(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-27
(45)【発行日】2025-04-04
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20250328BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20250328BHJP
【FI】
H01L23/36 D
H01L23/36 A
H01L23/36 Z
(21)【出願番号】P 2022022276
(22)【出願日】2022-02-16
【審査請求日】2024-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】松高 佑紀
(72)【発明者】
【氏名】石口 和博
【審査官】相澤 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-117048(JP,A)
【文献】特開2019-140398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/36
H01L 23/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシンクに接続可能な半導体装置であって、
第1の電極と第2の電極とを有する半導体素子と、
上面視で矩形状に形成され、前記半導体素子を封止する封止樹脂と、
前記第1の電極と電気的に接続され、上面視で前記封止樹脂の第1の辺から突出する第1の放熱板と、
前記第2の電極と電気的に接続され、上面視で前記封止樹脂の前記第1の辺と対向する第2の辺から突出する第2の放熱板と、
前記第1の電極と電気的に接続され、上面視で前記封止樹脂の前記第1の辺から突出する第1の端子と、
前記第2の電極と電気的に接続され、上面視で前記封止樹脂の前記第2の辺から突出する第2の端子と、を備え、
前記第1の放熱板と前記第2の放熱板は、前記ヒートシンクに固定可能である、半導体装置。
【請求項2】
前記第1の放熱板と前記第2の放熱板のうちの一方の放熱板は段差を有し、
前記一方の放熱板の先端部の下面の高さ位置と他方の放熱板の基端部の上面の高さ位置は同じである、請求項
1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の放熱板と前記第2の放熱板は、前記封止樹脂の同じ高さ位置から突出しており、かつ、段差を有していない、請求項
1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の放熱板と前記第2の放熱板には、それぞれ前記ヒートシンクに固定するためのネジ穴が設けられた、請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の放熱板と前記第2の放熱板には、それぞれ前記ヒートシンクに固定するためのネジ穴が設けられていない、請求項
3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2の放熱板の基端部は、前記封止樹脂の内周側へ延在し、前記封止樹脂における前記ヒートシンクに固定される面とは反対側の面から露出している、請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体素子はトランジスタまたはダイオードである、請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スルーホール型パッケージの半導体装置を用いてブリッジ回路を構成する場合、ボンディングワイヤ、リード端子、および基板を介して複数の半導体装置を接続する必要がある。そのため、寄生インダクタンスが大きくなり、サージ電圧が発生しやすい。サージ電圧を抑制するためには、半導体装置が備える半導体素子のスイッチング速度を低下させる必要がある。特に半導体素子の半導体材料がワイドバンドギャップ半導体である場合、従来のSiの場合と比べてスイッチング速度が高速であるため、サージ電圧の抑制が課題となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、表面実装型パッケージの半導体装置が開示されている。特許文献1に記載の半導体装置は、封止樹脂と、封止樹脂から突出する複数のリードと、複数のリードと電気的に接続される複数の半導体素子とを備え、複数のリードのうちの金属板(放熱板に相当する)を介して複数の半導体装置が接続可能である。特許文献1に記載の半導体装置では、スルーホール型パッケージの場合と比べて寄生インダクタンスが低減するため、サージ電圧の発生を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の半導体装置では、金属板として入力リードと出力リードが設けられているが、これらをヒートシンクに固定することは想定されていない。そのため、半導体装置の放熱性を向上させることは難しかった。
【0006】
そこで、本開示は、半導体装置において、サージ電圧の発生を抑制すると共に放熱性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る半導体装置は、ヒートシンクに接続可能な半導体装置であって、第1の電極と第2の電極とを有する半導体素子と、上面視で矩形状に形成され、前記半導体素子を封止する封止樹脂と、前記第1の電極と電気的に接続され、上面視で前記封止樹脂の第1の辺から突出する第1の放熱板と、前記第2の電極と電気的に接続され、上面視で前記封止樹脂の前記第1の辺と対向する第2の辺から突出する第2の放熱板と、前記第1の電極と電気的に接続され、上面視で前記封止樹脂の前記第1の辺から突出する第1の端子と、前記第2の電極と電気的に接続され、上面視で前記封止樹脂の前記第2の辺から突出する第2の端子と、を備え、前記第1の放熱板と前記第2の放熱板は、前記ヒートシンクに固定可能である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、例えば2つの半導体装置を接続する場合に、一方の半導体装置の第1の放熱板と、他方の半導体装置の第2の放熱板とを接続することができるため、寄生インダクタンスが低減し、サージ電圧の発生を抑制することができる。
【0009】
また、第1の放熱板と第2の放熱板とをヒートシンクに固定することで、半導体装置の放熱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る半導体装置の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る半導体装置の上面図および正面図である。
【
図3】実施の形態1に係る半導体装置を複数接続してヒートシンクに固定した状態を示す正面図である。
【
図4】実施の形態1の変形例に係る半導体装置の斜視図である。
【
図5】実施の形態1の変形例に係る半導体装置の上面図および正面図である。
【
図6】実施の形態2に係る半導体装置の斜視図である。
【
図7】実施の形態2に係る半導体装置の上面図および正面図である。
【
図8】実施の形態2に係る半導体装置を複数接続してヒートシンクに固定した状態を示す正面図である。
【
図9】実施の形態3に係る半導体装置の斜視図である。
【
図10】実施の形態3に係る半導体装置の上面図および正面図である。
【
図11】実施の形態3に係る半導体装置を複数接続してヒートシンクに固定した状態を示す正面図である。
【
図12】実施の形態4に係る半導体装置の斜視図である。
【
図13】実施の形態4に係る半導体装置の上面図および正面図である。
【
図14】実施の形態4に係る半導体装置を複数接続してヒートシンクに固定した状態を示す正面図である。
【
図15】実施の形態5に係る半導体装置の斜視図である。
【
図16】実施の形態5に係る半導体装置の上面図および正面図である。
【
図17】実施の形態5に係る半導体装置を複数接続してヒートシンクに固定した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
実施の形態1について、図面を用いて以下に説明する。
図1は、実施の形態1に係る半導体装置1の斜視図である。
図2(a)は、半導体装置1の上面図であり、
図2(b)は、半導体装置1の正面図である。
図3は、半導体装置1を複数接続してヒートシンク9に固定した状態を示す正面図である。
【0012】
図1において、X方向、Y方向およびZ方向は、互いに直交する。以下の図に示されるX方向、Y方向およびZ方向も、互いに直交する。以下においては、X方向と、当該X方向の反対の方向である-X方向とを含む方向を「X軸方向」ともいう。また、以下においては、Y方向と、当該Y方向の反対の方向である-Y方向とを含む方向を「Y軸方向」ともいう。また、以下においては、Z方向と、当該Z方向の反対の方向である-Z方向とを含む方向を「Z軸方向」ともいう。
【0013】
図1と
図2(a),(b)に示すように、半導体装置1は、表面実装型パッケージの半導体装置であり、半導体素子(図示しない)と、封止樹脂2と、ゲート端子3と、第1の端子としての2本のドレイン端子4と、第2の端子としての2本のソース端子5と、ドライバソース端子6と、第1の放熱板としての放熱板7と、第2の放熱板としての放熱板8とを備えている。
【0014】
実施の形態1では、半導体素子は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であり、ゲート電極から信号が入力されることでソース電極からドレイン電極へ電流を流す。封止樹脂2は、上面視で矩形状に形成され、半導体素子を封止している。封止樹脂2は、上面視で第1の辺と、第2の辺と、第3の辺と、第4の辺とを有している。ここで、第1の辺とは、封止樹脂2におけるX方向の辺であり、第2の辺とは、封止樹脂2における-X方向の辺である。第3の辺とは、封止樹脂2における-Y方向の辺であり、第4の辺とは、封止樹脂2におけるY方向の辺である。
【0015】
2本のドレイン端子4は、半導体素子のドレイン電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺と交差する第3の辺から上方(Z方向)へ突出している。2本のソース端子5は、半導体素子のソース電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第3の辺から上方(Z方向)へ突出している。ゲート端子3は、半導体素子のゲート電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第3の辺と対向する第4の辺から上方(Z方向)へ突出している。ドライバソース端子6は、半導体素子のドライバソース電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第4の辺から上方(Z方向)へ突出している。ここで、ドレイン電極が第1の電極に相当し、ソース電極が第2の電極に相当する。
【0016】
図3に示すように、放熱板7と放熱板8は、絶縁シート10を介してヒートシンク9に固定され、半導体素子で発生する熱をヒートシンク9へ伝える。
図1と
図2(a),(b)に示すように、放熱板7は、半導体素子のドレイン電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺からX方向へ突出している。放熱板8は、半導体素子のソース電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺と対向する第2の辺から-X方向へ突出している。2本のドレイン端子4は、封止樹脂2の第3の辺における放熱板7側(X方向)に設けられ、2本のソース端子5は、封止樹脂2の第3の辺における放熱板8側(-X方向)に設けられている。
【0017】
放熱板7は、例えば銅製の板状部材により形成され、段差を有していない。放熱板7の先端部には、上面から下面に貫通するネジ穴7aが設けられている。
図3に示すように、ネジ穴7aにはネジ12が挿通される。ネジ12は、半導体装置1をヒートシンク9に固定する機能と、X軸方向に沿って配置された複数の半導体装置1同士を接続する機能を有している。ここで、放熱板7の基端部は、放熱板7におけるネジ穴7aよりも-X方向の部分である。
【0018】
図1と
図2(a),(b)に示すように、放熱板8は、例えば銅製の2つの板状部材の端部をZ方向に重ねた状態で接合することで段差8bを有するように形成されている。放熱板8の先端部には、上面から下面に貫通するネジ穴8aが設けられている。
図3に示すように、ネジ穴8aにはネジ12が挿通される。ここで、放熱板8の基端部は、放熱板8におけるネジ穴8aよりもX方向の部分である。
【0019】
放熱板7と放熱板8は、封止樹脂2の同じ高さ位置から突出している。放熱板8の先端部の下面と基端部の下面との間には段差8bが設けられており、放熱板8の先端部の下面の高さ位置と、放熱板7の基端部の上面の高さ位置は同じである。
【0020】
図3に示すように、絶縁シート10を介してヒートシンク9の上面(+Z方向の面)に2つの半導体装置1を固定する際、左側(-X方向)の半導体装置1では、放熱板8の段差8b、つまり、放熱板8の先端部と絶縁シート10との間の距離を解消するためにスペーサー11bが放熱板8の先端部の下面(-Z方向の面)に配置され、スペーサー11bは放熱板8と共にネジ12でヒートシンク9に固定されている。また、ネジ12とヒートシンク9とを絶縁するために、ネジ12とヒートシンク9との間にスペーサー11aが介在されている。
【0021】
左側(-X方向)の半導体装置1における放熱板7の基端部の上面(Z方向の面)に右側(X方向)の半導体装置1における放熱板8の先端部の下面(-Z方向の面)を密着させる。放熱板7と放熱板8とを密着させた状態では、放熱板7のネジ穴7aと放熱板8のネジ穴8aは連通している。放熱板8と放熱板7は、ネジ12でヒートシンク9に固定されている。また、ネジ12とヒートシンク9とを絶縁するために、ネジ12とヒートシンク9との間にスペーサー11aが介在されている。
【0022】
右側(X方向)の半導体装置1では、当該半導体装置1の放熱板7に使用されるネジ12の高さ位置を他のネジ12の高さ位置を合わせるためにスペーサー11bが放熱板7の上面(Z方向の面)に配置され、スペーサー11bは放熱板7と共にネジ12で固定されている。また、ネジ12とヒートシンク9とを絶縁するために、ネジ12とヒートシンク9との間にスペーサー11aが介在されている。なお、図示しないが、各リード端子3~6は、半導体装置1が実装される基板に設けられたパターンに電気的に接続される。
【0023】
上記のように、放熱板7の先端部の下面の高さ位置と、放熱板8の基端部の上面の高さ位置は同じであることから、2つの半導体装置1が取付箇所から浮き上がることなく、右側(X方向)の半導体装置1が備える放熱板8と左側(-X方向)の半導体装置1が備える放熱板7とを密着させた状態で接続することができる。
【0024】
なお、放熱板7の先端部の下面の高さ位置と、放熱板8の基端部の上面の高さ位置が同じとは、完全に同じである場合だけではなく製造誤差などにより多少の違いがある場合も含むものとする。
【0025】
また、放熱板7,8のうちの一方に段差が設けられていればよく、放熱板7に段差が設けられていてもよい。
【0026】
以上のように、実施の形態1に係る半導体装置1は、ヒートシンク9に接続可能な半導体装置1であって、ドレイン電極とソース電極とを有する半導体素子と、上面視で矩形状に形成され、半導体素子を封止する封止樹脂2と、ドレイン電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺から突出する放熱板7と、ソース電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺と対向する第2の辺から突出する放熱板8と、ドレイン電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺と交差する第3の辺から突出するドレイン端子4と、ソース電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂の第3の辺から突出するソース端子5とを備え、放熱板7と放熱板8は、ヒートシンク9に固定可能である。
【0027】
したがって、例えば2つの半導体装置1を接続する場合に、一方の半導体装置1の放熱板7と、他方の半導体装置1の放熱板8とを接続することができるため、寄生インダクタンスが低減し、サージ電圧の発生を抑制することができる。
【0028】
また、放熱板7と放熱板8とをヒートシンク9に固定することで、半導体装置1の放熱性を向上させることができる。
【0029】
また、複数の製品を用いてブリッジ回路等を構成する際に、製品間または並列アーム間の回路パターンの対称性を保持しやすいため、製品間または並列アーム間の電流アンバランスを抑制することができる。
【0030】
また、放熱板7と放熱板8のうちの一方の放熱板は段差を有し、一方の放熱板の先端部の下面の高さ位置と他方の放熱板の基端部の上面の高さ位置は同じであるため、半導体装置1が取付箇所から浮き上がることなく、右側(X方向)の半導体装置1が備える放熱板8と左側(-X方向)の半導体装置1が備える放熱板7とを密着させた状態で接続することができる。
【0031】
また、放熱板7と放熱板8には、それぞれヒートシンク9に固定するためのネジ穴7a,8aが設けられているため、放熱板7,8同士の接続をネジ12により容易に行うことができる。
【0032】
<実施の形態1の変形例>
次に、実施の形態1の変形例について説明する。半導体素子は、MOSFET以外のトランジスタであってもよい。MOSFET以外のトランジスタとしては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等がある。または、半導体素子はダイオードであってもよい。以降の実施の形態においても同様である。
【0033】
次に、半導体素子がダイオードの場合の半導体装置1Aについて説明する。
図4は、実施の形態1の変形例に係る半導体装置1Aの斜視図である。
図5(a)は、半導体装置1Aの上面図であり、
図5(b)は、半導体装置1Aの正面図である。
【0034】
図4と
図5(a),(b)に示すように、半導体装置1Aは、半導体素子(図示しない)と、封止樹脂2と、第1の端子としての2本のカソード端子24と、第2の端子としての2本のアノード端子25と、第1の放熱板としての放熱板7と、第2の放熱板としての放熱板8とを備えている。
【0035】
2本のカソード端子24は、半導体素子のカソード電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺と交差する第3の辺から上方(Z方向)へ突出している。2本のアノード端子25は、半導体素子のアノード電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第3の辺から上方(Z方向)へ突出している。
【0036】
放熱板7は、半導体素子のカソード電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺からX方向へ突出している。放熱板8は、半導体素子のアノード電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺と対向する第2の辺から-X方向へ突出している。なお、半導体装置1Aのその他の構成については、半導体装置1の場合と同じであるため説明を省略する。
【0037】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2に係る半導体装置1Bについて説明する。
図6は、実施の形態2に係る半導体装置1Bの斜視図である。
図7(a)は、半導体装置1Bの上面図であり、
図7(b)は、半導体装置1Bの正面図である。
図8は、半導体装置1Bを複数接続してヒートシンク9に固定した状態を示す正面図である。なお、実施の形態2において、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0038】
図6~
図8に示すように、実施の形態2に係る半導体装置1Bは、表面実装型パッケージの半導体装置であり、実施の形態2では、実施の形態1に対して各端子の位置が異なっている。
【0039】
第1の端子としての2本のドレイン端子4は、上面視で封止樹脂2の第1の辺から上方(Z方向)に突出している。2本のドレイン端子4は、放熱板7よりも前側(-Y方向)に設けられている。
【0040】
第2の端子としての2本のソース端子5は、上面視で封止樹脂2の第2の辺から上方(Z方向)に突出している。2本のソース端子5は、放熱板7よりも前側(-Y方向)に設けられている。
【0041】
ゲート端子3とドライバソース端子6は、上面視で封止樹脂2の第2の辺から上方(Z方向)へ突出している。ゲート端子3とドライバソース端子6は、放熱板7よりも後側(Y方向)に設けられている。
【0042】
以上のように、実施の形態2に係る半導体装置1Bは、ヒートシンク9に接続可能な半導体装置1Bであって、ドレイン電極とソース電極とを有する半導体素子と、上面視で矩形状に形成され、半導体素子を封止する封止樹脂2と、ドレイン電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺から突出する放熱板7と、ソース電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺と対向する第2の辺から突出する放熱板8と、ドレイン電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第1の辺から突出するドレイン端子4と、ソース電極と電気的に接続され、上面視で封止樹脂2の第2の辺から突出するソース端子5とを備え、放熱板7と放熱板8は、ヒートシンク9に固定可能である。
【0043】
したがって、実施の形態1の場合と同様に、半導体装置1Bにおいて、サージ電圧の発生を抑制すると共に放熱性を向上させることができる。さらに、実施の形態1の場合よりも、ドレイン端子4とソース端子5との間の沿面距離を長くすることができるため、半導体装置1Bの高耐圧化が可能となる。
【0044】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3に係る半導体装置1Cについて説明する。
図9は、実施の形態3に係る半導体装置1Cの斜視図である。
図10(a)は、半導体装置1Cの上面図であり、
図10(b)は、半導体装置1Cの正面図である。
図11は、実施の形態3に係る半導体装置1Cを複数接続してヒートシンク9に固定した状態を示す正面図である。なお、実施の形態3において、実施の形態1,2で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0045】
図9~
図11に示すように、実施の形態3に係る半導体装置1Cは、スルーホール型パッケージの半導体装置であり、実施の形態3では、実施の形態1に対して放熱板8の形状が異なっている。具体的には、放熱板7と放熱板8は、封止樹脂2の同じ高さ位置から突出しており、かつ、段差を有していない。
【0046】
図11に示すように、ヒートシンク9の上面(+Z方向の面)には絶縁セラミック板13が設けられ、絶縁セラミック板13の上面(+Z方向の面)には銅パターン14が設けられている。銅パターン14と絶縁セラミック板13とを介してヒートシンク9の上面(+Z方向の面)に複数の半導体装置1Cを接続する際、それぞれ放熱板7のネジ穴7aと放熱板8のネジ穴8aにネジ12が挿通されている。また、ネジ12とヒートシンク9とを絶縁するために、ネジ12とヒートシンク9との間にスペーサー11aが介在されている。
【0047】
実施の形態3では、左側(-X方向)の半導体装置1Cが備える放熱板7と右側(X方向)の半導体装置1Cが備える放熱板8とが直接接続されていないが、これらは銅パターン14を介して電気的に接続されている。これにより、ドレイン端子4とソース端子5のインダクタンスを低減可能であり、ドレイン端子4とソース端子5とを低インピーダンスで接続可能となる。
【0048】
なお、実施の形態3に実施の形態2の各端子の配置位置を採用することも可能である。
【0049】
以上のように、実施の形態3に係る半導体装置1Cでは、放熱板7と放熱板8は、封止樹脂2の同じ高さ位置から突出しており、かつ、段差を有していない。半導体装置1Cは、スルーホール型パッケージの半導体装置であり、ヒートシンク9の上面(+Z方向の面)には絶縁セラミック板13が設けられ、絶縁セラミック板13の上面(+Z方向の面)には銅パターン14が設けられているため、ネジ締めにより、左側(-X方向)の半導体装置1Cが備える放熱板7と右側(X方向)の半導体装置1Cが備える放熱板8とを銅パターン14を介して電気的に接続可能となる。
【0050】
これにより、実施の形態1の場合と同様に、半導体装置1Cにおいて、サージ電圧の発生を抑制すると共に放熱性を向上させることができる。さらに、放熱板7と放熱板8とを直接接続しないため、スペーサー11bが不要となり、実施の形態1の場合よりも、スペーサーの種類を削減することができる。
【0051】
<実施の形態4>
次に、実施の形態4に係る半導体装置1Dについて説明する。
図12は、実施の形態4に係る半導体装置1Dの斜視図である。
図13(a)は、半導体装置1Dの上面図であり、
図13(b)は、半導体装置1Dの正面図である。
図14は、実施の形態4に係る半導体装置1Dを複数接続してヒートシンク9に固定した状態を示す正面図である。なお、実施の形態4において、実施の形態1~3で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0052】
図12~
図14に示すように、実施の形態4に係る半導体装置1Dは、スルーホール型パッケージの半導体装置であり、実施の形態4では、実施の形態3に対して放熱板7と放熱板8には、それぞれネジ穴7a,8aが設けられていない。そのため、放熱板7と放熱板8は、はんだ15を介して銅パターン14に接合されている。
【0053】
なお、実施の形態4に実施の形態2の各端子の配置位置を採用することも可能である。
【0054】
以上のように、実施の形態4に係る半導体装置1Dでは、放熱板7と放熱板8には、それぞれヒートシンク9に固定するためのネジ穴7a,8aが設けられていない。したがって、実施の形態1の場合と同様に、半導体装置1Dにおいて、サージ電圧の発生を抑制すると共に放熱性を向上させることができる。さらに、銅パターン14を介して放熱板7と放熱板8をヒートシンク9に固定する際にネジ12を使用しないため、スペーサー11a,11bが不要となる。
【0055】
<実施の形態5>
次に、実施の形態5に係る半導体装置1Eについて説明する。
図15は、実施の形態5に係る半導体装置1Eの斜視図である。
図16(a)は、半導体装置1Eの上面図であり、
図16(b)は、半導体装置1Eの正面図である。
図17は、半導体装置1Eを複数接続してヒートシンク9に固定した状態を示す正面図である。なお、実施の形態5において、実施の形態1~4で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0056】
図15~
図17に示すように、実施の形態5に係る半導体装置1Eは、スルーホール型パッケージの半導体装置であり、実施の形態5では、実施の形態4に対して、放熱板8の基端部8cが封止樹脂2の内周側へ延在し、封止樹脂2におけるヒートシンク9に固定される面(-Z方向の面)とは反対側の面(Z方向の面)から露出している。すなわち、放熱板8の一部が封止樹脂2の上面(Z方向の面)から露出している。これにより、実施の形態1~4の場合よりも、放熱板8の露出面積が増加する。
【0057】
なお、実施の形態1~3に実施の形態5の放熱板8の構造を採用することも可能である。
【0058】
以上のように、実施の形態5に係る半導体装置1Eでは、放熱板8の基端部8cが封止樹脂2の内周側へ延在し、封止樹脂2におけるヒートシンク9に固定される面(-Z方向の面)とは反対側の面(Z方向の面)から露出している。したがって、実施の形態1の場合と同様に、半導体装置1Eにおいて、サージ電圧の発生を抑制すると共に放熱性を向上させることができる。さらに、実施の形態1~4の場合よりも、放熱板8の露出面積が増加するため、半導体装置1Eの放熱性をさらに向上させることが可能となる。
【0059】
なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1,1A,1B,1C,1D,1E 半導体装置、2 封止樹脂、4 ドレイン端子、5 ソース端子、7,8 放熱板、7a,8a ネジ穴、8b 段差、8c 基端部、9 ヒートシンク、24 カソード端子、25 アノード端子。