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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】測距装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/497 20060101AFI20250327BHJP
   G01S 7/4865 20200101ALI20250327BHJP
【FI】
G01S7/497
G01S7/4865
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023562413
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 JP2022042828
(87)【国際公開番号】W WO2023090415
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2024-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2021187618
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520001073
【氏名又は名称】パイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】細井 研一郎
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-215005(JP,A)
【文献】特開2011-013135(JP,A)
【文献】特開2011-004230(JP,A)
【文献】特開2003-114277(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111398970(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0239806(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51,
G01S 17/00-17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過部材を介して光を出射し、対象物からの反射光を検出する測距装置であって、
前記透過部材で反射した反射光を含む内部反射光と前記対象物からの反射光とを受光する受光部と、
前記受光部による前記内部反射光の受光信号が飽和しているか否かを判定した結果を用いて、前記対象物からの反射光の検出処理を切り替える切り替え制御部とを備える測距装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測距装置において、
前記切り替え制御部は、前記検出処理として、第1検出処理と第2検出処理とを切り替え、
前記第1検出処理は、前記受光部から出力された受光信号の、基準レベルに対するレベルの高さに基づく検出処理であり、
前記第2検出処理は、前記受光部から出力された受光信号のレベルの傾きに基づく検出処理である
測距装置。
【請求項3】
請求項2に記載の測距装置において、
前記切り替え制御部は、前記内部反射光の受光後、前記受光信号の飽和期間内では前記第2検出処理が行われ、それ以外では前記第1検出処理が行われるよう、切り替えを行う
測距装置。
【請求項4】
請求項3に記載の測距装置において、
前記飽和期間は、前記受光信号が定常的に前記基準レベルへ戻るまでの間である
測距装置。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載の測距装置において、
前記切り替え制御部は、前記受光部による受光結果における前記内部反射光の強度を用いて前記検出処理を切り替える
測距装置。
【請求項6】
請求項に記載の測距装置において、
前記切り替え制御部は、
光の複数の出射方向における前記内部反射光の受光結果の分布を用いて、前記透過部材への付着物がある領域に対応する付着物領域を特定し、
前記付着物領域内での位置に基づいて前記検出処理を出射方向ごとに切り替える
測距装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測距装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の自動運転等に用いることができる測距装置の開発が行われている。測距装置の一例としては、出射した光が物体に反射されて戻るまでの時間を測定して、周囲の物体との距離を測定するものが挙げられる。
【0003】
このような測距装置では、光を出射する出射窓に付着物が生じると測距に影響が生じる。
【0004】
特許文献1には、光の受光パワーをモニタし、窓部から汚れなどを取り除くことが必要なときに窓洗浄装置を動作させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2009-503486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、測距装置が窓洗浄装置を備えていない場合など、即座に汚れを取り除くことができない場合もある。
【0007】
そのように出射窓に付着物が生じている状況では、窓部で反射した光によって受光部が飽和し、受光信号に比較的長時間にわたって飽和の影響が残ることがある。そして、飽和の影響が残る期間内では、測定対象物からの反射光を検出できないことがある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題としては、付着物の影響がある状況下における測距の可能性を高めることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、
透過部材を介して光を出射し、対象物からの反射光を検出する測距装置であって、
前記透過部材で反射した反射光を含む内部反射光と前記対象物からの反射光とを受光する受光部と、
前記受光部による前記内部反射光の受光結果を用いて、前記対象物からの反射光の検出処理を切り替える切り替え制御部とを備える測距装置である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る測距装置の構成を例示する図である。
図2】第1の実施形態に係る測距装置を例示する図である。
図3】第1の実施形態に係る測距装置の構成を詳しく例示する図である。
図4】第1の実施形態に係る制御部のハードウエア構成を例示する図である。
図5】受光部の受光信号の波形を例示する図である。
図6】第1の実施形態に係る切り替え制御部が行う切り替え処理の第1例の流れを示すフローチャートである。
図7】受光部の受光信号の波形の他の例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る切り替え制御部が行う切り替え処理の第2例の流れを示すフローチャートである。
図9】フレームにおける内部反射光の受光強度の分布を示すマップおよび、飽和時間の分布を示すマップを例示する図である。
図10】第2の実施形態に係る切り替え制御部が行う処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る測距装置10の構成を例示する図である。図2は、本実施形態に係る測距装置10を例示する図である。図1よび図2において、破線矢印は光の経路を模式的に示している。本実施形態に係る測距装置10は、透過部材20を介して光を出射し、対象物30からの反射光を検出する装置である。測距装置10は、受光部180および切り替え制御部121を備える。受光部180は、透過部材20で反射した反射光を含む内部反射光と対象物30からの反射光とを受光する。切り替え制御部121は、受光部180による内部反射光の受光結果を用いて、対象物30からの反射光の検出処理を切り替える。以下に詳しく説明する。
【0013】
測距装置10において、光源14から出力された光は図2に示すように主に透過部材20を介して測距装置10の外部に出射される。しかし、光源14から出力された光の少なくとも一部は、図1に示すように測距装置10の内部で反射されて内部反射光となる。内部反射光は受光部180で受光される。この内部反射光には透過部材20で反射された光も含まれる。また、透過部材20への付着物が存在した場合、内部反射光にはその付着物に起因した反射光が含まれる。
【0014】
透過部材20は測距装置10の内側と外側を仕切っている、光を透過する部材である。透過部材20はたとえばガラスまたは樹脂からなる。透過部材20の少なくとも一つの面は測距装置10の外部の空間にさらされており、汚れや雨滴等が付着し得る。付着物に起因した反射光には、たとえば、透過部材20と付着物との界面で反射された光、付着物の内部で反射された光、付着物と空気との界面で反射された光を含む。受光部180は、内部反射光と、対象物30からの反射光とを受光する。切り替え制御部121は、受光部180による内部反射光の受光結果を用いて、対象物30からの反射光の検出処理を切り替える。内部反射光の受光結果とは、内部反射光の受光の影響が生じる期間の受光結果を含む。検出処理については詳しく後述する。なお、対象物30は透過部材20への付着物ではないもの、すなわち透過部材20に接していないものとする。
【0015】
図3は、本実施形態に係る測距装置10の構成を詳しく例示する図である。本図において、破線矢印は光の経路を模式的に示している。本図を参照し、測距装置10の構成について詳しく説明する。
【0016】
測距装置10は、たとえばパルス光の出射タイミングと反射光(反射したパルス光)の受光タイミングとの差に基づいて、測距装置10から走査範囲160内にある物体(対象物30)までの距離を測定する装置である。パルス光はたとえば赤外光等の光である。また、パルス光はたとえばレーザパルスである。測距装置10に備えられた光源14から出力され、透過部材20を通って測距装置10の外部へ出射されたパルス光は、物体で反射されて少なくとも一部が測距装置10に向かって戻る。そして、反射光が再び透過部材20を通って測距装置10内に入射する。測距装置10に入射した反射光は受光部180で受光され、強度が検出される。ここで、測距装置10では光源14からパルス光が出射されてから反射光が受光部180で検出されるまでの時間が測定される。そして、測距装置10に備えられた制御部120は、測定された時間とパルス光の伝搬速さを用いて測距装置10と物体との距離を算出する。測距装置10はたとえばライダー(LIDAR:Laser Imaging Detection and Ranging, Laser Illuminated Detection and Ranging またはLiDAR:Light Detection and Ranging)装置である。
【0017】
光源14はパルス光を出射する。光源14は、たとえばレーザーダイオードである。受光部180は受光素子18および検出回路181を含む。受光素子18は、測距装置10に入射したパルス光および上述した内部反射光を受光する。受光素子18は、たとえばアバランシェフォトダイオード(APD)等のフォトダイオードである。
【0018】
図3の例において、測距装置10は、可動ミラー16をさらに備える。可動ミラー16は、たとえば一軸可動または二軸可動のMEMSミラーである。可動ミラー16の反射面の向きを変えることにより、測距装置10から出射されるパルス光の出射方向を変化させることができる。可動ミラー16が二軸可動のMEMSミラーである場合、可動ミラー16を二軸駆動する事により、所定の範囲内をパルス光でラスタスキャンすることができる。
【0019】
制御部120は、複数のパルス光による測定結果を含む点群データを生成する。たとえば、走査範囲160内をラスタスキャンする場合、第1の方向161に光の出射方向を変化させる事によりライン状の走査を行う。そして、第2の方向162に光の出射方向を変化させながら複数のライン状走査を行う事により、走査範囲160内の複数の測定結果を含む点群データを生成する事ができる。本図の例において、第1の方向161と第2の方向162とは直交している。
【0020】
一度のラスタスキャンで生成される点群データの単位をフレームと呼ぶ。ひとつのフレームについて測定が終わると、光の出射方向は初期位置に戻り、次のフレームの測定が行われる。こうして、繰り返しフレームが生成される。点群データにおいては、パルス光で測定された距離と、そのパルス光の出射方向を示す情報とが関連付けられている。または、点群データは、パルス光の反射点を示す三次元座標を含んでもよい。制御部120は、算出された距離と、各パルス光を出射する時の可動ミラー16の角度を示す情報とを用いて点群データを生成する。生成された点群データは測距装置10の外部に出力されても良いし、制御部120からアクセス可能な記憶装置に保持されても良い。
【0021】
本図の例において、測距装置10は孔付きミラー15、および集光レンズ13をさらに備える。光源14から出力されたパルス光は孔付きミラー15の孔を通過し、可動ミラー16で反射された後に測距装置10から出射される。また、測距装置10に入射した反射光は可動ミラー16および孔付きミラー15で反射された後、集光レンズ13を介して受光部180に入射する。なお、測距装置10は、コリメートレンズやミラー等をさらに含んでもよい。
【0022】
制御部120は、発光部140、受光部180、および可動反射部164を制御することができる(図4参照)。発光部140、受光部180、および可動反射部164は測距装置10に含まれる。発光部140は光源14および駆動回路141を含む。受光部180は受光素子18および検出回路181を含む。可動反射部164は可動ミラー16および駆動回路163を含む。駆動回路141は、集積回路80からの制御信号に基づき光源14を発光させるための回路であり、たとえばスイッチング回路や容量素子を含んで構成される。検出回路181は、I-Vコンバータや増幅器を含み、受光素子18による光の検出強度を示す信号を出力する。制御部120は、受光部180から受光信号を取得し、受光信号に対して後述する検出処理を行うことにより、対象物30からの反射光によるピークを検出する。そして、検出したピークの受光タイミングと、光の出射タイミングとを用いて、上述したように測距装置10から走査範囲160内の対象物30までの距離を算出する。また、制御部120は切り替え制御部121を含み、切り替え制御部121によって測距のための検出処理の切り替えが行われる。
【0023】
図4は、本実施形態に係る制御部120のハードウエア構成を例示する図である。制御部120は、集積回路80を用いて実装されている。集積回路80は、例えば SoC(System On Chip)である。
【0024】
集積回路80は、バス802、プロセッサ804、メモリ806、ストレージデバイス808、入出力インタフェース810、及びネットワークインタフェース812を有する。バス802は、プロセッサ804、メモリ806、ストレージデバイス808、入出力インタフェース810、及びネットワークインタフェース812が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ804などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。プロセッサ804は、マイクロプロセッサなどを用いて実現される演算処理装置である。メモリ806は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現されるメモリである。ストレージデバイス808は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどを用いて実現されるストレージデバイスである。
【0025】
入出力インタフェース810は、集積回路80を周辺デバイスと接続するためのインタフェースである。本図において、入出力インタフェース810には光源14の駆動回路141、受光素子18の検出回路181、および可動ミラー16の駆動回路163が接続されている。
【0026】
ネットワークインタフェース812は、集積回路80を通信網に接続するためのインタフェースである。この通信網は、例えば CAN(Controller Area Network)、Ethernet、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)等の通信網である。なお、ネットワークインタフェース812が通信網に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0027】
ストレージデバイス808は、切り替え制御部121を含む制御部120の機能を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ804は、このプログラムモジュールをメモリ806に読み出して実行することで、切り替え制御部121を含む制御部120の機能を実現する。
【0028】
集積回路80のハードウエア構成は本図に示した構成に限定されない。例えば、プログラムモジュールはメモリ806に格納されてもよい。この場合、集積回路80は、ストレージデバイス808を備えていなくてもよい。
【0029】
図5は、受光部180の受光信号の波形を例示する図である。上述した内部反射光は、光源14からの光出射の直後に受光部180で受光される。一方、対象物30からの反射光は測距装置10から対象物30までの距離に応じたタイミングで受光部180により受光される。対象物30が測距装置10から十分遠い場合、受光部180から出力される受光信号には、内部反射光の受光によるピーク(以下、「内部反射ピーク」とも呼ぶ)と、対象物30からの反射光の受光によるピーク(以下、「オブジェクトピーク」とも呼ぶ)とが互いに離れた状態で現れる。すなわちこの場合、光の出射後の受光信号における最初のピークは内部反射ピークであり、2つ目以後のピークがオブジェクトピークであるといえる。ただし、対象物30が測距装置10に近いほど、これらのピークは互いに近くなる。
【0030】
ここで、透過部材20に付着物がある場合、内部反射光の受光によるピーク強度が受光部180の検出レンジを越え、図5のように受光部180の受光信号が飽和することがある。受光部180は一度飽和すると、受光素子18の電荷蓄積等に起因して元の信号レベル(基準レベル)に戻るまでに時間がかかる。そして、この元の信号レベルに戻るまでの間に対象物30からの反射光が受光部180に入射すると、内部反射光の受光の影響がある中で、オブジェクトピークを検出する必要が生じる。
【0031】
受光信号は、検出回路181から出力され、制御部120に入力される信号である。基準レベルはたとえば受光素子18に光が入射していない状況での受光信号レベルであり、受光素子18にパルス光が入射していない状況での受光信号レベルである。本図の例において、受光素子18での受光強度が大きいほど正方向に大きな受光信号が出力される。ただし、受光信号は受光素子18および検出回路181の回路特性を反映した信号であり、回路特性に起因して本図のように負の受光信号が出力されることがあり得る。なお、受光強度に対する受光信号の極性等は本図の例に限定されない。たとえば、受光部180は、受光素子18での受光強度が大きいほど負方向に大きな受光信号が出力される構成を有しても良い。以下の説明においても、処理等における極性は適宜設定される。
【0032】
本図の例において、内部反射光を受光すると、受光信号が立ち上がり飽和する。そして飽和状態を脱するとゼロレベル(基準レベル)に戻り、検出回路181からはさらに負の極性の信号値が出力される。そして受光信号は極小値をとった後、徐々に基準レベルへ戻る。この極小値をとってから、基準レベルへ戻るまでの間にオブジェクトピークが存在する。
【0033】
<検出処理>
受光信号からピークを検出する検出処理について以下に説明する。本実施形態に係る測距装置10では、切り替え制御部121は、検出処理として、第1検出処理と第2検出処理とを切り替える。
【0034】
第1検出処理は、受光部180から出力された受光信号の、基準レベルに対するレベルの高さに基づく検出処理である。具体的には第1検出処理ではまず、受光信号レベルから基準レベルを差し引いた値Lを算出する。そして、値Lが所定の閾値を超える期間を特定し、その期間中で値Lが最大となる点をピーク位置として検出する。ただし、この点およびこの点の周辺の数点を用いて距離精度を高めるための処理をさらに行い、ピーク位置を特定してもよい。所定の閾値はノイズレベルより大きい値とする。第1検出処理では、ピーク強度が基準レベルを下回るピークは検出されない。
【0035】
第2検出処理は、受光部180から出力された受光信号のレベルの傾きに基づく検出処理である。具体的には第2検出処理では、受光信号の各点(時点)での微分値を算出するそして、算出した微分値の極性が正から負へ切り替わる点をピーク位置として検出する。ただし、この点およびこの点の周辺の数点を用いて距離精度を高めるための処理をさらに行い、ピーク位置を特定してもよい。
【0036】
通常、第2検出処理よりも第1検出処理の方が精度のよいピーク検出ができることから、できるだけ第1検出処理を優先して用いることが好ましい。しかし、図5の例では、オブジェクトピークのピーク強度が基準レベルを下回っており、第1検出処理では検出されない。一方、このようなオブジェクトピークは第2検出処理では検出可能である。本実施形態にかかる測距装置10によれば、第1検出処理を優先しつつ、第1検出処理での検出が困難な状況で第2検出処理を行うように切り替えを行う。したがって、高い検出精度を維持しつつ、付着物の影響がある状況下における測距の可能性を高めることができる。
【0037】
本実施形態に係る切り替え制御部121は、内部反射光の受光後、受光信号が定常的に基準レベルへ戻るまでの間に第2検出処理が行われ、それ以外では第1検出処理が行われるよう、切り替えを行う。そうすることで、内部反射ピークの飽和の影響がある状況下でもオブジェクトピークを検出できる。
【0038】
<飽和期間>
内部反射ピークの飽和の影響がある期間を、以下では飽和期間と呼ぶ。内部反射ピークの波形は付着物の種類等によっても異なるが、一例として付着物が水分である場合、波形が長時間にわたり飽和の影響を受ける。
【0039】
図5および後述する図7において、期間Pは飽和期間を示している。飽和期間の始点は内部反射ピークにおける飽和の始点である。受光部180が出力する受光信号が予め定められた飽和基準レベルを超えている状態を、受光部180が飽和している状態であるとする。すなわち、切り替え制御部121は、光の出射後、最初に受光信号が予め定められた飽和基準レベル以上となった点を飽和期間の始点として特定する。飽和基準レベルはたとえば受光部180の飽和レベルよりわずかに小さい。ここで、飽和レベルとは、受光部180が飽和せずに検出できる最大の受光強度を意味する。
【0040】
飽和期間の終点は、受光信号が定常的に基準レベルへ戻った点である。たとえば、飽和後2度目にゼロクロスする時点と飽和後初めて収束する時点とのうち早い方を飽和期間の終点とすることができる。切り替え制御部121は、信号値が予め定められた収束レベル範囲内である状態が所定の長さ続いた場合を収束している状態と判定する。そして、収束している状態が生じていると判定された場合、その状態が始まった時点、すなわち、信号値が収束レベル範囲外から収束レベル範囲内となった時点を、飽和後初めて収束した時点として特定する。なお、収束レベル範囲はゼロを間に含む範囲であり、収束レベル範囲の上限はゼロよりわずかに大きく、収束レベル範囲の下限はゼロよりわずかに小さい。ただし、収束レベル範囲の上限とゼロとの差は収束レベル範囲の下限とゼロとの差よりも大きくすることができる。たとえば、外乱光が測距装置10に入射する場合、受光信号がその外乱光の分、ゼロより大きいレベルに収束することがあるからである。
【0041】
切り替え制御部121は、飽和後2度目にゼロクロスする時点と飽和後初めて収束する時点とのうち早い方を選択し、飽和機関の終点として特定する。なお、飽和後2度目にゼロクロスする時点と飽和後初めて収束する時点のいずれかが存在しなくてもよい。その場合、切り替え制御部121は、飽和後2度目にゼロクロスする時点と飽和後初めて収束する時点とのうち、特定できた方を飽和期間の終点とする。
【0042】
また、飽和期間の終点は、飽和状態の終了後、受光信号が収束レベル範囲内であり、かつ、受光信号の傾きがゼロを含む所定の範囲内となった初めの時点または、そのような状態が所定点数続いた時点としても良い。
【0043】
図6は、本実施形態に係る切り替え制御部121が行う切り替え処理の第1例の流れを示すフローチャートである。
【0044】
まず、パルス光が出射されると(S10)、切り替え制御部121は受光信号をモニタし、最初の受光パルスが飽和基準レベル以上の強度であるか否かを判定する(S11)。最初の受光パルスが飽和基準レベル以上の強度でない場合(S11のNo)、切り替え制御部121は最初の受光パルスの後に行う検出処理として、第1検出処理を設定する(S15)。以後、次のパルス光出射までの全ての検出値に対して行う検出処理として第1検出処理が設定される。
【0045】
最初の受光パルスが飽和基準レベル以上の強度である場合(S11のYes)、切り替え制御部121は次いで受光信号の飽和状態が解消しているか否かを判定する(S12)。飽和状態が解消していない場合(S12のNo)、解消するまで切り替え制御部121は受光部180からの検出値のモニタを続けこの判定を繰り返す(S12)。飽和状態が解消すると(S12のYes)、切り替え制御部121は飽和状態解消後の検出値(受光信号の点)に対し、上述した方法で期間Pの範囲内であるか否かを判定する(S13)。その検出値が期間P(飽和期間)の範囲内である場合(S13のYes)、切り替え制御部121はその検出値に対して行う検出処理として、第2検出処理を設定する(S14)。次いで、切り替え制御部121は、次の検出値に対して期間Pの範囲内であるか否かを判定する(S13)。このようにして、期間Pの範囲を過ぎるまで、各検出値に対してS13の判定と、第2検出処理の設定が繰り返される。検出値が期間Pの範囲内でなくなると(S13のNo)、切り替え制御部121はその検出値に対して行う検出処理として、第1検出処理を設定する(S15)。以後、次のパルス光出射までの全ての検出値に対して行う検出処理として第1検出処理が設定される。
【0046】
以上のフローにより、ピーク検出を行うべき全ての検出値に対して、第1検出処理または第2検出処理が設定される。行うべき検出処理が切り替え制御部121により設定されると、設定された検出処理が制御部120により実行される。本図の例によれば、光の受光に対してほぼリアルタイムでの切り替えおよび検出が可能となる。ただし、ピーク検出、すなわち、ある検出値がピークであるか否かの特定には、その検出値の前後複数の検出値が必要である場合もあるため、制御部120による検出処理の実行は、切り替え制御部121による検出処理の設定から遅延しても良い。また、切り替え制御部121による各検出値に対する検出処理の設定内容は、記憶部(たとえばストレージデバイス808)に少なくとも一時的に保持されても良い。また、切り替え制御部121による検出処理の判定および制御部120によるピーク検出は、光の出射毎にまとめて行われても良いし、フレーム毎にまとめて行われても良い。
【0047】
図6の処理例によれば、図5のように検出処理が設定される。図5において、「S2」は第2検出処理によってピーク検出が行われる期間を示し、「S1」は第1検出処理によってピーク検出が行われる期間を示す。
【0048】
図7は、受光部180の受光信号の波形の他の例を示す図である。本図の例において、オブジェクトピークは飽和期間内に位置する。オブジェクトピークの位置において、受光信号が基準レベルに収束した状態とは未だ言えないからである。一方、オブジェクトピークのピーク強度は基準レベルを超えており、第1検出処理でオブジェクトピークを検出することが可能である。
【0049】
図8は、本実施形態に係る切り替え制御部121が行う切り替え処理の第2例の流れを示すフローチャートである。
【0050】
まず、パルス光が出射されると(S10)、切り替え制御部121は受光信号をモニタし、最初の受光パルスが飽和基準レベル以上の強度であるか否かを判定する(S11)。最初の受光パルスが飽和基準レベル以上の強度でない場合(S11のNo)、切り替え制御部121は最初の受光パルスの後に行う検出処理として、第1検出処理を設定する(S15)。以後、次のパルス光出射までの全ての検出値に対して行う検出処理として第1検出処理が設定される。
【0051】
最初の受光パルスが飽和基準レベル以上の強度である場合(S11のYes)、切り替え制御部121は次いで受光信号が基準レベルを下回っているか否かを判定する(S121)。受光信号が基準レベルを下回っていない場合(S121のNo)、下回るまで切り替え制御部121は受光部180からの検出値のモニタを続けこの判定を繰り返す(S121)。受光信号が基準レベルを下回ると(S121のYes)、切り替え制御部121は基準レベルを下回った後の検出値に対し、上述した方法で期間Pの範囲内であるか否かを判定する(S13)。その検出値が期間Pの範囲内である場合(S13のYes)、切り替え制御部121は次いで、その検出値が基準レベル以上であるか否かを判定する(S132)。その検出値が基準レベル以上でない場合(S132のNo)、切り替え制御部121はその検出値に対して行う検出処理として、第2検出処理を設定する(S14)。次いで、切り替え制御部121は、次の検出値に対して期間Pの範囲内であるか否かを判定する(S13)。S132において検出値が基準レベル以上である場合(S132のYes)、切り替え制御部121は、その検出値に対して行う検出処理として、第1検出処理を設定する(S152)。次いで、切り替え制御部121は、次の検出値に対してS13に戻り、期間Pの範囲内であるか否かを判定する。S13において検出値が期間Pの範囲内でない場合(S13のNo)、切り替え制御部121はその検出値に対して行う検出処理として、第1検出処理を設定する(S15)。以後、次のパルス光出射までの全ての検出値に対して行う検出処理として第1検出処理が設定される。
【0052】
以上のフローによっても、ピーク検出を行うべき全ての検出値に対して、第1検出処理または第2検出処理が設定される。行うべき検出処理が切り替え制御部121により設定されると、設定された検出処理が制御部120により実行される。本図の例によれば、光の受光に対してほぼリアルタイムでの切り替えおよび検出が可能となる。ただし、ピーク検出、すなわち、ある検出値がピークであるか否かの特定には、その検出値の前後複数の検出値が必要である場合もあるため、制御部120による検出処理の実効は、切り替え制御部121による検出処理の設定から遅延しても良い。また、切り替え制御部121による各検出値に対する検出処理の設定内容は、少なくとも一時的に記憶部に保持されても良い。また、切り替え制御部121による検出処理の判定および制御部120によるピーク検出は、光の出射毎にまとめて行われても良いし、フレーム毎にまとめて行われても良い。
【0053】
図8の処理例によれば、図7のように検出処理が設定される。図7において、「S2」は第2検出処理によってピーク検出が行われる期間を示し、「S1」は第1検出処理によってピーク検出が行われる期間を示す。本処理例によれば、飽和期間内であっても第1検出処理で検出可能なピークに対して、第1検出処理を適用できる。
【0054】
以上、本実施形態によれば、切り替え制御部121が、受光部180による内部反射光の受光結果を用いて、対象物30からの反射光の検出処理を切り替える。したがって、付着物の影響がある状況下における測距の可能性を高めることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る測距装置10は、切り替え制御部121がフレームにおける内部反射光の受光結果の分布を用いて、検出処理を切り替える点を除いて第1の実施形態に係る測距装置10と同じである。
【0056】
図9は、フレームにおける内部反射光の受光強度の分布を示すマップ(以後、「内部反射光強度マップ」と呼ぶ)および、飽和時間の分布を示すマップ(以後、「飽和時間マップ」と呼ぶ)を例示する図である。本図における二つのマップは同時に測定された結果である。各マップではパルス光の出射方向と内部反射光の受光結果とが対応付けられている。本図のマップは、透過部材20に付着物がある状態で取得されたものであり、破線の楕円の内側の領域に、付着物の影響が現れている。
【0057】
内部反射光強度マップは、各出射光に対する内部反射ピークにおけるピーク強度(最大強度)を内部反射光強度として示している。飽和時間マップは、各出射光に対する、上述した飽和期間の長さを示している。ただし、本図の内部反射光強度マップは、測定時の内部反射光強度と、付着物がない状況の初期状態で測定された内部反射光強度との差分を示している。また、本図の飽和時間マップは、測定時の飽和時間と、付着物がない状況の初期状態で測定された飽和時間との差分を示している。付着物がない状態でもある程度の内部反射光が生じるため、初期状態との差分を取ることで付着物の影響をより明らかにすることができる。
【0058】
本図から分かるように、付着物に対応する領域では、内部反射光強度が非常に高くなっている。また、付着物に対応する領域では、飽和時間も長くなっていることが分かる。また、飽和時間は付着物がある領域のうち、中心に近いほど長くなっていることが分かる。このように飽和時間が長い領域では、オブジェクトピークが飽和期間に生じる可能性があるため、第2検出処理を行うことが好ましい。本実施形態に係る切り替え制御部121は以下のような処理を行う。
【0059】
切り替え制御部121は、受光結果における内部反射光の強度を用いて検出処理を切り替える。詳しくは、切り替え制御部121は、光の複数の出射方向における内部反射光の受光結果の分布を用いて、透過部材20への付着物がある領域に対応する付着物領域を特定し、付着物領域内での位置に基づいて検出処理を出射方向ごとに切り替える。本実施形態に係る測距装置10によれば、必ずしも飽和時間を特定する必要がない。
【0060】
図10は、本実施形態に係る切り替え制御部121が行う処理の流れを例示するフローチャートである。あるフレームについて測定が終了すると、切り替え制御部121はそのフレームの全ての測定点の受光信号を取得する(S21)。切り替え制御部121は、複数の出射方向に対応する内部反射光強度を用いて、内部反射光強度マップを生成する(S22)。なお、上述したとおり、ここで用いる内部反射光強度は、初期状態の値からの変化量であることが好ましい。内部反射光強度マップからは、走査範囲において付着物が生じている領域を特定することができる。具体的には切り替え制御部121は、内部反射光強度マップにおいて内部反射光強度が所定の値A以上である領域を付着物領域として特定する(S23)。
【0061】
そして切り替え制御部121は、特定した付着物領域内の各点(各出射方向)について、付着物領域の外縁からの最短距離を算出する(S24)。この最短距離が長い点ほど、付着物領域の中心に近く、飽和時間が長くなりやすいと言える。
【0062】
次いで、切り替え制御部121は、フレーム内のある測定点について、内部反射光強度が所定の値B以上であり、かつ付着物領域の外縁からの最短距離が所定の値C以上であるか否かを判定する(S25)。内部反射光強度が所定の値B以上であり、かつ付着物領域の外縁からの最短距離が所定の値C以上である場合(S25のYes)、切り替え制御部121は、その測定について、ピーク検出を行う検出処理として第2検出処理を設定する(S26)。内部反射光強度が所定の値B以上であり、かつ付着物領域の外縁からの最短距離が所定の値C以上であるという条件を満たさない場合(S25のNo)、切り替え制御部121は、その測定について、ピーク検出を行う検出処理として第1検出処理を設定する(S27)。切り替え制御部121はS26およびS27のいずれかを行うと、フレーム内の全ての測定点に検出処理を設定したか否かを判定する(S28)。全ての測定点に検出処理が設定されていない場合(S28のNo)、未だ検出処理が設定されていない測定点についてS25の処理を行う。全ての測定点に検出処理を設定した場合(S28のYes)、切り替え制御部121は、そのフレームに対する処理を終了する。
【0063】
こうしてフレーム内の全ての測定点に対して、適用すべき検出処理が設定される。すると、制御部120は設定された検出処理を用いて各測定点の受光信号からオブジェクトピークを検出し、距離算出を行う。そうして、フレームの距離マップが得られる。切り替え制御部121による検出処理の設定および制御部120による距離算出を行うタイミングは任意である。たとえば一フレーム毎に行われても良いし、所定の数のフレーム毎に行われても良い。また、切り替え制御部121による検出処理の設定および制御部120による距離算出を行うタイミング(単位)は異なっていても良い。
【0064】
なお、制御部120は、第2検出処理が設定された測定点の受光信号の全体について、第2検出処理によるピーク検出を行っても良いし、一部にのみ第2検出処理によるピーク検出を行っても良い。後者の場合、具体的には制御部120は、パルス光の出射から、所定の時間経過するまでについて第2検出処理を行い、受光信号の残りの部分について第1検出処理によるピーク検出を行う。出射から十分な時間が経過すれば、オブジェクトピークの検出が内部反射ピークの影響を受ける可能性が低いからである。
【0065】
なお、切り替え制御部121は、内部反射光強度マップの代わりに、複数の出射方向に対応する飽和時間、または、飽和時間の初期値からの変化量を用いて飽和時間マップを生成し、飽和時間が所定の値D以上のである点について、第2検出処理を設定しても良い。この場合でも、上述したように、制御部120は、第2検出処理が設定された測定点の受光信号の全体について、第2検出処理によるピーク検出を行っても良いし、一部にのみ第2検出処理によるピーク検出を行っても良い。なお、内部反射光強度マップや飽和時間マップでは、可動ミラー16の軌道と光学レンズの効果により像に歪が生じることがある。このような歪は既知であるので、予め定めた補正パラメータを用いて各マップを補正する処理が行われても良い。その場合、マップの外形は長方形ではなくてよい。または、マップの外形は長方形のままとし、投影される対象物や付着物等の歪を必要に応じて補正する処理が行われても良い。
【0066】
本実施形態に係る測距装置10によれば、第1の実施形態に係る測距装置10と同様の作用および効果が得られる。
【0067】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。たとえば、上述の説明で用いたシーケンス図やフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
透過部材を介して光を出射し、対象物からの反射光を検出する測距装置であって、
前記透過部材で反射した反射光を含む内部反射光と前記対象物からの反射光とを受光する受光部と、
前記受光部による前記内部反射光の受光結果を用いて、前記対象物からの反射光の検出処理を切り替える切り替え制御部とを備える測距装置。
2.
1.に記載の測距装置において、
前記切り替え制御部は、前記検出処理として、第1検出処理と第2検出処理とを切り替え、
前記第1検出処理は、前記受光部から出力された受光信号の、基準レベルに対するレベルの高さに基づく検出処理であり、
前記第2検出処理は、前記受光部から出力された受光信号のレベルの傾きに基づく検出処理である
測距装置。
3.
2.に記載の測距装置において、
前記切り替え制御部は、前記内部反射光の受光後、受光信号が定常的に前記基準レベルへ戻るまでの間に前記第2検出処理が行われ、それ以外では前記第1検出処理が行われるよう、切り替えを行う
測距装置。
4.
1.~3.のいずれか一つに記載の測距装置において、
前記切り替え制御部は、前記受光結果における前記内部反射光の強度を用いて前記検出処理を切り替える
測距装置。
5.
4.に記載の測距装置において、
前記切り替え制御部は、
光の複数の出射方向における前記内部反射光の受光結果の分布を用いて、前記透過部材への付着物がある領域に対応する付着物領域を特定し、
前記付着物領域内での位置に基づいて前記検出処理を出射方向ごとに切り替える
測距装置。
【0068】
この出願は、2021年11月18日に出願された日本出願特願2021-187618号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0069】
10 測距装置
14 光源
16 可動ミラー
18 受光素子
20 透過部材
30 対象物
80 集積回路
120 制御部
121 切り替え制御部
140 発光部
141 駆動回路
160 走査範囲
163 駆動回路
164 可動反射部
180 受光部
181 検出回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10