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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-27
(45)【発行日】2025-04-04
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20250328BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20250328BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20250328BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/04817
B41J29/42 F
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023556675
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(86)【国際出願番号】 JP2022040409
(87)【国際公開番号】W WO2023074855
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2024-04-26
(31)【優先権主張番号】P 2021177562
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022055060
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135828
【弁理士】
【氏名又は名称】飯島 康弘
(72)【発明者】
【氏名】岡 浩史
(72)【発明者】
【氏名】丸田 幸一
(72)【発明者】
【氏名】高谷 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 博文
(72)【発明者】
【氏名】郷 雅俊
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-088440(JP,A)
【文献】特開2020-043495(JP,A)
【文献】特開2019-119139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G06F 3/048- 3/04895
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理の種別に対応した複数の機能ボタンが配列されているメニュー領域を有したメイン画面と、
前記機能ボタンの1つを選択した後に前記メイン画面より遷移して、選択中の機能ボタンに関する画像処理の指示を受け付ける受付領域を有したサブ画面と、が表示可能とされている操作パネルを備え、
前記サブ画面には、選択中の機能ボタンに対応した画像処理に特化して過去に完了した画像処理の情報を含む複数の履歴ボタンを表示する第1の履歴表示領域が、前記受付領域と並んで表示される画像処理装置。
【請求項2】
前記メイン画面には、前記メニュー領域の機能ボタンと対応する複数種別の画像処理に関して過去に完了した画像処理の情報を含む複数の履歴ボタンを表示する第2の履歴表示領域が、前記メニュー領域と並んで表示される請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
ユーザー認証の結果に基づきユーザー毎に画像処理に関する権限を付与する認証管理部を更に備え、
前記第1の履歴表示領域には、前記認証管理部によって権限が付与されたユーザーが過去に完了した画像処理に関する履歴ボタンのみが表示される請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
ユーザーの操作により選択された履歴ボタンの固定表示が設定可能であり、
前記メイン画面及び前記サブ画面のいずれか一方の画面で特定の履歴ボタンを固定表示するよう設定した場合、他方の画面において対応する履歴ボタンが自動的に固定表示される請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記機能ボタンの1つを選択して、複数の前記サブ画面の1つである第1サブ画面に遷移した場合に、前記第1サブ画面に対応する画像処理と、固定表示するよう設定された履歴ボタンに対応する画像処理とが異なるときは、固定表示するよう設定された履歴ボタンは、前記第1サブ画面で表示されない
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1サブ画面から前記メイン画面に戻った場合に、固定表示するよう設定された履歴ボタンが前記メイン画面に再び固定表示される
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1サブ画面で特定の履歴ボタンを固定表示するよう設定がなされた後に前記メイン画面に戻った場合に、前記第1サブ画面に遷移する前に固定表示するよう設定されていた履歴ボタンと、前記第1サブ画面で固定表示するよう設定された履歴ボタンとの双方が前記メイン画面に固定表示される
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数の履歴ボタンが一列に並んで表示されており、固定表示するよう設定された履歴ボタンが列の先頭又は最後尾に配置される請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記履歴ボタンが固定表示されている場合に、該履歴ボタンに固定表示されている旨の情報が示されている請求項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記サブ画面が通信に関する場合に、特定の通信相手へのアクセス情報が入力されると、前記第1の履歴表示領域に前記特定の通信相手に特化した履歴ボタンのみが表示される請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記履歴ボタンに表示される画像処理の情報は、画像処理の種別、処理条件、処理日時、ユーザー名、通信先の少なくとも1つに関するテキストもしくはシンボル画像を含む請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記処理条件は、画質、ページレイアウトの少なくとも1つを含む請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記画像処理の種別は、少なくともコピー、スキャン、ファックスを含む請求項1に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置に関する。画像処理とは画像の取り扱いに関する各種処理のことであり、例えば、画像の印刷、画像のスキャン、画像ファイルの送信・受信等である。
【背景技術】
【0002】
画像処理の履歴を表示可能な画像処理装置が知られている(例えば下記特許文献1)。例えば、特許文献1の画像処理装置は、画像処理の履歴に関する複数のボタン(履歴ボタン)を画像処理の実行日時の順に並べて操作パネルに表示する。各履歴ボタンは、画像処理の種別(コピー、スキャン等)、画像処理の条件(部数、カラーまたはモノクロ印刷、片面・両面印刷等)及び画像処理の実行日時を表示する。いずれかの履歴ボタンがタッチパネル付きの操作パネルを介して選択されると、その履歴ボタンに対応する画像処理の条件が、これから行われる画像処理の条件として設定される。これにより、過去に設定した条件を簡便に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-125687号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様に係る画像処理装置は所定の表示形態を実現可能な操作パネルを備える。前記操作パネルは、メイン画面とサブ画面とが表示可能とされている。前記メイン画面は、画像処理の種別に対応した複数の機能ボタンが配列されているメニュー領域を有している。前記サブ画面は、前記機能ボタンの1つを選択した後に前記メイン画面より遷移して、選択中の機能ボタンに関する画像処理の指示を受け付ける受付領域を有している。前記サブ画面には、選択中の機能ボタンに対応した画像処理に特化して過去に完了した画像処理の情報を含む複数の履歴ボタンを表示する第1の履歴表示領域が、前記受付領域と並んで表示される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】実施形態に係る画像処理装置の外観図。
図2】実施形態に係る画像処理装置の構成の一例を示すブロック図。
図3図1の画像処理装置の操作パネルに表示されるメイン画面の一例を示す図。
図4図3のメイン画面から遷移したサブ画面(コピー)の一例を示す図。
図5図3のメイン画面から遷移したサブ画面(FAX)の一例を示す図。
図6図3のメイン画面から遷移したサブ画面(メール)の一例を示す図。
図7】ユーザー認証後のメイン画面の一例を示す図。
図8図7のメイン画面から遷移したサブ画面(コピー)の一例を示す図。
図9】メイン画面で固定表示が設定される場合のメイン画面の一例を示す図。
図10図9のメイン画面から遷移したサブ画面(コピー)の一例を示す図。
図11】サブ画面(コピー)で固定表示が設定される場合のサブ画面の一例を示す図。
図12図11のサブ画面から遷移したメイン画面の一例を示す図。
図13図9又は図12のメイン画面から図5のサブ画面(FAX)を経由したメイン画面の一例を示す図。
図14図9又は図12のメイン画面から図5のサブ画面(FAX)を経由したメイン画面の他の例を示す図。
図15】通信先が入力されたときのサブ画面(FAX)の一例を示す図。
図16】通信先が入力されたときのサブ画面(メール)の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
(画像処理装置の概要)
図1は実施形態に係る画像処理装置1の外観図であり、図2は画像処理装置1の構成を示すブロック図である。
【0007】
画像処理装置1は、複合機として構成されており、例えば、以下の構成を備えている。印刷を行うプリンタ3。画像の読み取りを行うスキャナ5。外部と通信を行う通信部7。ユーザーの操作を受け付ける操作パネル9。種々の演算を行うCPU11(Central Processing Unit)。種々の情報を記憶する記憶部13。これらの構成を保持する筐体15。
【0008】
操作パネル9は、筐体15の上部に設けられており、タッチパネルを含んでいる。操作パネル9は、物理ボタン等のタッチパネル以外の操作対象を含んでいてもよい。ただし、実施形態の説明では、操作パネル9がタッチパネルのみによって構成されている態様を前提とした表現をすることがある。
【0009】
図3は、操作パネル9に表示されるメイン画面101の一例を示す図である。ここでは、メイン画面101として、ホーム画面を例として示している。
【0010】
メイン画面101は、例えば、ユーザーが画像処理装置1の利用を開始するときや待機状態のときに表示されている画面である。別の観点では、メイン画面101は、画像処理装置1に電源が投入されたとき、画像処理装置1がスリープモードから復帰したとき、及び/又は画像処理装置1においてユーザーの認証が成功したときに、立ち上げられる画面である。
【0011】
メイン画面101は、例えば、メニュー領域101aと、履歴表示領域(タイムライン表示領域)101bとが並んで表示される。メニュー領域101aは、メイン領域103のうちの一部領域を表示する。上記一部領域がメイン領域103に占める範囲は、スクロールバー111によって示されてよい。また、履歴表示領域101bは、履歴領域(タイムライン領域)105のうちの一部領域を表示する。上記一部領域が履歴領域105に占める範囲は、スクロールバー113によって示されてよい。
【0012】
メニュー領域101a(メイン領域103)には、画像処理の種別に対応した複数の機能ボタン107が配列されている。複数の機能ボタン107は、互いに異なる機能(別の観点では画像処理)からいずれか1つの機能を選択するためのものである。機能ボタン107は、自己に対応する機能の情報を表示している。図3では、機能として、「コピー」、「プリント」、「スキャン」、「FAX(ファックス)」(facsimile)、「メール」及び「文書ボックス」が例示されている。いずれかの機能ボタン107に対して所定の操作(例えば1回のタッチ(例えばタップ))がなされると、例えば、操作パネル9に表示される画面は、その機能ボタン107に対応する機能に係る操作を行うための画面(サブ画面121(例えば図4))に切り換わる。すなわち、メイン画面101で機能ボタン107の1つを選択した後、メイン画面101は、サブ画面121へ遷移する。機能に係る操作は、例えば、画像処理を実行する操作、及び画像処理の条件(例えばコピーを行うときの用紙の大きさ等)を設定する操作である。
【0013】
履歴領域105は、複数の履歴ボタン109を有している。各履歴ボタン109は、過去に行われた画像処理(機能)に関する情報を含んでいる(表示している)。図3では、履歴ボタン109に表示される画像処理の情報として、画像処理が実行された日時と、画像処理の種別(図3では「コピー」、「FAX」又は「メール」が例示)と、画像処理の条件(図3では「カラー」・「白黒」等が例示)とが例示されている。その他、履歴ボタン109には、通信先(以下、宛先ともいう)が表示される場合もある。いずれかの履歴ボタン109に対して所定の操作(例えば1回のタッチ(例えばタップ))がなされると、操作パネル9に表示される画面は、例えば、その履歴ボタン109に対応する履歴情報を利用するための履歴利用画面(不図示)に切り換わる。
【0014】
図4は、操作パネル9に表示されるサブ画面121の一例を示す図である。より詳細には、図3に例示された6つの機能ボタン107のうち、「コピー」の機能ボタン107が選択された場合のサブ画面121の一例が示されている。サブ画面121は、選択された機能ボタン107に対応する画像処理に関する画面である。サブ画面121は、選択中の機能ボタン107に関する画像処理の指示を受け付ける受付領域121aと、選択中の機能ボタン107に対応した画像処理に特化して過去に完了した画像処理の情報を含む複数の履歴ボタン134を含む履歴表示領域121bとが、並んで表示される。履歴表示領域121bは、履歴領域(タイムライン領域)135のうちの一部領域を表示する。上記一部領域が履歴領域135に占める範囲はスクロールバー123によって示されてよい。
【0015】
画像処理装置1は、ユーザー(特に断りが無い限り、また、矛盾等が生じない限り、ユーザーグループを含むものとする。以下、同様。)を識別する機能(さらにはユーザーを認証する機能)を有していてもよいし、有していなくてもよい。説明を簡便にするために、便宜上、そのような識別機能及び認証機能の有無を問わない態様を第1実施形態と称し、認証機能を前提とする態様を第2実施形態と称し、順に説明する。ただし、便宜上、第1実施形態の説明においても、画像処理装置1がユーザーを識別(さらには認証)する機能を有していることが前提となる情報、構成及び動作について、言及することがある。
【0016】
<第1実施形態>
以下では、第1実施形態に係る画像処理装置1について、概略、下記の順に説明する。
1.1.用語等について
1.2.画像処理装置1の構成(図1及び図2
1.3.メイン画面101に係る画像処理装置1の動作(図3
1.4.サブ画面121に係る画像処理装置1の動作(図4図6
【0017】
(1.1.用語等について)
「画像」は、文字のみを含むものであっても構わない。「画像データ」の形式は、種々のものとされてよく、例えば、ベクター形式であってもよいし、ラスター形式であってもよい。実施形態の説明では、便宜上、「画像」と「画像データ」とを厳密に区別しないことがある。
【0018】
「画像データ」は、画像処理が行われる過程において、適宜に形式の変換が行われてよい。例えば、画像データは、画像処理装置1に記憶されているときと、画像処理(例えば印刷、スキャン、FAX、画像ファイルの送信・受信等)が行われるときとで異なっていてよい。ただし、実施形態の説明では、便宜上、そのような形式の変換についての説明は省略し、変換前後の画像データを同一のものとして説明することがある。また、画像データは、画像処理が行われるときなどにおいて、画質が変化したり、画像の一部が切り出されたりするような変更が加えられてもよい。このような場合も、実施形態の説明では、便宜上、変更前後の画像データを区別しないことがある。
【0019】
操作パネル9の種々の画面の種々の部位(例えば、履歴ボタン109、134)に表示される情報は、例えば、テキストによって表示されてもよいし、及び/又はシンボル画像によって表示されてもよい。実施形態の説明において、例えば、操作パネル9に情報が表示される、又は操作パネル9に表示されている部位(ボタン等)が情報を含むというとき、特に矛盾等が生じない限り、上記情報は、テキスト及び/又はシンボル画像によって表示されてよいものとする。情報が表示される部位としては、例えば、履歴ボタン109、134の他、機能ボタン107、実行ボタン125、設定ボタン131(後述)、戻るボタン133(後述)、これらのボタンの周囲の領域、並びにタイトルバー115及び127(後述)が挙げられる。
【0020】
「テキスト」は、例えば、文字列として表示される情報、及び/又はテキストデータに基づいて表示される情報を指してよい。従って、例えば、テキストは、画像データに基づいて表示される文字列であってもよいし、テキストデータに基づいて表示される記号又は1つのみの文字であってもよい。「シンボル画像」は、例えば、記号又は図形等として表示される情報、及び/又は画像データに基づいて表示される情報を指してよい。従って、例えば、シンボル画像は、テキストデータに基づいて表示される記号であってもよいし、画像データに基づいて表示される1以上の文字であってもよい。上記の説明から理解されるように、テキストとシンボル画像とは一部が重複した分類であって構わない。
【0021】
操作パネル9に表示される「ボタン」は、物理ボタンを模したものでなくてよい。例えば、ボタンは、テキスト及び/又はシンボル画像によってのみ示され、テキスト及び/又はシンボル画像を囲む枠線を有していなくてもよい。また、別の観点では、例えば、ユーザーの操作を検出する領域と、その周囲の領域との境界は、枠線又は色の相違によって表現されていなくてもよい。
【0022】
実施形態の説明では、便宜上、操作パネル9に対する操作について、「タップ」、「ダブルタップ」及び「ロングタップ」等の具体的な態様を示す用語を用いることがある。ただし、これらの用語は、「所定の操作」と上位概念化されてよい。
【0023】
(1.2.画像処理装置の構成)
図1および図2に示す画像処理装置1は、操作パネル9を有しているとともに、1種以上の画像処理を行うことが可能な構成を有している。その具体的な構成は、種々の構成とされてよく、例えば、公知の構成とされても構わない。本実施形態では、画像処理を行うための構成として、既述のように、プリンタ3、スキャナ5及び通信部7が設けられている。本実施形態とは異なる態様としては、例えば、プリンタ3及びスキャナ5の一方のみを有する態様、及び通信部7を有していない態様が挙げられる。また、画像処理装置1の各部(3、5、7、9、11及び13)の構成も、種々の構成とされてよく、例えば、公知の構成とされても構わない。
【0024】
画像処理装置1は、例えば、既述の種々の構成要素(3、5、7、9、11及び13)を収容している筐体15を有している。画像処理装置1(別の観点では筐体15)の大きさ及び形状は任意である。例えば、画像処理装置1は、家庭用の複合機又はプリンタのように1人の人間が運搬可能な大きさ(質量)を有していてもよいし、業務用の複合機又はプリンタのように1人の人間が運搬不可能な大きさ(質量)を有していてもよい。
【0025】
画像処理装置1の運用方法(別の観点では社会的位置付け)は任意である。例えば、画像処理装置1は、家に置かれて、家庭的又は個人的に利用されてもよいし、会社に置かれて、特定かつ複数のユーザーに利用されてもよいし、コンビニエンスストア等の店舗に置かれて、不特定多数のユーザーに利用されてもよい。なお、不特定多数のユーザーが利用することを想定する場合、画像処理装置1は、ユーザーを認証して、そのユーザーに係る画像データにのみアクセスを許可してよい。
【0026】
プリンタ3の構成は任意である。例えば、プリンタ3は、不図示のトレイに配置された用紙(別の観点では枚葉紙)に印刷を行い、印刷後の用紙を排出するように構成されてよい。プリンタ3は、1つのトレイのみを有していてもよいし、複数のトレイを有していてもよい。複数のトレイは、例えば、異なるサイズの用紙を収容することに寄与する。別の観点では、プリンタ3は、用紙のサイズを選択する機能を有していてもよいし、有していなくてもよい。なお、本実施形態の説明では、前者を例に取る。また、プリンタ3は、カラー(並びにモノクロ及びグレースケール)の印刷が可能な構成であってもよいし、グレースケール(及びモノクロ)の印刷のみが可能な構成であってもよいし、モノクロの印刷のみが可能な構成であってもよい。なお、本実施形態の説明では、カラーの印刷が可能な構成を例に取る。
【0027】
また、例えば、プリンタ3は、インクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタであってもよいし、感熱紙又はインクリボンを加熱して印刷を行うサーマルプリンタであってもよいし、光が照射された感光体に付着したトナーを転写する電子写真式プリンタ(例えばレーザープリンタ)であってもよい。インクジェットプリンタは、圧電体によってインクに圧力を付与するピエゾ式であってもよいし、熱が付与されたインクに生じる気泡によってインクに圧力を付与するサーマル式であってもよい。また、例えば、プリンタ3は、ヘッドが用紙の幅(用紙の搬送方向に交差する方向)に亘る長さを有するラインプリンタであってもよいし、ヘッドが用紙の幅方向に移動するシリアルプリンタであってもよい。
【0028】
スキャナ5は、例えば、特に図示しないが、原稿ガラス下にて原稿ガラスに沿って移動する複数の撮像素子によって原稿ガラス上に配置された原稿を撮像してスキャンを行う。
【0029】
通信部7は、画像処理装置1と他の機器との通信を実現する。他の機器としては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯端末(スマートフォン等)、他の画像処理装置及びサーバが挙げられる。サーバとしては、例えば、ファイルサーバ、メールサーバ及びWebサーバが挙げられる。通信は、他の機器と直接的に行われるものであってもよいし、ネットワークを介して間接的に行われるものであってもよい。ネットワークとしては、例えば、電話網、インターネット、プライベートネットワーク及びLAN(Local Area Network)が挙げられる。また、通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、近距離通信であってもよいし、遠距離通信であってもよい。
【0030】
画像処理装置1は、上記のような種々の通信のうち、1以上の任意の通信が可能に構成されてよい。本実施形態の説明では、画像処理装置1が、上記のような種々の通信を可能である態様を例に取る。通信部7は、特に図示しないが、上記のような種々の通信を実現するための種々の構成要素を含んでいる。通信部7は、ハードウェア的な構成(例えば、コネクタ、アンテナ、増幅器、フィルタ、RF(Radio Frequency)回路)のみを含むと捉えられてもよいし、ハードウェア的な構成に加えて、ソフトウェア的な構成(CPUがプログラムを実行することによって構築される機能部)を含むと捉えられてもよい。
【0031】
操作パネル9は、既述のように、タッチパネルを含んでいる。タッチパネルは、特に図示しないが、表示装置と、表示装置の画面に重なる位置入力装置とを有している。表示装置及び位置入力装置の構成は任意である。
【0032】
例えば、表示装置は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイによって構成されてよい。これらのディスプレイは、規則的に配列された比較的多数の画素を有しており、画像データに基づいて任意の形状を含む画像を表示可能である。表示装置は、カラー画像を表示可能であってもよいし、グレースケール画像(及びモノクロ画像)のみを表示可能であってもよいし、モノクロ画像(2値の画像)のみを表示可能であってもよい。
【0033】
また、例えば、位置入力装置は、静電式のものであってもよいし、感圧式のものであってもよい。静電式のものは、指又はペンの接触又は近接に伴う、画面及び/又はその付近の静電容量の変化を検知する。感圧式のものは、画面に付与される圧力を検知する。この他、位置入力装置は、弾性表面波を利用するもの、赤外光を利用するもの、電磁誘導を利用するものとされてもよい。また、位置入力装置は、専用のペンを必要としないものであってもよいし、必要とするものであってもよい。
【0034】
なお、本実施形態の説明では、便宜上、操作パネル9に対する操作(ソフトウェア的なボタン等に対する操作)について、接触を前提とした表現をすることがある。ただし、上記の説明からも理解されるように、接触しない状態で操作が検知されても構わない。
【0035】
CPU11は、記憶部13に記憶されているプログラムを実行することによって、種々の処理を実行する機能部を構築する。当該機能部としては、例えば、制御部が挙げられる。制御部は、プリンタ3、スキャナ5、通信部7及び操作パネル9の動作を制御する。なお、制御部は、CPU11によって構築される部分の他、一定の動作のみを行うように構成された論理回路を含んでいてもよい。
【0036】
記憶部13は、例えば、特に図示しないが、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び補助記憶装置等の種々のメモリを含んでいる。なお、CPU11及び記憶部13の組み合わせは、コンピュータとして捉えられてよい。上述のCPU11が制御部17を構築するためのプログラムは、例えば、記憶部13のROM及び/又は補助記憶装置に記憶されている。
【0037】
上述した種々の構成要素(3、5、7、9、11及び13)は、例えば、バス21によって接続されている。図2では、模式的に1本のバス21に全ての構成要素が接続されている。実際の製品においては、複数のバスが適宜な形式で接続されていてよい。例えば、アドレスバス、データバス及びコントロールバスが設けられてよい。また、クロスバースイッチ及び/又はリンクバスが適用されてもよい。また、バス21と各部(3、5、7及び9等)との間には不図示のインターフェースが介在してよい。
【0038】
図2は、あくまで模式図である。従って、例えば、CPU及び記憶部(別の観点では制御部)は、分散して複数設けられていてよい。例えば、各部(3、5、7及び/又は9)に含まれるCPU(別の観点では各部の制御を行う制御部)と、その上位のCPU(各部の制御部を制御する上位の制御部)とが設けられてよい。このような場合において、実施形態の説明で言及する制御部は、上位の制御部と捉えられてもよいし、各部の制御部と上位の制御部との組み合わせと捉えられてもよい。上記から理解されるように、制御部と各部(3、5,7及び/又は9)とは、必ずしも明瞭に区別可能でなくてもよい。
【0039】
(1.3.メイン画面に係る画像処理装置の動作)
図3に示すメイン画面101は、例えば、操作パネル9の画面全体に亘って表示される。メイン画面101は、例えば、既述のように、メイン領域103、履歴領域105並びにスクロールバー111及び113を含んでよい(表示してよい。)。
【0040】
メイン画面101には、メニュー領域101aと、履歴表示領域101bとが、並んで表示される。履歴表示領域101bは、メニュー領域101aの機能ボタン107と対応する複数種別の画像処理に関して過去に完了した画像処理の情報を含む複数の履歴ボタン109を含む。この他、メイン画面101は、最上部のタイトルバー115などの適宜な部位を含んでよい。
【0041】
以下では、概略、以下の順に説明を行う。
1.3.1.メイン領域103に係る画像処理装置1の動作
1.3.2.履歴領域105に係る画像処理装置1の動作(主としてサブ画面121に遷移する前までの動作)
【0042】
(1.3.1.メイン領域に係る画像処理装置の動作)
メイン領域103の表示態様、及びいずれかの機能ボタン107を選択したときに実行される処理は、種々のものとされてよく、例えば、公知のものと同様とされても構わない。
【0043】
図3の例では、既述のように、メイン領域103のうちの一部領域がメニュー領域101aに表示されている。図示の例とは異なり、メイン領域103の全部がメニュー領域101aに表示されても構わない。別の観点では、複数の機能ボタン107は、同時に表示可能な上限数よりも多い数で設けられてもよいし(図示の例)、上記の上限数以下の数で設けられてもよい。メイン領域103の一部領域がメニュー領域101aに表示される態様において、スクロールされる方向(図示の例では左右方向)は任意である。
【0044】
複数の機能ボタン107の数、及び機能ボタン107に対応する機能の種類は適宜に設定されてよい。機能ボタン107の数は、ユーザーによって増減可能であってもよい。図3に例示されている機能ボタン107については、以下のとおりである。
【0045】
なお、以下では、機能ボタン107内に表示されたテキストによって、機能ボタン107を指すことがある。他のボタンについても同様である。
【0046】
「コピー」は、スキャナ5で読み取った画像をプリンタ3で印刷する機能(コピー機能)の設定及び/又は実行のためのものである。
【0047】
「プリント」は、例えば、画像処理装置1に接続されている記録媒体(不図示)に記憶されているデータに基づく画像をプリンタ3で印刷する機能の設定及び/又は実行のためのものである。記憶媒体は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリである。なお、実施形態の説明において、プリントというとき、特に断りが無い限り、また、矛盾等が生じない限り、この機能ボタン107の「プリント」によるものに限定されない(例えば外部からの印刷ジョブの受信によるプリントが含まれることがある。)ことに留意されたい。
【0048】
「スキャン」は、スキャナ5で読み取った画像をデータとして保存する機能に関する設定及び/又は実行のためのものである。なお、保存先は、例えば、記憶部13が含む補助記憶装置(別の観点では不揮発性メモリ)、画像処理装置1に接続されている記憶媒体、又は画像処理装置1と通信部7を介して通信を行う他の機器である。なお、実施形態の説明において、スキャンというとき、特に断りが無い限り、また、矛盾等が生じない限り、この機能ボタン107の「スキャン」によるものに限定されない(例えばコピーにおいて行われるスキャンが含まれることがある。)ことに留意されたい。
【0049】
「FAX」は、FAXに関する設定及び/又は実行のためのものである。FAXの送信においては、例えば、送信原稿の画像がスキャナ5によって読み取られ、その読み取られた画像のデータが通信部7によって送信される。FAXの受信においては、例えば、画像のデータが通信部7によって受信され、その受信された画像のデータに基づく印刷がプリンタ3によって行われる。
【0050】
「メール」は、電子メールに関する設定及び/又は実行のためのものであり、画像ファイルが添付されたメールの送信および受信確認等に用いる。この機能では、例えば、通信部7によって受信されたメールの内容の一部又は全部がプリンタ3によって印刷されてよい。及び/又は、スキャナ5によって読み取られた画像のデータが画像ファイルの形式でメールに添付され、通信部7によって送信されてよい。さらに、文書ボックスに保存されている画像データが画像ファイルの形式で添付され、通信部7によって送信されるメールに含まれてよい。
【0051】
「文書ボックス」は、例えば、記憶部13が含む補助記憶装置(別の観点では不揮発性メモリ)に記憶されている任意の数の画像データの情報を閲覧し、選択した画像データに対して画像処理を実行する機能に関する設定及び/又は実行のためのものである。画像処理は、例えば、印刷、FAXによる送信又はメールによる送信である。
【0052】
既述のように、例えば、いずれかの機能ボタン107がタップされると、操作パネル9に表示される画面は、その機能ボタン107に対応する機能に係る操作を行うためのサブ画面121(例えば図4)に切り換わる。図4は、「コピー」に対応する機能ボタン107を選択した場合に遷移するサブ画面を示す。
【0053】
(1.3.2.履歴領域に係る画像処理装置の動作)
履歴領域105の表示態様は、種々のものとされてよく、例えば、公知のものと同様とされても構わない。
【0054】
履歴表示領域101bの位置、形状及び面積は任意である。図3の例では、履歴表示領域101bは、横方向を長手方向とする矩形状のメイン画面101(別の観点では操作パネル9の画面全体)において、横方向の一方側(図示の例では右側)に位置しており、上下方向を長手方向とする矩形状とされている。履歴表示領域101bの幅は、メイン画面101の幅に対して1/2未満又は1/3未満となっている。なお、メイン画面101のうち、履歴表示領域101bを除く大部分(例えば8割以上)は、メニュー領域101aとなっている。
【0055】
図3の例では、既述のように、履歴領域105のうちの一部が履歴表示領域101bに表示されている。図示の例とは異なり、履歴領域105の全部が履歴表示領域101bに表示されても構わない。別の観点では、複数の履歴ボタン109は、同時に表示可能な上限数よりも多い数で設けられてもよいし(図示の例)、上記の上限数以下の数で設けられてもよい。履歴領域105の一部領域が履歴表示領域101bに表示される態様において、スクロールされる方向(図示の例では上下方向)は任意である。
【0056】
複数の履歴ボタン109は、例えば、履歴ボタン109に対応する画像処理が実行された日時の順で所定の方向に1列で並べられている。複数の履歴ボタン109の並び方向は任意である。図3の例では、並び方向は、メイン画面101の上下方向、履歴表示領域101bの長手方向、及び履歴領域105がスクロールされる方向とされている。複数の履歴ボタン109は、並び方向の一方側から他方側へ(図示の例では上方から下方へ)、新しい順に並べられてもよいし(図示の例)、古い順に並べられてもよいし、操作パネル9に対して所定の操作を行うことによって、新しい順及び古い順を切り換え可能であってもよい。なお、本実施形態の説明では、便宜上、新しい順に並べられることを前提とする。
【0057】
機能ボタン107に対する操作を経由して画像処理を実行したとき、又は履歴ボタン109に対する操作を経由して画像処理を実行したとき、その画像処理に係る新たな履歴ボタン109が追加される。履歴ボタン109を追加する元になった画像処理と、その履歴ボタン109に対する操作を経由して行われた新たな画像処理とが同じである場合においては、履歴ボタン109が新たに追加されてもよいし、操作された履歴ボタン109に対応する画像処理の実行日時が更新される(別の観点では履歴ボタン109の表示位置が変更される)だけであってもよい。ここでいう画像処理が同じは、例えば、実行日時以外は同じであることであってよい。ただし、実行日時以外にも相違点が存在してもよい。なお、履歴ボタン109に対する操作を経由して実行された画像処理については、本実施形態の説明とは異なり、履歴ボタン109が追加されなくてもよい。
【0058】
履歴ボタン109が生成される画像処理の種別は任意である。例えば、画像処理装置1が、メイン画面101に例示した6つの機能を有していたとしても、その全てについて履歴ボタン109が生成される必要はない。例えば、「コピー」及び「プリント」(並びに「文書ボックス」での印刷)のように、画像処理装置1で印刷が行われる画像処理についてのみ、履歴ボタン109が生成されてもよい。また、例えば、「コピー」、「スキャン」、「FAX」及び「メール」のように、画像処理装置1でスキャンが行われる画像処理についてのみ、履歴ボタン109が生成されてもよい。また、例えば、「コピー」、「プリント」及び「スキャン」(並びに「文書ボックス」での印刷)のように、通信が行われない画像処理についてのみ、履歴ボタン109が生成されてもよい。
【0059】
他の機器(例えばPC)から通信部7へ印刷ジョブ等を含む信号が送信されて行われる画像処理については、履歴ボタン109が追加されてもよいし、追加されなくてもよい。追加される場合、例えば、PCから画像処理装置1へ印刷ジョブを送信したユーザーが、画像処理装置1の前で印刷の失敗を確認したときに、履歴ボタン109を介して再印刷を行うことができる。本実施形態の説明では、基本的に、このような外部との通信によって実行が指示される画像処理に伴う履歴ボタン109の追加については説明を省略する。追加される態様においては、本実施形態の説明において、矛盾等が生じない限り、操作パネル9に対する画像処理の実行の指示の記載個所に、外部からの信号による画像処理の実行の指示を追加してよい。
【0060】
履歴領域105に設けられる履歴ボタン109の数は、所定の上限値以下に制限されている。換言すれば、履歴表示領域101bに表示可能な履歴ボタン109(スクロールによって表示されるものを含む)の数は、所定の上限値以下に制限されている。従って、例えば、上記のように、履歴ボタン109が追加されていき、履歴ボタン109の数が上限値に到達した後、更に新たな履歴ボタン109が追加されると、最も古い履歴ボタン109は削除される。換言すれば、最も古い履歴ボタン109は、表示不可能となる。
【0061】
上記の上限値の具体的な値は任意であり、一例として、5個、10個又は20個である。また、上限値は、画像処理装置1の製造者によって設定され、画像処理装置1の管理者又はユーザーによって変更不可能であってもよいし、画像処理装置1の管理者によって設定可能であってもよい。ユーザー毎に履歴領域105の表示態様を異ならせることが可能である態様では、上記上限値は、ユーザーによって設定可能であってもよい。
【0062】
履歴ボタン109の数が上限値に達していない場合の表示態様は任意である。例えば、上限値未満の数の履歴ボタン109のみが表示されてもよいし、ダミーの履歴ボタン(例えば内部に情報を表示しない履歴ボタン)が共に表示されて、合計で上限値の数の履歴ボタンが表示されてもよい。前者の態様においては、履歴ボタン109の数に応じて、履歴領域105の長さが変化してもよいし、変化しなくてもよい。
【0063】
画像処理装置1は、履歴ボタン109の追加、削除及び配置に関して、上記とは異なる動作が可能であってもよい。例えば、任意の履歴ボタン109に対して、その履歴ボタン109に対応する履歴情報を利用する(履歴利用画面に切り換える)ときの操作とは異なる操作(例えばロングタップ又はダブルタップ)を行うことによって、その履歴ボタン109の削除を禁止したり、その履歴ボタン109を常に最も新しい履歴ボタン109よりも上方に配置するようにしたり、その履歴ボタン109を削除したりしてよい。なお、本実施形態の説明では、説明を簡潔化して理解を容易にするために、このような操作がなされないことを前提とした説明又は表現をすることがある。
【0064】
複数の履歴ボタン109は、例えば、互いに同一の形状及び大きさを有していてもよいし(図示の例)、互いに異なる形状及び/又は大きさを有していてもよい。後者の例としては、画像処理の種別(コピー又はスキャン等の相違)に応じて、複数の履歴ボタン109の形状及び/又は大きさが異なる態様を挙げることができる。
【0065】
各履歴ボタン109は、対応する画像処理の情報を含んでいる(表示している)。当該情報としては、既述のように、例えば、画像処理が実行された日時、画像処理の種別、画像処理の条件、及び画像処理を行ったユーザー名が挙げられる。他の例としては、FAX機能及び/又はメール機能における通信先(送信先及び/又は受信先)が挙げられる。
【0066】
画像処理の情報は、画像処理で扱った画像データの情報を含んでもよい。画像データの情報としては、例えば、画像データのサイズ、画像処理装置1によって判別された画像の種類(文書か否か等)、及び画像データに対して画像処理装置1が付与した名前が挙げられる。なお、本実施形態の説明では、便宜上、画像処理の情報としての、画像データの情報の説明は省略する。
【0067】
各履歴ボタン109は、上述した画像処理に関する種々の情報(例えば日時、種別、処理条件、ユーザー名及び通信先)のうち、少なくとも1つ以上を表示してよい。画像処理の条件は、図3の説明及び後述の図4図6の説明において例示するように、種々の具体的な条件を含む。履歴ボタン109内に画像処理の条件が表示される態様において、表示される具体的条件は適宜に選択されてよい。図3では、色の条件(「カラー」又は「白黒」が例示)、倍率の設定(「100%」が例示)、用紙の条件(「A4」が例示)が例示されている。
【0068】
履歴ボタン109が含んでいる画像処理の情報の種類(換言すれば履歴ボタン109に表示される項目)は、履歴ボタン109同士で同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、履歴ボタン109に表示される情報の種類は、画像処理の種別によって異なっていてもよい。より具体的には、例えば、画像処理の種別がコピーである履歴ボタン109は、通信先を表示するための項目を有さない一方で、画像処理の種別がFAX又はメールである履歴ボタン109は、通信先を表示するための項目を有してよい。
【0069】
履歴ボタン109に対して所定の操作を行うことによって、履歴ボタン109に対応する履歴情報を利用することができる。例えば、履歴情報に含まれる画像処理条件で、新たな画像処理が行われてよい。また、履歴情報に含まれる種別の画像処理が行われてもよい。このような履歴情報の利用を実現するための具体的な態様も種々のものとされてよい。例えば、既述のように、履歴利用画面に遷移してもよい。履歴利用画面は、例えば、サブ画面121と同じ、又は類似した画面とされてよい。このとき、処理条件として、履歴情報に含まれる処理条件が設定されていてよい。そして、そのまま、又は設定ボタン(設定ボタン131を参照)によって処理条件が調整された後、実行ボタン(実行ボタン125を参照)に対する操作によって新たな画像処理が行われてよい。
【0070】
(1.4.サブ画面に係る画像処理装置の動作)
図4に示すサブ画面121では、選択中の機能ボタン107に関する画像処理の指示を受け付ける受付領域121aと、選択中の機能ボタン107に対応した画像処理に特化して過去に完了した画像処理の情報を含む複数の履歴ボタン134を含む履歴表示領域121bとが、並んで表示される。
【0071】
サブ画面121は、実行ボタン125、設定ボタン131及び履歴ボタン134を含んでいる(表示している)。履歴ボタン134は、メイン画面101(図3)で選択中の機能ボタン107に対応した画像処理に特化して過去に完了した画像処理の情報を含む。図4に示す例では、メイン画面101(図3)で「コピー」の機能ボタン107を選択した場合に、履歴ボタン134が、「コピー」に特化して過去に完了した画像処理の情報を含んでいることを示している。履歴ボタン134は、スクロールを用いて表示される態様であってもよい。履歴領域135の一部領域が履歴表示領域121bに表示される態様において、スクロールされる方向(図示の例では上下方向)は任意である。設定ボタン131は、画像処理の条件等の設定項目の確認及び設定のためのものである。設定ボタン131は、処理条件以外の設定項目(例えば通信先)の確認及び設定に利用されてよい。ただし、以下では、特に断りなく、処理条件を例に取ることがある。サブ画面121は、その他、例えば、以下のものを含んでよい(表示してよい。)。サブ画面121のタイトルバー127。メイン画面101に戻るための戻りボタン133。
【0072】
上述した種々の部位のレイアウトは任意であり、図4は一例に過ぎない。図4の例では、概して言えば、複数の設定ボタン131が配列されている領域(受付領域121a)及び複数の履歴ボタン134が配列されている領域(履歴表示領域121b)が設けられている。サブ画面121には、履歴表示領域121bが、受付領域121aと並んで表示される。図4の例では、受付領域121a及び履歴表示領域121bが、上記の順で左側から左右方向に並べられている。履歴表示領域121bの位置、形状及び/又は面積は、メイン画面101の履歴表示領域101bの位置、形状及び/又は面積と同じであってもよいし(図示の例)、異なっていてもよい。いずれにせよ、履歴表示領域101b(及びメニュー領域101a)の位置、形状及び面積に関する既述の説明は、履歴表示領域121b(受付領域121a)に援用されて構わない。
【0073】
複数の設定ボタン131は、例えば、複数の設定項目(例えば処理条件)に対応して設けられている。設定ボタン131がタップされると、例えば、操作パネル9には、対応する項目を設定するための画面又はウィンドウが表示される。これにより、例えば、対応する項目に関して、現在の設定から変更を行うことができる。
【0074】
設定ボタン131は、自己に対応する設定項目の種類を示す情報を表示する。また、設定ボタン131は、自己に対応する項目における設定状態を示す情報を表示してもよい。図示の例では、設定ボタン131の上部に設定項目の種類が示されており、設定ボタン131の下部にその項目の現在の設定状態が示されている。
【0075】
既述の説明から理解されるように、設定ボタン131の数及び種類は任意である。図4の例では、コピーに対応する履歴ボタン109が選択されたときの設定ボタン131として、「用紙選択」、「カラー/白黒」、「濃度」、「縮小/拡大」、「ページ集約」及び「片面/両面」が例示されている。設定ボタン131の下部では、これらの項目の現在の設定として、「A4」、「カラー」、「普通」、「100%」、「設定しない」及び「片面」が例示されている。これらについては一般的なものであるから、説明を省略する。
【0076】
サブ画面121の履歴ボタン134は、メイン画面101で選択した機能ボタン107に対応した画像処理に特化して過去に完了した画像処理の情報を含む。履歴ボタン134に表示される画像処理の情報は、メイン画面101の履歴ボタン109と同様に、画像処理の種別、処理条件、処理日時、ユーザー名、通信先の少なくとも1つに関するテキストもしくはシンボル画像を含む。画像処理の種別は、少なくともコピー、スキャン、ファックスを含む。図4の例では、選択中の「コピー」機能に特化して、履歴ボタン134の画像処理の種別としては、「コピー」が例示されている。処理条件は、画質、ページレイアウトの少なくとも1つを含む。図4では、画像処理の条件としては、画質に関して色の条件(「カラー」又は「白黒」が例示)、ページレイアウトに関して倍率の設定(「100%」又は「70%」が例示)、用紙の条件(「A4」又は「自動」が例示)が例示されている。
【0077】
履歴ボタン134の具体的な表示態様(位置、形状、面積、表示内容、生成及び消滅等)は、メイン画面101の履歴ボタン109と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、「コピー」の機能ボタン107を選択してサブ画面121が表示されている場合、履歴ボタン134が「コピー」に特化した情報を含むものであることは明らかであるから、履歴ボタン109とは異なり、「コピー」の情報は含まれなくてもよい。いずれにせよ、履歴ボタン109についての具体的な表示態様等に関する既述の説明は、選択された機能ボタン107に対応した画像処理に特化している点を除いて、矛盾等が生じない限り、履歴ボタン134に援用されて構わない。
【0078】
図5は、図3のメイン画面101において、「FAX」の機能ボタン107を選択した後に、メイン画面101から遷移したサブ画面121の一例を示す。図5に示す例では、メイン画面101(図3)で「FAX」の機能ボタン107を選択した場合に、「FAX」に特化した履歴ボタン134が表示されることを示している。サブ画面121の設定ボタン131には、FAXの宛先を入力するためのアドレス帳ボタン又はテンキーも含まれる。
【0079】
図6は、図3のメイン画面101において、「メール」の機能ボタン107を選択した後に、メイン画面101から遷移したサブ画面121の一例を示す。図6に示す例では、メイン画面101(図3)で「メール」の機能ボタン107を選択した場合に、「メール」に特化した履歴ボタン134が表示されることを示している。この「メール」機能において画像データを送信する場合、スキャナ5によって読み取られた画像のデータが、通信部7によって送信されるメールに含まれていてもよく、また、文書ボックスに保存されている画像データが、通信部7によって送信されるメールに含まれていてもよい。サブ画面121の設定ボタン131には、文書ボックスへアクセスするための「文書ボックス」ボタンも含まれる。
【0080】
いずれのサブ画面121においても、履歴ボタン134に対して所定の操作を行うことによって、履歴ボタン134に対応する履歴情報を利用することができる。例えば、履歴情報に含まれる画像処理条件で、新たな画像処理が行われてよい。このような履歴情報の利用を実現するための具体的な態様も種々のものとされてよい。例えば、サブ画面121において、履歴ボタン134に対して所定の操作を行うと、現在設定されている処理条件が、操作が行われた履歴ボタン134に対応する履歴情報に含まれる処理条件に変更されてよい。そして、そのまま、又は設定ボタン131によって処理条件が調整された後、実行ボタン125に対する操作によって新たな画像処理が行われてよい。
【0081】
第1実施形態に係る画像処理装置において、サブ画面121には、選択中の機能ボタン107(例えば「コピー」)に対応した画像処理に特化した履歴ボタン134(例えば、「コピー」の履歴ボタン)が表示されていることによって、複数の画像処理の種別の履歴ボタンが混在していて必要とする種別の履歴ボタンを見つけづらいといった煩雑さをなくすことができ、ユーザーの利便性を向上させることが可能となる。
【0082】
<第2実施形態>
第2実施形態の説明では、基本的に、第1実施形態との相違点についてのみ述べる。同様に、後述する第3及び第4実施形態においても、基本的に、先に説明された実施形態との相違点についてのみ述べる。特に言及が無い事項については、先に説明された実施形態と同様とされたり、先に説明された実施形態から類推されたりしてよい。
【0083】
第2実施形態は、第1実施形態と異なり、ユーザーを認証する機能を前提とする。ただし、第2実施形態は、第1実施形態の下位概念と捉えられても構わない。従って、構成要素を指す符号等は、両実施形態で共通とする。
【0084】
第2実施形態の画像処理装置は、ユーザー認証の結果に基づきユーザー毎に画像処理に関する権限を付与する認証管理部を更に備えている。
【0085】
第2実施形態におけるメイン画面101を図7に示す。図7は、ユーザー認証後のメイン画面であり、タイトルバー115にユーザー名117が表示されている。図7の例では、ユーザー名を例示的に「xxxx」と示している。また、第2実施形態における履歴ボタン109にも、ユーザー名が表示されている。
【0086】
第2実施形態におけるサブ画面121を図8に示す。図8は、図7のメイン画面から遷移したサブ画面(コピー)の一例を示す図である。
【0087】
ユーザーを識別する識別情報は、例えば、第1実施形態の説明において画像処理の情報として示した「ユーザー名」とされてよい。第1実施形態においては、ユーザー名は、ユーザーが履歴ボタン109を識別乃至は確認するために表示される情報として利用された。本実施形態では、さらに、画像処理装置1にログインしているユーザーによって、アクセスが許容される画像データが異なったり、表示される履歴ボタン109が異なったりする。
【0088】
「ユーザー名」は、例えば、ユーザー又は画像処理装置1の管理者が設定した文字列であってよい。画像処理装置1は、ユーザー名に他の種類の識別情報を割り当てて、両者を紐付けて記憶することによって、他の種類の識別情報を用いてデータベースの検索等を行ってよい。すなわち、対外的に利用される識別情報(ユーザー名)と、内部的に利用される識別情報とは異なっていてもよい。ただし、両者は、概念的には同一のものと捉えてよいから、本実施形態の説明では、ユーザー名が内部的にも用いられるものとして説明する。
【0089】
認証は、画像処理装置1を利用しようとしている(画像処理装置1にログインしようとしている)ユーザーが、予め登録されているユーザー(別の観点ではユーザー名に対応するユーザー)であるか否かを確認する動作である。認証方法は、種々の方法とされてよく、例えば、公知の方法とされてよい。
【0090】
例えば、認証は、ユーザー名とパスワードとが操作パネル9を介して入力されることによって行われてよい。なお、本実施形態の説明では、主としてこの態様を例にとる。また、例えば、認証は、画像処理装置1の不図示の検出部によって検出されるユーザーの生体情報に基づいて行われる生体認証であってよい。生体情報としては、例えば、指紋又は虹彩が挙げられる。また、例えば、認証は、画像処理装置1の不図示のカードリーダとユーザーのIC(Integrated Circuit)カードとの間の通信に基づいて行われるカード認証であってよい。カード認証は、静的認証であってもよいし、動的認証であってもよい。また、認証は、画像処理装置1の不図示のコネクタに接続された記憶媒体(例えばUSBメモリ)から読み出される情報に基づいて行われるものであってもよい。また、例えば、認証は、画像処理装置1の通信部7と、ユーザーが有している端末(例えば携帯端末)との間の通信に基づいて行われるものであってもよい。
【0091】
なお、上記に例示した認証方法のうち、通信部7を介した認証を除く認証方法は、画像処理装置1が有しているユーザーインターフェース部(例えば操作パネル9、生体情報を検出する検出部、カードリーダ又はコネクタ)に対するユーザーの入力行為によって認証が行われる方法ということができる。また、上記に例示した認証方法のうち、パスワードによる認証を除く認証方法においては、ユーザー名の入力は省略可能である。
【0092】
認証の実質的な部分(例えば照合)は、例えば、画像処理装置1自体(認証管理部)が行ってよい。ただし、画像処理装置1は、通信部7を介して認証用情報を不図示のサーバに送信し、サーバに照合を行ってもらい、その結果を利用して、ユーザーに権限を付与してもよい。すなわち、画像処理装置1(認証管理部)は、ユーザー認証の結果に基づいて権限を付与すればよく、ユーザー認証自体を行わなくてもよい。認証管理部の少なくとも一部は、例えば、CPU11が記憶部13に記憶されているプログラムを実行することによって構築されてよく、また、既述の制御部の一部として捉えられてもよい。
【0093】
ユーザー名と、認証用情報(例えばパスワード又は生体情報)とは、例えば、予め、画像処理装置1に対する管理者又は個々のユーザーの操作によって、画像処理装置1(又はサーバ)のデータベースに互いに対応付けられて記憶されている。そして、画像処理装置1は、ユーザーによって認証のための操作が行われると、データベースを参照して認証を行う。
【0094】
第2実施形態の画像処理装置では、サブ画面121の履歴表示領域121bには、認証管理部によって権限が付与されたユーザー(図8では、ユーザー名「xxxx」)が過去に完了した画像処理に関する履歴ボタンのみが表示される。すなわち、ユーザー認証後のメイン画面101において、「コピー」の機能ボタン107が選択された場合、遷移後のサブ画面121では、そのユーザーが過去に完了した「コピー」の履歴に特化して履歴ボタン134が表示される。この構成によって、ユーザーが必要とする履歴ボタンを探す際の利便性をさらに向上させることができる。
【0095】
<第3実施形態>
第3実施形態は、メイン画面101の履歴ボタン109、サブ画面121の履歴ボタン134の固定表示(優先的な表示)に関するものである。固定表示とは、例えば、複数の履歴ボタン109(または134)が表示される場合に、特定の履歴ボタン109(または134)が最上位に配置され、表示されることである。
【0096】
さらに詳細には、第3実施形態は、メイン画面101において特定の履歴ボタン109が固定表示されるように設定された場合、サブ画面121においてもその特定の履歴ボタン109(サブ画面121においては履歴ボタン134と示す)が固定表示されるものである。また、第3実施形態は、サブ画面121において特定の履歴ボタン134が固定表示されるように設定された場合、メイン画面101においてもその特定の履歴ボタン134(メイン画面101においては履歴ボタン109と示す)が固定表示されるものである。
【0097】
図9の領域(a)では、メイン画面101に複数の履歴ボタン109a、109b及び109cが表示されている。例えば、これら複数の履歴ボタン109のうち履歴ボタン109cに関する画像処理の設定を頻繁に使用する場合、履歴ボタン109cが固定表示されるように設定可能である。図9の領域(b)において、固定表示されるように設定された履歴ボタン109cは、最上位に配置されている。図9の領域(b)に示されたメイン画面101で「コピー」の機能ボタン107を選択した場合、図10に示されたサブ画面121において、履歴ボタン134が「コピー」に特化して表示されている。さらに、サブ画面121において、メイン画面101で固定表示するように設定された履歴ボタン109c(サブ画面121においては履歴ボタン134cと示す)が固定表示される。メイン画面101で行われた固定表示の設定がサブ画面121にも反映され、ユーザーの利便性が向上される。
【0098】
また、図11の領域(a)では、サブ画面121に複数の履歴ボタン134a、134c及び134dが表示されている。例えば、これら複数の履歴ボタン134のうち履歴ボタン134cに関する画像処理の設定を頻繁に使用する場合、履歴ボタン134cが固定表示されるように設定可能である。図11の領域(b)において、固定表示されるように設定された履歴ボタン109cは、最上位に配置されている。図11の領域(b)に示されたサブ画面121で「戻る」ボタン133を押した場合、図12に示されたメイン画面101に遷移する。メイン画面101において、サブ画面121で固定表示するように設定された履歴ボタン134c(メイン画面101においては履歴ボタン109cと示す)が固定表示される。サブ画面121で行われた固定表示の設定がメイン画面101にも反映され、ユーザーの利便性が向上される。
【0099】
このように、メイン画面101及びサブ画面121のいずれか一方の画面で特定の履歴ボタンを固定表示するよう設定した場合、他方の画面において対応する履歴ボタンが自動的に固定表示される。固定表示は、例えば、メイン画面101及びサブ画面121のいずれか一方(固定表示の設定がなされた画面であってもよいし、自動的に固定表示がなされた画面であってもよい。)において固定表示の設定の解除が行われるまで維持される。すなわち、メイン画面101とサブ画面121との間の遷移を繰り返しても維持される。そして、いずれか一方の画面で固定表示の設定の解除がなされると、他方の画面の固定表示も自動的になされなくなる。
【0100】
メイン画面101又はサブ画面121で履歴ボタン109又は134を固定表示するように設定がなされた後、その履歴ボタンに対応する画像処理(例えばコピー)とは異なる画像処理(例えばFAX)に対応するサブ画面121に遷移する場合、そのサブ画面121(FAX)において、固定表示するように設定された履歴ボタン134(コピー)は表示されなくてよい。なお、この場合のサブ画面121については、図5を参照されたい。
【0101】
その後、サブ画面121(FAX)からメイン画面101に戻ったとき、固定表示するように設定された履歴ボタン109(コピー)は再び固定表示されてよい。このときのメイン画面101の例を図13に示す。図13のメイン画面101では、図12のメイン画面101に対して、サブ画面121(FAX)で新たに行われた画像処理に対応する履歴ボタン109fが追加されている。ただし、図13のメイン画面101においても、図12のメイン画面101と同様に、履歴ボタン109cが固定表示されている。なお、このメイン画面101で「コピー」の機能ボタン107を選択した場合、既に説明した動作と同様に、履歴ボタン134cが固定表示される(図10参照)。
【0102】
固定表示は、1つの履歴ボタン109(134)についてのみ設定可能であってもよいし、任意の数の履歴ボタンについて設定可能であってもよい。後者の場合において、固定表示される履歴ボタンの数の上限は、例えば、履歴表示領域101b又は121bに表示可能な履歴ボタンの数以下又は当該数よりも少ない数とされてよい。固定表示されるように設定された複数の履歴ボタンに対応する画像の種類は互いに異なっていてよい。
【0103】
例えば、図12に示したメイン画面101から図5に示したサブ画面121(「FAX」)に遷移し、このサブ画面121(「FAX」)において特定の履歴ボタン134に対して固定表示の設定を行い、メイン画面101に戻ったときの画面の例を図14に示す。図14のメイン画面101では、新たに固定表示が設定された履歴ボタン109gが、先に固定表示が設定された履歴ボタン109cに続いて表示されている。なお、図14では、図5のサブ画面121で、図13で示した履歴ボタン109fに対応する画像処理が行われなかった場合を想定している。
【0104】
固定表示は、複数の履歴ボタンの最上位に表示される態様だけでなく、種々の態様とされてよい。より上位概念化して言えば、固定表示は、例えば、特定の履歴ボタン109又は134が、メイン画面101の履歴表示領域101b又はサブ画面121の履歴表示領域121b(履歴領域105又は135でないことに留意されたい。)において、一定の位置に表示される態様、若しくは、そのようにユーザーが認識できる態様ということができる。典型的には、履歴表示領域において複数の履歴ボタンが1列で表示されているとき、その先頭若しくは最後尾に特定の履歴ボタンが表示される態様が挙げられる。
【0105】
上記の「一定の位置」は、例えば、履歴表示領域101bと121bとで同じとされてよい。また、この場合において、「一定の位置」は、必ずしも厳密に一定の位置でなくてもよく、そのように「ユーザーが認識できる」位置であってよい。例えば、上記の典型例のように、履歴表示領域101b及び121bのいずれにおいても、複数の履歴ボタンが分配される複数の表示位置の先頭又は最後尾が固定表示の位置とされれば、履歴表示領域101bと121bとで多少の位置ずれが存在したり、履歴表示領域101bと121bとで表示可能な履歴ボタンの数が相違したりしても、実用上、問題ない。なお、ここでの説明とは異なり、「一定の位置」は、履歴表示領域101bと121bとで異なっていても構わない。また、「一定の位置」は、先頭又は最後尾の位置でなくてもよく、例えば、中央の位置であってもよい。
【0106】
第1実施形態の説明でも述べたように、複数の履歴ボタンの列の方向は任意であり、上下方向に限定されない。また、2以上の履歴ボタンの固定表示が可能な態様においては、上記の「先頭若しくは最後尾」は、「先頭若しくは最後尾を含んで連続する2以上の履歴ボタンの表示位置」と置換してよい。固定表示される2以上の履歴ボタンの並び順は、適宜に設定されてよく、例えば、固定表示が設定された順、時系列順(古い順又は新しい順)、ユーザーが設定した順、又は画像処理の種類に応じて決められた順とされてよい。
【0107】
固定表示の設定及びその解除のための操作は適宜なものとされてよい。例えば、第1.3.2節で触れたように、履歴ボタンに対応する履歴情報を利用するときの操作(例えばタップ)とは異なる操作(例えばロングタップ又はダブルタップ)を履歴ボタンに対して行うことによって固定表示の設定(既に固定表示の設定がされているときはその解除)がなされてよい。
【0108】
履歴ボタン109又は134が固定表示されている場合に、該履歴ボタンに固定表示されている旨の情報が示されてよい。これまでに図示した例では、ピンを模したシンボル画像Syが履歴ボタン内に表示されることによって、当該履歴ボタンが固定表示されていることが示されている。この他、例えば、固定表示されている履歴ボタンと、他の履歴ボタンとで、履歴ボタンの枠及び/又は内部の色を異ならせたり、枠の形状を異ならせたりすることによって、固定表示の有無が示されてもよい。
【0109】
なお、以上はあくまで固定表示に係る動作の一例であって、上記の動作に加えて、又は代えて、他の動作がなされても構わない。例えば、固定表示は、その解除を直接的に指示する操作とは異なる条件(例えば新たなユーザーのログイン)によって解除されてもよい。また、例えば、固定表示の設定及び解除は、本実施形態とは異なり、メイン画面101とサブ画面121とで別個に行われてもよいし、固定表示の設定がメイン画面101とサブ画面121とで共通に行われる一方で、解除は別個に行われてもよい。
【0110】
<第4実施形態>
第4実施形態は、メイン画面101で選択された機能ボタン107が「ファックス」又は「メール」(すなわち通信)に関する場合、サブ画面121において「通信先」(「宛先」又は「アクセス情報」ともいう)が入力されると、履歴表示領域121bには入力された「通信先」に関する履歴ボタン134(すなわち特定の通信相手に特化した履歴ボタン)のみが表示されるというものである。
【0111】
図15の領域(a)は、メイン画面101で「ファックス」が選択された場合のサブ画面121を示している。サブ画面121には、宛先が「000-000-1111」の履歴ボタン134a、宛先が「000-000-2222」の履歴ボタン134b、及び、宛先が「000-000-3333」の履歴ボタン134cが表示されている。
【0112】
図15の領域(b)は、「宛先」に「000-000-1111」が入力された状態のサブ画面121を示している。「宛先」に「000-000-1111」が入力されることにより、履歴表示領域121bには、宛先が「000-000-1111」の履歴ボタン134a、134d及び134eのみが表示されている。入力された「宛先」に関する履歴ボタン134のみが表示されることにより、履歴ボタン134の絞り込みが行われ、ユーザーの利便性が向上する。
【0113】
図16の領域(a)は、メイン画面101で「メール」が選択された場合のサブ画面121を示している。サブ画面121には、宛先が「xxx@xx.com」の履歴ボタン134a、宛先が「yyy@yy.com」の履歴ボタン134b、及び、宛先が「zzz@zz.com」の履歴ボタン134cが表示されている。
【0114】
図16の領域(b)は、「宛先」に「xxx@xx.com」が入力された状態のサブ画面121を示している。「宛先」に「xxx@xx.com」が入力されることにより、履歴表示領域121bには、宛先が「xxx@xx.com」の履歴ボタン134a、134d及び134eのみが表示されている。入力された「宛先」に関する履歴ボタン134のみが表示されることにより、履歴ボタン134の絞り込みが行われ、ユーザーの利便性が向上する。
【符号の説明】
【0115】
1…画像処理装置、9…操作パネル、101…メイン画面、101a…メニュー領域、101b…履歴表示領域(第2の履歴表示領域)、107…機能ボタン、121…サブ画面、121a…受付領域、121b…履歴表示領域(第1の履歴表示領域)、134…履歴ボタン
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