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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】盤選定システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20250331BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20250331BHJP
【FI】
G06Q30/0601 320
G05B19/418 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021018731
(22)【出願日】2021-02-09
(65)【公開番号】P2022121816
(43)【公開日】2022-08-22
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 竜弘
(72)【発明者】
【氏名】小久保 健司
(72)【発明者】
【氏名】林 悟
(72)【発明者】
【氏名】門矢 誠
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-209674(JP,A)
【文献】特開2004-139421(JP,A)
【文献】特開2000-067099(JP,A)
【文献】特開2019-061313(JP,A)
【文献】特開2017-146640(JP,A)
【文献】国際公開第2008/108095(WO,A1)
【文献】目次等,ラジコン技術 44巻 12号 ,第44巻,株式会社電波実験社 増田 勉,2004年12月01日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
盤の仕様情報及び機器情報を入力可能な仕様入力手段と、
仕様入力手段で盤の仕様を入力した場合には入力された仕様に適合する盤をデータベースから選定し、仕様入力手段で機器情報を入力した場合には機器情報に即した盤をデータベースから選定する盤選定手段と、
盤選定手段により選定された盤を基に定めた注文品についての引き渡し時の組立状態を選定する組立状態選定手段と、
を備え、
ユーザが盤の主幹ブレーカの容量・種類、分岐ブレーカの容量・数・種類、回路構成、使用用途、主幹ブレーカの配置、配線引込位置、選定システムで選定した盤の設置位置の何れかを含む仕様情報又は盤を構成する機器の情報である機器情報を入力することで、盤選定手段に盤をデータベースから選定させることが可能であり、
組立状態選定手段を用いることで、盤選定手段により選定された盤を基に定めた注文品についての引き渡し時の組立状態を、半製品を含むものとすることをユーザが決めることが可能であり、かつ、引き渡し時の組立状態を半製品を含むものとする場合、ユーザがどのような半製品状態とするのかを選定することが可能である盤選定システム。
【請求項2】
組立状態選定手段は、注文品として選定する全ての部材を部材同士が組み立てられていない状態で引き渡すことの選択と、盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すことの選択ができる請求項1に記載の盤選定システム。
【請求項3】
組立状態選定手段で、注文品として選定する全ての部材を部材同士が組み立てられていない状態で引き渡すこと、もしくは、盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すことを選定した場合に、部材同士の組立方法、または、部材の半製品への組立方法を記載した組立説明書を出力する組立説明出力手段を備えた請求項1又は2に記載の盤選定システム。
【請求項4】
注文品として選定する全ての部材を部材同士が組み立てられていない状態で引き渡すことの選択、もしくは盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すことの選択をした場合に、盤の構成に提案された部材の要否を選択することができる部材選定手段を備えた請求項2又は3に記載の盤選定システム。
【請求項5】
盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すことの選択をした場合に半製品の図面の作成及び出力を行う作図手段を備えた請求項2から4の何れかに記載の盤選定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盤選定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、盤の選定をインターネット上で行うシステムが知られている。このようなシステムでは、盤としての完成品を複数の選択肢の中から選んで発注できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-201117号公報
【0004】
ところで、盤を発注しようとする多くのユーザにとっては、完成品を発注できれば問題が無いが、盤を自身で組み立てたいとか、一部の部材を自分で用意するなどして、盤の内容にユーザが手を加えたいといった要望が生じることもあり得る。しかしながら、従来技術では、このような要望には対応できていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、盤を構成する部材の引き渡し時の組立状態を選定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、盤の仕様情報及び機器情報を入力可能な仕様入力手段と、仕様入力手段で盤の仕様を入力した場合には入力された仕様に適合する盤をデータベースから選定し、仕様入力手段で機器情報を入力した場合には機器情報に即した盤をデータベースから選定する盤選定手段と、盤選定手段により選定された盤を基に定めた注文品についての引き渡し時の組立状態を選定する組立状態選定手段と、を備えた盤選定システムとする。
【0007】
また、組立状態選定手段は、注文品として選定する全ての部材を部材同士が組み立てられていない状態で引き渡すことの選択と、盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すことの選択ができるものとすることが好ましい。
【0008】
また、組立状態選定手段で、注文品として選定する全ての部材を部材同士が組み立てられていない状態で引き渡すこと、もしくは、盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すことを選定した場合に、部材同士の組立方法、または、部材の半製品への組立方法を記載した組立説明書を出力する組立説明出力手段を備えた構成とすることが好ましい。
【0009】
また、注文品として選定する全ての部材を部材同士が組み立てられていない状態で引き渡すことの選択、もしくは盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すことの選択をした場合に、盤の構成に提案された部材の要否を選択することができる部材選定手段を備えた構成とすることが好ましい。
【0010】
また、盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すことの選択をした場合に半製品の図面の作成及び出力を行う作図手段を備えた構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、盤を構成する部材の引き渡し時の組立状態を選定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態における盤の部材選定システムを利用する際の情報端末とサーバとの関係性を示す図である。
図2】盤データベースに格納されている情報の例を示す図である。
図3】盤データベースに格納されている情報の例を示す図である。
図4】盤構成部材データベースに格納されている情報の例を示す図である。
図5】情報端末の表示手段に表示される仕様入力画面の例を示す図である。
図6】情報端末の表示手段に表示される仕様入力画面の例を示す図である。
図7】組立状態を選定する際に情報端末の表示手段に表示される例を表す図である。
図8】組立状態の違いを表すイメージ図である。
図9】組立状態を選択することによって、その後のプロセスに違いが生じることを表す例を示す図である。
図10】仕様入力手段により入力された情報から選定された盤の構成部材の中から不要な部材を選定する際に表示する画面の例を示す図である。
図11】完成品の状態と、完成品から一部の部材を除いた状態の違いを理解できる図を、情報端末の表示手段に表示した例を表す図である。
図12】仕様入力手段により入力された情報から選定された盤の構成部材の中から組立に不要な部材を選定した場合の流れの例を示す図である。
図13】図面と盤構成部材の一覧を同時に画面上に表示している例を表す図である。
図14図13に示す例において、盤構成部材の一覧の中から選択したものが図面により変色した例を表す図である。
図15】組立説明書が出力されることを表す図である。
図16】組立説明書の記載例を示す図である。
図17】仕様情報の入力から見積もりなどまでの流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に発明を実施するための形態を示す。本実施形態の盤選定システムは、「盤の仕様情報及び機器情報を入力可能な仕様入力手段21」と、「仕様入力手段21で盤の仕様を入力した場合には入力された仕様に適合する盤をデータベース22から選定し、仕様入力手段21で機器情報を入力した場合には機器情報に即した盤をデータベース22から選定する盤選定手段27」と、「盤選定手段27により選定された盤を基に定めた注文品についての引き渡し時の組立状態を選定する組立状態選定手段28」と、を備えている。このため、盤を構成する部材の引き渡し時の組立状態を選定できる。なお、盤の典型的な例は、配電盤や分電盤である。
【0014】
図1に示されていることから理解されるように、実施形態のシステムは、顧客端末5から操作できるように構成している。ユーザは、注文したい盤を選定するために、表示手段51と操作手段52を備えた顧客端末5を特定のサーバ2に接続して操作する。サーバ2には、情報を格納しているデータベース22を備えているが、実施形態のデータベース22には、複数の盤の情報を有する盤データベース22a、盤を構成する部材の情報を有する盤構成部材データベース22bを備えている。また、盤の部材選定システムは、顧客端末5からの指令に応じて、データベース22に備えられた情報などを、サーバ2から顧客端末5に出力することができる。
【0015】
実施形態のシステムは顧客端末5の操作手段52を操作することで、仕様入力手段21を操作することができる。このため、ユーザは顧客端末5を操作することによって、所望の盤の仕様情報を入力することができる。なお、仕様情報としては、例えば、主幹ブレーカの容量・種類、分岐ブレーカの容量・数・種類、回路構成、太陽光用・ガス用・充電装置用などの使用用途、主幹ブレーカの配置、主幹ブレーカへ配線を引き込む位置などの配線引込位置、選定システムで選定した盤の設置環境などの設置位置などが挙げられる。
【0016】
盤データベース22aはどのようなものであっても良いが、例えば、図2に示すように情報を整理して格納しているものとすればよい。図2に示す例では、盤の品番情報に対して、盤を構成する仕様用途、サイズ、分岐数、などが結び付けられている。このため、演算部29を用いれば、仕様入力手段21により選択された条件に適合する盤を、分電盤データベース22aの中から抽出させることができる。
【0017】
また、図3に示すことから理解されるように、実施形態の盤データベース22aは、盤の品番情報に対して、電気機器や、盤用パーツ、電気機器を収納する筐体などの盤構成部材が結び付けられるように情報が格納されている。なお、盤用パーツは、盤の電気機器を保持若しくは保護するものである場合もあるし、電気機器に接続される部材を保持若しくは保護するものである場合もある。
【0018】
また、実施形態の盤データベース22aでは、複数の盤が、主回路、オプション回路といった機能ごとに検索できるように登録されている。なお、各盤の仕様情報には盤の図面情報が結び付けられているものがある。また、実施形態の盤データベース22aでは、盤構成部材の図面情報、サイズ情報など、盤構成部材の各種情報も格納されている。
【0019】
図4に示すことから理解されるように、実施形態の盤構成部材データベース22bには、盤構成部材と結びつく情報が一緒に格納されている。例えば、盤構成部材の組立方法・組立順序などを示した組立説明書が格納されている。また、組立説明書に使用される図面なども格納されている。このため、例えば、部材単体で選択されたとき、その部材に接続される部材の組立説明書を出力させることができる。なお、どのような組立説明書を出力するのかは、選択された部材、部材が組み合わされる半製品などの条件によって変更するものであっても良い。
【0020】
なお、実施形態の部材選定システムは、盤選定手段27で抽出した盤や、当該盤を構成する盤構成部材に関する情報の一覧を出力する際に用いられる盤出力手段23を備えている。実施形態の盤出力手段23は、特定の盤が選択された後に、盤構成部材などの一覧を出力することができる。
【0021】
ところで、実施形態の盤選定手段27は、操作手段52で入力した内容から盤データベース22aに記憶された盤の情報と盤構成部材の情報を基にユニットを抽出する。そして、抽出したユニットが搭載される筐体が選ばれ、盤が選定される。複数のユニットが選定された場合には、価格が安いものから順番に並べるようにしても良いし、筐体のサイズや納期の情報をもとに並ばせ、選択できるようにしても良いし、再度追加の情報を入力させることで絞りこみを掛けることができるようにしても良い。なお、実施形態においては、情報端末の表示手段51には、図5に示すような表示をすることが可能であるため、ユーザは、このような表示を参考に、盤の選定に必要な仕様情報を入力すればよい。
【0022】
なお、図5に示す例では、必要な機能などを入力するものであるが、盤に備える電気機器の配置を選択できるようにしても良い。例えば、図6に示すことから理解されるように、あらかじめ設定している位置のどの箇所にどの機器を配置するのかを定められるようにすれば良い。図6に示す例では、主幹ブレーカと分岐ブレーカの種類や位置を直接指定して入力することができるようにしている。
【0023】
ところで、実施形態のシステムでは、ユーザ側に引き渡される際の組み立て状態の選択ができる。具体的には、図7から図9に示されていることから理解されるように、注文される盤に関し、完成品として組み立てられたものが引き渡されるもの(完成品状態)とするのか、盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡されるもの(半製品状態)とするのか、注文品として選定する全ての部材を部材同士が組み立てられていない状態で引き渡すもの(部材状態)とするのか、を選択することができる。
【0024】
実施形態では、入力された仕様情報により、盤を選定するが、その盤の盤構成部材の全ての部材が組み立てられずに引き渡されるものとする場合、ユーザ側でそれらの部材を組み立てることになる。このような場合、既に選定された盤構成部材の一部を省いて注文したいこともある。
【0025】
このため、仕様情報の要求を満たす盤の盤構成部材の一部を注文しないように定めることができるようにするのが好ましい。例えば、図10に示すような画面を顧客端末5に表示できるものとして、提案された盤構成部材の一部を注文する部材から除外することができるようにすれば良い。
【0026】
また、実施形態のシステムでは、入力された仕様情報から推奨される盤を構成する盤構成部材の情報を参考に、その一部の盤構成部材を除外して半製品を定めることができるものとしている。例えば、図11に示すような構成の変更を意味しており、この場合、左側に示された提案された盤を参考に、鉄製基板、主幹ブレーカ、主幹リードバー、分岐ブレーカの一部を除外し、右側に示されたような半製品の状態で引き渡されるものに変更している。
【0027】
ところで、実施形態のシステムの作図手段25は、盤出力手段23で選択した盤の図面を出力するために用いられる仮作図手段を備えている。このため、盤出力手段23で選択した盤の図面を出力することにより、どの部材を除外すべきかを認識しやすくなる。図12に示す例では、組み立てから除外する部材を選択する前に、仮作図手段による図の出力ができるようにしている。
【0028】
また、実施形態の作図手段25においては、完成品から選択した部材を除いた半製品の図面を作図することができる本作図手段を備えている。このため、ユーザは半製品の状態をイメージすることができる。
【0029】
図13に示すことから理解されるように、実施形態では、図面と盤構成部材の一覧を同時に画面上に出力することができる。このようにすることにより、除外する部材が認識しやすくなる。また、一覧において除外する部材を選択すると図面に反映されるものとするのが好ましい。例えば、図14に示すことから理解されるように、一覧において除外する盤構成部材を選択することで図面の表示部分に色の変化が生じるようにするのが好ましい。逆に図面において除外する部材を選択すると、一覧に反映されるようにしても良い。
【0030】
上記していることから理解されるように、ユーザは操作手段52を用いて、盤出力手段23により出力した盤の盤構成部材から組み立て対象としない部材(除く部材)を選定することができるが、除く部材として選定したものについては、除く部材として選定された部材は、全く納入不要とするのか、部材単体として納入するのかを選択できるようにするのが好ましい。いずれにしても、除く部材を選定して発注をかければ、残りの部材を組み立てた組立状態(半製品)で納入される。
【0031】
なお、実施形態では部材選定手段24によって、盤構成部材の中から、組み立て対象から除く部材を選定した際、当該部材を不要な部材とするか、独立した部材として発注するかを選択可能な構成としている。
【0032】
また、実施形態では、組立状態選定手段28によって、「注文品として選定する全ての部材を部材同士が組み立てられていない状態で引き渡すことの選択」と、「盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すことの選択」ができる。
【0033】
なお、部材選定手段24は、「注文品として選定する全ての部材を部材同士が組み立てられていない状態で引き渡すことの選択」、もしくは「盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すことの選択」をした場合に、提案された部材の要否を選択することができるものとするのが好ましい。また、作図手段25は、「盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すことの選択」をした場合に半組立の図面の作成及び出力を行うように構成するのが好ましい。
【0034】
盤構成部材のいずれかを除く部材として選択した場合には、当該盤構成部材に接続される部材などを注目しやすいように表示させるようにしても良い。このようにすれば、当該部材を除く部材として選択することにより生じ得る不具合に気を付けることができる。
【0035】
ところで、完成品として組み立てられていない場合には、ユーザなどにより、最終的な完成品を組み立てなくてはならない。このため、除く部材として選択した部材が半組立の状態のものと併せて発注されている場合、後からそれらを組み込むために利用可能な組立方法や注意事項などを示した組立説明書を出力可能なように制御するのが好ましい。
【0036】
実施形態では、部材の組立品への組立方法を示した組立説明書を発行する組立説明出力手段26を備えた構成としている。なお、組立状態選定手段28で、「注文品として選定する全ての部材を部材同士が組み立てられていない状態で引き渡すこと」、もしくは、「盤としての完成品には至らない範囲で部材同士を組み立てた半製品を含んだものとして引き渡すこと」を選定した場合に、組立説明出力手段26で、部材同士の組立方法、または、部材の半製品への組立方法を記載した組立説明書を出力するものとするのが好ましい。
【0037】
図15及び図16に示すことから理解されるように、実施形態の組立説明書は、図面や組み立て説明図や仕様書が含まれる。組み立て説明図には、部材を組み込む際に必要なねじに関する情報や、組み込む際に求められる絶縁距離に関する情報などを含むのが好ましい。また、仕様書には、部材の大きさ・形状・材質などの情報を含むのが好ましい。
【0038】
組立説明書は、部材ごとにあらかじめ作成し、盤構成部材データベース22bに納入しておいても良いし、部材が選択された場合に、盤データベース22aに格納された仕様情報から情報を抽出し、作成するものであっても良い。
【0039】
なお、実施形態では、発注することもシステムで行うことができるようにするため、半製品、及び/又は、部材の見積もりを行い表示させる手段である見積手段31や、設計した状態で発注を行う発注手段32を備えている。
【0040】
このようなシステムを用いて、盤を選定するための情報を入力する段階から、発注するまでの流れの簡単な例を、図17に示すフローに沿って説明する。
【0041】
まず、ユーザが操作手段52を操作して仕様情報又は機器を入力する(S101)。その後、盤選定手段27を用いて、入力された仕様情報にあわせるようにデータベース22からユニットや部材を選定する(S102)。また、ステップ102で選定されたユニットや部材を搭載可能な筐体を選定する(S103)。
【0042】
ステップ103で選定した盤の図面を、仮作図手段を用いて表示手段51に出力する(S104)。そして、組み立て状態を指定するか否かを選択する(S105)。この際、組立品として選定するのであれば、見積などを行うステップ110に進む。
【0043】
半製品として指定するものがある場合、部材を発注から除くか、部材を単品として発注するのかを選択する(S106)。また、指定した半製品の図面を作成する(S107)。また、部材リストや組立説明書を作成する(S108)。また、半製品への部材の組立説明書を出力する(S109)。そして、見積や発注を行う(S110)。
【0044】
全てを部材としての引き渡しとする場合、ステップ103で選定した盤の盤構成部材から部材を除いて発注するかを選択する(S111)。また、部材リストや組立説明書を作成する(S112)。また、半製品への部材の組立説明書を出力する(S113)。そして、見積や発注を行う(S110)。
【0045】
なお、実施形態のシステムは、「盤の仕様情報を入力可能な仕様入力手段21」と、「回路構成、用途、機器配置の少なくとも一つの条件が記録された盤の情報が格納されるとともに、「盤の電気機器を保持若しくは保護するか電気機器に接続される部材を保持若しくは保護する盤用パーツの情報」、「電気機器を収納する筐体の情報」の少なくとも一方が格納されるデータベース22」と、「仕様入力手段21に入力された仕様情報に応じた盤をデータベース22から選択するとともに盤構成部材の情報の一覧を出力可能な盤出力手段23」と、「盤出力手段23によって出力した盤構成部材のうち少なくとも盤用パーツ又は筐体の何れかについて、組み立て対象から除く部材を選択できる部材選定手段24」と、を備えた盤の部材選定システムとすることができる。この場合、特定の仕様を満たす盤の組み立てに使用する部材の候補となる部材の情報を取得した後に、その中から組み立て対象としない部材を選定できるようにすることが可能となる。
【0046】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、本旨に外れない範囲で各種ステップは、前後させても良いし、部分的に削除しても良い。また、他のステップを挿入しても良い。
【符号の説明】
【0047】
21 仕様入力手段
22 データベース
24 部材選定手段
26 組立説明出力手段
27 盤選定手段
28 組立状態選定手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17