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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】ラダー型フィルタおよびマルチプレクサ
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/25 20060101AFI20250331BHJP
   H03H 9/64 20060101ALI20250331BHJP
   H03H 9/72 20060101ALI20250331BHJP
【FI】
H03H9/25 C
H03H9/64 Z
H03H9/72
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021106605
(22)【出願日】2021-06-28
(65)【公開番号】P2023004724
(43)【公開日】2023-01-17
【審査請求日】2024-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】下村 輝
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅人
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-093609(JP,A)
【文献】特開2019-186655(JP,A)
【文献】特開2018-093487(JP,A)
【文献】特開2016-072808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 9/25
H03H 9/64
H03H 9/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板と、前記支持基板上に設けられた圧電層と、前記圧電層上に設けられた一対の櫛型電極と、を備える複数の弾性波共振器と、
入力端子と出力端子との間に直列接続され、前記複数の弾性波共振器に含まれた1または複数の直列共振器と、
前記入力端子と前記出力端子との間の経路に一端が接続され、他端が接地され、前記複数の弾性波共振器に含まれ、少なくとも1つの並列共振器における前記圧電層の厚さは、前記少なくとも1つの並列共振器における前記一対の櫛型電極の電極指の平均ピッチ以下であり、かつ前記1または複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器における前記圧電層の厚さより小さい1または複数の並列共振器と、
を備えるラダー型フィルタ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの並列共振器における前記圧電層は、前記1または複数の直列共振器の全てにおける前記圧電層より薄い請求項1に記載のラダー型フィルタ。
【請求項3】
前記1または複数の直列共振器における前記圧電層の厚さは略等しい請求項2に記載のラダー型フィルタ。
【請求項4】
前記1または複数の並列共振器の全てにおける前記圧電層は、前記1または複数の直列共振器の全てにおける前記圧電層より薄い請求項1に記載のラダー型フィルタ。
【請求項5】
前記1または複数の直列共振器における前記圧電層の厚さは略等しく、
前記1または複数の並列共振器における前記圧電層の厚さは略等しい請求項4に記載のラダー型フィルタ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの並列共振器における前記一対の櫛型電極の電極指の平均ピッチは、前記1または複数の並列共振器のうち他の並列共振器における前記一対の櫛型電極の電極指の平均ピッチより大きく、
前記少なくとも1つの並列共振器における前記圧電層は、前記他の並列共振器における前記圧電層より薄い請求項1に記載のラダー型フィルタ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの並列共振器における前記圧電層の厚さは略等しく、
前記他の並列共振器および前記1または複数の直列共振器における前記圧電層の厚さは略等しい請求項6に記載のラダー型フィルタ。
【請求項8】
前記複数の弾性波共振器における前記圧電層の厚さは前記平均ピッチの1.4倍以下である請求項1から7のいずれか一項に記載のラダー型フィルタ。
【請求項9】
前記複数の弾性波共振器は、前記圧電層と前記支持基板の間に設けられた絶縁層を備える請求項1から8のいずれか一項に記載のラダー型フィルタ。
【請求項10】
前記複数の弾性波共振器は、前記圧電層と前記支持基板の間に設けられ、弾性定数の温度係数の符号が前記圧電層の弾性定数の温度係数の符号と反対である温度補償膜を備え、
前記少なくとも1つの並列共振器において、前記温度補償膜の前記支持基板側の面と前記圧電層の前記一対の櫛型電極側の面との距離は、前記平均ピッチの2倍以下である請求項1から9のいずれか一項に記載のラダー型フィルタ。
【請求項11】
前記圧電層は、36°以上かつ48°以下回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板である請求項1から10のいずれか一項に記載のラダー型フィルタ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のフィルタを備えるマルチプレクサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラダー型フィルタおよびマルチプレクサに関し、例えば一対の櫛型電極を有するラダー型フィルタおよびマルチプレクサに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の通信機器に用いられる弾性波共振器として、一対の櫛型電極を有する弾性波共振器が知られている。弾性波共振器を形成する圧電層を支持基板に接合した場合に圧電層の厚さを弾性波の波長以下とすることが知られている。(例えば特許文献1)。圧電層と支持基板との間に設けられた温度補償膜の厚さと圧電層の厚さの合計を弾性波の波長の2倍以下とすることが知られている(例えば特許文献2)。弾性波の波長が大きい弾性波共振器の圧電層を、弾性波の波長が小さい弾性波共振器の圧電層より厚くすることが知られている(例えば特許文献3、4)。送信フィルタと受信フィルタとで支持基板上の圧電層の厚さを異ならせることが知られている(例えば特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-34363号公報
【文献】特開2019-201345号公報
【文献】特開2018-93487号公報
【文献】特表2018-506930号公報
【文献】特開2019-186655号公報
【文献】特開2015-73331号公報
【文献】特開2017-152868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧電層の厚さを弾性波の波長以下とすることで、バルク波等の不要波に起因したスプリアス応答を抑制できる。しかしなから、ラダー型フィルタにおいて、通過帯域内にスプリアス応答が生じると通過特性が劣化する。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、通過特性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、支持基板と、前記支持基板上に設けられた圧電層と、前記圧電層上に設けられた一対の櫛型電極と、を備える複数の弾性波共振器と、入力端子と出力端子との間に直列接続され、前記複数の弾性波共振器に含まれた1または複数の直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間の経路に一端が接続され、他端が接地され、前記複数の弾性波共振器に含まれ、少なくとも1つの並列共振器における前記圧電層の厚さは、前記少なくとも1つの並列共振器における前記一対の櫛型電極の電極指の平均ピッチ以下であり、かつ前記1または複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器における前記圧電層の厚さより小さい1または複数の並列共振器と、を備えるラダー型フィルタである。
【0007】
上記構成において、前記少なくとも1つの並列共振器における前記圧電層は、前記1または複数の直列共振器の全てにおける前記圧電層より薄い構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記1または複数の直列共振器における前記圧電層の厚さは略等しい構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、前記1または複数の並列共振器の全てにおける前記圧電層は、前記1または複数の直列共振器の全てにおける前記圧電層より薄い構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記1または複数の直列共振器における前記圧電層の厚さは略等しく、前記1または複数の並列共振器における前記圧電層の厚さは略等しい構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記少なくとも1つの並列共振器における前記一対の櫛型電極の電極指の平均ピッチは、前記1または複数の並列共振器のうち他の並列共振器における前記一対の櫛型電極の電極指の平均ピッチより大きく、前記少なくとも1つの並列共振器における前記圧電層は、前記他の並列共振器における前記圧電層より薄い構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記少なくとも1つの並列共振器における前記圧電層の厚さは略等しく、前記他の並列共振器および前記1または複数の直列共振器における前記圧電層の厚さは略等しい構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記複数の弾性波共振器における前記圧電層の厚さは前記平均ピッチの1.4倍以下である構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記複数の弾性波共振器は、前記圧電層と前記支持基板の間に設けられた絶縁層を備える構成とすることができる。
【0015】
上記構成において、前記複数の弾性波共振器は、前記圧電層と前記支持基板の間に設けられ、弾性定数の温度係数の符号が前記圧電層の弾性定数の温度係数の符号と反対である温度補償膜を備え、前記少なくとも1つの並列共振器において、前記温度補償膜の前記支持基板側の面と前記圧電層の前記一対の櫛型電極側の面との距離は、前記平均ピッチの2倍以下である構成とすることができる。
【0016】
上記構成において、前記圧電層は、36°以上かつ48°以下回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板である構成とすることができる。
【0017】
本発明は、上記フィルタを備えるマルチプレクサである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通過特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1(a)および図1(b)は、実施例1における弾性波共振器の平面図および断面図である。
図2図2は、シミュレーション1におけるシャント接続された弾性波共振器の通過特性を示す図である。
図3図3は、シミュレーション1における厚さT4に対する(fs-fr)/frを示す図である。
図4図4(a)および図4(b)は、シミュレーション1における厚さT4に対するそれぞれk2およびQaを示す図である。
図5図5(a)は、実施例1に係るラダー型フィルタの回路図、図5(b)は、直列共振器および並列共振器の断面図である。
図6図6は、シミュレーション2におけるラダー型フィルタの通過特性を示す図である。
図7図7は、実施例2における直列共振器および並列共振器の断面図である。
図8図8は、シミュレーション3におけるラダー型フィルタの通過特性を示す図である。
図9図9は、シミュレーション3におけるラダー型フィルタの通過特性を示す図である。
図10図10(a)および図10(b)は、実施例1および2における直列共振器および並列共振器の別の例を示す断面図である。
図11図11(a)および図11(b)は、実施例1および2における直列共振器および並列共振器の別の例を示す断面図である。
図12図12は、実施例1および2における直列共振器および並列共振器の別の例を示す断面図である。
図13図13は、実施例3に係るデュプレクサの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照し本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0021】
実施例1に係るラダー型フィルタに用いられる弾性波共振器について説明する。図1(a)および図1(b)は、実施例1における弾性波共振器の平面図および断面図である。電極指の配列方向をX方向、電極指の延伸方向をY方向、支持基板および圧電層の積層方向をZ方向とする。X方向、Y方向およびZ方向は、圧電層の結晶方位のX軸方向およびY軸方向とは必ずしも対応しない。圧電層が回転YカットX伝搬基板の場合、X方向は結晶方位のX軸方向となる。
【0022】
図1(a)および図1(b)に示すように、支持基板10上に圧電層14が設けられている。支持基板10と圧電層14との間に温度補償膜12が設けられている。圧電層14上に弾性波共振器26が設けられている。弾性波共振器26はIDT22および反射器24を有する。反射器24はIDT22のX方向の両側に設けられている。IDT22および反射器24は、圧電層14上の金属膜16により形成される。
【0023】
IDT22は、対向する一対の櫛型電極20を備える。櫛型電極20は、複数の電極指18と、複数の電極指18が接続されたバスバー19と、を備える。X方向からみて一対の櫛型電極20の電極指18が交差する領域が交差領域25である。交差領域25の長さが開口長である。一対の櫛型電極20は、交差領域25の少なくとも一部において電極指18が交互に設けられている。交差領域25において複数の電極指18が主に励振する弾性波は、主にX方向に伝搬する。一対の櫛型電極20のうち一方の櫛型電極20の電極指18のピッチがほぼ弾性波の波長λとなる。複数の電極指18のピッチ(電極指18の中心間のピッチ)をDとすると、一方の櫛型電極20の電極指18のピッチは電極指18の2本分のピッチDとなる。反射器24は、IDT22の電極指18が励振した弾性波(弾性表面波)を反射する。これにより弾性波はIDT22の交差領域25内に閉じ込められる。
【0024】
圧電層14は、例えば単結晶タンタル酸リチウム(LiTaO)層または単結晶ニオブ酸リチウム(LiNbO)層であり、例えば回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム層または回転YカットX伝搬ニオブ酸リチウム層である。電極指が励振する弾性表面波がSH(Shear Horizontal)波の場合、圧電層14は36°以上かつ48°以下回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板である。
【0025】
支持基板10は、例えばサファイア基板、アルミナ基板、シリコン基板、スピネル基板、水晶基板、石英基板または炭化シリコン基板である。サファイア基板は単結晶Al基板であり、アルミナ基板は多結晶または非晶質Al基板であり、シリコン基板は単結晶または多結晶のシリコン基板であり、スピネル基板は多結晶または非晶質MgAl基板であり、水晶基板は単結晶SiO基板であり、石英基板は多結晶または非晶質SiO基板であり、炭化シリコン基板は多結晶または単結晶のSiC基板である。支持基板10のX方向の線膨張係数は圧電層14のX方向の線膨張係数より小さい。これにより、弾性波共振器の周波数温度依存性を小さくできる。
【0026】
温度補償膜12は、圧電層14の弾性定数の温度係数の符号と反対の符号の弾性定数の温度係数を有する。例えば圧電層14の弾性定数の温度係数は負であり、温度補償膜12の弾性定数の温度係数は正である。温度補償膜12は、酸化シリコン(SiO)を主成分とする絶縁膜であり、例えば無添加または弗素等の添加元素を含む酸化シリコン(SiO)膜であり、例えば多結晶または非晶質である。これにより、弾性波共振器の周波数温度係数を小さくできる。温度補償膜12が酸化シリコン膜の場合、温度補償膜12を伝搬するバルク波の音速は圧電層14を伝搬するバルクの音速より遅くなる。
【0027】
温度補償膜12が温度補償の機能を有するためには主モードの弾性波のエネルギーが温度補償膜12内にある程度存在することが求められる。弾性表面波のエネルギーが集中する範囲は弾性表面波の種類に依存するものの、典型的には弾性表面波のエネルギーは圧電層14の上面から2λ(λは弾性波の波長)の範囲に集中し、特に圧電層14の上面からλの範囲に集中する。そこで、温度補償膜12の下面と圧電層14の上面との距離は、好ましくは2λ以下であり、より好ましくは1λ以下であり、さらに好ましくは0.6λ以下である。
【0028】
金属膜16は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)またはモリブデン(Mo)を主成分とする膜である。電極指18と圧電層14との間にチタン(Ti)膜またはクロム(Cr)膜等の密着膜が設けられていてもよい。密着膜は電極指18より薄い。電極指18を覆うように絶縁膜が設けられていてもよい。絶縁膜は保護膜または温度補償膜として機能する。
【0029】
[シミュレーション1]
圧電層14の厚さT4および温度補償膜12の厚さT2を変えた弾性波共振器の特性をシミュレーションした。シミュレーション条件は以下である。
支持基板10:サファイア基板
温度補償膜12:酸化シリコン(SiO
圧電層14:42°YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板
ピッチ2×D(λ):5.7μm
【0030】
図2は、シミュレーション1におけるシャント接続された弾性波共振器の通過特性を示す図である。温度補償膜12の厚さT2は0.2λであり、T4は0.4λおよび0.2λである。シャント接続された弾性波共振器の通過特性はラダー型フィルタにおける並列共振器の通過特性に相当する。減衰量を拡大したグラフも図示している。図2に示すように、シャント接続された弾性波共振器では、共振周波数frにおいて挿入損失が最大となり、反共振周波数faにおいて挿入損失が最小となる。750MHz付近の周波数fsにスプリアス応答が観察される。スプリアス応答によりリップルが観測される。圧電層14の厚さT4が0.4λから0.2λとなると、周波数fsが高くなる。
【0031】
圧電層14の厚さT4と温度補償膜12の厚さT2を変え、周波数fsの変化をシミュレーションした。図3は、シミュレーション1における厚さT4に対する(fs-fr)/frを示す図である。ドットはシミュレーション点を示し、直線はドットをつなぐ線である。図3に示すように、圧電層14の厚さT4が小さくなるとfsは高周波側にシフトする。厚さT4が0.5λ以上では、T4が変化してもfsはほとんど変化しない。厚さT4が0.5λ以下では厚さT4に対しfsが大きく変化する。温度補償膜12の厚さT2が厚くなるとfsは低周波側にシフトする。厚さT4が0.5λにおける(fs-fr)/frと厚さT4が0.2λにおける(fs-fr)/frの差は、厚さT2が0.2λ~0.5λによらずほぼ同じである。
【0032】
このように、バルク波に起因したスプリアス応答が生じる周波数fsが圧電層14の厚さT4に依存する現象はこれまで知られていない。この現象は圧電層14の厚さT4が弾性波の波長λ以下特有の現象と考えられ、厚さT4が0.5λ以下のとき顕著である。
【0033】
圧電層14の厚さT4と温度補償膜12の厚さT2を変え、電気機械結合係数kおよび反共振周波数faにおけるQ値Qaをシミュレーションした。図4(a)および図4(b)は、シミュレーション1における厚さT4に対するそれぞれkおよびQaを示す図である。温度補償膜12の厚さT2は0.2λである。図4(a)および図4(b)に示すように、圧電層14の厚さT4が0.7λ以下となると、厚さT4が小さくなるにしたがいkが大きくなりQaが低くなる。厚さT4が0.6λに対し、厚さT4が0.2λでは、kが約1.3倍となり、Qaが0.65倍となる。
【0034】
シミュレーション1に基づき、実施例1に係るラダー型フィルタについて説明する。図5(a)は、実施例1に係るラダー型フィルタの回路図、図5(b)は、直列共振器および並列共振器の断面図である。図5(a)に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、直列共振器S1~S4が直列接続されている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、並列共振器P1~P4が並列接続されている。並列共振器P1~P4の一端は入力端子Tinと出力端子Toutとの間の経路に接続され、他端はグランド端子Gndに接続され接地されている。
【0035】
図5(b)に示すように、支持基板10上に温度補償膜12が設けられ、温度補償膜12上に圧電層14が設けられている。領域44に直列共振器Sが設けられ、領域46に並列共振器Pが設けられている。領域44における圧電層14および温度補償膜12の厚さはそれぞれT4aおよびT2aであり、領域46における圧電層14および温度補償膜12の厚さはそれぞれT4bおよびT2bである。厚さT2aとT2bとは製造誤差程度に略等しい。厚さT4aは厚さT4bより大きい。直列共振器Sにおける電極指18のピッチはDaであり、並列共振器PにおけるピッチはDbである。ラダー型フィルタでは、直列共振器Sの反共振周波数faを通過帯域より高くし、直列共振器Pの共振周波数frを通過帯域より低くする。このため、ピッチDaはピッチDbより小さい。ピッチを大きくする以外に、デュティ比を小さくするまたは金属膜16を薄くすることにより、共振周波数frおよび反共振周波数faは高くなる。しかし、デュティ比および金属膜16の厚さを変えてもピッチDを変えるほど共振周波数frおよび反共振周波数faは変化しない。よって、主にピッチDを変えることで共振周波数frおよび反共振周波数faを所望の周波数に設定する。
【0036】
[シミュレーション2]
実施例1および比較例1におけるラダー型フィルタの通過特性をシミュレーションした。シミュレーション条件は以下である。
圧電層14:42°回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板
温度補償膜12:膜厚が1.1μmの酸化シリコン膜
金属膜16:膜厚が550nm(0.1λb)のアルミニウム膜
デュティ比:50%
平均ピッチ
直列共振器S1~S4:2×Da(λa)=5.1μm
並列共振器P1~P4:2×Db(λb)=5.5μm
平均共振周波数fr
直列共振器S1~S4:730MHz
並列共振器P1~P4:690MHz
平均反共振周波数fa
直列共振器S1~S4:760MHz
並列共振器P1~P4:710MHz
比較例1の圧電層14の厚さ
直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P4:2.2μm(0.4λb)
実施例1の圧電層14の厚さ
直列共振器S1~S4:2.2μm(0.4λb)
並列共振器P1~P4:1.1μm(0.2λb)
【0037】
図6は、シミュレーション2におけるラダー型フィルタの通過特性を示す図である。減衰量を拡大したグラフも図示している。図6に示すように、通過帯域Passは703MHz~748MHzであり、LTE(Long Term Evolution)バンド28の送信帯域に対応する。大きい減衰量のレンジでは比較例1と実施例1とでは通過特性はほとんど変わらない。通過帯域Passにおける減衰量を拡大すると、比較例1では、通過帯域Passの高周波端において挿入損失が低下している。これは、並列共振器P1~P4における図2の厚さT4=0.4λの周波数fs付近のスプリアス応答に対応する。実施例1では、通過帯域Passの高周波端における挿入損失は比較例1より小さい。これは、図2のように、並列共振器P1~P4の圧電層14の厚さT4を0.2λとすることで、スプリアス応答の周波数fsが高周波数側に移動し、周波数fsが通過帯域Passの外に移動したためである。直列共振器S1~S4における圧電層14の厚さT4を0.2λとすると、図4(a)のように、電気機械結合係数kが高くなるため、通過帯域Passの高周波端の急峻性が低くなる。また、図4(b)のように、Q値Qaが低くなるため通過帯域Passにおける挿入損失が大きくなる。実施例1では圧電層14の厚さT4を0.4λとすることで、高周波端における急峻性を高くし、かつ通過帯域Passの挿入損失を小さくできる。
【実施例2】
【0038】
実施例1では、並列共振器P1~P4における圧電層14の厚さT4bを直列共振器S1~S4における圧電層14の厚さT4aより小さくする。この場合、並列共振器P1~P4の電気機械結合係数kが高くなるため通過帯域Passの低周波端の急峻性が低くなる。また、並列共振器P1~P4のQ値が低くなるため通過帯域Passにおける挿入損失が大きくなる。そこで、実施例2では、並列共振器P1~P4の一部における圧電層14を薄くすることを検討した。
【0039】
図7は、実施例2における直列共振器および並列共振器の断面図である。図7に示すように、並列共振器P1~P4のうち一部の並列共振器Pは圧電層14の厚さがT4bである領域46に設けられ、並列共振器P1~P4のうち残りの並列共振器P´は圧電層14の厚さがT4aである領域44に設けられている。並列共振器Pにおける電極指18のピッチDbは並列共振器P´における電極指18のピッチDcより大きい。
【0040】
[シミュレーション3]
実施例2および比較例2におけるラダー型フィルタの通過特性をシミュレーションした。シミュレーション条件は以下である。
ピッチ2×D(λ)
P1:5.56μm
P2:5.66μm
P3:5.51μm
P4:5.60μm
共振周波数fr
P1:690MHz
P2:680MHz
P3:696MHz
P4:686MHz
反共振周波数fa
P1:715MHz
P2:705MHz
P3:721MHz
P4:711MHz
【0041】
各並列共振器P1~P4の圧電層14の厚さを以下とした。
比較例1
P1~P4:0.4λb
実施例1
P1~P4:0.2λb
実施例2a
P1、P2、P4:0.2λb
P3:0.4λb
実施例2b
P2、P4:0.2λb
P1、P3:0.4λb
実施例2c
P2:0.2λb
P1、P3、P4:0.4λb
その他のシミュレーション条件はシミュレーション2と同じである。
【0042】
図8は、シミュレーション3におけるラダー型フィルタの通過特性を示す図である。図8に示すように、大きい減衰量のレンジでは実施例2bは比較例1および実施例1と通過特性がほとんど変わらない。通過帯域Passにおける減衰量を拡大すると、実施例2bでは、比較例1のようなスプリアス応答に起因する通過帯域Passの高周波端における挿入損失が低下は小さい。さらに、通過帯域Pass内の挿入損失は実施例1より大きい。
【0043】
図9は、シミュレーション3におけるラダー型フィルタの通過特性を示す図である。図9では、図8より通過帯域Passにおける減衰量を拡大している。図9に示すように、実施例1、実施例2a、2bおよび2cの順に通過帯域Passにおける挿入損失が小さくなる。通過帯域Passの低周波端(703MHz)および高周波端(748MHz)における挿入損失を以下に示す。
比較例1: 0.745dB、1.088dB
実施例1: 0.847dB、0.760dB
実施例2a:0.826dB、0.750dB
実施例2b:0.778dB、0.741dB
実施例2c:0.764dB、0.746dB
【0044】
通過帯域Passの低周波端(703MHz)では、挿入損失は、比較例1が最も小さく、実施例2c、2b、2aおよび実施例1の順に大きくなる。これは、並列共振器P1~P4および直列共振器S1~S4のうちQ値の高い(すなわち圧電層14の厚い)共振器の個数が多くなると挿入損失が小さくなることに相当する。通過帯域Passの高周波端(748MHz)では、挿入損失は、比較例1が最も大きく、実施例1、2a、2cおよび2bの順に小さくなる。これは比較例1では、最も共振周波数frの低い並列共振器P2のスプリアス応答が通過帯域Pass内に位置しており、並列共振器P2の圧電層14を薄くすると、スプリアス応答が通過帯域Passより高周波側に移動しているためと考えられる。共振周波数frの高い並列共振器P1およびP3のスプリアス応答は通過帯域Pass内に位置しないため、並列共振器P1およびP3の圧電層14を厚くしても高周波端における挿入損失は大きくならない。むしろQ値が高くなるため挿入損失が小さくなる。2番目に共振周波数が低い並列共振器P4のスプリアス応答は通過帯域Passに若干重なる。このため、実施例2bは実施例2cより低周波端における挿入損失が小さくなる。
【0045】
図10(a)~図12は、実施例1および2における直列共振器および並列共振器の別の例を示す断面図である。図10(a)に示すように、支持基板10と温度補償膜12との間に境界層11が設けられている。絶縁層13は温度補償膜12と境界層11とを含む。領域44および46における境界層11の厚さはそれぞれT1aおよびT1bである。その他の構成は図5(b)と同じである。
【0046】
境界層11を伝搬するバルク波の音速は、温度補償膜12を伝搬するバルク波の音速より速い。これにより、圧電層14および温度補償膜12内に主モードの弾性波が閉じ込められる。これにより、損失が小さくなる。さらに、境界層11を伝搬するバルク波の音速は、支持基板10を伝搬するバルク波の音速より遅い。境界層11は、例えば多結晶または非晶質であり、酸化アルミニウム膜、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜またシリコン膜等の絶縁層である。境界層11は異なる材料からなる複数の層が積層されていてもよい。
【0047】
境界層11を設けることで、温度補償膜12から境界層11に至る周波数の高い不要波が境界層11を通過する間に減衰する。よって、支持基板10との界面で反射しIDTに至る不要波を抑制できる。境界層11が薄くなると主モードの弾性波が圧電層14および温度補償膜12に閉じ込められにくくなる。この観点から、境界層11の厚さT1aおよびT1bは電極指18の平均ピッチDの2.2倍(1.1λ)以上が好ましく、3.0倍(1.5λ)以上がより好ましい。境界層11を厚くすると、製造工程が増大および製造プロセスの難易度が上昇する。この観点から、境界層11の厚さT1aおよびT1bは電極指18の平均ピッチDの10倍(5λ)以下が好ましく、8倍(4λ)以下がより好ましい。
【0048】
温度補償膜12の厚さT2aとT2bとが異なると、直列共振器Sと並列共振器Pの温度特性が異なってしまう。また、圧電層14の上面に段差が形成されると、直列共振器Sと並列共振器Pとを接続する配線の形成が難しくなる。境界層11の厚さT1bをT1aより大きくすることで、温度補償膜12の厚さT2aおよびT2bを略等しくし、支持基板10の上面および圧電層14の上面に段差が形成されることを抑制できる。
【0049】
図10(b)に示すように、支持基板10に圧電層14が直接接続されていてよい。領域44と46の間において支持基板10の上面に段差を形成することで、圧電層14の上面に段差が形成されることを抑制できる。その他の構成は図5(b)と同じである。
【0050】
図11(a)に示すように、境界層11の厚さT1aとT1bとは略等しく、温度補償膜12の厚さT2aとT2bとは略等しい。領域44と46との間において圧電層14の上面に段差が形成されている。その他の構成は図10(a)と同じであり説明を省略する。
【0051】
図11(b)に示すように、温度補償膜12の厚さT2aとT2bとは略等しい。領域44と46との間において圧電層14の上面に段差が形成されている。その他の構成は図5(b)と同じであり説明を省略する。
【0052】
図12に示すように、領域44と46との間において支持基板10の上面には段差は形成されておらず、圧電層14の上面に段差が形成されている。その他の構成は図10(b)と同じであり説明を省略する。
【0053】
図11(a)~図11(b)のように、直列共振器Sと並列共振器Pとを接続する配線の形成ができれば、領域44と46との間における圧電層14の上面に段差が形成されていてもよい。
【0054】
図10(a)~図12では、実施例1のように、領域44に直列共振器Sが設けられ、領域46に並列共振器Pが設けられている例を説明したが、実施例2のように、領域44に直列共振器Sおよび並列共振器P´が設けられ、領域46に並列共振器Pが設けられていてもよい。
【0055】
実施例1および2によれば、並列共振器P1~P4のうち少なくとも1つの並列共振器Pにおける圧電層14の厚さT4bは、少なくとも1つの並列共振器Pにおける電極指18の平均ピッチDb(0.5λb)以下であり、直列共振器S1~S4のうち少なくとも1つの直列共振器Pにおける圧電層14の厚さT4aより薄い。これにより、並列共振器Pのスプリアス応答を通過帯域Passより高周波側に移動できる。
【0056】
並列共振器Pのスプリアス応答をより高周波側に移動させるため、並列共振器Pにおける圧電層14の厚さT4bは並列共振器Pにおける電極指18の平均ピッチDbの0.8倍(0.4λb)以下が好ましく、0.6倍(0.3λb)以下が好ましい。また、厚さT4bは厚さT4aより0.1Db(0.05λb)以上小さいことが好ましく、0.2Db(0.1λb)以上小さいことがより好ましい。図4(b)のように、厚さT4bが薄すぎるとQ値が低下する。この観点から厚さT4bは0.1Db(0.05λb)以上が好ましく、0.2Db(0.1λb)以上がより好ましい。直列共振器SのQ値を高くするため、全ての共振器の圧電層14の厚さT4aおよびT4bは1.4Db(0.7λb)以下が好ましく、1.2Db(0.6λb)以下がより好ましく、1.0Db(0.5λb)以下がさらに好ましい。
【0057】
一般的なラダー型フィルタでは、直列共振器S1~S4の共振周波数は並列共振器P1~P4の共振周波数より高い。よって、直列共振器S1~S4のスプリアス応答が通過帯域Passに重なることはほとんどない。そこで、並列共振器Pにおける圧電層14は、直列共振器S1~S4の全てにおける圧電層14より薄くする。これにより、圧電層14が薄くなることに起因する挿入損出の増加を抑制できる。直列共振器S1~S4における圧電層14の厚さT4は製造誤差程度に略等しい。これにより、製造工程を削減できる。なお、厚さが製造誤差程度に略等しいとは、例えば10%程度の誤差を許容する。例えば最も厚いおよび薄い厚さをそれぞれTmaxおよびTminとすると、2×(Tmax-Tmin)/(Tmax+Tmin)は0.1以下であり、0.05以下である。
【0058】
並列共振器P1~P4の全てのスプリアス応答が通過帯域Passに影響する場合、並列共振器P1~P4の全てにおける圧電層14は、直列共振器S1~S4の全てにおける圧電層14より薄くする。これにより、並列共振器P1~P4のスプリアス応答が通過帯域Passに影響することを抑制できる。直列共振器S1~S4における圧電層14の厚さT4aは製造誤差程度に略等しく、並列共振器P1~P4における圧電層14の厚さT4b製造誤差程度に略等しい。これにより、製造工程を削減できる。
【0059】
実施例2のように、並列共振器Pにおける櫛型電極の電極指18の平均ピッチDbは、並列共振器P1~P4のうち他の並列共振器P´における電極指18の平均ピッチDcより大きい。これにより、並列共振器Pは並列共振器P´より共振周波数が低い。このため、並列共振器Pのスプリアス応答は並列共振器P´のスプリアス応答より通過帯域Passに影響しやすい。並列共振器Pにおける圧電層14を他の並列共振器P´における圧電層14より薄くする。これより、並列共振器Pのスプリアス応答が通過帯域Passに影響することを抑制できる。スプリアス応答が通過帯域Passに影響し難い並列共振器P´のQ値が向上するため、挿入損失を抑制できる。並列共振器Pにおける圧電層14の厚さT4bは製造誤差程度に略等しく、並列共振器P´および直列共振器S1~S4の圧電層14の厚さT4aは略等しい。これにより、製造工程を削減できる。
【0060】
図10(a)および図11(a)のように、直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P4は、圧電層14と支持基板10の間に設けられた絶縁層13を備えてもよい。絶縁層13は1層でもよいし、積層された複数の層でもよい。図5(b)、図7図10(a)、図10(b)、図11(a)および図11(b)のように、直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P4は、弾性波共振器は、温度補償膜12を備えてもよい。温度補償膜12の支持基板10側の面と圧電層14の一対の櫛型電極20側の面との距離は、ピッチDbの2倍(λb)以下であることが好ましい。これにより、主モードの弾性波のエネルギーを圧電層14と温度補償膜12内に存在させることができる。温度補償膜12と圧電層14との間に、温度補償膜12と圧電層14とを表面活性化法により接合するための接合層を設けられもよい。接合層は例えば厚さが1nm~20nmの酸化アルミニウム層または窒化酸化アルミニウム膜である。
【0061】
実施例1および2では、直列共振器の個数が4個であり、並列共振器の個数が4個の例を説明したが、直列共振器は1個または複数であればよく、並列共振器は1個または複数であればよい。
【実施例3】
【0062】
図13は、実施例3に係るデュプレクサの回路図である。図13に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例1または2のフィルタとすることができる。
【0063】
マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したがトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
【0064】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 支持基板
11 境界層
12 温度補償膜
13 絶縁層
14 圧電層
16 金属膜
18 電極指
20 櫛型電極
22 IDT
25 交差領域
26 弾性波共振器
40 送信フィルタ
42 受信フィルタ
44、46 領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13