(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】電圧調整方法、装置、コンピュータデバイスおよび読み取り可能な媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 1/3206 20190101AFI20250327BHJP
G06F 1/26 20060101ALI20250327BHJP
G06F 1/3296 20190101ALI20250327BHJP
G06F 1/3287 20190101ALI20250327BHJP
【FI】
G06F1/3206
G06F1/26
G06F1/26 306
G06F1/3296
G06F1/3287
(21)【出願番号】P 2023550131
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2022082754
(87)【国際公開番号】W WO2022218121
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】202110405696.6
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】張建廠
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-151309(JP,A)
【文献】特開2016-181168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/3206
G06F 1/26
G06F 1/3296
G06F 1/3287
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指標パラメータを検出するステップと、
予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて前記指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出するステップと、
前記第1の離散度パラメータが予め設定された第1の閾値よりも大きいことに応答して、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するステップと、を含
み、
前記第1の離散度パラメータは、分散または標準偏差を含み、
予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて前記指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出する前記ステップは、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて、前記指標パラメータの平均値を算出するステップと、前記指標パラメータの平均値と各検出値とに基づいて、前記指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出するステップとを含み、
前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する前記ステップは、
前記指標パラメータの平均値と予め設定された第2の閾値とに基づいて、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧調整値と調整方向を決定するステップと、
前記電圧調整値と前記指標パラメータに対応する処理コアの現在の電圧との和が予め設定された第3の閾値未満であることに応答して、前記調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するステップと、を含む
電圧調整方法。
【請求項2】
前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整した後、
前記指標パラメータを検出し、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて前記指標パラメータの第2の離散度パラメータを算出するステップと、
前記第2の離散度パラメータが前記第1の閾値よりも大きいことに応答して、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するステップと、をさらに含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指標パラメータはネットワークパラメータを含み、前記指標パラメータの平均値と予め設定された第2の閾値とに基づいて、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧調整値と調整方向を決定した後、前記調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する前に、
前記調整方向が上方であり、かつ汎用シリアルバスUSB回路が電源オフ状態であることに応答して、
アダプタを介して前記指標パラメータに対応する処理コアを含む端末装置を充電する効果をシミュレートするために、前記端末装置のレジスタにおいて前記USB回路の状態を修正することで前記USB回路を電源オン状態に設置し、前記調整方向が下方であり、かつ
前記USB回路が電源オン状態であることに応答して、
前記レジスタにおいて前記USB回路の状態を修正することで前記USB回路を電源オフ状態に設置することと、
前記指標パラメータを検出し、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて前記指標パラメータの第3の離散度パラメータを算出することと、をさらに含み、
前記調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する前記ステップは、
前記第3の離散度パラメータが前記第1の閾値よりも大きいことに応答して、前記調整方向および予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整することを含む
請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記USB回路を電源オン状態に設置し、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて前記指標パラメータの第3の離散度パラメータを算出した後、
前記第3の離散度パラメータが前記第1の閾値以下であることに応答して、前記USB回路を電源オフ状態に設置することをさらに含む
請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記指標パラメータはネットワークパラメータを含み、前記調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する前記ステップは、
前記調整方向が下方であり、かつ汎用シリアルバスUSB回路が電源オフ状態であることに応答して、予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を下方調整することと、
前記調整方向が上方であり、かつ
前記USB回路が電源オン状態であることに応答して、予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を上方調整することと、をさらに含
み、
前記USB回路が電源オン状態であることは、アダプタを介して前記指標パラメータに対応する処理コアを含む端末装置を充電する効果を示す、
請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記指標パラメータは、実行パラメータおよび/またはネットワークパラメータを含み、前記実行パラメータに対応する処理コアの電圧は処理コアに適用される電圧であり、前記ネットワークパラメータに対応する処理コアの電圧はモデムコアの電圧である
請求項1
または2に記載の方法。
【請求項7】
前記実行パラメータはメモリ使用パラメータおよび/または中央プロセッサCPU使用パラメータを含み、前記ネットワークパラメータはネットワーク伝送データサイズおよび/または信号強度を含む
請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
検出モジュールと、処理モジュールと、コア電圧調整モジュールと、を備え、
前記検出モジュールは、指標パラメータを検出するように構成され、
前記処理モジュールは、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて前記指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出し、前記第1の離散度パラメータが予め設定された第1の閾値よりも大きいことに応答して、前記コア電圧調整モジュールに前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するよう指示するように構成され、
前記コア電圧調整モジュールは、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するように構成され
、
前記第1の離散度パラメータは、分散または標準偏差を含み、
前記処理モジュールは、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて、前記指標パラメータの平均値を算出し、前記指標パラメータの平均値と各検出値とに基づいて、前記指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出し、
前記コア電圧調整モジュールは、
前記指標パラメータの平均値と予め設定された第2の閾値とに基づいて、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧調整値と調整方向を決定し、
前記電圧調整値と前記指標パラメータに対応する処理コアの現在の電圧との和が予め設定された第3の閾値未満であることに応答して、前記調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する
電圧調整装置。
【請求項9】
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムが記憶された記憶装置と、を備え、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、前記1つまたは複数のプロセッサに請求項1~
7のいずれか一項に記載の電圧調整方法を実現させる
コンピュータデバイス。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記プログラムがプロセッサによって実行されたときに、請求項1~
7のいずれか一項に記載の電圧調整方法を実現する
コンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年4月15日に中国特許庁へ提出された第202110405696.6号特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容を参照により本願に援用する。
【0002】
本公開は自動制御技術分野に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
生活条件の向上とIoE(Internet of Everything)技術の発展に伴い、ユビキタスネットワークは、例えば子ども用通話機能付き腕時計、ペット用トラッカーに応用されるといったように各業界においてますます使用されるようになっており、人々はいつでもどこでも子どもやペットの位置を追跡することができる。トラッカーの電圧が不安定であると、ネットワーク信号の不安定、フリーズ、再起動を繰り返すなどの問題を招くことになり、子どもやペットとの連絡が途絶える可能性がある。
【0004】
現在、トラッカーの電圧不安定性という問題を解決するために、通常はハードウェアから機器全体の電圧を調整しており、また電力増幅器によって機器全体の電圧を調整するというものもあり、機器全体の電圧を調整するという方案は、目下のところ通信モジュールとトラッカーに広く応用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本公開は、電圧調整方法、装置、コンピュータデバイスおよび読み取り可能な媒体を提供する。
【0006】
第1の態様において、本公開は電圧調整方法を提供し、前記方法は、指標パラメータを検出するステップと、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて前記指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出するステップと、前記第1の離散度パラメータが予め設定された第1の閾値よりも大きいことに応答して、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するステップと、を含む。
【0007】
別の態様において、本公開は電圧調整装置をさらに提供し、前記電圧調整装置は、検出モジュールと、処理モジュールと、コア電圧調整モジュールと、を備え、前記検出モジュールは、指標パラメータを検出するように構成され、前記処理モジュールは、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて前記指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出し、前記第1の離散度パラメータが予め設定された第1の閾値よりも大きいことに応答して、前記コア電圧調整モジュールに前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するよう指示するように構成され、前記コア電圧調整モジュールは、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するように構成される。
【0008】
別の態様において、本公開はコンピュータデバイスをさらに提供し、前記コンピュータデバイスは、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが記憶された記憶装置と、を備え、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、前記1つまたは複数のプロセッサに前記の電圧調整方法を実現させる。
【0009】
別の態様において、本公開はコンピュータ読み取り可能な媒体をさらに提供し、前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記プログラムがプロセッサによって実行されたときに、前記の電圧調整方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本公開が提供する電圧調整方法のフロー模式図である。
【
図2】
図2は、本公開が提供する第1の離散度パラメータ算出のフロー模式図である。
【
図3】
図3は、本公開が提供する処理コアの電圧調整のフロー模式図である。
【
図4】
図4は、本公開が提供するModemコアに対するUSB回路状態変更のフロー模式図である。
【
図5】
図5は、本公開が提供するModemコアの電圧を直接調整するフロー模式図である。
【
図6】
図6は、本公開が提供する電圧調整装置の構造模式図である。
【
図7】
図7は、本公開が提供する電圧調整装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して例示的な実施形態をより十分に説明するが、例示的な実施形態は、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈すべきではなく、異なる形態で具現化されてもよい。逆に、これらの実施形態を提供する目的は、本公開を詳らかにかつ完全にし、当業者に本公開の範囲を十分に理解させることである。
【0012】
本明細書で使用する、「および/または」という用語は、1つまたは複数の関連する列挙項目の任意の組み合わせとすべての組み合わせを含む。
【0013】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を記述するためにのみ使用され、本公開を限定することを意図していない。本明細書で使用する、単数形の「1つ」および「当該」という用語は、文脈が特に明確に示さない限り、複数形を含むことも意図する。また、本明細書で「含む」および/または「~からなる」という用語を使用する場合、そのような特徴、全体、ステップ、操作、要素および/または構成部品の存在を指すが、1つまたは複数の他の特徴、全体、ステップ、操作、要素、構成部品、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことも理解されるであろう。
【0014】
本明細書で説明する実施形態は、本公開の理想的な模式図を用いて平面図および/または断面図を参照して説明することができる。したがって、製造技術および/またはマージンに基づいて例示的な図面を修正することができる。したがって、実施形態は図面に示す実施形態に限定されず、製造プロセスに基づいて形成された構成の変更を含む。よって、図面に例示された領域は概略的な属性を有し、図面に示された領域の形状は要素の領域の具体的な形状を例示しているが、限定的なものではない。
【0015】
特に限定しない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)の意味は、当業者が通常理解しているものと同じである。また、一般的な辞書に定義されているような用語は、本明細書で明示しない限り、関連する技術および本公開の背景における意味と一致する意味を有すると解釈され、理想的または過度な形式上の意味を有すると解釈されないことも理解されるであろう。
【0016】
本公開は端末装置の電圧調整に用いられる電圧調整方法を提供し、前記端末装置は、位置特定系、追跡系(例えば、通話機能付き腕時計)、UFI(モバイルホットスポット)系などの端末装置であってよく、特に電池付きの端末装置などであってよい。本公開において、端末装置はマルチコアシステムにより構成され、即ち、端末装置は複数の処理コアを含み、異なる処理コアは異なる機能を実現し、異なる業務範囲を有し、各処理コアの電圧は単独で調整することができる。
【0017】
図1に示すように、前記電圧調整方法は以下のステップS11~S13を含む。
【0018】
ステップS11において、指標パラメータを検出する。
【0019】
指標パラメータは端末装置が電圧調整を行うかどうかを判断するために用いられるように構成され、端末装置の異なる処理コアについて、その指標パラメータは異なる。本ステップでは、予め設定された周期に従って各処理コアの指標パラメータを検出する。
【0020】
ステップS12において、予め設定された時間内の指標パラメータの各検出値に基づいて指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出する。
【0021】
本ステップでは、現在時刻より前の時間帯(即ち、予め設定された時間)内に検出された複数の指標パラメータの検出値を取得し、これらの指標パラメータの検出値に基づいて第1の離散度パラメータを算出する。現在時刻より前の予め設定された時間内とは、現在時刻より前の予め設定された時間の時刻から現在時刻までの時間帯を指し、例えば、予め設定された時間が10秒で、現在時刻が9:01:10であれば、本ステップでは、9:01:00~9:01:10の時間帯の指標パラメータの各検出値を取得する。
【0022】
第1の離散度パラメータは当該指標パラメータの変化状況を反映することができ、第1の離散度パラメータが大きいほど、当該指標パラメータの変化幅が大きいことを表し、第1の離散度パラメータが小さいほど、当該指標パラメータの変化幅が小さいことを表す。
【0023】
ステップS13において、第1の離散度パラメータが予め設定された第1の閾値よりも大きいことに応答して、指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する。
【0024】
本ステップにおいて、第1の離散度パラメータが第1の閾値より大きいと判断し、当該指標パラメータの変化幅が大きいことを表す場合、対応する処理コアの電圧を調整して、端末装置の性能および安定性を向上させる。
【0025】
本ステップにおいて、対応する処理コアの電圧読み書きに関する動作は、リソース申請、リソースバインディング、リソース解放などの動作を含み、処理コアの電圧調整が完了した後に、処理コアの電圧が正常に動作するように調整完了状態を通知する必要がある。
【0026】
本公開が提供する電圧調整方法は、指標パラメータを検出し、予め設定された時間内の指標パラメータの各検出値に基づいて指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出するステップと、第1の離散度パラメータが予め設定された第1の閾値よりも大きいことに応答して、指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するステップと、を含む。本公開は指標パラメータの変化が大きい場合、対応する処理コアのコア電圧を調整するというものであり、機器全体の電圧を調整するという方案に対して、本公開はハードウェアデバイスを別途追加する必要はなく、端末装置の電力消費量を増やさず、電圧調整過程においてトラフィック通信の中断をもたらすことがなく、電圧不安定によって位置特定ができない、または端末装置が再起動するという問題を解決し、端末装置の性能、安定性とロバスト性を向上させ、電力消費量を軽減することができ、端末装置の寿命を延ばす。
【0027】
なお、端末装置が初めて使用されたときにシステム上で採用されるのはデフォルトの各ルート処理コアの電圧初期値であり、検出モジュールが指標パラメータを検出した後にのみ、本公開はこれらの指標パラメータの変化に対して各ルート処理コアの電圧を調整することで、端末装置全体の入力電圧を変更する。本公開の方案を採用すると、ユーザに良好な新旧製品の継承、互換性を提供することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整(即ち、ステップS13)した後、前記方法は、指標パラメータを検出し、予め設定された時間内の指標パラメータの各検出値に基づいて指標パラメータの第2の離散度パラメータを算出するステップと、第2の離散度パラメータが第1の閾値よりも大きいことに応答して、指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するステップと、を含んでよい。つまり、対応する処理コアに対する電圧調整が完了した後、指標パラメータを引き続き検出し、指標パラメータの検出値に基づいて当該処理コアの電圧調整を継続するかどうかを引き続き判断することによって、処理コアの電圧調整フィードバックメカニズムを確立し、処理コアの電圧動的調整を実現し、電圧調整の正確性とタイムリー性を保証する。
【0029】
いくつかの実施形態において、指標パラメータは実行パラメータおよび/またはネットワークパラメータを含んでよく、実行パラメータに対応する処理コアの電圧はAP(Application Processor、アプリケーション処理)コアの電圧であり、ネットワークパラメータに対応する処理コアの電圧はModem(モデム)コアの電圧である。APコアの電圧調整が完了すると、APコアは現在のAPコアの電圧でModemコアと通信することができ、実行パラメータが変化したことが検出されると、APコアの電圧を段階的に調整する。Modemコアの電圧調整が完了すると、Modemコアは現在のModemコアの電圧で基地局ネットワークとネットワークデータ伝送を行うことができ、ネットワークパラメータが変化したことが検出されると、Modemコアの電圧を段階的に調整する。なお、本公開では、Modemコアを調整する電圧とAPコアを調整する電圧は互いに独立しており、別々に行っても、同時に調整してもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、実行パラメータは、メモリ使用率、CPU占有率などといったメモリ使用パラメータおよび/またはCPU(Central Processing Unit、中央プロセッサ)使用パラメータを含んでよく、ネットワークパラメータは、ネットワーク送信データサイズおよび/または信号強度を含んでよい。ここで、ネットワーク伝送データのサイズと信号強度は主にModemコアが担当し、メモリ使用パラメータとCPU使用パラメータは主にアプリケーション処理コアが担当する。
【0031】
検出モジュールは実行パラメータおよび/またはネットワークパラメータを検出し、検出した実行パラメータおよび/またはネットワークパラメータを処理モジュールに送信し、処理モジュールがメモリ使用パラメータおよび/またはCPU使用パラメータの変化幅が大きいと判断した場合、コア電圧調整モジュールに指示して、現在のメモリ使用パラメータおよび/またはCPU使用パラメータに基づいてAPコアの電圧を調整し、APコアの電圧を調整することによってメモリ使用およびCPU占有問題を解決し、メモリおよび/またはCPUが長時間フル稼働すること、または空回り状態になることを回避し、APコアの電圧を最適化する。処理モジュールがネットワーク伝送データサイズおよび/または信号強度の変化幅が大きいと判断した場合、コア電圧調整モジュールはネットワーク伝送データサイズおよび/または信号強度サイズに基づいてModemコアの電圧を調整するよう指示し、これによってmodemコアの電圧が最適化され、ユーザの目下の需要を満たす。
【0032】
関連技術において、通常は端末装置の全体の電圧を調整することにより、電子装置の全体の電力消費量の軽減を実現する。ある関連技術では、負荷状態に基づいて機器全体の電圧を調整し、負荷モジュールの負荷状態情報を取得し、前記負荷状態情報および予め記憶された論理マッピングクエリーテーブルに基づいて、電圧調整信号を得る。前記電圧調整信号に基づいて、負荷モジュール入力端の入力電圧の大きさを調整する。この方案は論理マッピングルックアップテーブルのメカニズムを導入し、負荷状態がニュートンに変化した場合、負荷モジュールの入力電圧の大きさを自動的に調整し、電子機器の省エネルギーを実現することで低消費電力の目的を達成することができる。
【0033】
別の関連技術は、Wi-Fi(無線通信技術)通信状況に基づいて通信装置の消費電力を軽減し、通信装置が無線忠実度Wi-Fiモードをオンにしていた場合、前記通信装置に含まれる無線通信モジュールは、送信しようとするトラフィックデータが現在存在するかどうかを識別する。現在、前記トラフィックデータが存在する場合、前記無線通信モジュールは受信属性情報を取得し、前記受信属性情報を用いて、前記無線通信モジュールが、前記トラフィックデータを送信する送信レートを決定する。前記無線通信モジュールは、前記送信レートに基づいて、前記無線通信モジュールに接続された電力増幅器の給電電圧値を決定し、前記電力増幅器が前記給電電圧値の下で、前記トラフィックデータを付帯するトラフィック要求信号を増幅処理する。
【0034】
現在、消費電力を軽減するための方案には、主に次のような問題がある。
【0035】
1. 端末装置(例えばトラッカー)が室内にある場合、重なった壁に阻まれ、十分なネットワーク信号を受信することが困難であり、この時、ネットワーク信号が不安定であるか、トラッカーが信号を見つけられない場合、ユーザの位置情報の重大なずれ、またはユーザがトラッカーの信号を受信できないという状況を招き、ユーザはトラッカーの位置を正確に特定することができず、トラッカーの機器全体の電圧を増すだけでは、ネットワーク信号が弱い場合のModemコア電圧の給電状況を満たすことはできない。
【0036】
2. Wi-Fi通信状況に基づいて通信装置の消費電力を軽減するという方案については、Wi-Fi通信装置の通信データが大きくない、またはデータがないことを発見した場合、機器全体の電圧を低下させるか0に設定し、この方案をモバイルインターコネクト製品に適用すると、機器全体に電源が切れる、または再起動されるなどの問題が発生し、機器全体の再起動または機器全体の電圧を再設定すると、いずれも消費電力が増大し、かえって消費電力の軽減には効果がない。
【0037】
3. 負荷状態に応じて機器全体の電圧を調整するという方案については、モジュールのデータ伝送の負荷が高く、信号強度が弱いなどの問題を検出した場合、ハードウェア戦略により機器全体の電圧を増大させるが、Modemコアの電圧またはAPコアの電圧は改善されず、これらの処理コアの電圧は機器全体の電圧が大きくなったことで安定することはない。
【0038】
これに対して、本公開はマルチコア電圧の上昇または性能に関連する処理コアの電圧下降を調整することによって、製品の安定性の向上と消費電力の軽減を達成する電圧調整方案を提供し、端末装置の電圧不安定によって位置特定ができない、または端末装置が再起動されるという問題を好適に解決することができ、これによってマルチコア電圧を動的に調整して安定性を向上させるという目的を達成することができ、マルチコア電圧調整の分野はまだ広く知られていない市場である。
【0039】
いくつかの実施形態において、第1の離散度パラメータは、分散または標準偏差を含んでよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、
図2に示すように、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて、前記指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出する前記ステップ(ステップS12)は、以下のステップS121およびS122を含んでよい。
【0041】
ステップS121において、予め設定された時間内の指標パラメータの各検出値に基づいて指標パラメータの平均値を算出する。
【0042】
ステップS122において、指標パラメータの平均値と各検出値とに基づいて、指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出する。
【0043】
第1の離散度パラメータを分散とし、指標パラメータを信号強度とすることを例にすると、2分以内に10個の信号強度データS
1,S
2,S
3,S
4,S
5,S
6,S
7,S
8,S
9,S
10を収集し、信号強度の平均値
【数1】
を算出し、算出方法は
【数2】
であり、信号強度の分散は
【数3】
であり、i=(1、2、…、10)である。分散の大きさに基づいて信号強度が安定しているかどうかを判断し、信号強度の分散が第1の閾値より大きい場合、モデム処理コアの電圧を調整する。
【0044】
なお、標準偏差は分散の算術平方根であり、標準偏差も同様にデータセットの離散度を反映することができる。例えば、上記の例によれば、信号強度の標準偏差は、
【数4】
である。
【0045】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する前記ステップ(即ち、ステップS13)は、以下のステップS131およびS132を含んでよい。
【0046】
ステップS131において、指標パラメータの平均値と予め設定された第2の閾値とに基づいて、指標パラメータに対応する処理コアの電圧調整値と調整方向を決定する。
【0047】
本ステップでは、指標パラメータの平均値と第2の閾値との差を算出し、前記差の値の絶対値は、調整しようとする処理コアの電圧調整値である。指標パラメータの平均値が第2の閾値より大きい場合、調整方向は下方(即ち、下方調整)であり、指標パラメータの平均値が第2の閾値未満であれば、調整方向は上方(即ち、上方調整)である。
【0048】
ステップS132において、電圧調整値と指標パラメータに対応する処理コアの現在の電圧との和が予め設定された第3の閾値未満であることに応答して、調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する。
【0049】
第3の閾値は、指標パラメータに対応する処理コアのハードウェアパラメータに基づいて決定される。本ステップでは、指標パラメータに対応する処理コアの現在の電圧とステップS131で得られた電圧調整値との和を算出し、両者の和が第3の閾値未満であり、今回の電圧調整が当該処理コアの許容範囲内であることを表す場合、調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する。両者の和が第3の閾値以上であり、今回の電圧調整が処理コアの許容範囲を超えて、ハードウェアに損傷を与える可能性があることを示した場合、当該処理コアの電圧調整は行われない。なお、本ステップでは、ステップ値に従って段階的に電圧調整を行い、ステップ値は合理的に設定でき、電圧調整幅が大きすぎることによって端末装置に損傷を与えないようにする。
【0050】
ネットワークパラメータを検出しモデムコアの電圧を調整する方案について、いくつかの実施形態では、
図4に示すように、前記指標パラメータの平均値と予め設定された第2の閾値に基づいて、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧調整値と調整方向を決定した(即ち、ステップS131)後、前記調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する(即ち、ステップS132)前に、以下のステップS21~S24をさらに含む。
【0051】
ステップS21において、調整方向が上方であり、かつUSB回路が電源オフ状態であることに応答して、USB回路を電源オン状態に設置する。
【0052】
本ステップでは、モデムコアの電圧を上方調整する必要があり、かつ現在のUSB回路が電源オフ状態であると確定された場合、アナログUSB(Universal Serial Bus、汎用シリアルバス)回路を電源オンにすることができ、USB回路が電源オン状態に設置され、レジスタにおいてUSB回路の状態を修正することで実現することができ、アナログUSB回路の電源オンの効果はアダプタを介して端末装置を充電する効果と同等である。
【0053】
ステップS22において、指標パラメータを検出し、予め設定された時間内の指標パラメータの各検出値に基づいて指標パラメータの第3の離散度パラメータを算出する。
アナログUSB回路を電源オンにした後、指標パラメータ(即ち、ネットワークパラメータ)を引き続き検出し、Modemコア電圧の調整効果をフィードバックして、調整を続けるかどうかを決定する。このステップにおいて、第3の離散度パラメータは、第1の離散度パラメータと同じであってもよい。
【0054】
ステップS23において、第3の離散度パラメータが第1の閾値より大きいか否かを判断し、そうであれば、ステップS132を実行する。第3の離散度パラメータが第1の閾値以下であれば、ステップS24を実行する。
【0055】
本ステップにおいて、第3の離散度パラメータが第1の閾値より大きく、ネットワークパラメータの変化幅が依然として大きいことを表し、アナログUSB回路の電源オンだけではModemコアの電圧需要を満たすことができず、Modemコアの電圧を引き続き調整する必要がある場合、ステップS132を実行し、即ち、電圧調整値とModemコアの現在の電圧との和が第3の閾値未満の場合、調整方向と予め設定されたステップ値に基づいてModemコアの電圧を調整する。第3の離散度パラメータが第1の閾値以下であり、このときのネットワークパラメータの変化幅が小さいことを表し、例えば、このとき端末装置はすでにネットワークの状況が良い位置に移動しており、Modemコアの電圧を再調整する必要はなく、アナログUSB電源オン状態を続ける必要もない場合、ステップS24を実行する。
【0056】
ステップS24では、USB回路を電源オフ状態に設置する。
【0057】
本ステップは、レジスタにおいてUSB回路の状態を変更することにより実現することができる。
【0058】
実際のテストを経て判明したことは、電池付きの端末製品は、電池の出力電圧を利用してネットワークに登録する際に信号がやや劣るということであって、最終的な原因は電池の電圧が一部のネットワーク下での電力需要を満たすことができないというものであり、これを踏まえ、本公開の実施形態はアナログUSB回路の電源オンを用いてこのような不足を補い、送信電力が現在のネットワーク登録状況を満たすことができない場合、アナログUSB回路は電源オン動作を行い、そうでなければ、電源オフ動作を行い、上述の操作を経て、端末装置はネットワークに迅速に登録することができ、ネットワーク登録時のModemコアの電圧が現在のネットワークの需要を満たすことができず再起動されることはない。アナログUSB回路の電源オン後もModemコアの電圧が現在のネットワークに必要な電圧に達していない場合は、電圧調整フィードバック機構により、Modemコアの電圧調整を継続することができる。
【0059】
なお、前記指標パラメータの平均値と予め設定された第2の閾値とに基づいて、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧調整値と調整方向を決定した(即ち、ステップS131)後、前記調整方向と予め設定されたステップ値とに基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する(即ち、ステップS132)前に、調整方向が下方であり、かつUSB回路が電源オン状態であることに応答して、USB回路を電源オフ状態に設置するステップをさらに含む。つまり、モデムコアの電圧を下方調整する必要があり、かつ現在のUSB回路が電源オン状態であれば、アナログUSB回路を電源オフでき、USB回路が電源オフ状態に設置される。
【0060】
いくつかの実施形態では、
図5に示すように、調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する前記ステップ(即ち、ステップS132)は、以下のステップS31およびS31’をさらに含む。
【0061】
ステップS31において、調整方向が下方であり、かつUSB回路が電源オフ状態であることに応答して、予め設定されたステップ値に基づいて指標パラメータに対応する処理コアの電圧を下方調整する。
【0062】
本ステップでは、電圧調整値とModemコアの現在の電圧との和が第3の閾値未満である場合に、調整方向が下方で、かつUSB回路が電源オフ状態であれば、USB回路の状態を調整する必要はなく、ステップ値に応じてModemコアの電圧を直接下方調整することができる。
【0063】
ステップS31’において、調整方向が上方であり、かつUSB回路が電源オン状態であることに応答して、予め設定されたステップ値に基づいて指標パラメータに対応する処理コアの電圧を上方調整する。
【0064】
本ステップでは、電圧調整値とModemコアの現在の電圧との和が第3の閾値未満の場合、調整方向が上方で、かつUSB回路が電源オン状態であれば、USB回路の状態を調整する必要はなく、ステップ値に応じてModemコアの電圧を直接上方調整することができる。
【0065】
本公開では、APコアとModemコアの初期化が完了すると、端末装置は各指標の状況に応じて処理コアの電圧調整を行う。APコアとModemコアはさらに通信接続を確立し、正常なデータインタラクションを行うことができ、端末装置は現在のネットワーク条件で使用することができる。端末装置のリアルタイム監視指標パラメータ(ネットワークパラメータおよび/または実行パラメータを含む)は、ネットワークパラメータに大きな変化があると判断した場合、優先的にアナログUSB回路を電源オンし、Modemコアの電圧がまだ要求を満たしていない場合、Modemコアの電圧を再調整する、実行パラメータに大きな変化があると判断した場合、APコアの電圧を直接調整する。処理コアの電圧調整が完了した後、フィードバック機構を通じて指標パラメータを引き続き検出し、処理コア電圧の動的調整を実現する。
【0066】
本公開は低消費電力Bluetooth、NB-IoT(Narrow Band Internet of Things、狭帯域IoT)ネットワークトラッカーによる信号なし、または再起動異常後、処理コアの電圧が現在のシステムの需要を満たすかどうかを検出するという方法を利用して、処理コアの電圧を増減することによりシステムの安定した電圧調整方案を提供する。
【0067】
電池付きのWi-Fiとその他デバイスの端末がますます多くなり、端末装置の性能と安定性に対するユーザの要求もますます厳しくなり、1つの端末装置に付帯されるハードウェアデバイスが多ければ多いほど、システム処理コアに対する電圧安定性の要求も高くなり、端末がおかれているネットワーク環境が複雑になればなるほど、Modemコアに対する電圧安定性の要求が高くなる。例えば、今5G端末がますます多くなっており、特に屋外CPE(Customer Premise Equipment、顧客構内設備)は、Modemコアの電圧またはAPコアの電圧が現在のネットワーク変化の要求を満たすことができないと、端末装置にはネットワークに登録できない、または繰り返し再起動されるという問題が発生し、当該問題の解決は面倒であり、屋外CPEのほとんどの場所は高い位置、または1つの場所に固定されており、取り外しが不便である。さらに、1つのトラッカーにはGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)、Bluetooth、Wi-Fiなどの複数のデバイスが統合されており、これらのデバイスの追加は機器全体の電圧の分岐を増加させることになり、Modemコアの電圧とAPコアの電圧の安定性の要求はさらに高くなり、2つのルートの処理コアの電圧が高すぎると、動作異常や機器全体の電力消費量の上昇を招き、2つのルートの処理コアの電圧が低すぎると、端末装置には再起動されたり、ネットワークに登録できないなどの状況が生じ、ユーザが正常に位置を特定できなくなるなどの事態を招く。関連方案はハードウェア上またはソフトウェア上から機器全体の電圧を高めて消費電力を下げることに至り、一旦Modemコアの電圧またはAPコアの電圧が現在の状態の需要を満たすことができないという状況が生じれば、機器全体の電圧を調整するだけではこのような問題を解決することができないが、本公開の方案を採用することで、現在のデータ系端末装置の信号登録安定性とユーザ体験を高めることができる。
【0068】
同じ技術思想に基づき、本公開は電圧調整装置をさらに提供し、
図6に示すように、前記電圧調整装置は、検出モジュール101と、処理モジュール102と、コア電圧調整モジュール103と、を含む。
【0069】
検出モジュール101は、指標パラメータを検出するように構成される。
【0070】
処理モジュール102は、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて前記指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出し、前記第1の離散度パラメータが予め設定された第1の閾値よりも大きいことに応答して、前記コア電圧調整モジュールに前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するよう指示するように構成される。
【0071】
コア電圧調整モジュール103は、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するように構成される。
【0072】
いくつかの実施形態において、検出モジュール101は、コア電圧調整モジュール103が前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整した後に、指標パラメータを検出するようにさらに構成される。
【0073】
処理モジュール102は、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて前記指標パラメータの第2の離散度パラメータを算出するようにさらに構成される。
【0074】
コア電圧調整モジュール103は、前記第2の離散度パラメータが前記第1の閾値よりも大きいことに応答して、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するようにさらに構成される。
【0075】
いくつかの実施形態において、第1の離散度パラメータは、分散または標準偏差を含む。
いくつかの実施形態において、処理モジュール102は、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて、指標パラメータの平均値を算出し、前記指標パラメータの平均値と各検出値に基づいて、前記指標パラメータの第1の離散度パラメータを算出するように構成される。
【0076】
いくつかの実施形態において、コア電圧調整モジュール103は、前記指標パラメータの平均値と予め設定された第2の閾値とに基づいて、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧調整値と調整方向を決定し、前記電圧調整値と前記指標パラメータに対応する処理コアの現在の電圧の和が予め設定された第3の閾値未満であることに応答して、前記調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するように構成される。
【0077】
いくつかの実施形態では、
図7に示すように、前記電圧調整装置はUSB回路状態変更モジュール104をさらに含み、前記指標パラメータはネットワークパラメータを含む。
USB回路状態変更モジュール104は、処理モジュール102が前記指標パラメータの平均値と予め設定された第2の閾値とに基づいて、前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧調整値と調整方向を決定した後、コア電圧調整モジュール103が前記調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整する前に、前記調整方向が上方であり、かつ汎用シリアルバスUSB回路が電源オフ状態であることに応答して、前記USB回路を電源オン状態に設置し、前記調整方向が下方であり、かつUSB回路が電源オン状態であることに応答して、前記USB回路を電源オフ状態に設置し、前記指標パラメータを検出し、予め設定された時間内の前記指標パラメータの各検出値に基づいて前記指標パラメータの第3の離散度パラメータを算出するように構成される。
【0078】
コア電圧調整モジュール103は、前記第3の離散度パラメータが前記第1の閾値よりも大きいことに応答して、前記調整方向と予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を調整するように構成される。
【0079】
いくつかの実施形態において、USB回路状態変更モジュール104は、前記USB回路を電源オン状態に設置し、かつ予め設定された時間内の指標パラメータの各検出値に基づいて指標パラメータの第3の離散度パラメータを算出した後、第3の離散度パラメータが第1の閾値以下であることに応答して、前記USB回路を電源オフ状態に設置するようにさらに構成される。
【0080】
いくつかの実施形態において、前記指標パラメータはネットワークパラメータを含み、コア電圧調整モジュール103は、前記調整方向が下方であり、かつ汎用シリアルバスUSB回路が電源オン状態であることに応答して、予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を下方調整し、前記調整方向が上方であり、かつUSB回路が電源オン状態であることに応答して、予め設定されたステップ値に基づいて前記指標パラメータに対応する処理コアの電圧を上方調整するようにさらに構成される。
【0081】
いくつかの実施形態において、前記指標パラメータは実行パラメータおよび/またはネットワークパラメータを含み、前記実行パラメータが対応する処理コアの電圧は処理コアに適用される電圧であり、前記ネットワークパラメータに対応する処理コアの電圧はモデムコアの電圧である。
【0082】
いくつかの実施形態において、前記実行パラメータは、メモリ使用パラメータおよび/または中央プロセッサCPU使用パラメータを含み、前記ネットワークパラメータはネットワーク伝送データサイズおよび/または信号強度を含む。
【0083】
本公開はコンピュータデバイスをさらに提供し、当該コンピュータデバイスは、1つまたは複数のプロセッサと、記憶装置と、を備え、記憶装置には1つまたは複数のプログラムが記憶され、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、前記1つまたは複数のプロセッサに前述の各実施形態が提供する電圧調整方法を実現させる。
【0084】
本公開はコンピュータ読み取り可能な媒体をさらに提供し、当該コンピュータ読み取り可能な媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されたときに、前述の各実施形態が提供する電圧調整方法を実現する。
【0085】
当業者は、上記にて公開された方法のすべてまたはいくつかのステップ、装置内の機能モジュール/ユニットをソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、およびそれらの適切な組み合わせとして実施することができることを理解するであろう。ハードウェアの実施形態では、上述の説明において触れた機能モジュール/ユニット間の区分は、必ずしも物理コンポーネントの区分に対応しておらず、例えば、1つの物理コンポーネントが複数の機能を有していてもよいし、1つの機能またはステップが複数の物理コンポーネントによって協働して実行されてもよい。ある物理コンポーネントまたはすべての物理コンポーネントは、中央プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、またはマイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェア、またはハードウェアとして実施されるか、専用集積回路などの集積回路として実施することができる。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(または非一時的媒体)と通信媒体(または一時的媒体)とを含むことができるコンピュータ読み取り可能な媒体上に分散することができる。当業者にとって周知のように、コンピュータ記憶媒体という用語は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術において実施される揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多機能ディスク(DVD)または他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用され、コンピュータによってアクセスされ得る他の任意の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は、一般にコンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波または他の送信メカニズムなどの変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含むことができることは当業者にとって周知の事項である。
【0086】
本明細書では、例示的な実施形態を公開しており、具体的な用語が採用されているが、それらは一般的な例示的な意味としてのみ使用され、またそのように理解すべきであり、かつ限定的な目的には用いない。いくつかの例では、特定の実施形態に関連して記述した特徴、特性、および/または要素を単独で使用してもよく、または他の実施形態に関連して記述した特徴、特性、および/または要素を組み合わせて使用してもよいことは、当業者には明らかである。したがって、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって明らかにされた本発明の範囲を逸脱することなく、様々な形態および詳細な変更が可能であることを理解するであろう。