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特許7657621ロボットシステムおよびロボットシステムの組み立て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】ロボットシステムおよびロボットシステムの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20250331BHJP
   B25J 19/02 20060101ALI20250331BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20250331BHJP
【FI】
B25J19/06
B25J19/02
B25J19/00 F
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021039596
(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公開番号】P2022139292
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2024-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】橋本 猛
(72)【発明者】
【氏名】植梶 陸也
(72)【発明者】
【氏名】プラカシュ ジョン ブライト
(72)【発明者】
【氏名】石川 修平
【審査官】國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-213674(JP,A)
【文献】特開2011-016183(JP,A)
【文献】特開2019-098407(JP,A)
【文献】特開2004-090152(JP,A)
【文献】特開平02-309026(JP,A)
【文献】特表2018-530441(JP,A)
【文献】特開2005-144610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームと、
前記ロボットアームの外表面を覆うように設けられるジャケット部と、前記ジャケット部に設けられ、前記ジャケット部に対する接触を検知する検知部とを含むジャケット型センサと、
前記検知部に接続され、前記検知部からの検知結果が出力されるセンサ配線とを備え、
前記センサ配線は、前記ロボットアームの内部に配置されており、
前記ロボットアームの内部から前記ロボットアームの外表面に取り出される前記センサ配線の取出部に配置され、前記センサ配線の向きを前記ロボットアームの外表面に沿う方向に案内する配線挿通部材をさらに備える、ロボットシステム。
【請求項2】
前記ロボットアームは、複数のリンク部を含み、
前記ジャケット型センサは、前記複数のリンク部の各々に設けられ、
前記複数のリンク部の各々に設けられる複数の前記ジャケット型センサの前記検知部に接続される前記センサ配線は、前記ロボットアームの内部に配置されている、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記複数のジャケット型センサは、前記センサ配線により、互いにデイジーチェーン接続されている部分を含み、
前記複数のジャケット型センサを互いにデイジーチェーン接続する前記センサ配線が、前記ロボットアームの内部に配置されている、請求項2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記センサ配線に接続され、前記ジャケット型センサからの検知結果が入力されるセンサ制御装置と、
前記ロボットアームの駆動を制御するロボット制御装置とをさらに備え、
前記センサ制御装置は、前記ジャケット型センサから前記ジャケット部に対する接触を検知する検知結果を受信した場合、前記ロボット制御装置にトリガ信号を送信し、
前記ロボット制御装置は、前記トリガ信号に基づいて、前記ロボットアームの駆動を停止するか、前記ロボットアームの移動速度を減速させるか、または、前記ロボットアームの関節の角度を大きくさせる、請求項1~3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記ロボットアームが載置される基台をさらに備え、
前記センサ配線は、前記ジャケット型センサから前記ロボットアームおよび前記基台の内部を介して、前記ロボットアームの外部に取り出されるとともに前記センサ制御装置に接続されるように構成されている、請求項4に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記取出部は、前記ロボットアームに含まれる前記センサ配線が挿入されるアーム孔部を含み、
前記センサ配線は、前記ロボットアームに設けられる前記アーム孔部を介して、前記ロボットアームの内部に挿入されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記配線挿通部材は、前記アーム孔部に設けられ、前記センサ配線が内部に挿通され
前記配線挿通部材は、前記ロボットアームの内部から前記ロボットアームの外表面に取り出される前記センサ配線の向きを前記ロボットアームの外表面に沿う方向に案内する配線案内孔部を含む、請求項6に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記配線挿通部材は、前記アーム孔部と前記センサ配線との間の隙間からの異物の侵入を抑制するように構成されている、請求項7に記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記センサ配線は、前記アーム孔部から取り出されるとともに、前記アーム孔部から取り出された部分の端部には、前記検知部に接続される配線側コネクタ部が設けられており、
前記検知部は、前記配線側コネクタ部に接続される検知部側コネクタ部を含む、請求項6~8のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項10】
前記ロボットアームは、複数のリンク部と、前記複数のリンク部を接続する関節とを含み、
前記センサ配線は、前記関節の回転軸に沿うように、前記ロボットアームの内部に配置されている、請求項1~9のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項11】
前記ロボットアームを駆動するための信号と電力とのうちの少なくとも一方を供給するとともに、前記ロボットアームの内部に配置されているロボット配線をさらに備え、
前記センサ配線は、前記ロボットアームの内部において、前記ロボット配線に沿うように配置されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項12】
前記検知部は、前記ジャケット部の内部に埋め込まれる検知線と、前記検知線からの信号が入力される基板とを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項13】
ジャケット部と、前記ジャケット部に設けられ、前記ジャケット部に対する接触を検知する検知部とを含むジャケット型センサが外表面を覆うように取り付け可能に構成されているロボットアームと、
前記検知部に接続され、前記検知部からの検知結果が出力されるセンサ配線とを備え、
前記センサ配線は、前記ロボットアームの内部に配置されており、
前記ロボットアームの内部から前記ロボットアームの外表面に取り出される前記センサ配線の取出部に配置され、前記センサ配線の向きを前記ロボットアームの外表面に沿う方向に案内する配線挿通部材をさらに備える、ロボットシステム。
【請求項14】
センサ配線が予め内部に配置されているロボットアームを準備する工程と、
ジャケット部と、前記ジャケット部に設けられ、前記ジャケット部に対する接触を検知するとともに検知結果を出力する検知部とを含むジャケット型センサを、前記ロボットアームの外表面を覆うように取り付ける工程と、を備え、
前記ジャケット型センサを取り付ける工程は、前記ロボットアームの内部に配置され、前記ロボットアームの内部から前記ロボットアームの外表面に取り出される前記センサ配線の向きが前記ロボットアームの外表面に沿う方向に前記センサ配線の取出部に配置される配線挿通部材により案内される前記センサ配線と、前記検知部とを接続する工程を含む、ロボットシステムの組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロボットシステムおよびロボットシステムの組み立て方法に関し、特に、接触を検知するセンサを備えるロボットシステムおよびロボットシステムの組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接触を検知するセンサを備えるロボットシステムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、基部と、複数のリンク部(ロボットアーム)と、手首部とを有するロボットが開示されている。また、上記特許文献1では、リンク部の各駆動軸の近傍には、リンク部に作用する外力を検出する外力検出センサが取り付けられている。また、外力検出センサからの信号は、制御ユニットに入力される。そして、外力検出センサにより検出された外力が閾値以上になった場合、制御ユニットは、ロボットの動作を停止または減速させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5902664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、外力検出センサからの信号(検知結果)は、配線(センサ配線)を介して制御ユニットに入力される。そして、この配線をリンク部の外表面に沿うように固定した場合、配線に引っ張られてリンク部の動作を阻害してしまう場合がある。たとえば、関節により接続される2つのリンク部の一方が回動し、他方は静止している場合において、回動するリンク部に固定されている配線の部分が、静止しているリンク部に固定されている配線の部分に引っ張られてリンク部の回動が阻害される。このため、配線がリンク部の動作を阻害しないように、配線に余長を持たせる必要がある。しかしながら、配線に余長を持たせると、配線がたるんでいる部分が生じ、リンク部の動作中に、配線のたるんだ部分がロボットの周辺に配置される部材などに引っかかるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ロボットアームの動作が阻害されるのを抑制しながら、ロボットアームの動作中にセンサ配線が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することが可能なロボットシステムおよびロボットシステムの組み立て方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面によるロボットシステムは、ロボットアームと、ロボットアームの外表面を覆うように設けられるジャケット部と、ジャケット部に設けられ、ジャケット部に対する接触を検知する検知部とを含むジャケット型センサと、検知部に接続され、検知部からの検知結果が出力されるセンサ配線とを備え、センサ配線は、ロボットアームの内部に配置されており、ロボットアームの内部からロボットアームの外表面に取り出されるセンサ配線の取出部に配置され、センサ配線の向きをロボットアームの外表面に沿う方向に案内する配線挿通部材をさらに備える
【0008】
この発明の第1の局面によるロボットシステムでは、上記のように、ジャケット型センサの検知部に接続され、検知部からの検知結果が出力されるセンサ配線は、ロボットアームの内部に配置されている。これにより、センサ配線が、ロボットアームの内部に配置されているので、ロボットアームの関節が回動した場合でも、センサ配線のうちの関節に配置されている部分が関節の回動とともに関節軸周りにねじれるだけで、センサ配線の他の部分(関節以外に配置されている部分)が引っ張られることはない。また、ジャケット型センサの検知部に接続されるセンサ配線がロボットアームの内部に配置されているので、センサ配線がロボットアームの外部に配置されている場合と異なり、センサ配線が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することができる。その結果、ロボットアームの動作が阻害されるのを抑制しながら、ロボットアームの動作中にセンサ配線が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することができる。また、ジャケット型センサを用いることによって、ロボットアームにおける比較的広範囲の接触を検出することができる。
【0009】
この発明の第2の局面によるロボットシステムは、ジャケット部と、ジャケット部に設けられ、ジャケット部に対する接触を検知する検知部とを含むジャケット型センサが外表面を覆うように取り付け可能に構成されているロボットアームと、検知部に接続され、検知部からの検知結果が出力されるセンサ配線とを備え、センサ配線は、ロボットアームの内部に配置されており、ロボットアームの内部からロボットアームの外表面に取り出されるセンサ配線の取出部に配置され、センサ配線の向きをロボットアームの外表面に沿う方向に案内する配線挿通部材をさらに備える
【0010】
この発明の第2の局面によるロボットシステムでは、上記のように、ジャケット型センサの検知部に接続され、検知部からの検知結果が出力されるセンサ配線は、ロボットアームの内部に配置されている。これにより、センサ配線が、ロボットアームの内部に配置されているので、ロボットアームの関節が回動した場合でも、センサ配線のうちの関節に配置されている部分が関節の回動とともに関節軸周りにねじれるだけで、センサ配線の他の部分(関節以外に配置されている部分)が引っ張られることはない。また、ジャケット型センサの検知部に接続されるセンサ配線がロボットアームの内部に配置されているので、センサ配線がロボットアームの外部に配置されている場合と異なり、センサ配線が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することができる。その結果、ロボットアームの動作が阻害されるのを抑制しながら、ロボットアームの動作中にセンサ配線が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することができる。また、ジャケット型センサを用いることによって、ロボットアームにおける比較的広範囲の接触を検出することができる。
【0011】
また、センサ配線を、予めロボットアームの内部に配置することにより、ジャケット型センサを後付けで(設置場所で)、容易にロボットアームに取り付けることができる。
【0012】
この発明の第3の局面によるロボットシステムの組み立て方法は、センサ配線が予め内部に配置されているロボットアームを準備する工程と、ジャケット部と、ジャケット部に設けられ、ジャケット部に対する接触を検知するとともに検知結果を出力する検知部とを含むジャケット型センサを、ロボットアームの外表面を覆うように取り付ける工程と、を備え、ジャケット型センサを取り付ける工程は、ロボットアームの内部に配置され、ロボットアームの内部からロボットアームの外表面に取り出されるセンサ配線の向きがロボットアームの外表面に沿う方向にセンサ配線の取出部に配置される配線挿通部材により案内されるセンサ配線と、検知部とを接続する工程を含む。
【0013】
この発明の第3の局面によるロボットシステムの組み立て方法では、上記のように、ジャケット型センサの検知部に接続され、検知部からの検知結果が出力されるセンサ配線は、ロボットアームの内部に配置されている。これにより、センサ配線が、ロボットアームの内部に配置されているので、ロボットアームの関節が回動した場合でも、センサ配線のうちの関節に配置されている部分が関節の回動とともに関節軸周りにねじれるだけで、センサ配線の他の部分(関節以外に配置されている部分)が引っ張られることはない。また、ジャケット型センサの検知部に接続されるセンサ配線がロボットアームの内部に配置されているので、センサ配線がロボットアームの外部に配置されている場合と異なり、センサ配線が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することができる。その結果、ロボットアームの動作が阻害されるのを抑制しながら、ロボットアームの動作中にセンサ配線が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することができる。また、ジャケット型センサを用いることによって、ロボットアームにおける比較的広範囲の接触を検出することができる。
【0014】
また、センサ配線が、予めロボットアームの内部に配置されているので、ジャケット型センサを後付けで(設置場所で)、容易にロボットアームに取り付けることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記のように、ロボットアームの動作が阻害されるのを抑制しながら、ロボットアームの動作中にセンサ配線が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態によるロボットシステムのブロック図である。
図2】一実施形態によるロボット(ジャケット型センサが設けられていない状態)の斜視図である。
図3】ジャケット型センサの表面側を示す図である。
図4】ジャケット型センサの裏面側を示す図である。
図5】一実施形態によるロボット(ジャケット型センサが設けられている状態)の斜視図である。
図6】一実施形態によるロボットのアームの断面図である。
図7】配線挿通部材の断面図である。
図8】配線挿通部材の斜視図である。
図9】ロボットシステムの組み立て方法を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1図8を参照して、本実施形態によるロボットシステム100の構成について説明する。
【0019】
図1に示すように、ロボットシステム100は、ロボット10と、ロボット10を制御するロボット制御装置20とを備えている。ロボット10とロボット制御装置20とは、ロボット配線21を介して接続されている。また、ロボット制御装置20には、商用電源1から交流電力が供給される。ロボット制御装置20は、商用電源1から供給される交流電力を、ロボット配線21を介してロボット10に供給するとともに、ロボット10の動作を制御する。
【0020】
図2に示すように、ロボット10は、ロボットアーム11を含む。ロボットアーム11は、複数のリンク部12(リンク部12a~リンク部12e)を含む。複数のリンク部12同士は、関節13により接続されている。関節13は、複数設けられている。たとえば、関節13は、6個設けられている。すなわち、ロボット10は、6軸(J1~J6)の垂直多関節ロボットからなる。また、複数の関節13の各々には、モータ(図示せず)が設けられている。また、ロボットアーム11は、基台14に載置されている。また、ロボットアーム11の先端には、エンドエフェクタ15(図5参照)が取り付けられる。なお、ロボット10が、6軸以外の関節軸を有する垂直多関節ロボットや、双腕ロボット、または、水平多関節ロボットなどから構成されていてもよい。
【0021】
また、ロボット10には、ジャケット型センサ30が設けられている。図3および図4に示すように、ジャケット型センサ30は、ロボットアーム11の外表面11aを覆うように設けられるジャケット部31と、ジャケット部31の内部に設けられ、ジャケット部31に対する接触を検知する検知部32とを含む。ジャケット部31は、たとえば、樹脂により形成されている。また、検知部32は、ジャケット部31の内部に埋め込まれる検知線32aと、検知線32aからの信号が入力される基板32bとを含む。なお、検知部32は、感圧式の接触センサである。また、検知部32を、静電容量式の接触センサにより構成してもよい。また、検知部32がジャケット部31の内部以外の部分(表面など)に設けられていてもよい。
【0022】
また、本実施形態では、図5および図6に示すように、ジャケット型センサ30は、複数のリンク部12の各々に設けられている。ジャケット型センサ30は、リンク部12dを覆うジャケット型センサ30aおよび30b、リンク部12cを覆うジャケット型センサ30cおよび30d、リンク部12bを覆うジャケット型センサ30e、30fおよび30g、および、リンク部12aを覆うジャケット型センサ30h、30iおよび30jを含む。
【0023】
図3および図4に示すように、ジャケット部31は、ロボットアーム11(リンク部12)の外表面11aを覆うように、ロボットアーム11(リンク部12)の外表面11aに対して凸状を有する。ジャケット部31は、取り付けられるリンク部12の形状(大きさ)に対応する形状(大きさ)を有する。基板32bは、凸状のジャケット部31の内側に配置されている。また、凸状のジャケット部31の内側には、リブ32dが設けられている。
【0024】
ここで、本実施形態では、図6に示すように、ロボット10は、検知部32に接続され検知部32からの検知結果が出力されるセンサ配線40を備えている。そして、センサ配線40は、ロボットアーム11の内部に配置されている。また、複数のリンク部12の各々に設けられる複数のジャケット型センサ30の検知部32に接続されるセンサ配線40が、ロボットアーム11の内部に配置されている。なお、センサ配線40のうちロボットアーム11の内部に配置されている部分40aは、ロボットアーム11の内の占有率が大きくなるのを抑制するように、バラ配線(複数の配線がばらばらな状態の配線)により構成されている。また、センサ配線40のうちロボットアーム11の外部に取り出されている部分40bは、防水・防塵のため、ケーブル(複数のバラ配線が絶縁被膜に覆われた配線)により構成されている。
【0025】
また、本実施形態では、図1に示すように、複数のジャケット型センサ30(30a~30j)は、センサ配線40により、互いにデイジーチェーン接続されている部分を含む。そして、複数のジャケット型センサ30を互いにデイジーチェーン接続するセンサ配線40が、ロボットアーム11の内部に配置されている。具体的には、ジャケット型センサ30bおよびジャケット型センサ30aが直列に接続されている。そして、ジャケット型センサ30aがセンサ配線41を介して、ジャケット型センサ30cに接続されている。また、ジャケット型センサ30cがジャケット型センサ30dに直列に接続されている。また、ジャケット型センサ30dがセンサ配線42を介して、ジャケット型センサ30eに接続されている。また、ジャケット型センサ30eがジャケット型センサ30gに接続されている。また、ジャケット型センサ30eは、ジャケット型センサ30fにも接続されている。ジャケット型センサ30fは、ジャケット型センサ30hに接続されている。
【0026】
ジャケット型センサ30fは、センサ配線43を介して、ジャケット型センサ30iに接続されている。ジャケット型センサ30iは、ジャケット型センサ30jに接続されている。また、ジャケット型センサ30iは、センサ配線44に接続されている。
【0027】
また、本実施形態では、ロボットシステム100は、センサ配線40に接続され、ジャケット型センサ30からの検知結果が入力されるセンサ制御装置45を備えている。具体的には、センサ制御装置45は、ロボットアーム11の内部に配置されているセンサ配線44に接続されている。そして、ジャケット型センサ30a~30jのうちのいずれかがジャケット部31に対する接触を検知した場合、センサ配線40を介して検知結果がセンサ制御装置45に入力される。
【0028】
また、本実施形態では、センサ配線40は、ジャケット型センサ30からロボットアーム11および基台14の内部を介して、ロボットアーム11の外部に取り出されるとともにセンサ制御装置45に接続されるように構成されている。具体的には、基台14には、センサ配線40の端部に接続される配線側コネクタ部40cが取り付けられている。そして、センサ制御装置45から延びる配線45aの端部には、センサ制御装置側コネクタ部45bが設けられている。そして、センサ制御装置側コネクタ部45bと配線側コネクタ部40cとが接続される。
【0029】
また、本実施形態では、センサ制御装置45は、ジャケット型センサ30(ジャケット型センサ30a~30jのうちのいずれか)からジャケット部31に対する接触を検知する検知結果を受信した場合、ロボットアーム11の駆動を制御するロボット制御装置20にトリガ信号を送信する。そして、ロボット制御装置20は、トリガ信号に基づいて、ロボットアーム11の駆動を停止する。具体的には、ロボット制御装置20は、ロボットアーム11の関節13に設けられるモータ(図示せず)の駆動を停止するように制御する。なお、センサ制御装置45には、ロボット制御装置20から直流電力が入力される。また、センサ制御装置45に商用電源1が直接入力されてもよい。なお、ロボット制御装置20は、トリガ信号に基づいて、ロボットアーム11の移動速度を減速させるか、または、ロボットアーム11の関節の角度を大きくさせてもよい。
【0030】
また、本実施形態では、図6に示すように、ロボットシステム100(ロボット10)は、ロボットアーム11を駆動するための信号と電力とのうちの少なくとも一方(本実施形態では、両方)を供給するとともに、ロボットアーム11の内部に配置されているロボット配線21を備えている。そして、センサ配線40は、ロボットアーム11の内部において、ロボット配線21に沿うように配置されている。ロボット配線21は、リンク部12a、リンク部12b、リンク部12c、および、リンク部12dの内部に配置されている。また、ロボット配線21は、各々の関節13においては、関節13の回転軸に沿うように配置されている。詳細には、関節13の回転軸には、回転軸に沿うように筒状部材46が配置されており、ロボット配線21は、筒状の部材に挿入されている。
【0031】
そして、本実施形態では、センサ配線40は、関節13の回転軸に沿うように、ロボットアーム11の内部に配置されている。すなわち、センサ配線40は、ロボット配線21とともに、筒状部材46に挿入されている。
【0032】
また、本実施形態では、図7に示すように、ロボットアーム11は、センサ配線40が挿入されるアーム孔部11bを含む。そして、センサ配線40は、ロボットアーム11に設けられるアーム孔部11bを介して、ロボットアーム11の内部に挿入されている。アーム孔部11bは、ロボットアーム11の外表面11aに開口するように設けられている。また、アーム孔部11bの大きさは、センサ配線40の直径よりも大きい。すなわち、アーム孔部11bとセンサ配線40との間には、隙間が生じている。
【0033】
そして、本実施形態では、図7および図8に示すように、アーム孔部11bには、センサ配線40が内部に挿通される配線挿通部材50が設けられている。配線挿通部材50は、ロボットアーム11の内部からロボットアーム11の外表面11aに取り出されるセンサ配線40の向きをロボットアーム11の外表面11aに沿う方向に案内する配線案内孔部51を含む。配線案内孔部51のロボットアーム11側は、ロボットアーム11の外表面11aに垂直な方向に沿って形成されている。そして、配線案内孔部51は、ロボットアーム11の外表面11aにおいて略90度曲がって、ロボットアーム11の外表面11aに沿った方向に延びるように形成される。これにより、センサ配線40が、ロボットアーム11の外表面11aに沿うように配線案内孔部51により案内される。また、配線挿通部材50には、ロボットアーム11の外表面11aに係合する溝部52が設けられている。また、配線挿通部材50は、たとえば、樹脂により形成されている。
【0034】
また、本実施形態では、配線挿通部材50は、アーム孔部11bとセンサ配線40との間の隙間からの異物の侵入を抑制するように構成されている。すなわち、配線挿通部材50は、アーム孔部11bとセンサ配線40との間の隙間を埋めるように設けられている。
【0035】
また、本実施形態では、図2に示すように、センサ配線40は、アーム孔部11bから取り出されるとともに、アーム孔部11bから取り出された部分40bの端部には、検知部32に接続される配線側コネクタ部40cが設けられている。そして、検知部32は、配線側コネクタ部40cに接続される検知部側コネクタ部32c(図1参照)を含む。
【0036】
具体的には、図1に示すように、ジャケット型センサ30aの検知部側コネクタ部32cと、センサ配線41の配線側コネクタ部40cとが接続されている。また、ジャケット型センサ30cの検知部側コネクタ部32cと、センサ配線41の配線側コネクタ部40cとが接続されている。また、ジャケット型センサ30dの検知部側コネクタ部32cと、センサ配線42の配線側コネクタ部40cとが接続されている。また、ジャケット型センサ30eの検知部側コネクタ部32cと、センサ配線42の配線側コネクタ部40cとが接続されている。また、ジャケット型センサ30fの検知部側コネクタ部32cと、センサ配線43の配線側コネクタ部40cとが接続されている。また、ジャケット型センサ30iの検知部側コネクタ部32cと、センサ配線43の配線側コネクタ部40cとが接続されている。また、ジャケット型センサ30iの検知部側コネクタ部32cと、センサ配線44の配線側コネクタ部40cとが接続されている。
【0037】
次に、図9を参照して、ロボットシステム100の組み立て方法について説明する。
【0038】
ステップS1において、センサ配線40が予め内部に配置されているロボットアーム11(ロボット10)を準備する。
【0039】
次に、ステップS2において、ジャケット部31と、ジャケット部31に設けられ、ジャケット部31に対する接触を検知するとともに検知結果を出力する検知部32とを含むジャケット型センサ30を、ロボットアーム11の外表面11aを覆うように取り付ける。ジャケット型センサ30は、たとえば、締結部材や接着剤などによりロボットアーム11に取り付けられる。また、ジャケット型センサを取り付ける工程(S2)において、ロボットアーム11の内部に配置されているセンサ配線40と、検知部32とを接続する。具体的には、検知部32の検知部側コネクタ部32cと、センサ配線40の配線側コネクタ部40cとを接続する。
【0040】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0041】
本実施形態では、上記のように、ジャケット型センサ30の検知部32に接続され、検知部32からの検知結果が出力されるセンサ配線40は、ロボットアーム11の内部に配置されている。これにより、センサ配線40が、ロボットアーム11の内部に配置されているので、ロボットアーム11の関節13が回動した場合でも、センサ配線40のうちの関節13に配置されている部分が関節13の回動とともに関節軸周りにねじれるだけで、センサ配線40の他の部分(関節13以外に配置されている部分)が引っ張られることはない。また、ジャケット型センサ30の検知部32に接続されるセンサ配線40がロボットアーム11の内部に配置されているので、センサ配線40がロボットアーム11の外部に配置されている場合と異なり、センサ配線40が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することができる。その結果、ロボットアーム11の動作が阻害されるのを抑制しながら、ロボットアーム11の動作中にセンサ配線40が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することができる。また、ジャケット型センサ30を用いることによって、ロボットアーム11における比較的広範囲の接触を検出することができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、ロボットアーム11は、複数のリンク部12を含み、ジャケット型センサ30は、複数のリンク部12の各々に設けられ、複数のリンク部12の各々に設けられる複数のジャケット型センサ30の検知部32に接続されるセンサ配線40は、ロボットアーム11の内部に配置されている。これにより、複数のジャケット型センサ30の検知部32に接続されるセンサ配線40がロボットアーム11の内部に配置されているので、ジャケット型センサ30が複数設けられている場合でも、ロボットアーム11の動作が阻害されるのを抑制しながら、ロボットアーム11の動作中にセンサ配線40が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、上記のように、複数のジャケット型センサ30は、センサ配線40により、互いにデイジーチェーン接続されている部分を含み、複数のジャケット型センサ30を互いにデイジーチェーン接続するセンサ配線40が、ロボットアーム11の内部に配置されている。これにより、複数のジャケット型センサ30に対して各々センサ配線40が設けられている場合(複数のジャケット型センサ30が並列に接続されている場合)と比べて、センサ配線40の本数を少なくすることができる。その結果、ロボットアーム11の内部においてセンサ配線40が占有する空間が大きくなるのを抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、センサ制御装置45は、ジャケット型センサ30からジャケット部31に対する接触を検知する検知結果を受信した場合、ロボット制御装置20にトリガ信号を送信し、ロボット制御装置20は、トリガ信号に基づいて、ロボットアーム11の駆動を停止するか、ロボットアーム11の移動速度を減速させるか、または、ロボットアーム11の関節の角度を大きくさせる。これにより、ロボットアーム11の周辺に配置される部材などにロボットアーム11(ジャケット型センサ30)が接触した場合、ロボット制御装置20により容易にロボットアーム11の駆動を停止、減速、または、ロボットアーム11の関節の角度を大きくさせることができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、センサ配線40は、ジャケット型センサ30からロボットアーム11および基台14の内部を介して、ロボットアーム11の外部に取り出されるとともにセンサ制御装置45に接続されるように構成されている。ここで、ロボットアーム11からセンサ配線40を外部に取り出すと、ロボットアーム11の動作に伴ってロボットアーム11から取り出されたセンサ配線40が周辺に配置される部材などに引っかかる場合がある。そこで、上記のように、センサ配線40を基台14の内部を介してロボットアーム11の外部に取り出すことによって、基台14は静止しているので、基台14の内部を介して取り出されたセンサ配線40が周辺に配置される部材などに引っかかるのを抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、ロボットアーム11は、センサ配線40が挿入されるアーム孔部11bを含み、センサ配線40は、ロボットアーム11に設けられるアーム孔部11bを介して、ロボットアーム11の内部に挿入されている。これにより、アーム孔部11bを介して、センサ配線40をロボットアーム11の内部に容易に挿入することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記のように、配線挿通部材50は、ロボットアーム11の内部からロボットアーム11の外表面11aに取り出されるセンサ配線40の向きをロボットアーム11の外表面11aに沿う方向に案内する配線案内孔部51を含む。ここで、センサ配線40がロボットアーム11の外表面11aに垂直な方向に取り出される場合、アーム孔部11b近傍でのセンサ配線40の飛び出し高さ(突出高さ)が比較的大きくなる。そこで、上記のように構成することによって、センサ配線40が、ロボットアーム11の外表面11aに沿うようにロボットアーム11の内部から取り出されるので、アーム孔部11b近傍でのセンサ配線40の飛び出し高さ(突出高さ)を低減することができる。その結果、センサ配線40を覆うように設けられるジャケット型センサ30の厚みを小さくすることができるので、ロボット10の大型化を抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、配線挿通部材50は、アーム孔部11bとセンサ配線40との間の隙間からの異物の侵入を抑制するように構成されている。これにより、アーム孔部11bとセンサ配線40との間の隙間からの異物の侵入を抑制する部材を配線挿通部材50とは別個に設ける場合と比べて、ロボットシステム100を構成する部品点数を低減することができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、センサ配線40は、アーム孔部11bから取り出されるとともに、アーム孔部11bから取り出された部分40bの端部には、検知部32に接続される配線側コネクタ部40cが設けられており、検知部32は、配線側コネクタ部40cに接続される検知部側コネクタ部32cを含む。これにより、配線側コネクタ部40cがアーム孔部11bから取り出されているので、ジャケット型センサ30の検知部32に接続される検知部側コネクタ部32cと配線側コネクタ部40cとを容易に接続することができる。このため、ロボットアーム11の内部に配置されているセンサ配線40と、ロボットアーム11の外部に配置されているジャケット型センサ30とを、容易に電気的に接続することができる。
【0050】
また、本実施形態では、上記のように、センサ配線40は、関節13の回転軸に沿うように、ロボットアーム11の内部に配置されている。これにより、関節13の回転軸が回転しても、センサ配線40のうちの関節13の回転軸に沿うように配置されている部分が関節13の回動とともにねじれるだけで、センサ配線40の他の部分(関節13以外に配置されている部分)を引っ張ることはない。このため、センサ配線40に余長を持たせる必要が無いので、センサ配線40の長さを小さくすることができる。
【0051】
また、本実施形態では、上記のように、センサ配線40は、ロボットアーム11の内部において、ロボット配線21に沿うように配置されている。これにより、ロボットアーム11の内部のロボット配線21を配置するためのスペースにセンサ配線40を配置することができるので、センサ配線40を配置するためのスペースをロボットアーム11の内部に別途設ける必要がない。このため、ロボットアーム11が大型化するのを抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態では、上記のように、検知部32は、ジャケット部31の内部に埋め込まれる検知線32aと、検知線32aからの信号が入力される基板32bとを含む。これにより、検知線32aに入力された外力を基板32bが検知することにより、ジャケット部31に対する接触を検知することができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、センサ配線40が、予めロボットアーム11の内部に配置されているので、ジャケット型センサ30を後付けで(設置場所で)、容易にロボットアーム11に取り付けることができる。
【0054】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0055】
たとえば、上記実施形態では、ジャケット型センサ30が複数設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ジャケット型センサ30が1つのみ設けられていてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、ジャケット型センサ30がロボットアーム11に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ジャケット型センサ30がロボットアーム11に加えて基台14に設けられていてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、複数のジャケット型センサ30がセンサ配線40により互いに直列に接続されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数のジャケット型センサ30の各々に個別にセンサ配線40が接続されていてもよい。つまり、センサ制御装置45に対して、複数のジャケット型センサ30が並列に接続されていてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、ジャケット型センサ30からの検知結果が入力されるセンサ制御装置45と、ロボットアーム11の駆動を制御するロボット制御装置20とが別個に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ジャケット型センサ30からの検知結果が入力される制御装置と、ロボットアーム11の駆動を制御する制御装置とが共通の制御装置であってもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、センサ配線40が基台14の内部を介して(基台14から)ロボットアーム11の外部に取り出される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、センサ配線40がロボットアーム11からロボットアーム11の外部に取り出されてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、アーム孔部11bに配線挿通部材50が設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、アーム孔部11bに配線挿通部材50を設けないで、アーム孔部11bからセンサ配線40を取り出してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、配線挿通部材50がアーム孔部11bとセンサ配線40との間の隙間からの異物の侵入を抑制するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、配線挿通部材50とは別個に、アーム孔部11bとセンサ配線40との間の隙間からの異物の侵入を抑制する部材を設けてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、センサ配線40と検知部32とがコネクタ部(配線側コネクタ部40c、検知部側コネクタ部32c)により接続される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、センサ配線40と検知部32とをコネクタ部同士の接続以外の方法(はんだ付けなど)により接続してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、センサ配線40が、関節13の回転軸に沿うように、ロボットアーム11の内部に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、センサ配線40が、関節13の回転軸と離間した位置に配置されていてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、センサ配線40がロボットアーム11の内部においてロボット配線21に沿うように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、センサ配線40がロボットアーム11の内部においてロボット配線21と離間した位置に配置されていてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、検知部32がジャケット部31の内部に埋め込まれる検知線32aと検知線32aからの信号が入力される基板32bとを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知部32が検知線32aおよび基板32b以外の部品から構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0066】
11 ロボットアーム
11a 外表面
11b アーム孔部
12 リンク部
13 関節
14 基台
20 ロボット制御装置
21 ロボット配線
30 ジャケット型センサ
31 ジャケット部
32 検知部
32a 検知線
32b 基板
32c 検知部側コネクタ部
40 センサ配線
40b (アーム孔部から取り出された)部分
40c 配線側コネクタ部
45 センサ制御装置
50 配線挿通部材
51 配線案内孔部
100 ロボットシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9