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▶ 楠本 耕司の特許一覧

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  • 特許-再利用可能な金券付き祝儀袋 図1
  • 特許-再利用可能な金券付き祝儀袋 図2
  • 特許-再利用可能な金券付き祝儀袋 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-27
(45)【発行日】2025-04-04
(54)【発明の名称】再利用可能な金券付き祝儀袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 27/00 20060101AFI20250328BHJP
【FI】
B65D27/00 X
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2024001586
(22)【出願日】2024-01-10
【審査請求日】2024-01-22
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516068572
【氏名又は名称】楠本 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】楠本 耕司
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-051030(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0029583(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1411392(KR,B1)
【文献】特開平09-278041(JP,A)
【文献】登録実用新案第3089819(JP,U)
【文献】登録実用新案第3196818(JP,U)
【文献】登録実用新案第3207562(JP,U)
【文献】登録実用新案第3218372(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
お札や商品券を包む包と、
前記包に取り付けられる水引と、
前記包に取り付けられた前記水引に差し込まれる短冊とを含み、
前記短冊は、印刷、または二次元コードを備える表示を有し、
前記印刷または前記二次元コードは、商品券、ギフト券、電子マネー、回数券、引換券、入場券、利用権、割引券、ポイント、抽選券として機能する、ことを特徴とする祝儀袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再利用可能な金券付き祝儀袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の祝儀袋には、贈る人の立場やステータスを表現する手段として形状や様式に豪華さを重視し、金箔などを使用した袋自体が華美なものが多く存在する。また、祝儀袋は、一部の文化や地域では、再利用する風習もあり、リメイクによる再利用もされている。このような再利用は、環境への配慮や経済的理由から、合理的な習慣といえる。
【0003】
そのような再利用を考慮した祝儀袋として、特許文献1に記載の祝儀袋がる。この祝儀袋は、再生利用可能な貴金属を使用すること、祝儀袋を商品券として利用可能にすること、祝儀袋の一部を抽選券として機能させることなどについて考案されている。
【0004】
このような祝儀袋によれば、祝儀袋の使用方法と価値を変革し、贈る人と受け取る人双方に新たな価値と喜びを提供することができる。特に、再利用可能な素材の使用や抽選券としての機能は、従来の祝儀袋の一時的な使用と廃棄という課題に直接対処するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3089819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の祝儀袋は、祝儀袋としての再利用を目的とするものではなく、祝儀袋としての再利用のサイクルが形成されるものではない。すなわち、特許文献1の祝儀袋は、回収され他の用途としてリサイクルされる可能性はあるが、実質的な廃棄処理となんらかわりがない。
【0007】
これに対して、本発明の発明者は、祝儀袋を祝儀袋としてリサイクルし、かつ、経済的価値を付加する方法について、以下の課題を解決するための手段を発明した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る祝儀袋は、お札や商品券を包む中包と、前記中包を包む外包と、前記外包に取り付けられる水引と、前記外包に取り付けられた水引に差し込まれる短冊とを含み、前記中包および前記短冊の少なくともいずれか一方に金銭的価値を備える表示を有することを特徴とする。
【0009】
(2)本発明に係る祝儀袋の短冊は、お札や商品券を包む中包と、前記中包を包む外包と、前記外包に取り付けられる水引とを備える祝儀袋に差し込まれる。当該短冊は、金銭的価値を備える表示を有することを特徴とする。
【0010】
(3)本発明に係る中包は、祝儀袋の外袋に包まれ、金銭的価値を備える表示を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、祝儀袋に金銭的価値を持たせることにより、祝儀袋の用途の柔軟性および多様性を高め、祝儀袋の再利用を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に祝儀袋の概略図である。
図2図1に示す短冊の概略図であり、(A)は表面、(B)は裏面を示す。
図3図1に示す中包の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る祝儀袋1について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明に係る祝儀袋1は、お札や商品券を包む中包2と、中包2を包む外包3と、外包3に取り付けられる水引4と、外包3に取り付けられた水引4に差し込まれる短冊5とを含む。
【0015】
中包2は、お札や商品券などの価値ある物品を包み、美観を兼ね備えた和紙や洋紙、または環境に優しい再生可能な素材を使用される。中包2の内部には、物品を保護するための裏地や仕切りが設けられていてもよい。
【0016】
外包3は、中包2を保護し、外見の美しさを高めるべく、中包2に比較して耐久性を有し、美しいデザインや模様が施された素材を使用される。
【0017】
水引4は、祝儀袋1の外包3を飾るとともに、封緘の役割を果たし、伝統的な麻糸や絹糸が使用されることが多く、色や形状は様々なバリエーションが存在する。水引4は、外包3から取り外し可能であり、他の祝儀袋1や異なる用途での再利用が可能である。
【0018】
短冊5は、祝儀袋1の祝儀の目的や送り主の名前などが記載され、軽量で書きやすい紙が選ばれる。また、短冊5は、装飾的な要素が加えられていてもよい。短冊5は、水引4に差し込まれる形で取り付けられ、容易に交換が可能である。
【0019】
図2に示すように、第1の実施形態に係る祝儀袋1において、短冊5は、金銭的価値を備える表示Dを有する。本実施形態において、金銭的価値を備える表示Dは、商品券、ギフト券、電子マネー、回数券、引換券、入場券、利用権、割引券、ポイント、抽選券等として機能する印刷、QRコード(登録商標)のようなデジタルコードである。
【0020】
第1の実施形態に係る金銭的価値を備える表示Dは、短冊5の裏面の下の部分に記載されている。しかし、金銭的価値を備える表示Dは、短冊5のいずれかの部分に記載されていればよい。
【0021】
図3に示すように、第2の実施形態に係る祝儀袋1において、中包2は、金銭的価値を備える表示Dを有する。第2の実施形態に係る金銭的価値を備える表示Dは、中包2の一部分に記載されている。金銭的価値を備える表示Dは、中包2のいずれかの部分に記載されていればよい。
【0022】
祝儀袋1に設けられた金銭的価値を備える表示Dが、例えば、商品券の場合には、それを用いて店舗での買い物を可能とする。また、金銭的価値を備える表示Dが、例えば、電子ギフトカードの場合には、それをスキャンすることで電子マネー等がチャージされるようにしてもよい。また、金銭的価値を備える表示Dが、例えば、入場券の場合には、施設等への入場ができるようにしてもよい。また、金銭的価値を備える表示Dが、例えば、抽選権の場合には、抽選に参加できるようにしてもよい。これらのように、金銭的価値を備える表示Dは、金銭または種々のサービス等と交換できるものであればよい。
【0023】
祝儀袋1によれば、従来より気持ちのこもったお祝いができる。また、祝儀袋1の包むお祝いの金額が低額であっても、お祝いとは別に金銭的価値を送ることができるため、お祝いの気持ちを気軽に具現化でき、ご祝儀としての体裁を保つことができる。
【0024】
さらに、金銭的価値を備える表示Dがされた中包2または短冊5以外の祝儀袋1の構成は、他のお祝いに再利用することができる。再利用の際に、他の金銭的価値を備える表示Dがされた中包2または短冊5のみを用意し、再利用する祝儀袋1に適用してもよい。
【0025】
本実施形態において、お札や商品券を中包に包み、中包を外包で包む形態の祝儀袋のついて説明した。しかし、祝儀袋は、中包を用いず、包で直接、お札や商品券を包むものであってもよい。
【0026】
本実施形態において、中包および外包は、一枚の用紙が折り畳まれて形成される形態について説明した。しかし、中包および外包のような包は、封筒のように袋状に形成されたものであってもよい。また、外包は、チャックにより開閉できるポーチ形態であってもよい。
【0027】
本実施形態において、中包および外包は、紙を材料とする形態について説明した。しかし、中包および外包は、他の素材を材料としてもよく、例えば、樹脂を材料としてもよい。
【0028】
以上、本実施形態に係る祝儀袋1について説明した。ただし、祝儀袋1は上記の実施形態に限定されず、発明の目的を達成する範囲で他の構成とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、祝儀袋の有効活用に利用できる。
【符号の説明】
【0030】
D 金銭的価値のある表示
1 祝儀袋
2 中包
3 外包
4 水引
5 短冊
【要約】      (修正有)
【課題】祝儀袋を祝儀袋としてリサイクルし、かつ、経済的価値を付加する。
【解決手段】本発明に係る祝儀袋1は、お札や商品券を包む中包2と、前記中包2を包む外包3と、前記外包3に取り付けられる水引4と、前記外包3に取り付けられた水引4に差し込まれる短冊5とを含み、前記中包2および前記短冊5の少なくともいずれか一方に金銭的価値を備える表示を有することを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3