(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-27
(45)【発行日】2025-04-04
(54)【発明の名称】電子部品の導光構造
(51)【国際特許分類】
H01H 19/02 20060101AFI20250328BHJP
【FI】
H01H19/02 H
(21)【出願番号】P 2021088342
(22)【出願日】2021-05-26
【審査請求日】2024-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000215833
【氏名又は名称】帝国通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】塚原 吉晴
(72)【発明者】
【氏名】桑原 敏
(72)【発明者】
【氏名】林 直紀
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-26346(JP,A)
【文献】国際公開第2015/045610(WO,A1)
【文献】特開2004-233699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 19/02
H01H 9/16
H01H 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転つまみ本体と、当該回転つまみ本体から突出して当該回転つまみ本体を回転自在に軸支する軸部とを有する回転つまみと、
発光素子と、
前記発光素子が発光した光を導入して前記回転つまみに導く導光部材と、
を具備する電子部品の導光構造において、
前記回転つまみは、少なくとも前記回転つまみ本体と軸部の一部を構成するつまみ用導光部を備え、
前記つまみ用導光部は、前記軸部の先端に光入射面を有すると共に、前記回転つまみ本体の中央に前記光入射面から入射した光を当該回転つまみ本体の外周面方向に向けて反射することで拡散する光反射面によって構成される光拡散部を有し、
前記導光部材には、前記発光素子から発光されて当該導光部材内に入射した光を出射する光出射面を先端に有する光導出部を設け、
且つ前記導光部材の光出射面はその一部が斜めにカットされており、
前記光拡散部を構成する光反射面の表面上を空間とし、
前記発光素子から発光された光を、前記導光部材内に導入して前記光導出部の光出射面から出射させて前記回転つまみの光入射面からつまみ用導光部内に導入し、前記光拡散部によって拡散することで前記回転つまみ本体の外周面を照光することを特徴とする電子部品の導光構造。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品の導光構造であって、
前記導光部材の光出射面の面積は、前記回転つまみの光入射面の面積よりも小さいことを特徴とする電子部品の導光構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転つまみを有する電子部品の導光構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回転式電子部品の中には、例えば特許文献1に示すように、回転式電子部品(1)の回転つまみ(180)の外周部分の一部を外装用ケース(300)に設けた回転つまみ露出部(303)から外部に露出し、回転つまみ(180)の前記回転つまみ露出部(303)から露出した部分を指等で回転操作することで、内部の電気的機能部(摺接パターン65,摺動子110)を駆動し、その検出出力を変化させる構造のものがあった。
【0003】
一方、回路基板(60)上に設置した発光素子(70)から発射された光は、導光板(40)の内部に導入されて光乱反射部(43)に導かれ、光乱反射部(43)の前面から放射されて回転つまみ(180)のつまみ操作部(183)の背面側からこのつまみ操作部(183)を照らし出し、塗装されているつまみ操作部(183)表面の抜き文字等の部分を明るく表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、回転つまみを有する電子部品の中には、その構造上、回転つまみのつまみ操作部の背面側に導光板を設置することが困難な場合があった。例えば、特許文献1に示す回転式電子部品(1)の場合、回転つまみ(180)のつまみ操作部(183)の背面側に導光板(40)の光乱反射部(43)を設置しているが、このため、回転つまみ(180)のつまみ操作部(183)と外装用ケース(300)の回転つまみ露出部(303)の間の隙間から液体が浸入した場合、浸入した液体は、直接導光板(40)を伝って、発光素子(70)を設置した回路基板(60)表面に付着してしまう虞がある。これを防止するために、防滴構造を設置しようとすると、回転つまみ(180)のつまみ操作部(183)の背面側付近の構造が複雑化し、つまみ操作部(183)の背面側付近のスペースに導光板(40)の光乱反射部(43)を設置することが困難になる。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、発光素子から発射される光を導入する導光部材によって直接回転つまみの外周面を照明しなくても、回転つまみの外周面を容易かつ効率よく照光することができる電子部品の導光構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、回転つまみ本体と、当該回転つまみ本体から突出して当該回転つまみ本体を回転自在に軸支する軸部とを有する回転つまみと、発光素子と、前記発光素子が発光した光を導入して前記回転つまみに導く導光部材と、を具備する電子部品の導光構造において、前記回転つまみは、少なくとも前記回転つまみ本体と軸部の一部を構成するつまみ用導光部を備え、前記つまみ用導光部は、前記軸部の先端に光入射面を有すると共に、前記回転つまみ本体の中央に前記光入射面から入射した光を当該回転つまみ本体の外周面方向に向けて反射することで拡散する光反射面によって構成される光拡散部を有し、前記導光部材には、前記発光素子から発光されて当該導光部材内に入射した光を出射する光出射面を先端に有する光導出部を設け、且つ前記導光部材の光出射面はその一部が斜めにカットされており、前記光拡散部を構成する光反射面の表面上を空間とし、前記発光素子から発光された光を、前記導光部材内に導入して前記光導出部の光出射面から出射させて前記回転つまみの光入射面からつまみ用導光部内に導入し、前記光拡散部によって拡散することで前記回転つまみ本体の外周面を照光することを特徴としている。
本発明によれば、発光素子から導光部材内に導入された光は、回転つまみを構成するつまみ用導光部を通して回転つまみ本体の外周面に導かれるので、回転つまみの外周面を容易且つ効率良く照明することができる。また例えば防滴などの関係で、構造上、導光部材によって直接回転つまみの外周面を照明できない場合であっても、前記外周面を照明することが可能になる。
また本発明によれば、光拡散部を構成する光反射面の表面上を空間としたので、即ち当該光反射面の表面上に他の物体を接触させない構成としたので、当該光反射面が傷つかず、良好な光の反射状態を維持でき、これによってより効果的に回転つまみの外周面を照明することができる。
また本発明によれば、上記斜めにカットした光出射面(下記する実施形態では屈折用傾斜面がこれに相当する)によって、仮にカットしていない場合には光拡散部の内の所望の光反射面に導かれない光を、屈折によって上記所望の光反射面に導くことができ、これによって光拡散部によって反射される反射光をより多く、回転つまみの外周面の所望の範囲に向けることができる。
【0008】
また本発明は、上記特徴に加え、前記導光部材の光出射面の面積は、前記回転つまみの光入射面の面積よりも小さいことを特徴としている。
本発明によれば、導光部材の光出射面の外周よりも広がるように出射される光も、回転つまみの光入射面に入射させることができ、これによってより多くの光を回転つまみの光入射面に入射させることができる。この効果は、導光部材の光出射面と回転つまみの光入射面間に、両者が直接接して回転つまみが回動されることで摩耗することを避けるために設けた隙間がある場合に特に有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、発光素子から発射される光を導入する導光部材によって直接回転つまみの外周面を照明しなくても、回転つまみの外周面を容易かつ効率よく照光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】電子部品(回転式電子部品)1の斜視図である。
【
図2】回転式電子部品1の概略断面図(
図1のA-A概略断面図)である。
【
図3】本体ユニット10と第4ケース300とを分解して示す斜視図である。
【
図5】本体ユニット10を別の角度から見た分解斜視図である。
【
図6】光出射面195と光入射面117の配置関係を示す要部拡大概略断面図である。
【
図7】光出射面195の部分を示す要部拡大斜視図である。
【
図8】
図8(a)は回転つまみ100を第2ケース70側から見た斜視図、
図8(b)は
図8(a)のB-B断面における光拡散部110部分の要部拡大断面図である。
【
図9】突出部107の設置条件を説明するための電子部品1の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の1実施形態を用いて構成された電子部品(以下「回転式電子部品」という)1の斜視図、
図2は回転式電子部品1の概略断面図(
図1のA-A概略断面図)、
図3は回転式電子部品1を構成する本体ユニット10と第4ケース300とを分解して示す斜視図、
図4は本体ユニット10の分解斜視図、
図5は本体ユニット10を別の角度から見た分解斜視図である。これらの図に示すように回転式電子部品1は、各種部品を収納した本体ユニット10と、本体ユニット10の回転つまみ(操作つまみ)100を突出する側の面を覆う第4ケース300とを具備して構成されている。なお以下の説明において、「上」とは本体ユニット10から第4ケース300を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。また「前」とは下記する第1ケース20から回転つまみ100側を見る方向をいい、「後」とは第1ケース20から下記する回路基板160側を見る方向をいうものとする。
【0013】
図2~
図5に示すように本体ユニット10は、第1ケース20と第2ケース70の間に、摺動子130を取り付けた回転つまみ100を収納し、また第1ケース20の反対面側に、端子ユニット140を収納し、その上から回路基板160と、導光部材190と、第3ケース220とを設置して構成されている。また回転式電子部品1は、この本体ユニット10に第4ケース300を装着して構成されている。
【0014】
第1ケース20は非透明材料からなる合成樹脂を略矩形箱型に成形した成形品であり、その上部中央に略円筒状の軸受部21を設け、この軸受部21の回転つまみ100を向く側に凹部からなる第1収納部23を、回路基板160を向く側に凹部からなる第2収納部25を設けて構成されている。第1ケース20の左右両側面の第1収納部23側の部分には、下記する第2ケース70の爪部79を係止する矩形状の貫通孔からなる一対の被係止部27が設けられている。また第1ケース20の左右両側面の第2収納部25側の部分には、下記する第3ケース220の爪部223を係止する矩形状の貫通孔からなる一対の被係止部29が形成されている。また第1ケース20の左右両側面の前記両被係止部27,29の間の位置には、下記する第4ケース300の被係止部309を係止する爪状の一対の係止部30が形成されている。軸受部21の下方には、後方に向かって開口する略矩形状の端子ユニット収納部31が形成されている。また下記する回転つまみ100のストッパ部129を当接してそれより上方向への移動を阻止する左右一対のストッパ係止部35(
図4では一方のみ示す)が形成されている。また図示はしていないが、第1収納部23内の軸受部21を設けた面の下方(下記するクリック用ボール127に対向する位置)には、円弧状方向(クリック用ボール127の移動する円弧方向)に向かって凹凸するクリック係合部が形成されている。
【0015】
第2ケース70は、非透明材料からなる合成樹脂を一体成形して構成されており、略平板矩形状のケース本体部71と、ケース本体部71の上部中央から回転つまみ100側に向けて突出する円板状のつまみ支持部73とを具備して構成されている。つまみ支持部73の回転つまみ100側の面の外周部分は円筒状に突出しており、またその内側中央には、有底円筒状の突出部75が突出して設けられている。ケース本体部71の左右両側辺からは、回転つまみ100側に向けて一対の係止爪77が突出している。係止爪77は平板状であり、その先端近傍の両外側位置に爪部79を設けている(
図4,
図5では一方のみ示す)。
【0016】
回転つまみ100は合成樹脂の成形品であり、
図2に示すように透光性を有する樹脂A1と透光性を有さない樹脂A2からなる二色成形品である。また回転つまみ100は、略円板形状の回転つまみ本体100Aと、当該回転つまみ本体100Aから突出して当該回転つまみ本体100Aを回転自在に軸支する軸部111とを有して構成されている。つまみ本体100Aの外周面101は指などによって回転操作する操作部となっている。回転つまみ本体100Aの第2ケース70側を向く面には、円形の凹部103が設けられ、凹部103内には、筒状に突出する突出部105と、突出部105の内側で略半円筒状に突出する樹脂注入用の突出部107が同心円状に突設されている。両突出部105,107の間の円形の凹部は、前記第2ケース70の突出部75を挿入する挿入部109となっている。また突出部107中央の凹部の底面は、略円錐凹状の光反射面からなる光拡散部110となっている。回転つまみ本体100Aの第1ケース20側を向く面の中央からは、略円柱形状の軸部111が突出している。軸部111の上面は摺動子取付面113となっており、さらに摺動子取付面113の中央からは円錐台形状の導光用突起115が突出している。導光用突起115の先端面は光入射面117になっている。摺動子取付面113上には、小突起からなる摺動子取付突部119が形成されている。軸部111の周囲には、リング状の防滴用凹部121が形成されている。また回転つまみ本体100Aの第1ケース20側を向く面の外周部分には、有底円形の穴からなるクリック機構収納部123が形成されている。クリック機構収納部123には、コイルバネ125とクリック用ボール127とが収納される。またクリック機構収納部123を設けたその外周部分は、回転つまみ100の外周から外方に膨らんでおり、膨らんだ部分をストッパ部129としている。
【0017】
また上述のように、回転つまみ100は、2種類の樹脂A1,A2(
図2参照)を一体成形することによって構成されている。一方の樹脂A1は透光性を有する樹脂であり、もう一方の樹脂A2は透光性を有さない樹脂である。透光性を有する樹脂A1は、その全体がつまみ用導光部A1を構成し、この回転つまみ100の軸部111と回転つまみ本体100Aの外周面101の間を光学的につないでおり、外周面101と光入射面117間を光学的に結ぶように成形されている。光入射面117は円形の平面状に形成されている。つまみ用導光部A1は、略円板状の導光本体部A11と、導光本体部A11の中心から軸部111側に垂直に突出して軸部111の中心部分を構成する導光軸部A13とを具備している。導光本体部A11の外周面101はその表面に塗布した不透光性の塗料を所望の文字や記号などの形状にレーザーなどによって切り欠くことで抜き文字状に形成して構成されているが、他の種々の方法によって形成しても良い。導光本体部A11の導光軸部A13とは反対側の面の中央には、前記光拡散部110が形成されている。また前記両突出部105,107も導光本体部A11の一部を構成している。一方、樹脂A2は、導光本体部A11の光拡散部110側の面の外周面101の裏面側の部分と、導光本体部A11の軸部111側の面略全体の部分とに形成されており、軸部111の導光軸部A13を除く部分と、摺動子取付面113と、防滴用凹部121とを構成している。
【0018】
図8(a)は回転つまみ100を第2ケース70側から見た斜視図、
図8(b)は
図8(a)のB-B断面における光拡散部110部分の要部拡大断面図である。同図及び
図2などに示すように、光拡散部110は円錐状の凹部によって構成されている。この円錐状の凹部の外周近傍部分の一部には、略半円筒状に突出する樹脂注入用の前記突出部107が設けられている。突出部107の先端面には、つまみ用導光部A1を成形する際に金型の樹脂注入口が接続されていた樹脂注入口接続部107aが形成されている。
【0019】
突出部107は、前記樹脂注入口接続部107aから注入された溶融樹脂がつまみ用導光部A1となる金型のキャビティー内全体にスムーズに充填させるために設けられたものであり、より好ましい形状は円筒状に形成することであるが、そうすると光拡散部110を構成する反射面が狭くなるので、所望の範囲の外周面101を照光するのに影響の少ない部分のみに略半円筒状に突出部107を設けたものである。この点については後述する。
【0020】
図2~
図5に戻って、摺動子130は、弾性金属板製であって、基部131と、基部131の外周からアーチ状に突出してそれらの根元部分を折り返してなるアーム部133とを具備している。アーム部133の中央には、回路基板160側に向けて突出するように屈曲する接点部135が形成されている。また基部131には、小孔からなる取付孔137が形成されている。
【0021】
端子ユニット140は、6本の金属板製の端子141を、略矩形状の成形樹脂製の端子用ケース143と略四角柱状の端子保持ケース145にインサート成形して構成されている。各端子141の一端は端子用ケース143の後方の面から1列に6本突出しており、他端側は端子用ケース143の側面から突出して下方向に屈曲し、端子保持ケース145で固定された後にその先端が端子保持ケース145の下面から一列に6本突出している。
【0022】
回路基板160は、硬質で略矩形状の板からなる絶縁基板161の上部に、円形の貫通する挿通部163を設け、この挿通部163の周囲の前面側に、前記摺動子130の接点部135を摺接させる摺接パターン165を形成し、また絶縁基板161の下辺近傍に横一列に前記端子141の一端を挿入する6つの小孔からなる端子挿入孔167を形成し、さらに絶縁基板161の後面側の前記挿通部163の下部に発光素子169を取り付け、また所定位置に他の各種電子部品171を取り付けて構成されている。絶縁基板161上には、図示しない回路パターンが形成されており、前記摺接パターン165や発光素子169や各種電子部品171や前記端子挿入孔167に取り付けられる端子141間を電気的に接続する。摺接パターン165としては、スイッチパターンや抵抗体パターン等の種々のパターンが適用できる。
【0023】
導光部材190は、透明な合成樹脂を、前面が解放された略矩形箱型に一体成形して構成されている。導光部材190の前面側は凹状の基板収納部191となっており、その底面の上部から円柱状の光導出部193を突出している。基板収納部191は、前記回路基板160全体を収納して覆う形状に形成されている。光導出部193は前記回路基板160の挿通部163に挿入できる寸法に形成されており、その先端面は光出射面195となっている。また導光部材190の上端面も光出射面197となっている。また、導光部材190の後面側には、光出射面195方向に光を反射させる光反射面199と、光出射面197方向に光を反射させる光反射面201とが形成されている。
【0024】
図7は、光出射面195の部分を示す要部拡大斜視図である。同図に示すように、光出射面195は主出射面195aと、屈折用傾斜面195bとを具備して構成されている。主出射面195aは、略半円形の平面(回転つまみ100の回転中心軸に垂直な平面)によって構成されている。屈折用傾斜面195bは、主出射面195aとの直線状の境界線195cの部分から、対向する回転つまみ100の光入射面117から離れる方向に向かって傾斜する平面によって構成されている。
【0025】
また光出射面195の外径寸法は、前記光入射面117の外径寸法よりも小さく形成されている。言い換えれば、光出射面195の面積は、光入射面117の面積よりも小さく形成されている。そして下記するようにこの電子部品1を組み立てた際、これら光出射面195と光入射面117は対向するが、そのとき光出射面195の中心と光入射面117の中心を一致させることで、光出射面195の外周辺が光入射面117の外周辺よりも前記中心側(内側)に位置するようにしている。
【0026】
図2~
図5に戻って、第3ケース220は、非透明な合成樹脂を略平板矩形状に成形して構成されており、前記第1ケース20の後面を略覆う外形形状に形成されている。第3ケース220の左右両側辺からは、第1ケース側に向けて一対の係止爪221を突出している。係止爪221は平板状であり、その先端近傍の両外側位置に爪部223を設けている。
【0027】
図2,
図3等に示すように、第4ケース300は、合成樹脂の成形品であり、下面が解放された略矩形箱型に成形して構成されており、これによって第4ケース300の下面に本体ユニット10の上部の部分を覆って収納するケース本体収納部301を形成している。第4ケース300の上面(化粧面)303の前記回転つまみ100に対向する位置には、回転つまみ100の外周面101の一部を露出する開口305が形成され、また前記導光部材190の光出射面197に対向する位置には、照光部307が形成されている。照光部307は、第4ケース300を構成する透明な成形樹脂の表面に塗布した不透光性の塗装を、所望の文字や記号等の形状にレーザー等によって切り欠くことで形成されているが、他の種々の方法によって形成しても良い。また第4ケース300の左右両側面には、それぞれ前記第1ケース20の係止部30を係止する矩形状の貫通孔からなる被係止部309が形成されている。
【0028】
次に、回転式電子部品1を組み立てるには、まず、本体ユニット10を組み立てる。即ち予め、回転つまみ100の摺動子取付面113に摺動子130の基部131を載置し、その際、摺動子取付面113の摺動子取付突部119を摺動子130の取付孔137に挿入し、その先端を熱カシメして(又は圧入のみで)取り付けておく。また回転つまみ100の防滴用凹部121内に、防滴用のグリスGを充填しておく。一方、端子ユニット140の後方から突出する各端子141の先端を、回路基板160の各端子挿入孔167に挿入し、その反対側において回路基板上の図示しない回路パターンに半田h(
図2参照)によって固定しておく。
【0029】
そして、第1ケース20の第1収納部23内に、前記摺動子130を取り付け且つコイルバネ125とクリック用ボール127をクリック機構収納部123に収納した回転つまみ100を収納し、その際、回転つまみ100の軸部111を、第1ケース20の軸受部21内に回動自在に挿入し、軸支する。このとき、回転つまみ100のグリスGを充填した防滴用凹部121内に、第1ケース20の軸受部21が挿入されることで、防滴処理部が形成される。次に、前記回転つまみ100の前方側の側面を覆うように、第2ケース70を取り付け、係止爪77の爪部79を第1ケース20の被係止部27に係止し、これによって回転つまみ100を挟んだ状態で第2ケース70を第1ケース20に取り付ける。このとき、第2ケース70のつまみ支持部73が回転つまみ100の前方側の側面を覆い、その突出部75が回転つまみ100の挿入部109に挿入される。
【0030】
次に、前記端子ユニット140を取り付けた回路基板160と導光部材190とを、第1ケース20の第2収納部25内に収納し、さらにその上から第3ケース220を被せる。そして第3ケース220の各爪部223を、第1ケース20の各被係止部29に係止し、これによって
図3に示すような本体ユニット10が完成する。
【0031】
このとき、第1ケース20と第2ケース70の間の上面には開口H1が形成され、第1ケース20と第3ケース220の間の上面には開口H2(
図2参照)が形成される。そして開口H1内には、回転つまみ100の外周面101の一部が外部(上方)に突出するように露出する。また開口H2内には、導光部材190の光出射面197が外部(上方)に突出するように露出する。また、
図2に示すように、回路基板160の摺接パターン165には、摺動子130の接点部135が当接している。またこのとき、端子ユニット140は、端子ユニット収納部31内に収納されている。またこのとき、導光部材190の外周辺は、第1ケース20の導光部材190側を向く面に当接し、回路基板160を覆って回路基板160を防滴している。また導光部材190の光導出部193は、回路基板160の挿通部163に挿入され、その先端の光出射面195は回転つまみ100の光入射面117に対向している。
【0032】
図6は導光部材190の光出射面195と、回転つまみ100の光入射面117の配置関係を示す要部拡大概略断面図である。同図に示すように、導光部材190の光出射面195は回転つまみ100の光入射面117に接近して、薄い隙間a1を介して対向している。光出射面195の内の主出射面195aは、
図2に示すように、電子部品1の上側、即ち、第4ケース300の開口305側に位置し、屈折用傾斜面195bはその反対側(電子部品1の下側)に位置している。
【0033】
次に、第4ケース300を、本体ユニット10の上から被せるように取り付ける。即ち、第4ケース300のケース本体収納部301内に本体ユニット10の上部を収納し、その際、本体ユニット10の各係止部30を、第4ケース300の各被係止部309に係止し、これによって回転式電子部品1の組み立てを完了する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0034】
このとき、
図1,
図2に示すように、回転つまみ100の外周面101の一部は、開口305から露出する。また第4ケース300の照光部307の下面(裏面)に対向する位置に、導光部材190の光出射面197が配置される。
【0035】
以上のようにして組み立てられた回転式電子部品1において、回転軸K1を中心にして回転つまみ100を回転すると、摺動子130の接点部135が回路基板160の摺接パターン165上を摺動し、これによって各端子141間の検出出力が変化する。なお、回転つまみ100は、これを回転した際、そのストッパ部129(
図5参照)が、第1ケース20の第1収納部23内に設けた左右一対のストッパ係止部35(
図4では一方のみ示す)に当接することで、所定角度以上は回転しない。つまり回転つまみ100は円弧運動をする。
【0036】
そして発光素子169を発光すれば、その光は
図2に一点鎖線X1,X2,X3で示すように、導光部材190内に導入される。導光部材190内に導入された光の内の一部の光X1は、光反射面201等で反射されることで前記光出射面197に向かい、その面から放出され、前記第4ケース300の照光部307をその裏面側から明るく照らし出す。
【0037】
一方、発光素子169から導光部材190内に導入された光の内の一部の光X2は、光反射面199等で反射されることで、前記光出射面195に向かい、その主出射面195aから放出され、回転つまみ100の光入射面117からつまみ用導光部A1内に導入される。主出射面195aからつまみ用導光部A1内に導入された光は、導光軸部A13内を進み、光拡散部110において主として上側(主として開口305方向)に反射されることで、導光本体部A11内を上方に進み、主として前記外周面101の内の開口305に露出している部分に導かれ、この開口305内に露出する外周面101を明るく照らし出す。このとき光拡散部110を構成する光反射面の表面上は空間となっているので、即ち当該光反射面上には他の物体を接触させていないので、光の反射率が向上し、これによってより効果的に回転つまみ100の外周面101を照光することができる(下記する屈折用傾斜面195bで屈折された光の場合も同様)。
【0038】
また、発光素子169から導光部材190内に導入された光の内の一部の光X3は、光反射面199等で反射されることで前記光出射面195に向かい、その屈折用傾斜面195bから放出され、回転つまみ100の光入射面117からつまみ用導光部A1内に導入される。光が屈折用傾斜面195bから放出される際、屈折が生じ、当該光X3は上方向、即ち光拡散部110の内の開口305側を向く反射面に導かれる。そして光拡散部110において主として上側(主として開口305方向)に反射されることで、導光本体部A11内を上方に進み、主として前記外周面101の内の開口305に露出する部分に導かれ、この開口305内に露出する外周面101を明るく照らし出す。このように、光出射面195に屈折用傾斜面195bを設けることで、仮に光出射面195を主出射面195aのみとした場合に光拡散部110の下側の面方向に向かう光を、上側の面方向に向けることができ、より効率的に外周面101の内の開口305に露出する部分に反射光を集めて照光することができる。
【0039】
またこの電子部品1においては、光出射面195の外径寸法を、光入射面117の外径寸法よりも小さく形成しているので、導光部材190の光出射面195からその外周よりも広がるように出射される光も、光入射面117に集めて入射させることができ、これによってもより効率的に回転つまみ100の外周面101を照光することができる。この効果は、導光部材190の光出射面195と回転つまみ100の光入射面117間に、両者が直接接して回転つまみ100が回転することで摩耗することを避けるために設けた隙間a1がある場合に特に有効である。
【0040】
隙間a1を設けたのは以下の理由による。即ち、導光部材190の光出射面195と回転つまみ100の光入射面117が接触していると、当該接触による摩擦力によって回転つまみ100の回転動作力が重くなり、さらに回転つまみ100の回転を続けていくことで光出射面195及び光入射面117が削れると、光出射面195と光入射面117の間に徐々に隙間が形成されて回転つまみ100の回転動作力が軽くなる。即ち回転つまみ100の回転動作力が不安定になる。このため光出射面195と光入射面117の間に予め薄い隙間a1を設けておくことで、回転つまみ100の回転動作力を安定させるようにしたのである。
【0041】
また上記回転つまみ100のつまみ用導光部A1において、突出部107を半円筒状の形状にしたのは、以下の理由による。即ち、突出部107は樹脂注入口を接続する部分であるため、略円板状の導光本体部A11とその中央から突出する導光軸部A13に樹脂を均一且つスムーズに充填するためには、樹脂注入口は光拡散部110の中心位置、即ち光拡散部110を構成する円錐状(すり鉢状)の凹部の中心位置が最も好ましい。しかし、当該中心位置は、光拡散部110の反射面となるため、当該中心位置に樹脂注入口を接続することはできない。このため当該中心位置に最も近い光拡散部110の周囲の位置に樹脂注入口を接続する突出部107を設置した。しかし、突出部107を設けるとその根元部分は円錐状の反射面ではなくなるため、その分当該円錐状の反射面の表面積が狭くなってしまい、外周面101に向かう反射光の光量が減ってしまう。そこで、外周面101の内の開口305側に向かう反射光の光量に影響の少ない部分のみに突出部107を設けたのである。
【0042】
図9は突出部107の設置条件を説明するための図であり、電子部品1を
図2の左側から見た概略図である。同図に示すように、回転つまみ100は角度α1の範囲で回動するものとすると、回転つまみ100が最も右回転または左回転したときでも、外周面101の内の開口305内に向かって反射光を反射する範囲の反射面中に、前記突出部107を位置させないように、突出部107の端辺107a,bを位置させている。これにより、開口305内に露出する回転つまみ100の外周面101への光拡散部110による反射光の光量は、突出部107によって少なくならない。
【0043】
なお例えば本実施形態のように、回転つまみ100の外周面101に抜き文字などを形成した塗装を施し、当該抜き文字などの部分からのみ光を外方に放射する構成の場合、全ての抜き文字や抜き模様の部分に反射光が照射されればよいので、最も両外側に位置する抜き文字や抜き模様まで反射光の光量が突出部107によって減少されないで照射されるように、突出部107の形成範囲を形成すればよい。この場合は開口305内に露出する回転つまみ100の外周面101全体に突出部107によって減少されない反射光が照射されることを考慮する必要はない。即ち、突出部107の形成範囲は、回転つまみ100の所望の範囲の外周面101への光拡散部110による反射光の光量が、当該突出部107によって減少されない範囲とすることが望ましい。
【0044】
以上説明したように、この回転式電子部品1は、回転つまみ本体100Aと、当該回転つまみ本体100Aから突出して当該回転つまみ本体100Aを回転自在に軸支する軸部111とを有する回転つまみ100と、発光素子169と、発光素子169が発光した光を導入して回転つまみ100に導く導光部材190とを具備し、回転つまみ100は、少なくとも回転つまみ本体100Aと軸部111の一部を構成するつまみ用導光部A1を備え、つまみ用導光部A1は、軸部111の先端に光入射面117を有すると共に、回転つまみ本体100Aの中央に光入射面117から入射した光を回転つまみ本体100Aの外周面101方向に向けて反射することで拡散する光反射面によって構成される光拡散部110を有し、一方導光部材190には、発光素子169から発光されて当該導光部材190内に入射した光を出射する光出射面195を先端に有する光導出部193を設け、前記光拡散部110を構成する光反射面の表面上を空間とし、前記発光素子169から発光された光を、導光部材190内に導入して光導出部193の光出射面195から出射させて前記回転つまみ100の光入射面117からつまみ用導光部A1内に導入し、光拡散部110によって拡散することで、回転つまみ本体100Aの外周面101を照光する構成となっている。
【0045】
このように、発光素子169から導光部材190内に導入された光は、回転つまみ100を構成するつまみ用導光部A1を通して回転つまみ本体100Aの外周面101に導かれるので、回転つまみ100の外周面101を容易且つ効率良く照明することができる。また防滴などの関係で、構造上、導光部材190によって直接回転つまみ100の外周面101を照明できない場合であっても、前記外周面101を照明することが可能になる。また光拡散部(光反射面)110の表面上を空間としたので、即ち光反射面の表面上に他の物体を接触させない構成としたので、当該光反射面が傷つかず、良好な光の反射状態を維持でき、これによってより効果的に回転つまみ100の外周面101を照光することができる。
【0046】
また導光部材190の光出射面195の面積を、回転つまみ100の光入射面117の面積よりも小さく構成したので、導光部材190の光出射面195の外周よりも広がるように出射される光も、光入射面117に入射させることができ、これによってより効果的に回転つまみ100の外周面101を照光することができる。
【0047】
また導光部材190の光出射面195の一部を斜めにカットしたので、斜めにカットした光出射面(屈折用傾斜面195b)によって、仮にカットしていない場合には光拡散部110の内の所望の光反射面に導かれない光を、屈折によって所望の光反射面に導くことができ、光拡散部110によって反射される反射光をより多く所望の方向(この実施形態では外周面101の内の開口305内に向かって反射される方向)に向けることができる。
【0048】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では、導光部材の光出射面とつまみ用導光部の光入射面との間に接触防止用の隙間を形成したが、場合によっては両者を当接させてもよい。また導光部材の光出射面の主出射面と屈折用傾斜面は何れも平面としたが、平面以外の面形状であっても良い。同様に、つまみ用導光部の光入射面も平面以外の面形状であっても良い。また上記実施形態では回転つまみの回動角度をストッパ機構によって規制したが、360°回転可能に構成しても良い。また上記実施形態では、第4ケースの開口が真上方向を向くように設置したが、別の方向(例えば、斜め上方や水平方向や斜め下方等)を向くように設置しても良い。また発光素子の回路基板上での設置位置に種々の変更が可能であることは言うまでもない。また上記実施形態では、光拡散部を円錐形状に形成したが、半球形状や多角錐形状等、他の種々の形状に形成しても良い。また上記実施形態では、導光部材の光出射面の面積を回転つまみの光入射面の面積よりも小さく構成したが、場合によっては同一面積又は大きい面積としても良い。
【0049】
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0050】
1 回転式電子部品(電子部品)
20 第1ケース(ケース)
70 第2ケース(ケース)
100 回転つまみ
100A 回転つまみ本体
101 外周面
110 光拡散部(光反射面)
111 軸部
117 光入射面
130 摺動子(検出手段)
160 回路基板
165 摺接パターン(検出手段)
169 発光素子
190 導光部材
193 光導出部
195 光出射面
195a 主出射面
195b 屈折用傾斜面
220 第3ケース(ケース)
300 第4ケース(ケース)
305 開口
A1 つまみ用導光部