(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-27
(45)【発行日】2025-04-04
(54)【発明の名称】ピッキングデバイス用グリッパおよびピッキングデバイスを操作するための方法
(51)【国際特許分類】
B25J 15/08 20060101AFI20250328BHJP
【FI】
B25J15/08 C
B25J15/08 U
(21)【出願番号】P 2022545414
(86)(22)【出願日】2021-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2021051196
(87)【国際公開番号】W WO2021151757
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2023-10-13
(32)【優先日】2020-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516389064
【氏名又は名称】ベクトン・ディッキンソン・ロワ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ブロコニエ
(72)【発明者】
【氏名】ハーディー シュミット-エリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ベルント ネリンゲル
(72)【発明者】
【氏名】ディートマル グロス
(72)【発明者】
【氏名】ヨッヒェン ダウメン
【審査官】國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-529599(JP,A)
【文献】国際公開第2019/015815(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0377050(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
B65G 1/137
47/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物パッケージの保管のための水平
な保管面を有するピッキングデバイス
に用
いられるグリッパ(1)であって、
制御デバイス(4)と、
第1の水平方
向および前記第1の水平方向に直交する第2の水平方
向に延び、前記
第2の水平方向に延びる弧状のフロント(71)を備える端部(70)を有
するトレイテーブル(10)であって、前記端部(70)は、ロードおよびアンロードフロントを形成し、
前記トレイテーブル(10
)は、
前記端部(70)によって上部支持面を画定する、トレイテーブル(10)と、
前記トレイテーブル(10)の上方に配置され、および薬物パッケージを水平
な保管面から前記トレイテーブル(10)上に移動させるために、前記第1の水平方向において移動可能である、輸送デバイス(20a、20b)と、
を含み、
前記グリッパ(1)は、薬物パッケージの存在を判定するために前記
上部支持面の下方
で前記端部(70)に配置される、
前記制御デバイス(4)に結合される
少なくとも3つのセンサを含み、前記
少なくとも3つのセンサは、前記
第2の水平方向において互いからある距離を置いて
前記端部(70)に配置され
、
少なくとも1つの
内側センサ(73b)は、前記
第2の水平方向において
外側センサ(73a)の内側に配置され
、
前記外側センサ(73a)は、前記第1の水平方向において、前記内側センサ(73b)からある距離を置いて配置され
、
前記
少なくとも3つのセン
サは、弧状に延びる前記フロント(71)に
沿って配置されることを特徴とする
、グリッパ(1)。
【請求項2】
前記センサ(73、73a、73b)は、前記センサが実質上、弧状の
前記フロント(71)から同一の距離であるように
、前記第1の水平方向において互い
からある距離を置いて
配置されていることを特徴とする請求項1に記載の、薬物パッケージの保管のための水平
な保管面を有するピッキングデバイス
に用
いられるグリッパ(1)。
【請求項3】
前記輸送デバイスは、前記
第1の水平方向に延び前記トレイテーブル(10)の上方に配置される2つの細長いクランプジョー(20a、20b)を含み、クランプ面(21a、21b)は互いに向かい合っており、前記クランプジョーのうちの少なくとも1つは、前記第2の水平方向において少なくとも部分において付加的に移動可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の、薬物パッケージの保管のための水平
な保管面を有するピッキングデバイス
に用
いられるグリッパ(1)。
【請求項4】
前記センサ(73、73a、73b)は、前記
第1の水平方向に延びる前記トレイテーブル(10)の中心軸(MA)に関して鏡面対称に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の、薬物パッケージの保管のための水平
な保管面を有するピッキングデバイス
に用
いられるグリッパ(1)。
【請求項5】
前記端部は、前記トレイテーブル(10)から取り外し可能なセンサアセンブリ(72)として形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の、薬物パッケージの保管のための水平
な保管面を有するピッキングデバイス
に用
いられるグリッパ(1)。
【請求項6】
前記端部(70)の前記弧状のフロント(71)は、円弧状に湾曲されており、対応する円の中心は、前記トレイテーブル(10)の垂直回転軸(VA)に位置していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の、薬物パッケージの保管のための水平
な保管面を有するピッキングデバイス
に用
いられるグリッパ(1)。
【請求項7】
前記グリッパは、
枠組構造(31、32、33a、33b)を備えるジョーガイドアセンブリ(30)、
平行におよび前記第1の水平方
向に延び前記第1の水平方向を横断する前記第2の水平方
向において互いから間隔が空けられた少なくとも第1および第2のガイド(35、36)、および
前記ガイド(35、36)に結合されおよび前記第2の水平方
向に駆動される、少なくとも4つのジョーキャリッジ(40a、40b、41a、41b)であって、2つの第1のジョーキャリッジ(40a、40b)は、前記第1のガイド(35)に割り当てられ、および2つの第2のジョーキャリッジ(41a、41b)は、前記第2のガイド(36)に割り当てられ、および前記第1の水平方
向において間隔が空けられた少なくとも2つのジョーキャリッジ(40a、41a;40b、41b)は、クランプジョー(20a、20b)に結合される、ジョーキャリッジ、および
前記ジョーガイドアセンブリ(30)を前記第1の水平方
向に駆動するための前記ジョーガイドアセンブリに結合される駆動ユニット(60、61a、61b、62a、62b)、
をさらに含むことを特徴とする
、請求項3から6のいずれか一項に記載の、薬物パッケージの保管のための水平
な保管面を備えるピッキングデバイス
に用
いられるグリッパ(1)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の、グリッパ(1)のトレイテーブル(10)上への薬物パッケージ(6、6’)の移動を検証するための方法であって、
a)前記輸送デバイスは、前記
第1の水平方向に少なくとも1つの薬物パッケージ(6、6’)の保管場所(80)に移動され、および前記少なくとも1つの薬物パッケージは、グリップされ、
b) 前記輸送デバイスは、前記保管場所(80)から前記
第1の水平方向に前記トレイテーブル(10)に移動され、
c) 前記端部(70)の前記センサ(73、73a、73b)によって前記輸送デバイスを前記
第1の水平方向に移動させた後、薬物パッケージ(6’)が前記センサの検出領域に存在するかどうかがチェックされ、および、
d) チェックがポジティブである場合、第1の誤った除去試行を示す信号が提出されることを特徴とする、グリッパ(1)のトレイテーブル(10)上への薬物パッケージ(6、6’)の移動を検証するための方法。
【請求項9】
前記輸送デバイスは、
前記第1の水平方向に延び、前記トレイテーブル(10)の上方に配置され
、相互に向かい合うクランプ面(21a、21b)を備える、2つの細長
いクランプジョー(20a、20b)を含み、
ステップd)によるポジティブチェックの場合には、前記クランプジョー(20a、20b)は、前記
第2の水平方向に開かされ、および前記
第1の水平方向に前記保管場所(80)に再び移動させられ、
前記端部(70)に配置された薬物パッケージは、前記クランプジョー(20a、20b)によってグリップされ、
前記方法のステップb)およびc)が実行され、および
このチェックがポジティブである場合、第2の誤った除去試行を示す信号が提供されることを特徴とする請求項8に記載の、グリッパ(1)のトレイテーブル(10)上への薬物パッケージ(6、6’)の移動を検証するための方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの薬物パッケージ(6)を前記トレイテーブルに向って移動させるとき、薬物パッケージ(6)の幅は、前記トレイテーブル内に配置された前記センサ(73、73a、73b)によって決定され、
前記決定された幅は、前記制御デバイス(4)に既知の所望の幅と比較され、および
薬物パッケージの前記決定された幅と所望の幅との間の限界偏差が超過されたとき、対応する信号が提供されることを特徴とする請求項
8または9に記載の、グリッパ(1)のトレイテーブル(10)上への薬物パッケージ(6、6’)の移動を検証するための方法。
【請求項11】
限界偏差の超過を示す信号を提供した後に、前記グリッパ(1)は、アンロードステーションへ向かって移動され、および存在数前記薬物パッケージは、前記アンロードステーションに移されることを特徴とする請求項10に記載の、グリッパ(1)のトレイテーブル(10)上への薬物パッケージ(6、6’)の移動を検証するための方法。
【請求項12】
第1の水平方向に直交して延びる第2の水平方向に弧状に延びるフロント(71)と、
薬物パッケージの存在を判定するためにセンサアセンブリの表面の下に配置される
少なくとも3つのセンサ(73、73a、73b)であって、前記センサは、前記
第2の水平方向において互いからある距離を置いて配置され、
および前記
第2の水平方向におい
て外側
のセンサは、前記
第2の水平方向においてさらに内側に配置される少なくとも1つのセンサ(73b)から、
前記第1の水平方向においてある距離をおいて配置され、その結果、前記センサの前記配置は、弧状に延びる
前記フロントに向かって配向される、複数のセンサ(73、73a、73b)と、
薬物のためのピッキングデバイスのグリッパ(1)のトレイテーブル(10)上への薬物パッケージ(6、6’)の移動を検証するための、前記センサアセンブリを制御デバイスに接続させるためのインターフェースと、
を備える
センサアセンブリ(72)の使用であって、
前記センサアセンブリ(72)は、前記トレイテーブル(10)に着脱可能に形成されており、前記トレイテーブル(10)に取り付けられたとき、前記弧状に延びるフロント(71)は、前記トレイテーブル(10)の端部を構成することを特徴とするセンサアセンブリ(72)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピースグッズ、特に薬物パッケージ(drug packages)のためのピッキングデバイス用グリッパ、およびピッキングデバイスを操作するため、特に、そのようなグリッパのトレイテーブル上への薬物パッケージの移動を検証するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物パッケージ用のピッキングデバイスのための知られているオペレーティングシステムのグリッパでは、グリッパのトレイテーブルのロードおよびアンロード面(loading and unloading face)は一直線である。このフロントは、トレイテーブル上にまたはトレイテーブルから保管場所(storage location)に薬物パッケージを移動させるために移動され、保管場所は、例えば、薬物パッケージをピッキングデバイスの中または外に移動させるための棚またはコンベヤベルトであってもよい。この目的のために、それ自体のトレイテーブルを備えたグリッパは、トレイテーブルの長手方向軸に沿って保管場所に前方に移動され得る。あるいはまた、グリッパは、トレイテーブルが保管場所に近づくために枢動(pivoted)または回転され得る。ストレートフロントは、次いで、回転運動または枢動運動のみを実行するときに、隙間(gap)がフロントと保管場所との間に残ることを必要とし、隙間の幅は、トレイテーブルの幅に依存する。より大きなグリッパを対応する広いトレイテーブルと共に使用するとき、この隙間はますます広くなり、その結果、そのような場合には、グリッパを枢動または回転させた後にグリッパを移動させることによって隙間を低減させる必要がある。あるいはまた、トレイテーブルのフロントを曲げる方法で形成し得る。これは、グリッパを位置決めするための枢動または回転運動の後、隙間が、湾曲したフロントの少なくとも中央において、より小さくなるが、トレイテーブルの両側(sides)まで増大することを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
薬物パッケージを保管場所からトレイテーブル上に移動させるとき、薬物パッケージが保管場所とトレイテーブルのフロントとの間の隙間にぶら下がったままであり、およびトレイテーブル上に部分的に引き出されているだけであることが起こり得る。ストレートフロントの側部(side)を持つ知られているグリッパの場合、これは保管場所に面したトレイテーブルのフロントに配置されたライトバリア(light barrier)によって検出され、薬物が固着されたのを検出し得る。
【0004】
しかしながら、湾曲したフロントの設計に応じて、トレイテーブルの一部が残っており、これはライトバリアでは検出できず、なぜならば、このライトバリアは、トレイテーブルがまだ曲がっていないトレイテーブルの領域に配置されなければならないからである。これは、ライトバリアの検出領域内に延びないそのような誤った取り外しが認識されず、および操作デバイス(操作デバイス)は、薬物パッケージがトレイテーブルのフロントの曲がった部分に部分的に置かれているにもかかわらず、グリッパへの薬物パッケージの正しい移動を引き受ける(assumes)原因となる。
【0005】
本発明の目的は、トレイテーブルの湾曲したフロントを用いてさえも、グリッパのトレイテーブル上への薬物パッケージの誤った移動が検出され得るグリッパを提供することである。本発明の別の目的は、トレイテーブル上への薬物パッケージの移動を検証するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の薬物パッケージの保管のための水平保管面を有するピッキングデバイスのためのグリッパによって達成される。本発明によるグリッパは、第1の水平方向(X方向)および第1の水平方向に直交する第2の水平方向(Y方向)に延び、Y方向に延びる弧状のフロントを有する端部を有し、前記端部はロードおよびアンロードフロント(loading and unloading front)を形成するトレイテーブルを備え、前記トレイテーブルおよび前記端部は、上部支持面を画定する。フロントの弧状の設計は、グリッパ自体がY方向に移動することを可能にすることなく、グリッパのフロントと保管場所のフロントとの間に隙間があまり広く残らないような方法で、Y方向に延びるグリッパが保管場所の前方で回転されることを可能にもする。
【0007】
第1の水平方向に移動可能な輸送デバイス(transport device)は、薬物パッケージを水平保管面からトレイテーブル上に移動させるために、トレイテーブルの上方に配置される。薬物パッケージを把持するために、輸送デバイスはまず、X方向に薬物パッケージの保管場所に移動される。輸送デバイスが適切に位置決めされると、薬物パッケージは把持され、および輸送デバイスは再びX方向にトレイテーブルに向かって移動され、それによって薬物パッケージをトレイテーブル上に引き出す。この引き出し動作(pulling movement)では、薬物パッケージは、弧状のフロントを有する端部の上を移動される。薬物パッケージがどのように正確に把持されるかは、輸送デバイスの正確な設計に依存して異なる。本発明によれば、輸送デバイスという用語は、それを用いて薬物パッケージが保管面からトレイテーブル上に移動され得る全てのデバイスを網羅することが意図される。例えば、輸送デバイスは吸引アーム(suction arm)として設計されているかまたはそのようなものを含み、それによって薬物パッケージはトレイテーブル上に引き出されることが考えられる。
【0008】
本発明によるグリッパでは、制御デバイスに結合された複数の(3つ以上の)センサは、薬物パッケージの存在を判定するために支持面の下方の端部に配置され、センサは、Y方向に互いから距離を置いて配置され、およびY方向には、外部センサは、Y方向にさらに内側に配置された少なくとも1つのセンサからX方向に距離を置いて配置され、その結果、センサの配置は、弧状に延びるフロントに向かって配向される。
【0009】
センサは、フロントの弧状の形状に正確に位置合わせ(aligned)される必要はない。また、例えば、X方向のオフセットは線形であることも考えられる。弧状の形状との位置合わせは不要であるが、これは好ましい。したがって、好ましい実施形態では、センサが弧状のフロントから実質的に同じ距離であるように、すなわち、フロントの弧状の形態と位置合わせされるように、センサがX方向に互いに距離を置くことが提供される。「実質的に同じ距離」という記述(formulation)はまた、フロントからの距離が製造に起因してわずかに変化するそのような配置を含む。センサの対応する配置は、例えば薬物パッケージが端部の外側領域内にわずかに位置する場合に、薬物パッケージの誤った移動に関して非常に正確な検出を可能にする。
【0010】
前述の制御デバイスは、グリッパ自体の一部であってもよいが、ピッキングデバイスの異なる場所に配置されていてもよい。
端部および支持面の下方のセンサの配置のために物体(object)の存在を検出することができる任意のセンサが使用され得る。センサは、例えば、光スキャナ、光センサまたは触覚センサの原理に基づいて動作してもよく、本発明のためのセンサの正確な構成は、本発明の配置において、センサが端部にピースグッズの存在を検出できることが保証されている限り、必須ではない。
【0011】
本発明によるグリッパにより、薬物パッケージがしたがって移行領域(transition area)保管場所/トレイテーブルにおいてぶら下がったままである薬物パッケージのそのような誤った移動または除去(removal)を検出し、その結果、パッケージがトレイテーブルの端部のみに載る(rests)ようにすることも可能である。そのような場合において、トレイテーブルの平行部分にのみ配置され得るライトバリアを使用すると、そのような誤った取り外しは検出されない。しかしながら、本発明による支持面の下方の少なくとも1つのセンサの使用および配置は、そのような検出を可能にする。前述のセンサの使用は、ライトバリアよりも安価であるという付加的な利点を有する。
【0012】
本出願において、薬物パッケージが言及されている場合、技術的に道理にかなっている場合、いくつかの薬物パッケージも含まれるべきである。したがって、薬物パッケージの適切な配置により、いくつかの薬物パッケージを保管場所からトレイテーブル上に移動させることが可能である。
【0013】
上述されるように、輸送デバイスは、例えば、吸引アームとして設計され得るか、またはそのようなものを含み得る。そのような設計は構造的にはかなり単純であるが、いくつかの薬物パッケージが同時に保管面からトレイ上に移動することは不可能であり、および非常に重い薬物パッケージの移動は困難を伴ってのみ可能である。
【0014】
したがって、本発明による吸引グリッパの好ましい実施形態では、輸送デバイスは、X方向に延びおよびクランプ面(clamping surfaces)が互いに向かい合っている2つの細長いクランプジョー(clamping jaws)を含むことが好ましく、クランプジョーの少なくとも1つは、少なくとも第2の水平方向のセクションで、付加的に移動可能である。輸送デバイスのこの実施形態では、いくつかの薬物パッケージは、同時に移動され得る。さらに、より重い薬物パッケージは、対応するクランプ力(clamping force)を加えたときに、移動され得る。クランプジョーの使用はまた、トレイテーブルから保管面または配送場所(delivery location)への薬物パッケージの移動の場合に薬物パッケージをガイドすることができるという利点を有する。さらに、そのようなグリッパは、保管面上の薬物パッケージを第2の水平方向に沿って移動させるために使用され得る。
【0015】
センサは、上述されるように、薬物パッケージがトレイテーブル上に移動するときにトレイテーブルの端部に固着(stuck)したかどうかを検出する役割を果たす。しかしながら、加えて、トレイテーブル上の端部の上に引き出されている薬物パッケージのおおよその幅を決定するためにセンサを使用することによって、除去された薬物パッケージに関する妥当性チェック(plausibility check)のためのセンサを使用することも可能である。これを可能にするために、本発明によるグリッパの好ましい実施形態では、複数のセンサが、X方向に延びるトレイテーブルの中心軸に関して鏡面対称に(mirror-symmetrically)配置されることが提供される。センサの鏡面対称配置の知識に基づいて、トレイテーブル上に移動された薬物パッケージのおおよその幅を簡単に結論付けることができる。センサの数に応じて、「解像度(resolution)」は妥当性チェック中に向上され得る。
【0016】
すでに述べられたように、端部は、本発明によるグリッパ内で弧状に形成される。薬物パッケージのフロントと保管場所との間の隙間が特に小さいことを確実にするために、好ましい実施形態では、端部の弧状のフロントが円弧状であり、対応する円の中心がトレイテーブルの回転の垂直軸に位置することが提供される。
【0017】
センサまたは複数のセンサの故障の場合にグリッパの長いダウンタイムを回避するために、好ましい実施形態では、少なくとも1つのセンサを含む端部が、トレイテーブルから取り外し可能なセンサアセンブリとして形成されることが提供される。センサアセンブリとして対応する設計は、場合によっては「通常(normal)」のオペレータにもよる、迅速な交換を可能にする。
【0018】
本発明によるグリッパでは、クランプジョーがX方向に移動可能であることが不可欠であり、これは、クランプジョーがトレイテーブルから保管場所におよび元どおりに(back again)移動可能であり、X方向はトレイテーブルの長手方向軸に通常は(regularly)対応することを意味する。薬物パッケージのクランプまたはグリップ(gripping)を確実にするために、クランプジョーの少なくとも1つがY方向に移動可能であることも必要である。薬物パッケージのグリップを特に効果的かつ効率的にするために、両方のクランプジョーがY方向に移動可能であり、および少なくとも1つが枢動可能であるようにも設計されることが有利である。これを達成するために、グリッパの好ましい実施形態において、グリッパが前述の動きを実行するためのジョーガイドアセンブリ(jaw guide assembly)を有することが提供される。このジョーガイドアセンブリは、フレーム構造と、平行におよび第2の水平方向に互いから間隔を置いて第1の水平方向に延びる少なくとも第1および第2のガイドと、ガイドに結合されおよび第2の水平方向に駆動される少なくとも4つのジョーキャリッジ(jaw carriages)とを備え、2つの第1のジョーキャリッジは、第1のガイドに関連付けられ、および2つの第2のジョーキャリッジは、第2のガイドに関連付けられ、および第1の水平方向に間隔を置いた少なくとも2つのジョーキャリッジは、クランプジョーに結合される。駆動ユニット(drive unit)は、ジョーガイドアセンブリとさらに結合され、その駆動ユニットでジョーガイドアセンブリは、第1の水平方向に駆動される。ガイドとジョーキャリッジとの組み合わせの使用は、クランプジョーを互いに向かってまたは互いから離れて均等に移動させ、およびジョーキャリッジが第1および第2のガイド上で同時に移動されないときに、クランプジョーの1つを枢動させることを可能にする。クランプジョーの移動機構の対応する実施形態は、クランプジョーのガイドに起因して、著しいクランプ力が、移動されるべき薬物パッケージに印加され得るというさらなる利点を有する。
【0019】
上記の目的は、さらに、請求項8に記載のピッキングデバイスのためのグリッパのトレイテーブル上への薬物パッケージの移動を検証する方法によって達成される。本発明による方法では、ステップa)において、輸送デバイスは、X方向に少なくとも1つの薬物パッケージの保管場所に移動され、および少なくとも1つの薬物パッケージはグリップされる。保管場所は、例えば、棚面(shelf surface)であってもよい。あるいはまた、保管場所はまた、例えば、薬物パッケージを棚面に移動させるために薬物パッケージがそこからグリップされるコンベヤベルトによって形成され得る。薬物パッケージを把持した後、輸送デバイスは、ステップb)で、保管場所からX方向にトレイテーブルに移動され、少なくとも1つの薬物パッケージは、端部の弧状のフロントを越えてトレイテーブルの支持面に移動される。輸送デバイスをX方向に移動させた後、少なくとも1つの薬物パッケージがセンサの検出領域内に存在するかどうかは、端部のセンサによってステップc)でチェックされる。もしこの場合には、薬物パッケージの少なくとも一部がトレイテーブルの端部にあることを意味し、保管場所からトレイテーブル上への薬物パッケージの誤った移動を示す。テストがポジティブの場合には、ステップd)で信号が提供され、これは、保管場所からトレイテーブルへのピースグッズの第1の誤った除去試行(incorrect removal attempt)を示す。
【0020】
第1の誤った除去試行を示す信号を提供することは、誤りがオペレータによって修正されるまで、ピッキングデバイスがシャットダウンされる結果となり得る。グリッパのトレイテーブル上への薬物パッケージの移動を検証するための方法の好ましい実施形態では、輸送デバイスは、トレイテーブルの上方に配置された2つの細長いX方向に延びるクランプジョーを含み、クランプ面は互いに向かい合い、デバイスは完全にはシャットダウンされず、しかしむしろ、クランプジョーはY方向に開き、および再びX方向に保管場所に移動され、および次いで、端部に配置された薬物パッケージはクランプジョーでグリップされる。薬物パッケージが少なくともトレイテーブルの端部のセクションに配置されていること(およびどこに配置されているか)は、チェックに基づいて知られるため、移動がX方向にどの程度行われなければならないかは、パッケージ上に存在する情報に基づいて推定され得る。薬物パッケージがクランプジョーでグリップされた(または少なくとも1つをグリップしようとした)後、上述されたプロセスステップb)およびc)は再度実行され、すなわち、パッケージはトレイテーブルに戻され、および端部試験が実行される。端部の第2のチェックもまたポジティブである場合、すなわち、薬物パッケージが再び端部に載っていると判定される場合、第2の誤った引き抜き試行を示す信号が提供される。それに応じて、デバイスは、今やシャットダウンされ得、または、第3の除去試行が実行されてもよい。
【0021】
本発明による方法の好ましい実施形態では、薬物パッケージの幅は、少なくとも1つの薬物パッケージをセンサによってトレイテーブルに向かって移動させることによって決定され、決定された幅は、制御デバイスに既知の公称幅と比較され、および薬物パッケージの決定された幅と目標幅との間の限界偏差が超過されたときに、対応する信号が提供される。したがって、この好ましい実施形態では、移動された薬物パッケージのさらなる検証が存在する。ピッキングデバイスの制御デバイスが予期しない薬物パッケージが保管場所に位置する可能性は比較的低いが、例えば、オペレータによる誤り訂正がピッキングデバイス内の薬物パッケージを置き換えた場合には、このようなことがあり得る。したがって、本発明による実施形態は、正しい薬物パッケージが除去される確実性(certainty)を再び増加させる。
【0022】
不適切な薬物パッケージを示す提供された信号への応答は、予期しない薬物パッケージに起因してピッキングデバイスが停止されることであってもよい。
あるいはまた、好ましい実施形態では、限界偏差を超えることを示す信号を提供した後、グリッパは、アンロードステーション(unloading station)に向かって移動され、およびトレイテーブル上に置かれている薬物パッケージは、アンロードステーションに移されることが提供され得る。これは、不適切な堆積が検出された場合にユーザがピッキングデバイスに入らなければならい(must enter)ことを回避し、これは、ピッキングデバイスの停止(standstill)を回避する。こうして除去された薬物パッケージは、再度ロードされ得、および最初にアンロードされるべき薬物は再度要求され得る。
【0023】
本発明はさらに、Y方向に延びる弧状のフロントと、薬物パッケージの存在を判定するためにセンサアセンブリの表面の下に配置された複数のセンサ(少なくとも3つ)であって、センサは、Y方向において互いから距離を置いて配置され、およびY方向において外側センサは、Y方向においてさらに内側に配置された少なくとも1つのセンサから、Y方向に直交するX方向においてある距離を置いて配置され、その結果、センサの配置は、弧状に延びるフロントに向かって配向される、複数のセンサと、薬物のためのピッキングデバイスのグリッパの支持テーブル上の薬物パッケージの移動を検証するために、センサアセンブリを制御デバイスに接続するためのインターフェースと、を有するセンサアセンブリの使用に関する。
【0024】
以下では、本発明によるグリッパおよび本発明による方法の好ましい実施形態は、図面を参照して、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1a】本発明によるグリッパの第1の実施形態の斜視図を示す。
【
図1b】本発明によるグリッパの第1の実施形態の斜視図を示す。
【
図2a】トレイテーブルの端部の領域における第1の実施形態の詳細図を示す。
【
図2b】トレイテーブルの端部の領域における第1の実施形態の詳細図を示す。
【
図3a】トレイテーブル自体の無い
図2aの詳細図を示す。
【
図3b】トレイテーブル自体の無い
図2bの詳細図を示す。
【
図4a】本発明によるグリッパの第2の実施形態のジョーガイドアセンブリを示す。
【
図4b】本発明によるグリッパの第2の実施形態のジョーガイドアセンブリを示す。
【
図5a】このジョーガイドアセンブリの詳細図を示す。
【
図5b】このジョーガイドアセンブリの詳細図を示す。
【
図6】クランプジョーが平行位置にあるときのジョーガイドアセンブリの斜視図を示す。
【
図7a】
図7aから
図7hは、本発明による方法の好ましい実施形態の異なる段階を示す。
【
図7b】
図7aから
図7hは、本発明による方法の好ましい実施形態の異なる段階を示す。
【
図7c】
図7aから
図7hは、本発明による方法の好ましい実施形態の異なる段階を示す。
【
図7d】
図7aから
図7hは、本発明による方法の好ましい実施形態の異なる段階を示す。
【
図7e】
図7aから
図7hは、本発明による方法の好ましい実施形態の異なる段階を示す。
【
図7f】
図7aから
図7hは、本発明による方法の好ましい実施形態の異なる段階を示す。
【
図7g】
図7aから
図7hは、本発明による方法の好ましい実施形態の異なる段階を示す。
【
図7h】
図7aから
図7hは、本発明による方法の好ましい実施形態の異なる段階を示す。
【
図8】本発明による方法の好ましい実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1aおよび
図1bは、本発明によるグリッパ1の好ましい実施形態の斜視図を示し、
図1aは、上方からの斜視図であり、および
図1bは下方からの斜視図である。本発明によるグリッパ1は、ピッキングデバイスのための操作デバイス(図示せず)の一部であり、およびトレイテーブル10と、この実施形態では反対側のクランプ面21a、21bを有する2つのクランプジョー20a、20bを含む輸送デバイスとを含む。それらの自由端において、クランプジョー20a、20bは、滑り止め材料(anti-slip material)でコーティングされた部分22a、22bを有する。
【0027】
クランプジョーの自由端において、トレイテーブル10は、端部70を有し、これは、この実施形態では、センサアセンブリの表面の下方に配置され、およびそれらの検出領域内の物体の存在を検出することができる複数のセンサ73、732、73bを有するセンサアセンブリ72である。センサは、薬物パッケージ(少なくとも部分(sections))が端部に載っているときを検出し得る。
【0028】
センサ73aは、外部センサであり、センサ73bは、内部センサであり、複数のさらなるセンサ73は、この複数のさらなるセンサの間に配置される。1つまたは2つの内側センサ73bが存在するかどうかは、実施形態の正確な構成に依存し、外側センサと内側センサとの間のさらなるセンサの数(この数もまたゼロであり得る)にも同様である。
【0029】
センサは、弧状に成形された端部のフロント71に向かって配向され、フロントからの正確な距離に対する(例えば、生産に起因する)小さな偏差は重要ではない。ご覧のように、センサは、Y方向において互いからある距離を置いて配置され、および外部センサ73aもまた、内部センサ73bからX方向にある距離を置いて配置される。Y方向に分布するセンサのX方向における互いからの正確な距離は、弧状のフロントの正確な形状およびセンサの数に依存する。例えば、2つの内側センサ73aがX方向に互いに距離を置かない場合があるが、外側センサ73aはX方向に少なくとも1つの内側センサ73bから距離を置くように常に配置される。
【0030】
端部は、トレイテーブル10のロードおよびアンロードフロントを形成し、およびトレイテーブルとともに、端部は、薬物パッケージが静置(rest)または移動する支持面を形成する。端部のフロント71は弧状である。これは、対応する広いトレイテーブルが保管場所に近づくために枢動のみされて、保管場所に向かってX方向に追加的に移動されない場合に必要であり、フロントと保管場所との間の隙間はできるだけ小さく保たれるべきである。示される実施形態では、端部は、接続手段(図示せず)を介して制御デバイス(
図1bに示される)と結合される取り外し可能な(detachable)センサアセンブリとして形成される。
【0031】
トレイテーブルは、中央に、ロードおよびアンロードの方向、すなわち、第1の水平方向Xに延びる細長い開口部11を備える。開口部11において、摺動要素(sliding element)12は、拡大された摺動ヘッド(sliding head)13と共に配置される。摺動要素12は、細長い開口部11において、ロードおよびアンロード方向および第1の水平方向に移動され得る。
【0032】
端部の反対側には、クランプジョー20a、20bが接続され、クランプジョーを移動および枢動させる機構を含むジョーガイドアセンブリ30が配置されている。上部セクションでは、ジョーガイドアセンブリ30は、2つの駆動部51、52および関連する歯車53、54を有する駆動ユニット50を含む。クランプジョーは、以下の図面を参照してより詳細に説明されるように、示される実施形態では、これらの2つの駆動部によって移動されおよび枢動される。ジョーガイドアセンブリは、ロードおよびアンロード動作中に様々な態様がそれによって監視され得る光学検出デバイス2をさらに含む。
【0033】
ジョーガイドアセンブリ30およびその電子構成要素のすべては、制御デバイス4に接続され、これは、示される実施形態では取り付けアーム(attachment arm)3の下に配置されている。取り付けアーム3自体は、スイベルジョイント(swivel joint)を介してトレイテーブルまたはトレイテーブルの下部構造に固定される。
【0034】
薬物パッケージのロードおよびアンロードのために、ジョーガイドアセンブリ30は、第1の水平方向(X方向)またはロードおよびアンロード方向に移動されなければならない。
この目的のために、後続の図面を参照してより詳細に説明されるように、駆動部60は、示される実施形態では、トレイテーブルの下方に配置され、ジョーガイドアセンブリ30は、それによって移動される。また、トレイテーブルの下方には、さらなる駆動部7が配置されており、これを用いて、摺動要素12は、細長い開口部11で第1の水平方向に移動可能である。
【0035】
図2a、
図2b、および
図3a、
図3bは、トレイテーブル10の端部の領域における第1の実施形態の詳細図を示し、
図3aおよび
図3bにおいて、トレイテーブルは、グリッパの下部を示すために省略されている。
図2aおよび
図2bは、センサ73、73a、73bの配置を示し、示される実施形態では、グリッパのトレイテーブル10の中心軸または長手方向軸MAに対して鏡面対称に配置されている。示される実施形態では、センサアセンブリは、センサ73、73a、73bに加えてセンサ74を含み、これは、他のセンサに対応して形成され、およびトレイテーブル上に移動され薬物パッケージ(複数可)の長さ(X方向)を決定する役割を果たし得る。この目的のために、薬物パッケージは、トレイテーブル上で完全に摺動ヘッド13に移動するときに、クランプジョー20、20bによって完全に後方に移動(moved back)されることによって移動される。摺動ヘッドと接触すると、薬物パッケージは、センサ74が作動されるまで、端部に向かって移動される。移動距離に基づいて、X方向の長さは決定され得、および既知の長さと比較され得る。
【0036】
図4aおよび
図4bは、両方のクランプジョーが把持のために枢動される、第2の実施形態のジョーガイドアセンブリ30の斜視図を示す。ジョーガイドアセンブリ30は、わずかに異なる枠組構造(frame structure)31、32、33a、33bを含み、フロント構成要素31は、クランプジョー(およびトレイテーブル、図示せず)の周りに係合する。構成要素31の下端には、直線駆動の可動部品(movable parts)62a、62b(「ランナー(runners)」)が取り付けられており、それを用いて、ジョーガイドアセンブリ30は、第1の水平方向に移動され得る。構成要素は、第1の水平方向に対応する固定部品(可動部品を移動させるために回転させる)に沿ってジョーガイドアセンブリと共に移動するため、「可動」と呼ばれる。固定部品61a、61b(
図2a、
図2bおよび
図3a、
図3b参照)自体は、例えば回転することによって、可動部品を移動させるために移動してもよく、回転移動中に可動部品は、固定部品の長手方向軸に沿って移動される。したがって、固定部品は、操作デバイス自体内のそれらの位置に関連してのみ固定される。代替の実施形態では、例えば、固定部品は、操作デバイスの長手方向の端部の間に形成され、および可動部品を移動させるための対応する偏向ローラと協働する歯状ベルト(toothed belts)として設計されることが考えられる。
【0037】
図4bに見られ得るように、第1のガイド35および第2のガイド36という2つのガイド35、36は、横方向の枠組構造構成要素33a、33bの間で、互いに平行でありおよび第1の水平方向Xにおいて間隔が空けられ、第2の水平方向Yに延び、第1のガイドは、クランプジョーの自由端に面する。2つのジョーキャリッジ40a、40b、41a、41bは、ガイド35、36のそれぞれに配置され、2つの第1のジョーキャリッジ40a、40bは、第1のガイド3 5上に配置され、2つの第2のジョーキャリッジ41a、41bは、第2のガイド36上に配置される。本発明による操作デバイスの図示された実施形態では、ジョーキャリッジの一部は、ガイド35、36の突起を取り囲み、その結果、ジョーキャリッジがこの突起に部分的に留まる。
【0038】
図5aおよび
図5bは、第2の実施形態のジョーアセンブリの詳細図を示す。これらの図から、ジョーキャリッジ40a、40b、41a、41bは、駆動要素45a、45b、46a、46bと接続されており、これらは、示される実施形態においてラックとして形成されることが分かる。第1のガイド35および対応する第1のジョーキャリッジ40a、40bに関連付けられた駆動要素45a、45b、および第2のガイド3 6に関連付けられた対応する駆動要素46a、46bは、歯状要素(toothed elements)が互いに反対側にありおよびそれらの自由端に重なり領域を形成するように、ラックの歯要素(tooth elements)に対して位置合わせされる(aligned)。駆動歯車55、56は、各ケースにおいて、駆動要素またはラックの重なり合う領域の中央に配置され、および歯車53、54(
図5aおよび
図5bには示されない)を介して駆動部51、52に結合される。ガイドのジョーキャリッジ40a、40b、41a、41bと対応する駆動歯車との間の距離は同一であり、したがって、駆動歯車は、2つのジョーキャリッジの間の正確に中央に配置され、その結果、駆動歯車の動きがジョーキャリッジの同期運動を引き起こすようになる。駆動歯車が回転すると、したがって、ジョーキャリッジは互いに向かってまたは互いから離れて同期して移動され、対応するジョーキャリッジは、2つのガイド35、36に関連付けられたジョーキャリッジに適用される。
【0039】
したがって、第1のガイドのジョーキャリッジは、第2のガイドのジョーキャリッジに対して同時にまたは別々に移動され得、その結果、ジョーキャリッジの移動に大きな適応性(flexibility)がある。第1および第2のガイドのジョーキャリッジは、同期して移動されてもよく、または第1または第2のガイドに関連付けられたジョーキャリッジのみが移動されてもよい。このようにして、ジョーキャリッジに平行にまたはすでに枢動されて取り付けられたクランプジョーを(両方のガイドのジョーキャリッジを同時に動かすことによって)角度調整なしに同時に動かすことが可能であるか、またはガイドのジョーキャリッジのみが動かされている場合は、ジョーを枢動させることが可能である。
【0040】
すでに述べられたように、クランプジョー20a、20bは、ジョーガイドアセンブリ30に結合される。このカップリングは、
図4bおよび
図5bに見られ得る。図示される実施形態では、クランプジョー20a、20bはそれぞれ、枢動部23a、43a、23b、43bを介して、第1のガイド35のジョーキャリッジ40a、40bと接続され、およびスロットガイド24a、25a、44a;2 4b、25b、44bを介して、第2のガイド36のジョーキャリッジ41a、41bに接続される。代替の実施形態では、ヒンジはまた、第2のガイドと関連付けられたジョーキャリッジに配置されてもよく、およびこの場合、次いで、例示される組み合わせにおいて、スロットガイドは、第1のガイド35と関連付けられたジョーキャリッジに配置されることが必要とされる。
【0041】
しかしながら、ロータリージョイント/スロットガイドの組み合わせの使用は必須ではない。クランプジョーは、回転またはスイベルジョイントによって、対応するジョーキャリッジの少なくとも1つのガイド内に保持されなければならないが、スロットガイドの使用は必須ではない。したがって、例えば、クランプジョーは、代替の実施形態では、リセット力(resetting force)に対してジョーキャリッジで移動され、およびジョーキャリッジを戻すときに、リセット力がクランプジョーを後方に移動させることが考えられる。
【0042】
図6は、第2の実施形態のジョーガイドアセンブリ30の詳細な図を示し、駆動ユニット50および枠組構造の一部は、残りの構成要素のより良い図のために省略される。
図6では、クランプジョー20a、20bは一緒にさらに移動し、および互いに平行に位置合わせされる。
図5a、
図5b、および
図6の比較において、クランプジョーの位置がガイド上のジョーキャリッジの変位によってどのように影響されるかを見ることができる。
【0043】
図7aから
図8を参照して、次に、本発明による方法の好ましい実施形態を説明する。まず、グリッパは、
図7aに示されるように、取り外されるべき薬物パッケージ6'、6がグリッパのトレイテーブル10に対してほぼ中央に配置されるように、保管場所80に移動される。
図7aから
図7hでは、グリッパのいくつかの構成要素のみが概略的に示されており、これはそのようなものとして方法にとって不可欠である。クランプジョー20a、20bに加えて、摺動ヘッド13が示されており、これは、薬物パッケージをトレイテーブル10上に引き出すときの留め具(stop)を表す。図に示されるように、トレイテーブルは、Y方向に円弧状の、およびその中に複数の鏡面対称に配置されたセンサ73、73a、73bが配置されている、端部を含む。トレイテーブル自体は、保管場所のフロントの垂直軸VAを中心にテーブルを枢動させることにより、所定の位置に配置される。トレイテーブルに向かって薬物パッケージを移動させるために、まず、
図7bに示されるように、グリッパのクランプジョー20a、20bは、X方向に薬物パッケージ6'、6の保管場所に移動される(ステップ100)。クランプジョーが保管場所まで対応して遠くに移動されると、それらはY方向に互いに向かって移動され、その結果、薬物パッケージ6'、6が把持される(
図7b、ステップ110も参照)。薬物パッケージがグリップされると、ステップ120において、クランプジョー20a、20bは、保管場所80からX方向にグリッパのトレイテーブル10に移動され、これは
図7cに示される。薬物パッケージをトレイテーブル上に移動させるために、クランプジョー20a、20bは、グリップされた薬物パッケージまたはパッケージが摺動ヘッド13に当たる状態で、X方向に元の位置に移動される。
クランプジョーの完全な戻り運動が実行されると、ステップ130において、薬物パッケージ6’がセンサ73、73a、73bのうちの1つ(または複数)の検出領域に存在するかどうかがチェックされ、そこで薬物パッケージのおおよその位置が決定され得、それによって、薬物パッケージが端部に配置されているかどうかの検出は、使用されるセンサの種類、特に光スキャナ、光センサ、および触覚センサを意味する、に依存する。物体の存在が特定のタイプのセンサの関数としてどのように正確に検出されるかは、当業者に知られており、およびここではより詳細に説明しない。チェックによって端部に薬物パッケージが横たわっていないことが明らかになった場合、グリッパは、その後に、トレイテーブル上に置かれた薬物パッケージまたはパッケージの保管場所に移動される(ステップ200)。しかしながら、
図7dに示されるように、薬物パッケージが端部に堆積されていることが判明した場合、保管場所80からトレイテーブル10への薬物パッケージの第1の誤った除去試行を示す信号が提供される(ステップ140)。
図7dに示される状況では、薬物パッケージ6'がトレイテーブル10上に完全に移動されていないが、依然として保管場所80に大きく配置されているが、端部にも部分的に配置されている場合である。この状況でグリッパが移動される場合、薬物パッケージ6 'は保管場所から落下し、および最悪の場合、操作デバイスの後続の移動操作をブロックする可能性がある。例えば、提供された信号は、グリッパ操作を不可能とし、オペレータの介入を必要とする可能性がある。あるいはまた、この信号がグリッパを用いた第2の除去試行を開始させることも考えられる。この目的のために、ステップ300において、クランプジョー20a、20bは、Y方向に開放され、X方向に保管場所に移動される。説明された実施形態では、複数のセンサが端部で使用され、その結果、制御デバイスは、作動したセンサを使用して、クランプジョーがY方向に離れて移動しなければならない距離を評価することができる。少数のセンサのみが使用される場合、手順は、単純に、クランプジョーをY方向に最大限に移動させることである。クランプジョーがX方向に保管場所まで対応して遠くに移動されると、クランプジョーをY方向に引き込むこと(retracting)によって、クランプジョーで固着(stuck)した薬物パッケージ6'を把持させる試行が行われる(ステップ310)。その後、プロセスステップb)およびc)、すなわち、トレイテーブルに向かってX方向に移動させ、載っている(resting)薬物パッケージについて端部をチェックすることが繰り返される(ステップ320)。薬物パッケージがまだ端部に載っていると判定された場合、第2の誤った除去試行を示す信号が提供される(
図7h)。この場合、第3の除去試行が行われてもよく、またはグリッパの移動が防止され、および操作要員の介入が要請される。