(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】バックライトモジュール及びディスプレイ画面
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20250327BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20250327BHJP
F21V 7/05 20060101ALI20250327BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20250327BHJP
H10H 20/00 20250101ALI20250327BHJP
F21Y 105/16 20160101ALN20250327BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20250327BHJP
【FI】
F21S2/00 484
F21S2/00 482
F21S2/00 481
F21V7/00 510
F21V7/00 530
F21V7/05
G02F1/13357
H10H20/00 L
F21Y105:16
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2023532468
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 CN2021133915
(87)【国際公開番号】W WO2022111679
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】202011384672.9
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】オウヤン,シホォン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,イウエン
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0147081(US,A1)
【文献】特開2015-176780(JP,A)
【文献】特開2020-4895(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0061796(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0250350(US,A1)
【文献】特開2013-171767(JP,A)
【文献】特開2019-046789(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109427758(CN,A)
【文献】特開平11-329034(JP,A)
【文献】特開2005-275013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 7/00
G02F 1/13357
H10H 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトモジュールであって、
アレイ状に配置された複数の発光領域を有する基板と、
前記複数の発光領域に1対1の対応で配置される複数の光源アセンブリと、を備え、
各光源アセンブリは、アレイ状に配置された複数の光源部材を備え、各光源部材は、発光ユニットと、反射フィルムとを備え、前記反射フィルムは、テーパー面であり、前記反射フィルムのテーパー先端が、前記発光ユニットの上部発光面に面するよう配置され、前記反射フィルムは、前記発光ユニットの上部から放出された光を
反射するよう構成され、
各光源アセンブリは、前記光源部材が配置される発光領域の中心に向かって、前記反射フィルムによって
反射される光の割合が、前記光源部材が配置される前記発光領域の中心から端への方向に徐々に増加するように構成される、
バックライトモジュール。
【請求項2】
各光源アセンブリは、前記発光ユニットの中心線と、前記反射フィルムの前記テーパー先端が位置し、かつ前記基板の厚さ方向に前記基板を通る直線との間の距離が、前記発光領域の中心から離れる方向に徐々に大きくなるように構成され、前記発光ユニットの前記中心線は、前記基板の前記厚さ方向に前記発光ユニットの中心を通る直線である、
請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項3】
前記発光領域の中心線と、前記反射フィルムのテーパー先端が位置し、かつ前記基板の厚さ方向に前記基板を通る直線との間の距離が第1距離であり、前記発光領域の前記中心線と、前記反射フィルムに対応する前記発光ユニットの前記中心線との間の距離が第2距離である場合、前記第1距離は前記第2距離より大きく、前記発光領域の前記中心線は、前記基板の前記厚さ方向に前記発光領域の中心を通る直線である、
請求項2に記載のバックライトモジュール。
【請求項4】
第1平面における前記反射フィルムの前記テーパー先端の突起と、前記第1平面における前記発光領域の中心の突起との間の接続線が第1接続線であり、前記反射フィルムに対応する前記発光ユニットの前記中心線は第1接続線と交差し、前記第1平面は前記基板の表面と平行である、
請求項2又は3に記載のバックライトモジュール。
【請求項5】
複数の光透過孔が前記反射フィルムに設けられる、
請求項1乃至4のいずれかに一項に記載のバックライトモジュール。
【請求項6】
前記複数の光透過孔が前記反射フィルムに均等に配置される、
請求項5に記載のバックライトモジュール。
【請求項7】
前記反射フィルムは、透明接着剤を使用することにより、前記発光ユニットの前記上部発光面に接着される、
請求項1乃至6のいずれかに一項に記載のバックライトモジュール。
【請求項8】
各光源部材は、前記反射フィルムを覆う平坦層を更に含む、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のバックライトモジュール。
【請求項9】
拡散フィルム及びプリズム輝度増強フィルムを更に備え、前記拡散フィルム及び前記プリズム輝度増強フィルムは、積み重ねて配置され、前記拡散フィルムは、前記プリズム輝度増強フィルムよりも前記複数の光源アセンブリに近い、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のバックライトモジュール。
【請求項10】
各発光領域は、ディスプレイ画面のディスプレイ層の表示領域と一対一の対応である、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のバックライトモジュール。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のバックライトモジュールを備え、液晶層及びバックライトモジュールが積み重ねられる、ディスプレイ画面。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年11月30日に中国国家知識産権局に出願された「BACKLIGHT MODULE AND DISPLAY SCREEN」と題された中国特許出願第202011384672.9号に対する優先権を主張しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
技術分野
本出願は、ディスプレイ装置技術の分野に関し、特にバックライトモジュール及びディスプレイ画面に関する。
【背景技術】
【0003】
液晶ディスプレイが機能するとき、液晶材料自体は発光せず、受動光源に頼る必要がある。光源は、背面から液晶パネルに照射される必要があり、発光出力は、画像を形成するように制御される。現在、市場で主流の液晶バックライト技術は、発光ダイオードを光源として使用し、主流の構造はサイド型バックライトモジュールとダイレクト型バックライトモジュールである。
【0004】
サイド型バックライトモジュールは、光源をモジュールの側面に配置する。光が側面から入射した後、光は導光板を通過する。光は導光板を使用することによって散乱され、光は徐々に結合され、均一に放出されて表面光源を形成する。サイド型バックライトモジュールは、軽くて薄いという利点がある。しかしながら、均一な発光を保証するためにはすべての光源を常にオンにする必要があり、画像領域の明るさに基づいて光源の発光を調整することはできない。
【0005】
ダイレクト型バックライトモジュールは、光源をパネルの下に直接配置する。光源はアレイ状に均一に配置される。光はディスプレイパネルの下からディスプレイパネルに直接入射し、ディスプレイパネル上に均一な照明を形成する。加えて、バックライトモジュールの光源は、ディスプレイパネルの下に直接配置される。したがって、異なる光源の明るさの程度は、表示される画像の明るさの程度に基づいて制御され得る。しかしながら、光源の拡散範囲が比較的広いため、ディスプレイパネル上の1つの領域を点灯させると、大きな範囲のハロー(halo)が形成される。このようなハローは、ハイライトされたオブジェクトが黒い背景で表示されるときに、明らかなハローを引き起こす。これにより、ローカル表示比較効果が減少する。
【0006】
人々の生活の質が向上するにつれて、液晶ディスプレイのディスプレイ要件が高くなる。しかしながら、既存の2つのバックライトモジュールはいずれも良好な画像領域の表示比較効果を確保することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願は、バックライトモジュールとディスプレイ画面を提供し、バックライトモジュールの発光効果を向上させ、ディスプレイ画面のディスプレイ効果を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の側面によると、バックライトモジュールが提供される。バックライトモジュールは、ディスプレイ装置に適用され、ディスプレイ装置に光を提供するよう構成される。バックライトモジュールは、基板と光源アセンブリを含む。基板は複数の発光領域を有し、該複数の発光領域は、アレイ状に配置される。複数の光源アセンブリが存在し、複数の光源アセンブリは、1対1の対応で複数の発光領域に配置される。各光源アセンブリは、アレイ状に配置された複数の光源部材(light source member)を含む。各光源部材は、発光ユニットと、該発光ユニットによって放出された光を分裂させるよう構成される反射フィルムとを含む。反射フィルムが配置されるとき、以下の条件を満たす必要がある:すなわち、発光領域の中心に向かって反射フィルムによって分裂される光の割合は、光源部材が配置される発光領域の中心から端への方向に徐々に増加する。このように、光源アセンブリによって放出される光は、発光領域における良好な光混合効果を有する。これは、バックライトモジュールの発光効果を向上させる。加えて、反射フィルムを使用することによって光分裂が行われるため、バックライトモジュールの小型化を容易にする。
【0009】
具体的な実装解決策では、反射フィルムは、対応する発光ユニットの発光側に配置され、反射フィルムは、発光ユニットの上部発光面に面しており、発光ユニットの上部から放出された光を分裂させるよう構成される。発光ユニットの上部から放出された光は、反射フィルムを使用することによって混合される。
【0010】
具体的な実装解決策では、反射フィルムは、テーパー面であり、反射フィルムのテーパー先端は、対応する発光ユニットの上部発光面に面しており、対応する発光ユニットの中心線と、反射フィルムのテーパー先端が位置し、かつ発光ユニットに対して垂直な直線との間の距離が、発光領域の中心から離れる方向に徐々に大きくなる。発光ユニットの中心線は、基板の厚さ方向に発光ユニットの中心を通る直線である。テーパー面は光を分裂させるために使用される。
【0011】
具体的な実装解決策では、テーパー面は、円錐テーパー面、三角錐面及び角錐面のような異なるテーパー面である。光の分裂に異なるテーパー面を選択することができる。
【0012】
具体的な実装解決策では、発光領域の中心線と、反射フィルムのテーパー先端が位置し、かつ基板の厚さ方向に基板を通る直線との間の距離が第1距離であり、発光領域の中心線と、反射フィルムに対応する発光ユニットの中心線との間の距離が第2距離である場合、第1距離は第2距離より大きい。発光領域の中心線は、基板の厚さ方向に発光領域の中心を通る直線である。テーパー面の形状を設定することによって、発光ユニットの分裂光の割合が向上する。
【0013】
具体的な実装解決策では、第1平面における反射フィルムのテーパー先端の突起(projection)と、第1平面における発光領域の中心の突起との間の接続線は、第1接続線である。反射フィルムに対応する発光ユニットの中心線は第1接続線と交差し、第1平面は基板の表面と平行である。これは光分裂効果を向上させる。
【0014】
具体的な実装解決策では、複数の光透過孔が、反射フィルムに設けられる。光透過孔は光分裂効果を向上させることができる。
【0015】
具体的な実装解決策では、複数の光透過孔が反射フィルムに均等に配置される。これは光分裂効果を向上させる。
【0016】
具体的な実装解決策では、反射フィルムは、透明接着剤を使用することにより、発光ユニットの上部発光面に接着される。このようにして、反射フィルムは発光ユニットに相対的に固定される。
【0017】
具体的な実装解決策では、各光源部材は、反射フィルムを覆う平坦層(flat layer)を更に含む。これは、光源部材の処理を容易にする。
【0018】
具体的な実装解決策では、平坦層は透明構造であり、反射フィルムは平坦層の上に配置されためっき層である。
【0019】
具体的な実装解決策では、平坦層は反射性白色接着剤であり、反射フィルムは、対応する発光ユニットに面した反射性白色接着剤の表面である。
【0020】
具体的な実装解決策では、バックライトモジュールは、拡散フィルム及びプリズム輝度増強フィルム(prism brightness enhancement film)を更に含む。拡散フィルム及びプリズム輝度増強フィルムは、積み重ねて配置され、拡散フィルムは、プリズム輝度増強フィルムよりも複数の光源アセンブリに近い。これにより、バックライトモジュールの光混合効果が更に向上する。
【0021】
具体的な実装解決策では、各発光領域は、ディスプレイ画面の表示領域と一対一の対応である。これにより、ディスプレイ装置の表示効果が向上する。
【0022】
第2の側面によると、ディスプレイ画面が提供される。ディスプレイ画面は、上記の説明のいずれか1つによるバックライトモジュールを含み、液晶層及びバックライトモジュールが積み重ねられる。反射フィルムを使用することにより光分裂が行われる。発光領域の中心に向かって反射フィルムによって分裂される光の割合は、光源部材が位置する発光領域の中心から端への方向に徐々に増加する。このように、光源アセンブリによって放出される光は、発光領域における良好な光混合効果を有する。これは、バックライトモジュールの発光効果を向上させる。加えて、反射フィルムを使用することによって光分裂が行われるため、バックライトモジュールの小型化を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【0024】
【
図2】ディスプレイ装置のディスプレイパネルの構造の概略図である。
【0025】
【
図3】本出願の一実施形態によるバックライトモジュールの構造の概略図である。
【0026】
【
図4】本出願の一実施形態によるLED光源アレイの構造の概略図である。
【0027】
【
図5】本出願の一実施形態による光源部材の構造の概略図である。
【0028】
【
図6】本出願の一実施形態による、光源部材の反射フィルムのテーパー先端と、光源部材の中心線との協調の概略図である。
【0029】
【
図7】本出願の一実施形態による、光源部材の中心点と、反射フィルムのテーパー先端と、発光領域の中心点との協調の概略図である。
【0030】
【
図8】本出願の一実施形態による光源部材の構造の概略図である。
【0031】
【
図9】本出願の一実施形態による別の光源部材の構造の概略図である。
【0032】
【
図10】本出願の一実施形態による別の光源部材の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、添付図面を参照して本出願の実施形態を更に説明する。
【0034】
本出願の実施形態で提供されるバックライトモジュールの理解を容易にするために、本出願におけるバックライトモジュールの適用シナリオを最初に説明する。バックライトモジュールはディスプレイ装置に適用され、表示のために、ディスプレイ装置に光を提供するよう構成される。
図1に示されるように、ディスプレイ装置は、バックライトモジュール1、ポラライザ2、駆動制御回路3、ディスプレイ層4及びカラーフィルタ5を含む。バックライトモジュール1は、均一な白色光面光源をディスプレイ装置に提供する。ポラライザ2は、バックライトモジュールによって放出される光の偏光状態を特定の線形偏光状態へと調整する。駆動制御回路3は、ディスプレイ層4内の液晶材料分子を偏向させるよう電圧信号を制御し、それにより、入射光の偏光方向を変化させる。カラーフィルタ5は、画素の光色を変化させる。
【0035】
図2は、ディスプレイ装置のディスプレイパネルの構造の概略図である。ディスプレイ層10が表示を行うとき、ディスプレイ層10は、表示される画像に基づいて、異なる表示領域に分割されることがある。例えば各画素が1つの表示領域11であるか、複数の画素が1つの表示領域11を形成する。
図2は、複数の表示領域11をアレイ状に配置する方法の例を示す。しかしながら、
図2は、表示領域11の分割の具体的な例を示すものにすぎないことを理解されたい。表示された画像に基づく分割によって、異なる表示領域が得られることがある。画像を表示するとき、光は異なる表示領域11で変化する。ディスプレイ装置が画像を表示するときの画像領域の表示比較効果を向上させ、ディスプレイ装置の表示効果を向上させるために、異なる表示領域を通過する光の干渉をできるだけ減少させる必要がある。しかしながら、従来技術で提供されるダイレクト型バックライトモジュールとサイド型バックライトモジュールのいずれも、良好な光を提供することができない。したがって、本出願の実施形態は、ディスプレイ装置の画像領域の比較効果を提供するためにバックライトモジュールを提供する。以下では、具体的な添付図面及び実施形態を参照して、バックライトモジュールについて詳細に説明する。
【0036】
図3は、本出願の実施形態によるバックライトモジュールの構造の概略図である。本出願のこの実施形態で提供されるバックライトモジュールは、ダイレクト型バックライトモジュールである。ダイレクト型バックライトモジュールは、基板20、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)光源アレイ30、拡散フィルム40及びプリズム輝度増強フィルム50のような構成要素を含む。拡散フィルム40は、プリズム輝度増強フィルム50よりも光源アレイ30に近い。
【0037】
基板20は、LED光源アレイ30を支え、LED光源アレイ30に電力を供給するよう構成される。LED光源アレイ30は、ディスプレイ層10に光を提供するよう構成されており、それにより、ディスプレイ層10は、表示のために光を発する。拡散フィルム40は、光の均質化を更に実装し、光混合効果を向上させる。プリズム輝度増強フィルム50は、光の前方輝度(前方(forward)とは、バックライトモジュールがディスプレイ層10を指す方向を意味する)を向上させ、均一な白色光面光源をディスプレイ層10に提供する。
【0038】
なお、本出願のこの実施形態において、拡散フィルム40及びプリズム輝度増強フィルム50は任意のフィルム層であることを理解されたい。拡散フィルム40又はプリズム輝度増強フィルム50は、本出願のこの実施形態で提供されるバックライトモジュールでは、光混合要件に基づいて選択的に配置され得る。もちろん、拡散フィルム40又はプリズム輝度増強フィルム50に加えて、バックライトモジュールは、要件に基づいて、別の従来の層構造を更に選択してもよく、これは、本出願のこの実施形態において1つずつ例示されていない。
【0039】
図4は、LED光源アレイの構造の概略図である。
図2に示されるディスプレイ層の異なる領域の分割に基づいて、バックライトモジュールでも領域分割が行われる。基板20は複数の発光領域21に分割されてよい。複数の発光領域21はアレイ状に配置され、ディスプレイ画面の表示領域と1対1に対応し、これに対応して各表示領域に光を提供する。
【0040】
基板20が複数の発光領域21に分割されると、対応するLED光源アレイも分割される。LED光源アレイは、複数の光源アセンブリに分割される。複数の光源アセンブリは、1対1の対応で複数の発光領域21に配置される。各光源アセンブリは、複数の光源部材31を含む。本出願のこの実施形態では、複数の光源部材31がアレイ状に配置されている。以下では、光源アセンブリのうちの1つを説明のための例として使用する。
【0041】
光源アセンブリは、アレイ状に配置された複数の光源部材31を含む。光混合効果を向上させるために、本出願のこの実施形態では、光源部材31の位置に基づいて、光源部材31の発光方向が調整される。具体的な調整解決策は以下のとおりである:すなわち、発光領域21の中心に位置する光源部材31が、周囲に光を放出し、発光領域21の端に位置する光源部材31が、発光領域21の内側に向かって光を放出する。
【0042】
図4に示される光源部材31の周囲の直線を参照されたい。直線で示される方向は、光源部材31に対応する発光方向である。直線の量は発光の量を表す。
図4から、中央に位置する光源部材31は、周囲に光を放出し、発光領域21の端に位置する光源部材31は、発光領域21の端で発光領域21の内側に向かって光を放出することがわかる。加えて、発光領域21の端に位置する光源部材31は、隣接する発光領域21に向かって放出する光が少ないか、発光しない。これにより、2つの発光領域21の間の光クロストークが減少する。
【0043】
図5は、光源部材の構造の概略図である。各光源部材は、発光ユニット311及び対応する反射フィルム313を含む。発光ユニット311は、フリップ取付けLEDライトビーズ(flip-mounted LED light bead)であり、フリップ取付けLEDライトビーズの2つのパッド312は、LEDライトビーズの底部に別々に配置され、基板の回路層に接続される。フリップ取付けLEDライトビーズが使用されるとき、パッド312は、発光ユニット311の上部発光面を占有しない。これにより、発光ユニット311の発光エリアが増加する。もちろん、本出願のこの実施形態において提供される発光ユニット311は代替的に、別のタイプの発光構造を使用してもよい。これは本出願において特に限定されない。
【0044】
反射フィルム313は、発光ユニット311によって放出される光を分裂させるよう構成される。発光ユニット311の構造を参照されたい。反射フィルム313が配置されると、反射フィルム313は、発光ユニット311の上部発光面に面し、発光ユニット311の上部から放出された光を分裂させるよう構成される。発光ユニット311からの光を分裂させるとき、反射フィルム313が、発光ユニット311の上部発光面に対して相対的に傾斜された面を有するため、上部から放出される光は、反射フィルム313によって反射された後、必要な方向に向かって反射され得る。
図5に示される直線矢印の場合、上部発光面から放出される光は反射フィルム313によって反射され、次いで周囲で反射される。従来技術では、ダイレクト型バックライトモジュールの光源部材が、レンズを通してスポット光源から放出された光を発散させ、発散効果を確保するためにはレンズの厚みサイズを比較的大きくする必要がある。この用途では、光源部材によって放出された光を反射フィルムによって反射して光発散効果を得る。これにより、光源部材の厚みが大幅に減少する。
【0045】
例えば反射フィルム313はテーパー面である。反射フィルム313のテーパー先端は、対応する発光ユニット311の上部発光面に面している。上部発光面によって放出される光は、テーパー面によって反射され、次いで放出され得る。
【0046】
任意の解決策では、テーパー面は、円錐テーパー面、三角錐面及び長方形角錐面のような異なるテーパー面である。反射フィルム313が具体的に配置されるとき、要件に基づいて異なる形状が選択されてよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0047】
発光領域の中心位置に配置された光源部材が周囲に均一に光を放出することを可能にするために、端部に配置された光源部材が、発光領域の内側に向かって光を放出する。各光源部材の反射フィルム313が配置されるとき、反射フィルム313の形状を調整することによって、反射光の発光方向を制御する。例えば発光領域の中心に向かって反射フィルム313によって分裂された光の割合は、光源部材が位置する発光領域の中心から端への方向に徐々に増加する。このように、発光領域の中心から離れた光源部材は、発光領域の中心に向かってより多くの光を分裂し、別の領域に向かってより少ない光を分裂する。
【0048】
反射フィルム313の反射効果の説明を容易にするため、発光ユニット311の中心線と発光領域の中心線を定義する。発光ユニット311の中心線は、基板の厚さ方向に、発光ユニットの中心を通る直線を意味する。発光ユニット311の中心線は光源部材の中心線でもある。発光領域の中心線は、基板の厚さ方向に発光領域の中心を通る直線である。
【0049】
反射フィルムの説明を容易にするため、dとDを定義する。dは、発光領域の中心線と、反射フィルムのテーパー先端が位置し、かつ基板の厚さ方向に基板を通る直線との間の第1距離である。Dは、発光領域の中心線と、反射フィルムに対応する発光ユニットの中心線との間の第2距離である。反射フィルムが配置されると、反射フィルムのテーパー先端と、対応する発光ユニットの中心線との間の距離は、発光領域の中心から離れる方向に徐々に大きくなる。すなわち、dはDで変化する。以下では、
図6に示される5つの光源部材を例として用いて、反射フィルムの位置と光源部材の位置との間の対応を説明する。
【0050】
図6に示される5つの光源部材は、
図4に示される1つの発光領域21の中段の光源部材である。説明を容易にするため、5つの光源部材は、第1光源部材32、第2光源部材33、第3光源部材34、第4光源部材35及び第5光源部材36と別々に名称が付けられている。第1光源部材32は発光領域の中心点に位置する。発光領域の中心点から離れる方向に、第2光源部材33と第3光源部材34が第1光源部材32の片側に配置され、第4光源部材35と第5光源部材36が第1光源部材32の他方の側に配置される。第2光源部材33と発光領域の中心点との間の距離及び第4光源部材35と発光領域の中心点との間の距離はそれぞれD1である。第3光源部材34と発光領域の中心点との間の距離及び第5光源部材36と発光領域の中心点との間の距離はそれぞれD2である。加えて、D2>D1である。光源部材と発光領域の中心点の距離は、光源部材の中心線と発光領域の中心点との間の最小距離を意味する。
【0051】
第2光源部材33及び第3光源部材34を例として用いる。第1光源部材32のテーパー先端は、第1光源部材32の中心線L1上に位置する。中心線L1は発光領域の中心点を通る。第2光源部材33のテーパー先端01が位置し、かつ基板の厚さ方向に基板を通る直線と、第2光源部材33の中心線L2(中心線L2も基板の厚さ方向に基板を通る)との間の距離はd1である。第3光源部材34のテーパー先端02が位置し、かつ基板の厚さ方向に基板を通る直線と、第3光源部材34の中心線L3(中心線L3も基板の厚さ方向に基板を通る)との間の距離はd2である。加えて、d1<d2である。対応する光源部材の中心線と、反射フィルムのテーパー先端が位置し、かつ基板の厚さ方向に基板を通る直線との間の距離は、光源部材と発光領域の中心点との間の距離が大きくなるにつれて徐々に大きくなることがわかる。
【0052】
引き続き、
図6を参照されたい。各光源部材の発光ユニットと反射フィルムが配置されるとき、第1距離D3は第2距離D1より大きくなければならない(第2光源部材33を例にとると、第1距離はD3であり、第2距離はD1である)。第1距離D3は、発光領域の中心線と、反射フィルムのテーパー先端が位置し、かつ基板の厚さ方向に基板を通る直線との間の距離である。第2距離D1は、発光領域の中心線と、反射フィルムに対応する発光ユニットの中心線との間の距離である。
図6から、D3=D1+d2であることがわかる。
【0053】
図5に示される構造を参照されたい。テーパー先端が位置し、かつ基板の厚さ方向に、対応する発光ユニットを通る直線は、反射光を異なる方向に分割する。テーパー先端に位置し、かつ発光領域の中心点に近いテーパー面の部分は、発光ユニットによって放出された光を、発光領域の中心位置に向かって反射することがある。テーパー先端に位置し、かつ発光領域の中心点から離れたテーパー面の部分は、発光ユニットによって放出された光を、発光領域から離れた中心位置へ反射することがある。したがって、本出願のこの実施形態の解決策では、光源部材と発光領域の中心点との間の距離が徐々に大きくなるにつれて、対応する第1距離が徐々に大きくなるとき、発光領域の中心点から離れた光源部材は、発光領域の中心により多くの光を反射することが可能になる。加えて、発光領域の端部に位置する光源部材(第3光源部材34及び第5光源部材36)の反射フィルムの場合、テーパー先端が位置し、かつ基板の厚さ方向に、対応する発光ユニットを通る直線は、光源部材の端部に位置する。これにより、放出される光は、発光領域の中心領域に向かって放出され、隣接する発光領域へ放出される光は最小限に抑えられる。
【0054】
図7における、発光領域内の光源部材31の光分裂量と光源部材31の位置との間の関係を参照されたい。光源部材31が光分裂を行うとき、光分裂効果は、発光領域の中心点を中心として使用することによって発散的に設定される。
図7において、点03は発光領域の中心点であり、点04は各光源部材31の中心線であり、点05は各光源部材31の反射フィルムのテーパー先端である。
図7の上面図から、点03、点04及び点05が同一直線上にあることがわかる。三次元構造では、第1平面における反射フィルムのテーパー先端の突起と、第1平面における発光領域の中心の突起との間の接続線が第1接続線となる。反射フィルムに対応する発光ユニットの中心線は、第1接続線と交差する。なお、第1平面は基板の上面又は下面に平行な平面であり、基板の上面は光源アセンブリが配置された面であり、基板の下面は基板の上面から離れていることに留意されたい。
図7から、同一行、同一列又は斜めの行に配置される光源部材31の場合、発光領域の中心点03から離れる方向に、第1平面の反射フィルムのテーパー先端05の突起は、対応する光源部材31の中心線(点04)よりも、第1平面の発光領域の中心点03の突起から遠いことがわかる。このように、光源部材31の発光領域は、発光領域の端に面しているか、発光領域の内側に面しているため、光は、隣接する発光領域に光が発散しない。
【0055】
上記の説明から、本出願のこの実施形態で提供されるバックライトモジュールでは、設計要件に基づいて、異なる発光方向の光源部材が発光領域内に配置されていることがわかる。発光領域の中央にある光源部材が光を周囲に放出する。このように、発光領域の端部にある光源部材は、発光領域の内側に向かって光を放出する。これは、均一な光混合を実装し、発光領域間の光クロストークを抑制する。
【0056】
図8は、本出願の一実施形態による光源部材31の構造の概略図である。光源部材31は、発光ユニット311と反射フィルム313を含む。発光ユニット311の構造については、
図5の関連する説明を参照されたい。反射フィルム313が発光ユニット311に接続されると、反射フィルム313は、第1光学接着層314を使用することによって、発光ユニット311の上部発光面に接着される。例えば発光ユニット311の上部発光面によって放出される光が第1光学接着層を通過できることを保証するために、第1光学接着層314は透明接着層である。
【0057】
任意の解決策として、光源部材31の製造を容易にするために、光源部材31は、反射フィルム313を覆う平坦層315を更に含む。このように、平坦な平面が光源部材31の上部に形成され、製造が完了した後にキャプチャデバイスを使用することによりキャプチャを容易にする。
【0058】
前述の構造が使用されるとき、平坦層315は第2光学接着層であってよく、反射フィルム313は第1光学接着層と第2光学接着層との間に被覆されためっき層であってよい。例えばめっき層は、アルミニウムめっき層又は銀めっき層のような、高反射効果を有するコーティングであってよい。
【0059】
特定の準備の間に、まずサファイア基板上でLEDプロセスを完了させて発光ユニットを形成し、次いで発光ユニット311上に透明接着剤314を形成する。透明接着剤314上に微細構造を準備する。微細構造の形状は、反射フィルム313の形状、例えば円錐形に対応する。微細構造を準備した後、微細構造の表面全体に反射金属(Al又はAg)を蒸着(vapor-plated)し、反射フィルム313を形成する。次に平坦層を準備して、平坦層の最も外側の面を平滑化して、キャプチャデバイスが光源部材をキャプチャすることを容易にする。
【0060】
図9は、別の光源部材31の構造の概略図である。光源部材31は、発光ユニット311、第1光学接着層314及び平坦層315を含む。第1光学接着層314は、発光ユニット311の上部発光面に接続されている。反射フィルムに対応するテーパー孔(tapered hole)が、第1光学接着層314の上に形成されている。平坦層315がテーパー孔内に充填される。平坦層315は、反射性白色接着剤を使用する。反射性白色接着剤は、光を反射することができる。したがって、平坦層315のうち、第1光学接着層314に接している面を反射フィルムとして使用してもよい。これにより、光源部材31の構造が簡略化される。反射フィルムは、平坦層315を準備して形成するときに形成されてよい。
【0061】
図10は、
図8又は
図9に示される光源部材の変形である。
図8又は
図9に示される反射フィルム313を基に、光透過孔3131が追加されている。反射フィルム313が第1光学接着層314上に被覆されためっき層であり、平坦層315が第2光学接着層であるとき、光透過孔3131はめっき層に開けられた孔であってもよい。反射フィルム313が反射性白色接着剤の表面であるとき、光透過孔3131は平坦層315を貫通する貫通孔である。発光ユニット311によって放出される光が反射フィルム313に照射されると、光の一部が光透過孔3131を通過し、光の一部が反射フィルム313によって反射されることがある。前述の説明から、光透過孔3131も反射フィルム313の光の分裂様式であることがわかる。反射フィルム313を使用することによって、光を異なる方向に分裂させることができる。
【0062】
任意の解決策として、複数の光透過孔3131が反射フィルム313内に均一に配置されてよく、あるいは光混合要件に基づいて反射フィルム313内に別の配置方法で配置されてもよい。
【0063】
本出願の一実施形態は、ディスプレイ画面を更に提供する。ディスプレイ画面は、上記実装のいずれか1つによるバックライトモジュールを含み、液晶層とバックライトモジュールが積み重ねられる。反射フィルムを使用することによって、光分裂が行われる。発光領域の中心に向かって反射フィルムによって分裂される光の割合は、光源部材が位置する発光領域の中心から端への方向に徐々に増加する。このように、光源アセンブリによって放出された光は、発光領域における良好な光混合効果を有する。これにより、バックライトモジュールの発光効果が向上する。加えて、反射フィルムを使用することによって光分裂が行われるため、バックライトモジュールの小型化が容易になる。
【0064】
本出願の一実施形態は、ディスプレイ装置を更に提供する。ディスプレイ装置は、上記実装のいずれか1つによるバックライトモジュールを含み、液晶層とバックライトモジュールが積み重ねられる。光の分裂は反射フィルムを使用することによって行われる。反射フィルムによって発光領域の中心に向かって分裂された光の割合は、光源部材が位置する発光領域の中心から端に向かって徐々に増加する。このように、光源アセンブリによって放出された光は、発光領域で良好な光混合効果を有する。これにより、バックライトモジュールの発光効果が向上する。加えて、光の分裂が反射フィルムを使用することによって行われるため、バックライトモジュールの小型化が容易になる。
【0065】
当業者であれば、本出願の精神及び範囲を逸脱することなく、本出願に様々な修正及び変形を加えることができることは明らかである。本出願は、以下の特許請求の範囲及びそれと均等な技術によって定義される保護の範囲内にあることを条件として、本出願のこれらの修正及び変形をカバーするように意図される。