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特許7657780セラミックヒータおよび液相拡散接合を用いた形成方法
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  • 特許-セラミックヒータおよび液相拡散接合を用いた形成方法 図1
  • 特許-セラミックヒータおよび液相拡散接合を用いた形成方法 図2A
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  • 特許-セラミックヒータおよび液相拡散接合を用いた形成方法 図2C
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  • 特許-セラミックヒータおよび液相拡散接合を用いた形成方法 図2I
  • 特許-セラミックヒータおよび液相拡散接合を用いた形成方法 図3
  • 特許-セラミックヒータおよび液相拡散接合を用いた形成方法 図4
  • 特許-セラミックヒータおよび液相拡散接合を用いた形成方法 図5
  • 特許-セラミックヒータおよび液相拡散接合を用いた形成方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】セラミックヒータおよび液相拡散接合を用いた形成方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/20 20060101AFI20250331BHJP
   H05B 3/10 20060101ALI20250331BHJP
   H05B 3/12 20060101ALI20250331BHJP
   H05B 3/18 20060101ALI20250331BHJP
【FI】
H05B3/20 328
H05B3/20 309
H05B3/10 C
H05B3/12 A
H05B3/18
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022516088
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-17
(86)【国際出願番号】 US2020050678
(87)【国際公開番号】W WO2021051062
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-09-12
(31)【優先権主張番号】62/899,189
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーガヴィオ、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ブルーケ、トッド
(72)【発明者】
【氏名】イングリッシュ、カート
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-514164(JP,A)
【文献】特表2015-514661(JP,A)
【文献】特開2004-260039(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0359859(US,A1)
【文献】特開2003-100580(JP,A)
【文献】国際公開第2019/102794(WO,A1)
【文献】特開2009-141204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/20
H05B 3/10
H05B 3/12
H05B 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック基板と、
加熱層であって、該加熱層は、液相拡散接合を介して前記セラミック基板に接合されている、加熱層と、
配線層であって、該配線層は、前記セラミック基板の中央部分と前記セラミック基板の外側部分との間を半径方向に延び、該配線層が前記セラミック基板内に配置されている、配線層と、
前記加熱層と前記配線層とを接続する複数の第1の導電ビアであって、前記配線層および該複数の第1の導電ビアの少なくとも一つは、液相拡散接合によって前記セラミック基板に接合されている、複数の第1の導電ビアと、
を備えるヒータ。
【請求項2】
前記配線層を前記セラミック基板の表面に接続する複数の第2の導電ビアを、さらに備える、請求項に記載のヒータ。
【請求項3】
前記セラミック基板は、液相拡散接合を介して接合された複数のプレート部材を含む、請求項に記載のヒータ。
【請求項4】
前記複数のプレート部材は、前記複数の第1の導電ビアが貫通する第1のプレート部材および第2のプレート部材を含む、請求項に記載のヒータ。
【請求項5】
前記加熱層は、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材の少なくとも一方の内部に埋め込まれている、請求項に記載のヒータ。
【請求項6】
前記第1のプレート部材と前記第2のプレート部材との間の平均表面粗さは、5μm未満である、請求項に記載のヒータ。
【請求項7】
前記第2のプレート部材および第3のプレート部材の少なくとも一方の中に埋め込まれ、前記複数の第1の導電ビアと接触する配線層をさらに備える、請求項に記載のヒータ。
【請求項8】
終端部に接合された端子配線をさらに備える、請求項に記載のヒータ。
【請求項9】
前記第2のプレート部材および前記第3のプレート部材の少なくとも一方の中に埋め込まれた終端層材料をさらに備える、請求項に記載のヒータ。
【請求項10】
前記終端層材料は、モリブデンおよびシリコンを含む、請求項に記載のヒータ。
【請求項11】
前記加熱層と前記セラミック基板との間に、モリブデン-シリコン(Mo-Si)合金およびMo-Si金属間化合物の少なくとも一方をさらに備える、請求項10に記載のヒータ。
【請求項12】
前記複数のプレート部材は、第1のプレート部材と、複数の第1の導電ビアが貫通する第2のプレート部材と、複数の第2の導電ビアが貫通する第3のプレート部材とを含む、請求項に記載のヒータ。
【請求項13】
前記加熱層は、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材の少なくとも一方に埋め込まれている、請求項12に記載のヒータ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年9月12日に出願された米国仮出願第62/899,189号の優先権を主張する。上記出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、抵抗ヒータに関し、より詳細には、セラミック基板を有する抵抗加熱素子を有するセラミックヒータに関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションの記述は、本開示に関連する背景情報を提供するにすぎず、先行技術を構成するものではない場合がある。
【0004】
典型的なセラミックヒータは、一般に、セラミック基板と、セラミック基板内に埋め込まれた、またはセラミック基板上に配置された抵抗加熱素子とを含む。抵抗加熱素子で発生した熱は、セラミック材料の優れた熱伝導性により、セラミック基板に近接して配置された加熱対象に迅速に伝達される。しかしながら、セラミック材料は浸潤性が悪いため、セラミック材料を金属材料に接合することが困難であることが知られている。また、抵抗加熱素子の熱膨張率(CTE)がセラミック基板のCTEと不適合である場合、セラミック基板と抵抗加熱素子との間の接合はより悪くなり得る。すなわち、セラミック基板と抵抗加熱素子との間の境界面に亀裂(クラック)または空隙(ギャップ)が発生し、それによって抵抗加熱素子からセラミック材料を通した加熱対象への熱伝達に、悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
セラミックヒータの製造に関連する他の問題の中でも、セラミック基板を用いて抵抗加熱素子を形成することに関するこれらの問題は、本開示によって対処される。
【発明の概要】
【0006】
このセクションは、本開示の一般的な概要を提供し、その全範囲またはその特徴のすべての包括的な開示ではない。
【0007】
本開示の一形態では、ヒータが提供される。ヒータは、窒化アルミニウム(AlN)基板および加熱層を備える。加熱層は、モリブデン(Mo)材料で形成され、液相拡散接合を介してAlN基板に接合される。
【0008】
本開示の別の形態では、ヒータは、配線層と、加熱層を配線層に接続する複数の第1の導電ビアとをさらに備える。本開示のいくつかの形態では、配線層および複数の第1の導電ビアは、モリブデン材で形成される。そのような形態では、配線層および複数の第1の導電ビアのうちの少なくとも1つは、液相拡散接合によってAlN基板に接合される。
【0009】
本開示の少なくとも1つの形態では、ヒータは、配線層をAlN基板の表面に接続する複数の第2の導電ビアをさらに備える。いくつかの変形例では、複数の第2の導電ビアは、モリブデン材で形成され、液相拡散接合を介して、AlN基板に接合されてもよい。
【0010】
本開示の一形態において、AlN基板は、液相拡散接合を介して、加熱層および配線層と共に接合された複数のプレート部材を含む。いくつかの形態では、複数のプレート部材は、モリブデン材で形成された複数の第1の導電ビアが貫通する第1のプレート部材および第2のプレート部材を含む。そのような変形例では、加熱層は、第1のプレート部材および/または第2のプレート部材内に埋め込まれる。また、第1のプレート部材と第2のプレート部材との間の平均表面粗さは、5μm未満であり得る。本開示の一形態では、第3のプレート部材が含まれ、モリブデン材で形成された配線層は、第2のプレート部材および/または第3のプレート部材内に埋め込まれ、複数の第1の導電ビアと電気的に接触している。
【0011】
本開示の少なくとも1つの態様において、複数のプレート部材は、第1のプレート部材と、モリブデン材で形成された複数の第1の導電ビアが貫通する第2のプレート部材と、モリブデン材で形成された複数の第2の導電ビアが貫通する第3のプレート部材と、を含む。加熱層は、第1のプレート部材、および/または第2のプレート部材内に埋め込まれている。
【0012】
本開示の多数の形態は、モリブデン材で作られた終端層の少なくとも1つをさらに備える。
【0013】
本開示の他の形態では、ヒータは、複数のプレート部材を備えたAlN基板と、AlN基板内に配置されたモリブデン材から作製された加熱層と、を備える。複数のプレート部材は、複数のプレート部材間の1つ以上の液相拡散接合を介して、互いに接合される。いくつかの形態では、モリブデン材はモリブデンおよびシリコンを含む。そのような態様では、液相拡散接合は、モリブデン-シリコン(Mo-Si)合金、および/またはMo-Si金属間化合物を含むことができる。
【0014】
本開示の少なくとも1つの形態では、ヒータは、配線層と、加熱層を配線層に接続する複数の第1の導電ビアとを含む。配線層および複数の第1の導電ビアはモリブデン材で形成され、配線層および複数の第1の導電ビアの少なくとも一方は、液相拡散接合を介して、AlN基板に接合される。複数のプレート部材は、第1のプレート部材と、モリブデン材で形成された複数の第1の導電ビアが貫通する第2のプレート部材と、モリブデン材で形成された複数の第2の導電ビアが貫通する第3のプレート部材と、を含むことができる。加熱層は、第1のプレート部材および/または第2のプレート部材内に埋め込まれ、液相拡散接合を介して、第1のプレート部材に接合される。配線層は、第2のプレート部材および/または第3のプレート部材内に埋め込まれ、液相拡散接合を介して、第3のプレート部材に接合される。
【0015】
本開示のさらに別の形態では、ヒータを形成する方法が提供される。この方法は、モリブデン材で形成された加熱層をAlN基板に接合する液相拡散接合を含む。液相拡散接合は、AlN基板および加熱層を1400℃を超える温度に加熱することを含む。例えば、いくつかの形態では、モリブデン材はモリブデンおよびシリコンを含み、シリコンが融解して加熱層およびAlN基板に拡散し、それらの間の液相拡散接合を形成するように、加熱層およびAlN基板は1400℃を超えて加熱される。このような態様では、シリコンが加熱層に拡散すると、モリブデン金属間化合物を形成することができる。例えば、シリコンが加熱層中に拡散すると、Mo-Si合金および/またはMo-Si金属間化合物を形成することができる。
【0016】
本開示の別の形態では、本方法は、モリブデン材で形成された配線層を、AlN基板に液相拡散接合することを含む。そのような形態では、複数の第1の導電ビアがAlN基板内に配置され、加熱層を配線層に接続することができる。また、本方法は、AlN基板内に複数の第2の導電ビアを配置することを含むことができ、複数のビアは、配線層をAlN基板の外面に接続することができる。
【0017】
さらなる適用領域は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。説明および特定の例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0018】
本開示が十分に理解され得るように、添付の図面を参照して、例として与えられるその様々な形態がここで説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示の教示により構成されたセラミックヒータの断面図である。
図2A】第2のプレート部材の断面図である。
図2B】トレンチおよびビアを有する、図2Aの第2のプレート部材である。
図2C】モリブデン層が第2のプレート部材の外側面上およびトレンチ内に堆積された、図2Bの第2のプレート部材である。
図2D】モリブデン層が第2のプレート部材の外側面から除去された、図2Cの第2のプレート部材である。
図2E】シリコン層が第2のプレート部材のトレンチ内の外側面およびモリブデン層上に堆積された、図2Dの第2のプレート部材である。
図2F】シリコン層が第2のプレート部材の外側面から除去された、図2Eの第2のプレート部材である。
図2G】締結具が第2のプレート部材のビア内に堆積された、図2Fの第2のプレート部材である。
図2H図2Gの第1のプレート部材、第2のプレート部材、および第3のプレート部材の断面図である。
図2I】プレート部材を互いに液相拡散接合する前の、図2Hの第1のプレート部材、第2のプレート部材、および第3のプレート部材のアセンブリである。
図3】本開示の教示により構成された、別のセラミックヒータの断面図である。
図4】加熱ゾーンの第1の構成を有する、図3のセラミックヒータの上面図である。
図5】加熱ゾーンの第2の構成を有する、図3のセラミックヒータの上面図である。
図6図5のセラミックヒータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書に記載の図面は、例示のみを目的としており、決して本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0021】
以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、用途、または使用を限定することを意図するものではない。図面を通して、対応する参照番号は、同様のまたは対応する部分および特徴を示すことを理解されたい。実施例は、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるために提供される。本開示の変形例の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、デバイス、および方法の種類など、多数の特定の詳細が記載されている。特定の詳細を採用する必要はなく、本明細書で提供される例は代替の実施形態を含むことができ、本開示の範囲を限定することを意図しないことが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術は詳細に説明されていない。
【0022】
図1を参照すると、本開示の教示に従って構成されたセラミックヒータ10が示されている。一形態では、セラミックヒータ10は、窒化アルミニウム(AlN)などのセラミック材料で作られた基板110と、熱を発生させるための加熱層130と、終端層132と、ビア134と、導電ビア140とを備える。ビア134は、加熱層130と終端層132との間に配置され、加熱層130と終端層132とを接続する。図示するように、セラミックヒータ10は、半導体プロセスにおける支持台の一部として使用される。しかしながら、セラミックヒータは、本開示の範囲内に留まりながら、例として、とりわけ押出機装置、射出成形装置、化学反応器などの他の用途に使用されてもよいことを理解されたい。
【0023】
基板110は、その上のターゲットを加熱するための第1の面112と、そこから端子配線(図3)が延びる第2の面114とを画定する。支持台を形成するために、管状シャフト(図3)がセラミックヒータ10の第2の面114に接合され、端子配線を囲むことができる。
【0024】
基板110は、複数のプレート部材122,124,126を含んでいてもよい。複数のプレート部材122,124,126は、概ね平坦な構成を有しており、図示例では、三つのプレート部材122,124,126が示されているが、基板110は、任意の数のプレート部材を含んでいてもよい。この例示的な形態では、プレート部材は平坦であるが、本開示の教示は、本開示の範囲内に留まりながら、湾曲形状または非線形形状を含む様々な形状に適用可能であり得ることを理解されたい。一形態における第1のプレート部材122と第2のプレート部材124との間、あるいは第2のプレート部材124と第3のプレート部材126との間の隣接面の平均表面粗さは、5μm未満、例えば100nm~5μmである。いくつかの形態では、任意の一方の表面の平均表面粗さは、100nm~1.5μm、例えば100nm~750nmまたは100nm~500nmである。
【0025】
加熱層130は、第1のプレート部材122および第2のプレート部材124の内部または間に、埋め込まれている。本開示のいくつかの形態では、加熱層130は、第1のプレート部材122および/または第2のプレート部材124内に埋め込まれている。すなわち、加熱層130は、本開示の範囲内において、第1のプレート部材122内に配置されていてもよいし、第2のプレート部材124内に配置されていてもよいし、第1のプレート部材122および第2のプレート部材124内に配置されていてもよい。
【0026】
終端層132は、第2のプレート部材124および/または第3のプレート部材126の内部に埋め込まれている。いくつかの形態では、終端層132は、第2のプレート部材124および/または第3のプレート部材126に配置されてもよい。すなわち、終端層132は、本開示の範囲内において、第2のプレート部材124内に配置されていてもよいし、第3のプレート部材126内に配置されていてもよいし、第2のプレート部材124および第3のプレート部材126内に配置されていてもよい。本開示の一形態において、加熱層130、終端層132、およびビア134の少なくとも1つは、モリブデンまたはモリブデン合金である。
【0027】
さらに示すように、一形態の導電ビア140は、ヘッド142、シャフト144、およびキャップ146を含む。一形態のキャップ146はナット構成をとり、シャフト144はビア134の内側にねじ込まれ、キャップ146はシャフト144にねじ込まれる。少なくとも一形態では、ヘッド142、シャフト144、およびキャップ146は、モリブデンまたはモリブデン合金である。さらに、ヘッド142、シャフト144、およびキャップ146は、同じまたは異なるモリブデン材を含む。一形態では、凹部150(または空洞)は、導電ビア140と第1のプレート部材122との間にあり、および/または空間152は、導電ビア140と第2のプレート部材124との間にある。そのような凹部または空洞150,152は、導電ビア140とAlN基板110との間の熱膨張に対応することを理解されたい。別の形態では、導電ビア140と第1のプレート部材122との間、および/または導電ビア140と第2のプレート部材124との間には、凹部または空洞は存在しない。このような形態では、ヘッド142の少なくとも一部は、第3のプレート部材126に接合(例えば、ろう付けまたは液相拡散接合)され、および/または、キャップ146の少なくとも一部は、第1のプレート部材122に接合される。
【0028】
本開示の教示によれば、加熱層130および終端層132の少なくとも一方は、以下でより詳細に説明するように、プレート部材122,124および126の少なくとも一方に接合された液相拡散(TLP)接合である。また、導電ビア140は、加熱層130、終端層132、およびプレート部材122,124,126の少なくとも一つに接合された液相拡散接合であってもよいし、液相拡散接合でなくてもよい。本開示の少なくとも一形態では、加熱層130は、加熱層130、終端層132および導電ビア140が基板110内に密閉封止されるように、基板110内に液相拡散接合され、それによって、特定の用途では必要とされるはずの密閉分離が不要となる。
【0029】
一形態の加熱層130は、5~200μm、例えば、20μm~50μm、50μm~100μm、100μm~150μmまたは150μm~200μmの厚さを有する。終端層132は、一般に、加熱層130よりも厚く、その結果、より低い電力密度が得られ、加熱層130内により高い電力密度を導き、終端層132内の電力密度を低下させる。
【0030】
ここで図2A図2Iを参照すると、本開示の教示によるセラミックヒータ10を製造する方法が提供される。
【0031】
図2Aに示すように、本方法は、ステップ(Step)202において第2のプレート部材124を設けることを含む。他の特徴の中でも、第2のプレート部材124は、第2の面125に対向して配置された第1の面123を有する。
【0032】
図2Bに示すように、ステップ(Step)204において、第2のプレート部材124には、少なくとも一つの第1のトレンチ124a、ビア124bおよび第2のトレンチ124cが形成される。第1のトレンチ124aは、第1の面123に形成され、第2のトレンチ124cは第2の面125に形成されている。すなわち、第1のトレンチ124aは第1の面123から第2の面125に向かって(+z方向に)延びており、第2のトレンチ124cは第2の面125から第1の面123に向かって(-z方向に)延びている。ビア124bは、第1のトレンチ124aと第2のトレンチ124cとの間に延びている。本明細書に開示されている第1のトレンチ124a、第2のトレンチ124c、およびビア124b、ならびに他のトレンチおよびビアは、任意の既知の、またはまだ開発されていない材料除去技術を使用して形成することができることを理解されたい。材料除去技術の非限定的な例には、とりわけ、研削、レーザ切断、エッチング、機械加工、フォトリソグラフィ、およびサンドブラストまたはグリットブラストが含まれる。
【0033】
図2Cに示すように、ステップ(Step)206において、少なくとも1つのモリブデン(Mo)層50が、第1の面123、第1のトレンチ124a、第2のトレンチ124c、および第2の面125上または内部に堆積される。図2Cには示されていないが、モリブデン層50は、ビア124b内に少なくとも部分的に堆積することができる。モリブデン層50、および本明細書に開示される他の層は、任意の既知のまたはまだ開発されていない材料層堆積技術を使用して堆積することができることを理解されたい。材料層堆積技術の非限定的な例には、とりわけ、陰極アーク放電、コールドスプレー、化学蒸着(CVD)技術、物理蒸着(PVD)技術、ゾルゲル技術、スパッタリング、および真空プラズマ溶射が含まれる。
【0034】
図2Dに示すように、モリブデン層50の少なくとも一部または厚さ(z方向)は、第1の面123および第2の面125の上に延在または堆積され、ステップ(Step)208で除去される。いくつかの形態では、モリブデン層50は、第1の面123および第2の面125から実質的に除去される。しかしながら、図に示されるように、モリブデン層50は、第1のトレンチ124aおよび第2のトレンチ124c内に残る。本開示の一形態では、モリブデン層50が第1の面123および第2の面125から除去された後の第2のプレート部材124の平均表面粗さは、5μm未満、例えば100nmから5μmの間である。モリブデン層50、および本明細書に開示される他の層は、任意の既知のまたはまだ開発されていない層除去技術を使用して除去することができることを理解されたい。層除去技術の非限定的な例には、とりわけ、ラッピング、研磨、および化学機械研磨(CMP)が含まれる。
【0035】
図2Eに示すように、ステップ(Step)210において、少なくとも1つのシリコン(Si)層52が、第1および第2のトレンチ124a、124c内に配置されたモリブデン層50上、ならびに第1の面123および第2の面125上に堆積される。図示されていないが、シリコン層52は、ビア124b内に少なくとも部分的に堆積することができる。
【0036】
図2Fに示すように、第1の面123および第2の面125の上に延在する、または堆積されたシリコン層52の少なくとも一部または厚さ(z方向)は、ステップ(Step)212で除去される。いくつかの形態では、シリコン層52は、第1の面123および第2の面125から実質的に除去される。しかしながら、図に示すように、シリコン層52は、第1のトレンチ124aおよび第2のトレンチ124c内に配置されたモリブデン層50の上に残る。これにより、第1のトレンチ124aおよび第2のトレンチ124c内には、シリコン薄膜層52が配置されたモリブデン層50が設けられる。モリブデン層50の厚さの非限定的な例は、5μm~200μm、例えば10μm~40μmの範囲である。シリコン層52の厚さの非限定的な例は、100nm~10μm、例えば0.5μm~3μmの範囲である。本開示のいくつかの態様では、シリコン層52が第1の面123および第2の面125から除去された後の第2のプレート部材124の平均表面粗さは、5μm未満、例えば100nmから5μmの間である。
【0037】
本開示の変形例では、ステップ(Step)208はステップ(Step)212と組み合わされる。すなわち、ステップ(Step)206でモリブデン層50が堆積され、ステップ(Step)208は省略され、ステップ(Step)210でシリコン層52がモリブデン層50上に堆積され、ステップ(Step)212で、第1の面123および第2の面125上に延在または堆積された、モリブデン層50およびシリコン層52が除去される。
【0038】
図2Gに示すように、導電ビア140のシャフト144は、ステップ(Step)214でビア124b内に配置される。ヘッド142は、第2のトレンチ124c内のモリブデン層50の上に堆積されたシリコン層52の上に接触して配置され、キャップ146は、第1のトレンチ124a内のモリブデン層50の上に堆積されたシリコン層52の上に接触して配置される。
【0039】
図2Hに示すように、ステップ216において、第1のプレート部材122および第3のプレート部材126が設けられる。本開示のいくつかの態様では、第1のプレート部材122は、内側面121と、内側面121内に形成されたトレンチ122aとを備え、第3のプレート部材126は、内側面127と、内側面127内に形成されたトレンチ126aとを備える。また、第1のプレート部材122、第2のプレート部材124、および第3のプレート部材126は、導電ビア140のヘッド142の上方(+z方向)にトレンチ122aが位置合わせされ、導電ビア140のキャップ146の下方(-z方向)にトレンチ126aが位置合わせされるように組み付けられている。
【0040】
ここで図2Iを参照すると、第1のプレート部材122、第2のプレート部材124、および第3のプレート部材126は、ステップ(Step)218において互いに接触して配置され、シリコン層52が溶融し、プレート部材122,124,126の間に液相拡散接合が形成されて図1のセラミックヒータ10を作成するように高温に加熱される。例えば、図2Iに示す第1のプレート部材122、第2のプレート部材124、第3のプレート部材126および導電ビア140のアセンブリは、炉「F」内に配置され、シリコンの溶融温度(1414℃)を超える温度に加熱することができる。シリコン層52中のシリコンは溶融して隣接するモリブデン層50および隣接するプレート部材122,126に拡散し、それらの間に液相拡散接合が形成される。特に、第1のトレンチ124a内のモリブデン層50の上に配置されたシリコン層52は、溶融してモリブデン層50および第3のプレート部材126の重なり合う内側面127に拡散し、モリブデン層50と第3のプレート部材126との間に液相拡散接合が形成される。また、第2のトレンチ124c内のモリブデン層50の上に配置されたシリコン層52が溶融し、モリブデン層50および第1のプレート部材226の重なり合う内側面121に拡散し、モリブデン層50と第3のプレート部材126との間に液相拡散接合が形成される。本開示のいくつかの形態では、第1のトレンチ124a内のモリブデン層50の上に配置されたシリコン層52が溶融して導電ビア140のキャップ146内に拡散し、第2のトレンチ124c内のモリブデン層50の上に配置されたシリコン層52が溶融して導電ビア140のヘッド142内に拡散し、それらの間に液相拡散接合が形成される。
【0041】
理論に束縛されるものではないが、モリブデン層50へのシリコンの拡散は、Mo-Si合金またはMo-Si金属間化合物を含んでも含まなくてもよいMo-Si拡散層の形成をもたらすことを理解されたい。例えば、モリブデン層50へのシリコンの拡散は、二珪化モリブデン(MoSi2)層またはMoSi2析出物を含むMo-Si拡散層、との液相拡散接合の形成をもたらすことができる。また、第1のプレート部材122および第3のプレート部材126のそれぞれの内側面121,127へのシリコンの拡散は、Al-Si合金、Al-Si金属間化合物および/またはAlN-Si金属間化合物を含んでも含まなくてもよいAlN-Si拡散層の形成をもたらす。モリブデン層50および隣接する内側面121,127へのシリコンの拡散は、例えば、MoSi2析出物が形成され、モリブデン層50と隣接する内側面121,127との間の接合境界面(すなわち、液相拡散接合)が形成されるときに、シリコンの等温固体化をもたらすことも理解されるべきである。このようにして、プレート部材122,124,126が互いに接合されて、モリブデン加熱層130およびモリブデン終端層132を有する基板110を形成する。
【0042】
図2A図2Iは、プレート部材122,124,126の液相拡散接合を示しているが、セラミックヒータ10の一部のろう付けを含むことができることを理解されたい。例えば、プレート部材122,124および/または126の外径面を互いにろう付けして基板110の外径を封止し、それによってセラミックヒータ10の使用中に加熱層130、終端層132および導電ビア140から半導体ウェハ処理チャンバへの蒸気の漏れまたはガス放出を防止することができる。一形態では、所望のろう付け領域の外側のろう付け合金の流れを閉じ込めて、所望のろう付け領域を減少させるために、プレート部材122,124,126のうちの1つまたは複数にトレンチを形成することができる。
【0043】
ここで図3を参照すると、本開示の別の開示において、本開示の教示に従って構成されたセラミックヒータ30が示されている。セラミックヒータ30は、窒化アルミニウム(AlN)などのセラミック材料で作られた基板310と、熱を発生させるための加熱層330と、配線層340と、1つまたは複数の第1の導電ビア350と、1つまたは複数の第2の導電ビア370と、基板シャフト380とを備える。第1の導電ビア350は、加熱層330を配線層340に接続するために加熱層330と配線層340との間に配置され、第2の導電ビア370は、配線層340と少なくとも1つの端子配線390との間に配置される。セラミックヒータ30は、半導体処理における支持台の一部として用いられてもよい。
【0044】
基板310は、その上のターゲットを加熱するための第1の面312と、少なくとも一つの端子配線390がそこから延びる第2の面314とを画定する。支持台を形成するために、基板シャフト380は、接合層382(例えば、液相拡散接合層)を介して基板310の第2の面314に接合され、少なくとも一つの端子配線390を囲む。基板310は、複数のプレート部材322,324,326を含んでいてもよい。複数のプレート部材322,324,326はそれぞれ平板状の構成を有しており、図示例では三つのプレート部材322,324,326が示されているが、基板310は任意の数のプレート部材を含んでいてもよい。第1のプレート部材322と第2のプレート部材324との間、ならびに、第2のプレート部材324と第3のプレート部材326と間の隣接面の平均表面粗さは、5μm未満、例えば100nm~5μmである。
【0045】
加熱層330は、第1のプレート部材322および/または第2のプレート部材324の内部に埋め込まれている。本開示のいくつかの形態では、加熱層330は、第1のプレート部材322および/または第2のプレート部材324に配置される。すなわち、加熱層330は、本開示の範囲内において、第1のプレート部材322、第2のプレート部材324、または、第1のプレート部材322および第2のプレート部材324に配置されてもよい。配線層340は、第2のプレート部材324および/または第3のプレート部材326内に埋め込まれている。いくつかの形態では、配線層340は、第2のプレート部材324および/または第3のプレート部材326の上または部分的に配置されてもよい。すなわち、配線層340は、本開示の範囲内において、第2のプレート部材324、第3のプレート部材326、または、第2のプレート部材324および第3のプレート部材326に配置されてもよい。加熱層330と配線層340との間の第2のプレート部材324内の第1の導電ビア350の少なくとも1つ、および/または第3のプレート部材326内の第2の導電ビア360の少なくとも1つは、それぞれ第2のプレート部材324または第3のプレート部材326の側面に沿ったトレンチ(図示せず)であってもよい。本開示のいくつかの形態では、加熱層330、配線層340、第1の導電ビア350、および第2の導電ビア370のうちの少なくとも1つは、モリブデンまたはモリブデン合金である。
【0046】
本開示の一形態では、加熱層330は少なくとも1つの加熱要素332を含み、配線層340は複数の配線層要素342を含む。例えば、加熱層330は、とりわけ、複数の円形配置された加熱要素332および/または複数の蛇行配置された加熱要素332を含むことができる。また、加熱層330は、以下により詳細に説明するように、複数の別個の独立して制御された加熱ゾーンを画定することができる。
【0047】
本開示のいくつかの形態では、第1の導電ビア350は、ヘッド362、シャフト364、およびキャップ366を含む締結具360を含む。このような形態では、締結具360は、第2のプレート部材324を貫通して延び、少なくとも一態様では、ヘッド362、シャフト364、およびキャップ366は、モリブデンまたはモリブデン合金である。第2の導電ビア370は、締結具(図示せず)を含むことができる。代替的に、またはそれに加えて、第1の導電ビア350および/または第2の導電ビア370は、第2のプレート部材324および第3のプレート部材326にそれぞれ配置された、とりわけロッド、ピン、シャフトから形成されてもよい。
【0048】
基板310は、基板110に関して上述したように、液相拡散接合を使用して製造されることを理解されたい。例えば、本開示の一形態では、トレンチおよびビア(符号なし)が第2のプレート部材324に形成され、モリブデン層がトレンチ内に堆積され、第2のプレート部材324の外側面から除去される。トレンチ内のモリブデン層上にシリコン層が堆積され、第2のプレート部材324の外側面からシリコン層を除去し、導電ビア360が第2のプレート部材322のビアを貫通して挿入される。第3のプレート部材326にはトレンチおよびビア(符号なし)が形成され、プレート部材322,324,326が組み立てられ、お互いに液相拡散接合される。また、基板シャフト380にトレンチ(符号なし)が形成され、Mo-Si接合層がトレンチ内に堆積されて、基板シャフト380が組み立てられ、プレート部材322,324,326の液相拡散接合の前、最中、または後に第3のプレート部材に液相拡散接合される。
【0049】
ここで図4を参照すると、本開示の一形態によるセラミックヒータ30の上面図(-z方向)が示されている。加熱層330をより詳細に示すために、第1のプレート部材322は図4には示されていない。図4に示すセラミックヒータ30は、複数のモリブデン加熱要素332と、複数の配線層340と、複数のモリブデン加熱要素間に延在し、複数の配線層340に複数のモリブデン加熱要素を電気的に接続する複数の導電ビア350とを含む。また、図4に示すセラミックヒータ30は、6つの別個の独立して制御される熱ゾーン334を含む。
【0050】
ここで図5を参照すると、本開示の別の形態によるセラミックヒータ30(第1のプレート部材322なし)の上面図(-z方向)が示されている。図4に示すセラミックヒータ30と同様に、図5に示すセラミックヒータ30は、複数のモリブデン加熱要素332と、複数の配線層340と、複数のモリブデン加熱要素間に延在し、複数の配線層340に複数のモリブデン加熱要素を電気的に接続する複数の導電ビア350とを含む。また、図5に示すセラミックヒータ30は、6つの別個の独立して制御される熱ゾーン336を含む。
【0051】
ここで図6を参照すると、図5のセラミックヒータの斜視図が、6つの熱ゾーン336、基板シャフト380、および端子配線390と共に示されている。
【0052】
図面は、一般に、プレート部材を液相拡散接合するために使用されるMo-Si層または組成物を用いて記載されているが、本開示の教示は、プレート部材を液相拡散接合するための他の組成物を含むことを理解されたい。本明細書に記載のプレート部材を互いに液相拡散接合するために使用することができる組成物の非限定的な例には、とりわけ、チタン-アルミニウム層、パラジウム-アルミニウム層、マンガン-アルミニウム層、ニオブ-シリコン層、およびタングステン-シリコン層が含まれる。
【0053】
ある要素または層が別の要素または層に対して「上に(on)」、「係合される(engaged to)」、または「結合される(coupled to)」と言及される場合、それは他の要素または層に対して、直接、上に、係合され、接続され、または結合されてもよく、あるいは介在する要素または層が存在してもよい。対照的に、ある要素が別の要素または層に対して「直接上に(directly on)」、「直接係合される(directly engaged to)」、「直接接続される(directly connected to)」、または「直接結合される(directly coupled to)」と言及される場合、介在する要素または層は存在しなくてもよい。要素間の関係を説明するために使用される他の単語も同様に解釈されるべきである(例えば、「間に」対「直接間に」、「隣接する」対「直接隣接する」などである)。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0054】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層および/または部分を説明するために使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層および/または部分は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層および/または部分を、別の要素、構成要素、領域、層および/または部分から区別するためにのみ使用され得る。「第1」、「第2」などの用語、および他の数値用語は、本明細書で使用される場合、文脈によって明確に示されない限り、順序または順序を意味しない。したがって、第1の要素、構成要素、領域、層または部分は、例示的な形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層または部分と呼ぶことができる。さらに、要素、構成要素、領域、層または部分は、「第1の」要素、構成要素、領域、層または部分と呼ばれる、要素、構成要素、領域、層またはセクションを必要とせずに、「第2の」要素、構成要素、領域、層またはセクションと呼ばれてもよい。
【0055】
「内側(inner)」、「外側(outer)」、「真下(beneath)」、「下方(below)」、「下側(lower)」、「上方(above)」、「上側(upper)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示すように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するための説明を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図され得る。例えば、図中のデバイスがひっくり返された場合、他の要素または特徴の「下方(below)」または「真下(beneath)」にあると記載された要素は、他の要素または特徴の「上方(above)」に位置づけられる。したがって、「下方(below)」という例示的な用語は、上方または下方の両方の向きを包含することができる。装置は、他の方向に向けられ(90度または他の向きに回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
【0056】
本明細書で使用される場合、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという語句は、非排他的論理ORを使用して論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0057】
他に明示的に示されない限り、機械的/熱的特性、組成百分率、寸法および/または公差、または他の特性を示すすべての数値は、本開示の範囲を説明する際に「約(about)」または「およそ(approximately)」という単語によって修飾されると理解されるべきである。この変更は、工業的実施、製造技術、および試験能力を含む様々な理由で望まれる。
【0058】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図され得る。「含む(including)」および「有する(having)」という用語は包括的であり、したがって、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。本明細書に記載された方法ステップ、プロセス、および動作は、実行の順序として具体的に特定されない限り、必ずしも説明または図示された特定の順序でそれらの実行を必要とすると解釈されるべきではない。追加のまたは代替のステップが使用されてもよいことも理解されたい。
【0059】
本開示の説明は、本質的に単なる例示であり、したがって、本開示の内容から逸脱しない例は、本開示の範囲内であることが意図される。そのような例は、本開示の精神および範囲からの逸脱と見なされるべきではない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および添付の特許請求の範囲を検討すると他の修正が明らかになるので、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
セラミック基板と、
加熱層であって、前記加熱層は、液相拡散接合を介して前記セラミック基板に接合されている、加熱層と、
を備えるヒータ。
[2]
配線層と、前記加熱層を前記配線層に接続する複数の第1の導電ビアと、をさらに備える、請求項1に記載のヒータ。
[3]
前記セラミック基板は、AlN基板であり、前記配線層および前記複数の第1の導電ビアはモリブデン材で形成され、前記配線層および前記複数の第1の導電ビアのうちの少なくとも一方は、前記液相拡散接合を介して、前記AlN基板に接合される、請求項2に記載のヒータ。
[4]
前記配線層を前記AlN基板の表面に接続する複数の第2の導電ビアを、さらに備える、請求項3に記載のヒータ。
[5]
前記AlN基板は、液相拡散接合を介して前記モリブデン材とともに接合された複数のプレート部材を含む、請求項3に記載のヒータ。
[6]
前記複数のプレート部材は、前記モリブデン材で形成された前記複数の第1の導電ビアが貫通する第1のプレート部材および第2のプレート部材を含む、請求項5に記載のヒータ。
[7]
前記加熱層は、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材の少なくとも一方の内部に埋め込まれている、請求項6に記載のヒータ。
[8]
前記第1のプレート部材と前記第2のプレート部材との間の平均表面粗さは、5μm未満である、請求項6に記載のヒータ。
[9]
前記第2のプレート部材および第3のプレート部材の少なくとも一方の中に埋め込まれ、前記複数の第1の導電ビアと接触する、前記モリブデン材で形成された配線層をさらに備える、請求項6に記載のヒータ。
[10]
終端部に接合された端子配線をさらに備える、請求項9に記載のヒータ。
[11]
前記第2のプレート部材および前記第3のプレート部材の少なくとも一方の中に埋め込まれた終端層材料をさらに備える、請求項6に記載のヒータ。
[12]
前記終端層は、モリブデンおよびシリコンを含む、請求項11に記載のヒータ。
[13]
前記加熱層と前記AlN基板との間に、モリブデン-シリコン(Mo-Si)合金およびMo-Si金属間化合物の少なくとも一方をさらに備える、請求項12に記載のヒータ。
[14]
前記複数のプレート部材は、第1のプレート部材と、前記モリブデン材で形成された複数の第1の導電ビアが貫通する第2のプレート部材と、前記モリブデン材で形成された複数の第2の導電ビアが貫通する第3のプレート部材とを含む、請求項5に記載のヒータ。
[15]
前記加熱層は、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材の少なくとも一方に埋め込まれている、請求項14に記載のヒータ。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図3
図4
図5
図6