(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】エレベーターのドア開閉検出システム
(51)【国際特許分類】
B66B 13/22 20060101AFI20250331BHJP
【FI】
B66B13/22 A
(21)【出願番号】P 2022052279
(22)【出願日】2022-03-28
【審査請求日】2023-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西迫 竜一
(72)【発明者】
【氏名】吉村 卓馬
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-185107(JP,A)
【文献】特開2002-145565(JP,A)
【文献】特開2019-184404(JP,A)
【文献】特開平11-322235(JP,A)
【文献】特開昭63-171428(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0201476(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-2363651(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのかごに設置された磁気センサーと、前記磁気センサーの時区間における計測値の差分が第1の閾値を超えたか否かに基づいて金属製のドアの開閉を検出する開閉検出装置とを備えたドア開閉検出システムにおいて、
乗場ドアまたは前記乗場ドアの近傍に設けられた磁石を備え
、
前記磁石の磁極の向きは、垂直方向である、
前記開閉検出装置は、
前記ドアの開状態を検出して以降の前記磁気センサーの計測値の差分が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値より大きいか否かの第1の判定を行い、
前記第1の判定の結果が偽となった後に、前記磁気センサーの前記時区間における計測値の差分が前記第1の閾値より大きいか否かの第2の判定を行う、
ことを特徴とするドア開閉検出システム。
【請求項2】
前記乗場ドアの近傍とは、前記乗場ドアの金属製のドアハンガーである、
ことを特徴とする請求項1に記載のドア開閉検出システム。
【請求項3】
前記磁気センサーは、かごの上に設置されており、
前記磁石は、前記ドアハンガーの上面に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載のドア開閉検出システム。
【請求項4】
前記磁石は、前記磁気センサーの検出軸の延長上にある、
ことを特徴とする請求項2に記載のドア開閉検出システム。
【請求項5】
前記磁石は、着床したかごの前記磁気センサーに対面する位置にある、
ことを特徴とする請求項1に記載のドア開閉検出システム。
【請求項6】
前記磁石の磁極向きを変更する磁極向き変更装置を有し、
前記磁石は、電磁石であり、
前記磁極向き変更装置は、
前記ドアの開状態が検出された以降の磁極向きを垂直方向とし、
前記ドアの開状態が検出されてから一定時間経過後に、または、前記第1の判定の結果が偽となった後に、磁極向きを水平方向とする、
ことを特徴とする請求項
1に記載のドア開閉検出システム。
【請求項7】
前記磁石は、磁極向きを垂直方向と水平方向に切り替え可能な電磁石である、
ことを特徴とする請求項1に記載のドア開閉検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、エレベーターのドアの開閉を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベーターのかごに設けた磁気センサーの出力値(計測値)からドア開閉を検出する技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドアの開閉に伴い磁場環境が変化すると、磁気センサーの出力値が変化する。磁気センサーの出力値の変化から、ドアの開閉を検出することができる。
【0005】
しかし、設置環境(建屋の構造や材質など)やノイズにより磁気の変化を高精度に検出することは難しい。
【0006】
そこで、本発明の課題は、エレベーターのドア開閉の検出精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
エレベーターのかごに設置された磁気センサーと、磁気センサーの時区間における計測値の差分が閾値を超えたか否かに基づいて金属製の乗場ドアの開閉を検出する開閉検出装置とを備えたドア開閉検出システムにおいて、乗場ドアまたは乗場ドアの近傍に磁石が備えられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、エレベーターのドア開閉の検出精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るドア開閉検出システムの構成図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る機器配置を示す模式図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る磁気センサー計測値のタイムチャートの例である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るドア開検出処理のフローチャートである。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る磁気センサー計測値のタイムチャートの例である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係るドアポケットの機構を示す図である。
【
図7A】本発明の第2の実施形態において磁極向きが垂直方向である磁気センサーの計測値のタイムチャートの例である。
【
図7B】本発明の第2の実施形態において磁極向きが水平方向である磁気センサーの計測値のタイムチャートの例である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係るドア開閉検出処理のフローチャートの一部である。
【
図9】本発明の第3の実施形態に係る磁極向き変更の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて、幾つかの実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
【0011】
まず、
図1を用いて、本発明の第1の実施形態に係るドア開閉検出システムの構成を説明する。
【0012】
ドア開閉検出ユニット101は、エレベーターのかご201上に設置される。ドア開閉検出ユニット101は、磁気センサー102と、開閉検出装置110とを備える。開閉検出装置110は、受信装置103と、演算装置104(例えばプロセッサ)と、記憶装置105(例えばメモリ)と、通信装置106とを備える。磁気センサー102と開閉検出装置110は、必ずしも一つのユニットに無くてもよい。
【0013】
磁気センサー102は、磁気を検出し、検出された磁気(磁束密度)を表す計測値を出力する。磁気センサー102は、検出軸が一軸のセンサーでもよいが、本実施形態では、検出軸が三軸のセンサーである。
【0014】
受信装置103は、磁気センサー102の計測値を受信する。演算装置104が、受信した計測値を記憶装置105に格納し、出力値の変化を基に乗場ドア202の開閉を検出する。演算装置104は、記憶装置105に、開閉検出のログ(例えば、開閉回数を含むログ)を記録する。演算装置104は、通信装置106を介して、開閉検出のログを含んだ情報を、管制センター107へ送信する。情報は、通信ネットワークを介して管制センター107へ送信される。
【0015】
管制センター107は、開閉検出装置110から受信した情報(開閉検出のログを含んだ情報)を基に、乗場ドア202やかご201のドア(図示せず)に関わる機器の摩耗や劣化を推測し、推測された摩耗や劣化が一定度合以上の場合には点検指示や調整指示を、例えば作業者の情報処理端末に送信する。
【0016】
本実施形態において、エレベーターの「ドア」は、乗場ドア202とかご201のドアの総称である。乗場ドア202とかご201のドアの一方または両方とも、金属製のドアである。金属製のドアの開閉に伴い、磁気センサー102により検出される磁気が変化する。
【0017】
ドア開閉に伴う磁気変化(磁気センサー102の計測値差分)を大きくするため、乗場ドア202または乗場ドア202の近傍に磁石108が設けられる。これにより、エレベーターのドア開閉の検出精度が向上する。本実施形態では、乗場ドア202のドアハンガーであるドアポケット601に、磁石108が備えられる。ドアポケット601は金属製であり、ドアポケット601に、磁石108の磁力により磁石108が張り付く。
【0018】
次に、
図2および
図3を用いて、本実施形態における、ドア開閉時の磁気変化について説明する。
【0019】
図2は、エレベーターのかご201および幾つかの階での機器配置を示す模式図である。
図3は、磁気センサー計測値のタイムチャートの例である。
【0020】
監視のためのインターフェースを有していないエレベーターに監視装置の一例としてのドア開閉検出ユニット101を設置する場合、ドアなどの可動部への設置は、エレベーターの稼働に影響しないための設置場所の検証や配線の固定が必要となる。すでに稼働中のエレベーターでは、昇降路とかご201の側面との間に、作業に十分な空間がなく、かご201の側面への配線などは困難である。一方で、かご上は、作用者が乗って作業することを想定しているため、作業に十分な空間がある。また、かご上は、稼働の際に昇降方向に干渉する機器はない。そのため、かご201へのドア開閉検出ユニット101の設置はかご上が適している。
【0021】
かご上に設置されたドア開閉検出ユニット101における開閉検出装置110は、かご201の開閉動作に伴うセンサー信号(磁気センサー102の計測値)を取得し処理を行う。
【0022】
かご201が乗場203に着床し、ドアが閉じている状態のとき、磁気センサー102の計測値はα1である。乗客の乗降りのためにドアが開いた状態のとき、計測値はα2である。α1からα2への変化区間はドア開閉中である。ドア開閉に伴う磁気変化ΔMは、ドアパネルの移動などによる金属機器の位置変化(磁気センサー102周辺の金属機器の位置変化)によるものである。
【0023】
磁石108は、全ての階に設けられてもよいが、本実施形態では、磁石108が設けられている階と磁石108が設けられていない階がある。
【0024】
図4は、ドア開検出処理を示すフローチャートである。
【0025】
S401では、開閉検出装置110は、エレベーターに備えられた加速度センサー(図示せず)、気圧センサー(図示せず)または磁気センサー102といったセンサーの計測値により、かご201が走行していることを検出した場合(S401でNo)、一般的に走行中にドア開閉は行われないため、処理を終了する。
【0026】
走行完了が検出された場合(S401でYes)、開閉検出装置110は、かご201が着床した時点ではドアは閉じている状態のため、S402にて、ドアの状態を“閉”と判定する。
【0027】
次に、S403にて、開閉検出装置110は、磁気センサー102の計測値(磁気値)を取得する。
【0028】
次に、S404にて、開閉検出装置110は、センサーによる計測値にはノイズが含まれるため、開閉検出装置110は、一定区間tにおいて平滑化する。具体的には、例えば、開閉検出装置110は、区間t毎に、複数の計測値の平均値を算出し、当該平均値を、区間tでの計測値とする。開閉検出装置110は、時区間T(T>t)での計測値の最大値(例えば
図3のα1)と最小値(例えば
図3のα2)の差をΔMとして算出する。なお、S404において、開閉検出装置110は、ローパスフィルタなどのフィルタ処理を実施してもよい。
【0029】
次に、S405にて、開閉検出装置110は、ΔMが第1の閾値Th1より大きいか否かを判定する。ΔMが第1の閾値Th1より大きい場合(S405でYes)、S406にて、開閉検出装置110は、ドア状態を“開”と判定する。S405では、ドア閉じ状態の磁気平均値α1を基準とし、時区間T(ドア開閉動作時間に相当する時間)内での磁気変化を判定する。磁気変化がない場合(S405でNo)、処理がS403に戻る。
【0030】
第1の閾値Th1は、例えば次のようにして記憶装置105に設定されてよい。すなわち、ドア開閉検出ユニット101の取付け時に、保守員が、ドア開閉動作を行い、ドア開閉動作の時に検出された時区間Tでの計測値変化(磁気センサー102の計測値(磁気値)の変化)を基に、第1の閾値Th1が演算装置104(又は保守員)により決定されて、第1の閾値Th1が記憶装置105に設定されてよい。
【0031】
次に、
図5を用いて、磁石108が磁気センサー計測値に与える影響について説明する。
【0032】
磁石108が磁気センサー102の近くにある場合、金属製のドアの開閉に伴い、磁束密度が増大し、故に、磁気センサー102の計測値に大きく影響する。
【0033】
磁気センサー102を含むドア開閉検出ユニット101は、ドア開閉以外の状態(例えば、かご201の昇降動作)を監視する監視装置の一例でよく、かご上に設置される。なお、ドア開閉を検知しやすくするため、少なくとも磁気センサー102は、ドア近傍(かご201のドアの近傍)に設置される。
【0034】
例えば7階床の建物において、1階と7階には磁石108は設置されておらず、2階から6階の各々において、ドアポケット601上面に磁石108が設置されているとする。
【0035】
磁石108が設置されていない階と磁石108が設置されている階のいずれにおいても、ドア開閉に伴う磁気変化がある。しかし、磁石108が設置されていない階での磁気変化量ΔM1は、かご201の走行中に磁気センサー102が動くことによる磁気変動幅よりも小さく、故に、ドア開閉を誤検出する可能性がある。
【0036】
一方、磁石108が設置されている階でのドア開閉に伴う磁気変化量ΔM2は、磁石108が設置されていない階での磁気変化量ΔM1に比べて大きくなる。そのため、信号にノイズが含まれる場合においても、ドア開閉を高精度に検出することができる。
【0037】
次に、
図6を用いて、磁石108の設置場所の例について説明する。
【0038】
磁場は距離の2乗に比例して減衰する。そのため、磁石108は磁気センサー102の近くに設置する必要がある。具体的には、例えば、磁石108は、着床したかご201上の磁気センサー102に対面する位置にある(
図1および
図2参照)。
【0039】
また、磁気センサー102の検出軸(XYZ軸)に対し、磁石108は、検出軸の延長線上に設置する必要がある。これは、検出軸に対して磁石108が斜めに設置された場合、各軸で変化を検出するため検出値が分散されるためである。ドア開閉は直線上の動作のため(
図6でいえばX方向)、磁気センサー102の1軸が、ドア開閉方向と平行である。
【0040】
ドア開閉検出ユニット101をかご上に設置する場合、かご上機器や配線により、設置可能な場所は機種や建屋ごとに異なる。磁気センサー102の設置位置に伴い、磁石の設置位置も任意にできることが望ましい。
【0041】
エレベーターの標準的な構造として、各階のホールドアには、乗場ドア202を構成する金属製のドアパネル602と、ドアパネル602を吊り下げているドアポケット601とを有する。ドアポケット601は、ドアパネル602をスライドさせるためのドアレール603を有しており、ホールドア(ドアパネル602)上部の機器を覆うような機構となっている。ドアポケット601は、ホールドアの機構の最上部であり、ドアポケット601の上面605は金属で平坦である。また、ドアポケット601(特にその上面605)は、着床したかご201上に近い位置関係である。
【0042】
本実施形態では、ドアポケット601に磁石108が設置される。そのため、着床したかご201上の磁気センサー102に近い位置に磁石108が存在することになる。また、磁石108の磁力でドアポケット601に固定されるため、エレベーターの稼働中に磁石108が外れて落下する可能性は少ない。
【0043】
ドアポケット601(およしその上面605)は、ドアレール603の長さと同じかそれ以上の長さを有する。ドアポケット601の少なくとも上面605は金属製であり、上面605に、ドアの開閉方向に長い磁石108が設置される。ドアポケット601の上面605に磁石108が設置される。このため、磁石108の位置は、かご201上から容易に作業可能な位置であり、作業性や保守性が向上する。
[第2の実施形態]
【0044】
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。その際、第1の実施形態との相違点を主に説明し、第1の実施形態との共通点については説明を省略又は簡略する。
【0045】
磁石108の極性が計測値に影響する。第2の実施形態では、検出項目に応じた磁極向きを有する磁石108が採用される。磁石108をドアポケット601の上面605に設置する場合、磁石の極(NまたはS)の向きにより磁気センサー102の計測値変化が異なる。磁極向きと計測値変化の例を、
図7Aおよび
図7Bを用いて説明する。なお、
図7および
図7Bのタイムチャートは、
図3および
図5のタイムチャートに対応した検出軸と別の検出軸に対応する。
【0046】
図7Aは、磁極向きが昇降方向(垂直方向)である場合の計測値タイムチャートの例である。ドアポケット601の上面605には、NまたはS極の一方が接しており、もう一方はその上の空間を向く。磁束は垂直に円を描くようになり、かご201の垂直方向の変化は、磁気センサー102では垂直方向の検出軸に多く検出される。このとき、例えば多くの乗客の乗降りによるかごのわずかな動きを磁気センサー102の計測値変化量ΔM3を基に検知することができる。
【0047】
図7Bは、磁極向きが水平方向である場合の計測値タイムチャートの例である。ドアポケット601の上面605に、NおよびS極の両方が接する。このとき、磁束の多くは金属に吸収される。そのため、磁極向きが垂直方向である場合と比べ、垂直方向の磁気の検出量は小さい。そのため、乗客の乗降りによるかごのわずかな動きは検知し難い。
【0048】
このように、磁極向きを変えることで、検出項目に適した磁気の変化をとらえることができる。
【0049】
磁極向きが垂直方向の磁石108が採用されている場合、
図4に示したドア開検出処理と
図8に示したドア閉検出処理とで構成されたドア開閉検出処理が行われてよい。
【0050】
すなわち、開閉検出装置110は、S406(ドア状態を“開”と判定すること)を行ったら、S802にて、磁気センサー102の計測値を取得し、S802にて、ΔMを算出する。
【0051】
S803にて、開閉検出装置110は、ドアの開状態を検出して以降のΔMが第2の閾値Th2より大きいか否かの判定を行う。Th2は、Th1より小さい。S803の判定の結果が偽となるまでは、かご201の動きが検出されているということであり、それは、乗客の乗り降りが行われている可能性があることを意味する。
【0052】
S803の判定の結果が偽となった後に(S803でNO)、S804にて、開閉検出装置110は、ΔMがTh1より大きいか否かの判定(つまりドア開閉がされたか否かの判定)を行う。
【0053】
S804の判定の結果が真の場合(S804でYES)、S805にて、かご201の走行が開始される。
[第3の実施形態]
【0054】
以下、本発明の第3の実施形態を説明する。その際、第1および2の実施形態との相違点を主に説明し、第1および2の実施形態との共通点については説明を省略又は簡略する。
【0055】
また、磁石108として、
図9に示すように、磁極向きを垂直方向と水平方向に切り替え可能な電磁石912が採用される。これにより、任意に磁極の向きを変更することが可能となる。
【0056】
例えば、電磁石912は、垂直方向の磁極向きに対応した第1のコイル921と、水平方向の磁極向きに対応した第2のコイル922とを有する。電源回路911により第1のコイル921や第2のコイル922に電流が流れる。
【0057】
ドア開閉のログを含んだ情報がドア開閉検出ユニット101から管制センター107経由又は非経由で、制御装置910に送信される。
【0058】
制御装置910が、磁極向きを変更する磁極向き変更装置の一例である。制御装置910は、ドア開状態が検出された直後は、電源回路911が第1のコイル921に電流を流すよう電源回路911を制御する。これにより、ドア開状態が検出された直後は、磁極向きが垂直方向になり、乗客の乗り降りを優先して検知することができる(
図8参照)。
【0059】
ドア開状態から一定時間経過後に、または、
図8のS803の判定結果が偽となった後に、制御装置910は、電源回路911が第2のコイル922に電流を流すよう電源回路911を制御する。これにより、磁極向きが水平方向になり、ドア閉じやドア閉じ時の反転を優先して検知可能となる。
【0060】
以上、幾つかの実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実行することが可能である。すなわち、ある構成部分を他の構成に置き換えたり、ある構成部分に他の構成を加えたりすることも可能である。
【符号の説明】
【0061】
101・・・・・ドア開閉検出ユニット
102・・・・・磁気センサー
108・・・・・磁石
110・・・・・開閉検出装置
201・・・・・かご
202・・・・・乗場ドア