0118】
図7の「Switching scenario」は、3ビットで表されるものに限らず、他のビット数で表されるものであってもよい。また、
図7の「Timing mode」は、3ビットで表されるものに限らず、他のビット数で表されるものであってもよい。
【0119】
なお、本動作例によれば、例えば、
図6または
図7のような構成を有するEnhanced MAC-CEをp(p≧2)個含むビットマップにより、当該p個のスイッチングシナリオ各々におけるタイミングモードに応じたガードシンボル数を通知することができる。
【0120】
また、本動作例によれば、Enhanced MAC-CEにおいて、無線通信ノード100Bによりサポートされる全てのタイミングモードについての「NmbGS」が含まれる場合には、例えば、
図8に示すように、「Timing mode」によるタイミングモードの指示を省略することができる。
【0121】
図8に示すEnhanced MAC-CEには、
図6と同様の「R」、「SCS」及び「Switching scenario」が含まれている。また、
図8に示すEnhanced MAC-CEには、無線通信ノード100Bによりサポートされる3つのタイミングモードに応じた3つの「NmbGS」フィールドが含まれている。
【0122】
すなわち、無線通信ノード100Bによりサポートされる全てのタイミングモードがn個である場合には、Enhanced MAC-CEにn個の「NmbGS」フィールドを設定することにより、「Timing mode」によるタイミングモードの指示を省略することができる。
【0123】
(3.2.2.3.2)動作例1-3-2
本動作例のEnhanced MAC-CEには、特定のタイミングモードに対応する1つのインデックスと、1つまたは複数のスイッチングシナリオの指示と、当該1つまたは複数のスイッチングシナリオに対応するガードシンボル数を示す1つまたは複数のフィールドと、が含まれていればよい。
【0124】
具体的には、本動作例のEnhanced MAC-CEは、例えば、
図9または
図10のような構成を有していればよい。
【0125】
図9に示すEnhanced MAC-CEは、1つのスイッチングシナリオの指示を含む場合の構成例を示している。また、
図9において、「R」は予約ビットを表し、「SCS」はサブキャリア間隔を表し、「Timing mode」は特定のタイミングモードに対応する1つのインデックスを表し、「Switching scenario」は1つのスイッチングシナリオの指示を表し、「NmbGS」は当該1つのスイッチングシナリオに対応するガードシンボル数を示す1つのフィールドを表している。
【0126】
図9の「Switching scenario」は、3ビットで表されるものに限らず、他のビット数で表されるものであってもよい。また、
図8の「Timing mode」は、2ビットで表されるものに限らず、他のビット数で表されるものであってもよい。
【0127】
図10に示すEnhanced MAC-CEは、1つまたは複数のスイッチングシナリオの指示を含む場合の構成例を示している。また、
図10において、「SCS」はサブキャリア間隔を表し、「Timing mode」は特定のタイミングモードに対応する1つのインデックスを表し、「S0」~「S7」は8種のスイッチングシナリオ各々の指示の有無を表し、「NmbGS」は1つまたは複数のスイッチングシナリオに対応するガードシンボル数を示す1つまたは複数のフィールドを表している。
【0128】
図10に示すEnhanced MAC-CEによれば、例えば、「S0」が「1」に設定された場合には、DLのRXからDLのTXへの切り替えにおいて使用されたガードシンボル数が1フィールド分の「NmbGS」により表される。
【0129】
図10に示すEnhanced MAC-CEによれば、例えば、「S1」が「1」に設定された場合には、DLのRXからULのTXへの切り替えにおいて使用されたガードシンボル数が1フィールド分の「NmbGS」により表される。
【0130】
図10に示すEnhanced MAC-CEにおいては、「S0」~「S7」のうちの「0」に設定されたタイミングモードに対応する「NmbGS」が含まれないようにしている。
【0131】
図10の「Switching scenario」は、8ビットで表されるものに限らず、他のビット数で表されるものであってもよい。また、
図10の「Timing mode」は、2ビットで表されるものに限らず、他のビット数で表されるものであってもよい。
【0132】
なお、本動作例によれば、例えば、
図9または
図10のような構成を有するEnhanced MAC-CEをq(q≧2)個含むビットマップにより、当該q個のタイミングモード各々におけるスイッチングシナリオに応じたガードシンボル数を通知することができる。
【0133】
また、本動作例によれば、Enhanced MAC-CEにおいて、無線通信ノード100Bによりサポートされる全てのスイッチングシナリオについての「NmbGS」が含まれる場合には、例えば、
図11に示すように、「Switching scenario」によるスイッチングシナリオの指示を省略することができる。
【0134】
図11に示すEnhanced MAC-CEには、
図9と同様の「R」、「SCS」及び「Switching scenario」が含まれている。また、
図10に示すEnhanced MAC-CEには、無線通信ノード100Bによりサポートされる8種のスイッチングシナリオに応じた8つの「NmbGS」フィールドが含まれている。
【0135】
すなわち、無線通信ノード100Bによりサポートされる全てのスイッチングシナリオがm個である場合には、Enhanced MAC-CEにm個の「NmbGS」フィールドを設定することにより、「Switching scenario」によるスイッチングシナリオの指示を省略することができる。
【0136】
(3.2.2.3.3)動作例1-3-3
本動作例のEnhanced MAC-CEには、無線通信ノード100A, 100B及び100Cにおいてサポートされる全てのタイミングモードに対応する全てのスイッチングシナリオのガードシンボル数が含まれていればよい。
【0137】
具体的には、本動作例のEnhanced MAC-CEには、例えば、
図12に示すように、タイミングモード毎に、8種のスイッチングシナリオ各々に対応する8個の「NmbGS」フィールドが設けられている。
【0138】
図12に示すEnhanced MAC-CEは、第1のタイミングモードにおける8種のスイッチングシナリオ各々に対応するガードシンボル数と、第2のタイミングモードにおける8種のスイッチングシナリオ各々に対応するガードシンボル数と、を通知する場合の構成例を示している。また、
図12において、「R」は予約ビットを表し、「SCS」はサブキャリア間隔を表している。
【0139】
(3.2.3)動作例2
本動作例では、Link_parent及びLink_childにおいて異なるタイミングモード(例えばCase #1、Case #6及びCase #7)が設定される事を想定して、MTとDUとの切り替え時のガードシンボル数を設定すればよい。
【0140】
(3.2.3.1)動作例2-1
本動作例では、動作例1-3において例示したような構成を有するEnhanced MAC-CEを用いつつ、子ノードへガードシンボル数を通知すればよい。また、本動作例では、動作例1-2に応じて設定されるLink_parentのガードシンボル数を基準として、Link_childのガードシンボル数を設定すればよい。
【0141】
具体的には、ULのTXの送信タイミングを調整するために使用される(Case #1、Case #6及びCase #7aのうちの)1つのタイミングモードにおけるガードシンボル数を基準として、ULのRXの受信タイミングを調整するために使用される各タイミングモード(Case #1、Case #6a及びCase #7)におけるガードシンボル数を設定すればよい。
【0142】
(3.2.3.1.1)動作例2-1-1
ULのRXの受信タイミングを調整するために使用される各タイミングモードにおけるガードシンボル数は、動作例1-2-1と同様の方法により算出されるCase #1におけるULのTXのガードシンボル数を基準として設定され、動作例1-3において例示したような構成を有するMAC-CEにより子ノードへ通知されればよい。
【0143】
なお、本動作例によれば、Case #6及びCase #7aにおけるULのTXのガードシンボル数が、動作例1-2-1と同様の方法により算出されればよい。
【0144】
(3.2.3.1.2)動作例2-1-2
ULのRXの受信タイミングを調整するために使用される各タイミングモードにおけるガードシンボル数は、動作例1-2-2と同様の方法により算出されるCase #6におけるULのTXのガードシンボル数を基準として設定され、動作例1-3において例示したような構成を有するMAC-CEにより子ノードへ通知されればよい。
【0145】
なお、本動作例によれば、Case #1及びCase #7aにおけるULのTXのガードシンボル数が、動作例1-2-2と同様の方法により算出されればよい。
【0146】
(3.2.3.1.3)動作例2-1-3
ULのRXの受信タイミングを調整するために使用される各タイミングモードにおけるガードシンボル数は、動作例1-2-3と同様の方法により算出されるCase #7aにおけるULのTXのガードシンボル数を基準として設定され、動作例1-3において例示したような構成を有するMAC-CEにより子ノードへ通知されればよい。
【0147】
なお、本動作例によれば、Case #1及びCase #6におけるULのTXのガードシンボル数が、動作例1-2-3と同様の方法により算出されればよい。
【0148】
(3.2.3.2)動作例2-2
本動作例では、動作例1-3において例示したような構成を有するEnhanced MAC-CEを用いつつ、子ノードへガードシンボル数を通知すればよい。また、本動作例では、動作例1-3に応じて設定されるLink_parentのガードシンボル数に応じ、Link_childのガードシンボル数を設定すればよい。
【0149】
具体的には、ULのTXの送信タイミングを調整するために使用される全てのタイミングモード(Case #1、Case #6及びCase #7a)におけるガードシンボル数に応じ、ULのRXの受信タイミングを調整するために使用される各タイミングモード(Case #1、Case #6a及びCase #7)におけるガードシンボル数を設定すればよい。また、本動作例では、動作例1-3において例示したような構成を有するEnhanced MAC-CEにより、ULのTXの送信タイミングを調整するために使用される全てのタイミングモード(Case #1、Case #6及びCase #7a)におけるガードシンボル数と、ULのRXの受信タイミングを調整するために使用される全てのタイミングモード(Case #1、Case #6a及びCase #7)におけるガードシンボル数と、の組み合わせが示されればよい。
【0150】
(3.2.4)動作例3
本動作例では、IABノード及び/または子ノードにおいてサポートされているタイミングモードが親ノードに対して通知されればよい。
【0151】
具体的には、本動作例では、例えば、IABノードにおいてサポートされているULのTXのタイミングモードが、Release 16のMAC-CEまたは既述のEnhanced MAC-CEにより親ノードへ通知されるようにすればよい。すなわち、本動作例では、無線通信ノード100Bが、ULのTXの送信タイミングを動的に調整するために利用可能なタイミング調整方法(Case #1、Case #6及びCase #7a)を無線通信ノード100Aへ通知すればよい。
【0152】
また、本動作例では、例えば、IABノードにおいてサポートされているULのRXのタイミングモードが、Release 16のMAC-CEまたは既述のEnhanced MAC-CEにより親ノードへ通知されるようにすればよい。すなわち、本動作例では、無線通信ノード100Bが、ULのRXの受信タイミングを動的に調整するために利用可能なタイミング調整方法(Case #1、Case #6a及びCase #7)を無線通信ノード100Aへ通知すればよい。
【0153】
また、本動作例では、例えば、子ノードにおいてサポートされているULのTXのタイミングモードが、Release 16のMAC-CEまたは既述のEnhanced MAC-CEにより親ノードへ通知されるようにすればよい。
【0154】
(3.2.5)動作例4
本動作例では、複数のタイミングモードにおいて、互いに異なる数のガードシンボル数が使用されればよい。また、本動作例では、Link_parentにおけるタイミングモードと、Link_childにおけるタイミングモードと、に応じたガードシンボル数が設定されればよい。
【0155】
具体的には、例えば、
図13に示すような、DUにおけるULのRXに係る動作から、MTにおけるULのTXに係る動作へ遷移する場合においては、Case #1におけるULのTXのガードシンボル数と、Case #7におけるULのRXのガードシンボル数と、の和に相当するガードシンボル数が設定されればよい。
【0156】
(4)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
【0157】
IABノード(無線通信ノード100B)は、上位ノード(無線通信ノード100A)と接続する第1の無線リンク(Link_parent)における上り方向の送信(ULのTX)を行う際の送信タイミングを動的に調整するために用いられる第1のシンボル数を設定し、当該第1のシンボル数を当該上位ノードへ通知することができる。そのため、IABノードは、親ノードとの間で無線通信を行う際に、MTとDUとの同時動作の実現に必要なタイミング調整を確実に行うことができる。
【0158】
また、IABノード(無線通信ノード100B)は、下位ノード(子ノード)と接続する第2の無線リンク(Link_child)における上り方向の受信(ULのRX)を行う際の受信タイミングを動的に調整するために用いられる第2のシンボル数を設定し、当該第2のシンボル数を当該下位ノードへ通知することができる。そのため、IABノードは、子ノードとの間で無線通信を行う際に、MTとDUとの同時動作の実現に必要なタイミング調整を確実に行うことができる。
【0159】
また、IABノード(無線通信ノード100B)は、第1の無線リンク(Link_parent)における上り方向の送信(ULのTX)を行う際の送信タイミングを動的に調整する際に利用可能なタイミング調整方法(Case #1、Case #6及びCase #7a)を上位ノード(無線通信ノード100A)へ通知することができる。そのため、IABノードは、親ノードとの間で無線通信を行う際に、MTとDUとの同時動作の実現に必要なタイミング調整を確実に行うことができる。
【0160】
また、IABノード(無線通信ノード100B)は、第2の無線リンク(Link_child)における上り方向の受信(ULのRX)を行う際の受信タイミングを動的に調整する際に利用可能なタイミング調整方法(Case #1、Case #6a及びCase #7)を上位ノード(無線通信ノード100A)へ通知することができる。そのため、IABノードは、親ノードとの間で無線通信を行う際に、MTとDUとの同時動作の実現に必要なタイミング調整を確実に行うことができる。
【0161】
また、IABノード(無線通信ノード100B)は、第1の無線リンク(Link_parent)における上り方向の送信(ULのTX)を行う際の送信タイミングを動的に調整する際に利用可能な複数のタイミング調整方法において、互いに異なる数のガードシンボル数を設定することができる。そのため、そのため、IABノードは、親ノードとの間で無線通信を行う際に、MTとDUとの同時動作の実現に必要なタイミング調整を確実かつ柔軟に行うことができる。
【0162】
(5)その他の実施形態
以上、実施形態について説明したが、当該実施形態の記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0163】
上述した実施形態において、シンボル数(ガードシンボル数)は、例えば、シンボル期間、シンボル時間、スロット数、スロット期間、ガード時間、保護時間、及び、禁止時間等の語句に置き換えてもよい。
【0164】
上述した実施形態において、無線通信ノード100A(IABドナー)は、CUと、1つ以上のDUと、を有して構成されていてもよい。また、IABドナーは、gNB-CUにおいてCP(Control Plane)とUP(User Plane)とが分離されている場合には、CU-CPと、複数のCU-UPと、複数のDUと、を有して構成されていてもよい。
【0165】
例えば、上述した実施形態では、親ノード、IABノード及び子ノードの名称が用いられていたが、gNBなどの無線通信ノード間の無線バックホールと、端末との無線アクセスとが統合された無線通信ノードの構成が採用される限りにおいて、当該名称は、異なっていてもよい。例えば、単純に第1、第2ノードなどと呼ばれてもよいし、上位ノード、下位ノード或いは中継ノード、中間ノードなどと呼ばれてもよい。
【0166】
また、無線通信ノードは、単に通信装置または通信ノードと呼ばれてもよいし、無線基地局と読み替えられてもよい。
【0167】
上述した実施形態では、下りリンク(DL)及び上りリンク(UL)の用語が用いられていたが、他の用語で呼ばれてよい。例えば、フォワードリング、リバースリンク、アクセスリンク、バックホールなどの用語と置き換え、または対応付けられてもよい。或いは、単に第1リンク、第2リンク、第1方向、第2方向などの用語が用いられてもよい。
【0168】
また、上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(
図3,4)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0169】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0170】
さらに、上述したCU50、無線通信ノード100A~100C及びUE200(当該装置)は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図14は、当該装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図14に示すように、当該装置は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0171】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0172】
当該装置の各機能ブロック(
図3,4参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、または当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0173】
また、当該装置における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0174】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0175】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時または逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0176】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0177】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0178】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0179】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0180】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0181】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0182】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0183】
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0184】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0185】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0186】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0187】
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0188】
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
【0189】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0190】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0191】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0192】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0193】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0194】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0195】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0196】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0197】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0198】
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0199】
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
【0200】
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
【0201】
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0202】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0203】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0204】
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0205】
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0206】
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームはさらに時間領域において1つまたは複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0207】
ニューメロロジーは、ある信号またはチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing:SCS)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0208】
スロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0209】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0210】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、何れも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0211】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0212】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0213】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0214】
なお、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロットまたは1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0215】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partialまたはfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0216】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0217】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0218】
また、RBの時間領域は、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0219】
なお、1つまたは複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB:PRB)、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group:SCG)、リソースエレメントグループ(Resource Element Group:REG)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0220】
また、リソースブロックは、1つまたは複数のリソースエレメント(Resource Element:RE)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0221】
帯域幅部分(Bandwidth Part:BWP)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0222】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つまたは複数のBWPが設定されてもよい。
【0223】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0224】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームまたは無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロットまたはミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0225】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0226】
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0227】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0228】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0229】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0230】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0231】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0232】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0233】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0234】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0235】
10 無線通信システム
50 CU
100A, 100B, 100C 無線通信ノード
110 無線送信部
120 無線受信部
130 NW IF部
140 IABノード接続部
150 制御部
161 無線送信部
162 無線受信部
170 上位ノード接続部
180 下位ノード接続部
190 制御部
200 UE
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス