(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】電動式作動で飲料を調製するためのシステム及びプロセス
(51)【国際特許分類】
A47J 31/00 20060101AFI20250331BHJP
A47J 31/36 20060101ALI20250331BHJP
【FI】
A47J31/00
A47J31/36 320
(21)【出願番号】P 2022524977
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(86)【国際出願番号】 PT2020050042
(87)【国際公開番号】W WO2021096375
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-12-27
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521042301
【氏名又は名称】ノヴァデルタ - コメルシオ エ インダストリア デ カフェス,ウニペッソアル,エルディーエー.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ナベイロ,ルイ ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】メディナ ムント,ヘスス
(72)【発明者】
【氏名】デ ブリート レオ,ジョアン アンドレ
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-507981(JP,A)
【文献】特表2018-537192(JP,A)
【文献】特表2017-529955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータ(31)を含む作動装置(3)であって、飲料調製デバイス(2)が可食物質の個々の部分(7)を取集し得る開放位置と前記可食物質の個々の部分(7)が前記飲料調製デバイス(2)内部に閉じ込められる閉鎖位置との間の閉鎖動作経路において、及び逆の開放動作経路において制御手段(4)により調整され得る作動装置(3)により作動させられ得るように適合された少なくとも1つの可動部(21、22)を有する前記飲料調製デバイス(2)を含む装置(1)において、
前記制御手段(4)が、
-
前記閉鎖位置に隣接する領域を除く前記各動作経路の少なくとも95%に対応する第1部分において、前記電気モータ(31)の公称電力P
Nの最大で10%が前記電気モータ(31)に供給され得る第1調整ルー
ルにより前記電気モータ(31)への電気エネルギーの供給を調整し得るように構成されることを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
前記制御手段(4)が、
-
前記閉鎖位置に隣接する前記領域を含む前記各動作経路の部分において、前記作動装置(3)の作動的パラメータの予め定義された変動の感知があった場合の前記電気モータ(31)に供給される電力の減少及び/又は削減を含む第2調整ルールにより、前記電気モータ(31)への電気エネルギーの前記供給を調整し得るように構成されること、
並びに
前記制御手段(4)が、作動監視手段(34)により感知される少なくとも1つの動作パラメータのデータに基づき、前記電気モータ(31)への電気エネルギーの前記供給を調整し得るように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御手段(4)が、
- 前記変動の検出がされた場合に前記電気モータ(31)への電力の前記供給を中止する又は一時的に中断する前記第2調整ルール
により、前記電気モータ(31)への電気エネルギーの前記供給を調整し得るように構成されること、
並びに
前記制御手段(4)が、前記各動作経路に対する前記可動部(21、22)の相対的位置の関数として、前記第1調整ルールにより、前記電気モータ(31)に供給された電流の電流強度及び電圧のうちの少なくとも1つを調整し得るように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御手段(4)が、前記第1調整ルールにより、前記電気モータ(31)に供給される電力を、前記電気モータ(31)の前記公称電力値P
Nの最大で8%に対応する第1最大電力値(P
1)に制限し得るように構成されること、
及び
前記制御手段(4)が、前記第2調整ルールにより、
- 急激な電力ピークを防止するために、前記電気モータ(31)に供給される電力の経時的変動率を予め定義された経時的変動率に制限すること、
を実施し得るように構成されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記各動作経路における前記電気モータ(31)による電気エネルギー
の消費が20mWh未満(1000分の1ワット・アワー)未満であるように前記制御手段(4)が前記電気モータ(31)に供給され
る電力を調整し得るように構成され、
並びに、
前記作動装置(3)が、ギヤセット(32)であって、前記電気モータ(31)と機能的に関連するとともに、前記各動作経路において前記電気モータ(31)により必要とされる最大トルクが10~60mNmに含まれるように適合されたギヤセット(32)を含み、前記ギヤセット(32)が1:100~1:500に含まれる伝達比を提供し得るように適合されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記作動装置(3)が、前記飲料調製デバイス(2)の初期及び目的地位置の間、すなわち開放及び閉鎖位置の間及びまた逆の直線動作経路が、時計回りの方向及び逆において最大で110°の回転角度の駆動カム(33)による回転動作のみを必要とするように適合されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記制御手段(4)が、
- 前記作動装置(3)の動作経路の始まり及び終わりの位置、それにより前記飲料調製デバイス(2)の完全な開放又は完全な閉鎖の状態を推測する
に基づき、前記作動装置(3)の作動を調整し得るように構成されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記制御手段(4)が、以下の状態、すなわち、
- 配置配設(9)上での飲料受取部(10)の配置が検出されない場合、及び/又は、前記飲料調製デバイス(2)が完全な閉鎖位置にない場合、さらにはその内部で個々の部分(7)の存在が検出された場合に開始され得ない、並びに、
- 前記配置配設(9)からの前記飲料受取部(10)の除去の検出の場合に中断され得る及び/又は終了させられ得、前記配置配設(9)での前記飲料受取部(10)の操作の検出の場合に停止させられ得る
の少なくとも1つにより流体加圧デバイス(5)の作動を調整し得るように構成されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記制御手段(4)が、
- 前記作動装置(3)の動作経路の両端のうちの少なくとも一端と関連するとともに前記飲料調製デバイス(2)の前記完全な開放及び完全な閉鎖に対応する、光学タイプ及び電気機械スイッチタイプの位置センサ(34、35)の作動に基づく前記飲料調製デバイス(2)の位置、
を推測し得るように構成されることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
飲料を調製するための方法であって、
- 飲料調製のための請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(1)を提供すること、
- 作動準備を提供するために前記装置(1)をオンにすること、
並びに、
-
・作動監視手段(34、35)により感知されたデータに応じて前記飲料調製デバイス(2)の開放及び閉鎖動作を生じるため、
・前記各動作経路における前記電気モータ(31)による電気エネルギーの消費が20mWh未満(1000分の1ワット・アワー)未満であるように
前記各動作経路における前記電気モータ(31)への電力の供給を調整すること
を含む方法。
【請求項11】
- 前記電気モータ(31)への電力の前記供給を、予め定義された最大値(P
1)に制限する
ステップをさらに含み、
前記各動作経路における前記電気モータ(31)による電気エネルギーの前記消費が10mWh未満(1000分の1ワット・アワー)未満であるように、前記制限が、前記作動装置(3)の駆動カム(33)の回転方向、回転数、及び回転速度の少なくとも1つに基づき前記制御手段(4)により調整されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも閉鎖動作経路の場合、
- 前記駆動カム(33)の回転速度の低下又はその不動化の検出後の前記電気モータ(31)への電力の供給の減少又は中断
のステップをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、飲料成分の個々の部分に基づく飲料調製のシステム及びプロセスの分野に関連し、特に、飲料調製デバイスの作動が電気モータにより駆動される分野に関連する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
先行技術は、例えばコーヒーマシンなどの飲料調製装置のいくつかの解決策を提示し、そこでの抽出デバイスは、例えば煎った及び挽いたコーヒー豆などの可食物質の個々の部分を取集することができるように適合しているとともに、電気モータにより開放及び閉鎖位置の間で作動させられ得る。
【0003】
文献米国特許出願公開第2010/0098823A1号は、100W未満の電力で電気モータにより作動させられるピストンにより動作させらされる抽出デバイスを含む携帯用エスプレッソコーヒーメーカーを開示している。
【0004】
文献欧州特許第2177393B1号もまたエネルギー消費の低いモータにより作動させられる抽出デバイスを備えたコーヒーメーカーを開示している。電気モータは直流及び低電圧モータ、例えば安定化24Vであり得る。電気モータは制御ユニットと作動接続された状態で提供され、その結果、制御ユニットは電気モータを起動及び停止させ得る。電流センサが制御ユニットに作動可能に接続され、それに基づき、制御ユニットが、浸出液室の開放及び閉鎖のいくつかのステージにおいて電気モータにより吸収される電流を決定し得ることがさらに予想される。この文献は、抽出デバイスの作動のための電気モータの動作を表すエネルギー使用、特に、それぞれの初期及び最終作動経路の間での経時的な電流強度の発生のいくつかの図をさらに開示している。前記図は50W未満、特に25W未満の電力での最大消費を開示している。さらに、エネルギー使用の前記図は消費発生パターンを開示しており、電気モータの第1作動段階は、目的地位置の隣の第2段階において使用される電流の一部を消費する。文献は、動作経路の、目的地位置の近くの領域を含むが、変位経路の、目的地位置に隣接する領域は含まない、電気モータにより生じる動作経路のほとんどの部分に沿って消費される電力の能動的制御に関しては言及していない。
【0005】
文献国際公開第2012/025259A1号もまた、電気モータ、この場合、抽出デバイスを開放及び閉鎖位置の間で移動させるために必要な電力が50W以下である、及び/又は、生じるトルクが50mN.m以下である低消費モータにより作動させられる抽出デバイスを開示している。
【0006】
文献国際公開第2012/025258A1号は、モータにより消費される電力を表す少なくとも1つの電気パラメータの測定、及び予め定義された基準に合わせたこの代表的なパラメータの発生の比較を含むモータの制御方法を開示する。
【0007】
文献中国実用新案出願第201452867U号は、電気モータによる抽出デバイスを提示するコーヒーカープセルのためのコーヒーメーカーを開示している。特に、電気モータは、駆動カムの方向に、したがって抽出デバイスの動作に対して略平行の方向に沿って及び機械の略長手方向に沿って延在するように配置される。駆動カムへの電気モータの動作の伝達はギヤセットにより提供され、3つの動作部品の各々は共通の支持構造により支持される。
【0008】
文献国際公開第2012/072764A1号は、互いに対する相対的配設の点で、且つ機械の内部での相対的配設の点で、3つの部品、すなわち、電気モータ、伝達ギヤセット及び駆動カムの同様の配設を提示しているように思われる。さらに、電気モータ及び動作伝達の複数の要素は各々、共通の機械的支持体の単一の要素に直接固定される。
【0009】
文献国際公開第2008/129033A1号もまた、コーヒーメーカーの抽出ユニットを開示しているように思われ、電気モータ及び動作の伝達の要素は共通の支持体要素に固定されている。さらに、この場合もまた、電気モータは、その相対的に大きい延在部が抽出デバイスの可動部の動作の方向に平行な方向に沿って延在するように配設される。
【0010】
したがって、先行技術における文献のいずれも、有効なトルク要件、したがって電力に対する調整状況において電気モータにより作動させられ、動作経路に沿った動作パラメータに基づく電気モータの調整を提供するように適合された作動監視手段を提供する飲料調製デバイスを装置に提供する、並びにさらに、伝達効率の点で、且つ構造の単純さ及び飲料調製装置内部で作動装置により必要とされる容積の減少の点で、電気モータと前記飲料調製デバイスの少なくとも一部と作動的に関連する駆動カムとの間の動作の伝達のより有利な配設を装置に提供する解決策を開示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明の概要
本発明の目的は、装置であって、可食物質の個々の部分、例えば煎った及び挽いたコーヒー豆の一部を取集し得るように適合された飲料調製デバイス、例えば抽出デバイスと、前記飲料調製デバイスを開放及び閉鎖し得るよう適合された作動装置(disposicao de atuacao、actuation disposition)とを含み、前記作動装置が初期及び目的地位置の間での飲料調製デバイスの動作の作動の有効な要件に対して可能な限り最も調節されたやり方で可能な限り少ない量の電気エネルギーを使用するように構成された制御手段をさらに含む装置を提供することである。
【0012】
飲料調製デバイスの少なくとも1つの可動部は、初期位置と目的地位置との間で作動装置により直線動作で作動させられ得、前記位置は、飲料調製デバイスが可食物質の個々の部分を取集することができる開放状態、及び前記個々の部分が内部に閉じ込められる閉鎖状態に交互に対応する。
【0013】
特に、本発明の目的は、エネルギー効率が向上し、より効率的な動作の伝達に寄与し、開放から閉鎖状態への前方並進動作経路、及び逆方向への後方並進動作経路に沿って生じた動作の進行のより良好な監視に基づく飲料調製デバイスの作動装置を含む装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、本発明によれば、飲料調製デバイスを含む請求項1に記載の装置により達成される。
【0015】
特に、この目的は、本発明によれば、飲料調製装置であって、作動装置と関連する電気モータによるその作動が、動作経路に沿った相対的位置及びそこでの進行の速度の少なくとも1つに応じて、少なくとも、例えば電子的なやり方で、電気モータに供給された電力及びしたがって電気モータにより効果的に消費される電力に対して与えられ得る電力の制限により各動作経路において調整され得る、飲料調製装置により解決される。
【0016】
飲料調製デバイスの少なくとも1つの可動部の作動装置により生じた動作経路は、例えば重力の方向に対して直角の方向に沿って線形であり得るとともに、開放及び閉鎖されたデバイスの位置と関連する完全な動作経路の第1端及び第2端を含み得る。
【0017】
制御手段は、動作経路に沿った相対的位置により電気モータへの電気エネルギーの供給を調整し得るように、並びに開放及び閉鎖位置間の及びまた逆の作動が5秒より長く必要としない、好ましくは3秒より長く必要としないように構成され得る。
【0018】
電気モータに供給される電力の制限は、少なくとも閉鎖動作経路の場合、目的地位置を除き、動作経路の少なくともほとんどの部分にわたって課され得る。
【0019】
電気モータに供給される電力の制限は、少なくとも閉鎖動作経路の場合、動作経路の少なくとも90%にわたって、作動監視手段により感知されたデータに基づき制御手段により課され得る。
【0020】
電気モータに供給される電力の制限は、
- 電気モータに供給される電力の制限に基づく第1調整ルール、
- 作動装置の作動的パラメータの予め定義された変動の感知があった場合の電気モータに供給される電力の減少及び/又は削減を含む第2調整ルール
の少なくとも1つにより課され得る。
【0021】
動作経路に沿って感知された可動部の移動の速度及び相対的位置の少なくとも1つにより第1及び第2ルールは適用され得る。
【0022】
電気モータにより消費される電力の制限の第1ルールは、少なくとも飲料調製デバイスの閉鎖移動の場合、初期位置を含み、目的地位置に隣接する領域を除く、動作経路の少なくともほとんどの部分に沿って、制限値タイプ及び/又は制限値の間隔であり得、予め定義され得、並びに供給される電力が概ね一定であり得る。
【0023】
供給される電力の制限値は、電気モータの公称又は定格電力PNの最大で20%、好ましくは最大で10%、特に好ましくは最大で8%であり得る。
【0024】
供給される電力の制限値は、電気モータの公称又は定格電力PNの1~10%、好ましくは2~9%、特に好ましくは3~8%の間隔であり得る。
【0025】
電力の制限値は、各動作経路において10mWh未満、好ましくは8mWh未満、特に好ましくは5mWh未満の電気モータによる電気エネルギーの消費を提供し得る。
【0026】
電気モータに供給される電力の制限の第1ルールは、前記制限値が、飲料調製デバイスの可動部の、予め定義されたその動作経路に沿った及び対する相対的変位に応じてのみ適用されるように、変数が1つのみの関数タイプのものであり得る。前記相対的位置は、少なくとも閉鎖位置の近くにおける領域を含み閉鎖位置に隣接する領域を除く動作経路の予め定義された第1部分に沿って検討され得る。動作経路の前記第1部分は、開放位置及び、開放位置と閉鎖位置の近くの領域との間の動作経路の延在部全体を有利には含み得る。第1部分は、開放位置と閉鎖位置の近くの領域とを含む飲料調製デバイスの可動部の、動作経路の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも95%に対応し得る。
【0027】
第2ルールは、2つ以上の変数を有する関数タイプであり得る。
【0028】
第2ルールは、動作経路に沿った所定の相対的位置の関数として、及び動作経路に沿った変位方向の関数として適用され得る。
【0029】
第2ルールは、変位の速度、変位の速度の変動率、電流強度、電気モータにより消費される電流強度の変動率の少なくとも1つの予め定義された変動が検出された場合に電気モータへの電力供給を中止すること又は一時的に中断することを含み得る。
【0030】
第2ルールは、少なくとも閉鎖位置に隣接する領域において、好ましくは動作経路の10%に対応する領域において、又は動作経路の少なくともほとんどの部分において適用され得る。
【0031】
例えば、電気モータの過熱のリスクを最少化しながら、飲料調製デバイスの部品を結びつけるのに、最終的にさらに、個々の部分をデバイスの1つの部品の内部へ押し込むのに閉鎖領域において十分な電力、したがってトルクを備えた電気モータを有する可能性がここで有利には提供される。
【0032】
さらに、飲料調製デバイスにおける個々の部分の最終的な詰まり又は不正確な位置付けを、その閉鎖前に検出し、及びその閉鎖を抑制し、電気モータが動作経路の段階において過剰なトルクを提供することを防ぐ可能性が有利には提供される。
【0033】
飲料調製装置は、駆動カムを回転するように作動させるように提供されたギヤセットに作動接続された電気モータを含む作動装置を含み得、前記回転駆動カムは、初期及び目的地位置の間で飲料調製デバイスの部品の少なくとも1つの並進動作を生じ得るように、飲料調製デバイスと機能的に関連した状態で提供され得る。
【0034】
飲料調製装置は、制御手段であって、電気モータへのエネルギーの供給を制御し得るように適合され、作動監視手段と機能的に接続された状態で提供され、そこからデータを受信し得るように適合された制御手段を含み得る。
【0035】
制御手段は、動作経路に対する飲料調製デバイスの可動部の変位の相対的位置により、例えば動作経路の少なくともほとんどの部分の間、電気モータに効果的に供給された電力を制限し得るように構成され得る。
【0036】
制御手段は、動作経路に対する飲料調製デバイスの可動部の変位の動作の速度及び/又は相対的位置に応じて、供給される電圧及び/又は電流強度、及びそれをもって電気モータに供給される最大電力を好ましくは予め定義された最大値及び/又は値の予め定義された間隔に制限し得るように構成され得る。
【0037】
制御手段は、電気モータにより効果的に消費される電力が、とりわけ動作経路に沿って必要とされるロードの変動により動作経路に沿って変わり得るが、電気モータに対して利用可能にされる最大電力に制限されるように構成され得る。
【0038】
制御手段は、駆動カムと関連する作動監視手段により感知された回転の方向及び回転数に基づき、動作経路の両端に対する駆動カムの変位の相対的位置を決定し得るように構成され得る。
【0039】
制御手段は、特に前記作動監視手段から受信されたパラメータのデータに基づき、電気モータに供給される最大電圧及び最大電流強度の少なくとも1つを調整し得るように構成され得る。
【0040】
電気モータは、特に50V未満、例えば12V DC~44V DCの低電圧電気モータ、好ましくは24Vのモータ、又は12Vのモータであり得る。
【0041】
電気モータは直流、DCの電気モータであり得る。
【0042】
電気モータには、装置に含まれるAC-DC変換デバイスにより直流、DCが供給され得、装置には交流、AC、例えば110V AC、又は230V ACが供給される。
【0043】
電気モータは、公称電力(PN)、又は定格電力が少なくとも60W、好ましくは少なくとも30W、特に好ましくは少なくとも10W及び25W未満の電気モータであり得る。
【0044】
電気モータは、伝達率が1:100~1:500、好ましくは1:200~1:400に含まれる伝達ボックスと作動的に関連し得る。
【0045】
本発明の別の目的は、特に電気モータによる電気エネルギーのより良好な使用効率を提供すると同時に、飲料調製デバイスの動作に関連する特定の必要条件のために十分なトルクを提供する飲料を調製するためのプロセスを提供することである。
【0046】
この目的は、請求項12により解決される。
【0047】
特に、このプロセスは、請求項1~11のいずれか一項に記載の飲料調製装置の動作と関連付けられ得る。
【0048】
好ましい実施形態は、従属請求項において提示される。
【0049】
本発明の説明の範囲において、「公称電力」という表現は、それぞれの製造者によるデバイスに起因する定格電力の分類と等しいもの、及び装置を流れ得る最大エネルギー入力、すなわち電気モータの最大電力、又は「ストール」電力に概ね対応するものとして理解されるべきである。
【0050】
特に、24V DCの電気モータの公称電力は、そのような電圧と最大許容可能な、最終的に承認する公差として製造者により評価された電流強度との積に対応する。
【0051】
電気モータの動作のタイプから推論可能な製造者により提供された明白な値が無い場合、及び少なくとも24V DCモータである場合、「公称電力」、PN、の値は50W以下と考えられる。
【0052】
図面の説明
以下、本発明は、好ましい実施形態に基づき、及び添付の図において、より詳細に説明される。
【0053】
図は、簡略化された概略図で示す。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明のタイプの飲料調製装置(1)の実施形態の側面(左側)及び正面図。
【
図2】本発明による装置(1)における飲料調製デバイス(2)の作動ダイアグラム。
【
図3】本発明による装置(1)における飲料調製デバイス(2)の開放位置に対応する瞬間における開放サイクルの作動ダイアグラム。
【
図4】本発明による装置(1)における飲料調製デバイス(2)の可動部(21)の第1変位位置に対応する瞬間における開放サイクルの作動ダイアグラム。
【
図5】本発明による装置(1)における飲料調製デバイス(2)の可動部(21)の第2変位位置に対応する瞬間における開放サイクルの作動ダイアグラム。
【
図6】本発明による装置(1)における飲料調製デバイス(2)の閉鎖位置に対応する瞬間における開放サイクルの作動ダイアグラム。
【
図7】本発明による飲料調製デバイス(2)及びそれぞれの作動デバイス(3)の好ましい実施形態の上からの斜視図。
【
図8】
図7に示された好ましい実施形態の上からの分解斜視図。
【
図9】本発明による装置(1)の作動装置(3)における作動監視手段(34)の可動部(341)及び静止部(342)の好ましい実施形態の側面図。
【
図10】本発明による装置(1)の作動装置(3)における作動監視手段(34)の可動部(341)及び静止部(342)の好ましい実施形態の正面図。
【
図13】本発明による装置(1)における、開放位置にある飲料調製デバイス(2)を伴う作動装置(3)の好ましい実施形態の側面切断図(左側)。
【
図14】本発明による装置(1)における、閉鎖位置にある飲料調製デバイス(2)を伴う作動装置(3)の好ましい実施形態の側面切断図(左側)。
【
図15】本発明による、閉鎖動作経路における電気モータ(31)に提供される電力の制限の第1ルールの好ましい実施形態の適用形態の概略図。
【
図16】本発明による、閉鎖動作経路における電気モータ(31)に提供される電力の制限の第1ルールの好ましい実施形態の適用形態の概略図。
【
図17】本発明による、閉鎖動作経路における電気モータ(31)に提供される電力の制限の第2ルールの好ましい実施形態の概略図。
【
図18】本発明による、閉鎖動作経路における電気モータ(31)に提供される電力の制限の第2ルールの好ましい実施形態の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0055】
発明の好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、得られた飲料をそれぞれの配置配設に配置された、例えばガラスのカップなどの飲料受取部へ排出するために抽出デバイスに供給された、飲料調製システム、特に例えば、カプセルなどの容器内に提供される可食物質、例えば煎った及び挽いたコーヒー豆の個々の部分の抽出に基づくものの実施形態に基づき説明される。
【0056】
図1は、開放位置にあるときに個々の部分(7)を取集し得るように適合された本発明による飲料調製装置(1)の側面図(図の左側)及び正面図を示す。
【0057】
前記装置(1)は、前記可食物質と相互作用するために、60~100℃の温度及び1~20バー、好ましくは8~16バーの圧力のフロー供給(FS)を提供し得るように流体貯蔵器(図示せず)、並びに流体加圧デバイス(5)、例えば油圧式ポンプ、及び流体加熱手段(6)を含み得る。当業者には、そのより詳細な表示又は説明を放棄するように、これらの手段は既知である。
【0058】
さらに、前記装置(1)は、前記個々の部分(7)を取集し得るとともに、可食物質と混合されて飲料がもたらされるように前記個々の部分(7)を前記加圧されたフロー(FS)と衝突させ得るように設けられた、以下抽出デバイスともいう飲料調製デバイス(2)を有する。前記飲料調製デバイス(2)は、電気モータ(31)を含む作動装置(3)により開放及び閉鎖位置並びにその逆の間で作動させられ得る。
【0059】
装置(1)は、作動装置(3)を含む装置(1)のいくつかのコンポーネントの動作を制御し得るように適合された制御手段(4)をさらに含む。
【0060】
前記制御手段(4)は、装置(1)における個々の部分(7)の存在に関するデータ、及び特に動作経路の両端での作動装置(3)の位置に関するデータを含む複数の動作パラメータのデータを感知し得るように適合され、それにより飲料調製デバイス(2)の対応する位置、特に完全な閉鎖及び開放を推測する。
【0061】
電気モータ(31)は有利には、例えば12V~44Vの直流DC及び低電圧モータであり得る。特に、電気モータ(31)の公称電力は50W以下であり得る。特に、公称電力の値、又は電気モータ(31)により消費され得る最大電力の値は、最大で40W、好ましくは最大で25Wであり得る。
【0062】
図2は、本発明による飲料調製装置(1)における、可食物質の個々の部分(7)の取集に適合されているが、可食物質の圧縮には適合されていない飲料調製デバイス(2)と関連する作動装置(3)の好ましい実施形態の主コンポーネントを示す。
【0063】
作動装置(3)は、飲料調製デバイス(2)の動作経路と関連する作動方向に対して直交する方向に沿ったそれぞれのモータ駆動軸(X)が配設された電気モータ(31)を含む。
【0064】
例えば30Wの公称又は定格電力、及び24V DCの電気モータ(31)は、前記モータ駆動軸(X)の方向に沿って配設された単一のギヤセット(32)に直接接続される。前記単一のギヤセット(32)はそれぞれのボックスの内部に有利には設けられ、モータ駆動軸(X)の方向に直交する方向に沿って配設された駆動出口を有する。
【0065】
ギヤボックス(32)は、ギヤボックス(32)の駆動出口に直接第1端で接続された駆動カム(33)と作動接続され、その延在部のほとんどにおいて飲料調製デバイス(2)に対して及びその作動方向に対して横断方向に延在し、その結果、ギヤボックス(32)と飲料調製デバイス(2)との間の動作伝達は前記駆動カム(33)によってのみ駆動される。
【0066】
作動装置(3)は、分離したギヤ、レバータイプの要素などを欠いていることを含み、他の動作伝達要素を欠いている。
【0067】
作動装置(3)の全ての主コンポーネントは、ゴミ又は腐食性薬品に露出されないように封入された状態で提供される。
【0068】
駆動カム(33)は、およそ四分円(象限)に相当する角度、すなわち最大で110°まで、好ましくは最大で95°の付いた延在部において、時計回りの方向及び反対方向に、各動作経路において回転動作において作動させられ得る。
【0069】
提示された実施形態の場合、駆動カム(33)は、前記飲料調製デバイス(2)の可動部(21)の移動手段に、前記可動部(21)が開放位置におけるデバイス(2)に対応する初期位置と、閉鎖位置におけるデバイス(2)に対応する最終位置との間を移動し得るように、直接作動接続される。
【0070】
図3~6は、デバイス(2)の開放及び閉鎖位置の間の作動装置(3)の動作経路の連続する瞬間を表す。
【0071】
電気モータ(31)は、ギヤボックス(32)によって第1回転軸(R1)から第1回転軸に対して直交する第2回転軸(R2)へ方向が変わるように変換される回転動作を生じ、1分当たりの回転数の点で速度が低下し、トルクが増加する。
【0072】
駆動カム(33)は、駆動カム(33)の回転動作がデバイス(2)の開放及び閉鎖位置により境界付けられた経路に対応する予め定義された動作経路に沿った直線動作へ変換されるように、飲料調製デバイス(2)の駆動作動装置、例えばピストンタイプの配設などと関連付けられる。
【0073】
駆動カム(33)の回転動作は、飲料調製デバイス(2)の可動部(21、22)で駆動カム(33)により生じた直線動作経路の延在部に対応する、最大で160°、好ましくは最大で120°、特に好ましくは最大で95°の角度の付いた延在部を有利には提示する。
【0074】
作動装置(3)は、作動監視手段(34)であって、駆動カム(33)と作動的に関連するとともに回転方向(時計回りの方向、又はそれに対して反対側)、角回転速度及び回転数の少なくとも1つを感知し得るように適合された作動監視手段(34)を含む。
【0075】
特に、作動監視手段(34)は、予め定義された角度の付いた延在部における、及び駆動カム(33)により生じた直線動作経路の一部に対応する複数の相対的角度位置を感知するように提供される。
【0076】
図7~10においてより詳細に示されているとおり、作動監視手段(34)は、例えば「エンコーダ」タイプの、位置の変動の感知の光学的手段の形で提供され得る。
【0077】
図7及び8、並びに
図11及び12は、飲料調製デバイス(2)及びその作動装置(3)の好ましい実施形態を表す。
【0078】
電気モータ(31)及びギヤボックス(32)は、飲料調製デバイス(2)による動作経路に対して直交する第1整列に沿って配設される。
【0079】
電気モータ(31)は、ギヤボックス(32)が第1支持体(36)に固定されると、ギヤボックス(32)に作動接続される。
【0080】
作動装置(3)のこれらのコンポーネントにより占められる基準容積は、飲料調製デバイス(2)の推定的な容積と同様であり得、好ましくはより小さいものであり得る。さらに、作動装置(3)の動作伝達の要素のいずれも飲料調製デバイス(2)より高いところにない場合有利である。
【0081】
電気モータ(31)及びギヤセット(32)により形成されたセットの動作経路の方向に対して横断方向の延在部は、飲料調製デバイス(3)の横断方向の延在部より小さい。
【0082】
電気モータ(31)及びギヤボックス(32)により形成されたセットの動作経路の方向に対して横断方向の延在部の少なくとも一部は、飲料調製デバイス(2)の横断方向の延在部の少なくとも一部と突出して整列させられ得る。
【0083】
作動装置(3)及び飲料調製デバイス(2)の動作伝達の点で単純で、コンパクトで効果的である構造がここで有利には提供され、飲料調製デバイス(1)内部のセットにより必要とされる容積が減少する。
【0084】
図9及び10は、本発明による装置(1)の制御手段(4)と機能的に接続された状態で提供された光学タイプの作動監視手段(34)の2つの部品(341、342)を表す。
【0085】
前記作動監視手段(34)は、例えば開口又は窓の形の複数の観察基準を含む第1可動部(341)並びに電磁放射線、例えば赤外線ビームの送信器を含む第2静止部(342)を含むことができる。第1及び第2部品(341、342)は、好ましくは、共通の構造的支持体(37)において、並びに、赤外線ビームが開口と連続的に交差し得るような互いに対する空間的な関係における配置で設けられる。
【0086】
第1可動部(341)は、駆動カム(33)と動作において連動し、その結果それと共に回転し得る。さらに、第1可動部(341)は、第2静止部(342)により照らされる、動作の角度の付いた延在部の一部に対応する観察の窓を提供するように間に一定の距離があいた同様の寸法の複数の開口を有し、その結果直線動作経路の相対的位置が感知され得る。
【0087】
図11及び12は提示された実施形態の反対側の側面図を示す。
【0088】
図13及び14は、作動装置(3)がそれぞれ開放及び閉鎖位置にある状態での飲料排出に関連する側面図及び背面図を示す。
【0089】
説明された実施形態において観察され得るとおり、駆動カム(33)は、その両端領域において、ピストン様配設のそれぞれのアームに機能的に接続され、その結果、駆動カム(33)の回転動作は、開放及び閉鎖位置の間での動作経路に沿った可動部(21)の直線動作へ変換される。
【0090】
図15~18は、作動装置(3)の動作経路に沿った電気モータ(31)に供給される電力の発生の曲線を、その調整の第1及び第2ルールにより、指標に基づき概略的に表す。
【0091】
図15及び16において再現されるとおり、第1ルールにより、制御手段(4)及び作動装置(3)は、少なくとも閉鎖位置の近くの領域を含むが、それに直接隣接する領域を除く動作経路の少なくともほとんどの部分に沿って、電気モータ(31)への電力の供給を予め定義された最大制限値(P
1)(
図15を参照)に制限するように適合され得る。電気モータ(31)に供給される電力の前記制限は、電気モータ(31)の電源回路において利用可能な電圧の制限により、制御手段(4)により制御され得る。
【0092】
電気モータ(31)の最大又は公称電力(Pnom)が最終的に比較的大きくなり、動作経路の、飲料調製デバイス(3)の部品(21、22)の遭遇に対応する部分について十分なトルクを生じることができることが最終的に必要となるにもかかわらず、動作経路の延在部のほとんどの部分の間に電気モータ(31)が必要とするエネルギーは最小限であることがここで確実にされる。当然のことながら、電気モータ(31)により効果的に消費される電力の値はわずかに変動するが、前記最大制限値(P1)より下に常に保たれることになり得る。
【0093】
代替的実施形態において、制御手段(4)及び作動装置(3)は、電気モータ(31)への電力の供給が、動作経路の少なくともほとんどの部分に沿って電力(P
1、P
2)の予め定義された値の間隔内で変化し得るように適合され得る(
図16を参照)。
【0094】
図17及び18において表されているとおり、制御手段(4)及び作動装置(3)は、少なくとも飲料調製デバイス(2)の閉鎖位置に隣接する領域において予め定義された変動(Delta
P)、特に、電気モータにより効果的に消費される電力(31)の増加の変動又は増加率の変動が検出された場合に、第2ルールにより、電気モータ(31)に供給される電力が減少し得る又は中断され得るように適合され得る。
【0095】
電力(Delta
Pmax)の変動の予め定義された最大値よりも高い電力(Delta
P)の変動が検出された場合、制御手段(4)は、電気モータ(31)に供給される電力の、
図17に表されているとおり完全な中断又は
図18に表されているとおり一時的な減少を命令し得る。
【0096】
例えば飲料調製デバイス(2)の部品(21、22)間での個々の部分(7)の詰まりに由来するトルクの過剰な要求を検出する、並びにトルクのそのような過剰な上昇がその一部又は作動装置(3)の一部を損傷し得るのを防ぐ可能性がここでは有利には提供される。
【0097】
前記第1及び第2調整ルールの組合せは、有利には、閉鎖動作経路及び開放動作経路の両方において、特に閉鎖位置に隣接する領域において必要とされるトルクを提供するのに十分な公称電力(Pnom)の電気モータ(31)を使用する可能性を提供すると同時に、後者が動作経路の各部分の必要性に対して調節されたエネルギー消費プロファイルで動作し、最終的な異常な状況と関連するリスクを防ぐことを確実にする。
【0098】
電気モータ(31)へのエネルギー供給の第1及び第2調整ルールは、好ましくは、制御手段(4)において定義され、作動監視手段(34、35)により感知されたデータに基づき制御手段(4)により適用される。
本願発明は、以下の通りである。
[1]
電気モータ(31)を含む作動装置(3)であって、飲料調製デバイス(2)が可食物質の個々の部分(7)を取集し得る開放位置と閉鎖位置との間の閉鎖動作経路において、及び逆の動作経路において制御手段(4)により調整され得る作動装置(3)により作動させられ得るように適合された少なくとも1つの可動部(21、22)を有する前記飲料調製デバイス(2)を含む装置(1)において、
前記制御手段(4)が、
- 初期位置と目的地位置の近くの前記動作経路の領域との間を含む少なくとも前記動作経路の第1部分において、前記電気モータ(31)の公称電力P
N
の一部のみが前記電気モータ(31)に供給され得る、
- 各動作経路における前記電気モータ(31)による総エネルギー消費が、公称電力P
N
での前記電気モータ(31)による基準最大エネルギー消費の4分の1未満、好ましくは5分の1未満、特に好ましくは6分の1未満である
の少なくとも1つにより前記電気モータ(31)への電気エネルギーの供給を調整し得るように構成されることを特徴とする装置(1)。
[2]
前記制御手段(4)が、
- 前記閉鎖位置に隣接する領域を除く動作経路の第1経路において供給され得る電力(P
1
)の第1最大値を含む第1調整ルール、及び
- 前記閉鎖位置に隣接する領域を含む動作経路の部分において少なくとも得られ得る作動的パラメータの第2最大値を含む第2調整ルール、
の少なくとも1つにより、前記電気モータ(31)への電気エネルギーの前記供給を調整し得るように構成されること、
並びに
前記制御手段(4)が、前記動作経路における相対的位置、並びに、前記電気モータ(31)により駆動される駆動カム(33)と関連する、及び前記制御手段(4)により及び/又は作動監視手段(34)により感知される少なくとも1つの動作パラメータのデータに基づき優先的に決定された変位速度により、前記電気モータ(31)への電気エネルギーの前記供給を調整し得るように構成されることを特徴とする、[1]に記載の装置。
[3]
前記制御手段(4)が、
- 第1調整ルールであって、前記電力が、前記変位位置に応じて、少なくとも前記閉鎖位置の近くの領域を含む前記動作経路の少なくともほとんどの部分に沿って限定され得るが、前記閉鎖位置に隣接する前記領域においては制限され得ない第1調整ルール
及び
- 第2調整ルールであって、前記変位速度の予め定義された低下があると決定された場合、前記変位速度に応じて、前記閉鎖位置に隣接する前記領域を含む動作経路の少なくとも前記部分に沿って、好ましくは閉鎖経路全体に沿って、前記電気モータ(31)への電力の前記供給を遮断し得る第2調整ルール
の少なくとも1つにより、前記電気モータ(31)への電気エネルギーの前記供給を調整し得るように構成されること、
並びに
前記制御手段(4)が、前記動作経路に対する前記可動部(21、22)の前記相対的位置の関数として、好ましくは第1及び第2調整ルールの少なくとも1つにより、前記電気モータ(31)に供給された前記電流の電流強度及び電圧のうちの少なくとも1つを調整し得るように構成されることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の装置。
[4]
前記制御手段(4)が、第1ルールにより、前記電気モータ(31)に供給される前記電力を、前記電気モータ(31)の前記公称電力値P
N
の20%未満、好ましくは15%未満、特に好ましくは10%未満に対応する第1最大電力値(P
1
)に制限し得るように構成されること、
及び
前記制御手段(4)が、第2ルールにより、
- 少なくとも前記閉鎖位置に隣接する前記領域を含む、前記動作経路の、前記開放及び閉鎖位置に対応しない相対的位置における前記変位速度において少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%の減少が検出された場合に、前記電気モータ(31)への電力の前記供給を遮断すること、
- 急激な電力ピークを防止するために、前記電気モータ(31)に供給される前記電力の経時的変動率を予め定義された経時的変動率に制限すること、
の少なくとも1つを実施し得るように構成されることを特徴とする、[1]~[3]のいずれか一つに記載の装置。
[5]
前記制御手段(4)が、前記飲料調製デバイス(2)の各動作経路における前記電気モータ(31)による電気エネルギーの消費が、前記公称電力P
N
での前記基準最大エネルギー消費の10%未満、好ましくは8%未満であるように電力の前記供給を制御するように構成され、好ましい場合には各動作経路が4秒未満、好ましくは3秒未満を必要とするように、並びに各動作経路における前記電気モータ(31)による電気エネルギーの前記消費が20mWh未満、好ましくは15mWh未満、特に好ましくは10mWh(1000分の1ワット・アワー)未満であるように前記制御手段(4)が前記電気モータ(31)に供給される前記電力を調整し得るように構成され、
並びに、
前記作動装置(3)が、ギヤセット(32)であって、前記電気モータ(31)と機能的に関連するとともに、各動作経路において前記電気モータ(31)により必要とされる最大トルクが10~60mNm、好ましくは20~40mNmに含まれるように適合されたギヤセット(32)を含み、前記ギヤセット(32)が1:100~1:500、好ましくは1:200~1:400に含まれる伝達比を提供し得るように適合されることを特徴とする、[1]~[4]のいずれか一つに記載の装置。
[6]
前記作動装置(3)が電気モータ(31)、優先的にギヤボックス(32)の形の速度及びトルク変換デバイス、並びに前記飲料調製デバイス(2)の直線動作の可動部(21、22)への最終回転動作の駆動伝達装置を含み、前記作動装置(3)が、好ましくは、前記飲料調製デバイス(2)の初期及び目的地位置の間、すなわち開放及び閉鎖位置の間及びまた逆の直線動作経路が、時計回りの方向及び逆において最大で110°、好ましくは最大で95°の回転角度の駆動カム(33)による回転動作のみを必要とするように適合されることを特徴とする、[1]~[5]のいずれか一つに記載の装置。
[7]
前記作動装置(3)が、直接動作伝達により、電気モータ(31)の駆動軸に対して直交方向に優先的に方向付けられた動作出口を提示する単一のギヤセット(32)に作動接続された電気モータ(31)を含み、前記ギヤセット(32)が、前記飲料調製デバイス(2)の少なくとも1つの可動部(21、22)を駆動する駆動カム(33)の前記回転動作の直接伝達に適合しており、前記作動装置(3)の前記動作伝達の全てのコンポーネントが、前記単一のギヤセット(32)が優先的にそれぞれのギヤボックスの内部に提供されること、及び前記駆動カム(33)がそれぞれの駆動スリーブの内部に提供されることを含み、ゴミ又は腐食性薬品に露出されないように封入された状態で提供されること
並びに、
前記作動装置(3)が、ギヤセット(32)の伝達出口と前記飲料調製デバイス(2)の作動部との間の直接動作伝達を提供するように適合された駆動カム(33)を含み、前記駆動カム(33)が、前記作動装置(3)の全幅及び前記飲料調製デバイス(2)の横断方向の延在部の少なくともほとんどの部分に沿って優先的に延在すること
を特徴とする、[1]~[6]のいずれか一つに記載の装置。
[8]
前記制御手段(4)が、
- 前記個々の部分(7)の正しい出入り、特に前記飲料調製デバイス(2)の前記入口での前記個々の部分(7)の最終的な詰まり、
- 前記作動装置(3)の動作経路の始まり及び終わりの位置、それにより前記飲料調製デバイス(2)の完全な開放又は完全な閉鎖の状態を推測する
の少なくとも1つに基づき、前記作動装置(3)の作動及び流体加圧デバイス(5)の作動、及びユーザへの作動状態の表示の少なくとも1つを調整し得るように構成されることを特徴とする、[1]~[7]のいずれか一つに記載の装置。
[9]
前記制御手段(4)が、以下の状態、すなわち、
- それぞれの配置配設(9)上での飲料受取部(10)の配置が検出されない場合、及び/又は、前記飲料調製デバイス(2)が前記完全な閉鎖位置にない場合、さらにはその内部で個々の部分(7)の存在が検出及び/又は推定された場合に開始され得ない、並びに、
- 前記閉鎖された飲料調製デバイス(2)の内部で個々の部分(7)の存在が検出又は推定されない場合であっても開始され得る、
- 前記配置配設(9)からの前記飲料受取部(10)の除去の検出の場合に中断され得る及び/又は終了させられ得、それぞれの配置配設(9)での前記飲料受取部(10)の操作の検出の場合に停止させられ得る
の少なくとも1つにより前記流体加圧デバイス(5)の前記動作を調整し得るように構成されることを特徴とする、[1]~[8]のいずれか一つに記載の装置。
[10]
前記制御手段(4)が、前記飲料調製デバイス(2)に対する前記個々の部分(7)の前記相対的位置に基づき、及び、前記作動装置(3)の動作経路の始まり及び終わりの前記位置に基づくことを含み、前記動作経路に対する前記作動装置(3)の前記相対的位置に基づき、前記作動装置(3)の前記動作を調整し得るように構成されること、並びに、
前記制御手段(4)が、前記作動装置(3)、特に前記駆動カム(33)と関連する前記変位速度の減少率の予め定義された減少の決定に基づき、前記個々の部分(7)の前記相対的位置及び前記飲料調製デバイス(2)の前記入口でのその最終的な詰まりを推測し得る、又はそれを止め得るように構成されることを特徴とする、[1]~[9]のいずれか一つに記載の装置。
[11]
前記制御手段(4)が、以下のそれぞれの手段に基づき、以下の事象、すなわち、
- 部分検出手段、優先的に前記飲料調製デバイス(2)と関連する第1及び第2部分センサの作動に基づく個々の部分(7)の存在、
- 前記作動装置(3)の動作経路の両端のうちの少なくとも一端と関連するとともに前記飲料調製デバイス(2)の前記完全な開放及び完全な閉鎖に対応する、例えば光学タイプ及び電気機械スイッチタイプの位置センサ(34、35)の前記作動に基づく前記飲料調製デバイス(2)の位置、
- 駆動カム(33)の前記変位速度の変動に基づく前記飲料調製デバイス(2)での前記個々の部分(7)の最終的な詰まり
を推測し得るように構成されることを特徴とする、[1]~[10]のいずれか一つに記載の装置。
[12]
飲料を調製するためのプロセスであって、
- 飲料調製装置(1)を提供すること、
- 作動準備を提供するために前記装置(1)をオンにすること、
- 任意選択的に、個々の部分(7)と関連する各飲料調製サイクルにおいて、電気モータ(31)の作動状態を含む、飲料調製デバイス(2)の位置及び作動装置(3)との制御手段(4)の機能的接続を確認すること、
並びに、
-
・作動監視手段(34、35)により感知されたデータに応じて前記飲料調製デバイス(2)の開放及び閉鎖動作を生じるため、
・前記飲料調製デバイス(2)の少なくとも1つの可動部(21、22)の各動作経路が4秒未満、好ましくは3秒未満を必要とし、各動作経路における前記電気モータ(31)による電気エネルギーの消費が20mWh未満、好ましくは15mWh未満、特に好ましくは10mWh(1000分の1ワット・アワー)未満であるように
各動作経路における前記電気モータ(31)への電力の供給を調整すること
を含むプロセス。
[13]
- 前記電気モータ(31)への電力の前記供給を、予め定義された最大値(P
1
)又は、閉鎖位置に隣接する領域を除く近くの領域を含む前記動作経路の少なくともほとんどの部分に沿った電圧及び電流の強度の少なくとも1つの作動値(P
1
、P
2
)の間隔へ制限する
ステップをさらに含み、
各動作経路における前記電気モータ(31)による電気エネルギーの前記消費が10mWh未満、好ましくは5mWh未満、特に好ましくは2mWh(1000分の1ワット・アワー)未満であるように、前記制限が、前記作動装置(3)の駆動カム(33)の回転方向、回転数、及び回転速度の少なくとも1つに基づき前記制御手段(4)により調整されることを特徴とする、[12]に記載のプロセス。
[14]
少なくとも閉鎖動作経路の場合、
- 少なくとも前記閉鎖位置に隣接する前記領域における作動速度、例えば前記駆動カム(33)の回転速度の低下又はその不動化の検出後の前記電気モータ(31)への電力の供給の減少又は中断
のステップをさらに含むことを特徴とする、[12]又は[13]に記載のプロセス。
[15]
前記電気モータ(31)への電力の前記供給が、流体加圧デバイス(5)への電力の供給と同時に実施されないように、前記制御手段(4)により調整され、好ましい場合には各飲料調製サイクルにおいて、前記電気モータ(31)への電力の前記供給が、前記制御手段(4)への、流体加熱デバイス(6)への、及び任意選択的にさらに前記装置(1)のインターフェイスを使用するための電力の前記供給と少なくとも部分的に同時に起こるだけであることを特徴とする、[12]~[14]のいずれか一つに記載のプロセス。
[16]
前記飲料調製デバイス(2)の入口/出口領域における個々の部分(7)の詰まりが検出された場合、個々の部分(7)を前記飲料調製デバイス(2)の前記入口/出口領域から取り除くために、
- 前記飲料調製デバイス(2)の閉鎖の命令後の予め定義された時間間隔において、例えば第1部分センサの作動による個々の部分(7)の供給の感知があり、前記飲料調製デバイス(2)の完全な閉鎖の感知が無い場合の、前記飲料調製デバイス(2)の部分的開放及び閉鎖の試みの少なくとも1つ及び最大で3つの連続的動作において
- 前記飲料調製デバイス(2)の開放の命令後に予め定義された時間間隔において、例えば第2部分センサの作動により、前記作動デバイス(3)の開放の感知があり前記個々の部分(7)が完全に出たという感知が無い場合、前記飲料調製デバイス(2)を閉鎖及び開放する少なくとも1つ及び最大で5つの連続的動作において、
の少なくとも1つにより前記作動装置(3)に命令するステップをさらに含むことを特徴とする、[12]~[15]のいずれか一つに記載のプロセス。