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特許7656670半導体パッケージング用チップ整列装置およびその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】半導体パッケージング用チップ整列装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20250327BHJP
   H01L 25/065 20230101ALI20250327BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20250327BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20250327BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20250327BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
H01L23/12 501P
H01L21/60 311T
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023142942
(22)【出願日】2023-09-04
(65)【公開番号】P2024036307
(43)【公開日】2024-03-15
【審査請求日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0112390
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】597060645
【氏名又は名称】コリア アトミック エナジー リサーチ インスティテュート
【氏名又は名称原語表記】KOREA ATOMIC ENERGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン チャング
(72)【発明者】
【氏名】パク ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】キム スジン
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-183456(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0012499(US,A1)
【文献】特開2014-123656(JP,A)
【文献】特開平03-175647(JP,A)
【文献】特開2016-062958(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0206652(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0042795(US,A1)
【文献】特開2022-069273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0082386(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 23/12
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体チップに放射線を照射する放射線源と、
前記複数の半導体チップを透過した前記放射線を検出する放射線センサと、
前記放射線センサにより取得した検出情報に基づいて、前記複数の半導体チップを整列し、接合させる整列部と
前記複数の半導体チップを撮影するカメラとを含み、
前記複数の半導体チップのそれぞれは、アライメントマーク、TSV(Through Silicon Via)、またはこれらの組み合わせのうち少なくとも一つを含み、
前記放射線源は、前記カメラから取得した前記アライメントマークおよび前記TSVの位置に基づいて設定される所定の領域に前記放射線を照射する、半導体チップパッケージング用整列装置。
【請求項2】
前記検出情報は、前記アライメントマークおよび前記TSVの位置情報を含み、
前記整列部は、前記位置情報に基づいて、前記複数の半導体チップを整列する、請求項1に記載の半導体チップパッケージング用整列装置。
【請求項3】
前記整列部は、前記位置情報に基づいて、前記アライメントマークの相を一致させるか、または、前記TSVの相を一致させるように、前記複数の半導体チップを整列する、請求項2に記載の半導体チップパッケージング用整列装置。
【請求項4】
前記アライメントマークおよび前記TSVは、放射線透過率が、予め設定された値より低い材質で形成される、請求項1に記載の半導体チップパッケージング用整列装置。
【請求項5】
前記複数の半導体チップは、地面を基準に上下に配置され、
前記放射線源は、前記複数の半導体チップのうち最上部に位置した半導体チップの上側に位置し、
前記放射線センサは、前記複数の半導体チップのうち最下部に位置した半導体チップの下側に位置する、請求項1に記載の半導体チップパッケージング用整列装置。
【請求項6】
ユーザが、前記検出情報を確認するためのディスプレイ部と、
前記整列部を操作するための操作部とをさらに含む、請求項1に記載の半導体チップパッケージング用整列装置。
【請求項7】
前記放射線源は、X線源である、請求項1に記載の半導体チップパッケージング用整列装置。
【請求項8】
前記放射線センサは、nm単位の解像度を有する、請求項1に記載の半導体チップパッケージング用整列装置。
【請求項9】
複数の半導体チップをカメラにより撮影するステップと、
前記複数の半導体チップに放射線を照射するステップと、
放射線センサが、前記複数の半導体チップを透過した前記放射線を検出するステップと、
前記放射線センサにより取得した検出情報に基づいて、前記複数の半導体チップを整列し、接合させるステップとを含み、
前記照射するステップが、前記カメラから取得したアライメントマークおよびTSV(Through Silicon Via)の位置に基づいて設定される所定の領域に前記放射線を照射することをさらに含み、
前記複数の半導体チップのそれぞれは、前記アライメントマーク、前記TSV、またはこれらの組み合わせのうち少なくとも一つを含む、半導体チップパッケージング用整列方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書に開示されている実施形態は、半導体チップパッケージング用整列装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人工知能技術の発達に伴い人工知能モジュールの開発研究が継続して行われており、これに伴い、工程微細化によるシングルチップの小型化に関する研究とともに、様々な機能のチップをパッケージングして多機能チップを実現することができる技術が、人工知能モジュール分野において注目を浴びている。
【0003】
このために、シリコンインターポーザ、TSVなどを活用した2.5D/3D集積技術が開発されているが、現在までは、半導体チップ同士を接合する時に(Chip to Chip Bonding)光学的方法で接合位置を確認し、接合位置を記憶して機械的に接合する方式を使用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、半導体工程において、蒸着またはパッケージングのために、半導体チップ間の整列を行う時に、予め光学的方法に依存して整列した後、機械の精密性に接合正確度を依存していた。すなわち、半導体チップ同士を接合する前に、予めカメラなどを介して光学的に位置を確認して半導体チップを整列し、一旦、整列を終了した後には、接合過程で別のさらなる整列を行っていない。したがって、機械的移動による誤差によって整列の誤差が発生し、そのため、収率が低下するという問題があった。特に、nm単位の工程では、微細な誤差だけでも不良が発生することがあり、整列の正確性を高めることができる方法が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本文書に開示されている実施形態によると、半導体チップパッケージング用整列装置は、複数の半導体チップに放射線を照射する放射線源と、地面を基準に上下に配置される複数の半導体チップと、前記複数の半導体チップを透過した前記放射線を検出する放射線センサと、前記放射線センサにより取得した検出情報に基づいて、前記複数の半導体チップを整列し、接合させる整列部とを含むことができる。
【0006】
本文書に開示されている実施形態によると、半導体チップパッケージング用整列方法は、複数の半導体チップに放射線を照射するステップと、放射線センサが複数の半導体チップを透過した前記放射線を検出するステップと、前記放射線センサにより取得した検出情報に基づいて、前記複数の半導体チップを整列し、接合させるステップとを含むことができる。
【発明の効果】
【0007】
本文書に開示されている実施形態による半導体チップパッケージング用整列装置は、複数の半導体チップの接合過程で、放射線源を検出して、半導体チップの微細整列を行い続けることで、接合の正確度を高め、それにより、半導体の生産収率を高めることができる。
【0008】
本文書に開示されている実施形態による半導体チップパッケージング用整列装置は、既存の光学的整列方式に基づく接合よりも整列の精度の向上により、パッケージング収率を高めることで、生産コストを削減し、価格競争力を向上することができる。
【0009】
本文書に開示されている実施形態による半導体チップパッケージング用整列装置は、低線量放射線を照射するか、半導体チップの全領域ではなく、アライメントマークおよび/またはTSVが位置する一部の領域にのみ放射線を透過させることにより、半導体チップの損傷を防止することができる。
【0010】
その他、本文書により直接的または間接的に把握される様々な効果が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本文書に開示されている一実施形態による半導体チップパッケージング用整列装置のブロック図である。
図2a】本文書に開示されている一実施形態による半導体チップパッケージング用整列装置の配置の例示を示す図である。
図2b】本文書に開示されている一実施形態による半導体チップパッケージング用整列装置の配置の例示を示す図である。
図3a】本文書に開示されている一実施形態によるアライメントマークの相を一致させた例示を示す図である。
図3b】本文書に開示されている一実施形態によるTSVの相を一致させた例示を示す図である。
図4】本文書に開示されている一実施形態による半導体チップパッケージング用整列方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の様々な実施形態が添付の図面を参照して記載される。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定するものではなく、本発明の実施形態の様々な変更(modification)、均等物(equivalent)、および/または代替物(alternative)を含むものと理解すべきである。
【0013】
本文書においてアイテムに対応する名詞の単数型は、関連する文脈上明白に異なるように指示しない限り、前記アイテムの一つまたは複数個を含むことができる。本文書において、「AまたはB」、「AおよびBのうち少なくとも一つ」、「AまたはBのうち少なくとも一つ」、「A、BまたはC」、「A、BおよびCのうち少なくとも一つ」および「A、B、またはCのうち少なくとも一つ」のような文章のそれぞれは、その文章のうち該当する文章にともに並べられた項目のいずれか一つ、またはそれらのすべての可能な組み合わせを含むことができる。「第1」、「第2」、または「一番目」または「二番目」のような用語は、単純に当該構成要素を他の当該構成要素と区別するために使用されることができ、当該構成要素を他の側面(例:重要性または順序)で限定しない。ある(例:第1)構成要素が他の(例:第2)構成要素に、「機能的に」または「通信的に」という用語とともに、もしくはこのような用語なしに、「カップルド」または「コネクテッド」と言及された場合、それは、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に(例:有線で)、無線で、または第3構成要素を介して連結され得ることを意味する。
【0014】
本文書で説明される構成要素のそれぞれの構成要素(例:モジュールまたはプログラム)は、単数または複数の個体を含むことができる。様々な実施形態によると、当該構成要素のうち一つ以上の構成要素または動作が省略されるか、または一つ以上の他の構成要素または動作が追加されることができる。概ねまたはさらに、複数の構成要素(例:モジュールまたはプログラム)は、一つの構成要素として統合されることができる。このような場合、統合された構成要素は、前記複数の構成要素それぞれの構成要素の一つ以上の機能を前記統合の前に前記複数の構成要素のうち当該構成要素によって行われることと同一または同様に行うことができる。様々な実施形態によると、モジュール、プログラムまたは他の構成要素によって行われる動作は、順に、並列に、繰り返して、またはヒューリスティックに実行されるか、前記動作のうち一つ以上が他の順序で実行されるか、省略されるか、または一つ以上の他の動作が追加されることができる。
【0015】
本文書で説明される構成要素のそれぞれの構成要素(例:モジュールまたはプログラム)は、単数または複数の個体を含むことができる。様々な実施形態によると、当該構成要素のうち一つ以上の構成要素または動作が省略されるか、または一つ以上の他の構成要素または動作が追加されることができる。概ねまたはさらに、複数の構成要素(例:モジュールまたはプログラム)は、一つの構成要素として統合されることができる。このような場合、統合された構成要素は、前記複数の構成要素それぞれの構成要素の一つ以上の機能を前記統合の前に前記複数の構成要素のうち当該構成要素によって行われることと同一または同様に行うことができる。様々な実施形態によると、モジュール、プログラムまたは他の構成要素によって行われる動作は、順に、並列に、繰り返して、またはヒューリスティックに実行されるか、前記動作のうち一つ以上が他の順序で実行されるか、省略されるか、または一つ以上の他の動作が追加されることができる。
【0016】
本文書で使用される用語「モジュール」、または「…部」は、ハードウェア、ソフトウェアまたはファームウェアで実現されたユニットを含むことができ、例えば、ロジック、論理ブロック、部品、または回路といった用語と互いに互換して使用されることができる。モジュールは、一体に構成された部品または一つまたはそれ以上の機能を行う、前記部品の最小単位またはその一部になることができる。例えば、一実施形態によると、モジュールは、ASIC(application-specific integrated circuit)の形態に実現されることができる。
【0017】
本文書の様々な実施形態は、機器(machine)により読み込み可能な記憶媒体(storage medium)(例:メモリ)に記憶された一つ以上の命令語を含むソフトウェア(例:プログラムまたはアプリケーション)として実現されることができる。例えば、機器のプロセッサは、記憶媒体から記憶された一つ以上の命令語のうち少なくとも一つの命令を呼び出し、それを実行することができる。これは、機器が前記呼び出された少なくとも一つの命令語に応じて少なくとも一つの機能を行うように運営されることを可能にする。上記の一つ以上の命令語は、コンパイラによって生成されたコードまたはインタプリタによって実行可能なコードを含むことができる。機器で読み込み可能な記憶媒体は、非一時的(non-transitory)記憶媒体の形態で提供されることができる。ここで、「非一時的」は、記憶媒体が顕在(tangible)する装置であり、信号(signal)(例:電磁波)を含まないことを意味するだけであって、この用語は、データが記憶媒体に半永久に記憶される場合と臨時に記憶される場合を区別しない。
【0018】
図1は、本文書に開示されている一実施形態による半導体チップパッケージング用整列装置のブロック図である。
【0019】
図1を参照すると、半導体チップパッケージング用整列装置1は、放射線源100、複数の半導体チップ200、放射線センサ300および整列部400を含むことができる。
【0020】
半導体チップパッケージング用整列装置1は、半導体を生産するための一連の工程で、パッケージング工程を行うことができ、パッケージング工程は、例えば、蒸着工程、食刻(エッチング)工程、露光工程などを経た後、行われることができる。
【0021】
実施形態によると、放射線源100は、複数の半導体チップ200に放射線を照射することができる。放射線源100は、放射性元素の崩壊から放射線を放出する装置または物質あるいは加速した電子を標的と衝突させてX線を発生させるX線発生装置を含むことができる。半導体チップパッケージング用整列装置1は、放射線源100から放出される放射線を複数の半導体チップ200に照射するために、複数の半導体チップ200が位置した方向以外の他の方向には遮蔽体を含むことができる。
【0022】
実施形態によると、放射線源100は、X線源であることができる。X線は、10nm~0.01nmの波長を有することができ、半導体チップの厚さに因る誤差がほとんどなく、半導体チップを透過することができ、放射線センサ300が、半導体チップを透過した放射線を検出することができる。したがって、半導体チップパッケージング用整列装置1は、nm単位の半導体パッケージング工程においても、半導体チップの整列を確認することができ、半導体チップ間の整列誤差による不良率を低減して、収率を著しく高めることができる。
【0023】
実施形態によると、複数の半導体チップ200は、パッケージングのために整列して、接合(Bonding)するための2個以上の半導体チップを含むことができる。複数の半導体チップ200は、半導体パッケージングに構成される各種の半導体チップを含むことができる。
【0024】
複数の半導体チップ200に含まれたそれぞれの半導体チップは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリ、またはPRAM(Phase-change Random Access Memory)、MRAM(Magneto-resistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、またはRRAM(Resistive Random Access Memory)のような不揮発性メモリであることができる。
【0025】
複数の半導体チップ200のそれぞれは、複数の個別素子で構成される半導体素子であることができ、複数の個別素子(individual devices)は、様々な微細電子素子(microelectronics devices)、例えば、CMOSトランジスタ(complementary metal-insulator-semiconductor transistor)などのMOSFET (metal-oxide-semiconductor field effect transistor)、システム LSI (large scale integration)、CIS(CMOS imaging sensor)などのイメージセンサ、MEMS (micro-electro-mechanical system)、能動素子および/または受動素子などを含むことができる。
【0026】
複数の半導体チップ200のそれぞれは、ロジック半導体チップおよび/またはメモリ半導体チップを含むことができる。例えば、ロジック半導体チップは、AP(Application Processor)、マイクロプロセッサ(micro-processor)、CPU(Central Processing Unit)、コントローラー、GPU(Graphic Processor Unit)、NPU(Neural Processing Unit)、HBM(High Bandwidth Memory)、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを含むことができる
【0027】
実施形態によると、放射線センサ300は、複数の半導体チップ200を透過した放射線を検出することができる。放射線センサ300は、放射線を検出する検出器を含むことができる。例えば、放射線センサ300は、放射線源100から放出された粒子(例えば、光子)が衝突することで生じる電流または電圧の変化を感知して放射線を検出することができる。一例として、放射線センサ300は、放射線源100から放出された粒子の衝突による電流を感知することができ、このときに発生した電流の積分値は、放射線センサ300に入射した放射線エネルギーに比例することができる。
【0028】
放射線センサ300は、複数の半導体チップ200を透過した放射線を検出して検出情報を取得することができる。検出情報は、例えば、放射線の計数率、放射線エネルギーなどを含むことができる。
【0029】
例えば、放射線センサ300は、複数の半導体チップ200の領域を含む特定の領域で放射線を検出することができ、ここで、放射線センサ300は、特定の領域の各地点に入射する放射線粒子の計数率を検出することができる。ここで、複数の半導体チップ200の領域は、複数の半導体チップ200に垂直に光を照射する時に生じる相の領域を含むことができる。ここで、放射線センサ300は、各地点の計数率に基づいて、視覚化イメージを生成することができる。一例として、放射線センサ300は、計数率が高いほど放射線が多く透過されたものであるため、当該領域を濃く表示し、計数率が低いほど放射線が少なく透過されたものであるため、当該領域を透明に表示するなどにより、陰影効果を用いて、視覚化イメージを生成することができる。このために、放射線センサ300は、検出情報を視覚化するためのイメージセンサを含むことができる。半導体チップパッケージング用整列装置1のユーザは、放射線センサ300によって視覚化したイメージを確認して、複数の半導体チップ200の整列可否を確認することができる。
【0030】
実施形態によると、放射線源100は、X線源であることができ、放射線センサ300は、放射線源から照射された放射線を検出して鮮明に視覚化できるように、nm単位の解像度を有することができる。例えば、放射線センサ300は、3nm以下の解像度を有することができる。一例として、X線は、0.1~10nmの波長を有するため、放射線センサ300は、X線を効果的に検出できるように、10nm以下の解像度を有することができる。また、放射線センサ300は、使用する放射線源100に応じて互いに異なる解像度を有するセンサを使用することができる。
【0031】
実施形態によると、整列部400は、放射線センサ300によって取得した検出情報に基づいて、複数の半導体チップ200を整列して接合させることができる。例えば、整列部400は、複数の半導体チップ200の各半導体チップの相を一致させるように整列することができる。このために、整列部400は、複数の半導体チップ200のうち少なくとも一つの位置を変更するための移動装置(図示せず)を含むことができる。例えば、移動装置は、ロボットアームまたはナノステージを含むことができ、整列部400は、ロボットアームで特定の半導体チップを把持するか、ナノステージを用いて移動させることができる。
【0032】
整列部400は、検出情報に基づいて、ユーザが直接複数の半導体チップ200の位置を変更するように操作することもでき、プログラム、ソフトウェアなどによって自動で複数の半導体チップ200の位置を変更するように操作することもできる。一例として、整列部400は、一般的に、自動で複数の半導体チップ200の位置を整列し、緊急状況や故障など特別な状況において、ユーザが介入して整列部400を受動で操作し、複数の半導体チップ200の位置を整列することが可能である。
【0033】
半導体チップパッケージング用整列装置1は、複数の半導体チップ200の間の接合のために、シリコンインターポーザ、伝導性バンプ、はんだボール、連結パッド、絶縁性接着層などの付加の構成を含むことができる。また、複数の半導体チップ200の間の接合は、金属による直接ボンディング、オキシドボンディング、および/またはボンディングパッドの直接接触などの様々な接触方式により可能になる。
【0034】
図2aおよび図2bは、本文書に開示されている一実施形態による半導体チップパッケージング用整列装置の配置の例示を示す図である。
【0035】
図3aは、本文書に開示されている一実施形態によるアライメントマークの相を一致させた例示を示す図である。図3bは、本文書に開示されている一実施形態によるTSVの相を一致させた例示を示す図である。
【0036】
図2aおよび図2bを参照すると、半導体チップパッケージング用整列装置1は、複数の半導体チップ200を上下に配置して整列することができる。
【0037】
実施形態によると、複数の半導体チップ200のそれぞれは、アライメントマーク、TSV(Through Silicon Via)、またはこれらの組み合わせのうち少なくとも一つを含むことができる。例えば、複数の半導体チップ200は、全てがアライメントマークを含むか、または全てがTSVを含むことができる。
【0038】
アライメントマークは、複数の半導体チップ200を整列するために、各半導体チップの特定の領域に形成されるマークを含むことができる。TSVは、半導体チップの接合時に、互いの間の電気的連結のために形成されたスルーホールを含むことができる。TSVは、複数の半導体チップ200の微細な孔を介して複数の半導体チップ200の内部で電極で連結して電気的信号を伝達することができる。アライメントマークおよびTSVは、半導体チップパッケージング用整列装置1を使用するパッケージング工程の前の露光工程、蒸着工程などの工程で生成されることができる。
【0039】
アライメントマークおよびTSVは、複数の半導体チップ200を整列するために、半導体チップそれぞれの特定の位置に形成されることができる。ここで、半導体チップパッケージング用整列装置1は、アライメントマーク(または相)の位置を一致させると、複数の半導体チップ200が整列される結果になることができるように、アライメントマークを形成することができる。同様に、半導体チップパッケージング用整列装置1は、TSV(または相)の位置を一致させると、複数の半導体チップ200が整列される結果になることができるように、TSVを形成することができる。
【0040】
実施形態によると、放射線センサ300の検出情報は、アライメントマークおよびTSVの位置情報を含むことができる。ここで、整列部400は、アライメントマークおよびTSVの位置情報に基づいて、複数の半導体チップ200を整列することができる。
【0041】
実施形態によると、整列部400は、アライメントマークの相を一致させるか、または、TSVの相を一致させるように、複数の半導体チップ200を整列することができる。例えば、複数の半導体チップ200がアライメントマークを含む場合、整列部400は、アライメントマークの相を一致させるように、複数の半導体チップ200を整列することができ、TSVを含む場合、TSVの相を一致させるように、複数の半導体チップ200を整列することができる。一例として、TSVは、各半導体チップの同じ位置に形成されることができ、この場合、整列部400は、TSVの位置を一致させるように、複数の半導体チップ200を整列することができる。他の例として、TSVは、各半導体チップの同じ位置に形成されないこともあり、一端と他端が連結されるように、複数の半導体チップ200の位置を調整して整列することができる。
【0042】
例えば、図2aにおいて、第1半導体チップ200_1は、第1アライメントマーク210_1を含むことができ、第2半導体チップ200_2は、第2アライメントマーク210_2を含むことができる。ここで、第1アライメントマーク210_1と第2アライメントマーク210_2は、その位置が一致するか否かを確認できるように、互いに同様な形状を有することができる。一例として、図3aにおいて、第1アライメントマーク210_1は、十字の形状をし、第2アライメントマーク210_2は、四角形の形状をし、第1アライメントマーク210_1の相が第2アライメントマーク210_2の相に接するか否かを確認して、複数の半導体チップ200_1、200_2の位置を整列することができる。図2aには、2個の半導体チップ200_1、200_2を図示しているが、半導体チップの個数は、制限されず、アライメントマーク210_1、210_2の形成位置および形状も制限されないと言える。
【0043】
また、図2bを参照すると、第1半導体チップ200_1は、第1TSV220_1を含むことができ、第2半導体チップ200_2は、第2TSV220_2を含むことができる。ここで、第1TSV220_1と第2TSV220_2は、例えば、同じ位置に形成され、第1TSV220_1と第2TSV220_2を垂直に連結することで、第1半導体チップ200_1と第2半導体チップ220_2を整列することができる。一例として、図3bにおいて、第1TSV220_1と第2TSV220_2は円筒状の構造を有することができ、放射線センサ300によって検出された第1TSV220_1および第2TSV220_2の相は、円形の相が重なることができる。図3bにおいて、第1TSV220_1および第2TSV220_1の相が一部間隔を置くように図示されているが、これは、区分の便宜のためであって、第1TSV220_1および第2TSV220_2の相は、完全に重なっていてもよい。図2bでは、2個の半導体チップ200_1、200_2を図示しているが、半導体チップの個数は、制限されず、TSV220_1、220_2の形成位置および形態も制限されないと言える。
【0044】
実施形態によると、アライメントマークおよびTSVは放射線源100から放出された放射線透過率が予め設定された値より低い材質で形成されることができる。ここで、予め設定された値は、放射線センサ300が放射線を検出したときに、透過率が低い材質部分であることを確認できるように設定されることができる。例えば、アライメントマークおよびTSVは、ニッケル、スズなど、X線透過率が低く、吸収率が高い材質で形成されることができる。この場合、放射線センサ300が複数の半導体チップ200を透過した放射線を検出するときに、アライメントマークおよびTSVが形成された位置に該当する部分では、放射線が検出されないか、少なく検出され、これにより、複数の半導体チップ200それぞれのアライメントマークおよびTSVの位置情報を把握することができる。これにより、半導体チップパッケージング用整列装置1は、アライメントマーク(または相)の位置を一致させるか、TSV(または相)の位置を一致させることにより、複数の半導体チップ200を整列することができる。半導体チップパッケージング用整列装置1は、別のアライメントマークを用いることなく、チップ間の電気的連結のために構成されるTSVを整列に用いることができる。
【0045】
実施形態によると、複数の半導体チップ200は、各半導体チップが、地面を基準に上下に配置されることができる。これは、半導体パッケージングにおいて3D接合のためのものと理解することができる。ここで、放射線源100は、複数の半導体チップ200のうち最上部に位置した半導体チップの上側に位置し、放射線センサ300は、複数の半導体チップ200のうち最下部に位置した半導体チップの下側に位置することができる。このように配置することにより、放射線センサ300は、放射線源100から放出されて複数の半導体チップ200を透過した放射線を検出し、検出情報を取得することができる。
【0046】
実施形態によると、半導体チップ整列装置1は、複数の半導体チップ200を撮影するカメラ(図示せず)をさらに含むことができる。カメラは、複数の半導体チップ200それぞれに含まれたアライメントマークおよびTSVを撮影することができる。例えば、カメラは複数の半導体チップ200の第1半導体チップと第2半導体チップの上部に挿入して第1半導体チップの下部と第2半導体チップの上部を撮影するなどにより、複数の半導体チップ200を撮影することができる。カメラは両面を同時に撮影できるように、複数のレンズを含むことができる。
【0047】
実施形態によると、放射線源100は、カメラから取得したアライメントマークおよびTSVの位置に基づいて設定された所定の領域に放射線を放出することができる。
【0048】
半導体チップの場合、放射線が透過する過程で一部電子の励起などによって半導体チップに含まれた半導体素子などに影響を与えることができる。半導体素子などの場合、微細な影響にも大きい影響を受ける敏感な部品に該当するため、放射線源の透過時に、半導体チップが損傷する可能性を最初から排除することができない。したがって、半導体チップパッケージング用整列装置1は、半導体チップの全領域ではなく、アライメントマークおよび/またはTSVが位置する一部の領域にのみ放射線を透過させることにより、半導体チップの損傷を防止することができる。場合に応じて、半導体チップパッケージング用整列装置1は、半導体チップの全領域に放射線を照射することもできるが、ここで、低線量放射線源を使用して、半導体チップの損傷を最小化することができる。
【0049】
所定の領域は、複数の半導体チップ200のそれぞれに互いに異なって設定されることができ、複数の半導体チップ200のそれぞれに含まれるアライメントマークおよび/またはTSVの形成位置を含むように設定されることができる。ここで、複数の半導体チップ200の各アライメントマークおよび/またはTSVは、放射線が照射される方向と直交する平面で同じ座標を有するように形成されることができる。
【0050】
一実施形態によると、半導体チップパッケージング用整列装置1は、1次的にカメラで撮影した複数の半導体チップ200の位置に基づいて、複数の半導体チップ200を光学的に整列することができる。ここで、複数の半導体チップ200を光学的に整列することも複数の半導体チップ200に含まれたアライメントマークまたはTSVの位置を一致させる過程により行われることができる。また、半導体チップ整列装置1は、光学的整列後、放射線検出による微細整列を行うために、放射線源100を照射するための所定の領域を設定することができる。これにより、半導体チップパッケージング用整列装置1は、放射線センサ300の検出情報に基づいて、複数の半導体チップ200の微細整列を行うことができる。
【0051】
実施形態によると、半導体チップパッケージング用整列装置1は、複数の半導体チップ200のそれぞれに形成されたアライメントマークおよび/またはTSVの位置座標を格納するデータベースまたはメモリを含むことができる。各アライメントマークおよび/またはTSVの位置座標は、当該アライメントマークおよび/またはTSVが形成される時に、データベースまたはメモリに格納されることができる。ここで、整列部400は、格納されたアライメントマークおよび/またはTSVの座標に基づいて、複数の半導体チップ200の整列を行うことができる。例えば、半導体チップパッケージング用整列装置1は、1次的にデータベースまたはメモリに格納された位置座標に基づいて、複数の半導体チップ200を整列し、放射線源100を使用して、複数の半導体チップ200の微細整列を行うことができる。
【0052】
実施形態によると、半導体チップパッケージング用整列装置1は、ユーザが検出情報を確認することができるディスプレイ部(図示せず)をさらに含むことができる。ここで、放射線センサ300は、検出情報をユーザが確認することができるように、視覚化して提供することができ、ユーザは、ディスプレイ部を介して視覚化した検出情報を確認することができる。ユーザは、これを確認し、リアルタイムで複数の半導体チップ200の整列可否を確認し、場合に応じて、整列部400を直接操作して、複数の半導体チップ200を整列することも可能である。
【0053】
半導体チップパッケージング用整列装置1は、このように、複数の半導体チップ200の整列および接合により、半導体パッケージングを行うことができる。半導体チップパッケージング用整列装置1は、複数の半導体チップ200を含む半導体パッケージを生産することができ、半導体パッケージは、互いに異なる種類の複数の半導体チップ200が互いに電気的に連結され、一つのシステムで動作するシステムインパッケージ(System In Package、SIP)であることができる。
【0054】
図4は、本文書に開示されている一実施形態による半導体チップパッケージング用整列方法を説明するためのフローチャートである。
【0055】
図4を参照すると、半導体チップ整列方法は、複数の半導体チップに放射線を照射するステップ(S100)と、放射線センサが複数の半導体チップを透過した放射線を検出するステップ(S200)と、放射線センサにより取得された検出情報に基づいて、複数の半導体チップを整列し、接合するステップ(S300)とを含むことができる。
【0056】
S100ステップにおいて、放射線源100が、複数の半導体チップ200に放射線を照射することができる。
【0057】
S200ステップにおいて、放射線センサ300は、複数の半導体チップ200を透過した放射線を検出することができる。
【0058】
S300ステップにおいて、整列部400は、放射線センサ300によって取得した検出情報に基づいて、複数の半導体チップ200を整列し、接合することができる。ここで、検出情報は、複数の半導体チップ200に含まれたアライメントマークおよび/またはTSVの位置情報を含むことができる。
【0059】
以上、本文書に開示されている実施形態を構成するすべての構成要素が一つに結合するか、結合して動作するものと説明されているとして、本文書に開示されている実施形態が必ずしもこのような実施形態に限定されるものではない。すなわち、本文書に開示されている実施形態の目的の範囲内であれば、そのすべての構成要素が一つ以上に選択的に結合して動作することもできる。
【0060】
また、以上で記載した「含む」、「構成する」、または「有する」などの用語は、特に逆の意味の記載がない限り、当該構成要素を内在し得ることを意味し、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得るものと解釈すべきである。技術的や科学的な用語を含むすべての用語は、異なるように定義されない限り、本文書に開示されている実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。辞書に定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈すべきであり、本文書で明白に定義しない限り、理想的もしくは過剰に形式的な意味に解釈されない。
【0061】
以上の説明は、本文書に開示されている技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本文書に開示されている実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本文書に開示されている実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能である。したがって、本文書に開示されている実施形態は、本文書に開示されている実施形態の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであって、このような実施形態によって本文書に開示されている技術思想の範囲が限定されない。本文書に開示されている技術思想の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解釈すべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本文書の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0062】
100 放射線源
200 複数の半導体チップ
200_1 第1半導体チップ
200_2 第2半導体チップ
210_1 第1アライメントマーク
210_2 第2アライメントマーク
220_1 第1TSV
220_2 第2TSV
300 放射線センサ
400 整列部
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4