(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】データ管理方法、データ管理システム、及びデータ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20250331BHJP
G06Q 50/02 20240101ALI20250331BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/02
(21)【出願番号】P 2021118542
(22)【出願日】2021-07-19
【審査請求日】2024-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】名城 昂平
(72)【発明者】
【氏名】上田 良平
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-009455(JP,A)
【文献】特開2004-213239(JP,A)
【文献】特開2020-166851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場を分割する複数の小領域において作業装置が前記圃場で行う作業量を表す複数の作業データを記憶すること
をデータ記憶部により実行することと、
前記複数の作業データを1つに統合した統合作業データを生成すること
をデータ生成部により実行することと、
前記統合作業データを出力すること
を出力部により実行することと、
を含み、
前記統合作業データは、
前記複数の作業データに対応する複数の前記圃場を含む領域を分割する複数の統合小領域において前記作業装置が前記複数の圃場で行う前記作業量を表し、
前記複数の作業データに対応する前記複数の圃場において、前記作業装置が作業を行うために使用される
データ管理方法。
【請求項2】
前記統合作業データの前記複数の統合小領域は、第1方向に延びる2つの第1統合線分と、前記第1方向と異なる第2方向に延びる2つの第2統合線分とに囲まれ、
前記作業データの前記小領域は、前記第1方向に延びる2つの第1線分と、前記第2方向に延びる2つの第2線分とに囲まれ、
前記統合作業データを生成することは、
前記第1線分と前記第2線分との交点のうちの第1交点が、前記第1統合線分と前記第2統合線分との交点のうちの第2交点に重なるように、前記作業データの領域を移動することと、
移動された前記作業データの領域に基づき、前記複数の統合小領域における前記作業量を設定することと、
を含む請求項1に記載のデータ管理方法。
【請求項3】
前記第2交点を通る第1統合線分は、複数の前記第1統合線分のうち、前記第1交点を通る第1線分の第2方向にあり、前記第1交点に最も近く、
前記第2交点を通る第2統合線分は、複数の前記第2統合線分のうち、前記第1交点を通る第2線分の第1方向にあり、前記第1交点に最も近い
請求項2に記載のデータ管理方法。
【請求項4】
前記統合作業データを生成することは、
前記複数の統合小領域のうち、前記作業データの領域を移動する前の前記作業データの領域に含まれ、かつ、前記作業データの領域を移動した後の前記作業データの領域に含まれない境界小領域を検出することと、
検出された前記境界小領域に隣接する前記統合小領域に設定される前記作業量を前記境界小領域の前記作業量として設定することと、
を含む請求項2または3に記載のデータ管理方法。
【請求項5】
前記統合作業データを生成することは、
前記複数の統合小領域から、前記複数の圃場のうち2以上の圃場の領域を含む重複小領域を検出することと、
前記重複小領域の前記作業量を、前記2以上の圃場に対応する前記作業データの各々において、前記重複小領域に対応する前記作業データの前記小領域を決定することと、
前記重複小領域に対応する前記小領域の各々に設定された前記作業量に基づき、前記重複小領域の前記作業量を設定することと、
を含む請求項1から4のいずれか1項に記載のデータ管理方法。
【請求項6】
前記重複小領域の前記作業量を設定することは、
前記重複小領域に含まれる前記2以上の圃場の各々の領域にける面積の比率に基づき、前記重複小領域の前記作業量を設定すること
を含む請求項5に記載のデータ管理方法。
【請求項7】
前記統合作業データの前記複数の統合小領域は、第1方向に延びる2つの第1統合線分と、前記第1方向と異なる第2方向に延びる2つの第2統合線分とに囲まれ、
前記作業データの前記小領域は、前記第1方向に延びる2つの第1線分と、前記第2方向に延びる2つの第2線分とに囲まれ、
前記統合作業データは、最も前記第1方向にある前記第1統合線分と、最も前記第2方向にある前記第2統合線分との交点の位置を表す統合基準位置の情報を含み、
前記統合基準位置は、前記統合作業データの領域の位置を表す
請求項1に記載のデータ管理方法。
【請求項8】
前記統合作業データの前記複数の統合小領域は、第1方向に延びる2つの第1統合線分と、前記第1方向と異なる第2方向に延びる2つの第2統合線分とに囲まれ、
前記作業データの前記小領域は、前記第1方向に延びる2つの第1線分と、前記第2方向に延びる2つの第2線分とに囲まれ、
前記統合小領域の前記第1方向の長さを表す第1統合距離は、前記複数の作業データの前記小領域における前記第1方向の長さのうち最小値を表し、
前記統合小領域の前記第2方向の長さを表す第2統合距離は、前記複数の作業データの前記小領域における前記第2方向の長さのうち最小値を表す
請求項1に記載のデータ管理方法。
【請求項9】
生成される前記統合作業データに含まれる複数の圃場を表す要求情報を取得することを
前記データ生成部により実行することを含み、
前記統合作業データに統合される前記複数の作業データは、前記要求情報に表された前記複数の圃場に対応する
請求項1から8のいずれか1項に記載のデータ管理方法。
【請求項10】
圃場を分割する複数の小領域において作業装置が前記圃場で行う作業量を表す複数の作業データを記憶するデータ記憶部と、
前記複数の作業データを1つに統合した統合作業データを生成するデータ生成部と、
前記統合作業データを出力する出力部と、
を備え、
前記統合作業データは、
前記複数の作業データに対応する複数の前記圃場を含む領域を分割する複数の統合小領域において前記作業装置が前記複数の圃場で行う前記作業量を表し、
前記複数の作業データに対応する前記複数の圃場において、前記作業装置が作業を行うために使用される
データ管理システム。
【請求項11】
圃場を分割する複数の小領域において作業装置が前記圃場で行う作業量を表す複数の作業データを記憶することと、
前記複数の作業データを1つに統合した統合作業データを生成することと、
前記統合作業データを出力することと、
を演算装置に実行させ、
前記統合作業データは、
前記複数の作業データに対応する複数の前記圃場を含む領域を分割する複数の統合小領域において前記作業装置が前記複数の圃場で行う前記作業量を表し、
前記複数の作業データに対応する前記複数の圃場において、前記作業装置が作業を行うために使用される
データ管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ管理方法、データ管理システム、及びデータ管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、作業を行うための作業データ、例えば肥料の散布量が設定された施肥マップを用いて、圃場での作業、例えば肥料の散布などを作業装置が行うための技術が研究されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、作業装置の位置情報に基づき、作業に使用する作業データを決定する技術が開示されている。しかし、作業装置が圃場に入る前に作業を行う圃場を特定できない場合がある。この場合、作業者は、各圃場で作業を行う前に、作業を行う圃場を選択する必要がある。
【0005】
上記の状況に鑑み、本開示は、作業データを統合した統合作業データを生成することで、作業者による圃場での作業負荷を低減することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0007】
上記目的を達成するための一実施の形態によるデータ管理方法は、圃場(400)を分割する複数の小領域(510)において作業装置(30)が圃場(400)で行う作業量を表す複数の作業データ(300)を記憶することを含む。また、データ管理方法は、複数の作業データ(300)を1つに統合した統合作業データ(600)を生成することを含む。また、データ管理方法は、統合作業データ(600)を出力することを含む。統合作業データ(600)は、複数の作業データ(300)に対応する複数の圃場(400)を含む領域を分割する複数の統合小領域(610)において作業装置(30)が複数の圃場(400)で行う作業量を表す。また、統合作業データ(600)は、複数の作業データ(300)に対応する複数の圃場(400)において、作業装置(30)が作業を行うために使用される。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態によるデータ管理システム(1000)は、データ記憶部(150)と、データ生成部(160)と、出力部(170)とを備える。データ記憶部(150)は、圃場(400)を分割する複数の小領域(510)において作業装置(30)が圃場(400)で行う作業量を表す複数の作業データ(300)を記憶する。データ生成部(160)は、複数の作業データ(300)を1つに統合した統合作業データ(600)を生成する。出力部(170)は、統合作業データ(600)を出力する。統合作業データ(600)は、複数の作業データ(300)に対応する複数の圃場(400)を含む領域を分割する複数の統合小領域(610)において作業装置(30)が複数の圃場(400)で行う作業量を表す。また、統合作業データ(600)は、複数の作業データ(300)に対応する複数の圃場(400)において、作業装置(30)が作業を行うために使用される。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態によるデータ管理プログラム(310)は、圃場(400)を分割する複数の小領域(510)において作業装置(30)が圃場(400)で行う作業量を表す複数の作業データ(300)を記憶することを演算装置(120)に実行させる。また、データ管理プログラム(310)は、複数の作業データ(300)を1つに統合した統合作業データ(600)を生成することを演算装置(120)に実行させる。また、データ管理プログラム(310)は、統合作業データ(600)を出力することを演算装置(120)に実行させる。統合作業データ(600)は、複数の作業データ(300)に対応する複数の圃場(400)を含む領域を分割する複数の統合小領域(610)において作業装置(30)が複数の圃場(400)で行う作業量を表す。また、統合作業データ(600)は、複数の作業データ(300)に対応する複数の圃場(400)において、作業装置(30)が作業を行うために使用される。
【発明の効果】
【0010】
上記の形態によれば、作業者は、作業装置を用いた圃場での作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施の形態におけるデータ管理システムの構成図である。
【
図2】一実施の形態における作業データの構成を説明するための図である。
【
図3】一実施の形態において、統合作業データを用いて作業が行われる圃場を説明するための図である。
【
図4】一実施の形態におけるデータ管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
【
図5】一実施の形態における統合作業データの構成を説明するための図である。
【
図6】一実施の形態におけるデータ管理システムによる処理を表すフローチャートである。
【
図7】一実施の形態において、作業データを設定する処理を表すフローチャートである。
【
図8】一実施の形態において、作業データの小領域を統合作業データの統合小領域に対応させる処理を説明するための図である。
【
図9】一実施の形態において、作業データの小領域を統合作業データの統合小領域に対応させる処理を説明するための図である。
【
図10】一実施の形態において、複数の圃場の領域を含む統合小領域に作業量を設定する処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態によるデータ管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、
図1に示すように、データ管理システム1000は、データ管理装置100と、端末200とを備える。データ管理装置100は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、端末200と、作業装置30と通信可能に接続されている。
【0013】
データ管理装置100は、作業装置30が作業を行うための作業データ300を生成する。例えば、
図2に示すように、作業データ300は、圃場400をメッシュ状に分割した小領域510に対して行われる作業量を表す。例えば、作業データ300が肥料を散布する施肥を行うための施肥データである場合、作業データ300は、複数の小領域510ごとに散布する肥料の量、例えば単位面積当たりの散布量を表す。また、作業データ300が農薬を散布するための農薬散布データである場合、作業データ300は、複数の小領域510ごとに散布する農薬の量、例えば単位面積当たりの散布量を表す。なお、肥料を散布する施肥を行うための作業データを施肥マップと呼ぶ場合がある。
【0014】
作業装置30は、作業データ300に基づき、圃場400を移動して作業を行う。例えば、作業装置30は、測位装置、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を備え、作業装置30の位置に応じた作業を行う。具体的には、作業装置30は、作業データ300において、測位装置により測定された位置を含む小領域510を検出し、検出された小領域510に設定されている作業量(例えば散布量)に基づき、作業を行う。例えば、作業装置30は、測位装置から作業装置30の位置を取得して、取得された位置と、作業データ300とに基づき、肥料の散布量を取得する。作業装置30は、取得された散布量に基づき、圃場400に肥料を散布する。なお、作業装置30は、肥料や農薬を散布する散布機械を牽引するトラクター、農薬を散布するドローンなどを含む。
【0015】
作業装置30が圃場400を移動して作業を行うとき、作業者は、作業装置30に圃場400に対応する作業データ300を設定する。例えば、
図3に示すように、第1圃場400-1と、第2圃場400-2と、第3圃場400-3と、第4圃場400-4とにおいて作業装置30が作業を行うとする。この場合、第1圃場400-1で作業を行うために、作業者は、第1圃場400-1での作業を開始するときに、作業装置30に第1圃場400-1に対応する作業データ300を設定する。作業装置30が第1圃場400-1での作業を終了すると、作業者は、作業装置30が第2圃場400-2で作業を行うために、作業装置30に第2圃場400-2に対応する作業データ300を設定する。このように、各圃場400での作業を開始する直前に、作業者は、対応する作業データ300を作業装置30に設定する必要がある。
【0016】
ここで、データ管理装置100は、複数の圃場400に対応する作業データ300を統合した統合作業データを生成する。例えば、統合作業データは、第1圃場400-1に対応する作業データ300と、第2圃場400-2に対応する作業データ300と、第3圃場400-3に対応する作業データ300と、第4圃場400-4に対応する作業データ300とを含む。作業者は、圃場400での作業を行うとき、作業装置30に統合作業データを設定する。この場合、作業装置30が第1圃場400-1での作業を終了して、第2圃場400-2の作業を開始するとき、作業装置30には第2圃場400-2に対応する作業データ300を含む統合作業データが設定されている。このため、第2圃場400-2の作業を開始する直前に、作業者は、第2圃場400-2に対応する作業データ300を作業装置30に設定することなく、第2圃場400-2での作業を開始する。
【0017】
このように、データ管理システム1000が複数の圃場400に対応する作業データ300を統合した統合作業データを生成することで、作業者は、複数の圃場400での作業を効率的に行うことができる。
【0018】
(データ管理システムの構成)
データ管理システム1000に含まれるデータ管理装置100の構成を説明する。データ管理装置100は、
図1に示すように、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。データ管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置110は省略されてもよい。
【0019】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置130は、端末200から受信した信号を演算装置120に転送する。また、演算装置120が生成した信号を端末200に転送する。通信装置130は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0020】
記憶装置140は、統合作業データを生成するための様々なデータ、例えば作業データ300と、データ管理プログラム310とを格納する。記憶装置140は、データ管理プログラム310を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。データ管理プログラム310は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0021】
作業データ300は、
図2に示すように、第1方向に延びる第1線分511と、第2方向に延びる第2線分512とで分割された複数の小領域510に対する作業量(例えば散布量)を表す。第1方向は、例えば南北方向、より具体的には経線の延びる方向を表し、第1線分511は、例えば経線に沿って延びている。第2方向は、例えば東西方向、より具体的には緯線の延びる方向を表し、第2線分512は、例えば緯線に沿って延びている。各小領域510の第1方向における長さを表す第1距離521は互いに等しい。また、各小領域510の第2方向における長さを表す第2距離522も互いに等しい。第2距離522は、第1距離521と等しくともよく、異なってもよい。第1距離521は、隣接する第1線分511の間の経度差により表されてもよい。第2距離522は、隣接する第2線分512の間の緯度差により表されてもよい。
【0022】
作業データ300は、作業データ300の領域の位置を表す基準位置520の位置情報、例えば緯度と経度とを表す情報を有する。基準位置520は、例えば、作業データ300が表す領域のうち、最も第1方向にある第1線分511と、最も第2方向にある第2線分512との交点を表す。各小領域510の範囲は、基準位置520と、第1距離521と、第2距離522と、作業データ300における小領域510の位置により表される。
【0023】
作業データ300は、予め生成されている。例えば、作業データ300は、前年に収穫された収量を小領域ごとに平均化して表した収量マップに基づき生成されている。例えば、収量の小さい小領域に散布する肥料の量が収量の大きい小領域に散布する肥料の量より大きくなるように、作業データ300は生成されている。また、作業データ300は、収穫前にドローンに搭載した撮像装置により取得されたNDVI(Normalized Difference Vegetation Index)情報を小領域ごとに平均化して表した生育マップに基づき生成されてもよい。
【0024】
図1に示す演算装置120は、データ管理プログラム310を記憶装置140から読み出し実行して、統合作業データを生成するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0025】
演算装置120は、データ管理プログラム310を読み出し実行することで、
図4に示すように、データ記憶部150と、データ生成部160と、出力部170とを実現する。データ記憶部150は、作業データ300を記憶する。データ生成部160は、作業データ300に基づき、統合作業データを生成する。出力部170は、データ生成部160により生成された統合作業データを端末200に出力する。
【0026】
データ生成部160は、データ領域決定部162と、作業データ設定部164とを備える。データ領域決定部162は、作業を行う圃場400の領域に基づき、統合作業データが表す領域を決定する。作業データ設定部164は、作業データ300に基づき、統合作業データに作業量を設定する。
【0027】
統合作業データ600は、
図5に示すように、第1方向に延びる第1統合線分611と、第2方向に延びる第2統合線分612とで囲まれた統合小領域610に対して行われる作業量を表す。統合作業データ600の第1統合線分611の延びる第1方向は、作業データ300の第1線分511の延びる第1方向と同じであり、第1統合線分611は、例えば経線に沿って延びている。また、統合作業データ600の第2統合線分612の延びる第2方向は、作業データ300の第2線分512の延びる第2方向と同じであり、第2統合線分612は、例えば緯線に沿って延びている。
【0028】
第1統合距離621は、統合小領域610の第1方向における距離を表し、隣接する第1統合線分611の間の経度差により表されてもよい。第2統合距離622は、統合小領域610の第2方向における距離を表し、隣接する第2統合線分612の間の緯度差により表されてもよい。各統合小領域610の第1統合距離621は互いに等しい緯度差を有する。また、各統合小領域610の第2統合距離622は互いに等しい経度差を有する。また、各統合小領域610の大きさは互いに等しくなるように第1統合線分611と第2統合線分612とが設けられてもよい。また、各統合小領域610の第1統合距離621は互いに等しくてもよい。また、各統合小領域610の第2統合距離622は互いに等しくてもよい。
【0029】
統合作業データ600は、統合作業データ600の領域の位置を表す統合基準位置620の位置情報、例えば緯度と経度とを表す情報を有する。統合基準位置620は、例えば、統合作業データ600が表す領域のうち、最も第1方向にある第1統合線分611と最も第2方向にある第2統合線分612との交点を表す。
【0030】
次に、端末200の構成を説明する。端末200は、
図1に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。端末200は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0031】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置230は、データ管理装置100から取得する情報を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号をデータ管理装置100に転送する。通信装置230は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0032】
記憶装置240は、統合作業データ600を作業装置30に設定するための様々なデータ、例えば設定プログラム320を格納する。記憶装置240は、設定プログラム320を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。設定プログラム320は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。設定プログラム320は、記憶媒体1に記録されて提供されてもよい。
【0033】
演算装置220は、設定プログラム320を読み出し実行することで、統合作業データ600を作業装置30に設定するための様々なデータ処理を行う。演算装置220は、例えば、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0034】
演算装置220は、設定プログラム320を読み出し実行すると、入出力装置210と協働して、
図4に示すように、設定部250を実現する。設定部250は、複数の圃場400に対応する統合作業データ600の生成を要求する要求操作を受け付ける。また、設定部250は、データ管理装置100から統合作業データ600を取得して、作業装置30に設定する。
【0035】
(データ管理システムの動作)
図1に示すデータ管理装置100の演算装置120は、データ管理装置100が起動すると、データ管理プログラム310を実行する。また、作業者は、設定プログラム320を起動するための起動操作を端末200の入出力装置210に入力する。端末200の演算装置220は、作業者による入力操作が入力されると、設定プログラム320を実行し、データ管理方法である
図6に示す処理を開始する。
【0036】
ステップS110において、演算装置220により実現される設定部250は、統合作業データ600の要求操作を受け付ける。例えば、設定部250は、データ管理装置100に登録されている圃場400を表す情報を出力する。作業者は、出力された情報から、生成する統合作業データ600に対応する複数の圃場400を選択する要求操作を入出力装置210に入力する。設定部250は、要求操作に基づき、統合作業データ600に対応する圃場400を表す要求情報をデータ管理装置100に送信する。設定部250は、作業者による選択操作が入力されることなく、登録された圃場400の統合作業データ600を生成するための要求情報を送信してもよい。
【0037】
ステップS120において、データ管理装置100のデータ領域決定部162は、統合作業データ600の領域を決定する。例えば、データ領域決定部162は、
図5に示す統合基準位置620を決定する。例えば、データ領域決定部162は、選択された圃場400のうち最も第1方向にある点を通る第2統合線分612と、選択された圃場400のうち最も第2方向にある点を通る第1統合線分611との交点を統合基準位置620として決定する。
【0038】
また、データ領域決定部162は、第1統合距離621と、第2統合距離622とを決定する。例えば、データ領域決定部162は、選択された圃場400に対応する複数の作業データ300において、小領域510の第1距離521の最小値を第1統合距離621として決定する。また、第2統合距離622は、選択された圃場400に対応する複数の作業データ300において、小領域510の第2距離522の最小値に決定される。
【0039】
さらに、データ領域決定部162は、生成する統合作業データ600の第1方向の距離と、第2方向の距離とを決定する。例えば、データ領域決定部162は、選択された圃場400のすべての領域を含む、第1統合距離621の整数倍である距離を統合作業データ600の第1方向の距離として決定する。また、統合作業データ600の第2方向の距離は、選択された圃場400のすべての領域を含む距離に決定される。
【0040】
データ領域決定部162は、統合作業データ600の統合小領域610の作業量として、初期値を設定する。初期値は、作業を行わないことを表す値、例えば0を表す。また、初期値は、作業装置30が作業を行うことができる最小値でもよい。
【0041】
図6に示すステップS130において、作業データ設定部164は、対象の圃場400の作業データ300を統合作業データ600に設定する。具体的には、作業データ設定部164は、
図2に示す圃場400の作業データ300の小領域510に設定された作業量を、
図5に示す小領域510に対応する統合作業データ600の統合小領域610に設定する。
【0042】
作業データ設定部164は、例えば、
図7に示す方法を用いて、圃場400の作業データ300を統合作業データ600に設定する。ステップS131において、作業データ設定部164は、対象の圃場400から1つの圃場400を選択する。例えば、
図5に示す例において、作業データ設定部164は第2圃場400-2を選択する。
【0043】
図7に示すステップS132において、作業データ設定部164は、統合作業データ600から、作業データ300の作業量を設定する統合小領域610を決定する。例えば、作業データ設定部164は、作業データ300に含まれる小領域510に対応する統合小領域610を決定する。決定された統合小領域610は、対応する小領域510の作業量を設定する統合小領域610を表す。
【0044】
最初に、作業データ設定部164は、
図8に示すように、作業データ300の基準位置520が、統合作業データ600の第1統合線分611と第2統合線分612との交点630に重なるかを判定する。作業データ300の基準位置520が統合作業データ600の交点630に重ならないとき、作業データ設定部164は、基準位置520が統合作業データ600の交点630に重なるように、作業データ300の領域を移動する。例えば、作業データ設定部164は、基準位置520より第1方向にあり、基準位置520に最も近い第1統合線分611と、基準位置520より第2方向にあり、基準位置520に最も近い第2統合線分612とを選択する。選択された第1統合線分611と第2統合線分612との交点630に基準位置520が重なるように、作業データ300の表す領域が移動される。
【0045】
ここで、統合小領域610の第1統合距離621は、複数の作業データ300の小領域510における第1距離521の最小値を表し、第2統合距離622は、複数の作業データ300の小領域510における第2距離522の最小値を表す。このため、第1統合距離621が第1距離521以下であり、かつ、第2統合距離622が第2距離522以下であるため、作業データ300の領域を移動すると、小領域510は統合小領域610を含む。
【0046】
次に、作業データ設定部164は、基準位置520を統合作業データ600の交点630に重ねた状態で、作業データ300の小領域510の位置に基づき、小領域510に対応する統合作業データ600の統合小領域610を決定する。例えば、作業データ設定部164は、小領域510が表す領域に含まれる統合作業データ600を、その小領域510に対応する統合小領域610として決定する。
【0047】
次に、作業データ設定部164は、統合小領域610のうち、移動前の作業データ300の領域に含まれており、かつ、移動後の作業データ300の領域に含まれていない境界小領域を検出する。例えば、
図9に示すように、作業データ300の領域を移動することで、作業データ300の上端線分512-1は1つの第1統合線分612-1に重なり、右端線分511-1は1つの第2統合線分611-1に重なったとする。この場合、作業データ300の移動前において、第1統合小領域610-1と、第2統合小領域610-2と、第3統合小領域610-3と、第4統合小領域610-4と、第7統合小領域610-7とは領域に含まれる。しかし、作業データ300を移動することで、これらの統合小領域610は作業データ300の領域に含まれなくなる。このため、境界小領域は、第1統合小領域610-1と、第2統合小領域610-2と、第3統合小領域610-3と、第4統合小領域610-4と、第7統合小領域610-7とを含む。
【0048】
最後に、作業データ設定部164は、移動前に作業データ300の領域に含まれ、かつ、移動後に作業データ300の領域に含まれない境界小領域に対応する小領域510を決定する。例えば、作業データ設定部164は、境界小領域に隣接する統合小領域610に対応する小領域510を、その境界小領域に対応する小領域510として決定する。例えば、
図9に示す例において、第1統合小領域610-1に対応する小領域510は、第5統合小領域610-5に対応する小領域510に決定される。第2統合小領域610-2に対応する小領域510は、第5統合小領域610-5に対応する小領域510に決定される。第3統合小領域610-3に対応する小領域510は、第6統合小領域610-6に対応する小領域510に決定される。第4統合小領域610-4に対応する小領域510は、第5統合小領域610-5に対応する小領域510に決定される。第7統合小領域610-7に対応する小領域510は、第8統合小領域610-8に対応する小領域510に決定される。
【0049】
図7に示すステップS133において、作業データ設定部164は、2つ以上の圃場400の領域を含む統合小領域610を検出する。例えば、作業データ設定部164は、
図10に示すように、第1圃場400-1に含まれる第1領域401と、第2圃場400-2に含まれる第2領域402とを含む第9統合小領域610-9を検出する。2つ以上の圃場400の領域を含む統合小領域610(以下、重複小領域とも呼ぶ)の作業量は、その統合小領域610に含まれる複数の圃場400の作業データ300に基づき、設定される。
【0050】
図7に示すステップS134において、作業データ設定部164は、小領域510に設定された作業量に基づき、統合小領域610の作業量を設定する。統合小領域610は、2つ以上の圃場400の領域を含む統合小領域610を除き、小領域510に設定された作業量を、その小領域510に対応する統合小領域610の作業量として設定する。例えば、
図8に示すように、作業データ設定部164は、作業データ300の領域を移動することで、小領域510の作業量を、対応する統合小領域610の作業量として設定する。
【0051】
図9に示す例において、第1統合小領域610-1に対応する小領域510は、第5統合小領域610-5に対応する小領域510である。このため、第1統合小領域610-1の作業量として、第5統合小領域610-5に対応する小領域510の作業量が設定される。同様に、第2統合小領域610-2の作業量として、第5統合小領域610-5に対応する小領域510の作業量が設定される。第3統合小領域610-3の作業量として、第6統合小領域610-6に対応する小領域510の作業量が設定される。第4統合小領域610-4の作業量として、第5統合小領域610-5に対応する小領域510の作業量が設定される。第7統合小領域610-7の作業量として、第8統合小領域610-8に対応する小領域510の作業量が設定される。
【0052】
このため、移動前に作業データ300の領域に含まれ、かつ、移動後に作業データ300の領域に含まれない境界小領域の作業量として、隣接する統合小領域610に設定される作業量が設定される。第1統合小領域610-1の作業量として、隣接する第5統合小領域610-5に設定される作業量が設定される。第2統合小領域610-2の作業量として、隣接する第5統合小領域610-5に設定される作業量が設定される。第3統合小領域610-3の作業量として、隣接する第6統合小領域610-6に設定される作業量が設定される。第4統合小領域610-4の作業量として、隣接する第5統合小領域610-5に設定される作業量が設定される。第7統合小領域610-7の作業量として、隣接する第8統合小領域610-8に設定される作業量が設定される。
【0053】
図10に示すように、2つ以上の圃場400の領域を含む重複小領域、例えば第9統合小領域610-9の作業量は、その2つ以上の圃場400に対応する作業データ300の小領域510に設定された作業量に基づき、設定される。例えば、重複小領域の作業量は、その重複小領域に含まれる圃場400の面積の比率と、対応する小領域510の作業量とに基づき、設定される。例えば、重複小領域の作業量は、その重複小領域に含まれる圃場400の面積の比率と、圃場400に対応する作業データ300の小領域510の作業量とを積算し、積算された作業量を合計して算出される。このように、
図10に示すように、第1圃場400-1と第2圃場400-2との間に圃場400に含まれない領域があるとき、この領域の面積は、作業量の算出に用いられなくてもよい。
【0054】
図10に示す例において、第9統合小領域610-9の作業量は、第1領域401の面積と第2領域402の面積との比率と、第1圃場400-1の作業データ300の作業量と、第2圃場400-2の作業データ300の作業量とに基づき決定される。ここで、第9統合小領域610-9に対応する第1圃場400-1の作業データ300の小領域510を第1小領域と呼ぶ。また、第9統合小領域610-9に対応する第2圃場400-2の作業データ300の小領域510を第2小領域と呼ぶ。例えば、第1領域401の面積と第2領域402の面積とが等しいとき、第9統合小領域610-9の作業量は、第1小領域の作業量と、第2小領域の作業量との平均値に設定される。また、第1領域401の面積が第2領域402の面積の2倍であるとき、第9統合小領域610-9の作業量は、第1小領域の作業量の2/3に、第2小領域の作業量の1/3を加えた値に設定される。
【0055】
図7に示すステップS135において、作業データ設定部164は、対象の圃場400のうち、すべての圃場400が選択されたかを判定する。対象の圃場400のうち、選択されていない圃場400があるとき、作業データ設定部164は、ステップS131の処理に戻り、選択されていない圃場400を選択して、処理を繰り返す。すべての圃場400が選択されているとき、統合作業データ600の生成は終了し、処理は、
図6に示すステップS140に移行する。
【0056】
図6に示すステップS140において、出力部170は、生成された統合作業データ600を端末200に出力する。
【0057】
ステップS150において、端末200の設定部250は、統合作業データ600をデータ管理装置100の出力部170から取得する。設定部250は、取得された統合作業データ600に対応する圃場400を表す画像を入出力装置210に表示してもよい。例えば、設定部250は、取得された統合作業データ600に対応する圃場400を地図上に表した画像を表示する。
【0058】
取得された統合作業データ600は、作業装置30に登録され、作業装置30が複数の圃場400、例えば
図3に示す第1圃場400-1と、第2圃場400-2と、第3圃場400-3と、第4圃場400-4とで作業を行うときに使用される。例えば、統合作業データ600は、端末200から外部記憶装置、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリなどに記録され、作業装置30に登録される。
【0059】
このように、統合作業データ600は複数の圃場400における作業量、例えば肥料の散布量を含むため、作業者は、統合作業データ600を作業装置30に1回登録することで、複数の圃場400における作業を行うことができる。データ管理システム1000は、作業者による圃場400の作業負荷を低減する。
【0060】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。
図2、5に示す第1方向と第2方向とが直交する例を示したが、これに限定されない。第1方向に延びる第1線分511と第2方向に延びる第2線分512とが交差するように、第1方向と第2方向との成す角度は、鋭角でも、鈍角でもよい。
【0061】
1つの作業データ300において、
図2に示す小領域510の第1距離521は、少なくとも他の1つの小領域510の第1距離521と異なってもよい。また、1つの作業データ300において、小領域510の第2距離522は、少なくとも他の1つの小領域510の第2距離522と異なってもよい。1つの統合作業データ600において、
図5に示す統合小領域610の第1統合距離621は、少なくとも他の1つの統合小領域610の第1統合距離621と異なってもよい。また、1つの統合作業データ600において、統合小領域610の第2統合距離622は、少なくとも他の1つの統合小領域610の第2統合距離622と異なってもよい。
【0062】
図2に示す作業データ300の基準位置520は、作業データ300の領域の位置を表すことができれば、任意の位置に設定されてもよい。例えば、基準位置520は、
図2に示す第1線分511と第2線分512との交点のいずれか1つの位置を表してもよい。また、基準位置520は、第1方向において、作業データ300の領域の端を表す位置、例えば最も第1方向の位置、または、最も第1方向の反対方向の位置を表してもよい。また、基準位置520は、第2方向において、作業データ300の領域の端を表す位置、例えば最も第2方向の位置、または、最も第2方向の反対方向の位置を表してもよい。
【0063】
また、基準位置520は、第1線分511と第2線分512との交点の位置を表さなくてもよい。例えば、基準位置520は、作業データ300の領域の幾何中心位置を表してもよい。
【0064】
図5に示す統合作業データ600の統合基準位置620は、作業データ300の基準位置520と同様に、統合作業データ600の領域の位置を表すことができれば、任意の位置に設定されてもよい。例えば、統合基準位置620は、
図5に示す第1統合線分611と第2統合線分612との交点のいずれか1つの位置を表してもよい。また、統合基準位置620は、第1方向において、統合作業データ600の領域の端の位置を表してもよい。また、統合基準位置620は、第2方向において、統合作業データ600の領域の端の位置を表してもよい。また、統合基準位置620は、第1統合線分611と第2統合線分612との交点の位置を表さなくてもよい。
【0065】
例えば、
図6のステップS120において、データ領域決定部162は、選択された圃場400のうち第1方向における端点を通る第2統合線分612と、第2方向における端点を通る第1統合線分611との交点を統合基準位置620として決定してもよい。この場合、統合基準位置620は、第1方向と第2方向との両方において、統合作業データ600の領域の端の位置を表す。例えば、統合基準位置620は、統合作業データ600の領域において、最も第1方向にあり、かつ、最も第2方向にある位置を表す。また、統合基準位置620は、統合作業データ600の領域において、最も第1方向の反対方向にあり、かつ、最も第2方向にある位置を表してもよい。統合基準位置620は、統合作業データ600の領域において、最も第1方向にあり、かつ、最も第2方向の反対方向にある位置を表してもよい。統合基準位置620は、統合作業データ600の領域において、最も第1方向の反対方向にあり、かつ、最も第2方向の反対方向にある位置を表してもよい。
【0066】
図6のステップS120において、データ領域決定部162は、
図5に示す第1統合距離621と、第2統合距離622とを任意の長さに決定してもよい。例えば、選択された圃場400に対応する複数の作業データ300において、小領域510の第1距離521の最大値が第1統合距離621として決定されてもよい。また、小領域510の第1距離521の平均値が第1統合距離621として決定されてもよい。
【0067】
図7に示すステップS132において、作業データ設定部164は、
図8に示すように、作業データ300の基準位置520が統合作業データ600の交点630に重なるかを判定したが、これに限定されない。作業データ設定部164は、作業データ300の第1線分511と第2線分512との交点のうち1つが統合作業データ600の交点630に重なるかを判定してもよい。
【0068】
例えば、作業データ設定部164は、第1線分511と第2線分512との交点のうち、第1方向と第2方向との両方において、端に位置する交点が統合作業データ600の交点630に重なるかを判定してもよい。例えば、作業データ設定部164は、第1線分511と第2線分512との交点のうち、最も第1方向にあり、かつ、最も第2方向にある交点が統合作業データ600の交点630に重なるかを判定してもよい。また、作業データ設定部164は、最も第1方向の反対方向にあり、かつ、最も第2方向にある交点が統合作業データ600の交点630に重なるかを判定してもよい。また、作業データ設定部164は、最も第1方向にあり、かつ、最も第2方向の反対方向にある交点が統合作業データ600の交点630に重なるかを判定してもよい。また、作業データ設定部164は、最も第1方向の反対方向にあり、かつ、最も第2方向の反対方向にある交点が統合作業データ600の交点630に重なるかを判定してもよい。
【0069】
また、
図7に示すステップS132において、作業データ設定部164は、
図8に示す基準位置520が、基準位置520を含む統合小領域610のいずれかの頂点に重なるように、作業データ300の領域を移動してもよい。ここで、統合小領域610の頂点は、統合小領域610を囲む2つの第1統合線分611と2つの第2統合線分612との交点を表す。例えば、基準位置520が、基準位置520を含む統合小領域610の頂点のうち、最も近い頂点に重なるように、作業データ設定部164は作業データ300の領域を移動してもよい。
【0070】
図7に示すステップS134において、統合作業データ600の1つの統合小領域610に作業データ300の複数の小領域510が含まれるとき、作業データ設定部164は、統合小領域610に含まれる複数の小領域510の作業量に基づき、その統合小領域610の作業量を設定してもよい。例えば、作業データ設定部164は、複数の小領域510の作業量のうちの最小値を統合小領域610の作業量として設定してもよい。また、統合小領域610の作業量は、複数の小領域510の作業量のうちの統計値、例えば最大値、平均値などに設定されてもよい。
【0071】
作業データ設定部164は、統合小領域610に含まれる複数の小領域510の作業量と、小領域510の面積の比率とに基づき、その統合小領域610の作業量を設定してもよい。例えば、統合小領域610の作業量は、その統合小領域610に含まれる小領域510の面積の比率と、小領域510の作業量とを積算し、積算された作業量を合計して算出されてもよい。
【0072】
また、
図7に示すステップS134において、
図9に示す境界小領域、具体的には移動前に作業データ300の領域に含まれ、かつ、移動後に作業データ300の領域に含まない統合小領域610のうち、圃場400の領域に含まれる統合小領域610のみに作業量が設定されてもよい。例えば、
図9に示す例において、第1統合小領域610-1と、第2統合小領域610-2と、第3統合小領域610-3とが圃場400の領域を含まず、第4統合小領域610-4と、第7統合小領域610-7とが圃場400の領域を含むとする。この場合、第1統合小領域610-1と、第2統合小領域610-2と、第3統合小領域610-3とには、作業データ300の小領域510に設定された作業量が設定されない。第4統合小領域610-4には、第5統合小領域610-5に対応する小領域510に設定された作業量が設定され、第7統合小領域610-7には、第8統合小領域610-8に対応する小領域510に設定された作業量が設定される。
【0073】
また、
図7に示すステップS134において、
図10に示す重複小領域、具体的には複数の圃場400の領域を含む第9統合小領域610-9に、重複小領域に含まれる圃場400の領域の面積によらず、作業量が設定されてもよい。例えば、作業データ設定部164は、複数の圃場400に対応する作業データ300において、重複小領域に対応する小領域510の作業量を取得し、取得された作業量の統計値、例えば最小値、最大値、平均値などを重複小領域の作業量として設定してもよい。例えば、取得された作業量の最小値が設定されたとしても、作業者は、作業装置30による作業が終わった後に、不足した資材、例えば肥料、農薬などを追加で散布してもよい。
【0074】
作業データ設定部164は、
図6に示すステップS130の処理の後に、圃場400の領域を含まない統合小領域610の作業量として、作業を行わないことを表す値、例えば0を設定してもよい。また、圃場400の領域を含まない統合小領域610の作業量として、作業装置30が行うことができる最小値が設定されてもよい。また、圃場400の領域を含まない統合小領域610の作業量として、統合作業データ600に設定された作業量のうち、最小値が設定されてもよい。
【0075】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、
図1に示すデータ管理システム1000に端末200は含まれなくてもよい。端末200は作業装置30に組み込まれてもよい。また、データ管理装置100の処理は、すべてまたは一部が端末200で実行されてもよい。また、端末200の処理は、すべてまたは一部がデータ管理装置100で実行されてもよい。また、データ管理プログラム310は、設定プログラム320を含んでもよい。
【符号の説明】
【0076】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
30 :作業装置
100 :データ管理装置
110 :入出力装置
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :データ記憶部
160 :データ生成部
162 :データ領域決定部
164 :作業データ設定部
170 :出力部
200 :端末
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :設定部
300 :作業データ
310 :データ管理プログラム
320 :設定プログラム
400 :圃場
401 :第1領域
402 :第2領域
510 :小領域
511 :第1線分
511-1:右端線分
512 :第2線分
512-1:上端線分
520 :基準位置
521 :第1距離
522 :第2距離
600 :統合作業データ
610 :統合小領域
611 :第1統合線分
611-1:右端線分が重なる第1統合線分
612 :第2統合線分
612-1:上端線分が重なる第2統合線分
621 :第1統合距離
622 :第2統合距離
630 :交点
1000 :データ管理システム