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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】在庫管理システム及び在庫管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20250331BHJP
【FI】
G06Q10/087
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021089836
(22)【出願日】2021-05-28
(65)【公開番号】P2022182329
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2024-05-01
(73)【特許権者】
【識別番号】521232784
【氏名又は名称】株式会社ロジレス
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大森 稔之
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-42487(JP,A)
【文献】特開2020-126366(JP,A)
【文献】特開2004-2023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客から商品が注文されることで発生する受注在庫管理と、前記商品をあらかじめ保管して前記顧客から注文された注文商品を配送する出荷在庫管理と、を行う在庫管理システムであって、
前記在庫管理システムは、前記注文商品を受注する小売業者がアクセス可能な受注在庫管理システムと、前記注文商品を出荷する作業を行う倉庫業者がアクセス可能な出荷在庫管理システムと、を有し、
前記受注在庫管理システムは、
前記注文商品に対応する商品IDと出荷伝票ID項目と前記注文商品の数量とが関連付けられた明細行テーブルを作成する明細行作成処理と、
倉庫に保管されている商品の在庫状態を示す論理在庫テーブルを参照することにより、前記明細行テーブルが示す数量の前記注文商品を出荷する引当元倉庫を決定する論理在庫引当処理と、
前記引当元倉庫の倉庫IDと、出荷する前記注文商品に対応する出荷伝票IDとを、前記出荷在庫管理システムがアクセスできる出荷伝票テーブルに書き込み、前記出荷伝票テーブルにおける前記出荷伝票IDに対応するステータスを出荷待ち状態にし、かつ前記出荷伝票IDを前記明細行テーブルにおける前記注文商品に対応する前記出荷伝票ID項目に書き込む出荷伝票作成処理と、
を実行し、
前記出荷在庫管理システムは、
倉庫に保管されている商品の在庫状態と保管場所とを示す物理在庫テーブルにおいて、前記出荷伝票テーブルにおいてステータスが出荷待ち状態になっている前記出荷伝票IDに関連付けられた前記倉庫IDと、前記明細行テーブルにおいて前記出荷伝票IDに関連付けられた前記商品IDと、に対応するステータスを引当済に変更する物理在庫引当処理と、
前記物理在庫引当処理の後に、前記出荷伝票テーブルにおける前記出荷伝票IDに対応するステータスを出荷作業中に切り替えるステータス更新処理と、
を実行する、
在庫管理システム。
【請求項2】
前記受注在庫管理システムは、前記論理在庫引当処理において、在庫の状態を更新する操作のログを含む在庫操作ログテーブルに、引当された前記注文商品の商品IDと、前記引当元倉庫の倉庫IDと、引当されたことを示すトランザクション情報と、を書き込み、
前記出荷在庫管理システムは、前記物理在庫引当処理の後に、前記在庫操作ログテーブルにおける、前記出荷伝票IDに関連付けられた前記商品IDに対応する前記トランザクション情報を、出荷されたことを示す状態に更新する、
請求項1に記載の在庫管理システム。
【請求項3】
前記出荷在庫管理システムは、前記出荷伝票IDに対応する前記注文商品の出荷作業完了のデータが入力されたことに応じて、前記出荷伝票IDに対応する前記ステータスを出荷作業中から出荷済に更新する、
請求項1又は2に記載の在庫管理システム。
【請求項4】
前記受注在庫管理システムは、前記出荷伝票IDに対応する前記注文商品の出荷作業完了のデータが入力されたことに応じて、前記論理在庫テーブルにおける前記注文商品に対応するステータスを出荷済に更新する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の在庫管理システム。
【請求項5】
前記受注在庫管理システムは、前記物理在庫テーブルを参照せず、
前記出荷在庫管理システムは、前記論理在庫テーブルを参照しない、
請求項1から4のいずれか1項に記載の在庫管理システム。
【請求項6】
前記受注在庫管理システムは、前記論理在庫引当処理を実行した後に、前記商品IDが含まれており、前記出荷伝票IDが含まれていない初期明細行テーブルに前記出荷伝票IDを付加することにより前記明細行テーブルを作成する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の在庫管理システム。
【請求項7】
顧客から商品が注文されることで発生する受注在庫管理と、前記商品をあらかじめ保管
して前記顧客から注文された注文商品を配送する出荷在庫管理と、をコンピュータが実行する在庫管理方法であって、
前記コンピュータは、
前記注文商品に対応する商品IDと出荷伝票ID項目と前記注文商品の数量とが関連付けられた明細行テーブルを作成するステップと、
倉庫に保管されている商品の在庫状態を示す論理在庫テーブルを参照することにより、前記明細行テーブルが示す数量の前記注文商品を出荷する引当元倉庫を決定するステップと、
前記引当元倉庫の倉庫IDと、出荷する前記注文商品に対応する出荷伝票IDとを、出荷伝票テーブルに書き込み、前記出荷伝票テーブルにおける前記出荷伝票IDに対応するステータスを出荷待ち状態にするステップと、
前記出荷伝票IDを前記明細行テーブルにおける前記注文商品に対応する前記出荷伝票ID項目に書き込むステップと、
倉庫に保管されている商品の在庫状態と保管場所とを示す物理在庫テーブルにおいて、前記出荷伝票テーブルにおいてステータスが出荷待ち状態になっている前記出荷伝票IDに関連付けられた前記倉庫IDと、前記明細行テーブルにおいて前記出荷伝票IDに関連付けられた前記商品IDと、に対応するステータスを引当済に変更するステップと、
前記ステータスを引当済に変更するステップの後に、前記出荷伝票テーブルにおける前記出荷伝票IDに対応するステータスを出荷作業中に切り替えるステップと、
を実行する、
在庫管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客から商品が注文されることで発生する受注在庫管理と、商品をあらかじめ保管して顧客から注文された商品を配送する出荷在庫管理とを行う受注及び倉庫管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は受注管理を行うシステムであり、特許文献2は在庫管理を行うシステムである。
特許文献1や特許文献2で開示されているように、受注管理システムや在庫管理システムは従来から提案されている。
ところで、近年ではネットショップが一般に広く普及しているが、ネットショップの多くは自社倉庫を持っておらず、外部の物流倉庫を利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-42487号公報
【文献】特開2020-126366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ネットショップが外部の物流倉庫を利用する場合には、受注管理システムと在庫管理システムとの連携が取りにくい。
【0005】
そこで本発明は、各店舗での受注在庫管理と各倉庫での出荷在庫管理とを一つのシステムで統合管理することができる受注及び倉庫管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の受注及び倉庫管理システムは、顧客から商品が注文されることで発生する受注在庫管理と、前記商品をあらかじめ保管して前記顧客から注文された注文商品を配送する出荷在庫管理とを行う受注及び倉庫管理システムであって、コンピュータが前記顧客から注文された前記注文商品についての受注伝票と、保管している保管商品を出荷する引当元倉庫を決定して出荷伝票を作成する受注処理ステップ10と、前記引当元倉庫が保管する前記保管商品を、前記注文商品に引当る引当処理ステップ20と、前記引当処理ステップ20で引当た前記保管商品を出荷する出荷処理ステップ40とを有し、前記受注処理ステップ10では、前記受注伝票単位で受注伝票IDを付与し、前記受注伝票IDを付与した前記受注伝票のステータスを受注伝票テーブル61に書き込み、前記注文商品を商品種別単位で明細行IDを付与し、前記明細行IDを付与した前記注文商品に対応する前記受注伝票IDと、前記注文商品に対応する商品IDと、前記ステータスとを明細行テーブル62に書き込み、前記明細行ID単位で、前記明細行IDの前記注文商品を出荷する引当元倉庫を決定し、決定された前記引当元倉庫単位で出荷伝票IDを付与し、前記出荷伝票IDを付与した前記引当元倉庫に対応する倉庫IDと、前記ステータスとを出荷伝票テーブル64に書き込み、前記明細行テーブル62に、前記明細行IDに対応する前記出荷伝票IDを書き込み、前記引当処理ステップ20では、前記引当元倉庫が保管している前記商品を管理する論理在庫テーブル65に、前記明細行IDに対応する前記注文商品が存在する場合には、前記論理在庫テーブル65における該当する前記商品に対する論理在庫IDのステータスを保管中から引当済に書き換え、前記論理在庫テーブル65で前記引当済に書き換えが行われると、前記明細行テーブル62における該当する前記明細行IDのステータスを引当待から引当済に書き換え、前記明細行テーブル62で前記引当済に書き換えが行われると、前記受注伝票テーブル61における該当する前記受注伝票IDのステータスを引当待から引当済に書き換え、前記明細行テーブル62で前記引当済に書き換えが行われると、前記出荷伝票テーブル64における該当する前記出荷伝票IDのステータスを引当待から出荷待に書き換え、前記出荷処理ステップ40では、前記引当元倉庫が保管している前記商品を管理する物理在庫テーブル66における該当する前記商品に対する物理在庫IDのステータスを保管中から引当済に書き換え、前記物理在庫テーブル66で前記引当済に書き換えが行われると、前記出荷伝票テーブル64における該当する前記出荷伝票IDの前記ステータスを出荷待から出荷作業中に書き換え、前記引当元倉庫における出荷作業完了のデータが入力されることで、前記出荷伝票テーブル64における該当する前記出荷伝票IDの前記ステータスを出荷作業中から出荷済に書き換え、前記受注伝票テーブル61における該当する前記受注伝票IDの前記ステータスを引当済から出荷済に書き換え、前記明細行テーブル62における該当する前記明細行IDの前記ステータスを引当済から出荷済に書き換え、前記論理在庫テーブル65における該当する前記商品に対する前記論理在庫IDの前記ステータスを引当済から出荷済に書き換え、前記物理在庫テーブル66における該当する前記商品に対する前記物理在庫IDの前記ステータスを引当済から出荷済に書き換えることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の受注及び倉庫管理システムにおいて、前記論理在庫テーブル65には、前記保管商品について、注文が可能な最小単位での商品単位で前記論理在庫IDが付与され、前記論理在庫ID毎に、前記商品IDと前記倉庫IDと前記ステータスとが書き込まれており、前記引当処理ステップ20で前記保管中から前記引当済に書き換えられるときに、前記注文商品に対応する前記明細行IDが書き込まれることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の受注及び倉庫管理システムにおいて、前記物理在庫テーブル66には、前記保管商品について、注文が可能な最小単位での商品単位で前記物理在庫IDが付与され、前記物理在庫ID毎に、前記商品IDと前記倉庫IDと前記ステータスとが書き込まれており、前記出荷処理ステップ40で前記保管中から前記引当済に書き換えられるときに、前記注文商品に対応する前記明細行IDが書き込まれることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の受注及び倉庫管理システムにおいて、前記物理在庫テーブル66では、前記保管商品について、保管位置、出荷期限日、及びロットを管理することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の受注及び倉庫管理システムにおいて、前記商品IDと、前記倉庫IDと、前記引当済から前記出荷済までのトランザクション情報とを管理する在庫操作ログテーブル67を備え、前記在庫操作ログテーブル67には、前記引当処理ステップ20で、前記論理在庫テーブル65が前記引当済に書き換えが行われると、前記引当済となった前記商品IDと前記倉庫IDとを前記引当済であることを示す前記トランザクション情報とともに書き込み、前記出荷処理ステップ40で、前記物理在庫テーブル66が前記引当済に書き換えが行われると、前記引当済となった前記商品IDと前記倉庫IDとを物理引当が行われたことを示す前記トランザクション情報とともに書き込み、前記出荷処理ステップ40で、前記引当元倉庫における出荷作業完了のデータが入力されることで、前記出荷済となった前記商品IDと前記倉庫IDとを出荷が行われたことを示す前記トランザクション情報とともに書込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、受注管理における引当処理ステップでは、論理在庫テーブルを用いることでデータ上の在庫管理を行え、出荷在庫管理における出荷処理ステップでは、物理在庫テーブルを用いることで物理的な在庫管理を行えるため、特に商品販売を行う店舗運営者が自社倉庫以外に外部倉庫を利用する場合や、複数の異なる倉庫業者が保有する複数の外部倉庫を利用する場合にも、各店舗での受注在庫管理と、各倉庫での出荷在庫管理を一つのシステムで統合管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による受注及び倉庫管理システムの概念図
図2】本実施例による受注及び倉庫管理システムでの受注処理を示すフローチャート
図3】本実施例による受注及び倉庫管理システムでの論理在庫の引当処理を示すフローチャート
図4】本実施例による受注及び倉庫管理システムでの倉庫振替処理を示すフローチャート
図5】本実施例による受注及び倉庫管理システムでの引当処理の後に行われる出荷処理を示すフローチャート
図6】本実施例による受注及び倉庫管理システムでの引当処理の後に行われる出荷処理を示すフローチャート
図7】本実施例による受注及び倉庫管理システムでの在庫振替処理の後に行われる出荷処理を示すフローチャート
図8】本実施例による受注及び倉庫管理システムでの在庫振替処理の後に行われる出荷処理を示すフローチャート
図9】本実施例による受注及び倉庫管理システムで、一つの受注伝票に対して異なる倉庫を引当元倉庫として出荷する場合の受注処理を示すフローチャート
図10】本実施例による受注及び倉庫管理システムで、一つの受注伝票に対して異なる倉庫を引当元倉庫として出荷する場合の引当処理を示すフローチャート
図11】本実施例による受注及び倉庫管理システムで、一つの受注伝票に対して異なる倉庫を引当元倉庫として出荷する場合の倉庫Xで行われる出荷処理を示すフローチャート
図12】本実施例による受注及び倉庫管理システムで、一つの受注伝票に対して異なる倉庫を引当元倉庫として出荷する場合の倉庫Yで行われる出荷処理を示すフローチャート
図13】本実施例による受注及び倉庫管理システムのシステム構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による受注及び倉庫管理システムは、コンピュータが顧客から注文された注文商品についての受注伝票と、保管している保管商品を出荷する引当元倉庫を決定して出荷伝票を作成する受注処理ステップと、引当元倉庫が保管する保管商品を、注文商品に引当る引当処理ステップと、引当処理ステップで引当た保管商品を出荷する出荷処理ステップとを有し、受注処理ステップでは、受注伝票単位で受注伝票IDを付与し、受注伝票IDを付与した受注伝票のステータスを受注伝票テーブルに書き込み、注文商品を商品種別単位で明細行IDを付与し、明細行IDを付与した注文商品に対応する受注伝票IDと、注文商品に対応する商品IDと、ステータスとを明細行テーブルに書き込み、明細行ID単位で、明細行IDの注文商品を出荷する引当元倉庫を決定し、決定された引当元倉庫単位で出荷伝票IDを付与し、出荷伝票IDを付与した引当元倉庫に対応する倉庫IDと、ステータスとを出荷伝票テーブルに書き込み、明細行テーブルに、明細行IDに対応する出荷伝票IDを書き込み、引当処理ステップでは、引当元倉庫が保管している商品を管理する論理在庫テーブルに、明細行IDに対応する注文商品が存在する場合には、論理在庫テーブルにおける該当する商品に対する論理在庫IDのステータスを保管中から引当済に書き換え、論理在庫テーブルで引当済に書き換えが行われると、明細行テーブルにおける該当する明細行IDのステータスを引当待から引当済に書き換え、明細行テーブルで引当済に書き換えが行われると、受注伝票テーブルにおける該当する受注伝票IDのステータスを引当待から引当済に書き換え、明細行テーブルで引当済に書き換えが行われると、出荷伝票テーブルにおける該当する出荷伝票IDのステータスを引当待から出荷待に書き換え、出荷処理ステップでは、引当元倉庫が保管している商品を管理する物理在庫テーブルにおける該当する商品に対する物理在庫IDのステータスを保管中から引当済に書き換え、物理在庫テーブルで引当済に書き換えが行われると、出荷伝票テーブルにおける該当する出荷伝票IDのステータスを出荷待から出荷作業中に書き換え、引当元倉庫における出荷作業完了のデータが入力されることで、出荷伝票テーブルにおける該当する出荷伝票IDのステータスを出荷作業中から出荷済に書き換え、受注伝票テーブルにおける該当する受注伝票IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、明細行テーブルにおける該当する明細行IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、論理在庫テーブルにおける該当する商品に対する論理在庫IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、物理在庫テーブルにおける該当する商品に対する物理在庫IDのステータスを引当済から出荷済に書き換えるものである。
本実施の形態によれば、受注管理における引当処理ステップでは、論理在庫テーブルを用いることでデータ上の在庫管理を行え、出荷在庫管理における出荷処理ステップでは、物理在庫テーブルを用いることで物理的な在庫管理を行えるため、特に商品販売を行う店舗運営者が自社倉庫以外に外部倉庫を利用する場合や、複数の異なる倉庫業者が保有する複数の外部倉庫を利用する場合にも、各店舗での受注在庫管理と、各倉庫での出荷在庫管理を一つのシステムで統合管理することができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による受注及び倉庫管理システムにおいて、論理在庫テーブルには、保管商品について、注文が可能な最小単位での商品単位で論理在庫IDが付与され、論理在庫ID毎に、商品IDと倉庫IDとステータスとが書き込まれており、引当処理ステップで保管中から引当済に書き換えられるときに、注文商品に対応する明細行IDが書き込まれるものである。
本実施の形態によれば、論理在庫テーブルには、商品IDと倉庫IDとステータスとが書き込まれているため、店舗運営者は、どこの倉庫に何の商品が幾つあるかを把握できるとともに引当処理を自動でスムーズに行える。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による受注及び倉庫管理システムにおいて、物理在庫テーブルには、保管商品について、注文が可能な最小単位での商品単位で物理在庫IDが付与され、物理在庫ID毎に、商品IDと倉庫IDとステータスとが書き込まれており、出荷処理ステップで保管中から引当済に書き換えられるときに、注文商品に対応する明細行IDが書き込まれるものである。
本実施の形態によれば、物理在庫テーブルには、商品IDと倉庫IDとステータスとが書き込まれているため、倉庫業者は、各倉庫において在庫として残っている商品か物理的に引当られた商品かを把握できるとともに出荷処理をスムーズに行える。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態による受注及び倉庫管理システムにおいて、物理在庫テーブルでは、保管商品について、保管位置、出荷期限日、及びロットを管理するものである。
本実施の形態によれば、倉庫業者は、本システムを用いて、保管位置、出荷期限日、及びロットを管理できる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態による受注及び倉庫管理システムにおいて、商品IDと、倉庫IDと、引当済から出荷済までのトランザクション情報とを管理する在庫操作ログテーブルを備え、在庫操作ログテーブルには、引当処理ステップで、論理在庫テーブルが引当済に書き換えが行われると、引当済となった商品IDと倉庫IDとを引当済であることを示すトランザクション情報とともに書き込み、出荷処理ステップで、物理在庫テーブルが引当済に書き換えが行われると、引当済となった商品IDと倉庫IDとを物理引当が行われたことを示すトランザクション情報とともに書き込み、出荷処理ステップで、引当元倉庫における出荷作業完了のデータが入力されることで、出荷済となった商品IDと倉庫IDとを出荷が行われたことを示すトランザクション情報とともに書込むものである。
本実施の形態によれば、在庫操作ログテーブルによって、引当済から出荷済までの在庫変動履歴としてのトランザクション情報を、商品及び保管倉庫とともに管理することで、在庫の変動を在庫操作ログテーブルを用いて行える。
【実施例
【0014】
以下本発明の一実施例による受注及び倉庫管理システムについて説明する。
図1は本実施例による受注及び倉庫管理システムの概念図である。
図1に示すように、本実施例による受注及び倉庫管理システムは、顧客から商品が注文されることで発生する受注在庫管理と、商品をあらかじめ保管して顧客から注文された商品を配送する出荷在庫管理とを行う受注及び倉庫管理システムであり、商品販売を行う店舗Aの運営者が自社倉庫Z以外に外部倉庫Xや外部倉庫Yを利用することができ、店舗Aの運営者が自社倉庫Zを持たずに外部倉庫X又は外部倉庫Yを利用する場合や、店舗Aの運営者が複数の異なる倉庫業者が保有する複数の外部倉庫X及び外部倉庫Yを利用する場合にも、店舗Aでの受注在庫管理と、各倉庫X、Y、Zでの出荷在庫管理を一つのシステムで統合管理することができる。また、外部倉庫X又は外部倉庫Yが、店舗A以外の店舗B(図示せず)や店舗C(図示せず)を荷主に持つ場合には、外部倉庫X又は外部倉庫Yは複数の荷主を一括で管理することができる。
【0015】
図2から図8は、本実施例による受注及び倉庫管理システムでの標準的な処理流れを示すフローチャートである。
図2は、受注処理を示している。
コンピュータが行う受注処理ステップ10は、受注伝票作成ステップ11、受注伝票明細行作成ステップ12、商品情報割当ステップ13、引当元倉庫決定処理ステップ14、出荷伝票作成ステップ15、受注伝票ステータス更新ステップ16を有している。
【0016】
受注伝票作成ステップ11では、顧客から注文された注文商品についての受注伝票を作成する。注文伝票の作成にあたっては、受注伝票単位で受注伝票IDを付与し、受注伝票IDを付与した受注伝票のステータスを処理中として受注伝票テーブル61に書込む。
【0017】
受注伝票明細行作成ステップ12では、受注伝票に対応する受注伝票明細行を作成する。受注伝票明細行の作成にあたっては、注文商品を商品種別単位で明細行IDを付与し、明細行IDを付与した注文商品に対応する受注伝票IDと、注文商品の数量と、ステータスとを明細行テーブルに書込む。受注伝票明細行作成ステップ12ではステータスは引当待である。なお、商品として例えばカバンが1つ、靴が1つ注文されたとして説明する。
カバンと靴とは、商品種別が異なるため、カバンに対して明細行IDに「1」を付与し、靴に対して明細行IDに「2」を付与している。
【0018】
商品情報割当ステップ13では、受注伝票明細行作成ステップ12で作成された受注伝票明細行に対して商品情報を割り当てる。商品情報の割り当てでは、明細行テーブル62の商品IDに、商品マスターテーブル78(図13参照)を参照して注文商品に対応する商品IDを書込む。本実施例では、カバンに対応する商品IDが「1」で靴に対応する商品IDが「2」であることを示している。
【0019】
引当元倉庫決定処理ステップ14では、明細行ID単位で、明細行IDの注文商品を出荷する引当元倉庫を決定する。引当元倉庫の決定は、あらかじめ設定した引当元倉庫ルールによって決定される。引当元倉庫ルールは、引当元倉庫ルールデータベース63に記憶している。
【0020】
出荷伝票作成ステップ15では、出荷伝票を作成する。出荷伝票の作成にあたっては、決定された引当元倉庫単位で出荷伝票IDを付与し、出荷伝票IDを付与した引当元倉庫に対応する倉庫IDと、ステータスとを出荷伝票テーブル64に書込む。出荷伝票作成ステップ15ではステータスは出荷待である。図2では、カバンも靴も倉庫IDが「X」の倉庫を引当元倉庫としている。
出荷伝票作成ステップ15では、出荷伝票の作成とともに、明細行テーブル62に、明細行IDに対応する出荷伝票IDを書込む。
【0021】
受注伝票ステータス更新ステップ16では、受注伝票のステータスを更新する。受注伝票のステータスの更新は、受注伝票テーブル61のステータスを、処理中から引当待に更新する。
受注伝票ステータス更新ステップ16で受注伝票のステータスを引当待に更新した後に、引当が可能であれば(引当判断ステップ17でYes)、コンピュータは、図3に示す論理在庫の引当処理ステップ20を行う。
ここで引当判断ステップ17において、引当が可能か否かは、引当元倉庫が保管している商品を管理する論理在庫テーブル65に、明細行IDに対応する注文商品が、ステータスが保管中として存在するか否かで判断される。
論理在庫テーブルには、保管商品について、注文が可能な最小単位での商品単位で論理在庫IDが付与され、論理在庫ID毎に、商品IDと倉庫IDとステータスとが書き込まれている。引当がされていない状態でのステータスは保管中である。
【0022】
図3は、論理在庫の引当処理を示している。
コンピュータが行う論理在庫の引当処理ステップ20は、論理在庫引当ステップ21と、在庫操作ログ追加ステップ22と、伝票ステータス更新ステップ23とを有する。
【0023】
論理在庫引当ステップ21では、論理在庫テーブル65における該当する商品に対して、明細行の数量分の、論理在庫IDのステータスを保管中から引当済に書き換える。
論理在庫引当ステップ21では、論理在庫テーブル65で引当済に書き換えが行われると、明細行テーブル62における該当する明細行IDのステータスを引当待から引当済に書き換える。
【0024】
在庫操作ログ追加ステップ22では、在庫操作ログテーブル67に在庫操作ログを書き込む。在庫操作ログテーブル67は、商品IDと、倉庫IDと、引当から出荷までのトランザクション情報とを管理する。
論理在庫引当ステップ21で論理在庫テーブル65が引当済に書き換えが行われると、引当済となった商品IDと倉庫IDとを引当されたことを示すトランザクション情報とともに在庫操作ログテーブル67に書込む。在庫操作ログ追加ステップ22では、トランザクション情報は引当となる。
【0025】
伝票ステータス更新ステップ23では、受注伝票テーブル61のステータスを、引当待から引当済に更新し、出荷伝票テーブル64のステータスを、引当待から出荷待に更新する。すなわち、論理在庫引当ステップ21において、明細行テーブル62で引当済に書き換えが行われると、受注伝票テーブル61における該当する受注伝票IDのステータスを引当待から引当済に書き換え、出荷伝票テーブル64における該当する出荷伝票IDのステータスを引当待から出荷待に書き換える。
【0026】
図2に示す受注伝票ステータス更新ステップ16で受注伝票のステータスを引当待に更新した後に、ステータス保管中の論理在庫がない状態(ステップ17でNo)、コンピュータは、図4に示す倉庫振替処理ステップ30を行う。なお、ステータス保管中の論理在庫がない状態では、引当待となった商品IDと倉庫IDとトランザクション情報とを在庫操作ログテーブル67に書込む。ステップ17では、トランザクション情報は引当となる。
【0027】
図4は、倉庫振替処理を示している。
コンピュータが行う倉庫振替処理ステップ30は、引当待出荷伝票検索ステップ31と、出荷可能倉庫検索ステップ32と、該当倉庫有無判断ステップ33と、出荷倉庫選択ステップ34と、出荷伝票の書換ステップ35と、論理在庫引当ステップ36と、在庫操作ログ追加ステップ37と、伝票ステータス更新ステップ38とを有する。
【0028】
引当待出荷伝票検索ステップ31では、店舗Aのユーザの検索操作をトリガーとし、コンピュータは、出荷伝票テーブル64のステータスが引当待である出荷伝票IDを出荷伝票データベース68から抽出する。
【0029】
出荷可能倉庫検索ステップ32では、コンピュータは、引当待出荷伝票検索ステップ31で抽出された出荷伝票IDが書き込まれた明細行テーブル62から、引当待である商品IDと数量を抽出し、引当待である商品が出荷可能な倉庫を、倉庫/論理在庫データベース69から抽出する。ここで、出荷可能な倉庫とは、ステータス保管中の論理在庫が明細行の数量分存在する倉庫である。
出荷可能倉庫検索ステップ32は、コンピュータによって所定のタイミングで定期的に検索を実行するが、任意のタイミングでユーザの検索操作でも実行できる。
【0030】
該当倉庫有無判断ステップ33では、出荷可能倉庫検索ステップ32で出荷可能倉庫の有無が判断され、出荷可能な倉庫が抽出された場合には(該当倉庫有無判断ステップ33でYes)、出荷倉庫が自動で選択される(出荷倉庫選択ステップ34)。
【0031】
出荷倉庫選択ステップ34において、店舗Aのユーザが出荷倉庫を選択すると、コンピュータは、出荷伝票の書き換えを行う(出荷伝票の書換ステップ35)。
【0032】
出荷伝票の書換ステップ35では、ステータスが引当待である出荷伝票IDの倉庫IDとステータスとを書き換える。本実施例では、出荷倉庫選択ステップ34で倉庫Yを選択した場合を示しており、倉庫IDをYに、ステータスを出荷待に書き換えている。
【0033】
論理在庫引当ステップ36では、論理在庫テーブル65における該当する商品IDに対して、明細行の数量分の、論理在庫IDのステータスを保管中から引当済に書き換える。
論理在庫引当ステップ36では、論理在庫テーブル65で引当済に書き換えが行われると、明細行テーブル62における該当する明細行IDのステータスを引当待から引当済に書き換える。
【0034】
在庫操作ログ追加ステップ37では、在庫操作ログテーブル67に、在庫操作ログIDとして、「1」の商品IDと、「2」の商品IDに対して、倉庫IDがXに対して「引当解除」とするとともに、新たな倉庫IDがYに対して「引当」とする。
【0035】
伝票ステータス更新ステップ38では、受注伝票テーブル61のステータスを、引当待から引当済に更新する。すなわち、論理在庫引当ステップ36において、明細行テーブル62で引当済に書き換えが行われると、受注伝票テーブル61における該当する受注伝票IDのステータスを引当待から引当済に書き換える。
なお、該当倉庫有無判断ステップ33で、出荷可能な倉庫が抽出されない場合には(該当倉庫有無判断ステップ33でNo)、店舗Aのユーザは、予定出荷倉庫に対して商品補充を行う(商品補充ステップ39)。
【0036】
図5及び図6は、引当処理の後に行われる出荷処理を示している。
コンピュータが行う出荷処理ステップ40は、物理在庫引当ステップ41と、在庫操作ログ追加ステップ42と、ステータス更新ステップ43と、出荷作業完了ステップ44と、在庫操作ログ追加ステップ45とを有する。
【0037】
物理在庫引当ステップ41では、物理在庫テーブル66における該当する商品に対する物理在庫IDのステータスを保管中から引当済に書き換える。
物理在庫テーブル66には、保管商品について、注文が可能な最小単位での商品単位で物理在庫IDが付与され、物理在庫ID毎に、商品IDと倉庫IDとステータスとが書き込まれている。引当がされていない状態でのステータスは保管中である。
物理在庫テーブル66は、保管商品について、保管位置、出荷期限日、及びロットを管理するものであり、倉庫業者は、物理在庫テーブル66によって、保管位置、出荷期限日、及びロットを管理できる。
物理在庫引当ステップ41で保管中から引当済に書き換えられるときに、注文商品に対応する明細行IDが書き込まれる。
【0038】
在庫操作ログ追加ステップ42では、在庫操作ログテーブル67に、在庫操作ログIDとして、「1」の商品IDと、「2」の商品IDとについて、トランザクション情報が物理引当となったことを、在庫操作ログIDを「3」と「4」として書き込む。
【0039】
ステータス更新ステップ43では、出荷伝票テーブル64のステータスを、出荷待から出荷作業中に更新する。すなわち、物理在庫引当ステップ41において、物理在庫テーブル66で引当済に書き換えが行われると、出荷伝票テーブル64における該当する出荷伝票IDのステータスを出荷待から出荷作業中に書き換える。
【0040】
出荷作業完了ステップ44では、引当元倉庫における出荷作業完了のデータが入力されることで、出荷伝票テーブル64における該当する出荷伝票IDのステータスを出荷作業中から出荷済に書き換え、受注伝票テーブル61における該当する受注伝票IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、明細行テーブル62における該当する明細行IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、論理在庫テーブル65における該当する商品に対する論理在庫IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、物理在庫テーブル66における該当する商品に対する物理在庫IDのステータスを引当済から出荷済に書き換える。
【0041】
在庫操作ログ追加ステップ45では、在庫操作ログテーブル67に、在庫操作ログIDとして、「1」の商品IDと、「2」の商品IDとについて、トランザクション情報が出荷となったことを、在庫操作ログIDを「5」と「6」として書き込む。
【0042】
図7及び図8は、在庫振替処理の後に行われる出荷処理を示している。
コンピュータが行う出荷処理ステップ50は、物理在庫引当ステップ51と、在庫操作ログ追加ステップ52と、ステータス更新ステップ53と、出荷作業完了ステップ54と、在庫操作ログ追加ステップ55とを有する。
【0043】
物理在庫引当ステップ51では、物理在庫テーブル66における該当する商品に対する物理在庫IDのステータスを保管中から引当済に書き換える。
【0044】
在庫操作ログ追加ステップ52では、在庫操作ログテーブル67に、在庫操作ログIDとして、「1」の商品IDと、「2」の商品IDとについて、トランザクション情報が物理引当となったことを、在庫操作ログIDを「5」と「6」として書き込む。
【0045】
ステータス更新ステップ53では、出荷伝票テーブル64のステータスを、出荷待から出荷作業中に更新する。すなわち、物理在庫引当ステップ51において、物理在庫テーブル66で引当済に書き換えが行われると、出荷伝票テーブル64における該当する出荷伝票IDのステータスを出荷待から出荷作業中に書き換える。
【0046】
出荷作業完了ステップ54では、引当元倉庫における出荷作業完了のデータが入力されることで、出荷伝票テーブル64における該当する出荷伝票IDのステータスを出荷作業中から出荷済に書き換え、受注伝票テーブル61における該当する受注伝票IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、明細行テーブル62における該当する明細行IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、論理在庫テーブル65における該当する商品に対する論理在庫IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、物理在庫テーブル66における該当する商品に対する物理在庫IDのステータスを引当済から出荷済に書き換える。
【0047】
在庫操作ログ追加ステップ55では、在庫操作ログテーブル67に、在庫操作ログIDとして、「1」の商品IDと、「2」の商品IDとについて、トランザクション情報が出荷となったことを書き込む。
【0048】
図9から図12は、本実施例による受注及び倉庫管理システムで、一つの受注伝票に対して異なる倉庫を引当元倉庫として出荷する場合の処理流れを示すフローチャートである。
図9は、受注処理を示している。
コンピュータが行う受注処理ステップ10は、受注伝票作成ステップ11、受注伝票明細行作成ステップ12、商品情報割当ステップ13、引当元倉庫決定処理ステップ14、出荷伝票作成ステップ15、受注伝票ステータス更新ステップ16を有している。
【0049】
受注伝票作成ステップ11では、顧客から注文された注文商品についての受注伝票を作成する。注文伝票の作成にあたっては、受注伝票単位で受注伝票IDを付与し、受注伝票IDを付与した受注伝票のステータスを処理中として受注伝票テーブル61に書込む。
【0050】
受注伝票明細行作成ステップ12では、受注伝票に対応する受注伝票明細行を作成する。受注伝票明細行の作成にあたっては、注文商品を商品種別単位で明細行IDを付与し、明細行IDを付与した注文商品に対応する受注伝票IDと、注文商品の数量と、ステータスとを明細行テーブル62に書込む。受注伝票明細行作成ステップ12ではステータスは引当待である。なお、商品として例えばカバンが1つ、靴が1つ注文されたとして説明する。
カバンと靴とは、商品種別が異なるため、カバンに対して明細行IDに「1」を付与し、靴に対して明細行IDに「2」を付与している。
【0051】
商品情報割当ステップ13では、受注伝票明細行作成ステップ12で作成された受注伝票明細行に対して商品情報を割り当てる。商品情報の割り当てでは、明細行テーブル62の商品IDに、注文商品に対応する商品IDを書込む。本実施例では、カバンに対応する商品IDが「1」で靴に対応する商品IDが「2」であることを示している。
【0052】
引当元倉庫決定処理ステップ14では、明細行ID単位で、明細行IDの注文商品を出荷する引当元倉庫を決定する。引当元倉庫の決定は、あらかじめ設定した引当元倉庫ルールによって決定される。引当元倉庫ルールは、引当元倉庫ルールデータベース63に記憶している。
【0053】
出荷伝票作成ステップ15では、出荷伝票を作成する。出荷伝票の作成にあたっては、決定された引当元倉庫単位で出荷伝票IDを付与し、出荷伝票IDを付与した引当元倉庫に対応する倉庫IDと、ステータスとを出荷伝票テーブル64に書込む。出荷伝票作成ステップ15ではステータスは出荷待である。
図9では、カバンは倉庫IDが「X」の倉庫を引当元倉庫とし、靴は倉庫IDが「Y」の倉庫を引当元倉庫としている。従って、倉庫IDが「X」の倉庫と、倉庫IDが「Y」の倉庫とに対応する2つの出荷伝票が作成される。出荷伝票テーブル64には、倉庫IDが「X」の倉庫を引当元倉庫とする出荷伝票IDが「1」の出荷伝票と、倉庫IDが「Y」の倉庫を引当元倉庫とする出荷伝票IDが「2」の出荷伝票とが作成される。
出荷伝票作成ステップ15では、出荷伝票の作成とともに、明細行テーブル62に、明細行IDに対応する出荷伝票IDを書込む。
【0054】
受注伝票ステータス更新ステップ16では、受注伝票のステータスを更新する。受注伝票のステータスの更新は、受注伝票テーブル61のステータスを、処理中から引当待に更新する。
【0055】
図10は、引当処理を示している。
コンピュータが行う引当処理ステップ20は、論理在庫引当ステップ21と、在庫操作ログ追加ステップ22と、伝票ステータス更新ステップ23とを有する。
【0056】
論理在庫引当ステップ21では、論理在庫テーブル65における該当する商品に対する論理在庫IDのステータスを保管中から引当済に書き換える。
論理在庫引当ステップ21では、論理在庫テーブル65で引当済に書き換えが行われると、明細行テーブル62における該当する明細行IDのステータスを引当待から引当済に書き換える。
【0057】
在庫操作ログ追加ステップ22では、在庫操作ログテーブル67に在庫操作ログを書き込む。在庫操作ログテーブル67は、商品IDと、倉庫IDと、引当済から出荷済までのステータスとを管理する。
論理在庫引当ステップ21で論理在庫テーブル65が引当済に書き換えが行われると、引当済となった商品IDと倉庫IDとを引当済であることを示すトランザクション情報とともに在庫操作ログテーブル67に書込む。在庫操作ログ追加ステップ22では、トランザクション情報は引当となる。
【0058】
伝票ステータス更新ステップ23では、受注伝票テーブル61のステータスを、引当待から引当済に更新し、出荷伝票テーブル64のステータスを、引当待から出荷待に更新する。すなわち、論理在庫引当ステップ21において、明細行テーブル62で引当済に書き換えが行われると、受注伝票テーブル61における該当する受注伝票IDのステータスを引当待から引当済に書き換え、出荷伝票テーブル64における該当する出荷伝票IDのステータスを引当待から出荷待に書き換える。
【0059】
図11は、倉庫Xで行われる出荷処理を示している。
コンピュータが行う出荷処理ステップ40は、物理在庫引当ステップ41と、在庫操作ログ追加ステップ42と、ステータス更新ステップ43と、出荷作業完了ステップ44と、在庫操作ログ追加ステップ45とを有する。
【0060】
物理在庫引当ステップ41では、物理在庫テーブル66における該当する商品に対する物理在庫IDのステータスを保管中から引当済に書き換える。
倉庫Xにおける物理在庫テーブル66には、保管商品について、注文が可能な最小単位での商品単位で物理在庫IDが付与され、物理在庫ID毎に、商品IDと倉庫IDとステータスとが書き込まれている。引当がされていない状態でのステータスは保管中である。
物理在庫引当ステップ41で保管中から引当済に書き換えられるときに、注文商品に対応する明細行IDが書き込まれる。
【0061】
在庫操作ログ追加ステップ42では、在庫操作ログテーブル67に、在庫操作ログIDとして、「1」の商品IDについて、トランザクション情報が物理引当となったことを書き込む。
【0062】
ステータス更新ステップ43では、出荷伝票テーブル64のステータスを、出荷待から出荷作業中に更新する。すなわち、物理在庫引当ステップ41において、物理在庫テーブル66で引当済に書き換えが行われると、出荷伝票テーブル64における該当する出荷伝票IDのステータスを出荷待から出荷作業中に書き換える。
【0063】
出荷作業完了ステップ44では、倉庫Xにおける出荷作業完了のデータが入力されることで、出荷伝票テーブル64における該当する出荷伝票IDのステータスを出荷作業中から出荷済に書き換え、受注伝票テーブル61における該当する受注伝票IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、明細行テーブル62における該当する明細行IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、論理在庫テーブル65における該当する商品に対する論理在庫IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、物理在庫テーブル66における該当する商品に対する物理在庫IDのステータスを引当済から出荷済に書き換える。
【0064】
在庫操作ログ追加ステップ45では、在庫操作ログテーブル67に、「1」の商品IDについて、トランザクション情報が出荷となったことを書き込む。
【0065】
図12は、倉庫Xで出荷処理が行われた後に、倉庫Yで行われる出荷処理を示している。
コンピュータが行う出荷処理ステップ40は、物理在庫引当ステップ41と、在庫操作ログ追加ステップ42と、ステータス更新ステップ43と、出荷作業完了ステップ44と、在庫操作ログ追加ステップ45とを有する。
【0066】
物理在庫引当ステップ41では、物理在庫テーブル66における該当する商品に対する物理在庫IDのステータスを保管中から引当済に書き換える。
倉庫Yにおける物理在庫テーブル66には、保管商品について、注文が可能な最小単位での商品単位で物理在庫IDが付与され、物理在庫ID毎に、商品IDと倉庫IDとステータスとが書き込まれている。引当がされていない状態でのステータスは保管中である。
物理在庫引当ステップ41で保管中から引当済に書き換えられるときに、注文商品に対応する明細行IDが書き込まれる。
【0067】
在庫操作ログ追加ステップ42では、在庫操作ログテーブル67に、「2」の商品IDについて、トランザクション情報が物理引当となったことを書き込む。
【0068】
ステータス更新ステップ43では、出荷伝票テーブル64のステータスを、出荷待から出荷作業中に更新する。すなわち、物理在庫引当ステップ41において、物理在庫テーブル66で引当済に書き換えが行われると、出荷伝票テーブル64における該当する出荷伝票IDのステータスを出荷待から出荷作業中に書き換える。
【0069】
出荷作業完了ステップ44では、倉庫Yにおける出荷作業完了のデータが入力されることで、出荷伝票テーブル64における該当する出荷伝票IDのステータスを出荷作業中から出荷済に書き換え、受注伝票テーブル61における該当する受注伝票IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、明細行テーブル62における該当する明細行IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、論理在庫テーブル65における該当する商品に対する論理在庫IDのステータスを引当済から出荷済に書き換え、物理在庫テーブル66における該当する商品に対する物理在庫IDのステータスを引当済から出荷済に書き換える。
【0070】
在庫操作ログ追加ステップ45では、在庫操作ログテーブル67に、「2」の商品IDについて、トランザクション情報が出荷となったことを書き込む。
【0071】
図13は本実施例による受注及び倉庫管理システムのシステム構成図である。
本実施例による受注及び倉庫管理システムは、ユーザ管理システム1と、受注在庫管理システム2と、出荷在庫管理システム3とからなる。
【0072】
ユーザ管理システム1では、ユーザテーブル71、マーチャントユーザテーブル72、オペレータユーザテーブル73、マーチャントテーブル74、オペレータテーブル75、及び倉庫テーブル76を用いて、システム利用者の権限管理を行う。
ユーザテーブル71では、システム利用者の認証情報を持ち、ユーザ毎にid、Email、passwordを管理している。
マーチャントユーザテーブル72では、マーチャント利用者として、マーチャント(小売業者)から認証を受けているユーザを登録し、「merchant id」と「user id」との関連を紐づけている。
オペレータユーザテーブル73では、オペレータ利用者として、オペレータ(倉庫業者)から認証を受けているユーザを登録し、「operator id」と「user id」との関連を紐づけている。
マーチャントテーブル74では、登録されている小売業者(id, 名前)を管理し、オペレータテーブル75では、登録されている倉庫業者を管理している。
システム利用者が、Emailとpasswordを使ってユーザ管理システム1にログイン(ユーザテーブルが認証)すると、マーチャントユーザテーブル72のデータとオペレータユーザテーブル73のデータとから、利用可能なマーチャントとオペレータの一覧が表示される。
【0073】
このように、マーチャント側テーブルとオペレータ側テーブルで管理することで、自社出荷の場合におけるシステム利用者は、マーチャント情報だけでなく、オペレータ情報に対してもアクセス権を持つため、利用可能なマーチャントとオペレータの一覧が表示される。
一方、外部委託出荷の場合におけるシステム利用者は、マーチャント情報だけに対するアクセス権しか持たないため、利用可能なマーチャントの一覧が表示される。
また、倉庫業者におけるシステム利用者は、オペレータ情報だけに対するアクセス権しか持たないため、利用可能なオペレータの一覧が表示される。
フルフィルメントサービス(オペレータは無人 自動出荷)の場合には、マーチャントは、マーチャント情報だけに対してアクセス権を持つ。
オペレータが複数の拠点(倉庫)を持つ場合には、すべての倉庫の情報に対してアクセス権を持つ。
【0074】
倉庫テーブル76には、出荷拠点に関するマーチャントとオペレータとの情報が登録されている。例えば、マーチャントaが所有している出荷拠点bは、オペレータcが委託を受けているという関係性を登録している。
オペレータと出荷拠点とは、1対nの関係であり、オペレータが管理するすべての出荷拠点の情報に対するアクセス権を持つ。
マーチャントと出荷拠点とについても、1対nの関係であり、マーチャントが所有するすべての出荷拠点の情報に対するアクセス権を持つ。
マーチャントとしての利用者、及びオペレータとしての利用者は、所有するすべての倉庫に対するアクセス権を持ち、在庫操作や出荷処理を行える。
【0075】
受注在庫管理システム2では、受注伝票テーブル61、明細行テーブル62、論理在庫テーブル65、店舗テーブル77、商品マスターテーブル78、出荷伝票テーブル64、及び在庫操作ログテーブル67を用いて、受注在庫管理を行う。なお、出荷伝票テーブル64については、受注在庫管理システム2では、閲覧できるが書込みはできない。
店舗テーブル77では、マーチャントが複数のストアーを出店している場合に、マーチャントとストアーとの関係を管理する。
商品マスターテーブル78では、商品と商品IDとの関係を管理する。
受注伝票テーブル61は、受注があった場合に作成され、顧客、店舗、受注コード、ステータス、支払方法、及びお届け先を管理する。
明細行テーブル62は、何の商品を幾つ送るかを管理し、商品コード、数量、価格、受注コードを管理する。
論理在庫テーブル65は、倉庫別に保管中の商品種別と数量を管理する。
在庫操作ログテーブル67は、引当済から出荷済までのステータスを、商品及び保管倉庫とともに管理する。
【0076】
出荷在庫管理システム3では、物理在庫テーブル66、トランザクションテーブル79、出荷伝票テーブル64、及び在庫操作ログテーブル67を用いて、出荷在庫管理を行う。
出荷伝票テーブル64は、受注から出荷までのステータス、及び出荷倉庫を管理する。
物理在庫テーブル66は、保管中の商品に関し、ロッド番号、賞味期限、及び商品の保管位置を管理する。
トランザクションテーブル79は、倉庫内において、商品が、どの場所に、幾つ、どのように置いたか、又は移動、廃棄したかを管理し、データを入力することで書き換えられ、倉庫内においてオペレータが手入力、又はハンディーターミナルを用いて入力される。
【0077】
このように、本実施例による受注及び倉庫管理システムは、受注管理における引当処理ステップ20では、論理在庫テーブル65を用いることでデータ上の在庫管理を行え、出荷在庫管理における出荷処理ステップ40では、物理在庫テーブル66を用いることで物理的な在庫管理を行えるため、特に商品販売を行う店舗運営者が自社倉庫以外に外部倉庫を利用する場合や、複数の異なる倉庫業者が保有する複数の外部倉庫を利用する場合にも、各店舗での受注在庫管理と、各倉庫での出荷在庫管理を一つのシステムで統合管理することができる。
また、本実施例による受注及び倉庫管理システムは、論理在庫テーブル65には、商品IDと倉庫IDとステータスとが書き込まれており、引当処理ステップ20で保管中から引当済に書き換えられるときに、注文商品に対応する明細行IDが書き込まれるため、店舗運営者は、どこの倉庫に何の商品が幾つあるかを把握できるとともに引当処理を自動でスムーズに行える。
また、本実施例による受注及び倉庫管理システムは、物理在庫テーブル66には、商品IDと倉庫IDとステータスとが書き込まれており、出荷処理ステップ40で保管中から引当済に書き換えられるときに、注文商品に対応する明細行IDが書き込まれるため、倉庫業者は、各倉庫において在庫として残っている商品か物理的に引当られた商品かを把握できるとともに出荷処理をスムーズに行える。
また、本実施例による受注及び倉庫管理システムは、在庫操作ログテーブルには、引当処理ステップ20で、論理在庫テーブル65が引当済に書き換えが行われると、引当済となった商品IDと倉庫IDとを引当済であることを示すトランザクション情報とともに書き込み、出荷処理ステップ40で、物理在庫テーブルが引当済に書き換えが行われると、引当済となった商品IDと倉庫IDとを物理引当が行われたことを示すトランザクション情報とともに書き込み、出荷処理ステップ40で、引当元倉庫における出荷作業完了のデータが入力されることで、出荷済となった商品IDと倉庫IDとを出荷が行われたことを示すトランザクション情報とともに書込むことで、在庫操作ログテーブル67によって、引当済から出荷済までのステータスを、商品及び保管倉庫とともに管理することで、在庫の変動を、在庫操作ログテーブル67を用いて行える。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、特に商品販売を行う店舗運営者が自社倉庫以外に外部倉庫を利用する場合や、複数の異なる倉庫業者が保有する複数の外部倉庫を利用する場合に適している。
【符号の説明】
【0079】
1 ユーザ管理システム
2 受注在庫管理システム
3 出荷在庫管理システム
10 受注処理ステップ
11 受注伝票作成ステップ
12 受注伝票明細行作成ステップ
13 商品情報割当ステップ
14 引当元倉庫決定処理ステップ
15 出荷伝票作成ステップ
16 受注伝票ステータス更新ステップ
17 引当判断ステップ
20 引当処理ステップ
21 論理在庫引当ステップ
22 在庫操作ログ追加ステップ
23 伝票ステータス更新ステップ
30 倉庫振替処理ステップ
31 引当待出荷伝票検索ステップ
32 出荷可能倉庫検索ステップ
33 該当倉庫有無判断ステップ
34 出荷倉庫選択ステップ
35 出荷伝票の書換ステップ
36 論理在庫引当ステップ
37 在庫操作ログ追加ステップ
38 伝票ステータス更新ステップ
40 出荷処理ステップ
41 物理在庫引当ステップ
42 在庫操作ログ追加ステップ
43 ステータス更新ステップ
44 出荷作業完了ステップ
45 在庫操作ログ追加ステップ
50 出荷処理ステップ
51 物理在庫引当ステップ
52 在庫操作ログ追加ステップ
53 ステータス更新ステップ
54 出荷作業完了ステップ
55 在庫操作ログ追加ステップ
61 受注伝票テーブル
62 明細行テーブル
63 引当元倉庫ルールデータベース
64 出荷伝票テーブル
65 論理在庫テーブル
66 物理在庫テーブル
67 在庫操作ログテーブル
68 出荷伝票データベース
69 倉庫/論理在庫データベース
71 ユーザテーブル
72 マーチャントユーザテーブル
73 オペレータユーザテーブル
74 マーチャントテーブル
75 オペレータテーブル
76 倉庫テーブル
77 店舗テーブル
78 商品マスターテーブル
79 トランザクションテーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13