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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-27
(45)【発行日】2025-04-04
(54)【発明の名称】部品供給装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20250328BHJP
【FI】
H05K13/02 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023520623
(86)(22)【出願日】2021-05-11
(86)【国際出願番号】 JP2021017864
(87)【国際公開番号】W WO2022239105
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2024-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】宮島 崇
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2002/052588(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/138480(WO,A1)
【文献】特開平09-064590(JP,A)
【文献】実開平01-176625(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連なった状態の部品をエアの力を用いて水平方向に延びる搬送経路に沿って供給位置の方向に送って前記部品を供給する部品供給装置であって、
前記供給位置が前記搬送経路よりも低く、
前記供給位置には前記部品の送り方向に位置する壁と、底面に開口する凹部とが形成されており、
記搬送経路に沿って部品を送るためのエアを前記供給位置に搬送された部品の上面に沿って流すため第1の風穴が前記壁に形成され、前記搬送経路に沿って部品を送るためのエアを前記供給位置に搬送された部品を下方に向かって吸引する方向に流すため第2の風穴が前記凹部の内部に形成された部品供給装置。
【請求項2】
前記供給位置において位置決めして前記部品を供給する請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記供給位置における部品の高さは前記搬送経路における部品の高さよりも低い請求項1または請求項2に記載の部品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに連なった状態の部品をエアの力を用いて供給位置の方向に送って部品を供給する部品供給装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、部品をエアの力を用いて供給位置の方向に送って部品を供給する部品供給装置に関して記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-57545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、部品をエアの力を用いて供給位置の方向に送って部品を供給する装置において適切に供給位置で部品を供給することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、互いに連なった状態の部品をエアの力を用いて水平方向に延びる搬送経路に沿って供給位置の方向に送って前記部品を供給する部品供給装置であって、前記供給位置が前記搬送経路よりも低く、前記供給位置には前記部品の送り方向に位置する壁と、底面に開口する凹部とが形成されており、前記搬送経路に沿って部品を送るためのエアを前記供給位置に搬送された部品の上面に沿って流すため第1の風穴が前記壁に形成され、前記搬送経路に沿って部品を送るためのエアを前記供給位置に搬送された部品を下方に向かって吸引する方向に流すため第2の風穴が前記凹部の内部に形成された部品供給装置を開示する。
【0006】
【発明の効果】
【0007】
本明細書では、部品の供給位置が部品の搬送経路よりも低い。また、本明細書では、端子を備えた部品が供給位置で位置決めされてひとつずつ供給される。これにより、適切に供給位置で部品を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】部品実装装置を示す斜視図である。
図2】部品装着装置を示す斜視図である。
図3】ボウルフィーダを示す斜視図である。
図4】ボウルフィーダを示す側面図である。
図5】ボウルフィーダを示す平面図である。
図6】搬送レーンと供給ブロックとエア噴出装置とを示す概略図である。
図7】搬送レーンと供給ブロックとを示す平面図である。
図8】搬送レーンと供給ブロックとを示す拡大断面図である。
図9】制御装置を示すブロック図である。
図10】搬送レーンと供給ブロックとを示す拡大断面図である。
図11】搬送レーンと供給ブロックとを示す拡大断面図である。
図12】搬送レーンと供給ブロックとを示す拡大断面図である。
図13】搬送レーンと供給ブロックとを示す拡大断面図である。
図14】搬送レーンと供給ブロックとを示す拡大断面図である。
図15】搬送レーンと供給ブロックとを示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0010】
図1に、部品実装装置10を示す。部品実装装置10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装装置10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、撮像装置26,28、ばら部品供給装置30、部品供給装置32、制御装置(図9参照)36を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
【0011】
装置本体20は、フレーム40と、そのフレーム40に上架されたビーム42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定に位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装装置10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
【0012】
部品装着装置24は、ビーム42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62の下端面には、図2に示すように、吸着ノズル66が着脱可能に設けられており、吸着ノズル66によって部品を保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム40上の任意の位置に移動する。また、各作業ヘッド60,62は、スライダ74,76に作業者が工具を用いることなくワンタッチで着脱可能に位置決めして装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動する。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動する。
【0013】
撮像装置26は、鉛直軸線上において下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動する。これにより、撮像装置26は、フレーム40上の任意の位置を撮像する。撮像装置28は、図1に示すように、フレーム40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置32との間に、鉛直軸線上において上方を向いた状態で配設されている。これにより、撮像装置28は、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66に保持された部品を撮像する。なお、撮像装置26,28は、2次元カメラであり、2次元画像を撮像する。
【0014】
ばら部品供給装置30は、フレーム40の前後方向での一方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置30は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。
【0015】
部品供給装置32は、フレーム40の前後方向での他方側の端部に配設されている。部品供給装置32は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置80とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置80は、ボウルフィーダ82によって部品を供給する装置,テープフィーダによって部品を供給する装置等である。以下に、ボウルフィーダ82の構造について説明する。
【0016】
ボウルフィーダ82は、フレーム40の他方側の端部に固定的に設けられたフィーダ保持台86が備える全スロットのうちの複数のスロットを作業者が利用して、着脱可能に位置決めして装着する。ボウルフィーダ82は、お椀形状のボウルに収容された複数の電子部品を1列に並んで接触した状態、つまり、互いに連なった状態で供給位置まで搬送し、供給位置においてひとつずつ供給する供給装置である。
【0017】
ボウルフィーダ82は、図3乃至図5に示すように、フィーダ本体100と、部品ホッパ102と、ボウル104と、搬送レーン106と、エア噴出装置(図6参照)108と、供給ブロック110と、分離装置(図8参照)111とを備えている。なお、以下の説明において、部品ホッパ102から供給ブロック110に向う方向を前方と記載し、供給ブロック110から部品ホッパ102に向う方向を後方と記載する。また、図3は、ボウルフィーダ82を斜め上方からの視点において示す斜視図であり、図4は、ボウルフィーダ82を側方からの視点において示す側面図であり、図5は、ボウルフィーダ82を上方からの視点において示す平面図である。
【0018】
ボウルフィーダ82は、フィーダ本体100においてフィーダ保持台86に装着されており、フィーダ本体100の上面に、部品ホッパ102,ボウル104,搬送レーン106,供給ブロック110が配設されている。部品ホッパ102は、概して円柱形状をなし、フィーダ本体100の上面の後方側の端部に配設されている。部品ホッパ102の上面には、お椀形状にへこんだ凹部があり、その凹部が部品投入部112である。また、部品ホッパ102の上縁の前端部には、前方に向って突出する突出部114が形成されている。そして、その突出部114の上面に、前後方向に延びるように、溝116が形成されており、その溝116は、前端において突出部114の前端に開口し、後端において部品投入部112に開口している。なお、溝116の幅寸法は、電子部品の幅寸法より僅かに大きい。
【0019】
また、部品投入部112の内壁面には、螺旋形状の搬送路118が形成されており、その搬送路118は、部品投入部112の底面から、部品投入部112の内壁面を周回しながら溝116の後端の開口に至っている。また、部品ホッパ102は、フィーダ本体100の上面において、前後方向及び左右方向に振動可能に保持されており、電磁モータ(図9参照)120の作動により、前後方向及び左右方向に捩り振動する。なお、電磁モータ120の作動で、部品ホッパ102は非常に小さな振動幅で高周波に振動することで、部品投入部112に投入された部品が搬送路118に沿って上方に移動する。
【0020】
また、ボウル104も、概して円柱形状をなし、フィーダ本体100の上面において部品ホッパ102の前方側に配設されている。なお、ボウル104の高さ寸法は、部品ホッパ102の高さ寸法より小さくされており、ボウル104の上面が、部品ホッパ102の上端から前方に向って突出する突出部114の前端の下方に位置するように、ボウル104が部品ホッパ102の前方側に配設されている。また、ボウル104の上面も、お椀形状にへこんだ凹部とされており、その凹部が部品収容部122として機能する。
【0021】
その部品収容部122の内壁面にも、螺旋形状の搬送路124が形成されており、その搬送路124は、部品収容部122の底面から、部品収容部122の内壁面を周回しながら、ボウル104の上縁の側方側に開口している。また、ボウル104も、フィーダ本体100の上面において、前後方向及び左右方向に振動可能に保持されており、電磁モータ(図9参照)128の作動により、前後方向及び左右方向に捩り振動する。なお同様に、電磁モータ128の作動で、ボウル104は非常に小さな振動幅で高周波に振動することで、部品収容部122に投入された部品が搬送路124に沿って上方に移動する。
【0022】
また、搬送レーン106は、概して棒形状をなし、フィーダ本体100の上面において水平方向かつ前後方向に延びるように、2つの支持脚130,131により支持されている。なお、搬送レーン106の後端は、ボウル104の上縁の側方部に開口する搬送路124に向って延び出している。また、搬送レーン106の上面には、前後方向に延びるように、搬送溝132が形成されており、搬送溝132は、前端において搬送レーン106の前端に開口し、後端において搬送レーン106の後端に開口している。また、搬送溝132は、搬送レーン106の上面に開口しているが、その開口は、図6に示すように、蓋部材134により覆われている。このため、搬送溝132は、搬送レーン106を前後方向に貫くトンネル形状とされている。ただし、蓋部材134は、搬送溝132の前端を覆ってはおらず、搬送溝132の前端のみ搬送レーン106の上面が開口している。なお、搬送溝132の底面と蓋部材134の下面との間の寸法、つまり、トンネル形状の搬送溝132の上下方向の寸法は、電子部品の高さ寸法より僅かに大きくされている。また、搬送溝132の幅寸法は、電子部品の幅寸法より僅かに大きくされている。
【0023】
その搬送溝132の後端は、ボウル104の上縁の側方部に開口する搬送路124と僅かなクリアランスを経て対向している。つまり、搬送溝132の後端が開口する搬送レーン106の後端と、搬送路124が開口するボウル104の上縁の側方部とは、僅かなクリアランスを経て対向している。そして、搬送レーン106は、支持脚130,131により前後方向に振動可能に保持されており、電磁モータ(図9参照)136の作動により、前後方向に振動する。なお同様に、電磁モータ136の作動で、搬送レーン106は非常に小さな振動幅で高周波に振動することで、搬送レーン106の搬送溝132に並んだ部品が前方に向かって移動する。
【0024】
ちなみに、搬送レーン106の後端と、ボウル104の上縁の側方部とのクリアランスは、搬送レーン106の振動幅とボウル104の振動幅とを加算した幅より大きくされている。これにより、ボウル104及び搬送レーン106の振動時に、ボウル104と搬送レーン106とが当接しない。また、後に詳しく説明するが、ボウル104の搬送路124から、搬送レーン106の搬送溝132に、電子部品が搬送されるが、搬送レーン106の後端と、ボウル104の上縁の側方部とのクリアランスは、その電子部品の外寸より小さくされている。これにより、ボウル104の搬送路124から、搬送レーン106の搬送溝132に、電子部品が搬送される際に、電子部品の脱落が防止される。
【0025】
また、エア噴出装置108は、図6に示すように、配管140とエアポンプ142とを備えている。搬送レーン106には、搬送レーン106の下面から搬送溝132の底面に貫通するエア流路146が形成されている。エア流路146は、搬送レーン106の底面から前方に向って斜め上方に貫通しており、搬送溝132の底面に開口している。そして、搬送レーン106の前後方向における概ね7等配の位置に、7個のエア流路146が形成されている。また、配管140は、一端において7本に分枝しており、7本に分枝した配管140の一端が7個のエア流路146の搬送レーン106の下面への開口に連結されている。そして、配管140の他端がエアポンプ142に連結されている。このような構造により、エアポンプ142が作動することで、エアが配管140を介してエア流路146に流れ込み、搬送溝132の内部にエアが噴出される。なお、エア流路146は搬送レーン106の底面から前方に向って斜め上方に貫通しているため、搬送溝132の内部に噴出されたエアは、搬送溝の内部を後方から前方にむって流れる。これにより、搬送レーン106の搬送溝132に並んだ部品が前方に向かって移動する。
【0026】
また、供給ブロック110は、図3に示すように、フィーダ本体100の上面において、搬送レーン106の前端と対向する位置で、支持脚150により支持されている。なお、供給ブロック110の上面は、搬送レーン106の上面と略同じ高さに位置している。そして、供給ブロック110の上面には、図7に示すように、部品収容口152が形成されている。部品収容口152は、供給ブロック110の上面及び後端面に開口しており、その部品収容口152の供給ブロック110の後端面への開口は、搬送レーン106の搬送溝132の前端の開口と僅かなクリアランスを経て対向している。また、部品収容口152の底面は、図8にしめすように、搬送レーン106の搬送溝132の底面と同じ高さとされている。なお、供給ブロック110の後端面と、搬送レーン106の前端とのクリアランスは、搬送レーン106の振動幅より大きくされている。これにより、搬送レーン106の振動時に、供給ブロック110と搬送レーン106とが当接しない。また、後に詳しく説明するが、搬送レーン106の搬送溝132から、供給ブロック110の部品収容口152に、電子部品が搬送されるが、供給ブロック110の後端面と、搬送レーン106の前端とのクリアランスは、その電子部品の外寸より小さくされている。これにより、搬送レーン106の搬送溝132から、供給ブロック110の部品収容口152に、電子部品が搬送される際に、電子部品の脱落が防止される。
【0027】
なお、電子部品160は、概してブロック形状の部品本体162と、その部品本体162の下面に配設された2個の端子164とにより構成されている。端子164は、短円筒形状であり、端子164の下面から下方に向って延び出している。また、部品収容口152の幅寸法は、電子部品160の部品本体162の幅寸法より僅かに大きくされており、部品収容口152の長さ寸法は、電子部品160の部品本体162の長さ寸法より僅かに大きくされている。このため、部品収容口152には1個の電子部品160が収容される。また、供給ブロック110には、部品収容口152の底面に開口する凹部168が形成されている。凹部168の開口は、電子部品160の部品本体162の底面全体よりも小さいが、部品本体162の2個の端子164が固定されている箇所よりも大きい。また、凹部168の深さ寸法は、端子164の長さ寸法よりも長い。このため、部品収容口152に収容された電子部品160の2個の端子164が凹部168に入り込んだ状態で、部品本体162の下面が部品収容口152の底面により支持される。
【0028】
また、供給ブロック110には、図7に示すように、透過型の円筒状の検出センサ180が配設されており、その検出センサ180は、投光部182と受光部184とにより構成されている。投光部182と受光部184とは、部品収容口152を挟んだ状態で互いに対向して配設されている。投光部182と受光部184とは、供給ブロック110に埋設されており、投光部182から照射された光が、部品収容口152を介して、受光部184により受光される。このため、投光部182と受光部184との間の部品収容口152に電子部品160が有る場合には、その電子部品160に、投光部182から照射された光が遮られるため、受光部184は、投光部182により照射された光を受光しない。一方で、投光部182と受光部184との間の部品収容口152に電子部品160が無い場合には、受光部184は、投光部182から照射された光を受光する。これにより、検出センサ180は、受光部184による受光の有無に基づいて、部品収容口152の電子部品160の有無を検出する。
【0029】
また、分離装置111は、図8にしめすように、プッシャ190とエアシリンダ(図9参照)192とを有している。プッシャ190は、概してブロック形状をなし、搬送レーン106の前端の上方に配設されている。その搬送レーン106の前端には、上述したように、蓋部材134が配設されていないため、搬送溝132が開口している。また、プッシャ190は、エアシリンダ192によって昇降可能に保持されており、エアシリンダ192が伸長することでプッシャ190は下降し、エアシリンダ192が収縮することでプッシャ190は上昇する。そして、プッシャ190が下降した際に、プッシャ190の下端は搬送溝132の内部にまで入り込み、プッシャ190が上昇することで、搬送溝132から出て搬送溝132の上方に移動する。なお、プッシャ190の下端面の後方側の縁には、テーパ面196が形成されている。
【0030】
また、制御装置36は、図9に示すように、コントローラ200、複数の駆動回路202、画像処理装置206を備えている。複数の駆動回路202は、上記搬送装置50、クランプ装置52、作業ヘッド60,62、X方向移動装置68、Y方向移動装置70、Z方向移動装置72、トレイ型部品供給装置78、電磁モータ120,128,136、エアポンプ142、エアシリンダ192,ばら部品供給装置30に接続されている。コントローラ200は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路202に接続されている。これにより、基材搬送保持装置22、部品装着装置24等の作動が、コントローラ200によって制御される。また、コントローラ200は、画像処理装置206にも接続されている。画像処理装置206は、撮像装置26,28によって得られた画像データを処理するものであり、コントローラ200は、画像データから各種情報を取得する。さらに、コントローラ200は、ボウルフィーダ82の検出センサ180にも接続されている。これにより、コントローラ200は、検出センサ180による検出結果を取得する。
【0031】
部品実装装置10は、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、撮像装置26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。これにより、回路基材12の保持位置の誤差に関する情報が得られる。また、ばら部品供給装置30若しくは、部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。なお、部品供給装置30のボウルフィーダ82による部品の供給に関しては、後で詳しく説明する。そして、作業ヘッド60,62の何れかが、部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル66によって部品を保持する。続いて、部品を保持した作業ヘッド60,62が、撮像装置28の上方に移動し、撮像装置28によって、吸着ノズル66に保持された部品が撮像される。これにより、部品の保持位置の誤差に関する情報が得られる。そして、部品を保持した作業ヘッド60,62が、回路基材12の上方に移動し、保持している部品を、回路基材12の保持位置の誤差,部品の保持位置の誤差等を補正し、回路基材12上に装着する。
【0032】
なお、ボウルフィーダ82では、電子部品が、作業者によって部品ホッパ102の部品投入部112に投入され、その投入された電子部品が、部品ホッパ102,ボウル104,搬送レーン106の高周波振動及びエア噴出装置108のエアの噴出により、供給ブロック110の部品収容口152まで搬送され、その部品収容口152において電子部品が供給される。
【0033】
詳しくは、作業者は、部品ホッパ102の部品投入部112に複数の電子部品160を投入する。そして、部品投入部112に投入された電子部品160が、電磁モータ120の作動により、部品投入部112に形成された搬送路118に沿って部品投入部112の内壁面を螺旋状に上昇していく。具体的には、電磁モータ120の作動により、部品ホッパ102は、上述したように、高周波で前後方向及び左右方向に捩り振動する。つまり、部品ホッパ102は、捩り方向に高周波で反復振動する。この際、部品投入部112に投入されている電子部品160は、部品ホッパ102の捩り方向への反復振動に起因する遠心力により、部品投入部112の内壁面に向って付勢される。これにより、部品投入部112に投入されている電子部品は、搬送路118に沿って部品投入部112の内壁面を螺旋状に上昇していく。搬送路118に沿って上昇した電子部品は、部品ホッパ102の突出部114に形成された溝116に至り、溝116の前端の開口から落下してボウル104の部品収容部122に電子部品が収容される。次に、ボウル104の部品収容部122に収容された電子部品は、ボウル104の電磁モータ128の作動により、部品収容部122に形成された搬送路124に沿って部品収容部122の内壁面を螺旋状に上昇していく。
【0034】
具体的には、電磁モータ128の作動により、ボウル104は、上述したように、高周波で前後方向及び左右方向に捩り振動する。つまり、ボウル104は、捩り方向に高周波で反復振動する。この際、部品収容部122に収容されている電子部品160は、ボウル104の捩り方向への反復振動に起因した遠心力により、部品収容部122の内壁面に向って付勢される。これにより、部品収容部122に収容されている電子部品160は、搬送路124に沿って部品収容部122の内壁面を螺旋状に上昇していく。なお、部品収容部122の内壁面に形成されている搬送路124は、電子部品160の端子164が嵌合可能な形状とされている。このため、電子部品160は、搬送路124に端子164を嵌合させた状態で部品収容部122の内壁面を螺旋状に上昇していく。つまり、電子部品160は、搬送路124に沿って端子164を部品収容部122の内壁面に向けた姿勢で螺旋状に上昇していく。
【0035】
そして、搬送路124に沿って上昇した電子部品160は、搬送路124の上端に至り、その搬送路124の上端と対向する搬送レーン106の搬送溝132に入り込む。つまり、搬送路124に沿って上昇した電子部品160が、搬送路124の上端から搬送レーン106の搬送溝132に送り込まれる。この際、電子部品160は、ボウル104の搬送路124に端子164を嵌合させた状態で、その搬送路124から搬送レーン106の搬送溝132に送り込まれる。このため、電子部品160は、端子164を下方に向けた状態で搬送レーン106の搬送溝132に送り込まれる。つまり、電子部品160は、搬送溝132の底面に端子164の下端を接触させた状態で送り込まれる。なお、トンネル形状の搬送溝132の幅寸法は、電子部品160の幅寸法より僅かに大きくされており、トンネル形状の搬送溝132の高さ寸法は、電子部品160の高さ寸法より僅かに大きくされている。このため、電子部品160の幅方向と搬送溝132の幅方向とが一致する姿勢で、電子部品160は搬送溝132に入り込む。つまり、電子部品160は、電子部品160の長さ方向を搬送溝132の延びる方向とし、電子部品160の幅方向を搬送溝132の幅方向とする姿勢で、搬送溝132に入り込む。また、ボウル104の電磁モータ128の作動に伴って、ボウル104の搬送路124から搬送レーン106の搬送溝132に、順次、電子部品160が入り込むため、搬送溝132において、複数の電子部品160が、上述した所定の姿勢で1列に並んだ状態となる。この際、搬送溝132に入り込んだ電子部品160が、ボウル104の搬送路124から搬送レーン106の搬送溝132に、新たに入り込む電子部品160により押されることで、互いに隣り合う電子部品160が接触する。つまり、複数の電子部品160が、互いに連なった状態で搬送レーン106の搬送溝132に入り込む。
【0036】
このように、所定の姿勢で互いに連なった状態で搬送溝132に入り込んだ複数の電子部品160は、搬送レーン106の電磁モータ136の作動及びエア噴出装置108のエアの噴出により、搬送レーン106の前端に向って搬送される。詳しくは、電磁モータ136の作動により、搬送レーン106は、上述したように、高周波で前後方向に反復振動する。この際、搬送溝132に入り込んでいる電子部品が斜め前方に向って浮き上がるように電磁モータ136の振動周波数が調整されている。このため、搬送レーン106が高周波で前後方向に反復振動することで、搬送溝132に入り込んでいる電子部品が小刻みに前方に向って進行する。
【0037】
また、搬送溝132には、上述したように、前後方向における概ね7等配の位置に、7個のエア流路146が形成されており、それら7個のエア流路146を介して、エア噴出装置108のエアポンプ142の作動により、搬送溝132の内部にエアが噴出される。エア流路146は搬送レーン106の底面から前方に向って斜め上方に貫通しており、搬送溝132の底面に開口しているため、搬送溝132の内部に噴出されたエアは、搬送溝の内部を後方から前方に向って流れる。これにより、搬送溝132に入り込んでいる電子部品が前方に向かって進行する。このように、搬送溝132に入り込んだ複数の電子部品160が、電磁モータ136の作動及びエア噴出装置108のエアの噴出により、図10に示すように、搬送溝132の底面に端子164の下端を接触させて互いに連なった状態で搬送レーン106の前端に向って搬送される。なお、電子部品160が搬送溝132で搬送されている際には、搬送溝132での電子部品160の搬送の妨げにならないように、分離装置111の作動によりプッシャ190は上昇している。このように、電子部品160が搬送溝132で搬送されている際に、分離装置111のエアシリンダ192は収縮し、プッシャ190は上昇している。つまり、供給位置に部品が供給されていない場合に、分離装置111のエアシリンダ192は収縮し、プッシャ190は上昇している。
【0038】
そして、複数の電子部品160が互いに連なった状態で搬送溝132において搬送されることで、搬送溝132の前端まで搬送された電子部品160が、供給ブロック110の部品収容口152に入り込む。つまり、搬送溝132の前端まで搬送された電子部品160が、その搬送溝132の前端から供給ブロック110の部品収容口152に送り込まれる。なお、部品収容口152の幅寸法は、電子部品160の幅寸法より僅かに大きくされており、部品収容口152の長さ寸法は、電子部品160の長さ寸法より僅かに大きくされている。このため、搬送レーン106の搬送溝132から部品収容口152に、1個の電子部品160が所定の姿勢で入り込む。その部品収容口152には、上述したように、凹部168が形成されているため、図8に示すように、部品収容口152に入り込んだ電子部品160の2個の端子164が凹部168に嵌った状態で、部品本体162の下面が部品収容口152の底面により支持される。このように、電子部品160の2個の端子164が凹部168に嵌った状態で、部品本体162の下面が部品収容口152の底面により支持されることで、1個の電子部品160が部品収容口152において位置決めされる。そして、部品収容口152において位置決めされた状態の1個の電子部品160が供給される。つまり、ボウルフィーダ82では、部品収容口152が供給位置として機能しており、部品収容口152において位置決めされた電子部品160がひとつずつ所定の姿勢で供給される。
【0039】
ただし、搬送レーン106の搬送溝132において複数の電子部品160が互いに連なった状態で搬送されて、それら複数の電子部品160のうちの先頭の1個の電子部品(以下、「先頭部品」と記載する)160aが部品収容口152に入り込んで位置決めされる。このため、図8に示すように、先頭部品160aに、その先頭部品160aの後方に位置する電子部品(以下、「接触部品」と記載する)160bが接触しており、先頭部品160aが、部品収容口152を区画する壁210と、接触部品160bとによって挟持された状態となる。このように、先頭部品160aが挟持された状態では、その先頭部品160aを吸着ノズル66により適切に保持することができない。このため、先頭部品160aと接触部品160bとが、分離装置111の作動により分離される。
【0040】
詳しくは、先頭部品160aが部品収容口152に収容されると、搬送レーン106の電磁モータ136及びエア噴出装置108のエアポンプ142の作動が停止する。なお、部品収容口152に電子部品が収容されると、上述したように、検出センサ180によって電子部品が検出される。このため、コントローラ200は、検出センサ180によって電子部品が検出されたタイミングで、搬送レーン106の電磁モータ136及びエア噴出装置108のエアポンプ142の作動を停止する。これにより、搬送レーン106での電子部品の搬送が停止する。
【0041】
また、コントローラ200は、搬送レーン106の電磁モータ136及びエア噴出装置108のエアポンプ142の作動を停止したタイミングで、分離装置111のエアシリンダ192を伸長させる。分離装置111のプッシャ190は、上述したように、搬送レーン106の前端の上方に配設されており、エアシリンダ192によって昇降可能に保持されている。そして、エアシリンダ192が伸長することでプッシャ190が下降して、プッシャ190の下端が、接触部品160bの部品本体162の上面に接触する。そのプッシャ190の下端面の後方側の縁には、テーパ面196が形成されており、部品本体162の上面の外縁は面取りされている。このため、プッシャ190が下降することで、プッシャ190のテーパ面196が部品本体162の上面の面取りされている外縁に接触する。そして、プッシャ190が更に下降することで、部品本体162の上面の面取りされている外縁がプッシャ190のテーパ面196によって斜め後方に向って付勢される。このため、図11に示すように、接触部品160bが後方に向って移動して、先頭部品160aと接触部品160bとが分離される。これにより、部品収容口152の壁210と、接触部品160bとによる先頭部品160aの挟持が解除される。
【0042】
そして、コントローラ200は、エアシリンダ192の伸長が完了したタイミングで、作業ヘッド60,62及び作業ヘッド移動装置64に部品の保持指令を出力する。これにより、部品収容口152において位置決めされている1個の電子部品160が吸着ノズル66により好適に保持される。このように、ボウルフィーダ82では、部品収容口152、つまり、部品の供給位置に凹部168が形成されており、部品の供給位置が搬送レーン106の搬送溝132より低い位置とされることで、その凹部168において電子部品160が位置決めされる。つまり、部品の供給位置に形成されている凹部168は搬送レーン106の搬送溝132の底面より低い位置とされており、部品の供給位置において、電子部品160の端子164が凹部168に嵌ることで、その供給位置における電子部品160の高さは、搬送溝132における電子部品160の高さより低くなる。このように、供給位置における電子部品160の高さが、搬送溝132における電子部品160の高さより低くなることで、電子部品160が供給位置において位置決めされる。なお、供給位置及び搬送溝132における電子部品160の高さは、供給位置及び搬送溝132での電子部品160の所定の部分の上下方向における位置であり、所定の部分は電子部品160の部品本体162の上面,下面、端子の上端など、何れの部位であってもよい。
【0043】
しかしながら、供給位置、つまり、部品収容口152において、電子部品160の端子164が凹部168に嵌らずに、位置決めされない虞がある。詳しくは、搬送レーン106の搬送溝132において複数の電子部品160が互いに連なった状態で搬送されている際に、搬送溝132の内部では、前方に向ってエアが噴出されており、そのエアの噴出により電子部品が前方に向って搬送される。この際、図12に示すように、搬送溝132の内部で前方に向って噴出されているエア(矢印220)は、供給ブロック110の壁210に当たって、前方側の斜め上方に向きを変える。つまり、搬送溝132の内部で前方に向って噴出されているエア(矢印220)は、部品収容口152において前方側の斜め上方への上昇気流(矢印222)となる。また、搬送溝132の内部で前方に向って噴出されているエア(矢印220)は、搬送溝132の底面の付近から、供給ブロック110の凹部168に入り込んで、その凹部168の内部で方向転換することで上昇気流(矢印224)となる。
【0044】
このため、搬送溝132において搬送されている複数の電子部品160のうちの先頭の電子部品、つまり、先頭部品160aが部品収容口152まで搬送された際に、図13に示すように、その先頭部品160aの前端が、上昇気流(矢印222,224)により浮き上がる場合がある。このような場合には、先頭部品160aの先端が供給ブロック110の壁210に引っ掛かり、先頭部品160aが部品収容口152、つまり部品の供給位置において傾斜する虞がある。さらに言えば、先頭部品160aが部品収容口152から飛び出す虞もある。このように、先頭部品160aが部品収容口152において傾斜したり、部品収容口152から飛び出した場合には、先頭部品160aを供給することはできない。また、図13に示すように、先頭部品160aの先端が供給ブロック110の壁210に引っ掛からなくても、先頭部品160aの端子164が凹部168に嵌らない虞がある。このように、部品収容口152において端子164が凹部168に嵌らなければ、電子部品160が位置決めされないため、電子部品160を適切に供給することはできない。
【0045】
このようなことに鑑みて、図14に示すように、供給ブロック110には、壁210を前後方向に貫通する第1風穴230と、凹部168の前方側の内壁面を前方に向って貫通する第2風穴232とが形成されている。このように、第1風穴230が形成されることで、搬送溝132の内部で前方に向って噴出されているエア(矢印220)は、第1風穴230を通る方向(矢印250)に流れるため、大きな上昇気流は発生しない。また、第2風穴232が形成されることで、搬送溝132の内部で前方に向って噴出されているエア(矢印220)が、搬送溝132の底面付近から供給ブロック110の凹部168に入り込んでも、第2風穴232を通る方向(矢印252)に流れるため、大きな上昇気流は発生しない。このため、搬送溝132において搬送されている複数の電子部品160のうちの先頭の電子部品、つまり、先頭部品160aが部品収容口152まで搬送された際に、図15に示すように、先頭部品160aの端子164が凹部168に嵌ることで、先頭部品160aが部品収容口152において適切に位置決めされる。
【0046】
特に、先頭部品160aが部品収容口152に搬送される際に、搬送溝132の内部で前方に向って噴出されているエア(矢印220)は、先頭部品160aの部品本体162の上面に沿って、第1風穴230を通る方向(矢印250)に流れる。この際、先頭部品160aの部品本体162の上面に沿って流れるエアがダウンフォースとして作用し、先頭部品160aを凹部168に向って押し付ける。また、先頭部品160aが部品収容口152に搬送される際に、搬送溝132の内部で前方に向って噴出されているエア(矢印220)は、搬送溝132の底面から凹部168に入り込んで、凹部168を通過して第2風穴232を通る方向(矢印252)に流れる。この際、搬送溝132の底面から凹部168に入り込んで、その凹部168を通過するエアがダウンフォースとして作用し、先頭部品160aを凹部168に向って吸引する。このように、搬送溝132の内部で前方に向って噴出されているエア(矢印220)が、部品収容口152においてダウンフォースとして先頭部品160aに作用することで、先頭部品160aの端子164が好適に凹部168に嵌り、先頭部品160aを部品収容口152において適切に位置決めすることができる。
【0047】
なお、ボウルフィーダ82は、部品供給装置の一例である。搬送溝132は、搬送経路の一例である。搬送溝132の底面は、搬送面の一例である。電子部品160は、部品の一例である。端子164は、端子の一例である。
【0048】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記実施例では、部品を供給する装置としてボウルフィーダ82が採用されているが、互いに連なった状態の部品をエアの力を用いて供給位置に向って送る部品供給装置であれば、種々の装置を採用することが可能である。具体的には、例えば、ばらばらの部品を連なった状態に整列させて送るバルクフィーダ,整列されている部品を連なった状態で送るスティックフィーダ等を採用することが可能である。
【0049】
また、上記実施例では、ボウルフィーダ82が、フィーダ保持台86が備える複数のスロットを利用して、着脱可能に位置決めして装着されているが、位置決め可能であれば、支持脚,固定装置,ロック機構などを用いてボウルフィーダ等の部品供給装置が部品実装装置10に取り付けられてもよい。このように、支持脚,固定装置,ロック機構などを用いることで、大型の部品供給装置であっても適切に部品実装装置に適切に位置決めした状態で取り付けることができる。
【0050】
また、上記実施例では、搬送レーン106においてトンネル形状の搬送溝132に沿って複数の電子部品が互いに連なった状態で搬送されているが、種々の形状の搬送経路に沿って複数の電子部品が互いに連なった状態で搬送されてもよい。例えば、溝形状の搬送経路、壁,レールなどのガイドによって導かれる形状の搬送経路等を採用することが可能である。また、搬送溝132は、直線形状に延びる搬送経路であるが、湾曲形状などの曲がった形状の搬送経路を採用してもよい。さらに言えば、搬送溝132が形成される搬送レーン106は水平方向に延びるように配設されているが、傾斜した状態で配設されてもよい。
【0051】
また、上記実施例では、エアの力と搬送レーン106の振動とを利用して電子部品を供給位置に向って搬送しているが、エアの力を利用すれば、搬送レーン106の振動以外のものを利用して電子部品を供給位置に向って搬送してもよい。搬送レーン106の振動以外のものとして、例えば、磁力,重力(部品の自重)等を採用することが可能である。また、エアの力のみを利用して電子部品を供給位置に向って搬送してもよい。また、上記実施例では、エアの噴出力を利用して電子部品を供給位置に向って搬送しているが、エアの吸引力を利用して電子部品を供給位置に向って搬送してもよい。
【0052】
また、上記実施例では、電子部品160の端子164が凹部168に嵌ることで位置決めされているが、端子164以外の部分、例えば、部品本体162の前端などの部品本体162の一部が凹部に嵌ることで位置決めされてもよい。また、電子部品160の全体が凹部に嵌ることで位置決めされてもよい。また、凹部に限定されず、複数の凸部の間に端子などが嵌ってもよい。
【0053】
また、上記実施例では、短円筒形状の端子164が採用されているが、ピン形状,ボール形状,リード形状等の種々の形状の端子を採用することが可能である。また、端子を備えた電子部品を供給する部品供給装置に本発明が適用されているが、端子を備えていない電子部品を供給する部品供給装置に本発明が適用されてもよい。また、電子部品に限定されず、種々の部品を供給する部品供給装置に本発明が適用されてもよい。
【0054】
また、上記実施例では、搬送経路より低い位置の供給位置において電子部品160が位置決めされているが、搬送経路と同じ高さの供給位置において電子部品160が位置決めされてもよい。また、位置決めされる際に部品の全体又は一部が凹部などに嵌って位置決めされてもよく、部品の全体又は一部が保持ないし把持されて位置決めされてもよい。
【0055】
また、上記実施例では、ボウルフィーダ82から部品実装装置の作業ヘッド60,62に電子部品が供給されているが、電子部品に拘わらず、例えば、部品を組み付けたり整列させるための多関節型ロボットなど、種々のロボットに部品が供給されてもよい。
【符号の説明】
【0056】
82:ボウルフィーダ(部品供給装置) 132:搬送溝(搬送経路) 160:電子部品(部品) 164:端子
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