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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-27
(45)【発行日】2025-04-04
(54)【発明の名称】床修復方法、及び修復装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/02 20060101AFI20250328BHJP
【FI】
E04G23/02 E
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023177253
(22)【出願日】2023-10-13
【審査請求日】2023-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】522216097
【氏名又は名称】麗和コーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 聡男
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特許第3141189(JP,B2)
【文献】特開2010-126955(JP,A)
【文献】特許第6885641(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 23/02
E04G 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤上に施工された所定の厚みを有する床の沈下を修復する床修復方法であって、
前記地盤と前記床との間に空洞が発生したことで、前記床の一部が前記空洞側へ沈下して形成される床沈下部に、厚み方向に貫通する1つ又は2つ以上の床貫通孔を形成する床貫通孔形成工程と、
前記床貫通孔の真下に位置するように前記地盤上に受け部材を配置する受け部材配置工程と、
前記床沈下部のうち、前記床貫通孔の周りに複数の差し込み穴を形成する差し込み穴形成工程と、
長手状のロッドと、前記ロッドが伸縮できるように前記ロッドの後端側を収容する収容部と、前記収容部から外側に張り出した板状の張出部と、前記張出部を厚み方向に貫通する複数の挿通孔と、各々が対応する前記挿通孔に挿通され、かつ各々の後端側が対応する前記挿通孔に締結可能な複数のアンカーボルトとを備える修復装置を、前記床貫通孔毎に設置するために、前記ロッドの先端を前記受け部材に当接させつつ、前記ロッドを前記床貫通孔に挿通させるように、複数の前記アンカーボルトの先端を、それぞれ対応した前記差し込み穴に差し込む修復装置設置工程と、
前記修復装置の前記ロッドを前記受け部材上で直立させるために、前記アンカーボルトの後端側が前記挿通孔に締結される締結位置を調整する調整工程と、
前記締結位置を調整しながら前記ロッドの直立状態を維持しつつ、前記ロッドを伸長させることで、前記床沈下部を沈下前の位置まで引き上げる引き上げ工程と、
引き上げられた状態の前記床沈下部に、厚み方向に貫通する孔からなる注入口を形成する注入口形成工程と、
前記空洞を埋めるように、前記注入口から硬化性樹脂を注入する樹脂注入工程と、
前記空洞が前記硬化性樹脂で埋められた後、前記アンカーボルトの先端を前記差し込み穴から取り外すと共に、前記ロッドを前記床貫通孔から引き上げることで、前記修復装置を取り外す取り外し工程と、
前記床貫通孔、前記差し込み穴及び前記注入口を、それぞれ硬化性の充填材で埋める穴埋め工程とを備え
前記修復装置は、複数の前記アンカーボルトにそれぞれ割り当てられ、かつ各々が前記アンカーボルトに外嵌される複数の圧縮コイルばねを備え、
前記修復装置設置工程において、複数の前記圧縮コイルばねが、それぞれ前記張出部と前記床沈下部との間で挟まれるように、複数の前記アンカーボルトの先端を、それぞれ対応した前記差し込み穴に差し込み、
前記調整工程において、前記張出部と前記床沈下部との間で挟まれた前記圧縮コイルばねの圧縮量を調整しつつ、前記締結位置を調整し、
前記引き上げ工程において、前記張出部と前記床沈下部との間で挟まれた前記圧縮コイルばねの圧縮量を調整しつつ、前記締結位置を調整する床修復方法。
【請求項2】
地盤上に施工された所定の厚みを有する床の沈下を修復する修復装置であって、
長手状のロッドと、
前記ロッドが伸縮できるように前記ロッドの後端側を収容する収容部と、
前記収容部から外側に張り出した板状の張出部と、
前記張出部を厚み方向に貫通する複数の挿通孔と、
各々が対応する前記挿通孔に挿通され、かつ各々の後端が対応する前記挿通孔に締結可能な複数のアンカーボルトと
複数の前記アンカーボルトにそれぞれ割り当てられ、かつ各々が前記アンカーボルトに外嵌される複数の圧縮コイルばねとを備える修復装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床修復方法、及び修復装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場や倉庫等の床は、一般的に、コンクリート、モルタル等のセメント系材料により構成される。この種の床は、通常、地盤を覆うように、所定の厚みを有する層状(板状)に形成される。このような床は、強度や耐荷重等に優れるため、広く用いられている。
【0003】
ところで、この種の床の下側には、時間の経過と共に、空洞が形成されてしまうことがある。空洞は、主に、床上に設置された各種の機械装置(例えば、工作機械)や、床上を移動する移動体(例えば、フォークリフト)等から発生した振動が地盤に伝わることで、地盤が緩んで沈下するために形成される。この空洞は、床と地盤との間に形成されるため、空洞が形成された部分の床は、地盤から離れて宙に浮いてしまったような状態となる。
【0004】
従来、このような空洞を硬化性樹脂(発泡性樹脂等)で埋めて床下を補強する床下補強工事が行われていた(例えば、特許文献1)。この床下補強工事は、空洞を覆う床の一部に貫通孔を形成し、その貫通孔から硬化性樹脂を注入する等して、空洞を硬化性樹脂で埋めつつ床下を補強するものである。このような床下補強工事は、床を打ち替える必要がなく、施工が容易であり、しかもコスト的に有利であるため、近年、注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第7236776号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
床下に形成された空洞を補強する前に、その空洞を覆う床の一部が、凹むように沈下してしまうことがあった。床が沈下したままの状態で、上述した床下補強工事を効果的に行うことができず、問題となっていた。
【0007】
本発明の目的は、沈下した床を沈下前の位置まで戻しつつ、その床下にある空洞を埋めることで、その床を修復する床修復方法、及び前記床修復方法に使用される修復装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 地盤上に施工された所定の厚みを有する床の沈下を修復する床修復方法であって、前記地盤と前記床との間に空洞が発生したことで、前記床の一部が前記空洞側へ沈下して形成される床沈下部に、厚み方向に貫通する1つ又は2つ以上の床貫通孔を形成する床貫通孔形成工程と、前記床貫通孔の真下に位置するように前記地盤上に受け部材を配置する受け部材配置工程と、前記床沈下部のうち、前記床貫通孔の周りに複数の差し込み穴を形成する差し込み穴形成工程と、長手状のロッドと、前記ロッドが伸縮できるように前記ロッドの後端側を収容する収容部と、前記収容部から外側に張り出した板状の張出部と、前記張出部を厚み方向に貫通する複数の挿通孔と、各々が対応する前記挿通孔に挿通され、かつ各々の後端側が対応する前記挿通孔に締結可能な複数のアンカーボルトとを備える修復装置を、前記床貫通孔毎に設置するために、前記ロッドの先端を前記受け部材に当接させつつ、前記ロッドを前記床貫通孔に挿通させるように、複数の前記アンカーボルトの先端を、それぞれ対応した前記差し込み穴に差し込む修復装置設置工程と、前記修復装置の前記ロッドを前記受け部材上で直立させるために、前記アンカーボルトの後端側が前記挿通孔に締結される締結位置を調整する調整工程と、前記締結位置を調整しながら前記ロッドの直立状態を維持しつつ、前記ロッドを伸長させることで、前記床沈下部を沈下前の位置まで引き上げる引き上げ工程と、引き上げられた状態の前記床沈下部に、厚み方向に貫通する孔からなる注入口を形成する注入口形成工程と、前記空洞を埋めるように、前記注入口から硬化性樹脂を注入する樹脂注入工程と、前記空洞が前記硬化性樹脂で埋められた後、前記アンカーボルトの先端を前記差し込み穴から取り外すと共に、前記ロッドを前記床貫通孔から引き上げることで、前記修復装置を取り外す取り外し工程と、前記床貫通孔、前記差し込み穴及び前記注入口を、それぞれ硬化性の充填材で埋める穴埋め工程とを備える床修復方法。
【0009】
<2> 前記修復装置は、複数の前記アンカーボルトにそれぞれ割り当てられ、かつ各々が前記アンカーボルトに外嵌される複数の圧縮コイルばねを備え、前記修復装置設置工程において、複数の前記圧縮コイルばねが、それぞれ前記張出部と前記床沈下部との間で挟まれるように、複数の前記アンカーボルトの先端を、それぞれ対応した前記差し込み穴に差し込み、前記調整工程において、前記張出部と前記床沈下部との間で挟まれた前記圧縮コイルばねの圧縮量を調整しつつ、前記締結位置を調整し、前記引き上げ工程において、前記張出部と前記床沈下部との間で挟まれた前記圧縮コイルばねの圧縮量を調整しつつ、前記締結位置を調整する前記<1>に記載の床修復方法。
【0010】
<3> 地盤上に施工された所定の厚みを有する床の沈下を修復する修復装置であって、 長手状のロッドと、前記ロッドが伸縮できるように前記ロッドの後端側を収容する収容部と、前記収容部から外側に張り出した板状の張出部と、前記張出部を厚み方向に貫通する複数の挿通孔と、各々が対応する前記挿通孔に挿通され、かつ各々の後端が対応する前記挿通孔に締結可能な複数のアンカーボルトとを備える修復装置。
【0011】
<4> 複数の前記アンカーボルトにそれぞれ割り当てられ、かつ各々が前記アンカーボルトに外嵌される複数の圧縮コイルばねを備える前記<3>に記載の修復装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、沈下した床を沈下前の位置まで戻しつつ、その床下にある空洞を埋めることで、その床を修復する床修復方法、及び前記床修復方法に使用される修復装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】地盤上に施工された床の一例を示す説明図
図2】床と地盤との間に発生した空洞が原因で形成された床沈下部を示す説明図
図3】実施形態1に係る床修復方法が備える床貫通孔形成工程を示す説明図
図4】受け部材配置工程を示す説明図
図5】差し込み穴形成工程を示す説明図
図6】修復装置の斜視図
図7】修復装置設置工程を示す説明図
図8】引き上げ工程を示す説明図
図9】注入口形成工程を示す説明図
図10】樹脂注入工程を示す説明図
図11】取り外し工程を示す説明図
図12】穴埋め工程を示す説明図
図13】実施形態2に係る床修復方法を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1に係る床修復方法を、図1図12を参照しつつ説明する。図1は、地盤2上に施工された床1の一例を示す説明図である。ここで、先ず、本実施形態の床修復方法が施される床1について、簡単に説明する。床1は、コンクリート、モルタル等のセメント系材料を主材(母材)として構成された所定の厚みを有する層状(板状)の部材である。このような床1としては、例えば、コンクリート床、モルタル床等が挙げられる。また、床1の内部には、鉄筋等の補強部材が配設されていてもよい。床1は、工場、倉庫、店舗等の建築物の床である。
【0015】
なお、他の実施形態においては、本発明の目的を損なわない限り、建築物の床以外に、地盤上に形成される土木建築物の床や、道路、滑走路等の路面に対して、本実施形態の床修復方法が適用されてもよい。図1には、地盤2の表面2a上に、直接、床1が施工されている状態が示されている。なお、他の実施形態においては、本発明の目的を損なわない限り、地盤2の表面2aに、地盤強化等を目的とした他の層(例えば、砕石層)が形成されていてもよい。
【0016】
図1に示されるように、地盤2上に床1が施工された当初は、地盤2と床1との間に空洞はみられない。なお、以降の説明では、床1が、所定の厚み(例えば、10cm~30cm)を有する「コンクリート床」であるとする。
【0017】
図2は、床1と地盤2との間に発生した空洞3が原因で形成された床沈下部11を示す説明図である。時間の経過と共に、床1上に設置された振動源(工作機械、フォークリフト等)からの振動等の影響により、床1下の地盤2が緩んで沈下等することで、地盤2と床1との間に空洞3が発生することがある。そして、このような空洞3が形成されると、その空洞3を覆う床1の一部が、空洞3側(地盤2側)に向かって凹むよう沈下してしまうことがある。本明細書では、このように床1の一部が沈下した部分を、床沈下部11と称する。
【0018】
本実施形態の床修復方法は、床沈下部11を、沈下前の位置まで引き上げて戻した後、床1下に形成された空洞3を、所定の硬化性樹脂(例えば、発泡性樹脂)の硬化物で埋めることで、床1を修復するものである。特に、本実施形態の床修復方法では、床沈下部11を沈下前の位置まで引き上げる際に、後述する専用の修復装置4が使用される。
【0019】
なお、本実施形態の床修復方法によって修復可能な床沈下部11は、その周りにある沈下のない床部分(以下、「床未沈下部」)12と分断されずに繋がったものである。床が沈下した部分が、床未沈下部12と完全に分離してしまったものは、本実施形態の床修復方法の修復対象ではない。
【0020】
このような本実施形態の床修復方法は、主として、床貫通孔形成工程、受け部材配置工程、差し込み穴形成工程、修復装置設置工程、調整工程、引き上げ工程、注入口形成工程、樹脂注入工程、取り外し工程、穴埋め工程を備える。
【0021】
床貫通孔形成工程は、地盤2と床1との間に空洞3が発生したことで、床1の一部が空洞3側へ沈下して形成される床沈下部11に、厚み方向に貫通する1つ又は2つ以上の床貫通孔13を形成する工程である。図3は、実施形態1に係る床修復方法が備える床貫通孔形成工程を示す説明図である。この床貫通孔形成工程では、空洞3と上下方向で重なる床沈下部11に、ドリル(例えば、市販のコンクリート用ドリル)等を使用して、床1の上面1a側から下面1b側に向かって貫通する所定の孔径(例えば、直径130mm~150m程度)を備えた床貫通孔13が形成される。床貫通孔13の孔径は、後述する修復装置4のロッド41を挿通できるような大きさに設定される。
【0022】
床沈下部11に設けられる床貫通孔13の数(個数)は、床沈下部11の大きさ(広さ)、形状、厚み等を考慮しつつ、床沈下部11を沈下前の位置まで引き上げるのに必要な修復装置4の台数等に応じて、設定される。
【0023】
床貫通孔13は、床1の厚み方向(上下方向)に貫通しつつ、空洞3と繋がっている。床1を上面1a側から平面視した際、床貫通孔13は、空洞3と重なるように、床沈下部11に設けられている。図3に示されるように、床沈下部11には、複数個の床貫通孔13が形成される。床貫通孔13は、例えば、床沈下部11のうち、最も地盤2側に沈んでいる中央側の最深部11aと、その最深部11aの周りに配され、かつ最深部11aと床未沈下部12とを繋ぐ傾斜した傾斜部11bに、それぞれ床貫通孔13が設けられている。説明の便宜上、図3には、床沈下部11の最深部11aに形成された1つの床貫通孔13と、その周りに配される平面視で環状をなした床沈下部11の傾斜部11bに形成された2つの床貫通孔13とが示されている。
【0024】
複数の床貫通孔13を床沈下部11に形成する場合、隣り合った床貫通孔13同士の間隔は、後述する引き上げ工程において、修復装置4を使用して床沈下部11を沈下前の位置まで引き上げることが可能であれば、特に制限はないが、前記間隔としては、例えば、1m~2mの範囲に設定することが好ましい。
【0025】
受け部材配置工程は、床貫通孔13の真下に位置するように地盤2上に受け部材5を配置する工程である。図4は、受け部材配置工程を示す説明図である。受け部材5は、後述する修復装置4のロッド41の先端が、地盤2内に沈み込まないように、修復装置4のロッド41からの力(荷重)を受ける部材である。受け部材5としては、例えば、所定の厚みの金属製板材(例えば、厚み2cmの円形状の鉄板)が使用される。このような受け部材5は、床沈下部11に形成された床貫通孔13に対して、少なくとも1つずつ割り当てられる。受け部材配置工程において、受け部材5は、床1の外側(上面1a側)から、床貫通孔13を利用して、空洞3側に入れられる。そして、空洞3側に入れられた受け部材5は、床1を上面1a側から平面視した際に、床貫通孔13の真下に位置するように、地盤2の表面2a上に載せられる。受け部材5の大きさや、材質等の諸条件は、使用される修復装置4のロッド41の大きさ(サイズ)や、ロッド41から受ける力の大きさ等に応じて適宜、設定される。
【0026】
なお、他の実施形態においては、受け部材5を配置する前に、予め地盤2上に、木材(角材、板材等)や砕石等の土台となる補強部材を敷いておき、その補強部材上に、受け部材5を載せる形で配置してもよい。
【0027】
差し込み穴形成工程は、床沈下部11のうち、床貫通孔13の周りに複数の差し込み穴14を形成する工程である。図5は、差し込み穴形成工程を示す説明図である。差し込み穴14は、後述する修復装置4を所定位置に設置する際に、修復装置4が備えるアンカーボルト45の先端45aを差し込むために利用される。差し込み穴14は、通常、床沈下部11を厚み方向に貫通しないように、床沈下部11の上面1a側から凹状に掘り下げて形成される。つまり、差し込み穴14は、上方に開口した有底の円筒状をなしている。このような差し込み穴14は、ドリル(例えば、市販のコンクリート用ドリル)等を使用して形成される。
【0028】
差し込み穴14の孔径は、床貫通孔13の孔径よりも小さい。差し込み穴14は、1つの床貫通孔13の周りに、複数個設けられる。本実施形態の場合、1つの床貫通孔13に対して、3つの差し込み穴14が割り当てられており、それらの差し込み穴14は、床貫通孔13を上面1a側から平面視した際、床貫通孔13の周りで正三角形の各頂点に位置するように設けられている。なお、1つの床貫通孔13に対して設けられる差し込み穴14の数は、後述する修復装置4が備えるアンカーボルト45の数に対応している。また、床貫通孔13において、差し込み穴14が形成される位置は、修復装置4が備える複数のアンカーボルト45の配置関係を考慮して設定される。
【0029】
本実施形態の場合、差し込み穴形成工程は、上述した受け部材配置工程の後に行っているが、他の実施形態においては、受け部材配置工程の前に、差し込み穴形成工程を行ってもよい。
【0030】
修復装置設置工程は、修復装置4を、床貫通孔13毎に設置するために、修復装置4が備えるロッド41の先端41aを受け部材5に当接させつつ、ロッド41を床貫通孔13に挿通させるように、修復装置4が備える複数のアンカーボルト45の先端45aを、それぞれ対応した差し込み穴14に差し込む工程である。ここで、先ず、修復装置4の構成について、図6等を参照しつつ説明する。図6は、修復装置4の斜視図である。修復装置4は、所謂、片ロッド形の油圧シリンダーを応用した装置であり、図6に示されるように、主として、ロッド(ピストンロッド)41、収容部42、張出部43、挿通孔44、アンカーボルト45を備える。
【0031】
ロッド41は、一方向に延びた長手状の円柱型部材であり、その先端41aは、平坦な円形状をなしている。ロッド41の直径は、例えば、60mm程度である。ロッド41は、先端41a側が露出するように、後端41b側が収容部42に収容される。収容部42は、全体的には、円柱状の外観を備えており、その内部で、ロッド41の後端41b側を、長手方向に沿って往復移動できるように収容する。また、収容部42内には、油圧により、ロッド41を長手方向に沿って往復移動(前進・後進)させるための油路等を備えている。なお、本明細書では、収容部42から露出する部分の長さが長くなるように、ロッド41が移動する場合を、「前進」と称し、その逆向き(つまり、収容部42から露出する部分の長さが短くなるように、ロッド41が移動する向き)に移動する場合を、「後進」と称する。ロッド41が前進すると、収容部42から露出する部分のロッド41の長さが伸びた状態となる。また、ロッド41が後進すると、収容部42から露出する部分のロッド41の長さが縮んだ状態となる。収容部42から露出する部分のロッド41の長さは、例えば、40cm~60cm程度である。
【0032】
なお、図6に示されるように、収容部42には、油圧回路の一部を構成する油圧ホース46が接続されている。油圧ホース46は、2つ接続されており、それらは、収容部42内に作動油を供給する側のものと、収容部42内から作動油を排出する側のものとからなる。
【0033】
なお、本明細書において、ロッド41及び収容部42を備える構成を、「本体部40」と称する場合がある。
【0034】
張出部43は、円柱状の外観をなした収容部42から外側に円環状に張り出した板状をなしている。本実施形態の張出部43は、所定の厚みを有する金属製の板材からなる。張出部43は、修復装置4の使用時に、水平に配されるように、収容部42に対して取り付けられている。この張出部43には、厚み方向に貫通する複数の挿通孔44(図7参照)が設けられている。挿通孔44は、アンカーボルト45の後端45b側が締結される部分である。各挿通孔44は、収容部42を囲むように、張出部43に配置される。
【0035】
アンカーボルト45は、修復装置4の本体部40が床1(床沈下部11)上で起立するように支える部材である。アンカーボルト45は、各々が長手状をなしており、その外周面に雄ネジが形成されている。修復装置4は、複数のアンカーボルト45を備えており、その各々が対応する挿通孔44に挿通され、かつ各々の後端45b側が対応する挿通孔44に締結可能な状態となっている。
【0036】
アンカーボルト45の後端45b側は、下面43b側から挿通孔44を通って張出部43の上面43a側に突出しており、その突出した後端45b側に、座金(ワッシャー)47及びナット48が取り付けられている。内部に円筒状の雌ネジ面を含むナット48が、座金47を介して張出部43の上面43a(挿通孔44を囲む部分)に締め付けられることで、アンカーボルト45の後端45b側が、挿通孔44に締結される。なお、ナット48の締め付けを緩めることで、アンカーボルト45の後端45b側の挿通孔44に対する締結が解除される。なお、アンカーボルト45の後端45b側の締結は、修復装置設置工程の後の調整工程で行われる。
【0037】
修復装置設置工程は、このような修復装置4を、床貫通孔13毎に設置するために、ロッド41の先端41aを受け部材5に当接させつつ、ロッド41を床貫通孔13に挿通させるように、複数のアンカーボルト45の先端45aを、それぞれ対応した差し込み穴14に差し込む工程である。図7は、修復装置設置工程を示す説明図である。修復装置4を設置する際、ロッド41は、その先端41a側から、床貫通孔13に挿通される。そして、ロッド41の先端41aを、床貫通孔13の真下に配置される受け部材5に当接させた後、本体部40が受け部材5上で概ね起立するように、各アンカーボルト45の先端45aが、それぞれ対応した差し込み穴14に差し込まれる。
【0038】
本実施形態の修復装置4は、図7に示されるように、各アンカーボルト45に対して、それぞれ外嵌される形で取り付けられる複数の圧縮コイルばね49を備えている。圧縮コイルばね49は、素線が螺旋状に巻回されたものであり、例えば、市販の強力ばねを圧縮コイルばね49として使用できる。修復装置設置工程において、複数の圧縮コイルばね49が、それぞれ張出部43と床沈下部11との間で挟まれるように、複数のアンカーボルト45の先端45aが、それぞれ対応した差し込み穴14に差し込まれる。
【0039】
なお、修復装置設置工程では、収容部42から露出する部分のロッド41の長さが、3つの修復装置4同士で、互いに同じなるように設定される。また、修復装置4の張出部43の高さ位置が、互いに同じになるように、設定される。
【0040】
調整工程は、修復装置4のロッド41を受け部材5上で直立させるために、アンカーボルト45の後端45a側が挿通孔44に締結される締結位置Pを調整する工程である。調整工程では、修復装置4のロッド41が、地盤2の表面2a上に対して垂直に起立するように、本体部40の周囲に配置された各アンカーボルト45の後端45b側の締結位置Pが調整される。本実施形態の場合、ロッド41が直立すると、張出部43が水平(地盤2の表面に対して平行)に配される。そのため、調整工程では、張出部43が水平に配されるように、床1の上面1aと張出部43との間にある各アンカーボルト45の長さ(高さ)を調整しながら、締結位置Pが調整される。
【0041】
また、本実施形態の調整工程では、修復装置4の張出部43と床沈下部11との間で挟まれた圧縮コイルばね49の圧縮量を調整しつつ、締結位置Pが調整される。本実施形態の場合、張出部43は、圧縮コイルばね49によって下面側から支えられながら、水平に配されるように、締結位置Pが調整される。その際、張出部43と床沈下部11との間に介在させる圧縮コイルばね49の圧縮量が調整される。なお、各アンカーボルト45に外嵌される圧縮コイルばね49の長さ、弾性力等の諸条件は、適宜、設定される。
【0042】
引き上げ工程は、締結位置Pを調整しながらロッド41の直立状態を維持しつつ、ロッド41を伸長させることで、床沈下部11を沈下前の位置まで引き上げる工程である。図8は、引き上げ工程を示す説明図である。引き上げ工程では、各修復装置4のロッド41を前進させつつ伸長させることで、各アンカーボルト45で固定された床沈下部11が上方に向かって引き上げられる。各修復装置4は、略同時に作動して、床沈下部11全体が徐々に元の位置に戻るように、各ロッド41を前進させて伸長させる。その際、ロッド41の直立状態が維持されるように、各修復装置4における各修復装置4の締結位置Pが、適宜、調整される。
【0043】
例えば、傾斜部11bが徐々に引き上げられると、その表面の傾斜は徐々に緩やかになり、最終的に、沈下前の平坦な状態となる。その際、傾斜部11bの表面1aと、張出部43の表面とが、徐々に平行となるように、締結位置Pが適宜、調整される。なお、本実施形態の場合、最深部11aの表面は、概ね平坦である。そのため、最深部11aは、張出部43に対して平行を保ちながら、徐々に引き上げられる。
【0044】
なお、本実施形態の場合、引き上げ工程において、張出部43と床沈下部11との間で挟まれた圧縮コイルばね49の圧縮量を調整しつつ、締結位置Pが調整される。このような圧縮コイルばね49を備えていると、引き上げ工程において、張出部43は、圧縮コイルばね49によって下面側から支えられながら、水平に配されるように、締結位置Pが調整される。このような引き上げ工程により、床沈下部11が沈下前の位置まで戻される。
【0045】
注入口形成工程は、引き上げられた状態の床沈下部11に、厚み方向に貫通する孔からなる注入口15を形成する工程である。図9は、注入口形成工程を示す説明図である。この注入口形成工程では、ドリルDを使用して、引き上げられた状態の床沈下部11の上面1a側から下面1b側に向かって貫通する所定の孔径(例えば、10mm~15mm程度)を備えた注入口15が形成される。注入口15は、床沈下部11(床1)の厚み方向に貫通しつつ、空洞3と繋がっている。注入口15は、床沈下部11に対して、通常、複数個設けられる。注入口15を設ける位置や数は、後述する樹脂注入工程により、空洞3を硬化性樹脂で効率的に埋められるように、適宜、設定される。
【0046】
樹脂注入工程は、空洞3を埋めるように、注入口15から硬化性樹脂Rを注入する工程である。図10は、樹脂注入工程を示す説明図である。硬化性樹脂Rとしては、例えば、発泡性樹脂が使用される。発泡性樹脂は、未硬化の状態では液体であり、そのような未硬化の発泡性樹脂(硬化性樹脂)Rが、発泡により体積が膨張して硬化することにより、固体状の樹脂(発泡済み樹脂からなる硬化物)R’となる。
【0047】
発泡性樹脂としてはこの種の空洞3を埋める方法で用いられる一般的なものを使用できる。発泡性樹脂としては、例えば、主剤と触媒とから構成されるウレタン系発泡性樹脂が挙げられる。ウレタン系発泡性樹脂の主剤としては、例えば、メチレンビス(4,1-フェニレン)=ジイソシアネート等を含むものからなる。また、ウレタン系発泡性樹脂の触媒としては、例えば、ジメチルミリスチルアミン等を含むものからなる。ウレタン系発泡性樹脂は、このような主剤及び触媒が、それぞれ所定の割合で配合された液状の組成物からなる。なお、ウレタン系発泡性樹脂等の発泡性樹脂は、適宜、溶剤等を含んでもよい。
【0048】
樹脂注入工程において、硬化性樹脂Rの供給は、例えば、所定の吐出ノズルNを備えた供給装置(例えば、電動式ミニポンプ、最大吐出圧力:1.4MPa)を用いて行われる。図10に示されるように、長手状の吐出ノズルNの先端が、注入口15を介して空洞3内に入れられ、そして、その状態の吐出ノズルNから、所定量の液状の硬化性樹脂(発泡性樹脂)Rが吐出される。なお、硬化性樹脂Rを空洞3内に供給する方法は、これに限られず、目的に応じて、適宜、選択される。
【0049】
このように吐出ノズルNを利用して発泡性樹脂(硬化性樹脂)Rが供給されると、発泡性樹脂Rは、床沈下部11を含む床1と、地盤2との間に形成された空洞3に充填される。図10に示されるように、樹脂注入工程では、修復装置4のロッド41は、床沈下部11(床1)の下側にあるため、その周りに発泡性樹脂(硬化性樹脂)Rが供給される。また、受け部材5は、ロッド41の先端41aにより、地盤2側に押し付けられた状態となっているため、受け部材5の周りにも発泡性樹脂(硬化性樹脂)Rが供給される。
【0050】
所定量の発泡性樹脂Rが空洞3に供給された後、吐出ノズルNは、注入口15から適宜、抜き取られる。空洞3に供給された発泡性樹脂(硬化性樹脂)Rは、時間の経過と共に発泡を伴った化学反応が進行して、体積が膨張しつつ硬化する。
【0051】
なお、樹脂注入工程において、発泡性樹脂(硬化性樹脂)Rを注入口15から空洞3内へ供給する際、注入口15から外側(床1の上面1a側)へ発泡性樹脂Rが溢れ出さないように、適宜、処置が施されてもよい。例えば、注入口15に、吐出ノズルNを差し入れて、発泡性樹脂Rの供給を行う場合、その注入口15と、吐出ノズルNとの間にできる隙間を、所定サイズの保水性シート(ウエスペーパー等)に水分等の液体を含ませたものからなる流出防止材(不図示)で塞いで、発泡性樹脂(硬化性樹脂)Rが注入口15から外側に溢れるのを抑制してもよい。流出防止材は、液体を含んだ状態の保水性シートを、注入口15を囲むように環状に形成されることが好ましい。
【0052】
取り外し工程は、空洞3が硬化性樹脂Rで埋められた後、アンカーボルト45の先端45aを差し込み穴14から取り外すと共に、ロッド41を床貫通孔13から引き上げることで、修復装置4を取り外す工程である。図11は、取り外し工程を示す説明図である。取り外し工程では、ロッド41が後進するように修復装置4を作動させつつ、床貫通孔13から外側へ引き抜かれる。床1(床沈下部11)と地盤2との間に充填されている発泡性樹脂(硬化性樹脂)Rは、流動性があり、かつ体積が膨張するため、ロッド41が引き抜かれると、その部分には、発泡性樹脂(硬化性樹脂)Rが適宜、充填される。なお、取り外し工程の後も、受け部材5は、そのまま地盤2上に残された状態となる。
【0053】
穴埋め工程は、床貫通孔13、差し込み穴14及び注入口15を、それぞれ硬化性の充填材6で埋める工程である。図12は、穴埋め工程を示す説明図である。穴埋め工程では、空洞3が発泡性樹脂(硬化性樹脂)Rで埋められた後、床貫通孔13、差し込み穴14及び注入口15が、それぞれ硬化性の充填材6によって埋められる。充填材6としては、例えば、モルタル等のセメント系材料が使用される。床貫通孔13を充填材6で埋めた後、その充填材6が硬化することで、床貫通孔13を塞ぐ栓61が形成される。また、差し込み穴14を充填材6で埋めた後、その充填材6が硬化することで、凹状の差し込み穴14を埋める栓62が形成される。また、注入口15を充填材6で埋めた後、その充填材6が硬化することで、注入口15を塞ぐ栓63が形成される。このような栓61~63が形成されることで、床1の上面1aにおける平坦性等が保たれる。また、床貫通孔13を塞ぐ栓61や注入口15を塞ぐ栓63が形成されることで、床1の気密性及び水密性が保たれる。なお、床貫通孔13や注入口15を塞ぐ際に、必要に応じて、硬化性の充填材6以外に、スポンジ等の多孔性部材等が、床貫通孔13や注入口15に充填されてもよい。
【0054】
以上のように、本実施形態の床修復方法が備える床貫通孔形成工程、受け部材配置工程、差し込み穴形成工程、修復装置設置工程、調整工程、引き上げ工程、注入口形成工程、樹脂注入工程、取り外し工程、及び穴埋め工程を経ることにより、床沈下部11を沈下前の位置まで戻しつつ、その床1下にある空洞3を埋めることで、床1を打ち替えることなく、床1を修復することができる。このような床修復方法は、床1を打ち替える場合と比べて、施工が容易であり、コスト的にも有利である。
【0055】
また、上述した修復装置4を使用することで、本実施形態の床修復方法を効率的に行うことができる。
【0056】
なお、本実施形態のように、修復装置4が圧縮コイルばね49を備えていると、圧縮コイルばね49を備えていない場合(後述の実施形態2参照)と比べて、調整工程を行う際に、修復装置4のロッド41を受け部材5上で直立するように締結位置Pを調整し易く、また、引き上げ工程を行う際に、修復装置4のロッド41の直立状態で維持できるように締結位置Pの調整を行い易い。つまり、締結位置Pを調整する際に、修復装置4の張出部43を水平な状態で維持し易い。
【0057】
〔実施形態2〕
次いで、図12を参照しつつ、実施形態に係る床修復方法を説明する。本実施形態の床修復方法では、実施形態1で使用した修復装置4に代えて、修復装置4Aを使用するものである。それ以外は、実施形態1と同じである。この修復装置4Aは、実施形態1の修復装置4から、圧縮コイルばねを取り外したものである。本実施形態のように、修復装置4Aが圧縮コイルばねを備えていなくても、修復装置4Aのロッド41を受け部材5上で直立させるために、アンカーボルト45の後端45b側が挿通孔44に締結される締結位置Pを調整する調整工程や、締結位置Pを調整しながらロッド41の直立状態を維持しつつ、ロッド41を伸長させることで、床沈下部11を沈下前の位置まで引き上げる引き上げ工程を行うことができる。
【0058】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0059】
(1)上記実施形態1,2において、修復装置が備える張出部は、円柱状の外観をなした収容部から外側に円環状に張り出した板状をなしていたが、本発明の目的を損なわない限り、張出部の形状は限られず、例えば、張出部が、平面視で四角形(正方形、長方形等)等の多角形をなすように、収容部から外側に張り出した形状であってもよい。
【0060】
(2)上記実施形態1,2では、1台の修復装置が備える張出部に、3つのアンカーボルトが設けられていたが、本発明の目的を損なわない限り、設けられるアンカーボルトの本数は限られず、例えば、1つの張出部に、4本(又は4本以上)のアンカーボルトが割り当てられてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…床、11…床沈下部、13…床貫通孔、14…差し込み穴、15…注入口、2…地盤、3…空洞、4…修復装置、41…ロッド、42…収容部、43…張出部、44…挿通孔、45…アンカーボルト、49…圧縮コイルばね、5…受け部材、P…締結位置、R…硬化性樹脂
【要約】      (修正有)
【課題】床を打ち替えることなく、沈下した床を修復する床修復方法等の提供。
の提供。
【解決手段】本地盤2上に施工された床の沈下を修復する方法であって、地盤と床との間に発生した空洞3へ沈下して形成される床沈下部11に床貫通孔13を形成する工程と、床貫通孔13の真下に位置するように地盤2上に受け部材5を配置する工程と、床貫通孔13の周りに差し込み穴14を形成する工程と、修復装置4を、床貫通孔13毎に設置するために、ロッド41の先端を受け部材5に当接させつつ、ロッド41を床貫通孔13に挿通させるように、複数のアンカーボルト45の先端を、差し込み穴14に差し込む工程と、アンカーボルト45の後端側が挿通孔44に締結される締結位置Pを調整する工程と、床沈下部11を沈下前の位置まで引き上げる工程と、厚み方向に貫通する孔からなる注入口を形成する工程とを備える。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13