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特許7656832情報処理システム、情報処理サーバおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-27
(45)【発行日】2025-04-04
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理サーバおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20250328BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022069039
(22)【出願日】2022-04-19
(65)【公開番号】P2023158954
(43)【公開日】2023-10-31
【審査請求日】2024-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】513261532
【氏名又は名称】株式会社フォーイット
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】菅原 亮
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 敬太
(72)【発明者】
【氏名】渡部 陽介
(72)【発明者】
【氏名】山田 良一
(72)【発明者】
【氏名】小山 秀人
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-159686(JP,A)
【文献】特開2022-025688(JP,A)
【文献】特開2021-135874(JP,A)
【文献】特開2013-196063(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0262235(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告主側サイトを有する広告主側サーバとは異なるサーバであり、前記広告主側サイトに係るドメインのサブドメインが付与された情報処理サーバを備え、
前記広告主側サイトについての広告情報のリンク先が前記情報処理サーバとされ、
前記情報処理サーバは、
前記広告主側サーバから少なくも前記広告主側サイトのランディングページを取得する機能、および、前記広告情報が選択されたことに応じてブラウザからアクセスがあったときに、前記ランディングページを応答すると共に、前記広告主側サイトに係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーを前記ブラウザに付与する機能を有する情報処理サーバ制御部を備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理サーバ制御部は、
前記広告情報が選択されたことに応じてブラウザからアクセスがあったときに、前記ランディングページを応答すると共に、アフィリエイトサーバにクリックIDの応答要求を行って前記クリックIDを取得し、取得したクリックIDを識別情報として保有し、かつ、前記広告主側サイトに係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーを前記ブラウザに付与する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理サーバ制御部は、
前記広告主側サイトを構成するWebページのうち、前記ランディングページのみを前記広告主側サーバから取得し、
前記広告主側サーバの前記広告主側サイトにおいてコンバージョンが達成されて、コンバージョンの内容を示すコンバージョン情報を前記広告主側サーバから受信した場合、前記ブラウザに付与したクッキーが保有する前記クリックIDおよび受信した前記コンバージョン情報を前記アフィリエイトサーバに送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報処理サーバ制御部は、
前記広告主側サイトを構成する全てのWebページを前記広告主側サーバから取得し、
前記情報処理サーバの前記広告主側サイトにおいてコンバージョンが達成された場合、前記ブラウザに付与したクッキーが保有する前記クリックIDおよびコンバージョンの内容を示すコンバージョン情報を前記アフィリエイトサーバに送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
第1広告主側サイトに対応し、前記第1広告主側サイトに係るドメインのサブドメインが付与された第1情報処理サーバと、第2広告主側サイトに対応し、前記第2広告主側サイトに係るドメインのサブドメインが付与された第2情報処理サーバとを前記情報処理サーバとして備え、
前記第1広告主側サイトについての前記広告情報のリンク先が前記第1情報処理サーバとされ、
前記第1情報処理サーバの前記情報処理サーバ制御部は、
前記広告情報が選択されたことに応じてブラウザからアクセスがあったときに、前記第1広告主側サイトに係るランディングページを応答すると共に、アフィリエイトサーバにクリックIDの応答要求を行って前記クリックIDを取得し、取得したクリックIDを識別情報として保有し、かつ、前記第1広告主側サイトに係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーを前記ブラウザに付与し、
前記第1広告主側サイトから前記第2広告主側サイトへの遷移が指示された場合、前記ブラウザに付与したクッキーが保有する前記クリックIDが前記第2情報処理サーバに通知されるようにし、
前記第2情報処理サーバの前記情報処理サーバ制御部は、
前記第1広告主側サイトから前記第2広告主側サイトへの遷移に応じて前記ブラウザからアクセスがあったときに、前記第2広告主側サイトに係るランディングページを応答すると共に、通知されたクリックIDを識別情報として保有し、かつ、前記第2広告主側サイトに係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーを前記ブラウザに付与する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
広告主側サイトを有する広告主側サーバとは異なる情報処理サーバであって、
前記広告主側サイトに係るドメインのサブドメインが付与され、
前記広告主側サーバから少なくも前記広告主側サイトのランディングページを取得する機能、および、前記広告主側サイトについての情報であって、リンク先が前記情報処理サーバとされている広告情報が選択されたことに応じてブラウザからアクセスがあったときに、前記ランディングページを応答すると共に、前記広告主側サイトに係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーを前記ブラウザに付与する機能を有する情報処理サーバ制御部を備える
ことを特徴とする情報処理サーバ。
【請求項7】
広告主側サイトを有する広告主側サーバとは異なるサーバであり、前記広告主側サイトに係るドメインのサブドメインが付与された情報処理サーバによる情報処理方法であって、
前記情報処理サーバの情報処理サーバ制御部が、前記広告主側サーバから少なくも前記広告主側サイトのランディングページを取得するステップと、
前記情報処理サーバの前記情報処理サーバ制御部が、前記広告主側サイトについての情報であって、リンク先が前記情報処理サーバとされている広告情報が選択されたことに応じてブラウザからアクセスがあったときに、前記ランディングページを応答すると共に、前記広告主側サイトに係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーを前記ブラウザに付与するステップとを含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理サーバおよび情報処理方法に関し、特に、広告情報が選択された場合に対応する処理を実行可能な情報処理システム、当該情報処理システムを構成する情報処理サーバ、および、当該情報処理サーバによる情報処理方法に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、アフィリエイトサービスが広く普及している。このアフィリエイトサービスでは、Webメディアの広告情報を選択したユーザと、成果報酬の対象となるアクションを行ったユーザとを紐づけるトラッキングが必要になる。トラッキングの手法としては様々な提案がなされているものの、クッキーを用いたトラッキングが広く行われている。クッキーを用いたトラッキングでは、Webメディアへのアクセス元のブラウザに対してクッキーが付与されることになる。そしてトラッキングを的確に行うため、ブラウザに付与するクッキーをファーストパーティクッキーとしたいとするニーズがあり、このニーズを満たす様々な手法が提案されている。例えば特許文献1には、広告主側サイト(広告主ウェブサイト)がファーストパーティクッキーを発行してブラウザに付与し、このファーストパーティクッキーを用いてトラッキングを行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-025688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、ブラウザに付与するクッキーをファーストパーティクッキーとしたいニーズがあるものの、特許文献1のように広告主側サイトがファーストパーティクッキーを発行してブラウザに付与する仕組みの場合、ファーストパーティクッキーを付与する機能を広告主側サイトに実装する必要があり、広告主にとって労力が大きかった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、ファーストパーティクッキーを付与する仕組みの構築にあたって、広告主の労力を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本発明では、情報処理システムは、広告主側サイトを有する広告主側サーバとは別に、情報処理サーバを備えており、広告主側サイトについての広告情報のリンク先が情報処理サーバとされる。そして、情報処理サーバは、広告主側サーバから少なくも広告主側サイトのランディングページを取得する機能、および、広告情報が選択されたことに応じてブラウザからアクセスがあったときに、ランディングページをレスポンスすると共に、広告主側サイトに係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーをブラウザに付与する機能を有している。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成した本発明によれば、広告主側サーバの機能ではなく、情報処理サーバの機能により情報処理サーバが主体となってクッキーの付与が行われる。そして情報処理サーバにより付与されるクッキーは、広告主側サイトに係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーであり、広告主側サイト(広告主)にとってのファーストパーティクッキーにあたる。情報処理サーバには、広告主側サイトに係るドメインのサブドメインが付与されているため、広告主側サイトに係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーを付与可能である。以上のように本発明よれば、ファーストパーティクッキーを付与可能である一方、広告主側サイト自体にファーストパーティクッキーを発行する機能を実装する必要がない。このため本発明によれば、ファーストパーティクッキーを付与する仕組みの構築にあたって、広告主の労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの各装置の機能構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの各装置の動作例を示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態の第1変形例に係る情報処理システムの各装置の動作例を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態の第2変形例に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態の第2変形例に係る情報処理システムの各装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図1で示すように情報処理システム1は、情報処理サーバ2(特許請求の範囲の「情報処理装置」に相当)と、アフィリエイトサーバ3と、1つ以上の端末4と、1つ以上のメディアサーバ5と、1つ以上の広告主側サーバ6とを含んで構成されている。情報処理サーバ2、アフィリエイトサーバ3、端末4、メディアサーバ5および広告主側サーバ6はそれぞれ、インターネット、電話網、その他の通信網を含むネットワークNに接続可能である。
【0010】
端末4は、ユーザが使用するコンピュータであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置7(図2)が接続されるか、或いは、表示装置7を備えて構成されている。本実施形態ではユーザとは、端末4を利用してメディアサーバ5が提供するWebメディア8を利用し得る者を意味する。メディアサーバ5とWebメディア8については後述する。端末4はブラウザが搭載されているコンピュータであれば、そのタイプはどのようなものであってもよく、例えばデスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ(いわゆるスマートフォンを含む)を端末4として機能させることができる。図1では、無数に存在する端末4のうち数個の端末4を例示的に示している。
【0011】
メディアサーバ5は、Webメディア8を提供するサーバである。Webメディア8とは、ブログや、ニュースサイト、ECサイト、ポータルサイト、口コミサイト、ホームページ、予約サイト、イベントサイト等のWeb上で公開されたメディア(Webサイトを含む)である。本実施形態ではWebメディア8の概念には、Webメディア8として提供される具体的な画面(Webページ)も含まれるものとする。本実施形態に係るWebメディア8には、広告情報が含まれ得る。
【0012】
広告情報とは、広告バナーや、リスティング広告、ディスプレイ広告、その他の広告に関する情報であって、所定のURLへリンクするリンク情報が付与された情報である。典型的な例としては、Webメディア8はいわゆるアフィリエイタが開設するWebサイトであり、広告情報は当該WebサイトのWebページ上に表示される広告バナーである。図1では、1つのメディアサーバ5を示すブロックの中に1つのWebメディア8を示すブロックを描画しているが、これはメディアサーバ5が単一のサーバ装置で構成されることを意味するものではなく、また、1つのメディアサーバ5につき1つのWebメディア8が存在することを意味するものではない。すなわちメディアサーバ5は単一のサーバ装置である必要はなく、例えば複数のサーバ装置により構成されてもよく、また所定のシステムの一部であってもよい。また1つのメディアサーバ5が複数のWebメディア8を提供する構成でもよい。図1では、無数に存在するメディアサーバ5のうち数個のメディアサーバ5を例示的に示している。以下、Webメディア8を提供する者(組織を含む概念。一例としてアフィリエイタ)を「Webメディア提供者」という。
【0013】
広告主側サーバ6は、広告主のWebサイトである広告主側サイト9を有し、提供するサーバである。広告主とは、広告情報に係る広告の提供元となる主体である。広告主側サイト9とは、広告主が提供するWebサイト(Webメディア)である。広告主側サイト9は例えば、広告主が何らかの商品を販売する会社であれば、商品を紹介し商品の購入を申し込むWebサイトであり、広告主が何らかのサービスを提供する会社であれば、サービスを紹介しサービスの購入を申し込むWebサイトである(ただし、これらはあくまで一例である)。
【0014】
広告主側サイト9は、複数のWebページにより構成され、少なくともランディングページを含む。ランディングページとは、広告主側サイト9にアクセスがあったときに最初に提供されるWebページである。広告主側サイト9では、コンバージョンが達成され得る。コンバージョンとは、広告主側サイト9を訪問したユーザが、広告主が目標としているアクションを行った状態のことを意味する。本実施形態では、アフィリエイトサーバ3を運営する者(以下「アフィリエイトサービス提供者」という。例えばアフィリエイトサービスプロバイダがアフィリエイトサービス提供者に該当する)により、アフィリエイトサービスが展開されている。そしてアフィリエイトサービスでは、あるユーザが、あるWebメディア8の広告情報を選択し、広告主側サイト9を訪問した後、そのユーザによるコンバージョンが達成された場合、そのWebメディア8を提供するWebメディア提供者は、報酬の支払いの対象となる。
【0015】
図1では、1つの広告主側サーバ6を示すブロックの中に1つの広告主側サイト9を示すブロックを描画しているが、これは広告主側サーバ6が単一のサーバ装置で構成されることを意味するものではなく、また、1つの広告主側サーバ6につき1つの広告主側サイト9が存在することを意味するものではない。すなわち広告主側サーバ6は単一のサーバ装置である必要はなく、例えば複数のサーバ装置により構成されてもよく、また所定のシステムの一部であってもよい。また1つの広告主側サーバ6が複数の広告主側サイト9を提供する構成でもよい。図1では、無数に存在する広告主側サーバ6のうち数個の広告主側サーバ6を例示的に示している。
【0016】
アフィリエイトサーバ3は、アフィリエイトに関する各種サービスを提供するサーバであり、特にコンバージョンが達成された際に、報酬先の確定と報酬内容の確定とを実行する機能を備えている。図1では、アフィリエイトサーバ3を1つのブロックで表しているが、これはアフィリエイトサーバ3が単一のサーバ装置で構成されることを意味するものではない。例えばアフィリエイトサーバ3は、複数のサーバ装置により構成されてもよく、また所定のシステムの一部であってもよい。
【0017】
情報処理サーバ2は、情報処理システム1を構成する各装置に後述する各種サービスを提供するサーバである。以下、情報処理サーバ2が提供するサービスを「本件サービス」といい、情報処理サーバ2を提供し運営する主体を「本件サービス提供者」という。本件サービス提供者は、アフィリエイトサービス提供者と同一であってもよい。情報処理サーバ2の意義および機能については、後に詳述する。図1では、情報処理サーバ2を1つのブロックで表しているが、これは情報処理サーバ2が単一のサーバ装置で構成されることを意味するものではない。例えば情報処理サーバ2は、複数のサーバ装置により構成されてもよく、また所定のシステムの一部であってもよい。
【0018】
図2は、情報処理システム1を構成する各装置の機能構成例を示すブロック図である。図2で示すように情報処理サーバ2は機能構成として、情報処理サーバ制御部12と、情報処理サーバ通信部13とを備えている。またアフィリエイトサーバ3は機能構成として、アフィリエイトサーバ制御部14と、アフィリエイトサーバ通信部15とを備えている。また端末4は機能構成として、端末制御部16と、端末通信部17とを備えている。またメディアサーバ5は機能構成として、メディアサーバ制御部18と、メディアサーバ通信部19とを備えている。また広告主側サーバ6は、広告主側サーバ制御部20と、広告主側サーバ通信部21とを備えている。
【0019】
上記機能ブロック12~21は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記機能ブロック12~21は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROM等を備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。また情報処理サーバ2は記憶手段として、情報処理サーバ記憶部23を備えている。またアフィリエイトサーバ3は記憶手段として、アフィリエイトサーバ記憶部24を備えている。
【0020】
情報処理サーバ2の情報処理サーバ通信部13、アフィリエイトサーバ3のアフィリエイトサーバ通信部15、端末4の端末通信部17、メディアサーバ5のメディアサーバ通信部19、および、広告主側サーバ6の広告主側サーバ通信部21はそれぞれ、ネットワークNに接続された外部機器と所定のプロトコルに従って通信する。以下では情報処理システム1を構成する各装置によるネットワークNを介した通信は、各装置が備える通信部により適切に行われるものとして詳細な説明を省略する。
【0021】
本実施形態に係る情報処理システム1では、クッキーを利用したトラッキングを伴うアフィリエイトサービスが展開される。そして本実施形態では情報処理サーバ2という特別なサーバの存在により、ファーストパーティクッキーをブラウザに付与することを可能とし、かつ、この仕組みの構築にあたって、広告主側サイト9の改変を制限し、広告主の労力を軽減している。以下、まず情報処理サーバ2のドメインに関する特徴と、機能の1つについて説明し、その後、各装置の動作についてフローチャートを用いて説明する。
【0022】
ある一の広告主側サイト9と、当該一の広告主側サイト9に対応する情報処理サーバ2とに注目したときに、情報処理サーバ2には、当該一の広告主側サイト9に係るドメイン(メインドメイン)のサブドメインが付与されている。一例として、当該一の広告主側サイト9に係るドメイン(メインドメイン)が「hogehoge.com」であったとして、情報処理サーバ2には、そのサブドメインである「abc.hogehoge.com」が付与されている。情報処理サーバ2へのサブドメインの設定にあたっては、当該一の広告主側サイト9の広告主が、サブドメインを取得し、取得したサブドメインを本件サービス提供者に伝え、本件サービス提供者が、情報処理サーバ2にサブドメインを付与する設定を行う。このようにサブドメインの取得は、広告主が行うことになるが、広告主側サイト9に係る独自ドメインを保有する広告主が、サブドメインを取得する作業は一般的に簡便である。なお上述の通り、広告主側サイト9は、複数存在するが、広告主側サイト9のそれぞれについて、そのサブドメインが情報処理サーバ2に付与されている。
【0023】
更にある一の広告主側サイト9と、当該一の広告主側サイト9に対応する情報処理サーバ2とに注目したときに、情報処理サーバ2の情報処理サーバ制御部12は、以下の機能を備えている。すなわち情報処理サーバ制御部12は、当該一の広告主側サイト9を有する広告主側サーバ6に定期的にアクセスし、当該一の広告主側サイト9のランディングページの表示用データを取得し、取得したランディングページの表示用データを、情報処理サーバ記憶部23の所定の記憶領域に記憶(上書き更新)する機能を備える。本実施形態では情報処理サーバ2は、当該一の広告主側サイト9を構成するWebページのうちランディングページのみを取得し、他のWebページは取得しない。表示用データとは、ブラウザにWebページを表示させるために必要なデータであり、HTMLファイルや付随するデータにより構成される。以下の説明では、Webページ(当然、ランディングページを含む)の表示用データを単に「Webページ」と表現する場合がある。例えば、ランディングページの表示用データを単に「ランディングページ」と言う場合がある。
【0024】
情報処理サーバ2の上記機能により、広告主側サイト9のそれぞれについて、そのランディングページが対応する情報処理サーバ2の情報処理サーバ記憶部23に記憶された状態が構築される。なお本実施形態では情報処理サーバ2が、広告主側サーバ6に定期的にアクセスして広告主側サイト9のランディングページを取得し記憶する構成であるが、他の手法でランディングページを取得する構成でもよい。他の手法については、後述する。
【0025】
次に情報処理システム1を構成する各装置の動作についてフローチャートを用いて説明する。図3は、情報処理システム1の各装置の動作の説明に利用するフローチャートである。図3においてフローチャートFAは端末4の動作を、フローチャートFBはメディアサーバ5の動作を、フローチャートFCは情報処理サーバ2の動作を、フローチャートFDは広告主側サーバ6の動作を、フローチャートFEはアフィリエイトサーバの動作をそれぞれ示している。以下の図3を用いた説明において、フローチャートFAの処理を行う主体となる端末4を「注目端末4-1」とし、注目端末4を使用するユーザを「注目ユーザ」という。またフローチャートFBの処理を行う主体となるメディアサーバ5を「注目メディアサーバ5-1」とする。またフローチャートFCの処理を行う主体となる情報処理サーバ2を「第1情報処理サーバ2-1」とする。またフローチャートFDの処理を行う主体となる広告主側サーバ6を「第1広告主側サーバ6-1」とし、第1広告主側サーバ6-1が有する広告主側サイト9を「第1広告主側サイト9-1」とする。図3では、注目ユーザは、適宜、説明に都合のよい操作/指示を行っている。
【0026】
図3のフローチャートFAで示すように、注目ユーザは、自身が使用する注目端末4-1のブラウザを立ち上げ、注目メディアサーバ5-1のWebメディア8(のURL)へのアクセスを指示する(ステップSX1)。当該指示に応じて注目端末4-1の端末制御部16は、ブラウザの機能により注目メディアサーバ5-1のWebメディア8にアクセス(HTTPリクエスト)する(ステップSA1)。注目メディアサーバ5-1のメディアサーバ制御部18は、Webメディア8へのアクセスがあると、Webページの表示用データ(HTMLファイル等)を注目端末4-1のブラウザに対して応答(HTTPレスポンス)する(ステップSB1)。
【0027】
ここで注目メディアサーバ5-1が応答するWebページの表示用データには、第1広告主側サイト9-1についての広告情報を表示するためのリンクコード(アフィリエイトタグや、広告タグ、或いは単にタグと呼ばれることもある)が記述されているものとする。このリンクコードには、第1情報処理サーバ2-1へのリンク(より詳細には第1情報処理サーバ2-1が記憶する「第1広告主側サイト9-1のランディングページ」へのリンク)が登録されている。つまり広告情報のリンク先は、第1広告主側サーバ6-1(の第1広告主側サイト9-1のURL)ではなく、第1情報処理サーバ2-1(のランディングページのURL)とされている。
【0028】
図3のフローチャートFAで示すように注目端末4-1の端末制御部16は、Webページを受信し、ブラウザの機能によりWebページを表示装置7に表示する(ステップSA2)。ここで表示されたWebページ上には、第1広告主側サイト9-1についての広告情報(一例として広告バナー)が表示される。以下では端末4の表示装置7に表示されたWebページに対する操作の検出、各種画面へ入力された情報の取得、各種画面の動的な変更、その他の画面に関する各種処理は、CGI、JavaScript(登録商標)、Ajax、DHTML、その他の既存の技術を用いて各種サーバにより適切に実行されるものとし、詳しい説明は行わない。
【0029】
図3のフローチャートFAで示すように注目ユーザは、Webページに表示された広告情報(Webメディア8に含まれる広告情報)を選択する(ステップSX2)。これに応じて注目端末4-1の端末制御部16はブラウザの機能により、広告情報に登録されたリンク先(第1情報処理サーバ2-1のランディングページのURL)にアクセスする(ステップSA3)。
【0030】
図3のフローチャートFCで示すように、ブラウザからのアクセスに応じて第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、経過情報を取得する(ステップSC1)。経過情報とは、少なくも注目メディアサーバ5-1のWebメディア8(つまり、選択された広告情報を含むWebメディア8)或いはWebメディア提供者を特定する情報を含む情報であり、少なくともリファラ(第1情報処理サーバ2-1へアクセスする直前にアクセスしていたサーバ(本例では、注目メディアサーバ5-1)に関する情報を少なくとも含む)が含まれる。ただし経過情報には、広告情報が選択された日時や、注目端末4-1或いは注目ユーザに関する所定の情報等、各種分析に利用可能な情報が含まれていてもよい。第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は例えば、アクセス時のHTTPリクエストに含まれる情報から経過情報の少なくとも一部を抽出し、また例えば、ブラウザに対して問い合わせを行って経過情報の少なくとも一部を取得する。次いで第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、アフィリエイトサーバ3に対して経過情報を送信すると共に、クリックIDの応答要求を行う(ステップSC2)。
【0031】
図3のフローチャートFEで示すように、アフィリエイトサーバ3のアフィリエイトサーバ制御部14は、経過情報およびクリックIDの応答要求を受信する(ステップSE1)。次いでアフィリエイトサーバ制御部14は、一意な値のクリックIDを生成する(ステップSE2)。次いでアフィリエイトサーバ制御部14は、アフィリエイトサーバ記憶部24が記憶するトラッキング管理データベース25に、ステップSE2で生成したクリックIDと、ステップSE1で受信した経過情報とを含む1件のレコードを生成する(ステップSE3)。次いでアフィリエイトサーバ制御部14は、ステップSE2で生成したクリックIDを第1情報処理サーバ2-1に応答する(ステップSE4)。
【0032】
図3のフローチャートFCで示すように、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、クリックIDを受信する(ステップSC3)。次いで第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、ランディングページを注目端末4-1に応答すると共に、以下の内容のクッキーをブラウザに付与する(ステップSC4)。以下、ステップSC4で情報処理サーバ制御部12がブラウザに付与するクッキーを特に「第1クッキー」という。第1クッキーは、ステップSC3で受信したクリックIDを識別情報として保有し、かつ、第1広告主側サイト9-1のドメイン(第1情報処理サーバ2-1に付与されたサブドメインではなく)をドメイン情報として保有するクッキーである。
【0033】
周知の通りサブドメインが付与されたサーバは、ドメイン情報としてメインドメインを保有するクッキーをブラウザに対して付与することが可能である。例えば、「www.hogehoge.com」が付与されたサーバは、「hogehoge.com」をドメイン情報として保有するクッキーをブラウザに対して付与することが可能である。また、ドメイン情報としてメインドメインが付与されたクッキーに対しては、メインドメイン内の全てのサブドメインからアクセスが可能である(ただし、アクセスを可能とするためのオプションをサブドメインに付与する必要がある場合には、このオプションが付与されていることを前提とする)。例えば、「hogehoge.com」をドメイン情報として保有するクッキーに対しては、「aaa.hogehoge.com」、「bbb.hogehoge.com」および「ccc.hogehoge.com」の何れからもアクセス可能である。
【0034】
第1クッキーは、第1広告主側サイト9-1に係る広告主にとってのファーストパーティクッキーに相当する。第1クッキーは、第1広告主側サイト9-1のドメイン(メインドメイン)をドメイン情報として保有しているからである。なおサブドメインが付与された第1情報処理サーバ2-1に対して「第1広告主側サイト9-1のランディングページ」を注目端末4-1がリクエストしている状況は、注目端末4-1から見ると、注目端末4-1から第1広告主側サイト9-1にアクセスしている状況に相当する。またサブドメインが付与された第1情報処理サーバ2-1が「広告主側サイト9を構成するランディングページ」の応答と共に第1クッキーを付与している状況は、第1広告主側サイト9-1から見ると、第1広告主側サイト9-1によりブラウザに対してクッキーを付与している状況である。
【0035】
本実施形態において第1広告主側サーバ6-1ではなく、第1情報処理サーバ2-1によるファーストパーティクッキーの付与を可能としているのは、第1情報処理サーバ2-1に、第1広告主側サイト9-1のサブドメインが付与されると共に、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12が以下の2つの機能を備えていることによる。
(1)第1広告主側サーバ6-1から少なくも第1広告主側サイト9-1のランディングページを取得して記憶する機能
(2)注目メディアサーバ5-1のWebメディア8に含まれる広告情報が選択されたことに応じてブラウザからアクセスがあったときに、ランディングページを応答すると共に、第1広告主側サイト9-1に係るドメインをドメイン情報として保有するクッキー(第1クッキー)をブラウザに付与する機能
なお、(2)に関して、より詳細には、本実施形態に係る第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、ブラウザからアクセスがあったときに、アフィリエイトサーバ3にクリックIDの応答要求を行ってクリックIDを取得し、取得したクリックIDを識別情報として保有し、かつ、広告主側サイト9に係るドメインをドメイン情報として保有するクッキー(第1クッキー)をブラウザに付与している。
【0036】
図3のフローチャートFAで示すように、注目端末4-1の端末制御部16はブラウザの機能により、ランディングページを表示装置7に表示する(ステップSA4)。更に端末制御部16は、第1クッキーを所定の記憶領域に記憶する(ステップSA4)。その後、注目ユーザは、ランディグページから、第1広告主側サイト9-1内の他のページへの遷移を指示する(ステップSX3)。これに応じて注目端末4-1の端末制御部16および第1広告主側サーバ6-1の広告主側サーバ制御部20は協働して、サイト内回遊関連処理を実行する。サイト内回遊関連処理について詳述すると、第1広告主側サイト9-1について、ランディングページ以外のWebページのアクセス先は、第1広告主側サーバ6-1の所定のURL(Webページの格納場所)とされている。従ってランディングページ以外のWebページについては、注目端末4-1が第1広告主側サーバ6-1にアクセスし、第1広告主側サーバ6-1が注目端末4-1に対してWebページを応答する。これを踏まえサイト内回遊関連処理では、注目端末4-1の端末制御部16は、ユーザのページの遷移の指示に応じて第1広告主側サーバ6-1の適切なURLにアクセス(HTTPリクエスト)し、第1広告主側サーバ6-1の広告主側サーバ制御部20は、注目端末4-1からのアクセスに応じて適切なWebページを応答(HTTPレスポンス)する。
【0037】
サイト内回遊関連処理を実行中、第1広告主側サーバ6-1の広告主側サーバ制御部20は、コンバージョンが達成されたか否かを監視する。コンバージョンが達成されたことを検出すると、第1広告主側サーバ6-1の広告主側サーバ制御部20は、コンバージョン情報を第1情報処理サーバ2-1に送信する(ステップSD2)。コンバージョン情報とは、コンバージョンの内容を示す情報であり、特にアフィリエイトサーバ3がWebメディア提供者に対する報酬内容を決定するために必要な情報を含む。例えば、第1広告主側サイト9-1が商品を販売するサイトであり、報酬内容が購入された商品の種類および個数によって決定される場合には、購入された商品の種類および個数を示す情報がコンバージョン情報に含まれる。
【0038】
図3のフローチャートFCで示すように第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、コンバージョン情報を受信する(ステップSC5)。コンバージョン情報の受信に応じて第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、注目端末4-1のブラウザから第1クッキーを取得すると共に、第1クッキー内のクリックIDを取得する(ステップSC6)。次いで情報処理サーバ制御部12は、ステップSC5で受信したコンバージョン情報、および、ステップSC6で取得したクリックIDをアフィリエイトサーバ3に送信する(ステップSC7)。
【0039】
図3のフローチャートFEで示すように、アフィリエイトサーバ3のアフィリエイトサーバ制御部14は、コンバージョン情報およびクリックIDを受信する(ステップSE5)。次いでアフィリエイトサーバ制御部14は、コンバージョン情報およびクリックIDに基づいて、報酬関連処理を実行する(ステップSE6)。報酬関連処理では、アフィリエイトサーバ制御部14は、トラッキング管理データベース25を参照し、ステップSE5で受信したクリックIDに対応するレコードを特定し、レコード内の経過情報を取得する。そしてアフィリエイトサーバ制御部14は、取得した経過情報と、ステップSE5で受信したコンバージョン情報とに基づいて、報酬先の確定および報酬内容を確定する。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム1は、広告主側サイト9を有する広告主側サーバ6とは異なるサーバであり、広告主側サイト9に係るドメインのサブドメインが付与された情報処理サーバ2を備えている。また広告主側サイト9についての広告情報のリンク先が情報処理サーバ2とされる。そして情報処理サーバ2は、広告主側サーバ6から少なくも広告主側サイト9のランディングページを取得する機能、および、Webメディア8に含まれる広告情報が選択されたことに応じてブラウザからアクセスがあったときに、ランディングページを応答すると共に、広告主側サイトに係るドメインをドメイン情報として保有するクッキー(第1クッキー)をブラウザに付与する機能を有する情報処理サーバ制御部12を備える。
【0041】
この構成によれば、広告主側サーバ6の機能ではなく、情報処理サーバ2の機能により情報処理サーバ2が主体となってクッキーの付与が行われる。そして情報処理サーバ2により付与されるクッキーは、広告主側サイト9に係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーであり、広告主側サイト9(広告主)にとってのファーストパーティクッキーにあたる。情報処理サーバ2には、広告主側サイト9に係るドメインのサブドメインが付与されているため、広告主側サイト9に係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーを付与可能である。以上の通り本実施形態によれば、ファーストパーティクッキーを付与可能である一方、広告主側サイト9自体にファーストパーティクッキーを発行する機能を実装する必要がない。このため本実施形態によれば、ファーストパーティクッキーを付与する仕組みの構築にあたって、広告主の労力を軽減することができる。
【0042】
更に本実施形態では、情報処理サーバ2の情報処理サーバ制御部12は、広告情報が選択されたことに応じてブラウザからアクセスがあったときに、ランディングページを応答すると共に、アフィリエイトサーバ3にクリックIDの応答要求を行ってクリックIDを取得し、取得したクリックIDを識別情報として保有し、かつ、広告主側サイトに係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーをブラウザに付与する。この構成によれば、クリックIDのアフィリエイトサーバ3からの取得、および、クリックIDを有するクッキーの付与という、トラッキングのためのアフィリエイトサーバ3との連携は、広告主側サーバ6ではなく、情報処理サーバ2により実行される。このため、アフィリエイトサーバ3との連携に係る上記機能を広告主側サイト9に実装する必要がなく、広告主の労力をより軽減することができる。
【0043】
更に本実施形態では、情報処理サーバ2の情報処理サーバ制御部12は、広告主側サイト9を構成するWebページのうち、ランディングページのみを広告主側サーバ6から取得する。そして情報処理サーバ制御部12は、広告主側サーバ6の広告主側サイト)においてコンバージョンが達成されてコンバージョン情報を広告主側サーバ6から受信した場合、ブラウザに付与したクッキーが保有するクリックIDおよび受信したコンバージョン情報をアフィリエイトサーバ3に送信する。この構成によれば、ブラウザに付与したクッキーのクリックIDの取得、および、クリックIDおよびコンバージョン情報のアフィリエイトサーバ3への送信という、トラッキングのためのアフィリエイトサーバ3との連携は、広告主側サーバ6ではなく、情報処理サーバ2により実行される。このため、アフィリエイトサーバ3との連携に係る上記機能を広告主側サイト9に実装する必要がなく、広告主の労力をより軽減することができる。
【0044】
<上記実施形態の第1変形例>
次に上記実施形態の第1変形例について説明する。上記実施形態では、情報処理サーバ2は、広告主側サイト9のランディングページのみを取得した。一方で、本実施形態では情報処理サーバ2は、広告主側サイト9に含まれる全てのWebページを取得する。すなわち、情報処理サーバ2の情報処理サーバ制御部12は、定期的に対応する広告主側サーバ6にアクセスして広告主側サイト9に含まれる全てのWebページを取得し、情報処理サーバ記憶部23に記憶する機能を有する。
【0045】
図4は、本変形例に係る情報処理システム1の各装置の動作例を示すフローチャートである。図4で示すように本変形例では、第1情報処理サーバ2-1は、図3のフローチャートFCに代えてフローチャートFFが示す処理を実行する。フローチャートFFにおいて、フローチャートFCと同一の処理のステップについては同一の符号を付している。また第1広告主側サーバ6-1は、図3のフローチャートFDに代えてフローチャートFGが示す処理を実行する(ただしステップはない)。上述したように本変形例では、情報処理サーバ2の情報処理サーバ制御部12は、定期的に対応する広告主側サーバ6にアクセスして広告主側サイト9に含まれる全てのWebページを取得し、記憶する機能を有する。これを踏まえ、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、第1広告主側サーバ6-1から第1広告主側サイト9-1に含まれる全てのWebページを取得し、記憶する。
【0046】
図4を参照し、フローチャートFAのステップSA4でランディングページが表示され、ステップSX3で注目ユーザによりWebページの遷移が指示された後、注目端末4-1および第1情報処理サーバ2-1(第1広告主側サーバ6-1ではなく)は、サイト内回遊関連処理を実行する(ステップSA5、ステップSF1)。上述したように本変形例では、第1情報処理サーバ2-1は、第1広告主側サイト9の全てのWebページを取得し、記憶する。そして、第1広告主側サイト9-1について、ランディングページを含む全てのWebページのアクセス先は、第1情報処理サーバ2-1の所定のURL(基本的にはWebページの格納場所)とされている。従って、ランディングページを含む全てのWebページについて、注目端末4-1が第1情報処理サーバ2-1に応答要求を行い、第1情報処理サーバ2-1が注目端末4-1に対してWebページを応答する。これを踏まえサイト内回遊関連処理では、注目端末4-1の端末制御部16は、ユーザの指示に応じて第1情報処理サーバ2-1の適切なURLにアクセス(HTTPリクエスト)し、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、注目端末4-1からのアクセスに応じて適切なWebページを応答(HTTPレスポンス)する。
【0047】
サイト内回遊関連処理を実行中、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、コンバージョンが達成されたか否かを監視する。コンバージョンが達成されたことを検出すると、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、コンバージョン情報を生成する(ステップSF2)。次いで第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、注目端末4-1のブラウザから第1クッキーを取得すると共に、第1クッキー内のクリックIDを取得する(ステップSF3)。次いで第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、ステップSF2で生成したコンバージョン情報、および、ステップSF3で取得したクリックIDをアフィリエイトサーバ3に送信する(ステップSF4)。アフィリエイトサーバ3の処理は、上記実施形態で説明した通りである。
【0048】
第1変形例においても、情報処理サーバ2の機能によりファーストパーティクッキーが付与されると共に、ファーストパーティクッキーを利用したトラッキングのためのアフィリエイトサーバ3との連携が実行される。従って上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0049】
<上記実施形態の第2変形例>
次に上記実施形態の第2変形例について説明する。図5は、本変形例に係る情報処理システム1の各装置のうち、図6のフローチャートの処理と主体となる装置だけを明示した情報処理システム1の構成図である。図6は、本変形例に係る情報処理システム1の各装置の動作例を示すフローチャートである。図5で示すように本変形例では、図6のフローチャートを実行する主体として、第1情報処理サーバ2-1とは別の情報処理サーバ2である第2情報処理サーバ2-2が存在し、更に第1広告主側サーバ6-1とは別の広告主側サーバ6である第2広告主側サーバ6-2が存在する。図5で示すように、第2広告主側サーバ6-2は、広告主側サイト9として、第2広告主側サイト9-2を有する。第2情報処理サーバ2-2には、第2広告主側サイト9-2のドメインのサブドメインが付与されている。第1広告主側サイト9-1のドメインと、第2広告主側サイト9-2のドメインとは異なっている。従って、第1情報処理サーバ2-1に付与されたサブドメインと、第2情報処理サーバ2-2に付与されたサブドメインとは、共通のメインドメインに属していない。なお図5では、第1情報処理サーバ2-1と、第2情報処理サーバ2-2とを異なるブロックとしているが、これらサーバは必ずしも物理的に分離した装置である必要はない。
【0050】
本変形例では、第1変形例と同様、第1情報処理サーバ2-1は、第1広告主側サイト9-1の全てのWebページを取得して記憶し、注目端末4-1は、第1情報処理サーバ2-1にアクセスすることによって、第1広告主側サイト9-1の各Webページを取得する。更に本変形例では、第2情報処理サーバ2-2は、第2広告主側サイト9-2の全てのWebページを取得して記憶し、注目端末4-1は、第2情報処理サーバ2-2にアクセスすることによって、第2広告主側サイト9-2の各Webページを取得する。
【0051】
図6においてフローチャートFHは注目端末4-1の動作を示し、フローチャートFBはメディアサーバ5の動作を示し、フローチャートFIは第1情報処理サーバ2-1の動作を示し(ただしステップはない)、フローチャートFJは第1広告主側サーバ6-1の動作を示し、フローチャートFKは第2情報処理サーバ2-2の動作を示し、フローチャートFLは第2広告主側サーバ6-2の動作を示し(ただしステップはない)、フローチャートFEはアフィリエイトサーバ3の動作を示している。フローチャートFHについて図4のフローチャートFAと同一の処理のステップについては同一の符号を付している。フローチャートFIについて図4のフローチャートFFと同一の処理のステップについては同一の符号を付している。
【0052】
図6のフローチャートFHに着目し、ステップSX3において注目ユーザが、ランディングページから、第1広告主側サイト9-1内の他のページへの遷移を指示すると(ステップSX3)、注目端末4-1の端末制御部16および第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、サイト内回遊関連処理を実行する(ステップSH1、ステップSI1)。
【0053】
サイト内回遊関連処理を実行中、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、第1広告主側サイト9-1から遷移可能な他の広告主側サイト9(例えば、第1広告主側サイト9-1にリンクが貼られたサイト)への遷移が注目ユーザによって指示されたか否かを監視する。図6の例では、サイト内回遊関連処理の実行中に第2広告主側サイト9-2への遷移が注目ユーザによって指示され(ステップSX4)、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、そのことを検出する。第2広告主側サイト9-2への遷移が指示されたことを検出すると、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、注目端末4-1のブラウザから、第1クッキーを取得し、クッキー内のクリックIDを取得する(ステップSI2)。
【0054】
なお本変形例では、上述したように第2情報処理サーバ2-2が「第2広告主側サイト9-2を構成する全てのWebページ」を提供する。従って第2広告主側サイト9-2に遷移した後のブラウザのアクセス先は、第2広告主側サーバ6-2ではなく、第2情報処理サーバ2-2である。これを踏まえ第2広告主側サイト9-2へ遷移するためのリンクのURLは、第2情報処理サーバ2-2のURLとされている。
【0055】
次いで第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、注目端末4-1から第2情報処理サーバ2-2の第2広告主側サイト9-2へのアクセスに際して、注目端末4-1のブラウザから第2情報処理サーバ2-2にクリックIDがパラメータとして通知されるようにする(ステップSI3)。一例として、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、リンク先のURL(つまり第2情報処理サーバ2-2のURL)にリダイレクトさせると共に、URLパラメータにクリックIDを付与し、これによりクリックIDが通知されるようにする。ただし第2情報処理サーバ2-2へのクリックIDの通知はどのような方法で行われてもよく、例えば、注目端末4-1のブラウザから第2情報処理サーバ2-2に対して行われるHTTPリクエストのボディ部に、クリックIDがパラメータとして記述されるようにしてもよい。また例えば、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12が第2情報処理サーバ2-2にクリックIDを通知する構成でもよい。
【0056】
図6のフローチャートFHで示すように、注目端末4-1の端末制御部16はブラウザの機能により、第2情報処理サーバ2-2にアクセスする(ステップSH2)。その際、注目端末4-1から第2情報処理サーバ2-2にパラメータとしてクリックIDが通知される。
【0057】
図6のフローチャートFKで示すように、注目端末4-1のブラウザからのアクセスに応じて、第2情報処理サーバ2-2の情報処理サーバ制御部12は、パラメータとして通知されたクリックIDを取得する(ステップSK1)。つまり本変形例では、情報処理サーバ2は、パラメータとしてクリックIDが通知されてきた場合には、そのことを認識し、クリックIDを取得する機能を有している。次いで第2情報処理サーバ2-2の情報処理サーバ制御部12は、第2広告主側サイト9-2のランディングページを応答すると共に、以下の内容のクッキーをブラウザに付与する(ステップSK2)。以下、ステップSK2で第2情報処理サーバ2-2の情報処理サーバ制御部12が付与するクッキーを特に「第2クッキー」という。第2クッキーは、ステップSK1で取得したクリックIDを識別情報として保有し、かつ、第2広告主側サイト9-2のドメインをドメイン情報として保有するクッキーである。
【0058】
第2クッキーは、第2広告主側サイト9-2(の広告主)にとってのファーストパーティクッキーにあたる。第2クッキーは、第2広告主側サイト9-2のドメインをドメイン情報として保有しているからである。なお第2広告主側サイト9-2のサブドメインが付与された第2情報処理サーバ2-2に対して注目端末4-1が第2広告主側サイト9-2のWebページの応答要求(HTTPリクエスト)をしている状況は、注目端末4-1から見ると、注目端末4-1から第2広告主側サイト9-2にアクセスしている状況である。また第2広告主側サイト9-2のサブドメインが付与された第2情報処理サーバ2-2が「第2広告主側サイト9-2を構成するWebページ」の応答と共に第2クッキーを付与している状況は、第2広告主側サーバ6-2から見ると、第2広告主側サーバ6-2自身によりクッキーを付与した状況である。
【0059】
図6のフローチャートFHで示すように、注目端末4-1の端末制御部16はブラウザの機能により、ランディングページの表示用データに基づいてランディングページを表示装置7に表示する(ステップSH3)。更に端末制御部16は、第2クッキーを所定の記憶領域に記憶する(ステップSH3)。その後、注目ユーザは、ランディグページから、第2広告主側サイト9-2内の他のページへの遷移を指示する(ステップSX5)。これに応じて注目端末4-1の端末制御部16および第2情報処理サーバ2-2の情報処理サーバ制御部12は、サイト内回遊関連処理を実行する(SH4、SK3)。サイト内回遊関連処理を実行中、第2情報処理サーバ2-2の情報処理サーバ制御部12は、コンバージョンが達成されたか否かを監視する。コンバージョンが達成されたことを検出すると、情報処理サーバ制御部12は、コンバージョン情報を生成する(ステップSK4)。次いで第2情報処理サーバ2-2の情報処理サーバ制御部12は、注目端末4-1のブラウザから第2クッキーを取得すると共に、第2クッキー内のクリックIDを取得する(ステップSK5)。次いで第2情報処理サーバ2-2の情報処理サーバ制御部12は、ステップSK4で生成したコンバージョン情報、および、ステップSK5で取得したクリックIDをアフィリエイトサーバ3に送信する(ステップSK6)。アフィリエイトサーバ3の処理は、上記実施形態で説明した通りである。
【0060】
以上の通り本変形例では、情報処理システム1は、第1広告主側サイト9-1に対応し、第1広告主側サイト9-1に係るドメインのサブドメインが付与された第1情報処理サーバ2-1と、第2広告主側サイト9-2に対応し、第2広告主側サイト9-2に係るドメインのサブドメインが付与された第2情報処理サーバ2-2とを情報処理サーバ2として備えている。また第1広告主側サイト9-1についての広告情報のリンク先は、第1情報処理サーバ2-1とされている。そして、第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、広告情報が選択されたことに応じてブラウザからアクセスがあったときに、第1広告主側サイト9-1に係るランディングページを応答すると共に、アフィリエイトサーバにクリックIDの応答要求を行ってクリックIDを取得し、取得したクリックIDを識別情報として保有し、かつ、第1広告主側サイト9-1に係るドメインをドメイン情報として保有する第1クッキーをブラウザに付与する。更に第1情報処理サーバ2-1の情報処理サーバ制御部12は、第1広告主側サイト9-1から第2広告主側サイト9-2への遷移が指示された場合、ブラウザに付与した第1クッキーが保有するクリックIDが第2情報処理サーバ2-2に通知されるようにする。一方、第2情報処理サーバ2-2の情報処理サーバ制御部12は、第1広告主側サイト9-1から第2広告主側サイト9-2への遷移に応じてブラウザからアクセスがあったときに、第2広告主側サイト9-2に係るランディングページを応答すると共に、通知されたクリックIDを識別情報として保有し、かつ、第2広告主側サイト9-2に係るドメインをドメイン情報として保有するクッキーをブラウザに付与する。
【0061】
この構成によれば、広告情報が選択されたことによって一の広告主側サイト9がアクセスされている状況おいて、異なるドメインの他の広告主側サイト9にサイトが遷移した場合であっても、当該他の広告主側サイト9に対応する情報処理サーバ2にクリックIDが引き継がれることによって、的確にトラッキングを行うことができる。すなわち本変形例によれば、情報処理サーバ2の機能により、ドメインが異なる複数の広告主側サイト9を跨ったトラッキングが可能となる。特に、広告主側サイト9の改変を伴うことなく、このようなことが可能となる。
【0062】
なお、第2変形例では、異なる広告主側サイト9間での遷移は、「第1広告主側サイト9-1から第2広告主側サイト9-2への遷移」の1回だけであったが、当然、2回以上行われてもよい。2回以上遷移が行われる場合であっても、第2変形例で説明した方法で、遷移後の広告主側サイト9に対応する情報処理サーバ2へのクリックIDの通知が行われる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0064】
例えば上記実施形態では情報処理サーバ2は、広告主側サーバ6に定期的にアクセスし、広告主側サイト9のランディングページを取得し記憶する構成であった。この点に関し、以下の構成でもよい。例えば、情報処理サーバ2の情報処理サーバ制御部12が、ランディングページのリクエストがある度に、広告主側サーバ6にアクセスし、広告主側サーバ6からランディングページを取得する構成でもよい。また例えば以下の構成でもよい。すなわち情報処理サーバ2の情報処理サーバ制御部12は、ランディングページのリクエストがあったときに、情報処理サーバ記憶部23にランディングページが記憶されていない場合には、広告主側サーバ6にアクセスし広告主側サーバ6からランディングページを取得する。情報処理サーバ制御部12は、取得したランディングページを一定時間だけ記憶する。一方で、情報処理サーバ制御部12は、ランディングページのリクエストがあったときに、情報処理サーバ記憶部23にランディングページが記憶されている場合には、情報処理サーバ記憶部23に記憶されているランディングページを応答する。以上の構成でもよい。以上の点は、各変形例についても同様である。各変形の場合は、ランディングページ以外のWebページについても対象となる。
【0065】
また例えば上記実施形態では、情報処理サーバ2が情報処理サーバ記憶部23を備える構成であった。この点に関し、情報処理サーバ2と通信可能な他の装置に情報処理サーバ記憶部23が設けられ、情報処理サーバ2が適宜、他の装置にアクセスする構成でもよい。この点は、情報処理サーバ2以外のサーバについても同様であり、また、各変形例についても同様である。
【0066】
また例えば上記実施形態と、各変形例との技術とが組合せて用いられてもよいことは当然である。例えば、情報処理サーバ2がある広告主側サイト9についてはランディングページのみを記憶し、別の広告主側サイト9については全てのWebページを記憶する構成でもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 情報処理システム
2 情報処理サーバ
2-1 第1情報処理サーバ
2-2 第2情報処理サーバ
3 アフィリエイトサーバ
6 広告主側サーバ
9 広告主側サイト
9-1 第1広告主側サイト
9-2 第2広告主側サイト
図1
図2
図3
図4
図5
図6