(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】端末装置、画像形成装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20250331BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20250331BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20250331BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20250331BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
H04N1/00 127A
G06F3/12 321
G06F3/12 329
B41J29/38 104
G03G21/00 388
G03G21/00 386
(21)【出願番号】P 2021139322
(22)【出願日】2021-08-27
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】板井 力
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-181243(JP,A)
【文献】特開2008-118534(JP,A)
【文献】特開2002-144676(JP,A)
【文献】特開2013-109678(JP,A)
【文献】特開2013-251600(JP,A)
【文献】特開2014-078269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/12
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作モードとして省エネモードと通常モードとを切り替え可能な複数の画像形成装置と通信可能な通信部と、制御部とを備え、
前記制御部は、
前記複数の画像形成装置から動作モードを含む装置情報を前記通信部を介して受信し、
前記装置情報に基づいて、前記複数の画像形成装置の動作モードの状態を表示し、
前記表示した前記複数の画像形成装置の中から、選択された前記画像形成装置に対して動作モードを切り替える要求信号を前記通信部を介して送信
し、
前記複数の画像形成装置に優先順位を設定し、
前記優先順位に応じて、前記画像形成装置の動作モードの状態を表示
し、
ユーザによって使用されることが選択された機能が最後に使用された日時が新しい前記画像形成装置ほど高い前記優先順位を設定する
ことを特徴とする
端末装置。
【請求項2】
動作モードとして省エネモードと通常モードとを切り替え可能な複数の画像形成装置と通信可能な通信部と、制御部とを備え、
前記制御部は、
前記複数の画像形成装置から動作モードを含む装置情報を前記通信部を介して受信し、
前記装置情報に基づいて、前記複数の画像形成装置の動作モードの状態を表示し、
前記表示した前記複数の画像形成装置の中から、選択された前記画像形成装置に対して動作モードを切り替える要求信号を前記通信部を介して送信し、
前記複数の画像形成装置に優先順位を設定し、
前記優先順位に応じて、前記画像形成装置の動作モードの状態を表示し、
前記画像形成装置が、前記省エネモードから前記通常モードに切り替わるまでに必要な時間が短い前記画像形成装置ほど高い前記優先順位を設定する
端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記複数の画像形成装置の動作モードの状態の表示とは別に、前記優先順位の最も高い前記画像形成装置を選択するためのボタンを表示し、
前記ボタンが選択されたとき、前記優先順位が最も高い画像形成装置に対して前記要求信号を送信する
ことを特徴とする請求項
1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
請求項1から
3の何れか一項に記載された端末装置と通信可能な通信部と、制御部とを備え、
前記制御部は、
前記端末装置に、動作モードを含む装置情報を送信し、
前記端末装置から、前記通信部を介して、動作モードを省エネモードから通常モードに切り替える要求信号を受信し、
前記要求信号に基づき、前記動作モードを省エネモードから通常モードに切り替える
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリンタや複合機(MFP;Multi-Function Peripheral/Printer)といった画像形成装置が利用されている。また、画像形成装置には、通常モードと、通常モードよりも消費電力が小さい省エネモードとに動作モードを切り替えて動作するものもある。
【0003】
また、省エネモードから通常モードへ移行させるための技術も提案されている。例えば、処理の要求先の複合機(選択装置)が省エネモードであるとき、他の複合機が選択装置にウェイクオン要求を送信し、選択装置は受信したウェイクオン要求に応じて、通常モードへの復帰動作を実行する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、少なくとも1の複合機は通常モードである必要があり、全ての画像形成装置を同時に省エネモードにできない。一方、省エネモードから通常モードに移行させる他の技術としては、人感センサを用いて、ユーザが近づいたときに省エネモードから通常モードに切り替える(起動させる)技術が存在する。しかし、複数の画像形成装置が近接して配置されている場所にユーザが近接したとき、当該複数の画像形成装置によって当該ユーザを検知されることにより、当該複数の画像形成装置の全てが起動してしまう。この結果、ユーザが使用を所望しない画像形成装置まで起動してしまい、電力が無駄に消費されることになるため、エコの観点では好ましくない。このように、起動させる画像形成装置を適切に選択できないという課題がある。
【0006】
本開示は上述した課題に鑑み、画像形成装置の動作モードを適切に切り替えることが可能な端末装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本開示に係る端末装置は、動作モードとして省エネモードと通常モードとを切り替え可能な複数の画像形成装置と通信可能な通信部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記複数の画像形成装置から動作モードを含む装置情報を前記通信部を介して受信し、前記装置情報に基づいて、前記画像形成装置の動作モードの状態を表示し、前記表示した前記画像形成装置の中から、選択された前記画像形成装置に対して動作モードを切り替える要求信号を前記通信部を介して送信することを特徴とする。
【0008】
本開示に係る画像形成装置は、端末装置と通信可能な通信部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記端末装置に、動作モードを含む装置情報を送信し、前記端末装置から、前記通信部を介して、動作モードを省エネモードから通常モードに切り替える要求信号を受信し、前記要求信号に基づき、前記動作モードを省エネモードから通常モードに切り替えることを特徴とする。
【0009】
本開示に係るシステムは、複数の画像形成装置と、端末装置とを含むシステムにおいて、前記画像形成装置は、動作モードとして省エネモードと通常モードとを切り替える切替部を有し、前記端末装置は、前記複数の画像形成装置から前記動作モードを含む装置情報を受信する受信部と、前記装置情報に基づいて、前記画像形成装置の動作モードの状態を表示する表示部と、前記表示した前記画像形成装置の中から、選択された前記画像形成装置に対して動作モードを切り替える要求信号を送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、画像形成装置の動作モードを適切に省エネモードから通常モードに切り替えることが可能な端末装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態におけるシステムの全体構成を説明するための図である。
【
図2】第1実施形態における端末装置の機能構成を説明するための図である。
【
図3】第1実施形態における装置情報のデータ構造を説明するための図である。
【
図4】第1実施形態における画像形成装置の機能構成を説明するための図である。
【
図5】第1実施形態における処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図6】第1実施形態における画像形成装置の処理の流れを説明するためのフロー図である。
【
図7】第1実施形態における動作モード切替処理の流れを説明するためのフロー図である。
【
図8】第1実施形態における復帰処理の流れを説明するためのフロー図である。
【
図9】第1実施形態における端末装置の流れを説明するためのフロー図である。
【
図10】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図11】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図12】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図13】第2実施形態における端末装置の機能構成を説明するための図である。
【
図14】第2実施形態における優先順位情報のデータ構造を説明するための図である。
【
図15】第2実施形態における処理の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図16】第2実施形態における処理の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図17】第2実施形態における通信履歴情報のデータ構造を説明するための図である。
【
図18】第2実施形態における処理の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図19】第2実施形態における使用機能履歴のデータ構造を説明するための図である。
【
図20】第2実施形態における処理の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図21】第2実施形態における処理の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図22】第3実施形態における処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図23】第3実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図24】第4実施形態におけるシステムの全体構成を説明するための図である。
【
図25】第4実施形態における画像形成装置の機能構成を説明するための図である。
【
図26】第4実施形態における管理装置の機能構成を説明するための図である。
【
図27】第4実施形態における処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図28】第4実施形態における管理装置の処理の流れを説明するためのフロー図である。
【
図29】第4実施形態における画像形成装置の処理の流れを説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本開示を実施するための実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した発明の技術的範囲が、以下の記載に限定されるものではない。
【0013】
[1.第1実施形態]
[1.1 全体構成]
図1を参照して、本実施形態におけるシステム1について説明する。本実施形態のシステム1は、
図1に示すように、端末装置10と、画像形成装置20とが、ネットワークNWを介して接続されて構成される。ネットワークNWは、例えば、LAN(Local Area Network)であるが、各装置が相互に情報を交換可能であればよく、インターネット等であってもよい。
【0014】
端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット、PC(Personal Computer)等によって構成される情報処理装置である。特に、本実施形態の端末装置10は、画像形成装置20を操作することが可能な、スマートフォン等の外部端末である。
【0015】
画像形成装置20は、所定の画像を記録用紙等の記録媒体に形成(印刷)することが可能な装置である。例えば、画像形成装置20は、コピー機能、印刷機能、スキャン機能、メール送信機能等を有するデジタル複合機(MFP;Multi-Function Printer/Peripheral)である。なお、
図1に示すように、ネットワークNWには、複数の画像形成装置20(20a、20b)が接続されていてもよい。
【0016】
また、本実施形態の画像形成装置20は、主電源がONであるとき、画像形成装置20の各機能部への電源の供給状態に対応する動作モードを切り替えて動作する。本実施形態の画像形成装置20は、動作モードとして、画像形成装置20の各機能部に電源を供給するモードである通常モード(起動中)と、最低限の動作に必要な機能部のみに電源を供給するモードである省エネモード(省エネ中)とを有することとして説明する。すなわち、省エネモードは、通常モードに比べて、消費電力が小さいモードである。
【0017】
通常モードは、ユーザから操作や処理の内容が入力された場合、直ちに、入力された操作を受理したり、入力された処理の内容を実行したりするために、画像形成装置20の各機能部に電源を供給するモードであってもよい。一方、省エネモードである場合、画像形成装置20が備える機能部のうち、画像入力部220、画像形成部230、表示部240への電源の供給を停止したり、通信部290に対して有線通信のみができる程度の電力を供給したりするモードであってもよい。なお、本実施形態では、省エネモードであっても、画像形成装置20の装置情報を端末装置10に送信するための機能が動作できるように、電源が供給されることとする。なお、装置情報については後述する。
【0018】
[1.2 機能構成]
[1.2.1 端末装置]
図2を参照して、本実施形態における端末装置10の機能構成について説明する。
図2に示すように、端末装置10は、制御部100と、表示部140と、操作部150と、記憶部160と、近距離無線通信部180と、通信部190とを備えて構成される。
【0019】
制御部100は、端末装置10の全体を制御する。制御部100は、記憶部160に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))により構成される。また、制御部100は、以下に説明する機能のうち、複数の機能を有するSoC(System on a Chip)として構成してもよい。
【0020】
表示部140は、各種情報を表示する。表示部140は、例えば、LCD(Liquid crystal display)、有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示装置により構成される。
【0021】
操作部150は、端末装置10を使用するユーザの操作を受け付ける。操作部150は、タッチセンサ等の入力装置によって構成される。タッチセンサにおいて入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。なお、端末装置10には、表示部140と、操作部150とが一体に形成されたタッチパネルが搭載されてもよい。
【0022】
記憶部160は、端末装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部160は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。
【0023】
記憶部160は、管理アプリケーション162を記憶し、さらに、記憶領域として、装置情報記憶領域164を確保する。
【0024】
管理アプリケーション162は、画像形成装置20を管理するアプリケーションである。管理アプリケーション162は、画像形成装置20の設定を変更したり、画像形成装置20に実行させる処理に関するデータ(処理データ)を送信したりする。
【0025】
装置情報記憶領域164は、端末装置10が検知した画像形成装置20に関する情報(装置情報)を記憶する領域である。装置情報には、例えば、
図3に示すように、画像形成装置20を一意に識別することができる情報(識別情報)であるアドレス(例えば、「D0:12:34:56:78:9A」)と、画像形成装置20の動作モードを示す情報として動作モード情報(例えば、「通常モード」)とが含まれる。
【0026】
近距離無線通信部180は、端末装置10の周囲に位置する他の装置と近距離無線通信を行う。近距離無線通信部180が用いる無線通信の方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(以下、BLE)、ZigBee(登録商標)といった、一般的に近距離の通信に用いられる無線通信の方式であれば、何れの方式であってもよい。
【0027】
なお、本実施形態では、端末装置10は、画像形成装置20と、BLEによる近距離無線通信を行うこととして説明する。
【0028】
通信部190は、外部の装置と通信を行う。通信部190は、例えば、有線/無線LAN(Local Area Network)で利用されるNIC(Network Interface Card)や、LTE(Long Term Evolution)/LTE-A(LTE-Advanced)/LAA(License-Assisted Access using LTE)/5G回線に接続可能な通信モジュールにより構成される。
【0029】
[1.2.2 画像形成装置]
図4を参照して、本実施形態における画像形成装置20の機能構成について説明する。
図4に示すように、画像形成装置20は、制御部200と、画像入力部220と、画像形成部230と、表示部240と、操作部250と、記憶部260と、近距離無線通信部280と、通信部290とを備えて構成される。
【0030】
制御部200は、画像形成装置20の全体を制御する。制御部200は、記憶部260に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU)により構成されている。
【0031】
制御部200は、記憶部260に記憶されたプログラムを実行することにより、画像処理部202、装置情報送信部204、切替部206として機能する。
【0032】
画像処理部202は、各種画像に関する処理を行う。例えば、画像処理部202は、画像入力部220によって入力された画像に対して、鮮鋭化処理や階調変換処理を実行する。
【0033】
装置情報送信部204は、近距離無線通信部280を介して、画像形成装置20の装置情報を送信する処理を行う。
【0034】
例えば、装置情報送信部204は、画像形成装置20の動作モード情報を含む装置情報をアドバタイジングデータ(アドバタイジングパケット)に含み、定期的に(例えば、数百ミリ秒から1秒間隔で)ブロードキャスト送信する。この場合、装置情報送信部204は、アドバタイジングPDU(Packet Data Unit)に装置情報を含むBLE通信パケットを、近距離無線通信部280を介して定期的に送信してもよい。また、装置情報送信部204は、画像形成装置20の動作モードに関わらず装置情報を送信する。これにより、装置情報送信部204は、動作モードが省エネ状態であっても、省エネ状態であることを示す情報を端末装置10に送信することができる。
【0035】
なお、装置情報は、アドバタイジングデータ全体で示されれば十分である。例えば、装置情報送信部204は、アドバタイジングPDUに動作モード情報を含めて送信することで、アドバタイジングデータ全体として、BLEによる画像形成装置20の識別情報と、アドバタイジングPDUに含めた動作モード情報とにより装置情報を示していればよい。
【0036】
切替部206は、画像形成装置20の動作モードを、省エネモードと通常モードとのいずれかのモードに切り替える。また、切替部206は、画像形成装置20の状態に応じて、動作モードを自動的に切り替える動作モード切替処理を行う。動作モード切替処理については後述する。
【0037】
画像入力部220は、原稿を読み取り、読み取った画像のデータを入力する。例えば、画像入力部220は、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等の光学情報を電気信号に変換する機器を備えたスキャン装置等により構成され、画像形成装置20の載置台に載置された原稿を読み取る。なお、画像入力部220は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部記憶媒体に記憶された画像を読み出すためのインターフェイス(端子)により構成されてもよい。
【0038】
画像形成部230は、記録用紙等の記録媒体に対して画像を形成(印刷)する。画像形成部230は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成される。
【0039】
表示部240は、各種情報を表示する。表示部240は、例えば、LCD、有機ELディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ等の表示装置により構成される。
【0040】
操作部250は、画像形成装置20を使用するユーザの操作を受け付ける。操作部250は、ハードウェアキー(物理キー、テンキー)や、タッチセンサ等の入力装置によって構成される。なお、画像形成装置20には、表示部240と、操作部250とが一体に形成されたタッチパネルが搭載されてもよい。
【0041】
記憶部260は、画像形成装置20の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部260は、例えば、半導体メモリであるSSDや、HDD等の記憶装置により構成される。
【0042】
記憶部260は、記憶領域として、画像入力部220によって入力された画像の画像データを記憶する画像データ記憶領域262を確保する。画像データは、例えば、画像形成部230によって形成される画像を表現したデータ(印刷データ)である。
【0043】
近距離無線通信部280は、画像形成装置20の周囲に位置する他の装置と無線通信を行う。本実施形態では、端末装置10と通信可能な通信の方式であれば、何れの方式が用いられてもよい。
【0044】
通信部290は、外部の装置と通信を行う。通信部290は、例えば、有線/無線LANで利用されるNIC等の通信装置や通信モジュールにより構成される。
【0045】
[1.3 処理の流れ]
[1.3.1 全体的な処理の流れ]
図5を参照して、本実施形態における端末装置10及び画像形成装置20が実行する処理について説明する。なお、以下の説明では、端末装置10の周囲に2台の画像形成装置20(画像形成装置20a及び画像形成装置20b)が存在することとして説明する。
【0046】
まず、画像形成装置20aは、操作や処理の内容が入力されなかった時間が予め定められた時間を超えた場合等において、動作モードを省エネモードにする(S1000)。ここで、画像形成装置20aは、定期的に画像形成装置20の装置情報を端末装置10に送信している(S1002)。また、装置情報には、動作モード情報が含まれている。そのため、画像形成装置20aが送信する装置情報は、S1000において動作モードが通常モードから省エネモードになったことに伴い、動作モードが省エネモードであることを示している。
【0047】
同様にして、画像形成装置20bは、動作モードを省エネモードにする(S1004)。これに伴い、画像形成装置20bが送信する装置情報は、動作モードが省エネモードであることを示している(S1006)。
【0048】
つづいて、端末装置10は、装置情報を受信し、画像形成装置20を検知する(S1008)。例えば、端末装置10は、所定時間、近距離無線通信部180を介してアドバタイジングパケットを受信する状態にすることにより、画像形成装置20a及び画像形成装置20bから送信されるアドバタイジングパケットを受信する。
【0049】
つづいて、端末装置10は、S1008において受信した装置情報を、装置情報記憶領域164に記憶する(S1010)。
【0050】
つづいて、端末装置10は、装置情報記憶領域164から装置情報を読み出し、表示部140に画像形成装置20のリストを表示する(S1012)。画像形成装置20のリストには、例えば、画像形成装置20のアドレスや装置名、動作モードの状態を示す情報がリストの項目として含まれる。
【0051】
つづいて、端末装置10は、S1012において表示したリストの中から画像形成装置20を選択する(S1014)。ここで、画像形成装置20の選択は、例えば、ユーザの操作に基づいて行われてもよい。
【0052】
つづいて、端末装置10は、S1014において選択した画像形成装置20(
図5の例では画像形成装置20b)の装置情報に基づき、当該画像形成装置20の動作モードが省エネモードであるか否かを判定する(S1016)。端末装置10は、画像形成装置20の動作モードが省エネモードである場合、当該画像形成装置20に対して、近距離無線通信部180を介して、近距離無線通信の接続要求を送信する(S1016;Yes→S1018)。
【0053】
つづいて、端末装置10と近距離無線通信の接続要求を受信した画像形成装置20bとは、近距離無線通信の接続を確立する(S1020)。
【0054】
つづいて、端末装置10は、近距離無線通信部180を介して、起動要求を送信する(S1022)。起動要求は、画像形成装置20の動作モードを省エネモード(省エネ中)から通常モード(起動中)に切り替える要求信号である。起動要求は、例えば、動作モードを通常モードに切り替える要求を示す情報を含むBLE通信パケットである。これにより、ユーザは、画像形成装置20等のマシンを起動させることができる。
【0055】
画像形成装置20は、近距離無線通信部280を介して、端末装置10から起動要求を受信したら、動作モードを通常モードにする(S1024)。また、画像形成装置20は、近距離無線通信部280を介して、起動要求を送信した端末装置10に、起動要求応答を送信する(S1026)。起動要求応答は、起動要求に対する応答である。起動要求応答は、例えば、動作モードが通常モードになったことを示す情報を含むBLE通信パケットである。
【0056】
端末装置10は、画像形成装置20から起動要求応答を受信することにより、画像形成装置20の動作モードが通常モードになったことを判定し、当該画像形成装置20に対して、処理データを送信する(S1028)。処理データは、通信部190を介して無線LANによって送信されてもよいし、近距離無線通信部180を介して近距離無線通信によって送信されてもよい。画像形成装置20bは、端末装置10から受信した処理データに応じた所定の処理を実行する(S1030)。
【0057】
なお、端末装置10は、S1016において選択した画像形成装置20の動作モードが通常モードであると判定した場合、S1018からS1022まで及びS1026における処理を省略する(S1016;No)。この場合、端末装置10は、画像形成装置20に起動要求を送信することなく、処理データを送信する。
【0058】
[1.3.2 画像形成装置の処理]
つづいて、
図6から
図8までを参照して、画像形成装置20が実行する処理の流れについて説明する。
図6から
図8までに示した処理は、画像形成装置20が記憶部260に記憶されたプログラムを読み出すことにより実行される。
【0059】
はじめに、
図6を参照して、画像形成装置20のメイン処理について説明する。メイン処理は、画像形成装置20の電源が投入された時点から実行される。まず、制御部200(切替部206)は、画像形成装置20を通常モードにする(ステップS100)。
【0060】
つづいて、制御部200(切替部206)は、動作モード切替処理を実行する(ステップS102)。動作モード切替処理については後述する。
【0061】
つづいて、制御部200は、近距離無線通信部280を介して、端末装置10から近距離無線通信の接続要求を受信したか否かを判定する(ステップS104)。制御部200は、近距離無線通信の接接続要求を受信した場合は、接続要求を送信した端末装置10と近距離無線通信の接続を確立する(ステップS104;Yes→ステップS106)。
【0062】
つづいて、制御部200は、端末装置10から送信される起動要求に応じて、動作モードを省エネモードから通常モードに復帰させる復帰処理を実行する(ステップS108)。復帰処理については後述する。
【0063】
なお、制御部200は、ステップS104において、端末装置10から近距離無線通信の接続要求を受信しなかった場合、ステップS106及びステップS108の処理を省略する(ステップS104;No)。
【0064】
つづいて、制御部200は、近距離無線通信部280又は通信部290を介して、端末装置10から処理データを受信した場合、端末装置10から受信した処理データに基づく処理を実行する(ステップS110;Yes→ステップS112)。なお、制御部200は、端末装置10から処理データを受信しなかった場合、ステップS112の処理を省略する(ステップS110;No)。
【0065】
つづいて、制御部200は、画像形成装置20を終了させるための終了操作がされた場合、
図6に示した処理を終了する(ステップS114;Yes)。終了操作は、例えば、画像形成装置20の電源を切るためのボタンが選択される操作である。なお、制御部200は、終了操作がされなかった場合は、ステップS102に戻る(ステップS114;No→ステップS102)。
【0066】
[1.3.3 動作モード切替処理]
図7を参照して、切替部206によって実行される動作モード切替処理の流れについて説明する。はじめに、切替部206は、画像形成装置20の動作モードが通常モードであるか否かを判定する(ステップS120)。切替部206は、画像形成装置20の動作モードが通常モードである場合、動作モードを省エネモードにするための条件を満たすか否かを判定する(ステップS120;Yes→ステップS122)。動作モードを省エネモードにするための条件は、例えば、操作部250を介して操作が入力されなかった時間が予め定められた時間を超えたときや、通信部290を介して処理の内容を受信しなかった時間が予め定められた時間を超えたときである。
【0067】
切替部206は、動作モードを省エネモードに切り替えるための条件を満たす場合、画像形成装置20の動作モードを通常モードから省エネモードに切り替える(ステップS122;Yes→ステップS124)。動作モードが省エネモードに切り替わったことにより、制御部200は、画像入力部220、画像形成部230、表示部240への電源の供給を停止したり、通信部290に対して有線通信のみができる程度の電源を供給するように電源の供給量を減らしたりする。
【0068】
一方、切替部206は、動作モードを省エネモードに切り替えるための条件を満たさない場合、ステップS124における処理を省略し、画像形成装置20の動作モードを通常モードのままにする(ステップS122;No)。
【0069】
一方、切替部206は、ステップS120において、画像形成装置20の動作モードが省エネモードであると判定した場合、動作モードを通常モードにするための条件を満たすか否かを判定する(ステップS120;No→ステップS126)。動作モードを通常モードにするための条件は、例えば、操作部250を介して操作が入力されたときや、通信部290を介して、有線通信により処理の内容が入力した場合である。
【0070】
切替部206は、動作モードを通常モードにするための条件を満たす場合、画像形成装置20の動作モードを省エネモードから通常モードに切り替える(ステップS126;Yes→ステップS128)。動作モードが通常モードに切り替わったことにより、制御部200は、画像形成装置20が備える全ての機能部に、電源を供給する。なお、本実施形態では、画像形成装置20の動作モードを省エネモードから通常モードにさせることを、省エネ復帰させるとも記載する。
【0071】
一方、切替部206は、動作モードを通常モードに切り替えるための条件を満たさない場合、ステップS128における処理を省略し、画像形成装置20の動作モードを省エネモードのままにする(ステップS126;No)。
【0072】
[1.3.4 復帰処理]
図8を参照して、復帰処理の流れについて説明する。はじめに、制御部200は、画像形成装置20の動作モードが省エネモードであるか否かを判定する(ステップS130)。制御部200は、画像形成装置20の動作モードが省エネモードである場合、端末装置10から、近距離無線通信部280を介して、起動要求を受信したか否かを判定する(ステップS130;Yes→ステップS132)。
【0073】
制御部200は、端末装置10から起動要求を受信するまでステップS132を繰り返す(ステップS132;No)。一方、制御部200(切替部206)は、端末装置10から起動要求を受信した場合、画像形成装置20の動作モードを、省エネモードから通常モードに切り替える(ステップS132;Yes→ステップS134)。これにより、制御部200は、画像形成装置20を省エネ復帰させる。そして、制御部200は、近距離無線通信部280を介して、起動要求応答を端末装置10に送信する(ステップS136)。
【0074】
なお、制御部200は、ステップS130において、画像形成装置20の動作モードが通常モードである場合は、ステップS132からステップS136までにおける処理を省略する(ステップS130;No)。
【0075】
なお、上述した処理の実行と並行して、制御部200(装置情報送信部204)は、画像形成装置20の動作モード情報を端末装置10に定期的に送信する。そのため、画像形成装置20は、動作モード切替処理や復帰処理によって動作モードが切り替わった場合、切り替わった後の動作モードを他の装置に送信することができる。
【0076】
なお、画像形成装置20の制御部200は、上述した処理に加えて、動作モードに応じて、画像形成装置20の各機能部への電源の供給を行ったり停止したり調整したりする。例えば、制御部200は、動作モードが通常モードである場合、画像形成装置20が備える全ての機能部に電源を供給する制御を行う。一方、制御部200は、動作モードが省エネモードである場合、画像形成装置20が備える機能部のうち所定の機能部に対して電力を供給する制御を行う。
【0077】
[1.3.5 端末装置]
つづいて、
図9を参照して、端末装置10の主な処理の流れについて説明する。
図9に示した処理は、制御部100が管理アプリケーション162を読み出すことにより実行される。
【0078】
はじめに、制御部100は、画像形成装置20から装置情報(例えば、アドバタイジングパケット)を受信したか否かを判定する(ステップS150)。制御部100は、画像形成装置20から装置情報を受信した場合、画像形成装置20を検知し、装置情報を記憶する(ステップS150;Yes→ステップS152)。また、制御部100は、装置情報を読み出し、表示部140に画像形成装置のリストを表示する(ステップS154)。例えば、制御部100は、装置情報毎に、装置情報に含まれるアドレスや動作モード情報を表示する。
【0079】
このとき、制御部100は、画像形成装置20の装置名を表示してもよい。画像形成装置20の装置名は、装置情報に含められていてもよいし、含められていなくてもよい。装置情報に画像形成装置20の装置名が含まれていない場合は、予め画像形成装置20のアドレスと画像形成装置20の装置名とを対応付けて記憶したテーブルを端末装置10の記憶部や他の装置(例えば、サーバ装置等)の記憶部に記憶させる。このとき、装置情報を受信した端末装置10は、当該テーブルを読み出すことで、装置情報に含まれる画像形成装置20のアドレスと対応する装置名を取得することができる。
【0080】
ここで、制御部100は、リストの項目毎に、項目に対応する画像形成装置20の動作モードが通常モードであるか省エネモードであるかを識別するための情報や絵(アイコン)表示してもよい。例えば、制御部100は、動作モードが省エネモードである画像形成装置20の項目には、省エネモードであることを示す絵(アイコン)を表示し、動作モードが省エネモードである画像形成装置20の項目には、動作モードを示す絵(アイコン)を表示しない。このようにすることで、制御部100は、動作モードが省エネモードである画像形成装置を目立たせることができる。
【0081】
なお、ステップS150からステップS154までの処理は、
図5におけるS1008からS1012までの処理に対応する。
【0082】
つづいて、制御部100は、ステップS154において表示したリストから、ユーザによって、アクセスする画像形成装置20として1又は複数の画像形成装置20が選択され、画像形成装置20へアクセスする指示がされたか否かを判定する(ステップS156)。なお、画像形成装置20へアクセスするとは、画像形成装置20の設定を変更したり、画像形成装置20へ処理データを送信したりすることをいう。
【0083】
制御部100は、ユーザによって、画像形成装置20へアクセスする指示がされた場合、アクセス先の画像形成装置20を選択する(ステップS156;Yes→ステップS158)。ここで、制御部100は、ユーザによって選択された画像形成装置20を、アクセス先の画像形成装置20として選択すればよい。
【0084】
制御部100は、ステップS158において選択した画像形成装置20のうち、動作モードが省エネモードの画像形成装置20があるか否かを判定する(ステップS160)。制御部100は、動作モードが省エネモードの画像形成装置20がある場合、当該省エネモードの画像形成装置20に対して、近距離無線通信部180を介して近距離無線通信の接続要求を送信し、当該画像形成装置20との近距離無線通信の接続を確立する(ステップS160;Yes→ステップS162)。
【0085】
つづいて、制御部100は、ステップS162において確立した接続を介して、起動要求を送信する(ステップS164)。また、制御部100は、ステップS162において確立した接続を介して、起動要求を送信した画像形成装置20から起動要求応答を受信したか否かを判定する(ステップS166)。
【0086】
制御部100は、起動要求応答を受信した場合、画像形成装置20に対して、近距離無線通信部180又は通信部190を介して処理データを送信する(ステップS166;Yes→ステップS168)。なお、制御部100は、起動要求応答を受信しない場合は、ステップS166の処理を繰り返す(ステップS166;No)。
【0087】
ステップS168における処理について、制御部100は、ステップS160において選択した全ての画像形成装置20の動作モードが通常モードに移行した後に、処理データを送信する。なお、制御部100は、動作モードが通常モードに移行した画像形成装置20から、順に処理データを送信してもよい。また、制御部100は、ステップS158を実行した後で、既に動作モードが通常モードである画像形成装置20に、先に処理データを送信してもよい。
【0088】
また、画像形成装置20に送信する処理データは、ステップS168の処理が実行されるまでの任意のタイミングでユーザの操作に基づいて、制御部200によって取得されればよい。
【0089】
また、制御部100は、ステップS166において所定時間内に起動要求応答を受信できなかった場合、起動要求応答を受信できなかった画像形成装置20に対して、処理データを送信する処理を省略してもよい。なお、制御部100は、ステップS166において所定時間内に起動要求応答を受信できなかった画像形成装置20が1台でもあった場合、
図9に記載した処理をステップS150から実行し直してもよい。
【0090】
[1.4 動作例]
つづいて、本実施形態の動作例を説明する。
図10は、端末装置10が画像形成装置20を検知するときの例を示した図である。
【0091】
図10に示すように、端末装置10の周囲に、画像形成装置20q(装置名:Aグループ)、画像形成装置20r(装置名:Bグループ)、画像形成装置20s(装置名:Cグループ)があるとする。画像形成装置20qの動作モードは通常モードであり、画像形成装置20r及び画像形成装置20sの動作モードは省エネモードである。
【0092】
3台の画像形成装置20は、定期的にBLEのアドバタイジングパケットを送信する。アドバタイジングパケットは、例えば、プリアンブル、アクセスアドレス、PDU(Packet Data Unit)、CRC(Cyclic Redundancy Check)が含まれる。
【0093】
本実施形態では、例えば、アドバタイジングパケットに含まれるアドバタイザアドレスに基づき、画像形成装置20を識別してもよい。なお、アドバタイジングPDUに画像形成装置20のシリアル番号等の識別情報を含め、当該アドバタイジングPDUに含まれる識別情報に基づき、画像形成装置20を識別してもよい。
【0094】
また、画像形成装置20は、動作モード情報をアドバタイジングパケットに含めて送信することで、動作モード情報を端末装置10に送信してもよい。端末装置10は、受信したアドバタイジングパケットから、動作モード情報を取得してもよい。端末装置10は、取得したアドバタイジングパケットから画像形成装置20の装置情報を取得し、装置情報記憶領域164に記憶する。
【0095】
図11は、端末装置10によって検知されている画像形成装置20のリストを表示した表示画面W100の画面例を示す図である。表示画面W100には、端末装置10によって検知されている画像形成装置20の情報を表示したリストL100と、選択した画像形成装置20へのアクセスを指示するためのボタンB100と、画像形成装置20へのアクセスを中止するためのボタンB102とが含まれる。
【0096】
リストL100には、検知された画像形成装置20毎に、画像形成装置20の動作モードの状態と画像形成装置20と装置名とが表示される。例えば、
図11の例では、画像形成装置20の動作モードの状態を示す識別表示(例えば、省エネモードを示す識別表示D100)と、画像形成装置20の装置名(例えば、装置名D102)が表示される。
【0097】
ここで、動作モードの状態を示す識別表示は、例えば、所定の画像やアイコン、記号、文字である。
図11の例では、動作モードが省エネモードである画像形成装置20であることが、アイコンとして、識別表示D100により示されている。ユーザは、識別表示D100が表示されているか否かに基づいて、画像形成装置20の動作モードが、通常モードであるか省エネモードであるかを区別することができる。
【0098】
なお、画像形成装置20の動作モードの状態が区別可能な識別表示がリストL100に表示されていればよい。例えば、画像形成装置20の動作モードが通常モードである画像形成装置20のみに、識別表示が表示されてもよい。また、画像形成装置20の動作モードに応じて、通常モードを示す識別表示と省エネモードを示す識別表示のうち、何れか一方が表示されてもよい。また、画像形成装置20の動作モードが通常モードであれば、画像形成装置20のアイコンが通常の態様で表示され、省エネモードであれば画像形成装置20のアイコンがグレーアウトした態様で表示されてもよい。
【0099】
さらに、リストL100には、画像形成装置20毎に、ユーザによって選択された画像形成装置20であるか否かを示す表示(例えば、
図11の表示D106や表示D108)が含まれる。
【0100】
ユーザによって選択された画像形成装置20であるか否かを示す表示は、例えば、所定の画像やアイコン、記号、文字、チェックボックスであってもよいし、リストL100の項目の背景色や、文字に対する装飾の有無であってもよい。
【0101】
図11の例では、色付きの円の記号による表示D106は、ユーザによって選択された画像形成装置20であることを示し、色なしの円の記号による表示D108は、ユーザによって選択されていない画像形成装置20であることを示す。ユーザは、画像形成装置20を選択する(例えば、リストL100の項目をタップする)ことにより、当該画像形成装置20の選択と非選択とを切り替えることができる。また、ユーザは、円の記号を見ることにより、選択した画像形成装置20であるか否かを区別することができる。
【0102】
リストL100について、
図11に示すように、動作モードが通常モードである画像形成装置20は、優先的にリストの上部(上位)の領域E100に表示され、動作モードが省エネモードである画像形成装置20はリストの下部(下位)の領域E102に表示される。このように、画像形成装置20の一部が通常モード(起動中)で、一部が省エネモード(省エネ中)である場合、通常モードの画像形成装置20の情報を優先表示してもよい。
【0103】
ユーザは、リストL100から、アクセスする画像形成装置20を1又は複数選択し、ボタンB100を選択することで、選択した画像形成装置20へアクセスすることができる。
【0104】
図12(a)は、画像形成装置20を省エネ復帰させるときの例を示した図である。ここでユーザに選択された画像形成装置は、画像形成装置20qと画像形成装置20rであったとする。また、画像形成装置20rは、動作モードが省エネモードだったとする。
【0105】
この場合、(1)端末装置10から画像形成装置20rに対して起動要求が送信され、(2)画像形成装置20rは省エネ復帰することで動作モードが通常モードになり、(3)画像形成装置20rから端末装置10に対して起動要求応答が送信される。
【0106】
端末装置10は、画像形成装置20rから起動要求応答を受信することで、画像形成装置20rの動作モードが通常モードになったことを検知することができる。その後、
図12(b)に示すように、端末装置10は、画像形成装置20qと画像形成装置20rに対して処理データを送信する。
【0107】
このように、本実施形態の端末装置は、1又は複数台の画像形成装置から動作モード情報を含む装置情報を受信し、当該複数の画像形成装置の動作モードの状態を表示することにより、ユーザに1又は複数台の画像形成装置を選択させる。ここで、端末装置は、ユーザによって選択された1又は複数台の画像形成装置に対して、動作モードを通常モードに切り替える要求信号を送信することで、ユーザが所望する画像形成装置のみを省エネ復帰させることができる。
【0108】
ここで、本実施形態の画像形成装置は、動作モードに関わらず、動作モード情報を端末装置に送信し、起動要求を受信することで省エネ復帰する。したがって、本実施形態では、動作モードが通常モードである画像形成装置を必要としない。これにより、本実施形態の端末装置は、周囲の画像形成装置の動作モードが全て省エネモード(省エネ中)であっても検知できる。
【0109】
また、本実施形態の端末装置は、省エネモードの画像形成装置が複数台ある場合、端末装置から画像形成装置にアクセスするとき、ユーザによる操作に基づき、どの画像形成装置を省エネ復帰させるかを判定(選択)する。したがって、本実施形態の端末装置は、検知された全ての画像形成装置ではなく、ユーザによって選択された1又は複数台の画像形成装置のみを省エネ復帰させる(省エネ復帰させる画像形成装置を適切に選択する)ことができ、画像形成装置の消費電力を抑えることができる。これにより、本実施形態では、複数の画像形成装置が近接して配置されていても、人感センサによってユーザが検知された画像形成装置が全て通常モードになることで起動してしまい、ユーザが使用を所望しない画像形成装置の電力が無駄に消費されるといった問題を防ぐことができる。
【0110】
また、本実施形態の端末装置は、近距離無線通信を用いて周囲に配置された画像形成装置を検知し、ユーザに対して、アクセスする画像形成装置を選択させる。これにより、端末装置は、ユーザに対して、周囲にない画像形成装置の動作モードを誤って省エネ復帰させるといったことを防ぐことができる。
【0111】
[2.第2実施形態]
つづいて、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態において端末装置が画像形成装置を一覧表示するとき、画像形成装置に優先順位を設定し、当該優先順位に応じて画像形成装置の情報を表示する実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の
図2を
図13に置き換えたものである。なお、同一の機能部には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0112】
[2.1 端末装置の機能構成]
本実施形態では、第1実施形態の
図1に示したシステム1において、端末装置10の代わりに
図13に示した構成を備える端末装置12を含める。
【0113】
端末装置12は、
図13に示すように、端末装置10に構成に加えて、優先順位設定部102を更に備える。優先順位設定部102は、制御部100が記憶部160に記憶されたプログラムを実行することにより機能する。優先順位設定部102は、画像形成装置20に対して優先順位を設定する。
【0114】
[2.2 処理の流れ]
本実施形態では、端末装置12の制御部100(優先順位設定部102)は、装置情報に基づき画像形成装置20の情報を表示する前に、装置情報に対して優先順位を設定する。また、端末装置12の制御部100は、
図5のS1012や
図9のS154の処理において、装置情報に対して設定した優先順位が高い順に、装置情報に基づき画像形成装置20の情報を表示する。以下、優先順位の設定方法について、第1の方法から第5の方法まで、5つの方法について説明する。併せて、優先順位の設定方法に応じた処理の流れを説明する。
【0115】
[2.2.1 優先順位を予め設定する方法]
第1の方法は、端末装置12において優先順位を予め設定する方法である。第1の方法が用いられる場合、端末装置12は、記憶部160に、画像形成装置20の優先順位を示す情報(優先順位情報)を予め記憶する。優先順位情報は、例えば、
図14に示すように、画像形成装置20のアドレス(例えば、「D0:12:34:56:78:9A」)と、当該画像形成装置20の優先順位(例えば、「1」)とを含む。優先順位は、例えば1以上の値であり、値が小さいほど優先順位が高いことを示す。
【0116】
第1の方法が用いられる場合において端末装置12及び画像形成装置20が実行する処理を、
図15を参照して説明する。
図15は
図5を置き換えた図であり、
図5に記載した処理と同一の処理については、
図5と同一の符号を付し、説明については省略する。
【0117】
端末装置12の制御部100は、装置情報を記憶する(S1010)。つづいて、制御部100(優先順位設定部102)は、記憶部160から優先順位情報を取得する(S2000)。さらに、制御部100(優先順位設定部102)は、装置情報に含まれるアドレスに対応する優先順位を読み出して、装置情報に対して優先順位情報に記憶された優先順位を設定する(S2002)。
【0118】
これにより、制御部100は、S1012において、予め設定された優先順位の順に、検知した画像形成装置20の情報(装置名や動作モード)を一覧表示することができる。ユーザは、第1の方法により、通常使用する画像形成装置20を、優先的に表示させることができる。
【0119】
[2.2.2 画像形成装置との距離に応じて優先順位を設定する方法]
第2の方法は、画像形成装置との距離に応じて優先順位を設定する方法である。第2の方法が用いられる場合において端末装置12及び画像形成装置20が実行する処理を、
図16を参照して説明する。
図16は
図5を置き換えた図であり、
図5に記載した処理と同一の処理については、
図5と同一の符号を付し、説明については省略する。
【0120】
端末装置12の制御部100は、装置情報を記憶する(S1010)。つづいて、制御部100(優先順位設定部102)は、検知されたそれぞれの画像形成装置20までの距離を算出する(S2100)。例えば、優先順位設定部102は、S1008において受信したアドバタイズパケットに対して、受信した電波の強さに関する情報(受信電波強度)を取得する。受信電波強度は、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator)の値である。優先順位設定部102は、受信電波強度の値から画像形成装置20との距離を算出する。
【0121】
つづいて、制御部100(優先順位設定部102)は、装置情報に対して、S2100において算出した距離が短いほど高い優先順位となるように、優先順位を設定する(S2102)。これにより、制御部100は、S1012において、端末装置12との距離が短い順に、検知した画像形成装置20の情報を一覧表示することができる。
【0122】
[2.2.3 端末装置との通信履歴に応じて優先順位を設定する方法]
第3の方法は、端末装置12との通信履歴に応じて優先順位を設定する方法である。第3の方法が用いられる場合、画像形成装置20の記憶部260に、端末装置12との通信の履歴を示す情報(通信履歴情報)を記憶させる。通信履歴情報は、例えば、
図17に示すように、通信先である端末装置12を識別する識別情報である端末装置ID(例えば、「dev1」)と、送受信した情報等を示す通信内容(例えば、「印刷ジョブ受信」)と、当該端末装置12と通信を行った通信日時(例えば、「2021/06/20 12:11:32」)とが記憶された情報である。
【0123】
端末装置12の識別情報は、例えば、端末装置12の装置名であってもよいし、IP(Internet Protocol)アドレス等のアドレス情報であってもよい。また、端末装置12を識別する情報は、端末装置12のシリアル番号やIMEI(International Mobile Equipment Identifier)などであってもよい。
【0124】
第3の方法が用いられる場合において端末装置12及び画像形成装置20が実行する処理を、
図18を参照して説明する。
図18は
図5を置き換えた図であり、
図5に記載した処理と同一の処理については、
図5と同一の符号を付し、説明については省略する。
【0125】
端末装置12の制御部100は、装置情報を記憶する(S1010)。つづいて、制御部100(優先順位設定部102)は、検知されたそれぞれの画像形成装置20に対して、通信履歴情報の送信の要求(通信履歴情報要求)を、近距離無線通信部180を介して送信する(S2200、S2202)。通信履歴情報要求は、例えば、BLEにおけるスキャン要求として送信される。
【0126】
通信履歴情報要求を受信した画像形成装置20の制御部200は、記憶部260に記憶された通信履歴情報を端末装置12に送信する(S2204、S2206)。通信履歴情報は、例えば、BLEにおけるスキャン応答に含めて送信される。
【0127】
つづいて、端末装置12の制御部100(優先順位設定部102)は、画像形成装置20毎に、自機が通信先として記憶された通信履歴情報から最も新しい通信日時を取得することで、画像形成装置20毎に、端末装置12と最後に通信を行った日時(最終通信日時)を取得する。
【0128】
さらに、制御部100(優先順位設定部102)は、最終通信日時が最近に近い画像形成装置20ほど高い優先順位となるように、通信履歴情報に対して、優先順位を設定する(S2208)。これにより、制御部100は、S1012において、最終通信日時が最近に近い順に、検知した画像形成装置20の情報を一覧表示することができる。
【0129】
なお、画像形成装置20の制御部200は、端末装置12から送信された処理データに基づく処理を実行したあと、端末装置12から受信した処理データに基づく通信履歴情報を記憶する(S2210)。例えば、制御部200は、S1030において処理データを送信した端末装置12の識別情報と、受信した処理データの内容(通信内容)と、端末装置12との通信を行った日時とを含む通信履歴情報を生成し、記憶部160に記憶する。
【0130】
また、制御部100が通信履歴情報を取得するタイミングは、例えば、
図18に示したように、優先順位を設定する直前であってもよいが、例えば、定期的な又は所定のタイミングであってもよい。この場合、制御部100は、取得した通信履歴情報を記憶部160に記憶し、
図18のS2208の処理を実行する前に、通信履歴情報を読み出せばよい。
【0131】
第3の方法によれば、ユーザは、常時使用している画像形成装置を素早く選択し、省エネ復帰させアクセスすることができるため、当該画像形成装置を設定変更することなく使用でき、作業を効率化できる。
【0132】
[2.2.4 使用される機能に応じて優先順位を設定する方法]
第4の方法は、ユーザによって使用される機能に応じて優先順位を設定する方法である。第4の方法が用いられる場合、端末装置12の記憶部160に、端末装置12を介して使用された画像形成装置20の機能の履歴を示す情報(使用履歴情報)を記憶させる。使用履歴情報は、例えば、
図19に示すように、通信先である画像形成装置20のアドレス(例えば、「D0:12:34:56:78:9A」)と、使用した機能を示す使用機能(例えば、「コピー」)と、使用日時(例えば、「2021/06/22 14:13:36」)とを含む情報である。
【0133】
第4の方法が用いられる場合において端末装置12及び画像形成装置20が実行する処理を、
図20を参照して説明する。
図20は
図5を置き換えた図であり、
図5に記載した処理と同一の処理については、
図5と同一の符号を付し、説明については省略する。
【0134】
端末装置12の制御部100は、装置情報を記憶する(S1010)。つづいて、制御部100(優先順位設定部102)は、ユーザによって使用される画像形成装置20の機能を特定する(S2300)。画像形成装置20の機能は、例えば、コピー、印刷、スキャンといった機能である。例えば、優先順位設定部102は、ユーザに対して使用する機能を選択させることで、ユーザによって使用される画像形成装置20の機能を特定する。
【0135】
なお、優先順位設定部102は、画像形成装置20の機能に関連する他の機能を使用するか否かをユーザに選択させて、選択された結果に基づきユーザによって使用される機能として特定してもよい。
【0136】
例えば、端末装置12の記憶部160に、他のユーザの名前や連絡先を示すアドレス帳情報(モバイルアドレス帳)が記憶されているとする。また、画像形成装置20は、モバイルアドレス帳を使用するスキャン機能と、モバイルアドレス帳を使用しないコピー機能を備えているとする。ここで、制御部100は、ユーザによってモバイルアドレス帳を使用することが選択された場合、ユーザによって使用される画像形成装置20の機能が「スキャン」であると特定する。一方、制御部100は、ユーザによってモバイルアドレス帳を使用しないことが選択された場合、ユーザによって使用される画像形成装置20の機能が「コピー」であると特定する。
【0137】
つづいて、制御部100(優先順位設定部102)は、記憶部160に記憶された使用履歴情報のうち、S2300において特定した画像形成装置20の機能が使用機能として記憶された使用履歴情報を読み出し、画像形成装置20毎に、最新の使用日時を取得する。これにより、制御部100は、画像形成装置20毎に、これからユーザによって使用されることが選択された機能が最後に使用された日時(最終使用日時)を取得する。
【0138】
制御部100(優先順位設定部102)は、最終使用日時が新しい(最近に近い)画像形成装置20ほど高い優先順位となるように、使用履歴情報に対して、優先順位を設定する(S2302)。これにより、制御部100は、S1012において、最終使用日時が最近に近い順に、検知した画像形成装置20の情報を一覧表示することができる。
【0139】
制御部100は、画像形成装置20に処理データを送信したあと、処理データの送信先の画像形成装置20のアドレスと、S2300において特定した画像形成装置20の機能と、処理データを送信した日時とを含む使用履歴情報を記憶部160に記憶する(S2306)。
【0140】
第4の方法によれば、ユーザは、使用する機能に応じて、適切な画像形成装置20を素早く選択し、省エネ復帰させアクセスすることができる。
【0141】
[2.2.5 復帰時間が短いほど高い優先順位を設定する方法]
第5の方法は、復帰時間が短いほど高い優先順位を設定する方法である。第5の方法が用いられる場合において端末装置12及び画像形成装置20が実行する処理を、
図21を参照して説明する。
図21は
図5を置き換えた図であり、
図5に記載した処理と同一の処理については、
図5と同一の符号を付し、説明については省略する。
【0142】
端末装置12の制御部100は、装置情報を記憶する(S1010)。つづいて、制御部100(優先順位設定部102)は、画像形成装置20毎に、省エネモードの動作状況を取得する(S2400)。省エネモードの動作状況とは、例えば、省エネモードに移行してからの経過時間である。なお、省エネモードの動作状況は、省エネモードに複数の段階(レベル)がある場合は、省エネモードの現在の段階(レベル)であってもよい。省エネモードのレベルは、例えば、電源の供給を停止する機能部の数や種類によって定められる。この場合、電源の供給を停止する機能部が少ない場合は省エネモードのレベルが低く、電源の供給を停止する機能部が多い場合は省エネモードのレベルが高いレベルとなる。
【0143】
省エネモードの動作状況は、例えば、装置情報に含まれていてもよいし、装置情報とは別に画像形成装置20から端末装置12に送信されてもよい。
【0144】
つづいて、制御部100(優先順位設定部102)は、S2400において取得した動作状況に基づき、復帰時間を推定する(S2402)。復帰時間に関しては、複数の画像形成装置20の間での復帰時間の長短が比較できれば十分であり、正確な復帰時間が推定される必要はない。優先順位設定部102は、省エネモードに移行してからの経過時間が長いほど復帰時間が長いとみなしてもよいし、省エネモードのレベルが高いほど復帰時間が長いとみなしてもよい。また、優先順位設定部102は、画像形成装置20の動作モードが通常モードである場合、当該画像形成装置20の復帰時間はない(最も短い)とみなしてもよい。
【0145】
つづいて、制御部100(優先順位設定部102)は、復帰時間が短い画像形成装置20ほど高い優先順位となるように、通知情報(省エネモードの動作状況に係る情報)に対して、優先順位を設定する(S2404)。つまり、優先順位設定部102は、省エネモードから通常モードに切り替わるまでに必要な時間が短い画像形成装置20ほど、高い優先順位を設定する。これにより、制御部100は、S1012おいて、復帰時間が短い順に、検知した画像形成装置20の情報を一覧表示することができる。
【0146】
第5の方法によれば、ユーザは、省エネ復帰に必要な時間が短い画像形成装置20を素早く選択し、省エネ復帰させアクセスすることができる。例えば、省エネモードに移行してからの経過時間が長い画像形成装置20ほど、トナー像を熱と圧力により用紙に融着させる定着器を加熱するための時間が長くなり、通常モードに切り替わるまでに時間がかかる。これに対して、第5の方法を用いることで、使用開始可能になるまでの時間が短い画像形成装置20を容易に選択することができる。
【0147】
なお、制御部100は、上述した方法以外の方法によって画像形成装置20に対して優先順位を設定してもよいし、複数の方法を用いて優先順位を設定してもよい。
【0148】
このように、本実施形態の端末装置は、複数の画像形成装置に対して優先順位を設定し、優先順位が高い順に、画像形成装置を表示する。これにより、ユーザは、通常使用する画像形成装置や使用する機能に応じた画像形成装置を優先的に表示させ、使用する画像形成装置を容易に選択することが可能となる。
【0149】
なお、本実施形態の端末装置は、画像形成装置に対して優先順位を設定したうえで、動作モードが通常モードの画像形成装置を優先的に表示してもよい。具体的には、端末装置は、動作モードが通常モードである画像形成装置を優先順位が高い順にリストに表示し、次に動作モードが省エネモードである画像形成装置20を優先順位が高い順にリストに表示してもよい。つまり、端末装置は動作モード別に、優先順位に応じて画像形成装置を一覧表示する。このようにすることで、ユーザは、動作モードが通常モードである画像形成装置から所望の画像形成装置を容易に選択することができる。また、ユーザは、動作モードが通常モードである画像形成装置の中に所望の画像形成装置がない場合であっても、動作モードが省エネモードである画像形成装置の中から、通常使用する画像形成装置や使用する機能に応じた画像形成装置を容易に選択することができる。
【0150】
[3.第3実施形態]
つづいて、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態と異なり、アクセスする画像形成装置20を優先順位に応じて自動的に選定する実施形態である。本実施形態は、
図5を
図22に置き換えたものである。なお、同一の処理には同一の符号を付し、説明については省略する。また、本実施形態は、第1実施形態の
図1に示したシステム1において、端末装置10の代わりに第2実施形態において説明した端末装置12を含めた実施形態である。
【0151】
図22を参照して、本実施形態における処理の流れを説明する。本実施形態では、端末装置12の制御部100は、装置情報を記憶する(S1010)。つづいて、制御部100(優先順位設定部102)は、画像形成装置20毎に優先順位を設定する(S3000)。優先順位の設定方法は、第2実施形態で説明した方法のうち、ユーザによって選択された方法や、画像形成装置20に使用する方法として予め定められた方法が用いられればよい。
【0152】
つづいて、制御部100は、優先順位が最も高い画像形成装置20を選択する(S3002)。これにより、制御部100は、処理データの送信先の画像形成装置20を、ユーザに選択させることなく、自動的に選定することができる。
【0153】
なお、本実施形態の端末装置12は、処理データの送信先の画像形成装置20を、ユーザの操作に基づいて選択するか、自動的に選択するかを切り替え可能であってもよい。例えば、制御部100は、
図22のS3000における処理を実行した後に、
図23に示すような表示画面W300を表示部140に表示してもよい。
【0154】
制御部100は、表示画面W300として、第2実施形態で説明した画像形成装置20の情報を一覧表示する画面を表示させるためのボタン(手動選択ボタンB302)と、優先順位が最も高い画像形成装置20を選択するためのボタン(自動選択ボタンB300)とを含む画面を表示してもよい。制御部100は、ユーザによって、自動選択ボタンB300が選択された場合、
図22のS3002の処理を実行する。つまり、制御部100は、自動選択ボタンB300が選択された場合、所定の方法により設定した優先順位が最も高い画像形成装置20を自動的に選定し、当該画像形成装置20を省エネ復帰させた上で、当該画像形成装置20へのアクセスを行う。一方、制御部100は、手動選択ボタンB302が選択された場合、第2実施形態と同様に、優先順位設定部102によって設定された優先順位に基づいて画像形成装置20の装置情報を一覧表示した画面を表示する。
【0155】
このようにして、制御部100は、複数の画像形成装置20の動作モードの状態を表示する画面とは別に、優先順位の最も高い前記画像形成装置20を選択するための自動選択ボタンB300を表示する。そして、制御部100は、自動選択ボタンB300が選択されたとき、優先順位が最も高い画像形成装置20に対して起動要求の要求信号を送信する。これにより、ユーザは、複数の画像形成装置20の中から、省エネ復帰させ、アクセスを行う画像形成装置20を端末装置12に自動的に選択させたり、手動で選んだりすることが可能となる。なお、自動選択ボタンB300は、複数の画像形成装置20の動作モードの状態を表示する画面に含まれてもよい。
【0156】
また、端末装置12は、上述した処理を実行することで、優先順位の設定方法に応じて適切な画像形成装置20に自動的にアクセスすることができる。例えば、端末装置12は、第2実施形態における第1の方法を用いて優先順位を設定することで、画像形成装置20の優先順位を端末装置12側で設定しておき、主電源がONの画像形成装置20のうち、優先順位が最も高い画像形成装置にアクセスできる。
【0157】
端末装置12は、第2実施形態における第2の方法を用いて優先順位を設定することで、端末装置12と距離が近い画像形成装置20にアクセスできる。
【0158】
端末装置12は、第2実施形態における第3の方法を用いて優先順位を設定することで、過去に端末装置12と通信した履歴が残っている画像形成装置20にアクセスできる。
【0159】
端末装置12は、第2実施形態における第4の方法を用いて優先順位を設定することで、一番直近に動作された(プリントした、スキャンした等)画像形成装置20にアクセスすることができる。ここで、端末装置12は、これからユーザによって使用される機能に応じて、アクセスする画像形成装置20を切り替えて、必要に応じて省エネ復帰させることができる。例えば、端末装置12は、モバイルアドレス帳を使用するときは、過去にスキャンを使用した画像形成装置を省エネ復帰させ、モバイルアドレス帳を使用しないときは、過去にコピーを使用した画像形成装置を省エネ復帰させる。この結果、ユーザは、常時使用している画像形成装置に自動的にアクセスすることができ、当該画像形成装置の設定を変更せずに当該画像形成装置を使用することができ、作業を効率化できる。
【0160】
端末装置12は、第2実施形態における第5の方法を用いて優先順位を設定することで、省エネ復帰による待ち時間が少ない画像形成装置20にアクセスできる。
【0161】
なお、手動選択ボタンB302が選択された場合は、画像形成装置20の情報を並べたリストを含む画面が表示され、ユーザによって、アクセスする画像形成装置20が選択される。
【0162】
このように、本実施形態の端末装置は、検知した画像形成装置の中から、アクセスする画像形成装置を自動的に設定できる。また、本実施形態の端末装置は、当該画像形成装置20の動作モードが省エネモードである場合、省エネ復帰させることができる。
【0163】
[4.第4実施形態]
つづいて、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、ユーザが端末装置を介して省エネ復帰させた画像形成装置と違う画像形成装置を操作し始めた場合、システムが省エネ復帰の対象とした画像形成装置を誤って選択したと認識して、省エネ復帰させた画像形成装置を自動的に省エネモードに戻す実施形態である。本実施形態は
図1を
図24に、
図4を
図25に、
図5を
図27に、
図6を
図29にそれぞれ置き換えたものである。なお、同一の装置、同一の機能部、同一の処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0164】
[4.1 全体構成]
本実施形態におけるシステム2は、
図24に示すように、ネットワークNWに、端末装置10と、画像形成装置22(画像形成装置22a、画像形成装置22b)と、管理装置30とが接続される。
【0165】
管理装置30は、ネットワークNWに接続された画像形成装置22を管理する。管理装置30は、例えば、PCやサーバといったコンピュータである。なお、管理装置30は、任意の情報処理装置上で実現される仮想サーバであってもよい。
【0166】
[4.2 機能構成]
[4.2.1 画像形成装置]
図25を参照して、本実施形態における画像形成装置22の機能構成について説明する。画像形成装置22は、画像形成装置20と比べて、制御部200が、さらに復帰通知送信部208及び操作通知送信部210として機能する。
【0167】
復帰通知送信部208は、端末装置10から受信した起動要求に応じて省エネ復帰した場合、省エネ復帰したことを示す通知(復帰通知)を、通信部290を介して、管理装置30に送信する。つまり、復帰通知は、端末装置10から受信した起動要求に応じて、画像形成装置22の動作モードが省エネモードから通常モードに切り替わったことを示す通知である。復帰通知は、例えば、省エネ復帰したことを示す情報や、省エネ復帰した画像形成装置22を特定するために用いられる情報を含んだパケットである。
【0168】
操作通知送信部210は、ユーザによって操作が入力された場合、ユーザによって操作がされたことを示す通知(操作通知)を、通信部290を介して管理装置30に送信する。操作通知は、例えば、ユーザによって何らかの操作されたことを示す情報や操作内容を示す情報を含んだパケットである。操作通知送信部210は、例えば、操作部250を介して入力される操作を監視し、操作が入力された場合、操作されたことを示す情報や操作内容を示す情報と、画像形成装置22を特定するために用いられる情報とを含む操作通知を通信部290を介して送信する。
【0169】
なお、操作通知送信部210は、
図29に示した画像形成装置22が実行する処理と並行して、操作通知を管理装置30に送信する処理を実行する。
【0170】
[4.2.2 管理装置]
図26を参照して、管理装置30の機能構成について説明する。
図26に示すように、管理装置30は、制御部300と、記憶部360と、通信部390とを備えて構成される。
【0171】
制御部300は、管理装置30の全体を制御する。制御部300は、記憶部360に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU)により構成されている。
【0172】
記憶部360は、管理装置30の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部360は、例えば、半導体メモリであるSSDや、HDD等の記憶装置により構成される。
【0173】
記憶部360は、復帰装置情報362を記憶する。復帰装置情報362は、省エネ復帰した画像形成装置22を特定することが可能な情報を記憶した情報である。復帰装置情報362は、例えば、画像形成装置22のIPアドレス、シリアル番号、装置名である。
【0174】
通信部390は、外部の装置と通信を行う。通信部290は、例えば、有線/無線LANで利用されるNIC等の通信装置や通信モジュールにより構成される。
【0175】
[4.3 処理の流れ]
[4.3.1 全体的な処理の流れ]
図27を参照して、本実施形態における端末装置10、画像形成装置22(画像形成装置22a、画像形成装置22b)及び管理装置30が実行する処理について説明する。なお、以下の説明では、端末装置10の周囲に2台の画像形成装置22(画像形成装置22a及び画像形成装置22b)が存在することとして説明する。
【0176】
はじめに、端末装置10は、処理データの送信先の画像形成装置22(
図27の例では、画像形成装置22b)を選択する処理を実行する(S4000)。S4000における処理は、
図5に示したS1000からS1014までの処理に対応する。
【0177】
つづいて、端末装置10は、選択した画像形成装置22の動作モードが省エネモードであるか否かを判定する(S4002)。端末装置10は、動作モードが省エネモードである画像形成装置22がある場合、動作モードが省エネモードである画像形成装置22に対して近距離無線通信の接続要求を送信する(S1018)。また、端末装置10は、動作モードが省エネモードである画像形成装置22と近距離無線通信の接続を確立し、起動要求を送信する(S1020→S1022)。
【0178】
起動要求を受信した画像形成装置22は省エネ復帰し(S1024)、起動要求応答を端末装置10に送信する(S1026)。さらに、画像形成装置22は、管理装置30に対して、復帰通知を送信する(S4004)。管理装置30は、通信部390を介して復帰通知を受信した場合、当該復帰通知に基づく復帰装置情報362を記憶する(S4006)。
【0179】
一方、画像形成装置22(例えば、画像形成装置22a)は、ユーザによって操作が入力された場合、当該操作の入力を受け付け(S4008)、操作通知を、管理装置30に送信する(S4010)。
【0180】
管理装置30は、通信部390を介して操作情報を受信する。操作通知を受信した管理装置30は、操作通知を送信した画像形成装置22と省エネ復帰した画像形成装置22とが異なるか否かを判定する(S4012)。
【0181】
管理装置30は、省エネ復帰した画像形成装置22と操作通知を送信した画像形成装置22とが異なる場合、省エネ復帰した画像形成装置22(
図27の例では、画像形成装置22b)に対して、動作モードを省エネモードにする要求(省エネモード切替要求)を送信する(S4012;Yes→S4014)。省エネモード切替要求は、画像形成装置20の動作モードを省エネモードに切り替える要求信号(第2の要求信号)である。省エネモード切替要求は、例えば、動作モードを省エネモードに切り替える要求を示す情報を含んだパケットである。
【0182】
省エネモード切替要求を受信した画像形成装置22(
図27の例では、画像形成装置22b)は、画像形成装置22の動作モードを、省エネモードにする(S4016)。つまり、画像形成装置22は、復帰処理(ステップS108)において起動要求を受信して動作モードを通常モードにしたあと、管理装置30から省エネモード切替要求を受信した場合は、動作モードを省エネモードにする。
【0183】
[4.3.2 管理装置の処理]
図28を参照して、管理装置30の主な処理の流れについて説明する。
図28に示した処理は、管理装置30が記憶部360に記憶されたプログラムを読み出すことにより実行される。
【0184】
はじめに、制御部300は、画像形成装置22から復帰通知を受信したか否かを判定する(ステップS400)。制御部300は、画像形成装置22から復帰通知を受信しない場合は、画像形成装置22から復帰通知を受信するまでステップS400を繰り返す(ステップS400;No)。一方、制御部300は、画像形成装置22から復帰通知を受信した場合、当該画像形成装置22の情報(例えば、IPアドレス)を含む復帰装置情報362を記憶部360に記憶する(ステップS400;Yes→ステップS402)。
【0185】
つづいて、制御部300は、画像形成装置22から操作通知を受信したか否かを判定する(ステップS404)。制御部400は、画像形成装置22から操作通知を受信しない場合は、画像形成装置22から操作通知を受信するまでステップS404を繰り返す(ステップS404;No)。一方、制御部300は、画像形成装置22から操作通知を受信した場合、記憶部360から復帰装置情報362を読み出して、動作モードが省エネモードから通常モードに復帰した画像形成装置22を特定する(ステップS404;Yes→ステップS406)。
【0186】
つづいて、制御部300は、操作通知を送信した画像形成装置22が、ステップS406において特定した画像形成装置22と異なるか否かを判定する(ステップS408)。例えば、制御部300は、復帰装置情報362として記憶された画像形成装置22のIPアドレスと、S4010において操作通知を送信した画像形成装置22のIPアドレスとが異なるか否かを判定する。この場合、制御部300は、2つのIPアドレスが異なる場合、省エネモードから通常モードに復帰した画像形成装置22と、操作が入力された画像形成装置22とが異なると判定する。
【0187】
制御部300は、操作通知を送信した画像形成装置22と、ステップS406において特定した画像形成装置22とが異なる場合、当該特定した画像形成装置22に対して、省エネモード切替要求を送信する(ステップS408;Yes→ステップS410)。なお、制御部300は、操作通知を送信した画像形成装置22とステップS406において特定した画像形成装置22とが一致する場合は、ステップS410における処理を省略する(ステップS408;No)。
【0188】
つづいて、制御部300は、記憶部360から復帰装置情報362を削除する(ステップS412)。制御部300は、以上の処理を実行することにより、省エネ復帰した画像形成装置22以外の画像形成装置22が操作されたとき、省エネ復帰した画像形成装置22に対して、省エネモードにすることができる。
【0189】
[4.3.3 画像形成装置の処理]
図29を参照して、画像形成装置22の主な処理の流れについて説明する。
図29に示した処理は、画像形成装置22が記憶部260に記憶されたプログラムを読み出すことにより実行される。
【0190】
本実施形態では、制御部200は、復帰処理を実行する(ステップS108)。つづいて、制御部200(復帰通知送信部208)は、管理装置30に復帰通知を送信する(ステップS450)。
【0191】
つづいて、制御部200は、管理装置30から省エネモード切替要求を受信したか否かを判定する(ステップS452)。制御部200(切替部206)は、省エネモード切替要求を受信した場合、画像形成装置22の動作モードを省エネモードにする(ステップS452;Yes→ステップS454)。
【0192】
一方、制御部200は、省エネモード切替要求を受信しない場合、端末装置10から処理データを受信したか否かを判定する(ステップS452;No→ステップS456)。制御部200は、端末装置10から処理データを受信した場合、当該受信した処理データに応じた処理を実行する(ステップS456;Yes→ステップS112)。一方、制御部200は、処理データを受信しない場合、ステップS450に戻る(ステップS456;No→ステップS452)。
【0193】
上述した処理により、画像形成装置22は、復帰処理を実行したあと、省エネモード切替要求を受信した場合、動作モードを省エネモードに切り替えることができる。ここで、省エネモード切替要求は、省エネ復帰した画像形成装置22とは異なる画像形成装置22が操作された場合に管理装置30から送信される。これにより、省エネ復帰した画像形成装置22とは異なる画像形成装置22がユーザによって操作し始められた場合であっても、省エネ復帰した画像形成装置22は省エネモードに戻ることができる。
【0194】
このように、本実施形態によれば、省エネモードから通常モードに復帰した画像形成装置とは異なる画像形成装置が操作された場合であっても、通常モードに復帰した画像形成装置は自動的に省エネモードに戻ることができ、電力の無駄な消費を抑えることができる。
【0195】
[5.変形例]
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0196】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。例えば、第3実施形態と第4実施形態とが組み合わせて実行されてもよい。この場合、端末装置10によって、アクセスする画像形成装置が自動的に省エネ復帰され、省エネ復帰した画像形成装置以外の画像形成装置が操作された場合に、当該省エネ復帰した画像形成装置を省エネ状態にする。つまり、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせたシステムは、誤った画像形成装置を省エネ復帰させたことを認識(判定)した場合、当該誤って省エネ復帰させた画像形成装置の動作モードを、直ちに省エネモードに戻すシステムである。
【0197】
また、上述した実施形態では、画像形成装置の動作モードを省エネモードから通常モードに切り替える場合について説明したが、通常モードから省エネモードに切り替えられるように構成してもよい。
【0198】
また、上述した実施形態では、端末装置によって検知され、端末装置から省エネ復帰の要求(起動要求)が送信される装置は画像形成装置であるとして説明したが、他の装置であってもよい。例えば、表示装置(例えば、会議室等で用いられる大型のディスプレイ)や、所定の製品を製造する製造装置や、ファクシミリ通信等の通信を行うことで情報を送信する通信装置等の装置に対して、上述した実施形態を適用してもよい。
【0199】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0200】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標) Disk) 等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0201】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0202】
1、2 システム
10、12 端末装置
100 制御部
102 優先順位設定部
140 表示部
150 操作部
160 記憶部
162 管理アプリケーション
164 装置情報記憶領域
180 近距離無線通信部
190 通信部
20、22 画像形成装置
200 制御部
202 画像処理部
204 装置情報送信部
206 切替部
208 復帰通知送信部
210 操作通知送信部
220 画像入力部
230 画像形成部
240 表示部
250 操作部
260 記憶部
262 画像データ記憶領域
280 近距離無線通信部
290 通信部
30 管理装置
300 制御部
360 記憶部
362 復帰装置情報
390 通信部