(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-27
(45)【発行日】2025-04-04
(54)【発明の名称】入出力端子台装置、開閉装置及び開閉制御方法
(51)【国際特許分類】
E05F 15/73 20150101AFI20250328BHJP
E06B 9/68 20060101ALI20250328BHJP
【FI】
E05F15/73
E06B9/68 A
(21)【出願番号】P 2021005403
(22)【出願日】2021-01-16
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】若井 孝仁
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大助
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-095940(JP,A)
【文献】特開平09-096180(JP,A)
【文献】特開2022-032585(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第116157349(CN,A)
【文献】再公表特許第2013/018333(JP,A1)
【文献】米国特許第09030291(US,B2)
【文献】特表2014-516891(JP,A)
【文献】米国特許第08872387(US,B2)
【文献】特開2002-037552(JP,A)
【文献】特許第6809629(JP,B1)
【文献】特開2006-183389(JP,A)
【文献】実開平04-077580(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0029349(US,A1)
【文献】米国特許第07032348(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
E06B 9/00,9/02,9/06-9/18,
9/40-9/50,9/56-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切るようにして開閉動作を行う開閉手段の動作を指示するための押しボタンからなる接触式操作子手段と、
手指が接近した状態を非接触にて検知する開エリアセンサ手段及び閉エリアセンサ手段からなる非接触式操作子手段とを備えた入出力端子台装置であって、
前記開エリアセンサ手段は、前記接触式操作子手段の開動作に対応する押しボタンの近傍に配置され、手指が接近した状態を非接触にて検知した場合に前記開閉手段の開動作を指示するための押しボタンが押圧操作されたのと同じ状態を検出し、前記開閉手段に対して開動作を指示し、
前記閉エリアセンサ手段は、前記接触式操作子手段の配置位置から離間した位置であって、前記接触式操作子手段を押圧操作中の手指を検知しないような位置に配置され、手指が接近した状態を非接触にて検知した場合に前記開閉手段の閉動作を指示
するための押しボタンが押圧操作されたのと同じ状態を検出し、前記開閉手段に対して閉動作を指示することを特徴とする入出力端子台装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入出力端子台装置において、前記開エリアセンサ手段を前記入
出力端子台装置の縦方向のほぼ中央付近から上側に配置し、前記閉エリアセンサ手段を前記入出力端子台装置の最下端部付近に配置したことを特徴とする入出力端子台装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の入出力端子台装置において、前記閉エリアセンサ手段が前記手指を検知している時間が第1の所定時間以上になった場合、前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を出力し、
前記開エリアセンサ手段が手指を検知している時間が第2の所定時間以上になった場合、前記開閉手段の開動作に関する開信号を出力することを特徴とする入出力端子台装置。
【請求項4】
請求項1から
3までのいずれか1に記載の入出力端子台装置において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させる表示手段及び/又は発音手段を備えたことを特徴とする入出力端子台装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の入出力端子台装置において、前記表示手段は、前記入出力端子台装置の電源がオン状態にある時に点灯し、オフ状態にある時に消灯する表示灯手段を、点滅させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させ、
前記発音手段は、所定音量の音を発音させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させることを特徴とする入出力端子台装置。
【請求項6】
空間を仕切るようにして開閉動作を行う開閉手段と、
前記開閉手段の動作を指示するための押しボタンからなる接触式操作子手段と、
手指が接近した状態を非接触にて検知する開エリアセンサ手段及び閉エリアセンサ手段からなる非接触式操作子手段と、
前記接触式操作子手段の操作状態及び前記非接触式操作子手段の検知状態に応じて前記開閉手段の動作を制御する制御手段とを備えた開閉装置であって、
前記接触式操作子手段及び前記非接触式操作子手段を備えた入出力端子台装置上で前記開エリアセンサ手段を前記接触式操作子手段の開動作に対応する押しボタンの近傍に配置し、前記開エリアセンサ手段が手指の接近した状態を非接触にて検知した場合に前記開閉手段の開動作を指示するための押しボタンが押圧操作されたのと同じ状態を検知したものとして前記開閉手段に対して開動作を指示し、
前記閉エリアセンサ手段を、前記接触式操作子手段の配置位置から離間した位置であって、前記接触式操作子手段を押圧操作中の手指を検知しないような位置に配置し、前記閉エリアセンサ手段が手指の接近した状態を非接触にて検知した場合に前記開閉手段の閉動作を指示
するための押しボタンが押圧操作されたのと同じ状態を検知したものとして前記開閉手段に対して閉動作を指示するように構成しことを特徴とする開閉装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の開閉装置において、前記閉エリアセンサ手段を前記入出力端子台装置の最下端部付近に配置したことを特徴とする開閉装置。
【請求項8】
請求項
6又は
7に記載の開閉装置において、前記閉エリアセンサ手段が前記手指を検知している時間が第1の所定時間以上になった場合、前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を前記制御手段に出力し、
前記開エリアセンサ手段が手指を検知している時間が第2の所定時間以上になった場合、前記開閉手段の開動作に関する開信号を前記制御手段に出力することを特徴とする開閉装置。
【請求項9】
請求項
6から
8までのいずれか1に記載の開閉装置において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させる表示手段及び/又は発音手段を備えたことを特徴とする開閉装置。
【請求項10】
請求項
9に記載の開閉装置において、前記表示手段は、前記開閉装置の電源がオン状態にある時に点灯し、オフ状態にある時に消灯する表示灯手段を、点滅させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させ、
前記発音手段は、所定音量の音を発音させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させることを特徴とする開閉装置。
【請求項11】
開閉手段の動作を指示するための押しボタンからなる接触式操作子手段の操作状態並びに手指が接近した状態を非接触にて検知する開エリアセンサ手段及び閉エリアセンサ手段からなる非接触式操作子手段の検知状態に応じて、開口部の周縁部から開閉部材を移動させることによって前記開口部を開閉する開閉手段の動作を制御する
制御手段の開閉制御方法において、
前記接触式操作子手段及び前記非接触式操作子手段を備えた入出力端子台装置上で、前記開エリアセンサ手段を前記接触式操作子手段の開動作に対応する押しボタンの近傍に配置し、前記開エリアセンサ手段が手指の接近した状態を非接触にて検知した場合に前記開閉手段の開動作を指示するための押しボタンが押圧操作されたのと同じ状態を検知したものとして前記開閉手段に対して開動作を指示し、
前記閉エリアセンサ手段を、前記接触式操作子手段の配置位置から離間した位置であって、前記接触式操作子手段を押圧操作中の手指を検知しないような位置に配置して、前記閉エリアセンサ手段が手指の接近した状態を非接触にて検知した場合に前記開閉手段の閉動作を指示
するための押しボタンが押圧操作されたのと同じ状態を検知したものとして前記開閉手段に対して閉動作を指示することによって、前記開閉手段の動作を制御することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項12】
請求項1
1に記載の開閉制御方法において、前記閉エリアセンサ手段を前記入出力端子台装置の最下端部付近に配置し前記開閉手段の動作を制御することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項13】
請求項1
1又は
12に記載の開閉制御方法において、前記閉エリアセンサ手段が前記手指を検知している時間が第1の所定時間以上になった場合、前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を前記制御手段に出力し、
前記開エリアセンサ手段が手指を検知している時間が第2の所定時間以上になった場合、前記開閉手段の開動作に関する開信号を
出力し、前記開閉手段の動作を制御することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項14】
請求項1
1から
13までのいずれか1に記載の開閉制御方法において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを表示手段及び/又は発音手段を用いて操作者に認識させることを特徴とする開閉制御方法。
【請求項15】
請求項
14に記載の開閉制御方法において、前記表示手段は、前記開閉制御方法の電源がオン状態にある時に点灯し、オフ状態にある時に消灯する表示灯手段を、点滅させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させ、
前記発音手段は、所定音量の音を発音させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させることを特徴とする開閉制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の開口部などをシャッターなどの開閉体を用いて仕切るように構成された開閉装置用の入出力端子台装置、開閉装置及び開閉制御方法に係り、特に接触式操作子と非接触方式操作子の両方を用いて開閉停の各動作を制御する入出力端子台装置、開閉装置及び開閉制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターカーテンなどのような開閉装置は、住宅、ビル、工場、倉庫、車庫などの建物を含む構造物躯体の開口部や窓部あるいは内部の通路や空間などの開口部に設置され、その開閉体を移動させることによってその開口部を開放、閉鎖するものである。この開閉装置は、多数の短冊状のスラット材からなるスラットカーテン、多数のパイプ材をリンク材などで連結させてなるパイプグリルカーテン、一枚状あるいは多数連結されたパネル材からなるパネルカーテン、ネット材からなるネットカーテン、合成樹脂あるいは布繊維製のシート材からなるシートカーテン、あるいはこれらの複合部材などからなる複合カーテンなどの開閉体を、開口部の上部から繰り出し下降させて開口部全体を閉鎖するように構成されている。このような開閉装置は、開閉体の開閉動作を電動で行なう場合が多い。電動の開閉装置としては、電動シャッター装置、電動ドア装置、電動オーニング装置などがある。
【0003】
これらの電動の開閉装置は、開閉体の開閉制御に必要なモータドライブ(インバータ)、入出力端子台、パラメータ設定ユニット等を一つの制御盤内に収納したものが主流である。
図1は、従来のロールスクリーン装置の概略構成を示す正面図である。ロールスクリーン装置10は、収納ボックス11、ガイドレール12,13、巻取シャフト14、スクリーンカーテン15、及びウェイトバー16などから構成される。
【0004】
巻取シャフト14は、収納ボックス11内の左右両側側面の内壁面に設けられた軸受け部(図示せず)とロールエンド部(図示せず)との間に回転可能に取り付けられている。スクリーンカーテン15は、その一端部が巻取シャフト14に取り付けられており、その他端部にウェイトバー16が取り付けられており、収納ボックス11の下端部に設けられたスリット状の出入口に案内されるようになっている。従って、スクリーンカーテン15は、巻取シャフト14の回転に応じて、巻取シャフト14に巻き取られ、スリット状の出入口から繰り出されるようになっている。
【0005】
巻取シャフト14は、中空パイプ形状をしており、この中空部分に内挿された電動モータ17の駆動力によって回転制御される。図示していないが、電動モータ17の本体外側と巻取シャフト14の内側とが固定され、電動モータ17の出力軸が軸受け部に回転しないようにボルトなどで固定されている。従って、電動モータ17が正方向に回転することによって、スクリーンカーテン15は繰り出されるように動作し、逆方向に回転することによってスクリーンカーテン15は巻き取られるように動作する。すなわち、モータを正逆方向に回転させることによって開閉体であるスクリーンカーテン15の開閉動作を制御している。
【0006】
スクリーンカーテン15の開閉動作を制御しているのは、ガイドレール13の右側壁面に取り付け配置された制御盤20である。制御盤20は、マイクロコンピュータ構成になっており、電源ラインを介して外部から200[V]又は100[V]の交流電圧が供給されている。制御盤20は、通常、入出力端子台、パラメータ設定ユニット等及びモータドライブ基板から構成される。入出力端子台には3点式の押しボタン33などが接続されており、ロールスクリーン装置10の全体動作を制御するマイクロコンピュータが内蔵されている。パラメータ設定ユニットは、各種処理モードのパラメータを表示したり、変更したり、その変更履歴を表示するものである。モータドライブ基板は、電動モータ17の回転を制御するものである。
【0007】
従来は、上述のような入出力端子台に接続された押しボタン33を操作して、スクリーンカーテン15の開閉停の各動作を制御している。一方、特許文献1には、手指をそばにかざすだけで自動ドア開閉のための制御信号を出力する自動ドア用非接触スイッチが開示されている。
【0008】
特許文献1に記載の自動ドア用非接触スイッチは、衛生面への配慮が必要となる食品工場や病院などに好適である。しかしながら、特許文献1に記載の自動ドア用非接触スイッチは、スイッチ部に手指をかざすことによって、ドアを自動的に開動作し、その後自動的に閉動作させるものであり、自動ドアに近接する人を近赤外線反射方式などで検出する代わりに、手指をかざすという動作に反応して自動的にドアを開閉するものに過ぎない。従って、特許文献1に記載の自動ドア用非接触スイッチを用いて、シャッター装置に設けられている3点式押しボタンと同様の開閉動作を行おうとしても、開閉停の各動作を任意に制御するという操作を行うことはできなかった。
そこで、本願の出願人は、非接触スイッチを用いて、開閉体の開閉停の各動作を制御することができる開閉装置及び開閉制御方法として、特許文献2に記載の発明を提案している。
【0009】
図2は、接触方式の押しボタンと非接触方式のスイッチを内蔵した操作盤の概略構成を示す図である。
図2の操作盤は、特許文献2で提案した入出力端子台21に対応する。入出力端子台(操作盤)21は、
図1のパラメータ設定ユニットと押しボタンと非接触スイッチを内蔵して構成される。この入出力端子台21は、接触方式パラメータ設定ユニット23、3点式の接触方式の押しボタン24及び非接触方式のスイッチ(非接触スイッチ)25を備えている。入出力端子台21は、ガイドレール13の前面側であって、開口部への進入時に操作者が操作しやすい位置に設けてある。
【0010】
3点式の押しボタン24は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして、上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243をそれぞれ有し、各押しボタン24の操作状態に応じた制御信号(上昇(開)信号、停止(停)信号、下降(閉)信号)を、通信ケーブル経由で入出力端子台21のマイクロコンピュータに出力する。
【0011】
非接触スイッチ25は、3点式の押しボタン24の上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243の左側に隣接して設けられたエリアセンサ25a~25cから構成される。3個のエリアセンサ25a~25cは、3点式の押しボタン24の配列方向(
図5では上下方向又は開閉方向)に沿った各ボタンの左側近傍に配置されている。この非接触スイッチ25は、近赤外線距離限定反射式のエリアセンサ25a~25cで構成され、点線で示す手指40などの反射物がエリアセンサ25a~25cに接近した状態を検知し、その検知信号を通信ケーブル経由にて入出力端子台21のマイクロコンピュータに出力する。このエリアセンサ25a~25cの検知範囲は、上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243の左側であって、センサ手前の約5~15[cm]の領域(エリア)A,B,Cである。
【0012】
エリアセンサ25a~25cは、点線で示す領域(エリア)A,B,Cに物体である手指40が位置する場合にその手指40の存在を検知する。エリアセンサ25a~25cから構成される非接触スイッチ25からの検知信号を入力した入出力端子台21は、その検知信号に基づいて検知信号処理を実行する。この検知信号処理は、物体である手指40の動きに応じて非接触スイッチ25から出力される検知信号に基づいて、3点式の押しボタン24の上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243が操作されたのと同じ状態を検出する処理である。各領域(エリア)A,B,Cの離間距離は、手指40が標準的な大人の大きさの場合に、2個のエリアA,B、又はエリアB,Cに同時にかざすことはできるが、3個のエリアA~Cに同時に一つの手指40をかざすことができないような大きさである。すなわち、隣接する2個のエリアセンサ25a及び25b、25b及び25cは、一つの手指40を同時に検知することができるような位置にそれぞれ離間して配置されている。
【0013】
パラメータ設定ユニット23は、パラメータ表示部231、エンタースイッチ232、モード選択スイッチ233、及びスクロールスイッチ234,235を備えている。スクロールスイッチ234,235を操作すると、パラメータ表示部231の表示画面に表示されているパラメータが上下方向に移動するので、設定変更を希望するパラメータを表示させ、そのパラメータの文字が反転表示されている状態で、エンタースイッチ232を操作することによって、該当するパラメータの設定変更が可能な状態となり、設定変更するパラメータに設定可能な設定値が全て表示される。この状態で、さらに、スクロールスイッチ234,235を操作して、表示された設定可能な設定値を上下方向に移動させて所望の設定値を選択し、エンタースイッチ232を操作することによって、設定変更するパラメータの設定値が新たなパラメータとして選択設定される。
【文献】特開2008-159293号公報
【文献】特開2017-095940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
図2に記載の非接触スイッチ25は手指の存在や動きを検知するものなので、手指で3点式の押しボタン34の上昇(開)ボタン341、停止(停)ボタン342、下降(閉)ボタン343のいずれかを押圧操作しようとした場合に、その手指の押圧操作時の動作を各ボタンの操作前に非接触スイッチ25が誤検知する場合がある。すなわち、非接触スイッチ25及び3点式の押しボタン34が操作盤である入出力端子台21上でそれぞれ隣接するように配置されているために押しボタン34を操作したにも係わらず、非接触スイッチ25がその手指の動きに反応して誤検知する可能性がある。
【0015】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、接触式操作子と非接触方式操作子が同一操作盤上に設けてある場合でも、接触式操作子の操作動作を非接触式操作子が誤検知しないように構成した入出力端子台装置、開閉装置及び開閉制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る入出力端子台装置の第1の特徴は、空間を仕切るようにして開閉動作を行う開閉手段の動作を指示するための押しボタンからなる接触式操作子手段と、前記接触式操作子手段に対応し、手指が接近した状態を非接触にて検知するエリアセンサ手段からなる非接触式操作子手段とを備えた入出力端子台装置であって、前記非接触式操作子手段の開動作に対応する開エリアセンサ手段を前記接触式操作子手段の開動作に対応する押しボタンの近傍に配置し、前記非接触式操作子手段の閉動作に対応する閉エリアセンサ手段を、前記接触式操作子手段の配置位置から離間した位置であって、前記接触式操作子手段を押圧操作中の手指を検知しないような位置に配置したことにある。
開閉手段は、接触式操作子手段である押しボタンの操作状態及び非接触式操作子手段であるエリアセンサ手段の検知状態に基づいて開閉動作を制御されるので、接触式操作子手段と非接触方式操作子手段が同一操作盤上に設けてあると、操作者が接触式操作子の操作動作を行った場合又は行おうとした場合に非接触式操作子が誤って検知するという可能性があった。そこで、この発明では、非接触式操作子手段の開動作に対応する開エリアセンサ手段を接触式操作子手段の開動作に対応する押しボタンの近傍に配置し、非接触式操作子手段の閉動作に対応する閉エリアセンサ手段を、接触式操作子手段の配置位置から離間した位置であって、接触式操作子手段を押圧操作中の手指を検知しないような位置に配置した。これによって、操作者が接触式操作子の操作動作を行った場合でも又は行おうとした場合でも、非接触式操作子の誤検知を有効に防止することができる。
【0017】
本発明に係る入出力端子台装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の入出力端子台装置において、前記開エリアセンサ手段を前記入出力端子台装置の縦方向のほぼ中央付近から上側に配置し、前記閉エリアセンサ手段を前記入出力端子台装置の最下端部付近に配置したことにある。
接触式操作子手段を押圧操作中の手指を閉エリアセンサ手段が検知しないような位置すなわち設置個所を具体的にしたものである。これによって、操作者が接触式操作子の操作動作を行った場合でも、非接触式操作子が誤検知する可能性は極力小さくなり、誤検知を有効に防止することができる。
【0018】
本発明に係る入出力端子台装置の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の入出力端子台装置において、前記開エリアセンサ手段を前記入出力端子台装置の縦方向のほぼ中央付近から上側に配置し、前記閉エリアセンサ手段を前記入出力端子台装置の最下端部付近に配置したことにある。
閉エリアセンサ手段が接触式操作子手段を押圧操作中の手指を検知しないような位置に配置する場合の具体的配置個所を限定したものである。これによって、操作者が接触式操作子の操作動作を行った場合、非接触式操作子が誤検知する可能性を極力小さくすることができる。
【0019】
本発明に係る入出力端子台装置の第4の特徴は、空間を仕切るようにして開閉動作を行う開閉手段の動作を指示するための押しボタンからなる接触式操作子手段と、手指が接近した状態を非接触にて検知する1個の非接触式操作子手段とを備えた入出力端子台装置であって、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知してから非検知状態になるまでの時間に応じて前記開閉手段の開動作に関する開信号又は前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を出力することにある。
操作者が非接触式操作子手段に手指をかざす行為によって、非接触式操作子手段は手指を検知してから非検知状態になるまでの時間を計測することができる。また、非接触式操作子手段は検知状態にある手指が上下左右いずれの方向に移動したのかその移動方向を検知することもできる。そこで、この発明では、非接触式操作子手段が手指を検知してから非検知状態になるまでの時間に応じて、操作者の手指の動作の相違を検知し、それに基づいて開信号又は閉信号を出力するようにした。例えば、非接触式操作子手段は検知状態の時間が1秒以上で3秒以下の場合は開信号を出力し、3秒よりも長い場合は閉信号を出力する。これによって、操作者が接触式操作子の操作動作を行った場合、非接触式操作子が誤検知する可能性を小さくすることができる。
【0020】
本発明に係る入出力端子台装置の第5の特徴は、前記第4の特徴に記載の入出力端子台装置において、前記非接触式操作子手段を前記接触式操作子手段の開動作に対応する押しボタンの近傍に配置したことにある。
これは、1個の非接触式操作子手段を開動作に対応する押しボタン(開ボタン)の上下左右いずれか近接した個所に配置するようにしたものである。これによって、操作者が開ボタンを押圧操作しようとした場合、その押圧操作前に非接触式操作子手段がその手指を感知し開閉手段が開動作を実行したとしても、この場合は、誤検知とは言えず操作者の意図した開動作を実行したことになる。
【0021】
本発明に係る入出力端子台装置の第6の特徴は、前記第4又は第5の特徴に記載の入出力端子台装置において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知していた時間が第1の所定時間以上で第2の所定時間以下の場合、前記開閉手段の開動作に関する開信号を出力し、前記非接触式操作子手段が手指を検知している時間が前記第2の所定時間よりも大きくなった場合、前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を出力することにある。
これは、非接触式操作子手段が手指を検知していた時間が第1の所定時間(例えば1秒)以上で第2の所定時間(例えば3秒)以下の場合、開閉手段の開動作に関する開信号を出力し、非接触式操作子手段が手指を検知している時間が第2の所定時間(3秒)よりも大きくなった場合、開閉手段の閉動作に関する閉信号を出力するようにしたものである。また、閉動作を実行するための検知時間の継続時間を第2の所定時間(3秒)と大きくすることで意図せず使用者が非接触式操作子手段に手指をかざした場合であっても第2の所定時間(3秒)よりも長く手指をかざし続けない限り、開閉手段は閉動作を開始しないので、意図しない閉動作の発生を未然に防止することできる。
【0022】
本発明に係る入出力端子台装置の第7の特徴は、前記第4又は第5の特徴に記載の入出力端子台装置において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知していた時間が第1の所定時間以上であって、前記手指が前記開閉手段の開方向への移動を検知した場合は前記開閉手段の開動作に関する開信号を出力し、前記手指が前記開閉手段の閉方向への移動を検知した場合は前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を出力することにある。
これは、非接触式操作子手段が手指を検知していた時間が第1の所定時間(例えば1秒)以上であって、検知状態にある手指が開閉手段の開方向へ移動するのを検知した場合に開閉手段の開動作に関する開信号を出力し、逆に、閉方向へ移動するのを検知した場合に閉信号を出力するようにしたものである。また、手指をかざしている状態が第1の所定時間経過するのを待って、手指の開方向又は閉方向への移動を検知することで、意図せず操作者の手指が開方向又は閉方向へ移動した場合の誤検知をなくし、意図しない開動作又は閉動作の発生を未然に防止することできるようにしてある。
【0023】
本発明に係る入出力端子台装置の第8の特徴は、前記第1の特徴から第7の特徴までのいずれか1に記載の入出力端子台装置において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させる表示手段及び/又は発音手段を備えたことにある。
非接触式操作子手段は検知状態を表示するインジケーター等を未搭載であるため、現在の検知状態が不明確であり、検知状態にあるのかないのかを操作者は理解することができなかった。そこで、この発明では、手指が有効に検知されている状態にある場合には、電源状態表示LEDやその他の表示手段に現在検知状態であることを表示し、また、ブザー鳴動やブザー音以外の音を発音手段で発音して、現在検知状態にあることを操作者に認識させるようにした。これによって、非接触式操作子手段に対してどの程度手指を近づければ検知状態となるのか操作者は容易に理解することができ、どの程度手指を非接触式操作子手段に近づけると反応するかを判断することができるようになる。
【0024】
本発明に係る入出力端子台装置の第9の特徴は、前記第8の特徴に記載の入出力端子台装置において、前記表示手段は、前記入出力端子台装置の電源がオン状態にある時に点灯し、オフ状態にある時に消灯する表示灯手段を、点滅させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させ、前記発音手段は、所定音量の音を発音させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させることにある。
これは、非接触式操作子手段が手指を検知している状態にあることを操作者に認識させる表示手段として、電源のオン状態時に点灯しオフ状態時に消灯するLED等からなる表示灯手段を用い、検知状態にある場合はこの表示灯手段を点滅させるようにした。また、発音手段は、所定音量の音、例えばブザー音又はブザー音以外の音を発音させるようにした。これによって、操作者は、非接触式操作子手段が検知状態にあることを視覚及び/又は聴覚にて認識することができる。
【0025】
本発明に係る開閉装置の第1の特徴は、空間を仕切るようにして開閉動作を行う開閉手段と、前記開閉手段の動作を指示するための押しボタンからなる接触式操作子手段と、前記接触式操作子手段に対応し、手指が接近した状態を非接触にて検知するエリアセンサ手段からなる非接触式操作子手段と、前記接触式操作子手段の操作状態及び前記非接触式操作子手段の検知状態に応じて前記開閉手段の動作を制御する制御手段とを備えた開閉装置であって、前記接触式操作子手段及び前記非接触式操作子手段を備えた入出力端子台装置上で前記非接触式操作子手段の開動作に対応する開エリアセンサ手段を前記接触式操作子手段の開動作に対応する押しボタンの近傍に配置し、前記非接触式操作子手段の閉動作に対応する閉エリアセンサ手段を、前記接触式操作子手段の配置位置から離間した位置であって、前記接触式操作子手段を押圧操作中の手指を検知しないような位置に配置したことにある。
これは、前記第1の特徴に記載の入出力端子台装置を備えた開閉装置の発明である。
【0026】
本発明に係る開閉装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉装置において、前記閉エリアセンサ手段を前記入出力端子台装置の最下端部付近に配置したことにある。
これは、前記第2の特徴に記載の入出力端子台装置を備えた開閉装置の発明である。
【0027】
本発明に係る開閉装置の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の開閉装置において、前記閉エリアセンサ手段が前記手指を検知している時間が第1の所定時間以上になった場合、前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を前記制御手段に出力し、前記開エリアセンサ手段が手指を検知している時間が第2の所定時間以上になった場合、前記開閉手段の開動作に関する開信号を前記制御手段に出力することにある。
これは、前記第3の特徴に記載の入出力端子台装置を備えた開閉装置の発明である。
【0028】
本発明に係る開閉装置の第4の特徴は、空間を仕切るようにして開閉動作を行う開閉手段と、前記開閉手段の動作を指示するための押しボタンからなる接触式操作子手段と、手指が接近した状態を非接触にて検知する1個の非接触式操作子手段と、前記接触式操作子手段の操作状態及び前記非接触式操作子手段の検知状態に応じて前記開閉手段の動作を制御する制御手段とを備えた開閉装置であって、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知していた状態に応じて前記開閉手段の開動作に関する開信号又は前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を前記制御手段に出力するにある。
これは、前記第4の特徴に記載の入出力端子台装置を備えた開閉装置の発明である。
【0029】
本発明に係る開閉装置の第5の特徴は、前記第4の特徴に記載の開閉装置において、前記非接触式操作子手段を前記接触式操作子手段の開動作に対応する押しボタンの近傍に配置したことにある。
これは、前記第5の特徴に記載の入出力端子台装置を備えた開閉装置の発明である。
【0030】
本発明に係る開閉装置の第6の特徴は、前記第4又は第5の特徴に記載の開閉装置において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知していた時間が第1の所定時間以上で第2の所定時間以下の場合、前記開閉手段の開動作に関する開信号を前記制御手段に出力し、前記非接触式操作子手段が手指を検知している時間が前記第2の所定時間よりも大きくなった場合、前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を前記制御手段に出力することにある。
これは、前記第6の特徴に記載の入出力端子台装置を備えた開閉装置の発明である。
【0031】
本発明に係る開閉装置の第7の特徴は、前記第4又は第5の特徴に記載の開閉装置において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知していた時間が第1の所定時間以上であって、前記手指が前記開閉手段の開方向への移動を検知した場合は前記開閉手段の開動作に関する開信号を前記制御手段に出力し、前記手指が前記開閉手段の閉方向への移動を検知した場合は前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を前記制御手段に出力することにある。
これは、前記第7の特徴に記載の入出力端子台装置を備えた開閉装置の発明である。
【0032】
本発明に係る開閉装置の第8の特徴は、前記第1の特徴から前記第7の特徴までのいずれか1に記載の開閉装置において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させる表示手段及び/又は発音手段を備えたことにある。
これは、前記第8の特徴に記載の入出力端子台装置を備えた開閉装置の発明である。
【0033】
本発明に係る開閉装置の第9の特徴は、前記第8の特徴に記載の開閉装置において、前記表示手段は、前記開閉装置の電源がオン状態にある時に点灯し、オフ状態にある時に消灯する表示灯手段を、点滅させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させ、前記発音手段は、所定音量の音を発音させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させることにある。
これは、前記第9の特徴に記載の入出力端子台装置を備えた開閉装置の発明である。
【0034】
本発明に係る開閉制御方法の第1の特徴は、開閉手段の動作を指示するための押しボタンからなる接触式操作子手段の操作状態及び手指が接近した状態を非接触にて検知するエリアセンサ手段からなる非接触式操作子手段の検知状態に応じて、開口部の周縁部から開閉部材を移動させることによって前記開口部を開閉する開閉手段の動作を制御する開閉制御方法において、
前記接触式操作子手段及び前記非接触式操作子手段を備えた入出力端子台装置上で前記非接触式操作子手段の開動作に対応する開エリアセンサ手段を前記接触式操作子手段の開動作に対応する押しボタンの近傍に配置し、前記非接触式操作子手段の閉動作に対応する閉エリアセンサ手段を、前記接触式操作子手段の配置位置から離間した位置であって、前記接触式操作子手段を押圧操作中の手指を検知しないような位置に配置して、前記開閉手段の動作を制御することにある。
これは、前記第1の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0035】
本発明に係る開閉制御方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御方法において、前記閉エリアセンサ手段を前記入出力端子台装置の最下端部付近に配置し前記開閉手段の動作を制御することにある。
これは、前記第2の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0036】
本発明に係る開閉制御方法の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の開閉制御方法において、前記閉エリアセンサ手段が前記手指を検知している時間が第1の所定時間以上になった場合、前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を前記制御手段に出力し、前記開エリアセンサ手段が手指を検知している時間が第2の所定時間以上になった場合、前記開閉手段の開動作に関する開信号を前記制御手段に出力し、前記開閉手段の動作を制御することにある。
これは、前記第3の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0037】
本発明に係る開閉制御方法の第4の特徴は、開閉手段の動作を指示するための押しボタンからなる接触式操作子手段の操作状態及び手指が接近した状態を非接触にて検知する1個の非接触式操作子手段の検知状態に応じて、開口部の周縁部から開閉部材を移動させることによって前記開口部を開閉する開閉手段の動作を制御する開閉制御方法において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知していた状態に応じて前記開閉手段の開動作に関する開信号又は前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を出力し、前記開閉手段の動作を制御することにある。
これは、前記第4の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0038】
本発明に係る開閉制御方法の第5の特徴は、前記第4の特徴に記載の開閉制御方法において、前記非接触式操作子手段を前記接触式操作子手段の開動作に対応する押しボタンの近傍に配置し、前記開閉手段の動作を制御することにある。
これは、前記第5の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0039】
本発明に係る開閉制御方法の第6の特徴は、前記第4又は第5の特徴に記載の開閉制御方法において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知していた時間が第1の所定時間以上で第2の所定時間以下の場合、前記開閉手段の開動作に関する開信号を前記制御手段に出力し、前記非接触式操作子手段が手指を検知している時間が前記第2の所定時間よりも大きくなった場合、前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を出力し、前記開閉手段の動作を制御することにある。
これは、前記第6の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0040】
本発明に係る開閉制御方法の第7の特徴は、前記第4又は第5の特徴に記載の開閉制御方法において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知していた時間が第1の所定時間以上であって、前記手指が前記開閉手段の開方向への移動を検知した場合は前記開閉手段の開動作に関する開信号を前記制御手段に出力し、前記手指が前記開閉手段の閉方向への移動を検知した場合は前記開閉手段の閉動作に関する閉信号を出力し、前記開閉手段の動作を制御することにある。
これは、前記第7の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0041】
本発明に係る開閉制御方法の第8の特徴は、前記第1の特徴から第7の特徴までのいずれか1に記載の開閉制御方法において、前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを表示手段及び/又は発音手段を用いて操作者に認識させることにある。
これは、前記第8の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0042】
本発明に係る開閉制御方法の第9の特徴は、前記第8の特徴に記載の開閉制御方法において、前記表示手段は、前記開閉制御方法の電源がオン状態にある時に点灯し、オフ状態にある時に消灯する表示灯手段を、点滅させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させ、前記発音手段は、所定音量の音を発音させることによって前記非接触式操作子手段が前記手指を検知している状態にあることを操作者に認識させることにある。
これは、前記第9の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【発明の効果】
【0043】
本発明の開閉装置及び開閉制御方法によれば、接触式操作子と非接触方式操作子が同一操作盤上に設けてある場合でも、接触式操作子の操作動作を非接触式操作子が誤検知しないように開閉停の各動作を制御できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】従来のロールスクリーン装置の概略構成を示す正面図である。
【
図2】接触方式の押しボタンと非接触方式のスイッチを内蔵した操作盤の概略構成を示す図である。
【
図3】本発明に係る開閉装置の一例であるロールスクリーン装置の概略構成を示す正面図である。
【
図4】
図3のロールスクリーン装置を右側から見た側面図である。
【
図5】
図3及び
図4のロールスクリーン装置のモータの駆動を制御する制御システムを構築する入出力端子台、モータドライブ基板及びパラメータ設定ユニットの接続関係及び概略構成を示す図である。
【
図6】
図5のパラメータ設定ユニットを内蔵した入出力端子台の第1の実施例を示す図である。
【
図7】
図5のパラメータ設定ユニットを内蔵した入出力端子台の第2の実施例を示す図である。
【
図8】
図5のパラメータ設定ユニットを内蔵した入出力端子台の第3の実施例を示す図である。
【
図9】この実施の形態に係る開閉装置の入出力端子台が実行する処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図10】この実施の形態に係る開閉装置のモータドライブ基板が実行する処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図11】
図9のステップS212において、非接触式操作子からの検知信号に基づいて
図6の入出力端子台が実行する第1の検知信号処理の一例を示す図である。
【
図12】
図9のステップS212において、非接触式操作子からの検知信号に基づいて
図6の入出力端子台が実行する第2の検知信号処理の一例を示す図である。
【
図13】
図9のステップS212において、非接触式操作子からの検知信号に基づいて
図6の入出力端子台が実行する第3の検知信号処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下添付図面に従って本発明に係る開閉装置の好ましい実施の形態について説明する。
図3は、本発明に係る開閉装置の一例であるロールスクリーン装置の概略構成を示す正面図である。
図4は、
図3のロールスクリーン装置を右側から見た側面図である。この実施の形態では開閉装置として上下に開閉(昇降)制御されるロールスクリーン装置を例に説明する。
【0046】
このロールスクリーン装置10は、構造物躯体の開口部上の天井部に直接又は他の部材を介して間接的に設けられたり、上方の梁に直接又は他の部材を介して間接的に設けられたりする。このロールスクリーン装置10は、それぞれ収納ボックス11、ガイドレール12,13、巻取シャフト14、合成繊維製布地からなるスクリーンカーテン15、及びウェイトバー16から構成される。このロールスクリーン装置10は、上方が開方向で下方が閉方向であり、上方の天井部等に収納ボックス11を備えている。
【0047】
ロールスクリーン装置10は、材質が合成繊維製布地(ポリエステルなど)からなるカーテン布からなるスクリーンカーテン15を巻取シャフト14に巻き取ったり巻戻したりすることによって、その先端側が出入口部(開口部)を開閉移動するものである。このスクリーンカーテン15の両側にはファスナー部がその全長に渡って設けられている。このファスナー部は、ガイドレール12,13内に設けられたインナーレール内に挟み込まれて上下方向に自在に摺動するようになっている。このファスナー部は、通常のスライドファスナー(滑り式留金具)の噛み合う部分であるエレメントを利用したものである。このファスナー部は、エレメントが丹銅・アルミ・洋白などの金属で出来ている金属製ファスナーやエレメントがコイル状のポリエステル樹脂でできている樹脂ファスナーやポリアセタールなどの樹脂製のエレメントがテープに射出成型されたビスロンファスナーなどで構成される。
【0048】
ガイドレール12,13内にインナーレールが設けられているが、その図示は省略して示してある。
図3では、スクリーンカーテン15の両側にガイドレール12,13がその全長に渡って設けられているように示してあるが、実際はガイドレール12,13内にインナーレールが設けられており、カーテン布の両側は、このガイドレール12,13内に挟み込まれて上下方向に自在に摺動するような構成になっている。
【0049】
巻取シャフト14は、収納ボックス11内の左右両側側面の内壁面に設けられた軸受け部(図示せず)とロールエンド部(図示せず)との間に回転可能に取り付けられている。スクリーンカーテン15は、その一端部が巻取シャフト14に取り付けられており、その他端部にウェイトバー16が取り付けられており、収納ボックス11の下端部に設けられたスリット状の出入口に案内されるようになっている。従って、スクリーンカーテン15は、巻取シャフト14の回転に応じて、巻取シャフト14に巻き取られたり、スリット状の出入口から繰り出されたりするようになっている。なお、巻取り時にスクリーンカーテン15が収納ボックス11内で弛んだりした場合の異常状態を検出するための異常検出センサ(図示せず)が収納ボックス11の内壁面に取り付けられている。
【0050】
スクリーンカーテン15の閉鎖側先端部に、障害物検知装置が設けてあってもよい。巻取シャフト14は、中空パイプ形状をしており、この中空部分に内挿された電動モータ17によって回転制御される。電動モータ17の本体外側と巻取シャフト14の内側とが固定され、電動モータ17の出力軸が軸受け部に回転しないようにボルトなどで固定されている。従って、電動モータ17が正方向に回転することによって、スクリーンカーテン15は繰り出されるように閉(下降)動作し、逆方向に回転することによってスクリーンカーテン15は巻き取られるように開(上昇)動作する。すなわち、電動モータ17を正逆方向に回転させることによって開閉体であるスクリーンカーテン15の開閉動作を制御している。
【0051】
この実施の形態において、ロールスクリーン装置10の電動モータ17の駆動を制御する開閉装置は、入出力端子台21、モータドライブ基板22及びパラメータ設定ユニット23から構成される。入出力端子台21は、マイクロコンピュータ構成になっており、電源ライン(図示せず)を介して外部から200[V]又は100[V]の交流電圧が供給されており、交流電圧を24[V]の直流電圧に変換し、電源ケーブルを介して、モータドライブ基板22に供給している。
【0052】
入出力端子台21には、接触方式操作子となる3点式の押しボタンやブザー、プルスイッチ、起動用センサ、信号灯、回転灯、各種センサ(障害物感知用の光電センサなど)、リモコン用制御回路などの各構成部品が接続される。入出力端子台21は、ロールスクリーン装置10の全体動作を制御するマイクロコンピュータを内蔵しており、押しボタンの操作状態に対応した制御信号やモータドライブ基板22からの信号などに基づいて、所定の処理モードに従って処理を実行し、電動モータ17の回転を制御する。入出力端子台21は、処理モードを実行するためのプログラムや処理実行に必要な各種パラメータを記憶したメモリ等を内蔵している。入出力端子台21は、パラメータ設定ユニット23を内蔵しており、パラメータ設定信号又は変更信号に基づいて、各種処理モードのパラメータの設定変更を実行できるようになっている。パラメータとして設定される値は、パラメータの用途に応じて、数値や数値以外の値(例えば、処理モード内容を指定する文字列、記号等)である。
【0053】
パラメータ設定ユニット23を内蔵した入出力端子台21は、ガイドレール13の前面側の平坦部に配置されている。本明細書において、
図3の開口部に沿った方向の紙面手前方向及び
図4の左側をガイドレール12の前面側とし、この反対側を背面側とする。パラメータ設定ユニット23は、入出力端子台21に接続された各構成部品に割り当てられた各パラメータをメモリのアドレスとして管理し、任意のパラメータが設定変更された場合、その設定変更されたパラメータのアドレスを削除せずに残しておき、変更後のパラメータをメモリの別のアドレスに格納することによって、設定値を更新する。これによって、パラメータのデフォルト値は不変となり、変更後のアドレスに基づいて、設定変更されたメモリ内のパラメータにアクセスすることができると共にパラメータの変更履歴を適宜管理できるようにしてある。
【0054】
モータドライブ基板22は、巻取シャフト14及び電動モータ17の下方であって、収納ボックス11内の床面上のスペースに配置される。電動モータ17には、その回転位置すなわちスクリーンカーテン15の開閉位置と開閉状態を検出するためのパルス発生型のロータリーエンコーダ等で構成されるリミットスイッチ(図示せず)が設けられている。モータドライブ基板22は、このリミットスイッチから出力される電動モータ17の回転に応じたパルス信号を入力し、電動モータ17の回転位置やスクリーンカーテン15の閉鎖側先端部の開口部における位置などを、このパルスの発生状況に基づいて演算にて求め、それを入出力端子台21に送信する。
【0055】
図5は、
図3及び
図4のロールスクリーン装置のモータの駆動を制御する制御システムを構築する入出力端子台、モータドライブ基板及びパラメータ設定ユニットの接続関係及び概略構成を示す図である。入出力端子台21とモータドライブ基板22との間、入出力端子台21とパラメータ設定ユニット23との間は、それぞれRS-485の通信ケーブル30,31によって接続されている。RS-485は、アメリカ電子工業会(EIA)により規定されたバス型接続ネットワークシステムの物理層規格であり、マルチポイント接続可能な通信方式である。従って、同じバス上で複数のデバイスを接続することができるので、この実施の形態では、1台の入出力端子台21で、モータドライブ基板22及びパラメータ設定ユニット23の両方を管理している。また、これ以外のデバイスの増減や配置変更も適宜可能である。
【0056】
なお、
図5では、入出力端子台21とモータドライブ基板22との間、入出力端子台21とパラメータ設定ユニット23との間、モータドライブ基板22との間は、電源ケーブル32,33を介して直流電圧(電力)が供給される。また、
図5では、モータドライブ基板22は、電動モータ17に設けられたリミットスイッチ18からのシャッター位置情報を示す信号を受信し、それに基づいて電動モータ17を制御する。
【0057】
入出力端子台21には、非接触式操作子となるエリアセンサを内蔵した3点式の押しボタン24が接続されている。
図5では、エリアセンサが1個の場合を図示しているが、2個以上設けてある場合もある。また、入出力端子台21には、発音装置35が接続されている。これ以外にも入出力端子台21には、プルスイッチ、起動用センサ、信号灯、回転灯、各種センサ(障害物感知用の光電センサなど)、リモコン用制御回路などの各種構成部品から出力される状態変化を示す制御信号がそれぞれ入力される。入出力端子台21は、これら各種構成部品から出力される状態変化を示す制御信号を入力した時点で、それに対応した処理を実行するために、通信ケーブル30,31経由でモータドライブ基板22及び/又はパラメータ設定ユニット23に制御信号を送信する。
【0058】
モータドライブ基板22は、通信ケーブル30経由で入力された入出力端子台21からの制御信号に基づいて、電動モータ17の回転を制御する。このとき、電源ケーブル32から供給される直流電圧を交流電圧に変換して、電動モータ17を制御する。また、モータドライブ基板22は、電動モータ17に設けられたリミットスイッチ18からのシャッター位置情報を示す信号を受信し、それに基づいて電動モータ17を制御すると共にシャッター位置情報を示す信号を通信ケーブル30経由にて入出力端子台21に送信する。
【0059】
発音装置35は、入出力端子台21に内蔵されていてもよいし、入出力端子台21の上方であって操作者に聞き取りやすい位置、例えば平均的な大人の頭部の高さ付近に配置されていてもよい。発音装置35は、モータドライブ基板22の制御状態、パラメータ設定ユニット23の設定状態、エリアセンサや押しボタン24の操作状態等をブザー音やブザー音以外の音(音声やビープ音)等を発音する。なお、発音装置35は、音声認識機能を備え、操作者の音声を認識することもできる。また、発音装置35は、エリアセンサが手指検知状態にあることを示すために所定音量のブザー音を鳴動したり、手指検知状態にあることを示すブザー音以外の音(音声やビープ音)等を発音したりする。
【0060】
図6は、
図5のパラメータ設定ユニットを内蔵した入出力端子台の第1の実施例を示す図である。
図6において、
図2と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。第1の実施例の入出力端子台21aが
図2のものと異なる点は、非接触操作子である
図2のエリアセンサ25aに代えてエリアセンサ291を上昇(開)ボタン241の上側に設け、エリアセンサ25cに代えてエリアセンサ292をパラメータ設定ユニット23の下側に設けた点である。上昇(開)動作中又は降下(閉)動作中にいずれかのエリアセンサ291,292が検知状態となった場合、又は停ボタン242が操作された場合は、停動作を実行するように構成しているので、第1の実施例ではエリアセンサ25bは省略してある。なお、
図2の同様にエリアセンサ25bを停ボタン242の近傍に設けてもよい。
【0061】
図6において、入出力端子台21は、操作モード切替スイッチ271、操作状態表示灯(LED)281~283、パラメータ設定ユニット23、接触式操作子となる開閉停の3点式の押しボタン24、及び非接触式操作子となるエリアセンサ291,292を内蔵している。入出力端子台21は、ガイドレール13の前面側であって、開口部への進入時に操作者が操作しやすい位置に設けてある。3点式の押しボタン24は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして、上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243をそれぞれ有し、各押しボタン24の操作状態に応じた制御信号(上昇(開)信号、停止(停)信号、下降(閉)信号)を、通信ケーブル経由で入出力端子台21のマイクロコンピュータに出力する。なお、この3点式の押しボタン24に代えて無線型リモコンスイッチを用いて操作できるようにしてもよい。
【0062】
操作モード切替スイッチ271は、ロールスクリーン装置10の操作状態をセンサの検知状態に応じて自動で開閉動作を行う自動開閉モード又は操作者自身が手動で操作する手動開閉モードの切替を行うためのスイッチである。操作状態表示灯281は、入出力端子台21aの電源がオンされた時に点灯し、電源がオフされた時に消灯する電源状態表示LEDである。操作状態表示灯282は、ロールスクリーン装置10の異常時に点灯し、正常時には消灯する異常状態表示LEDである。操作状態表示灯283は、自動開閉モードの時に点灯し、手動モードの時に消灯する開閉モード表示LEDである。
【0063】
エリアセンサ291,292は、
図6に示すように、手の形状をした図形のほぼ中央に検出エリアを備えている。手の形状の図形を施すことによって、操作者にエリアセンサ291,292の存在位置を容易に認識させることができる。エリアセンサ291,292は、
図2のエリアセンサ25a~25cと同様に近赤外線距離限定反射式のエリアセンサで構成され、点線で示す手指40などの反射物がエリアセンサ291,292に接近した状態を検知し、その検知信号を通信ケーブル経由にて入出力端子台21のマイクロコンピュータに出力する。このエリアセンサ291,292の検知範囲は、手の形状をした図形のほぼ中央付近であって、センサ手前の約5~15[cm]の領域(エリア)D,Eである。エリアセンサ291,292は、点線で示す領域(エリア)D,Eに物体である手指40が位置する場合にその手指40の存在を検知する。
【0064】
非接触式操作子であるエリアセンサ291,292からの検知信号を入力した入出力端子台21aは、その検知信号に基づいて検知信号処理を実行する。この検知信号処理は、物体である手指40の動きに応じて非接触操作子(エリアセンサ291,292)から出力される検知信号に基づいて、3点式の押しボタン24の上昇(開)ボタン241、下降(閉)ボタン243が押圧操作されたのと同じ状態の信号を出力する処理である。各領域(エリア)D,Eの離間距離は、手指40が標準的な大人の大きさの場合に、手指40を広げた状態でもエリアD,Eに同時にかざすことができないような距離であって、接触式操作子である3点式の押しボタン24を押圧操作中の手指40を検知しないような距離が好ましい。なお、エリアセンサ291は、上昇(開)ボタン241の近傍に配置されることが好ましく、エリアセンサ292は、3点式の押しボタン24から大きく離間して配置されることが好ましい。具体的には、
図5に示すように、エリアセンサ291及び上昇(開)ボタン241を入出力端子台21aの縦方向のほぼ中央付近から上側に配置し、エリアセンサ292を入出力端子台21aの最下端部付近に配置することで、誤検知を有効に防止することができる。
【0065】
エリアセンサ291は、入出力端子台21aの縦方向のほぼ中央付近から上側であって、さらに上昇(開)ボタン241の上側近傍で、操作モード切替スイッチ271の下側に配置されている。操作者がロールスクリーン装置10を開動作させるときに、手指を上昇(開)ボタン241付近にかざした場合、エリアセンサ291はその手指を感知するので、ロールスクリーン装置10は開動作を実行するようになる。すなわち、エリアセンサ291は、上昇(開)ボタン241に対応した非接触式の開ボタン(開エリアセンサ)に相当する。また、操作者が上昇(開)ボタン241を押圧操作しようとした場合、その押圧操作前にエリアセンサ291がその手指を感知しロールスクリーン装置10が開動作を実行することがある。しかし、この場合は、誤検知とは言えず操作者の意図した開動作を実行したことになる。
【0066】
一方、エリアセンサ292は、
図6に示すようにパラメータ設定ユニット23の下側であって入出力端子台21の最下端部に配置されている。すなわち、エリアセンサ292は、入出力端子台21において押しボタン24から最も離間した位置に配置されている。操作者がロールスクリーン装置10を閉動作させるときに、手指を入出力端子台21の最下部側に配置されているエリアセンサ292付近にかざした場合、エリアセンサ292はその手指40を感知するので、ロールスクリーン装置10は閉動作を実行するようになる。すなわち、エリアセンサ292は、下降(閉)ボタン243に対応した非接触式の閉ボタン(閉エリアセンサ)に相当する。手指40は、人間の手指のみならず、例えば義手の手指や鉛筆、ペン等の人間の手指に似た細長い物体を含むものである。
【0067】
第1の実施例によれば、非接触式の閉ボタンとなるエリアセンサ292が開口部通過時に常時操作される押しボタン24から最も遠い位置、すなわち接触式操作子である3点式の押しボタン24を押圧操作中の手指40を検知しないような位置に配置してあるので、操作者が押しボタン24を押圧操作する際に、エリアセンサ292が誤って手指を検知する誤検知の発生を防止することができる。また、エリアセンサ291,292は、手指の大きさの数倍以上も離間配置されているので、エリアセンサ291,292が重複して手指等の物体を検知するという誤検知を防止できる。
【0068】
図7は、
図5のパラメータ設定ユニットを内蔵した入出力端子台の第2の実施例を示す図である。
図7において、
図2及び
図7と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。第2の実施例の入出力端子台21は、
図2を変形したものであり、
図2のものと異なる点は、非接触操作子である
図2のエリアセンサ25aだけを設け、
図2のエリアセンサ25b,25cを省略した点である。
【0069】
図8は、
図5のパラメータ設定ユニットを内蔵した入出力端子台の第3の実施例を示す図である。
図8において、
図2及び
図6と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。第3の実施例の入出力端子台21cは、
図6を変形したものであり、
図6のものと異なる点は、非接触操作子である
図6のエリアセンサ291だけを設け、
図6のエリアセンサ292を省略した点である。
【0070】
図7の第2の実施例においては1個のエリアセンサ25aだけが設けられ、
図8の第3の実施例においては1個のエリアセンサ291だけが設けられている。これは、1点式スイッチが設けられている場合と同様なので、1点式信号が入力した場合と同様にエリアセンサ25a,291の手指検知信号に応じて、開-停止-閉-開-停止-閉-・・・というように巡回的に開閉動作を実行してもよい。また、非接触式操作子であるエリアセンサ25a,291は開動作を実行する操作子として機能させ、停動作後又は全開動作後に所定時間が経過した時点で自動的に閉動作を実行するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、第2及び第3の実施例のように1個の非接触式操作子(エリアセンサ)だけが設けられている場合に、巡回的に開閉制御を行うのではなく、1個の非接触式操作子(エリアセンサ)の検知状態に応じて開閉制御を行うようにしている。この1個の非接触式操作子(エリアセンサ)の検知状態に応じて実行する開閉制御処理の詳細については後述する。
【0071】
図9は、この実施の形態に係る開閉装置の入出力端子台が実行する処理の一例を示すフローチャート図である。
図10は、この実施の形態に係る開閉装置のモータドライブ基板が実行する処理の一例を示すフローチャート図である。なお、この実施の形態に係る開閉装置のパラメータ設定ユニットが実行する処理については、特許文献2に記載があるので、説明を省略する。以下、これらのフローチャート図を用いて開閉装置が実行する処理の一例を説明する。
【0072】
図9に基づいて入出力端子台21a~21cが実行する処理の一例について説明する。
ステップS211では、接続されている各種構成部品から状態変化を示す信号が入力したか否かの判定を行い、状態が変化した(yes)場合は、次のステップS212に進み、そうでない(no)場合はステップS213にジャンプする。ここで状態変化を示す信号は、例えば、3点式の押しボタン24からの押圧操作信号、非接触子操作子であるエリアセンサ291,292,25aからの検知信号、プルスイッチからの操作信号、起動用センサからの起動信号、障害物感知用の光電センサからの感知信号などがそれぞれ対応する。
【0073】
ステップS212では、接続されている各種構成部品から入力した状態変化を示す信号に対応した制御信号をモータドライブ基板22に通信ケーブル30経由で送信する。例えば、3点式の押しボタン24からの押圧操作信号を入力した場合、それぞれの開閉停の押しボタン241~243に対応した開閉停の制御信号をモータドライブ基板22に送信する。また、エリアセンサ291,292,25aからの検知信号に基づいて検知信号処理を実行し、開閉停の制御信号をモータドライブ基板22に送信する。さらに、障害物感知用の光電センサから感知信号を入力した場合、閉動作停止信号をモータドライブ基板22に送信する。
【0074】
ステップS213では、通信ケーブル30経由で信号を受信したか否かの判定を行い、受信した(yes)場合は、次のステップS214に進み、そうでない(no)場合はリターンする。
ステップS214では、受信した信号に対応した処理を実行する。例えば、受信した信号がモータドライブ基板22からの処理終了信号又はモータドライブ基板22からのリミットスイッチ18のシャッター位置情報を示す信号の場合、その処理終了信号及びシャッター位置情報に基づいて、スクリーンカーテン15の開閉停の処理が終了したこと及び終了時におけるスクリーンカーテン15の位置を認識し、その後の処理に利用する。また、受信した信号がパラメータ設定ユニット23からのパラメータ設定に関する信号の場合、そのパラメータ設定に関する信号に基づいて、入出力端子台21の各種処理モードのパラメータを変更し、設定変更の終了を示す信号をパラメータ設定ユニット23に通信ケーブル31経由で送信する。
【0075】
図10に基づいてモータドライブ基板22が実行する処理の一例について説明する。
ステップS221では、通信ケーブル30経由で信号を受信したか否かの判定を行い、受信した(yes)場合は、次のステップS222に進み、そうでない(no)場合はリターンする。
ステップS222では、受信した信号に対応した処理を実行する。例えば、受信した信号が入出力端子台21からの3点式の押しボタン24の押圧操作信号の場合、エリアセンサ291,292,25aからの検知信号に基づいた開閉停の制御信号の場合、障害物感知用の光電センサから感知信号に基づいた閉動作停止信号の場合、各信号に応じてスクリーンカーテン15の開閉停の処理を実行する。
【0076】
ステップS223では、スクリーンカーテン15の開閉停のどの動作を実行中であるのかその状態を示す信号、又はリミットスイッチ18のシャッター位置情報を示す信号などを入出力端子台21に通信ケーブル30経由で送信する。
ステップS224では、ステップS222の受信信号対応処理が終了したか否か、すなわち、開閉停の各動作が終了したか否かの判定を行い、終了した(yes)場合は、次のステップS225に進み、そうでない(no)場合は動作が終了するまでステップS222にリターンする。
ステップS225では、開閉停の各動作が終了したので、終了信号を通信ケーブル30経由にて入出力端子台21に送信する。
【0077】
図11は、
図9のステップS212において、非接触式操作子からの検知信号に基づいて
図6の入出力端子台が実行する第1の検知信号処理の一例を示す図である。この実施の形態では、
図6の入出力端子台21aに設けられた非接触式操作子を構成するエリアセンサ291,292にそれぞれ対応したカウントレジスタRd,ReとエリアフラグFd,Feを用いて処理を実行する。カウントレジスタRd,Reは、下限値「0」から上限値「10」までの値を格納するものであり、「0」よりも下の値、「10」よりも上の値をカウントしない構成になっている。
【0078】
ステップS231では、各エリアセンサ291,292の検出可能なエリアD,Eに、物体である手指40が存在するか否かを検出し、存在する(yes)場合は次のステップS232に進み、検出していない(no)場合はステップS233にジャンプする。
ステップS232では、物体である手指40の存在を検出したエリアD,Eに対応するカウントレジスタRd,Reをカウントアップ(インクリメント処理)する。
ステップS233では、物体である手指40の存在を検出しなかったエリアD,Eに対応するカウントレジスタRd,Reをカウントダウン(デクリメント処理)する。
【0079】
ステップS234では、カウントレジスタRd,Reの中でカウント値が「10」のものがあるか否か判定し、カウント値が「10」(yes)のものについては次のステップS235に進み、それ以外の「0」~「9」(no)のものについてはステップS236にジャンプする。
ステップS235では、カウント値が「10」のカウントレジスタRd,Reに対応するエリアフラグFd,Feに「1」を立てる(セットする)。
【0080】
ステップS236では、カウントレジスタRd,Reの中でカウント値が「0」のものがあるか否か判定し、カウント値が「0」(yes)のものについては次のステップS237に進み、それ以外の「1」~「10」(no)のものについてはステップS238にジャンプする。
ステップS237では、カウント値が「0」のカウントレジスタRd,Reに対応するエリアフラグFd,Feを「0」にリセットする。
ステップS238では、ステップS231の判定から1[msec]経過するまで判定を行う。すなわち、この判定によって、エリアD,Eについて、物体である手指40が存在するか否かのサンプリング処理を1[msec]毎に実行する。
【0081】
ステップS239では、ステップS235及びS237の処理によって書き換えられたエリアフラグFd,Feの「0」又は「1」の状態に対応した信号出力処理を実行する。スクリーンカーテン15が停止中にエリアフラグFd,Feが共に「0」状態の場合、又は「1」状態の場合は、信号出力処理は行わない。スクリーンカーテン15が停止中にエリアフラグFdが「1」でエリアフラグFeが「0」状態の場合は、上昇信号をモータドライブ基板22に出力する。スクリーンカーテン15が停止中にエリアフラグFdが「0」状態でエリアフラグFeが「1」状態の場合は、下降信号をモータドライブ基板22に出力する。
【0082】
一方、スクリーンカーテン15が動作中(下降動作中又は上昇動作中)にエリアフラグFd,Feが共に「0」状態の場合は、信号出力処理は行わない。スクリーンカーテン15が動作中にエリアフラグFdが「1」でエリアフラグFeが「0」状態の場合、エリアフラグFdが「0」状態でエリアフラグFeが「1」状態の場合、又はエリアフラグFd,Feが共に「1」状態の場合は、停止信号をモータドライブ基板22に出力する。この上昇信号、停止信号、下降信号は、約100[msec]の1ショット信号としてモータドライブ基板22に出力される。
【0083】
図11の第1の検知信号処理では、エリアセンサ291,292が手指を検知している同一の時間で上昇信号、下降信号を出力する場合について説明したが、エリアセンサ291の検知時間をエリアセンサ292の検知時間よりも短くしてもよい。この場合カウントレジスタRdの上限値を「10」とし、カウントレジスタReの上限値を「30」とし、それぞれ上限値になった時点でエリアフラグFd,Feに「1」を格納すればよい。なお、このサンプリング処理の時間及びカウントレジスタRd,Reの下限値及び上限値は一例であり、これ以上の値でもこれ以下の値でもよい。
【0084】
図12は、
図9のステップS212において、非接触式操作子からの検知信号に基づいて
図6の入出力端子台が実行する第2の検知信号処理の一例を示す図である。この第1の検知信号処理では、
図7の入出力端子台21b又は
図8の入出力端子台21cに設けられた1個の非接触式操作子(エリアセンサ25a又は291)の検知状態の時間をタイマーTで計時し、タイマーTの計時時間に応じて開動作又は閉動作の制御信号を送信する。第2の検知信号処理は所定の割込タイミング(1~100[msec]毎)で実行する。
【0085】
ステップS241では、エリアセンサ25a,291の検出可能なエリアA,Dに、物体である手指40が存在するか否かを検出し、存在を検出した(yes)場合は次のステップS242に進み、検出していない(no)場合はステップS243に進む。
【0086】
ステップS242では、非接触式操作子であるエリアセンサ25a,291が検知状態にあることを操作者に認識させるために操作状態表示灯281の電源状態表示LEDを点滅させる。また、同様に検知状態にあることを認識させるために発音装置35から所定音量のブザー音を鳴動し、ブザー音以外の音(音声やビープ音)等を発音する。なお、LED点滅とブザー鳴動や発音を両方実行してもよいし、いずれか一方だけでもよい。
【0087】
ステップS243では、タイマーTの値に基づいてエリアセンサ25a,291が手指40を検知している状態が3秒以上継続したか否かを判定し、3秒経過していない(no)場合はステップS244に進み、3秒以上経過(yes)している場合はステップS245に進む。
ステップS244では、タイマーTが3秒以上でないので、タイマーTをカウントアップ(インクリメント処理)してリターンする。
【0088】
ステップS245では、前のステップS243で検知状態が3秒以上経過したので、スクリーンカーテン15を下降動作(閉動作)させるために、1ショット信号の下降信号をモータドライブ基板22に出力し、ステップS248に進む。下降信号を受信したモータドライブ基板22は、スクリーンカーテン15の下降動作(閉動作)を実行する。
ステップS246では、タイマーTの値に基づいてエリアセンサ25a,291が手指40を検知している状態が1秒間継続していたのか否かの判定を行い、1秒間継続していた(yes)場合は、次のステップS247に進み、継続していない(no)場合はステップS248に進む。
【0089】
ステップS247では、前のステップS246で検知状態すなわちタイマーTの値が1秒以上で3秒よりも小さい時間なので、スクリーンカーテン15を上昇動作(開動作)させるために、1ショット信号の上昇信号をモータドライブ基板22に出力し、ステップS248に進む。上昇信号を受信したモータドライブ基板22は、スクリーンカーテン15の上昇動作(開動作)を実行する。
【0090】
ステップS248では、ステップS245で閉動作信号を送信し、ステップS247で開動作信号を送信し、又はステップS246で検知状態が1秒間継続していなかったと判定されたので、タイマーTを「0」にリセットし、ステップS242で点滅させた電源状態表示LEDを元の点灯状態に復帰させ、さらに、ブザー鳴動や発音を停止させる。電源状態表示LEDを点滅状態から点灯状態に変化させることで、また、発音を停止することで、手指が有効に検知され、手指に対応した処理が実行されたことを操作者は認識することができるようになる。すなわち、手指が有効に検知されている場合には、電源状態表示LEDが点滅し、ブザー鳴動や発音が発生するので、操作者は現在の検知状態を容易に理解することができ、エリアセンサ25a,291に対してどの程度手指を近づければ検知状態となるのか理解することもができる。なお、電源状態表示LEDは入出力端子台の入力電源がオフの場合は消灯する。
【0091】
図12の第2の検知信号処理では、非接触式操作子であるエリアセンサ25a,291が手指などの物体を1秒以上検知し、3秒経過前に非検知状態となった場合はスクリーンカーテン15の上昇動作を実行し、検知状態が3秒以上継続した場合は、スクリーンカーテン15の下降動作を実行している。第2の検知信号処理では、上昇動作を実行するための検知時間の継続時間1~3秒の範囲とし、下降動作を実行するための検知時間の継続時間を3秒以上と長くすることで意図せず使用者がエリアセンサ25a,291に手指をかざした場合であっても3秒以上かざし続けない限り、スクリーンカーテン15は下降動作を開始しないので、意図しない下降動作の発生を防止することできる。
【0092】
図12の第2の検知信号処理では、1秒以上検知状態を継続しなければ上昇動作を実行しないようにしたが、スクリーンカーテン15が全閉状態の場合は、エリアセンサ25a,291が手指を検知した時点で上昇動作を開始し、スクリーンカーテン15が全開状態の場合は、エリアセンサ25a,291が手指を3秒以上継続して検知した時点で下降動作を開始し、スクリーンカーテン15が半開状態又は半閉状態のように途中停止状態にある場合に、
図12の処理を実行するようにしてもよい。
【0093】
図13は、
図9のステップS212において、非接触式操作子からの検知信号に基づいて
図6の入出力端子台が実行する第3の検知信号処理の一例を示す図である。この第3の検知信号処理では、
図7の入出力端子台21b又は入出力端子台21cに設けられた1個の非接触式操作子(エリアセンサ25a又は291)の検知状態の時間をタイマーTで計時し、所定時間経過後に手指が上方向(開方向)に移動した場合に開動作、下方向(閉方向)に移動した場合に閉動作の制御信号を送信する。第3の検知信号処理は所定の割込タイミング(1~100[msec]毎)で実行する。
【0094】
ステップS251では、エリアセンサ25a,291の検出可能なエリアA,Dに、物体である手指40が存在するか否かを検出し、存在を検出した(yes)場合は次のステップS252に進み、検出していない(no)場合はステップS261に進む。
【0095】
ステップS252では、タイマーTの値に基づいてエリアセンサ25a,291が手指40を検知している状態が1秒以上継続したか否かを判定し、1秒経過していない(no)場合はステップS253に進み、1秒以上経過(yes)している場合はステップS254に進む。
ステップS253では、非接触式操作子であるエリアセンサ25a,291が検知状態にあることを操作者に認識させるために操作状態表示灯281の電源状態表示LEDを速いタイミング(長い周期、例えば2~4[Hz])で点滅させる。また、同様に検知状態にあることを認識させるために発音装置35から所定音量のブザー音を短いタイミング(短い周期、例えば2~4[Hz])で鳴動し、ブザー音以外の音(音声やビープ音)等を発音する。
【0096】
ステップS254では、非接触式操作子であるエリアセンサ25a,291の検知状態が1秒以上経過したことを操作者に認識させるために操作状態表示灯281の電源状態表示LEDを遅いタイミング(長い周期、例えば0.3~1.5[Hz])で点滅させる。また、同様に1秒以上経過したことを認識させるために発音装置35から所定音量のブザー音を長いタイミング(長い周期、例えば0.3~1.5[Hz])で鳴動し、ブザー音以外の音(音声やビープ音)等を発音する。なお、ステップS253,254において、LED点滅とブザー鳴動や発音を両方実行してもよいし、いずれか一方だけでもよい。
【0097】
ステップS255では、エリアセンサ25a,291が手指の上方向への移動を検知したか否かを判定し、上移動(yes)の場合はステップS257に進み、移動を検知していない(no)場合はステップS256に進む。
ステップS256では、エリアセンサ25a,291が手指の下方向への移動を検知したか否かを判定し、下移動を検知した(yes)場合はステップS257に進み、移動を検知していない(no)場合はステップS258に進む。
すなわち、ステップS255,256では、手指の上移動又は下移動を判定している。なお、エリアセンサ25a,291のほぼ中心付近から鉛直方向の上側に向かって斜め45度以内の範囲を手指が移動したことを検知した場合を上移動検知とし、鉛直方向の下側に向かって斜め45度以内の範囲を手指が移動したことを検知した場合を下移動検知とする。この斜め45度は一例であり、これ以上でもこれよりも小さくてもよい。
【0098】
ステップS257では、前のステップS255で手指の上移動を検知したので、スクリーンカーテン15を上昇動作(開動作)させるために、1ショット信号の上昇信号をモータドライブ基板22に出力し、ステップS261に進む。上昇信号を受信したモータドライブ基板22は、スクリーンカーテン15の上昇動作(開動作)を実行する。
【0099】
ステップS258では、前のステップS256で手指の下移動を検知したので、スクリーンカーテン15を下降動作(閉動作)させるために、1ショット信号の下降信号をモータドライブ基板22に出力し、ステップS261に進む。下降信号を受信したモータドライブ基板22は、スクリーンカーテン15の下降動作(閉動作)を実行する。
【0100】
ステップS259では、タイマーTの値に基づいてエリアセンサ25a,291が手指40を検知している状態が3秒以上継続したか否かを判定し、3秒経過していない(no)場合はステップS260に進み、3秒以上経過(yes)している場合はステップS261に進む。
ステップS260では、タイマーTをカウントアップ(インクリメント処理)してリターンする。
【0101】
ステップS261では、ステップS257で開動作信号を送信し、ステップS258で閉動作信号を送信し、又はステップS259で検知状態が3秒間以上と判定されたので、タイマーTを「0」にリセットし、ステップS253,254で点滅された電源状態表示LEDを点灯させ、さらに、ブザー鳴動や発音を停止させる。電源状態表示LEDを点滅状態から点灯状態に変化させることで、また、発音を停止することで、手指が有効に検知され、対応する処理が実行されたことを操作者は認識することができるようになる。
【0102】
図13の第3の検知信号処理では、非接触式操作子であるエリアセンサ25a,291が手指などの物体を1秒以上検知し、さらに上方向に移動したと検知した場合はスクリーンカーテン15の上昇動作を実行し、又は下方向に移動したと検知した場合は、スクリーンカーテン15の下降動作を実行している。これによって、意図せず使用者がエリアセンサ25a,291に手指をかざした場合であっても上方向又は下方向に意図的に手指を移動しない限り、スクリーンカーテン15は上昇又は下降動作を開始しないので、意図しない上昇又は下降動作の発生を防止することできる。なお、
図13の第3の検知信号処理において、スクリーンカーテン15が上昇又は下降動作中にエリアセンサ25a,291が手指などの物体を検知した場合は、上昇又は下降動作を停止してもよい。
【0103】
上述の実施の形態では、ガイドレール12の前面にパラメータ設定ユニット23を内蔵した入出力端子台21を設ける場合について説明したが、ガイドレール12及び/又は13に入出力端子台21を設けてもよい。この場合に、その通信ケーブル30は、インナーレール外であって、かつガイドレール12及び/又は13の内部に配置されており、カーテン15とは干渉しない位置に配置されることが好ましく、またガイドレール12及び/又は13の上方から直接に収納ボックス11内に配線されていることが好ましい。このように構成すれば、通信ケーブル30が外部に露出するのを避けることができる。このときに入出力端子台21の配置位置は、大人が操作し易い位置が好ましく、ガイドレール12及び/又は13の高さにもよるが、通常の建物等を考慮すると、ガイドレール12及び/又は13の上部や下方を避けた高さ方向における中央位置付近が好ましい。
【0104】
上述の実施の形態では、パラメータ設定ユニット23を内蔵した入出力端子台21を例に説明したが、パラメータ設定ユニット23と入出力端子台21をガイドレール12及び/又は13に分離した位置にそれぞれ設けてもよい。
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるスクリーンカーテンを例に説明したが、開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。
開閉部材が上下昇降方式であって、上昇で閉鎖となり、下降で開放となるように構成されている場合には、開ボタン241と閉ボタン243の並び方向は、上側が閉ボタン243で下側が開ボタン241とされている。
また、開閉部材が横引き方式あるいは水平方式で繰り出される場合には、繰り出される方向、言い換えれば閉鎖方向と対応して閉ボタン243が開ボタン241よりも閉鎖方向側に位置するように設けられている。
【0105】
上述の実施の形態では障害物感知装置を設けない場合について説明したが、ウェイトバー近傍および/または開口部近傍に障害物感知装置を設けてもよい。この場合、障害物感知装置として、座板スイッチ、テープスイッチなどのように障害物に当接することによって障害物を検出するものやこれ以外に非当接にて障害物を検出可能なものを用いてもよい。例えば、非当接にて障害物を検出するものとして、開閉部材の両側に赤外光の発光素子と受光素子を設けたり、開口部を挟んで赤外光の発光素子と受光素子を設けたりして、赤外光が遮断された場合に障害物を検出するものなどがある。開口部近傍に障害物等や人を感知した場合、下降動作を停止するように構成することが好ましい。
【符号の説明】
【0106】
10…ロールスクリーン装置
11…収納ボックス
12,13…ガイドレール
14…巻取シャフト
15…スクリーンカーテン
16…ウェイトバー
17…電動モータ
18…リミットスイッチ
20…制御盤
21,21a,21b,21c…入出力端子台
22…モータドライブ基板
23…パラメータ設定ユニット
231…パラメータ表示部
232…エンタースイッチ
233…モード選択スイッチ
234…スクロールスイッチ
24…押しボタン
241…上昇(開)ボタン
242…停止(停)ボタン
243…下降(閉)ボタン
25…非接触スイッチ
271…操作モード切替スイッチ
281~283…操作状態表示灯
25a、291、292…エリアセンサ
35…発音装置
30,31…通信ケーブル
32…電源ケーブル
40…手指