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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-27
(45)【発行日】2025-04-04
(54)【発明の名称】背負いバッグ
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20250328BHJP
【FI】
A45F3/04 300
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023212604
(22)【出願日】2023-12-18
【審査請求日】2024-08-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】395012341
【氏名又は名称】スワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】上野 貴則
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1048421(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第113647740(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113892746(CN,A)
【文献】登録実用新案第3228654(JP,U)
【文献】特開2004-147871(JP,A)
【文献】国際公開第2006/068072(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物を収容する収容部(11)、使用者の背中と対向する背当部(12)、及び前記背当部(12)以外の領域に形成されるファン用開口(13)を有するバッグ本体(10)と、
前記バッグ本体(10)に取付けられ、前記バッグ本体(10)を使用者の両肩に支持する左右一対の肩ベルト(20)と、
前記背当部(12)に形成される第1空気孔(30)であって、前記バッグ本体(10)の内部から使用者の背中に向かって空気を放出、又は前記バッグ本体(10)の外部から内部に空気を導入する第1空気孔(30)と、
前記バッグ本体(10)の内部に配設され、前記第1空気孔(30)を介し前記バッグ本体(10)の外部と連通される第1空気流路(40)と、
前記ファン用開口(13)に設置され、前記第1空気流路(40)を介し、前記第1空気孔(30)と前記ファン用開口(13)との間で空気を送る送風ファン(50)と、
前記第1空気流路(40)における通気を確保するように、前記収容部(11)と前記背当部(12)との間であって前記第1空気孔(30)とは重ならない位置に配設される内部スペーサ(70
とを具備し、
前記内部スペーサ(70)は、柱状であり、軸方向の両端面を有し、複数の前記柱状の内部スペーサ(70A)が、前記収容部(11)と前記背当部(12)との間に、軸方向の一方の端面が前記収容部(11)の方を向き、軸方向の他方の端面が前記背当部(12)の方を向くようにして間隔を空けて立設される、背負いバッグ。
【請求項2】
物を収容する収容部(11)、使用者の背中と対向する背当部(12)、及び前記背当部(12)以外の領域に形成されるファン用開口(13)を有するバッグ本体(10)と、
前記バッグ本体(10)に取付けられ、前記バッグ本体(10)を使用者の両肩に支持する左右一対の肩ベルト(20)と、
前記背当部(12)に形成される第1空気孔(30)であって、前記バッグ本体(10)の内部から使用者の背中に向かって空気を放出、又は前記バッグ本体(10)の外部から内部に空気を導入する第1空気孔(30)と、
前記バッグ本体(10)の内部に配設され、前記第1空気孔(30)を介し前記バッグ本体(10)の外部と連通される第1空気流路(40)と、
前記ファン用開口(13)に設置され、前記第1空気流路(40)を介し、前記第1空気孔(30)と前記ファン用開口(13)との間で空気を送る送風ファン(50)と、
前記第1空気流路(40)における通気を確保するように、前記収容部(11)と前記背当部(12)との間であって前記第1空気孔(30)とは重ならない位置に配設される内部スペーサ(70B)
とを具備し、
前記内部スペーサ(70B)は、長方形板状であり、複数の前記長方形板状の内部スペーサ(70B)が、前記収容部(11)と前記背当部(12)との間に一定の間隔を置いて平行に配設されており、前記複数の長方形板状の内部スペーサ(70B)は、各々、幅方向に貫通する複数の通気孔(71)を有している、背負いバッグ。
【請求項3】
前記背当部(12)に取付けられ、使用者の背中と前記第1空気孔(30)との間に第2空気流路(80)を形成する外部スペーサ(60)を更に具備する、請求項1又は請求項2に記載の背負いバッグ。
【請求項4】
前記バッグ本体(10)の外部と前記第1空気流路(40)とを連通させるように前記背当部(12)に形成される第2空気孔(90)であって、前記送風ファン(50)が、前記第1空気孔(30)を介し前記バッグ本体(10)の内部から使用者の背中に向かって空気が放出されるように空気を送るとき、前記バッグ本体(10)の内部から使用者の首に向かって空気を放出する第2空気孔(90)を更に具備する、請求項1又は請求項2に記載の背負いバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背負いバッグに関し、特に、夏季等の暑い時期にも快適に使用できる背負いバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
背中に背負う背負いバッグとして、特許文献1には、荷物を収容するバッグ本体と、左右一対の肩ベルトを具備する背負いバッグが記載されている。特許文献1に記載の背負いバッグによれば、使用者は、両肩でバッグを支持でき、両手を自由に使えるとともに、手提げカバンのように荷重が体の片側に偏ることがなく、荷物が重くとも安定的に持運びできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実登3241926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の背負いバッグにおいては、バッグ本体の背当部が使用者の背中の一定の面積を覆うために、特に夏季等の暑い時期には背中が蒸れてしまう等の不都合があり、快適に使用できないことがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、少なくとも使用者の背中と背当部との間に外気を導入し、夏季等の暑い時期にも快適に使用できる背負いバッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する背負いバッグは、バッグ本体(10)と、左右一対の肩ベルト(20)と、第1空気孔(30)と、第1空気流路(40)と、送風ファン(50)とを具備する。前記バッグ本体(10)は、物を収容する収容部(11)、使用者の背中と対向する背当部(12)、及び前記背当部(12)以外の領域に形成されるファン用開口(13)を有する。前記左右一対の肩ベルト(20)は、前記バッグ本体(10)に取付けられ、前記バッグ本体(10)を使用者の両肩に支持する。前記第1空気孔(30)は、前記背当部(12)に形成され、前記バッグ本体(10)の内部から使用者の背中に向かって空気を放出、又は前記バッグ本体(10)の外部から内部に空気を導入する。前記第1空気流路(40)は、前記バッグ本体(10)の内部に配設され、前記第1空気孔(30)を介し前記バッグ本体(10)の外部と連通される。前記送風ファン(50)は、前記ファン用開口(13)に設置され、前記第1空気流路(40)を介し、前記第1空気孔(30)と前記ファン用開口(13)との間で空気を送る。
【0007】
本願に開示する背負いバッグは、外部スペーサ(60)を更に具備する。前記外部スペーサ(60)は、前記背当部(12)に取付けられ、使用者の背中と前記第1空気孔(30)との間に第2空気流路(80)を形成する。
【0008】
本願に開示する背負いバッグは、内部スペーサ(70)を更に具備する。前記内部スペーサ(70)は、前記第1空気流路(40)における通気を確保するように、前記収容部(11)と前記背当部(12)との間であって前記第1空気孔(30)とは重ならない位置に配設される。そして、前記内部スペーサ(70)は、柱状であり、軸方向の両端面を有し、複数の前記柱状の内部スペーサ(70A)が、前記収容部(11)と前記背当部(12)との間に、軸方向の一方の端面が前記収容部(11)の方を向き、軸方向の他方の端面が前記背当部(12)の方を向くようにして間隔を空けて立設される。または、前記内部スペーサ(70)は、長方形板状であり、複数の前記長方形板状の内部スペーサ(70B)が、前記収容部(11)と前記背当部(12)との間に一定の間隔を置いて平行に配設されており、前記複数の長方形板状の内部スペーサ(70B)は、各々、幅方向に貫通する複数の通気孔(71)を有している。

【0009】
本願に開示する背負いバッグは、第2空気孔(90)を更に具備する。前記第2空気孔(90)は、前記バッグ本体(10)の外部と前記第1空気流路(40)とを連通させるように前記背当部(12)に形成され、前記送風ファン(50)が、前記第1空気孔(30)を介し前記バッグ本体(10)の内部から使用者の背中に向かって空気が放出されるように空気を送るとき、前記バッグ本体(10)の内部から使用者の首に向かって空気を放出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の背負いバッグによれば、少なくとも使用者の背中と背当部との間に外気を導入し、夏季等の暑い時期にも快適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る背負いバッグを示す背面図である。
図2図1の背負いバッグのA-A矢視断面図である。
図3図1の背負いバッグの底面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る背負いバッグを示す背面透視図である。
図5図4の背負いバッグのB-B矢視断面図である。
図6】本発明の第3実施形態に係る背負いバッグを示す、図7のD-D矢視断面図である。
図7図6の背負いバッグのC-C矢視断面図である。
図8】本発明の第4実施形態に係る背負いバッグを示す背面図である。
図9図8の背負いバッグのE-E矢視断面図である。
図10】本発明の第5実施形態に係る背負いバッグを示す背面図である。
図11図10の背負いバッグのF-F矢視断面図である。
図12】本発明の第6実施形態に係る背負いバッグを示す背面図である。
図13図10の背負いバッグのG-G矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る背負いバッグを図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するのに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この実施形態に限定されるものではない。
【0013】
〈実施形態〉
図1図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る背負いバッグを説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る背負いバッグを示す背面図である。図2は、図1の背負いバッグのA-A矢視断面図である。図3は、図1の背負いバッグの底面図である。
【0014】
図1図3に示すように、実施形態の背負いバッグは、バッグ本体10と、左右一対の肩ベルト20と、第1空気孔30と、第1空気流路40と、送風ファン50とを具備する。
【0015】
バッグ本体10は、収容部11、背当部12、及びファン用開口13を有する。
【0016】
図2に示すように、バッグ本体10の収容部11は、荷物等の物を収容する部分であり、布等のシート状部材、又は板状部材によって、バッグ本体10の他の部分と区分される。また、バッグ本体10には、収容部11に物を出し入れするための取出口を開閉する第1ファスナー14A、及び把手15が設けられている。
【0017】
バッグ本体10の背当部12は、使用者の背中と対向する部分であり、収容部11とは別体に形成される。実施形態においては、背当部12は可撓性を有する板状の素材から形成されている。
【0018】
図2に示すように、バッグ本体10は、最下部に、収容部11と区分された底部空間を有し、送風ファン50は、バッグ本体10の底部空間に収容されている。また、バッグ本体10の底部空間を囲うバッグ本体10の最下部は、第2ファスナー14Bを介し収容部11と連結されており、第2ファスナー14Bを開閉することによって、使用者は、バッグ本体10の外部から底部空間にアクセス可能となっている。
【0019】
更に、バッグ本体10は、側部にバッテリ収納ポケット16を有する。バッテリ収納ポケット16には、送風ファン50に電力を供給するためのバッテリ51が収納される。
【0020】
バッグ本体10のファン用開口13は、バッグ本体10のうちの背当部12以外の領域に形成される。図3に示すように、実施形態においては、ファン用開口13は、バッグ本体10の底面に形成される。
【0021】
一対の肩ベルト20は、バッグ本体10に取付けられ、バッグ本体10を使用者の両肩に支持する。実施形態において、肩ベルト20は、一端がバッグ本体10の上部と連結され、他端がバッグ本体10の下部と連結される。
【0022】
第1空気孔30は、背当部12に形成され、バッグ本体10の内部から使用者の背中に向かって空気を放出、又はバッグ本体10の外部から内部に空気を導入する。実施形態においては、複数の第1空気孔30が背当部12に形成されており、各第1空気孔30は、直径が1~3cmの円孔であり、リング状の金具によって縁取りされている。
【0023】
第1空気流路40は、バッグ本体10の内部に配設され、第1空気孔30を介しバッグ本体10の外部と連通される。実施形態においては、図2に示すように、第1空気流路40は、背当部12と収容部11との間の空間と、バッグ本体10の最下部の底部空間とから形成されている。
【0024】
送風ファン50は、ファン用開口13に設置され、第1空気流路40を介し、第1空気孔30とファン用開口13との間で空気を送る。実施形態においては、送風ファン50は、ファン用開口13を介し、バッグ本体10の外部から内部に空気を取り入れ、第1空気流路40を介し、第1空気孔30まで空気を送り、第1空気孔30を介し使用者の背中に向かって空気を吹き付けるように空気を送る。
【0025】
また、実施形態においては、送風ファン50は、USBケーブル52を介しバッテリ51と電気的に接続され、バッテリ51から供給される電力によって空気を送る。
【0026】
外部スペーサ60は、背当部12に取付けられ、使用者の背中と第1空気孔30との間に第2空気流路80を形成する。実施形態においては、外部スペーサ60は、ポリウレタンフォーム等のプラスチック発泡体を素材として形成されるクッションであり、非圧縮状態において、2~4cmの厚みを有するように背当部12に取付けられる。
【0027】
以上、図1から図3を参照して説明したように、実施形態の背負いバッグによれば、送風ファン50が、ファン用開口13を介しバッグ本体10の外部から内部に空気を取り入れ、第1空気流路40を介し、第1空気孔30まで空気を送り、第1空気孔30を介し、使用者の背中に吹き付けるように空気を送る。従って、夏季等の暑い時期に、使用者の背中と背当部12との間に外気を導入でき、背中が蒸れる等の不都合を防止でき、使用者は、夏季等の暑い時期にも背負いバッグを快適に使用できる。
【0028】
また、実施形態の背負いバッグによれば、外部スペーサ60が、背当部12に取付けられ、使用者の背中と第1空気孔30との間に第2空気流路80を形成する。従って、使用者の背中によって第1空気孔30が塞がれてしまうことがなく、使用者の背中を涼しくするのに十分な流量の外気を使用者の背中と背当部12との間に導入することが容易となり、使用者は、より確実に、夏季等の暑い時期にも背負いバッグを快適に使用できる。
【0029】
次に、図4図5を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る背負いバッグを示す背面透視図である。図5は、図4の背負いバッグのB-B矢視断面図である。
【0030】
図4図5に示すように、第2実施形態の背負いバッグは、内部スペーサ70を更に具備する。内部スペーサ70は、第1空気流路40における通気を確保するように、収容部11と背当部12との間に配設される。
【0031】
第2実施形態においては、四角柱状の複数の第1内部スペーサ70Aが、第1空気流路40における通気を確保するように、背当部12に立設されている。従って、収容部11が満杯となるように荷物が収容部11に収容される場合にも、背当部12と収容部11とが密着して第1空気流路40が塞がれることがなく、使用者の背中を涼しくするのに十分な流量の外気を使用者の背中と背当部12との間に導入することが容易となり、使用者は、より確実に、夏季等の暑い時期にも背負いバッグを快適に使用できる。
【0032】
次に、図6図7を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係る背負いバッグを示す、図7のD-D矢視断面図である。図7は、図6の背負いバッグのC-C矢視断面図である。
【0033】
図6図7に示すように、第3実施形態の背負いバッグは、第2実施形態の背負いバッグと同様に、内部スペーサ70を更に具備する。内部スペーサ70は、第1空気流路40における通気を確保するように、収容部11と背当部12との間に配設される。
【0034】
第3実施形態においては、厚板状の複数の第2内部スペーサ70Bが、第1空気流路40における通気を確保するように、収容部11と背当部12との間に、一定の間隔を置いて、平行に配設されている。各第2内部スペーサ70Bは、複数の通気孔71を有している。複数の通気孔71は、第2内部スペーサ70Bを幅方向に貫通している。
【0035】
第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、第2内部スペーサ70Bによって、収容部11が満杯となるように荷物が収容部11に収容される場合にも、背当部12と収容部11とが密着して第1空気流路40が塞がれることがなく、使用者の背中を涼しくするのに十分な流量の外気を使用者の背中と背当部12との間に導入することが容易となり、使用者は、より確実に、夏季等の暑い時期にも背負いバッグを快適に使用できる。
【0036】
また、第3実施形態においては、第2内部スペーサ70Bが、第2内部スペーサ70Bを幅方向に貫通する複数の通気孔71を有している。従って、バッグ本体10の縦方向のみならず、横方向においても第1空気流路40における通気を確保でき使用者の背中を涼しくするのに十分な流量の外気を使用者の背中と背当部12との間に導入することが容易となり、使用者は、より確実に、夏季等の暑い時期にも背負いバッグを快適に使用できる。
【0037】
次に、図8図9を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。図8は、本発明の第4実施形態に係る背負いバッグを示す背面図である。図9は、図8の背負いバッグのE-E矢視断面図である。
【0038】
図8図9に示すように、第4実施形態の背負いバッグは、上記の各実施形態とは異なり、ファン用開口13が、バッグ本体10の底面ではなく、バッグ本体10の最下部における両側面に形成され、送風ファン50は、バッグ本体10の幅方向において向かい合わせとなるように設置されている。
【0039】
ファン用開口13がバッグ本体10の最下部における両側面に形成され、送風ファン50がバッグ本体10の幅方向において向かい合わせとなるように設置されることによって、バッグ本体10の最下部の底部空間は、上記の各実施形態よりも高さ方向のサイズが大きくされている。従って、バッグ本体10の最下部の底部空間に例えば弁当箱を収容することができ、使用者の体温や直射日光によって、収容部11の内部温度が外気温よりも高くなるような場合にも、送風ファン50の送風によって、底部空間の温度上昇を抑えることができ、弁当箱のように、高温度となることが好ましくないような収容物の温度上昇を抑えることができる。
【0040】
次に、図10図11を参照して、本発明の第5実施形態を説明する。図10は、本発明の第5実施形態に係る背負いバッグを示す背面図である。図11は、図10の背負いバッグのF-F矢視断面図である。
【0041】
図10図11に示すように、第5実施形態の背負いバッグは、第2空気孔90を更に具備する。第2空気孔90は、バッグ本体10の外部と第1空気流路40とを連通させるように背当部12に形成され、送風ファン50が、第1空気孔30を介しバッグ本体10の内部から使用者の背中に向かって空気が放出されるように空気を送るとき、バッグ本体10の内部から使用者の首に向かって空気を放出する。
【0042】
実施形態においては、第2空気孔90は、使用者の首に向かって空気を効果的に放出できるように、背当部12のうち、使用者が背負いバッグを背負った状態で第1空気孔30、及び全ての外部スペーサ60よりも使用者の首と近くなる、バッグ本体10の上部に配設されている。
【0043】
以上のこと以外、第5実施形態の背負いバッグは、第1実施形態の背負いバッグと同様である。第5実施形態の背負いバッグによれば、使用者の背中と背当部12との間に外気を導入できるだけではなく、使用者の首にも送風でき、夏季等の暑い時期にもより快適に背負いバッグを使用できる。
【0044】
次に、図12図13を参照して、本発明の第6実施形態を説明する。図12は、本発明の第6実施形態に係る背負いバッグを示す背面図である。図13は、図12の背負いバッグのG-G矢視断面図である。
【0045】
図12図13に示すように、第6実施形態の背負いバッグは、第5実施形態の背負いバッグと同様に、第2空気孔90を具備する。また、第6実施形態の背負いバッグは、風向調整板91を具備する。風向調整板91は、第2空気孔90から放出される空気が使用者の首筋に沿って流れるように風向を調整する。
【0046】
また、風向調整板91は、第2空気孔90を開閉する蓋板としても機能するものであり、第2空気孔90を開く際に指先を掛ける指掛け部92を有する。実施形態においては、風向調整板91は、バッグ本体10の上下方向における一端(図13の下端)において揺動可能に背当部12と連結され、両側端は、布等の可撓性を有するシート状部材によって背当部12と連結されている。
【0047】
以上のこと以外、第6実施形態の背負いバッグは、第1実施形態の背負いバッグと同様である。第6実施形態の背負いバッグによれば、使用者の背中と背当部12との間に外気を導入できるだけではなく、使用者の涼しさを増すために首筋に沿うように送風でき、夏季等の暑い時期にもより快適に背負いバッグを使用できる。
【0048】
また、首筋への送風を必要としない場合には、風向調整板91によって第2空気孔90を閉ざし、首筋への送風を止め、背中のみに送付することもでき、状況に応じて、使用者の快適さを最大化するように最適な送風を実現できる。
【0049】
以上、図面(図1図13)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記(1)~(2)参照)。
【0050】
(1)上記の各実施形態においては、送風ファン50は、使用者の背中に空気を吹き付けるように送風しているが、送風ファン50は、第1空気孔30を介しバッグ本体10の外部から内部に空気を取り入れるように送風することによって使用者の背中と背当部12との間に外気を導入するものであってもよい。
【0051】
(2)上記の第5実施形態、及び第6実施形態においては、第2実施形態、又は第3実施形態と同様に、収容部11と背当部12とが密着して第1空気流路40が塞がれてしまうことがないように、収容部11と背当部12との間に第1内部スペーサ70A、又は第2内部スペーサ70Bを配設することもできる。
【符号の説明】
【0052】
10…バッグ本体
11…収容部
12…背当部
13…ファン用開口
20…肩ベルト
30…第1空気孔
40…第1空気流路
50…送風ファン
60…外部スペーサ
70(70A、70B)…内部スペーサ
80…第2空気流路
90…第2空気孔
【要約】
【課題】少なくとも使用者の背中と背当部との間に外気を導入し、夏季等の暑い時期にも快適に使用できる背負いバッグを提供する。
【解決手段】
背負いバッグは、バッグ本体10と、左右一対の肩ベルト20と、第1空気孔30と、第1空気流路40と、送風ファン50とを具備する。バッグ本体10は、収容部11、背当部12、及び背当部12以外の領域に形成されるファン用開口13を有する。第1空気孔30は、背当部12に形成され、バッグ本体10の内部から使用者の背中に向かって空気を放出、又はバッグ本体10の外部から内部に空気を導入する。第1空気流路40は、バッグ本体10の内部に配設され、第1空気孔30を介しバッグ本体10の外部と連通される。送風ファン50は、ファン用開口13に設置され、第1空気流路40を介し、第1空気孔30とファン用開口13との間で空気を送る。
【選択図】図1
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