(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-27
(45)【発行日】2025-04-04
(54)【発明の名称】円筒形電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/152 20210101AFI20250328BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20250328BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20250328BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20250328BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20250328BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20250328BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20250328BHJP
H01M 50/562 20210101ALI20250328BHJP
【FI】
H01M50/152
H01M50/107
H01M50/184 D
H01M50/342 101
H01M50/548 201
H01M50/559
H01M50/566
H01M50/562
(21)【出願番号】P 2022501760
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(86)【国際出願番号】 JP2021003703
(87)【国際公開番号】W WO2021166631
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2020026265
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】322003798
【氏名又は名称】パナソニックエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 修二
(72)【発明者】
【氏名】福岡 孝博
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和彦
(72)【発明者】
【氏名】森 敏彦
【審査官】福井 晃三
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/098592(WO,A1)
【文献】特開平10-340714(JP,A)
【文献】特開2007-184270(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103656(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0219849(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0024258(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10-50/198
H01M 50/30-50/392
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板と負極板とがセパレータを介して巻回された電極体と、電解質と、前記電極体及び前記電解質を収容する有底円筒状の外装缶と、前記外装缶の開口部を塞ぐ封口体と、を有する円筒形電池であって、
前記封口体は、前記外装缶の開口部にガスケットを介してかしめ固定されるラプチャ板と、前記外装缶の開口部にかしめ固定されない外部端子と、を含み、
前記ラプチャ板は、電池内圧上昇時に破断する弁部を有し、
前記外部端子は、前記弁部の上面部に固定される、
円筒形電池。
【請求項2】
請求項1に記載の円筒形電池であって、
前記外部端子は、略中央部に上面部が窪んだ凹部を有し、
前記凹部において前記外部端子と前記弁部とが溶接される、
円筒形電池。
【請求項3】
請求項2に記載の円筒形電池であって、
前記外部端子は、板状に形成されると共に前記ラプチャ板との間に隙間を設けて配置される本体と、前記ラプチャ板に対して前記本体を支持する脚部と、を含む、
円筒形電池。
【請求項4】
請求項2に記載の円筒形電池であって、
前記ラプチャ板の上面部は、径方向において中央部に向かって傾斜するように形成され、
前記ラプチャ板の上面部と対向する前記外部端子の底面部は、前記ラプチャ板の上面部の形状に沿って形成される、
円筒形電池。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項に記載の円筒形電池であって、
前記凹部は、平面視において環状に形成される、
円筒形電池。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の円筒形電池であって、
前記外部端子は、アルミニウム又は鉄を主成分とする金属によって形成される、
円筒形電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、円筒形電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外装缶の開口部を塞ぐ封口体を有する円筒形電池が知られている(例えば、特許文献1)。上記円筒形電池の封口体では、ラプチャ板と金属板とが絶縁板を介して積層され、ラプチャ板と金属板とが溶接接合され封口体内部の電流経路を形成している。封口体では、異常時に電池の内圧が上昇するとラプチャ板が変形して金属板を破断して上記電流経路を遮断し、さらに内圧が上昇するとラプチャ板が破断してガスの排出口を形成する。
【0003】
ところで、上記円筒形電池は、例えば携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、又はノート型パソコン等の電子機器の電源として使用される。円筒形電池が電子機器の内部に組み込まれる際には、円筒形電池同士を接続するために、正極外部端子及び負極外部端子にリード板が接合される。近年では、当該接合にあたってワイヤーボンディング、レーザ溶接、抵抗溶接等の多様な接合方法が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記円筒形電池では、ラプチャ板が正極外部端子となるため、接合方法によっては熱又は衝撃がラプチャ板と金属板の接合部に加わる場合がある。このとき、溶接時の熱又は衝撃によってラプチャ板から金属板が外れ、封口体の機能損失につながるおそれがある。また、上記の円筒形電池に従来の端子キャップを適用した場合、ガスの排出能力を阻害するおそれがある。
【0006】
本開示の目的は、正極外部端子にリード板を溶接する際の封口体の機能損失を回避することができると共にガスの排出機能に優れた円筒形電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様である円筒形電池は、正極板と負極板とがセパレータを介して巻回された電極体と、電解質と、電極体及び電解質を収容する有底円筒状の外装缶と、外装缶の開口部を塞ぐ封口体と、を有する円筒形電池であって、封口体は、外装缶の開口部にガスケットを介してかしめ固定されるラプチャと、外装缶の開口部にかしめ固定されない外部端子とを含み、ラプチャ板は、電池内圧上昇時に破断する弁部を有し、外部端子は、弁部の上面部に固定される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、正極外部端子にリード板を溶接する際の封口体の機能損失を回避することができると共にガスの排出機能に優れた円筒形電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態の一例である円筒形電池の断面図である。
【
図2】実施形態の一例である封口体及びその近傍の拡大図である。
【
図3】実施形態の他の一例である円筒形電池の封口体及びその近傍の拡大図である。
【
図4】実施形態の他の一例である円筒形電池の封口体及びその近傍の拡大図である。
【
図5】実施形態の他の一例である円筒形電池の封口体及びその近傍の拡大図である。
【
図6】実施形態の他の一例である円筒形電池の封口体及びその近傍の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料及び個数は、説明のための例示であって、円筒形電池の仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。
【0011】
図1を用いて、円筒形電池10について説明する。
図1は、円筒形電池10の断面図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態の一例である円筒形電池10は、電極体14と、電解質と、電極体14及び電解質を収容する外装缶20と、外装缶20の開口部を塞ぐ封口体30とを有する。電極体14は、正極板11と、負極板12と、セパレータ13とを含み、正極板11と負極板12とがセパレータ13を介して渦巻き状に巻回された構造を有する。また、以下では、説明の便宜上、円筒形電池10の封口体30側(外装缶20の開口部側)を上、外装缶20の底面部20A側を下とする。
【0013】
正極板11は、正極芯体と、当該芯体の少なくとも一方の面に形成された正極合剤層とを有する。正極芯体には、アルミニウム、アルミニウム合金等、正極板11の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。正極合剤層は、正極活物質、アセチレンブラック等の導電剤、及びポリフッ化ビニリデン等の結着剤を含み、正極芯体の両面に形成されることが好ましい。正極活物質には、例えばリチウム遷移金属複合酸化物が用いられる。正極板11は、正極芯体上に正極活物質、導電剤、及び結着剤等を含む正極合剤スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、塗膜を圧縮して正極合剤層を芯体の両面に形成することにより製造できる。
【0014】
負極板12は、負極芯体と、当該芯体の少なくとも一方の面に形成された負極合剤層とを有する。負極芯体には、銅、銅合金等の負極板12の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極合剤層は、負極活物質、及びスチレン-ブタジエンゴム(SBR)等の結着剤を含み、負極芯体の両面に形成されることが好ましい。負極活物質には、例えば黒鉛、シリコン含有化合物等が用いられる。負極板12は、負極芯体上に負極活物質、結着剤等を含む負極合剤スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、塗膜を圧延して負極合剤層を芯体の両面に形成することにより製造できる。
【0015】
電解質には、例えば非水電解質が用いられる。非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む。非水溶媒には、エステル類、エーテル類、ニトリル類、アミド類、及びこれらの2種以上の混合溶媒等を用いることができる。非水溶媒は、これら溶媒の水素の少なくとも一部をフッ素等のハロゲン原子で置換したハロゲン置換体を含有していてもよい。なお、非水電解質は液体電解質に限定されず、固体電解質であってもよい。電解質塩には、例えばLiPF6等のリチウム塩が使用される。電解質の種類は特に限定されず、水系電解質であってもよい。
【0016】
円筒形電池10は、電極体14の上下にそれぞれ配置された絶縁板15,16を有する。
図1に示す例では、正極板11に接続された正極リード17が絶縁板15の貫通孔を通って封口体30側に延び、負極板12に接続された負極リード18が絶縁板16の外側を通って外装缶20の底面部20A側に延びている。正極リード17は封口体30の底板である金属板31の下面に溶接等で接続され、金属板31と電気的に接続された封口体30のラプチャ板33が正極外部端子となる。負極リード18は外装缶20の底面部20Aの内面に溶接等で接続され、外装缶20が負極外部端子となる。
【0017】
円筒形電池10は、上述したように、外装缶20と、外装缶20の開口部を塞ぐ封口体30とを有する。外装缶20は、底面部20Aと側面部20Bとを含む、有底円筒状の金属製容器である。底面部20Aは円板状を呈し、側面部20Bは底面部20Aの外周縁に沿って円筒状に形成される。封口体30は、外装缶20の開口部にガスケット21を介してかしめ固定されるラプチャ板33を有する。
【0018】
より詳細には、ラプチャ板33は、外装缶20の溝入部20Cによって支持され、外装缶20の肩部20Dによってかしめ固定される。溝入部20Cは、外装缶20の開口部近傍において側面部20Bの一部が内側に張り出して、外装缶20の周方向に沿って環状に形成される。肩部20Dは、開口端部において外装缶20の周方向に沿って環状に形成される。
【0019】
図1及び
図2を用いて、封口体30について詳細に説明する。
図2は、封口体30及びその近傍の拡大図である。
【0020】
封口体30は、上述したように外装缶20の開口部を塞ぐ円盤状の部材であって、電流遮断機構及び安全弁としての機能を有する。封口体30は、電極体14側から順に、金属板31、絶縁板32、ラプチャ板33及び外部端子35が積層された構造を有する。ラプチャ板33には、電池内圧上昇時に破断する弁部33Bが形成される。
【0021】
金属板31は、正極リード17が接続される環状部31Aと、電池の内圧が所定の閾値を超えたときに環状部31Aから切り離される薄肉の中央部31Bとを含む金属板である。絶縁板32は、金属板31の中央部31Bと弁部33Bとの接続部分以外の部分を絶縁する板である。絶縁板32には、径方向中央部に開口部32Aが形成されている。
【0022】
ラプチャ板33は、絶縁板32を挟んで金属板31と対向して配置される。ラプチャ板33は、平面視において円状に形成され、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金の板材のプレス加工により作製される。ラプチャ板33は、外装缶20の溝入部20Cに支持され、外装缶20の肩部20Dによってかしめ固定される外周部33Aを有する。外周部33Aの上面部に段差部33Sが形成され、外周部33Aの内側に弁部33Bが形成される。
【0023】
弁部33Bは、電池内圧上昇時に破断して電池内部のガスを排出する安全弁として機能する。弁部33Bは、径方向の断面視において、外側から内側に向かって下方へ傾斜する傾斜部33Cと、電池の内側に向けて突出した突起を有する中央部33Dとを含む。傾斜部33Cは外周部33Aと中央部33Dの間に介在しており、傾斜部33Cの厚みは外周部33A及び中央部33Dの厚みに比べて小さい。また、傾斜部33Cの厚みは、中央部33D側から外周部33A側へ向けて連続的に減少している。傾斜部33Cを形成することで、電池内圧上昇時の弁部33Bの反転及び破断が容易となる。中央部33Dの突起は、絶縁板32の開口部32Aを介して金属板31の中央部31Bと溶接等で接続されている。
【0024】
円筒形電池10では、正極リード17が接続された金属板31と、ラプチャ板33とが電気的に接続されることで、電極体14からラプチャ板33につながる電流経路が形成される。また、円筒形電池10は、上述したように電池内部のガスが上昇した場合には、安全性を確保するため電流遮断機構及び安全弁が作動する。
【0025】
円筒形電池10の内圧が上昇すると、金属板31が破断して中央部31Bが環状部31Aから切り離され、弁部33Bが反転するように変形する。これにより、電流経路が遮断される。電池の内圧がさらに上昇すると、上述したように弁部33Bが破断してガスの排出口が形成される。
【0026】
外部端子35は、例えば円筒形電池10を電子機器の内部に組み込む際に、円筒形電池10同士を直列又は並列で接続するための正極外部端子である。外部端子35は、外装缶20の開口端(肩部20Dの内周端に対応する部分)の内側において、ラプチャ板33の上面部に設けられる。また、外部端子35は、ラプチャ板33に形成される弁部33Bの上面部に固定される。なお、外部端子35は、外装缶20の開口部にかしめ固定されない。これにより、弁部33Bに形成されたガスの排出口が外部端子35で塞がれるのを防止することができ、円筒形電池10の優れたガス排出機能を確保することができる。
【0027】
外部端子35は、金属製であって、例えばアルミ又は鉄を主成分とする金属によって形成される。本実施形態の外部端子35は、金属板をプレス加工して作製され、略円盤状に形成される。外部端子35は、円板状の本体35Aと、本体35Aの略中央部に形成される凹部35Bと、本体35Aの外周縁に形成される脚部35Cとを含む。
【0028】
本体35Aは、上述したリード板が溶接される部分である。本体35Aは、平坦な円板状に形成される。本体35Aが平坦に形成されることによって、溶接面積をできるだけ広くすることができ、外部端子35にリード板を溶接する際の溶接作業が容易となる。
【0029】
本体35Aの上下方向の位置は、凹部35Bの高さ及び脚部35Cの高さを変更することによって変更可能である。これにより、例えば電子機器における円筒形電池10の組み込みスペース、又は電子機器における円筒形電池10を接合するリード板の位置等に対応して本体35Aの高さを変更することができる。本実施形態の本体35Aの上端位置は、外装缶20の肩部20Dの上端位置よりも上側の位置であることが好ましい。なお、リード板を肩部20Dの上端位置に溶接する場合、本体35Aの上端位置を肩部20Dの上端位置と同一平面に配置してもよい。
【0030】
本体35Aは、ラプチャ板33との間に隙間を設けて配置される。これにより、外部端子35に上述したリード板を接合する際に、ラプチャ板33と金属板31の接合部が当該接合による振動又は熱の影響を受けにくい。例えば、高周波の振動を伴うワイヤーボンディング、レーザ溶接による接合が行われる場合であっても、弁部33Bから金属板31が外れるような封口体30の機能損失が回避される。
【0031】
凹部35Bは、本体35Aの略中央部において形成される。本実施形態の外部端子35では、凹部35Bの底面部がレーザ溶接によって弁部33Bと接合される。凹部35Bの底面部の厚みを調整することにより、レーザの負荷を適正化することができる。
【0032】
脚部35Cは、外部端子35の外周縁部又は外周縁部の一部を下方に折り曲げて形成される。本実施形態では、脚部35Cが斜め下方に折り曲げて形成されるが、鉛直下方に折り曲げて形成されてもよい。本実施形態の脚部35Cは、平面視において本体35Aの外周縁において任意の位置に凸状に形成されるが、平面視において本体35Aの半周又は全周に形成される構成であってもよい。
【0033】
脚部35Cは、ラプチャ板33の外周部33Aに形成される段差部33Sに係合することによってラプチャ板33に対して本体35Aを支持することができる。これにより、外部端子35をラプチャ板33に溶接する際に、容易に外部端子35の位置決めをすることができる。
【0034】
上述のとおり、円筒形電池10によれば、正極側にリード板を溶接する際の封口体30の機能損失を回避することができると共に優れたガス排出機能を確保することができる。
【0035】
図3を用いて、実施形態の他の一例である外部端子35について詳細に説明する。
図3は、封口体30及びその近傍の拡大図である。
【0036】
実施形態の他の一例である外部端子35は、円板状の本体35Aと、本体35Aの略中央部に形成される環状の凹部35Bと、ラプチャ板33に対して本体35Aを支持する脚部35Cとを含む。本実施形態の外部端子35では、環状の凹部35Bに囲まれた本体35Aに上述したリード板が溶接される。上記構成以外は、
図2で示した外部端子35と同様の構成である。
【0037】
本実施形態の外部端子35によれば、凹部35Bを環状に形成することによって、凹部35Bの底面部の面積を広くすることができる。これにより、例えば、凹部35Bの底面部と弁部33Bとをスポット溶接にて接合する場合に、溶接箇所を複数確保することができる。
【0038】
図4を用いて、実施形態の他の一例である外部端子35について詳細に説明する。
図4は、封口体30及びその近傍の拡大図である。
【0039】
実施形態の他の一例である外部端子35は、所定の厚みを有する円盤状の本体35Aと、本体35Aの略中央部に形成される凹部35Bとを含む。本体35Aは、所定の厚みを有する。本体35Aの底面部は、ラプチャ板33の上面部に沿うように形成される。本体35Aの上面部は、平坦に形成される。
【0040】
本実施形態の外部端子35によれば、本体35Aが所定の厚みを有することによって、外部端子35にリード板を溶接する際に、例えばレーザの出力等の溶接負荷を大きくする必要があっても当該溶接負荷に耐えることができる。また、外部端子35と弁部33Bとの接合においては、本体35Aの厚みと比較して薄く形成される凹部35Bと弁部33Bとがレーザ溶接によって接合されることによって、レーザ溶接の負荷を低減することができる。
【0041】
図5を用いて、実施形態の他の一例である外部端子35について詳細に説明する。
図5は、封口体30及びその近傍の拡大図である。
【0042】
実施形態の他の一例である外部端子35は、円盤状の本体35Aと、本体35Aの略中央部に形成される環状の凹部35Bとを含む。外部端子35では、環状の凹部35Bに囲まれた本体35Aに上述したリード板が溶接される。上記構成以外は、
図4で示した外部端子35と同様の構成であって同様の効果を奏する。また、
図3で示した外部端子35と同様に、凹部35Bを環状に形成することによって、弁部33Bとの溶接に使用される凹部35Bの底面部の面積を広くすることができる。
【0043】
図6を用いて、実施形態の他の一例である外部端子35について詳細に説明する。
図6は、封口体30及びその近傍の拡大図である。
【0044】
実施形態の他の一例である外部端子35は、所定の厚みを有する円盤状のみから形成される。外部端子35は、弁部33Bの中央部33Dの上面に接合される。外部端子35の径方向の大きさは、弁部33Bの中央部33Dの径方向の大きさより小さい。本実施形態の外部端子35によれば、外部端子35を所定の厚みを有する円盤状のみとすることによって、加工費を削減することができる。
【0045】
なお、本発明は上述した実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0046】
10 円筒形電池、11 正極板、12 負極板、13 セパレータ、14 電極体、15 絶縁板、16 絶縁板、17 正極リード、18 負極リード、20 外装缶、20A 底面部、20B 側面部、20C 溝入部、20D 肩部、21 ガスケット、30 封口体、31 金属板、31A 環状部、31B 中央部、32 絶縁板、32A 開口部、33 ラプチャ板、33A 外周部、33B 弁部、33C 傾斜部、33D 中央部、33S 段差部、35 外部端子、35A 本体、35B 凹部、35C 脚部