(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】観光経路生成装置および観光経路提案システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250331BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20250331BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y40/60
(21)【出願番号】P 2021063663
(22)【出願日】2021-04-02
【審査請求日】2024-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 智春
(72)【発明者】
【氏名】白石 春樹
(72)【発明者】
【氏名】前畑 実
(72)【発明者】
【氏名】岡田 貴穂
(72)【発明者】
【氏名】立野 克明
(72)【発明者】
【氏名】久木元 修
(72)【発明者】
【氏名】北原 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】重松 愛弓
(72)【発明者】
【氏名】一津屋 美岐
(72)【発明者】
【氏名】池田 知弘
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-114135(JP,A)
【文献】特開2019-175378(JP,A)
【文献】特開平08-292714(JP,A)
【文献】特開2002-373194(JP,A)
【文献】特開2021-039498(JP,A)
【文献】特開2003-006292(JP,A)
【文献】特開2018-101187(JP,A)
【文献】特開2019-215629(JP,A)
【文献】国際公開第2014/006688(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/138903(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を有する観光経路生成装置であって、
前記制御部は、
旅行者の情報である旅行者情報
、及び、前記
旅行者が訪れる地域の観光情報を取得
し、
前記旅行者情報および前記観光情報に基づき
、前記地域における訪問場所を含む観光経路を旅行者のタイプ別に生成し、
同時期に似たタイプの複数の旅行者の前記観光経路が生成された場合は、前記似たタイプの複数の旅行者間の前記訪問場所への訪問時間の調整を行う、
観光経路生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記旅行者情報に付加されるタグ情報が予め設定された数以上同じ旅行者を前記似たタイプの複数の旅行者と判定する、
請求項1に記載の観光経路生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記旅行者情報に付加されるタグ情報のうち、特定のタグ情報が同じ旅行者を前記似たタイプの複数の旅行者と判定する、
請求項1に記載の観光経路生成装置。
【請求項4】
前記
制御部は
、前記観光情報を観光情報データベースとして管理し、
前記観光情報データベースには、前記地域の観光に関するソーシャルネットワーキングサービスの情報と、過去に前記地域を訪れた者の評価情報とのうち少なくとも一方が含まれる、請求項1
から3のいずれか1項に記載の観光経路生成装置。
【請求項5】
前記観光情報データベースは、前記観光情報に関する国毎の情報を抽出可能に、
又は、前記観光情報に関する前記旅行者のタイプ別の情報を抽出可能に設けられる、請求項
4に記載の観光経路生成装置。
【請求項6】
前記
制御部は、前記旅行者の評価結果に基づき前記観光情報データベースを更新する、請求項
4又は5に記載の観光経路生成装置。
【請求項7】
前記観光情報には、前記地域の土産の情報が含まれ、
前記
制御部は、前記土産の購入場所を前記観光経路に含める、請求項1から
6のいずれか1項に記載の観光経路生成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記観光経路を前記旅行者が利用するレンタカーのナビゲーション装置に送信する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の観光経路生成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記レンタカーの利用開始前に前記旅行者が有する端末装置に前記観光経路を送信する、
請求項8に記載の観光経路生成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記旅行者がレンタカー予約のために入力した前記旅行者の個人情報から前記旅行者情報を取得する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の観光経路生成装置。
【請求項11】
前記制御部は、
生成した前記観光経路に対する前記旅行者の変更希望を受け付け
、前記変更希望を加味した観光経路を生成する、請求項1から10のいずれか1項に記載の観光経路生成装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の観光経路生成装置と、
前記観光経路生成装置と通信可能であり、前記旅行者が利用可能に設けられる端末装置と、
を備える、観光経路提案システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観光経路生成装置、観光経路提案システム、および、観光経路生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、観光ルートを提案する観光ルート提案装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示される観光ルート提案装置は、観光客の位置情報および観光客の属性情報を取得する取得部と、前記観光客の属性情報と観光地の属性情報とを照合し、前記観光客に適した候補地を抽出する抽出部と、前記観光客の位置情報および前記候補地に基づき、候補観光ルートを作成する作成部と、前記候補観光ルートを前記観光客に出力する出力部とを含む。前記観光地の属性情報は、観光地の情報に、前記観光地を訪問した訪問客の属性情報が関連付けられた情報である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、同じ観光スポットでも、訪れる時間帯によって訪問者が受ける印象は大きく変わる。例えば、夜景が綺麗に見える観光スポットは、夜に訪れることを提案した方が、旅行者の満足感を得られる可能性が高くなる。また、観光の楽しみには土産の購入があり、人気のある土産等を購入できる場所を旅行者に提案すると、旅行者の満足感を得られる可能性が高くなる。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、旅行者の満足感を得られる観光提案を行うことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の観光経路生成装置は、旅行者が訪れる地域に応じた観光経路を生成する観光経路生成装置であって、前記旅行者の情報である旅行者情報を取得する旅行者情報取得部と、前記地域の観光情報を取得する観光情報取得部と、前記地域における訪問場所を含む前記観光経路を、前記旅行者情報および前記観光情報に基づき生成する経路生成部と、を備え、前記経路生成部は、少なくとも一つの前記訪問場所の訪問時間を、前記観光情報に基づく時間帯に設定して前記観光経路を生成する構成(第1の構成)となっている。
【0007】
上記第1の構成の観光経路生成装置において、前記旅行者情報取得部は、取得した前記旅行者情報に基づき導出される付加情報を、前記旅行者情報に付加し、前記経路生成部が用いる前記旅行者情報には、前記付加情報が含まれる構成(第2の構成)であることが好ましい。
【0008】
上記第1又は第2の構成の観光経路生成装置において、前記観光情報取得部は、取得した前記観光情報を観光情報データベースとして管理し、前記経路生成部が用いる前記観光情報は、前記観光情報データベースに含まれる情報である構成(第3の構成)が好ましい。
【0009】
上記第3の構成の観光経路生成装置において、前記観光情報データベースには、前記地域の観光に関するソーシャルネットワーキングサービスの情報と、過去に前記地域を訪れた者の評価情報とのうち少なくとも一方が含まれる構成(第4の構成)であることが好ましい。
【0010】
上記第4の構成の観光経路生成装置において、前記訪問場所の訪問時間は、前記ソーシャルネットワーキングサービスの情報に基づく時間帯に設定される構成(第5の構成)であることが好ましい。
【0011】
上記第3から第5のいずれかの構成の観光経路生成装置において、前記観光情報データベースは、前記観光情報に関する国毎の情報を抽出可能に、前記観光情報を有する構成(第6の構成)であることが好ましい。
【0012】
上記第3から第6のいずれかの構成の観光経路生成装置において、前記観光情報データベースは、前記観光情報に関する前記旅行者のタイプ別の情報を抽出可能に、前記観光情報を有する構成(第7の構成)であることが好ましい。
【0013】
上記第3から第7のいずれかの構成の観光経路生成装置において、前記観光情報取得部は、前記旅行者の評価結果に基づき前記観光情報データベースを更新する構成(第8の構成)であることが好ましい。
【0014】
上記第1から第8のいずれかの構成の観光経路生成装置において、前記観光情報には、前記地域の土産の情報が含まれ、前記経路生成部は、前記土産の購入場所を前記観光経路に含める構成(第9の構成)であることが好ましい。
【0015】
上記第1から第9のいずれかの構成の観光経路生成装置において、前記経路生成部は、同時期に似たタイプの複数の旅行者の前記観光経路を生成する必要がある場合に、前記似たタイプの旅行者間の前記訪問場所への訪問時間の調整を行って前記観光経路を生成する構成(第10の構成)であってよい。
【0016】
上記第1から第10のいずれかの構成の観光経路生成装置は、生成した前記観光経路に対する前記旅行者の変更希望を受け付ける変更受付部を更に備える構成(第11の構成)であることが好ましい。
【0017】
上記目的を達成するために本発明の観光経路提案システムは、上記構成の観光経路生成装置と、前記観光経路生成装置と通信可能であり、前記旅行者が利用可能に設けられる端末装置と、を備える構成(第12の構成)となっている。
【0018】
上記目的を達成するために本発明の観光経路生成方法は、装置を用いて旅行者が訪れる地域に応じた観光経路を生成する観光経路生成方法であって、前記旅行者の情報である旅行者情報を取得する旅行者情報取得工程と、前記地域の観光情報を取得する観光情報取得工程と、前記地域における訪問場所を含む前記観光経路を、前記旅行者情報および前記観光情報に基づき生成する経路生成工程と、を備え、前記経路生成工程は、少なくとも一つの前記訪問場所の訪問時間を、前記観光情報に基づく時間帯に設定して前記観光経路を生成する構成(第13の構成)となっている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、旅行者の満足感を得られる観光提案を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】観光情報データベースの構成を模式的に示す図
【
図4】観光経路生成装置を用いた観光提案処理を示すフローチャート
【
図5】観光経路を生成する経路生成処理の一例を示すフローチャート
【
図5A】経路生成処理に使用されるデータベース構造と、その使用例を模式的に示す図
【
図6】観光経路を表示する画面において、土産の購入場所を示すアイコンにタッチした場合の画面表示を模式的に示す図
【
図7】観光経路を生成する経路生成処理の変形例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
<1.観光経路提案システム>
図1は、本発明の実施形態に係る観光経路提案システム100の概略構成を示す図である。
図1に示すように、観光経路提案システム100は、観光経路生成装置1と、端末装置2とを備える。
【0023】
観光経路生成装置1は、旅行者が訪れる地域に応じた観光経路を生成する装置である。本実施形態では、観光経路生成装置1は、各旅行者に適した観光経路を生成して提案する。観光経路生成装置1はサーバ装置である。観光経路生成装置1は、1つのサーバ装置で構成されてよいが、複数のサーバ装置で構成されてもよい。観光経路生成装置1は、例えば、クラウドサーバであってよい。観光経路生成装置1は、複数のクラウドサーバにより構成されてもよい。
【0024】
本実施形態において、旅行者が訪れる地域は、旅行者が観光のために訪問する場所で、地理的な広がりを有する。旅行者が訪れる地域は、例えば、旅行者が観光を行うために訪れた駅やバス停、旅行者が宿泊する宿泊施設、又は、旅行者がレンタカーを借りるレンタカー事業所等を中心として広がりを有する地理的範囲である。例えば、旅行者が訪れる地域は、特定の都道府県や、複数の都道府県を含む特定の地方等であってよい。
【0025】
観光経路生成装置1は、通信回線網3に接続される。通信回線網3は、例えば、インターネット回線、電話回線、LAN(Local Area Network)、および、WiFi(登録商標)のうちの少なくともいずれか一つを含んで構成される。本実施形態では、観光経路生成装置1は、通信回線網3を利用してインターネット上に公開される情報を取得することができる。すなわち、本実施形態では、通信回線網3はインターネット回線を含む。観光経路生成装置1の詳細については後述する。
【0026】
端末装置2は、観光経路生成装置1と通信可能であり、旅行者が利用可能に設けられる。詳細には、端末装置2は、通信回線網3に接続される。観光経路生成装置1と端末装置2とは通信回線網3を介して接続され、互いに通信可能である。
図1においては、観光経路生成装置1に接続される端末装置2の数は単数であるが、複数であってもよい。端末装置2は、据置型の端末装置であっても、携帯型の端末装置であってもよい。端末装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ、ナビゲーション装置等の車載装置、スマートフォン、又は、タブレットであってよい。
【0027】
本実施形態の観光経路生成装置1は、後述するように、各地域を訪問する各旅行者のそれぞれに適した観光経路を生成することができる。このために、本実施形態の観光経路提案システムによれば、各旅行者が満足感を得ることができる観光経路を提案することができる。
【0028】
<2.観光経路生成装置>
(2-1.観光経路生成装置の構成)
図2は、本発明の実施形態に係る観光経路生成装置1の構成を示すブロック図である。なお、
図2においては、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載は省略されている。
図2に示すように、観光経路生成装置1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを備える。
【0029】
制御部11は、観光経路生成装置1の全体を統括的に制御するコントローラである。制御部11は、例えば、演算用の集積回路、RAM(Random Access Memory)、および、ROM(Read Only Memory)等を含んで構成される。演算用の集積回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、APU(Accelerated Processing Unit)等であってよい。
【0030】
記憶部12は、不揮発性記憶媒体を含む。記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)や、観光経路生成装置1に着脱可能なフラッシュメモリ、光ディスクドライブ、又は、メモリカード等を含む。記憶部12は、各種のプログラムや各種のデータを記憶する。本実施形態においては、記憶部12は、旅行者情報データベース121および観光情報データベース122を含む。旅行者情報データベース121および観光情報データベース122については後述する。
【0031】
通信部13は、通信回線網3と有線又は無線で接続され、通信回線網3を介して端末装置2と通信を行う。
【0032】
図2に示す旅行者情報取得部111、観光情報取得部112、経路生成部113、出力部114、および、変更受付部115は、制御部11の演算用の集積回路がコンピュータプログラムに従って演算処理を実行することにより実現される制御部11の機能である。換言すると、観光経路生成装置1は、旅行者情報取得部111と、観光情報取得部112と、経路生成部113と、出力部114と、変更受付部115とを備える。
【0033】
また、制御部11が備える旅行者情報取得部111、観光情報取得部112、経路生成部113、出力部114、および、変更受付部115のうち少なくともいずれか1つは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。また、旅行者情報取得部111、観光情報取得部112、経路生成部113、出力部114、および、変更受付部115は、概念的な構成要素である。1つの構成要素が実行する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてよい。各機能部111~115の機能が、複数のサーバに分散され、複数のクラウドサーバが協働して観光経路生成装置1としての機能を発揮する構成であってもよい。また、各機能部111~115の機能は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することで実現されてもよい。
【0034】
旅行者情報取得部111は、旅行者の情報である旅行者情報を取得する。詳細には、旅行者情報取得部111は、端末装置2から旅行者情報を取得する。端末装置2は、旅行者自身の端末装置であっても、旅行者が借りた端末装置であってもよい。旅行者が借りた端末装置2には、例えば、レンタカーに搭載されるナビゲーション装置が含まれてよい。また、端末装置2は、旅行者情報を旅行者から入手して、代理で手続きを行う旅行代理店やレンタカー業者等の事業者が有する端末装置であってもよい。
【0035】
旅行者情報は、例えば、旅行者のプロフィールおよび旅行履歴等を含んでよい。旅行者情報は、少なくとも旅行者のプロフィールを含むことが好ましい。旅行者のプロフィールは、例えば、旅行者の国籍、性別、および、年齢を含むことが好ましい。旅行履歴は、例えば、旅行者の過去の訪問地点、および、訪問地点に対する評価等を含んでよい。また、過去の旅行履歴は、旅行者の土産の購入履歴、および、購入した土産に対する評価を含んでもよい。訪問地点および土産に対する評価は、例えば、数字又は星の数等による5段階評価、或いは、評価内容を書き記した文章等であってよい。旅行履歴は、例えば旅行者が端末装置2に直接入力した情報であってよい。ただし、旅行路歴は、旅行者の過去の入力情報に基づき、旅行代理店又はレンタカー業者等の事業者が有するデータベースから入手された情報であってもよい。その他、旅行者情報は、旅行者の同行者の情報、旅行の目的、訪問地における滞在時間、旅行における希望等を含んでもよい。
【0036】
好ましい形態として、旅行者情報取得部111は、取得した旅行者情報に基づき導出される付加情報を旅行者情報に付加する。本実施形態において、付加情報は、旅行者情報に含まれるプロフィールおよび旅行履歴から推定して付与されるタグである。タグの項目としては、例えば、年代、旅目的、印象等が挙げられる。年代のタグの具体例は、例えば「20~30代」等である。旅目的のタグの具体例は、例えば「食事」、「アクティビティ」等である。印象のタグの具体例は、「優雅」、「高級」、「安価」、「グルメ」、「景色」、「感動」、「わくわく」等である。旅行者情報取得部111は、取得した旅行者情報にタグを付加した情報を旅行者情報データベース121として管理する。すなわち、記憶部12に、複数の旅行者情報が蓄積されている。
【0037】
観光情報取得部112は、旅行者が訪れる地域の観光情報を取得する。観光情報取得部112は、例えば、通信回線網3を介して外部から観光情報を取得する。例えば、観光情報取得部112は、インターネット上で公開されている観光情報を取得する。また、観光情報取得部112は、観光経路生成装置1が有する不図示の入力部を用いて情報入力者が操作入力した観光情報を取得してもよい。観光情報は、例えば、旅行者が訪れる地域の名勝の地、史跡、寺院、神社、遊園地等の観光スポット情報、ご当地グルメ情報、名産品情報、土産情報等を含む。
【0038】
本実施形態では、観光情報取得部112は、取得した観光情報を観光情報データベース122として管理する。すなわち、記憶部12に、様々な観光情報が利用し易い状態で蓄積されている。例えば、観光情報取得部112は、インターネット上で公開されている観光情報を定期的に取得し、観光情報データベース122として管理する。
図3は、本発明の実施形態に係る観光情報データベース122の構成を模式的に示す図である。
【0039】
図3に示すように、観光情報データベース122は、観光情報を地域別に管理する。これにより、旅行者が訪れる地域に応じた観光情報を地域ごとに簡単に入手することができる。また、観光情報データベース122の地域ごとのデータは、国別に分けて管理されている。例えば、観光情報データベース122は、地域α(例えば「京都府」)に関する観光情報を、A国(例えば「米国」)、B国(例えば「中国」)用といった具合に分けて管理し、地域β(例えば「奈良県」)に関する観光情報を、A国(例えば「米国」)、B国(例えば「中国」)用といった具合に分けて管理する。すなわち、観光情報データベース122は、観光情報に関する国(情報提供先の人の国;以降、好適情報提供先国と称する)毎に適した情報を抽出可能に、観光情報を有する。このように構成することにより、例えば旅行者が住んでいる国の事情を考慮した観光経路の提案を行うことができ、旅行者の満足感を高めることができる。
【0040】
なお、本実施形態では、観光情報を好適情報提供先国毎に分類することによって、旅行者が訪れる地域に関する観光情報を好適情報提供先国毎に抽出可能としているが、これは例示にすぎない。例えば、各観光情報にいずれの国の人に好適な情報であるかを示すタグを付加することによって、観光情報を好適情報提供先国毎に抽出可能としてもよい。また、例えば米国の旅行者が中国の旅行者に好適な観光を経験してみたいといった場合には、米国の旅行者に対して中国の旅行者に好適な中国用の観光情報を利用する構成としてよい。このような利用の実現のために、旅行者が好適情報提供先国をマニュアルで選択できる構成が採用されてよい。
【0041】
図3に示すように、好適情報提供先国毎に分類された観光情報は一般情報を含む。一般情報は、例えば、該当国の観光案内雑誌等に該当地域の情報として一般的に掲載されている観光スポット情報、グルメ情報、土産情報、名産品情報等である。例えば、地域αのA国の一般情報は、A国の観光案内雑誌等に一般的に掲載されている地域αの観光スポット情報、グルメ情報、土産情報、名産品情報等である。
【0042】
本実施形態では、好ましい形態として、一般情報の他に、一般情報よりも観光に関して旅行者の出身国における流行等を反映している可能性が高い固有情報と、過去に訪問した旅行者の評価情報とを含む。例えば、地域αのA国における観光情報には、好ましい形態として、地域αの観光に関してA国における流行等を反映している可能性が高い固有情報と、A国における地域αを過去に訪問した旅行者の評価情報が含まれる。
【0043】
各国における固有情報は、例えば、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の情報、インターネットで公開される検索上位キーワード情報、又は、テレビやラジオ等のメディア情報により得ることができる。すなわち、固有情報は、例えば、SNSの情報、検索上位キーワード情報、および、メディア情報のうちの少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。
【0044】
なお、SNSは、例えば、インターネット上で、人と人とのつながりを支援するサービスを指す。具体的には、SNSとして、Facebook(登録商標)、Twitter(登録商標)、Instagram(登録商標)、Line(登録商標)等が挙げられる。また、メディア情報は、例えばインターネット上で公開される文字放送により得られる情報であってよい。
【0045】
過去に訪問した旅行者の評価情報は、例えば、旅行者から回収したアンケート等によるフィードバック情報や、SNS等の情報を解析して得られる旅行者の満足度に関する情報等であってよい。過去に訪問した旅行者の評価情報は、例えば、数字又は星の数等による5段階評価、或いは、評価内容を書き記した文章等であってよい。
【0046】
また、観光情報データベース122は、観光情報に関する旅行者のタイプ別の情報を抽出可能に、観光情報を有することが好ましい。旅行者のタイプは、例えば、旅行者情報に付加されるタグと同様の情報で表現されてよい。例えば、旅行者の年代や印象、旅行の目的等で旅行者のタイプが分類されてよい。例えば、SNSの情報等には、旅行者のタイプを示すタグが付加されていることが多く、観光情報データベース122に、SNSの情報から得られた観光情報が含まれる場合、旅行者のタイプ別の情報を抽出することができる。また、例えば、旅行者から観光に関するアンケートを回収した際に、旅行者のタイプ情報を紐づけて観光情報データベース122に保存するようにすれば、観光情報データベース122から旅行者のタイプ別の情報を抽出することができる。このように観光情報データベース122が、旅行者のタイプ別の観光情報を抽出可能に有する構成とすると、似たタイプの旅行者の満足度等を考慮して観光経路の提案を行うことができ、旅行者の満足感を高めることができる。
【0047】
また、以上の説明からわかるように、観光情報データベース122には、旅行者が訪れる地域の観光に関するSNSの情報と、過去に前記地域を訪れた者の評価情報とのうち少なくとも一方が含まれることが好ましい。これにより、旅行者の好みに合った観光経路の提案を行える可能性を高めることができる。
【0048】
図2に戻って、経路生成部113は、旅行者が訪問する地域における、旅行者に適した訪問場所を含む観光経路を、旅行者情報および観光情報に基づき生成する。なお、経路生成部113が生成する観光経路は、単数でも、複数でもよい。複数の観光経路を生成する場合に、旅行者に複数の観光経路を提案することができる。また、生成する観光経路に含まれる旅行者に適した訪問場所は、単数でも、複数でもよい。観光経路は、例えば、レンタカーを用いて観光を行うための経路であってよい。また、別の例として、観光経路は、徒歩で観光を行うための経路であってもよい。また、別の例として、観光経路は、車両による移動と徒歩による移動との両方を用いて観光を行うための経路であってもよい。
【0049】
観光経路の生成に際して、旅行者情報および観光情報に加えて、道路の混雑状況を加味してもよい。道路の混雑状況は、例えば、街頭カメラ等の道路の状況を撮影するカメラかの情報を利用してよい。道路の混雑状況は、例えば、車の混雑状況(渋滞状況)や、人の混雑状況であってよい。混雑した状態とは、例えば、撮影される道路における車或いは人の数が所定数を超えた場合を指す。
【0050】
旅行者に適した訪問場所は、例えば、旅行者の好みに合った訪問場所や、旅行者をわくわくさせたり感動させたりすることができる訪問場所であってよい。旅行者に適した訪問場所は、場合によっては、旅行者が予め希望した訪問場所であってもよい。訪問場所は、詳細には、例えば観光スポット又は土産の販売店等である。
【0051】
本実施形態では、経路生成部113は、旅行者情報データベース121と観光情報データベース122とに基づき、旅行者に適した訪問場所を含む観光経路を生成する。すなわち、経路生成部113が用いる旅行者情報には、付加情報(本実施形態ではタグ)が含まれる。経路生成部113が用いる観光情報は、観光情報データベース122に含まれる情報である。これにより、蓄積された大量の情報を利用して旅行者に適した観光経路を提案することができ、旅行者の満足感を高めることができる。例えば、旅行者情報に含まれるタグと、観光情報データベース122に含まれるタグとを関連付けて旅行者に適した観光経路を生成することができ、旅行者の満足感を高めることができる。また、例えば、旅行者の国籍情報に対応した観光情報を用いて観光経路を生成することができ、旅行者の満足感を高めることができる。
【0052】
なお、経路生成部113は、観光情報としてSNSの情報を利用するに際して、旅行者が使用しているSNSが旅行者情報データベース121等から判る場合には、当該旅行者が利用しているSNSの情報を優先して旅行者に適した訪問場所を抽出してよい。また、経路生成部113は、観光情報としてSNSの情報を利用するに際して、旅行者の旅行時期に近い時期に投稿されたSNSの情報を利用して旅行者に適した訪問場所を抽出することが好ましい。また、経路生成部113は、観光情報としてインターネットの検索キーワードランキングを利用する場合には、最新の情報を利用して旅行者に適した訪問場所を抽出することが好ましい。また、経路生成部113は、観光情報としてテレビ等のメディア情報を利用するに際して、旅行者の旅行時期に近い時期に放送された情報を利用して旅行者に適した訪問場所を抽出することが好ましい。
【0053】
また、本実施形態では、観光情報には、訪問者が訪れる地域の土産の情報が含まれる。土産の情報には、例えば、土産の種類と土産が購入できる店舗情報が含まれる。ただし、土産の情報には、例えば、価格、購買者層、印象、お薦め度、過去の購入者の満足度、当該地域における人気順位等が含まれてよい。例えば、価格、購買者層、印象、状態(個包装、大容量)等は、タグ付けされた情報であってもよい。また、土産には、複数の店で購入できる土産と、特定の場所でしか購入できない土産が存在する。このような情報も土産情報に含まれることが好ましい。土産の購入場所の設定を行い易くすることができる。
【0054】
本実施形態では、経路生成部113は、土産の購入場所を観光経路に含める。経路生成部113は、例えば、観光情報データベース122に含まれる土産情報に基づいてお薦めの土産が購入できる店舗等を観光経路に含める。このような構成とすることにより、旅行者の旅の楽しみを向上させることができる。また、このような構成とすることにより、旅行者が地域の土産を買う可能性を高めることができる。すなわち、地域経済の活性化を図ることができる。
【0055】
本実施形態では、経路生成部113は、少なくとも一つの訪問場所の訪問時間を、観光情報に基づき訪問に適した時間帯に設定して観光経路を生成する。このように構成することにより、訪問場所を観光に適した時間に訪れることができ、旅行者の満足感を得られる可能性を高められる。
【0056】
詳細には、訪問場所の訪問に適した時間帯は、SNSの情報に基づいて設定される。例えば、訪問場所の訪問に適した時間帯は、SNSの情報に含まれる画像情報に基づいて設定される。SNSの情報は、観光情報データベース122に含まれる観光情報である。SNSの情報を用いれば、時間に関する情報が得やすく、お薦めの訪問場所のお薦めの訪問時間を適切に決めることができる。
【0057】
出力部114は、経路生成部113により生成された観光経路を端末装置2へ出力する。すなわち、経路生成部113により生成された観光経路を、旅行者に提案することができる。出力される観光経路は、単数でも、複数でもよい。例えば、経路生成部113が生成した観光経路がレンタカーのナビゲーション装置で利用される場合において、観光経路が、レンタカーを利用する前のタイミングで旅行者のスマートフォンやパーソナルコンピュータ等に出力されてよい。また、別の例として、経路生成部113が生成した観光経路が、旅行者が借りたレンタカーのナビゲーション装置に出力されてもよい。
【0058】
変更受付部115は、経路生成部113で生成した観光経路に対する旅行者の変更希望を受け付ける。変更受付部115は、出力部114によって端末装置2に送った観光経路に対して、旅行者が変更を希望した場合に、当該変更希望を受け付ける。具体的には、変更受付部115は、端末装置2から送信される変更希望を受け取り、経路生成部113に再度、観光経路の生成を行わせる。これにより、経路生成部113は、変更希望を加味した観光経路の生成を行う。変更受付部115が設けられることにより、旅行者の好みに合った観光経路にカスタマイズし易くすることができ、旅行者の満足感を高めることができる。
【0059】
(2-2.観光経路生成装置の動作例)
次に、以上のように構成される観光経路生成装置1の動作例について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る観光経路生成装置1を用いた観光提案処理を示すフローチャートである。例えば、旅行者が自身の端末装置2を利用してレンタカーを予約するために、旅行者情報を入力した場合に、
図4の処理が開始される。
【0060】
ステップS1では、旅行者情報取得部111が旅行者情報を取得する。例えば、旅行者情報取得部111は、旅行者自身が有するスマートフォン又はパーソナルコンピュータから通信回線網3を介して旅行者情報を取得する。旅行者情報取得部111は、取得した旅行者情報に付加情報(タグ)を付加し、旅行者情報データベース121に含める。タグ付きの旅行者情報が得られると、次のステップS2に処理が進められる。
【0061】
ステップS2では、経路生成部113が、旅行者情報データベース121および観光情報データベース122に基づいて観光経路を生成する。観光経路を生成する経路生成処理について、
図5および
図5Aを参照して説明する。
図5は、観光経路を生成する経路生成処理の一例を示すフローチャートである。
図5は、
図4のステップS2の詳細な処理を示すフローチャートである。
図5Aは、経路生成処理に使用されるデータベース構造と、その使用例(データマッチング等)を模式的に示す図である。
図5Aに示すデータベース構造は単純化した例であり、他の構造であってもよい。
図5Aに示す例では、旅行者は、スマートフォンを用いて旅行者情報を入力している。
【0062】
ステップS21では、経路生成部113は、ステップS1で得られた旅行者情報を参照して、旅行者の国籍および訪問地域を抽出する。なお、本例では国籍であるが、国籍に限らず、旅行者の出発国等であってもよい。国籍および訪問地域の抽出が行われると、次のステップS22に処理が進められる。
【0063】
ステップS22では、経路生成部113は、観光情報データベース122の、旅行者の訪問地域および国籍に対応する情報を参照して観光スポットおよび土産の抽出を行う。
図3に示す例を用いて説明すると、旅行者の訪問地域が地域αであり、旅行者の国籍がA国である場合には、地域αのA国の一般情報、固有情報、および、評価情報が参照されて、観光スポットおよび土産が抽出される。なお、観光スポットと土産との両方が抽出されなくてもよく、例えば、観光スポットのみが抽出されてもよい。観光スポットには、食事の場所が含まれてもよい。
【0064】
経路生成部113は、例えば、旅行者の国籍がある国における、旅行者の訪問地域の固有情報に基づいてお薦めの訪問場所および土産を抽出する。例えば、旅行者の国籍がある国におけるSNSで注目されている訪問場所および土産が抽出される。SNSで注目されているとは、例えば、「いいね」の数やコメントが多い状態を指す。また、例えば、インターネットで公開される検索上位キーワードに対応する観光スポットおよび土産を抽出する。また、例えば、近時のテレビやラジオで紹介された観光スポットおよび土産を抽出する。観光スポットおよび土産の抽出数は、それぞれ、単数であっても複数であってもよい。なお、旅行者が訪問したい場所や、購入したい土産が旅行者情報に含まれる場合には、当該訪問希望場所や購入希望の土産を一緒に抽出することが好ましい。
【0065】
なお、本例では、旅行者が入力した旅行者情報の国籍を利用する構成としている。
図5Aに示すように、国籍に応じて好適情報提供先国が選択され、当該選択された好適情報提供先国のデータベース(DB)が利用される。ただし、好適情報提供先国の選択に旅行者情報の国籍が利用されない構成としてもよい。例えば、旅行者が、好適情報提供先国を任意に選択できる構成としてもよい。例えば、旅行者は、自らの国ではなく、他の任意の国の旅行者に好適な旅行を味わってみたい場合があり得る。このような点を考慮して、旅行者が好適情報提供先国として任意の国を設定できるようにしてよい。
【0066】
また、訪問場所等の抽出に固有情報(SNS情報等)を利用するに際しては、情報が投稿或いは掲載された季節、天気、位置、時間が考慮されることが好ましい。例えば、旅行者の観光の季節が夏である場合であれば、夏に投稿或いは掲載された情報を用いて観光スポット等の抽出を行うことが好ましい。また、訪問場所等の抽出に固有情報(SNS情報等)を利用するに際して、固有情報の利用を優先させつつ、一般情報および評価情報を利用してもよい。例えば、土産の抽出に際しては、評価情報に含まれる満足度も利用してよい。観光スポットおよび土産の抽出が完了すると、次のステップS23に処理が進められる。
【0067】
なお、SNS情報等の固有情報の収集は、ステップS22の処理が行われる時点で実行されるのではなく、別途バッチ処理等で行われることが好ましい。すなわち、
図3に示す観光データベースは、この別途行われるバッチ処理等により得られたデータを蓄えた構成であることが好ましい。
図5Aで示す例は、この別途行われたバッチ処理等により収集されたデータを蓄えた観光データベースを利用する構成である。
図5Aに示す例では、既に蓄えられている優先順位情報(例えばSNS情報に基づく)を利用して観光スポット(観光地点)の選択が行われている。観光スポットの選択に際しては、例えば、優先順位情報にしたがって選択された観光スポットと同じ種別の観光スポットは、同じ種別の観光スポットが重複して選択されることを避けるために、先の観光スポットの選択に応じて優先順位が所定値(例えば5位等)下げられる構成としてよい。なお、ステップS22の処理時に、SNS情報等の固有情報が収集される構成としてもよい。
【0068】
ステップS23では、経路生成部113は、抽出された観光スポットの訪問時間を、当該観光スポットの訪問に適した時間に設定する。例えば
図5Aに示すように、観光スポットに関する訪問時間情報は、観光スポットのデータベースにおいて各観光スポットに紐づけされて記憶されている。例えば、観光スポットを訪れるのに好適な時間帯(来訪好適時間帯)が、観光スポットに関する情報の1つとして記憶されている。経路生成部113は、それを読み出し使用する。抽出された観光スポットが複数有る場合には、例えば、お薦め度の高い観光スポットから優先的に訪問時間を設定する。なお、この段階では、抽出した複数の観光スポットの全てに訪問時間帯を設定する必要はなく、お薦め度の高い限られた観光スポットに対して訪問に適した時間帯が設定される構成としてよい。なお、お薦め度の高低は、SNS情報における注目度に応じて決められてよい。注目度は、例えば「いいね」の数に応じて判定できる。なお、旅行者情報に旅行者が訪問したい場所が含まれる場合には、当該訪問希望場所を最もお薦めの観光スポットとして取り扱ってよい。
【0069】
訪問に適した時間帯は、例えばSNSの投稿情報に含まれる写真に基づいて決定される。例えば、投稿写真から抽出した観光スポットが、夕日が当たると綺麗に見える場所であると推定される場合、抽出された観光スポットの訪問時間帯は夕方の時間帯に設定される。経路生成部113は、抽出した観光スポットの訪問に適した時間を設定すると次のステップS24に処理を進める。
【0070】
なお、経路生成部113は、抽出された土産を購入できる場所についても、訪問に適した時間帯や時刻を設定してよい。例えば、入手できる時間帯が限られる土産や、人気が高く朝の販売開始から直ぐに売り切れる土産も存在し得る。例えば、このような情報をSNSの情報等から入手して、土産を買うために適した場所、および、訪問に適した時間帯や時刻が設定されてよい。
【0071】
ステップS24では、経路生成部113は、ステップS22で抽出した観光スポットおよび土産と、ステップS23で設定した訪問時間に基づいて観光経路を生成する。換言すると、経路生成部113は、ステップS23までで生成された訪問先候補(訪問時間含む)のリストに基づいて観光経路の生成を行う。経路生成部113は、1つの観光経路のみを生成する構成でもよいが、複数の観光経路を生成する構成であってもよい。複数の観光経路を生成する場合、例えば、観光に要する時間(所要時間)の違う観光経路を生成してよい。
【0072】
また、抽出した土産が、複数の場所で売られていることがある。土産が複数の場所で売られている場合には、例えば、最短の経路で土産の購入場所に立ち寄れるように、土産の購入場所を設定して観光経路を生成してよい。なお、旅行者に訪問したい場所や、購入したい土産がある場合には、当該希望を満たすことを最優先で観光経路を生成することが好ましい。本例では、訪問に適した時間帯の提案まで含むために、生成される観光経路は、時間情報を含む。観光経路の生成を完了すると、
図4のステップS3に処理が進められる。
【0073】
ステップS24の処理例について、更に詳細に説明しておく。経路生成部113は、出発地・目的地(例えば宿泊先や空港等)、出発時間・到着時間に応じて、立ち寄り地点を選択し、それらを経由地として経路探索して所要時間を算出し、適当な出発時間・到着時間とする。なお、出発地、目的地、出発時間、到着時間は、例えば、旅行者が設定する時間である。立ち寄り地点の選択は、旅行者の好み(上述の推定処理により得られている情報である)に応じて上位から順番に観光スポット等を1つずつ選択することにより行われる。当該経路探索にあたって、選択された観光スポット等に対して与えられる来訪好適時間帯が利用される。経路探索は、所要時間が旅行者により設定された出発時間・到着時間となるまで行われる。なお、この際、同種の観光スポットが複数選択されないように、係数処理が行われることが好ましい。例えば、或る観光スポットが選択された場合、当該観光スポットと同種の観光スポットが次に選択される可能性が低くなるように、優先順位を所定順位下げる等の処理を行うことが好ましい。また、経路生成の別手法として、観光スポット等の種別毎にお勧め観光地のリストを表示し、旅行者に1つずつ選択させ、その度に経路と所要時間(最終目的地到着予想時刻)を表示することを繰り返して経路を生成する構成としてもよい。なお、この場合、一度選択した観光スポットを削除するといった、一般的な選択操作方法(機能)が利用できることが好ましい。
【0074】
図4に戻って、ステップS3では、出力部114が、通信回線網3を利用して先に生成した観光経路を端末装置2に出力する。これにより、旅行者に観光経路の提案がなされる。提案される観光経路は、例えば、端末装置2が有する画面又は、端末装置2と繋がるモニタの画面に表示される地図上に表示可能であることが好ましい。観光経路に含まれる観光スポットおよび土産の購入場所は、アイコン表示されることが好ましい。観光スポットと土産の購入場所とで異なるアイコンが使用されてよい。また、例えば、画面上でアイコンにタッチすると、観光スポットの写真情報等が表示されることが好ましい。
【0075】
図6は、観光経路を表示する画面50において、土産の購入場所を示すアイコン51にタッチした場合の画面表示を模式的に示す図である。
図6に示す例では、お薦めの土産が、お薦め度の高い順に画面50に表示される。また、
図6に示す例では、土産の金額情報や、テレビでの紹介といったお薦め理由が表示される。このように、アイコン51をタッチすることで土産に関する情報が見られる構成とすることにより、旅行者が観光経路の選択を行い易くすることができる。
【0076】
なお、本実施形態では、観光経路の端末装置2への出力時に、提案内容に対する回答を要求する。例えば、旅行者は、提案された観光経路を認めるか否かを回答する。また、複数の観光経路が提案されている場合には、いずれかの観光経路を選択し、選択した観光経路を知らせる。旅行者は、回答に際して提案された観光経路の変更を希望する場合には、変更希望を伝える。変更希望は、例えば、提案した観光経路に含まれる訪問場所の削除や、提案した観光経路にない訪問場所の追加である。回答は、端末装置2から通信回線網3を介して観光経路生成装置1へと送信される。
【0077】
出力部114による観光経路の出力が完了すると、ステップS4に処理が進められる。ステップS4では、変更受付部115が、提案した観光経路に対する変更希望あるか否かを確認する。変更希望がある場合(ステップS4でYes)、ステップS2に戻って経路生成処理が行われる。ただし、この場合の経路生成処理は、変更希望箇所に対する変更のみを行う経路生成処理である。変更希望がない場合(ステップS4でNo)、次のステップS5に処理が進められる。
【0078】
ステップS5では、変更希望がないために、提案した観光経路で観光経路を確定させる。この後は、例えば、確定した観光経路にしたがって、ナビゲーション装置が作動するように処理が進められる。例えば、観光経路が、レンタカーの使用より前に確定した場合には、当該観光経路を記憶部12等に記憶しておき、レンタカーの使用に合わせてナビゲーション装置に送信する。また、例えば、旅行者が利用する端末装置2がレンタカーに搭載されるナビゲーション装置である場合には、確定した観光経路でナビゲーションが即座に開始できるように処理が行われる。観光経路の確定後、次のステップS6の処理が行われる。
【0079】
ステップS6では、観光情報取得部112が、提案した観光経路に対する旅行者からの評価結果を取得する。当該評価結果は、例えば、レンタカーの返却時に、端末装置2として機能するナビゲーション装置から送信されてよい。また、別の例として、当該評価結果は、レンタカーの返却後、旅行者のスマートフォンやパーソナルコンピュータから出力されてもよい。評価結果が取得されると、次のステップS7に処理が進められる。なお、評価結果が取得できないことがあってもよい。
【0080】
ステップS7では、観光情報取得部112は、評価結果にしたがって観光情報データベース122の更新を行う。例えば、評判が高いと推定して薦めた観光スポットや土産が低評価である場合、そのような情報を観光情報データベース122に追加したり、既に存在する情報の修正を行ったりする。なお、場合によっては、評価結果にしたがって、旅行者情報データベース121の更新が行われてもよい。以上によって、或る旅行者に対する観光提案の一連の処理が終了する。
【0081】
以上に説明したように、本実施形態では、観光情報取得部112は、旅行者の評価結果に基づき観光情報データベースを更新する。このように構成することにより、使用すればするほど、観光情報データベース112に含まれる情報の信頼性を向上していくことができる。
【0082】
(2-3.変形例)
[2-3-1.第1変形例]
図7は、観光経路を生成する経路生成処理の変形例を示すフローチャートである。
図7も、
図5と同様に、
図4のステップS2の詳細な処理を示すフローチャートである。
【0083】
ステップS21Aでは、経路生成部113は、ステップS1で得られた旅行者情報に含まれるタグ情報および訪問地域を抽出する。タグ情報および訪問地域の抽出が行われると、次のステップS22Aに処理が進められる。
【0084】
ステップS22Aでは、経路生成部113は、観光情報データベース122の、旅行者の訪問地域に対応する情報を参照する。そして、経路生成部113は、当該訪問地域に対応する情報の中で、旅行者のタグ情報と共通する情報(例えば共通するタグ情報)を有する観光スポットおよび土産を抽出する。例えば、旅行者情報に付加されたタグ情報として「感動」が含まれる場合に、同じく「感動」とのタグを有する情報に含まれる観光スポットがお薦めの観光スポットとして抽出される。また、例えば、旅行者情報に付加されたタグ情報として「安価」が含まれる場合に、同じく「安価」とのタグを有する情報に含まれる土産がお薦めの土産として抽出される。また、例えば、旅行者情報に付加されたタグ情報と似たタイプの人の情報を観光情報データベース122から探し、当該似たタイプの人のSNS情報や評価情報を利用して、お薦めの観光スポットおよび土産を抽出してもよい。
【0085】
ステップS22Aで観光スポットおよび土産が抽出されると、その後、ステップS23A、ステップS24Aの順で処理が進められる。ステップS23AおよびステップS24Aの処理は、上述した
図5におけるステップS23およびステップS24と同様であってよいために、ここでは説明を省略する。
【0086】
なお、経路生成部113は、上述した実施形態の経路生成処理(
図5参照)における観光スポットおよび土産の抽出処理と、第1変形例の経路生成処理(
図7参照)における観光スポットおよび土産の抽出処理との両方を行って、両方の抽出結果を総合的に判断して、観光経路に含める観光スポットおよび土産の購入場所を決定してもよい。更に、上述した実施形態の経路生成処理における観光スポットおよび土産の抽出処理と、第1変形例の経路生成処理における観光スポットおよび土産の抽出処理とが、切り替えて使用される構成としてもよい。
【0087】
[2-3-2.第2変形例]
以上の実施形態と第1変形例の手法を用いると、同時期に複数の同じタイプの旅行者に観光経路の提案を行う場合には、同じ観光スポットや土産の購入場所に旅行者が集中して混雑する可能性がある。このために、経路生成部113は、同時期に似たタイプの複数の旅行者の観光経路を生成する必要がある場合に、似たタイプの旅行者間の訪問場所への訪問時間の調整を行って観光経路を生成することが好ましい。このように構成することにより、観光スポットや土産の購入場所の混雑の緩和を図ることができる。
【0088】
例えば、旅行者情報に付加されるタグ情報のいずれか1つでも同じであれば、似たタイプの旅行者と判断してよい。また、別の例として、旅行者情報に付加される特定のタグ情報(例えば国籍等)か同じであれば、似たタイプの旅行者と判断してもよい。また、別の例として、旅行者情報に付加されるタグ情報が同じである数が所定数(例えば3つ)を超えると、似たタイプの旅行者と判断してもよい。
【0089】
<3.留意事項等>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態や変形例のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態や変形例は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態や変形例の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で適宜組み合わせて実施されてよい。
【符号の説明】
【0090】
1・・・観光経路生成装置
2・・・端末装置
100・・・観光経路提案システム
111・・・旅行者情報取得部
112・・・観光情報取得部
113・・・経路生成部
115・・・変更受付部
122・・・観光情報データベース