IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤンマーホールディングス株式会社の特許一覧

特許7657751圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラム
<>
  • 特許-圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラム 図1
  • 特許-圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラム 図2
  • 特許-圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラム 図3
  • 特許-圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラム 図4
  • 特許-圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラム 図5
  • 特許-圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラム 図6
  • 特許-圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラム 図7
  • 特許-圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラム 図8
  • 特許-圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20250331BHJP
【FI】
A01B69/00 303Z
A01B69/00 303
A01B69/00 303K
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022037920
(22)【出願日】2022-03-11
(65)【公開番号】P2023132544
(43)【公開日】2023-09-22
【審査請求日】2024-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】西田 雄介
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-123378(JP,A)
【文献】特開平09-070202(JP,A)
【文献】国際公開第2021/255941(WO,A1)
【文献】特開2021-015557(JP,A)
【文献】特開2018-164418(JP,A)
【文献】特開2006-101768(JP,A)
【文献】再公表特許第2019/181025(JP,A1)
【文献】特開2019-096363(JP,A)
【文献】再公表特許第2019/235240(JP,A1)
【文献】特開2021-040497(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0317114(US,A1)
【文献】特開2021-068302(JP,A)
【文献】国際公開第2021/176738(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場で作業を行う作業装置の移動経路を決定することと、
前記移動経路上に圃場を撮像する撮像位置を決定することと、
前記移動経路を表す指示情報を前記作業装置に出力し、前記作業装置を制御することと、
前記作業装置が前記撮像位置に達したときに前記作業装置により撮像された圃場画像を表す圃場画像情報を出力することと、
を含み、
前記移動経路は、第1方向に延びる複数の直線経路と、複数の旋回経路とを含み、
前記撮像位置を決定することは、
前記複数の直線経路のうち、前記圃場の中心位置からの距離が閾値より小さい第1直線経路上に前記撮像位置を決定すること
を含む場情報管理方法。
【請求項2】
前記第1直線経路は、前記複数の直線経路のうち、前記圃場の中心位置から最も近くにある
請求項に記載の圃場情報管理方法。
【請求項3】
前記撮像位置を決定することは、
前記第1直線経路の始点または終点を前記撮像位置として決定すること
を含む
請求項またはに記載の圃場情報管理方法。
【請求項4】
前記撮像位置を決定することは、
前記第1直線経路の中点を前記撮像位置として決定すること
を含む
請求項からのいずれか1項に記載の圃場情報管理方法。
【請求項5】
圃場で作業を行う作業装置の移動経路を決定することと、
前記移動経路上に圃場を撮像する撮像位置を決定することと、
前記移動経路を表す指示情報を前記作業装置に出力し、前記作業装置を制御することと、
前記作業装置が前記撮像位置に達したときに前記作業装置により撮像された圃場画像を表す圃場画像情報を出力することと、
を含み、
前記移動経路は、第1方向に延びる複数の直線経路と、複数の旋回経路とを含み、
前記撮像位置を決定することは、
前記複数の旋回経路のうち、前記圃場の中心位置からの距離が閾値より大きい第1旋回経路を選択することと、
選択された前記第1旋回経路上において、前記作業装置に設けられた撮像装置の光軸方向が、前記撮像位置から前記圃場の中心位置に向かう方向に最も近い位置を前記撮像位置として決定することと、
を含む
場情報管理方法。
【請求項6】
前記第1旋回経路は、前記複数の旋回経路のうち、前記圃場の中心位置から最も遠くにある
請求項に記載の圃場情報管理方法。
【請求項7】
前記第1旋回経路は、前記複数の旋回経路のうち、前記第1方向に直交する第2方向において、前記圃場の中心位置から最も遠くにある
請求項に記載の圃場情報管理方法。
【請求項8】
前記撮像位置を決定することは、
前記複数の旋回経路のうち、前記第1旋回経路から最も離れた第2旋回経路を選択することと、
前記第2旋回経路上において、前記作業装置に設けられた撮像装置の光軸方向が、前記撮像位置から前記圃場の中心位置に向かう方向に最も近い位置を前記撮像位置として決定することと、
を含む
請求項またはに記載の圃場情報管理方法。
【請求項9】
圃場で作業を行う作業装置の移動経路を決定することと、
前記移動経路上に圃場を撮像する撮像位置を決定することと、
前記移動経路を表す指示情報を前記作業装置に出力し、前記作業装置を制御することと、
前記作業装置が前記撮像位置に達したときに前記作業装置により撮像された圃場画像を表す圃場画像情報を出力することと、
を含み、
前記作業装置は、周囲を撮像する複数の撮像装置を備え、
前記撮像位置を決定することは、
前記複数の撮像装置のうち、前記撮像位置において撮像する第1撮像装置を決定すること
を含み、
前記第1撮像装置は、前記複数の撮像装置のうち、前記撮像位置から前記圃場の中心位置に向かう方向と光軸方向との間の角度が最も小さい
場情報管理方法。
【請求項10】
圃場で作業を行う作業装置の移動経路を決定する経路決定部と、
前記移動経路上に圃場を撮像する撮像位置を決定する撮像位置決定部と、
前記移動経路と前記撮像位置とを表す指示情報を前記作業装置に出力し、前記作業装置を制御する出力部と、
を備え、
前記出力部は、前記作業装置が前記撮像位置に達したときに前記作業装置により撮像された圃場画像を表す圃場画像情報を出力し、
前記移動経路は、第1方向に延びる複数の直線経路と、複数の旋回経路とを含み、
前記撮像位置決定部は、前記複数の直線経路のうち、前記圃場の中心位置からの距離が閾値より小さい第1直線経路上に前記撮像位置を決定する
圃場情報管理システム。
【請求項11】
圃場で作業を行う作業装置の移動経路を決定する経路決定部と、
前記移動経路上に圃場を撮像する撮像位置を決定する撮像位置決定部と、
前記移動経路と前記撮像位置とを表す指示情報を前記作業装置に出力し、前記作業装置を制御する出力部と、
を備え、
前記出力部は、前記作業装置が前記撮像位置に達したときに前記作業装置により撮像された圃場画像を表す圃場画像情報を出力し、
前記移動経路は、第1方向に延びる複数の直線経路と、複数の旋回経路とを含み、
前記撮像位置決定部は、
前記複数の旋回経路のうち、前記圃場の中心位置からの距離が閾値より大きい第1旋回経路を選択し、
選択された前記第1旋回経路上において、前記作業装置に設けられた撮像装置の光軸方向が、前記撮像位置から前記圃場の中心位置に向かう方向に最も近い位置を前記撮像位置として決定する
圃場情報管理システム。
【請求項12】
圃場で作業を行う作業装置の移動経路を決定する経路決定部と、
前記移動経路上に圃場を撮像する撮像位置を決定する撮像位置決定部と、
前記移動経路と前記撮像位置とを表す指示情報を前記作業装置に出力し、前記作業装置を制御する出力部と、
を備え、
前記出力部は、前記作業装置が前記撮像位置に達したときに前記作業装置により撮像された圃場画像を表す圃場画像情報を出力し、
前記作業装置は、周囲を撮像する複数の撮像装置を備え、
前記撮像位置決定部は、前記複数の撮像装置のうち、前記撮像位置において撮像する第1撮像装置を決定し、
前記第1撮像装置は、前記複数の撮像装置のうち、前記撮像位置から前記圃場の中心位置に向かう方向と光軸方向との間の角度が最も小さい
圃場情報管理システム。
【請求項13】
圃場で作業を行う作業装置の移動経路を決定することと、
前記移動経路上に圃場を撮像する撮像位置を決定することと、
前記移動経路と前記撮像位置とを表す指示情報を前記作業装置に出力し、前記作業装置を制御することと、
前記作業装置が前記撮像位置に達したときに前記作業装置により撮像された圃場画像を表す圃場画像情報を出力することと、
を演算装置に実行させ
前記移動経路は、第1方向に延びる複数の直線経路と、複数の旋回経路とを含み、
前記撮像位置を決定することは、
前記複数の直線経路のうち、前記圃場の中心位置からの距離が閾値より小さい第1直線経路上に前記撮像位置を決定すること
を含む圃場情報管理プログラム。
【請求項14】
圃場で作業を行う作業装置の移動経路を決定することと、
前記移動経路上に圃場を撮像する撮像位置を決定することと、
前記移動経路と前記撮像位置とを表す指示情報を前記作業装置に出力し、前記作業装置を制御することと、
前記作業装置が前記撮像位置に達したときに前記作業装置により撮像された圃場画像を表す圃場画像情報を出力することと、
を演算装置に実行させ
前記移動経路は、第1方向に延びる複数の直線経路と、複数の旋回経路とを含み、
前記撮像位置を決定することは、
前記複数の旋回経路のうち、前記圃場の中心位置からの距離が閾値より大きい第1旋回経路を選択することと、
選択された前記第1旋回経路上において、前記作業装置に設けられた撮像装置の光軸方向が、前記撮像位置から前記圃場の中心位置に向かう方向に最も近い位置を前記撮像位置として決定することと、
を含む圃場情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場情報管理方法、圃場情報管理システム、及び圃場情報管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、圃場において行われた作業に関する情報を用いて栽培管理の分析を行うことが研究されている。
【0003】
特許文献1には、作業車両が予め設定された圃場の監視位置の近傍を通過するときに、作業車両に取り付けられた撮像部で作業車両の周辺を撮像する技術が開示されている。これにより、開示されたシステムは、監視対象作物の位置にかかわらず、監視対象作物を撮影することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-15557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、作業車両が監視位置の近傍を通過しないとき、特許文献1に記載の技術では、監視対象作物を撮像することができない。このため、作業装置が圃場で作業を行ったときに、圃場を撮像できない場合がある。一方、栽培管理のために、作業装置が圃場を移動する経路にかかわらず、圃場を撮像し、圃場の状態を記録する場合がある。この場合、作業装置による作業とは別に、作業者がカメラで圃場を撮像して、撮像された画像を記録する必要がある。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、作業装置が圃場において作業を行うときの移動経路上で、作業装置の周辺を確実に撮像することで、ユーザ、例えば作業者の栽培管理を支援することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による圃場情報管理方法は、圃場(600)で作業を行う作業装置(100)の移動経路(650)を決定することを含む。また、圃場情報管理方法は、移動経路(650)上に圃場(600)を撮像する撮像位置(700)を決定することを含む。圃場情報管理方法は、移動経路(650)を表す指示情報を作業装置(100)に出力し、作業装置(100)を制御することを含む。さらに、圃場情報管理方法は、作業装置(100)が撮像位置(700)に達したときに作業装置(100)により撮像された圃場画像を表す圃場画像情報を出力することを含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による圃場情報管理システム(1000)は、経路決定部(250)と、撮像位置決定部(260)と、出力部(280)とを備える。経路決定部(250)は、圃場(600)で作業を行う作業装置(100)の移動経路(650)を決定する。撮像位置決定部(260)は、移動経路(650)上に圃場(600)を撮像する撮像位置(700)を決定する。出力部(280)は、移動経路(650)を表す指示情報を作業装置(100)に出力し、作業装置(100)を制御する。また、出力部(280)は、作業装置(100)が撮像位置(700)に達したときに作業装置(100)により撮像された圃場画像を表す圃場画像情報を出力する。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態による圃場情報管理プログラム(520)は、圃場(600)で作業を行う作業装置(100)の移動経路(650)を決定することを演算装置(220、320、420)に実行させる。また、圃場情報管理プログラム(520)は、移動経路(650)上に圃場(600)を撮像する撮像位置(700)を決定することを演算装置(220、320、420)に実行させる。圃場情報管理プログラム(520)は、移動経路(650)を表す指示情報を作業装置(100)に出力し、作業装置(100)を制御することを演算装置(220、320、420)に実行させる。さらに、圃場情報管理プログラム(520)は、作業装置(100)が撮像位置(700)に達したときに作業装置(100)により撮像された圃場画像を表す圃場画像情報を出力することを演算装置(220、320、420)に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記の形態によれば、ユーザは効率的に栽培管理の分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施の形態における圃場情報管理システムの構成図である。
図2】一実施の形態における作業装置の構成図である。
図3】一実施の形態における制御装置の構成図である。
図4】一実施の形態における圃場情報管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
図5】一実施の形態における圃場情報管理装置の構成図である。
図6】一実施の形態における端末の構成図である。
図7】一実施の形態における圃場情報管理システムによる処理を表すフローチャートである。
図8】一実施の形態における作業装置の移動経路と撮像位置とを説明するための図である。
図9】一実施の形態における作業装置の移動経路と撮像位置とを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態)
本発明の本実施の形態による圃場情報管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、図1に示すように、圃場情報管理システム1000は、作業装置100と、制御装置200と、圃場情報管理装置300と、端末400とを備える。制御装置200は、作業装置100と通信可能に接続されている。圃場情報管理装置300は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、制御装置200と、端末400と通信可能に接続されている。
【0014】
圃場情報管理装置300は、作業装置100により作業が行われた圃場600に関する圃場情報、例えば作業装置100による作業領域、作業装置100の移動経路、行われた作業の作業種別などを配信する。端末400は、圃場情報管理装置300から配信される圃場情報を表示し、ユーザ、例えば作業者、圃場600の所有者などに報知する。ここで、作業領域は、圃場600において、作業装置100が作業を行った領域を表す。移動経路は、圃場600において、作業装置100が作業を行うために移動した経路を表す。作業種別は、圃場600において行われた作業装置100の作業の種類、例えば播種、耕耘、肥料散布、農薬散布、収穫などを表す。このため、ユーザは、端末400により表示される圃場情報に基づき、栽培管理の分析を効率的に行うことができる。
【0015】
圃場情報管理装置300が配信する圃場情報は、作業装置100により測定される作業装置100の稼働情報に基づく情報を含む。このため、作業装置100は、圃場600内で作業を行ったときの作業装置100の状態を表す稼働情報を取得する。作業装置100は、取得された稼働情報を圃場情報管理装置300に出力する。これにより、圃場情報管理装置300は、稼働情報を作業装置100から取得する。なお、稼働情報は、作業装置100から制御装置200を介して圃場情報管理装置300に送信されてもよい。
【0016】
また、圃場情報管理装置300は、圃場600を撮像した画像、例えば動画や静止画を含む圃場情報を配信する。圃場600を撮像した画像が表示されることで、ユーザは、圃場600の状態を視覚的に容易に理解できる。
【0017】
ここで、圃場600を撮像した画像は、作業装置100により自動的に取得される。例えば、作業装置100は、周囲を画像に撮像するように構成されている。制御装置200は、圃場600内で移動して作業を行う作業装置100を制御するように構成されている。制御装置200は、例えば作業装置100の移動経路を決定し、作業装置100が決定された移動経路に沿って移動するように制御する。制御装置200は、移動経路上に撮像位置を決定し、決定された撮像位置において作業装置100が撮像した画像を取得する。制御装置200は、撮像位置において撮像された圃場600の画像を表す圃場画像情報を、圃場情報管理装置300に出力する。
【0018】
このように、圃場情報管理システム1000は、作業装置100が作業を行ったときの圃場600を撮像した画像を自動的に取得し配信する。これにより、ユーザは、自ら圃場600を撮像することなく、作業が行われたときの圃場600の状態を、端末400を用いて視覚的に容易に確認することができる。
【0019】
(圃場情報管理システムの構成)
圃場情報管理システム1000に含まれる作業装置100の構成を説明する。作業装置100は、図2に示すように、1つ以上の撮像装置110と、測位装置120とを備える。撮像装置110は、作業装置100の周辺を撮像して、周辺を撮像した撮像画像を表す撮像画像情報を取得する。例えば、作業装置100は、運転席を有するキャビンの上部に2つの撮像装置110を備える。2つの撮像装置110のうちの第1撮像装置110-1は、作業装置100の前方を撮像する。例えば、第1撮像装置110-1の第1光軸方向111-1は、作業装置100が前方に直進しているときの進行方向を向くように構成されている。また、2つの撮像装置110のうち第2撮像装置110-2は、作業装置100の後方を撮像する。第2撮像装置110-2の第2光軸方向111-2は、作業装置100が前方に直進してきるときの進行方向の反対方向を向くように構成されている。第1撮像装置110-1の第1光軸方向111-1と、第2撮像装置110-2の第2光軸方向111-2は、水平方向を向くように構成されてもよく、水平方向と異なる方向、例えば水平方向より下方に傾いた方向を向くように構成されてもよい。ここで、撮像装置110の光軸方向111は、例えば、撮像装置110の位置から、撮像装置110により撮像された画像の中心に表される位置への方向を表す。
【0020】
測位装置120は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を備え、各時刻の位置を表す位置情報を取得する。このため、位置情報は、作業装置100が移動した軌道に沿った位置を表す。作業装置100は、各時刻における作業装置100の位置を表す位置情報を取得する。
【0021】
また、作業装置100は、作業装置100の状態を表す状態情報、例えば作業装置100の速度、操舵角、エンジン回転数、エンジン負荷、各種クラッチのON/OFF状況などを表す情報を取得する。作業装置100が作業機械を牽引する車両、例えばトラクターであるとき、状態情報には、作業機械に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、作業機械の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報が含まれてもよい。例えば、図2に示すように、作業装置100が作業機械としてロータリー耕耘機130を牽引するとき、状態情報は、このロータリー耕耘機130が下降しているか、上昇しているかを表す情報を含んでもよい。作業装置100は、ロータリー耕耘機130を下降して、かつ、移動しているとき、圃場600の耕耘作業を行う。作業装置100は、作業機械と一体に形成された車両、例えばコンバインなどでもよい。また、作業装置100は、農薬を散布するドローンでもよい。
【0022】
作業装置100は、撮像画像情報と、位置情報とを制御装置200に出力する。作業装置100は、例えば、撮像装置110が撮像している撮像画像を表す撮像画像情報をリアルタイムで制御装置200に出力する。また、作業装置100は、位置情報をリアルタイムで制御装置200に出力する。
【0023】
また、作業装置100は、位置情報と、状態情報とを含む稼働情報を圃場情報管理装置300に出力する。例えば、作業装置100は、逐次、稼働情報を制御装置200に出力してもよい。作業装置100は、エンジンを停止したときに、エンジンを起動してから停止するまでの少なくとも一部の稼働情報、例えば状態情報を制御装置200に送信してもよい。また、作業装置100は、蓄積された稼働情報を外部記憶装置、例えばUSBメモリ(Universal Serial Bus flash drive)などを介して、制御装置200に出力してもよい。
【0024】
次に、図1に示す制御装置200の構成を説明する。制御装置200は、図3に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。制御装置200は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯端末などを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0025】
通信装置230は、作業装置100と無線、例えば無線LAN(Local Area Network)で直接接続され、作業装置100との通信を行う。通信装置230は、作業装置100から取得する信号を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を作業装置100に転送する。
【0026】
また、通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置230は、圃場情報管理装置300から取得する信号を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を圃場情報管理装置300に転送する。通信装置230は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラーネットワークなどの無線通信に用いられる送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0027】
記憶装置240は、作業装置100を制御するための様々なデータ、例えば作業装置制御プログラム500を格納する。記憶装置240は、作業装置制御プログラム500を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。作業装置制御プログラム500は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0028】
演算装置220は、作業装置制御プログラム500を読み出し実行することで、図4に示すように、経路決定部250と、撮像位置決定部260と、画像取得部270と、出力部280とを実現する。経路決定部250は、圃場600内において、作業装置100が作業を行う移動経路を決定する。撮像位置決定部260は、決定された移動経路上に圃場600を撮像する撮像位置を決定する。画像取得部270は、作業装置100が撮像した圃場600の圃場画像を取得する。出力部280は、作業装置100が決定された移動経路に沿って移動して作業するための指示情報を作業装置100に出力して、作業装置100を制御する。また、出力部280は、作業装置100から取得した圃場画像情報を圃場情報管理装置300に出力する。なお、経路決定部250は、入出力装置210と協働して、決定された移動経路を表す情報を表示してもよい。また、撮像位置決定部260は、入出力装置210と協働して、決定された撮像位置を表す情報を表示してもよい。
【0029】
次に、図1に示す圃場情報管理装置300の構成を説明する。圃場情報管理装置300は、図5に示すように、入出力装置310と、演算装置320と、通信装置330と、記憶装置340とを備える。圃場情報管理装置300は、例えば、コンピュータである。入出力装置310には、演算装置320が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置310は、演算装置320が処理を実行した結果を出力する。入出力装置310は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置310は省略されてもよい。
【0030】
通信装置330は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置330は、作業装置100から取得する稼働情報と、制御装置200から取得する圃場画像情報とを演算装置320に転送する。また、演算装置320が生成した信号を端末400に転送する。通信装置330は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0031】
記憶装置340は、圃場600に関する圃場情報を配信するための様々なデータ、例えば配信データ510と、圃場情報管理プログラム520とを格納する。記憶装置340は、圃場情報管理プログラム520を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。圃場情報管理プログラム520は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0032】
配信データ510は、圃場600に関する圃場情報を格納する。圃場情報は、例えば、作業装置100の移動経路、作業装置100により作業が行われた作業領域、作業装置100により行われた作業の作業種別などを表す。
【0033】
演算装置320は、圃場情報管理プログラム520を記憶装置340から読み出し実行して、圃場情報を配信するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置320は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0034】
演算装置320は、圃場情報管理プログラム520を読み出し実行することで、図4に示すように、配信部350を実現する。配信部350は、圃場600において、作業装置100により行われた作業を表す圃場情報を配信する。例えば、配信部350は、作業装置100の稼働情報に基づき、圃場600において作業装置100により行われた作業の作業種別を判定する。配信部350は、判定された作業種別を表す情報を含む圃場情報を配信する。また、配信部350は、作業装置100により撮像された圃場600を撮像した圃場画像を表す圃場画像情報を含む圃場情報を配信する。
【0035】
次に、図1に示す端末400の構成を説明する。端末400は、図6に示すように、入出力装置410と、演算装置420と、通信装置430と、記憶装置440とを備える。端末400は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置410には、演算装置420が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置410は、演算装置420が処理を実行した結果を出力する。入出力装置410は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0036】
通信装置430は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置430は、圃場情報管理装置300から取得する信号を演算装置420に転送する。また、演算装置420が生成した信号を圃場情報管理装置300に転送する。通信装置430は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラーネットワークなどの無線通信に用いられる送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0037】
記憶装置440は、作業装置100により作業が行われる圃場600に関する圃場情報を表示するための様々なデータ、例えば表示プログラム530を格納する。記憶装置440は、表示プログラム530を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。表示プログラム530は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体3に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0038】
演算装置420は、表示プログラム530を読み出し実行することで、図4に示すように、入出力装置410と協働して、表示部450を実現する。表示部450は、圃場情報管理装置300から圃場情報を取得して、取得した圃場情報を表示する。
【0039】
(圃場情報管理システムの動作)
圃場600において作業を行う作業者は、圃場600において作業を行う作業領域を制御装置200に登録するための登録操作を、制御装置200の入出力装置210に入力する。制御装置200の演算装置220は、入出力装置210に登録操作が入力されると、作業装置制御プログラム500を読み出し実行する。作業装置制御プログラム500が実行されると、演算装置220は、圃場情報管理方法の一部である図7に示す処理を実行する。
【0040】
ステップS110において、演算装置220により実現される経路決定部250は、圃場600における作業領域を登録する。例えば、経路決定部250は、作業者に圃場600の輪郭に沿って1周する経路で作業装置100を移動させることを指示する。経路決定部250は、作業者が作業装置100を圃場600の輪郭に沿って移動したときの作業装置100の位置情報を取得する。取得された位置情報に基づき、経路決定部250は、作業装置100が移動した経路により囲まれる領域を圃場600において作業が行われる作業領域として登録する。
【0041】
ステップS115において、経路決定部250は、作業装置100が作業を行うために圃場600内を移動する移動経路を決定する。経路決定部250は、図8に示すように、登録された作業領域610内を作業装置100が移動して作業を行うための移動経路650を決定する。例えば、移動経路650は、複数の直線経路651と、複数の旋回経路652とを含む。例えば、作業領域610の形状が矩形であるとき、複数の直線経路651は、作業領域610の矩形の長辺に沿った第1方向に延び、第1方向に直交する第2方向に互いに平行に並べられる。また、複数の旋回経路652の各々は、隣接する2つの直線経路651を接続する。例えば、第1直線経路651-1の終点は第1旋回経路652-1の始点に接続され、第1旋回経路652-1の終点は第2直線経路651-2の始点に接続される。第2直線経路651-2の終点は第2旋回経路652-2の始点に接続され、第2旋回経路652-2の終点は第3直線経路651-3の始点に接続される。
【0042】
図7に示すステップS120において、撮像位置決定部260は、決定された移動経路650上に、作業装置100が圃場600を撮像する撮像位置700を決定する。撮像位置700は、作業装置100の撮像装置110により撮像される撮像範囲のうち、圃場600の領域を撮像する範囲が閾値より広くなるように決定される。例えば、撮像位置700は、撮像装置110の撮像範囲に含まれる圃場600の領域が最も広くなるように決定されてもよい。
【0043】
例えば、撮像位置決定部260は、図8に示すように、圃場600の中心位置670、例えば圃場600を鉛直方向から見たときの幾何中心からの距離が閾値より小さい直線経路651を選択し、選択された直線経路651上に撮像位置700を決定する。複数の直線経路651、例えば第4直線経路651-4と、第5直線経路651-5とから中心位置670までの距離が閾値より小さいとき、撮像位置700は、中心位置670からの距離が閾値より小さい複数の直線経路651のうちの1つの直線経路651上に決定される。撮像位置700は、中心位置670からの距離が最も小さい直線経路651上に決定されてもよい。
【0044】
例えば、撮像位置決定部260は、選択された直線経路651、例えば第4直線経路651-4の始点を撮像位置700、例えば第1撮像位置700-1として決定する。また、撮像位置決定部260は、選択された直線経路651の終点を撮像位置700、例えば第2撮像位置700-2として決定してもよい。
【0045】
撮像位置決定部260は、複数の撮像位置700を決定してもよい。例えば、撮像位置決定部260は、選択された直線経路651の始点と終点とを撮像位置700、例えば第1撮像位置700-1と第2撮像位置700-2として決定してもよい。また、撮像位置決定部260は、選択された直線経路651の始点を撮像位置700、例えば第1撮像位置700-1として決定したとき、選択された直線経路651に隣接する直線経路651、例えば第5直線経路651-5の始点を撮像位置700、例えば第3撮像位置700-3として決定してもよい。また、撮像位置決定部260は、選択された直線経路651の終点を撮像位置700、例えば第2撮像位置700-2として決定したとき、選択された直線経路651に隣接する直線経路651、例えば第5直線経路651-5の終点を撮像位置700、例えば第4撮像位置700-4として決定してもよい。
【0046】
図2に示すように、作業装置100が複数の撮像装置110を備えるとき、撮像位置決定部260は、撮像位置700から中心位置670に向かう方向と、撮像位置700において撮像装置110の光軸方向111との間の角度が最も小さい撮像装置110を、撮像位置700において撮像する撮像装置110として決定する。例えば、図8に示すように、撮像位置700として第1撮像位置700-1が決定されているとき、第1撮像位置700-1から中心位置670に向かう方向と、第1撮像位置700-1において前方を撮像する第1撮像装置110-1の第1光軸方向111-1との間の角度は、90度より小さい。一方、第1撮像位置700-1から中心位置670に向かう方向と、第1撮像位置700-1において後方を撮像する第2撮像装置110-2の第2光軸方向111-2との間の角度は、90度より大きい。このため、撮像位置決定部260は、第1撮像装置110-1を第1撮像位置700-1において撮像する撮像装置110として決定する。
【0047】
また、撮像位置700として第2撮像位置700-2が決定されているとき、第2撮像位置700-2から中心位置670に向かう方向と、第2撮像位置700-2において前方を撮像する第1撮像装置110-1の第1光軸方向111-1との間の角度は、90度より大きい。一方、第2撮像位置700-2から中心位置670に向かう方向と、第2撮像位置700-2において後方を撮像する第2撮像装置110-2の第2光軸方向111-2との間の角度は、90度より小さい。このため、撮像位置決定部260は、第2撮像装置110-2を第2撮像位置700-2において撮像する撮像装置110として決定する。
【0048】
図7に示すステップS125において、出力部280は、作業装置100に移動経路650を表す経路情報を含む指示情報を出力し、作業装置100を制御する。指示情報は、経路情報のほか、作業装置100が作業を行うための制御情報を含む。例えば、図2に示すように、作業装置100がロータリー耕耘機130を牽引するトラクターであるとき、制御情報は、移動経路650の各位置におけるロータリー耕耘機130の高さを表す情報を含む。
【0049】
図7に示すステップS130において、作業装置100は、制御装置200の出力部280から取得した指示情報に基づき、圃場600における作業を開始する。例えば、作業装置100は、撮像装置110により撮像された画像、例えば動画を表す画像情報を制御装置200にリアルタイムで出力する。また、作業装置100は、逐次、測位装置120により測定された作業装置100の位置を表す位置情報を制御装置200に出力する。また、作業装置100は、作業装置100の状態を表す状態情報と、位置情報とを含む稼働情報を圃場情報管理装置300に出力する。
【0050】
ステップS135において、制御装置200の画像取得部270は、作業装置100から、撮像装置110により撮像された撮像画像を表す撮像画像情報を取得する。例えば、撮像画像情報は、作業装置100が撮像した動画を表す。画像取得部270は、撮像画像情報に基づき、作業装置100が撮像した動画をリアルタイムで入出力装置210に表示する。画像取得部270が作業装置100により撮像された動画を表示することで、ユーザ、例えば作業者は、作業装置100の周辺の状況を確認することができる。
【0051】
ステップS140において、画像取得部270は、撮像画像情報から、撮像位置700において撮像された圃場画像を取得する。例えば、画像取得部270は、作業装置100の位置情報に基づき、作業装置100が撮像位置700に達した到達時刻を取得する。例えば、画像取得部270は、作業装置100の位置情報が表す位置から撮像位置700までの距離が閾値より小さいときの時刻を到達時刻として取得する。画像取得部270は、撮像画像情報に表された動画から到達時刻に撮像された圃場画像、例えば静止画を抽出する。
【0052】
ステップS145において、出力部280は、抽出された圃場画像を表す圃場画像情報を圃場情報管理装置300に出力する。
【0053】
ステップS150において、圃場情報管理装置300の配信部350は、制御装置200の出力部280から取得する圃場画像情報と、作業装置100から取得する稼働情報とに基づき、配信データ510を更新する。例えば、配信部350は、作業装置100の稼働情報、例えば位置情報に基づき、作業装置100が作業を行った圃場600を特定する。例えば、配信部350は、作業装置100の位置情報により表される位置を含む圃場600を検索し、作業装置100が検索された圃場600において作業を行ったと判定する。また、配信部350は、作業が行われた圃場600に関する情報を制御装置200の出力部280から取得してもよい。
【0054】
配信部350は、特定された圃場600の状態を表す画像として、制御装置200の出力部280から取得した圃場画像情報に表される圃場画像を配信データ510に登録する。このように、圃場600の状態を表す圃場画像が自動的に圃場情報管理装置300の配信データ510に登録される。
【0055】
また、配信部350は、圃場600において、作業装置100が作業を行った作業領域を配信データ510に登録してもよい。例えば、配信部350は、作業装置100の位置情報に表された位置を含む凸包を作業装置100が作業を行った作業領域として決定し、決定された作業領域を配信データ510に登録する。凸包は、位置情報に表されたすべての位置を含む最小の領域を表す。また、作業領域は、凸包の輪郭を作業装置100の作業幅だけ外方に広げた領域を表してもよい。
【0056】
また、配信部350は、圃場600における作業において、作業装置100が移動した移動経路を配信データ510に登録してもよい。例えば、配信部350は、作業装置100の位置情報に表された位置を測定された時刻の順番に結んだ線を作業装置100の移動経路として登録してもよい。
【0057】
また、配信部350は、作業装置100の稼働情報、例えば状態情報に基づき、作業装置100が圃場600において行った作業の作業種別を配信データ510に登録してもよい。例えば、配信部350は、機械学習により得られた学習済みモデルを用いて、稼働情報に基づき、作業種別を決定する。この場合、学習済みモデルは、稼働情報から作業種別を決定するように、学習されている。また、配信部350は、作業種別を、作業装置100の機種に基づき決定してもよい。この場合、記憶装置340は、作業装置100の機種と、作業種別とを関連付ける作業対応データを格納する。配信部350は、作業対応データに基づき、作業種別を決定する。決定された作業種別は、配信データ510に登録される。
【0058】
また、配信部350は、圃場600において行われた作業の作業量、例えば農薬の散布量、肥料の散布量、作物の収穫量などを配信データ510に登録してもよい。例えば、配信部350は、作業装置100の稼働情報、例えば状態情報に基づき、作業装置100により圃場600において行われた作業の作業量を決定する。決定された作業量は配信データ510に登録される。
【0059】
配信部350は、更新した配信データ510に登録された圃場情報、例えば圃場画像、作業装置100の移動経路、圃場600に行われた作業の作業種別、圃場600に行われた作業の作業量などを表す情報を端末400に配信する。
【0060】
ステップS155において、端末400の表示部450は、配信された圃場情報を入出力装置410に表示する。例えば、表示部450は、圃場情報に表された圃場画像を圃場600の状態として表示する。ユーザは、表示された圃場画像を確認することで、視覚的に容易に圃場600の状態を理解することができる。また、表示部450は、圃場600において行われた作業の作業種別、作業量などを表示する。このため、ユーザは、圃場600における栽培管理の分析を効率的に行うことができる。
【0061】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、図7に示すステップS115において、経路決定部250は、複数の直線経路651と、複数の旋回経路652と、作業領域610の輪郭に沿って移動する枕地経路とを有する移動経路650を決定してもよい。移動経路650において、枕地経路は、複数の直線経路651より前に作業装置100が移動するように設定されてもよく、複数の直線経路651より後に作業装置100が移動するように設定されてもよい。
【0062】
また、旋回経路652は、最も離れた2つの直線経路651を接続してもよい。例えば、図8に示す例において、旋回経路652は、第1直線経路651-1の第1方向の端と、最も遠い第6直線経路651-6の第1方向の端とを接続する。第6直線経路651-6の第2方向の端は、接続されていない直線経路651のうち、第6直線経路651-6から最も遠い第2直線経路651-2の第2方向の端と、旋回経路652を介して接続される。このように、複数の旋回経路652は、最も離れた2つの直線経路651を接続して、1つの移動経路650を形成してもよい。
【0063】
また、ステップS120において、撮像位置決定部260は、選択された直線経路651、例えば第4直線経路651-4の中点に撮像位置700を決定してもよい。この場合、撮像位置決定部260は、作業装置100が複数の撮像装置110を備えるとき、撮像位置700において、光軸方向111が互いに反対方向を向く2つの撮像装置110により撮像された画像を取得する。
【0064】
また、撮像位置決定部260は、複数の旋回経路652のうち、作業領域610の中心位置670からの距離が閾値より大きい旋回経路652を選択し、選択された旋回経路652上に撮像位置700を決定してもよい。また、撮像位置決定部260は、複数の旋回経路652のうち、作業領域610の中心位置670からの距離が最も大きい旋回経路652を選択し、選択された旋回経路652上に撮像位置700を決定してもよい。例えば、図9に示すように、撮像位置決定部260は、作業領域610の中心位置670からの距離が最も大きい第1旋回経路652-1上に撮像位置700、例えば第5撮像位置700-5を決定する。この場合、決定される第5撮像位置700-5は、作業装置100が第1旋回経路652-1を移動するときに、作業装置100に設けられた撮像装置110の光軸方向111が、第5撮像位置700-5から中心位置670に向かう方向に最も近い位置に決定される。撮像位置決定部260は、第2方向において、中心位置670からの距離が最も大きい旋回経路652上に撮像位置700を決定してもよい。
【0065】
さらに、撮像位置決定部260は、選択された旋回経路652、例えば第1旋回経路652-1から最も離れた旋回経路652、例えば第3旋回経路652-3上に撮像位置700、例えば第6撮像位置700-6を決定してもよい。この場合、決定される第6撮像位置700-6は、作業装置100が第3旋回経路652-3を移動するときに、作業装置100に設けられた撮像装置110の光軸方向111が、第6撮像位置700-6から中心位置670に向かう方向に最も近い位置に決定される。
【0066】
撮像位置決定部260は、複数の撮像位置700を決定するとき、直線経路651上の撮像位置700と、旋回経路652上の撮像位置700とを決定してもよい。
【0067】
図7に示すステップS140において、画像取得部270は、撮像画像情報から撮像位置700に到達したときに撮像された動画、例えば短時間の動画を圃場画像として取得してもよい。この場合、出力部280は、圃場情報管理装置300に、作業装置100が撮像位置700に到達したときの動画を表す圃場画像情報を出力する。圃場情報管理装置300の配信部350は、圃場600の状態を表す圃場画像として、動画を配信する。端末400の表示部450は、圃場600の状態を表す圃場画像として、入出力装置410に動画を表示する。
【0068】
図7に示すステップS150において、配信部350により決定される作業に関する情報、例えば移動経路、作業種別、作業の作業量などは、ユーザ、例えば作業者が端末400を用いて入力してもよい。例えば、ユーザは、圃場600により行われた作業に関する情報を端末400の入出力装置410に入力する。端末400の表示部450は、入力された作業に関する情報を圃場情報管理装置300に出力する。圃場情報管理装置300の配信部350は、取得した作業に関する情報を配信データ510に登録する。この場合、作業装置100は、稼働情報を取得しなくてもよい。なお、作業に関する情報は、ユーザにより制御装置200に入力され、制御装置200から圃場情報管理装置300に出力されてもよい。
【0069】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、図1に示す圃場情報管理システム1000に、作業装置100と、制御装置200と、端末400との一部またはすべては含まれなくてもよい。また、端末400の処理は、すべて制御装置200で実行されてもよい。
【0070】
また、制御装置200の処理は、すべて圃場情報管理装置300で実行されてもよい。この場合、作業装置100に圃場600において作業を行う作業領域を登録するための登録操作が入力される。作業装置100は、登録された作業領域を表す情報を圃場情報管理装置300に出力する。圃場情報管理装置300で実現される経路決定部250と、撮像位置決定部260と、画像取得部270と、出力部280とにより、その後の処理が行われる。
【0071】
また、制御装置200の処理の一部が、作業装置100で実行されてもよい。例えば、図4に示す画像取得部270は、作業装置100で実行されてもよい。この場合、制御装置200の出力部280は、作業装置100に移動経路650と、撮像位置700とを表す指示情報を作業装置100に出力する。作業装置100で実現される画像取得部270は、撮像装置110が撮像した撮像画像から、撮像位置700で撮像された圃場画像を抽出する。作業装置100の画像取得部270は、抽出した圃場画像を表す圃場画像情報を制御装置200に出力する。また、この場合、作業装置100の撮像装置110は、撮像位置700において静止画を圃場画像として撮像してもよい。この場合、作業装置100の画像取得部270は、撮像された静止画を表す圃場画像情報を制御装置200に出力する。
【0072】
また、圃場情報管理プログラム520は、作業装置制御プログラム500と、表示プログラム530との一部またはすべてを含んでもよい。また、圃場情報管理システム1000の処理で使用される時刻は、所定の基準時、例えば作業装置100が起動した時刻から経過した時刻でもよい。
【0073】
制御装置200に、作業装置100が作業を行う作業領域610が予め登録されてもよい。この場合、図7に示すステップS110を省略してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1、2、3:記憶媒体
20 :ネットワーク
100 :作業装置
110 :撮像装置
111 :光軸方向
120 :測位装置
130 :ロータリー耕耘機
200 :制御装置
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :経路決定部
260 :撮像位置決定部
270 :画像取得部
280 :出力部
300 :圃場情報管理装置
310 :入出力装置
320 :演算装置
330 :通信装置
340 :記憶装置
350 :配信部
400 :端末
410 :入出力装置
420 :演算装置
430 :通信装置
440 :記憶装置
450 :表示部
500 :作業装置制御プログラム
510 :配信データ
520 :圃場情報管理プログラム
530 :表示プログラム
600 :圃場
610 :作業領域
650 :移動経路
651 :直線経路
652 :旋回経路
670 :中心位置
700 :撮像位置
1000 :圃場情報管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9